説明

画像形成装置

【課題】特定の送信者の場合に受信者にとって必要のない部分を削り、受信データを簡潔に印刷する。
【解決手段】画像形成装置は、オブジェクトが含まれたデータを受信するデータ受信部11と、前記受信データから、特定のオブジェクトデータを抽出するデータ抽出手段12,13と、規定された出力レイアウト構成ルールを記憶する記憶部15と、選択部16と、イメージ合成部17と、画像形成部18とを備えている。選択部16は、データ抽出手段12,13で抽出されたオブジェクトデータと、記憶部15に記憶された出力レイアウト構成ルールとを照合し、合致した出力レイアウトテンプレートを選択する。イメージ合成部17は、前記受信データを、選択部16にて選択された出力レイアウトテンプレートで整形し、印刷イメージを生成する。画像形成部18は、前記印刷イメージを印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信網を介して受信した電子メールを印刷する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネット等の通信網を介して通信を行うインターネットファクス装置のような画像形成装置は、例えば、下記の特許文献1に記載されているように、受信した電子メール(以下メールという)を印刷する場合、装置に内蔵された規定のレイアウトに従ってメールの内容を整形し、印刷するものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−14181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の画像形成装置では、メール内容の整形には装置内蔵の規定のフォーマットが適用されるため、メール毎にフォーマットの変更ができないので、メール受信者は改めて印刷する必要のない情報まで印刷するという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の画像形成装置は、テキスト・図形等のオブジェクトが含まれたデータを受信するデータ受信部と、前記データ受信部で受信された受信データから、特定のオブジェクトデータを抽出するデータ抽出手段と、規定された出力レイアウト構成ルールを予め記憶する出力レイアウト構成ルール記憶部と、前記データ抽出手段で抽出された前記オブジェクトデータと、前記出力レイアウト構成ルール記憶部に記憶された前記出力レイアウト構成ルールとを照合し、合致した出力レイアウトテンプレートを選択する出力レイアウト構成ルール選択部と、前記データ受信部で受信された前記受信データを、前記出力レイアウト構成ルール選択部にて選択された前記出力レイアウトテンプレートで整形し、印刷イメージを生成するイメージ合成部と、前記イメージ合成部にて生成された前記印刷イメージを印刷する画像形成部とを備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明の他の画像形成装置は、テキスト・図形等のオブジェクトが含まれたデータを受信するデータ受信部と、前記データ受信部で受信された受信データから、特定のオブジェクトデータを抽出するデータ抽出手段と、規定された出力フォーム構成ルールを予め記憶する出力フォーム構成ルール記憶部と、前記データ抽出手段で抽出された前記オブジェクトデータと前記出力フォーム構成ルール記憶部に記憶された前記出力フォーム構成ルールとを照合し、合致した出力フォームテンプレートを選択する出力フォーム構成ルール選択部と、前記データ受信部で受信された前記受信データを、前記出力フォーム構成ルール選択部にて選択された前記出力フォームテンプレートで整形し、印刷イメージを生成するイメージ合成部と、前記イメージ合成部にて生成された前記印刷イメージを印刷する画像形成部とを備えたことを特徴とする。
【0007】
前記データ抽出手段は、例えば、前記データ受信部で受信された前記受信データを解析して前記受信データに含まれている情報をオブジェクトとして抽出するデータ解析部と、前記データ解析部で抽出された前記オブジェクトから特定のオブジェクトデータを抽出するデータ抽出部とにより構成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の画像形成装置、及び本発明の他の画像形成装置によれば、受信データの内容に応じて文書全体のフォーマットを変更するようにしたので、特定の送信者の場合に受信者にとって必要のない部分を削り、受信データを簡潔に印刷させる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の実施例1における画像形成装置(例えば、インターネットファックス装置)を示す概略の構成図である。
