画像形成装置及び画像形成方法
【課題】 本発明は、画像品質に影響を与える像担持体、転写ローラ、定着ローラなど回転体や、現像剤や転写材など移動体の表面近傍の相対湿度を精度良く高速に測定することにより、測定した相対湿度から個別にフィードバック制御を行うことで安定した画像品質が得られる。
【解決手段】 本発明の画像形成装置は、画像形成装置内部における測定対象部材の表面温度を測定する非接触方式の温度センサと、画像形成装置内部における測定対象部材の近傍雰囲気の絶対湿度を測定する湿度センサと、測定した表面温度と絶対湿度を用いて画像形成装置内部における測定対象部材の表面近傍の相対湿度を演算する相対湿度演算部とを有する相対湿度測定装置を具備し、相対湿度測定装置によって演算された相対湿度に基づいて画像形成処理における各画像形成条件を決定し、決定した各画像形成条件に基づいて画像形成を行う。
【解決手段】 本発明の画像形成装置は、画像形成装置内部における測定対象部材の表面温度を測定する非接触方式の温度センサと、画像形成装置内部における測定対象部材の近傍雰囲気の絶対湿度を測定する湿度センサと、測定した表面温度と絶対湿度を用いて画像形成装置内部における測定対象部材の表面近傍の相対湿度を演算する相対湿度演算部とを有する相対湿度測定装置を具備し、相対湿度測定装置によって演算された相対湿度に基づいて画像形成処理における各画像形成条件を決定し、決定した各画像形成条件に基づいて画像形成を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置及び画像形成方法に関し、詳細には電子写真方式により画像を形成する複写機、レーザビームプリンタ、デジタル複合機などの画像形成装置内部の相対湿度値に依存して変化する特性値に対して、その対象物の表面近傍の相対湿度測定を行い、各種特性値の制御及び各部の環境制御を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式により画像を形成する複写機、レーザビームプリンタ、デジタル複合機など画像形成装置の特性値変化、例えば像担持体表面に生成されるフィルミングによる吸湿、現像剤の帯電量変化、転写材の含水分量など、相対湿度値に依存しているものも多く、いずれも画像劣化、画像濃度の変化など出力画像に変化を与えることから、画像形成装置の環境制御や、環境フィードバック制御を行う上では相対湿度情報が重要である。
【0003】
このような電子写真装置内部の相対湿度測定を、湿度センサまたは温度補償を行うための温度センサを組み合わせた温湿度センサを、測定対象物の近傍に設置して行い、環境制御や環境フィードバック制御を行う技術としては、従来よりいくつか提案されている。その一つとしての特許文献1には、作像部周囲の湿度を測定し、その測定値を用いた判断から像流れに対応した各種制御に展開することが提案されている。また、特許文献2では、現像器内部に湿度センサを設置し、その測定値から現像剤の帯電量に対応した各種制御に展開することや、現像器内に湿度センサを設置する際に課題となるトナー汚染からの考慮を提案している。更に、特許文献3では、用紙搬送路上を搬送される用紙表面と近接して対向する位置に湿度センサを設置し、湿度センサから得られた相対湿度値によって用紙の含水分量を求めることを提案している。また、特許文献4では、画像形成装置内部へ流入する水蒸気量を測定して絶対湿度を測定する1つの湿度センサと、画像形成装置内部に複数配置された温度センサを用い、電子写真装置各部の相対湿度を測定し、その測定値から画像形成装置の各種制御に展開することを提案している。
【0004】
また、複数の検出部で構成されたセンサを用い、雰囲気や、測定対象物表面の状態を測定する従来の技術が、以下のような特許文献5〜7に提案されている。先ず、特許文献5では、温度センサと絶対湿度センサあるいは露点センサを用い雰囲気の相対湿度を測定することを提案している。また、特許文献6では、非接触温度センサと露点センサを用い、測定対象物表面のガスや水蒸気の凝結を測定することを提案している。更に、特許文献7では、温度センサと、温湿度センサを用い、測定対象物表面の湿度状態を測定することを提案している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1によれば、像流れの原因としては像担持体表面のフィルミングが考えられ、上述したように相対湿度値に依存して発生するため、使用する湿度センサは相対湿度センサを用いることになる。しかし、像担持体などの回転体の相対湿度を測定する場合、相対湿度センサ、または温度補償を行うための温度センサを組み合わせた温湿度センサを、対象物に接触させることが困難なことから、センサは対象物から離れた位置に設置することになる。この場合、測定対象物とセンサの間に雰囲気(気体)が介在するため、測定対象物の温度を測定するのに多くの時間が必要であり、測定対象物の温度と測定対象物の雰囲気温度の平均的な値になってしまうことから、測定対象物の温度が把握できずに相対湿度値としては誤差を多く含んだ値となる。更には、温度補償に用いる熱電対、サーミスタ、白金測温抵抗体などの接触方式の温度センサにおける応答性能は、パッケージや設置状態による要素が大きいため、回転体や移動体など、接触させることが困難で、測定対象物から離れた状態で設置する場合は、測定対象物の急激な温度変化に追従できずに、さらに相対湿度値の誤差が発生してしまう課題があった。
【0006】
また、上記特許文献2によれば、現像剤における特性値の1つである帯電量は相対湿度値に依存すると考えられるので、上記特許文献1と同様、湿度センサは相対湿度センサを用いることになる。しかし、湿度センサにとっては汚染源となる現像剤の相対湿度を測定する場合、相対湿度センサまたは、温度補償を行うための温度センサを組み合わせた温湿度センサを、現像剤に接触させることが困難なことから、センサは現像剤から離れた位置に設置することになる。よって、上記特許文献1と同様に温度測定の遅れと設置方法に関する課題があり、精度良く高速に現像剤表面の相対湿度を測定することができないという課題があった。また、現像剤の湿度測定においては、半密閉状態の現像器内部に格納されている湿度状態と、現像器の外部雰囲気と接触している現像器のスリーブローラ表面から像担持体表面にかかる湿度状態とでは、異なることが容易に予想される。現像剤の湿度状態を把握し画像へ展開するためには、現像器のスリーブローラ表面から像担持体表面にかかる状態を把握することが重要である。
【0007】
更に、上記特許文献3によれば、用紙搬送路中を移動する用紙は高速であり、固定されたセンサ部に対して、用紙が通過する時間は限られてくる。精度良く通過する用紙の相対湿度を測定するために温度測定は、湿度測定と同等の応答速度を有する必要があり、その点についての考慮がなされていない。センサ部を通過する用紙表面の温度測定が湿度測定と同様に高速測定が可能になれば、相対湿度値としての精度は向上し、最終的に用紙の含水分値としての精度も向上できると考えられる。よって、精度良く高速に相対湿度の測定が行えず、結果として含水分としての誤差が大きくなる課題があった。
【0008】
また、上記特許文献4において用いる温度センサは、接触方式の温度センサを想定しており、画像形成装置各部の相対湿度を簡易的に使用し、それを低コストで実現したい場合は良いが、精度良く画像形成装置内部の部材の表面近傍の相対湿度を測定したい場合は、上記特許文献1及び上記特許文献2と同様の温度測定の遅れと設置方法に関する課題があり、精度良く高速に画像形成装置内部の部材の表面近傍の相対湿度を測定することができないという課題があった。また、絶対湿度の測定についても、個々の部品によって遮蔽され分離した空間毎に測定した方が、時間的な遅れは最小限にできると考えられる。
【0009】
更に、上記特許文献5によれば、使用する温度センサが雰囲気の温度を測定するものであることから、上記特許文献1、2、4と同様に接触方式の温度センサを用いることになる。よって、温度測定の遅れと設置方法に関する課題があり、精度良く高速に測定対象物の表面近傍の相対湿度を測定することができない課題があった。
【0010】
また、上記特許文献6によれば、光学式の露点センサを用いて雰囲気の露点温度を測定しているが、用いる非接触方式の温度センサと露点センサとの応答速度の差が大きく、この状態で算出された結果は誤差を多く含んだ値になる。温度センサと露点センサを組み合わせた測定では、温度センサの応答が高速であるだけでなく、温度センサの応答時間内で、露点センサは応答できることが重要である。よって、精度良く高速に測定対象物の表面状態を把握することができない課題があった。また、露点センサは構成される部品点数が多く、方式上光を反射させる空間が必要であることから物理的サイズを小さくすることが困難であり、設置箇所が制約されてしまう課題があった。
【0011】
更に、上記特許文献7によれば、接触方式の温度センサを用いて測定対象物の表面温度を検出しているため、回転体や移動体の表面温度を検出することは困難である。また、上記特許文献1、2、4、5と同様に温度測定の遅れに関する課題があり、さらには雰囲気の絶対湿度を測定する際に、温度センサ及び相対湿度センサを用いている。相対湿度を検出するセンサとしては、感湿材料の電気抵抗値あるいは電気容量が雰囲気中の湿度に感応して変化することを利用し、主に次に挙げるものが知られている。酸化鉄(Fe2O3,Fe3O4)、酸化錫(SnO2)などの金属酸化物の焼結体あるいは金属酸化膜を用いたもの、親水性高分子膜あるいは高分子電解質さらには繊維高分子を用いたもの、塩化リチウム(LiCl)等の電解質塩を用いたもの、及び吸湿性樹脂あるいは吸湿性高分子膜などに炭素等の導電性粒子または繊維を分散させたものなどがあるが、水分の吸脱着にかかる時間が必要で、高速に測定できない課題があった。よって、精度良く高速に測定対象物の表面近傍の相対湿度を測定することができない課題があった。
【0012】
