説明

画像形成装置及び画像形成方法

【課題】装置本体部から取り外され、放置された操作部を容易に捜索できるようにすると共に、操作部の返却作業と使用者の捜索との間での行き違いを抑制できるようにする。
【解決手段】 無線通信機能を有し、使用者の操作情報の入力が可能で、装置本体部101に装着された状態では、装置電源を使用して動作し、かつ、装置本体部から取り外された状態では、それ自体に内蔵されたバッテリー36を使用して動作する、取り外し可能な操作部30と、操作部30から使用者の操作情報を受信する無線通信部19と、受信された使用者の操作情報を記憶する操作情報記憶部24と、記憶された使用者の操作情報に基づく画像形成出力の指示を入力する出力指示ボタン20と、入力操作に対応して使用者の操作情報に基づく画像を処理するフォント画像処理部23と、画像処理された使用者の操作情報に基づく文字画像を専用紙に形成して出力する画像形成部14とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、取り外し可能な操作部を有した遠隔操作が可能な複写機と製本装置等の後処理装置とを組み合わせた画像形成システムに適用して好適な画像形成装置及び画像形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、商業用印刷機(プロダクトプリンティング:PP機)の技術分野では、複写機と、大容量の給紙装置(大給紙装置)と、複数の後処理装置とを組み合わせた画像形成システムが利用されつつある。画像形成システムの組み合わせ規模によって、複写機10から最終段の後処理装置500の冊子排紙口に至るまで、5メートル〜10メートルを越えるものもある。
【0003】
図8(A)及び(B)は、従来例に係る画像形成システムの構成例及び取り外し可能な操作部3の機能例を示す概念図である。図8(A)に画像形成システム1は、取り外し可能な操作部3を有した遠隔操作が可能な複写機10と、複数の後処理装置200,400,500と、大給紙装置300とを組み合わせたものである。複写機10には取り外し可能な操作部3が設けられる。操作部3が複写機10の機械本体部6から取り外し可能な構造を有している。
【0004】
画像形成システム1では大給紙装置300が複写機10に所定のサイズの用紙を供給する。複写機10は大給紙装置300から給紙される用紙に画像を形成する。後処理装置200は、複写機10から排出される画像形成後の複数の用紙を束ねる。後処理装置400は、後処理装置200から排出される用紙束に、例えば、2つ折りした表紙を組み合わせて綴じ処理を施し、冊子2を作成する。後処理装置500は、冊子2をジャンル別に仕分けして排紙する。
【0005】
画像形成システム1によれば、例えば、大量の冊子2を作成する場合であって、本刷りに移行する前に、試しに冊子2を作成して表紙間の記録紙の濃度を調整しようとした場合に、操作部3が機械本体部6に固定される構造であると、最終段の後処理装置500の排紙口501からいちいち複写機10の前に戻って、固定された操作部3で画像濃度等を調整するようにしなくてはならない。
【0006】
そこで、機械本体部6から操作部3のみを取り外し可能な構造とすることで、使用者が最終段の後処理装置500の排紙口501に居ながらして、その場所で後処理装置500の排紙口501から排紙される冊子2の濃度調整を行えるようになった。複写機10から最終段の後処理装置500の排紙口501に至る間を何度も往復することなく、本刷り移行前の画像濃度調整等を行うことができる。
【0007】
この種の機械本体部6から操作部3が取り外し可能な構成を採る技術に関して、特許文献1に開示された情報処理装置によれば、ハンディースキャナー等の端末と、表示手段を有した装置本体とを備えて構成される。端末は、装置本体に装着された状態で、当該装置本体の電源を使用して動作し、装置本体から取り外された状態では、それ自体に内蔵されたバッテリーを使用して動作する。ステータス情報取得手段は、装置本体に端末が取り付けられた状態で、バッテリーの充電に関するステータス情報を取得する。制御手段は、ステータス情報取得手段により得られたステータス情報に基づいて、端末が装置本体から取り外された状態では使用できない旨をピクトグラム又は文字により表示手段に表示させる。これらを前提にして、特許文献1の制御手段は、装置本体から端末が取り外された直後のステータス情報に基づいて当該端末が装置本体から取り外された状態では使用できない旨を表示または音により報知するようにした。このように情報処理装置を構成すると、バッテリーの充電状況に応じてバッテリエラーを装置本体側で確認できるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−262033(第7頁 図8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、従来例に係る画像形成システムによれば、次のような問題がある。
i.図8に示した複写機10には取り外し可能な操作部3が設けられるが、操作部3が取り外せるようになると、複写機10から外して、他の場所で作業ができるようになる。しかし、複写機10には操作部3がないため、他の使用者による複写機10の操作ができなくなるという問題がある。
【0010】
ii.他の使用者がその複写機10の場所に訪れた背景は、ネット経由で画像形成物の出力を指示したものを取りにきたか、あるいは、ネット経由で送られてきた親展プリントを出力したり、その場で直ぐに画像形成物を出力したい場合と考えられる。このような場合に、取り外された操作部3が機械本体部6に戻されるまでの間、複写機10が利用できない状態に陥り、他の使用者は操作部3が戻されるまで待つしかないという問題がある。
【0011】
iii.上述した問題は、特許文献1に見られるような取り外し可能な端末を備えた情報処理装置においても、同様に生ずる。従って、機械本体部6から取り外され、放置された端末の捜索が困難になる。これにより、端末の返却作業と使用者の捜索との間での行き違いが生ずるという問題がある。
【0012】
そこで、この発明は上述した課題を解決したものであって、機械本体部から取り外され、放置された操作部を容易に捜索できるようにすると共に、操作部の返却作業と使用者の捜索との間での行き違いを抑制できるようにした画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の画像形成装置は、 無線通信機能を有し、入力操作を行う使用者の操作情報の入力が可能で、装置本体部に装着された状態では、当該装置本体部の電源を使用して動作し、かつ、装置本体部から取り外された状態では、それ自体に内蔵されたバッテリーを使用して動作する装置本体部から取り外し可能な操作部と、前記操作部から使用者の操作情報を受信する通信部と、少なくとも、前記通信部によって受信された前記使用者の操作情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記使用者の操作情報に基づく画像形成出力の指示を入力する出力指示部と、前記出力指示部の入力操作に対応して前記使用者の操作情報に基づく画像を画像処理する画像処理部と、前記画像処理部によって画像処理された前記使用者の操作情報に基づく画像を所定のシートに形成して出力する画像形成部とを備えることを特徴とするものである。
【0014】
請求項1に係る画像形成装置によれば、取り外し可能な操作部、通信部、記憶部、出力指示部、画像処理部及び画像形成部を備えて構成される。操作部は、バッテリーで駆動する通信機能を有しており、しかも、入力操作を行う使用者の操作情報の入力が可能で、かつ、装置本体部から取り外し可能なものである。通信部は、操作部から使用者の操作情報を受信する。記憶部は、少なくとも、通信部によって受信された使用者の操作情報を記憶する。出力指示部は、記憶部に記憶された使用者の操作情報に基づく画像形成出力の指示を入力する。画像処理部は、出力指示部の入力操作に対応して使用者の操作情報に基づく画像を画像処理する。これを前提にして、画像形成処理部が、画像処理部によって画像処理された使用者の操作情報に基づく画像を所定のシートに形成して出力するようになる。
【0015】
