説明

画像形成装置

【課題】 紙などの記録材の裏紙利用時におけるユーザーの待ち時間を短縮し、機密保持などにも配慮する。
【解決手段】 使用済みの記録材Pを、裏紙カセット22にセットすると、裏紙作製が開始され(S1)、裏紙カセット22から記録材Pが給紙される(S2)。マーキングセンサが記録材Pに記録された機密レベル又は画像を検知したとき(S3)、画像面に形成する画像パターンを選択する(S4)。画像形成可能面に画像がある場合(S5のYes)は画像パターンを形成し(S6)、ない場合(A5のNo)は画像形成部を通過させて表裏反転した後(S7)、画像パターンを形成する(S6)。その後、裏紙ストッカに記録材Pを搬送して、裏紙として蓄積する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材の未使用面を再利用することが可能な画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ,複写機,ファクシミリ等の画像形成装置によって一方の面(表面)に画像が形成されて使用済みとなった記録材は、他方の面(裏面)が使用されることなく廃却されることが多かった。近年、省資源化やコスト低減を目的として、未使用面である裏面を画像形成に利用するユーザーが増えてきている。いわゆる使用済みの記録材のリサイクル(再利用)である。
【0003】
ところが、一般に、画像形成装置自体は記録材の裏面使用を前提としていない。このため、記録材を再利用する場合には、ユーザーが記録材の未使用面を揃えることが必要となる。すなわち、再利用する複数枚の記録材を、給紙カセットに積層状態でセットする際に、すべての記録材の未使用面が上向き(又は下向き)となるように揃えなければならない。この未使用面の向きを揃える作業は、記録材の1枚ずつについて行うため、かなり煩雑な作業となる。
【0004】
特許文献1には、このような煩雑な作業を解消するために、記録材に画像形成する際にその画像形成面に検知パターンを形成し、この検知パターンを検知手段によって検知することにより、その面が画像形成済みか否かを判別し、その結果、未使用面であることが検知された場合にその面を画像形成面として再利用する発明が開示されている。
【0005】
ところで、画像形成された画像に含まれる情報によっては、機密保持などの観点から、裏面使用に適さない場合も多い、という問題がある。
【0006】
特許文献2には、用紙に既に画像が形成されているか否かを検知して、画像が形成されていると判断された場合には既に画像が形成されている面に対して判別画像を形成して、その裏面を画像形成面として利用する発明が開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開2002−323830号公報
【特許文献2】特開平7−199738号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の特許文献1,2に記載されたものは、次のような問題点がある。
【0009】
記録材上の画像の有無を判断して画像有りと検知された面に対して判別画像を形成するように制御すると、画像有りの記録材に対しては常に判別画像を形成するように動作するために、例えば電子写真方式の画像形成装置の場合にはトナーを裏紙利用の度に消費することとなり、省資源やコストの観点でユーザーにとっては好ましくない。
【0010】
そこで、本発明は、紙などの記録材の裏紙利用時における上述のような不具合を解消するものであり、裏紙利用時におけるトナーなどの消費材の使用量を必要最低限に抑制しつつ機密保持などに配慮した画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る発明は、記録材を給紙する給紙手段と、前記給紙手段から給紙された記録材に画像を形成する画像形成手段と、を備えた画像形成装置において、前記画像形成手段は、前記給紙手段から給紙される記録材に既に記録されている画像に応じて、記録材の既に画像が記録されている面に、画像パターン又はベタ画像を形成する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、給紙手段から給紙された記録材の既に画像が記録されている面に対して、画像パターン又はベタ画像を形成することができるので、例えば、記録材に既に形成されている画像の機密度に応じて、画像パターンやベタ画像を形成することにより、トナーなどの消費材の使用量を必要最低限に抑制しつつ機密を確実に保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図面において同じ符号を付したものは、同様の構成あるいは同様の作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略した。
