説明

画像形成装置

【課題】 USBコネクタの誤使用が有効に防止できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 装置本体2の一側面に外部機器接続用のUSBコネクタ23が備えられている。装置本体2にUSBコネクタ23を覆う蓋カバー18が開閉操作自在に備えられている。蓋カバー18におけるUSBコネクタ23に対応する部分のインターフェースカバー領域18aが、その周囲に沿って配置された切断ライン部26で切り離し可能に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、USB等のインターフェースコネクタにおける誤使用防止に適した画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コピー機やファクシミリ装置等の画像形成装置においては、装置のソフトウエアの書き換え等のメンテナンスサービスが手軽に行えるように、外部機器接続用のUSBコネクタを備えた構造のものがあった。
【0003】
一方、一般ユーザの希望によりプリンタ等のオプション装置を増設した際には、前記USBコネクタをオプション装置のデータ仲介用コネクタとして使用していた。
【0004】
そして、このようなメンテナンスサービス用にも一般ユーザ用にも使用されるUSBコネクタは外部に露出した状態で配置されていた。
【0005】
このような外部機器接続用のUSBコネクタを装置本体に備えた電子機器として、ポータブルコンピュータが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】特開2003−345464号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の画像形成装置によれば、USBコネクタが外部露出状態で備えられているため、一般ユーザが勝手に誤って使用してしまう可能性があった。
【0008】
そこで、本発明は上記点に鑑み、インターフェースコネクタの誤使用が有効に防止できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための技術的手段は、装置本体に外部機器接続用のインターフェースコネクタが備えられた画像形成装置において、前記装置本体に前記インターフェースコネクタを覆う蓋カバーが備えられると共に、その蓋カバーにおけるインターフェースコネクタ部分に対応するインターフェースカバー領域が、その周囲に沿って配置された切断ライン部で切り離し可能に形成されている点にある。
【0010】
また、前記インターフェースカバー領域が、前記切断ライン部に沿って間欠的に配置された被切断保持片により保持され、各被切断保持片の両側に該被切断保持片を切断するための工具用切断刃差込孔がそれぞれ備えられている構造としてもよい。
【0011】
さらに、前記蓋カバーの一側部に前記装置本体に回動自在に支持される枢支部が備えられると共に、蓋カバーの他側部に装置本体に係脱自在に係止される係止部が備えられている構造としてもよい。
【0012】
また、前記蓋カバーが前記装置本体の一側面に配置されると共に、装置本体における前後方向の前側に蓋カバーの前記枢支部が配置され、かつ後側に蓋カバーの前記係止部が配置されている構造としてもよい。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明の画像形成装置によれば、装置本体にインターフェースコネクタを覆う蓋カバーが備えられると共に、その蓋カバーにおけるインターフェースコネクタ部分に対応するインターフェースカバー領域が、その周囲に沿って配置された切断ライン部で切り離し可能に形成されているため、通常状態においては、インターフェースコネクタは蓋カバーで覆われており、一般ユーザにとってはインターフェースコネクタの接続部分が見えないため、インターフェースコネクタの誤使用が有効に防止できる利点がある。
【0014】
また、オプション装置の増設等により一般ユーザが使用する必要が生じた場合には、切断ライン部で蓋カバーからインターフェースカバー領域を切り離すことによってインターフェースコネクタが露出状態となり、容易に使用することができるようになる。
【0015】
さらに、インターフェースカバー領域が、切断ライン部に沿って間欠的に配置された被切断保持片により保持され、各被切断保持片の両側に該被切断保持片を切断するための工具用切断刃差込孔がそれぞれ備えられている構造とすれば、被切断保持片の両側の切断刃差込孔に、ニッパ等の工具における切断刃を差し込み、切断操作することによって、被切断保持片を簡単に切断することができ、蓋カバーからインターフェースカバー領域を容易に切り離すことができる。
【0016】
