説明

画像形成装置

【課題】 600〜1200DPI超の高解像度画像パターンを忠実に再現する高画質画像形成装置を提供する。
【解決手段】 露光装置に用いられる露光ビームのピーク強度1/e2の径Wがpの2倍以下であり、感光体の膜厚lおよび該感光体の誘電率εaと、現像剤層厚mおよび現像剤層誘電率εbと、ω=π/pで定義される空間周波数ωとで定義される潜像空間周波数特性関数MTFltntの値が0.3以上であることを特徴とする画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電潜像を形成し、トナーにて可視像化するデジタル画像形成装置であって、特に階調性・解像性・安定性の向上を図る画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式による複写機・プリンタなどにおいては、高画質化の要求に応えるため、デジタルプリンティング技術の高解像度化が進んでいる。すなわち、従来400〜600DPIの解像度が主流であったのに対し、1200DPI以上の解像度の画像形成装置が実用化されつつある。この高解像度化を実現するためには電子写真方式の各プロセスにおいてその技術レベルの向上が必要となる。その手段として、定性的には露光ビームの小径化、トナー粒径の小径化、感光体の薄膜化等が有効であることが論じられている。
【0003】最小ドット記録周期p(解像度の逆数)とビーム径Wとの関係に関して、特開昭58−152269号公報に、1.8p≦W≦1.9pの数値限定例が開示されており、詳細なものとしては、電子写真学会誌第26巻第14号24頁以降(1987)に、最適スポット径に関して論じられており、その値はレーザーパワーにより変動するが、一例として1.3p<W<1.6pの数値限定例が開示されている。
【0004】また、感光体膜厚を規定するものとして、特開平9−319164号公報には、露光ビーム径と感光体膜厚・潜像コントラスト電位の関係を限定することで、薄膜感光体を用いなくても潜像劣化を抑制できると開示されている。また、特開平10−282709号公報には、感光体膜厚と転写電流および露光ビーム面積との関係を限定することで潜像劣化と転写劣化を抑制できると開示されている。同様に、特開平5−216330号公報では膜厚・ビーム径・トナー粒径・キャリア径を限定し、特開平10−171221号公報では膜厚・ビーム径・露光エネルギー・感光体感度を限定している。
【0005】また、Journal of Imaging Technology,Vol.12,144(1986)の" Ion PrintingTechnology "には、上記のような感光体や光露光装置を用いるものとは異なり、絶縁体上にイオンを直接供給して静電潜像を形成するものが開示されており、300dpiの画像形成を実現している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、近年、複写機やプリンタの高画質化の要求に応えるため、600DPIから1200DPIへと高解像度化が進んできた。しかしながら、様々な実用上の問題で、真の高解像度化は進んでいないのが現状である。
【0007】例えば、従来の600DPI用のφ70〜80μm程度のビームを用いて分解能のみ1200DPIとしている装置では、1200DPIの孤立ドットや孤立ラインを実現できていない。これは、潜像が高解像度化すると潜像電位のコントラストが低下し、現像に必要な電界強度を形成できなくなるからである。
【0008】従来の膜厚の感光体で高解像度化を実現しようとすると、特開平9−319164号公報に示されるように、露光ビームを小径化しコントラスト電位を上げる方法が考えられる。ここで定義されているコントラスト電位とは、感光体の初期帯電電位と全面露光時の電位との差である。即ち、潜像の周波数特性という観点から見るとDC的な潜像に対する潜像電位のコントラストである。しかしながら、潜像の空間周波数が高くなるに従って、潜像電位のコントラストは低下していく。600DPI以上の解像度、特に1200DPI以上の解像度で形成される高周波潜像においては、この潜像電位のコントラストが極端に低下するため様々な画質劣化が生じる。
【0009】また、単に感光体の薄膜化や露光ビームの小径化を行っても、潜像が美しく形成できるだけで、その現像は困難を極める。つまり、潜像の美しさ・忠実さとは無関係に潜像周波数が高くなることにより、その電位振幅が小さくなり、現像に必要な電界強度を形成できなくなるからである。また、摩耗による低寿命化が懸念されるため、感光体の薄膜化は必要最小限に止めなければならない。
【0010】また、感光体膜厚が薄くなると、静電容量が増加するため、現像に必要な帯電電位を得るより多くの表面電荷密度が必要となる。これは感光体膜内の電界強度上昇を招くため、材料の絶縁破壊という問題が発生する。さらに、有機感光体の場合は特に摩耗により薄膜化し低寿命化するという問題が生じるため、感光体の薄膜化は必要最小限に止めなければならない。
【0011】さらに、最小ON/OFF記録周期λ[μm]の周期ラインパターン(λ=2p)と、孤立オンラインパターンと、孤立オフラインパターンとの両立性が、高解像度化に伴い悪化してくるのも大きな課題である。
【0012】本発明の目的は、600〜1200DPI超の高解像度画像パターンを忠実に再現する高画質画像形成装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、最小ドット記録周期pをもって感光体を露光し静電潜像を形成する露光装置と、前記静電潜像を現像剤により現像する現像装置とから構成される画像形成装置において、前記露光装置に用いられる露光ビームのピーク強度1/e2の径WがW≦2pであり、かつ、前記感光体の膜厚lおよび前記感光体の誘電率εaと、前記現像剤層厚mおよび前記現像剤層誘電率εbと、ω=π/pで定義される空間周波数ωとすると、
【0014】
【数3】


【0015】で表される潜像空間周波数特性関数MTFltntが、MTFltnt≧0.3である。
【0016】また、静電潜像担持体上に最小ドット記録周期pの静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、前記静電潜像を現像剤により現像する現像装置とから構成される画像形成装置において、前記最小ドット記録周期pが43μm以下であり、かつ、前記静電潜像担持体の誘電体膜厚lおよび前記静電潜像担持体の誘電体の比誘電率εaと、前記現像剤層厚mおよび前記現像剤層の比誘電率εbと、ω=π/pで定義される空間周波数ωとすると、
【0017】
【数4】


