説明

画像形成装置及び画像形成方法

【課題】連続紙記録媒体への気流作用によって発生する紙ジャムを防止することができる画像形成装置及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】連続紙記録媒体上にトナー像を形成する像形成部、前記トナー像を前記記録媒体に定着する定着手段、前記連続紙記録媒体の搬送経路沿いに設けられ、前記連続紙記録媒体に対して気流を作用させる気流作用手段、を少なくとも有する画像形成装置であって、前記連続紙記録媒体の先頭が前記気流作用手段による前記連続紙記録媒体への気流作用位置を通過する前後所定の間のみ、前記気流作用手段の動作状態を変更する、気流制御手段を有している

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式等によって連続紙記録媒体上に画像形成を行う画像形成装置に関するものであり、連続紙記録媒体及びその搬送経路に対し、空気の吸引、吹き付け、等の気流を作用させる気流発生手段を有する画像形成装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
連続紙記録媒体に電子写真方式等によって画像形成を行う画像形成装置内で、連続紙記録媒体に対して、空気の吸引や、吹き付け等、気流を作用させる気流作用手段を有するものがある。
【0003】
ところで、画像形成装置における静電潜像担持体上に形成されたトナー像を定着する定着手段としては、加熱されたローラ対の間に記録媒体を挟持搬送しつつ、記録媒体上の未定着トナー像を加熱加圧して定着するヒートロール定着方式、あるいは、輻射熱源から輻射熱を記録媒体に作用させ、記録媒体上の未定着トナー像を非接触で加熱して定着させるフラッシュ定着方式等がある。
【0004】
さて、いずれの方式でも、記録媒体と共に記録媒体上の未定着トナー像を加熱することとなり、定着後の記録媒体は加熱された状態となっている。この加熱された記録媒体がそのまま画像形成装置外に排出されスタックされる(折り畳まれる)と、一旦定着されたトナー増が折り畳まれた頁間で再度加熱溶融され、隣り合う頁がくっついてしまったり、隣の頁に一部のトナーが転写されたりすることがある。
【0005】
この為、記録媒体を冷却する目的でスタックする前の記録媒体に空気を作用させる(吹きかける等)気流作用手段を用いることがある。
【0006】
また、定着手段そのものの冷却を主たる目的として、定着手段近傍の空気を吸引、排気する、冷却手段としての気流作用手段もある。この様な冷却手段としての気流作用手段による気流が、搬送されている記録媒体に直接、間接に作用する場合もある。
【0007】
また、定着手段によるトナーの加熱、溶融の際に、トナーや記録媒体からその構成材料の一部が気化してガス、臭気、煙が発生することがある。このガス、臭気、煙が画像形成装置外に漏れ出すのを防止するために、定着手段近傍或いは定着後の連続紙記録媒体周辺の空気を吸引し、このガス、臭気、煙を除去するフィルタ部材を介してから、機外に排出することも行われている(例えば特許文献1等に記載されている)。ここではこの様な吸引系を脱臭吸引系と呼ぶ。
【0008】
前記定着時のガス、臭気、煙の発生は、定着手段がフラッシュ定着方式によるものである場合は、特に顕著である。フラッシュ定着方式では、フラッシュランプからの輻射熱をトナーが吸収し、急激に高温に加熱されるため、トナー像の瞬間的な到達温度としては、ヒートロール定着方式によるものよりも高いと言われており、より多くのガス、臭気、煙が発生する場合が多い。
【0009】
又、一つの気流作用手段が、記録媒体の冷却、定着手段の冷却、ガスや臭気や煙の除去等、複数の目的を兼ね備える場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開昭60−55371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
この様な気流作用手段は、連続紙記録媒体が搬送されている間は常に動作していることが好ましい。この為、連続紙記録媒体への画像形成と同時、もしくはそれに先だって気流作用手段の動作を開始させることが多い。
【0012】
さて、搬送されている連続紙記録媒体は、図1にも例示するように、搬送経路の複数箇所においてトラクタ、ローラ対等の搬送手段によって拘束されることが多い。また、気流作用手段によって連続紙記録媒体に作用する気流は、当然ではあるが、トラクタ、ローラ対等の搬送手段によって拘束されて搬送されている連続紙記録媒体の搬送を妨げたり、擾乱するほど強いものではない。
