画像形成装置
【課題】印字ヘッド部をプラテンローラに押圧するための部材と、印字ヘッド部をプラテンローラから離間させるための部材との部品点数を削減することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】サーマルヘッド部2bをプラテンローラ3から離間させるための持上げ部6fが設けられた一方側面6aと、サーマルヘッド部2bをプラテンローラ3に押圧する押圧部7が設けられた他方側面6bとを有する回動部材6と、回動部材6を支持する撓み変形可能な支持棒5とを含む。回動部材6には、移動するのを抑制するための移動抑制部6gが設けられる。押圧部7は、支持棒5を撓ませることにより得られる撓み変形による押圧力を用いてサーマルヘッド部2bをプラテンローラ3に押圧するとともに、押圧時に、所定の角度以上に回動するのを抑制するための回り止め部7aと、印字部2に当接する当接部7bとを含む。印字部2は、持上げ部6fが係合する係合部2dを有する。
【解決手段】サーマルヘッド部2bをプラテンローラ3から離間させるための持上げ部6fが設けられた一方側面6aと、サーマルヘッド部2bをプラテンローラ3に押圧する押圧部7が設けられた他方側面6bとを有する回動部材6と、回動部材6を支持する撓み変形可能な支持棒5とを含む。回動部材6には、移動するのを抑制するための移動抑制部6gが設けられる。押圧部7は、支持棒5を撓ませることにより得られる撓み変形による押圧力を用いてサーマルヘッド部2bをプラテンローラ3に押圧するとともに、押圧時に、所定の角度以上に回動するのを抑制するための回り止め部7aと、印字部2に当接する当接部7bとを含む。印字部2は、持上げ部6fが係合する係合部2dを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関し、特に、印字ヘッド部をプラテンローラに押圧するための部材を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印字ヘッド部をプラテンローラに押圧するための部材を備えた画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2および特許文献3参照)。
【0003】
上記特許文献1には、サーマルヘッド(印字ヘッド部)をプラテン(プラテンローラ)に押圧するために、押圧部材(回動部材)と、押圧部材を支持するカム軸(支持棒)と、レバーと、板バネとを設けるとともに、サーマルヘッドをプラテンから離間させるために、スプリングを設けたサーマルプリンタ(画像形成装置)が開示されている。
【0004】
また、上記特許文献2には、サーマルヘッド(印字ヘッド部)をプラテン(プラテンローラ)に押圧するために、回動押圧部材(回動部材)と、回動押圧部材を支持する支持棒と、板バネとを設けたサーマルプリンタが(画像形成装置)が開示されている。
【0005】
また、上記特許文献3には、サーマルヘッド(印字ヘッド部)をプラテン(プラテンローラ)に押圧するために、ヘッド駆動軸と、トーションバネと、ヘッド駆動カムと、コイルバネと、ヘッド圧バネと、連接部材と、ピン軸などの部材を設け、上記のサーマルヘッドをプラテンに押圧するための部材によって、サーマルヘッドをプラテンから離間させるプリンタ(画像形成装置)が開示されている。
【0006】
また、従来、画像形成装置の一例として、熱転写プリンタが知られている。図14および図15は、従来の一例による熱転写プリンタの全体構成を示した斜視図である。図16および図17は、図14および図15に示した従来の熱転写プリンタの押さえ部材と軸部との取付構造を説明するための斜視図である。図14〜図17を参照して、従来の一例による熱転写プリンタの構造について説明する。
【0007】
従来の熱転写プリンタは、図14および図15に示すように、金属製のシャーシ101と、印字を行うための印字部102と、プラテンローラ103と、プラテンローラ103を回転可能に支持するプラテンローラ軸受104と、金属製の軸部105と、押さえ部材106および107と、押さえ部材106を回動させるための樹脂製の小径ギア部108aおよび大径ギア部108bを有する駆動ギア108と、ねじりコイルバネ109と、モータ110と、モータブラケット111と、中間ギア112とを備えている。
【0008】
また、シャーシ101のモータブラケット111が取り付けられている一方面101aに対向する他方面101bには、インクシート(図示せず)を取り付けるためのインクシート挿入部101cが設けられている。また、シャーシ101の一方面101aおよび他方面101bには、軸部105の両端部が回転可能に挿入される挿入穴101dが設けられている。また、印字部102は、シャーシ101の一方面101aおよび他方面101bの内側に、支持軸102aを中心として回動可能に取り付けられている。また、ねじりコイルバネ109は、一方面101a側の印字部102の支持軸102aに取り付けられている。このねじりコイルバネ109は、印字部102をプラテンローラ103から離間させる方向に付勢する機能を有する。また、印字部102の下部に設けられたサーマルヘッド部102bは、プラテンローラ103に対向するように配置されている。また、印字部102のサーマルヘッド部102bの両端部の上方には、押さえ部材106および10
7に押圧される曲げ加工部102cが形成されている。
【0009】
また、図16および図17に示すように、軸部105の両端部近傍の挿入部105aは、小判形状に加工されるとともに、押さえ部材106および107の小判形状の挿入孔106aおよび107aにそれぞれ空回りしないように挿入されている。また、軸部105の挿入部105aの外側には、軸受支持部105bが形成されている。また、軸受支持部105bは、図14および図15に示すように、シャーシ101の挿入穴101dに回動可能に支持されている。また、押さえ部材106および107には、それぞれ、印字部102の曲げ加工部102cを押圧する押圧バネ106bおよび107bが取り付けられている。また、押さえ部材106は、図14に示すように、駆動ギア108の小径ギア部108aに係合するように配置されている。また、駆動ギア108は、シャーシ101の一方面101aに取り付けられるとともに、中間ギア112からの駆動力を押さえ部材106に伝達する。また、モータブラケット111に取り付けられているモータ110(図15参照)の駆動力は、中間ギア112(図14参照)を介して駆動ギア108の大径ギア部108bに伝達される。
【0010】
図18は、図14および図15に示した従来の熱転写プリンタにおける印字部のプラテンローラに対する押さえ動作を説明するための断面図である。上記した従来の熱転写プリンタの印字部102のプラテンローラ103に対する押さえ動作としては、図14および図18に示すように、モータ110の駆動力が中間ギア112および駆動ギア108の大径ギア部108bおよび小径ギア部108aを介して押さえ部材106に伝達されることにより、押さえ部材106は、シャーシ101の挿入穴101dに支持されながら回動される。これにより、押さえ部材106の押圧バネ106bによって、シャーシ101の一方面101a側の曲げ加工部102cが押圧される。また、押さえ部材106および107は、軸部105にそれぞれ空回りしないように取り付けられているので、押さえ部材106が回動することによって、図15に示した軸部105および押さえ部材107は回動される。これにより、押さえ部材107の押圧バネ107bによって、シャーシ101の他方面101b側の曲げ加工部102cが押圧される。その結果、印字部102のサーマルヘッド部102bは、ねじりコイルバネ109の付勢力に抗してプラテンローラ103に押圧される。
【特許文献1】特開平8−295063号公報
【特許文献2】特開2000−318256号公報
【特許文献3】特開平9−131942号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
図14〜図18に示した従来の熱転写プリンタでは、サーマルヘッド部102bをプラテンローラ103に押圧するために、押圧バネ106bおよび107bをそれぞれ有する2つの押さえ部材106および107と、軸部105とを設けているので、サーマルヘッド部102bをプラテンローラ103に押圧するための部材の部品点数が多くなるという問題点があった。また、サーマルヘッド部102bをプラテンローラ103から離間させるために、ねじりコイルバネ109を設けているので、部品点数がさらに多くなるという問題点があった。