【0014】
<実施の形態1>
図1に、本発明を適用することができる画像形成装置の概略構成を示す。なお、同図に示す画像形成装置は、電子写真方式のプリンタであり、同図はその記録材搬送方向に沿った方向の縦断面を模式的に示す図である。本発明を適用することのできる画像形成装置としては、上述の電子写真方式のプリンタのほかに、同じく電子写真方式の複写機,ファクシミリ、電子写真方式以外(例えば、静電記録方式、インクジェット方式、熱転写方式)のプリンタ,複写機,ファクシミリ等を挙げることができる。
【0015】
同図を参照して画像形成装置1の構成の概略を説明する。
【0016】
同図に示す画像形成装置1は、フレーム及び筐体によって構成された画像形成装置本体2を備えている。この画像形成装置本体2には、記録材P(例えばシート状の紙、透明フィルム)に画像を形成する画像形成部(画像形成手段)3、この画像形成部3に記録材を供給する給紙搬送部(給紙手段)4、記録材Pに画像を定着させる定着部5、定着後の記録材Pを排出する排紙部6がそれぞれ設けられている。
【0017】
画像形成部3には、像担持体としてドラム形の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という。)11が配設されている。感光ドラム11は、画像形成装置本体2によって矢印R11方向に回転自在に支持されている。
【0018】
感光ドラム11の周囲には、その回転方向に沿ってほぼ順に、帯電ローラ(帯電手段)12、露光装置(露光手段)13、現像装置(現像手段)14、転写ローラ(転写手段)15、クリーニング装置(クリーニング手段)16、前露光器(前露光手段)17が配設されている。上述の転写ローラ15は、感光ドラム11に下方から当接されていて、感光ドラム11との間に転写ニップ部Nを構成している。
【0019】
給紙搬送部4には、給紙カセット21、裏紙カセット22、裏紙ストッカ23、給紙ローラ24,25,26、搬送パス27、レジストローラ28、反転パス30、ストックパス31が配設されている。ここで、裏紙カセット22及び裏紙ストッカ23における「裏紙」とは、記録材Pのうち、一方の面(表面)には画像が形成されているが、他方の面(裏面)には画像が形成されていない記録材P、したがって再利用可能な記録材Pのことをいうものとする。
【0020】
定着部5には、内側にヒータ32を有する定着ローラ33、この定着ローラ33に下方から加圧された加圧ローラ34とが配設されている。
【0021】
排紙部6には、フラッパ(切換え部材)35、排紙ローラ36、排紙トレイ37が配設されている。
【0022】
さらに、上述の画像形成装置1には、全体の動作を制御するCPU(制御手段:不図示)が配設されている。そして、このCPUには、後述の画像パターン、すなわち記録材Pの既に画像が形成されている面に画像形成される複数種の画像パターン(後述)や、所定の記号情報(後述)が格納されている。
【0023】
図4に、画像情報をマーキングするためのブロック図、及び裏紙作製モードを実行するためのブロック図を示す。
【0024】
同図に示すように、画像情報をマーキングするための手段として、画像付随情報選択手段51と、画像情報マーキング形成手段52と、画像形成手段53とを有している。また、裏紙作製モードとして、画像パターン設定手段54と、画像パターン選択手段55と、画像情報検出手段40と、画像形成手段53とを有している。
【0025】
ここで画像付随情報とは、機密レベル等の、画像に付随する情報であり、本実施の形態では、記録材Pの非画像形成領域R2(図2参照)である余白部分に形成されるものである。これに対して、画像情報とは、通常のコピー画像やプリント画像を形成するための情報であり、記録材Pの画像形成領域R1(図2参照)に形成される情報である。
【0026】
図4のブロック図の説明に戻る。画像付随情報選択手段51は、画像形成手段53によって記録材Pに形成される画像に付随する情報を選択することができる。画像情報マーキング形成手段52は、画像付随情報選択手段51により選択された画像付随情報に対応するマーキングを記録材Pの通常の画像形成領域R1の外部に形成するものである。なお、画像形成動作については、この画像情報マーキング形成手段52と、画像形成手段53とは同様の画像形成プロセスを実行する。ただし、画像情報マーキング形成手段52と、画像形成手段53とは、前者が記録材Pの画像形成領域R1内に通常の画像を形成するものであるのに対し、後者は記録材Pの非画像形成領域R2に画像情報マーキングを形成する点で異なる。
【0027】
