説明

画像形成装置

【課題】内部にある駆動機構等の発熱部品を効率的に冷却や排気ができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100が印刷動作にはいると、搬送駆動モータ211が起動し、ギア212aを回転駆動する。搬送駆動モータ211の回転駆動は、ギア212aとギア212bを介して、駆動軸213に伝達される。駆動軸213の回転はカップリング215aと215bを介して駆動軸230bに伝達され、搬送ローラ12aを回転させる。これと共に、駆動機構ユニット210のカバー217内にあるシロッコファン214が回転し、左から右への空気流を形成する。吸入口222から吸入された空気は、隔壁231に導かれてシロッコファン214に達し、回転するシロッコファン214により排出口223より排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンター、FAXなどの画像形成装置に関し、特に発熱部分を冷却する機構を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、複写機、プリンター、FAXなどの画像形成装置は、用紙搬送のためのモータ、クラッチなどの駆動機構を有し、これらが発熱する。また、装置本体内部深くにもレーザスキャンユニット(LSU)や回路基板などの発熱する部材が設置されており、更には定着装置において高温で用紙にトナーを定着させる構造も有しており、装置内部が過昇温状態とならないようこれらの部材を冷却するよう空気流を形成する必要がある。
【0003】
ところが、画像形成装置の小型化に伴い、部材の周囲にさまざまな機構部品や電気部品が配置されているため、内部空間に余裕が無く、空気流が通過するための空間の形成が困難になっている。
【0004】
そこで、後述する特許文献1では、加熱定着された用紙を冷却するために、用紙反転用の駆動機構により駆動される駆動軸の回転に伴って回転駆動する空気流動手段を設けたものが記載されている。上述の駆動機構、空気流動手段と、用紙を反転する搬送路が、ハウジング内に収容され、この空気流動手段が軸方向に空気を流動することによって、ハウジング内を搬送されている用紙を冷却する。こうして、駆動軸の回転により空気流動手段も回転して空気を流動するので、別途冷却ファンを配設する必要がなく、そのためのスペースが不要で、しかも消費電力の増加を抑制することができる。
【特許文献1】特開2000−247522号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1は、画像形成装置の用紙を冷却するものであるが、本体内部には、熱を発生する部分が数多くある。例えば、駆動機構自体、レーザスキャニングユニット(LSU)、回路基板などの発熱する部材が設置されている。従って、これらの部品・部材の熱により過昇温状態とならないよう冷却用の空気流を形成する必要があるが、特許文献1にはこの点に関して何ら記載されていない。また、画像形成を行うためのプロセスユニットにおいて、オゾンが発生して感光体ドラム等を劣化させる問題があり、別途排気機構を設ける必要もある。
【0006】
近年、画像形成装置の小型化に伴い、部材の周囲にさまざまな機構部品や電気部品が配置されているため、さらに内部空間に余裕が無く、空気流が通過するための空間の形成が困難になっているが、こうしたなかで冷却機構を設ける必要がある。
【0007】
本発明は、斯かる実情に鑑み、内部にある駆動機構等の発熱部品を効率的に冷却や排気ができる画像形成装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、駆動軸を回転駆動する駆動機構と、該駆動機構を収容するカバーとを有する駆動機構ユニットを備えた画像形成装置であって、
前記カバー内には、さらに空気流形成手段が前記駆動軸に同軸に取り付けられて設けられ、前記カバーには空気の吸入口と排出口が設けられ、前記空気流形成手段は、前記カバーの内部を換気ダクトとして空気流を形成することを特徴とする。
【0009】
また、前記画像形成装置において、駆動機構は電磁駆動部品を含むことを特徴する。
【0010】
また、前記画像形成装置において、前記カバー内には、前記吸入口から吸気された空気が前記駆動機構の周囲を流れて前記排出口へ達するように、隔壁が設けられていることを特徴とする。
【0011】
また、前記画像形成装置において、前記駆動機構は用紙搬送ローラを駆動する駆動軸を駆動することを特徴とする。
【0012】
また、前記画像形成装置において、前記駆動機構ユニットの外部にある発熱部品から前記吸入口へ導く空気流経路が設けられていることを特徴とする。特に、この発熱部品はレーザスキャナユニットである。また、前記空気流経路中に冷却ファンが設けられていることを特徴とする。
【0013】
また、前記画像形成装置において、駆動機構は現像を行うプロセスユニットの駆動軸を駆動し、前記吸入口は帯電器近傍の空気を吸気することを特徴とする。
【0014】
また、前記画像形成装置において、画像形成時以外でも前記駆動機構を動作させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、駆動機構を外装するカバーをダクトとし、駆動機構による駆動軸の回転を用いて空気流形成手段を回転させて空気流を形成するため、カバーの内部空間を有効に活用しながら空気流の形成が可能であり、効率よく冷却することができる。
【0016】
