画像形成装置
【課題】被転写材の両面に画像を形成する画像形成装置において、被転写材の幅方向における位置を規制する位置規制部材を共通化することにより、装置を簡素化することができると共に、装置のコストを低減すること。
【解決手段】水平搬送部528Aを有するシート搬送路521と、被転写材Tを表裏反転させる反転部560と、水平搬送部528Aの搬送方向D1における上流側に合流するリサイクル搬送路523と、用紙Tの幅方向D2における位置を規制する位置規制部材620と、位置規制部材620の近傍に配置される第1ローラ対351、352と、第1ローラ対351、352における2つのローラ部材を互いに離間させる第1離間駆動部642と、用紙Tの幅方向D2における位置を所定位置に位置させる規制部材駆動部630と、第1回転駆動制御部106Aと、第1離間制御部113Aと、ガイド部材駆動制御部111と、を備える。
【解決手段】水平搬送部528Aを有するシート搬送路521と、被転写材Tを表裏反転させる反転部560と、水平搬送部528Aの搬送方向D1における上流側に合流するリサイクル搬送路523と、用紙Tの幅方向D2における位置を規制する位置規制部材620と、位置規制部材620の近傍に配置される第1ローラ対351、352と、第1ローラ対351、352における2つのローラ部材を互いに離間させる第1離間駆動部642と、用紙Tの幅方向D2における位置を所定位置に位置させる規制部材駆動部630と、第1回転駆動制御部106Aと、第1離間制御部113Aと、ガイド部材駆動制御部111と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、被転写材としての用紙に画像を形成(印刷)するための装置として、コピー機、プリンタ、ファクシミリ又はこれらの複合機などの画像形成装置が知られている。これらの画像形成装置は、用紙を収納する収納部と、収納部に収納された用紙を搬出する搬出部と、用紙に画像を形成する画像形成部とを備える。
【0003】
これらの画像形成装置は、収納部のゆがみや組み付け誤差等により、収納部から搬出される用紙の幅方向における位置がずれる場合があった。その結果、画像形成部により用紙の適正な位置に画像を形成できない可能性があるという問題があった。
【0004】
ここで、用紙に形成される画像と用紙との位置のずれを解消するため、収納部に収納される用紙の幅方向における位置を規制する位置規制部材を有する位置決め装置を備えた画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
ところで、画像形成装置において、用紙の両面に画像を形成する画像形成装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載されている画像形成装置は、用紙に画像を形成する画像形成部と、画像形成部から搬出された用紙を表裏反転させる反転部と、反転部により表裏反転された用紙を画像形成部へ向けて搬送する戻し搬送路と、を備えている。
特許文献2に記載の画像形成装置は、反転部における反転動作により用紙の幅方向の位置がずれることを抑制するため、用紙の幅方向における位置を規制する位置規制部材を有する位置決め装置を内蔵している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−314940号公報
【特許文献2】特開2006−206195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般的な画像形成装置は、特許文献1に記載の画像形成装置のように、収納部から搬出される用紙における幅方向の位置のずれを抑制する位置決め装置を備える。また、用紙の両面に画像を形成する画像形成装置は、特許文献2に記載の画像形成装置のように、反転部により表裏が反転された用紙の幅方向の位置を調整する位置決め装置を備える。また、用紙の両面に画像を形成する一般的な画像形成装置は、特許文献1及び特許文献2に記載の双方の位置決め装置を備える必要がある。
しかし、画像形成装置が複数の位置決め装置を備える場合には、装置が大型化すると共に、装置のコストが増加する要因となる。
【0008】
本発明は、被転写材の両面に画像を形成する画像形成装置において、被転写材の幅方向における位置を規制する位置規制部材を共通化することにより、装置を簡素化することができると共に、装置のコストを低減することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、筐体と、シート状の被転写材を収納する収納部と、前記収納部の垂直方向上側に配置され、前記被転写材に画像を形成する画像形成部と、前記収納部から搬出された前記被転写材を前記画像形成部に搬送するシート搬送路であって、前記収納部と前記画像形成部との間に前記筐体の水平方向における一方側から他方側にわたって横断するようにして形成される水平搬送部を有するシート搬送路と、前記画像形成部から搬出された前記被転写材を表裏反転させる反転部と、前記反転部により表裏反転された前記被転写材を搬送するリサイクル搬送路であって、前記水平搬送部の搬送方向における上流側に合流するリサイクル搬送路と、前記水平搬送部に配置され、前記被転写材における前記搬送方向に直交する方向である幅方向における位置を規制する位置規制部材と、前記水平搬送部に沿って配置される1又は複数の検出部材と、前記1又は複数の検出部材からの検出結果に基づいて前記被転写材が前記幅方向において前記位置規制部材と並んだことを検出する搬入検出部と、前記水平搬送部における前記位置規制部材の近傍に配置され、互いに対向する2つのローラ部材により構成される1又は複数の第1ローラ対と、前記1又は複数の第1ローラ対を回転駆動させる1又は複数の第1回転駆動部と、前記1又は複数の第1ローラ対それぞれにおいて、前記2つのローラ部材を互いに離間及び近接するよう移動させる1又は複数の第1離間駆動部と、前記位置規制部材を前記幅方向に移動させると共に、前記被転写材に当接して該被転写材の前記幅方向における位置を所定位置に位置させる規制部材駆動部と、前記搬入検出部により前記被転写材が前記幅方向において前記位置規制部材と並んだことが検出された場合、前記1又は複数の第1ローラ対における回転を停止させるよう前記第1回転駆動部を制御する第1回転駆動制御部と、前記第1回転駆動制御部により前記1又は複数の第1ローラ対における回転が停止されるよう前記第1回転駆動部が制御された場合、前記1又は複数の第1ローラ対における前記2つのローラ部材が互いに離間するよう前記第1離間駆動部を制御する第1離間制御部と、前記第1離間制御部により前記1又は複数の第1ローラ対における前記2つのローラ部材が互いに離間するよう前記第1離間駆動部が制御された場合、前記位置規制部材が前記被転写材を前記幅方向における所定位置に位置させるよう前記規制部材駆動部を制御する規制部材駆動制御部と、を備える画像形成装置に関する。
【0010】
また、前記シート搬送路は、前記水平搬送部の搬送方向における下流側に連続して形成される湾曲搬送部を有し、前記水平搬送部及び前記湾曲搬送部は、前記画像形成部に搬入される前の前記被転写材を待機させる待機部として機能し、前記水平搬送部は、1又は複数の前記被転写材を実質的に湾曲又は屈曲させることなく待機させることが可能であることが好ましい。
【0011】
また、前記画像形成部により画像が形成される前記被転写材のサイズに関するサイズ情報を含む画像形成指示情報を受け付け可能な受け付け部と、前記水平搬送部において前記位置規制部材の前記搬送方向における上流側に配置され、互いに対向する2つのローラ部材により構成される1又は複数の第2ローラ対と、前記1又は複数の第2ローラ対を回転駆動させる1又は複数の第2回転駆動部と、前記1又は複数の第2ローラ対それぞれにおいて、前記2つのローラ部材を互いに離間及び近接するよう移動させる1又は複数の第2離間駆動部と、前記搬入検出部により前記被転写材が前記幅方向において前記位置規制部材と並んだことが検出された場合、前記受け付け部により受け付けられた画像形成指示情報に含まれるサイズ情報に基づいて、前記1又は複数の第2ローラ対における回転を停止させるよう前記第2回転駆動部を制御する第2回転駆動制御部と、前記第2回転駆動制御部により前記1又は複数の第2ローラ対における回転が停止されるよう前記第2回転駆動部が制御された場合、前記1又は複数の第2ローラ対における前記2つのローラ部材が互いに離間するよう前記第2離間駆動部を制御する第2離間制御部と、を更に備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、被転写材の両面に画像を形成する画像形成装置において、装置を簡素化することができると共に、装置のコストを低減することができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態のカラーコピー機1の各構成要素の配置を説明するための図である。
【図2】本発明の一実施形態のカラーコピー機1の主要な構成要素を説明するための図である。
【図3】図2のカラーコピー機1における要部を示す拡大図である。
【図4A】カラーコピー機1における位置決め装置610を示す平面図である。
【図4B】図4Aにおける位置決め装置610を示す側面図である。
【図5】本発明の一実施形態のカラーコピー機1の機能を示す機能ブロック図である。
【図6A】カラーコピー機1の動作を説明するフローチャートである。
【図6B】カラーコピー機1の動作を説明するフローチャートである。
【図7】A4サイズの用紙Tが位置決め装置610により位置決めされて搬送される様子を説明する図である。
【図8】A3サイズの用紙Tが位置決め装置610により位置決めされて搬送される様子を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
まず、図1から図3により、本実施形態における画像形成装置としてのカラーコピー機1における全体構造を説明する。図1は、本発明の一実施形態のカラーコピー機1の各構成要素の配置を説明するための図である。図2は、本発明の一実施形態のカラーコピー機1の主要な構成要素を説明するための図である。図3は、図2のカラーコピー機1における要部を示す拡大図である。
【0015】
図1から図3に示すように、画像形成装置としてのカラーコピー機1は、カラーコピー機1における上下方向Zの上方側に配置され所定の原稿を送り出す原稿送り部70と、原稿送り部70により送り出された原稿に形成された画像を読み込む画像読み込み部71と、下方側に配置され画像読み込み部71からの画像情報に基づいてシート状の被転写材(シート)としての用紙Tにトナー画像を形成する装置本体Mと、を備える。
なお、本実施形態のカラーコピー機1の説明において、感光体ドラム2aから2d、定着部9等における各種回転体(ローラ、ベルト等)の回転軸方向を「Y方向」(図1を貫く方向)という。Y方向は、被転写材としての用紙Tの搬送方向D1に直交する方向でもある(図2参照)。水平方向で且つY方向に直交する方向を「X方向」という。コピー機1の上下方向Zは、X方向及びY方向と直交する。
【0016】
装置本体Mは、所定の画像情報に基づいて用紙Tに所定のトナー画像を形成する画像形成部GKと、用紙Tを画像形成部GKに給紙すると共にトナー画像が形成された用紙Tを排紙する給排紙部KHとを有する。
装置本体Mにおける外形は、筐体としてのケース体BDにより構成される。
【0017】
図1に示すように、画像形成部GKは、後述する収納部としての給紙カセット52の垂直方向上側に配置される。画像形成部GKは、像担持体(感光体)としての感光体ドラム2a、2b、2c、2dと、帯電部10a、10b、10c、10dと、露光ユニットとしてのレーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dと、現像器16a、16b、16c、16dと、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dと、トナー供給部6a、6b、6c、6dと、ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dと、除電器90a、90b、90c、90dと、中間転写ベルト7と、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dと、2次転写ローラ8を含む転写部としての中間転写部200と、定着部9と、を備える。
【0018】
図1に示すように、給排紙部KHは、収納部としての給紙カセット52と、手差し給紙部64と、用紙Tの搬送路54と、レジストローラ対80と、排紙部50とを備える。なお、搬送路54は、後述するように、第7搬送路56と、第8搬送路509と、排出搬送路510と、第3搬送路としての反転用搬送路520と、第4搬送路55と、反転排出用搬送路530と、シート搬送路としての給紙搬送路521と、の集合体である。
【0019】
以下、画像形成部GK及び給排紙部KHの各構成について詳細に説明する。
まず、画像形成部GKについて説明する。
画像形成部GKにおいては、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に沿って順に、上流側から下流側に順に、帯電部10a、10b、10c、10dによる帯電、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dによる露光、現像器16a、16b、16c、16dによる現像、中間転写ベルト7及び1次転写ローラ37a、37b、37c、37dによる1次転写、除電器90a、90b、90c、90dによる除電、及びドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dによるクリーニングが行われる。
また、画像形成部GKにおいては、中間転写ベルト7、2次転写ローラ8及び対向ローラ108による2次転写、並びに定着部9による定着が行われる。
【0020】
感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、円筒形状の部材からなり、感光体又は像担持体として機能する。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、中間転写ベルト7の進行方向に対して直交する方向に延びる機軸を中心に矢印の方向に回転可能に配置される。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面には、静電潜像が形成され得る。
【0021】
帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を一様に負(マイナス極性)又は正(プラス極性)に帯電させる。
【0022】
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dは、露光ユニットとして機能するものであり、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面から離間して配置される。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、不図示のレーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モータ等を有して構成される。
【0023】
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、画像読み込み部71により読み込まれた画像に関する画像情報に基づいて感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を走査露光する。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれにより走査露光されることで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面の露光された部分の電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に静電潜像が形成される。
【0024】
