画像形成装置
【課題】定着部を通過したシートの温度が高い場合でも、光沢ムラの発生を抑えることのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成部で形成された後、シートに転写されたトナー像をシートに定着させる定着部のシート搬送方向下流側に下ガイド9を設け、定着部によってトナー像が定着されたシートを案内する。そして、この下ガイド9に、定着部から搬送されるシートを下ガイド9から離間した状態で通過させる小ガイド13を設け、この小ガイド13と下ガイド9との間に断熱部を構成する空隙C1を設ける。
【解決手段】画像形成部で形成された後、シートに転写されたトナー像をシートに定着させる定着部のシート搬送方向下流側に下ガイド9を設け、定着部によってトナー像が定着されたシートを案内する。そして、この下ガイド9に、定着部から搬送されるシートを下ガイド9から離間した状態で通過させる小ガイド13を設け、この小ガイド13と下ガイド9との間に断熱部を構成する空隙C1を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に定着部のシート搬送方向下流側に設けられ、トナー像が定着されたシートを案内するガイド部材の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機やプリンタ等の画像形成装置においては、電子写真方式により画像を形成するものがある。このような画像形成装置では、シートに画像を形成する場合は、まず画像形成部においてトナー像を形成し、このトナー像を転写部によりシートに転写した後、シートを定着部に導くようにしている。
【0003】
そして、この定着部において、シート上の未定着トナーをシートに定着させるようにしている。なお、このような定着部として、定着ローラと加圧ローラとを備え、定着ローラ及び加圧ローラによって熱と圧力を同時にシートに加えることにより、トナー像をシートに定着させる熱圧定着方式の定着部がある。
【0004】
ところで、近年、画像形成装置にあっては、高速化、高画質化と共にカラー化が進められている。ここで、カラー化により形成されるカラー画像の特徴、すなわちカラープリントの特徴として、写真やグラフィックをプリントする際に、平滑度の高い専用の光沢シートを使用した、高画質で光沢度の高いプリント画質が挙げられる。
【0005】
一般に光沢度の高い画質を得るには、定着部において、光沢シートに転写されたトナー像を定着させるのに十分な加熱を行う必要がある。つまり、光沢シートに転写されたトナー像を定着させる場合には、通常使用されるシートよりも高い温度でトナーを十分に溶解する必要がある。
【0006】
しかしながら、定着部において高い温度で定着されたシートは、当然冷却されるのも遅くなるため、トナーのガラス転移温度以上の温度を保ったまま、定着部の下流に位置するシート搬送ローラ等に接触する。この時、シート搬送ローラ等との接触部のみが、局所的にトナーのガラス転移温度以下まで冷却されるため、光沢ムラが発生する。
【0007】
これを防止するために、従来、例えば定着部のシート搬送方向下流の、定着済のトナーが軟らかい状態にある領域に均しローラを配置し、この均しローラにより定着済のトナーが軟らかい状態にあるシートを搬送するようにしたものがある(特許文献1参照)。ここで、この均しローラは、シートの幅方向全域に渡ってシートと加圧接触しながらシートを搬送するため、シートの画像領域全域が均一に冷却され、光沢ムラを発生すること無くシートを搬送することができる。
【0008】
また、光沢ムラの発生を防止するため、定着部の下流側に設けられた排出ローラとして、シートをローラ間に挟みこんでシートを幅方向に波打たせ、いわゆる腰を付けて良好な排出性能を維持しつつ、ローラ外周層に弾性層を施したものがある(特許文献2参照)。そして、このような排出ローラでは、ローラ外周層であるローラの表層を、例えば発泡シリコンゴムの弾性層で形成するようにしている。
【0009】
ここで、発泡シリコンゴムの弾性層の場合、ゴム発泡工程において多数の気泡による小孔がローラ表面に生じると共に、シートを排出する際、このローラ表面の小孔がシートのトナー面及び裏面と接触する。この場合、ローラのシートとの接触面積が小さくなり、またローラ自体の熱容量が小さいことから、ローラのトナー面から奪う熱量が小さくなり、光沢ムラの発生を抑えることができる。
【0010】
ところで、従来の画像形成装置において、近年のデジタル化や複合化に伴い、例えば画像形成装置本体の上方に画像読取装置を配し、画像形成装置本体と画像読取装置との間の空間にシートを排出する、いわゆる胴内排出方式のものがある。さらに、このような胴内排出方式の画像形成装置において、画像形成後のシートを排紙トレイへ搬送する中継搬送装置を、定着部の下流側の胴内排出空間に配置するようにしている。
【0011】
ここで、このような中継搬送装置においては、シートの種類に応じて中継搬送装置のシート通過時間を変えて搬送するように構成したものがある(特許文献3参照)。例えば、光沢シートが搬送されて来た場合には、このシートを中継搬送装置内で一旦停止させて冷却することによって確実にトナー像を固形化し、この後、シートを搬送することにより、光沢ムラの発生を防止するようにしている。
【0012】
【特許文献1】特開2003−195663号公報
【特許文献2】特開2008−030892号公報
【特許文献3】特開2007−062970号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、このような従来の画像形成装置において、均しローラや外周層に弾性層を施したローラを用いた場合、シートがローラを通過する際の光沢ムラの発生を抑えることはできる。しかし、ローラのシート搬送方向上流側にはシートをローラに案内するためのガイド部材が設けられ、またローラのシート搬送方向下流側にはローラにより送り出されるシートを案内するためのガイド部材が設けられている。
【0014】
ここで、ローラの近傍において、ジャムを防止するためシートとガイド部材とは接触せざるを得ず、このようにシートがガイド部材と接触すると、接触部における熱伝達により、局所的にトナー像が冷却されてしまい、接触部で光沢ムラが発生する。
【0015】
また、均しローラを用いた場合、トナー面を均一に均すことはできるが、一般的に金属シャフトにゴムの弾性層を形成したローラの場合、熱容量が小さく、シート自体の冷却効果は十分ではない。このため、均しローラを通過する際、トナー面は均一に均されるが、トナーは依然として高い温度を保つようになることから、ローラの下流のガイド部材にシートが接触すると、シートに光沢ムラが発生してしまう可能性がある。このように、均しローラや外周層に弾性層を施したローラを用いることにより、ローラを通過する際の光沢ムラの発生を防ぐことはできるが、ガイド部材における光沢ムラの発生を防ぐことはできない。
【0016】
また、中継搬送装置内で一旦シートを停止させて冷却することによってトナーを固形化させる場合、十分な冷却時間が必要である。しかし、近年の画像形成装置は小型化のため、定着部と排出ローラや中継搬送装置は近接して配置される傾向にあり、シートが十分に冷却されない状態で排出ローラや中継搬送装置に搬送されてしまう。
【0017】