【0012】
また、上記特許文献1に開示された構造では、サーマルヘッド(印字ヘッド部)をプラテン(プラテンローラ)に押圧するために、押圧部材と、押圧部材を支持するカム軸(支持棒)と、レバーと、板バネとを設けているので、部品点数が多くなるという問題点がある。また、サーマルヘッドをプラテンから離間させるためにスプリングを設けているので、さらに部品点数が多くなるという問題点がある。
【0013】
また、上記特許文献2に開示された構造では、サーマルヘッド(印字ヘッド部)をプラテン(プラテンローラ)に押圧するために、回動押圧部材(回動部材)と、回動押圧部材を支持する支持棒と、板バネとを設けているので、部品点数が多くなるという問題点がある。また、上記特許文献2では、サーマルヘッドをプラテンから離間するための部材が開示されていないが、サーマルヘッドをプラテンから離間するための部材を別途設けた場合には、さらに部品点数が多くなるという問題点がある。
【0014】
また、上記特許文献3に開示された構造では、サーマルヘッド(印字ヘッド部)をプラテン(プラテンローラ)に押圧するための部材によって、サーマルヘッドをプラテンから離間させることができるので、サーマルヘッドをプラテンから離間させるための部材を別途設ける場合に比べて部品点数が増加することがない。しかしながら、上記特許文献3では、サーマルヘッドをプラテンに押圧するために、ヘッド駆動軸と、トーションバネと、ヘッド駆動カムと、コイルバネと、ヘッド圧バネと、連接部材と、ピン軸などの多数の部材を設ける必要があるので、部品点数が多くなるという問題点がある。
【0015】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、印字ヘッド部をプラテンローラに押圧するための部材と、印字ヘッド部をプラテンローラから離間させるための部材との部品点数を削減することが可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この発明の第1の局面による画像形成装置は、印字を行うための印字ヘッド部を含む印字部と、印字ヘッド部に対向するように配置されたプラテンローラと、印字ヘッド部をプラテンローラに押圧する押圧機構とを備えた画像形成装置において、押圧機構は、印字ヘッド部をプラテンローラから離間させるための持上げ部が一体的に設けられた一方側面と、印字ヘッド部をプラテンローラに押圧する押圧部が設けられた他方側面とを有するコの字形状の回動部材と、回動部材を支持する撓み変形可能な支持棒とを含み、回動部材には、回動部材が支持棒の軸方向に沿って移動するのを抑制するための移動抑制部が一体的に設けられ、回動部材の押圧部は、支持棒を撓ませることにより得られる撓み変形による押圧力を用いて印字ヘッド部をプラテンローラに押圧するとともに、押圧部による印字部の押圧時に、押圧部が所定の角度以上に回動するのを抑制するための回り止め部と、印字ヘッド部がプラテンローラから離間した際に、印字部に当接する当接部とを含み、印字部は、持上げ部が係合する係合部を有する。
【0017】
この第1の局面による画像形成装置では、上記のように、押圧機構に、一方側面と、印字ヘッド部をプラテンローラに押圧する押圧部が設けられた他方側面とを含むコの字形状の回動部材と、回動部材を支持する撓み変形可能な支持棒とを設けるとともに、回動部材の押圧部を、支持棒を撓ませることにより得られる撓み変形による押圧力を用いて印字ヘッド部をプラテンローラに押圧させることによって、支持棒が撓むことに起因して生じるバネ性により、印字ヘッド部をプラテンローラに押圧することができる。これにより、支持棒とは別にバネ部材を設ける必要がないので、印字ヘッド部をプラテンローラに押圧するための部材の部品点数を削減することができる。また、押圧機構の回動部材の一方側面に、印字ヘッド部をプラテンローラから離間させるための持上げ部を一体的に設けるとともに、印字部に、持上げ部が係合する係合部を設けることによって、印字ヘッド部をプラテンローラから離間させるための部材を別途設ける場合に比べて、部品点数を削減することができる。また、回動部材の押圧部に、印字ヘッド部がプラテンローラから離間した際に、印字部に当接する当接部を設けることによって、その当接部により、印字ヘッド部がプラテンローラから離間した状態において、印字部がガタつくのを抑制することができる。また、回動部材の押圧部に、押圧部による印字部の押圧時に、押圧部が所定の角度以上に回動するのを抑制するための回り止め部を設けることによって、回動部材の押圧部が印
字部に接触する位置が変化するのを抑制することができるので、回動部材の印字部に対する押圧力が変化するのを抑制することができる。これにより、印字ヘッド部のプラテンローラに対する押圧力が変化するのを抑制することができるので、印画時に、印画ムラが発生するのを抑制することができる。また、回動部材に、回動部材が支持棒の軸方向に沿って移動するのを抑制するための移動抑制部を一体的に設けることによって、回動部材の押圧部が印字部に接触する位置が、支持棒の軸方向に沿って移動するのを抑制することができる。これにより、回動部材の押圧部の印字部に対する接触位置が移動することに起因して印字部に対する回動部材の押圧力が変化するという不都合が発生するのを抑制することができるので、印画時に、印画ムラが発生するのを抑制することができる。
【0018】
この発明の第2の局面による画像形成装置は、印字を行うための印字ヘッド部を含む印字部と、印字ヘッド部に対向するように配置されたプラテンローラと、印字ヘッド部をプラテンローラから離間させるための持上げ部が一体的に設けられた一方側面と、印字ヘッド部をプラテンローラに押圧する押圧部が設けられた他方側面とを含むコの字形状の回動部材と、回動部材を支持する撓み変形可能な支持棒とを備え、回動部材の押圧部は、支持棒を撓ませることにより得られる撓み変形による押圧力を用いて印字ヘッド部をプラテンローラに押圧し、印字部は、持上げ部が係合する係合部を有する。
【0019】
この第2の局面による画像形成装置では、上記のように、一方側面と、印字ヘッド部をプラテンローラに押圧する押圧部が設けられた他方側面とを含むコの字形状の回動部材と、回動部材を支持する撓み変形可能な支持棒とを設けるとともに、回動部材の押圧部を、支持棒を撓ませることにより得られる撓み変形による押圧力を用いて印字ヘッド部をプラテンローラに押圧させることによって、支持棒が撓むことに起因して生じるバネ性により、印字ヘッド部をプラテンローラに押圧することができる。これにより、支持棒とは別にバネ部材を設ける必要がないので、印字ヘッド部をプラテンローラに押圧するための部材の部品点数を削減することができる。また、回動部材の一方側面に、印字ヘッド部をプラテンローラから離間させるための持上げ部を一体的に設けるとともに、印字部に、持上げ部が係合する係合部を設けることによって、印字ヘッド部をプラテンローラから離間させるための部材を別途設ける場合に比べて、部品点数を削減することができる。
【0020】
上記第2の局面による画像形成装置において、好ましくは、回動部材の押圧部は、印字ヘッド部がプラテンローラから離間した際に、印字部に当接する当接部を含む。このように構成すれば、その当接部により、印字ヘッド部がプラテンローラから離間した状態において、印字部がガタつくのを抑制することができる。
【0021】
上記第2の局面による画像形成装置において、好ましくは、回動部材の押圧部は、押圧部による印字部の押圧時に、押圧部が所定の角度以上に回動するのを抑制するための回り止め部を含む。このように構成すれば、回動部材の押圧部が印字部に接触する位置が変化するのを抑制することができるので、回動部材の印字部に対する押圧力が変化するのを抑制することができる。これにより、印字ヘッド部のプラテンローラに対する押圧力が変化するのを抑制することができるので、印画時に、印画ムラが発生するのを抑制することができる。
【0022】