【図2】図2は、図1の出力レイアウト構成ルール作成部にて規定された出力レイアウトテンプレートの例を示す図である。
【図3】図3は、図1の出力レイアウト構成ルール記憶部のテーブルの例を示す図である。
【図4−1】図4−1は、図1のインターネットファクス装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4−2】図4−2は、図1のデータ受信部にてメールを受信した時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】図5は、2通のメール文書からオブジェクトの抽出を行った例を示す図である。
【図6】図6は、画像形成部から出力された印刷結果の例を示す図である。
【図7】図7は、従来技術のメールの印刷結果の例を示す図である。
【図8】図8は、本発明の実施例2におけるインターネットファックス装置を示す概略の構成図である。
【図9】図9は、出力フォームテンプレートの例を示す図である。
【図10】図10は、出力フォーム構成ルール記憶部のテーブル例を示す図である。
【図11−1】図11−1は、図8のインターネットファクス装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図11−2】図11−2は、図8のデータ受信部にてメールを受信した時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】図12は、メール抽出結果の例を示す図である。
【図13】図13は、印刷結果の例を示す図である。
【図14】図14は、従来の印刷結果の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0011】
(実施例1の構成)
図1は、本発明の実施例1における画像形成装置(例えば、インターネットファックス装置)を示す概略の構成図である。図2は、図1の出力レイアウト構成ルール作成部にて規定された出力レイアウトテンプレートの例を示す図である。更に、図3は、図1の出力レイアウト構成ルール記憶部のテーブルの例を示す図である。
【0012】
このインターネットファクス装置10は、データ受信部11を有している。データ受信部11は、インターネットファクス装置10に搭載された図示しないLANインタフェースから、テキスト・図形データ等のオブジェクトが含まれたメールを受信するものであり、この出力側にデータ抽出手段が接続されている。データ抽出手段は、データ受信部11で受信された受信データから、特定のオブジェクトデータを抽出する機能を有し、例えば、データ解析部12とデータ抽出部13とにより構成されている。データ解析部12は、データ受信部11で受信したメールを解析し、このメールに含まれている情報をオブジェクトとして抽出するものである。例えば、メールヘッダにおいて、”From:Sender<hoge@hoge.ne.jp>”という文字列が含まれている場合、データ解析部12は、これを“From”と”sender<hoge@hoge.ne.jp>“という一対のオブジェクトとして抽出する。このデータ解析部12の出力側には、データ抽出部13が接続されている。
【0013】
データ抽出部13は、データ解析部12によって解析されたオブジェクトから必要なオブジェクトデータをキーと値として抽出するものである。メールの経由ルート、送信者、題名、日付、本文、添付ファイルをキーとし、その値をオブジェクトデータとする。例えば、“From”というキーと“sender<hoge@hoge.ne.jp>”という値を持ったオブジェクトをデータ抽出部13にて抽出すると、“送信者”がキーで、“Sender<hoge@hoge.ne.jp>”が値であるオブジェクトデータとして抽出する。
【0014】
インターネットファクス装置10には、出力レイアウト構成ルール作成部14が接続されている。出力レイアウト構成ルール作成部14は、例えば、表示部、キーボード、マウス等を持つパーソナルコンピュータ(以下「PC」という。)で構成され、このPC上のアプリケーションソフトから、メール印刷時に用いる整形用雛形となる出力レイアウトテンプレート20とそれが適用されるためのメールが持つオブジェクトのルール(即ち、出力レイアウト構成ルール)を規定し、図示しないローカル・エリア・ネットワーク(以下「LAN」という。)上の通信手段を用いてインターネットファクス装置10へ送信する機能を有している。