この画像形成出力によって、装置本体部から操作部を取り外して入力操作する使用者の名前等の文字画像を画像形成部から出力されたシート内容から確認できるようになる。従って、装置本体部から取り外され、放置された操作部を容易に捜索できるようになる。
【0016】
請求項2に記載の画像形成装置は、請求項1において、前記画像形成部を備えた装置本体部から前記操作部が取り外されたか否かを検出し、当該操作部が前記装置本体部から取り外されたとき、前記操作部から使用者の操作情報を受信して前記記憶部に記憶するように前記通信部を制御する制御部を備えることを特徴とするものである。
【0017】
請求項3に記載の画像形成装置は、請求項2において、前記制御部は、前記画像形成部によって出力中の画像形成ジョブを中断し、別の画像形成ジョブを優先して出力する動作モードを割り込みモードとしたとき、前記使用者の操作情報を割り込みモードに基づいて前記画像形成部へ出力することを特徴とするものである。
【0018】
請求項4に記載の画像形成装置は、請求項3において、前記使用者の操作情報に基づく画像を形成する専用シートを前記画像形成部に供給するシート供給部を備えることを特徴とするものである。
【0019】
請求項5に記載の画像形成装置は、請求項4において、前記使用者の操作情報に基づく画像が形成されたシートを排出する専用の排出トレイを備えることを特徴とするものである。
【0020】
請求項6に記載の画像形成装置は、請求項1において、前記操作部は、メッセージを入力し、当該メッセージを画像処理するメッセージ入力部を有しており、前記メッセージ入力部に入力されたメッセージを通信機能を介して前記画像形成部に送信し、前記制御部は、前記操作部から受信したメッセージを割り込みモードに基づいて前記画像形成部に出力することを特徴とするものである。
【0021】
請求項7に記載の画像形成装置は、請求項1において、前記操作部は、音声出力機能及び振動機能の少なくともいずれか一方を有しており、前記出力指示部が入力操作されたとき、前記通信機能を介して前記音声出力機能及び振動機能の少なくともいずれか一方が駆動されることを特徴とするものである。
【0022】
請求項8に記載の画像形成装置は、請求項1において、前記操作部は、当該操作部の自己の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得機能を有しており、前記通信機能によって自己の位置情報を前記装置本体部の通信部へ通知し、前記制御部は、一定期間毎に、前記操作部の位置情報を前記通信部を介して問い合わせ、前記操作部の位置情報を前記通信部を介して受信し、ここに受信した前記操作部の位置情報を前記使用者の操作情報と共に前記記憶部に保存し、前記出力指示部の入力操作がされたとき、前記使用者の操作情報と共に前記操作部の位置情報を前記記憶部から読み出し、前記使用者の操作情報と共に前記操作部の位置情報に基づく画像を形成するように前記画像形成部を制御することを特徴とするものである。
【0023】
請求項9に記載の画像形成装置は、請求項8において、前記操作部の位置情報を他に優先して取得するモードを優先モードとし、それ以外を非優先モードとしたとき、前記優先モード又は非優先モードを設定する設定手段を備え、前記操作部は、バッテリーの電池残量を検出する電池残量検出部を有しており、前記通信機能によって電池残量を示す情報を前記装置本体部の通信部へ通知し、前記制御部は、一定期間毎に、前記操作部の電池残量を示す情報を前記通信部を介して問い合わせ、前記操作部から位置情報と共に電池残量を示す情報を受信し、前記設定手段によって、前記優先モードが設定されている場合であって、前記操作部から通知された前記バッテリーの電池残量が少ない場合は、定期間隔より短い間隔で当該操作部の位置情報を取得し、前記設定手段によって、前記非優先モードが設定されている場合であって、前記バッテリーの電池残量が少ない場合は、定期間隔より長い間隔で当該操作部の位置情報を取得することを特徴とするものである。
【0024】
請求項10に記載の画像形成装置は、請求項1において、前記装置本体部内において異常状態を検出する異常検出手段を備え、前記画像処理部は、前記出力指示部の入力操作に対応して前記装置本体部内の異常状態を示す検出情報を画像処理し、前記画像形成部は、前記画像処理部によって画像処理された前記装置本体部内の異常状態を示す検出情報に基づく画像を所定のシートに形成して出力することを特徴とするものである。
【0025】
請求項11に記載の画像形成方法は、画像形成装置が、入力操作を行う使用者の操作情報の入力が可能な操作部であって、装置本体部に装着された状態では、当該装置本体部の電源を使用して動作し、かつ、装置本体部から取り外された状態では、それ自体に内蔵されたバッテリーを使用して動作する、装置本体部から取り外し可能な無線通信機能を有する操作部から使用者の操作情報を受信し、少なくとも、受信された前記使用者の操作情報を記憶し、ここに記憶された前記使用者の操作情報に基づく画像形成出力の指示を入力し、入力操作に対応して前記使用者の操作情報に基づく画像を画像処理し、画像処理された前記使用者の操作情報に基づく画像を所定のシートに形成して出力することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0026】
請求項1に係る画像形成装置及び請求項11に係る画像形成方法によれば、装置本体部から取り外し可能な操作部を操作する使用者の操作情報に基づく画像を、画像形成出力の指示に対応して、所定のシートに形成し出力する画像形成部を備えるものである。
【0027】
この構成によって、装置本体部から操作部を取り外して入力操作する使用者の名前等の文字画像を画像形成部から出力されたシート内容から確認できるようになる。従って、装置本体部から取り外され、放置された操作部を容易に捜索できるようになる。
【0028】
しかも、装置本体部から取り外されている操作部の現在の状況や、位置等を当該操作部が無くても、画像形成部から出力されるシート内容から知ることができる。これにより、操作部の返却作業と使用者の捜索との間での行き違いを抑制できるようになる。
【0029】
請求項2に係る画像形成装置によれば、制御部が、装置本体部から操作部が取り外されたか否かを検出し、当該操作部が装置本体部から取り外されたとき、操作部から受信した使用者の操作情報を記憶するので、画像形成出力の指示に対応し、記憶部に記憶された使用者の操作情報に基づく画像を所定のシートに形成して出力できるようになる。
【0030】
請求項3に係る画像形成装置によれば、制御部が使用者の操作情報を割り込みモードに基づいて画像形成部へ出力するので、画像形成出力の指示に対応して、使用者の操作情報に基づく画像を所定のシートに形成し出力できるようになる。
【0031】
請求項4に係る画像形成装置によれば、画像形成出力の指示に対応して、使用者の操作情報に基づく画像を、シート供給部から供給される専用シートに形成して出力できるようになる。
【0032】
請求項5に係る画像形成装置によれば、画像形成出力の指示に対応して、使用者の操作情報に基づく画像が形成されたシートを専用の排出トレイに排紙できるようになる。
【0033】
請求項6に係る画像形成装置によれば、制御部が操作部から受信したメッセージを割り込みモードに基づいて画像形成部に出力するので、画像形成出力の指示に対応して、使用者の操作情報に基づくメッセージ画像をシートに形成して出力できるようになる。
【0034】
請求項7に係る画像形成装置によれば、装置本体部の出力指示部の入力操作に対応して、操作部の音声出力機能及び振動機能の少なくともいずれか一方が駆動されるので、自己の操作部が呼ばれている旨等を報知できるようになる。
【0035】
請求項8に係る画像形成装置によれば、制御部が使用者の操作情報と共に操作部の位置情報に基づく画像を形成するように画像形成部を制御するので、画像形成出力の指示に対応して、シートに形成された使用者の操作情報及び操作部の位置情報の画像から、使用者の名前や、操作部の位置を確認できるようになる。
【0036】
請求項9に係る画像形成装置によれば、優先モードが設定され、バッテリーの電池残量が少ない場合は、制御部が定期間隔より短い間隔で当該操作部の位置情報を取得し、非優先モードが設定され、その電池残量が少ない場合は、定期間隔より長い間隔で当該操作部の位置情報を取得するので、バッテリーの電池残量が少なくなってきた場合であっても、効率良く操作部の位置を取得できるようになる。