現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dにそれぞれ対応して設けられ、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向して配置される。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成された静電潜像に各色のトナーを付着させて、カラーのトナー画像を感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの色に対応する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向配置された現像ローラ116a、116b、116c、116d、トナー攪拌用の攪拌ローラ等を有して構成される。
【0025】
トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対応して設けられており、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、イエローのトナー、シアンのトナー、マゼンタのトナー、ブラックのトナーを収容する。
【0026】
トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれは、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5d及び現像器16a、16b、16c、16dにそれぞれ対応して設けられており、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれに収容された各色のトナーを、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給する。トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれと現像器16a、16b、16c、16dそれぞれとは、不図示のトナー供給路により結ばれている。
【0027】
中間転写ベルト7には、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成された各色のトナー画像が順次1次転写される。中間転写ベルト7は、駆動ローラ35とテンションローラ36との間に掛け渡されて配置される。テンションローラ36がバネ38によって駆動ローラ35から離れる側に付勢されているので、中間転写ベルト7には、所定の張力が与えられる。
【0028】
中間転写ベルト7を挟んで感光体ドラム2a、2b、2c、2dと反対の側には、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれが対向して配置される。
【0029】
中間転写ベルト7における所定部分は、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれと、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれとにより挟み込まれる。この挟み込まれた所定部分は、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面に押し当てられる。このようにして1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dが形成され、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに現像された各色のトナー画像が中間転写ベルト7に順次1次転写される。これにより、中間転写ベルト7には、フルカラーのトナー画像が形成される。
【0030】
1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれには、不図示の1次転写バイアス印加部により、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに形成された各色のトナー画像を中間転写ベルト7に転写させるための1次転写バイアスが印加される。
【0031】
除電器90a、90b、90c、90dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に光を照射することにより、1次転写が行われた後の感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を除電する(電荷を除去する)。
【0032】
ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に残存したトナーや付着物を除去すると共に、除去されたトナー等を所定の回収機構へ搬送して、回収させる。
【0033】
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に1次転写されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに2次転写させる。2次転写ローラ8には、不図示の2次転写バイアス印加部により、中間転写ベルト7に形成されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに転写させるための2次転写バイアスが印加される。
【0034】
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に対して当接したり離間したりする。具体的には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に当接される当接位置と中間転写ベルト7から離間する離間位置とに移動可能に構成される。詳細には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7の表面に1次転写されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに2次転写させる場合には当接位置に配置され、他の場合には離間位置に配置される。ここで、2次転写ローラ8における当接したり離間したりする動作は中間転写部200全体が回動移動されることによりなされる。
【0035】
2次転写ローラ8は、中間転写部200に含まれる。中間転写部200は、2次転写ローラ8を収容すると共に該2次転写ローラ8を回転可能に軸支するハウジング201と、ハウジング201の側面に配置される回転駆動ギア210と、2次転写ローラ8の回転軸方向であってハウジング201の側面に配置されるローラ側ギア220と、回転駆動ギア210とローラ側ギア220とに当接して配置されるアイドルギア230とを備える。中間転写部200は、不図示の転写部移動部により、不図示の回転軸を中心として2次転写ローラ8が中間転写ベルト7に当接可能な位置と、中間転写ベルト7に当接しない位置とに回動移動される。
【0036】
中間転写ベルト7を挟んで2次転写ローラ8とは反対側には、対向ローラ108が配置される。中間転写ベルト7における所定部分は、2次転写ローラ8と対向ローラ108とによって挟み込まれる。そして、用紙Tは中間転写ベルト7の外面(トナー画像が1次転写された面)に押し当てられる。中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間で2次転写ニップN2が形成される。2次転写ニップN2において、中間転写ベルト7に1次転写されたフルカラーのトナー画像が用紙Tにおける一方の面(第1面)又は一方の面と反対側の他方の面(第2面)に2次転写される。
【0037】
定着部9は、用紙Tに2次転写されたトナー画像を構成する各色のトナーを溶融及び加圧して、用紙Tに定着させる。定着部9は、ヒータにより加熱される加熱回転体9aと、加熱回転体9aに圧接される加圧回転体9bと、を備える。加熱回転体9aと加圧回転体9bとは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟み込んで加圧すると共に、搬送する。加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間に挟まれた状態で用紙Tが搬送されることによって、用紙Tに転写されたトナーは、溶融及び加圧されることで用紙Tに定着される。
【0038】
2次転写ローラ8とテンションローラ36との間には、中間転写ベルト7を清掃するためのベルトクリーニング装置40が配置される。ベルトクリーニング装置40は、中間転写ベルト7の表面に摺接されるクリーニングブラシ41と、クリーニングブラシ41と接触するように配置されたクリーニングローラ42と、先端がクリーニングローラ42の表面に接触するように配置されるブレード43と、ブレード43の下方に配置された回収スパイラル44と、を備える。
【0039】
次に、給排紙部KHについて説明する。
図1及び図2に示すように、装置本体Mにおける下方側には、用紙Tを収容する給紙カセット52が配置される。給紙カセット52は、第1給紙カセット52Aと、第2給紙カセット52Bと、第3給紙カセット52Cとを有して構成される。
第1給紙カセット52A及び第2給紙カセット52Bは、X方向に並んで配置される。具体的には、第1給紙カセット52Aは、ケース体BDのX方向における後述するスイッチバック部560側に配置される。第2給紙カセット52Bは、ケース体BDのX方向におけるスイッチバック部560とは反対側に配置される。第1給紙カセット52A及び第2給紙カセット52Bは、A4サイズの用紙Tを長さが短い辺がX方向に沿うように配置(A4横配置)可能な収納空間を有する。第1給紙カセット52A及び第2給紙カセット52Bは、収容できる用紙Tの枚数が多い大容量タイプである。
【0040】
また、第3給紙カセット52Cは、第1給紙カセット52A及び第2給紙カセット52Bの下方側に配列されて配置される。第3給紙カセット52Cは、第1給紙カセット52A及び第2給紙カセット52Bを跨るように、ケース体BDにおけるX方向に長く形成される。第3給紙カセット52Cは、A3サイズの用紙Tを長さが長い辺がX方向に沿うように配置(A3縦配置)可能な収納空間を有する。
【0041】
第1給紙カセット52A、第2給紙カセット52B及び第3給紙カセット52Cは、装置本体Mのケース体BDから水平方向に引き出し可能に配置される。第1給紙カセット52A、第2給紙カセット52B及び第3給紙カセット52Cには、用紙Tが積層された状態で収容される。第1給紙カセット52A及び第2給紙カセット52Bは、用紙Tを収容する用紙容器601A、601Bと、用紙Tが積層状態で載置される載置板60A、60Bとを備えている。第1給紙カセット52A及び第2給紙カセット52Bに配置される載置板60A、60Bそれぞれは、水平方向に平行に配置される。第3給紙カセット52Cには、用紙Tが載置される載置板60Cが配置される。
【0042】
第1給紙カセット52A及び第2給紙カセット52Bに配置される載置板60A、60Bそれぞれは、用紙容器601A、601Bそれぞれの内部に上下方向(垂直方向)に移動可能に配置される。載置板60A、60Bそれぞれは、不図示の移動用モータの駆動によっての上方向(垂直方向)へ移動される。また、載置板60A、60Bそれぞれは、用紙Tが載置板60A、60Bそれぞれに載置された場合には、載置板60A、60Bそれぞれ(及び用紙T)の自重により垂直方向下方に移動される。載置板60A、60Bそれぞれは、不図示の昇降ガイドにより垂直方向に案内されながら移動される。
【0043】
載置板60A、60B、60Cそれぞれに載置された用紙Tは、第1給紙カセット52A、第2給紙カセット52B及び第3給紙カセット52Cそれぞれの用紙Tの送り出し側端部に配置される搬出部としての第1カセット給紙部51A、搬出部としての第2カセット給紙部51B及び搬出部としての第3カセット給紙部51Cそれぞれにより搬送路54に送り出される。
【0044】
本実施形態においては、第1カセット給紙部51A、第2カセット給紙部51B及び第3カセット給紙部51Cそれぞれは、ケース体BDにおけるX方向のスイッチバック部560側の端部側に配置される。
【0045】
第1カセット給紙部51A、第2カセット給紙部51B及び第3カセット給紙部51Cそれぞれは、載置板60A、60B、60Cそれぞれの上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61A、61B、61Cそれぞれと、用紙Tを1枚ずつ搬送路54に送り出すための給紙ローラ対63A、63B、63Cそれぞれとからなる重送防止機構を備える。
【0046】
第1カセット給紙部51A、第2カセット給紙部51B及び第3カセット給紙部51Cそれぞれは、第1給紙カセット52A、第2給紙カセット52B及び第3給紙カセット52Cそれぞれに収納された用紙Tを後述する給紙搬送路521に搬出する。
【0047】
第1カセット給紙部51A、第2カセット給紙部51B及び第3カセット給紙部51Cそれぞれと排紙部50との間には、用紙Tを搬送する搬送路54が形成される。搬送路54は、給紙搬送路521と、2次転写ニップN2(画像形成部GK)から定着部9までの第7搬送路56と、定着部9から第1分岐部501までの第8搬送路509と、第1分岐部501から排紙部50までの排出搬送路510と、第1分岐部501から反転部としてのスイッチバック部560に接続される反転用搬送路(第3搬送路)520と、スイッチバック部560から2次転写ニップN2(画像形成部GK)までの第4搬送路55とを有する。
本実施形態の説明においては、用紙Tの搬送方向を「搬送方向D1」という。また、用紙Tの搬送方向に直交する方向である幅方向を「搬送幅方向D2」という。
【0048】
給紙搬送路521は、第1給紙カセット52A、第2給紙カセット52B又は第3給紙カセット52Cから搬出された用紙Tを画像形成部GKに搬送する。
給紙搬送路521は、第1給紙カセット52A、第2給紙カセット52B又は第3給紙カセット52Cと第1合流部511とをつなぐ第5搬送路522、及び、第4搬送路55における第1合流部511から2次転写ニップN2(画像形成部GK)までの部分により構成される搬送路である。給紙搬送路521は、第1給紙カセット52A又は第3給紙カセット52Cに収納された用紙Tにおける第1給紙カセット52A、第2給紙カセット52B又は第3給紙カセット52Cから2次転写ニップN2(画像形成部GK)までの搬送路として用いられる。
【0049】
第1合流部511は、給紙搬送路521における用紙Tの搬送方向D1の上流側に形成される。第1合流部511は、給紙搬送路521におけるスイッチバック部560から画像形成部GKまでの間の中間の位置よりも搬送方向D1の上流側に形成される。第1合流部511は、給紙搬送路521におけるX方向のスイッチバック部560側の端部側に形成される。第1合流部511には、後述するリサイクル搬送路523が接続される。
【0050】
第5搬送路522は、第1給紙カセット52Aから第1合流部511までの搬送路、第2給紙カセット52Bから第1合流部511までの搬送路、又は第3給紙カセット52Cから第1合流部511までの搬送路として用いられる。第5搬送路522は、第1給紙カセット52Aと第1合流部511とをつなぐ第1搬入路522Aと、第2給紙カセット52Bと第1合流部511とをつなぐ第2搬入路522Bと、第3給紙カセット52Cと第1合流部511とをつなぐ第3搬入路522Cとを有して構成される。
【0051】
給紙搬送路521における第1合流部511から2次転写ニップN2(画像形成部GK)までの部分は、水平搬送部528Aと、湾曲搬送部528Bとにより構成される。
水平搬送部528Aは、第1給紙カセット52A、第2給紙カセット52B及び第3給紙カセット52Cと画像形成部GKとの間に、ケース体BDの水平方向(X方向)における一方側から他方側にわたってケース体BDを横断するようにして形成される。
湾曲搬送部528Bは、水平搬送部528Aの搬送方向における下流側に連続して形成される。
【0052】
給紙搬送路521における第1合流部511から2次転写ニップN2(画像形成部GK)までの部分は、用紙Tを待機させる待機部528として構成される。待機部528は、第1給紙カセット52A、第2給紙カセット52B又は第3給紙カセット52Cから搬出された用紙Tを待機させる。待機部528に待機される用紙Tは、画像形成部GKに搬入される前の用紙Tである。
【0053】
待機部528は、水平搬送部528Aにより構成される平面待機部と、湾曲搬送部528Bにより構成される湾曲待機部とを有する。平面待機部(水平搬送部)528Aは、待機部528における第1合流部511側に形成される。平面待機部528Aは、給紙搬送路521における第1合流部511から2次転写ニップN2(画像形成部GK)までの部分(待機部)528において略平面に形成される搬送路である。