上記第2の局面による画像形成装置において、好ましくは、回動部材には、回動部材が支持棒の軸方向に沿って移動するのを抑制するための移動抑制部が一体的に設けられている。このように構成すれば、回動部材の押圧部が印字部に接触する位置が、支持棒の軸方向に沿って移動するのを抑制することができる。これにより、回動部材の押圧部の印字部に対する接触位置が移動することに起因して印字部に対する回動部材の押圧力が変化するという不都合が発生するのを抑制することができるので、印画時に、印画ムラが発生するのを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態による熱転写プリンタの全体構成を示した斜視図である。図2は、図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの正面図である。図3〜図8は、図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの詳細構造を説明するための図である。図9〜図13は、図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの回動部材が印字部を押圧している状態を説明するための図である。まず、図1〜図13を参照して、本発明の一実施形態による熱転写プリンタの構造について説明する。なお、本実施形態では、本発明の画像形成装置の一例としての熱転写プリンタについて説明する。
【0025】
本発明の一実施形態による熱転写プリンタは、図1に示すように、金属製のシャーシ1と、印字を行うための印字部2と、プラテンローラ3と、プラテンローラ3を回転可能に支持するプラテンローラ軸受4と、撓み変形可能な約3mmの直径を有するピアノ線からなる支持棒5と、金属製の回動部材6と、樹脂製の押圧部7と、側面にカム溝8aが形成された樹脂製の駆動ギア8と、モータ軸ギア部9a(図2参照)を有するモータ9(図2参照)と、金属製のモータブラケット10と、モータ軸ギア部9aと係合する大径ギア部11a(図2参照)および駆動ギア8と係合する小径ギア部11b(図2参照)を有する中間ギア11(図2参照)とを備えている。
【0026】
また、シャーシ1のモータブラケット10が取り付けられている一方面1aに対向する他方面1bには、インクシート(図示せず)を取り付けるためのインクシート挿入部1cが設けられている。また、シャーシ1の一方面1aおよび他方面1bの内側には、印字部2が、支持軸2aを中心として回動可能に取り付けられている。この印字部2の下部には、サーマルヘッド部2bが設けられている。なお、サーマルヘッド部2bは、本発明の「印字ヘッド部」の一例である。また、サーマルヘッド部2bは、プラテンローラ3に対向するように配置されている。また、サーマルヘッド部2bの上部には、放熱機能を有するヒートシンク2cが設けられている。このヒートシンク2cのシャーシ1の一方面1a側には、回動部材6に係合する係合部2d(図6参照)が一体的に設けられている。また、ヒートシンク2cには、支持軸2aをそれぞれ有する一方アーム部2eおよび他方アーム部2fが設けられている。また、シャーシ1の一方面1aおよび他方面1bには、撓み変形可能な支持棒5が挿入される挿入穴1dが設けられている。この撓み変形可能な支持棒5の両端は、回転可能に挿入穴1dに挿入されている。また、支持棒5には、回動部材6が回動可能に取り付けられている。
【0027】
ここで、本実施形態では、回動部材6は、図3に示すように、一方側面6aと、他方側面6bと、一方側面6aおよび他方側面6bを連結する連結部6cとを含むコの字形状に形成されている。この回動部材6の一方側面6aおよび他方側面6bには、支持棒5(図1参照)を取り付けるための孔6dがそれぞれ設けられている。また、回動部材6の一方側面6aには、図2および図7に示すように、駆動ギア8のカム溝8a(図7参照)に係合するカムピン6eが設けられている。このカム溝8aに係合するカムピン6eにより、回動部材6が図2の矢印B方向に移動するのを抑制することが可能になる。また、回動部材6の一方側面6aには、図3に示すように、持上げ部6fが一体的に設けられている。この持上げ部6fは、図7に示すように、印字部2の係合部2dに係合することによって、サーマルヘッド部2bをプラテンローラ3から離間させるように形成されている。
【0028】
また、本実施形態では、図2および図3に示すように、回動部材6の一方側面6aには、図2の矢印C方向に突出した移動抑制部6gが一体的に設けられている。これにより、移動抑制部6gと印字部2の一方アーム部2eとの間隔を、図2に示すように、約0.3
mm程度に狭くすることが可能になる。また、移動抑制部6gは、図7および図11に示すように、サーマルヘッド部2bのプラテンローラ3に対する押圧時および非押圧時において、側面方向から見て、印字部2の一方アーム部2eと当接可能な位置に形成されている。これにより、回動部材6が、押圧時および非押圧時に、図2の矢印C方向に移動するのを抑制することが可能になる。
【0029】
また、本実施形態では、回動部材6の他方側面6bの先端には、図4に示すように、樹脂製の押圧部7が取り付けられている。この押圧部7には、押圧時の回動方向(矢印G方向)とは反対側の部分に、押圧時に、押圧部7が所定の角度以上に回動するのを抑制するための回り止め部7aが、一体的に設けられている。この回り止め部7aは、図13に示すように、押圧時に、ヒートシンク2cの上面2gに当接するので、所定の角度以上回動するのを抑制することが可能になる。また、図10に示すように、押圧部7の底面から回動部材6の他方側面6bの孔6d(図4参照)の中心までの高さh1は、印字部2を押圧する際に支持棒5が上方向に約3mm撓むように、押圧時のヒートシンク2cの上面2gからシャーシ1の挿入穴1dの中心までの高さh2よりも約3mm高さが大きく形成されている。
【0030】
また、本実施形態では、図4に示すように、押圧部7の押圧時の回動方向(矢印G方向)側の部分には、当接部7bが一体的に設けられている。この当接部7bは、図8、図12および図13に示すように、サーマルヘッド部2bのプラテンローラ3に対する押圧時および非押圧時において、印字部2のヒートシンク2cの上面2gに当接するように形成されている。また、押圧部7は、図9に示すように、回動することによって、印字部2の幅方向(図1のA方向)の中心部近傍を押圧するように配置されている。これにより、印字部2の幅方向に対して左右均一に印字部2を押圧することが可能になるので、サーマルヘッド部2bを、プラテンローラ3に対して均一に接触させることが可能になる。
【0031】
また、回動部材6の連結部6cは、図3〜図5に示すように、支持棒5(図1参照)を囲むコの字形状の断面を有する。このコの字形状の断面により、連結部6cの強度を大きくすることが可能になるので、一方側面6aが他方側面6bに対して、ねじれるのを抑制することが可能になる。
【0032】
また、駆動ギア8は、図2に示すように、シャーシ1の一方面1aに取り付けられるとともに、中間ギア11からの駆動力を回動部材6に伝達する。また、モータブラケット10に取り付けられているモータ9の駆動力は、モータ軸ギア部9aから中間ギア11の大径ギア部11aおよび小径ギア部11bを介して駆動ギア8に伝達される。
【0033】
次に、図1、図2および図7〜図13を参照して、本発明の一実施形態による熱転写プリンタの印字部2のプラテンローラ3に対する押さえ動作について説明する。まず、初期状態としては、図1、図2、図7および図8に示すように、回動部材6は、図7の矢印E方向に回動されている。このとき、回動部材6の持上げ部6fが、図7に示すように、印字部2の一方アーム部2eの係合部2dに当接するので、一方アーム部2eが上方に移動されている。これにより、サーマルヘッド部2bは、プラテンローラ3から離間する方向(矢印F方向)に回動されている。この状態から、モータ9(図2参照)の駆動力が、モータ軸ギア部9a(図2参照)から中間ギア11の大径ギア部11a(図2参照)および小径ギア部11bと、駆動ギア8と、駆動ギア8のカム溝8aに係合する回動部材6のカムピン6eとを介して回動部材6の一方側面6aに伝達される。これにより、回動部材6の一方側面6aは、図7に示した状態から図11に示した状態へと回動されるので、回動部材6の他方側面6bが、図8の矢印G方向に回動されて、印字部2のサーマルヘッド部2bがプラテンローラ3に当接し、図1および図8に示した状態から図12に示した状態になる。そして、図12に示した状態からさらに回動部材6が矢印G方向に回動すること
により、図9および図13に示した状態になる。このとき、図10に示すように、約3mmの直径を有するピアノ線からなる支持棒5は、上方向に約3mm撓む。これにより、支持棒5に約30N〜約40Nの曲げ応力が発生するので、その曲げ応力により、押圧部7が、矢印D方向にヒートシンク2cの上面2gに対して押圧される。その結果、印字部2のサーマルヘッド部2bがプラテンローラ3に対して約30N〜40Nの押圧力で押圧される。