【0037】
請求項10に係る画像形成装置によれば、画像形成部が装置本体部内の異常状態を示す検出情報に基づく画像を所定のシートに形成して出力するので、画像形成出力の指示に対応して、シートに形成された装置本体部内の異常状態を示す検出情報に基づく画像から、装置本体部内の異常箇所や、操作部が装置本体部に取り付けられていない等の異常状態を確認できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係る実施形態としての画像形成装置100の構成例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施例としての操作部取り外し時の位置情報取得例(その1)を示すフローチャートである。
【図3】(A)及び(B)は、その操作部取り外し時の位置情報取得例(その2)を示すフローチャートである。
【図4】その操作部取り外し時の位置情報取得例(その3)を示すフローチャートである。
【図5】(A)及び(B)は、出力指示ボタン20の押下による装置本体部101の画像形成例を示すフローチャートである。
【図6】(A)及び(B)は、第2の実施例に係る画像形成装置100−操作部30間の情報処理例を示すフローチャートである。
【図7】第3の実施例に係る画像形成装置100の異常検出時の画像形成例を示すフローチャートである。
【図8】(A)及び(B)は、従来例に係る画像形成システムの構成例及び取り外し可能な操作部の機能例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態に係るシート冷却装置及び画像形成装置について説明をする。本欄の記載は、特許請求の範囲に記載される技術的範囲や、用語の意味等を限定するものではない。
【0040】
図1に示す画像形成装置100は、1台又は2台のプリンタと、製本装置等の後処理装置とを組み合わせて構築される商業印刷向けの画像形成システムに適用して好適なもので、取り外し可能な携行型の操作部30及び、当該操作部30が装着及び取り外しが可能な画像形成装置本体部(以下で装置本体部101という)を有して構成される。
【0041】
<取り外し可能な操作部30>
操作部30は、装置本体部101に装着された状態では、当該装置本体部の電源を使用して動作し、かつ、装置本体部から取り外された状態では、それ自体に内蔵されたバッテリーを使用して動作するもので、無線通信機能を有し、入力操作を行う使用者の操作情報D30の入力が可能で、かつ、装置本体部101から取り外し可能なものである。操作情報D30には使用者のユーザー名及びパスワード等が含まれる。操作部30は、例えば、I/Oポート部31、メッセージ入力部32、表示部33、位置情報取得部34、制御部35、バッテリー36、電池残量検出部37、報知手段38及び無線通信部39を有して構成される。
【0042】
I/Oポート部31は制御部35に接続され、当該操作部30が装置本体部101に取り付けられると、I/Oポート部31が画像形成装置100のI/Oポート部21に接続される。I/Oポート部31は当該操作部30が装置本体部101に取り付けられている間、装置本体部101の全体制御部15と操作部30の制御部35との間でデータ入出力処理が行われる。もちろん、I/Oポート部31がI/Oポート部21に接続されている期間を利用してバッテリー36の充電が行われる。
【0043】
メッセージ入力部32は、使用者がメッセージを入力するように操作される。メッセージ入力部32は数字や、漢字、カタカナ、ひらがな等の文字入力キーから構成される。メッセージ入力部32で入力された数字や、漢字、カタカナ、ひらがな等の文字情報D32は制御部35に出力される。
【0044】
表示部33は表示情報D33に基づいて当該画像形成装置100の各種設定を行う設定画面等を表示する。表示情報D33は設定画面を表示するデータであり、制御部35から表示部33に出力される。表示部33には液晶表示パネルが使用され、当該液晶表示パネルとタッチパネルが組み合わされ、GUI(Graphic User Interface)方式の入力手段が構成される。
【0045】
表示部33には表示情報D33に基づいて管理者設定画面が表示される。管理者は、管理者設定画面で、操作部30が装置本体部101から取り外された後、位置情報を取得する際の問い合わせ周期等を設定するようになされる。例えば、管理者設定画面の中で位置情報取得設定の項目を選択すると、管理者設定画面から位置情報取得設定画面に表示が切り替わる。管理者は、位置情報取得設定画面において、位置情報D34の取得周期時間をデフォルトの値に設定する。デフォルトの取得周期時間は、操作部30が取り外された後の追跡情報の取得を試みる周期である。
【0046】
また、表示部33には操作部30を切り離す際に、表示情報D33に基づいて操作部取り外し画面が表示される。使用者は、操作部取り外し画面で、ユーザー名及びパスワード等を入力するようにしてもよい。もちろん、通常動作モード時、GUI入力機能を利用して画像形成条件が設定される。ここに通常動作モードとは、画像形成条件を設定してシート(以下で用紙又は通常紙P1という)に画像を形成する動作モードをいう。
【0047】
画像形成条件には、画像形成時の用紙の種類(紙種)、その坪量、その画像の濃度、その温度・湿度等の環境、その連続通紙枚数、その他、印刷モード等の設定内容が含まれる。ここで設定された画像形成条件の内容は、使用者の操作情報D30となる。位置情報取得部34は、GPS(全地球測定システム)機能を有しており、当該操作部30の位置を測定して自己の現在の位置を示す位置情報D34を発生する。位置情報D34は制御部35を介して装置本体部101に送信される。
【0048】
バッテリー36は、I/Oポート部31、メッセージ入力部32、表示部33、位置情報取得部34、制御部35、電池残量検出部37、報知手段38及び無線通信部39に接続され、これらに駆動電力を供給する。バッテリー36には充電可能な二次電池が使用される。バッテリー36は、操作部30が装置本体部101に取り付けられている間、I/Oポート部21からI/Oポート部31へ充電回路が構成され、当該充電回路を通して充電される。
【0049】
バッテリー36には電池残量検出部37が接続され、バッテリー36の電池残量を検出して電池残量検出信号S37を制御部35に出力する。制御部35は電池残量検出信号S37を信号処理して、電池残量を示す情報(以下で電池残量情報D37という)を作成する。電池残量情報D37は、無線通信部39の通信機能を利用して装置本体部101の無線通信部19へ通知するようになる。
【0050】
制御部35には報知手段38が接続される。報知手段38はバッテリー36で駆動可能な音声出力機能301及びバイブ機能302を有している。この例では、装置本体部101で出力指示ボタン20が入力操作されたとき、無線通信部39を介して音声出力機能301及びバイブ機能302の少なくともいずれか一方が駆動されるものである。
【0051】
なお、音声出力機能301及びバイブ機能302の両方を操作部30に備えてもよいが、少なくともいずれか一方を有していればよい。この例では、装置本体部101の出力指示ボタン20の入力操作に対応して、操作部30の音声出力機能301及びバイブ機能302の少なくともいずれか一方が駆動されるので、自己の操作部30が呼ばれている旨等を報知できるようになる。
【0052】
無線通信部39は、当該操作部30が装置本体部101から外されている期間に、装置本体部101の無線通信部19の間で無線通信処理が行われる。例えば、操作部30は、無線通信部39の機能によって自己の位置情報D34を装置本体部101の無線通信部19へ通知する。全体制御部15では、一定期間毎に、操作部30の位置情報D34を無線通信部19を介して問い合わせ、操作部30の位置情報D34を無線通信部19,39を介して受信する。無線通信部39には、例えば、周波数2.4GHz〜6.0GHz、伝送速度1M〜54M、通信距離100m程度の無線LANや無線PANの規格(認証団体WiFi,Bluetooth(登録商標),WiMedia、WiMAX等)が採用される。
【0053】
