説明

画像形成装置

【課題】中間転写ベルトのすべりを検知し、不良画像の発生を未然に回避することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体に画像を形成する画像形成手段と、形成された画像を記録媒体に転写する転写手段と、転写手段により記録媒体に画像を転写させる制御手段とを備える。また、像担持体に形成された画像を検知する検知手段を備える。制御手段は、検知手段の検知結果に基づいて記録媒体に画像を転写させるか否かを制御する。更に、制御手段は、像担持体に形成される画像の上流側の位置に第1の基準画像と該画像の下流側の位置に第2の基準画像を画像形成手段により形成させ、第1の基準画像と第2の基準画像を検知手段により検知させる。また、制御手段は、第1の基準画像を検知した時の検知手段の出力信号と第2の基準画像を検知した時の検知手段の出力信号とに基づいて像担持体に形成された画像を記録媒体に転写させるか否かを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を用いてカラー画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機、プリンタ等の画像形成装置においては、高速、高画質、かつ高精度に画像形成することが求められている。特に、カラー画像形成装置においては、高速化の1つの手段として、例えば、複数色(イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4色)、各々で画像形成ユニットを備えて連続的に画像形成を行うタンデム方式がある。一各画像形成ユニットは、帯電、露光、現像、転写という電子写真プロセスにより画像形成を行う。
【0003】
ここで、タンデム方式のカラー画像形成装置は、高速な印字速度が得られるものの、複数色の画像を重ね合わせる際の色ずれを小さくすることが難しいという欠点を持つ。画像形成装置の設置当初に色ずれ調整を行っても時間が経つにつれ、また画像形成装置の使用開始時に色ずれ調整を行っても温度変化などにより微妙な位置ずれが生じ、これが重ね合わせた画像での各色の色ずれの原因となる。
【0004】
そこで、近年、このような色ずれを防止するための技術が数多く提案されている。具体的には、色レジセンサを設けて、複数色の画像を重ね合わせる中間転写ベルト上での色ずれ量を測定し、各画像形成ユニットでの作像タイミングを調整することで色ずれを補正する技術が提案されている(例えば、特許文献1、2)。
【特許文献1】特開平08−305215号公報
【特許文献2】特開2001−83761号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術は、記録紙が厚紙であった場合、厚紙が中間転写ベルトに衝突することなどによって突発的に発生するベルトのすべりには対応できず、不良画像が形成されてしまう問題が残る。
【0006】
本発明の目的は、中間転写ベルトのすべりを検知し、不良画像の発生を未然に回避することができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像形成装置は、像担持体に画像を形成する画像形成手段と、前記像担持体に形成された画像を記録媒体に転写する転写手段と、前記転写手段により前記記録媒体に画像を転写させる制御手段と、前記像担持体に形成された画像を検知する検知手段と、を備え、前記制御手段は、前記検知手段の検知結果に基づいて前記記録媒体に画像を転写させるか否かを制御し、更に、前記制御手段は、前記像担持体に形成される画像の上流側の位置に第1の基準画像と該画像の下流側の位置に第2の基準画像を前記画像形成手段により形成させ、前記第1の基準画像と前記第2の基準画像を前記検知手段により検知させ、前記第1の基準画像を検知した時の前記検知手段の出力信号と前記第2の基準画像を検知した時の前記検知手段の出力信号とに基づいて前記像担持体に形成された画像を前記記録媒体に転写させるか否かを決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の画像形成装置によれば、中間転写ベルトのすべりを検知し、不良画像の発生を未然に回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の全体構成図である。
【0011】