【0034】
本実施形態では、上記のように、一方側面6aと、サーマルヘッド部2bをプラテンローラ3に押圧する押圧部7が設けられた他方側面6bとを含むコの字形状の回動部材6と、回動部材6を回動可能に支持する撓み変形可能な支持棒5とを設けるとともに、回動部材6の押圧部7を、支持棒5を撓ませることにより得られる撓み変形による押圧力を用いてサーマルヘッド部2bをプラテンローラ3に押圧させることによって、支持棒5が撓むことに起因して生じるバネ性により、サーマルヘッド部2bをプラテンローラ3に押圧することができる。これにより、支持棒5とは別にバネ部材を設ける必要がないので、サーマルヘッド部2bをプラテンローラ3に押圧するための部材の部品点数を削減することができる。また、回動部材6の一方側面6aに、サーマルヘッド部2bをプラテンローラ3から離間させるための持上げ部6fを一体的に設けるとともに、印字部2に、持上げ部6fが係合する係合部2dを設けることによって、サーマルヘッド部2bをプラテンローラ3から離間させるための部材を別途設ける場合に比べて、部品点数を削減することができる。
【0035】
また、本実施形態では、回動部材6の押圧部7に、サーマルヘッド部2bのプラテンローラ3に対する押圧時および非押圧時に、印字部2のヒートシンク2cの上面2gに当接する当接部7bを設けることによって、その当接部7bにより、押圧時および非押圧時に、印字部2がガタつくのを抑制することができる。
【0036】
また、本実施形態では、回動部材6の押圧部7に、押圧部7による印字部2の押圧時に、押圧部7が所定の角度以上に回動するのを抑制するための回り止め部7aを設けることによって、回動部材6の押圧部7が印字部2のヒートシンク2cの上面2gに接触する位置が変化するのを抑制することができるので、回動部材6の印字部2に対する押圧力が変化するのを抑制することができる。これにより、サーマルヘッド部2bのプラテンローラ3に対する押圧力が変化するのを抑制することができるので、印画時に、印画ムラが発生するのを抑制することができる。
【0037】
また、本実施形態では、回動部材6の一方側面6aに、図2の矢印C方向に突出した移動抑制部6gを一体的に設けることにより、移動抑制部6gと印字部2の一方アーム部2eとの間隔を狭くすることによって、回動部材6の押圧部7が印字部2のヒートシンク2cの上面2gに接触する位置が、印字部2の幅方向(図1のA方向)に沿って移動するのを抑制することができる。これにより、回動部材6の押圧部7の印字部2のヒートシンク2cの上面2gに対する接触位置が移動することに起因して印字部2に対する回動部材6の押圧力が変化するという不都合が発生するのを抑制することができるので、印画時に、印画ムラが発生するのを抑制することができる。
【0038】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0039】
たとえば、上記実施形態では、画像形成装置の一例として熱転写プリンタを示したが、本発明はこれに限らず、印字ヘッド部をプラテンローラに押圧するための部材を有する画
像形成装置であれば、熱転写プリンタ以外の他の画像形成装置にも適用可能である。
【0040】
また、上記実施形態では、押圧部を、回動部材と別体で形成した例を示したが、本発明はこれに限らず、押圧部を、回動部材の他方側面に一体的に設けてもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、移動抑制部を回動部材の一方側面に設けた例を示したが、本発明はこれに限らず、移動抑制部を回動部材のその他の部分に設けてもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、撓み変形可能な1本の支持棒を用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、撓み変形可能な支持棒を2本以上用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施形態による熱転写プリンタの全体構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの正面図である。
【図3】図1に示した一実施形態による回動部材の構造を示した斜視図である。
【図4】図1に示した一実施形態による回動部材の構造を示した側面図である。
【図5】図1に示した一実施形態による回動部材の構造を示した断面図である。
【図6】図1に示した一実施形態による印字部の係合部の構造を示した斜視図である。
【図7】図1に示した一実施形態による印字部と回動部材との位置関係を示した断面図である。
【図8】図1に示した一実施形態による印字部と回動部材との位置関係を示した断面図である。
【図9】図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの回動部材が印字部を押圧しているときの全体構成を示した斜視図である。
【図10】図9に示した一実施形態による熱転写プリンタの正面図である。
【図11】図9に示した一実施形態による印字部と回動部材との位置関係を示した断面図である。
【図12】図9に示した一実施形態による印字部と回動部材との位置関係を示した断面図である。
【図13】図9に示した一実施形態による印字部と回動部材との位置関係を示した断面図である。
【図14】従来の一例による熱転写プリンタの全体構成を示した斜視図である。
【図15】従来の一例による熱転写プリンタの全体構成を示した斜視図である。
【図16】図14および図15に示した従来の熱転写プリンタの押さえ部材と軸部との取付構造を説明するための斜視図である。
【図17】図14および図15に示した従来の熱転写プリンタの押さえ部材と軸部との取付構造を説明するための斜視図である。
【図18】図14および図15に示した従来の熱転写プリンタにおける印字部のプラテンローラに対する押さえ動作を説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0044】
2 印字部
2b サーマルヘッド部(印字ヘッド部)
2d 係合部
3 プラテンローラ
5 支持棒
6 回動部材
6a 一方側面
6b 他方側面
6f 持上げ部
6g 移動抑制部
7 押圧部
7a 回り止め部
7b 当接部
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関し、特に、印字ヘッド部をプラテンローラに押圧するための部材を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印字ヘッド部をプラテンローラに押圧するための部材を備えた画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2および特許文献3参照)。
【0003】
上記特許文献1には、サーマルヘッド(印字ヘッド部)をプラテン(プラテンローラ)に押圧するために、押圧部材(回動部材)と、押圧部材を支持するカム軸(支持棒)と、レバーと、板バネとを設けるとともに、サーマルヘッドをプラテンから離間させるために、スプリングを設けたサーマルプリンタ(画像形成装置)が開示されている。
【0004】
また、上記特許文献2には、サーマルヘッド(印字ヘッド部)をプラテン(プラテンローラ)に押圧するために、回動押圧部材(回動部材)と、回動押圧部材を支持する支持棒と、板バネとを設けたサーマルプリンタが(画像形成装置)が開示されている。
【0005】
また、上記特許文献3には、サーマルヘッド(印字ヘッド部)をプラテン(プラテンローラ)に押圧するために、ヘッド駆動軸と、トーションバネと、ヘッド駆動カムと、コイルバネと、ヘッド圧バネと、連接部材と、ピン軸などの部材を設け、上記のサーマルヘッドをプラテンに押圧するための部材によって、サーマルヘッドをプラテンから離間させるプリンタ(画像形成装置)が開示されている。
【0006】
また、従来、画像形成装置の一例として、熱転写プリンタが知られている。図14および図15は、従来の一例による熱転写プリンタの全体構成を示した斜視図である。図16および図17は、図14および図15に示した従来の熱転写プリンタの押さえ部材と軸部との取付構造を説明するための斜視図である。図14〜図17を参照して、従来の一例による熱転写プリンタの構造について説明する。
【0007】