前記カバー内には、前記吸入口から吸気された空気が前記駆動機構の周囲を流れて前記排出口へ達するように、隔壁が設けられているので、さらに効率的に冷却することができる。
【0017】
また、本発明によれば、前記駆動機構ユニットの外部にある発熱部品から前記吸入口へ導く空気流経路が設けられているので、前記駆動機構ユニットの外部にある発熱部品も効率的に冷却できる。これに冷却ファンを設けると、さらに効率的に冷却できる。
【0018】
また本発明によれば、駆動機構は現像を行うプロセスユニットの駆動軸を駆動し、前記吸入口は帯電器近傍の空気を吸気するので、オゾン排気のためのダクトなど排気機構を別途設ける必要が無く、画像形成装置を小型化できる。
【0019】
また本発明によれば、画像形成時以外でも前記駆動機構を動作させるので、待機中や画像形成終了後においても冷却や排気処理を行うことができ、さらに効果的に冷却やオゾン排気ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0021】
<画像形成装置の構造>
図1に、本発明が実施される画像形成装置100の概要を示す。
画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、所定のシート(記録用紙)に対して多色及び単色の画像を形成するもので、装置本体110と、自動原稿処理装置120とにより構成されている。装置本体110は、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、中間転写ベルトユニット6、定着ユニット7、給紙カセット81、排紙トレイ91等を有して構成されている。
【0022】
装置本体110の上部には、原稿が載置される透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられ、原稿載置台92の上側には自動原稿処理装置120が取り付けられている。自動原稿処理装置120は、原稿載置台92の上に自動で原稿を搬送する。また原稿処理装置120は矢印M方向に回動自在に構成され、原稿載置台92の上を開放することにより原稿を手置きで置くことができるようになっている。
【0023】
本画像形成装置において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。従って、画像を形成するためのプロセスユニットである現像器2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローに設定され、これらによって4つの画像ステーションが構成されている。
【0024】
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すようなチャージャ型の他、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器が用いられることもある。
【0025】
露光ユニット1は、本発明に関わる画像書込み装置に該当するものであり、レーザ出射部及び反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成される。露光ユニット1は、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3に導くためのレンズやミラー等の光学要素が配置されている。露光ユニット1を構成する光走査装置の構成は、後述して具体的に説明する。また露光ユニット1としては、この他発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書込みヘッドを用いる手法も採用できる。
【0026】
露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。現像器2はそれぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を4色(YMCK)のトナーにより顕像化するものである。またクリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去・回収する。
【0027】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、中間転写ローラ64、及び中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。上記中間転写ローラ64は、YMCK用の各色に対応して4本設けられている。
【0028】
中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、及び中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を張架して回転駆動させる。また各中間転写ローラ64は、感光体ドラム3のトナー像を、中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスを与える。
【0029】
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている、そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト61に順次的に重ねて転写することによって、中間転写ベルト61上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する機能を有している。中間転写ベルト61は、例えば厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0030】
