説明

画像形成装置及び記録媒体

【課題】画像形成装置に接続される外部の処理装置のメンテナンス要求の発生を適切に処理することを目的とする。
【解決手段】外部のシート後処理装置において発生する残滓堆積量及び消耗品残量を取得して消耗品・残滓情報記憶部15に保存し、消耗品・残滓情報処理部17は、消耗品・残滓情報記憶部15に保存された消耗品残量や残滓堆積量を読み出し、消耗品・残滓通知判定情報部16に記憶された通知判定基準値に基づいて、消耗品残量や残滓堆積量の状態が変化したかどうかの判断をし、種々の消耗品及び残滓に関するメンテナンスが必要である場合は、情報通知部18により通報する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、残滓を出して該残滓を蓄積するか又は消耗品を消費する複数の処理手段にアクセス可能な画像形成装置、及び、コンピュータに上記のような画像形成装置を制御させるためのプログラムを記録したコンピュータに読取可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置において、画像形成装置に接続された周辺機器(例えば、シート後処理装置)の中には、残滓が発生したり、消耗品を必要とするものがあるため、画像形成装置の使用にあたっては、消耗品の交換や残滓の処理のように多くのメンテナンスが必要となる。
【0003】
こうしたメンテナンスは適切なタイミングで実施されないと、画像形成装置に大きなダウンタイムが発生することになる。そこで、消耗品の状態を常に監視し、状態変化が検知された場合にネットワークを通じ管理者へと通知を行う仕組みがあることは既に知られている。
【0004】
例えば、特許文献1には、トナー切れによる画像形成装置のダウンタイムを低減する目的でトナー量の監視をし、トナー切れ間近なときに管理者へ通知または発注の手続きを取るシステムについて開示されている。また、特許文献2には、ネットワークに接続される機器の消耗品の状態情報を定期的に取得して、その取得した状態情報の変化に応じて、ネットワークを介して発注支援装置に消耗品の状態を送信し、また、消耗品の状態を通知する電子メールを特定の宛先(例えば、管理者など)へ送信するものが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、今までのネットワークを通じて発注先へと消耗品情報を通知する仕組みでは、画像形成装置本体の消耗品の管理のみを考えていた。後処理装置における消耗品の交換や、それらの装置で発生する残滓の処理については考慮していないという問題があった。
【0006】
例えば、特許文献1及び2に記載の従来装置では、画像形成装置の後処理装置のような外部の処理装置における消耗品切れや、後処理装置で発生する残滓が満杯になることにより、画像形成装置が使用できない状態(ダウン状態)が発生するという事態を解消することはできなかった。
【0007】
この発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、画像形成装置に接続される外部の処理装置のメンテナンス要求の発生を適切に処理することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の画像形成装置は、残滓を出してその残滓を蓄積するか又は消耗品を消費する複数の外部の処理手段にアクセス可能な画像形成装置であって、自装置と上記複数の処理手段から消耗品の残量を定期的に取得する消耗品残量取得手段と、自装置と上記複数の処理手段から残滓の蓄積量を定期的に取得する残滓蓄積量取得手段と、上記消耗品残量取得手段が取得した消耗品の残量、及び上記残滓蓄積量取得手段が取得した残滓の蓄積量を記憶する消耗品残量・残滓蓄積量記憶手段と、上記消耗品の残量と上記残滓の蓄積量の各々に対する通知判定情報を記憶した通知判定情報記憶手段と、上記消耗品残量・残滓蓄積量記憶手段が記憶した、各々の消耗品の残量と残滓の蓄積量と、上記通知判定情報記憶手段が記憶した対応する消耗品の残量と残滓の蓄積量の各々の通知判定情報とを比較して装置の状態を判断する消耗品・残滓情報処理手段と、上記消耗品・残滓情報処理手段が、各々の消耗品と残滓について通報が必要と判断したときには、上記消耗品・残滓情報処理手段が必要と判断した通報を行う通報手段とを備えたものである。
【0009】
上記通知判定情報記憶手段に記憶した上記通知判定情報は、上記消耗品又は上記残滓のメンテナンスがまもなく必要になることを示す残量又は蓄積量の基準であって、上記消耗品・残滓情報処理手段は、上記通知判定情報に基づき、対応する消耗品の残量又は残滓の蓄積量が、上記基準を超えた場合に、その消耗品または残滓について通報が必要と判断するとよい。