また、蓋カバーの一側部に装置本体に回動自在に支持される枢支部が備えられると共に、蓋カバーの他側部に装置本体に係脱自在に係止される係止部が備えられている構造とすれば、係止部の係止状態を解除することによって蓋カバーは枢支部回りに開閉操作可能となり、係止部を係止状態に戻すことによって蓋カバーを閉状態で保持できるため、蓋カバーの開閉操作をワンタッチで行うことができ、使い勝手に優れる利点がある。
【0017】
さらに、蓋カバーが装置本体の一側面に配置されると共に、装置本体における前後方向の前側に蓋カバーの枢支部が配置され、かつ後側に蓋カバーの係止部が配置されている構造とすれば、蓋カバーは前側が回動支点となって後側が開閉されるため、インターフェースコネクタに対して正面側からはアクセスし難く、背面側からはアクセスし易い構造となっている。従って、一般ユーザによる蓋カバーに対するアクセスは通常正面側からであるため、蓋カバーを開けても内部が見づらい状態となっており、不用意なインターフェースコネクタの使用が有効に防止できる。これに対し、メンテナンスの場合には基本的に背面側からの作業であるため、アクセスし易く、この点からも使い勝手に優れる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明すると、図1は本発明の画像形成装置の一例としてのファクシミリ装置1を示している。このファクシミリ装置1は、装置本体2の上部に原稿読み取り用の読取部3が配置され、下部には読取部3で読み取られたデータを記録するための記録部4が配置されている。
【0019】
そして、記録部4には記録装置および給紙カセットがそれぞれ上下に内装されており、給紙カセット内に載置される用紙を記録装置へ給紙して記録した後に、記録紙排出トレイへ排出するように構成されている。
【0020】
また、読取部3の上方には、背面に配置された枢軸部5を介して開閉可能に構成される原稿押さえカバー6が配置され、該原稿押さえカバー6により読取部3上面の所定位置に載置された原稿を上方から押さえる構造とされている。そして、載置された原稿を読取部3により走査して、原稿の読み取りを行うように構成されている。
【0021】
さらにまた、原稿押さえカバー6の一端部には、原稿を自動的に給紙する自動原稿搬送装置(ADF装置)7が設けられており、該自動原稿搬送装置7は原稿供給トレイ8に載置された原稿を、一枚ずつピックアップして、読取部3の所定位置へ搬送し、読取部3により原稿の表面に表示された文字等からなる画像情報、いわゆる原稿内容を読み取った後に、原稿供給トレイ8の下側に配置された、即ち原稿押さえカバー6の上面に備えられた原稿排出トレイ9へ排出するように構成されている。
【0022】
即ち、読取部3は、図示省略の読取装置を走査させて静止原稿を読み取るフラットベッドタイプのスキャナとして用いると共に、読取装置を位置固定して原稿を搬送しながら読み取りを行うシートフィードタイプのスキャナとして用いることができるように構成されている。
【0023】
また、読取部3の正面にはファクシミリ装置1操作用のキーパネルが付設され、該キーパネルの各種操作キーを操作することにより、原稿内容の読み取りを行ったり、読み取った内容をファクシミリ送信する際の送信先の設定を行ったり、受信内容や読み取った内容の記録を行ったりするように構成されている。
【0024】
さらに、本実施形態においては、装置本体2の下面に下段用カセットとなる給紙カセット10が装着された構造とされている。この下段用給紙カセット10の背面には、左右方向に離隔して一対の連結ブラケット11が上向き突出状態に突設されており、各連結ブラケット11は固定ネジ12により装置本体2に固定された構造とされている。
【0025】
また、装置本体2は、その背面に備えられた開口部を塞ぐバックカバー13が、固定ネジ14により着脱自在に装着された構造とされている。
【0026】
装置本体2の下部一側面の背面寄りに位置して、図2ないし図4に示されるように、メンテナンス用の窓部16が備えられており、該窓部16は装置本体2の側面カバー2aに形成された上下方向に細長い矩形の窓開口部17と、該窓開口部17を開閉自在に塞ぐ蓋カバー18とを備えてなる構造とされている。また、本実施形態においては、側面カバー2aや蓋カバー18は合成樹脂の成形体により構成されている。
【0027】
そして、装置本体2における前後方向の前側に位置した蓋カバー18の一側部が、窓開口部17の周縁部で側面カバー2aに回動自在に支持された構造とされている。即ち、蓋カバー18の一側部における上部および下部に、窓開口部17の周縁部に上下方向の軸心回りに回動自在に支持された枢支部19が備えられた構造とされている。このような枢支部19としては、例えば、蓋カバー18の一側部において上下方向にそれぞれ突出する支軸部が、窓開口部17の周縁部内面にそれぞれ形成された凹部に、回動自在にそれぞれ嵌合される構造や、窓開口部17の周縁部内面より上下方向にそれぞれ突出する支軸部が、蓋カバー18の一側部にそれぞれ形成された凹部に、回動自在にそれぞれ嵌合される構造等によって提供される。