【0054】
具体的には、平面待機部528Aは、第1給紙カセット52A、第2給紙カセット52B及び第3給紙カセット52Cの上方側において、第1給紙カセット52A、第2給紙カセット52B及び第3給紙カセット52Cを跨いでケース体BDにおける水平方向(X方向)に長く延びる平面状に形成される。平面待機部528Aには、用紙Tを実質的に湾曲又は屈曲させることなく待機させることが可能である。
【0055】
平面待機部528Aに待機される用紙Tは、水平方向に平行な状態で待機又は搬送される。平面待機部528Aは、例えば、A4サイズの用紙Tが横方向(A4サイズの用紙Tの長さが短い辺が搬送方向D1に沿うように搬送される方向)に搬送される場合に、2枚以上のA4サイズの用紙Tが待機できるような長さを有して形成される(図2参照)。また、平面待機部528Aは、例えば、A3サイズの用紙Tが縦方向(A3サイズの用紙Tの長さが長い辺が搬送方向D1に沿うように搬送される方向)に搬送される場合に、1枚以上のA3サイズの用紙Tが待機できるような長さを有して形成される(図8参照)。
ここで、本実施形態においては、A4サイズの用紙Tが横方向(A4サイズの用紙Tの長さが短い辺が搬送方向D1に沿うように搬送される方向)に搬送される場合を「A4横の用紙T」ともいう。また、A3サイズの用紙Tが縦方向(A3サイズの用紙Tの長さが長い辺が搬送方向D1に沿うように搬送される方向)に搬送される場合を「A3縦の用紙T」ともいう。
【0056】
湾曲待機部(湾曲搬送部)528Bは、待機部528における画像形成部GK側に形成される。湾曲待機部528Bは、平面待機部528Aに連続して形成される。湾曲待機部528Bは、給紙搬送路521における第1合流部511から2次転写ニップN2(画像形成部GK)までの部分(待機部)528において、平面待機部528Aにおけるスイッチバック部560側とは反対側の端部から2次転写ニップN2(画像形成部GK)まで形成される搬送路である。
【0057】
湾曲待機部528Bは、平面待機部528Aから上方に向かって延びるように形成されると共に、湾曲して形成される搬送路である。具体的には、湾曲待機部528Bは、ケース体BDにおけるX方向のスイッチバック部560側とは反対側の端部において、平面待機部528Aに接続される。湾曲待機部528Bは、平面待機部528Aの端部から2次転写ニップN2(画像形成部GK)まで、ケース体BDの上方に向かって延びるように形成されると共に湾曲している。
【0058】
図3に示すように、給紙搬送路521には、用紙Tを案内しながら搬送するガイド板及び複数のローラ対が配置される。給紙搬送路521には、給紙ローラ対63A、63B、63Cから画像形成部GKまでの間に、ローラ対としての複数の中間ローラ対550と、レジストローラ対80と、用紙Tを検出するための複数の第1センサSとが配置される。
【0059】
給紙ローラ対63A、63B、63Cは、前述のように、用紙Tを1枚ずつ給紙搬送路521に送り出すためのローラ対である。給紙ローラ対63A、63B、63Cは、後述する搬出制御部105により制御されて用紙Tを給紙搬送路521に送り出す。
【0060】
レジストローラ対80は、2次転写ニップN2(画像形成部GK)における用紙Tの搬送方向D1の上流側(図1における右側)に配置される。レジストローラ対80は、停止状態で給紙ローラ対63A、63B、63Cから給紙された用紙Tの先端部が一旦当接された後、回転駆動して用紙Tを搬送方向D1の下流側に送り出すローラ対である。また、レジストローラ対80は、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正や、画像形成部GKにおけるトナー画像の形成とタイミング調整を行うためのローラ対である。レジストローラ対80が停止することにより、用紙Tは湾曲待機部528Bに待機される。レジストローラ対80は、不図示のレジストローラ駆動部により回転駆動される。
【0061】
複数の中間ローラ対550は、給紙搬送路521において所定間隔だけ離間して配置される。複数の中間ローラ対550は、用紙Tを待機部528に待機させたり、用紙Tを挟持して2次転写ニップN2(画像形成部GK)に向けて搬送する。
【0062】
本実施形態においては、複数の中間ローラ対550は、例えば、平面待機部528Aにおいて、第1合流部511側から、第2ローラ対としての第2Bローラ対372、第2ローラ対としての第2Aローラ対371、第1ローラ対としての第1Bローラ対352、第1ローラ対としての第1Aローラ対351とを有して構成される。第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372それぞれは、用紙Tを挟持して搬送するために、水平搬送部(平面待機部)528Aにおいて所定間隔だけ離間して配置される。
【0063】
具体的には、本実施形態においては、第1Aローラ対351と第1Bローラ対352との間隔は、A4横サイズの用紙Tが搬送される場合に、用紙Tの搬送方向D1における上流側及び下流側の端部を第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352により挟持できる間隔である。また、第1Bローラ対352と第2Aローラ対371との間隔、及び第2Aローラ対371と第2Bローラ対372との間隔それぞれは、第1Aローラ対351と第1Bローラ対351との間隔と同様に、A4横サイズの用紙Tが搬送される場合に、用紙Tの搬送方向D1における上流側及び下流側の端部を挟持できる間隔である。これにより、A4横サイズの用紙Tは、第2Bローラ対372、第2Aローラ対371、第1Bローラ対352及び第1Aローラ対351により、安定した状態で順次画像形成部GKに向けて搬送される。
【0064】
また、第1Aローラ対351と第2Bローラ対372との間隔は、A3縦サイズの用紙Tが搬送される場合に、用紙Tの搬送方向D1における上流側及び下流側の端部を第1Aローラ対351及び第2Bローラ対372により挟持できる間隔である。A3縦サイズの用紙Tは、用紙Tの搬送方向D1における上流側及び下流側の端部が第1Aローラ対351及び第2Bローラ対372で挟持されている場合、第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372に挟持されている。これにより、A3縦サイズの用紙Tは、第2Bローラ対372、第2Aローラ対371、第1Bローラ対352及び第1Aローラ対351により、安定した状態で順次画像形成部GKに向けて搬送される。
【0065】
複数の中間ローラ対550には、複数の中間ローラ対550を回転駆動させる1又は複数の回転駆動部650が接続される。複数の中間ローラ対550は、回転駆動部650の駆動により、用紙Tを待機部528に待機させたり、用紙Tを挟持して2次転写ニップN2(画像形成部GK)へ向けて搬送する。
【0066】
複数の中間ローラ対550は、回転駆動部650の駆動により所定の移動速度で移動している。例えば、複数の中間ローラ対550は、回転駆動部650の駆動により用紙Tを600mm/Sの速度で2次転写ニップN2(画像形成部GK)へ向けて搬送することができる。そのため、例えば、中間転写ベルト7の移動速度が400mm/Sの場合には、複数の中間ローラ対550に搬送される用紙Tは、中間転写ベルト7の移動速度よりも速い速度で2次転写ニップN2(画像形成部GK)へ搬送される。これにより、給紙搬送路521を搬送される用紙Tは、搬送される際に用紙Tの滑り等により遅れが生じた場合でも、画像形成部GKにおけるトナー画像の形成のタイミングに追いつくことが可能である。
【0067】
また、図3に示すように、第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372それぞれは、互いに対向する2つのローラにより構成される。具体的には、第1Aローラ対351は、駆動ローラ351aと、従動ローラ351bとを有する。第1Bローラ対352は、駆動ローラ352aと、従動ローラ352bとを有する。第2Aローラ対371は、駆動ローラ371aと、従動ローラ371bとを有する。第2Bローラ対372は、駆動ローラ372aと、従動ローラ372bとを有する。
【0068】
駆動ローラ351a、352a、371a、372a及び従動ローラ351b、352b、371b、372bは、用紙Tにおける搬送幅方向D2に平行に延びるように形成される。駆動ローラ351a、352a、371a、372aそれぞれは、外周面が従動ローラ351b、352b、371b、372bそれぞれの外周面に当接するように従動ローラ351b、352b、371b、372bに対向して配置される。駆動ローラ351a、352a、371a、372aの回転軸には、駆動ローラ351a、352a、371a、372aを回転駆動させる電動モータ等の回転駆動部650が接続される。
【0069】
具体的には、第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372それぞれにおける駆動ローラ351a、352a、371a、372aそれぞれには、第1A回転駆動部651、第1B回転駆動部652、第2A回転駆動部671及び第2B回転駆動部672それぞれが接続される。第1A回転駆動部651、第1B回転駆動部652、第2A回転駆動部671及び第2B回転駆動部672それぞれは、第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372それぞれにおける駆動ローラ351a、352a、371a、372aそれぞれを回転駆動したり又は回転駆動を停止させる。
【0070】
第1A回転駆動部651、第1B回転駆動部652、第2A回転駆動部671及び第2B回転駆動部672それぞれは、駆動ローラ351a、352a、371a、372aそれぞれを所定速度で回転駆動することで、駆動ローラ351a、352a、371a、372aそれぞれの外周面に当接する従動ローラ351b、352b、371b、372bを従動して回転する。これにより、第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372それぞれは、駆動ローラ351a、352a、371a、372aそれぞれと従動ローラ351b、352b、371b、372bとの間で用紙Tを挟持して画像形成部GKへ向けて用紙Tを搬送する。
【0071】
第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372それぞれにおける従動ローラ351b、352b、371b、372bそれぞれは、ホルダ部材640それぞれに支持される。
ホルダ部材640については、後に詳述する。
【0072】
複数の第1センサSは、用紙Tの搬送方向D1における複数の中間ローラ対550それぞれの直前(搬送方向D1における上流側)及びレジストローラ対80の直前(搬送方向D1における上流側)に配置される。複数の中間ローラ対550それぞれは、複数の第1センサSそれぞれからの検出信号情報に基づいて、用紙Tを待機部528に待機させたり、用紙Tを画像形成部GKに向けて搬送する。また、レジストローラ対80は、センサからの検出信号情報に基づいて上述の補正やタイミング調整をして用紙Tを搬送する。
【0073】
給紙搬送路521における水平搬送部528Aには、用紙Tの搬送方向D1に直交する方向である搬送幅方向D2における位置を規制する位置決め装置610が配置される。具体的には、位置決め装置610は、水平搬送部528Aにおける搬送方向D1の下流側に配置される。詳細には、位置決め装置610は、平面待機部528Aにおける第1Aローラ対351と第1Bローラ対352との間に、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352の近傍に配置される。
【0074】
位置決め装置610は、水平搬送部528Aを搬送される用紙Tに対し、搬送方向D1に直交する搬送幅方向D2における位置を調整(位置決め)する。
位置決め装置610の構成及び動作については、後に詳述する。
【0075】
第7搬送路56は、中間転写部200によりトナー画像が転写された用紙Tを2次転写ニップN2(画像形成部GK)から定着部9に搬送する搬送路である。第7搬送路56には、用紙Tを載置した状態で搬送する搬送ベルト156が配置される。
【0076】
第8搬送路509は、定着部9によりトナー画像が定着された用紙Tを第1分岐部501へ向けて搬送する搬送路である。
【0077】
第1分岐部501は、第8搬送路509における用紙Tが搬送される搬送方向の下流側に形成される分岐部である。第1分岐部501は、第8搬送路509と、排出搬送路510と、反転用搬送路520とを接続する。
【0078】
第1分岐部501には、第1切り替え部材540が設けられている。第1切り替え部材540は、第8搬送路509から搬送された用紙Tの搬送方向D1を、排出搬送路510へ向かう方向、又は用紙Tを反転させるための反転用搬送路520へ向かう方向に選択的に切り替える。第1切り替え部材540は、不図示の駆動部により移動される。
【0079】
排出搬送路510は、第8搬送路509から第1分岐部501を介して分岐された搬送路である。排出搬送路510は、定着部9から排出された用紙Tを排紙部50を介してケース体BDの外部へ向けて搬送する搬送路である。
【0080】
反転用搬送路520は、第8搬送路509から第1分岐部501を介して分岐された排出搬送路510とは異なる搬送路である。反転用搬送路520は、第1分岐部501から後述するスイッチバック部560までの搬送路である。反転用搬送路520は、第1分岐部501からケース体BDのほぼ下向きに延びている。反転用搬送路520は、第1分岐部501からスイッチバック部560へ画像形成部GKにより第1面にトナー画像が形成された用紙Tを搬送する。
【0081】
スイッチバック部560は、ケース体BDにおけるX方向の一方の端部近傍に配置される。スイッチバック部560は、スイッチバックローラ対561と、不図示のスイッチバック回転駆動部とを有する。
【0082】
スイッチバックローラ対561は、画像形成部GKから搬出されると共に反転用搬送路520に搬送された用紙Tの表裏を反転させる。スイッチバック回転駆動部は、用紙Tを引き込む方向又は用紙Tを引き込む方向とは反対方向にスイッチバックローラ対561を回転させる。これにより、スイッチバックローラ対561は、引き込んだ用紙Tの搬送方向を反対方向に切り替える。
【0083】
また、スイッチバック回転駆動部は、スイッチバックローラ対561の回転方向を反対方向に切り替える際に、用紙Tを引き込んだスイッチバックローラ対561の回転を一旦停止させる。これにより、スイッチバック部560は、引き込まれた用紙Tの搬送方向を反対方向に切り替えて用紙Tの表裏を反転させる。そして、スイッチバック部560は、スイッチバック部560における用紙Tを引き込んだ側と同じ側から用紙Tを第4搬送路55に送り出す。
【0084】
第4搬送路55は、リサイクル搬送路523と、給紙搬送路521における第1合流部511から画像形成部GKまでの部分と、により構成される。給紙搬送路521における第1合流部511から画像形成部GKまでの部分は、水平搬送部528A及び湾曲搬送部528Bとにより構成される。
リサイクル搬送路523は、スイッチバック部560により表裏反転された用紙Tを、給紙搬送路521における水平搬送部528Aの搬送方向D1の上流側に形成される第1合流部511に合流させる。
第4搬送路55は、リサイクル搬送路523により水平搬送部528Aの搬送方向D1における上流側に接続されると共に、給紙搬送路521における水平搬送部528A及び湾曲搬送部528Bが共通する。
第4搬送路55は、スイッチバック部560により表裏を反転された用紙Tを2次転写ニップN2(画像形成部GK)へ向けて搬送する搬送路である。第4搬送路55は、スイッチバック部560により表裏を反転された用紙Tを、リサイクル搬送路523を介して給紙搬送路521に合流させて画像形成部GKの上流側に戻すための戻し搬送路として構成される。
【0085】