【0018】で表される潜像空間周波数特性関数MTFltntが、MTFltnt≧0.3である。
【0019】また、静電潜像形成装置は、複数の電荷供給源から構成される電荷供給装置を選択的に駆動してイオンもしくは電子を静電潜像担持体上に供給し、静電潜像を形成する。
【0020】さらに、潜像空間周波数特性関数MTFltntが、MTFltnt≧0.48であり、また、前記現像剤の体積平均粒径DtがDt≦p/4であり、また、非磁性1成分接触現像方式を用い、また、前記現像装置内の現像剤担持体の現像部での抵抗Rdevが106[Ω]以下である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図をもとに本発明について説明する。
【0022】まず、図1をもとに画像形成装置の概略構成について説明する。
【0023】図1に示すように、画像形成装置は、そのほぼ中央部に配置された感光体1、感光体1表面を均一に帯電する帯電器2、画像に応じた光3による像を照射する光学系(図示せず)、光学系により露光されることで感光体1表面に形成された静電潜像を可視像化するための現像装置4、現像された像(トナー10の像)を適宜搬送されてくるシート状の用紙Pに転写する転写器5、転写後に感光体1表面に転写されなかった残留現像剤(トナー)を除去するクリーニング装置6、及び感光体1表面に残る帯電電荷を除去する除電器7等から構成され、帯電器2から除電器7が、感光体1の周囲に対向するように、この順序で感光体1の回転方向に配置されている。
【0024】感光体1は、ドラム形状を有し、画像形成動作時に矢印方向に一定速度で回転駆動され、その表面に静電潜像を形成する。
【0025】感光体1は、導電性基材上に電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)を積層した機能分離構造が一般的であるが、電荷発生と電荷輸送を同一の層で行う単層タイプのもの等を用いても良い。
【0026】導電性基材としては、基材自体が導電性を有するもの、たとえばアルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス、クロム、チタン、ニッケル、マグネシウム等が用いられ、その他に、アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズ合金、等を蒸着等によりプラスチック等の誘電体基材に被膜形成し、導電層としたものや、導電性微粒子をプラスチックや紙に混合したものも用いられる。
【0027】また、導電性支持体と電荷発生層の間に、電荷注入の阻止機能と接着機能を持つ下引き層を設けることもある。下引き層の材料としては、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ニトロセルロース、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、エチレン−アクリル酸共重合体等が用いられる。下引き層の膜厚5μm以下、好ましくは0.1〜3μmの範囲がよい。
【0028】電荷発生層の材料としては、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、キノン系顔料、ペリレン系顔料、キナクリドン系顔料、インジゴ系顔料等が用いられ、膜厚は0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μmの範囲がよい。
【0029】電荷輸送層の材料としては、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、ベンジジン系化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、トリアリールメタン系化合物、カルバゾール系化合物等が用いられ、膜厚は3〜60μm、好ましくは5〜40μmの範囲がよい。
【0030】また、上記電荷発生材料や電荷輸送材料とともにバインダー樹脂が用いられる。バインダー樹脂の例としては、ポリカーボネート、スチレン、ポリエステル、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、塩化ビニル、メタクリル酸エステル、ポリウレタン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、セルロース樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、けい素樹脂等がある。
【0031】用紙Pは、例えばトレイまたはカセットに多量に収容されており、収容された用紙が給送装置(図示せず)にて1枚給紙され、上述した転写器5が配置された感光体1と対向する転写領域へと、感光体1表面に形成されたトナー像の先端と一致するように送り込まれる。この転写後の用紙Pは、感光体1より剥離され、定着装置8へと送り込まれる。
【0032】定着装置8は、用紙上に転写された未定着のトナー像を永久像として定着させるものであって、トナー像と対向する面が、トナーを溶融し、定着させる温度に加熱されたヒートローラからなり、ヒートローラに対向して用紙Pをヒートローラ側へと密着させる加圧ローラ等を設けて構成している。
【0033】この定着装置8を通過した用紙Pは、画像形成装置外へと排出ローラ(図示せず)を介して排出トレイ(図示せず)上に排出処理される。
【0034】光学系は、画像形成装置がプリンタやデジタル複写機であるため、半導体レーザを画像データに応じてON−OFF駆動した光像を照射する。特にデジタル複写機においては、コピー原稿からの反射光を画像読取センサ(CCD素子等)にて読取った画像データを半導体レーザを含む光学系へと入力し、画像データに応じた光像を出力するようにしている。また、プリンタにおいては、他の処理装置、例えばワードプロセッサやパーソナルコンピュータ等からの画像データに応じた光像に変換し、これを照射するようにしている。この光像への変換は、半導体レーザだけでなく、LED素子、液晶シャッタ等であっても構わない。
【0035】以上の構成をもとに、画像形成装置における画像形成動作を開始すれば、感光体1が矢印方向に回転駆動され、帯電器2にて感光体1表面が特定極性の電位に均一帯電される。この帯電後に、図示しない光学系により光像3が照射され、その光像3に応じた静電潜像が感光体1表面に形成される。この静電潜像を可視化するために次の現像装置4にて現像される。この現像は、ここでは一成分トナーによる現像であって、該トナーが感光体1表面に形成された静電潜像に例えば静電気力により選択的に吸引され、現像が行われる。
【0036】このようにして現像された感光体1表面のトナー像は、適宜感光体1の回転に同期して搬送されてくる用紙Pに、転写領域に配置された転写器5にて静電転写される。この転写は、トナーの帯電極性と逆の極性にて転写器5が用紙P背面を帯電させることで、トナー像を用紙P側へと転移させている。
【0037】転写後、感光体1表面には転写されなかったトナー像の一部が残留し、この残留トナーが、クリーニング装置6にて感光体1表面から除去され、感光体1を再利用するために除電器7にて感光体1表面が均一電位、例えばほぼ0電位に除電される。
【0038】一方、転写後の用紙Pは、感光体1より剥離され、定着装置8へと搬送される。この定着装置8にて、用紙P上のトナー像は、溶融され用紙Pにローラ間の加圧力により圧着され融着される。この定着装置8を通過する用紙は、画像形成済み用紙Pとして画像形成装置の外部に設けられている排出トレイ(図示せず)等に排出処理される。
【0039】次に、図2をもとに、非磁性一成分接触現像による現像装置について説明する。
【0040】現像装置4は、一成分トナー、例えば非磁性の一成分トナー10を収容した現像槽40内に回転可能に現像ローラ41、一成分トナー10を現像ローラ41側へと供給する供給ローラ42を備え、現像槽40の図において右側には必要に応じて補給される一成分トナー10を現像槽40内へと送り込むアジテーターまたはスクリューローラ9等を設けている。なお、一成分トナー10は、例えば平均粒径約7μm程度の一成分非磁性トナーであって、ポリエステル系トナーあるいはスチレンアクリル系トナーが用いられる。
【0041】現像ローラ41は、現像領域へとトナーを搬送するために、現像槽40内から一部が露出して感光体1と対向し、図示しない駆動モータが連結されて、感光体1と同一方向(矢印方向)に回転するように駆動されている。また、現像ローラには、上述した供給ローラ42が圧接されている。
【0042】現像ローラ41表面に吸着され一成分の非磁性トナー10は、感光体1表面と対向する現像領域へと搬送される。そして、現像ローラ41が感光体1表面に圧接されているため、その圧接された領域が現像領域となって、一成分トナー10が感光体1表面の静電潜像に吸引され現像されることになる。なお、この現像ローラ41と感光体1とが接触する現像領域での条件設定が本発明の重要な部分であるので後に詳細に説明する。
【0043】また、現像ローラ41には、現像バイアス電源回路11から現像バイアス電圧Vaが供給されている。この現像バイアス電圧Vaは、感光体1に形成された静電潜像にトナー付着させ、それ以外の領域、つまり非画像領域にトナーを付着させないような極性及び電圧値に設定されている。
【0044】現像ローラ41は、その構造として例えば金属ローラ(回転軸を含む)の表面を高分子弾性体でコーティングして構成されている。高分子弾性体としては、ポリウレタン等にカーボンを分散したもの、あるいはイオン導電性のソリッドゴム等を用いるようにすれば、トナーの融着等が生じない所定の抵抗値を維持でき、後述するように現像バイアス電圧を供給する時に有効に作用する。
【0045】詳細には、現像ローラ41は、金属あるいは低抵抗樹脂の芯金(軸41a)に、例えば比誘電率約10程度の弾性部材である半導電層41bを被覆して構成されている。この半導電層46表面上には、トナー層45が形成される。
【0046】この現像ローラ41表面の弾性部材としては、EPDM、ウレタン、シリコン、ニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムなどから選択された樹脂に、電気抵抗調整材料として導電性微粒子、例えばカーボン、TiO2(酸化チタン)のいずれか一つ、もしくは複数を用いて分散混合した分散型抵抗調整樹脂をベースにした物や、上述した樹脂にイオン性導電材料、例えば過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カルシウム、塩化ナトリウム等の無機イオン性導電物質などのいずれか一つ、もしくは複数を用いた電気的抵抗調整樹脂をベースにしたものが適切である。また、弾性を得るための発泡・混合工程として発泡剤を用いる場合には、シリコン系界面活性剤(ポリジアルシロキサン、ポリシロキサン、ポリアルキレノキシドブロック共重合体)が適切である。