本発明はこれらの問題点を解決するためのものであり、画像品質に影響を与える像担持体、転写ローラ、定着ローラなど回転体や、現像剤や転写材など移動体の表面近傍の相対湿度を精度良く高速に測定することにより、測定した相対湿度から個別にフィードバック制御を行うことで安定した画像品質が得られる画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記問題点を解決するために、本発明の画像形成装置は、帯電部によって予め帯電された像担持体上に露光部によって露光して形成された静電潜像を現像部によって現像して得られた可視像を転写材に転写部によって転写し、転写された転写材を定着部によって定着することにより画像形成処理を行う。そして、本発明の画像形成装置は、画像形成装置内部における測定対象部材の表面温度を測定する非接触方式の温度センサと、画像形成装置内部における測定対象部材の近傍雰囲気の絶対湿度を測定する湿度センサと、測定した表面温度と絶対湿度を用いて画像形成装置内部における測定対象部材の表面近傍の相対湿度を演算する相対湿度演算部とを有する相対湿度測定装置を具備している。本発明の画像形成装置によれば、相対湿度測定装置によって演算された相対湿度に基づいて画像形成処理における各画像形成条件を決定し、決定した各画像形成条件に基づいて画像形成を行うことに特徴がある。相対湿度を算出するために必要な温度測定に、非接触方式の温度センサを用いることで、回転体や移動体などセンサを接触させることができない、または接触させることが困難な場合でも表面温度を精度良く測定することができる。また、絶対湿度は単位体積あたりの水蒸気量を示すものであり、水蒸気は均一になろうとする性質があるので、絶対湿度を測定する湿度センサは測定対象部材の表面から離れた位置に設置した場合であっても、測定対象部材の表面近傍の絶対湿度と同等の測定値を得ることができる。従って、測定対象部材の表面温度と、測定対象部材の近傍雰囲気の絶対湿度を用いて演算した相対湿度に基づいて画像形成処理における画像形成条件を決定することにより、安定した画像品質が得られる画像形成装置を提供することができる。
【0014】
また、湿度センサは温度センサの応答時間内で絶対湿度を測定することにより、画像形成装置内部における測定対象部材の温度や、画像形成装置内部における測定対象部材周囲の湿度が急激に変化した場合であっても、時間遅れなく画像形成装置内部における測定対象部材の表面近傍の相対湿度を測定することができる。
【0015】
更に、温度センサと湿度センサとをMEMS技術で一体化集積することにより、センサ自体のサイズが小さくなり、また構成する部品が共有化できて部品点数を削減できる。よって、物理的サイズを小さくでき設置場所の自由度を向上することができる。
【0016】
また、測定対象部材は、像担持体、転写部及び定着部を構成する回転体であり、センサが接触できない、または接触させることが困難な当該回転体に対して、相対湿度測定装置を適切に設置することにより、当該回転体の表面近傍の相対湿度を精度良く測定することができる。
【0017】
更に、測定対象部材が像担持体を構成する回転体であって、相対湿度測定装置によって得られた像担持体の回転体の表面近傍の相対湿度値に基づいて、帯電部の帯電バイアスの制御、露光部の露光量の制御または像担持体に内蔵された加熱手段の温度制御を行う。よって、精度良く得られた像担持体を構成する回転体の表面近傍の相対湿度測定値を用いることにより、最適な帯電バイアスや、露光量または像担持体に内蔵された加熱手段の制御条件を決定することができる。
【0018】
また、測定対象部材が転写部を構成する回転体であって、相対湿度測定装置によって得られた転写部の回転体の表面近傍の相対湿度値に基づいて、転写部の転写バイアスの制御を行う。よって、精度良く得られた転写部の回転体の表面近傍の相対湿度測定値を用いることにより、最適な転写バイアスの制御条件を決定することができる。
【0019】
更に、測定対象部材は、現像器のスリーブローラ表面から像担持体の表面にかかる現像剤であり、センサが接触できない、または接触させることが困難な当該移動体に対して、相対湿度測定装置を適切に設置することにより、当該移動体の表層の相対湿度状態を精度良く測定することができる。
【0020】
また、測定対象部材が現像器のスリーブローラ表面から像担持体の表面にかかる現像剤であって、相対湿度測定装置によって得られた現像器のスリーブローラ表面から像担持体の表面にかかる現像剤表層の相対湿度値に基づいて、最適な現像部の現像バイアスの制御または現像部の現像剤の攪拌制御を行う。
【0021】
更に、測定対象部材は、給紙部に収納される転写材及び搬送経路を搬送される転写材であり、センサが接触できない、または接触させることが困難な当該移動体に対して、相対湿度測定装置を適切に設置することにより、当該移動体の表面近傍の相対湿度状態を精度良く測定することができる。
【0022】
また、測定対象部材が給紙部に収納される転写材及び搬送経路を搬送される転写材であって、相対湿度測定装置によって得られた転写材の表面近傍の相対湿度値に基づいて、給紙部内の温度制御、転写部の転写バイアスの制御または定着部の制御を行う。よって、最適な転写バイアスや、定着部における定着温度及び定着速度、または給紙部に設置されたヒータによる加熱制御条件を決定することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、画像形成装置内部における測定対象部材の表面近傍の相対湿度測定において、温度補償に用いる温度センサを非接触方式の温度センサを用いることで、高速かつ非接触で温度が測定でき、また非接触方式の温度センサの応答時間内で計測できる絶対湿度を測定する湿度センサを用い、これを画像形成装置内部の測定対象部材が配置されている空間と同一ヶ所に配置することにより、精度良くまた、時間遅れの無い測定をすることができる。また、非接触方式の温度センサと、絶対湿度を測定する湿度センサを集積することにより、設置場所の自由度を向上することができる。更に、非接触、かつ高速検知可能な相対湿度測定装置を、画像形成装置内のセンサが接触できない、または接触させることが困難な像担持体、転写部、定着部などの回転体や、現像剤、用紙などの移動体の近傍に、適切に設置することで、最適な環境制御、環境フィードバック制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の画像形成装置内部の時間経過に伴う温度変化を示す特性図である。
【図2】本発明の画像形成装置内部の時間経過に伴う相対湿度変化を示す特性図である。
【図3】本発明の画像形成装置内部の時間経過に伴う絶対湿度変化を示す特性図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る画像形成装置に用いられる相対湿度測定装置の構成を示す概略構成図である。
【図5】温度センサと湿度センサを集積した相対湿度測定装置の構成を示す図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す概略構成図である。
【図7】本発明の画像形成装置における測定結果の相対湿度による帯電バイアス制御及び露光制御を示すフローチャートである。
【図8】本発明の画像形成装置における測定結果の相対湿度による像担持体内蔵のヒータ制御を示すフローチャートである。
【図9】本発明の画像形成装置における測定結果の相対湿度による転写バイアス制御を示すフローチャートである。
【図10】本発明の画像形成装置における測定結果の相対湿度による現像バイアス制御を示すフローチャートである。
【図11】本発明の画像形成装置における測定結果の相対湿度による現像剤攪拌制御を示すフローチャートである。
【図12】本発明の画像形成装置における測定結果の相対湿度による転写材加温制御を示すフローチャートである。
【図13】本発明の画像形成装置における測定結果の相対湿度による転写バイアス制御及び定着制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0025】
10、201〜206;相対湿度測定装置、11;温度センサ、
12;湿度センサ、13;相対湿度演算装置、14;センサ、
15;回路基板、16;集光レンズ、17;フィルタ、
18;センサケース、19;信号線、20;測定対象部材、
100;画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は本発明の画像形成装置内部の時間経過に伴う温度変化を示す特性図、図2は本発明の画像形成装置内部の時間経過に伴う相対湿度変化を示す特性図、図3は本発明の画像形成装置内部の時間経過に伴う絶対湿度変化を示す特性図である。詳細には、図1〜図3は、画像形成装置内部の部材の温度Tが周囲や自己発熱によって上昇し、かつ画像形成装置内部の部材周囲の相対湿度RHも上昇した場合の、温度T(図1)、相対湿度RH(図2)、絶対湿度AH(図3)を示した各特性図である。また、図4は本発明の一実施の形態に係る画像形成装置に用いられる相対湿度測定装置の構成を示す概略構成図である。ここで、従来の相対湿度センサによる測定では接触方式の温度センサを用いて温度補償を行っている。接触方式の温度センサである、熱電対、サーミスタ、側温抵抗体などの応答時間は数秒〜数十秒と遅れが大きく、またセンサが部材表面から離れていることによって、部材の温度変化に追従できずにさらに応答遅れが発生する(図1の波形A、波形Cを参照)。このことにより、相対湿度の測定値としては温度測定値の遅れによって、周囲の相対湿度値が上昇しているのにも関わらず一度低下し、温度測定値が正常値に近づくにつれ上昇する。このように、実際の部材の表面近傍の相対湿度変化と、従来技術の相対湿度センサの測定値では異なる値を示す(図2の波形A、波形Cを参照)。画像形成装置内部の部材の表面近傍の相対湿度RH測定では、部材の温度Tを高速、かつ精度良く測定することが非常に重要である。これに対し、図4に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置に用いられる相対湿度測定装置10では、相対湿度RHを測定する際の温度補償用として使用する非接触方式の温度センサ11と、絶対湿度を測定する湿度センサ12とを用いる。非接触方式の温度センサ11は、測定対象部材20から放射される赤外線を検知するサーモパイルが用いられている。このサーモパイルは測定対象部材20の表面温度Tを非接触で測定できるだけでなく、接触方式の温度センサの応答時間と比較して、数ミリ秒〜数十ミリ秒と高速応答に優れている。従って、サーモパイルを用いた場合は、測定対象部材20の表面温度Tの変化に追従した測定値を得ることが可能である(図1の波形B、波形Cを参照)。