本実施形態においては、第4搬送路(戻し搬送路)55は、スイッチバック部560から、第1分岐部501、第8搬送路509、定着部9の下方を通り、給紙搬送路521に合流して、第7搬送路56、2次転写ローラ8及びレジストローラ対80の下方を略水平に通り、ケース体BDにおけるX方向のスイッチバック部560側とは反対側の端部において、上方に向かうよう湾曲して形成される。第4搬送路55は、用紙Tの両面にトナー画像を印刷する、いわゆる両面印刷をする場合に用いられる搬送路である。用紙Tは、例えば、スイッチバック部560により表裏が反転された状態で、戻し搬送路(第4搬送路)55を介して画像形成部GKに戻される。
【0086】
詳細には、用紙Tの第1面にトナー画像を印刷する際には、用紙Tは、中間転写ベルト7の表面に第1面が対向するように中間転写部200(画像形成部GK)に搬送される。用紙Tの第1面に印刷された用紙Tの第2面にトナー画像を印刷する場合には、用紙Tは、スイッチバック部560により表裏が反転された状態で、戻し搬送路(第4搬送路)55を介して中間転写部200(画像形成部GK)に戻される。これにより、中間転写ベルト7の表面に第2面が対向するように中間転写部200(画像形成部GK)に搬送される。
【0087】
装置本体Mの図1における右側面であって給紙カセット52の上方には、手差し給紙部64が設けられる。手差し給紙部64は、閉状態において側壁を構成する手差しトレイ65と、給紙コロ66とを備える。手差しトレイ65は、下端が給紙搬送路521における湾曲待機部528Bの上方側の近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。手差し給紙部64は、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを給紙搬送路521の湾曲待機部528Bに給紙する。
【0088】
反転排出用搬送路530は、第4搬送路55における第1合流部511よりも搬送方向D1の上流側に形成される第2分岐部502と排紙部50とをつなぐ搬送路である。反転排出用搬送路530は、第1面及び第2面に画像が形成された用紙Tを反転させて排紙部50へ搬送する搬送路である。
【0089】
第2分岐部502は、第4搬送路55における第1合流部511よりも搬送方向D1の上流側に形成される。第2分岐部502には、第2切り替え部材541が設けられている。第2切り替え部材541は、スイッチバック部560において用紙Tの表裏が反転され搬送された用紙Tの搬送先を、反転排出用搬送路530に向かう方向又は第4搬送路(戻し搬送路)55に向かう方向に選択的に切り替える。第2切り替え部材541は、不図示の駆動部により移動される。
【0090】
反転排出用搬送路530における第2分岐部502よりも排紙部50側には、第3分岐部503が形成される。第3分岐部503には、不図示の第3切り替え部材が設けられている。第3切り替え部材は、スイッチバック部560から排出される用紙Tの反転用搬送路520側への搬送を禁止し、反転排出用搬送路530側への搬送を許可する。第3切り替え部材は、不図示の駆動部により移動される。
【0091】
次に、図3から図4Bにより、位置決め装置610について説明する。図4Aは、カラーコピー機1における位置決め装置610を示す平面図である。図4Bは、図4Aにおける位置決め装置610を示す側面図である。
図4A及び図4Bに示すように、位置決め装置610は、載置板615と、位置規制部材620と、ラック・ピニオン機構部635と、位置規制部材620を移動させる規制部材駆動部としてのガイド部材駆動部630と、検出部材としての第2センサ648と、ホルダ部材640と、第1離間駆動部642と、第2離間駆動部643とを有する。位置規制部材620は、第1ガイド部材620aと、第2ガイド部材620bとを有する。
【0092】
図4Aに示すように、載置板615は、平面状の板部材である。載置板615は、平面状の載置面615aを有する。載置面615aには、所定の搬送方向D1(矢印P方向)から搬入された用紙Tが載置される。
【0093】
第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bは、載置板615における載置面615a側に配置される。
第1ガイド部材620a、第2ガイド部材620bそれぞれは、用紙Tが載置される底面部621a、621bそれぞれと、底面部621a、621bそれぞれの搬送幅方向D2における外側の外縁から垂直方向に立ち上がるように形成され用紙Tの外縁に当接する立ち壁部622a、622bそれぞれと、を備える。
【0094】
第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bは、載置面615aと平行な方向であって互いに近づく方向に移動すると共に、載置面615aと平行な方向であって互いに遠ざかる方向に移動する。第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bは、ガイド部材駆動部630により駆動される。具体的には、第1ガイド部材620aは、第2ガイド部材620bに近づく矢印Q3方向と、第2ガイド部材620bから遠ざかる矢印Q4方向とに移動可能である。第2ガイド部材620bは、第1ガイド部材620aに近づく矢印Q1方向と、第1ガイド部材620aから遠ざかる矢印Q2方向とに移動可能である。
【0095】
第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bは、(所定の初期ポジションから)ホームポジションを基準として、待機ポジション及び位置決めポジションに移動可能である。待機ポジションに位置する第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bは、用紙Tが載置板615に載置された後、位置決めポジションに移動して用紙Tの搬送幅方向D2における位置を調整する(位置決めする)。
【0096】
第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bは、第1ガイド部材620aにおける立ち壁部622aと、第2ガイド部材620bにおける立ち壁部622bとにより、用紙Tを挟むようにして、用紙Tの搬送幅方向D2における位置を調整する。
ガイド部材駆動部630は、第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bを搬送幅方向D2に移動させると共に、用紙Tの外縁に当接させて用紙T搬送幅方向D2における位置決めをさせる。
【0097】
ラック・ピニオン機構部635は、ピニオン636と、ピニオン636に噛合うと共に互いに平行に配置されるラック637a及びラック637bを有する。
ピニオン636には、ガイド部材駆動部630が接続される。
【0098】
ラック637a及びラック637bそれぞれは、搬送幅方向D2における外側において、第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bそれぞれと連結される。
具体的には、ラック637a及びラック637bそれぞれは、不図示の皿ネジにより第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bそれぞれに連結される。
【0099】
ラック637aと皿ネジとの間には、円筒状のローラ627a、627aが回転可能に配置される。円筒状のローラ627a、627aは、載置板615に形成された溝部628aに摺接嵌合される。これにより、第1ガイド部材620aは、搬送幅方向D2(矢印Q3、Q4方向)に案内されながら移動される。
【0100】
ラック637bと皿ネジとの間には、円筒状のローラ627b、627bが回転可能に配置される。円筒状のローラ627b、627bは、載置板615に形成された溝部628bに摺接嵌合される。これにより、第2ガイド部材620bは、搬送幅方向D2(矢印Q1、Q2方向)に案内されながら移動される。
ラック・ピニオン機構部635によれば、第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bを反対方向に、互いに同じ距離だけ移動させることができる。
【0101】
上述より、ガイド部材駆動部630は、第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bを搬送幅方向D2に移動させると共に、用紙Tの外縁に当接させて用紙T搬送幅方向D2における位置決めをさせる。
【0102】
第2センサ648は、水平搬送部528Aに沿って配置される。
第2センサ648は、後述する搬入検出部112とともに、用紙Tが載置板615に載置されたことを検出する。第2センサ648は、後述する搬入検出部112とともに、用紙Tが位置決め装置610に搬入されたことを検出する。
【0103】
ホルダ部材640について説明する。ホルダ部材640それぞれの構成は、第1Aローラ対351における従動ローラ351b、第1Bローラ対352における従動ローラ352bそれぞれを支持するホルダ部材640それぞれの構成について説明し、その他のホルダ部材640に関する説明については、同様の構成であるため説明を省略する。
【0104】
図4Bに示すように、ホルダ部材640は、2枚の側壁板640a、640aそれぞれと、ベース板640bそれぞれとを有する。ベース板640bは、搬送幅方向D2に長い板状の部材により形成される。ベース板640bそれぞれは、従動ローラ351b、352bそれぞれの下方に配置される。2枚の側壁板640a、640aそれぞれは、板状の部材により形成され、従動ローラ551b、552bそれぞれの両端部近傍に配置される。2枚の側壁板640a、640aそれぞれは、ベース板640bの搬送幅方向D2における両端部において接続される。
【0105】
2枚の側壁板640a、640aそれぞれは、従動ローラ351b、352bにおける搬送幅方向D2の両端部から突出する回転軸を支持する。これにより、従動ローラ351b、352bは、ホルダ部材640それぞれに回転可能に支持される。
【0106】
ホルダ部材640それぞれにおける搬送方向D1の上流側の端部には、ホルダ部材640それぞれを駆動ローラ351a、352a側に付勢するバネ材645それぞれが固定される。これにより、ホルダ部材640それぞれに支持された従動ローラ351b、352bそれぞれは、駆動ローラ351a、352a側それぞれに付勢される。
【0107】
ホルダ部材640それぞれは、支軸部材646それぞれを介してカラーコピー機1における装置本体Mのケース体BDやその他の部材に回動可能に支持される。具体的には、支軸部材646それぞれは、ホルダ部材640それぞれにおける搬送方向D1の下流側の端部において、2枚の側壁板640a、640aそれぞれから搬送幅方向D2の外側に突出する。支軸部材646それぞれは、カラーコピー機1における装置本体Mのケース体BDやその他の部材により回動可能に支持される。
【0108】
ホルダ部材640それぞれに支持された従動ローラ351b、352bは、ホルダ部材640それぞれがバネ材645の付勢力に抗して支軸部材646を中心に駆動ローラ351a、352aから離れる方向に回動することで、駆動ローラ351a、352aから離間する方向J1に移動可能に構成される。また、ホルダ部材640それぞれに支持された従動ローラ351b、352bは、駆動ローラ351a、352aから離間した状態から、バネ材645の付勢力により、駆動ローラ351a、352aに近接する方向J2に移動可能に構成される。
また、ホルダ部材640それぞれには、ホルダ部材640を回動させて駆動ローラ351a、352a、371a、372aそれぞれから従動ローラ351b、352b、371b、372bを離間させる後述する第1離間駆動部642又は第2離間駆動部643が接続される。
【0109】
図3に示すように、第1離間駆動部642は、第1Aローラ対351、第1Bローラ対352それぞれが用紙Tを挟持している状態から、従動ローラ351b、352bそれぞれを用紙Tから離間させる。第2離間駆動部643は、第1離間駆動部642と同様に、第2Aローラ対371、第2Bローラ対372それぞれが用紙Tを挟持している状態から、従動ローラ371b、372bそれぞれを用紙Tから離間させる。
【0110】
具体的には、第1離間駆動部642及び第2離間駆動部643は、支軸部材646の軸を中心としてホルダ部材640を回動させる。これにより、ホルダ部材640に支持された従動ローラ351b、352b、371b、372bそれぞれは、駆動ローラ351a、352a、371a、372aそれぞれから離間する位置又は駆動ローラ351a、352a、371a、372aに近接する位置に移動される。第1離間駆動部642及び第2離間駆動部643は、例えば、ステッピングモータなどを動力源として、カム機構などによりホルダ部材640を下方に移動させるように構成することができる。
【0111】
詳細には、第1離間駆動部642は、第1Aローラ対351の従動ローラ351bを駆動ローラ351aから離間させたり駆動ローラ351aに近接させたりする動作と、第1Bローラ対352の従動ローラ352bを駆動ローラ352aから離間させたり駆動ローラ352aに近接させたりする動作を同時に行う。
【0112】
これにより、第1離間駆動部642は、例えば、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352に挟持される長さの用紙T(例えば、A4横サイズの用紙T)を、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対に挟持された状態から離間させたり、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352から離間した状態から当接させたりする。
【0113】
また、第2離間駆動部643は、第2Aローラ対371の従動ローラ371bを駆動ローラ372aから離間させたり駆動ローラ371aに近接させたりする動作と、第2Bローラ対372の従動ローラ372bを駆動ローラ372aから離間させたり駆動ローラ372aに近接させたりする動作とを同時に行う。
【0114】
ここで、例えば、第1離間駆動部642及び第2離間駆動部643を同時に動作させることにより、第1離間駆動部642及び第2離間駆動部643は、例えば、第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372に挟持される長さの用紙T(例えば、A3縦サイズの用紙T)を、第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372に挟持された状態から離間させたり、第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372から離間した状態から当接させたりする。
【0115】
次に、図5を参照して、本実施形態のカラーコピー機1の制御に係る機能について説明する。図5は、本発明の一実施形態のカラーコピー機1の機能を示す機能ブロック図である。
図5に示すように、カラーコピー機1は、受け付け部101と、複数の第1センサSと、第2センサ648と、制御部102と、記憶部150とを備える。受け付け部101は、画像が形成される用紙Tの枚数に関する枚数情報と、用紙Tの種類に関する種類情報と、用紙Tの片面に画像を形成するか又は用紙Tの両面に画像を形成するか否かに関する印刷面情報を含む画像形成指示情報を受け付け可能である。受け付け部101は、受け付けた画像形成指示情報を制御部102(待機状況管理部107)に出力する。
【0116】
画像形成指示情報には、カラーコピー機1の操作部(図示せず)により受け付けられた用紙Tに関する枚数情報、用紙Tに関する種類情報及び用紙Tに関する印刷面情報や、PC(パーソナルコンピュータ)等の外部機器から受け付けられた用紙Tに関する枚数情報、用紙Tに関する種類情報及び用紙Tに関する印刷面情報が含まれる。
また、画像形成指示情報における用紙Tの種類に関する種類情報には、用紙Tの種類に関するサイズの規格(縦方向の長さ及び横方向の長さ)や、用紙Tの搬送方向(縦方向又は横方向)に関する情報が含まれる。
【0117】
第1センサSは、複数のローラ対550それぞれやレジストローラ対80の直前に配置され、用紙Tが複数のローラ対550それぞれやレジストローラ対80の直前の位置を搬送された場合に、所定の信号を制御部102(用紙検出部104)に出力する。
第2センサ648は、位置決め装置610に用紙Tが搬入された場合、所定の信号を制御部102(搬入検出部112)に出力する。
【0118】
制御部102は、用紙検出部104と、搬出制御部105と、回転駆動制御部106と、待機状況管理部107と、ガイド部材駆動制御部111と、搬入検出部112と、離間制御部113とを有する。