【0047】上記発泡成形の一つの方法として、加熱ブロー発泡成形の例としては、上記材料を適当量混合し、混合注入機で攪拌、射出押し出し金型に注入し、80℃〜120℃で加熱し、射出する。加熱時間は、約5分〜100分が好ましい。
【0048】射出成形で芯金と一体成形する場合には、あらかじめ用意された金型に導電性金属芯金(軸)を中央に配設して、上述と同様に混合物質を流し込み、約10分〜160分加熱加硫することによって一体成形品が得られる。
【0049】上記現像ローラ41の電気抵抗調整材料の一つのカーボンブラックは、窒素吸着比表面積20m2/g以上130m2/g以下で、DBP吸油量60ml/g以上120ml/g以下のカーボンブラック(ISAF,HAF,GPF,SRF等)を用い、これをポリウレタン100重量部に対して0.5〜15重量部(場合によっては70重量部程度)として混合する。
【0050】上記ポリウレタンとしては、軟質ポリウレタンフォームやポリウレタンエラストマーが適当である。これとは別に、上述したEPDM、ウレタン、シリコン、ニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴムなども用いることができる。
【0051】また、現像ローラ41を構成する主成分として、ポリウレタンを用いるものとは別に、EPDMを主成分に用いる場合、該EPDMは、エチレン、プロピレンと第三成分、例えばジンクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、1.4−ヘキサジエン等を適当に配合したものであるから、エチレン含有量5〜95重量部、プロピレン5〜95重量部、第三成分がヨウソ価で0〜50重量部で配合されることが好ましい。そこで、カーボンブラックの配合量は、EPDM100重量部に対して1〜30重量部にすると良好な分散性が得られる。用いるカーボンブラックは、上述したようにISAF,HAF,GPF,SRFなどである。
【0052】また、抵抗調整材料であるカーボンブラックとともに、抵抗調整基材として、過塩素酸ナトリウム、テトラエチルアンモニウムクロライド等のイオン導電性物質やジメチルポリシロキサン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等の界面活性剤等をEPDM100重量部に対して、0.1〜10重量部用いると、一層良好な分散均一性が得られる。
【0053】上記イオン導電性材料としては、イオン性導電性材料、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カルシウム、塩化ナトリウム等の無機イオン性導電物質、もしくは変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ステアリルアンモニウムアセテート、ラウリルアンモニウムアセテート、オクタデシルトリメチルアンモニウム過塩素酸塩等の有機イオン性導電物質を用いることができる。これらは、いずれか一つ、もしくは複数を用いることができる。
【0054】供給ローラ42は、回転方向としては、現像ローラ21の対向(圧接領域)部分で現像ローラ41の回転方向と逆方向になるように回転駆動されている。この供給ローラ42は、現像ローラ41と同様な素材を用いており、電気的抵抗の調整も現像ローラ41と同様の抵抗調整材料で可能である。また、供給ローラ42の弾性をさらに大きくするために、発泡された(多孔質)素材を用いている。
【0055】また、供給ローラ42には、バイアス電源回路12からバイアス電圧Vcが印加されており、一般的にはトナーを現像ローラ41側に押す方向、つまり供給ローラ42側のトナーを反発し現像ローラ41へと供給する方向のバイアス電圧が設定されている。例えば、負極性のトナーを用いる場合は、負極性側にさらに大きなバイアス電圧Vcを供給ローラ42に印加している。
【0056】現像ローラ41および供給ローラ42は、図示しない駆動モータが連結されており、図において矢印方向に回転駆動されることで、供給ローラ42によって現像ローラ41にトナーを供給すると共に、現像後に現像に寄与されなかった現像ローラ41表面のトナーを剥離(除去)する。
【0057】この供給ローラ42にて供給されたトナー10は、現像ローラ41表面に付着され、感光体1表面と対向する現像領域へ搬送される前に、現像ローラ41に適度に圧接されたトナー付着量を規制する部材であるブレード43によって、トナー付着量が規制され、一定のトナー層厚に規制されている。
【0058】ブレード43は、現像ローラ41に適度の圧力にて圧接されている。このブレード43は板状の金属材からなるブレード構成部材で形成されており、その先端近傍の腹(面)の部分が現像ローラ41に圧接されている。従って、現像ローラ41に供給されたトナー10は、ブレード43の所定の設定圧力や設定位置によって所定の帯電電荷量と厚みに規制され、感光体1と対向接触する現像領域へと搬送されていく。
【0059】ブレード43は、一端が現像槽40側に固定され、他端の自由端側の腹の部分が現像ローラ41表面に圧接するように設けられている。このブレード43は、例えば板厚0.1〜0.2mm程度のリン青銅、あるいはステンレス(SUS)等の金属板にて構成され、現像ローラ41に対して所定圧で、その長手方向(現像ローラの回転軸方向)に沿って先端の近傍の腹部分が圧接されている。これにより、ブレード43にて、現像ローラ41表面に供給ローラ42を介して担持された一成分トナー10の量が一定にされ、感光体1と接触する現像領域へと搬送される。
【0060】また、ブレード43においても、バイアス電源回路13から所定の電圧Vbが供給されている。このバイアス電圧Vbにおいても、トナー10を現像ローラ41側へと押す方向、他とえば負極性トナーであればより負極性側に大きな値が設定されている。また、ブレード43に供給するバイアス電圧Vbは、現像ローラ21に供給される現像バイアス電圧Vbと同電位に、またその絶対値で大きい値に設定する場合もある。
【0061】一方、感光体1と対向する現像領域に搬送されたトナー10は、感光体1表面に形成された静電潜像に応じて選択的に付着され、静電潜像をトナーの色により顕像化する。そして、現像に寄与されなかったトナー10は、現像ローラ41の回転により現像槽40内に戻される。その戻される位置には、トナーのリセット部材44が現像ローラ41に圧接されるように設けられている。このリセット部材44は、供給ローラ42の現像ローラ41の回転方向の手前に配置されており、適度に現像ローラ41に圧接させるように一端部分が現像槽40に固定され、自由端側の腹を現像ローラ41に圧接する領域を有するバネ性を利用して圧接させるようにしている。
【0062】リセット部材44にて現像後の現像に寄与されなかったトナーは、現像ローラ41の回転により現像槽40へと回収される時に除電・除去され、再利用されることになる。
【0063】また、リセット部材44にも、トナーを除電・除去するためのバイアス電圧Vdが電源回路14から供給されている。
【0064】以上のようにして現像装置4は、トナー10を感光体1と対向する領域へと搬送し、感光体1表面の潜像を可視像化する。この感光体1表面のトナー像は上述したように転写領域にて適宜搬送されてくる用紙Pに転写器5の作用により転写され、該用紙が定着装置8を通過して画像形成装置外へと排出される。
【0065】非磁性一成分系の現像剤であるトナーとしては、スチレンーアクリル共重合体80〜90重量部、カーボンブラック5〜10重量部、また帯電制御剤0〜5重量部の組成からなる材料を混合、混練し、粉砕、分級することで平均粒径5〜10μm程度の負帯電トナーを得ることができる。このトナーに対して、流動性を良好にするために内添又は外添されるシリカ(SiO2)を0.5〜1.5重量部添加され、非磁性の一成分トナーを得ることができる。
【0066】トナーとしては、負帯電に限らず、正帯電トナーを得ることもできる。これは、主成分の結着樹脂、帯電制御剤等を適宜選択することで簡単に得ることできる。また、トナーはモノクロ複写機、プリンタ用としての黒トナーに被らず、カラー複写機やプリンタ用のカラートナーにも応用可能である。
【0067】また、非磁性一成分トナーは、上述した組成材料に限定されることはなく、以下に示す組成であっても本発明の画像形成装置に用いることができる。
【0068】主成分である結着樹脂である熱可塑性樹脂としては、スチレンーアクリル共重合体以外に、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエステル、低分子量ポリプロピレン、エポキシ、ポリアミド、ポリビニルブチラール等であってもよい。
【0069】また着色剤としては、黒トナーの場合には上述したカーボンブラックを用いる他に、ファーネスブラック、ニグロシン系染料、含金属染料等がある。そしてカラートナー用としては、黄色用のベンジジン系黄色顔料、フォノンイエロー、アセト酢酸アニリド系不溶性アゾ顔料、モノアゾ顔料、アゾメチン系色素等、マゼンタ用のキサンテン系マゼンタ染料、リンタングステンモリブデン酸レーキ顔料、アントラキノン系染料、キサンテン系染料と有機カルボン酸から成る色材、チオインディゴ、ナフトール系不溶性アゾ顔料等、シアン用の銅フタロシアニン系顔料等がある。
【0070】さらに、トナーの流動化材として用いられる例えば外添剤のシリカ以外に、コロイダルシリカ、酸化チタン、アルミナ、ステアリン酸亜鉛、ポリフッ化ビニリデンやそれらの混合物であってもよい。
【0071】さらにまた、帯電制御剤としては、負帯電トナー用として、アゾ系含金染料、有機酸金属錯塩、塩素化パラフィン等を用いることができる。そして、正帯電トナー用としては、ニグロシン系染料、脂肪酸金属塩、アミン、4級アンモニウム塩等を用いることができる。
【0072】上述の画像形成装置の説明を踏まえ、以下に本発明の特徴となる部分について説明する。
【0073】電子写真方式でデジタル記録を行う場合、走査光学系もしくはLED等を用いて感光体上に光を結像する。この結像ビームの光強度分布I(x、y)は一般的に下記の数5のGauss分布で表される。
【0074】
【数5】