【0015】
本実施例1において、出力レイアウト構成ルール作成部14にて規定された出力レイアウトテンプレート20(例えば、20−1,20−2)は、図2に示されるように、例えば、ヘッダ、メイン、フッタに分かれた3つのテキストファイルで構成され、テキストファイル内のオブジェクトデータを挿入したい部分に、[日付][送信者][題名][本文][添付ファイルリスト]のように、[ ]内にデータ抽出部13で抽出するキー名を書いた文字列を挿入するようになっている。
【0016】
インターネットファクス装置10には、出力レイアウト構成ルール作成部14の出力側に接続された出力レイアウト構成ルール記憶部15が設けられている。出力レイアウト構成ルール記憶部15は、出力レイアウト構成ルール作成部14にて規定された出力レイアウトテンプレート20と、それが適用されるための出力レイアウト構成ルールを記憶しておくテーブルである。このテーブルの例が図3に示されている。このテーブルは、例えば、出力レイアウト構成ルールと出力レイアウトテンプレートとで1つのレコードとなっており、それに識別IDが自動的に付加されている。
【0017】
出力レイアウト構成ルール記憶部15とデータ抽出部13の出力側には、出力レイアウト構成ルール選択部16が接続されている。出力レイアウト構成ルール選択部16は、データ抽出部13で抽出されたオブジェクトと、出力レイアウト構成ルール記憶部15に記憶された出力レイアウト構成ルールとを照合し、合致した出力レイアウトテンプレートを選択するものである。出力レイアウト構成ルール記憶部15内のテーブルが図3のようなテーブルの例では、出力レイアウト構成ルールより、送信者が、田中、鈴木、伊藤であった場合は、出力レイアウトテンプレートにテンプレート20−1を用いる。送信者がその他の場合は、出力レイアウトテンプレートにテンプレート20−2を用いる。又、送信者の記載がない場合は、予め出力レイアウト構成ルール記憶部15内に用意されている例えば識別IDが0であるデフォルト(Default)テンプレートを出力レイアウトテンプレートに用いるようになっている。
【0018】
出力レイアウト構成ルール選択部16の出力側には、イメージ合成部17が接続されている。イメージ合成部17は、データ受信部11で受信したメールを、出力レイアウト構成ルール選択部16にて選択された出力レイアウトテンプレート20を使って整形し、印刷イメージを生成するものである。具体的には、出力レイアウトテンプレート20中のキー名の書かれたタグを、オブジェクトデータに置換し、印刷イメージを生成する。このイメージ合成部17の出力側には、画像形成部18が接続されている。画像形成部18は、イメージ合成部17で生成された印刷イメージを元に印刷を行うものである。
【0019】
(実施例1の動作)
本実施例1のインターネットファクス装置10における動作として、以下、(A)出力レイアウト構成ルール及び出力レイアウトテンプレート作成の動作と、(B)メール受信時の動作とを説明する。
【0020】
(A) 出力レイアウト構成ルール及び出力レイアウトテンプレート作成の動作
図4−1は、図1のインターネットファクス装置10における出力レイアウト構成ルール及び出力レイアウトテンプレート作成のための動作を説明するためのフローチャートである。
【0021】
図4−1の動作が開始されると(スタート)、ステップS1において、出力レイアウト構成ルール作成部14にて、出力レイアウト構成ルール及び出力レイアウトテンプレートを作成する。
【0022】
ステップS1により作成された出力レイアウトテンプレート20(20−1,20−2)の例が図2に示されている。前述したように、出力レイアウトテンプレート20は、メイン、ヘッダ、フッタの3つの領域に分かれている。アプリケーションソフトによって生成された出力レイアウトテンプレート20は、メイン、ヘッダ、フッタの3つのテキストファイルに保存される。内容は印刷する文字列であり、テキストファイル内のオブジェクトデータを挿入したい部分に、[日付][送信者][題名][本文][添付ファイルリスト]のように[ ]内にオブジェクトデータのキー名を書いた文字列を挿入する。出力レイアウトテンプレート20−1は、ヘッダに、メールの受信日付、送信者、題名を1行で記し、メインに、本文と添付ファイルリストを記し、フッタにページ番号を記した例である。出力レイアウトテンプレート20−2は、出力レイアウトテンプレート20−1に加えて、ヘッダの2行目以降にメールの経由ルートを追加して記した例である。ステップS1の処理が終わると、ステップS2へ進む。