裏紙作製モードを実行するための画像パターン設定手段54は、画像情報検出手段40が検出した画像情報と画像パターンとの対応関係を操作設定可能にするものである。画像パターン選択手段55は、画像情報と対応付けられた状態の画像パターンを選択するものである。この画像パターン選択手段55によって選択された画像パターンが、画像形成手段53によって、記録材Pの画像形成領域R1に形成される。この画像パターンは、例えば、後述するように、既に記録材P上に形成されている機密情報を含んだ画像に上書きされて、その機密情報を隠蔽するものである。
【0028】
上述構成の画像形成装置1は、以下のようにして記録材P上に画像を形成する。
【0029】
感光ドラム11は、駆動手段(不図示)によって矢印方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動される。回転中の感光ドラム11は、その表面が帯電ローラ12によって所定の極性・電位に一様に帯電される。帯電後の感光ドラム11表面は、露光装置13によって画像情報に基づく露光(例えばレーザー光Lの照射)が行われ、露光部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像剤を収納した現像装置14によってトナーが付着され、トナー像として現像される。
【0030】
一方、給紙カセット21に積層状態で収納されている記録材Pは、給紙ローラ24によって給紙され、搬送ローラ(不図示)により搬送パス27にガイドされてレジストローラ28まで搬送される。記録材Pは、その先端を停止中のレジストローラ28に当接させて斜行が矯正されるとともに、一時停止される。
【0031】
こうして一時停止された記録材Pは、上述の感光ドラム11表面に形成されたトナー像が感光ドラム11の回転によって転写ニップ部Nに到達するタイミングに合わせて、レジストローラ28により転写ニップ部Nに向けて供給される。感光ドラム11上のトナー像は、記録材Pが転写ニップ部Nを通過する際に、転写ローラ15により記録材Pの一方の面(表面)に転写される。
【0032】
トナー像転写後の感光ドラム11は、表面に残ったトナー(転写残トナー)がクリーニング装置16によって除去され、さらに表面に残った電荷が前露光器17によって除去されて、次の画像形成に供される。
【0033】
一方、トナー像転写後の記録材Pは、定着部5に搬送され、ここで定着ローラ33及び加圧ローラ34によって加熱・加圧されて、表面にトナー像が定着される。
【0034】
トナー像定着後の記録材Pは、排出位置(図1中の実線で図示)に配置されているフラッパ35によって排紙ローラ36に導かれ、この排紙ローラ36によって排紙トレイ37上に排出される。
【0035】
これにより、1枚の記録材Pの片面(表面)に対する画像形成が終了する。
【0036】
これに対し、1枚の記録材Pの両面(表面と裏面)に対して画像形成を行う場合には、片面に対するトナー像の定着終了後、排紙ローラ36によって記録材Pが排出される直前、すなわち記録材Pの後端が排紙ローラ36にまだ挟持されているときに排紙ローラ36を停止させ、さらに逆転させるとともに、フラッパ35を反転位置(図1中の点線で図示)に配置する。そして記録材Pを反転パス30に導き、ここからレジストローラ28に供給し、レジストローラ28から感光ドラム11上のトナー像にタイミングを合わせて転写ニップ部Nに供給する。その後は、片面に画像形成を行う場合と同様である。
【0037】
また、裏紙処理時(後述)には、裏面画像形成時と同様に給紙ローラ36を逆転した後、記録材Pを反転パス30に導くに代えて、ストックパス31に導いた後、裏紙ストッカ23に収納する。そして、ここから必要に応じて、レジストローラ28を介して転写ニップ部Nに供給するようにしている。
【0038】
本発明においては、画像形成装置1は、画像形成時に記録材Pの余白部分に画像付随情報をマーキングし、またこのマーキングを読み取る機能を有している。以下、詳述する。
【0039】
本実施の形態では、ユーザーが画像や文書を記録材Pに画像形成(コピー又はプリント)する際に、画像や文書の画像付随情報として機密レベルを設定できるようになっている。機密レベルは、画像形成装置本体2に設けられた操作部(不図示)から所定の操作により設定することができる。本実施の形態では、機密レベルを3段階に設定可能とした。ユーザーは、コピー又はプリントしたい画像や文書に対して3段階の機密レベルから所望の機密レベルを選択する。ここでは、機密レベル1を最低レベル、機密レベル2を中間レベル、そして機密レベル3を最高レベルとした。
【0040】