図1の画像形成装置は、電子写真方式のフルカラープリンタである。フルカラープリンタは、各色の複数の感光ドラムを配置し、各感光ドラムに形成された各色のトナー像を中間転写ベルトに重ね合わせて転写してフルカラーのトナー像を形成し、このフルカラーのトナー像を二次転写部で記録紙に転写する。
【0012】
同図において、プリンタ本体1は、4色の感光ドラム2(2a〜2d)を備える。感光ドラム2の周囲には、電子写真プロセス順に、帯電器3(3a〜3d)、レーザー走査ユニット4(4a〜4d)、現像ユニット5(5a〜5d)、転写ブレード6(6a〜6d)、クリーナ7(7a〜7d)が配置される。
【0013】
感光ドラム2と帯電器3とレーザー走査ユニット4と転写ブレード6とクリーナ7とで画像形成部が構成される。従って、画像形成部は、後述する中間転写ベルト8の回転方向(搬送方向)において、上流側から下流側に向かって4つ配置される。
【0014】
感光ドラム2の下方には、中間転写ベルト8の上面水平部が当接する。中間転写ベルト8は、ローラ10、11により支持される。また、中間転写ベルト8には、クリーナ12が当接し、色レジセンサ28が対面している。
【0015】
プリンタ本体1の側面には記録紙Sを収納した手差しトレイ13と、そのピックアップローラ14、15がある。ピックアップローラ14、15における記録紙Sの搬送方向下流側にはレジローラ16がある。
【0016】
レジローラ16の下方には、記録紙Sを収納した給紙カセット17と、そのピックアップローラ18、19がある。ピックアップローラ18、19における記録紙Sの搬送方向下流側には縦パスローラ20がある。
【0017】
中間転写ベルト8は、ローラ10、11とともに回転ローラ21により張架されている。レジローラ16の下流側の二次転写ローラ22は、中間転写ベルト8を挟んで回転ローラ21と当接している。二次転写ローラ22の下流側には、定着ユニット23、排紙ローラ24、排紙トレイ25がある。
【0018】
上記構成のカラープリンタにおいては、各色の感光ドラム2に対し、半導体レーザーを光源とする各々のレーザー走査ユニット5により静電潜像が形成され、この静電潜像は各々の現像ユニット7により現像される。
【0019】
そして、この感光ドラム2上に現像された各色のトナー画像は、中間転写ベルト8等による中間転写手段により、二次転写ローラ22部で、記録紙Sに4色が一括転写される。そして、定着ローラを2つ備えた定着ユニット23を通して、記録紙Sにトナーが溶着されて永久画像となる。
【0020】
ここで、カラープリンタの起動時もしくは所定間隔ごとに色レジセンサ28で色ずれ量を測定することによって作像タイミングを調整し、中間転写時の色ずれを補正する。
【0021】
一方、記録紙Sは、給紙カセット17もしくは手差しトレイ13から給紙され、レジローラ16でレジタイミングを取りつつ二次転写ローラ22へ搬送される。
【0022】
その際、給紙カセット17から給紙するためのピックアップローラ18、19、縦パスローラ20、レジローラ16や、手差しトレイ13から給紙するためのピックアップローラ14、15等の用紙搬送部は、高速で安定した搬送動作を実現しなければならない。そのため、各ローラは各々独立したステッピングモータにより駆動される。
【0023】
また両面印刷時には、定着ユニット23、排紙ローラ24を通った記録紙Sは、両面反転パス26の方向に導かれて逆方向に反転搬送され、両面パス27へ搬送される。両面パス27を通った記録紙Sは再び縦パスローラ20を通り、1面目と同様に2面目の画像を作像、転写、定着されて排出される。
【0024】
図2は、図1における色レジセンサ周辺の概略構成図である。
【0025】
色レジセンサ28は、LED等の光源からなる発光部(発光素子)28aと、フォトダイオード等、光量を電気信号に変換する受光部(受光素子)28bを備える。発光部28aから発せられる光が中間転写ベルト8やパッチ201に当たり、その反射光が受光部28bに入り、光電変換される。そして光量に応じた出力電圧が得られる。中間転写ベルト8には、中間転写ベルト8のすべりに起因する色ずれ量を測定するためのパッチ(トナー画像)201が形成されている。
【0026】
図3は、図1の画像形成装置における色ずれ(ベルトすべり)量検知部のブロック図である。
【0027】
色ずれ量検知部において、制御部301は、画像形成装置全体の制御を司るものであり、現実の構成ではCPUがこれに当たる。D/A変換部302は、デジタル信号をアナログ信号に変換する。
【0028】
色レジセンサ28の発光部28aは、D/A変換部302で生成されたアナログ信号に応じて光量を変化させる。パッチ201は、発光部28aで発光された光を反射する。