制御部35は、バッテリー36に接続されたメッセージ入力部32、表示部33、位置情報取得部34、電池残量検出部37、報知手段38及び無線通信部39の入出力を制御する。例えば、位置情報D34が位置情報取得部34から制御部35に出力され、電池残量情報D37が電池残量検出部37から制御部35に出力される。これを前提にして、制御部35は、装置本体部101の全体制御部15からの一定期間毎の電池残量の問い合わせに対応して、操作部30から装置本体部101へ位置情報D34と共に電池残量情報D37を無線通信部39を介して送信する。
【0054】
図中の二重丸印で示すコピースタートボタン40は、コピースタートを指示するスイッチである。コピースタートボタン40が押下されると、全体制御部15にコピースタート指示を示す信号S40(コピースタートデータD40)が送信される。これらにより、装置本体部101から取り外し可能な携行型の操作部30を構成する。
【0055】
<装置本体部101>
装置本体部101は、通常紙トレイ11、専用紙トレイ12、給紙制御部13、画像形成部14、全体制御部15、排紙制御部16、通常排紙トレイ17、専用排紙トレイ18、無線通信部19、出力指示ボタン20、I/Oポート部21、位置情報取得設定部22、フォント画像処理部23、操作情報記憶部24及びメモリ部25を有して構成される。
【0056】
全体制御部15は、例えば、読み出し専用メモリ(Read Only Memory:以下ROM51という)、随時情報の書き込み読出し可能なメモリ(Random Access Memory:以下RAM52という)及び中央処理ユニット(Central Processing Unit;以下CPU53という)を有している。
【0057】
CPU53にはROM51及びワークメモリ用のRAM52が接続される。ROM51には当該画像形成装置100の全体を制御するためのシステムプログラムや、取り外し可能な操作部30を制御するための制御情報や、それを追跡するための制御情報が格納される。例えば、電源がオンされると、電源オン情報を検出したCPU53は、ROM51からシステムプログラムを読み出してRAM52に展開し、システムを起動して、当該画像形成装置100の全体を制御するようになされる。
【0058】
一方、通常紙トレイ11には通常動作モード時に画像形成部14で使用される通常紙P1が収容される。専用紙トレイ12には、例えば、通常動作モード時には、あまり使用されない色付き(桃色・水色等)の用紙(以下で専用紙P2という)が収容される。専用紙トレイ12は、専用紙P2を画像形成部14に供給する専用のトレイである。専用紙P2には、使用者の操作情報D30に基づく文字画像が形成(描画)される。通常紙トレイ11及び専用紙トレイ12は給紙装置を構成する。給紙装置には図8で説明した大給紙装置300を含むものである。
【0059】
通常紙トレイ11及び専用紙トレイ12には給紙制御部13が接続され、給紙制御情報D13に基づいて給紙選択制御が行われる。給紙制御情報D13は給紙トレイを選択するためのデータであって、全体制御部15から給紙制御部13へ出力される。給紙選択制御では、通常動作モード時、給紙制御情報D13に基づいて通常紙トレイ11を選択して、通常紙トレイ11から画像形成部14へ通常紙P1を給紙するようになる。装置本体部101から操作部30が取り外されて、操作部探索モードに移行すると、出力指示ボタン20の入力操作に対応して専用紙トレイ12を選択して、専用紙トレイ12から画像形成部14へ専用紙P2を給紙するようになる。
【0060】
図中の四角印で示す用紙検出センサ41は異常検出手段の一例を構成し、通常紙P1や専用紙P2等の用紙有無を検出して用紙検出信号S41を発生する。用紙検出信号S41は全体制御部15に出力される。用紙検出信号S41は全体制御部15でアナログ・ディジタル変換されて用紙検出情報を構成する。
【0061】
画像形成部14は、通常動作モード時、CPU53から与えられた画像形成ジョブを実行する。この例では、操作部探索モード時、画像形成部14がフォント画像処理部23によって画像処理された使用者の操作情報D30に基づく文字画像を専用のシート(以下で専用紙P2という)に形成して出力する。画像形成部14には、例えば、タンデム型の電子写真方式のカラープリンタエンジンが使用される。
【0062】
通常排紙トレイ17は、通常動作モード時、画像データに基づくカラー画像や、白黒画像が形成された通常紙P1を排出するトレイである。専用排紙トレイ18は、使用者の操作情報D30に基づく文字画像が形成された専用紙P2を排出する専用のトレイである。
【0063】
全体制御部15には排紙制御部16が接続される。排紙制御部16は排紙制御情報D16に基づいて排紙選択制御が行われる。排紙制御情報D16は排紙トレイを選択するためのデータであって、全体制御部15から排紙制御部16へ出力される。排紙選択制御では、通常動作モード時、排紙制御情報D16に基づいて通常排紙トレイ17を選択して、画像形成部14から通常排紙トレイ17へ画像形成後の通常紙P1を排紙するようになる。装置本体部101から操作部30が取り外されて、操作部探索モードに移行すると、出力指示ボタン20の入力操作に対応して専用排紙トレイ18を選択して、画像形成部14から専用排紙トレイ18へ専用紙P2を排紙するようになる。
【0064】
無線通信部19は通信部の一例を構成し、操作部30から使用者の操作情報D30を受信したり、操作部30の位置情報D34を受信する。無線通信部19にも、無線通信部39と同様な無線規格が採用される。同一の建物内で通信が可能な無線規格であればよい。
【0065】
出力指示ボタン20は、操作情報記憶部24に記憶された使用者の操作情報D30に基づく画像形成出力の指示を入力する。出力指示ボタン20は、操作情報記憶部24から使用者の操作情報D30を読み出すためのトリガーの他に、装置本体部101から取り外された操作部30を探すためのコールボタンを構成する。
【0066】
上述の全体制御部15にはI/Oポート部21が接続される。I/Oポート部21には、図中、黒三角印で示すフックスイッチSWが設けられる。フックスイッチSWは、装置本体部101から操作部30が取り外された場合に、例えばオンして、操作部30が装置本体部101から取り外されたことを示すハイ・レベルの操作部分離信号SSWを全体制御部15に出力する。全体制御部15は、ハイ・レベルの操作部分離信号SSWをトリガーにして、例えば、操作部探索モードを設定する。ここに操作部探索モードとは、装置本体部101から操作部30が取り外されると自動的に設定される動作モードをいう。
【0067】
上述の全体制御部15では、CPU53が装置本体部101から操作部30が取り外されたか否かを監視(検出)し、当該操作部30が装置本体部101から取り外されたとき、操作部30から使用者の操作情報D30を受信して操作情報記憶部24に記憶するように無線通信部19を制御する。
【0068】
また、CPU53は、画像形成部14によって出力中の画像形成ジョブを中断し、別の画像形成ジョブを優先して出力する動作モードを割り込みモードとしたとき、操作部探索モード時、フォント画像処理後の使用者の操作情報D30を割り込みモードに基づいて画像形成部14へ出力する。画像形成部14では、フォント画像処理後の使用者の操作情報D30に基づいて文字画像を専用紙P2に形成して出力するようになる。
【0069】
CPU53では、操作部探索モード時、無線通信部19で受信した操作部30の位置情報D34を使用者の操作情報D30と共に操作情報記憶部24に保存し、出力指示ボタン20の入力操作がされたとき、使用者の操作情報D30と共に操作部30の位置情報D34を操作情報記憶部24から読み出し、使用者の操作情報D30と共に操作部30の位置情報D34に基づく文字画像を形成するように画像形成部14を制御する。
【0070】
上述の全体制御部15には設定手段の一例を構成する位置情報取得設定部22が接続される。位置情報取得設定部22は、例えば、操作部30の位置情報D34を他の機能に優先して取得するモードを優先モードとし、それ以外を非優先モードとしたとき、優先モード又は非優先モードを設定するようになされる。
【0071】
