説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置の近くに居る者が操作表示部を見ないような場合であっても、画像形成装置で発生しているエラーを認識させやすくすることにより、エラーの放置を抑制すること。
【解決手段】画像形成装置1内でエラーが発生したことを検知した状態において、操作表示部105以外の部位に対してユーザーが操作を行ったことを検知した場合、画像形成装置1における制御部は、画像形成装置1内で発生したエラーを音声により報知するよう、エラー報知部を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザーが使用する端末とプリンタ等の画像形成装置とをネットワークを通じて接続し、ユーザーが使用する端末から印刷データを送信して画像形成装置において印刷データを用紙に出力することがよく行われている。
【0003】
端末と画像形成装置とをネットワークを通じて接続する場合は、端末と画像形成装置との距離に関係なく接続出来るため、端末と画像形成装置が離れている場合もあり得る。端末と画像形成装置が離れている場合に、例えば画像形成装置において端末から送信した印刷データに対する出力のエラーが発生した場合、ユーザーは画像形成装置と離れた場所に居るため、ユーザーはそのエラーを認識しづらい。
【0004】
そこで、画像形成装置で発生したエラーを音声によりユーザーに知らせるという技術が提案されており、例えば特許文献1に記載された技術がある。特許文献1に記載された技術は、画像データの印刷が正常に完了すると、音声発生部から例えば「送信者ABCのXYZが印刷されました」という音声が出力され、画像データの印刷にエラーが発生すると、音声発生部から例えば「送信者ABCからのデータ印刷中に紙詰まりが発生しました」という音声が出力される。特許文献1に記載された技術のように、印刷中に発生したエラーを音声により出力すれば、ユーザーが画像形成装置から離れていてもエラーが認識されやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−87447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載された技術のように、画像形成装置で発生したエラーを音声により出力してユーザーがエラーを認識したとしても、ユーザーが何ら対応をとらずエラーが放置されてしまうと問題である。特に、画像形成装置におけるジョブ動作を停止させる必要のないようなエラー(画像形成装置内のトナー残量が少ないという内容のエラー等)は、ユーザーによるエラー解消の対応が後回しになっても、画像形成装置におけるジョブ動作が継続して実行出来るため、放置されやすい。
【0007】
そこで、画像形成装置に発生しているエラーを操作表示部に常時表示して画像形成装置の近くに居る者にエラーを認識してもらい、なるべく早い段階でエラー解消の対応をとってもらうようにすることが考えられる。しかし、例えば画像形成装置における給紙カセットを開けて単に用紙を補給したり、複写する原稿を単に画像形成装置におけるADFにセットしたりする等、ユーザーが操作表示部を見ないで作業を行う場合があり、エラーを操作パネルに常時表示するだけではエラーの放置を抑制する観点で不十分である。
【0008】
そこで、本発明の目的は、画像形成装置の近くに居る者が操作表示部を見ないような場合であっても、画像形成装置で発生しているエラーを認識させやすくすることにより、エラーの放置を抑制する画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、
画像形成装置に対する指示の入力を受け付けるとともに、画像形成装置の状態を表示する操作表示部と、
画像形成装置における前記操作表示部以外の部位に対してユーザーが操作を行ったことを検知する操作検知部と、
画像形成装置内で発生したエラーを検知するエラー検知部と、
当該エラー検知部により検知されたエラーを音声により報知するエラー報知部と、
少なくとも当該エラー報知部を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、画像形成装置内でエラーが発生したことを前記エラー検知部により検知した状態において、前記部位に対してユーザーが操作を行ったことを前記操作検知部により検知した場合、エラーを音声により報知するよう、前記エラー報知部を制御することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る画像形成装置によれば、画像形成装置の近くに居る者が操作表示部を見ないような場合であっても、画像形成装置で発生しているエラーを認識させやすくすることにより、エラーの放置を抑制することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概要を示す中央断面図である。