【0027】
また、絶対湿度AHを測定する湿度センサ12を、画像形成装置内部の測定対象部材20が配置される空間と同一ヶ所に配置する。絶対湿度AHは単位体積当たりの水蒸気量を示すものであり、この水蒸気は、均一になろうとする性質があるので、絶対湿度AHを測定する湿度センサ12は画像形成装置内部の測定対象部材20の表面から離れた位置に設置した場合であっても、画像形成装置内部の測定対象部材20の表面近傍の絶対湿度AHと同等の測定値を得ることができる。これは上記特許文献4に開示されている水蒸気量の変化における説明でも述べているが、画像形成装置内2ヶ所の作像ユニットの水蒸気量は、画像形成装置外部で発生した水蒸気量の上昇と、ほぼ同時刻で上昇を開始し、追従している。この理由としては、水蒸気量は温度に依存しないことや、排気ファンの影響が挙げられる。画像形成装置は、定着装置、光学ユニット、コントローラボードなどの自己発熱源の冷却や、定着装置による加熱により転写材から発生する水蒸気の排出や、作像ユニットの帯電器において発生する画像品質に有害な部質を排出することを目的とする排気ファンが複数搭載されており、これら複数搭載されているファンにより上記目的を達成するが、それと同時にファンは画像形成装置内へ外部環境の水蒸気を強制的に取り込んでいる状態になる。従って、画像形成装置内部の水蒸気量変化は、相対湿度変化と比較して時間的な遅れや、分布が非常に少ない。
【0028】
このように、本発明よりも広い範囲の空間を扱っていることになるが、その状態であっても水蒸気量変化の同時刻性を示している。但し、構成される個々の部品などによって気体や水蒸気の流れは変化する場合もあるので、図4の画像形成装置内部の測定対象部材20の近傍に湿度センサ12を配置した方が、時間的な遅れや分布の発生を最小限にできると考えられる。より精度良く画像形成装置内部の測定対象部材20の表面近傍の絶対湿度AHを測定し、相対湿度RHの測定に反映するためには、画像形成装置内部の測定対象部材20が配置される空間と同一ヶ所に湿度センサ12を配置することが望ましい。また、画像形成装置内部の測定対象部材20の周囲湿度が急激に変化した場合であっても、時間遅れなく相対湿度RHを測定するために湿度センサ12は、温度センサ11の応答時間内で計測できることが必要である。このことから、特許文献8に開示されているような半導体の薄膜成形技術を利用した熱伝導式のセンサを用いることにより、温度センサ11と同等の応答速度を得ることができ、絶対湿度AHの変化に追従した測定値を得ることが可能である(図3の波形A、波形Bを参照)。この非接触方式の温度センサ11で得られた温度Tと、湿度センサ12で測定した絶対湿度AHを用い、相対湿度値RHを図4の相対湿度演算装置13によって演算する。
【0029】
ここで、絶対湿度AH及び温度Tから相対湿度RHを求める式はいくつかあるが、ここでは簡易的な次の演算式を用いた。なお、式中の各記号のRH、AH、Tは、それぞれ相対湿度、絶対湿度、温度である。
RH=AH×100/((0.00794/(1+0.00366×T))×610.76×exp(17.11768×T/(234.7905+T)))
【0030】
図5は温度センサと湿度センサを集積した相対湿度測定装置の構成を示す図である。同図の(a)は概略斜視図であり、同図の(b)は概略側面図である。同図において、図4と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。同図に示すように、画像形成装置内部の測定対象部材の表面温度を測定する非接触方式の温度センサ11と、画像形成装置内部の測定対象部材の表面近傍の絶対湿度を測定する湿度センサ12を、MEMS技術を用い集積する。このように集積したセンサ14を回路基板15に電気的に接続し、さらに集光レンズ16及びフィルタ17が設けられたセンサケース18によってカバーされる。また、回路基板15と相対湿度演算装置13とを信号線19で電気的に接続する。
【0031】
図6は本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す概略構成図である。同図に示す本実施の形態の画像形成装置100は、像担持体101の周囲に、主として、帯電装置102、光書込装置103、現像装置104、転写ローラ105、クリーニング装置106が配置されている。また、転写材Pを収納する給紙部107が設けられている。この給紙部107から排紙トレイ108に向けて転写材Pが搬送される搬送経路109が形成されており、この搬送経路109上に、搬送ローラ120、レジストローラ121、定着装置122が配置されている。
【0032】
このような構成を有する本実施の形態の画像形成装置100によれば、像担持体101の表面が帯電装置102により所定の電位に一様に帯電され、帯電された像担持体101の表面が光書込装置103によって露光されることにより像担持体101の表面に静電潜像が形成される。そして、この静電潜像に対して現像装置104からトナーが供給されることにより静電潜像がトナー像として顕像化され、顕像化されたトナー像が転写ローラ105により転写材P上に転写される。像担持体101の表面に残留したトナーはクリーニング装置106により除去される。
【0033】
また、センサを接触させ測定することが困難な画像形成装置100内部の像担持体101、転写ローラ105、定着装置122の定着ローラなどの回転体における表面近傍の相対湿度RHの測定において、本発明の相対湿度測定装置201、202、203の温度センサの測定面を像担持体101、転写ローラ105、定着装置122の定着ローラの表面に対し垂直方向に配置し、像担持体101、転写ローラ105、定着装置122の定着ローラの表面温度Tを測定する。また、本発明の相対湿度測定装置201、202、203の湿度センサを、像担持体101、転写ローラ105、定着装置122の定着ローラが設置されている同一空間に設置し、像担持体101、転写ローラ105、定着装置122の定着ローラの近傍雰囲気の絶対湿度AHを測定する。また、温度センサと湿度センサが集積された相対湿度測定装置201、202、203では、測定面を像担持体101、転写ローラ105、定着装置122の定着ローラの表面に対し垂直方向に配置し、像担持体101、転写ローラ105、定着装置122の定着ローラの表面温度T及び、像担持体101、転写ローラ105、定着装置122の定着ローラの近傍雰囲気の絶対湿度AHを測定する。
【0034】
更に、画像形成装置100内の現像器104のスリーブローラ104aの表面から像担持体101の表面の間にかかる現像剤表層の相対湿度RHの測定において、本発明の相対湿度測定装置204の温度センサの測定面を現像器104のスリーブローラ104aの表面から像担持体101の表面の間にかかる現像剤の表面に対し垂直方向に配置し、現像器104のスリーブローラ104aの表面から像担持体101の表面の間にかかる現像剤表層の温度Tを測定する。そして、本発明の相対湿度測定装置204の湿度センサを現像器104のスリーブローラ104aの表面と像担持体101の表面の間にかかる現像剤と同一空間に配置し、現像剤の近傍雰囲気の絶対湿度AHを測定する。また、温度センサと湿度センサが集積された相対湿度測定装置204では、測定面を現像器104のスリーブローラ104aの表面から像担持体101の表面の間にかかる現像剤の表面に対し垂直方向に配置し、現像器104のスリーブローラ104aの表面から像担持体101の表面の間にかかる現像剤表層の温度T及び、現像剤の近傍雰囲気の絶対湿度AHを測定する。
【0035】
また、画像形成装置100内の給紙部107に収納される転写材Pの表面近傍の相対湿度RHの測定及び、搬送経路109を搬送する転写材Pの表面近傍の相対湿度RHの測定において、本発明の相対湿度測定装置205、206の温度センサの測定面を転写材Pの表面に対し垂直方向に配置し、転写材Pの表面温度Tを測定する。そして、本発明の相対湿度測定装置205、206の各湿度センサを転写材Pが存在する同一空間に配置し、転写材Pの近傍雰囲気の絶対湿度AHを測定する。また、温度センサと湿度センサが集積された相対湿度測定装置205、206では、測定面を転写材Pの表面に対し垂直方向に配置し、転写材Pの表面温度T及び、転写材Pの近傍雰囲気の絶対湿度AHを測定する。
【0036】
このように測定して得られたそれぞれの表面温度T及び絶対湿度AHから、像担持体101、転写ローラ105、定着装置122の定着ローラ、そして現像剤表層、更には転写材Pのそれぞれの表面近傍の各相対湿度RHを演算する。
【0037】
図7は本発明の画像形成装置における測定結果の相対湿度による帯電バイアス制御及び露光制御を示すフローチャートである。同図において、図6の画像形成装置100内の像担持体101の近傍に配置した相対湿度測定装置201により、像担持体101の表面温度Tを測定する(ステップS101)。それと同時または続けて像担持体101の近傍雰囲気の絶対湿度AHを測定する(ステップS102)。そして、測定した表面温度Tの測定値と絶対湿度AHの測定値を用い、例えば上記演算式によって相対湿度RHを演算する(ステップS103)。演算して得られた相対湿度RHによって、画像形成条件の一つである帯電バイアス電圧や、露光量などの像担持体の作像条件を決定する(ステップS104)。印刷を開始する場合(ステップS105;YES)は、決定した作像条件にて印刷を実行する(ステップS106)。一方、印刷を開始しない場合は(ステップS105;NO)、ステップS101に戻り、各測定を再び開始する。
【0038】
図8は本発明の画像形成装置における測定結果の相対湿度による像担持体内蔵のヒータ制御を示すフローチャートである。同図において、図6の画像形成装置100内の像担持体101の近傍に配置した相対湿度測定装置201により、像担持体101の表面温度Tを測定する(ステップS201)。それと同時または続けて像担持体101の近傍雰囲気の絶対湿度AHを測定する(ステップS202)。そして、測定した表面温度Tの測定値と絶対湿度AHの測定値を用い、例えば上記演算式によって相対湿度RHを演算する(ステップS203)。演算して得られた相対湿度RHが、事前に決められた設定値を超えているか否かを判断する(ステップS204)。相対湿度RHが設定値を超えている場合であってヒータがOFFであった場合はヒータをONにする(ステップS204;YES、ステップS205)ことによって、像担持体101の表面近傍の相対湿度RHを低下させる。一方、相対湿度RHが設定値を超えていない場合であってヒータがONであった場合はヒータをOFFにする(ステップS204;NO、ステップS206)。