さらに、高速化に伴い定着部からシートに付与される熱量は増加する傾向にあり、画像形成装置の小型化と併せて、定着部下流のシートの温度は、より一層高くなる傾向にある。このため、シートのトナーを十分に冷却するためには長時間停止する必要があるが、このように長時間停止させた場合には、スループットが低下する。
【0018】
そこで、本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、定着部を通過したシートの温度が高い場合でも、光沢ムラの発生を抑えることのできる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、トナー像を形成する画像形成部と、前記画像形成部で形成された後、シートに転写されたトナー像をシートに定着させる定着部と、を備えた画像形成装置において、前記定着部のシート搬送方向下流に設けられ、前記定着部によってトナー像が定着されたシートを案内するガイド部材と、前記ガイド部材に突設され、前記定着部から搬送されるシートを前記ガイド部材から離間した状態で通過させる断熱性を有するシート接触部と、を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明のように、定着部からのシートを、断熱性を有するシート接触部によってガイド部材から離間した状態で通過させることにより、定着部を通過したシートの温度が高い場合でも、光沢ムラの発生を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるフルカラーレーザープリンタの斜視図、図2は、その概略構成を示す図である。
【0023】
図1及び2において、1はフルカラーレーザービームプリンタ、1Aはフルカラーレーザービームプリンタ本体(以下、プリンタ本体という)である。1Bはトナー像を形成する画像形成部、2はシートSを画像形成部1Bへと給送するシート給送装置、22は定着部を構成する定着装置である。
【0024】
また、3はプリンタ本体1Aの上方に略水平に設置された画像読取装置、5はプリンタ本体1Aから画像形成済のシートSを受け取り、排紙トレイ4まで搬送するシート搬送装置である中継搬送装置である。この中継搬送装置5は画像形成装置本体であるプリンタ本体1Aの上面と、上部装置である画像読取装置3との間の空間Gに配置されている。
【0025】
画像形成部1Bは、4ドラムフルカラー方式のものであり、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の4色のトナー画像を形成する4個のプロセスカートリッジ14(14Y、14M、14C、14K)を着脱可能に備えている。なお、このプロセスカートリッジ14は、不図示の感光体ドラム、感光体ドラムに所定の電圧を印加して帯電させる帯電手段、感光体ドラム上に形成された潜像にトナーを付着させて現像するための現像手段等を備えている。また、画像形成部1Bは、レーザスキャナ15(15YM,15CK)と、プロセスカートリッジ14の上方に配された中間転写ユニット16を備えている。
【0026】
中間転写ユニット16は、駆動ローラ16b及びテンションローラ16cに巻き掛けられた中間転写ベルト16aを備えている。また、中間転写ユニット16は、中間転写ベルト16aの内側に設けられ、プロセスカートリッジ14に設けられた不図示の感光体ドラムに対向した位置で中間転写ベルト16aに当接する1次転写ローラ16dを備えている。
【0027】
ここで、中間転写ベルト16aは、フィルム状部材で構成されると共に各感光体ドラムに接するように配置され、不図示の駆動部により駆動される駆動ローラ16bにより矢印方向に回転するようになっている。そして、この中間転写ベルト16aに1次転写ローラ16dによって正極性の転写バイアスを印加することにより、感光体ドラム上の負極性を持つ各色トナー像が順次中間転写ベルト16aに多重転写される。これにより、中間転写ベルト上にはフルカラー画像が形成される。
【0028】
なお、中間転写ユニット16の駆動ローラ16bと対向する位置には、中間転写ベルト上に形成されたフルカラー画像をシートSに転写する2次転写部を構成する2次転写ローラ20が設けられている。
【0029】
さらに、この2次転写ローラ20の上部に定着装置22が配置され、この定着装置22の左上部には排出ローラ対24及び両面反転部1Cが配置されている。そして、この両面反転部1Cは、正逆転可能な反転ローラ対26及び一面に画像が形成されたシートを再度、画像形成部1Bに搬送する再搬送通路R3等が設けられている。
【0030】
次に、このように構成されたフルカラーレーザービームプリンタ1の画像形成動作について説明する。
【0031】
まず、原稿の画像情報を画像読取装置3によって読み取ると、この画像情報は画像処理された後、電気信号に変換されて画像形成部1Bのレーザスキャナ15に伝送される。なお、画像情報は不図示のパソコン等の外部機器から画像形成部1Bに入力される場合もある。
【0032】
そして、画像形成部1Bでは、感光体ドラムの表面をレーザスキャナ15から射出された画像情報に対応するレーザ光により走査し、表面が所定の極性・電位に一様に帯電されている感光体ドラムの表面を順次露光して感光体ドラム上に静電潜像を形成する。この後、この静電潜像をトナーにより現像し、可視化する。
【0033】
例えば、まずプロセスカートリッジ14Yの感光体ドラムに、レーザスキャナ15Yからイエロー成分色の画像信号によるレーザ光を照射し、感光体ドラム上にイエローの静電潜像を形成する。そして、このイエローの静電潜像を、現像器からのイエロートナーにより現像し、イエロートナー像として可視化する。
【0034】
次に、このイエロートナー像が感光体ドラムの回転に伴って感光体ドラムと中間転写ベルト16aとが当接する1次転写部に到来すると、1次転写ローラ16dに印加した1次転写バイアスにより、イエロートナー像が中間転写ベルト16aに転写される。
【0035】
次に、中間転写ベルト16aのイエロートナー像を担持した部位が移動すると、このときまでに上記と同様な方法でプロセスカートリッジ14Mの感光体ドラム上に形成されたマゼンタトナー像がイエロートナー像上から中間転写ベルト16aに転写される。同様に、中間転写ベルト16aが移動するにつれて、それぞれ1次転写部においてシアントナー像、ブラックトナー像が、イエロートナー像、マゼンタトナー像上に重ね合わせて転写される。これにより、中間転写ベルト16a上にフルカラートナー画像が形成される。
【0036】
また、このトナー画像形成動作に並行して不図示の給紙カセットに収容されたシートSがピックアップローラ17により送り出され、このシートSは、フィード・リタードローラ対18により1枚ずつに分離されてレジストローラ対19まで搬送される。そして、このレジストローラ対19により斜行が補正されると共に、2次転写部で中間転写ベルト上のフルカラートナー像とシートSの位置を合わせるように2次転写部まで搬送される。この後、2次転写部にて、2次転写ローラ20に印加した2次転写バイアスにより、フルカラートナー像がシートS上に一括して転写される。なお、このとき、シートSに二次転写されなかった廃トナーは、中間転写ベルト上に備えたクリーニング手段としてのクリーニング装置21により回収される。
【0037】