【図2】画像形成装置における制御系のブロック図である。
【図3】第1接続装置から第5接続装置までの間で紙詰まりエラーが発生した場合の動作を示すフローチャート図である。
【図4】本体装置においてトナー残量エラーが発生した場合の動作を示すフローチャート図である。
【図5】第1のエラーが発生した際に第2のエラーを音声により報知する動作を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[画像形成装置の概要]
図1は、本発明に係る画像形成装置の概要を示す中央断面図である。
【0013】
図1に示す画像形成装置1は、本体装置10と、第1接続装置20と、第2接続装置30と、第3接続装置40と、第4接続装置50と、第5接続装置60から構成されている。つまり、画像形成装置1は、本体装置10に5つの接続装置が接続された構成となっている。
【0014】
本体装置10において画像が形成された用紙Sは、本体装置10から第1接続装置20へ搬送され、第1接続装置20から第5接続装置60の何れかにより後処理(折り処理や綴じ処理等)が実行される。後処理が実行された用紙Sは、第5接続装置60の排出トレイ61に排出されて排出トレイ61上で積載される。
【0015】
本体装置10は、自動原稿搬送部Aと画像読取部Bを上部に有し、プリンタ部Cを下部に有する。
【0016】
プリンタ部Cにおいて、給紙カセットから供給される用紙Sに電子写真プロセスにより感光体上に形成されたトナー像が転写され、転写された画像は定着部において定着される。定着後の用紙Sは、排紙ローラにより排紙口から排出され、第1接続装置20へ搬送される。本体装置10において用紙Sに両面印刷をする場合は、用紙Sは排紙ローラの手前で下方に搬送され、両面搬送経路を経て再び転写位置に戻され、裏面に画像が形成される。
【0017】
本体装置10の上部には大画面の操作表示部105が設置されており、画像形成装置1における各種の数値入力、モード設定が操作表示部105を通じて行うことが出来る。
【0018】
本体装置10に接続される第1接続装置20、第2接続装置30、第3接続装置40、第4接続装置50、第5接続装置60の概要を簡単に説明すると、第1接続装置20は、本体装置10から搬送されてきた用紙Sに対して2次定着を行ったり、用紙Sを反転させたりする。
【0019】
第2接続装置30は、用紙Sに対して穿孔処理や折り処理を行ったり、搬送される複数の用紙Sの間に白紙を挿入したりする。
【0020】
第3接続装置40は大容量スタッカーを有し、第2接続装置30において穿孔処理等がなされた用紙Sを複数枚積載することが出来る。
【0021】
第4接続装置50は、用紙Sに対して中綴じ処理、中折り処理、断裁処理等を行う。
【0022】
第5接続装置60は、用紙Sに対して綴じ処理を行う。第1接続装置20から第5接続装置60までを通じて一連の処理が行われた用紙Sは、排出トレイ61に積載される。図1に示すように、排出トレイ61は用紙搬送方向における下流側が上向きに傾斜しており、用紙Sが排出される毎に下降して大量の用紙Sを積載することが出来る。
【0023】
このように、画像形成装置1において複数台の接続装置が接続されていることにより、オンラインで用紙Sの後処理が可能となっている。
【0024】
[画像形成装置のブロック図]
図2は、画像形成装置における制御系のブロック図であり、本発明に関係する代表的な構成を示している。
【0025】
本体装置10、第1接続装置20、第2接続装置30、第3接続装置40、第4接続装置50、第5接続装置60は、通信部101、201、301、401、501、601を介して電気的に接続されており、制御信号の授受が相互に行われる。制御部102、202、302、402、502、602が協働して画像形成装置1の動作を制御するが、個別には制御部102が本体装置10の各部の動作を制御し、制御部202、302、402、502、602の各々が第1接続装置20、第2接続装置30、第3接続装置40、第4接続装置50、第5接続装置60の各々の動作を制御する(本発明における制御部は、制御部102、202、302、402、502、602が全体として該当するか又は制御部102単体が該当する)。