従来の熱転写プリンタは、図14および図15に示すように、金属製のシャーシ101と、印字を行うための印字部102と、プラテンローラ103と、プラテンローラ103を回転可能に支持するプラテンローラ軸受104と、金属製の軸部105と、押さえ部材106および107と、押さえ部材106を回動させるための樹脂製の小径ギア部108aおよび大径ギア部108bを有する駆動ギア108と、ねじりコイルバネ109と、モータ110と、モータブラケット111と、中間ギア112とを備えている。
【0008】
また、シャーシ101のモータブラケット111が取り付けられている一方面101aに対向する他方面101bには、インクシート(図示せず)を取り付けるためのインクシート挿入部101cが設けられている。また、シャーシ101の一方面101aおよび他方面101bには、軸部105の両端部が回転可能に挿入される挿入穴101dが設けられている。また、印字部102は、シャーシ101の一方面101aおよび他方面101bの内側に、支持軸102aを中心として回動可能に取り付けられている。また、ねじりコイルバネ109は、一方面101a側の印字部102の支持軸102aに取り付けられている。このねじりコイルバネ109は、印字部102をプラテンローラ103から離間させる方向に付勢する機能を有する。また、印字部102の下部に設けられたサーマルヘッド部102bは、プラテンローラ103に対向するように配置されている。また、印字部102のサーマルヘッド部102bの両端部の上方には、押さえ部材106および10
7に押圧される曲げ加工部102cが形成されている。
【0009】
また、図16および図17に示すように、軸部105の両端部近傍の挿入部105aは、小判形状に加工されるとともに、押さえ部材106および107の小判形状の挿入孔106aおよび107aにそれぞれ空回りしないように挿入されている。また、軸部105の挿入部105aの外側には、軸受支持部105bが形成されている。また、軸受支持部105bは、図14および図15に示すように、シャーシ101の挿入穴101dに回動可能に支持されている。また、押さえ部材106および107には、それぞれ、印字部102の曲げ加工部102cを押圧する押圧バネ106bおよび107bが取り付けられている。また、押さえ部材106は、図14に示すように、駆動ギア108の小径ギア部108aに係合するように配置されている。また、駆動ギア108は、シャーシ101の一方面101aに取り付けられるとともに、中間ギア112からの駆動力を押さえ部材106に伝達する。また、モータブラケット111に取り付けられているモータ110(図15参照)の駆動力は、中間ギア112(図14参照)を介して駆動ギア108の大径ギア部108bに伝達される。
【0010】
図18は、図14および図15に示した従来の熱転写プリンタにおける印字部のプラテンローラに対する押さえ動作を説明するための断面図である。上記した従来の熱転写プリンタの印字部102のプラテンローラ103に対する押さえ動作としては、図14および図18に示すように、モータ110の駆動力が中間ギア112および駆動ギア108の大径ギア部108bおよび小径ギア部108aを介して押さえ部材106に伝達されることにより、押さえ部材106は、シャーシ101の挿入穴101dに支持されながら回動される。これにより、押さえ部材106の押圧バネ106bによって、シャーシ101の一方面101a側の曲げ加工部102cが押圧される。また、押さえ部材106および107は、軸部105にそれぞれ空回りしないように取り付けられているので、押さえ部材106が回動することによって、図15に示した軸部105および押さえ部材107は回動される。これにより、押さえ部材107の押圧バネ107bによって、シャーシ101の他方面101b側の曲げ加工部102cが押圧される。その結果、印字部102のサーマルヘッド部102bは、ねじりコイルバネ109の付勢力に抗してプラテンローラ103に押圧される。
【特許文献1】特開平8−295063号公報
【特許文献2】特開2000−318256号公報
【特許文献3】特開平9−131942号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
図14〜図18に示した従来の熱転写プリンタでは、サーマルヘッド部102bをプラテンローラ103に押圧するために、押圧バネ106bおよび107bをそれぞれ有する2つの押さえ部材106および107と、軸部105とを設けているので、サーマルヘッド部102bをプラテンローラ103に押圧するための部材の部品点数が多くなるという問題点があった。また、サーマルヘッド部102bをプラテンローラ103から離間させるために、ねじりコイルバネ109を設けているので、部品点数がさらに多くなるという問題点があった。
【0012】
また、上記特許文献1に開示された構造では、サーマルヘッド(印字ヘッド部)をプラテン(プラテンローラ)に押圧するために、押圧部材と、押圧部材を支持するカム軸(支持棒)と、レバーと、板バネとを設けているので、部品点数が多くなるという問題点がある。また、サーマルヘッドをプラテンから離間させるためにスプリングを設けているので、さらに部品点数が多くなるという問題点がある。
【0013】
また、上記特許文献2に開示された構造では、サーマルヘッド(印字ヘッド部)をプラテン(プラテンローラ)に押圧するために、回動押圧部材(回動部材)と、回動押圧部材を支持する支持棒と、板バネとを設けているので、部品点数が多くなるという問題点がある。また、上記特許文献2では、サーマルヘッドをプラテンから離間するための部材が開示されていないが、サーマルヘッドをプラテンから離間するための部材を別途設けた場合には、さらに部品点数が多くなるという問題点がある。
【0014】
また、上記特許文献3に開示された構造では、サーマルヘッド(印字ヘッド部)をプラテン(プラテンローラ)に押圧するための部材によって、サーマルヘッドをプラテンから離間させることができるので、サーマルヘッドをプラテンから離間させるための部材を別途設ける場合に比べて部品点数が増加することがない。しかしながら、上記特許文献3では、サーマルヘッドをプラテンに押圧するために、ヘッド駆動軸と、トーションバネと、ヘッド駆動カムと、コイルバネと、ヘッド圧バネと、連接部材と、ピン軸などの多数の部材を設ける必要があるので、部品点数が多くなるという問題点がある。
【0015】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、印字ヘッド部をプラテンローラに押圧するための部材と、印字ヘッド部をプラテンローラから離間させるための部材との部品点数を削減することが可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この発明の第1の局面による画像形成装置は、印字を行うための印字ヘッド部を含む印字部と、印字ヘッド部に対向するように配置されたプラテンローラと、印字ヘッド部をプラテンローラに押圧する押圧機構とを備えた画像形成装置において、押圧機構は、印字ヘッド部をプラテンローラから離間させるための持上げ部が一体的に設けられた一方側面と、印字ヘッド部をプラテンローラに押圧する押圧部が設けられた他方側面とを有するコの字形状の回動部材と、回動部材を支持する撓み変形可能な支持棒とを含み、回動部材には、回動部材が支持棒の軸方向に沿って移動するのを抑制するための移動抑制部が一体的に設けられ、回動部材の押圧部は、支持棒を撓ませることにより得られる撓み変形による押圧力を用いて印字ヘッド部をプラテンローラに押圧するとともに、押圧部による印字部の押圧時に、押圧部が所定の角度以上に回動するのを抑制するための回り止め部と、印字ヘッド部がプラテンローラから離間した際に、印字部に当接する当接部とを含み、印字部は、持上げ部が係合する係合部を有する。
【0017】