【0013】
ところが、連続紙記録媒体の先頭については、搬送手段による連続紙記録媒体の拘束の一部がなされない状態となることが多く、気流作用手段による気流によって、連続紙記録媒体の先頭の搬送が阻害され、紙ジャムが発生することがある。この様な連続紙記録媒体での先頭の紙ジャムは、画像形成装置が連続紙記録媒体の先頭頁から画像形成可能なものである場合はより問題となる。
【0014】
連続紙記録媒体に画像形成する画像形成装置では、搬送手段や搬送経路の構成、配置などの制約で、連続紙記録媒体の先頭頁からの画像形成が行えないものもある。先頭頁からの画像形成が行えない画像形成装置では、連続紙の先頭数頁を画像形成させずに用紙送りのみを行い、各搬送手段で連続紙記録媒体が確実に拘束されてから、画像形成動作を開始させるのが通例である。
【0015】
この場合、前述の先頭頁での紙ジャムは、画像形成を行っていない用紙送り時に発生するため、紙ジャムを処理して用紙を再度セッティングすればよく、画像形成そのものをやり直す必要はない。又、用紙先頭の搬送時は、画像形成は行わないため、例えば前述の脱臭吸引系などの気流作用手段は、必ずしも動作させる必要のない場合もある。
【0016】
一方、先頭ページから画像形成可能なものである場合は、先頭頁にも画像形成を行うため、気流作用手段は動作させておくことが好ましい。また、先頭での紙ジャムが発生した場合には、画像形成そのものを再度やり直す必要がある。
【0017】
本発明の目的は、気流作用手段における連続紙記録媒体の先頭での紙ジャムの発生を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するため、本発明においては、連続紙記録媒体に対して気流を作用させる気流作用手段を有する画像形成装置であって、前記連続紙記録媒体の先頭が前記気流作用手段による前記連続紙記録媒体への気流作用位置を通過する前後所定の間のみ、前記気流作用手段の動作状態を変更する、気流制御手段を有している。
【0019】
そして、前記気流作用手段は、前記連続紙記録媒体近傍の空気を吸引する吸引手段であって、この吸引手段の少なくとも一つは、本画像形成装置の定着手段近傍の空気を吸引するものであり、また、この吸引手段の少なくとも一つは、本画像形成装置の定着手段によって定着後の前記記録媒体近傍の空気を吸引するものである。
【0020】
なお、本画像形成装置の定着手段はフラッシュ定着方式に適用でき、また、本画像形成装置は前記連続紙記録媒体の先頭頁から印字可能なものにも用いることができる。
【0021】
さらに、本願発明においては、搬送手段によって搬送される連続紙記録媒体上に像形成部によってトナー像を形成し、該トナー像を定着手段によって前記記録媒体に定着する画像形成方法であって、前記連続紙記録媒体の搬送経路沿いに設けられ前記連続紙記録媒体に対して気流を作用させる気流作用手段の動作を、気流制御手段によって、前記連続紙記録媒体の先頭が前記気流作用手段による前記連続紙記録媒体への気流作用位置を通過する前後所定の間のみ、変更することを特徴とする画像形成方法をも提供するものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明による画像形成装置及び画像形成方法によれば、連続紙記録媒体の先頭が気流作用手段による連続紙記録媒体への気流作用位置を通過する前後所定の間のみ、気流制御手段によって気流作用手段の動作状態を変更する様にしているので、連続紙記録媒体の先頭頁での紙ジャムの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態である電子写真プリンタの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施態様である画像形成装置を、図1を用いて説明する。
画像形成装置たる電子写真プリンタ1は、側板1a、1dを有する。画像担持体たる感光ドラム2の回りに主帯電器3、LEDプリントヘッド4、現像ユニット5、転写帯電器6、分離帯電器7、クリーニング前帯電器8、キャリア回収ユニット9、クリーニングユニット10及び除電ランプ11が配置され、感光ドラム2、主帯電器3、LEDプリントヘッド4、現像ユニット5、転写帯電器6、分離帯電器7、クリーニング前帯電器8、キャリア回収ユニット9、クリーニングユニット10及び除電ランプ11でもって像形成部が形成される。記録媒体MRCの搬送経路に沿って見て、感光ドラム2下流側に定着手段たる定着ユニット20が配置されている。定着ユニット20はフラッシュ定着方式によるものである。