この例で、CPU53は、一定期間毎に、操作部30の電池残量情報D37を無線通信部19,39を介して問い合わせ、操作部30から位置情報D34と共に電池残量情報D37を受信する。CPU53は、位置情報取得設定部22によって、優先モードが設定されている場合であって、操作部30から通知されたバッテリー36の電池残量が少ない場合は、定期間隔より短い間隔で当該操作部30の位置情報D34を取得する。
【0072】
CPU53は、位置情報取得設定部22によって、非優先モードが設定されている場合であって、バッテリー36の電池残量が少ない場合は、定期間隔より長い間隔で当該操作部30の位置情報D34を取得する。
【0073】
なお、フォント画像処理部23は、出力指示ボタン20の入力操作に対応して使用者の操作情報D30に基づく画像を画像処理する。フォント画像処理部23では、例えば、操作情報D30を色画像変換処理して画像形成部14で取り扱えるY,M,C,K色作像用の文字列画像データD23を作成する。Y,M,C,K色作像用の画像データは文字列に限られることなく、キャラクタ画像や、イラスト画像等を含んだものであってもよい。
【0074】
操作情報記憶部24には、少なくとも、無線通信部19によって受信された使用者の操作情報D30が記憶(保存)される。操作情報記憶部24には不揮発性のメモリが使用される。不揮発性のメモリを使用することで、後日、操作部30を取り外した使用者の履歴を確認できるようになる。
【0075】
メモリ部25には、例えば、通常動作モード時のY,M,C,K色作像用の画像情報D25や、色画像変換処理後の文字列画像データD23が一時記憶される。メモリ部25には固定磁気ディスク装置(HDD)等が使用される。これらにより、画像形成装置100の装置本体部101を構成する。
【実施例1】
【0076】
続いて、図2〜図4を参照して、操作部取り外し時の位置情報取得例(その1〜3)について説明する。この例では、使用者のユーザー名とパスワードは予め管理者設定画面等で全体制御部15に登録されている。操作部取り外し時の位置情報取得時間(間隔)、すなわち、操作部30への問い合わせ周期に関しては、操作部30の電池残量が少なくなった場合(例えば20%未満)の位置情報取得時間を「短く」(優先モード)、「通常」、「長く」(非優先モード)等の3つが設定されている。例えば、「短く」を設定する場合の位置情報取得時間は、通常の位置情報取得時間÷2の周期となされ、「長く」を設定する場合は、位置情報取得時間×2の周期となされる。この位置情報取得時間の計算方法は、これに限るものではない。
【0077】
これらを位置情報D34の取得条件にして、図2に示すフローチャートのステップST1で全体制御部15のCPU53は、ユーザー名及びパスワードを入力する。このとき、操作部30は装置本体部101に装着された状態である。この状態から使用者(第1のオペレータ)は、操作部30を切り離すため、操作部30の表示部33に操作部取り外し画面を表示する。使用者は、操作部取り外し画面でユーザー名とパスワードとを入力する。
【0078】
次に、ステップST2でCPU53は使用者が取り外し許可ユーザーか否かに基づいて制御を分岐する。使用者が取り外し許可ユーザーか否かは、例えば、予め登録されている使用者のユーザー名とパスワードと、ステップST1で入力された使用者のユーザー名とパスワードとを比較してその一致/不一致を検証することで行う。使用者が取り外し許可ユーザーではない場合は制御を終了する。
【0079】
使用者が取り外し許可ユーザーである場合は、ステップST3に移行して、CPU53は、取り外しを許可したユーザーを認識し、ユーザー名及びパスワードを含む操作情報D30を操作情報記憶部24に保存し、操作部30を取り外し可能な状態とする。例えば、フックスイッチSWのロック状態を解除する。
【0080】
ステップST4でCPU53は操作部30の取り外し状態を認識する。このとき、使用者が操作部30を装置本体部101から取り外すと、フックスイッチSWがオンすることで、ハイ・レベルの操作部分離信号SSWが全体制御部15に出力される。ハイ・レベルの操作部分離信号SSWは、操作部30が装置本体部101から取り外されたことを示す信号である。全体制御部15では、ハイ・レベルの操作部分離信号SSWをトリガーにして、操作部探索モードが設定される。
【0081】
ステップST5でCPU53は操作部探索モードを実行するために位置情報取得時間=ユーザー設定時間を設定する。位置情報取得時間は、操作部30へ問い合わせる周期(間隔)であり、ユーザー設定時間は、操作部30を取り外した使用者に設定される制御目標時間である。
【0082】
その後、ステップST6でCPU53は操作部30が装置本体部101に戻されたか否かに対応して制御を分岐する。操作部30が装置本体部101に戻されたか否かは、操作部30が装置本体部101に装着されると、フックスイッチSWがオフすることで、ロー・レベルの操作部分離信号SSWが全体制御部15に出力される。ロー・レベルの操作部分離信号SSWは、操作部30が装置本体部101から取り付けられたことを示す信号である。全体制御部15では、ロー・レベルの操作部分離信号SSWをトリガーにして、動作モードを操作部探索モードから通常動作モードに戻すようになされる。操作部30が装置本体部101に戻された場合は制御を終了する。
【0083】
操作部30が装置本体部101に戻されていない場合は、図3Aに示すステップST7に移行してCPU53はタイマカントアップを開始する。ステップST8でCPU53はタイマカント経過時間が位置情報取得時間を越えたか否かに対応して制御を分岐する。タイマカント経過時間が位置情報取得時間を越えていない場合は、ステップST7に戻ってタイマカントアップを継続する。
【0084】
タイマカント経過時間が位置情報取得時間を越えた場合は、ステップST9に移行してCPU53は、操作部30に位置情報を問い合わせる。位置情報の問い合わせは、無線通信部19,39を利用して、取り外された操作部30との間で無線通信処理により行われる。この無線通信処理は、後述する別途、位置情報取得時間、例えば、20分を経過する度に実施される。
【0085】
一方、位置情報D34の問い合わせを受けた操作部30では、図3Bに示すフローチャートのステップST21で制御部35が位置情報D34を取得する。このとき、位置情報取得部34は、GPS(全地球測定システム)機能を利用して、当該操作部30の位置を測定して自己の現在の位置を示す位置情報D34を発生する。位置情報D34は制御部35を介して装置本体部101に送信される。
【0086】
そのステップST22で制御部35は電池残量を取得する。このとき、電池残量検出部37はバッテリー36の端子電圧を測定して電池残量情報D37を発生する。その後、ステップST23で制御部35は、無線通信部19,39を利用して、位置情報D34及び電池残量情報D37を装置本体部101へ送信(通知)する。
【0087】
装置本体部101では、ステップST10でCPU53が位置情報D34の問い合わせに成功したか否かに基づいて制御を分岐する。位置情報D34の問い合わせに成功しなかった場合は、ステップST11に移行する。ステップST11でCPU53は位置情報D34の問い合わせ周期がタイムアウトに至ったか否かに対応して制御を分岐する。
【0088】
位置情報D34の問い合わせ周期がタイムアウトに至った場合はステップST7に戻る。位置情報D34の問い合わせ周期がタイムアウトに至っていない場合はステップST9に戻ってCPU53は、操作部30に位置情報D34を問い合わせる。ステップST10で位置情報の問い合わせに成功した場合は、ステップST12に移行して、CPU53は、操作情報D30と共に位置情報D34を操作情報記憶部24へ保存する(位置情報取得処理)。
【0089】
その後、図4に示すステップST13でCPU53は操作部30の電池残量が20%以上か20%未満かに応じて制御を分岐する。このとき、電池残量検出部37は、バッテリー36の電池残量を検出して電池残量検出信号S37を制御部35に出力する。制御部35は電池残量検出信号S37を信号処理して、電池残量情報D37を作成する。電池残量情報D37は、無線通信部39の通信機能を利用して装置本体部101の無線通信部19へ通知するようになされる。
【0090】