【0075】ここで、Pはレーザーパワー、Wx、Wyはそれぞれx方向およびy方向のスポット径の光強度Iが中心の1/e2になるときの半径である。
【0076】最小記録ドット幅での孤立ライン潜像を考察する場合、例えばy方向の光強度が均一とすると、光強度分布Iline(x)は下記の数6で表される。
【0077】
【数6】


【0078】上記の数6を用いて、最小記録周期pとビーム径Wとの比をパラメーターに露光ビーム強度のプロファイル計算を行った。計算した潜像パターンは、最小記録ドット幅でのライン潜像がON/OFFで繰り返す1by1パターンと5ライン周期でON/OFFを繰り返す5by5パターンとした。計算結果の一例を図3に示す。このときのパラメーター条件はW=2pである。
【0079】コントラストを評価する指標として下記の数7で定義されるMTFがよく用いられる。
【0080】
【数7】


【0081】MTF=1でコントラストが最大であり、コントラストの低下に伴いMTFは0に近づく。上記図3R>3のシミュレーション結果において、1by1パターンのMTF値は0.73であった。その他、上記パラメータを変えたときのMTF値は容易に計算できる。例えば、W=√2pの場合MTF=0.96、W=2√2pの場合MTF=0.30である。これは最小記録周期pに対してビーム径Wが大きすぎると隣接ドットとのクロストークが大きくなり、コントラストが低下することを示している。
【0082】後述する実験装置にて実際に最小記録周期pとビーム径Wとの比をパラメーターにして実験を行った結果と上記シミュレーション結果とから、MTF値が0.7以上が実用上必要な値と判断した。即ち、最小記録周期pとビーム径Wの比で現すと、W≦2pとなる。
【0083】最小記録周期pとビーム径Wとの比に関して、これに類する結果は前述のように過去報告されているが、本発明において、後述する高周波潜像の現像電界を確保する条件が有効に働くためには、このビーム径に関する数値限定が重要かつ不可欠な前提条件となる。
【0084】次に、現像部潜像電界の周波数特性解析理論について説明する。
【0085】図4に現像部の電場解析モデルを示す。ここで、1層目は感光体層であり、層厚l、誘電率εa、ポテンシャル関数Φ1である。2層目は現像剤層であり、層厚m、誘電率εb、ポテンシャル関数Φ2である。z軸方向座標原点は1層目と2層目の境界にある。感光体層の下部は導電性基板で電位0[V]であり、現像剤層の上部は現像電極(現像ローラー)で電位V0[V]である。
【0086】
【数8】


【0087】感光体表面(境界面)には上記数8で表される正弦波状電荷分布σが存在する。
【0088】
【数9】


【0089】また、感光体層とトナー層の電場は上記数9のラプラス方程式で記述できる。
【0090】
【数10】


【0091】
【数11】


【0092】
【数12】


【0093】ポテンシャル関数のAC成分とDC成分を上記数10により定義する。このようなポテンシャル関数の解析解は、上記数11および数12で表される一般解の係数、a1,a2,b1,b2を求めることにより導出できることが知られている。
【0094】
【数13】


【0095】
【数14】


【0096】電位の連続性と電束密度の連続性を境界条件として導入することにより、トナー層のポテンシャル関数は上記数13および数14のように導出される。
【0097】次に、周波数特性解析結果について考察する。
【0098】上記解析解をもとに現像部における感光体表面潜像電位の周波数特性を分析する。ここで、感光体膜厚lを変数とする場合の制約条件として、表面電荷密度σ0が膜厚に依らず一定とした。
【0099】感光体帯電時の感光体内部電界強度Echは、
【0100】
【数15】