【0025】
記録媒体MRCの搬送経路に見て感光ドラム2の上流側に記録媒体MRCの搬送手段であるトラクタ14が、また、感光ドラム2の下流側に、定着ユニット20と対向する位置に別の搬送手段である搬送ユニット15が、それぞれ設けられている。さらに下流側に別の搬送手段であるスカフローラ対16が設けられている。トラクタ14とスカフローラ対16は記録媒体MRCを拘束しつつ搬送する。
【0026】
電子写真プリンタ1は、制御手段30を有し、該制御手段30によって像形成部、各搬送手段の動作を制御される。制御手段30は気流制御手段を兼ね、各気流発生手段の動作を制御する。
【0027】
ここで、電子写真プリンタ1では、記録媒体MRCはその両端部に送り孔(図示せず)を有する連続紙が使用される。記録媒体MRCは、図示のように、電子写真プリンタ1の右側の導入口1bから導入され、左側の排出口1cから排出される。
【0028】
搬送手段であるトラクタ14は図示しない駆動モータによって駆動され、記録媒体MRCを搬送する。記録媒体MRCの搬送速度は424.3917mm/sに設定されている。
【0029】
感光ドラム2は、円筒形のドラムの表面に負帯電型の有機感光材料からなる感光層が形成され、LEDプリントヘッド4から照射される光によって静電潜像が表面に形成される。
【0030】
そして、主帯電器3は、LEDプリントヘッド4による感光ドラム2上への潜像形成に先立って、放電で発生させたイオンにより感光ドラム2の表面を一様に帯電させ、LEDプリントヘッド4は、光ビームによって感光ドラム2の表面を露光して記録情報に対応した静電潜像を形成する。
【0031】
現像装置たる現像ユニット5は内部に現像剤(図示せず)を収容し、現像ローラ51でもって、感光ドラム2上の静電潜像を現像紙、トナー像とする。現像剤とはトナー粒子とキャリア粒子を適宜の重量比で混合したものである。
【0032】
現像剤は、重量平均粒径が8.5μmのポリエステル樹脂を主成分する負帯電性トナーと、パウダーテック(株)製、平均粒径70μmのEF46−70型アクリルコートフェライトキャリアをトナー濃度5.5%に調合したものを用いた。
【0033】
転写帯電器6は、放電で発生させたイオンを利用して感光ドラム2上に現像された未定着のトナー像を記録媒体MRCに転写する。分離帯電器7は、記録媒体MRCを感光ドラム2から電気的に分離させる帯電器で、例えば、交番電圧が印加されるコロトロン帯電器が使用される。転写帯電器6と分離帯電器7は共通のシールド板部材Sでもって一体に構成されている。
【0034】
ここで、感光ドラム2外周の分離帯電器7とクリーニング前帯電器8との間には記録媒体MRCを感光ドラム2から機械的に分離させる分離爪12が設けられている。
【0035】
本実施態様に於いては、主帯電器3および転写帯電器6以外にもクリーニング前帯電器8を有し、このクリーニング前帯電器8は、感光ドラム2の表面をクリーニングに先立って帯電させ、記録媒体MRCに転写されずに感光ドラム2の表面に残留したトナー粒子をクリーニングユニット10で回収し易くする目的で使用される。
【0036】
キャリア回収ユニット9は、感光ドラム2の回転方向に見て、転写帯電器6とクリーニングユニット10との間に設けられ、記録媒体MRCに転写されずに感光ドラム2の表面に残留したキャリア粒子や、後述のブラシローラ10bに因って、感光ドラム2の表面からはたき落とされたキャリアを回収する。キャリア回収ユニット9は、ハウジング9a内に磁気ローラである回収ローラ9bがキャリア粒子を磁気的に吸着して回収する。
【0037】
クリーニングユニット10は、記録媒体MRCに転写されずに感光ドラム2の表面に残留したトナー粒子を主として除去するもので、ハウジング10a内にブラシローラ10bと回収ローラ10cが設けられている。
【0038】
ブラシローラ10bは、トナー粒子と逆極性のバイアス電圧が印加され、感光ドラム2の表面に残留したトナー粒子をブラシで掻き取ると共に、静電的に吸着してクリーニングする。回収ローラ10cは、ブラシローラ10b以上の絶対値のバイアス電圧が印加され、ブラシローラ10bに吸着されたトナー粒子を静電的に回収する。回収されたトナー粒子は、図示しないブレードによって回収ローラ10cから掻き落とされ、移送ローラ10dによって紙面表裏いずれか一方向に設けた回収部(図示せず)へ移送される。
【0039】