次に、このようにフルカラートナー像が転写されたシートSは、定着装置22に搬送され、この定着装置22において熱及び圧力を受けて各色のトナーが溶融混色し、シートSにフルカラーの画像として定着される。この後、画像が定着されたシートSは、定着装置22の下流に設けられた排出ローラ対24によって中継搬送装置5に搬送される。
【0038】
次に、シートSは、中継搬送装置5の上部に略水平に設けられた排紙搬送路R1を通過し、この排紙搬送路R1に設けられた第1搬送ローラ対10、第2搬送ローラ対11、中継排出ローラ対12により排紙トレイ4に画像形成面を下にして排出される。
【0039】
ところで、本実施の形態のフルカラーレーザービームプリンタ1は、シートの両面に画像を形成することができるようになっている。そして、シートの両面に画像を形成する場合、片面(一面)に画像が形成されたシートは、定着装置22を通過した後、切替部材30及び反転ローラ対26により、画像読取装置3と中継搬送装置5の間に設置された再搬送通路である反転搬送路R2に導入される。
【0040】
次に、シートSの後端が定着装置22を通過すると、所定のタイミングで反転ローラ対26が逆転すると共に切替部材30が回動し、これによりシートSは、反転して再搬送通路R3に搬送される。この後、再搬送通路R3に設けられた第1再給紙ローラ対31及び第2再給紙ローラ対32により、その搬送方向を上下反転して再びレジストローラ対19へと搬送される。そして、再度裏面に対する画像形成及び定着がなされ、この後、排紙搬送路R1を通過して排紙トレイ4に受け渡される。
【0041】
ところで、画像読取装置3は、画像読取装置本体3aと、その上方に配置され、画像読取装置本体背面側に不図示のヒンジを介して開閉可能に設けられた自動原稿給送装置3bとにより構成されている。また、この画像読取装置2は、プリンタ本体正面側が開口するよう設置されている。
【0042】
一方、画像読取装置本体3aの下面には、図3に示す中継搬送装置5の上面を構成する上ガイド8と共に開閉可能な反転搬送路R2を構成する反転上ガイド6が一体的に形成されている。そして、この反転上ガイド6の、矢印D1に示すシート搬送方向の略中央部には画像読取装置3の回動時の補強部材も兼ねたガイド板金7がシート搬送方向と直交する形で設置されている。つまり、反転搬送路R2は、画像読取装置3の反転上ガイド6、ガイド板金7及び中継搬送装置5の上ガイド8の上面により形成される。
【0043】
また、定着装置22のシート搬送方向下流に位置する中継搬送装置5は、図4に示すように上面が反転搬送路R2の下面を構成する上ガイド8と、上ガイド8と共に開閉可能なシート搬送路である排出搬送路R1を構成する下ガイド9とを備えている。なお、上ガイド8は、反転上ガイド6及びガイド板金7と対をなすガイド形状を具備すると共に、下ガイド9に対して、下ガイド9に設けられた後述する図5に示す回動軸9aを中心に開閉回動可能となっている。このように、中継搬送装置5は、上ガイド8と下ガイド9とを、排出トレイ4へ搬送する排出搬送路で分割して開閉可能であり、画像読取装置3と同様、プリンタ本体正面側が開口するよう設置されている。また、このように構成にすることによって、中継搬送装置全体の高さを低くすることが可能であり、ひいては中継搬送装置全体の小型化が可能である。
【0044】
ところで、上ガイド8の下面及び下ガイド9の上面には、シート搬送方向上流からそれぞれ第1搬送ローラ対10、第2搬送ローラ対11及び中継排出ローラ対12を構成するローラ10a〜12a,10b〜12bが配置されている。
【0045】
さらに、定着装置22の近傍となる第1搬送ローラ対10の下流には、シート搬送方向と直交する幅方向に複数ヶ所、本実施の形態においては3ヶ所に渡って下ガイド9とは別体のシート接触部を構成する小ガイド13が突設されている。即ち、定着装置22からのシートをガイド(案内)するガイド部材である下ガイド9のシート搬送方向上流側部分には、3つの小ガイド13が幅方向に設けられている。
【0046】
また、本実施の形態において、第1搬送ローラ対10、第2搬送ローラ対11は、図5に示すように、シートSの幅方向略全域Wに渡ってニップNを形成することができるような幅方向の長さLを有する全幅ローラ構成となっている。なお、この第1搬送ローラ対10、第2搬送ローラ対11は、ローラシャフト上に弾性体ゴムを圧入もしくは接着したゴムローラ同士によってニップNを形成しており、ニップNによってシートSを挟持搬送するようになっている。
【0047】
そして、第1及び第2搬送ローラ対10,11を、このように構成することにより、シートが中継搬送装置5に搬送されたとしても、シート上のトナー像が全域に渡って均される。このため、トナー像の温度がガラス転移温度より高い状態でシートが中継搬送装置5に搬送されたとしても、第1及び第2搬送ローラ対10,11による光沢ムラは発生しない。
【0048】
なお、本実施の形態において、中継排出ローラ対12を構成する各ローラ12a,12bは、図6に示すように幅方向でシートSに交互に接し、シートSを波打ち状態とすることにより、カールを避けた搬送(排出)を可能にしている。このため、中継排出ローラ対12は、蹴り出しローラとして排出トレイ(図1参照)へシートSを積載することができる。
【0049】
さらに、中継排出ローラ対12を構成する各ローラ12a,12bは、耐熱性を有する柔軟な発泡シリコンゴムで形成されており、金型成型時に形成されるスキン層を研磨処理にて除去している。これにより、各ローラ表面には発泡時に生じた多数の気泡による小孔が露出している。そして、このようなローラ表面の小孔がシートのトナー面及び裏面と接触することにより、既述したように中継排出ローラ対12によってトナー像が冷却されることが無く、光沢ムラが発生することは無い。
【0050】
ところで、図7に示すように、小ガイド13のシートと当接する上面、即ちシート接触面25は、中継搬送装置5内の下ガイド9のガイド面9bに設けられたリブ9cに対して高さH1だけ突出している。ここで、このシート接触面25の高さH1は、定着装置22から搬送されるシートを、下ガイド9のリブ9cから離間した状態で通過させることができるような高さに設定している。
【0051】
これにより、排出搬送路R1のシート搬送方向上流側部分を通過する際、シートSは小ガイド13とのみ接触しながら、言い換えれば下ガイド9のシート搬送方向上流側部分から離間した状態で下ガイド9を通過する。なお、この小ガイド13のシート搬送方向上流側にはシートがひっかかることなく小ガイド13を通過するように、テーパ面13aが形成されている。
【0052】
ここで、この小ガイド13は、下ガイド9に対して体積が十分小さいため熱容量も小さく、下ガイド9と比較して、より早く温度を高めることが可能である。また、この小ガイド13のシート接触面25は所定の大きさの面でシートSと接触するため、シートSとの接触面圧を低く設定できる。これにより、排出搬送路R1を通過する際、シートSが小ガイド13のシート接触面25に接触してもトナー像の光沢ムラは発生しない。
【0053】
なお、図8は下ガイド9とは別体の、例えば下ガイド9よりも熱容量が小さく温まりやすい材料で形成された小ガイド13を下ガイド9に取り付けたときの状態を示す図である。そして、本実施の形態においては、図8に示すように下ガイド9と小ガイド13の間には断熱部を構成する空隙C1を設けている。また、下ガイド9と小ガイド13の接触箇所は下流係止部26及び上流係止部27のみとしている。