この第1の局面による画像形成装置では、上記のように、押圧機構に、一方側面と、印字ヘッド部をプラテンローラに押圧する押圧部が設けられた他方側面とを含むコの字形状の回動部材と、回動部材を支持する撓み変形可能な支持棒とを設けるとともに、回動部材の押圧部を、支持棒を撓ませることにより得られる撓み変形による押圧力を用いて印字ヘッド部をプラテンローラに押圧させることによって、支持棒が撓むことに起因して生じるバネ性により、印字ヘッド部をプラテンローラに押圧することができる。これにより、支持棒とは別にバネ部材を設ける必要がないので、印字ヘッド部をプラテンローラに押圧するための部材の部品点数を削減することができる。また、押圧機構の回動部材の一方側面に、印字ヘッド部をプラテンローラから離間させるための持上げ部を一体的に設けるとともに、印字部に、持上げ部が係合する係合部を設けることによって、印字ヘッド部をプラテンローラから離間させるための部材を別途設ける場合に比べて、部品点数を削減することができる。また、回動部材の押圧部に、印字ヘッド部がプラテンローラから離間した際に、印字部に当接する当接部を設けることによって、その当接部により、印字ヘッド部がプラテンローラから離間した状態において、印字部がガタつくのを抑制することができる。また、回動部材の押圧部に、押圧部による印字部の押圧時に、押圧部が所定の角度以上に回動するのを抑制するための回り止め部を設けることによって、回動部材の押圧部が印
字部に接触する位置が変化するのを抑制することができるので、回動部材の印字部に対する押圧力が変化するのを抑制することができる。これにより、印字ヘッド部のプラテンローラに対する押圧力が変化するのを抑制することができるので、印画時に、印画ムラが発生するのを抑制することができる。また、回動部材に、回動部材が支持棒の軸方向に沿って移動するのを抑制するための移動抑制部を一体的に設けることによって、回動部材の押圧部が印字部に接触する位置が、支持棒の軸方向に沿って移動するのを抑制することができる。これにより、回動部材の押圧部の印字部に対する接触位置が移動することに起因して印字部に対する回動部材の押圧力が変化するという不都合が発生するのを抑制することができるので、印画時に、印画ムラが発生するのを抑制することができる。
【0018】
この発明の第2の局面による画像形成装置は、印字を行うための印字ヘッド部を含む印字部と、印字ヘッド部に対向するように配置されたプラテンローラと、印字ヘッド部をプラテンローラから離間させるための持上げ部が一体的に設けられた一方側面と、印字ヘッド部をプラテンローラに押圧する押圧部が設けられた他方側面とを含むコの字形状の回動部材と、回動部材を支持する撓み変形可能な支持棒とを備え、回動部材の押圧部は、支持棒を撓ませることにより得られる撓み変形による押圧力を用いて印字ヘッド部をプラテンローラに押圧し、印字部は、持上げ部が係合する係合部を有する。
【0019】
この第2の局面による画像形成装置では、上記のように、一方側面と、印字ヘッド部をプラテンローラに押圧する押圧部が設けられた他方側面とを含むコの字形状の回動部材と、回動部材を支持する撓み変形可能な支持棒とを設けるとともに、回動部材の押圧部を、支持棒を撓ませることにより得られる撓み変形による押圧力を用いて印字ヘッド部をプラテンローラに押圧させることによって、支持棒が撓むことに起因して生じるバネ性により、印字ヘッド部をプラテンローラに押圧することができる。これにより、支持棒とは別にバネ部材を設ける必要がないので、印字ヘッド部をプラテンローラに押圧するための部材の部品点数を削減することができる。また、回動部材の一方側面に、印字ヘッド部をプラテンローラから離間させるための持上げ部を一体的に設けるとともに、印字部に、持上げ部が係合する係合部を設けることによって、印字ヘッド部をプラテンローラから離間させるための部材を別途設ける場合に比べて、部品点数を削減することができる。
【0020】
上記第2の局面による画像形成装置において、好ましくは、回動部材の押圧部は、印字ヘッド部がプラテンローラから離間した際に、印字部に当接する当接部を含む。このように構成すれば、その当接部により、印字ヘッド部がプラテンローラから離間した状態において、印字部がガタつくのを抑制することができる。
【0021】
上記第2の局面による画像形成装置において、好ましくは、回動部材の押圧部は、押圧部による印字部の押圧時に、押圧部が所定の角度以上に回動するのを抑制するための回り止め部を含む。このように構成すれば、回動部材の押圧部が印字部に接触する位置が変化するのを抑制することができるので、回動部材の印字部に対する押圧力が変化するのを抑制することができる。これにより、印字ヘッド部のプラテンローラに対する押圧力が変化するのを抑制することができるので、印画時に、印画ムラが発生するのを抑制することができる。
【0022】
上記第2の局面による画像形成装置において、好ましくは、回動部材には、回動部材が支持棒の軸方向に沿って移動するのを抑制するための移動抑制部が一体的に設けられている。このように構成すれば、回動部材の押圧部が印字部に接触する位置が、支持棒の軸方向に沿って移動するのを抑制することができる。これにより、回動部材の押圧部の印字部に対する接触位置が移動することに起因して印字部に対する回動部材の押圧力が変化するという不都合が発生するのを抑制することができるので、印画時に、印画ムラが発生するのを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態による熱転写プリンタの全体構成を示した斜視図である。図2は、図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの正面図である。図3〜図8は、図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの詳細構造を説明するための図である。図9〜図13は、図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの回動部材が印字部を押圧している状態を説明するための図である。まず、図1〜図13を参照して、本発明の一実施形態による熱転写プリンタの構造について説明する。なお、本実施形態では、本発明の画像形成装置の一例としての熱転写プリンタについて説明する。
【0025】
本発明の一実施形態による熱転写プリンタは、図1に示すように、金属製のシャーシ1と、印字を行うための印字部2と、プラテンローラ3と、プラテンローラ3を回転可能に支持するプラテンローラ軸受4と、撓み変形可能な約3mmの直径を有するピアノ線からなる支持棒5と、金属製の回動部材6と、樹脂製の押圧部7と、側面にカム溝8aが形成された樹脂製の駆動ギア8と、モータ軸ギア部9a(図2参照)を有するモータ9(図2参照)と、金属製のモータブラケット10と、モータ軸ギア部9aと係合する大径ギア部11a(図2参照)および駆動ギア8と係合する小径ギア部11b(図2参照)を有する中間ギア11(図2参照)とを備えている。
【0026】
また、シャーシ1のモータブラケット10が取り付けられている一方面1aに対向する他方面1bには、インクシート(図示せず)を取り付けるためのインクシート挿入部1cが設けられている。また、シャーシ1の一方面1aおよび他方面1bの内側には、印字部2が、支持軸2aを中心として回動可能に取り付けられている。この印字部2の下部には、サーマルヘッド部2bが設けられている。なお、サーマルヘッド部2bは、本発明の「印字ヘッド部」の一例である。また、サーマルヘッド部2bは、プラテンローラ3に対向するように配置されている。また、サーマルヘッド部2bの上部には、放熱機能を有するヒートシンク2cが設けられている。このヒートシンク2cのシャーシ1の一方面1a側には、回動部材6に係合する係合部2d(図6参照)が一体的に設けられている。また、ヒートシンク2cには、支持軸2aをそれぞれ有する一方アーム部2eおよび他方アーム部2fが設けられている。また、シャーシ1の一方面1aおよび他方面1bには、撓み変形可能な支持棒5が挿入される挿入穴1dが設けられている。この撓み変形可能な支持棒5の両端は、回転可能に挿入穴1dに挿入されている。また、支持棒5には、回動部材6が回動可能に取り付けられている。
【0027】
ここで、本実施形態では、回動部材6は、図3に示すように、一方側面6aと、他方側面6bと、一方側面6aおよび他方側面6bを連結する連結部6cとを含むコの字形状に形成されている。この回動部材6の一方側面6aおよび他方側面6bには、支持棒5(図1参照)を取り付けるための孔6dがそれぞれ設けられている。また、回動部材6の一方側面6aには、図2および図7に示すように、駆動ギア8のカム溝8a(図7参照)に係合するカムピン6eが設けられている。このカム溝8aに係合するカムピン6eにより、回動部材6が図2の矢印B方向に移動するのを抑制することが可能になる。また、回動部材6の一方側面6aには、図3に示すように、持上げ部6fが一体的に設けられている。この持上げ部6fは、図7に示すように、印字部2の係合部2dに係合することによって、サーマルヘッド部2bをプラテンローラ3から離間させるように形成されている。