【0026】
制御部102、202、302、402、502、602は、主にCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成され、ROMに格納されている各種制御プログラムを読み出してRAMに展開し、各部の動作を制御する。
【0027】
本体装置10における記憶部103は、画像読取部B(図1参照)で読み取って得た原稿画像の画像データを出力するジョブデータを記憶したり、出力済みのジョブデータ等を記憶したりする機能を有する。また、後述する画像形成装置1で発生したエラー内容も記憶する。
【0028】
画像形成部104は、用紙Sに画像を形成するものであり、具体的には、感光体、帯電部、露光部、現像部、転写部、定着部により電子写真プロセスが実行され、用紙にトナー像が形成される。
【0029】
操作表示部105は、所定の情報を表示したり、各種の設定を可能にしたりするものである。操作表示部105は例えばタッチパネル形式となっており、ユーザーが操作表示部105を通じて入力することにより画像形成装置1で実行するジョブの内容が設定される。
【0030】
操作検知部106は、ユーザーが操作表示部105以外の部位を操作したことを検知するものである。例えば、操作検知部106はユーザーによって操作された本体装置10における前扉の開閉動作を検知したり、本体装置10における給紙カセットの出し入れ動作を検知したりする。操作検知部203、303、403、503、603は、基本的に操作検知部106と同様であり、各々が設置された接続装置内における部位に対してユーザーが操作を行ったことを検知する。
【0031】
エラー検知部107は、本体装置10において発生したエラー(例えば紙詰まりエラーやトナー残量エラー)を検知するものである。エラー検知部204、304、404、504、604は、基本的にエラー検知部107と同様であり、各々の接続装置内において発生したエラーを検知する。
【0032】
エラー報知部108は、エラー検知部107、204、304、404、504、604で検知したエラーの内容を音声により報知するものである。
【0033】
[エラーの音声報知]
次に画像形成装置1において発生したエラーを音声により報知する動作について説明する。
【0034】
画像形成装置1において発生したエラーに対して、ユーザーが何ら対応をとらずエラーが放置されてしまうと問題である。特に、画像形成装置1におけるジョブ動作を停止させる必要のないようなエラー(例えば本体装置10内のトナー残量が少ないという内容のエラー等)は、ユーザーによるエラー解消の対応が後回しになっても、画像形成装置1におけるジョブ動作が継続して実行出来るため、放置されやすい。
【0035】
そこで、画像形成装置1で発生したエラーをユーザーに認識させてエラーの放置を抑制するため、ユーザーが操作表示部105を見ないで作業を行う場合を考慮して、操作表示部105以外の部位に対してユーザー操作があった場合に、エラーを音声により報知する動作を行う。以下、図3から図5を用いて当該動作を説明する。なお、本実施形態において、画像形成装置1におけるジョブ動作を停止させる必要があるエラーを「第1のエラー」とし、画像形成装置1におけるジョブ動作を停止させる必要のないエラーを「第2のエラー」とする。
【0036】
[紙詰まりエラーに関する音声報知]
まず、第1接続装置20から第5接続装置60までの間で搬送される用紙Sを監視し、何れかの接続装置で用紙Sが詰まった場合のエラー(紙詰まりエラー)に関する動作について説明する。なお、紙詰まりエラーは前述した第1のエラー(画像形成装置1におけるジョブ動作を停止させる必要があるエラー)に該当する。
【0037】
図3は、第1接続装置20から第5接続装置60までの間で紙詰まりエラーが発生した場合の動作を示すフローチャート図である。
【0038】
まず、画像形成装置1においてジョブ動作が開始されると、第1接続装置20から第5接続装置60までの間で紙詰まりが発生したか否か判断する(ステップS1)。ステップS1における判断動作は、エラー検知部204、304、404、504、604における検知信号をもとに制御部202、302、402、502、602が所定のプログラムに基づいて行う。
【0039】
ステップS1において紙詰まりが発生したと判断すると(ステップS1;Yes)、ユーザーがどの接続装置において紙詰まりが発生したのかが分かるように、まず紙詰まりの発生場所等の情報を含んだ紙詰まりエラー情報を操作表示部105に表示する(ステップS2)。