【0010】
上記通知判定情報記憶手段に記憶した上記通知判定情報は、上記消耗品又は上記残滓の量の時間当たり変化量の許容値を表す情報であって、上記消耗品・残滓情報処理手段は、上記通知判定情報に基づき、対応する消耗品の消費量の時間当たり変化量と残滓の蓄積量の時間当たり変化量が、上記許容値を超えた場合に、その消耗品または残滓について通報が必要と判断するとよい。
【0011】
管理者の要求により、上記消耗品・残滓情報処理手段が、上記消耗品残量・残滓蓄積量記憶手段に記憶した消耗品の残量と残滓の蓄積量とを取得し、上記消耗品の残量と残滓の蓄積量の状態の時間的変化を通知できるようにするとよい。
【0012】
操作部を更に備え、上記消耗品残量取得手段と上記残滓蓄積量取得手段が行う消耗品の残量の取得及び残滓の蓄積量の取得の時間間隔を、上記操作部の操作に従って設定する手段を設けるとよい。
【0013】
上記通知判定情報記憶手段に記憶させる上記通知判定情報を上記操作部の操作に従って設定する手段を設けるとよい。
【0014】
上記消耗品・残滓情報処理手段に状態を判断させる消耗品及び残滓の種類を、上記操作部の操作に従って設定する手段を設けるとよい。
【0015】
上記操作部に代えて、又はこれに加えて、ネットワークに接続するネットワーク接続手段を設け、上記各設定を、上記操作部からの操作に変えて、又はこれに加えて、上記ネットワークを介して接続される端末から入力する操作信号に従って行うようにするとよい。
【0016】
また、本発明は、コンピュータに画像形成装置を制御させ、上記の画像形成装置の上記各手段として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータに読取可能な記録媒体も提供する。
【発明の効果】
【0017】
以上のようなこの発明の画像形成装置および記録媒体によれば、画像形成装置に接続される外部の処理装置のメンテナンス要求の発生を適切に処理することができるという効果を得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施例にかかる画像形成装置の概略構成を示す構成図である。
【図2】図1の画像形成装置の機能ブロック図である。
【図3】図1の画像形成装置が備えるCPUが実行する消耗品及び残滓の監視に関する処理のフローチャートである。
【図4】管理者から消耗品・残滓の監視設定を受付けるための画面の一例を示した図である。
【図5】印刷ジョブを送信する端末装置と画像形成装置がネットワークを介して接続されている場合のシステムの概略的な構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら、この発明の実施の形態を詳細に説明する。
〔実施例〕
図1は、本発明の一実施例にかかる画像形成装置の概略構成を示す構成図である。
【0020】
画像形成装置は、図1に示すように、プロッタ装置1及びシート格納装置2,3を有し、外部にシート後処理装置4〜6が接続された構成を持つ。
プロッタ装置1は、この画像形成装置の中核をなすユニットであり、CPUを有する制御手段を備えており、例えば電子写真式記録装置やインクジェット式記録装置で構成され、シート格納装置2,3から給紙されたシート状の用紙に対して、画像情報を印刷し、その記録後の用紙をシート後処理装置4〜6へ出力(搬送)する。
【0021】
シート格納装置2,3は、画像を転写するためのシート状の用紙(紙の用紙に限らない)を格納する装置である。2のように、プロッタ装置1の下側に接続される比較的小容量の格納装置や、3のように、プロッタ装置1と並んで接続される大容量の格納装置がある。これらのシート格納装置2,3は、異なるサイズの用紙を格納した複数の給紙段(各給紙段にはそれぞれ同一サイズの用紙が格納される)を備えており、プロッタ装置1へ用紙を搬送する。
【0022】
シート後処理装置4〜6は、プロッタ装置1から排出された用紙に対して後処理を施す装置であり、プロッタ装置1には複数のシート後処理装置を接続することができる。4は、例えば製本用の表紙や合紙を挿入するための挿入装置、5は、例えばパンチ処理をするためのパンチ装置及び製本するために用紙を折るための折り装置、6は、例えば用紙に対してステープル処理をするためのステープル装置、テープ製本やリング製本やシュア製本をするための製本装置、及び製本された用紙を最終的なサイズに断裁するための断裁装置を表す。
【0023】
また、シート後処理装置4〜6は、必要に応じ、ステープル処理用のステープル、無線綴じ製本のための接着剤、テープ製本のためのテープ、リング製本のためのリング、シュア製本のためのバインドストリップ等の各消耗品を格納する消耗品格納ユニット(図示しない)も備えている。