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64によって行われる。中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ64は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施形態では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
【0031】
上述の様に各感光体ドラム3上で各色相に応じて顕像化された静電像は中間転写ベルト61で積層される。このように、積層された画像情報は中間転写ベルト61の回転によって、後述の用紙と中間転写ベルト61の接触位置に配置される転写ローラ10によって用紙上に転写される。
【0032】
このとき、中間転写ベルト61と転写ローラ10は所定ニップで圧接されると共に、転写ローラ10にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ10は上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ10もしくは前記中間転写ベルト駆動ローラ62の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等々)が用いられる。
【0033】
また、上記のように、感光体ドラム3に接触することにより中間転写ベルト61に付着したトナー、もしくは転写ローラ10によって用紙上に転写が行われず中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去・回収されるように設定されている。中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト61は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ63で支持されている。
【0034】
給紙カセット81は、画像形成に使用するシート(記録用紙)を蓄積しておくためのトレイであり、装置本体110の露光ユニット1の下側に設けられている。また手差し給紙カセット82にも画像形成に使用するシートを置くことができる。また、装置本体110の上方に設けられている排紙トレイ91は、印刷済みのシートをフェイスダウンで集積するためのトレイである。
【0035】
また装置本体110には、給紙カセット81及び手差し給紙カセット82のシートを転写ローラ10や定着ユニット7を経由させて排紙トレイ91に送るための、略垂直形状の用紙搬送路Sが設けられている。給紙カセット81ないし手差し給紙カセット82から排紙トレイ91までの用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a〜12d,レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7等が配されている。
【0036】
搬送ローラ12a〜12dは、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。またピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。同様にまたピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット82からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
【0037】
また、レジストローラ13は、用紙搬送路Sを搬送されているシートを一旦保持するものである。そして、感光体ドラム3上のトナー像の先端とシートの先端を合わせるタイミングでシートを転写ローラ10に搬送する機能を有している。
【0038】
定着ユニット7は、ヒートローラ71及び加圧ローラ72を備えており、ヒートローラ71及び加圧ローラ72は、シートを挟んで回転するようになっている。またヒートローラ71は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御部によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ72とともにトナーをシートに熱圧着することにより、シートに転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、シートに対して熱定着させる機能を有している。またヒートローラ71を外部から加熱するための外部加熱ベルト73が設けられている。
【0039】
次にシート搬送経路を詳細に説明する。上述のように、画像形成装置には予めシートを収納する給紙カセット81、及び手差し給紙カセット82が設けられている。これら給紙カセット81,82からシートを給紙するために、各々ピックアップローラ11a,11bが配置され、シートを1枚ずつ搬送路Sに導くようになっている。
【0040】
各給紙カセット81,82から搬送されるシートは用紙搬送路Sの搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送され、シートの先端と中間転写ベルト61上の画像情報の先端を整合するタイミングで転写ローラ10に搬送され、シート上に画像情報が書き込まれる。その後、シートは定着ユニット7を通過することによってシート上の未定着トナーが熱で溶融・固着され、その後に配された搬送ローラ12bを経て排紙トレイ91上に排出される。