用紙検出部104は、複数の第1センサSからの用紙Tに関する検出信号情報に基づいて、給紙搬送路521における複数の第1センサSの検出位置における用紙Tの存否を検出する。用紙検出部104は、用紙Tの存否に関する検出情報を後述する待機状況管理部107に出力する。
【0119】
回転駆動制御部106は、後述する待機状況管理部107からの情報に基づいて、待機部528に待機された用紙Tを画像形成部GKへ向けて搬送するように回転駆動部650を制御する。また、回転駆動制御部106は、後述する待機状況管理部107からの情報に基づいて、待機部528に一定枚数の用紙Tを待機させるように回転駆動部650を制御する。本実施形態においては、回転駆動部650は、2枚のA4横の用紙Tを待機部528における平面待機部528Aに待機させることができる。また、回転駆動部650は、1枚のA3縦の用紙Tを待機部528における平面待機部528Aに待機させることができる。
【0120】
回転駆動制御部106は、第1回転駆動制御部106Aと、第2回転駆動制御部106Bとを有する。
第1回転駆動制御部106Aは、後述する搬入検出部112により用紙Tが位置規制部材620と幅方向D2に並んだことが検出された場合、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352の回転を停止させるように第1A回転駆動部651及び第1B回転駆動部652を制御する。
【0121】
第1回転駆動制御部106Aは、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352の回転が停止されるように第1A回転駆動部651及び第1B回転駆動部652が制御された場合、後述する第1離間制御部113Aに所定の信号を出力する。
【0122】
また、第1回転駆動制御部106Aは、第1離間制御部113Aにより第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352における2つのローラ部材が互いに近接するよう第1離間駆動部642が制御された場合、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352を回転可能な状態にするように第1A回転駆動部651及び第1B回転駆動部652を制御する。
【0123】
第2回転駆動制御部106Bは、後述する搬入検出部112により用紙Tが位置規制部材620と幅方向D2に並んだことが検出された場合、受け付け部101により受け付けられた画像形成情報に含まれるサイズ情報に基づいて、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372の回転を停止させるように第2A回転駆動部671及び第2B回転駆動部672を制御する。
【0124】
第2回転駆動制御部106Bは、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372の回転が停止されるように第2A回転駆動部671及び第2B回転駆動部672が制御された場合、後述する第2離間制御部113Bに所定の信号を出力する。
【0125】
また、第2回転駆動制御部106Bは、第2離間制御部113Bにより第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372における2つのローラ部材が互いに近接するよう第2離間駆動部643が制御された場合、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372を回転可能な状態にするように第2A回転駆動部671及び第2B回転駆動部672を制御する。
【0126】
搬出制御部105は、後述する待機状況管理部107からの情報に基づいて、第1カセット給紙部51A、第2カセット給紙部51B及び第3カセット給紙部51Cを制御する。第1カセット給紙部51A、第2カセット給紙部51B及び第3カセット給紙部51Cは、搬出制御部105からの制御信号により、第1給紙カセット52A、第2給紙カセット52B及び第3給紙カセット52Cに収納された用紙Tを搬出する。
【0127】
待機状況管理部107は、用紙検出部104により入力された用紙Tに関する検出情報、受け付け部101により入力された用紙Tの枚数に関する枚数情報及び用紙Tに関する種類情報を含む画像形成指示情報に基づいて、待機部528における用紙Tの待機状況を管理する。待機状況管理部107は、待機状況に関する情報を搬出制御部105及び回転駆動制御部106に出力する。
【0128】
具体的には、待機状況管理部107は、用紙検出部104により入力された用紙Tに関する検出情報に基づいて、給紙搬送路521に待機される用紙Tの待機状況を認識する。
【0129】
また、待機状況管理部107は、受け付け部101により入力された用紙Tの枚数に関する枚数情報及び用紙Tに関する種類情報を含む画像形成指示情報に基づいて、給紙搬送路521を搬送される用紙Tの総枚数及び残り枚数、用紙Tのサイズ、を認識する。
【0130】
また、待機状況管理部107は、用紙Tの待機状況、用紙Tの総枚数及び残り枚数、用紙Tのサイズ、回転駆動部650の駆動状況、第1カセット給紙部51A、第2カセット給紙部51B及び第3カセット給紙部51Cの駆動状況、ガイド部材駆動部630の駆動状況に基づいて、待機部528における用紙Tの待機状況を予想する。例えば、待機状況管理部107は、待機部528におけるレジストローラ対80側の用紙Tが画像形成部GKに搬送された場合には、次に搬送される用紙Tを待機部528におけるレジストローラ対80側に順次つめるような待機状況を予測する。このように、待機状況管理部107は、待機部528における用紙Tの待機状況を予測して、待機状況に関する情報を搬出制御部105及び回転駆動制御部106に出力する。
【0131】
ガイド部材駆動制御部111は、第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bそれぞれを位置決めポジションに移動させるようガイド部材駆動部630を制御する。ガイド部材駆動制御部111は、受け付け部101から出力される情報に含まれる用紙Tのサイズ情報と、後述する記憶部150に記憶されるポジション情報とに基づいて、ガイド部材駆動部630を制御する。
【0132】
ここで、ガイド部材駆動制御部111は、後述する記憶部150に記憶される待機ポジションの情報に基づいて、第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bそれぞれを待機ポジションに移動させるようにガイド部材駆動部630を制御する。
【0133】
また、ガイド部材駆動制御部111は、後述する第1離間制御部113Aにより第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352における2つのローラ部材が互いに離間するよう第1離間駆動部642が制御された場合、記憶部150に記憶される位置決めポジションの情報に基づいて、所定時間後に、第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bそれぞれを待機ポジションから位置決めポジションに移動させるようガイド部材駆動部630を制御する。
【0134】
搬入検出部112は、第2センサ648から出力される検出結果に基づいて、用紙Tが位置規制部材620と幅方向D2に並んだことを検出する。搬入検出部112は、用紙Tが位置規制部材620と幅方向D2に並んだことを検出した場合、回転駆動制御部106に対して所定の信号を出力する。
【0135】
離間制御部113は、第1離間制御部113Aと、第2離間制御部113Bとを有する。
第1離間制御部113Aは、第1回転駆動制御部106Aにより第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352における回転が停止されるように第1A回転駆動部651が制御された場合、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352における2つのローラ部材が互いに離間するように第1離間駆動部642を制御する。
【0136】
また、第2離間制御部113Bは、第2回転駆動制御部106Bにより第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372における回転が停止されるように第2A回転駆動部671が制御された場合、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372における2つのローラ部材が互いに離間するように第2離間駆動部643を制御する。
【0137】
また、第1離間制御部113A又は第2離間制御部113Bは、位置決め装置610により用紙Tの搬送幅方向D2における位置決め動作が終了した後に、第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372を用紙Tに当接させるように第1離間駆動部642及び/又は第2離間駆動部643を制御する。なお、位置決め装置610における位置決め動作が終了したか否かは、第1ガイド部材620a又は第2ガイド部材620bの移動を検知する不図示のセンサにより検出して判定してもよいし、搬入検出部112により用紙Tが検出されてからの時間を計測して判定してもよい。
【0138】
離間制御部113は、第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372が用紙Tに当接されるように第1離間駆動部642及び/又は第2離間駆動部643が制御された場合、回転駆動制御部106に所定の信号を出力する。
【0139】
ここで、記憶部150には、用紙Tのサイズごとに予め設定された第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bの位置に関するポジション情報が記憶されている。ポジション情報には、待機ポジションに関する情報と、位置決めポジションに関する情報とが含まれる。待機ポジションとは、位置決め装置610に搬入される用紙Tを第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bが待機するポジションである。位置決めポジションとは、第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bが用紙Tの外縁に当接して、用紙Tの搬送幅方向D2における位置を調整できる第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bのポジションである。
【0140】
次に、本実施形態のカラーコピー機1の基本動作について簡単に説明する。
原稿送り部70から送り出された原稿は、画像読み込み部71により画像が読み込まれる。読み込まれた画像における画像情報は、装置本体Mに入力される。
【0141】
装置本体Mにおいて、入力された画像情報は、不図示の画像形成制御部に入力される。画像形成制御部は、画像情報に基づいて、画像形成部GKを構成する像担持体としての感光体ドラム2a、2b、2c、2d、帯電部10a、10b、10c、10d、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dや現像器16a、16b、16c、16d等を制御する。感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面には、画像情報に基づいて、所定のトナー画像が形成される(図1参照)。
【0142】
具体的には、画像形成部GKにおいては、感光体ドラム2の表面に対して、上流側から下流側に順に、帯電部10a、10b、10c、10dによる帯電、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dによる露光、現像器16a、16b、16c、16dによる現像が行われる。
詳細には、まず、帯電部10a、10b、10c、10dは、感光体ドラム2の表面を一様に負(マイナス極性)又は正(プラス極性)に帯電させる。
次に、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、画像読み込み部71により読み込まれた画像に関する画像情報に基づいて感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を走査露光する。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれにより走査露光されることで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面の露光された部分の電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に静電潜像が形成される。
次に、現像器16a、16b、16c、16dは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に形成された静電潜像に各色のトナーを付着させて、トナー画像を感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に形成する。
【0143】
感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成されたトナー画像は、中間転写ベルト7を介して、2次転写ニップN2において、用紙Tの第1面に2次転写される。第1面に印刷(画像が形成)された用紙Tは、排紙部50からケース体BDの外部に排出される(図1参照)。
【0144】
ここで、用紙Tが片面に印刷される場合には、第1面に画像が形成された用紙Tは、排出搬送路510を経由して直接(反転用搬送路520を経由することなく)排紙部50からケース体BDの外部に排出される。
一方、用紙Tが両面に印刷される場合には、用紙Tは、反転用搬送路520、スイッチバックローラ対561、戻し搬送路(第4搬送路)55等を経由することにより表裏が反転されて、2次転写ニップN2に再度搬送され、用紙Tの第2面への印刷(画像の形成)が行われる。また、第2面に印刷がされた用紙Tは、反転用搬送路520、スイッチバックローラ対561、反転排出用搬送路530等を経由することにより、(印刷が行われることなく)再度表裏が反転されて、排紙部50からケース体BDの外部に排出される。
【0145】
次に、本実施形態のカラーコピー機1における具体的な動作につき、図1から図7を参照しながら説明する。図6Aは、カラーコピー機1の動作を説明するフローチャートである。図6Bは、カラーコピー機1の動作を説明するフローチャートである。図7は、A4サイズの用紙Tが位置決め装置610により位置決めされて搬送される様子を説明する図である。
本実施形態のカラーコピー機1における第1実施例の具体的な動作については、A4サイズの用紙Tが横方向に搬送(A4横の用紙T)される場合について説明する。第1給紙カセット52A及び第2給紙カセット52Bそれぞれには、A4サイズの複数の用紙Tが収納されている。第1給紙カセット52A及び第2給紙カセット52Bには、A4サイズの用紙Tは、長さの短い辺がX方向に沿うように配置(A4横配置)されている。
【0146】
ステップST1において、カラーコピー機1は、搬送路54に用紙Tが存在しない初期状態にある。受け付け部101は、カラーコピー機1の初期状態において、例えばコピー機1の外部に配置されている操作部(図示せず)が操作されたことに基づいて発生する画像形成指示情報を受け付ける。
【0147】
具体的には、操作部により入力された画像形成指示情報には、画像が形成される用紙Tの枚数に関する枚数情報と、用紙Tの種類(用紙Tのサイズ)に関する種類情報と、用紙Tの片面に画像を形成するか又は用紙Tの両面に画像を形成するかに関する印刷面情報とが含まれる。受け付け部101は、受け付けた画像形成指示情報を待機状況管理部107、及び回転駆動制御部106に出力する。
【0148】
ステップST2において、ガイド部材駆動制御部111は、記憶部150に記憶される待機ポジションの情報に基づいて、第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bそれぞれを待機ポジションに移動する又は維持するようにガイド部材駆動部630を制御する。