【0039】
図9は本発明の画像形成装置における測定結果の相対湿度による転写バイアス制御を示すフローチャートである。同図において、図6の画像形成装置100内の転写ローラ105の近傍に配置された相対湿度測定装置202により、転写ローラ105の表面温度Tを測定する(ステップS301)。それと同時または続けて転写ローラ105の近傍雰囲気の絶対湿度AHを測定する(ステップS302)。そして、測定した表面温度Tの測定値と絶対湿度AHの測定値を用い、例えば上記演算式によって相対湿度RHを演算する(ステップS303)。演算して得られた相対湿度RHによって、画像形成条件の一つである転写バイアス値を決定する(ステップS304)。印刷を開始する場合(ステップS305;YES)は、決定した転写バイアス値にて印刷を実行する(ステップS306)。一方、印刷を開始しない場合は(ステップS305;NO)、ステップS301に戻り、各測定を再び開始する。
【0040】
図10は本発明の画像形成装置における測定結果の相対湿度による現像バイアス制御を示すフローチャートである。同図において、図6の画像形成装置100内の現像器104の近傍に配置された相対湿度測定装置204により、現像器104のスリーブローラ104aの表面から像担持体101の表面の間にかかる現像剤表層の温度Tを測定する(ステップS401)。それと同時または続けて現像器104のスリーブローラ104aの表面から像担持体101の表面の間にかかる現像剤の近傍雰囲気の絶対湿度AHを測定する(ステップS402)。そして、測定した現像剤表層の温度Tの測定値と絶対湿度AHの測定値を用い、例えば上記演算式によって相対湿度RHを演算する(ステップS403)。演算して得られた相対湿度RHによって、画像形成条件の一つである現像バイアス値を決定する(ステップS404)。印刷を開始する場合(ステップS405;YES)は、決定した現像バイアス値にて印刷を実行する(ステップS406)。一方、印刷を開始しない場合は(ステップS405;NO)、ステップS401に戻り、各測定を再び開始する。
【0041】
図11は本発明の画像形成装置における測定結果の相対湿度による現像剤攪拌制御を示すフローチャートである。同図において、図6の画像形成装置100内の現像器104の近傍に配置された相対湿度測定装置204により、現像器104のスリーブローラ104aの表面から像担持体101の表面の間にかかる現像剤表層の温度Tを測定する(ステップS501)。それと同時または続けて現像器104のスリーブローラ104aの表面から像担持体101の表面の間にかかる現像剤の近傍雰囲気の絶対湿度AHを測定する(ステップS502)。そして、測定した現像剤表層の温度Tの測定値と絶対湿度AHの測定値を用い、例えば上記演算式によって相対湿度RHを演算する(ステップS503)。演算して得られた相対湿度RHが、事前に決められた設定値を超えているか否かを判断する(ステップS504)。相対湿度RHが設定値を超えている場合であって攪拌動作が停止している場合は、一定時間攪拌動作を起動させる(ステップS504;YES、ステップS505)。一方、相対湿度RHが設定値を超えていない場合は(ステップS505;NO)、ステップS501に戻り、各測定を再び開始する。
【0042】
図12は本発明の画像形成装置における測定結果の相対湿度による転写材加温制御を示すフローチャートである。同図において、図6の画像形成装置100内の給紙部107に収納されている転写材Pの表面の相対湿度が測定できる位置に配置された相対湿度測定装置205により、給紙部107に収納されている転写材Pの表面温度Tを測定する(ステップS601)。それと同時または続けて転写材Pの近傍雰囲気の絶対湿度AHを測定する(ステップS602)。そして、測定した表面温度Tの測定値と絶対湿度AHの測定値を用い、例えば上記演算式によって相対湿度RHを演算する(ステップS603)。演算して得られた相対湿度RHが、事前に決められた設定値を超えているか否かを判断する(ステップS604)。相対湿度RHが設定値を超えている場合であって給紙部107に設けられているヒータがOFFであった場合はヒータをONにして転写材Pを加温する(ステップS604;YES、ステップS605)。一方、相対湿度RHが設定値を超えていない場合であってヒータがONであった場合はヒータをOFFにする(ステップS604;NO、ステップS606)。
【0043】
図13は本発明の画像形成装置における測定結果の相対湿度による転写バイアス制御及び定着制御を示すフローチャートである。同図において、図6の画像形成装置100内の搬送経路109を搬送している転写材Pの近傍に配置された相対湿度測定装置206により、転写材Pの表面温度Tを測定する(ステップS701)。それと同時または続けて転写材Pの近傍雰囲気の絶対湿度AHを測定する(ステップS702)。そして、測定した表面温度Tの測定値と絶対湿度AHの測定値を用い、例えば上記演算式によって相対湿度RHを演算する(ステップS703)。演算して得られた相対湿度RHによって、画像形成条件の一つである転写バイアス値、定着温度と定着速度を決定する(ステップS704)。決定した転写バイアス値、定着温度と定着速度にて印刷を実行する(ステップS705)。
【0044】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変形や置換可能であることは言うまでもない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0045】
【特許文献1】特開2008−152174号公報
【特許文献2】特開2008−281619号公報
【特許文献3】特開2008−209905号公報
【特許文献4】特開2009−014942号公報
【特許文献5】特開2001−281182号公報
【特許文献6】特表2005−531776号公報
【特許文献7】特開2008−005353号公報
【特許文献8】特許第3,460,749号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置及び画像形成方法に関し、詳細には電子写真方式により画像を形成する複写機、レーザビームプリンタ、デジタル複合機などの画像形成装置内部の相対湿度値に依存して変化する特性値に対して、その対象物の表面近傍の相対湿度測定を行い、各種特性値の制御及び各部の環境制御を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式により画像を形成する複写機、レーザビームプリンタ、デジタル複合機など画像形成装置の特性値変化、例えば像担持体表面に生成されるフィルミングによる吸湿、現像剤の帯電量変化、転写材の含水分量など、相対湿度値に依存しているものも多く、いずれも画像劣化、画像濃度の変化など出力画像に変化を与えることから、画像形成装置の環境制御や、環境フィードバック制御を行う上では相対湿度情報が重要である。
【0003】
このような電子写真装置内部の相対湿度測定を、湿度センサまたは温度補償を行うための温度センサを組み合わせた温湿度センサを、測定対象物の近傍に設置して行い、環境制御や環境フィードバック制御を行う技術としては、従来よりいくつか提案されている。その一つとしての特許文献1には、作像部周囲の湿度を測定し、その測定値を用いた判断から像流れに対応した各種制御に展開することが提案されている。また、特許文献2では、現像器内部に湿度センサを設置し、その測定値から現像剤の帯電量に対応した各種制御に展開することや、現像器内に湿度センサを設置する際に課題となるトナー汚染からの考慮を提案している。更に、特許文献3では、用紙搬送路上を搬送される用紙表面と近接して対向する位置に湿度センサを設置し、湿度センサから得られた相対湿度値によって用紙の含水分量を求めることを提案している。また、特許文献4では、画像形成装置内部へ流入する水蒸気量を測定して絶対湿度を測定する1つの湿度センサと、画像形成装置内部に複数配置された温度センサを用い、電子写真装置各部の相対湿度を測定し、その測定値から画像形成装置の各種制御に展開することを提案している。
【0004】
また、複数の検出部で構成されたセンサを用い、雰囲気や、測定対象物表面の状態を測定する従来の技術が、以下のような特許文献5〜7に提案されている。先ず、特許文献5では、温度センサと絶対湿度センサあるいは露点センサを用い雰囲気の相対湿度を測定することを提案している。また、特許文献6では、非接触温度センサと露点センサを用い、測定対象物表面のガスや水蒸気の凝結を測定することを提案している。更に、特許文献7では、温度センサと、温湿度センサを用い、測定対象物表面の湿度状態を測定することを提案している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1によれば、像流れの原因としては像担持体表面のフィルミングが考えられ、上述したように相対湿度値に依存して発生するため、使用する湿度センサは相対湿度センサを用いることになる。しかし、像担持体などの回転体の相対湿度を測定する場合、相対湿度センサ、または温度補償を行うための温度センサを組み合わせた温湿度センサを、対象物に接触させることが困難なことから、センサは対象物から離れた位置に設置することになる。この場合、測定対象物とセンサの間に雰囲気(気体)が介在するため、測定対象物の温度を測定するのに多くの時間が必要であり、測定対象物の温度と測定対象物の雰囲気温度の平均的な値になってしまうことから、測定対象物の温度が把握できずに相対湿度値としては誤差を多く含んだ値となる。更には、温度補償に用いる熱電対、サーミスタ、白金測温抵抗体などの接触方式の温度センサにおける応答性能は、パッケージや設置状態による要素が大きいため、回転体や移動体など、接触させることが困難で、測定対象物から離れた状態で設置する場合は、測定対象物の急激な温度変化に追従できずに、さらに相対湿度値の誤差が発生してしまう課題があった。