【0040】
そして、紙詰まりエラーを解消するために、ユーザーが第1接続装置20から第5接続装置60のいずれかの前扉をあけて内部にある詰まった用紙Sを取り除くことになるため、ステップS3では第1接続装置20から第5接続装置60の何れかの前扉が開けられるというユーザー操作があったか否か判断する。また、ユーザーが第1接続装置20から第5接続装置60のいずれかの前扉を開けて詰まった用紙Sを取り除いた後は、開けた前扉を閉める動作を行うため、ステップS4では第1接続装置20から第5接続装置50の何れかの前扉が閉められるというユーザー操作があったか否か判断する。ステップS3、S4における判断動作は、操作検知部203、303、403、503、603における検知信号をもとに制御部202、302、402、502、602が所定のプログラムに基づいて行う。
【0041】
ステップS3において前扉が開けられたと判断し(ステップS3;Yes)、ステップS4において前扉が閉められたと判断すると(ステップS4;Yes)、第1接続装置10から第5接続装置60までの間で発生していた紙詰まりエラーが解消したか否か判断する(ステップS5)。ステップS5における判断動作は、ステップS1と同様にエラー検知部204、304、404、504、604における検知信号をもとに制御部202、302、402、502、602が所定のプログラムに基づいて行う。
【0042】
ステップS5において紙詰まりが解消したと判断すると(ステップS5;Yes)、ステップS2で操作表示部105に表示していた紙詰まりエラー情報を解除する(ステップS6)。
【0043】
一方、ステップS5において紙詰まりが解消していないと判断すると(ステップS5;No)、第1接続装置20から第5接続装置60までの間に依然として用紙Sが詰まった状態となっている。この状態においてユーザーはステップS3、S4で検知したように第1接続装置20から第5接続装置60の何れかの接続装置の前扉を開閉させてまだ何れかの接続装置の前にいる可能性が高い。ユーザーが第1接続装置20から第5接続装置60の何れかの接続装置の前にいると、ユーザーは操作表示部105から離れているため、操作表示部105の表示内容が見えなく、エラーの内容を認識しづらい。
【0044】
そこで、紙詰まりエラーの内容を音声により報知する(ステップS7)。音声による報知はエラー報知部108により行われ、音声の内容としては紙詰まりが発生している内容や紙詰まりが発生している場所を特定する内容等である。
【0045】
以上、図3で説明したように、第1接続装置20から第5接続装置60の何れかの接続装置における前扉の開閉という操作表示部105以外の部位に対するユーザー操作があった場合に、紙詰まりエラーの内容を音声により報知することにより、操作表示部105から離れてユーザーが操作表示部105の表示内容を見えない場合であっても、ユーザーはエラーの内容を認識することができ、エラーの放置を抑制することが出来る。
【0046】
[トナー残量エラーに関する音声報知]
次に、本体装置10において収容されているトナーの残量を監視し、トナー残量が少なくなった場合のエラー(トナー残量エラー)について説明する。なお、トナー残量エラーは、前述した第2のエラー(画像形成装置1におけるジョブ動作を停止させる必要のないエラー)に該当し、画像形成装置1内のトナーがなくなって画像形成装置1におけるジョブ動作が停止させる必要がある第1のエラーが近づいたことを示すエラーである。
【0047】
図4は、本体装置10においてトナー残量エラーが発生した場合の動作を示すフローチャート図である。
【0048】
まず、画像形成装置1においてジョブ実行が開始されると、本体装置10において収容されているトナーの残量が、補給の基準となる基準値未満になったか否か判断する(ステップS11)。画像形成装置1がブラック一色によるモノクロ出力を行う場合は、本体装置10に収容されているブラックトナーの残量を監視し、画像形成装置1がフルカラー出力を行う場合は、本体装置10に収容されているイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーの残量を監視する。ステップS1における判断動作は、エラー検知部107における検知信号をもとに制御部102が所定のプログラムに基づいて行う。
【0049】
ステップS11においてトナー残量が基準値未満であると判断すると(ステップS11;Yes)、トナー残量エラー情報を操作表示部105に表示し(ステップS12)、ユーザーにトナーを補給してもらうように促す。