【0041】
上記の搬送経路は、シートに対する片面印字要求のときのものであるが、これに対して両面印字要求の時は、上記のように片面印字が終了し定着ユニット7を通過したシートの後端が最終の搬送ローラ12bで把持されたときに、搬送ローラ12bが逆回転することによってシートを搬送ローラ12c,12dに導く。そしてその後レジストローラ13を経てシート裏面に印字が行われた後にシートが排紙トレイ91に排出される。
【0042】
LSU1及び回路基板151を冷却するよう図面左から右方向に空気流を形成する冷却ファン201が設けられている。冷却ファン201はモータと羽根を有している。冷却ファン201の形成する空気流がLSU1と冷却ファン201の間に空気流経路(一点鎖線)202を形成している。この空気流通経路202の先には、搬送ローラ12aの駆動機構を冷却する冷却機構が設けられている。
【0043】
<第1の実施形態>
図2は、本発明の画像形成装置における駆動機構ユニットの第1の実施形態の構造を示す構成図である。
画像形成装置100には、搬送ローラ12aを駆動する駆動機構ユニット210が設けられている。駆動機構ユニット210は、搬送駆動モータ211、ギア212a,212b、駆動軸213、空気流形成手段であるシロッコファン214、カップリング215a、取付部216、カバー217を備える。カバー217は、搬送駆動モータ211、ギア212a,212b、シロッコファン214を覆うように形成されている。
【0044】
ギア212aは、搬送駆動モータ211に接続され、駆動軸213には、ギア212b、シロッコファン214、カップリング215aが同軸で回転するように取り付けられている。そしてギア212aとギア212bとは歯合しており、搬送駆動モータ211の回転駆動を駆動軸213に伝達するようになっている。特に、搬送駆動モータ211、ギア212a,212b、駆動軸213を駆動機構225と呼ぶ。
【0045】
図3は、取付部216によって駆動機構ユニット210を画像形成装置本体に取り付ける場合の説明図である。取付部216は、その一端がカバー217の外側側壁に取り付けられており、他端が画像形成装置本体のフレーム221に着脱可能に取り付けられる。カバー217の取付部216側の側壁には空気の吸入口222、相対する側壁には空気の排出口223が設けられている。こうして、シロッコファン214によりカバー212の内部は換気ダクトとして空気流を形成する。
【0046】
搬送ローラ12aが同軸で取り付けられている駆動軸230の駆動機構ユニット210側の端部にはカップリング215bが取り付けられている。図3に示すように、取付部216をフレーム221に取り付けた場合、同時にカップリング215aとカップリング215bが結合して駆動軸213の回転が駆動軸230に伝達されるようになる。
【0047】
LSU1の発熱原因は主にポリゴンミラーを駆動するポリゴンモータが発熱源なので、印刷時に温度が上昇する。また、LSU1の下部にある回路基板151も発熱限であり温度が上昇する。従って、図1及び図2に示すように、LSU1から吸入口222へ到達するまでに設けられた空気流経路(一点鎖線)202の中間に冷却ファン201が設けられており、空気流通経路202上のフレーム221には開口部226が設けられている。こうして、LSU1及び回路基板151により暖められた空気を吸入口222へ導き、印刷時に駆動軸213の回転駆動によりシロッコファン214が回転駆動して空気流を形成し、カバー217内の空気を排出口223から排出する。
【0048】
図4は、シロッコファン214の構造を示す図である。
シロッコファン214は、空気流形成手段としての機能を果たし、駆動軸213に取り付ける円板233と、その円板233上に軸心から外周に向けて板状フィン232が立設されている。駆動軸213の回転とともにシロッコファン214が回転すると、軸心付近から空気を吸入して円周方向に排出する。カバー217内では、空気を吸入口222から吸入し、シロッコファン214の軸心から外側に向けて排出された空気は排出口から排出される。このとき、空気流が吸入口222から排出口223に導かれるように、駆動機構225の下部に隔壁231を設けている。
【0049】
次に冷却動作について説明する。
画像形成装置100が印刷動作にはいると、搬送駆動モータ211が起動し、ギア212aを回転駆動する。搬送駆動モータ211の回転駆動は、ギア212aとギア212bを介して、駆動軸213に伝達される。駆動軸213の回転はカップリング215aと215bを介して駆動軸230bに伝達され、搬送ローラ12aを回転させる。これと共に、駆動機構ユニット210のカバー217内にあるシロッコファン214が回転し、図2に示すように、左から右への空気流を形成する。吸入口222から吸入された空気は、隔壁231に導かれてシロッコファン214に達し、回転するシロッコファン214によりフィン232に沿って、円板233の軸心から外周へ向けて排出される。隔壁231は、シロッコファン214とギア212bの外縁に沿って駆動軸213に平行に形成されているので、シロッコファン214に押し出された空気は、カバー217の下部方向に流れることなく、カバー217の上部に形成されている排出口223へ向かって流れる。
【0050】
このとき空気は、搬送駆動モータ211の周囲を流れ、搬送駆動モータ211の発熱により加熱された空気を排出口223から排出して、搬送駆動モータ211を冷却する。
【0051】