【0024】
また、一部の消耗品格納ユニットには、各々が格納する消耗品の残量を検出するセンサ(残量センサ)が設けられていて、消耗品の残量はその残量センサが検出して、適宜なタイミングで画像形成装置の消耗品情報管理部(後述)で取得され、消耗品・残滓情報記憶部(後述)に記憶される。この取得方法としては、それぞれの残量センサの検出値を、その残量センサに付設された送信手段が画像形成装置へ送信する方法、あるいは、画像形成装置が周期的にそれぞれの残量センサの検出値を読み込む方法等を採用することができる。なお、画像形成装置がシート後処理装置の機能を内蔵している場合、消耗品格納ユニット及び残量センサも画像形成装置に内蔵されるので、その場合は、画像形成装置が直接センサの値を読み込むことで、残滓の量を直接取得することができる。
【0025】
また、これらのシート後処理装置4〜6がそれぞれ行う後処理のうち、ステープル処理では、印刷物の綴じ枚数に応じてステープルをカットした際にステープル切り屑が発生し、パンチ処理では、印刷用紙にパンチ穴を開けた際にパンチ屑が発生し、製本処理では、三方仕上げ裁ちや無線綴じのミーリング処理の際に裁断屑が発生する。
【0026】
シート後処理装置4〜6は、これらステープル切り屑、パンチ屑、裁断屑のような残滓を格納するための残滓回収ユニット(図示しない)も備えている。なお、無線綴じのミーリング処理は、本の背にギザギザを付け、その部分に接着剤を塗布して貼り付ける処理のことを指し、その本の背にギザギザを付ける際に、裁断屑が発生する。
【0027】
そして、おのおのの残滓回収ユニットには、堆積している残滓の堆積量を検出するためのセンサが設けられている。この堆積量を検出するためのセンサとしては、例えば、残滓の重量を検出するための重量センサや堆積量の高さを検出するセンサなど(図示せず)が設けられていて、残滓回収ユニットに堆積した残滓の堆積量はこの重量センサ或いは高さ検出センサなどが検出して、適宜なタイミングで、画像形成装置の残滓情報管理部(後述)で取得され、消耗品・残滓情報記憶部(後述)に記憶される。この取得方法としては、それぞれの重量センサ或いは高さ検出センサなどの検出値を、その重量センサ或いは高さ検出センサなどに付設された送信手段が画像形成装置へ送信する方法、あるいは、画像形成装置が周期的にそれぞれの重量センサ或いは高さ検出センサなどの検出値を読み込む方法等を採用することができる。なお、画像形成装置がシート後処理装置の機能を内蔵している場合、残滓回収ユニット及び残滓の堆積量を検出するためのセンサも画像形成装置に内蔵されるので、その場合は、画像形成装置が直接センサの値を読み込むことで、残滓の量を直接取得することができる。
【0028】
ここで、この画像形成装置を単体の画像形成装置として機能させるため、セットされた原稿を読み取り位置に搬送する読み取り給紙装置、原稿の画像情報を読み取るスキャナ装置、テンキー、スタートキー、ファンクションキー、ワンタッチキー等の各種操作キーを備えた操作パネル及び液晶ディスプレイ等で構成される操作部を備えていてもよいが、その詳細については省略する。
【0029】
次に、画像形成装置の概略構成について説明する。
図2は、本実施例にかかる画像形成装置の機能ブロック図を示している。
画像形成装置は、図2に示すように、システム制御部11、ジョブ管理部12、残滓情報管理部13、消耗品情報管理部14、消耗品・残滓情報記憶部15、消耗品・残滓通知判定情報部16、消耗品・残滓情報処理部17、及び情報通知部18を含む。
【0030】
そして、こられらの各要素の機能は、画像形成装置の制御手段(図示略)が備えるCPUが、ROMに記憶した対応するプログラムを実行することにより、実現される。なお、上記の制御手段は、CPUと、CPUが実行するプログラム等を記憶したROMと、CPUのワークエリアや種々のデータの保存領域等を構成するRAM等を備えるものである。
【0031】
システム制御部11は、監視間隔の時間を記憶すると共に、図2に示した各要素を制御して、消耗品及び残滓の管理を行う機能を有する。ジョブ管理部12は、管理者等が画像形成装置を操作することで要求してくる印刷ジョブを受付ける機能を有する。
【0032】
残滓情報管理部13は、シート後処理装置4〜6において発生する残滓の堆積量を管理する機能を有し、定期的な時間間隔(監視間隔)でそれぞれの残滓回収ユニットに設けられた重量センサ等の測定値を、残滓の堆積している量(残滓堆積量)として取得し、その取得した残滓堆積量を消耗品・残滓情報記憶部15に記憶する。また、残滓堆積量は、その残滓の種類に応じて記憶されている最大回収量(重量)で除算され、そのパーセント値がその残滓の堆積量として取り扱われることもある。