【0028】
また、装置本体2における前後方向の後側に位置した蓋カバー18の他側部が、窓開口部17の周縁部に係脱自在に係止される構造とされている。即ち、蓋カバー18の他側部における上下方向中間部に位置して、薄肉の弾性変形自在な撓み部20を介して係止部21が備えられている。窓開口部17の周縁部内面に対向する係止部21の表面には、図3に示されるように、適宜間隔を有して分散配置された係止突条21aが上下方向に長さを有して突設されており、蓋カバー18の閉状態で、これら係止突条21a間に窓開口部17の後側の周縁部が嵌り込んだ係止状態が得られる構造とされている。
【0029】
そして、図2に示されるような蓋カバー18の閉状態で、係止部21を装置本体2の前方向に押動付勢することにより、撓み部20の弾性変形を介して各係止突条21aと窓開口部17の周縁部との係止状態が解除され、図3に示すように、蓋カバー18を開放することができる。また、蓋カバー18の開状態より、蓋カバー18を閉じる方向に押動付勢すれば、撓み部20の弾性変形を介して各係止突条21aと窓開口部17の周縁部との係止状態が得られ、図2に示す蓋カバー18の閉状態が得られる。
【0030】
この蓋カバー18の内側に対応する装置本体2の内部には、図3に示されるように、下部の一側部にメンテナンス用と外部機器接続用とに兼用されるインターフェースコネクタとしてのUSBコネクタ23が配置されると共に、USBコネクタ23の一側部や上部にそれぞれ記録メディアとしてのコンパクトフラッシュ(登録商標)24が着脱自在に装着されるCF差込スロット25が配置された構造とされている。そして、図3においては、USBコネクタ23の一側部に位置するCF差込スロット25にはコンパクトフラッシュ(登録商標)24が装着された状態とされ、USBコネクタ23の上部に位置するCF差込スロット25にはコンパクトフラッシュ(登録商標)24が装着されていない状態とされている。
【0031】
そして、蓋カバー18におけるUSBコネクタ23の配置位置に対応する矩形部分のインターフェースカバー領域18aには、その周囲に沿って切断ライン部26が配置されている。この切断ライン部26は、図2および図3に示されるように、上部と前後両側の各辺に沿ってそれぞれ形成されたスリット26aと、各スリット26aの長さ方向中央部に位置してそれぞれ配置されると共に、インターフェースカバー領域18aを蓋カバー18に連結して保持する適宜幅の被切断保持片26bとを有する構造とされている。ここに、インターフェースカバー領域18aは切断ライン部26に沿って間欠的に配置された被切断保持片26bにより蓋カバー18に一体に保持されている。
【0032】
また、各被切断保持片26bの両側に位置したスリット26aの溝幅は、切断工具としてのニッパの切断刃部分が差込可能な若干より幅広に形成されており、工具用切断刃差込孔26cを構成している。
【0033】
本実施形態は以上のように構成されており、通常は窓部16の蓋カバー18は閉状態とされている。従って、USBコネクタ23は蓋カバー18で覆われており、一般ユーザにとってはUSBコネクタ23の接続部分が直接、見えないため、USBコネクタ23を誤って使用することが有効に防止できる。
【0034】
また、メンテナンスサービス等において、USBコネクタ23を使用する必要がある場合には、係止部21の各係止突条21aと窓開口部17の周縁部との係止状態を解除すれば、蓋カバー18を開閉操作自在となり、蓋カバー18を開放することによってUSBコネクタ23が露出され、USBコネクタ23を有効に使用できる。そして、メンテナンス後は蓋カバー18を再度、初期の閉状態に戻しておけばよい。
【0035】
一方、プリンタ装置等のオプション装置の増設により一般ユーザが使用する必要が生じた場合には、図4に示されるように、切断ライン部26により蓋カバー18からインターフェースカバー領域18aを切り離した状態で、蓋カバー18を閉状態とすれば、インターフェースカバー領域18aが切り離された蓋カバー18の切欠開口部分18bからUSBコネクタ23が露出状態となる。ここに、他のCF差込スロット25を隠した状態で、オプション装置に必要とされるUSBコネクタ23のみを容易に使用することができるようになる。
【0036】
また、蓋カバー18からインターフェースカバー領域18aを切り離すに際して、ニッパの切断刃部分が差込可能な工具用切断刃差込孔26cが形成されているため、ニッパの切断刃部分を被切断保持片26b両側の工具用切断刃差込孔26cに差し込んだ状態で切断操作を行えば、被切断保持片26bを簡単に切断することができ、各被切断保持片26bのニッパによる切断操作が容易に行え、蓋カバー18からインターフェースカバー領域18aを容易に切り離すことができる。
【0037】