除電ランプ11は、小形の電球で、光照射によって感光ドラム2の表面から残留電荷を除去する。尚、電球の替わりにLED等の発光素子を用いる事も出来る。
【0040】
搬送ユニット15は、2本の搬送ローラ15a間に搬送ベルト15bが掛け渡され、搬送ローラ15aが図示しない駆動モータによって図中矢印方向に回転駆動されることにより、搬送ベルト15bに載置された記録媒体MRCを搬送する。搬送ベルト15bは多数の吸引孔が有し、該吸引口を介して搬送ベルトの内側からエアを吸引して記録媒体MRCを吸着搬送するエア吸着ベルトで、搬送ユニット15内、搬送ベルト15bの内側に図示しないファンを有している。
【0041】
尚、搬送ベルト15bとして、エア吸着ベルトの替わりに静電吸着ベルトを用いることが出来る場合もある。
【0042】
搬送ユニット15の後方には、スカフローラ対16が存在する。スカフローラ対16を構成する2本のローラの内、記録媒体MRCの下方に位置するローラのみが図示しない駆動モータによって回転駆動されている。他方のローラは記録媒体MRCを挟んで自重により下方に付勢され、従動回転している。
【0043】
図1に示すように電子写真プリンタ1に於いては、感光ドラム2上に現像された未定着のトナー像が転写帯電器6によって転写される転写位置から、定着ユニット20によって該トナー像が定着される定着位置までの間を含め、記録媒体MRCが搬送される搬送経路が、略直線状で、かつ略水平となるように構成されている。
【0044】
このように記録媒体MRCの搬送経路を略直線状とすれば、記録媒体の搬送に当たって、該記録媒体を折り曲げることがなく、厚紙、薄紙、合成紙、樹脂フィルム媒体など特殊紙の搬送も容易とすることが出来る。
【0045】
定着ユニット20は、ハウジング20a内に輻射熱源となる定着ランプ21、反射板22、反射板22を冷却する放熱フィン23が設けられ、搬送ユニット15に対向するハウジング20aの前面には保護ガラス24が配置されている。また、定着ユニット20の下流側に、気流作用手段である脱臭吸引系27の一部を構成する、吸引ダクト26が設けられている。
【0046】
定着ランプ21は、例えば、キセノンランプやハロゲンランプが使用される。反射板22は、内面が高い反射率を有するアルミニウム等の金属を板金加工して成形されている。但し、反射板22は、金属であると板金加工のため形状の自由度が低く任意の形状に成形することができないうえ重くなる。このため、反射板22は、金属蒸着したポリイミド等の耐熱性樹脂で成形してもよい。例えば、厚0.1〜0.5mm程度の厚さを有するポリイミドフィルムを真空成形によって所望の反射板形状に一体成形し、アルミニウム、銀、金等の金属を内面に蒸着して製造する。
【0047】
吸引ダクト26は、図1において電子写真プリンタ1の紙面表裏方向に横設され、搬送ユニット15側に開口を有し、ダクト部材によって脱臭脱煙フィルタを介して気流発生源たるブロア(いずれも図示せず)に連通している。記録媒体MRCの搬送経路に見て定着ユニット20後方で、主として記録媒体MRC上方の空気を吸引し、電子写真プリンタ1の外部へ排出することで、トナー像の定着によって発生するガス、臭気、煙を除去する。
【0048】
吸引ダクト26、図示しないダクト部材、脱臭脱煙フィルタ、ブロアでもって気流作用手段たる脱臭吸引系27が構成される。また、吸引ダクト26の開口位置が、該脱臭吸引系27による気流作用位置である。
【0049】
尚、脱臭吸引系27はその吸引によって定着ユニット20の冷却の機能も併せ持っているため、画像形成動作の停止後も定着ユニット20が余熱を有している間は動作し続ける。
【0050】
電子写真プリンタ1は以上のように構成され、以下に述べる電子写真方法により記録媒体MRCに未定着トナー像を定着して所望のプリント(画像形成)を行う。
【0051】
先ず、クリーニングユニット10で表面が清掃され、矢印方向に一定の速度で回転する感光ドラム2は、除電ランプ11で表面の残留電荷が除去され、主帯電器3で一様に帯電される。
【0052】
次に、LEDプリントヘッド4が、感光ドラム2に光ビームを照射し、記録情報に対応した静電潜像を感光ドラム2の表面に形成する。この静電潜像は感光ドラム2の回転により、現像ユニット55で現像され、トナー像が形成される。
【0053】
そして、感光ドラム2上に現像されたトナー像は、矢印で示した搬送経路に沿って搬送されてくる記録媒体MRC上に転写帯電器6で転写される。トナー像が転写された記録媒体MRCは、分離帯電器7で感光ドラム2から離され、搬送ユニット15によって定着ユニット20へ搬送される。定着ユニット20では、定着ランプ21が発光し、発生した熱により未定着のトナー像が溶融し記録媒体MRC上に定着される。