【0006】
また、上記特許文献2によれば、現像剤における特性値の1つである帯電量は相対湿度値に依存すると考えられるので、上記特許文献1と同様、湿度センサは相対湿度センサを用いることになる。しかし、湿度センサにとっては汚染源となる現像剤の相対湿度を測定する場合、相対湿度センサまたは、温度補償を行うための温度センサを組み合わせた温湿度センサを、現像剤に接触させることが困難なことから、センサは現像剤から離れた位置に設置することになる。よって、上記特許文献1と同様に温度測定の遅れと設置方法に関する課題があり、精度良く高速に現像剤表面の相対湿度を測定することができないという課題があった。また、現像剤の湿度測定においては、半密閉状態の現像器内部に格納されている湿度状態と、現像器の外部雰囲気と接触している現像器のスリーブローラ表面から像担持体表面にかかる湿度状態とでは、異なることが容易に予想される。現像剤の湿度状態を把握し画像へ展開するためには、現像器のスリーブローラ表面から像担持体表面にかかる状態を把握することが重要である。
【0007】
更に、上記特許文献3によれば、用紙搬送路中を移動する用紙は高速であり、固定されたセンサ部に対して、用紙が通過する時間は限られてくる。精度良く通過する用紙の相対湿度を測定するために温度測定は、湿度測定と同等の応答速度を有する必要があり、その点についての考慮がなされていない。センサ部を通過する用紙表面の温度測定が湿度測定と同様に高速測定が可能になれば、相対湿度値としての精度は向上し、最終的に用紙の含水分値としての精度も向上できると考えられる。よって、精度良く高速に相対湿度の測定が行えず、結果として含水分としての誤差が大きくなる課題があった。
【0008】
また、上記特許文献4において用いる温度センサは、接触方式の温度センサを想定しており、画像形成装置各部の相対湿度を簡易的に使用し、それを低コストで実現したい場合は良いが、精度良く画像形成装置内部の部材の表面近傍の相対湿度を測定したい場合は、上記特許文献1及び上記特許文献2と同様の温度測定の遅れと設置方法に関する課題があり、精度良く高速に画像形成装置内部の部材の表面近傍の相対湿度を測定することができないという課題があった。また、絶対湿度の測定についても、個々の部品によって遮蔽され分離した空間毎に測定した方が、時間的な遅れは最小限にできると考えられる。
【0009】
更に、上記特許文献5によれば、使用する温度センサが雰囲気の温度を測定するものであることから、上記特許文献1、2、4と同様に接触方式の温度センサを用いることになる。よって、温度測定の遅れと設置方法に関する課題があり、精度良く高速に測定対象物の表面近傍の相対湿度を測定することができない課題があった。
【0010】
また、上記特許文献6によれば、光学式の露点センサを用いて雰囲気の露点温度を測定しているが、用いる非接触方式の温度センサと露点センサとの応答速度の差が大きく、この状態で算出された結果は誤差を多く含んだ値になる。温度センサと露点センサを組み合わせた測定では、温度センサの応答が高速であるだけでなく、温度センサの応答時間内で、露点センサは応答できることが重要である。よって、精度良く高速に測定対象物の表面状態を把握することができない課題があった。また、露点センサは構成される部品点数が多く、方式上光を反射させる空間が必要であることから物理的サイズを小さくすることが困難であり、設置箇所が制約されてしまう課題があった。
【0011】
更に、上記特許文献7によれば、接触方式の温度センサを用いて測定対象物の表面温度を検出しているため、回転体や移動体の表面温度を検出することは困難である。また、上記特許文献1、2、4、5と同様に温度測定の遅れに関する課題があり、さらには雰囲気の絶対湿度を測定する際に、温度センサ及び相対湿度センサを用いている。相対湿度を検出するセンサとしては、感湿材料の電気抵抗値あるいは電気容量が雰囲気中の湿度に感応して変化することを利用し、主に次に挙げるものが知られている。酸化鉄(Fe2O3,Fe3O4)、酸化錫(SnO2)などの金属酸化物の焼結体あるいは金属酸化膜を用いたもの、親水性高分子膜あるいは高分子電解質さらには繊維高分子を用いたもの、塩化リチウム(LiCl)等の電解質塩を用いたもの、及び吸湿性樹脂あるいは吸湿性高分子膜などに炭素等の導電性粒子または繊維を分散させたものなどがあるが、水分の吸脱着にかかる時間が必要で、高速に測定できない課題があった。よって、精度良く高速に測定対象物の表面近傍の相対湿度を測定することができない課題があった。
【0012】
本発明はこれらの問題点を解決するためのものであり、画像品質に影響を与える像担持体、転写ローラ、定着ローラなど回転体や、現像剤や転写材など移動体の表面近傍の相対湿度を精度良く高速に測定することにより、測定した相対湿度から個別にフィードバック制御を行うことで安定した画像品質が得られる画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記問題点を解決するために、本発明の画像形成装置は、帯電部によって予め帯電された像担持体上に露光部によって露光して形成された静電潜像を現像部によって現像して得られた可視像を転写材に転写部によって転写し、転写された転写材を定着部によって定着することにより画像形成処理を行う。そして、本発明の画像形成装置は、画像形成装置内部における測定対象部材の表面温度を測定する非接触方式の温度センサと、画像形成装置内部における測定対象部材の近傍雰囲気の絶対湿度を測定する湿度センサと、測定した表面温度と絶対湿度を用いて画像形成装置内部における測定対象部材の表面近傍の相対湿度を演算する相対湿度演算部とを有する相対湿度測定装置を具備している。本発明の画像形成装置によれば、相対湿度測定装置によって演算された相対湿度に基づいて画像形成処理における各画像形成条件を決定し、決定した各画像形成条件に基づいて画像形成を行うことに特徴がある。相対湿度を算出するために必要な温度測定に、非接触方式の温度センサを用いることで、回転体や移動体などセンサを接触させることができない、または接触させることが困難な場合でも表面温度を精度良く測定することができる。また、絶対湿度は単位体積あたりの水蒸気量を示すものであり、水蒸気は均一になろうとする性質があるので、絶対湿度を測定する湿度センサは測定対象部材の表面から離れた位置に設置した場合であっても、測定対象部材の表面近傍の絶対湿度と同等の測定値を得ることができる。従って、測定対象部材の表面温度と、測定対象部材の近傍雰囲気の絶対湿度を用いて演算した相対湿度に基づいて画像形成処理における画像形成条件を決定することにより、安定した画像品質が得られる画像形成装置を提供することができる。
【0014】
また、湿度センサは温度センサの応答時間内で絶対湿度を測定することにより、画像形成装置内部における測定対象部材の温度や、画像形成装置内部における測定対象部材周囲の湿度が急激に変化した場合であっても、時間遅れなく画像形成装置内部における測定対象部材の表面近傍の相対湿度を測定することができる。
【0015】
更に、温度センサと湿度センサとをMEMS技術で一体化集積することにより、センサ自体のサイズが小さくなり、また構成する部品が共有化できて部品点数を削減できる。よって、物理的サイズを小さくでき設置場所の自由度を向上することができる。
【0016】
また、測定対象部材は、像担持体、転写部及び定着部を構成する回転体であり、センサが接触できない、または接触させることが困難な当該回転体に対して、相対湿度測定装置を適切に設置することにより、当該回転体の表面近傍の相対湿度を精度良く測定することができる。
【0017】
更に、測定対象部材が像担持体を構成する回転体であって、相対湿度測定装置によって得られた像担持体の回転体の表面近傍の相対湿度値に基づいて、帯電部の帯電バイアスの制御、露光部の露光量の制御または像担持体に内蔵された加熱手段の温度制御を行う。よって、精度良く得られた像担持体を構成する回転体の表面近傍の相対湿度測定値を用いることにより、最適な帯電バイアスや、露光量または像担持体に内蔵された加熱手段の制御条件を決定することができる。
【0018】
また、測定対象部材が転写部を構成する回転体であって、相対湿度測定装置によって得られた転写部の回転体の表面近傍の相対湿度値に基づいて、転写部の転写バイアスの制御を行う。よって、精度良く得られた転写部の回転体の表面近傍の相対湿度測定値を用いることにより、最適な転写バイアスの制御条件を決定することができる。
【0019】
更に、測定対象部材は、現像器のスリーブローラ表面から像担持体の表面にかかる現像剤であり、センサが接触できない、または接触させることが困難な当該移動体に対して、相対湿度測定装置を適切に設置することにより、当該移動体の表層の相対湿度状態を精度良く測定することができる。
【0020】
また、測定対象部材が現像器のスリーブローラ表面から像担持体の表面にかかる現像剤であって、相対湿度測定装置によって得られた現像器のスリーブローラ表面から像担持体の表面にかかる現像剤表層の相対湿度値に基づいて、最適な現像部の現像バイアスの制御または現像部の現像剤の攪拌制御を行う。
【0021】
更に、測定対象部材は、給紙部に収納される転写材及び搬送経路を搬送される転写材であり、センサが接触できない、または接触させることが困難な当該移動体に対して、相対湿度測定装置を適切に設置することにより、当該移動体の表面近傍の相対湿度状態を精度良く測定することができる。
【0022】