【0033】
消耗品情報管理部14は、プロッタ装置1及びシート後処理装置4〜6において使用する消耗品の残量を管理する機能を有し、定期的な時間間隔(監視間隔)でそれぞれの消耗品格納ユニットに設けられた残量センサの測定値を、消耗品の残量(消耗品残量)として取得し、その取得した消耗品残量を消耗品・残滓情報記憶部15に記憶する。また、消耗品残量は、その消耗品の種類に応じて記憶されている最大格納量(重量)で除算され、そのパーセント値がその消耗品の残量として取り扱われることもある。
【0034】
また、残滓情報管理部13及び消耗品情報管理部14が残滓堆積量或いは消耗品残量を取得する定期的な時間間隔、残滓情報管理部13が残滓堆積量を取得する残滓の種類、及び、消耗品情報管理部14が消耗品残量を取得する消耗品の種類は、それぞれ管理者が操作部を通じて指定することができる(後述)。
【0035】
消耗品・残滓情報記憶部15は、残滓情報管理部13が取得した残滓堆積量、及び、消耗品情報管理部14が取得した消耗品残量を記憶するための機能を有する。消耗品・残滓通知判定情報部16は、この画像形成装置が消耗品や残滓の状態を検査する時間間隔(監視間隔)、及び、消耗品や残滓の状態が通知が必要かどうかを判断するために必要となる基準値(通知判定基準値)を保持する機能を有する。通知判定基準値としては、例えば、メンテナンス間近と判断するための消耗品残量や残滓堆積量の基準値、消耗品が大量に消費されたことを判定したり、残滓堆積量が大量に増えたことを判定するための変化許容値などを保持する。これらの値は、それぞれ管理者が操作部を通じて指定することができる(後述)。
【0036】
消耗品・残滓情報処理部17は、消耗品・残滓情報記憶部15に保存された消耗品残量や残滓堆積量を読み出し、消耗品・残滓通知判定情報部16に記憶された通知判定基準値に基づいて、消耗品残量や残滓堆積量の状態が変化したかどうかの判断をする機能を有する。例えば、消耗品・残滓情報記憶部15から読み出した消耗品残量や残滓堆積量のうち、消耗品・残滓通知判定情報部16に設定されている通知判定基準値に達したものがあるかどうかを判断し、各々の消耗品及び残滓に関するメンテナンスが必要かどうかを検出する。また、消耗品・残滓情報記憶部15より読み出した各種消耗品残量や残滓堆積量の監視間隔における変化が、消耗品・残滓通知判定情報部16に設定されている変化許容値に達したものがあるかを判断し、大量消費された消耗品や大量発生した残滓を検出する。
【0037】
そして、消耗品・残滓情報処理部17で消耗品或いは残滓にメンテナンスが必要と判断した場合、及び、大量消費された消耗品や大量発生した残滓を検出した場合には、その旨を情報通知部18より通知する。
【0038】
また、管理者から、消耗品残量や残滓堆積量の時間変化の表示の要求があった場合には、システム制御部11は、シート後処理装置4〜6において発生した残滓の堆積量を現在の残滓堆積量として取得すると共に、プロッタ装置1及びシート後処理装置4〜6の消耗品格納ユニットに設けられた残量センサの測定値を、現在の消耗品残量として取得し、これと、消耗品・残滓情報記憶部15から取得した、前回の監視時に取得した消耗品残量及び残滓堆積量とに基づいて、各々の残滓堆積量及び消耗品残量の、前回の監視時からの変化量を算出し、その変化量と、前回の監視時からの経過時間とに基づいて、消耗品残量及び残滓堆積量の時間変化を表示する。表示は情報通知部18を通して管理者に通知をする。管理者は、この要求を操作部より行うことができる。
【0039】
なお、システム制御部11は、後述するように、消耗品残量や残滓堆積量に関する監視動作を行っており、その際、監視間隔の時間経過を監視するので、前回の監視日時を保持している。そして、その保持している前回の監視日時からの経過時間の情報を、上記のように、管理者から消耗品残量や残滓堆積量の時間変化の表示の要求があった場合に使用する。
【0040】
情報通知部18は、種々の消耗品及び残滓に関するメンテナンスが必要である場合で、その旨の通知(報知)が必要となった場合に、画像形成装置の操作部へ表示をする機能を有する。
【0041】
次に、この画像形成装置の消耗品及び残滓の監視に関する動作について説明する。
図3は、図1の画像形成装置の制御手段が備えるCPUが実行する消耗品及び残滓の監視に関する処理のフローチャートである。
CPUは、設定された監視時間に基づき定期的に画像形成装置の装置本体(プロッタ装置1及びシート格納装置2,3)、及び、外部のシート後処理装置4〜6における各種消耗品や各種残滓の情報取得を行う。