【0149】
ステップST3において、搬出制御部105は、画像形成指示情報における用紙Tの枚数情報に基づいて、用紙Tを給紙搬送路521に搬出するように第1カセット給紙部51Aを制御する。用紙Tは、給紙搬送路521により画像形成部GKに向けて順次搬送される。
【0150】
ステップST4において、用紙Tは、給紙搬送路521における水平搬送部528Aへ向けて搬送される。
【0151】
ステップST5において、用紙検出部104は、複数の第1センサSからの用紙Tの検出信号に基づいて、給紙搬送路521における用紙Tの存否を検出する。用紙検出部104は、用紙Tの存否に関する検出情報を待機状況管理部107に出力する。
【0152】
また、待機状況管理部107は、用紙検出部104により入力された用紙Tに関する検出情報、受け付け部101により入力された用紙Tの枚数に関する枚数情報及び用紙Tに関する種類情報を含む画像形成指示情報に基づいて、待機部528における用紙Tの待機状況を管理する。待機状況管理部107は、待機状況に関する情報を搬出制御部105及び回転駆動制御部106に出力する。
【0153】
また、回転駆動制御部106は、待機状況管理部107からの情報に基づいて、回転駆動部650を制御する。搬出制御部105は、待機状況管理部107からの情報に基づいて、用紙Tを第1給紙カセット52Aから搬出するように第1カセット給紙部51Aを制御する。
【0154】
具体的には、回転駆動制御部106は、待機状況管理部107から入力された情報に基づいて、用紙Tを待機部528に待機させるか、又は、用紙Tを画像形成部GKへ向けて搬送するかにより、回転駆動部650を制御する。
また、搬出制御部105は、待機状況管理部107から入力された情報に基づいて、一定枚数の用紙Tを待機部528におけるレジストローラ対80側から順に待機させるように第1カセット給紙部51Aを制御する。
【0155】
ステップST6において、水平搬送部528Aに搬送されたA4横サイズの用紙Tは、位置決め装置610に搬入される。
【0156】
ステップST7において、用紙Tが位置決め装置610に並んだ場合(搬入検出部112により用紙Tの幅方向D2に並んだことが検出された場合)、第1回転駆動制御部106Aは、第1Aローラ対351及び第2Aローラ対352を停止させるように第1A回転駆動部651及び第1B回転駆動部652を制御する。
また、用紙Tが位置決め装置610に並んだ場合(搬入検出部112により用紙Tの幅方向D2に並んだことが検出された場合)、受け付け部101により受け付けられた画像形成情報に含まれるサイズ情報に基づいて、第2回転駆動制御部106Bは、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372を停止させるように第2A回転駆動部671及び第2B回転駆動部672を制御する。
【0157】
本第1実施例においては、水平搬送部528Aにおける位置決め装置610の下流側にA4横の用紙Tを搬送して待機させるため、第2回転駆動制御部106Bは、受け付け部101により受け付けられた画像形成情報に含まれるサイズ情報に基づいて、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372を回転可能な状態になるように第2A回転駆動部671及び第2B回転駆動部672を制御する。
【0158】
ステップST8において、第1離間制御部113Aは、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352における2つのローラ部材が互いに離間するように第1離間駆動部642を制御する。また、第2離間制御部113Bは、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372における2つのローラ部材が互いに離間しないように第1離間駆動部642を制御する。これにより、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352は、用紙Tから離間する。また、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372に挟持させて待機させている場合には、用紙Tは、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372から離間しない。従って、第1離間駆動部642及び第2離間駆動部643は、位置決めが行われる用紙Tを挟持する第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352のみを用紙Tから離間させる。
【0159】
ステップST9において、水平搬送部528Aに搬送された用紙Tの搬送幅方向D2における位置決めが行われる。具体的には、水平搬送部528Aにおける画像形成部GK側であって第1Aローラ対351と第1Bローラ対352との間には、位置決め装置610が配置されている。位置決め装置610に搬入された用紙Tは、位置決め装置610により順次用紙Tの搬送幅方向D2における位置決めがされる。
そして、ガイド部材駆動部630は、ガイド部材駆動制御部111からの指示に基づいて、第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bそれぞれを待機ポジションから位置決めポジションに移動させる。
【0160】
位置決め装置610は、このように動作することで、搬入された用紙Tの搬送幅方向D2における位置決めを行う。用紙Tの搬送幅方向D2における位置決め動作の終了後、ガイド部材駆動部630は、ガイド部材駆動制御部111からの指示に基づいて、第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bそれぞれを位置決めポジションから待機ポジションに移動させる。
この場合、位置決め装置610は、用紙Tが第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352から離間されているため、用紙Tの搬送幅方向D2における位置決めを好適に行うことができる。
【0161】
また、位置決め装置610による用紙Tの位置決め動作は、画像形成指示情報における用紙Tのサイズ情報に基づいて行われている。そのため、例えば、位置決め装置610によりA4サイズの用紙Tの搬送幅方向D2における位置決めを行う場合、位置決め装置610は、用紙Tが位置決め装置610に搬送された状態において、用紙Tを挟持する第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352のみの回転を停止すると共に、用紙Tを挟持する第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352のみを用紙Tから離間させる。
【0162】
これにより、水平搬送部528Aにおける位置決め装置610により位置決め動作が行われる用紙Tの下流側には、第1給紙カセットから搬出されるA4横の用紙Tを搬送することができる。
【0163】
ステップST10において、第1離間制御部113Aは、位置決め装置610により用紙Tの搬送幅方向D2における位置決め動作が終了した後に、第1Aローラ対351、第1Bローラ対352を用紙Tに当接させるように第1離間駆動部642制御する。例えば、第1ガイド部材520a又は第2ガイド部材520bの移動を検知する不図示のセンサにより位置決め装置610の位置決め動作終了を検出して、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352を用紙Tに当接して用紙Tを挟持するように第2離間駆動部643を制御する。
【0164】
ステップST11において、第1回転駆動制御部106Aは、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352を回転可能な状態にするように第1A回転駆動部651及び第1B回転駆動部652を制御する。
【0165】
ステップST12において、位置決め装置610により搬送幅方向D2における位置決めがされた用紙Tは、待機状況管理部107から入力された情報に基づいて、レジストローラ対80へ向けて順次搬送される。これにより、用紙Tは、搬送幅方向D2における位置決めされた後の好適な状態で、画像形成部GKへ向けて順次搬送される。
ステップST13において、画像形成部GKにより用紙Tの第1面に画像が形成される。
【0166】
図6Bに示すように、ステップST14において、制御部102は、受け付け部101から出力された情報により用紙Tの片面に画像を形成するか又は用紙Tの両面に画像を形成するかを判定する。用紙Tの両面に画像を形成する場合(YES)には、ステップST15へ進む。本実施形態においては、用紙Tの両面に画像を形成する場合には、まず、所定枚数の用紙Tの第1面のみに画像を形成した後に用紙Tを反転させて、第1面に印刷された所定枚数の用紙Tの第2面に画像を形成する。これにより、用紙Tの両面には、画像が形成される。例えば、画像形成部GKは、5枚の用紙Tの第1面のみに連続的に画像を形成した後に、第1面に画像が形成された5枚の用紙Tの第2面に連続的に画像を形成する。
用紙Tの片面に画像を形成する場合(NO)には、ステップST26へ進む。
【0167】
ステップST15において、用紙Tは、用紙Tの第2面にトナー画像を形成するために、スイッチバック部560に向けて搬送される。具体的には、定着部9から排出された第1面に画像が形成された5枚の用紙Tは、順次、第8搬送路509、第1分岐部501及び反転用搬送路520を経由して、スイッチバック部560に搬送される。用紙Tは、スイッチバック部560により表裏が反転される。
【0168】
ステップST16において、ガイド部材駆動制御部111は、第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bそれぞれを、第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bそれぞれを待機ポジションに移動する又は維持するようにガイド部材駆動部630を制御する。
【0169】
ステップST17において、スイッチバック部560により反転された用紙Tは、順次、戻し搬送路(第4搬送路)55により画像形成部GKに再び搬送される。例えば、5枚のA4横の用紙Tに両面印刷を行う場合、第1面に画像が形成された5枚のA4横の用紙Tは、スイッチバック部560により反転され、戻し搬送路(第4搬送路)55を経由して画像形成部GKに順次搬送される。
【0170】
ステップST18において、用紙Tは、上述のステップST4と同様に、水平搬送部528Aに搬送される。ここで、戻し搬送路(第4搬送路)55における第1合流部511から画像形成部GKまでの部分は、給紙搬送路521と共通する搬送路である。そのため、戻し搬送路(第4搬送路)55を搬送される用紙Tを水平搬送部528Aに待機させることができる。
【0171】
ステップST19からステップST23において、位置決め装置610により用紙Tにおける搬送幅方向D2の位置決めがなされる。
ここで、スイッチバック部560により表裏が反転された用紙Tは、スイッチバック部560における反転動作により搬送幅方向D2の位置がずれる可能性がある。そのため、待機部528に配置される位置決め装置610により、スイッチバック部560における反転動作による用紙Tの搬送幅方向D2の位置のずれを抑制することができる。
【0172】
特に、位置決め装置610は、第1給紙カセット52Aから搬出された用紙T及び両面印刷時において反転された用紙Tが搬送される共通の水平搬送部528Aに配置されている。そのため、第1給紙カセット52Aから搬送される用紙T及び両面印刷時におけるスイッチバック部560から搬送される用紙Tには、共通の位置決め装置610により、用紙Tの搬送幅方向D2の位置のずれを調整する位置決め動作がなされる。
【0173】
これにより、位置決め装置610は、第1給紙カセット52Aから搬出される用紙Tにおける位置決め装置、及び、スイッチバック部560から搬出される用紙Tにおける位置決め装置となる。従って、本発明におけるカラーコピー機1は、2つの位置決め装置を備える必要がないため、装置を簡素化することができると共に、装置のコストを低減することができる。
【0174】
ステップST19からステップST23における位置決め動作は、スイッチバック部560において表裏が反転された用紙Tの搬送幅方向D2における位置決め動作である。ステップST19からステップST23における動作の説明は、ステップST6からステップST10と同様の動作であるため、ステップST6からステップST10の動作の説明を援用して説明を援用する。
【0175】
ステップST24において、位置決め装置610により位置決めされた用紙Tは、順次画像形成部GKへ向けて搬送される。回転駆動制御部106及び搬出制御部105は、待機状況管理部107からの情報に基づいて、受け付け部101に受け付けられた枚数情報における全ての枚数の用紙Tが画像形成部GKに搬送されるまで、用紙Tを画像形成部GKに搬送する制御を効率的に行う。そして、位置決め装置610は、水平搬送部528Aに搬送される全ての用紙Tに対して、搬送幅方向D2における位置決め動作を行う。
【0176】
ステップST25において、第1面に画像が形成された用紙Tは、画像形成部GKに順次搬送される。これにより、画像形成部GKにより用紙Tの第2面に画像が形成される。
【0177】
ステップST26において、画像形成部GKにより用紙Tに画像が形成された後には、用紙Tは、排紙部50からケース体BDの外部へ排出され、制御が終了する。
【0178】
また、ステップST27において用紙Tの片面に画像を形成する場合(NO)には、ステップST17に進み、用紙Tは、排紙部50からケース体BDの外部へ排出され、制御が終了する。
【0179】
次に、本実施形態における第2実施例について、図1から図6B、図8により説明する。図8は、A3サイズの用紙Tが位置決め装置610により位置決めされて搬送される様子を説明する図である。第2実施例は、第1実施例の変形例である。
第2実施例は、第1実施例と比して、搬送される用紙Tのサイズが大きい点、回転駆動制御部106及び離間制御部113における制御における点について主に異なる。第2実施例は、例えば、A3縦の用紙Tが搬送される場合の実施例である。
【0180】
第2実施例の制御フローについて、第1実施例におけるステップST6からステップST10における動作により説明する(図6A及び図6B参照)。第2実施例の制御フローは、その他の制御フローについては、第1実施例の制御フローと同様であるため、第1実施例の制御フローを援用して説明を省略する。
【0181】
まず、ステップST1からステップまでの動作は、第1実施例と同様な動作が行われる。
第2実施例におけるカラーコピー機1は、ステップST6において、水平搬送部528Aに搬送されたA3縦サイズの用紙Tは、位置決め装置610に搬入される。
【0182】
ステップST7において、用紙Tが位置決め装置610に並んだ場合(搬入検出部112により用紙Tの幅方向D2に並んだことが検出された場合)、第1回転駆動制御部106Aは、第1Aローラ対351及び第2Aローラ対352を停止させるように第1A回転駆動部651及び第1B回転駆動部652を制御する。
また、用紙Tが位置決め装置610に並んだ場合(搬入検出部112により用紙Tの幅方向D2に並んだことが検出された場合)、受け付け部101により受け付けられた画像形成情報に含まれるサイズ情報に基づいて、第2回転駆動制御部106Bは、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372を停止させるように第2A回転駆動部671及び第2B回転駆動部672を制御する。
【0183】
本第2実施例においては、A3縦の用紙Tが水平搬送部528Aに搬送されているため、第1回転駆動制御部106Aは、第1Aローラ対351及び第2Aローラ対352を停止させるように第1A回転駆動部651及び第1B回転駆動部652を制御する。また、第2回転駆動制御部106Bは、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372を停止させるように第2A回転駆動部671及び第2B回転駆動部672を制御する。これにより、水平搬送部528Aに搬送されるA3縦の用紙Tは、位置決め装置610に並んだ状態で停止される。