また、測定対象部材が給紙部に収納される転写材及び搬送経路を搬送される転写材であって、相対湿度測定装置によって得られた転写材の表面近傍の相対湿度値に基づいて、給紙部内の温度制御、転写部の転写バイアスの制御または定着部の制御を行う。よって、最適な転写バイアスや、定着部における定着温度及び定着速度、または給紙部に設置されたヒータによる加熱制御条件を決定することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、画像形成装置内部における測定対象部材の表面近傍の相対湿度測定において、温度補償に用いる温度センサを非接触方式の温度センサを用いることで、高速かつ非接触で温度が測定でき、また非接触方式の温度センサの応答時間内で計測できる絶対湿度を測定する湿度センサを用い、これを画像形成装置内部の測定対象部材が配置されている空間と同一ヶ所に配置することにより、精度良くまた、時間遅れの無い測定をすることができる。また、非接触方式の温度センサと、絶対湿度を測定する湿度センサを集積することにより、設置場所の自由度を向上することができる。更に、非接触、かつ高速検知可能な相対湿度測定装置を、画像形成装置内のセンサが接触できない、または接触させることが困難な像担持体、転写部、定着部などの回転体や、現像剤、用紙などの移動体の近傍に、適切に設置することで、最適な環境制御、環境フィードバック制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の画像形成装置内部の時間経過に伴う温度変化を示す特性図である。
【図2】本発明の画像形成装置内部の時間経過に伴う相対湿度変化を示す特性図である。
【図3】本発明の画像形成装置内部の時間経過に伴う絶対湿度変化を示す特性図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る画像形成装置に用いられる相対湿度測定装置の構成を示す概略構成図である。
【図5】温度センサと湿度センサを集積した相対湿度測定装置の構成を示す図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す概略構成図である。
【図7】本発明の画像形成装置における測定結果の相対湿度による帯電バイアス制御及び露光制御を示すフローチャートである。
【図8】本発明の画像形成装置における測定結果の相対湿度による像担持体内蔵のヒータ制御を示すフローチャートである。
【図9】本発明の画像形成装置における測定結果の相対湿度による転写バイアス制御を示すフローチャートである。
【図10】本発明の画像形成装置における測定結果の相対湿度による現像バイアス制御を示すフローチャートである。
【図11】本発明の画像形成装置における測定結果の相対湿度による現像剤攪拌制御を示すフローチャートである。
【図12】本発明の画像形成装置における測定結果の相対湿度による転写材加温制御を示すフローチャートである。
【図13】本発明の画像形成装置における測定結果の相対湿度による転写バイアス制御及び定着制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0025】
10、201〜206;相対湿度測定装置、11;温度センサ、
12;湿度センサ、13;相対湿度演算装置、14;センサ、
15;回路基板、16;集光レンズ、17;フィルタ、
18;センサケース、19;信号線、20;測定対象部材、
100;画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は本発明の画像形成装置内部の時間経過に伴う温度変化を示す特性図、図2は本発明の画像形成装置内部の時間経過に伴う相対湿度変化を示す特性図、図3は本発明の画像形成装置内部の時間経過に伴う絶対湿度変化を示す特性図である。詳細には、図1〜図3は、画像形成装置内部の部材の温度Tが周囲や自己発熱によって上昇し、かつ画像形成装置内部の部材周囲の相対湿度RHも上昇した場合の、温度T(図1)、相対湿度RH(図2)、絶対湿度AH(図3)を示した各特性図である。また、図4は本発明の一実施の形態に係る画像形成装置に用いられる相対湿度測定装置の構成を示す概略構成図である。ここで、従来の相対湿度センサによる測定では接触方式の温度センサを用いて温度補償を行っている。接触方式の温度センサである、熱電対、サーミスタ、側温抵抗体などの応答時間は数秒〜数十秒と遅れが大きく、またセンサが部材表面から離れていることによって、部材の温度変化に追従できずにさらに応答遅れが発生する(図1の波形A、波形Cを参照)。このことにより、相対湿度の測定値としては温度測定値の遅れによって、周囲の相対湿度値が上昇しているのにも関わらず一度低下し、温度測定値が正常値に近づくにつれ上昇する。このように、実際の部材の表面近傍の相対湿度変化と、従来技術の相対湿度センサの測定値では異なる値を示す(図2の波形A、波形Cを参照)。画像形成装置内部の部材の表面近傍の相対湿度RH測定では、部材の温度Tを高速、かつ精度良く測定することが非常に重要である。これに対し、図4に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置に用いられる相対湿度測定装置10では、相対湿度RHを測定する際の温度補償用として使用する非接触方式の温度センサ11と、絶対湿度を測定する湿度センサ12とを用いる。非接触方式の温度センサ11は、測定対象部材20から放射される赤外線を検知するサーモパイルが用いられている。このサーモパイルは測定対象部材20の表面温度Tを非接触で測定できるだけでなく、接触方式の温度センサの応答時間と比較して、数ミリ秒〜数十ミリ秒と高速応答に優れている。従って、サーモパイルを用いた場合は、測定対象部材20の表面温度Tの変化に追従した測定値を得ることが可能である(図1の波形B、波形Cを参照)。
【0027】
また、絶対湿度AHを測定する湿度センサ12を、画像形成装置内部の測定対象部材20が配置される空間と同一ヶ所に配置する。絶対湿度AHは単位体積当たりの水蒸気量を示すものであり、この水蒸気は、均一になろうとする性質があるので、絶対湿度AHを測定する湿度センサ12は画像形成装置内部の測定対象部材20の表面から離れた位置に設置した場合であっても、画像形成装置内部の測定対象部材20の表面近傍の絶対湿度AHと同等の測定値を得ることができる。これは上記特許文献4に開示されている水蒸気量の変化における説明でも述べているが、画像形成装置内2ヶ所の作像ユニットの水蒸気量は、画像形成装置外部で発生した水蒸気量の上昇と、ほぼ同時刻で上昇を開始し、追従している。この理由としては、水蒸気量は温度に依存しないことや、排気ファンの影響が挙げられる。画像形成装置は、定着装置、光学ユニット、コントローラボードなどの自己発熱源の冷却や、定着装置による加熱により転写材から発生する水蒸気の排出や、作像ユニットの帯電器において発生する画像品質に有害な部質を排出することを目的とする排気ファンが複数搭載されており、これら複数搭載されているファンにより上記目的を達成するが、それと同時にファンは画像形成装置内へ外部環境の水蒸気を強制的に取り込んでいる状態になる。従って、画像形成装置内部の水蒸気量変化は、相対湿度変化と比較して時間的な遅れや、分布が非常に少ない。
【0028】
このように、本発明よりも広い範囲の空間を扱っていることになるが、その状態であっても水蒸気量変化の同時刻性を示している。但し、構成される個々の部品などによって気体や水蒸気の流れは変化する場合もあるので、図4の画像形成装置内部の測定対象部材20の近傍に湿度センサ12を配置した方が、時間的な遅れや分布の発生を最小限にできると考えられる。より精度良く画像形成装置内部の測定対象部材20の表面近傍の絶対湿度AHを測定し、相対湿度RHの測定に反映するためには、画像形成装置内部の測定対象部材20が配置される空間と同一ヶ所に湿度センサ12を配置することが望ましい。また、画像形成装置内部の測定対象部材20の周囲湿度が急激に変化した場合であっても、時間遅れなく相対湿度RHを測定するために湿度センサ12は、温度センサ11の応答時間内で計測できることが必要である。このことから、特許文献8に開示されているような半導体の薄膜成形技術を利用した熱伝導式のセンサを用いることにより、温度センサ11と同等の応答速度を得ることができ、絶対湿度AHの変化に追従した測定値を得ることが可能である(図3の波形A、波形Bを参照)。この非接触方式の温度センサ11で得られた温度Tと、湿度センサ12で測定した絶対湿度AHを用い、相対湿度値RHを図4の相対湿度演算装置13によって演算する。
【0029】
ここで、絶対湿度AH及び温度Tから相対湿度RHを求める式はいくつかあるが、ここでは簡易的な次の演算式を用いた。なお、式中の各記号のRH、AH、Tは、それぞれ相対湿度、絶対湿度、温度である。
RH=AH×100/((0.00794/(1+0.00366×T))×610.76×exp(17.11768×T/(234.7905+T)))
【0030】
図5は温度センサと湿度センサを集積した相対湿度測定装置の構成を示す図である。同図の(a)は概略斜視図であり、同図の(b)は概略側面図である。同図において、図4と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。同図に示すように、画像形成装置内部の測定対象部材の表面温度を測定する非接触方式の温度センサ11と、画像形成装置内部の測定対象部材の表面近傍の絶対湿度を測定する湿度センサ12を、MEMS技術を用い集積する。このように集積したセンサ14を回路基板15に電気的に接続し、さらに集光レンズ16及びフィルタ17が設けられたセンサケース18によってカバーされる。また、回路基板15と相対湿度演算装置13とを信号線19で電気的に接続する。
【0031】
図6は本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す概略構成図である。同図に示す本実施の形態の画像形成装置100は、像担持体101の周囲に、主として、帯電装置102、光書込装置103、現像装置104、転写ローラ105、クリーニング装置106が配置されている。また、転写材Pを収納する給紙部107が設けられている。この給紙部107から排紙トレイ108に向けて転写材Pが搬送される搬送経路109が形成されており、この搬送経路109上に、搬送ローラ120、レジストローラ121、定着装置122が配置されている。
【0032】
このような構成を有する本実施の形態の画像形成装置100によれば、像担持体101の表面が帯電装置102により所定の電位に一様に帯電され、帯電された像担持体101の表面が光書込装置103によって露光されることにより像担持体101の表面に静電潜像が形成される。そして、この静電潜像に対して現像装置104からトナーが供給されることにより静電潜像がトナー像として顕像化され、顕像化されたトナー像が転写ローラ105により転写材P上に転写される。像担持体101の表面に残留したトナーはクリーニング装置106により除去される。