すなわち、CPUは、前回監視を行ってから監視間隔に設定された時間が経過して監視タイミングになったら(S101のYES)、シート後処理装置4〜6のそれぞれの残滓回収ユニットに設けられた重量センサ等の測定値をそれぞれの残滓の堆積している量(残滓堆積量)として取得するとともに、プロッタ装置1及びシート後処理装置4〜6のそれぞれの消耗品格納ユニットに設けられた残量センサの測定値をそれぞれの消耗品の残量(消耗品残量)として取得する(S102)。また、このように監視後の時間経過をモニタするので、CPUは、前回の監視日時をRAM等のメモリ手段に保持している。
【0042】
次に、ステップS102で取得したそれぞれの残滓堆積量及びそれぞれの消耗品残量をメモリ手段に保存する(S103)。このステップS103でメモリ手段に保存した消耗品残量や残滓堆積量は、後で参照することができる。
【0043】
続いて、CPUは、取得した消耗品残量や残滓堆積量を、装置に予め設定してメモリ手段に保存した各々の消耗品残量及び残滓堆積量に関する通知判定の基準値と比較し、管理者への通知が必要な状態にある消耗品残量や残滓堆積量があるかどうかを判断する(S104)。
【0044】
ここで、CPUは、このステップS104では、消耗品や残滓について、メンテナンス間近なものがあるかどうかや、大量消費などがないかを確認する。例えば、メモリ手段から読み出した消耗品残量や残滓堆積量のうち、予め設定されている通知判定基準値に達したものがあるかどうかを判断し、各々の消耗品及び残滓に関するメンテナンスが必要かどうかを検出する。
【0045】
また、メモリ手段から読み出した各種消耗品残量や残滓堆積量の前回取得値と今回取得値との差分が、予め設定されている変化許容値に達したものがあるかを判断し、大量消費された消耗品や大量発生した残滓を検出する。なお、そのために、メモリ手段には、各種消耗品残量や残滓堆積量の今回取得値に加えて、各種消耗品残量や残滓堆積量の前回取得値も保存される。例えば、各種消耗品残量や残滓堆積量の取得値を保存する領域をメモリ手段に2セット設けておき、監視タイミングになる度に、取得値を保存する領域を交代するようにすれば、前回取得値と今回取得値とを保存することができる。
【0046】
そして、CPUは、ステップS104で消耗品や残滓の中で通知が必要な状態と判定されたものがある場合には(S104のYES)、画像形成装置の操作部を用いて、管理者へその旨を通知する(S105)。
【0047】
また、通知が必要と判断された消耗品や残滓がない場合には(S104のNO)、何もしない。ステップS105が終了した場合、及び、ステップS104の結果がNOの場合には、CPUは、ステップS101へ戻り、次の監視タイミングになるまで時間が経過することを待ち、それ以降の処理を繰り返し行う。
【0048】
このようにして、画像形成装置の制御手段が備えるCPUは、予め設定された監視間隔の時間が経過して監視タイミングになる度に、各種の消耗品残量や残滓堆積量を取得してメモリ手段に保存し、予め設定されている通知判定の基準値と今回取得値とを比較してメンテナンス間近なものがあるかどうかを判断すると共に、前回取得値と今回取得値との差分と、各種の消耗品残量や残滓堆積量に予め設定されている変化許容値とを比較することで、大量消費された消耗品や大量発生した残滓を検出し、それらの判断または検出の結果を管理者に通報するので、画像形成装置の管理者は、消耗品及び残滓のメンテナンス時期を適切に判断できると共に、大量消費された消耗品や大量発生した残滓を適切に知ることができるので、画像形成装置の消耗品や残滓を管理する上で非常に便利である。
【0049】
次に、管理者が行う消耗品・残滓に関する監視設定について説明する。
図4は、管理者に表示する消耗品・残滓の監視設定を行う画面の一例を示す。
管理者により、画像形成装置の操作部の操作パネルが操作されて消耗品や残滓の監視の設定を行う旨が入力されると、画像形成装置の制御手段のCPUは、図4に示す画面を表示画像形成装置の操作部の液晶ディスプレイに表示させる。
この画面において、入力部B1は、消耗品残量や残滓堆積量の監視間隔を設定する時間を入力するためのものである。管理者がこの入力部B1に入力した監視時間を短く設定した場合は消耗品残量や残滓堆積量について細かい時間変化を見ることができることとなる。
【0050】
B2〜B5は、消耗品変化の監視の設定に関わるものである。ボタンB2は、各種消耗品におけるメンテナンス間近を検知した場合に通知を行うか否かを管理者が選択するためのものであり、その後に続く入力部B3は、消耗品残量が減りメンテナンス間近と判定する基準量を管理者が入力するためのものである。また、ボタンB2が管理者によりオンされた場合にのみ、入力部B3への入力が可能な状態となる。またこの場合、入力部B3には、パーセント値を入力するようになっている。