【0050】
しかし、トナー残量エラー情報が操作表示部105に表示されたとしても、直ぐにトナーが補給されるとは限らないし、全てのユーザーが操作表示部105を見ているとは限らない。そこで、ステップS13において操作表示部105以外の部位に対してユーザー操作があったか否か判断し、続いて操作表示部105以外の部位に対するユーザー操作が終了したか否か判断する(ステップS14)。操作表示部105以外の部位に対するユーザー操作とは、例えば、本体装置10における給紙カセットの出し入れいう操作や本体装置10における自動原稿搬送部Aに原稿がセットされたという操作等である。ステップS13、S14における判断動作は、操作検知部106、203、303、403、503、603における検知信号をもとに制御部102、202、302、402、502、602が所定のプログラムに基づいて行う。
【0051】
ステップS13において操作表示部105以外の部位で対してユーザー操作をあったと判断し(ステップS13;Yes)、ユーザー操作が終了したと判断すると(ステップS14;Yes)、トナー残量エラーの内容(具体的にはトナーを補給して下さいといった内容)を音声により報知する(ステップS7)。
【0052】
以上、図4で説明したように、操作表示部105以外の部位に対するユーザー操作があった場合にエラーを音声により出力することにより、操作表示部105を見ていないようなユーザーに対してもエラー内容を知らせることが出来るため、エラーが放置されることを抑制出来る。
【0053】
また、操作表示部105以外の部位に対するユーザーの操作中はその操作に集中しているため、エラーを音声により報知してもユーザーに認識されづらい。そこで、図4におけるステップS14、S15に示すように操作表示部105以外の部位に対するユーザー操作が終了した時点でエラーを音声により出力することにより、エラー内容をユーザーに認識されやすくすることができ、更にエラーの放置を抑制出来る。
【0054】
[複数エラーに関する音声報知]
次に、前述した第2のエラー(画像形成装置1におけるジョブ動作を停止させる必要のないエラー)が発生していることを記憶しておき、第1のエラー(画像形成装置1におけるジョブ動作を停止させる必要があるエラー)が発生した際に第2のエラーを音声により報知する動作について説明する。
【0055】
ここで第2のエラーについて説明すると、第2のエラーは画像形成装置1におけるジョブ動作を停止させる必要のないエラーであり、例としては前述したトナー残量エラーの他に、画像形成装置1における特定の機能が選択出来ないことを示すエラーがある。画像形成装置1では綴じ処理、穿孔処理が可能であるが、例えば綴じ処理に使用する針の残量が少なくなって綴じ処理という機能が選択できないエラーや、穿孔処理により発生するくずの収納場所が満杯になって穿孔処理という機能が選択出来ないエラーが第2のエラーに該当する。
【0056】
図5は、第1のエラーが発生した際に第2のエラーを音声により報知する動作を示すフローチャート図である。
【0057】
まず、画像形成装置1においてジョブ実行が開始されると(ステップS21)、画像形成装置1においてエラーが発生したか否か判断する(ステップS22)。ステップS22における判断動作は、エラー検知部107、204、304、404、504、604における検知信号をもとに制御部102、202、302、402、502、602が所定のプログラムに基づいて行う。
【0058】
ステップS22においてエラーが発生したと判断すると(ステップS22;Yes)、発生したエラーが第2のエラーであるか否か判断する(ステップS23)。どのようなエラーが第2のエラーに該当するかは、データテーブルとして記憶部103に記憶されており、記憶部103に記憶されたデータテーブルを参照して制御部102が所定のプログラムに基づいて第2のエラーか否か判断する。
【0059】
ステップS23において、発生したエラーが第2のエラーであると判断すると(ステップS23;Yes)、発生したエラー内容を記憶部103に記憶するとともに(ステップS24)、エラー情報を操作表示部105に表示する(ステップS25)。例えば図4で説明したように発生したエラーがトナー残量エラーであれば、トナー残量エラーは第2のエラーに該当するため、トナー残量エラーを記憶部103に記憶するとともに、トナー残量エラー情報を操作表示部105に表示して、ユーザーにトナーを補給してもらうように促す。
【0060】