【0029】
色レジセンサ28の受光部28bは、反射光量を電気信号に変換する。A/D変換部303は、受光部28bによって電気信号に変換されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0030】
次に、この構成によって中間転写ベルト8のすべり量、即ち、トナー画像の色ずれ量をどのように検知するのかを電気信号の波形を用いて説明する。
【0031】
図4は、図2におけるパッチが重なっているときの色ずれ量の検知の様子を示す図である。
【0032】
図4(b)は、最上流の画像形成部によって形成されたパッチ201と最下流の画像形成部によって形成されたパッチ201が重なっていることを示している。
【0033】
尚、最上流の画像形成部とは、感光ドラム2aとその周囲の電子写真プロセス手段であり、最下流の画像形成部とは、感光ドラム2dとその周囲の電子写真プロセス手段である。
【0034】
このように、パッチ201が重なった場合には、パッチ201がある部分の発光部28aからの光の反射光量が落ち、パッチ201がある部分だけ受光部28bによって変換される電圧値も低下する。
【0035】
この変換された電圧値が、図4(a)に示すある閾値電圧REFを下回っている時間T1と中間転写ベルト8の速度によってパッチ201の幅を測定することができ、理想のパッチ幅と比較することによって色ずれ量を測定することができる。
【0036】
図5は、図2におけるパッチが重なっていないときの色ずれ量の検知の様子を示す図である。
【0037】
図5(b)は、最上流の画像形成部によって形成されたパッチ201と最下流の画像形成部によって形成されたパッチ201が離れていることを示している。
【0038】
このように、パッチ201が離れている場合には、それぞれのパッチ201の部分で発光部28aからの光の反射光量が落ち、それぞれのパッチ201の部分で受光部28bによって変換される電圧値も低下する。
【0039】
この変換された電圧値が、図5(a)に示すある閾値電圧REFを下回っていることを示す信号は2発のパルス波形になる。そして、1発目のパルス波形の立ち上がりと2発目のパルス波形の立ち下がりの時間間隔T2と中間転写ベルト8の速度と理想的なパッチ幅とを比較することによって、色ずれ量を測定することができる。
【0040】
以上のように測定された色ずれ量を保存しておき、一つ前の色ずれ量と比較すると色ずれ量の変動が計算できる。通常、温度や湿度の環境変動による色ずれ量やメカ構造的に発生する色ずれ量は急激に変動するものではない。
【0041】
しかし、記録紙Sの突入によって発生する中間転写ベルト8のすべりに起因する色ずれ量の変動量は、環境変動やメカ構造的に発生する色ずれ量の変動量よりも多い。そのため、色ずれの変動量がある閾値以上である場合とそうでない場合を分けることで、中間転写ベルト8のすべり検知をすることができる。
【0042】
次に、ベルトすべり(中間転写ベルト8のすべり)が発生した場合に、どの画像がずれの影響を受けているのか、そのベルトすべりによって2次転写を行わない画像について図6を用いて説明する。
【0043】
図6は、図3の色ずれ量検知部において、パッチN+1によってベルトすべり(色ずれ量)を検知した瞬間のトナー画像を示す図である。
【0044】
トナー画像Nは、パッチN+1の前に画像形成されており不良画像であるので、2次転写はせず破棄する。またこのとき、この不良画像であるトナー画像Nを再度画像形成するためには、出力画像順序を守るために、カラー画像の形成中であるトナー画像N+1も破棄する必要がある。
【0045】
そのため、トナー画像Nとトナー画像N+1の破棄の後に再度、トナー画像N、N+1が形成されることになる。
【0046】
ここで、本実施の形態では、最上流の画像形成部と最下流の画像形成部の間に1記録紙分の画像形成しかできない場合について説明したが、当然M(M>1)枚分の画像を形成できる場合がある。その場合、N+M枚目までの形成画像を破棄することになる。
【0047】
図7は、図3の色ずれ(ベルトすべり)量検知部によって実行されるベルトすべり検知処理の手順を示すフローチャートである。
【0048】
本処理は、図3における制御部301の制御の下に実行される。
【0049】
画像形成動作が開始されると図7のフローが開始され、ベルトすべりを判断するためのフラグをオフにする(ステップS101)。フラグがオフにされると中間転写ベルト8に対して第1回目の画像形成が行われる(ステップS102)。第1回目の画像形成は、出力画像の直前に行われる。