【0101】で現されるように膜厚に依らず一定である。
【0102】従ってσ0を一定とするとEch一定となり、感光体の絶縁破壊強度に対する余裕度を膜厚に依らず一定の条件とすることができる。
【0103】また、周波数特性シミュレーションを行う際の各変数の標準値を表1にまとめる。
【0104】
【表1】


【0105】感光体表面電荷密度σ0の標準値は上記表1のように、20μmの膜厚の感光体を1000Vまで帯電する条件を標準条件として計算した値の1.33[mC/m2]とした。
【0106】感光体膜厚lをパラメータに潜像波長と潜像電位振幅との関係を計算した結果を図5に示す。感光体膜厚l以外の変数は上記表1の値である。図5により、空間周波数の増加に伴い、潜像電位振幅が減少することがわかる。これは、空間周波数の高い画像の現像量が減少することに対応する。
【0107】また、感光体膜厚が薄い場合の特性として、電位振幅の絶対量は小さいが周波数特性がフラットな特性となることがわかる。これは、空間周波数が変化しても現像量の変動が小さく濃度が安定することに対応する。
【0108】同様に、トナー層厚mをパラメータに潜像波長と潜像電位振幅との関係を計算した結果を図6に示す。トナー層厚m以外の変数は上記表1の値である。図6R>6により、空間周波数の増加に伴い、潜像電位振幅が減少する特性は同様である。またトナー層厚が薄い場合の特性も同様に、電位振幅の絶対量は小さいが周波数特性がフラットな特性となることがわかる。
【0109】次に、孤立ラインと周期ラインの両立性解析理論について説明する。
【0110】上述では、感光体表面に存在する電荷σは、正弦波状に分布するものとして取り扱った。しかしながら、孤立ラインと周期ラインの両立性について議論を行うには不十分である。したがって、孤立ライン潜像の電界を計算するために、次の関数を導入する。周期2π、幅2α、高さ1の方形波の周期関数G(θ)は、フーリエ級数を用いて下記数16で表される。
【0111】
【数16】


【0112】ここで、右辺第1項がDC成分を表し、第2項がAC成分を表している。
【0113】次に、潜像表面電位振幅の最大値のAC成分Ampacは、φ2acにx=0、z=0、ω=nωを代入することによって、
【0114】
【数17】


【0115】のように表される。
【0116】次に、空間周波数が0に近い低周波での潜像表面電位振幅(DC成分)Ampacω0は、φ2acにx=0、z=0を代入し、ω→0の極限をとることによって、
【0117】
【数18】


【0118】のように表される。
【0119】すると、感光体表面の潜像電位振幅の周波数特性MTFltntは、
【0120】
【数19】


【0121】のように表される。
【0122】
【数20】


【0123】また、実際の白ライン幅Xw、黒ライン幅Xbの周期ラインパターンを上記矩形周期関数Gに適用するためには、上記数20の関係を上記数16に代入すればよい。
【0124】結局、数16で表される矩形周期関数GのAC成分に対し、空間周波数に対応した周波数特性関数MTFltntを乗ずることにより、
【0125】
【数21】


【0126】に示すようなレスポンス関数RFが得られる。このレスポンス関数RFは、矩形周期関数Gが規格化(振幅1)されていることから、規格化された関数となっている。
【0127】従って、実際の潜像電位プロファイルPRは、
【0128】
【数22】


【0129】に示すようにレスポンス関数RFに全振幅2Ampacω0を乗ずることによって得られる。
【0130】次に、孤立ラインと周期ラインの両立性解析結果について考察する。
【0131】下記表2に示す条件で孤立白ライン・孤立黒ライン・周期ラインを定義し、上記数22を用いて潜像電位特性を計算した。
【0132】
【表2】