一方、冷却ファン201も起動し、LSU1と回路基板151により暖められた空気を空気流通経路202に沿ってフレーム221の開口部226から吸入口222へ送り込む。空気流通経路202は、冷却ファン201により形成された空気の流れ道であり、隔壁等で区切られている訳ではないので、暖められた空気は、適度に周囲の空気と混じり拡散しながら吸入口222へ達する。吸入口222に達した空気は、上述したように、シロッコファン214の空気流により排出口223から排出される。
【0052】
こうして、駆動軸の回転にて空気流形成手段であるシロッコファン214を駆動するので、別途にシロッコファン214に対して回転駆動装置を設ける必要が無く、省スペースで且つ消費電力も抑えることができる。発熱する駆動機構のみを覆うようにカバーを形成し、しかもその内部にシロッコファン214を設けたので、カバー自体がダクトとなって効率的に暖められた空気を排気できる。
【0053】
さらにこの駆動機構ユニット210の外にも冷却ファン201を設け、LSU1や回路基板151からの空気も駆動機構ユニット210を通して排気するので、画像形成装置内の過昇温状態も効率的に抑えることができる。
【0054】
なお、冷却ファンを設けない場合は、LSU1や回路基板151からの空気を開口部226を経由して吸入口222へ導く空気流通経路202を考える必要がある。各部品の配置を工夫することにより、空気を開口部226を経由して吸入口222へ導く空気流通経路202を設定する。
【0055】
<第2の実施形態>
図5に本発明の駆動機構ユニットの第2の実施形態を示す。図5に示す冷却対象の駆動機構ユニット310は、基本的には図2の駆動機構ユニット210の構成と同じである。異なるのは、他の搬送ローラ12を駆動可能なように駆動軸とカップリングを複数設けており、電磁クラッチを含んでいる点である。
【0056】
駆動機構ユニット310は、搬送駆動モータ311、ギア312a,312b,312c、駆動軸313a,313b、空気流形成手段であるシロッコファン314、カップリング315a,318a、取付部316、カバー317、電磁クラッチ319を備える。カバー317は、搬送駆動モータ311、ギア312a,312b,312c、シロッコファン314、カップリング315a,318a、電磁クラッチ319を覆うように形成されている。
【0057】
ギア312aは搬送駆動モータ311に回転駆動可能に接続され、駆動軸313aには、ギア312b、シロッコファン314、カップリング315aが同軸で回転するように取り付けられている。また、駆動軸313bには、ギア312c、電磁クラッチ319、カップリング318aが同軸で回転するように取り付けられている。そしてギア312aとギア312bとが歯合し、ギア312aとギア312cとが歯合して、搬送駆動モータ311の回転駆動を駆動軸313a,313bに伝達するようになっている。
【0058】
カップリング315a,318aは、それぞれ搬送ローラを回転させる駆動軸に設けられたカップリングに結合して、搬送ローラの駆動軸に回転を伝達する。搬送駆動モータ311が回転している間は、駆動軸313aは常に回転してカップリング315aを回転させる。ところが、駆動軸313bに取り付けた電磁クラッチ319は、駆動軸313bの回転をON/OFFできる。これにより、カップリング318aに結合する搬送ローラの回転をON/OFFできる。
【0059】
搬送駆動モータ311が回転している間は、シロッコファン314も回転して駆動軸313aの回転により、吸入口322から空気を吸入して排出口323から空気を排出する。この空気の流れは、基本的に図2と同じであるので詳しい説明は省略する。こうして、この空気の流れによって電磁クラッチ319の発熱による暖かい空気を排出でき、電磁クラッチ319も冷却できる。
【0060】
こうして電磁クラッチなどの発熱部材があっても、第1の実施形態と同様に効率的に冷却することができる。
【0061】
<第3の実施形態>
図6は、本発明の画像形成装置における空気流形成機構の第3の実施形態の構造を示す構成図である。駆動機構ユニット210は、図2と同じ構造なので、同一符号を付し、詳しい説明は省略する。駆動軸230により回転駆動されるのは、感光体ドラム3である。感光体ドラム3の近傍には、感光体ドラム表面を所定の電位に均一に帯電させる帯電器5が設けられている。
【0062】
帯電器5は、プロセス印刷ユニットの感光体ドラム3に電荷を付与する為に、高圧電源を利用し電圧印加を行っている。この時、電界発生部(チャージー線部、針電極の針部等々)からオゾンが発生することは良く知られている。
【0063】
オゾンは、人体、並びに環境に悪影響を与えるだけでなく、画像形成装置に配置された感光体の感光層にダメージを与える。このため、画像形成装置の使用履歴によって経時的に適正な電圧の付与が出来なくなり、感光体の局所的に電界の不均一性を招来し“印字ボケ”や“感度不良”と呼ばれる不具合を起すという問題が生じている。
【0064】
そこで、第3の実施形態においては、このオゾンの排気のために駆動機構ユニット210を用いる。フレーム221の開口部226が帯電器5の近傍に配置される。画像形成プロセル時には、感光体ドラム3が駆動機構225の駆動により回転駆動され、同時にシロッコファン214が駆動されて、空気の流れが生じる。帯電器5から開口部226までに空気流通経路402が形成され、帯電器5により発生したオゾンは、図2で説明したように、空気流通経路402から開口部226、吸入口222を通り、排出口223から装置外部へ排出される。オゾンフィルタが、開口部226、吸入口222、排出口223の少なくともいずれかに配置され、排気空気が所定環境基準を満足する状態で排気されるようにしている。