【0023】
ステップS2において、ステップS1にて作成した出力レイアウト構成ルール及び、出力レイアウトテンプレート20をインターネットファクス装置10内に転送し、出力レイアウト構成ルール記憶部15へ記憶し、動作を終了する(エンド)。
【0024】
(B) メール受信時の動作
図4−2は、図1のインターネットファクス装置10においてデータ受信部11にてメールを受信した時の動作を説明するためのフローチャートである。図5(a)、(b)は、2通のメール文書から日付、送信者、題名、メールの経由/レート、本文、添付ファイルについてオブジェクトの抽出を行った例を示す図である。図6(a)、(b)は、画像形成部18から出力された印刷結果の例を示す図である。更に、図7(a)、(b)は、従来技術のメールの印刷結果の例を示す図である。
【0025】
図4−2の動作が開始されると(スタート)、ステップS11において、データ受信部11でメールを受信する。ステップS12において、データ解析部12で、受信したメールを解析し、メールに含まれている情報をオブジェクトとして抽出する。ステップS13において、読み出しIDという変数を用意して、初期値に1を設定し、ステップS14へ進む。ステップS14において、データ抽出部13は、ステップS12において抽出したオブジェクトから、メールの経由ルート、送信者、題名、日付、本文、添付ファイルといった特定のキーを選択し、その値としてのオブジェクトデータを抽出する。図5(a)、(b)には、2通のメール文書から日付、送信者、題名、メールの経由/レート、本文、添付ファイルについてオブジェクトの抽出を行った例が示されている。
【0026】
ステップS15において、出力レイアウト構成ルール選択部16は、ステップS14において抽出されたオブジェクトデータと、出力レイアウト構成ルール記憶部15のテーブルで、識別IDが現在の読み出しIDと一致するレコードの出力レイアウト構成ルールとを比較し、それが一致するか否かを判定する。一致した場合(Yes)は、ステップS16へ進み、一致しなかった場合(No)は、ステップS17へ進む。例えば、出力レイアウト構成ルール記憶部15内に図3に示すテーブルが記憶されており、ステップS14により抽出されたオブジェクトデータが図4に示されるデータである場合、図5(a)の例では、送信者が田中となっており、図3の識別IDlの出力レイアウト構成ルールに一致する。図5(b)の例では、送信者が金子となっており、図3の識別ID2の出力レイアウト構成ルールに一致する。
【0027】
ステップS16において、出力レイアウト構成ルール選択部16は、出力レイアウト構成ルール記憶部15のテーブルにより、識別IDが読み出しIDと一致するレコードの出力レイアウトテンプレート20を選択する。ステップS15に示した例の場合、図5(a)の例では、出力レイアウトテンプレート20はテンプレート20−1が選択される。図5(b)の例では、出力レイアウトテンプレート20はテンプレート20−2が選択される。
【0028】
ステップS17において、出力レイアウト構成ルール選択部16は、読み出しIDの値が、出力レイアウト構成ルール記憶部15のテーブルに格納されている最後の識別IDの値と一致するか否かを判定する。一致した場合(Yes)は、ステップS18へ進み、一致しなかった場合(No)は、ステップS19へ進む。
【0029】
ステップS18において、出力レイアウト構成ルール選択部16は、出力レイアウトテンプレート20として予め出力レイアウト構成ルール記憶部15に格納されている識別IDが0である規定の出力レイアウトテンプレートを選択する。ステップS19において、出力レイアウト構成ルール選択部16は、読み出しIDの値に1を加算する。
【0030】
ステップS20において、イメージ合成部17は、ステップS11にて受信したメールを、ステップS16あるいはステップS18にて選択された出力レイアウトテンプレート20を使って整形し、印刷イメージを生成する。その後、ステップS21において、画像形成部18は、ステップS20で生成された印刷イメージを元に印刷を行い、処理を終了する(エンド)。図6(a)には、図5(a)のメール抽出結果に図3の出力レイアウト構成ルールが適用され、図2のテンプレート20−1が適用された印刷結果が示されている。図6(b)には、図5(b)のメール抽出結果に図3の出力レイアウト構成ルールが適用され、図2のテンプレート20−2が適用された例が示されている。
【0031】