【0033】
また、センサを接触させ測定することが困難な画像形成装置100内部の像担持体101、転写ローラ105、定着装置122の定着ローラなどの回転体における表面近傍の相対湿度RHの測定において、本発明の相対湿度測定装置201、202、203の温度センサの測定面を像担持体101、転写ローラ105、定着装置122の定着ローラの表面に対し垂直方向に配置し、像担持体101、転写ローラ105、定着装置122の定着ローラの表面温度Tを測定する。また、本発明の相対湿度測定装置201、202、203の湿度センサを、像担持体101、転写ローラ105、定着装置122の定着ローラが設置されている同一空間に設置し、像担持体101、転写ローラ105、定着装置122の定着ローラの近傍雰囲気の絶対湿度AHを測定する。また、温度センサと湿度センサが集積された相対湿度測定装置201、202、203では、測定面を像担持体101、転写ローラ105、定着装置122の定着ローラの表面に対し垂直方向に配置し、像担持体101、転写ローラ105、定着装置122の定着ローラの表面温度T及び、像担持体101、転写ローラ105、定着装置122の定着ローラの近傍雰囲気の絶対湿度AHを測定する。
【0034】
更に、画像形成装置100内の現像器104のスリーブローラ104aの表面から像担持体101の表面の間にかかる現像剤表層の相対湿度RHの測定において、本発明の相対湿度測定装置204の温度センサの測定面を現像器104のスリーブローラ104aの表面から像担持体101の表面の間にかかる現像剤の表面に対し垂直方向に配置し、現像器104のスリーブローラ104aの表面から像担持体101の表面の間にかかる現像剤表層の温度Tを測定する。そして、本発明の相対湿度測定装置204の湿度センサを現像器104のスリーブローラ104aの表面と像担持体101の表面の間にかかる現像剤と同一空間に配置し、現像剤の近傍雰囲気の絶対湿度AHを測定する。また、温度センサと湿度センサが集積された相対湿度測定装置204では、測定面を現像器104のスリーブローラ104aの表面から像担持体101の表面の間にかかる現像剤の表面に対し垂直方向に配置し、現像器104のスリーブローラ104aの表面から像担持体101の表面の間にかかる現像剤表層の温度T及び、現像剤の近傍雰囲気の絶対湿度AHを測定する。
【0035】
また、画像形成装置100内の給紙部107に収納される転写材Pの表面近傍の相対湿度RHの測定及び、搬送経路109を搬送する転写材Pの表面近傍の相対湿度RHの測定において、本発明の相対湿度測定装置205、206の温度センサの測定面を転写材Pの表面に対し垂直方向に配置し、転写材Pの表面温度Tを測定する。そして、本発明の相対湿度測定装置205、206の各湿度センサを転写材Pが存在する同一空間に配置し、転写材Pの近傍雰囲気の絶対湿度AHを測定する。また、温度センサと湿度センサが集積された相対湿度測定装置205、206では、測定面を転写材Pの表面に対し垂直方向に配置し、転写材Pの表面温度T及び、転写材Pの近傍雰囲気の絶対湿度AHを測定する。
【0036】
このように測定して得られたそれぞれの表面温度T及び絶対湿度AHから、像担持体101、転写ローラ105、定着装置122の定着ローラ、そして現像剤表層、更には転写材Pのそれぞれの表面近傍の各相対湿度RHを演算する。
【0037】
図7は本発明の画像形成装置における測定結果の相対湿度による帯電バイアス制御及び露光制御を示すフローチャートである。同図において、図6の画像形成装置100内の像担持体101の近傍に配置した相対湿度測定装置201により、像担持体101の表面温度Tを測定する(ステップS101)。それと同時または続けて像担持体101の近傍雰囲気の絶対湿度AHを測定する(ステップS102)。そして、測定した表面温度Tの測定値と絶対湿度AHの測定値を用い、例えば上記演算式によって相対湿度RHを演算する(ステップS103)。演算して得られた相対湿度RHによって、画像形成条件の一つである帯電バイアス電圧や、露光量などの像担持体の作像条件を決定する(ステップS104)。印刷を開始する場合(ステップS105;YES)は、決定した作像条件にて印刷を実行する(ステップS106)。一方、印刷を開始しない場合は(ステップS105;NO)、ステップS101に戻り、各測定を再び開始する。
【0038】
図8は本発明の画像形成装置における測定結果の相対湿度による像担持体内蔵のヒータ制御を示すフローチャートである。同図において、図6の画像形成装置100内の像担持体101の近傍に配置した相対湿度測定装置201により、像担持体101の表面温度Tを測定する(ステップS201)。それと同時または続けて像担持体101の近傍雰囲気の絶対湿度AHを測定する(ステップS202)。そして、測定した表面温度Tの測定値と絶対湿度AHの測定値を用い、例えば上記演算式によって相対湿度RHを演算する(ステップS203)。演算して得られた相対湿度RHが、事前に決められた設定値を超えているか否かを判断する(ステップS204)。相対湿度RHが設定値を超えている場合であってヒータがOFFであった場合はヒータをONにする(ステップS204;YES、ステップS205)ことによって、像担持体101の表面近傍の相対湿度RHを低下させる。一方、相対湿度RHが設定値を超えていない場合であってヒータがONであった場合はヒータをOFFにする(ステップS204;NO、ステップS206)。
【0039】
図9は本発明の画像形成装置における測定結果の相対湿度による転写バイアス制御を示すフローチャートである。同図において、図6の画像形成装置100内の転写ローラ105の近傍に配置された相対湿度測定装置202により、転写ローラ105の表面温度Tを測定する(ステップS301)。それと同時または続けて転写ローラ105の近傍雰囲気の絶対湿度AHを測定する(ステップS302)。そして、測定した表面温度Tの測定値と絶対湿度AHの測定値を用い、例えば上記演算式によって相対湿度RHを演算する(ステップS303)。演算して得られた相対湿度RHによって、画像形成条件の一つである転写バイアス値を決定する(ステップS304)。印刷を開始する場合(ステップS305;YES)は、決定した転写バイアス値にて印刷を実行する(ステップS306)。一方、印刷を開始しない場合は(ステップS305;NO)、ステップS301に戻り、各測定を再び開始する。
【0040】
図10は本発明の画像形成装置における測定結果の相対湿度による現像バイアス制御を示すフローチャートである。同図において、図6の画像形成装置100内の現像器104の近傍に配置された相対湿度測定装置204により、現像器104のスリーブローラ104aの表面から像担持体101の表面の間にかかる現像剤表層の温度Tを測定する(ステップS401)。それと同時または続けて現像器104のスリーブローラ104aの表面から像担持体101の表面の間にかかる現像剤の近傍雰囲気の絶対湿度AHを測定する(ステップS402)。そして、測定した現像剤表層の温度Tの測定値と絶対湿度AHの測定値を用い、例えば上記演算式によって相対湿度RHを演算する(ステップS403)。演算して得られた相対湿度RHによって、画像形成条件の一つである現像バイアス値を決定する(ステップS404)。印刷を開始する場合(ステップS405;YES)は、決定した現像バイアス値にて印刷を実行する(ステップS406)。一方、印刷を開始しない場合は(ステップS405;NO)、ステップS401に戻り、各測定を再び開始する。
【0041】
図11は本発明の画像形成装置における測定結果の相対湿度による現像剤攪拌制御を示すフローチャートである。同図において、図6の画像形成装置100内の現像器104の近傍に配置された相対湿度測定装置204により、現像器104のスリーブローラ104aの表面から像担持体101の表面の間にかかる現像剤表層の温度Tを測定する(ステップS501)。それと同時または続けて現像器104のスリーブローラ104aの表面から像担持体101の表面の間にかかる現像剤の近傍雰囲気の絶対湿度AHを測定する(ステップS502)。そして、測定した現像剤表層の温度Tの測定値と絶対湿度AHの測定値を用い、例えば上記演算式によって相対湿度RHを演算する(ステップS503)。演算して得られた相対湿度RHが、事前に決められた設定値を超えているか否かを判断する(ステップS504)。相対湿度RHが設定値を超えている場合であって攪拌動作が停止している場合は、一定時間攪拌動作を起動させる(ステップS504;YES、ステップS505)。一方、相対湿度RHが設定値を超えていない場合は(ステップS505;NO)、ステップS501に戻り、各測定を再び開始する。
【0042】
図12は本発明の画像形成装置における測定結果の相対湿度による転写材加温制御を示すフローチャートである。同図において、図6の画像形成装置100内の給紙部107に収納されている転写材Pの表面の相対湿度が測定できる位置に配置された相対湿度測定装置205により、給紙部107に収納されている転写材Pの表面温度Tを測定する(ステップS601)。それと同時または続けて転写材Pの近傍雰囲気の絶対湿度AHを測定する(ステップS602)。そして、測定した表面温度Tの測定値と絶対湿度AHの測定値を用い、例えば上記演算式によって相対湿度RHを演算する(ステップS603)。演算して得られた相対湿度RHが、事前に決められた設定値を超えているか否かを判断する(ステップS604)。相対湿度RHが設定値を超えている場合であって給紙部107に設けられているヒータがOFFであった場合はヒータをONにして転写材Pを加温する(ステップS604;YES、ステップS605)。一方、相対湿度RHが設定値を超えていない場合であってヒータがONであった場合はヒータをOFFにする(ステップS604;NO、ステップS606)。
【0043】
図13は本発明の画像形成装置における測定結果の相対湿度による転写バイアス制御及び定着制御を示すフローチャートである。同図において、図6の画像形成装置100内の搬送経路109を搬送している転写材Pの近傍に配置された相対湿度測定装置206により、転写材Pの表面温度Tを測定する(ステップS701)。それと同時または続けて転写材Pの近傍雰囲気の絶対湿度AHを測定する(ステップS702)。そして、測定した表面温度Tの測定値と絶対湿度AHの測定値を用い、例えば上記演算式によって相対湿度RHを演算する(ステップS703)。演算して得られた相対湿度RHによって、画像形成条件の一つである転写バイアス値、定着温度と定着速度を決定する(ステップS704)。決定した転写バイアス値、定着温度と定着速度にて印刷を実行する(ステップS705)。