【0184】
ステップST8において、第1離間制御部113Aは、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352における2つのローラ部材が互いに離間するように第1離間駆動部642を制御する。同時に、第2離間制御部113Bは、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372における2つのローラ部材が互いに離間するように第2離間駆動部643を制御する。
これにより、第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372は、用紙Tから離間する。
【0185】
ステップST9において、水平搬送部528Aに搬送された用紙Tの搬送幅方向D2における位置決めが行われる。この場合、位置決め装置610は、用紙Tが第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372から離間されているため、用紙Tの搬送幅方向D2における位置決めを好適に行うことができる。
その後、ステップST10から制御終了までは、第1実施例と同じ動作が行われる。
【0186】
以上の構成を有する本実施形態のカラーコピー機1によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態のカラーコピー機1は、給紙カセット52から搬出された用紙Tを画像形成部GKに搬送する給紙搬送路521であって、給紙カセット52と画像形成部GKとの間にケース体BDの水平方向における一方側から他方側にわたって横断するようにして形成される水平搬送部528Aを有する給紙搬送路521と、画像形成部GKから搬出された用紙Tを表裏反転させる反転部560と、反転部560により表裏反転された用紙Tを搬送するリサイクル搬送路523であって、水平搬送部528Aの搬送方向における上流側に合流するリサイクル搬送路523と、水平搬送部528Aに配置され、用紙Tの搬送幅方向D2における位置を規制する位置規制部材620と、水平搬送部528Aにおける位置規制部材620の近傍に配置され、互いに対向する2つのローラ部材により構成される第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352と、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352それぞれにおいて、2つのローラ部材を互いに離間及び近接するよう移動させる第1離間駆動部642と、位置規制部材620を搬送幅方向D2に移動させると共に、用紙Tに当接して用紙Tの搬送幅方向D2における位置を所定位置に位置させるガイド部材駆動部630と、第1A回転駆動部651及び第1B回転駆動部652を制御する第1回転駆動制御部106Aと、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352における2つのローラ部材が互いに離間するよう第1離間駆動部642を制御する第1離間制御部113Aと、位置規制部材620が用紙Tを搬送幅方向D2における所定位置に位置させるようガイド部材駆動部630を制御するガイド部材駆動制御部111と、を備える。
【0187】
そのため、位置規制部材620を有する位置決め装置610は、給紙カセット52から搬出される用紙Tにおける位置決め装置、及び、スイッチバック部560から搬出される用紙Tにおける位置決め装置となる。これにより、カラーコピー機1は、2つの位置決め装置を備える必要がないため、装置を簡素化することができると共に、装置のコストを低減することができる。
また、位置決め装置610は、用紙Tが第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352から離間された状態で、用紙Tにおける搬送幅方向D2の位置決めを行うことができる。これにより、位置決め装置610は、用紙Tにおける搬送幅方向D2の位置決めを好適に行うことができる。
【0188】
また、本実施形態のカラーコピー機1によれば、給紙搬送路521は、水平搬送部528Aの搬送方向D1における下流側に連続して形成される湾曲搬送部528Bを有し、水平搬送部528A及び湾曲搬送部528Bは、画像形成部に搬入される前の用紙Tを待機させる待機部として機能する。そのため、水平搬送部528Aは、用紙Tを実質的に湾曲又は屈曲させることなく搬送したり又は待機させることが可能である。これにより、水平搬送部(平面待機部)528Aに搬送される用紙Tは、安定した状態で搬送又は待機される。また、水平搬送部(平面待機部)528Aに搬送される用紙Tは、搬送路により付与される負荷が抑制された状態で搬送又は待機される。従って、平面待機部528Aに配置される位置決め装置610は、用紙Tを安定した状態、且つ、搬送路により用紙Tに付与される負荷が抑制された状態で、用紙Tにおける搬送幅方向D2の位置決めを好適に行うことができる。
【0189】
また、本実施形態のカラーコピー機1によれば、画像形成部により画像が形成される用紙Tのサイズに関するサイズ情報を含む画像形成指示情報を受け付け可能な受け付け部101と、水平搬送部528Aにおいて位置規制部材620の搬送方向D1における上流側に配置され、互いに対向する2つのローラ部材により構成される第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372と、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372それぞれにおいて、2つのローラ部材を互いに離間及び近接するよう移動させる第2離間駆動部643と、受け付け部101により受け付けられた画像形成指示情報に含まれるサイズ情報に基づいて、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372における回転を停止させるよう第2A回転駆動部671及び第2B回転駆動部672を制御する第2回転駆動制御部106Bと、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372における2つのローラ部材が互いに離間するよう第2離間駆動部643を制御する第2離間制御部113Bと、を更に備える。
【0190】
そのため、第2離間駆動部643は、位置決め装置610による位置決めの際に、画像形成指示情報における用紙Tのサイズ情報に基づいて、用紙Tから第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372を離間させることができる。これにより、位置決め装置610により位置決めを行わず且つ水平搬送部528Aを搬送される用紙Tは、用紙Tの搬送幅方向D2における位置がずれない状態で第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372に挟持された状態となる。その結果、サイズが異なる用紙Tを搬送する場合においても、用紙Tのサイズに応じて、用紙Tの搬送幅方向D2における位置決めを好適に行うことができる。
【0191】
例えば、A4横のサイズの用紙Tの位置決めを行う場合、位置決め装置610は、用紙Tが位置決め装置610に搬送された状態において、用紙Tを挟持する第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352のみの回転を停止すると共に、用紙Tを挟持する第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352のみを用紙Tから離間させる。
また、A3縦のサイズの用紙Tの位置決めを行う場合、位置決め装置610は、用紙Tが位置決め装置610に搬送された状態において、用紙Tを挟持する第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371、第2Bローラ対372の回転を停止すると共に、用紙Tを挟持する第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371、第2Bローラ対372を用紙Tから離間させる。
【0192】
また、位置決め装置610により用紙Tにおける搬送幅方向D2の位置決めが行われている間に、水平搬送部(平面待機部)528Aにおける用紙Tが待機されていない部分に、待機状況管理部107からの情報に基づいて、適宜、用紙Tを搬送して待機させることができる。
【0193】
例えば、A4横サイズの用紙Tが水平搬送部528Aの画像形成部GK側において、位置決め装置610により位置決めされている場合、水平搬送部528Aの搬送方向D1における位置決めがされている用紙Tよりも下流側に、用紙Tを搬送することが可能である。そのため、回転駆動部650は、位置決め装置610により位置決めされている際に、待機状況管理部107からの情報に基づいて、水平搬送部528Aの搬送方向D1における位置決めがされている用紙Tよりも下流側に、用紙Tを搬送して待機させることができる。これにより、用紙Tを待機部528に待機させることができるので、用紙Tを好適に画像形成部GKに搬送することができる。
【0194】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。
例えば、前述の実施形態においては、収納部52は、第1給紙カセット52A、第2給紙カセット52B及び第3給紙カセット52Cを備える構成としているが、これに制限されない。収納部52は、給紙カセットを1つ又は2つ備える構成としてもよい。
【0195】
また、前述の実施形態においては、カラーコピー機1は、用紙Tを複数の中間ローラ対550により600mm/Sの速度で画像形成部GKへ向けて搬送し、中間転写ベルト7の移動速度を400mm/Sとしているが、これに制限されない。
【0196】
また、前述の実施形態においては、第1離間駆動部642及び第2離間駆動部643は、第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371、第2Bローラ対372それぞれが用紙Tを挟持している状態から、従動ローラ351b、352b、371b及び372bそれぞれを用紙Tから離間させているが、これに制限されない。例えば、第1離間駆動部642及び第2離間駆動部643は、駆動ローラ351a、352a、371a及び372aそれぞれを用紙Tから離間させてもよい。
【0197】
また、前述の実施形態においては、中間転写部200により間接的に用紙Tにトナー画像を転写させているが、これに制限されない。中間転写部200は、トナー画像を直接的に用紙Tに転写させる構成としてもよい。
【0198】
また、本発明の画像形成装置の種類は、特に限定がなく、モノクロコピー機、プリンタ、ファクシミリ、又はこれらの複合機などであってもよい。
また、中間ローラ対550及び回転駆動部650の数は、制限されない。
また、シート状の被転写材は、用紙に制限されず、例えば、フィルムシートであってもよい。
【符号の説明】
【0199】
1……カラーコピー機(画像形成装置)、2a,2b,2c,2d……感光体ドラム(像担持体)、52……給紙カセット(収納部)、106A……第1回転駆制御部、112……搬入検出部、111……ガイド部材駆動制御部(規制部材駆動制御部)、113A……第1離間制御部、351……第1Aローラ対(第1ローラ対)、352……第1Bローラ対(第1ローラ対)、521……給紙搬送路(シート搬送路)、523……リサイクル搬送路、560……スイッチバック部(反転部)、620……位置規制部材、630……ガイド部材駆動部(規制部材駆動部)、642……第1離間駆動部、648……第2センサ(検出部材)、651……第1A回転体駆動部(第1回転体駆動部)、652……第1B回転体駆動部(第1回転体駆動部)、D1……搬送方向、D2……搬送幅方向(幅方向)、BD……ケース体(筐体)、GK……画像形成部、T……用紙(被転写材)
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、被転写材としての用紙に画像を形成(印刷)するための装置として、コピー機、プリンタ、ファクシミリ又はこれらの複合機などの画像形成装置が知られている。これらの画像形成装置は、用紙を収納する収納部と、収納部に収納された用紙を搬出する搬出部と、用紙に画像を形成する画像形成部とを備える。
【0003】
これらの画像形成装置は、収納部のゆがみや組み付け誤差等により、収納部から搬出される用紙の幅方向における位置がずれる場合があった。その結果、画像形成部により用紙の適正な位置に画像を形成できない可能性があるという問題があった。
【0004】
ここで、用紙に形成される画像と用紙との位置のずれを解消するため、収納部に収納される用紙の幅方向における位置を規制する位置規制部材を有する位置決め装置を備えた画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
ところで、画像形成装置において、用紙の両面に画像を形成する画像形成装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載されている画像形成装置は、用紙に画像を形成する画像形成部と、画像形成部から搬出された用紙を表裏反転させる反転部と、反転部により表裏反転された用紙を画像形成部へ向けて搬送する戻し搬送路と、を備えている。
特許文献2に記載の画像形成装置は、反転部における反転動作により用紙の幅方向の位置がずれることを抑制するため、用紙の幅方向における位置を規制する位置規制部材を有する位置決め装置を内蔵している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−314940号公報
【特許文献2】特開2006−206195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般的な画像形成装置は、特許文献1に記載の画像形成装置のように、収納部から搬出される用紙における幅方向の位置のずれを抑制する位置決め装置を備える。また、用紙の両面に画像を形成する画像形成装置は、特許文献2に記載の画像形成装置のように、反転部により表裏が反転された用紙の幅方向の位置を調整する位置決め装置を備える。また、用紙の両面に画像を形成する一般的な画像形成装置は、特許文献1及び特許文献2に記載の双方の位置決め装置を備える必要がある。
しかし、画像形成装置が複数の位置決め装置を備える場合には、装置が大型化すると共に、装置のコストが増加する要因となる。
【0008】
本発明は、被転写材の両面に画像を形成する画像形成装置において、被転写材の幅方向における位置を規制する位置規制部材を共通化することにより、装置を簡素化することができると共に、装置のコストを低減することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、筐体と、シート状の被転写材を収納する収納部と、前記収納部の垂直方向上側に配置され、前記被転写材に画像を形成する画像形成部と、前記収納部から搬出された前記被転写材を前記画像形成部に搬送するシート搬送路であって、前記収納部と前記画像形成部との間に前記筐体の水平方向における一方側から他方側にわたって横断するようにして形成される水平搬送部を有するシート搬送路と、前記画像形成部から搬出された前記被転写材を表裏反転させる反転部と、前記反転部により表裏反転された前記被転写材を搬送するリサイクル搬送路であって、前記水平搬送部の搬送方向における上流側に合流するリサイクル搬送路と、前記水平搬送部に配置され、前記被転写材における前記搬送方向に直交する方向である幅方向における位置を規制する位置規制部材と、前記水平搬送部に沿って配置される1又は複数の検出部材と、前記1又は複数の検出部材からの検出結果に基づいて前記被転写材が前記幅方向において前記位置規制部材と並んだことを検出する搬入検出部と、前記水平搬送部における前記位置規制部材の近傍に配置され、互いに対向する2つのローラ部材により構成される1又は複数の第1ローラ対と、前記1又は複数の第1ローラ対を回転駆動させる1又は複数の第1回転駆動部と、前記1又は複数の第1ローラ対それぞれにおいて、前記2つのローラ部材を互いに離間及び近接するよう移動させる1又は複数の第1離間駆動部と、前記位置規制部材を前記幅方向に移動させると共に、前記被転写材に当接して該被転写材の前記幅方向における位置を所定位置に位置させる規制部材駆動部と、前記搬入検出部により前記被転写材が前記幅方向において前記位置規制部材と並んだことが検出された場合、前記1又は複数の第1ローラ対における回転を停止させるよう前記第1回転駆動部を制御する第1回転駆動制御部と、前記第1回転駆動制御部により前記1又は複数の第1ローラ対における回転が停止されるよう前記第1回転駆動部が制御された場合、前記1又は複数の第1ローラ対における前記2つのローラ部材が互いに離間するよう前記第1離間駆動部を制御する第1離間制御部と、前記第1離間制御部により前記1又は複数の第1ローラ対における前記2つのローラ部材が互いに離間するよう前記第1離間駆動部が制御された場合、前記位置規制部材が前記被転写材を前記幅方向における所定位置に位置させるよう前記規制部材駆動部を制御する規制部材駆動制御部と、を備える画像形成装置に関する。