なお、図7(a)、(b)には、図5のメール抽出結果を従来技術のインターネットファックス装置を用いたメールの印刷結果の例が示されている。メールのフォーマットを受信したメールに応じて変更できるため、本実施例1では、特定の送信者のメールでは、日付、送信者、題名を1行に収めて本文の印刷エリアを広く取っている。又、未知の送信者のメールでは、メールの経由ルートを印刷するようにしている。
【0032】
(実施例1の効果)
本実施例1によれば、出力レイアウト構成ルール作成部14、出力レイアウト構成ルール記憶部15、及び出力レイアウト構成ルール選択部16を設け、受信メールの内容に応じて文書全体のフォーマットを変更するようにしたので、特定の送信者の場合に受信者にとって必要のない部分を削り、メールを簡潔に印刷させる効果が得られる。
【実施例2】
【0033】
(実施例2の構成)
図8は、本発明の実施例2におけるインターネットファックス装置を示す概略の構成図であり、実施例1のインターネットファクス装置を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。更に、図9(a)、(b)は、出力フォームテンプレートの例を示す図、図10は、出力フォーム構成ルール記憶部25のテーブル例を示す図である。
【0034】
本実施例2のインターネットファクス装置10Aでは、実施例1のインターネットファクス装置10における出力レイアウト構成ルール作成部14、出力レイアウト構成ルール記憶部15、出力レイアウト構成ルール選択部16、及びイメージ合成部17に代えて、これらとは構成あるいは機能の異なる出力フォーム構成ルール作成部24、出力フォーム構成ルール記憶部25、出力フォーム構成ルール選択部26、及びイメージ合成部27が設けられている。
【0035】
本実施例2の出力フォーム構成ルール作成部24は、表示部、キーボード、マウス等を持つPC上のアプリケーションソフトから、メール印刷時に用いる外観の雛形となる出力フォームテンプレートとそれが適用されるためのメールが持つオブジェクトのルール(即ち、出力フォーム構成ルール)を規定し、図示しないLAN上の通信手段を用いてインターネットファックス装置10Aへ送信するものである。
【0036】
本実施例2においては、図9(a)、(b)に示されるように、出力フォームテンプレート20−3はHTML(HyperText Markup Language)形式で書かれた1つのファイルで構成され、HTMLファイル内のオブジェクトデータを挿入したい部分に、[日付][送信者][題名][本文][添付ファイルリスト]のように[ ]内にオブジェクトデータのキー名を書いた文字列を挿入する。
【0037】
インターネットファクス装置10Aに設けられた出力フォーム構成ルール記憶部25は、出力フォーム構成ルール作成部24にて規定された出力フォームテンプレートと、それが適用されるための出力フォーム構成ルールを記憶しておくテーブルであり、この出力側に、出力フォーム構成ルール選択部26が接続されている。図10には、出力フォーム構成ルール記憶部25のテーブル例が示されている。この例では、出力フォーム構成ルールと出力フォームテンプレートとで1つのレコードとなっており、それに識別IDが自動的に付加されている。
【0038】
出力フォーム構成ルール選択部26は、データ抽出部13で抽出されたオブジェクトと、出力フォーム構成ルール記憶部25に記憶された出力フォーム構成ルールとを照合し、合致した出力フォームテンプレートを選択するものである。出力フォーム構成ルール記憶部25内のテーブルが図10である例では、出力フォーム構成ルールにおいて、題名が「お問い合わせ」であった場合は、出力フォームテンプレートにテンプレート20−3を用いる。又、全ての出力フォームレイアウト構成ルールに該当しなかった場合は、予め出力フォーム構成ルール記憶部25内に用意されている例えば識別IDが0であるデフォルトテンプレート20Dを出力フォームテンプレートに用いる。出力フォーム構成ルール選択部26の出力側には、イメージ合成部27が接続されている。
【0039】
イメージ合成部27は、データ受信部11で受信したメールを、出力フォーム構成ルール選択部26にて選択された出力フォームテンプレートを使って整形し、印刷イメージを生成するものであり、この出力側に、実施例1と同様の画像形成部18が接続されている。画像形成部18は、イメージ合成部27で生成された印刷イメージを元に印刷を行うものである。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0040】