【0044】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変形や置換可能であることは言うまでもない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0045】
【特許文献1】特開2008−152174号公報
【特許文献2】特開2008−281619号公報
【特許文献3】特開2008−209905号公報
【特許文献4】特開2009−014942号公報
【特許文献5】特開2001−281182号公報
【特許文献6】特表2005−531776号公報
【特許文献7】特開2008−005353号公報
【特許文献8】特許第3,460,749号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯電部によって予め帯電された像担持体上に露光部によって露光して形成された静電潜像を現像部によって現像して得られた可視像を転写材に転写部によって転写し、転写された転写材を定着部によって定着することにより画像形成処理を行う画像形成装置において、
画像形成装置内部における測定対象部材の表面温度を測定する非接触方式の温度センサと、画像形成装置内部における測定対象部材の近傍雰囲気の絶対湿度を測定する湿度センサと、測定した表面温度と絶対湿度を用いて画像形成装置内部における測定対象部材の表面近傍の相対湿度を演算する相対湿度演算部とを有する相対湿度測定装置を具備し、
該相対湿度測定装置によって演算された相対湿度に基づいて画像形成処理における各画像形成条件を決定し、決定した各画像形成条件に基づいて画像形成を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記湿度センサは、前記温度センサの応答時間内で絶対湿度を測定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記温度センサと前記湿度センサとを集積したことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記測定対象部材は、前記像担持体、前記転写部及び前記定着部を構成する回転体であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記測定対象部材が前記像担持体を構成する回転体であって、前記相対湿度測定装置によって得られた前記像担持体の回転体の表面近傍の相対湿度値に基づいて、前記帯電部の帯電バイアスの制御、前記露光部の露光量の制御または前記像担持体に内蔵された加熱手段の温度制御を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記測定対象部材が前記転写部を構成する回転体であって、前記相対湿度測定装置によって得られた前記転写部の回転体の表面近傍の相対湿度値に基づいて、前記転写部の転写バイアスの制御を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記測定対象部材は、前記現像器のスリーブローラ表面から像担持体の表面にかかる現像剤であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記測定対象部材が前記現像器のスリーブローラ表面から像担持体の表面にかかる現像剤であって、前記相対湿度測定装置によって得られた前記現像器のスリーブローラ表面から像担持体の表面にかかる現像剤表層の相対湿度値に基づいて、前記現像部の現像バイアスの制御または前記現像部の現像剤の攪拌制御を行うことを特徴とする請求項1〜3、7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記測定対象部材は、給紙部に収納される転写材及び搬送経路を搬送される転写材であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記測定対象部材が前記給紙部に収納される転写材及び搬送経路を搬送される転写材であって、前記相対湿度測定装置によって得られた転写材の表面近傍の相対湿度値に基づいて、前記給紙部内の温度制御、前記転写部の転写バイアスの制御または前記定着部の制御を行うことを特徴とする請求項1〜3、9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
帯電部によって予め帯電された像担持体上に露光部によって露光して形成された静電潜像を現像部によって現像して得られた可視像を転写材に転写部によって転写し、転写された転写材を定着部によって定着することにより画像形成処理を行う画像形成方法において、
非接触方式の温度センサによって測定する画像形成装置内部における測定対象部材の表面温度と、湿度センサによって測定する画像形成装置内部における測定対象部材の近傍雰囲気の絶対湿度を用いて演算した画像形成装置内部における測定対象部材の表面近傍の相対湿度に基づいて画像形成処理における各画像形成条件を決定し、決定した各画像形成条件に基づいて画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法。
【請求項1】
帯電部によって予め帯電された像担持体上に露光部によって露光して形成された静電潜像を現像部によって現像して得られた可視像を転写材に転写部によって転写し、転写された転写材を定着部によって定着することにより画像形成処理を行う画像形成装置において、
画像形成装置内部における測定対象部材の表面温度を測定する非接触方式の温度センサと、画像形成装置内部における測定対象部材の近傍雰囲気の絶対湿度を測定する湿度センサと、測定した表面温度と絶対湿度を用いて画像形成装置内部における測定対象部材の表面近傍の相対湿度を演算する相対湿度演算部とを有する相対湿度測定装置を具備し、
該相対湿度測定装置によって演算された相対湿度に基づいて画像形成処理における各画像形成条件を決定し、決定した各画像形成条件に基づいて画像形成を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記湿度センサは、前記温度センサの応答時間内で絶対湿度を測定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記温度センサと前記湿度センサとを集積したことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記測定対象部材は、前記像担持体、前記転写部及び前記定着部を構成する回転体であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記測定対象部材が前記像担持体を構成する回転体であって、前記相対湿度測定装置によって得られた前記像担持体の回転体の表面近傍の相対湿度値に基づいて、前記帯電部の帯電バイアスの制御、前記露光部の露光量の制御または前記像担持体に内蔵された加熱手段の温度制御を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記測定対象部材が前記転写部を構成する回転体であって、前記相対湿度測定装置によって得られた前記転写部の回転体の表面近傍の相対湿度値に基づいて、前記転写部の転写バイアスの制御を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記測定対象部材は、前記現像器のスリーブローラ表面から像担持体の表面にかかる現像剤であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記測定対象部材が前記現像器のスリーブローラ表面から像担持体の表面にかかる現像剤であって、前記相対湿度測定装置によって得られた前記現像器のスリーブローラ表面から像担持体の表面にかかる現像剤表層の相対湿度値に基づいて、前記現像部の現像バイアスの制御または前記現像部の現像剤の攪拌制御を行うことを特徴とする請求項1〜3、7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記測定対象部材は、給紙部に収納される転写材及び搬送経路を搬送される転写材であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記測定対象部材が前記給紙部に収納される転写材及び搬送経路を搬送される転写材であって、前記相対湿度測定装置によって得られた転写材の表面近傍の相対湿度値に基づいて、前記給紙部内の温度制御、前記転写部の転写バイアスの制御または前記定着部の制御を行うことを特徴とする請求項1〜3、9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
帯電部によって予め帯電された像担持体上に露光部によって露光して形成された静電潜像を現像部によって現像して得られた可視像を転写材に転写部によって転写し、転写された転写材を定着部によって定着することにより画像形成処理を行う画像形成方法において、
非接触方式の温度センサによって測定する画像形成装置内部における測定対象部材の表面温度と、湿度センサによって測定する画像形成装置内部における測定対象部材の近傍雰囲気の絶対湿度を用いて演算した画像形成装置内部における測定対象部材の表面近傍の相対湿度に基づいて画像形成処理における各画像形成条件を決定し、決定した各画像形成条件に基づいて画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−224002(P2010−224002A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−68234(P2009−68234)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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