機密レベルを設定し、コピー又はプリントスタート信号により画像形成を開始すると、画像形成部3においてユーザーが必要とする画像や文書を、図2に示す記録材Pの画像形成領域R1に形成するとともに、記録材Pの余白部分となる非画像形成領域R2に、画像付随情報(画像情報マーキング)としてユーザーが選択した機密レベルに対応した機密レベルマーキングMを形成する。一例として、以下のような所定の記号情報を形成する。機密レベル1のとき「■」、機密レベル2のとき「〓」、機密レベル3のとき「―」の機密レベルマーキングMを形成する。本実施の形態では、機密レベルマーキングMを形成する箇所は、ユーザーが必要とする画像や文書が形成される画像形成領域R1の周囲に額縁状に形成される余白部である非画像形成領域R2のうちの、記録材Pの隅の対角2箇所とした。なお、この機密レベルマーキングMは、画像や文書と同様に、トナーによって形成するものである。
【0041】
本実施の形態では、上述の機密レベルマーキングMを読み取るための読取手段(画像情報検出手段)として、図1に示すように、マーキングセンサ40を設けた。マーキングセンサ40は、給紙搬送部4の搬送パス27における、記録材Pの搬送方向に沿っての、給紙ローラ24,25,26よりも下流側で、かつレジストローラ28の上流側に設けた。
【0042】
マーキングセンサ40は、記録材Pの一方の面(例えば表面)に形成された機密レベルマーキングMを読み取る表面センサ41と、記録材Pの他方の面(例えば裏面)に形成された機密レベルマーキングMを読み取る裏面センサ42とが対になって配設されている。これら表面センサ41と裏面センサ42とは、搬送パス27を挟んで対向するように、それぞれ反対側に配設されている。
【0043】
本実施の形態においては、記録材Pは、片側基準で搬送されるようになっている。すなわち、図2に示すように、矢印K方向に搬送される記録材Pを既に画像が形成されている面側からを見たとき(図1中の矢印A方向から見たとき)に、記録材Pは、その搬送方向に向かって右側の側端Pcを基準に搬送される。したがって、表面センサ41は、同図に示すように、記録材Pが基準面Hを基準にして矢印K方向に搬送されるときに、この基準面Hに近い側の機密レベルマーキングMが通過する位置に対応して設けてある。また、上述のように、本実施の形態では、2個の機密レベルマーキングMを記録材Pの隅の対角の2箇所に形成するようにしているので、記録材Pの給紙方向(例えば、縦通し、横通し)にかかわらず、必ず一方の機密レベルマーキングMが表面センサ41によって読み取られるようになっている。なお、マーキングセンサ40を通過する記録材Pが、図2とは反対の面に画像形成がなされている場合には、少なくとも一方の機密レベルマーキングMが裏面センサ42によって読み取られるようになっている。このようにして、画像付随情報としての機密レベルマーキングMから所定の記号情報の有無及び種類が識別される。上述の例では、「■」、「〓」、「―」が所定の記号情報ということになる。
【0044】
マーキングセンサ40としては、例えば光量センサを使用することができる。マーキングセンサ40を通過する機密レベルマーキングMに発光部(不図示)から光を照射し、そのときの反射光の光量を受光部(不図示)によって検知する。そして、検知した光量に基づいて、機密レベルマーキングMが形成されているか否か、また形成されている場合には、その機密レベルが1〜3のうちのどれであるかを検知することができる。
【0045】
なお、図1に示すように、表面センサ44と裏面センサ45とからなる画像センサ43を、上述の非画像形成領域R2に対応する位置以外、例えば、一般的な画像形成領域R1に対応する位置にも配置した場合には、この画像センサ43により、本画像形成装置1以外の画像形成装置で片面コピーや片面プリントした記録材Pの表裏面の判別も可能である。
【0046】
次に、図3のフローチャートを参照して、本画像形成装置1を利用して裏紙を作製する流れ(裏紙作製モード)について説明する。なお、同図中のS1,S2……は、ステップ(手順)の番号を示すものである。なお、本実施の形態では、画像センサ3が配設されていない場合を例に説明する。
【0047】
ユーザーが片面コピーや片面プリントした記録材Pであって使用済みの記録材Pを、裏紙カセット22にセットする。すると、記録材有無センサ(不図示)がこれを検知して、自動的に裏紙作製モードが発動して、裏紙作製開始(S1)が指示される。
【0048】
裏紙カセット22から給紙ローラ25によって記録材Pが給紙されて(S2)、搬送パス27に沿って搬送される。搬送された記録材Pは、マーキングセンサ40を通過する際に、機密レベルマーキングMや画像情報の有無が検知される(S3)。表面センサ41が機密レベルマーキングMを検知した場合、検知した機密レベルに応じて画像パターン選択手段が画像形成部3にて形成する画像パターンを選択する(S4)。機密レベルと画像パターンとの組合せは、画像形成に先立ってユーザーが設定可能なように構成されている。また、マーキングセンサ40が機密レベルマーキングMを検知せずに画像情報のみを検知した場合の画像パターンの選択もユーザーが設定可能となっている。