【0054】
これにより、小ガイド13に蓄積された熱の大部分は、一旦、空隙C1中の空気に伝達され、その後、空気から下ガイド9に伝達される。このとき、熱の伝達効率は非常に小さいため、小ガイド13に蓄積された熱は、下ガイド9に奪われることがない。この結果、小ガイド13は高温に保たれ、シート接触面25はトナー像を冷却しないため、光沢ムラは発生しない。
【0055】
このように、下ガイド9に、シートを下ガイド9から離間した状態で通過させる小ガイド13を設けることにより、シートは小ガイド13のみと接触するようになるため、下ガイド9から熱を奪われることはない。さらに、小ガイド13と下ガイド9との間に空隙C1を設けることにより小ガイド13の断熱性が高まり、この結果、小ガイド13に蓄積された熱が下ガイド9に奪われることがなく、小ガイド13の温度を高い状態で維持することができる。
【0056】
なお、本実施の形態においては、小ガイド13の熱容量を、下ガイド9の熱容量に対して小さくしたので、下ガイド9と比較して小ガイド13の温度をより早く高めることができるようにしている。この結果、小ガイド13の温度の上昇を速くすることができ、フルカラーレーザービームプリンタ1のプリント動作初期から、小ガイド13を高温にすることができる。
【0057】
このように、下ガイド9に断熱性を有する小ガイド13を設け、この小ガイド13によってシートを下ガイド9から離間した状態で通過させることにより、定着装置22を通過したシートの温度が高い場合でも、光沢ムラの発生を抑えることができる。そして、このようにシートに接触する下ガイド9による光沢ムラを抑えることにより、良好な画像を得ることができる。
【0058】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0059】
図9は本実施の形態に係る画像形成装置に設けられる中継搬送装置の構成を説明する斜視図である。なお、図9において、図4と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
【0060】
図9において、28は第1搬送ローラ対10の下流に、シートの幅方向3ヶ所に渡って、下ガイド9と一体で形成され、シート接触部を構成する小ガイドである。ここで、この小ガイド28は、下ガイド9に対して体積が十分小さいため、熱容量が小さく、このため下ガイド9と比較してより早く温度を高めることができる。
【0061】
また、図10に示すように、小ガイド28のシートと当接する上面、即ちシート接触面29は、中継搬送装置5内の下ガイド9のリブ9cに対して高さH2だけ突出している。ここで、このシート接触面25の高さH2は、定着装置22から搬送されるシートを、下ガイド9のリブ9cから離間した状態で通過させることができるような高さに設定している。これにより、排出搬送路R1を通過する際、シートSは小ガイド28とのみ接触し、下ガイド9と接触することは無い。
【0062】
また、この小ガイド28のシート接触面29は所定の大きさの面でシートSと接触するため、シートSとの接触面圧を低く設定できる。これにより、排出搬送路R1を通過する際、シートSが小ガイド28のシート接触面29に接触してもトナー像の光沢ムラは発生しない。
【0063】
なお、本実施の形態においては、図11に示すように小ガイド28の下方には断熱部を構成する空隙C2を設けている。また、下ガイド9と小ガイド28の接触箇所はリブ根元30のみである。
【0064】
これにより、小ガイド13に蓄積された熱の大部分は、一旦、空隙C2中の空気に伝達され、その後、空気から下ガイド9に伝達される。このとき、熱の伝達効率は非常に小さいため、小ガイド28に蓄積された熱は、下ガイド9に奪われることがない。この結果、小ガイド28は高温に保たれ、シート接触面29はトナー像を冷却しないため、光沢ムラは発生しない。したがって、本実施の形態のように、下ガイド9に小ガイド28を一体に設けることによっても、既述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるフルカラーレーザープリンタの斜視図。
【図2】上記フルカラーレーザープリンタの概略構成を示す図。
【図3】上記フルカラーレーザープリンタに設けられた中継搬送装置の構成を説明する第1の斜視図。
【図4】上記中継搬送装置の構成を説明する第2の斜視図。
【図5】上記中継搬送装置に設けられた第1及び第2搬送ローラ対の構成を説明する斜視図。
【図6】上記中継搬送装置に設けられた中継排出ローラ対の構成を説明する斜視図。
【図7】上記中継搬送装置に設けられた小ガイドの構成を説明する斜視図。
【図8】上記小ガイドを下ガイドに取り付けたときの状態を示す断面図。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置に設けられる中継搬送装置の構成を説明する斜視図。
【図10】上記中継搬送装置に設けられた小ガイドの構成を説明する斜視図。
【図11】上記小ガイドの構成を説明する断面図。
【符号の説明】
【0066】
1 フルカラーレーザービームプリンタ
1A フルカラーレーザービームプリンタ本体
1B 画像形成部
5 中継搬送装置
8 上ガイド
9 下ガイド
13 小ガイド
22 定着装置
25 小ガイドのシート接触面
28 小ガイド
29 小ガイドのシート接触面
C1 空隙
C2 空隙
R1 排紙搬送路
R2 反転搬送路
S シート
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に定着部のシート搬送方向下流側に設けられ、トナー像が定着されたシートを案内するガイド部材の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機やプリンタ等の画像形成装置においては、電子写真方式により画像を形成するものがある。このような画像形成装置では、シートに画像を形成する場合は、まず画像形成部においてトナー像を形成し、このトナー像を転写部によりシートに転写した後、シートを定着部に導くようにしている。
【0003】
そして、この定着部において、シート上の未定着トナーをシートに定着させるようにしている。なお、このような定着部として、定着ローラと加圧ローラとを備え、定着ローラ及び加圧ローラによって熱と圧力を同時にシートに加えることにより、トナー像をシートに定着させる熱圧定着方式の定着部がある。
【0004】
ところで、近年、画像形成装置にあっては、高速化、高画質化と共にカラー化が進められている。ここで、カラー化により形成されるカラー画像の特徴、すなわちカラープリントの特徴として、写真やグラフィックをプリントする際に、平滑度の高い専用の光沢シートを使用した、高画質で光沢度の高いプリント画質が挙げられる。
【0005】
一般に光沢度の高い画質を得るには、定着部において、光沢シートに転写されたトナー像を定着させるのに十分な加熱を行う必要がある。つまり、光沢シートに転写されたトナー像を定着させる場合には、通常使用されるシートよりも高い温度でトナーを十分に溶解する必要がある。
【0006】