操作部30の電池残量が20%未満である場合はステップST14に移行してCPU53は位置情報取得時間(間隔)を設定する。位置情報取得時間は、「短く」、「長く」及び「通常」の3つの中から1つを選んで設定される。この設定によって、制御が3つに分岐する。位置情報取得時間を短く設定する場合は、ステップST15でCPU53は係数=0.5を選択してステップST18に移行する。位置情報取得時間を長く設定する場合は、ステップST16でCPU53は係数=2.0を選択してステップST18に移行する。
【0091】
位置情報取得時間を「通常」に設定する場合及び、上述のステップST13で操作部30の電池残量が20%以上である場合は、ステップST17でCPU53は係数=1を選択してステップST18に移行する。
【0092】
上述のステップST18でCPU53は係数=0.5,1,2.0を使用して位置情報取得時間を計算する。デフォルトのユーザー設定時間に、選択に対応した係数=0.5,1又は2.0が積算され、新たな位置情報取得時間が算出される。
【0093】
その後、ステップST7に戻ってCPU53は新たな位置情報取得時間に基づいてタイマーカウントアップを継続する。そして、上述した位置情報取得処理を繰り返すようになされる。このとき、60秒間等、ある一定期間、位置情報D34が得られない場合は、無線通信処理を断念する。これにより、全体制御部15は、操作部30でバッテリー36の電池残量が無くなるまで、その位置を把握できるようになる。
【0094】
ここで、図5A及び図5Bを参照して、出力指示ボタン20の押下による装置本体部101の画像形成例について説明する。この例では、他の使用者(第2のオペレータ)が、画像形成装置100を利用するために、画像形成装置100の前に訪れたが、操作部30が取り外されている状態であった。他の使用者は操作部30が取り外されていることに気付き、出力指示ボタン20を押下して専用紙P2をプリントアウトする場合を想定する。
【0095】
これらを画像形成条件にして、装置本体部101側では、図5に示すステップST31でCPU53は、出力指示ボタン20の押下を待機する。このとき、他の使用者は、操作部30が取り外されていることに気付き、出力指示ボタン20を押下する。出力指示ボタン20が押下されると、ステップST32でCPU53は、取り外された操作部30に対して無線通信処理を実行する。無線通信処理では、CPU53が、無線通信部19,39を利用して、「至急、操作部30を戻して下さい。」等の内容を操作部30に通知する。
【0096】
操作部30ではステップST41で制御部35が無線通信部39を制御して無線通信処理を実行する。無線通信部39は無線通信部19から上述の無線通信内容を受信する。操作部30ではステップST42で制御部35が受信報知処理を実行する。この受信報知処理によれば、操作部30の表示部33に「至急、操作部30を戻して下さい。」等の警告メッセージが表示され、又は、報知手段38の音声出力機能や、バイブ機能等を利用して通知される。「至急、操作部30を戻して下さい。」等の音声出力や、「ブル・ブル・ブル」等の振動が操作部30に与えられる。
【0097】
一方、装置本体部101では、ステップST32でCPU53は、割り込みモードに基づいて、現在、動作中のJOBが有るか否かに対応して制御を分岐する。動作中の画像形成ジョブ(JOB)が有るか否かについては、CPU53の検索機能を利用して、例えば、ジョブ管理リスト等を参照して判断する。現在、動作中のJOBが有る場合は、ステップST34でCPU53は、現在、動作中のJOBを停止する。
【0098】
その後、ステップST35でCPU53は、操作情報記憶部24から操作情報D30及び位置情報D34を読み出す。位置情報D34は操作部30の現在の位置を示し、操作情報D30にはユーザー名等が含まれている。
【0099】
そして、ステップST36でCPU53は、文字列画像を作成するようにフォント画像処理部23を制御する。フォント画像処理部23は、操作情報記憶部24から読み出したユーザー名を含む操作情報D30や、位置情報D34等に基づいて文字列画像を作成する。文字列画像は、ユーザー名と操作部30の位置を示す文字情報である。
【0100】
ステップST37でCPU53は専用紙トレイ12から給紙するように給紙制御部13を制御する。このとき、給紙制御部13では、給紙制御情報D13に基づいて専用紙トレイ12を選択し、専用紙トレイ12から画像形成部14へ専用紙P2を給紙するようになる。
【0101】
ステップST38でCPU53は画像形成処理を実行するように画像形成部14を制御する。画像形成部14では、フォント画像処理部23で作成された操作部30の位置及びユーザー名等の文字情報を専用紙P2に形成(描画)するようになる。
【0102】
ステップST39でCPU53は専用排紙トレイ18へ排紙するように排紙制御部16を制御する。このとき、排紙制御部16は、排紙制御情報D16に基づいて専用排紙トレイ18を選択し、画像形成部14から専用排紙トレイ18へ専用紙P2を排紙するようになされる。その後、ステップST40でCPU53は先に停止したJOBを再開する。
【0103】
このように、第1の実施例に係る画像形成装置100によれば、出力指示ボタン20が押下されて、操作情報記憶部24に記憶された使用者の操作情報D30に基づく画像形成出力が指示されると、フォント画像処理部23が、出力指示ボタン20の入力操作に対応して使用者の操作情報D30に基づく画像を画像処理して文字列画像を生成する。これを前提にして、画像形成部14が、フォント画像処理部23によって画像処理された使用者の操作情報D30及び位置情報D34に基づく文字列画像を専用紙P2に形成して出力するようになる。
【0104】
この画像形成出力によって、装置本体部101から操作部30を取り外して入力操作する使用者の名前等の文字画像や、操作部30の現在の位置等を画像形成部14から出力された紙内容から確認できるようになる。従って、装置本体部101から取り外され、放置された操作部30を容易に捜索できるようになる。しかも、装置本体部101から取り外されている操作部30の現在の状況や、位置等を当該操作部30が無くても、画像形成部14から出力される紙内容から知ることができる。これにより、操作部30の返却作業と使用者の捜索との間での行き違いを抑制できるようになる。
【0105】
なお、第1の実施例に係る画像形成装置100によれば、専用紙トレイ12が備えられるので、画像形成出力の指示に対応して、使用者の操作情報D30に基づく文字画像を、専用紙トレイ12から供給される専用紙P2に形成して出力できるようになる。
【0106】
画像形成装置100によれば、専用排紙トレイ18が備えられるので、画像形成出力の指示に対応して、使用者の操作情報D30に基づく文字画像が形成された専用紙P2を専用排紙トレイ18に排紙できるようになる。
【0107】
更に、画像形成装置100によれば、CPU53が使用者の操作情報D30を割り込みモードに基づいて画像形成部14へ出力するので、画像形成出力の指示に対応して、使用者の操作情報D30に基づく文字画像を所定の専用紙P2に形成し出力できるようになる。
【0108】
この画像形成装置100によれば、優先モードが設定され、バッテリー36の電池残量が少ない場合は、CPU53が定期間隔より短い間隔で当該操作部30の位置情報D34を取得し、非優先モードが設定され、その電池残量が少ない場合は、定期間隔より長い間隔で当該操作部30の位置情報D34を取得するので、バッテリー36の電池残量が少なくなってきた場合であっても、効率良く操作部30の位置を取得できるようになる。
【実施例2】
【0109】
続いて、図6を参照して、第2の実施例に係る画像形成装置100−操作部30間の画像処理例について説明をする。この実施例では、装置本体部101から操作部30が取り外されている状態であって、操作部30でメッセージを入力し、当該操作部30でコピースタートボタン40を押下すると、そのメッセージ内容が装置本体部101の画像形成部14でメッセージ画像となって形成され、当該メッセージ画像が専用紙P2に印刷されるようにした。
【0110】
これらを画像形成条件にして、操作部30では、図6Aに示すフローチャートのステップST51で制御部35は、メッセージ入力部32の入力制御を実行する。この入力制御では、使用者がメッセージ入力部32を操作してメッセージを入力するので、当該メッセージを受け付けるようになされる。例えば、使用者はメッセージ入力部32に対して「私は○○会議室にいます。」や、「直ぐに戻します。」等のメッセージを示す文字情報D32を入力する。この文字情報D32は、画像処理された後に無線通信内容となる。