【0065】
上記実施形態においては、いずれも画像形成時に駆動機構を駆動して冷却や排気を行っているが、画像形成時以外のタイミング(例えば待機中や画像形成終了後)でも、駆動機構225を駆動して冷却や排気を行うように制御してもよい。例えば、冷却においては、待機中であっても、所定時間経過した場合、一定時間だけ駆動機構を駆動して冷却を行う。また、オゾン排気においては、画像形成後も行って時間だけ駆動機構を駆動し続けることにより完全にオゾンを排気する。
【0066】
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。駆動機構の発熱部品はモータや電磁クラッチなどの電磁駆動部品でもよいし、それ以外の発熱部品や部材でもよい。また、駆動機構は、用紙搬送機構に限るものでもない。また、空気流形成手段は、上記シロッコファンの構成に限るものではなく、駆動軸の回転により空気流を形成するものであればよい。第3の実施形態では、駆動機構に接続するのは感光体ドラムであるが、プロセスユニットにおいて回転駆動するものであれば、感光体ドラムに限るものではない。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明が実施される画像形成装置100の概要を示す構成図である。
【図2】本発明の画像形成装置における駆動機構ユニットの第1の実施形態の構造を示す構成図である。
【図3】取付部によって駆動機構ユニットを画像形成装置本体に取り付ける場合の説明図である。
【図4】シロッコファンの構造を示す図である。
【図5】本発明の画像形成装置における駆動機構ユニットの第1の実施形態の主要構造を示す構成図である。
【図6】本発明の画像形成装置における駆動機構ユニットの第3の実施形態の構造を示す構成図である。
【符号の説明】
【0068】
1 露光ユニット
12a,12b,12c,12d 搬送ローラ
100 画像形成装置
110 装置本体
120 自動原稿処理装置
151 回路基板
201 冷却ファン
202 空気流通経路
210 駆動機構ユニット
211 搬送駆動モータ
212 カバー
212a,212b ギア
213 駆動軸
214 シロッコファン
215a カップリング
215b カップリング
216 取付部
217 カバー
221 フレーム
222 吸入口
223 排出口
225 駆動機構
226 開口部
230 駆動軸
230b 駆動軸
231 隔壁
233 円板
232 板状フィン
310 駆動機構ユニット
311 搬送駆動モータ
312a,312b,312c ギア
313a,313b 駆動軸
314 シロッコファン
315a,318a カップリング
316 取付部
317 カバー
319 電磁クラッチ
322 吸入口
323 排出口
402 空気流通経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動軸を回転駆動する駆動機構と、該駆動機構を収容するカバーとを有する駆動機構ユニットを備えた画像形成装置であって、
前記カバー内には、さらに空気流形成手段が前記駆動軸に同軸に取り付けられて設けられ、前記カバーには空気の吸入口と排出口が設けられ、前記空気流形成手段は、前記カバーの内部を換気ダクトとして空気流を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、前記駆動機構は電磁駆動部品を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記カバー内には、前記吸入口から吸気された空気が前記駆動機構の周囲を流れて前記排出口へ達するように、隔壁が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1、2又は3に記載の画像形成装置において、前記駆動機構は用紙搬送ローラを駆動する駆動軸を駆動することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記駆動機構ユニットの外部にある発熱部品から前記吸入口へ導く空気流経路が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置において、前記発熱部品はレーザスキャナユニットであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の画像形成装置において、前記空気流経路中に冷却ファンが設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1、2又は3に記載の画像形成装置において、前記駆動機構は現像を行うプロセスユニットの駆動軸を駆動し、前記吸入口は帯電器近傍の空気を吸気することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成装置において、画像形成時以外でも前記駆動機構を動作させることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−107694(P2010−107694A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−279222(P2008−279222)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】