しかしながら、定着部において高い温度で定着されたシートは、当然冷却されるのも遅くなるため、トナーのガラス転移温度以上の温度を保ったまま、定着部の下流に位置するシート搬送ローラ等に接触する。この時、シート搬送ローラ等との接触部のみが、局所的にトナーのガラス転移温度以下まで冷却されるため、光沢ムラが発生する。
【0007】
これを防止するために、従来、例えば定着部のシート搬送方向下流の、定着済のトナーが軟らかい状態にある領域に均しローラを配置し、この均しローラにより定着済のトナーが軟らかい状態にあるシートを搬送するようにしたものがある(特許文献1参照)。ここで、この均しローラは、シートの幅方向全域に渡ってシートと加圧接触しながらシートを搬送するため、シートの画像領域全域が均一に冷却され、光沢ムラを発生すること無くシートを搬送することができる。
【0008】
また、光沢ムラの発生を防止するため、定着部の下流側に設けられた排出ローラとして、シートをローラ間に挟みこんでシートを幅方向に波打たせ、いわゆる腰を付けて良好な排出性能を維持しつつ、ローラ外周層に弾性層を施したものがある(特許文献2参照)。そして、このような排出ローラでは、ローラ外周層であるローラの表層を、例えば発泡シリコンゴムの弾性層で形成するようにしている。
【0009】
ここで、発泡シリコンゴムの弾性層の場合、ゴム発泡工程において多数の気泡による小孔がローラ表面に生じると共に、シートを排出する際、このローラ表面の小孔がシートのトナー面及び裏面と接触する。この場合、ローラのシートとの接触面積が小さくなり、またローラ自体の熱容量が小さいことから、ローラのトナー面から奪う熱量が小さくなり、光沢ムラの発生を抑えることができる。
【0010】
ところで、従来の画像形成装置において、近年のデジタル化や複合化に伴い、例えば画像形成装置本体の上方に画像読取装置を配し、画像形成装置本体と画像読取装置との間の空間にシートを排出する、いわゆる胴内排出方式のものがある。さらに、このような胴内排出方式の画像形成装置において、画像形成後のシートを排紙トレイへ搬送する中継搬送装置を、定着部の下流側の胴内排出空間に配置するようにしている。
【0011】
ここで、このような中継搬送装置においては、シートの種類に応じて中継搬送装置のシート通過時間を変えて搬送するように構成したものがある(特許文献3参照)。例えば、光沢シートが搬送されて来た場合には、このシートを中継搬送装置内で一旦停止させて冷却することによって確実にトナー像を固形化し、この後、シートを搬送することにより、光沢ムラの発生を防止するようにしている。
【0012】
【特許文献1】特開2003−195663号公報
【特許文献2】特開2008−030892号公報
【特許文献3】特開2007−062970号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、このような従来の画像形成装置において、均しローラや外周層に弾性層を施したローラを用いた場合、シートがローラを通過する際の光沢ムラの発生を抑えることはできる。しかし、ローラのシート搬送方向上流側にはシートをローラに案内するためのガイド部材が設けられ、またローラのシート搬送方向下流側にはローラにより送り出されるシートを案内するためのガイド部材が設けられている。
【0014】
ここで、ローラの近傍において、ジャムを防止するためシートとガイド部材とは接触せざるを得ず、このようにシートがガイド部材と接触すると、接触部における熱伝達により、局所的にトナー像が冷却されてしまい、接触部で光沢ムラが発生する。
【0015】
また、均しローラを用いた場合、トナー面を均一に均すことはできるが、一般的に金属シャフトにゴムの弾性層を形成したローラの場合、熱容量が小さく、シート自体の冷却効果は十分ではない。このため、均しローラを通過する際、トナー面は均一に均されるが、トナーは依然として高い温度を保つようになることから、ローラの下流のガイド部材にシートが接触すると、シートに光沢ムラが発生してしまう可能性がある。このように、均しローラや外周層に弾性層を施したローラを用いることにより、ローラを通過する際の光沢ムラの発生を防ぐことはできるが、ガイド部材における光沢ムラの発生を防ぐことはできない。
【0016】
また、中継搬送装置内で一旦シートを停止させて冷却することによってトナーを固形化させる場合、十分な冷却時間が必要である。しかし、近年の画像形成装置は小型化のため、定着部と排出ローラや中継搬送装置は近接して配置される傾向にあり、シートが十分に冷却されない状態で排出ローラや中継搬送装置に搬送されてしまう。
【0017】
さらに、高速化に伴い定着部からシートに付与される熱量は増加する傾向にあり、画像形成装置の小型化と併せて、定着部下流のシートの温度は、より一層高くなる傾向にある。このため、シートのトナーを十分に冷却するためには長時間停止する必要があるが、このように長時間停止させた場合には、スループットが低下する。
【0018】
そこで、本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、定着部を通過したシートの温度が高い場合でも、光沢ムラの発生を抑えることのできる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、トナー像を形成する画像形成部と、前記画像形成部で形成された後、シートに転写されたトナー像をシートに定着させる定着部と、を備えた画像形成装置において、前記定着部のシート搬送方向下流に設けられ、前記定着部によってトナー像が定着されたシートを案内するガイド部材と、前記ガイド部材に突設され、前記定着部から搬送されるシートを前記ガイド部材から離間した状態で通過させる断熱性を有するシート接触部と、を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明のように、定着部からのシートを、断熱性を有するシート接触部によってガイド部材から離間した状態で通過させることにより、定着部を通過したシートの温度が高い場合でも、光沢ムラの発生を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるフルカラーレーザープリンタの斜視図、図2は、その概略構成を示す図である。
【0023】
図1及び2において、1はフルカラーレーザービームプリンタ、1Aはフルカラーレーザービームプリンタ本体(以下、プリンタ本体という)である。1Bはトナー像を形成する画像形成部、2はシートSを画像形成部1Bへと給送するシート給送装置、22は定着部を構成する定着装置である。
【0024】
また、3はプリンタ本体1Aの上方に略水平に設置された画像読取装置、5はプリンタ本体1Aから画像形成済のシートSを受け取り、排紙トレイ4まで搬送するシート搬送装置である中継搬送装置である。この中継搬送装置5は画像形成装置本体であるプリンタ本体1Aの上面と、上部装置である画像読取装置3との間の空間Gに配置されている。
【0025】
画像形成部1Bは、4ドラムフルカラー方式のものであり、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の4色のトナー画像を形成する4個のプロセスカートリッジ14(14Y、14M、14C、14K)を着脱可能に備えている。なお、このプロセスカートリッジ14は、不図示の感光体ドラム、感光体ドラムに所定の電圧を印加して帯電させる帯電手段、感光体ドラム上に形成された潜像にトナーを付着させて現像するための現像手段等を備えている。また、画像形成部1Bは、レーザスキャナ15(15YM,15CK)と、プロセスカートリッジ14の上方に配された中間転写ユニット16を備えている。