一方、ステップS23において、発生したエラーが第2のエラーではない、つまり発生したエラーが第1のエラー(画像形成装置1におけるジョブ動作を停止させる必要があるエラー)であると判断すると(ステップS23;No)、実行しているジョブを中断し(ステップS26)、発生したエラーの内容を操作表示部105に表示する(ステップS27)。
【0061】
そして、操作表示部105から離れた場所においてエラーが発生している可能性があるため、ステップS28では、操作表示部105以外の部位に対してユーザーの操作があったか否か判断し、操作表示部105以外の部位に対してユーザーの操作をあったと判断すると(ステップS28;Yes)、次にそのエラーが解消したか否か判断する(ステップS29)。
【0062】
ステップS29においてエラーが解消したと判断すると(ステップS29;Yes)、記憶部103に記憶されたエラー情報を確認し、第2のエラーが発生しているか否か判断する(ステップS30)。ステップS30における動作は、記憶部103に記憶されている情報を参照して制御部102が所定のプログラムに基づいて判断する。
【0063】
ステップS30において第2のエラーが発生していると判断すると(ステップS30;Yes)、第2のエラーの内容を音声により報知し(ステップS31)、どのようなエラーが発生しているかユーザーに認識させるようにする。
【0064】
その後、ジョブ実行の再開ボタンが押されたか否か検知して(ステップS31)ジョブ実行の再開ボタンが押された場合に、ジョブの実行を再開する(ステップS32)。
【0065】
なお、ステップS30において複数の第2のエラーが発生していると記憶部103に記憶されている場合、複数の第2のエラーのうちユーザーが操作を行った部位に関連するエラーのみ音声により報知するようにしても良い。例えば、第5接続装置60では綴じ処理が行えるが、第5接続装置60においてステイプル針の補給が必要である第2のエラーが発生している場合、第5接続装置60において紙詰まりエラーである第1のエラーが発生して第5接続装置60の前扉が開閉動作された場合に、ステイプル針の補給に関する第2のエラーのみ音声により報知する。ユーザーが操作を行った部位と第2のエラーとの関係はデータテーブルに規定して記憶部103に記憶させておき、記憶部103に記憶されたデータテーブルを参照して制御部102が所定のプログラムに基づいて判断する。このように、複数の第2のエラーのうちユーザーが操作を行った部位に関連するエラーのみ音声により報知するようにすれば、同じ部位に関係する第1のエラーと第2のエラーがユーザーによって円滑に解消することが出来る。
【0066】
以上、図5におけるステップS28〜S30で示したように、操作表示部105以外の部位に対するユーザー操作があった場合に第2のエラーを音声により出力することにより、操作表示部105を見ていないようなユーザーに対してもエラー内容を知らせることが出来るため、エラーが放置されることを抑制出来る。
【0067】
また、第2のエラーが発生した場合にエラーの内容を記憶しておき、第1のエラーが発生したときに第2のエラーを音声により出力してユーザーに知らせれば、第2のエラーを解消するために、わざわざ画像形成装置1において実行しているジョブを停止させる必要がないため、時間的なロスを抑制することが出来る。
【0068】
また、操作表示部105以外の部位に対するユーザーの操作中はその操作に集中しているため、エラーを音声により知らせてもユーザーに認識されづらい。そこで、図5におけるステップS29〜S31に示すように第1のエラーが解消した時点でエラーを音声により出力することにより、第2のエラー内容をユーザーにより認識させることができ、更にエラーの放置を抑制出来る。
【0069】
以上、図1〜図5に示す実施形態により本発明を説明したが、本発明は当該実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0070】
本実施形態において本発明に係る画像形成装置は、本体装置10に5つの別個の接続装置が接続されたシステム構成となっているが、本発明に係る画像形成装置はこのような形態に限らず、本体装置10単体だけの形態でも良いし、例えば本体装置10と第1接続装置20が装置として一体化された形態でも良い。
【符号の説明】
【0071】
1 画像形成装置
10 本体装置
20 第1接続装置
30 第2接続装置
40 第3接続装置
50 第4接続装置
60 第5接続装置
102、202、302、402、502、602 制御部
105 操作表示部
106、203、303、403、503、603 操作検知部