【0133】まず、上記表1に示す標準条件にて、最小ドット記録周期pを40,20,10μmとして計算した結果をそれぞれ図7乃至図9に示す。
【0134】最小ドット記録周期pが40,20,10μmというのは、それそれ600,1200,2400dpi(dot per inch)の解像度にほぼ相当する。
【0135】また、最小ドット記録周期pが10μmの条件で感光体膜厚を20μmから10μmに薄くした場合の計算結果を図10に示す。
【0136】この電位に関する解析結果と現像後の濃度との関係を対応させると、潜像電位に対し現像が忠実になされた場合、電位の高い方が黒に相当し、電位が低くなるにつれて濃度が徐々に低下するグレー部分に相当し、最も低電位のグラフの最下点が白に相当することになる。例えば、図9では、孤立白ラインの白部濃度より孤立黒ラインの黒部濃度の方が薄く、また周期ラインの黒部の濃度より孤立白ラインの白部濃度が濃いことを示している。この状態では、孤立白ライン・孤立黒ライン・周期ライン等のパターンに係わらず単一の現像バイアス電位を与える現像方法では、孤立白ライン、周期ライン、孤立黒ラインはもはや両立しないといえる。この両立性に着目してみると、空間周波数の増加に伴い、孤立ライン潜像と周期ライン潜像ともに電位振幅が減少し、孤立白ラインと孤立黒ラインと周期ラインの両立性が低下していることがわかる。
【0137】また、図9と図10を比較すればわかるように、感光体の薄膜化によって両立性が向上することもわかる。
【0138】上記両立性計算結果と周波数特性関数MTFltntとの間に密接な相関があることは上記数17の展開から明確であるが、より理解しやすくするために、感光体膜厚が20μmと10μmの条件でMTFltntを計算した結果を図11に示す。図7から図10に対応するMTFltntの値は、それぞれ0.58,0.32,0.16,0.25である。
【0139】以上の結果をまとめると、周波数特性解析においては、図5および図6に示したように、電荷密度的に理想的な像が形成されていても、誘電体厚み、すなわちlおよびmの影響で電位のコントラストが低下することを示した。
【0140】両立性解析においては、上記電位コントラストの低下が単に電位振幅の絶対量の低下だけでなく、孤立白ライン・孤立黒ライン・周期ラインの両立性を著しく損なう結果を招くことを示した。
【0141】電位振幅の絶対量が小さいだけであれば、帯電電位を高くするもしくはトナー層中の電界強度が小さくならないように工夫することである程度対応できる。しかし、両立性低下の問題はバイアス電位・帯電電位・表面電荷密度とは無関係で、潜像波長と感光体膜厚・トナー層厚およびその誘電率のみで決定されてしまうことをMTFltntの導入で示した。この点に立脚して、感光体膜厚・トナー層厚およびその誘電率とが有機的に関連づけられて定義されるMTFltntの適正範囲を導出したのが本発明の特徴である。
【0142】上記の両立性解析の結果において、「孤立白ラインの白部濃度より孤立黒ラインの黒部濃度の方が薄くなってはならない」という両立性判断基準を設けると、MTFltntの値として下記の条件が、MTFltnt > 0.22が導出される。
【0143】これは、例えば表1の標準値とp=14μmという値で計算した結果がこの臨界値にほぼ相当している。このときの孤立白ラインと孤立黒ラインの電位特性を図12に示す。
【0144】しかしながら、この値は理論的に導き出された必要最小限の値であって、この条件では実際に両立性は実現しない。実際のプロセスでは、表面電荷密度が理想的に分布していなかったり、感光体表面からやや離れた位置の電界強度で現像量が決定されるなどの点で、理論解析の前提条件とやや異なる部分があるからである。従って両立性確保のためには理論解析から導き出された値よりさらに大きい値が要求される。この点について詳細な実験を行い、MTFltnt ≧ 0.3を導き出した。
【0145】以下に、実験装置および実験過程について説明する。
【0146】まず、実験装置について説明する。
【0147】図13に、上記両立性判断基準値を導出するための検証実験に用いた実験装置の側面模式図を示す。ここでは、感光体上のライン形成を観察するため、電子写真プロセスを用いたプリンタや複写機を構成する各要素から、帯電部120、露光部130、現像部140及び感光体110を抽出し、実験装置を構成している。通常の電子写真プロセスを用いたプリンタや複写機においては、これらの他に、転写、定着、感光体のクリーニング、感光体の除電、用紙搬送等が加わり装置を構成するが、本検討においては感光体上のライン形成状態に注目するためにプロセスを簡略化している。
【0148】テストピース110は、感光対面が形成された面を下にしてテストピースホルダ111に取り付けられている。テストピースホルダ111はテストピースを直線的に駆動するリニアスライダ112に機械的に連結されており、プロセス中は66mm/sの一定速度で移動するよう図示しないコントローラにより制御される。
【0149】テストピース110は導体基板上にアンダーコート層(UC層)、電荷発生層(CG層)、電荷輸送層(CT層)の順に積層されている。本検討においては、これら感光体層の厚さは8〜20μmの範囲において行った。また、テストピース110の感光体は負極性に帯電するフタロシアニン系有機感光体を用いた。また、テストピース110の導電基板は図示しない電極を介して接地されている。
【0150】帯電部120は、テストピース110の感光対面と対向する側に位置し、グリッド121、ケース122、ワイヤ123から成るスコロトロン型帯電器である。グリッド121、ケース122、ワイヤ123はそれぞれ電源124、125、126に接続され、テストピース110の感光体表面電位が所望の値となるよう制御されている。本検討においては、現像時の感光体表面電位が−400〜−1000Vとなるように、感光体の暗減衰を考慮して条件を設定した。
【0151】露光部130は、半導体レーザ(LD)131を露光用光源とし、LD131より発せられたレーザ光はコリメータレンズ132を通過し、平行光に整形される。コリメータレンズ132を通過したレーザ光は、図示しないNDフィルターを通過することで光強度を適正値に減衰し、アパーチャ133により所望の開口に制限され、対物レンズ134に入射する。対物レンズ134はレーザ光を収束しテストピース110の感光体面上に焦点を結ぶよう、テストピース110までの距離を調整されている。これら露光部130は全体をXY2軸で駆動可能なXYステージ135上に固定され、XYステージ135を図示しないコントローラで所望の位置に1μmの精度で位置決めすることができる。さらに、LD131は図示しないレーザドライバ(キノ・メレスグリオ社製)により駆動され、レーザパワーやレーザの点灯時間を任意に制御することが可能である。
【0152】本検討に用いた光学系の詳細は次の通りである。LD131の波長は780nmであり、コリメータレンズ132の焦点距離は25.6mmであり、対物レンズ134の焦点距離は25.6mmと48mmのものを使い分けた。アパーチャ133の開口部直径は0.8〜8.0mm。光学系の収差はほぼ回折限界以下まで除去できているため、回折限界を利用した光学系となっている。このアパーチャ133の開口部直径と前記対物レンズを適宜調整することによりNAが調整でき、感光体表面でのビーム径を300DPIから6000DPIまで調整できる。また、上記NDフィルターと前記レーザドライバを適宜調整することにより、感光体面上でのレーザ光のパワーは0.5nW〜3mWまで調整できる。
【0153】現像部140は、テストピース110に対向するよう設置されており、現像ローラ141上にある一定の付着量のトナー145の層を形成する。現像部140はその容器内部にトナー145を貯蔵しており、現像ローラ141に接触しているトナー供給ローラ142が、図中の矢印で示した方向に回転することにより現像ローラ141へトナー145を供給する。現像ローラ141に供給されたトナー145は、現像ローラ141の回転に伴いドクターローラ143と現像ローラ141の接触部へ搬送される。ドクターローラ143は図中の矢印の方向へ回転し、現像ローラ141上のトナー145をある一定の付着量の層に形成する。現像ローラ141上のトナー145がテストピース110との現像領域を通過し、トナー145が現像された後、現像されずに現像ローラ141上に残ったトナー145は、回収ローラ144により現像ローラ141上から回収され再び容器内に戻される。現像ローラ141は図示しないモータによりカップリングを介して駆動され、その回転により図示しないギアを介して、ドクターローラ143、トナー供給ローラ142並びに回収ローラ144がそれぞれ駆動される。本検討においては、現像ローラ141の周速が100mm/sとなるようにギヤ比等を設定している。
【0154】現像ローラ141、ドクターローラ143、トナー供給ローラ142並びに回収ローラ144のシャフトにはそれぞれ電源146、147、148、149が接続され、独立に電圧が印加される。本検討においては、現像ローラ141のバイアスを−250〜−750Vの範囲で電源146により設定し、ドクターローラ143、トナー供給ローラ142並びに回収ローラ144のバイアスはそれぞれ現像ローラ141に対して、ドクターローラ141は−300〜+300Vとなるように電源147を、トナー供給ローラ142は0〜−300Vとなるように電源148を、回収ローラ144は0〜+300Vとなるように電源149を制御した。
【0155】本検討において、現像ローラ141はステンレスのシャフトの周囲に、ウレタンゴム中にカーボン粒子を分散し導電性を付与したゴムローラを用いた。この現像ローラ141による現像部での抵抗の値Rdevが104〜106Ωになるように、上述した抵抗調整基材を用い、ゴム高度がSRIS(日本ゴム協会標準規格)に準ずるアスカーC硬度で、65〜70度、表面の粗さはJISB0601に準ずる10点平均粗さRzで2〜8μmのものを使用した。ドクターローラ143は金属製の表面を有し、表面粗さをJIS B0601に規定される中心線平均粗さRaを0.1μmに形成されている。供給ローラ142については、ステンレス製の回転軸表面上に体積抵抗率105Ω・cm、セル密度80〜100個/inchの導電性ウレタンフォームを被覆して構成した。そして、現像ローラ141に対して接触深さ0.5mmで接触させ、その周速を66mm/secで矢印方向に回転駆動させている。回収ローラ144は、ドクターローラ143と同じく金属製の表面をRa=0.1μmに加工されている。
【0156】トナー145は、スチレン−アクリル共重合体の主樹脂の中に、抵抗調整剤且つ顔料としてのカーボン粒子や、帯電制御剤としてのCCA、外添剤としてのシリカなどから成り、本検討においては体積平均粒径3〜10μmのものを用いた。また、本検討では負極性に帯電するトナーを使用し、その帯電量は−10〜−50μC/gであった。
【0157】以下、実験過程について述べる。上記実験機全体は図示しない暗幕などにより暗所に設けられている。
【0158】テストピース110がリニアスライダ112により駆動され、帯電部120と対向する帯電領域に到達すると、予め設定された条件で帯電部120により所定の表面電位に帯電される。帯電されたテストピース110は、露光部130に対向する露光領域に到達すると停止し、予め設定したデータに基づきXYステージ135を移動しつつ、LD131をレーザドライバにより点滅させテストピース110の感光体面上にレーザ光を照射する。レーザ光が照射された部分の電荷は減衰し、潜像が形成される。露光が完了するとともに、リニアスライダ112が再び駆動し、テストピース110を現像部140と対向する現像領域へ搬送する。現像領域に搬送されたテストピース110は、一定速度で移動しつつ現像ローラ141と接触する。現像ローラ141上のある一定の帯電量・付着量のトナー145の層は潜像が形成されたテストピース110の感光体面と接触することで、潜像に応じて静電気的に現像される。現像領域を通過したテストピース110は、完全に現像領域から離脱した後停止する。この後、テストピース110をテストピースホルダ111から取り外し、現像されたトナー145の像を観察する。
【0159】この実験装置を用いて、図14に示すパターンをテストピース110上に形成し、現像された像を観察・評価した。
【0160】
【表3】