【0026】
中間転写ユニット16は、駆動ローラ16b及びテンションローラ16cに巻き掛けられた中間転写ベルト16aを備えている。また、中間転写ユニット16は、中間転写ベルト16aの内側に設けられ、プロセスカートリッジ14に設けられた不図示の感光体ドラムに対向した位置で中間転写ベルト16aに当接する1次転写ローラ16dを備えている。
【0027】
ここで、中間転写ベルト16aは、フィルム状部材で構成されると共に各感光体ドラムに接するように配置され、不図示の駆動部により駆動される駆動ローラ16bにより矢印方向に回転するようになっている。そして、この中間転写ベルト16aに1次転写ローラ16dによって正極性の転写バイアスを印加することにより、感光体ドラム上の負極性を持つ各色トナー像が順次中間転写ベルト16aに多重転写される。これにより、中間転写ベルト上にはフルカラー画像が形成される。
【0028】
なお、中間転写ユニット16の駆動ローラ16bと対向する位置には、中間転写ベルト上に形成されたフルカラー画像をシートSに転写する2次転写部を構成する2次転写ローラ20が設けられている。
【0029】
さらに、この2次転写ローラ20の上部に定着装置22が配置され、この定着装置22の左上部には排出ローラ対24及び両面反転部1Cが配置されている。そして、この両面反転部1Cは、正逆転可能な反転ローラ対26及び一面に画像が形成されたシートを再度、画像形成部1Bに搬送する再搬送通路R3等が設けられている。
【0030】
次に、このように構成されたフルカラーレーザービームプリンタ1の画像形成動作について説明する。
【0031】
まず、原稿の画像情報を画像読取装置3によって読み取ると、この画像情報は画像処理された後、電気信号に変換されて画像形成部1Bのレーザスキャナ15に伝送される。なお、画像情報は不図示のパソコン等の外部機器から画像形成部1Bに入力される場合もある。
【0032】
そして、画像形成部1Bでは、感光体ドラムの表面をレーザスキャナ15から射出された画像情報に対応するレーザ光により走査し、表面が所定の極性・電位に一様に帯電されている感光体ドラムの表面を順次露光して感光体ドラム上に静電潜像を形成する。この後、この静電潜像をトナーにより現像し、可視化する。
【0033】
例えば、まずプロセスカートリッジ14Yの感光体ドラムに、レーザスキャナ15Yからイエロー成分色の画像信号によるレーザ光を照射し、感光体ドラム上にイエローの静電潜像を形成する。そして、このイエローの静電潜像を、現像器からのイエロートナーにより現像し、イエロートナー像として可視化する。
【0034】
次に、このイエロートナー像が感光体ドラムの回転に伴って感光体ドラムと中間転写ベルト16aとが当接する1次転写部に到来すると、1次転写ローラ16dに印加した1次転写バイアスにより、イエロートナー像が中間転写ベルト16aに転写される。
【0035】
次に、中間転写ベルト16aのイエロートナー像を担持した部位が移動すると、このときまでに上記と同様な方法でプロセスカートリッジ14Mの感光体ドラム上に形成されたマゼンタトナー像がイエロートナー像上から中間転写ベルト16aに転写される。同様に、中間転写ベルト16aが移動するにつれて、それぞれ1次転写部においてシアントナー像、ブラックトナー像が、イエロートナー像、マゼンタトナー像上に重ね合わせて転写される。これにより、中間転写ベルト16a上にフルカラートナー画像が形成される。
【0036】
また、このトナー画像形成動作に並行して不図示の給紙カセットに収容されたシートSがピックアップローラ17により送り出され、このシートSは、フィード・リタードローラ対18により1枚ずつに分離されてレジストローラ対19まで搬送される。そして、このレジストローラ対19により斜行が補正されると共に、2次転写部で中間転写ベルト上のフルカラートナー像とシートSの位置を合わせるように2次転写部まで搬送される。この後、2次転写部にて、2次転写ローラ20に印加した2次転写バイアスにより、フルカラートナー像がシートS上に一括して転写される。なお、このとき、シートSに二次転写されなかった廃トナーは、中間転写ベルト上に備えたクリーニング手段としてのクリーニング装置21により回収される。
【0037】
次に、このようにフルカラートナー像が転写されたシートSは、定着装置22に搬送され、この定着装置22において熱及び圧力を受けて各色のトナーが溶融混色し、シートSにフルカラーの画像として定着される。この後、画像が定着されたシートSは、定着装置22の下流に設けられた排出ローラ対24によって中継搬送装置5に搬送される。
【0038】
次に、シートSは、中継搬送装置5の上部に略水平に設けられた排紙搬送路R1を通過し、この排紙搬送路R1に設けられた第1搬送ローラ対10、第2搬送ローラ対11、中継排出ローラ対12により排紙トレイ4に画像形成面を下にして排出される。
【0039】
ところで、本実施の形態のフルカラーレーザービームプリンタ1は、シートの両面に画像を形成することができるようになっている。そして、シートの両面に画像を形成する場合、片面(一面)に画像が形成されたシートは、定着装置22を通過した後、切替部材30及び反転ローラ対26により、画像読取装置3と中継搬送装置5の間に設置された再搬送通路である反転搬送路R2に導入される。
【0040】
次に、シートSの後端が定着装置22を通過すると、所定のタイミングで反転ローラ対26が逆転すると共に切替部材30が回動し、これによりシートSは、反転して再搬送通路R3に搬送される。この後、再搬送通路R3に設けられた第1再給紙ローラ対31及び第2再給紙ローラ対32により、その搬送方向を上下反転して再びレジストローラ対19へと搬送される。そして、再度裏面に対する画像形成及び定着がなされ、この後、排紙搬送路R1を通過して排紙トレイ4に受け渡される。
【0041】
ところで、画像読取装置3は、画像読取装置本体3aと、その上方に配置され、画像読取装置本体背面側に不図示のヒンジを介して開閉可能に設けられた自動原稿給送装置3bとにより構成されている。また、この画像読取装置2は、プリンタ本体正面側が開口するよう設置されている。
【0042】
一方、画像読取装置本体3aの下面には、図3に示す中継搬送装置5の上面を構成する上ガイド8と共に開閉可能な反転搬送路R2を構成する反転上ガイド6が一体的に形成されている。そして、この反転上ガイド6の、矢印D1に示すシート搬送方向の略中央部には画像読取装置3の回動時の補強部材も兼ねたガイド板金7がシート搬送方向と直交する形で設置されている。つまり、反転搬送路R2は、画像読取装置3の反転上ガイド6、ガイド板金7及び中継搬送装置5の上ガイド8の上面により形成される。
【0043】
また、定着装置22のシート搬送方向下流に位置する中継搬送装置5は、図4に示すように上面が反転搬送路R2の下面を構成する上ガイド8と、上ガイド8と共に開閉可能なシート搬送路である排出搬送路R1を構成する下ガイド9とを備えている。なお、上ガイド8は、反転上ガイド6及びガイド板金7と対をなすガイド形状を具備すると共に、下ガイド9に対して、下ガイド9に設けられた後述する図5に示す回動軸9aを中心に開閉回動可能となっている。このように、中継搬送装置5は、上ガイド8と下ガイド9とを、排出トレイ4へ搬送する排出搬送路で分割して開閉可能であり、画像読取装置3と同様、プリンタ本体正面側が開口するよう設置されている。また、このように構成にすることによって、中継搬送装置全体の高さを低くすることが可能であり、ひいては中継搬送装置全体の小型化が可能である。