【0054】
電子写真プリンタ1においては、上記のようにして、記録情報に対応した画像が記録媒体MRC上に形成され、クリーニング前帯電器8での帯電、キャリア回収ユニット9でのキャリア回収、クリーニングユニット10での感光ドラム2の表面クリーニングの後、除電ランプ11によって感光ドラム2の残留潜像が消去されて、引き続く次の画像形成に供される。
【0055】
次に、電子写真プリンタ1のプリント動作を順を追って説明する。
【0056】
まずオペレータが記録媒体MRCの先頭頁をトラクタ14にセットする。ついで、電子写真プリンタ1に接続されたコントローラ(図示せず)などから、プリントするデータを指定し、プリント動作の開始を指令する。
【0057】
この指令に基づき、電子写真プリンタ1が制御手段30の制御の下、プリント動作を開始する。
【0058】
像形成部が感光ドラム2上にトナー像の形成を開始し、そのトナー像の形成と同期してトラクタ14が記録媒体MRCの搬送を開始し、感光ドラム2直下の転写位置に搬送する。転写帯電器6によって感光ドラム上2上に形成されたトナー像の、記録媒体MRCの先頭頁の所定位置への転写が開始される。感光記録媒体MRCの先頭は、分離帯電器7及び分離爪12によって、感光ドラム2から分離され、搬送ユニット15の搬送ベルト15bに吸着される。
【0059】
本実施例では、前述のように搬送ベルト15bがエア吸着ベルトであり、記録媒体MRCを吸着しつつ搬送するものであるため、連続紙記録媒体の先頭頁からの印字が可能となっている。
【0060】
尚、搬送ベルトが単に連続紙記録媒体MRCを載持して搬送するだけのものである場合は、感光ドラム2後方での記録媒体の搬送が困難であり、記録媒体の先頭がスカフローラ対16を通過し、トラクタ14とスカフローラ対16双方で記録媒体MRCが拘束、搬送されるまでは、記録媒体MRCへの画像形成は難しい。即ち記録媒体の先頭数頁には画像形成を行うことが難しい場合が多い。
【0061】
搬送ベルト15によって搬送された記録媒体MRCは搬送方向後方のスカフローラ対16に入り、スカフローラ対16によってさらに確実に拘束され、搬送される。
【0062】
脱臭吸引系27は、記録媒体MRCの先頭が脱臭吸引系27の作用位置である吸引ダクト26を通過した後に動作を開始する。これによって、脱臭吸引系27によって吸引されているエアによって記録媒体MRC先頭の搬送が阻害され、紙ジャムが発生することを防止できる。
【0063】
さらに、記録媒体MRCの先頭がスカフローラ対16を通過し、スカフローラ対16によって、より確実に拘束、搬送され始めた後に脱臭吸引系27の動作を開始すると、尚好ましい場合もある。
【0064】
尚、脱臭吸引系27は定着によって発生するガス、臭気、煙の除去が目的であるので、記録媒体MRC先頭が、吸引ダクト26もしくはスカフローラ対16を越えた後は、可及的速やかに動作を開始するのが好ましい。
【0065】
一方、従来技術の場合、脱臭吸引系27は、プリント動作の指令に基づく、プリント動作を開始と同時に動作を開始する。この為、記録媒体MRCの先頭が脱臭吸引系27の作用位置である吸引ダクト26付近を通過する時点では既に脱臭吸引系27は動作しており、この為、記録媒体の先頭の搬送が阻害され、吸引ダクト26付近で紙ジャムが発生する場合がある。
【0066】
以上の実施例では、記録媒体MRCの先頭が、吸引ダクト26もしくはスカフローラ対16を越えた後にその動作を開始する様にしたが、記録媒体MRCの先頭が、吸引ダクト26もしくはスカフローラ対16を越える迄の間は、記録媒体MRCの先頭の搬送が阻害されない程度に、脱臭吸引系27の吸引力を下げておき(具体的には吸引源であるブロア、ファンの回転数を落とすなど)、記録媒体MRC先頭が、吸引ダクト26もしくはスカフローラ対16を越えた後に、その吸引力を所定の状態に戻すようにしてもよい。この場合、記録媒体MRC先頭が吸引ダクト26もしくはスカフローラ対16を越える迄の間も、脱臭吸引系27の本来の目的である、ガス、臭気、煙の吸引が最低限可能であり好ましい。
【0067】
次に、電子写真プリンタ1で間欠的に連続紙記録媒体MRCに対しプリントを行う場合を考える。一旦、記録媒体MRCへの画像形成が終了し、記録媒体MRCが排出口1cからすべて排出された後、次の連続紙記録媒体MRCをトラクタ14にセットして次のプリントを開始するとする。この時、定着ユニット20は余熱を有しているため、冷却手段も兼ねる脱臭吸引系27は動作状態にある場合が多い。よって、そのままでは次の連続紙記録媒体MRCの先頭で紙ジャムが発生する場合がある。