【0050】
ステップS102は、第1回目の画像形成動作を行う第1の画像形成手段として機能する。
【0051】
最上流の画像形成部と最下流の画像形成部によって形成されたパッチ201の色ずれ量(第1の色ずれ量)が色レジセンサ28で検知される(ステップS103)。
【0052】
ステップS103は、第1の画像形成手段により、最上流の画像形成部に形成されたベルトすべり検知用の第1のパッチと最下流の画像形成部に形成されたベルトすべり検知用の第2のパッチの第1の色ずれ量を検知する第1の検知手段として機能する。
【0053】
その検知された色ずれ量は図示しないメモリに記憶される(ステップS104)。ステップS104は、第1の検知手段で検知された第1の色ずれ量を記憶する記憶手段として機能する。
【0054】
次に、中間転写ベルト8に対して第2回目の画像形成が行われる(ステップS105)。第2回目の画像形成は、出力画像の直後に行われる。ステップS105は、記憶手段の記憶後に第2回目の画像形成動作を行う第2の画像形成手段として機能する。
【0055】
最上流の画像形成部と最下流の画像形成部によって形成されたパッチ201の色ずれ量(第2の色ずれ量)が色レジセンサ28で検知される(ステップS106)。
【0056】
ステップS106は、第2の画像形成手段により、最上流の画像形成部に形成された第1のパッチと最下流の画像形成部に形成された第2のパッチの第2の色ずれ量を検知する第2の検知手段として機能する。
【0057】
第1の色ずれ量と第2の色ずれ量を比較し、その色ずれ量の変動値が許容値以下であるかどうかを判断する(ステップS107)。
【0058】
ステップS107は、第1の色ずれ量と第2の色ずれ量を比較し、その色ずれ量の変動値が許容値以下であるかどうかを判断する判断手段として機能する。
【0059】
許容値以下であれば、出力画像が残っているかどうかの判断を更に行い(ステップS108)、残っていればステップS104に分岐し、残っていなければ本処理は終了する。
【0060】
また、ステップS107の判断で、色ずれ量の変動値が許容値よりも大きければベルトすべりを判断するためのフラグをオンにして(ステップS109)、本処理を終了する。
【0061】
ステップS109は、判断手段により色ずれ量の変動値が許容値を超えていると判断された場合にベルトすべりが発生したと認定する認定手段として機能する。
【0062】
そして、認定手段によりベルトすべりが発生したと認定された場合に中間転写ベルト上の出力画像を全て破棄し、再び画像形成を行う。
【0063】
図8は、図7のベルトすべり検知処理に基づく画像形成処理の手順を示すフローチャートである。
【0064】
本処理は、図3における制御部301の制御の下に実行される。
【0065】
画像形成動作が開始されると、図8のフローが開始され、出力画像の順番を示す変数Nを1にする。また、先端パッチを形成するかどうかの判断に用いるトップフラグをオンにする(ステップS201)。
【0066】
まず、トップフラグがオンかどうかの判断を行い(ステップS202)、オンであれば、ベルトすべり検知用の先端パッチを形成し、トップフラグをオフにする(ステップS203)。次に、記録紙Sに出力すべきN番目の画像形成を行う(ステップS204)。
【0067】
その後、ベルトすべり検知用の後端パッチを形成する(ステップS205)。その後、図7のフローでベルトすべりが検知されるかどうかで分岐が変わる(ステップS206)。
【0068】
ベルトすべりを検知した場合は、即ち、図7のフラグがオンであった場合は、現在画像形成している画像の一つ前の画像を再形成するために、Nをデクリメントし、トップフラグをオンにする(ステップS207)。
【0069】
また、ベルトすべりを検知しなかった場合は、次の画像形成をするためにNをインクリメントする(ステップS208)。
【0070】
次に、全ての出力画像を画像形成したかどうかの判断を行い(ステップS209)、出力していなければステップS202に分岐し、全ての出力画像を全て画像形成した場合は次のステップS210に分岐する。
【0071】
全ての出力画像を画像形成した後は、後端パッチによってベルトすべりが発生しているかどうかを判断するために、後端パッチを検知するまで待機する(ステップS210)。
【0072】
ここで、ステップS211でベルトすべりが発生していないと判断された場合は、即ち、図7のフラグがオフの場合は、そのまま画像形成の終了として動作を終了する。また、ベルトすべりが発生した場合は、再度画像形成をするためにステップステップS212に分岐する。