【0051】
また、ボタンB4は、各種消耗品における大量消費による急激な消耗品量減少を検知した場合に通知を行うか否かを管理者が選択するためのものであり、その後に続く入力部B5は、消耗品の急激な減少を判定する基準量を管理者が入力するためのものである。また、ボタンB4が管理者によりオンされた場合にのみ、入力部B5への入力が可能な状態となる。またこの場合、入力部B4には、パーセント値を入力するようになっている。
【0052】
また、B6〜B9は、残滓変化の監視の設定に関わるものである。ボタンB6は、各種残滓におけるメンテナンス間近を検知した場合に通知を行うか否かを管理者が選択するためのものであり、その後に続く入力部B7は、残滓がもうすぐ満杯でメンテナンス間近と判定する基準量を管理者が入力するためのものである。また、ボタンB6が管理者によりオンされた場合にのみ、入力部B7への入力が可能な状態となる。またこの場合、入力部B7には、パーセント値を入力するようになっている。
【0053】
ボタンB8は、大量使用により急激な残滓量増加を検知した場合に通知を行うか否かを管理者が選択するためのものであり、その後に続く入力部B9は、残滓量の急激な増加を判定する基準量を管理者が入力するためのものである。また、ボタンB8が管理者によりオンされた場合にのみ、入力部B9への入力が可能な状態となる。またこの場合、入力部B7には、パーセント値を入力するようになっている。
【0054】
なお、図4の画面例で、黒く塗り潰したボタンは管理者がそのボタンをオン操作しなかったことを表し、また、斜線で示したグレイアウトしている項目は、黒く塗り潰したボタンに対応した入力部であり、数値等を入力できない旨を表している。
【0055】
そして、CPUは、ユーザが操作パネル等に設けた適当なデバイスにより図4に示した画面に所望の値を入力し、その内容を確定させると、システム制御部11が記憶している監視間隔及び消耗品・残滓通知判定情報部16が記憶している通知判定基準値の設定を、ユーザが入力した値に従って更新する。
【0056】
なお、この画面では、消耗品残量及び残滓堆積量の基準値をパーセント値で入力することとしているので、CPUがメモリ手段に保存した基準値を参照して、各々の消耗品残量及び残滓堆積量を判定する場合には、取得した消耗品残量及び残滓堆積量を、それぞれ最大消耗品残量及び最大残滓堆積量からの割合(パーセント値)で表した値に変換した後に、判定する。ただし、消耗品残量及び残滓堆積量の基準値をパーセント値ではなく、例えば、実際の重量等の値を入力するようにしても良いことは勿論である。
【0057】
以上説明した実施例では、画像形成装置がスタンドアロン形式の装置の場合について説明したが、印刷ジョブを送信する端末装置と画像形成装置がネットワークを介して接続されている場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【0058】
図5は、印刷ジョブを送信する端末装置と画像形成装置がネットワークを介して接続されている場合のシステムの概略的な構成を示すブロック図である。
図5に示すように、本画像形成装置を含むシステムは、画像形成を指示する端末装置101、102、103と、画像形成を実行するネットワーク対応画像形成装置100とをネットワーク105を介して接続している。
【0059】
図5では、端末装置を3台、ネットワーク対応画像形成装置を1台としているが、各装置の数はこのとおりに限らず、いずれも1台以上の装置が接続可能である。また、図5では、ネットワーク105はバス型を例としているが、ネットワーク形態はこの形式に限らず、スター型やリング型、あるいはその他接続形態のネットワークであってもよい。また、このネットワーク105としては、有線ネットワークまたは無線ネットワークのいずれをも適用することができる。
【0060】
この実施例のネットワーク対応画像形成装置100は、図2の画像形成装置に、ネットワーク105に接続して他の装置との間で種々のデータを通信するためのネットワーク通信手段(図示略)を追加した構成となっており、その詳細説明は省略する。
【0061】
この場合、情報通知部18は、種々の消耗品及び残滓に関するメンテナンスが必要である場合で、その旨の通知(報知)が必要となった場合に、画像形成装置付属の操作パネルへ表示をするとともに、適宜な通信アプリケーションを適用して、ネットワーク105に接続している端末装置101、102、103に対しても種々の消耗品及び残滓に関するメンテナンスが必要である旨を通知(報知)する。ここで、通知先(報知先)の端末装置は全ての端末装置であっても良いし、特定の端末装置、例えば、管理者ユーザやメンテナンス処理担当ユーザが利用する端末装置のみであってもよい。