【0068】
この為、次のプリント動作の開始後、記録媒体MRCの先頭が吸引ダクト26に到達する前に、一旦、脱臭吸引系27を停止、或いは、その吸引力を低減させ、記録媒体MRCの先頭が、吸引ダクト26もしくはスカフローラ対16を越えた後に、再度、脱臭吸引系27を動作、或いは、その吸引力を所定の状態に戻すようにする。
【0069】
以上のように、連続紙記録媒体の先頭が気流作用手段による連続紙記録媒体への気流作用位置を通過する前後所定の間のみ、気流制御手段によって気流作用手段の動作状態を変更する様にすれば、連続紙記録媒体の先頭頁での紙ジャムを防止できる。。
【0070】
本実施例では気流作用手段として脱臭吸引系27を有する電子写真プリンタ1を説明したが、気流作用手段としてはこれに限定されるものではなく、連続紙記録媒体に対し、エアの吹き付け、吸引など気流を作用させるあらゆる手段に対し、本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0071】
1.電子写真プリンタ
1a、1d.側板
1b.導入口
1c.排出口
1e.ステー
1g.遮蔽板
2.感光ドラム
3.主帯電器
4.LEDプリントヘッド
4a.LEDプリントヘッド冷却フィン
5.現像ユニット
6. 転写帯電器
7.分離帯電器
8.クリーニング前帯電器
9.キャリア回収ユニット
9a.キャリア回収ローラ
10.クリーニングユニット
10a.クリーニングユニット天板
10b.ブラシローラ
10c.回収ローラ
11.除電ランプ
12.分離爪
13.ガイド板
14.トラクタ
10b.ブラシローラ
14.トラクタ
15.搬送ユニット
15a.搬送ローラ
15b.搬送ベルト
16.スカッフローラ対
20.定着ユニット
20a.筐体
21.フラッシュランプ
22.反射板
23.放熱フィン
24.保護ガラス
26.吸引ダクト
27.脱臭吸引系
30.制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続紙記録媒体の搬送手段、該搬送手段によって搬送される連続紙記録媒体上にトナー像を形成する像形成部、前記トナー像を前記記録媒体に定着する定着手段、前記連続紙記録媒体の搬送経路沿いに設けられ、前記連続紙記録媒体に対して気流を作用させる気流作用手段、を少なくとも有する画像形成装置であって、前記連続紙記録媒体の先頭が前記気流作用手段による前記連続紙記録媒体への気流作用位置を通過する前後所定の間のみ、前記気流作用手段の動作状態を変更する、気流制御手段をさらに有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記気流作用手段が、前記連続紙記録媒体近傍の空気を吸引する吸引手段であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記吸引手段の少なくとも一つは、前記定着手段近傍の空気を吸引するものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記吸引手段の少なくとも一つは、前記定着手段によって定着後の前記記録媒体近傍の空気を吸引するものであることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記定着手段が、フラッシュ定着方式によるものであることを特徴とする、請求項3または4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置は前記連続紙記録媒体の先頭頁から印字可能なものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
搬送手段によって搬送される連続紙記録媒体上に像形成部によってトナー像を形成し、該トナー像を定着手段によって前記記録媒体に定着する画像形成方法であって、前記連続紙記録媒体の搬送経路沿いに設けられ前記連続紙記録媒体に対して気流を作用させる気流作用手段の動作を、気流制御手段によって、前記連続紙記録媒体の先頭が前記気流作用手段による前記連続紙記録媒体への気流作用位置を通過する前後所定の間のみ、変更することを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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