(実施例2の動作)
本実施例2のインターネットファクス装置10Aにおける動作として、以下、(A)出力フォーム構成ルール及び出力フォームテンプレート作成の動作と、(B)メール受信時の動作とを説明する。
【0041】
(A) 出力フォーム構成ルール及び出力フォームテンプレート作成の動作
図11−1は、図8のインターネットファクス装置10Aにおける出力フォーム構成ルール及び出力フォームテンプレート作成のための動作を説明するためのフローチャートである。
【0042】
図11−1の動作が開始されると(スタート)、ステップS31において、出力フォーム構成ルール作成部24にて、出力フォーム構成ルール及び出力フォームテンプレートを作成する。
【0043】
図9(a)、(b)には、ステップS31により作成された出力フォームテンプレートの例が示されている。その内、図9(a)は、出力フォームテンプレート20−3のレイアウトプレビュー(イメージ)を示す図、及び、図9(b)は、図9(a)をアプリケーションソフトによって変換して生成した出力フォームテンプレートの内容を示す図である。図9(b)の内容は、HTML形式で記述されており、テキストファイル内のオブジェクトデータを挿入したい部分に、[日付][送信者][題名][本文][添付ファイルリスト]のように[ ]内にオブジェクトデータのキー名を書いた文字列を挿入する。
【0044】
なお、図9(a)において、添付ファイルリスト部分の「if形式=画像then画像展開」は、添付ファイルの形式が画像ファイルであった場合は、イメージ合成部27で印刷イメージを生成するときに、添付ファイル部分をHTMLタグ”<a href=添付ファイル名>”で表し、添付ファイルを画像として展開することを表す。テンプレート20−3は、本文と添付ファイルリストを罫線によって区切り、更に印刷後に必要に応じて記入が可能な、対処レポート、特記欄、処理済印の各スペースが確保された例である。
【0045】
ステップS32において、ステップS31にて作成した出力フォーム構成ルール、及び出力フォームテンプレートをインターネットファックス装置10A内に転送し、出力フォーム構成ルール記憶部25へ記憶し、動作を終了する(エンド)。
【0046】
(B) メール受信時の動作
図11−2は、図8のインターネットファクス装置10Aにおいてデータ受信部11にてメールを受信した時の動作を説明するためのフローチャートであり、実施例1の動作を示す図4−2中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。更に、図12は、メール抽出結果の例を示す図、図13は、印刷結果の例を示す図、及び、図14は、従来の印刷結果の例を示す図である。
【0047】
本実施例2の図11−2のフローチャートでは、実施例1の図4−2のフローチャートにおけるステップS15〜S18,S20に代えて、これとは異なる処理のステップS41〜S45が設けられている。
【0048】
図11−2の動作が開始されると(スタート)、実施例1と同様のステップS11〜S14の処理が行われた後、ステップS41へ進む。
【0049】
ステップS41において、出力フォーム構成ルール選択部26は、ステップS14において抽出されたオブジェクトデータと、出力フォーム構成ルール記憶部25のテーブルで、識別IDが現在の読み出しIDと一致するレコードの出力フォーム構成ルールとを比較し、それが一致するか否かを判定する。一致した場合(Yes)は、ステップS42へ進み、一致しなかった場合(No)は、ステップS43へ進む。
【0050】
例えば、出力フォーム構成ルール記憶部25に、図10に示すデータが記憶されており、ステップS11にて受信したメールをステップS14により日付、送信者、題名、メールの経由ルート、本文、添付ファイルといった特定のキーを選択し、その値としてのオブジェクトデータを抽出した結果が図12に示されるデータの場合、題名が「お問い合わせ」となっており、図10の識別IDlの出力フォーム構成ルールに一致する。
【0051】
ステップS42において、出力フォーム構成ルール選択部26は、出力フォーム構成ルール記憶部25のテーブルで、識別IDが読み出しIDと一致するレコードの出力フォームテンプレートを選択する。図12の例では、題名が「お問い合わせ」となっており、図10の識別IDlの出力フォーム構成ルールに合致するために、出力フォームテンプレートはテンプレート20−3が選択される。
【0052】