【0111】
その後、操作部30ではステップST52で制御部35がコピースタートボタン40の押下を待機する。コピースタートボタン40が押下されると、ステップST53に移行して制御部35は無線通信部39を制御して無線通信処理を実行する。無線通信部39は無線通信部19へ上述の無線通信内容を送信する。
【0112】
一方、装置本体部101側では、図6Bに示すステップST61でCPU53は、取り外された操作部30からの無線通信内容を受信する。この無線通信処理では、CPU53が、無線通信部19,39を利用して、「私は○○会議室にいます。」や、「直ぐに戻します。」等の文字情報D32を取得し、メモリ部25等に一時記憶する。
【0113】
そして、装置本体部101では、ステップST62でCPU53は、割り込みモードに基づいて、現在、動作中のJOBが有るか否かに対応して制御を分岐する。動作中の画像形成ジョブ(JOB)が有るか否かについては、CPU53の検索機能を利用して、例えば、ジョブ管理リスト等を参照して判断する。現在、動作中のJOBが有る場合は、ステップST63でCPU53は、現在、動作中のJOBを停止する。
【0114】
その後、ステップST64でCPU53は、メモリ部25から文字情報D32を読み出して、フォント画像処理部23へ転送すると共に、操作情報記憶部24から操作情報D30及び位置情報D34を読み出す。位置情報D34は操作部30の現在の位置を示し、操作情報D30にはユーザー名等が含まれている。
【0115】
そして、ステップST65でCPU53は、メッセージ画像を作成するようにフォント画像処理部23を制御する。フォント画像処理部23は、メモリ部25から読み出した文字情報D32に基づいて「私は○○会議室にいます。」や、「直ぐに戻します。」等のメッセージ画像を作成する。また、操作情報記憶部24から読み出したユーザー名を含む操作情報D30や、位置情報D34等に基づいて文字列画像を作成する。
【0116】
その後、ステップST66でCPU53は専用紙トレイ12から給紙するように給紙制御部13を制御する。このとき、給紙制御部13の機能は、図5に示したステップST37を参照されたい。そして、ステップST67でCPU53は画像形成処理を実行するように画像形成部14を制御する。画像形成部14では、フォント画像処理部23で作成されたメッセージ画像及び文字列画像を合わせて専用紙P2に形成(描画)するようになる。
【0117】
ステップST68でCPU53は専用排紙トレイ18へ排紙するように排紙制御部16を制御する。このとき、排紙制御部16の機能はステップST39を参照されたい。その後、ステップST69でCPU53は先に停止したJOBを再開する。
【0118】
このように第2の実施例に係る画像形成装置100によれば、CPU53が操作部30から受信した文字情報D32を割り込みモードに基づいて画像形成部14に出力するので、操作部30におけるコピースタートボタン40の押下に対応して、使用者の操作情報D30に基づくユーザー名及び位置情報D34に基づく操作部30の位置を含む文字列画像、メッセージ入力に基づくメッセージ画像、「私は○○会議室にいます。」や、「直ぐに戻します。」を合わせた合成画像を専用紙P2に形成して出力できるようになる。
【実施例3】
【0119】
続いて、図7を参照して、第3の実施例に係る画像形成装置100の異常検出時の画像形成例について説明をする。この実施例では、装置本体部101内において異常状態を検出する異常検出手段を備える。異常検出手段には、例えば、用紙検出センサ41(図1参照)が使用され、通常紙トレイ11や、専用紙トレイ12に収納された通常紙P1や、専用紙P2等を検知して、収容枚数ゼロ枚等の異常状態を検出する。
【0120】
図1に示したフォント画像処理部23は、コピースタートボタン40の押下に対応して装置本体部101内の異常状態を示す検出情報を画像処理する。画像形成部14は、フォント画像処理部23によって画像処理された装置本体部101内の異常状態を示す検出情報に基づく文字列画像を所定の専用紙P2に形成して出力するようにした。
【0121】
この例でも、操作部30が取り外されている状態であって、第2の実施例のように「私は○○会議室にいます。」や、「直ぐに戻します。」等のメッセージ画像を専用紙P2に形成する場合である。この場合に、装置本体部101で通常動作モードを実行中に一方の通常紙トレイ11が”用紙無し”となった異常状態の場合であって、しかも、専用紙トレイ12に専用紙P2が”用紙無し”となって、動作中のJOBが停止している場合を想定する。
【0122】
これらを画像形成条件にして、図7のステップST71でCPU53は用紙無し情報を入力する。用紙無し情報は、用紙検出センサから全体制御部15に出力される。用紙無し情報には、専用紙トレイ12に専用紙P2が残っているか否かの情報も含まれる。ステップST72でCPU53は専用紙トレイ12に専用紙P2が有るか否かに基づいて制御を分岐する。このとき、CPU53は、用紙無し情報に基づいて専用紙トレイ12に専用紙P2が残っているかを判別する。
【0123】
専用紙トレイ12に専用紙P2が残っていない場合は、ステップST73に移行して、CPU53は他の通常紙トレイ11に通常紙P1が有るか否かに基づいて制御を分岐する。他の通常紙トレイ11は、通常動作モードで利用されていて”用紙無し”が検出された通常紙トレイ11とは別のトレイである。他の通常紙トレイ11に通常紙P1が無い場合は、画像形成制御を終了する。他の通常紙トレイ11に通常紙P1が有る場合、及び、専用紙トレイ12に専用紙P2が有る場合は、ステップST74に移行する。
【0124】
ステップST74でCPU53は、メモリ部25から「動作中のJOBで利用されている通常紙P1が無くなりました。」というメッセージ情報D32’をメモリ部25から読み出して、フォント画像処理部23へ転送すると共に、操作情報記憶部24から操作情報D30及び位置情報D34を読み出す。メッセージ情報D32’は、予めテキスト化されてメモリ部25に格納されている。位置情報D34は操作部30の現在の位置を示し、操作情報D30にはユーザー名等が含まれている。
【0125】
そして、ステップST75でCPU53は、第2の実施例と同様にして、メッセージ画像を作成するようにフォント画像処理部23を制御する。フォント画像処理部23は、メモリ部25から読み出した文字情報D32に基づいて「私は○○会議室にいます。」や、「直ぐに戻します。」等のメッセージ画像を作成する。また、操作情報記憶部24から読み出したユーザー名を含む操作情報D30や、位置情報D34等に基づいて文字列画像を作成する。
【0126】
更に、フォント画像処理部23は、メモリ部25から読み出したメッセージ情報D32’に基づいて「動作中のJOBで利用されている通常紙P1が無くなりました。」等のメッセージ画像を作成する。その後、ステップST76でCPU53は、専用紙トレイ12に専用紙P2が有った場合及び、他の通常紙トレイ11に通常紙P1が有った場合に対応して、専用紙トレイ12又は他の通常紙トレイ11から給紙するように給紙制御部13を制御する。このとき、給紙制御部13の機能は、図5に示したステップST37を参照されたい。
【0127】
そして、ステップST77でCPU53は画像形成処理を実行するように画像形成部14を制御する。画像形成部14では、フォント画像処理部23で作成された2つのメッセージ画像及び文字列画像を合わせて専用紙P2に形成(描画)するようになる。ステップST78でCPU53は、2つのメッセージ画像及び文字列画像を合わせて形成された専用紙P2又は通常紙P1のいずれも専用排紙トレイ18へ排紙するように排紙制御部16を制御する。このとき、排紙制御部16の機能はステップST39を参照されたい。その後、ステップST79でCPU53は先に停止したJOBを再開する。
【0128】