107、204、304、404、504、604 エラー検知部
108 エラー報知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に対する指示の入力を受け付けるとともに、画像形成装置の状態を表示する操作表示部と、
画像形成装置における前記操作表示部以外の部位に対してユーザーが操作を行ったことを検知する操作検知部と、
画像形成装置内で発生したエラーを検知するエラー検知部と、
当該エラー検知部により検知されたエラーを音声により報知するエラー報知部と、
少なくとも当該エラー報知部を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、画像形成装置内でエラーが発生したことを前記エラー検知部により検知した状態において、前記部位に対してユーザーが操作を行ったことを前記操作検知部により検知した場合、エラーを音声により報知するよう、前記エラー報知部を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記エラー報知部によりエラーを音声により報知するとともに、前記操作表示部にエラーの内容を表示するよう、前記操作表示部を制御する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記エラー検知部は、画像形成装置におけるジョブ動作を停止させる必要がある第1のエラーと、画像形成装置におけるジョブ動作を停止させる必要のない第2のエラーを検知し、
前記制御部は、前記エラー検知部により前記第2のエラーを検知した状態において、前記部位に対してユーザーが操作を行ったことを前記操作検知部により検知した場合、前記第2のエラーを音声により報知させるよう、前記エラー報知部を制御する請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記エラー検知部により前記第1のエラーと前記第2のエラーを検知した状態において、前記部位に対してユーザーが操作を行ったことを前記操作検知部により検知した場合、前記第1のエラーにより画像形成装置におけるジョブ動作が停止している最中に前記第2のエラーを音声により報知させるよう、前記エラー報知部を制御する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記エラー検知部により前記第1のエラーと前記第2のエラーを検知した状態において、前記部位に対してユーザーが操作を行ったことを前記操作検知部により検知した場合、前記第1のエラーが解消された時点で前記第2のエラーを音声により報知させるよう、前記エラー報知部を制御する請求項3又は4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第2のエラーは、前記第1のエラーの発生時期が近づいたことを示すエラーである請求項3から5までの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2のエラーは、画像形成装置における特定の機能が選択出来ないことを示すエラーである請求項3から5までの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、画像形成装置内でエラーが発生したことを前記エラー検知部により検知した状態において、前記部位に対してユーザーが操作を行ったことを前記操作検知部により検知した場合、ユーザーが操作を終了した時点でエラーを音声により報知させるよう、前記エラー報知部を制御する請求項1から7までの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、画像形成装置内で複数のエラーが発生したことを前記エラー検知部により検知した状態において、前記部位に対してユーザーが操作を行ったことを前記操作検知部により検知した場合、前記複数のエラーのうちユーザーが操作した部位に関連するエラーのみ音声により報知させるよう、前記エラー報知部を制御する請求項1から8までの何れか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−109299(P2011−109299A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−260754(P2009−260754)
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】