ステップS43において、読み出しIDの値が、出力フォーム構成ルール記憶部25のテーブルに格納されている最後の識別IDの値と一致するか否かを判定する。一致した場合(Yes)は、ステップS44へ進み、一致しなかった場合(No)は、実施例1と同様のステップS19へ進む。
【0053】
ステップS44において、出力フォーム構成ルール選択部26は、出力フォームテンプレートとして予め出力フォーム構成ルール記憶部25に格納されている識別IDが0である規定の出力フォームテンプレートを選択する。
ステップS45において、イメージ合成部27は、ステップS11にて受信したメールを、ステップS42あるいはステップS44にて選択された出力フォームテンプレートを使って整形し、印刷イメージを生成する。その後、実施例1と同様のステップS21において、画像形成部18は、ステップS45で生成された印刷イメージを元に印刷を行い、処理を終了する(エンド)。
【0054】
図13には、ステップS21にて出力された印刷結果の例が示されている。図13は、図12のメール抽出結果に、図10の出力フォーム構成ルールが適用され、図9のテンプレート20−3が適用された印刷結果である。図13は、例えば、受信画像毎に改ページされる。
【0055】
なお、図14には、図12のメール抽出結果を従来技術のインターネットファックス装置にて印刷を行った結果の例が示されている。メールのフォーマットを受信したメールに応じて変更できるため、本実施例2では、題名が「お問い合わせ」となっているメールに対して、本文と添付ファイルリストを罫線によって区切り、更に印刷後に必要に応じて記入が可能なスペースを確保している。
【0056】
(実施例2の効果)
本実施例2によれば、出力フォーム構成ルール作成部24、出力フォーム構成ルール記憶部25、及び出力フォーム構成ルール選択部26を設け、受信メールの内容に応じて文書全体のフォーマットを変更し、フォームテンプレートにHTML形式のテンプレート20−3を用いるようにしたので、実施例1の効果に加えて、印刷後に必要に応じて記入が可能な各スペースを確保する効果が得られる。
【0057】
(変形例)
本発明は、上記実施例1、2に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)〜(d)のようなものがある。
【0058】
(a) 実施例1では、出力レイアウト構成ルール作成部14が、表示部、キーボード、マウス等を持つPCであったが、実際には、表示部、キー入力部等を持つオペレーションパネル部をインターネットファックス装置10に搭載させてもよいし、インターネットファックス装置10内にウェブ(Web)サーバを構築し、PC上のWebブラウザからインターネットファックス装置10にアクセスし、出力レイアウト構成ルールを作成してもよい。ここで、Webサーバとは、HTTPに則り、クライアントソフトウェアのWebブラウザに対して、HTMLや画像等のオブジェクトの表示を提供するサービスプログラム、及びそのサービスが動作するサーバコンピュータをいう。又、Webブラウザとは、ワールド・ワイド・ウェブ(World Wide Web)でハイパーテキストのリンクを辿りながらウェブページを表示するアプリケーションソフトウェアのことである。
【0059】
(b) 実施例1、2では、インターネットファックス装置10,10Aにおけるメール受信の例で説明したが、メール受信に限らず、受信するデータがデータ抽出部13において、キーと値が抽出できるものなら汎用的なデータであっても適用できる。
【0060】
(c) 実施例1、2の出力レイアウト構成ルール選択部16及び出力フォーム構成ルール選択部26において、出力レイアウト構成ルール及び出力フォーム構成ルールは、データ抽出結果中で指定されたオブジェクトと一致した場合のみ選択するルールを取り扱ったが、正規表現で表記するような複雑なルールで選択してもよい。
【0061】
(d) 実施例1、2では、インターネットファクス装置10,10Aについて説明したが、本発明は、画像形成部18を有する複合機等の他の画像形成装置にも適用できる。
【符号の説明】
【0062】
10,10A インターネットファクス装置
11 データ受信部
12 データ解析部
13 データ抽出部
14 出力レイアウト構成ルール作成部
15 出力レイアウト構成ルール記憶部
16 出力レイアウト構成ルール選択部
17,27 イメージ合成部
18 画像形成部
24 出力フォーム構成ルール作成部
25 出力フォーム構成ルール記憶部
26 出力フォーム構成ルール選択部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクトが含まれたデータを受信するデータ受信部と、