【0161】上述一連の実験を行う際の各パラメータの標準値を上記の表3にまとめる。
【0162】まず、感光体膜厚と画質との相関を検証するために、次表4の8種類の膜厚の感光体を用意した。
【0163】
【表4】


【0164】膜厚以外は表3の標準値を用いて実験を行い、孤立ライン・周期ラインの両立性等を評価した。なお、実験での両立性判断基準は、「周期ラインパターンの白/黒デューティーが50%となる条件で孤立黒ラインが形成されるかどうか」とした。これは、前記解析結果の両立性判断基準「孤立白ラインの白部濃度より孤立黒ラインの黒部濃度の方が薄くなってはならない」と等価である。
【0165】孤立ライン・周期ラインの両立性評価の結果、感光体膜厚20μmまでは両立することが確認された。上記表4において、判定1として結果を示す。この条件を数17のMTFltntにあてはめると、その値は0.3となった。
【0166】さらに、図14に示すパターンでは孤立ドットと周期ラインとの両立性評価も可能である。上記の孤立ライン両立性評価と同様に、「周期ラインパターンの白/黒デューティーが50%となる条件で孤立黒ドットが形成されるかどうか」という判断基準にて評価を行った結果、感光体膜厚10μmまでは両立することが確認された。上記表4において、判定2として結果を示す。この条件を数17のMTFltntにあてはめると、その値は0.48となった。
【0167】次に、露光ビーム径Wと画質との相関を検証するために、次表5の4種類のビーム径Wにて実験を行った。
【0168】
【表5】


【0169】露光ビーム径以外は表3の標準値を用いて実験を行い、孤立ライン・周期ラインの両立性等を上記同様に評価した。孤立ライン・周期ラインの両立性評価の結果、標準値30μmより小さい20μmではさらに画質の向上がみられ、標準値より大きい40μmでは画質が劣化した。しかし、かろうじて前記両立性判断基準を満足することができた。50μmのビーム径では両立性を満足することができなかった。ここで、両立性を満足したビーム径Wと最小ドット記録周期pとの関係は、W≦2pとなる。
【0170】次に、トナー粒径Dtと画質との相関を検証するために、次表6の5種類の体積平均粒径トナー径Dtを用意した。
【0171】
【表6】


【0172】トナー径以外は表3の標準値を用いて実験を行い、孤立ライン・周期ラインの両立性等を上記同様に評価した。孤立ライン・周期ラインの両立性評価の結果、標準値5μmより小さい3.2μmではさらに画質の向上がみられ、標準値より大きい7.5μmでは画質が劣化両立性を満足することができなかった。ここで、両立性を満足したトナー体積平均粒径Dtと最小ドット記録周期pとの関係は、Dt≦p/4となる。
【0173】次に、本発明の現像装置に用いる現像ローラーの抵抗値について説明する。
【0174】図15は現像ローラーの抵抗値を測定する簡易装置の説明図である。絶縁体の平板103の上に配置された金属の検出電極104の上に現像ローラー41を置き、重り105によって所定の荷重を加えた状態で、電源106からバイアスを印加し、検出電極に流れる電流を電流計102によって測定する。抵抗値に不均一性がある場合は、周方向に何点か測定した平均値を代表値とする。このとき圧力Fは実際に感光体に押当てる圧力と同等とすることにより検出電極に押当てたときに形成されるニップ部の接触面積は実際に感光体に接触する面積と同等になるようにする。この状態で、現像ローラー41の導電性シャフトにバイアス印加手段106によってバイアスを印加し、電圧−電流特性を測定する。このようにして測定された抵抗値は、前記現像部での現像ローラ抵抗Rdevとほぼ等価である。
【0175】現像ローラー抵抗層として、ウレタン樹脂にカーボンブラックを分散させた電子伝導タイプのローラー2種類(A、B)およびウレタン樹脂をベースとしたイオン導電タイプのローラー1種類(C)を、上記測定装置で抵抗を測定し、各々のローラーについて抵抗値の平均値、をまとめたものを表7に示す。抵抗値は、10V印加時の電流値をAdvantest製R6871Eにて計測し、換算したものである。
【0176】
【表7】