【0028】
また、本実施形態では、図2および図3に示すように、回動部材6の一方側面6aには、図2の矢印C方向に突出した移動抑制部6gが一体的に設けられている。これにより、移動抑制部6gと印字部2の一方アーム部2eとの間隔を、図2に示すように、約0.3
mm程度に狭くすることが可能になる。また、移動抑制部6gは、図7および図11に示すように、サーマルヘッド部2bのプラテンローラ3に対する押圧時および非押圧時において、側面方向から見て、印字部2の一方アーム部2eと当接可能な位置に形成されている。これにより、回動部材6が、押圧時および非押圧時に、図2の矢印C方向に移動するのを抑制することが可能になる。
【0029】
また、本実施形態では、回動部材6の他方側面6bの先端には、図4に示すように、樹脂製の押圧部7が取り付けられている。この押圧部7には、押圧時の回動方向(矢印G方向)とは反対側の部分に、押圧時に、押圧部7が所定の角度以上に回動するのを抑制するための回り止め部7aが、一体的に設けられている。この回り止め部7aは、図13に示すように、押圧時に、ヒートシンク2cの上面2gに当接するので、所定の角度以上回動するのを抑制することが可能になる。また、図10に示すように、押圧部7の底面から回動部材6の他方側面6bの孔6d(図4参照)の中心までの高さh1は、印字部2を押圧する際に支持棒5が上方向に約3mm撓むように、押圧時のヒートシンク2cの上面2gからシャーシ1の挿入穴1dの中心までの高さh2よりも約3mm高さが大きく形成されている。
【0030】
また、本実施形態では、図4に示すように、押圧部7の押圧時の回動方向(矢印G方向)側の部分には、当接部7bが一体的に設けられている。この当接部7bは、図8、図12および図13に示すように、サーマルヘッド部2bのプラテンローラ3に対する押圧時および非押圧時において、印字部2のヒートシンク2cの上面2gに当接するように形成されている。また、押圧部7は、図9に示すように、回動することによって、印字部2の幅方向(図1のA方向)の中心部近傍を押圧するように配置されている。これにより、印字部2の幅方向に対して左右均一に印字部2を押圧することが可能になるので、サーマルヘッド部2bを、プラテンローラ3に対して均一に接触させることが可能になる。
【0031】
また、回動部材6の連結部6cは、図3〜図5に示すように、支持棒5(図1参照)を囲むコの字形状の断面を有する。このコの字形状の断面により、連結部6cの強度を大きくすることが可能になるので、一方側面6aが他方側面6bに対して、ねじれるのを抑制することが可能になる。
【0032】
また、駆動ギア8は、図2に示すように、シャーシ1の一方面1aに取り付けられるとともに、中間ギア11からの駆動力を回動部材6に伝達する。また、モータブラケット10に取り付けられているモータ9の駆動力は、モータ軸ギア部9aから中間ギア11の大径ギア部11aおよび小径ギア部11bを介して駆動ギア8に伝達される。
【0033】
次に、図1、図2および図7〜図13を参照して、本発明の一実施形態による熱転写プリンタの印字部2のプラテンローラ3に対する押さえ動作について説明する。まず、初期状態としては、図1、図2、図7および図8に示すように、回動部材6は、図7の矢印E方向に回動されている。このとき、回動部材6の持上げ部6fが、図7に示すように、印字部2の一方アーム部2eの係合部2dに当接するので、一方アーム部2eが上方に移動されている。これにより、サーマルヘッド部2bは、プラテンローラ3から離間する方向(矢印F方向)に回動されている。この状態から、モータ9(図2参照)の駆動力が、モータ軸ギア部9a(図2参照)から中間ギア11の大径ギア部11a(図2参照)および小径ギア部11bと、駆動ギア8と、駆動ギア8のカム溝8aに係合する回動部材6のカムピン6eとを介して回動部材6の一方側面6aに伝達される。これにより、回動部材6の一方側面6aは、図7に示した状態から図11に示した状態へと回動されるので、回動部材6の他方側面6bが、図8の矢印G方向に回動されて、印字部2のサーマルヘッド部2bがプラテンローラ3に当接し、図1および図8に示した状態から図12に示した状態になる。そして、図12に示した状態からさらに回動部材6が矢印G方向に回動すること
により、図9および図13に示した状態になる。このとき、図10に示すように、約3mmの直径を有するピアノ線からなる支持棒5は、上方向に約3mm撓む。これにより、支持棒5に約30N〜約40Nの曲げ応力が発生するので、その曲げ応力により、押圧部7が、矢印D方向にヒートシンク2cの上面2gに対して押圧される。その結果、印字部2のサーマルヘッド部2bがプラテンローラ3に対して約30N〜40Nの押圧力で押圧される。
【0034】
本実施形態では、上記のように、一方側面6aと、サーマルヘッド部2bをプラテンローラ3に押圧する押圧部7が設けられた他方側面6bとを含むコの字形状の回動部材6と、回動部材6を回動可能に支持する撓み変形可能な支持棒5とを設けるとともに、回動部材6の押圧部7を、支持棒5を撓ませることにより得られる撓み変形による押圧力を用いてサーマルヘッド部2bをプラテンローラ3に押圧させることによって、支持棒5が撓むことに起因して生じるバネ性により、サーマルヘッド部2bをプラテンローラ3に押圧することができる。これにより、支持棒5とは別にバネ部材を設ける必要がないので、サーマルヘッド部2bをプラテンローラ3に押圧するための部材の部品点数を削減することができる。また、回動部材6の一方側面6aに、サーマルヘッド部2bをプラテンローラ3から離間させるための持上げ部6fを一体的に設けるとともに、印字部2に、持上げ部6fが係合する係合部2dを設けることによって、サーマルヘッド部2bをプラテンローラ3から離間させるための部材を別途設ける場合に比べて、部品点数を削減することができる。
【0035】
また、本実施形態では、回動部材6の押圧部7に、サーマルヘッド部2bのプラテンローラ3に対する押圧時および非押圧時に、印字部2のヒートシンク2cの上面2gに当接する当接部7bを設けることによって、その当接部7bにより、押圧時および非押圧時に、印字部2がガタつくのを抑制することができる。
【0036】
また、本実施形態では、回動部材6の押圧部7に、押圧部7による印字部2の押圧時に、押圧部7が所定の角度以上に回動するのを抑制するための回り止め部7aを設けることによって、回動部材6の押圧部7が印字部2のヒートシンク2cの上面2gに接触する位置が変化するのを抑制することができるので、回動部材6の印字部2に対する押圧力が変化するのを抑制することができる。これにより、サーマルヘッド部2bのプラテンローラ3に対する押圧力が変化するのを抑制することができるので、印画時に、印画ムラが発生するのを抑制することができる。
【0037】
また、本実施形態では、回動部材6の一方側面6aに、図2の矢印C方向に突出した移動抑制部6gを一体的に設けることにより、移動抑制部6gと印字部2の一方アーム部2eとの間隔を狭くすることによって、回動部材6の押圧部7が印字部2のヒートシンク2cの上面2gに接触する位置が、印字部2の幅方向(図1のA方向)に沿って移動するのを抑制することができる。これにより、回動部材6の押圧部7の印字部2のヒートシンク2cの上面2gに対する接触位置が移動することに起因して印字部2に対する回動部材6の押圧力が変化するという不都合が発生するのを抑制することができるので、印画時に、印画ムラが発生するのを抑制することができる。
【0038】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0039】
たとえば、上記実施形態では、画像形成装置の一例として熱転写プリンタを示したが、本発明はこれに限らず、印字ヘッド部をプラテンローラに押圧するための部材を有する画
像形成装置であれば、熱転写プリンタ以外の他の画像形成装置にも適用可能である。
【0040】
また、上記実施形態では、押圧部を、回動部材と別体で形成した例を示したが、本発明はこれに限らず、押圧部を、回動部材の他方側面に一体的に設けてもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、移動抑制部を回動部材の一方側面に設けた例を示したが、本発明はこれに限らず、移動抑制部を回動部材のその他の部分に設けてもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、撓み変形可能な1本の支持棒を用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、撓み変形可能な支持棒を2本以上用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施形態による熱転写プリンタの全体構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの正面図である。