【0062】
また、本実施例では、いずれかの端末装置101、102、103に図4に示した消耗品・残滓の監視設定を行う画面を表示させて、ネットワーク対応画像形成装置100に対する消耗品や残滓の監視の設定等を、適宜な通信アプリケーションを適用することにより、ネットワーク105を介して行うようにすることができる。
【0063】
このようにして、本実施例では、ネットワークを介して他の端末装置に対して種々の消耗品及び残滓に関するメンテナンスが必要である旨を報知するので、例えば、管理者ユーザまたはメンテナンス処理担当ユーザが遠隔地にいる場合でも、画像形成装置の消耗品の補給や残滓の回収等のメンテナンス作業を円滑に行うことができる。また、ネットワークを介して他の端末装置から、消耗品・残滓の監視設定を行えるので、便利である。
【0064】
〔変形例〕
以上で実施形態の説明を終了するが、装置の構成、具体的な処理内容等が上述の実施形態で説明したものに限られないことは勿論である。
【0065】
例えば、上記した実施例では、シート後処理装置を画像形成装置に接続した場合について説明したが、それ以外の処理装置、例えば、画像形成の前の段階或いは画像形成中の段階で何らかの処理を施す装置などを備えた場合についても、本発明を適用することができる。また、残滓を出してその残滓を蓄積するか又は消耗品を消費する処理装置の全部又は一部が画像形成装置に内蔵されている場合でも、それらの処理装置における残滓や消耗品の監視に本発明を適用することは可能である。
【0066】
さらに、本発明は、画像形成装置に接続される周辺装置以外の機器、あるいは、画像形成装置以外に接続される機器等であって、機器の稼働時間に従って消耗品が消費したり、回収が必要となる残滓等の対象の量が増える機器であれば、他の機器及び他の対象についても同様に適用することができる。また、消耗品や残滓等の対象としては、適宜な方法によりその量を測定又は予測可能な対象であれば、その種類がどのようなものであっても、本発明を適用することができる。
【0067】
また、この発明による記録媒体に格納するプログラムは、コンピュータにハードウェアを制御させて上述したような画像形成装置の各要素として機能させるためのプログラムであり、このようなプログラムをコンピュータに実行させることにより、上述したような効果を得ることができる。
【0068】
このようなプログラムは、はじめからコンピュータに備えるROM,HDDあるいはSSD等の記憶手段に格納しておいてもよいが、記録媒体であるCD−ROMあるいはフレキシブルディスク,MO,CD−R,CD−RW,DVD+R,DVD+RW,DVD−R,DVD−RW,又はDVD−RAMや、SRAM,NOV−RAM,EEPROM,メモリカード等の不揮発性記録媒体(メモリ)に記録して提供することもできる。そのメモリに記録されたプログラムをコンピュータにインストールしてCPUに実行させるか、CPUにそのメモリからこのプログラムを読み出して実行させることにより、上述した各機能を実現させることができる。
【0069】
さらに、ネットワークに接続され、プログラムを記録した記録媒体を備える外部機器あるいはプログラムを記憶手段に記憶した外部機器からダウンロードして実行させることも可能である。
【0070】
また、以上述べてきた各実施形態の構成及び変形例は、矛盾しない範囲で適宜組み合わせて適用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、残滓を出す周辺機器を複数接続可能な画像形成装置であれば、電子写真式記録装置やインクジェット式記録装置等の任意の記録手段を備えたもの、ネットワーク対応の画像形成装置などに適用することができる。
【符号の説明】
【0072】
1:プロッタ装置、2,3:シート格納装置、4〜6:シート後処理装置、
11:システム制御部、12:ジョブ管理部、13:残滓情報管理部、
14:消耗品情報管理部、15:消耗品・残滓情報記憶部、
16:消耗品・残滓通知判定情報部、17:消耗品・残滓情報処理部、
18:情報通知部、100:ネットワーク対応画像形成装置、101〜103:端末装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】
【特許文献1】特開2007−240761号公報
【特許文献2】特開2008−009969号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