【0177】現像ローラ抵抗以外は表3の標準値を用いて実験を行い、孤立ライン・周期ラインの両立性等を上記同様に評価した。孤立ライン・周期ラインの両立性評価の結果、現像ローラA、Bでは両立性を満足できたが、現像ローラCは両立性を満足することができなかった。ここで、両立性を満足した現像ローラ抵抗Rdevは、1MΩ以下となる。
【0178】上記の実験の他に、最小ドット周期p(解像度)を変えて同様の実験を行ったが、上述と同様の結論が導き出された。
【0179】なお、上記説明の中で黒ライン等の表現で説明を行っているが、カラートナーを用いたプロセスでも当然同様の結果となる。
【0180】次に感光体を用いない静電潜像形成装置の実施例を説明する。
【0181】これまで説明してきたように感光体を帯電器により均一帯電し、光ビームを露光して静電潜像を形成する方法が一般的であるが、"Ion Printing Technology"のような電荷供給装置により、絶縁体上にイオンを直接供給して静電潜像を形成する方法も従来より知られている。
【0182】静電潜像担持体が感光体の場合では、前述のように材料の制約や摩耗の問題や膜の絶縁破壊の問題があるため、膜厚lや比誘電率εaを大幅に変更することができない。
【0183】これに対し電荷供給装置による直接潜像形成方法のメリットは、静電潜像担持体を感光体ではなく一般の絶縁体とすることができるため、材料選択の自由度が増すことである。これにより、静電潜像担持体の比誘電率εaをさらに大きくできたり、耐摩耗性の良くすることで膜厚lを小さくできたりする。
【0184】図16に直接潜像形成を可能とする電荷供給装置19を用いたときの画像形成プロセスの概略を示す。
【0185】図1に示した感光体を用いたプロセスとの違いは、静電潜像担持体が感光体1から誘電体ドラム18となり、帯電器2・露光3・除電器7の3つが電荷供給装置19になった点である。そして、複数の電荷供給源から構成される電荷供給装置を選択的に駆動してイオンもしくは電子を静電潜像担持体上に供給し、静電潜像を形成する。要するに、静電潜像形成方法が感光体と光を用いたものから、イオンもしくは電子を直接供給する方法に変わっただけで、その他のプロセスは同様である。
【0186】図17に直接潜像形成を可能とする電荷供給装置を用いたときの潜像周波数特性関数MTFltntの改善効果を説明するシミュレーション結果を示す。
【0187】最小ドット記録密度が600dpiの場合、周期ライン潜像の空間周波数は約12(ラインペア/mm)であり、表1の標準値に基づく条件ではMTFltntは約0.6の値となり、露光・現像・転写等の条件を適正化すれば良好な出力画像が期待できる。このままの条件で記録密度を1200dpiとすると、空間周波数は24(ラインペア/mm)となり、MTFltntは約0.3と劣化してしまう。
【0188】電荷供給装置による直接潜像形成方法とすることで、、静電潜像担持体の膜厚lを20μmから10μmに薄膜化し、比誘電率εaを3から10に高くできる。これにより、記録密度が1200dpiにおいても、MTFltntは約0.6の値を維持でき、600dpiと同程度の画質が期待できることがわかる。
【0189】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、潜像周波数特性関数MTFltntの値を0.3以上となるように設定することで、隣接ビームとのクロストークを低減し、MTF劣化の少ない高品位潜像を形成することができ、現像部における潜像電位コントラストの低下を防止し、現像の周波数特性を改善することができる。よって、周期ラインと孤立ラインの両立性を改善することができる。
【0190】また、静電潜像担持体への直接潜像形成を可能とする電荷供給装置を用いることで、静電潜像担持体を感光体ではなく一般の絶縁体とすることができるため、材料選択の自由度が増し、静電潜像担持体の比誘電率εaをさらに大きくでき、上記MTFltntを改善できる。
【0191】さらに、MTFltnt≧0.48とすることにより、周期ラインと孤立ドットの両立性が良好となり、より高品位な出力画像が得られる。
【0192】また、現像剤の体積平均粒径Dtをpの1/4倍以下とすることで、pが43μm以下であるような高解像度静電潜像の電場でもトナーに対して現像駆動力が有効に働くようにでき、良好な画質を得ることができる。
【0193】また、非磁性1成分接触現像方式を用いることで、現像電極を感光体近傍に設置することができ、高解像度化が図れる。即ち、mを小さくできるので、MTFltntを大きくでき、結果的に現像電界の周波数特性を改善し、高解像度画像が得られる。
【0194】さらに、現像装置内の現像剤担持体の現像部での抵抗Rdevを106[Ω]以下とすることで、現像剤担持体をほぼ導体として扱うことができ、現像剤担持体表面を現像電極とみなすことできるため、現像剤層厚mを小さくでき同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく画像形成装置の全体構造の概略を説明するための構成図である。
【図2】本発明に基づく画像形成装置に用いられる現像装置の概略を説明するための構成図である。
【図3】本発明に基づく画像形成装置の両立性を説明するための図である。
【図4】本発明に基づく画像形成装置の解析モデル図である。
【図5】本発明に基づく画像形成装置の潜像周波数特性の説明図である。
【図6】本発明に基づく画像形成装置の潜像周波数特性の説明図である。
【図7】本発明に基づく画像形成装置の両立性を説明するための図である。
【図8】本発明に基づく画像形成装置の両立性を説明するための図である。
【図9】本発明に基づく画像形成装置の両立性を説明するための図である。
【図10】本発明に基づく画像形成装置の両立性を説明するための図である。
【図11】本発明に基づく画像形成装置の潜像周波数特性の説明図である。
【図12】孤立白ラインと孤立黒ラインの電位特性を示す図である。
【図13】実験装置の模式図である。
【図14】評価に用いた画像パターンの模式図である。
【図15】本発明の現像装置を構成する現像ローラの静的な抵抗値を測定する装置の説明図である。
【図16】直接潜像形成可能な電荷供給装置を用いた画像形成装置の全体構造の概略を説明するための構成図である。
【図17】直接潜像形成可能な電荷供給装置を用いたときの潜像周波数特性関数MTFltntの改善効果を説明する図である。
【符号の説明】
1 感光体(静電潜像担持体)
4 現像装置
10 (非磁性)一成分トナー
11 現像バイアス電圧の供給用の電源回路
12 規制部材への電圧供給用の電源回路
13 供給ローラヘの電圧供給用の電圧回路
18 誘電体ドラム
19 電荷供給装置
40 現像槽
41 現像ローラ(トナー担持体)
42 供給ローラ(供給手段)
43 ブレード(規制部材)
44 リセット部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】 最小ドット記録周期pをもって感光体を露光し静電潜像を形成する露光装置と、前記静電潜像を現像剤により現像する現像装置とから構成される画像形成装置において、前記露光装置に用いられる露光ビームのピーク強度1/e2の径WがW≦2pであり、かつ、前記感光体の膜厚lおよび前記感光体の誘電率εaと、前記現像剤層厚mおよび前記現像剤層誘電率εbと、ω=π/pで定義される空間周波数ωとすると、
【数1】


で表される潜像空間周波数特性関数MTFltntが、MTFltnt≧0.3であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】 静電潜像担持体上に最小ドット記録周期pの静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、前記静電潜像を現像剤により現像する現像装置とから構成される画像形成装置において、前記最小ドット記録周期pが43μm以下であり、かつ、前記静電潜像担持体の誘電体膜厚lおよび前記静電潜像担持体の誘電体の比誘電率εaと、前記現像剤層厚mおよび前記現像剤層の比誘電率εbと、ω=π/pで定義される空間周波数ωとすると、
【数2】


で表される潜像空間周波数特性関数MTFltntが、MTFltnt≧0.3であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】 前記静電潜像形成装置は、複数の電荷供給源から構成される電荷供給装置を選択的に駆動してイオンもしくは電子を前記静電潜像担持体上に供給し、静電潜像を形成することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】 前記潜像空間周波数特性関数MTFltntが、MTFltnt≧0.48であることを特徴とする請求項1乃至3記載の画像形成装置。
【請求項5】 前記現像剤の体積平均粒径DtがDt≦p/4であることを特徴とする請求項1乃至4記載の画像形成装置。
【請求項6】 非磁性1成分接触現像方式を用いたことを特徴とする請求項1乃至5記載の画像形成装置。
【請求項7】 前記現像装置内の現像剤担持体の現像部での抵抗Rdevが106[Ω]以下であることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2001−134027(P2001−134027A)
【公開日】平成13年5月18日(2001.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−142663(P2000−142663)
【出願日】平成12年5月16日(2000.5.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】