【図3】図1に示した一実施形態による回動部材の構造を示した斜視図である。
【図4】図1に示した一実施形態による回動部材の構造を示した側面図である。
【図5】図1に示した一実施形態による回動部材の構造を示した断面図である。
【図6】図1に示した一実施形態による印字部の係合部の構造を示した斜視図である。
【図7】図1に示した一実施形態による印字部と回動部材との位置関係を示した断面図である。
【図8】図1に示した一実施形態による印字部と回動部材との位置関係を示した断面図である。
【図9】図1に示した一実施形態による熱転写プリンタの回動部材が印字部を押圧しているときの全体構成を示した斜視図である。
【図10】図9に示した一実施形態による熱転写プリンタの正面図である。
【図11】図9に示した一実施形態による印字部と回動部材との位置関係を示した断面図である。
【図12】図9に示した一実施形態による印字部と回動部材との位置関係を示した断面図である。
【図13】図9に示した一実施形態による印字部と回動部材との位置関係を示した断面図である。
【図14】従来の一例による熱転写プリンタの全体構成を示した斜視図である。
【図15】従来の一例による熱転写プリンタの全体構成を示した斜視図である。
【図16】図14および図15に示した従来の熱転写プリンタの押さえ部材と軸部との取付構造を説明するための斜視図である。
【図17】図14および図15に示した従来の熱転写プリンタの押さえ部材と軸部との取付構造を説明するための斜視図である。
【図18】図14および図15に示した従来の熱転写プリンタにおける印字部のプラテンローラに対する押さえ動作を説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0044】
2 印字部
2b サーマルヘッド部(印字ヘッド部)
2d 係合部
3 プラテンローラ
5 支持棒
6 回動部材
6a 一方側面
6b 他方側面
6f 持上げ部
6g 移動抑制部
7 押圧部
7a 回り止め部
7b 当接部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字を行うための印字ヘッド部を含む印字部と、前記印字ヘッド部に対向するように配置されたプラテンローラと、前記印字ヘッド部を前記プラテンローラに押圧する押圧機構とを備えた画像形成装置において、
前記押圧機構は、前記印字ヘッド部を前記プラテンローラから離間させるための持上げ部が一体的に設けられた一方側面と、前記印字ヘッド部を前記プラテンローラに押圧する押圧部が設けられた他方側面とを有するコの字形状の回動部材と、前記回動部材を支持する撓み変形可能な支持棒とを含み、
前記回動部材には、前記回動部材が前記支持棒の軸方向に沿って移動するのを抑制するための移動抑制部が一体的に設けられ、
前記回動部材の前記押圧部は、前記支持棒を撓ませることにより得られる撓み変形による押圧力を用いて前記印字ヘッド部を前記プラテンローラに押圧するとともに、前記押圧部による前記印字部の押圧時に、前記押圧部が所定の角度以上に回動するのを抑制するための回り止め部と、前記印字ヘッド部が前記プラテンローラから離間した際に、前記印字部に当接する当接部とを含み、
前記印字部は、前記持上げ部が係合する係合部を有する、画像形成装置。
【請求項2】
印字を行うための印字ヘッド部を含む印字部と、
前記印字ヘッド部に対向するように配置されたプラテンローラと、
前記印字ヘッド部を前記プラテンローラから離間させるための持上げ部が一体的に設けられた一方側面と、前記印字ヘッド部を前記プラテンローラに押圧する押圧部が設けられた他方側面とを含むコの字形状の回動部材と、
前記回動部材を支持する撓み変形可能な支持棒とを備え、
前記回動部材の前記押圧部は、前記支持棒を撓ませることにより得られる撓み変形による押圧力を用いて前記印字ヘッド部を前記プラテンローラに押圧し、
前記印字部は、前記持上げ部が係合する係合部を有する、画像形成装置。
【請求項3】
前記回動部材の前記押圧部は、前記印字ヘッド部が前記プラテンローラから離間した際に、前記印字部に当接する当接部を含む、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記回動部材の前記押圧部は、前記押圧部による前記印字部の押圧時に、前記押圧部が所定の角度以上に回動するのを抑制するための回り止め部を含む、請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記回動部材には、前記回動部材が前記支持棒の軸方向に沿って移動するのを抑制するための移動抑制部が一体的に設けられている、請求項2〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
印字を行うための印字ヘッド部を含む印字部と、前記印字ヘッド部に対向するように配置されたプラテンローラと、前記印字ヘッド部を前記プラテンローラに押圧する押圧機構とを備えた画像形成装置において、
前記押圧機構は、前記印字ヘッド部を前記プラテンローラから離間させるための持上げ部が一体的に設けられた一方側面と、前記印字ヘッド部を前記プラテンローラに押圧する押圧部が設けられた他方側面とを有するコの字形状の回動部材と、前記回動部材を支持する撓み変形可能な支持棒とを含み、
前記回動部材には、前記回動部材が前記支持棒の軸方向に沿って移動するのを抑制するための移動抑制部が一体的に設けられ、
前記回動部材の前記押圧部は、前記支持棒を撓ませることにより得られる撓み変形による押圧力を用いて前記印字ヘッド部を前記プラテンローラに押圧するとともに、前記押圧部による前記印字部の押圧時に、前記押圧部が所定の角度以上に回動するのを抑制するための回り止め部と、前記印字ヘッド部が前記プラテンローラから離間した際に、前記印字部に当接する当接部とを含み、
前記印字部は、前記持上げ部が係合する係合部を有する、画像形成装置。
【請求項2】
印字を行うための印字ヘッド部を含む印字部と、
前記印字ヘッド部に対向するように配置されたプラテンローラと、
前記印字ヘッド部を前記プラテンローラから離間させるための持上げ部が一体的に設けられた一方側面と、前記印字ヘッド部を前記プラテンローラに押圧する押圧部が設けられた他方側面とを含むコの字形状の回動部材と、
前記回動部材を支持する撓み変形可能な支持棒とを備え、
前記回動部材の前記押圧部は、前記支持棒を撓ませることにより得られる撓み変形による押圧力を用いて前記印字ヘッド部を前記プラテンローラに押圧し、
前記印字部は、前記持上げ部が係合する係合部を有する、画像形成装置。
【請求項3】
前記回動部材の前記押圧部は、前記印字ヘッド部が前記プラテンローラから離間した際に、前記印字部に当接する当接部を含む、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記回動部材の前記押圧部は、前記押圧部による前記印字部の押圧時に、前記押圧部が所定の角度以上に回動するのを抑制するための回り止め部を含む、請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記回動部材には、前記回動部材が前記支持棒の軸方向に沿って移動するのを抑制するための移動抑制部が一体的に設けられている、請求項2〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−51778(P2006−51778A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−236777(P2004−236777)
【出願日】平成16年8月16日(2004.8.16)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月16日(2004.8.16)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
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