【0044】
ところで、上ガイド8の下面及び下ガイド9の上面には、シート搬送方向上流からそれぞれ第1搬送ローラ対10、第2搬送ローラ対11及び中継排出ローラ対12を構成するローラ10a〜12a,10b〜12bが配置されている。
【0045】
さらに、定着装置22の近傍となる第1搬送ローラ対10の下流には、シート搬送方向と直交する幅方向に複数ヶ所、本実施の形態においては3ヶ所に渡って下ガイド9とは別体のシート接触部を構成する小ガイド13が突設されている。即ち、定着装置22からのシートをガイド(案内)するガイド部材である下ガイド9のシート搬送方向上流側部分には、3つの小ガイド13が幅方向に設けられている。
【0046】
また、本実施の形態において、第1搬送ローラ対10、第2搬送ローラ対11は、図5に示すように、シートSの幅方向略全域Wに渡ってニップNを形成することができるような幅方向の長さLを有する全幅ローラ構成となっている。なお、この第1搬送ローラ対10、第2搬送ローラ対11は、ローラシャフト上に弾性体ゴムを圧入もしくは接着したゴムローラ同士によってニップNを形成しており、ニップNによってシートSを挟持搬送するようになっている。
【0047】
そして、第1及び第2搬送ローラ対10,11を、このように構成することにより、シートが中継搬送装置5に搬送されたとしても、シート上のトナー像が全域に渡って均される。このため、トナー像の温度がガラス転移温度より高い状態でシートが中継搬送装置5に搬送されたとしても、第1及び第2搬送ローラ対10,11による光沢ムラは発生しない。
【0048】
なお、本実施の形態において、中継排出ローラ対12を構成する各ローラ12a,12bは、図6に示すように幅方向でシートSに交互に接し、シートSを波打ち状態とすることにより、カールを避けた搬送(排出)を可能にしている。このため、中継排出ローラ対12は、蹴り出しローラとして排出トレイ(図1参照)へシートSを積載することができる。
【0049】
さらに、中継排出ローラ対12を構成する各ローラ12a,12bは、耐熱性を有する柔軟な発泡シリコンゴムで形成されており、金型成型時に形成されるスキン層を研磨処理にて除去している。これにより、各ローラ表面には発泡時に生じた多数の気泡による小孔が露出している。そして、このようなローラ表面の小孔がシートのトナー面及び裏面と接触することにより、既述したように中継排出ローラ対12によってトナー像が冷却されることが無く、光沢ムラが発生することは無い。
【0050】
ところで、図7に示すように、小ガイド13のシートと当接する上面、即ちシート接触面25は、中継搬送装置5内の下ガイド9のガイド面9bに設けられたリブ9cに対して高さH1だけ突出している。ここで、このシート接触面25の高さH1は、定着装置22から搬送されるシートを、下ガイド9のリブ9cから離間した状態で通過させることができるような高さに設定している。
【0051】
これにより、排出搬送路R1のシート搬送方向上流側部分を通過する際、シートSは小ガイド13とのみ接触しながら、言い換えれば下ガイド9のシート搬送方向上流側部分から離間した状態で下ガイド9を通過する。なお、この小ガイド13のシート搬送方向上流側にはシートがひっかかることなく小ガイド13を通過するように、テーパ面13aが形成されている。
【0052】
ここで、この小ガイド13は、下ガイド9に対して体積が十分小さいため熱容量も小さく、下ガイド9と比較して、より早く温度を高めることが可能である。また、この小ガイド13のシート接触面25は所定の大きさの面でシートSと接触するため、シートSとの接触面圧を低く設定できる。これにより、排出搬送路R1を通過する際、シートSが小ガイド13のシート接触面25に接触してもトナー像の光沢ムラは発生しない。
【0053】
なお、図8は下ガイド9とは別体の、例えば下ガイド9よりも熱容量が小さく温まりやすい材料で形成された小ガイド13を下ガイド9に取り付けたときの状態を示す図である。そして、本実施の形態においては、図8に示すように下ガイド9と小ガイド13の間には断熱部を構成する空隙C1を設けている。また、下ガイド9と小ガイド13の接触箇所は下流係止部26及び上流係止部27のみとしている。
【0054】
これにより、小ガイド13に蓄積された熱の大部分は、一旦、空隙C1中の空気に伝達され、その後、空気から下ガイド9に伝達される。このとき、熱の伝達効率は非常に小さいため、小ガイド13に蓄積された熱は、下ガイド9に奪われることがない。この結果、小ガイド13は高温に保たれ、シート接触面25はトナー像を冷却しないため、光沢ムラは発生しない。
【0055】
このように、下ガイド9に、シートを下ガイド9から離間した状態で通過させる小ガイド13を設けることにより、シートは小ガイド13のみと接触するようになるため、下ガイド9から熱を奪われることはない。さらに、小ガイド13と下ガイド9との間に空隙C1を設けることにより小ガイド13の断熱性が高まり、この結果、小ガイド13に蓄積された熱が下ガイド9に奪われることがなく、小ガイド13の温度を高い状態で維持することができる。
【0056】
なお、本実施の形態においては、小ガイド13の熱容量を、下ガイド9の熱容量に対して小さくしたので、下ガイド9と比較して小ガイド13の温度をより早く高めることができるようにしている。この結果、小ガイド13の温度の上昇を速くすることができ、フルカラーレーザービームプリンタ1のプリント動作初期から、小ガイド13を高温にすることができる。
【0057】
このように、下ガイド9に断熱性を有する小ガイド13を設け、この小ガイド13によってシートを下ガイド9から離間した状態で通過させることにより、定着装置22を通過したシートの温度が高い場合でも、光沢ムラの発生を抑えることができる。そして、このようにシートに接触する下ガイド9による光沢ムラを抑えることにより、良好な画像を得ることができる。
【0058】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0059】
図9は本実施の形態に係る画像形成装置に設けられる中継搬送装置の構成を説明する斜視図である。なお、図9において、図4と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
【0060】
図9において、28は第1搬送ローラ対10の下流に、シートの幅方向3ヶ所に渡って、下ガイド9と一体で形成され、シート接触部を構成する小ガイドである。ここで、この小ガイド28は、下ガイド9に対して体積が十分小さいため、熱容量が小さく、このため下ガイド9と比較してより早く温度を高めることができる。
【0061】
また、図10に示すように、小ガイド28のシートと当接する上面、即ちシート接触面29は、中継搬送装置5内の下ガイド9のリブ9cに対して高さH2だけ突出している。ここで、このシート接触面25の高さH2は、定着装置22から搬送されるシートを、下ガイド9のリブ9cから離間した状態で通過させることができるような高さに設定している。これにより、排出搬送路R1を通過する際、シートSは小ガイド28とのみ接触し、下ガイド9と接触することは無い。