【0049】
画像形成部3で画像形成可能な面(図1中のマーキングセンサ40を通過する際に同図中の右側を向く面)を検知する表面センサ41が機密レベルマーキングM又は画像情報を検知した場合(S5のYes)には、記録材Pがレジストローラ28通過後に画像パターン選択手段で選択された画像パターンを形成する(S6)。これに対し、画像形成部3で画像形成可能な面(図1中のマーキングセンサ40を通過する際に同図中の右側を向く面)を画像形成とは反対の面を検知する裏面センサ42が機密レベルマーキングM又は画像情報を検知した場合には、その記録材Pは、画像形成部3において画像形成せずに排紙ローラ36まで搬送した後、排紙ローラ36を逆回転させ、フラッパ35を点線で示す位置に切り換えて一旦、両面パス30に導き、さらにレジストローラ28に供給する(S7)。そして、レジストローラ28から画像形成部3に供給し、画像形成部3において、画像パターン選択手段で選択されている画像パターンを形成する。
【0050】
画像形成部3では記録材Pに次のような画像パターン形成を行う。機密レベル1を検知した場合、画像に斜線を形成して使用済み面であることがわかるような画像を形成する。機密レベル2を検知した場合、画像に千鳥格子模様を形成して使用済み面が読取り困難な画像を形成する。機密レベル3を検知した場合、ベタ黒画像を形成して使用済み面が判別不可能な画像を形成する。
【0051】
画像形成部3を通過した裏紙処理済みの記録材Pは、排紙ローラ17まで搬送され、排紙ローラ36が逆回転し、さらにフラッパ35に導かれてストックパス31を経由して裏紙ストッカ23に格納される(S8)。
【0052】
裏紙作製モードは、裏紙カセット22にセットされた複数の記録材Pに対して連続的に実施されて裏紙カセット22内に記録材Pが無くなる、又は、裏紙ストッカ23の積載センサ(不図示)が満載検知することで終了する(S9,S10)する。また、ユーザーによるコピー/プリンタ動作が実行された場合にも中断又は終了する。
【0053】
また、裏紙作製モードは、ユーザーが裏紙カセット22に記録材Pをセットした際に自動的にスタートするように設定されていたが、ユーザーが一定時間以上に渡り画像形成装置を使わなかった場合や、ユーザーの使用頻度が低い時間帯に自動的に実行するようにしても良い。
【0054】
裏紙作製モードによって作製された裏紙処理済みの記録材Pは、裏紙選択手段(不図示)によってユーザー又は自動的に選択された裏紙使用コピー又は裏紙使用プリント時に裏紙ストッカ23から給紙されて画像形成部3での画像形成に使用される。
【0055】
以上の説明では、機密レベルマーキングMが表面センサ41によって読み取られ、この読み取られた機密レベルに応じて、記録材Pの既に画像が形成されている面に、画像パターンを形成して機密を隠すようにした。
【0056】
これ代えて、機密レベルをユーザーが画像形成装置本体2の操作部から手動で入力し、この手動入力された機密レベルに応じて、記録材Pの既に画像が形成されている面に、画像パターンやベタ画像を形成して、機密を隠すようにしてもよい。
【0057】
<実施の形態2>
本実施の形態においては、マーキングセンサ40が、記録材Pの通紙幅(記録材Pの搬送方向の直交する方向の寸法)全体にわたって画像情報を検知できる光学文字認識手段としてのCCDによって構成されている(不図示)。裏紙作製モード実行時に、マーキングセンサ40を記録材Pが通過する際にマーキングセンサ40から入力されたデータを基に再構築された画像情報が画像処理検出手段の光学文字認識機能により特定の文字列を検出すると、自動的に機密レベルを選択して画像パターンを選択する。例えば、「公開可」「閲覧用」といった文字列を検出すると機密レベルを低く設定し、「機密」「社外秘」といった文字列を検出すると機密レベルを高く設定することができる。
【0058】
上述では記録材Pを片側基準で搬送する場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、記録材Pを中央基準で搬送する場合にも適用することができる。ここで、中央基準とは、記録材Pの搬送方向に直交する方向(通紙幅方向)の中央を基準として記録材Pを搬送するものである。この場合には、記録材Pのサイズや通紙方向が異なっても、記録材Pの中央の位置は変化しないので、機密レベルマーキングMは、記録材Pの非画像形成領域における相互に隣接する2辺のそれぞれの中央に形成するとよい。また、マーキングセンサは、記録材Pの中央に対応する位置に、表面センサと裏面センサとを相互に対向するように配置すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】画像形成装置の全体構成を模式的に示す縦断面図である。