前記データ受信部で受信された受信データから、特定のオブジェクトデータを抽出するデータ抽出手段と、
規定された出力レイアウト構成ルールを予め記憶する出力レイアウト構成ルール記憶部と、
前記データ抽出手段で抽出された前記オブジェクトデータと、前記出力レイアウト構成ルール記憶部に記憶された前記出力レイアウト構成ルールとを照合し、合致した出力レイアウトテンプレートを選択する出力レイアウト構成ルール選択部と、
前記データ受信部で受信された前記受信データを、前記出力レイアウト構成ルール選択部にて選択された前記出力レイアウトテンプレートで整形し、印刷イメージを生成するイメージ合成部と、
前記イメージ合成部にて生成された前記印刷イメージを印刷する画像形成部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記出力レイアウトテンプレートは、メイン部分、ヘッダ部分、及びフッタ部分の印刷領域情報を持つ計3つのテキストファイルであり、前記各テキストファイルは、前記イメージ合成部にて動的に変更する部分にタグを埋め込むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記出力レイアウト構成ルール選択部は、前記出力レイアウト構成ルール記憶部に記憶された前記出力レイアウト構成ルールと合致する前記出力レイアウトテンプレートが存在しない場合は、予め決められた出力レイアウトテンプレートを選択することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
オブジェクトが含まれたデータを受信するデータ受信部と、
前記データ受信部で受信された受信データから、特定のオブジェクトデータを抽出するデータ抽出手段と、
規定された出力フォーム構成ルールを予め記憶する出力フォーム構成ルール記憶部と、
前記データ抽出手段で抽出された前記オブジェクトデータと前記出力フォーム構成ルール記憶部に記憶された前記出力フォーム構成ルールとを照合し、合致した出力フォームテンプレートを選択する出力フォーム構成ルール選択部と、
前記データ受信部で受信された前記受信データを、前記出力フォーム構成ルール選択部にて選択された前記出力フォームテンプレートで整形し、印刷イメージを生成するイメージ合成部と、
前記イメージ合成部にて生成された前記印刷イメージを印刷する画像形成部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記出力フォーマットテンプレートは、HTML形式のファイルで構成され、前記ファイルは、前記イメージ合成部にて動的に変更する部分にタグを埋め込むことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記イメージ合成部は、添付ファイルの中に画像ファイルが含まれていた場合、前記出力フォーマットテンプレートの指定によっては、前記画像ファイルを展開し、画像としてイメージを合成することを特徴とする請求項4又は5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記出力フォーム構成ルール選択部は、前記出力フォーム構成ルール記憶部に記憶された前記出力フォーム構成ルールと合致する前記出力フォームテンプレートが存在しない場合は、予め決められた出力フォームテンプレートを選択することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記データ抽出手段は、
前記データ受信部で受信された前記受信データを解析して前記受信データに含まれている情報をオブジェクトとして抽出するデータ解析部と、
前記データ解析部で抽出された前記オブジェクトから特定のオブジェクトデータを抽出するデータ抽出部と、
により構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記予め決められた出力レイアウトテンプレートは、デフォルトテンプレートであることを特徴とする請求項3、7又は8記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−200062(P2010−200062A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−43383(P2009−43383)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】