【0062】
また、この小ガイド28のシート接触面29は所定の大きさの面でシートSと接触するため、シートSとの接触面圧を低く設定できる。これにより、排出搬送路R1を通過する際、シートSが小ガイド28のシート接触面29に接触してもトナー像の光沢ムラは発生しない。
【0063】
なお、本実施の形態においては、図11に示すように小ガイド28の下方には断熱部を構成する空隙C2を設けている。また、下ガイド9と小ガイド28の接触箇所はリブ根元30のみである。
【0064】
これにより、小ガイド13に蓄積された熱の大部分は、一旦、空隙C2中の空気に伝達され、その後、空気から下ガイド9に伝達される。このとき、熱の伝達効率は非常に小さいため、小ガイド28に蓄積された熱は、下ガイド9に奪われることがない。この結果、小ガイド28は高温に保たれ、シート接触面29はトナー像を冷却しないため、光沢ムラは発生しない。したがって、本実施の形態のように、下ガイド9に小ガイド28を一体に設けることによっても、既述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるフルカラーレーザープリンタの斜視図。
【図2】上記フルカラーレーザープリンタの概略構成を示す図。
【図3】上記フルカラーレーザープリンタに設けられた中継搬送装置の構成を説明する第1の斜視図。
【図4】上記中継搬送装置の構成を説明する第2の斜視図。
【図5】上記中継搬送装置に設けられた第1及び第2搬送ローラ対の構成を説明する斜視図。
【図6】上記中継搬送装置に設けられた中継排出ローラ対の構成を説明する斜視図。
【図7】上記中継搬送装置に設けられた小ガイドの構成を説明する斜視図。
【図8】上記小ガイドを下ガイドに取り付けたときの状態を示す断面図。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置に設けられる中継搬送装置の構成を説明する斜視図。
【図10】上記中継搬送装置に設けられた小ガイドの構成を説明する斜視図。
【図11】上記小ガイドの構成を説明する断面図。
【符号の説明】
【0066】
1 フルカラーレーザービームプリンタ
1A フルカラーレーザービームプリンタ本体
1B 画像形成部
5 中継搬送装置
8 上ガイド
9 下ガイド
13 小ガイド
22 定着装置
25 小ガイドのシート接触面
28 小ガイド
29 小ガイドのシート接触面
C1 空隙
C2 空隙
R1 排紙搬送路
R2 反転搬送路
S シート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を形成する画像形成部と、前記画像形成部で形成された後、シートに転写されたトナー像をシートに定着させる定着部と、を備えた画像形成装置において、
前記定着部のシート搬送方向下流に設けられ、前記定着部によってトナー像が定着されたシートを案内するガイド部材と、
前記ガイド部材に突設され、前記定着部から搬送されるシートを前記ガイド部材から離間した状態で通過させる断熱性を有するシート接触部と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記シート接触部が断熱性を有するように前記シート接触部と前記ガイド部材との間に断熱部を設けたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記断熱部は、前記シート接触部と前記ガイド部材との間に設けた空隙であることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記シート接触部の熱容量を、前記ガイド部材の熱容量よりも小さくしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記シート接触部を、前記ガイド部材のシート搬送方向上流側部分に突設し、前記定着部から搬送されるシートを前記ガイド部材のシート搬送方向上流側部分から離間した状態で通過させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成部及び前記定着部を有する画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体と上部装置との間の空間に設けられ、一面に画像が形成されたシートを再度、前記画像形成部に搬送する再搬送通路を有するシート搬送装置と、を備え、
前記シート搬送装置の再搬送通路に、前記ガイド部材と、前記シート接触部と、前記断熱部を設けたことを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項1】
トナー像を形成する画像形成部と、前記画像形成部で形成された後、シートに転写されたトナー像をシートに定着させる定着部と、を備えた画像形成装置において、
前記定着部のシート搬送方向下流に設けられ、前記定着部によってトナー像が定着されたシートを案内するガイド部材と、
前記ガイド部材に突設され、前記定着部から搬送されるシートを前記ガイド部材から離間した状態で通過させる断熱性を有するシート接触部と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記シート接触部が断熱性を有するように前記シート接触部と前記ガイド部材との間に断熱部を設けたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記断熱部は、前記シート接触部と前記ガイド部材との間に設けた空隙であることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記シート接触部の熱容量を、前記ガイド部材の熱容量よりも小さくしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記シート接触部を、前記ガイド部材のシート搬送方向上流側部分に突設し、前記定着部から搬送されるシートを前記ガイド部材のシート搬送方向上流側部分から離間した状態で通過させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成部及び前記定着部を有する画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体と上部装置との間の空間に設けられ、一面に画像が形成されたシートを再度、前記画像形成部に搬送する再搬送通路を有するシート搬送装置と、を備え、
前記シート搬送装置の再搬送通路に、前記ガイド部材と、前記シート接触部と、前記断熱部を設けたことを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−175861(P2010−175861A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−18816(P2009−18816)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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