【図2】マーキングセンサ、画像センサ、記録材における画像形成領域,非画像形成領域,機密レベルマーキングを説明する図である。
【図3】裏紙を作製する流れを示すフローチャートである。
【図4】画像情報をマーキングするためのブロック図、及び裏紙作製モードを実行するためのブロック図である。
【符号の説明】
【0060】
1 画像形成装置
2 画像形成装置本体
3 画像形成部(画像形成手段)
4 給紙搬送部(給紙手段)
5 定着部(定着手段)
6 排紙部
40 マーキングセンサ(画像情報検出手段)
51 画像付随情報選択手段
52 画像情報マーキング形成手段
53 画像形成手段
54 画像パターン設定手段
55 画像パターン選択手段
M 機密レベルマーキング(画像情報マーキング、画像情報、画像付随情報)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材を給紙する給紙手段と、前記給紙手段から給紙された記録材に画像を形成する画像形成手段と、を備えた画像形成装置において、
前記画像形成手段は、前記給紙手段から給紙される記録材に既に記録されている画像に応じて、記録材の既に画像が記録されている面に、画像パターン又はベタ画像を形成する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記給紙手段から給紙される記録材に既に記録されている画像に関する画像情報を検出する画像情報検出手段と、
前記画像情報検出手段が検出した前記画像情報に基づいて、記録材の既に画像が記録されている面に画像形成する前記画像パターンを選択する画像パターン選択手段と、を備え、
前記給紙手段から給紙された記録材の既に画像が記録されている面に対して、前記画像パターン選択手段にて選択された前記画像パターンを、前記画像形成手段によって形成する機能を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像パターン選択手段は、前記画像情報検出手段が検出した前記画像情報と前記画像パターンの対応関係を操作設定可能にする画像パターン設定手段を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像情報検出手段は、前記画像情報を含むとともに記録材における予め定められた位置に記録されている画像情報マーキングを検出する、
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成手段により記録材に形成される画像に付随する情報を選択可能な画像付随情報選択手段を備え、
前記画像付随情報選択手段により選択された前記画像付随情報に対応するマーキングを記録材の通常の画像形成領域外に施す画像情報マーキング形成手段を有する、
ことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像情報検出手段は、記録材の前記画像付随情報から所定の記号情報の有無及び種類を識別する、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像情報検出手段が光学文字認識機能を有する、
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
ユーザーからの入力情報による画像形成を行う通常の画像形成時以外かつ所定の条件を満たしたときに、前記給紙手段から記録材を給紙し、前記給紙手段から給紙された既に画像が記録されている記録材に対しては、記録材処理方法選択手段にて選択された処理を施す、又は、前記既に画像が記録されている面に前記画像パターン選択手段にて選択された前記画像パターンを前記画像形成手段で形成することで、前記記録材から処理済記録材を作製する機能を有する、
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記給紙手段から給紙された記録材を表裏面反転させる記録材反転手段を有し、前記処理済記録材を作製した後、前記記録材反転手段で表裏面反転して前記処理済記録材を給紙可能な処理済記録材給紙部に搬送する、
ことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−126488(P2006−126488A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−314353(P2004−314353)
【出願日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】