このように第3の実施例に係る画像形成装置100によれば、画像形成部14が装置本体部101内の異常状態を示す「動作中のJOBで利用されている通常紙P1が無くなりました。」等のメッセージ画像を専用紙P2に形成して出力するので、操作部30のコピースタートボタン40の押下又は出力指示ボタン20の入力操作に対応して、専用紙P2に形成された装置本体部101内の異常状態を示すメッセージ画像から、装置本体部101内の異常箇所、動作中のJOBで利用されている通常紙トレイ11に通常紙P1が無くなったことや、専用紙トレイ12に専用紙P2が無いこと、操作部30が装置本体部101に取り付けられていない等の異常状態を確認できるようになる。
【0129】
しかも、専用紙トレイ12に専用紙P2がセットされていない場合であっても、現在、動作中の通常紙トレイ11以外の通常紙トレイ11を検索して、当該通常紙トレイ11にセットされている通常紙P1にメッセージ画像を形成して出力できるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0130】
この発明は、取り外し可能な操作部を有した1台(又は2台)の遠隔操作が可能な複写機と製本装置等の後処理装置とを組み合わせた画像形成システムに適用して極めて好適である。
【符号の説明】
【0131】
1 画像形成システム
11 通常紙トレイ
12 専用紙トレイ
13 給紙制御部
14 画像形成部
15 全体制御部
16 排紙制御部
17 通常排紙トレイ
18 専用排紙トレイ
19 無線通信部(通信部)
20 出力指示ボタン
21 I/Oポート
22 位置情報取得設定部
23 フォント画像処理部
24 操作情報記憶部
25 メモリ部
30 取り外し可能な操作部
31 I/Oポート部
32 メッセージ入力部
33 表示部
34 位置情報取得部
35 制御部
36 バテリー
37 電池残量検出部
38 報知手段
39 無線通信部
40 コピースタートボタン
41 用紙検出センサ(異常検出手段)
100 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信機能を有し、入力操作を行う使用者の操作情報の入力が可能で、装置本体部に装着された状態では、当該装置本体部の電源を使用して動作し、かつ、装置本体部から取り外された状態では、それ自体に内蔵されたバッテリーを使用して動作する、装置本体部から取り外し可能な操作部と、
前記操作部から使用者の操作情報を受信する通信部と、
少なくとも、前記通信部によって受信された前記使用者の操作情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記使用者の操作情報に基づく画像形成出力の指示を入力する出力指示部と、
前記出力指示部の入力操作に対応して前記使用者の操作情報に基づく画像を画像処理する画像処理部と、
前記画像処理部によって画像処理された前記使用者の操作情報に基づく画像を所定のシートに形成して出力する画像形成部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成部を備えた装置本体部から前記操作部が取り外されたか否かを検出し、当該操作部が前記装置本体部から取り外されたとき、前記操作部から使用者の操作情報を受信して前記記憶部に記憶するように前記通信部を制御する制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記画像形成部によって出力中の画像形成ジョブを中断し、別の画像形成ジョブを優先して出力する動作モードを割り込みモードとしたとき、
前記使用者の操作情報を割り込みモードに基づいて前記画像形成部へ出力することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記使用者の操作情報に基づく画像を形成する専用シートを前記画像形成部に供給するシート供給部を備えることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記使用者の操作情報に基づく画像が形成されたシートを排出する専用の排出トレイを備えることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記操作部は、
メッセージを入力し、当該メッセージを画像処理するメッセージ入力部を有しており、
前記メッセージ入力部に入力されたメッセージを通信機能を介して前記画像形成部に送信し、
前記制御部は、
前記操作部から受信したメッセージを割り込みモードに基づいて前記画像形成部に出力することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記操作部は、
音声出力機能及び振動機能の少なくともいずれか一方を有しており、
前記出力指示部が入力操作されたとき、
前記通信機能を介して前記音声出力機能及び振動機能の少なくともいずれか一方が駆動されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記操作部は、
当該操作部の自己の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得機能を有しており、
前記通信機能によって自己の位置情報を前記装置本体部の通信部へ通知し、
前記制御部は、
一定期間毎に、前記操作部の位置情報を前記通信部を介して問い合わせ、
前記操作部の位置情報を前記通信部を介して受信し、
受信した前記操作部の位置情報を前記使用者の操作情報と共に前記記憶部に保存し、
前記出力指示部の入力操作がされたとき、
前記使用者の操作情報と共に前記操作部の位置情報を前記記憶部から読み出し、
前記使用者の操作情報と共に前記操作部の位置情報に基づく画像を形成するように前記画像形成部を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記操作部の位置情報を他に優先して取得するモードを優先モードとし、それ以外を非優先モードとしたとき、前記優先モード又は非優先モードを設定する設定手段を備え、
前記操作部は、
バッテリーの電池残量を検出する電池残量検出部を有しており、
前記通信機能によって電池残量を示す情報を前記装置本体部の通信部へ通知し、
前記制御部は、
一定期間毎に、前記操作部の電池残量を示す情報を前記通信部を介して問い合わせ、
前記操作部から位置情報と共に電池残量を示す情報を受信し、
前記設定手段によって、前記優先モードが設定されている場合であって、前記操作部から通知された前記バッテリーの電池残量が少ない場合は、
定期間隔より短い間隔で当該操作部の位置情報を取得し、
前記設定手段によって、前記非優先モードが設定されている場合であって、前記バッテリーの電池残量が少ない場合は、定期間隔より長い間隔で当該操作部の位置情報を取得することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記装置本体部内において異常状態を検出する異常検出手段を備え、
前記画像処理部は、
前記出力指示部の入力操作に対応して前記装置本体部内の異常状態を示す検出情報を画像処理し、
前記画像形成部は、
前記画像処理部によって画像処理された前記装置本体部内の異常状態を示す検出情報に基づく画像を所定のシートに形成して出力することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項11】
画像形成装置が、
入力操作を行う使用者の操作情報の入力が可能な操作部であって、装置本体部に装着された状態では、当該装置本体部の電源を使用して動作し、かつ、装置本体部から取り外された状態では、それ自体に内蔵されたバッテリーを使用して動作する、装置本体部から取り外し可能な無線通信機能を有する操作部から使用者の操作情報を受信し、
少なくとも、受信された前記使用者の操作情報を記憶し、
記憶された前記使用者の操作情報に基づく画像形成出力の指示を入力し、
入力操作に対応して前記使用者の操作情報に基づく画像を画像処理し、
画像処理された前記使用者の操作情報に基づく画像を所定のシートに形成して出力することを特徴とする画像形成方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−114156(P2013−114156A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261843(P2011−261843)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】