残滓を出して該残滓を蓄積するか又は消耗品を消費する複数の外部の処理手段にアクセス可能な画像形成装置であって、
自装置と前記複数の処理手段から消耗品の残量を定期的に取得する消耗品残量取得手段と、
自装置と前記複数の処理手段から残滓の蓄積量を定期的に取得する残滓蓄積量取得手段と、
前記消耗品残量取得手段が取得した消耗品の残量、及び前記残滓蓄積量取得手段が取得した残滓の蓄積量を記憶する消耗品残量・残滓蓄積量記憶手段と、
前記消耗品の残量と前記残滓の蓄積量の各々に対する通知判定情報を記憶した通知判定情報記憶手段と、
前記消耗品残量・残滓蓄積量記憶手段が記憶した、各々の消耗品の残量と残滓の蓄積量と、前記通知判定情報記憶手段が記憶した対応する消耗品の残量と残滓の蓄積量の各々の通知判定情報とを比較して装置の状態を判断する消耗品・残滓情報処理手段と、
前記消耗品・残滓情報処理手段が、各々の消耗品と残滓について通報が必要と判断したときには、前記消耗品・残滓情報処理手段が必要と判断した通報を行う通報手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置であって、
前記通知判定情報記憶手段に記憶した前記通知判定情報は、前記消耗品又は前記残滓のメンテナンスがまもなく必要になることを示す残量又は蓄積量の基準であって、
前記消耗品・残滓情報処理手段は、前記通知判定情報に基づき、対応する消耗品の残量又は残滓の蓄積量が、前記基準を超えた場合に、その消耗品または残滓について通報が必要と判断することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1記載の画像形成装置であって、
前記通知判定情報記憶手段に記憶した前記通知判定情報は、前記消耗品又は前記残滓の量の時間当たり変化量の許容値を表す情報であって、
前記消耗品・残滓情報処理手段は、前記通知判定情報に基づき、対応する消耗品の消費量の時間当たり変化量と残滓の蓄積量の時間当たり変化量が、前記許容値を超えた場合に、その消耗品または残滓について通報が必要と判断することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像形成装置であって、
管理者の要求により、前記消耗品・残滓情報処理手段が、前記消耗品残量・残滓蓄積量記憶手段に記憶した消耗品の残量と残滓の蓄積量とを取得し、前記消耗品の残量と残滓の蓄積量の状態の時間的変化を通知できるようにしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像形成装置であって、
操作部を更に備え、
前記消耗品残量取得手段と前記残滓蓄積量取得手段が行う消耗品の残量の取得及び残滓の蓄積量の取得の時間間隔を、前記操作部の操作に従って設定する手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5記載の画像形成装置であって、
前記通知判定情報記憶手段に記憶させる前記通知判定情報を前記操作部の操作に従って設定する手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の画像形成装置であって、
前記消耗品・残滓情報処理手段に状態を判断させる消耗品及び残滓の種類を、前記操作部の操作に従って設定する手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項5乃至7の何れか一項に記載の画像形成装置であって、
前記操作部に代えて、又はこれに加えて、ネットワークに接続するネットワーク接続手段を設け、
前記各設定を、前記操作部からの操作に変えて、又はこれに加えて、前記ネットワークを介して接続される端末から入力する操作信号に従って行うようにしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
コンピュータに画像形成装置を制御させ、請求項1乃至8の何れか一項に記載の画像形成装置の前記各手段として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータに読取可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−197171(P2011−197171A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−61809(P2010−61809)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】