【0073】
最終画像でベルトすべりが発生した場合も同じようにNをデクリメントし、トップフラグをオンにして、ステップステップS202に移行する(ステップS212)。
【0074】
ここでは、最上流の画像形成部と最下流の画像形成部の間に1記録紙分の画像形成しかできない場合についてのフローチャートを示すが、複数枚であっても不良画像まで順序を戻して画像形成を再開するフローにすれば同じように対応できる。
【0075】
以上、ベルトすべりを検知することによって色ずれが発生している画像が特定でき、この画像を排除することが可能となり、出力画像の出力補償を行うことができる。
【0076】
また、本実施の形態のように、ベルトすべりによって発生した不良画像と出力順序を守るために生じる不要画像を2次転写しない構成ではなく、ベルトすべりのすべり量と色ずれ量によって警告に留めるように選択できるような構成であってもよい。
【0077】
更に、連続してベルトすべりを検知する場合は、事前にベルトすべりが発生するタイミングを予想して画像形成しない構成にしてもよい。また、すべり量の許容値はユーザが設定できるような構成であってもよい。
【0078】
本発明の画像形成装置は、像担持体(感光ドラム2)に画像を形成する画像形成手段(帯電器3、レーザー走査ユニット4、現像ユニット5等)と、像担持体に形成された画像を記録媒体に転写する転写手段(中間転写ベルト8)を備える。また、転写手段により記録媒体に画像を転写させる制御手段(制御部301)を備える。また、像担持体に形成された画像を検知する検知手段(色レジセンサ28)を備える。
【0079】
制御手段は、検知手段の検知結果に基づいて記録媒体に画像を転写させるか否かを制御する。更に、制御手段は、像担持体に形成される画像の上流側の位置に第1の基準画像(ステップS102)と該画像の下流側の位置に第2の基準画像(ステップS105)を画像形成手段により形成させ、第1の基準画像と第2の基準画像を検知手段により検知させる。
【0080】
また、制御手段は、第1の基準画像を検知した時の検知手段の出力信号と第2の基準画像を検知した時の検知手段の出力信号とに基づいて像担持体に形成された画像を記録媒体に転写させるか否かを決定する。
【0081】
また、制御手段は、第1の基準画像を検知した時の検知手段の出力信号と第2の基準画像を検知した時の検知手段の出力信号とに基づく値が所定値より小さい場合に、像担持体に形成された画像を記録媒体に転写させる。
【0082】
また、制御手段は、第1の基準画像を検知した時の検知手段の出力信号と第2の基準画像を検知した時の検知手段の出力信号とに基づく値が所定値以上の場合に、像担持体に形成された画像を記録媒体に転写させない。
【0083】
制御手段は、像担持体に形成された画像を記録媒体に転写させないことを決定した場合、再度、画像形成手段により像担持体に画像を形成させる。
【0084】
また、画像形成手段は、第1の画像形成部(ステップS102)と第2の画像形成部(ステップS105)とを有し、制御手段は、第1の画像形成部と第2の画像形成部により第1の基準画像と第2の基準画像を形成させる。
【0085】
第1の画像形成部により形成された第1の基準画像と第2の画像形成部により形成された第1の基準画像とを検知した時に第1の出力信号が得られる。また、第1の画像形成部により形成された第2の基準画像と第2の画像形成部により形成された第2の基準画像とを検知した時に第2の出力信号が得られる。そして、両信号の差が所定値より小さい場合に、像担持体に形成された画像を記録媒体に転写させる。
【0086】
また、第1の出力信号と第2の出力信号との差が所定値以上の場合に、像担持体に形成された画像を記録媒体に転写させない。
【0087】
制御手段は、像担持体に形成された画像を記録媒体に転写させないことを決定した場合、再度、画像形成手段により像担持体に画像を形成させる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の全体構成図である。
【図2】図1における色レジセンサ周辺の概略構成図である。
【図3】図1の画像形成装置における色ずれ(ベルトすべり)量検知部のブロック図である。
【図4】図2におけるパッチが重なっているときの色ずれ量の検知の様子を示す図である。
【図5】図2におけるパッチが重なっていないときの色ずれ量の検知の様子を示す図である。