さらに、蓋カバー18は一側部が枢支部19により回動自在に支持され、他側部が係止部21によって窓開口部17の周縁部に係脱自在に係止される構造とされているため、係止部21の係脱操作によるいわゆるワンタッチ操作で、蓋カバー18の開閉操作が可能となるため、使い勝手に優れるという利点がある。
【0038】
また、蓋カバー18の開閉に際して、蓋カバー18における装置本体2の前側端部が枢支部19とされているため、蓋カバー18は前側が回動支点となって後側が開閉される構造となっている。従って、USBコネクタ23に対して正面側からはアクセスし難く、背面側からはアクセスし易い構造となっている。そして、一般ユーザによる蓋カバー18に対するアクセスは通常正面側からであるため、蓋カバー18を開けても蓋カバー18が障害となって内部が見づらい状態となっており、不用意なUSBコネクタ23の使用が有効に防止できる。これに対し、メンテナンスの場合には基本的に背面側からの作業であるため、蓋カバー18を開けても蓋カバー18が何ら障害とならずに、内部のCF差込スロット25やUSBコネクタ23にアクセスし易く、この点からも使い勝手に優れる利点がある。
【0039】
なお、前記実施形態において、インターフェースコネクタの一例としてUSBコネクタ23を採用した構造を示しているが、IEEE1394コネクタ等であってもよく、実施形態に何ら限定されない。
【0040】
また、蓋カバー18からインターフェースカバー領域18aを切り離した状態で、蓋カバー18の下部に切欠開口部分18bが形成される構造を示しているが、USBコネクタ23の配置位置に応じて、インターフェースカバー領域18aを設定すればよく、インターフェースカバー領域18aの切り離し状態で、蓋カバー18の中央部等に窓状に開口される構造であってもよい。
【0041】
さらに、ワンタッチ開閉式の蓋カバー18の構造を示しているが、ネジの着脱により蓋カバー18を着脱する構造であってもよい。
【0042】
また、切断ライン部26として、スリット26aと被切断保持片26bとを有してなる構造を示しているが、切断ライン部26を薄肉状に形成し、容易に切り離し自在な構造としてもよい。
【0043】
さらに、前記実施形態においては、画像形成装置としてファクシミリ装置1に適用した構造について説明しているが、これに限定するものではなく、コピー機やスキャナ装置等その他の画像形成装置に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施形態にかかるファクシミリ装置の背面図である。
【図2】図1におけるII−II線矢視図である。
【図3】同蓋カバーの開状態を示す要部説明図である。
【図4】蓋カバーにおけるインターフェースカバー領域を切り離した状態の要部説明図である。
【符号の説明】
【0045】
1 ファクシミリ装置
2 装置本体
16 窓部
17 窓開口部
18 蓋カバー
18a インターフェースカバー領域
18b 切欠開口部分
19 枢支部
20 撓み部
21 係止部
21a 係止突条
23 USBコネクタ
26 切断ライン部
26a スリット
26b 被切断保持片
26c 工具用切断刃差込孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に外部機器接続用のインターフェースコネクタが備えられた画像形成装置において、
前記装置本体に前記インターフェースコネクタを覆う蓋カバーが備えられると共に、その蓋カバーにおけるインターフェースコネクタ部分に対応するインターフェースカバー領域が、その周囲に沿って配置された切断ライン部で切り離し可能に形成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記インターフェースカバー領域が、前記切断ライン部に沿って間欠的に配置された被切断保持片により保持され、各被切断保持片の両側に該被切断保持片を切断するための工具用切断刃差込孔がそれぞれ備えられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において、
前記蓋カバーの一側部に前記装置本体に回動自在に支持される枢支部が備えられると共に、蓋カバーの他側部に装置本体に係脱自在に係止される係止部が備えられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置において、
前記蓋カバーが前記装置本体の一側面に配置されると共に、装置本体における前後方向の前側に蓋カバーの前記枢支部が配置され、かつ後側に蓋カバーの前記係止部が配置されていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−304330(P2007−304330A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−132470(P2006−132470)
【出願日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】