【図6】図3の色ずれ量検知部において、パッチN+1によってベルトすべり(色ずれ量)を検知した瞬間のトナー画像を示す図である。
【図7】図3の色ずれ(ベルトすべり)量検知部によって実行されるベルトすべり検知処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】図7のベルトすべり検知処理に基づく画像形成処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0089】
1 プリンタ本体
2 感光ドラム
8 中間転写ベルト
28 色レジセンサ
201 パッチ
301 制御部
302 D/A変換部
303 A/D変換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体に画像を形成する画像形成手段と、
前記像担持体に形成された画像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記転写手段により前記記録媒体に画像を転写させる制御手段と、
前記像担持体に形成された画像を検知する検知手段と、を備え、
前記制御手段は、前記検知手段の検知結果に基づいて前記記録媒体に画像を転写させるか否かを制御し、
更に、前記制御手段は、前記像担持体に形成される画像の上流側の位置に第1の基準画像と該画像の下流側の位置に第2の基準画像を前記画像形成手段により形成させ、前記第1の基準画像と前記第2の基準画像を前記検知手段により検知させ、前記第1の基準画像を検知した時の前記検知手段の出力信号と前記第2の基準画像を検知した時の前記検知手段の出力信号とに基づいて前記像担持体に形成された画像を前記記録媒体に転写させるか否かを決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1の基準画像を検知した時の前記検知手段の出力信号と前記第2の基準画像を検知した時の前記検知手段の出力信号とに基づく値が所定値より小さい場合に、前記像担持体に形成された画像を前記記録媒体に転写させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1の基準画像を検知した時の前記検知手段の出力信号と前記第2の基準画像を検知した時の前記検知手段の出力信号とに基づく値が所定値以上の場合に、前記像担持体に形成された画像を前記記録媒体に転写させないことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記像担持体に形成された画像を前記記録媒体に転写させないことを決定した場合、再度、前記画像形成手段により像担持体に画像を形成させることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成手段は、第1の画像形成部と第2の画像形成部とを有し、
前記制御手段は、前記第1の画像形成部と前記第2の画像形成部により前記第1の基準画像と前記第2の基準画像を形成させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1の画像形成部により形成された前記第1の基準画像と前記第2の画像形成部により形成された前記第1の基準画像とを検知した時に得られる第1の出力信号と、前記第1の画像形成部により形成された前記第2の基準画像と前記第2の画像形成部により形成された前記第2の基準画像とを検知した時に得られる第2の出力信号との差が所定値より小さい場合に、前記像担持体に形成された画像を前記記録媒体に転写させることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1の出力信号と前記第2の出力信号との差が所定値以上の場合に、前記像担持体に形成された画像を前記記録媒体に転写させないことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記像担持体に形成された画像を前記記録媒体に転写させないことを決定した場合、再度、前記画像形成手段により像担持体に画像を形成させることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−210877(P2009−210877A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−54704(P2008−54704)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】