【0010】
また、前記シート搬送路は、前記水平搬送部の搬送方向における下流側に連続して形成される湾曲搬送部を有し、前記水平搬送部及び前記湾曲搬送部は、前記画像形成部に搬入される前の前記被転写材を待機させる待機部として機能し、前記水平搬送部は、1又は複数の前記被転写材を実質的に湾曲又は屈曲させることなく待機させることが可能であることが好ましい。
【0011】
また、前記画像形成部により画像が形成される前記被転写材のサイズに関するサイズ情報を含む画像形成指示情報を受け付け可能な受け付け部と、前記水平搬送部において前記位置規制部材の前記搬送方向における上流側に配置され、互いに対向する2つのローラ部材により構成される1又は複数の第2ローラ対と、前記1又は複数の第2ローラ対を回転駆動させる1又は複数の第2回転駆動部と、前記1又は複数の第2ローラ対それぞれにおいて、前記2つのローラ部材を互いに離間及び近接するよう移動させる1又は複数の第2離間駆動部と、前記搬入検出部により前記被転写材が前記幅方向において前記位置規制部材と並んだことが検出された場合、前記受け付け部により受け付けられた画像形成指示情報に含まれるサイズ情報に基づいて、前記1又は複数の第2ローラ対における回転を停止させるよう前記第2回転駆動部を制御する第2回転駆動制御部と、前記第2回転駆動制御部により前記1又は複数の第2ローラ対における回転が停止されるよう前記第2回転駆動部が制御された場合、前記1又は複数の第2ローラ対における前記2つのローラ部材が互いに離間するよう前記第2離間駆動部を制御する第2離間制御部と、を更に備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、被転写材の両面に画像を形成する画像形成装置において、装置を簡素化することができると共に、装置のコストを低減することができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態のカラーコピー機1の各構成要素の配置を説明するための図である。
【図2】本発明の一実施形態のカラーコピー機1の主要な構成要素を説明するための図である。
【図3】図2のカラーコピー機1における要部を示す拡大図である。
【図4A】カラーコピー機1における位置決め装置610を示す平面図である。
【図4B】図4Aにおける位置決め装置610を示す側面図である。
【図5】本発明の一実施形態のカラーコピー機1の機能を示す機能ブロック図である。
【図6A】カラーコピー機1の動作を説明するフローチャートである。
【図6B】カラーコピー機1の動作を説明するフローチャートである。
【図7】A4サイズの用紙Tが位置決め装置610により位置決めされて搬送される様子を説明する図である。
【図8】A3サイズの用紙Tが位置決め装置610により位置決めされて搬送される様子を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
まず、図1から図3により、本実施形態における画像形成装置としてのカラーコピー機1における全体構造を説明する。図1は、本発明の一実施形態のカラーコピー機1の各構成要素の配置を説明するための図である。図2は、本発明の一実施形態のカラーコピー機1の主要な構成要素を説明するための図である。図3は、図2のカラーコピー機1における要部を示す拡大図である。
【0015】
図1から図3に示すように、画像形成装置としてのカラーコピー機1は、カラーコピー機1における上下方向Zの上方側に配置され所定の原稿を送り出す原稿送り部70と、原稿送り部70により送り出された原稿に形成された画像を読み込む画像読み込み部71と、下方側に配置され画像読み込み部71からの画像情報に基づいてシート状の被転写材(シート)としての用紙Tにトナー画像を形成する装置本体Mと、を備える。
なお、本実施形態のカラーコピー機1の説明において、感光体ドラム2aから2d、定着部9等における各種回転体(ローラ、ベルト等)の回転軸方向を「Y方向」(図1を貫く方向)という。Y方向は、被転写材としての用紙Tの搬送方向D1に直交する方向でもある(図2参照)。水平方向で且つY方向に直交する方向を「X方向」という。コピー機1の上下方向Zは、X方向及びY方向と直交する。
【0016】
装置本体Mは、所定の画像情報に基づいて用紙Tに所定のトナー画像を形成する画像形成部GKと、用紙Tを画像形成部GKに給紙すると共にトナー画像が形成された用紙Tを排紙する給排紙部KHとを有する。
装置本体Mにおける外形は、筐体としてのケース体BDにより構成される。
【0017】
図1に示すように、画像形成部GKは、後述する収納部としての給紙カセット52の垂直方向上側に配置される。画像形成部GKは、像担持体(感光体)としての感光体ドラム2a、2b、2c、2dと、帯電部10a、10b、10c、10dと、露光ユニットとしてのレーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dと、現像器16a、16b、16c、16dと、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dと、トナー供給部6a、6b、6c、6dと、ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dと、除電器90a、90b、90c、90dと、中間転写ベルト7と、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dと、2次転写ローラ8を含む転写部としての中間転写部200と、定着部9と、を備える。
【0018】
図1に示すように、給排紙部KHは、収納部としての給紙カセット52と、手差し給紙部64と、用紙Tの搬送路54と、レジストローラ対80と、排紙部50とを備える。なお、搬送路54は、後述するように、第7搬送路56と、第8搬送路509と、排出搬送路510と、第3搬送路としての反転用搬送路520と、第4搬送路55と、反転排出用搬送路530と、シート搬送路としての給紙搬送路521と、の集合体である。
【0019】
以下、画像形成部GK及び給排紙部KHの各構成について詳細に説明する。
まず、画像形成部GKについて説明する。
画像形成部GKにおいては、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に沿って順に、上流側から下流側に順に、帯電部10a、10b、10c、10dによる帯電、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dによる露光、現像器16a、16b、16c、16dによる現像、中間転写ベルト7及び1次転写ローラ37a、37b、37c、37dによる1次転写、除電器90a、90b、90c、90dによる除電、及びドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dによるクリーニングが行われる。
また、画像形成部GKにおいては、中間転写ベルト7、2次転写ローラ8及び対向ローラ108による2次転写、並びに定着部9による定着が行われる。
【0020】
感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、円筒形状の部材からなり、感光体又は像担持体として機能する。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、中間転写ベルト7の進行方向に対して直交する方向に延びる機軸を中心に矢印の方向に回転可能に配置される。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面には、静電潜像が形成され得る。
【0021】
帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を一様に負(マイナス極性)又は正(プラス極性)に帯電させる。
【0022】
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dは、露光ユニットとして機能するものであり、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面から離間して配置される。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、不図示のレーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モータ等を有して構成される。
【0023】
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、画像読み込み部71により読み込まれた画像に関する画像情報に基づいて感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を走査露光する。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれにより走査露光されることで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面の露光された部分の電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に静電潜像が形成される。
【0024】
現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dにそれぞれ対応して設けられ、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向して配置される。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成された静電潜像に各色のトナーを付着させて、カラーのトナー画像を感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの色に対応する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向配置された現像ローラ116a、116b、116c、116d、トナー攪拌用の攪拌ローラ等を有して構成される。
【0025】
トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対応して設けられており、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、イエローのトナー、シアンのトナー、マゼンタのトナー、ブラックのトナーを収容する。
【0026】
トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれは、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5d及び現像器16a、16b、16c、16dにそれぞれ対応して設けられており、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれに収容された各色のトナーを、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給する。トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれと現像器16a、16b、16c、16dそれぞれとは、不図示のトナー供給路により結ばれている。
【0027】
中間転写ベルト7には、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成された各色のトナー画像が順次1次転写される。中間転写ベルト7は、駆動ローラ35とテンションローラ36との間に掛け渡されて配置される。テンションローラ36がバネ38によって駆動ローラ35から離れる側に付勢されているので、中間転写ベルト7には、所定の張力が与えられる。
【0028】
中間転写ベルト7を挟んで感光体ドラム2a、2b、2c、2dと反対の側には、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれが対向して配置される。
【0029】
中間転写ベルト7における所定部分は、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれと、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれとにより挟み込まれる。この挟み込まれた所定部分は、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面に押し当てられる。このようにして1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dが形成され、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに現像された各色のトナー画像が中間転写ベルト7に順次1次転写される。これにより、中間転写ベルト7には、フルカラーのトナー画像が形成される。
【0030】
1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれには、不図示の1次転写バイアス印加部により、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに形成された各色のトナー画像を中間転写ベルト7に転写させるための1次転写バイアスが印加される。
【0031】
除電器90a、90b、90c、90dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に光を照射することにより、1次転写が行われた後の感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を除電する(電荷を除去する)。
【0032】
ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に残存したトナーや付着物を除去すると共に、除去されたトナー等を所定の回収機構へ搬送して、回収させる。
【0033】
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に1次転写されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに2次転写させる。2次転写ローラ8には、不図示の2次転写バイアス印加部により、中間転写ベルト7に形成されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに転写させるための2次転写バイアスが印加される。
【0034】
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に対して当接したり離間したりする。具体的には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に当接される当接位置と中間転写ベルト7から離間する離間位置とに移動可能に構成される。詳細には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7の表面に1次転写されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに2次転写させる場合には当接位置に配置され、他の場合には離間位置に配置される。ここで、2次転写ローラ8における当接したり離間したりする動作は中間転写部200全体が回動移動されることによりなされる。
【0035】
2次転写ローラ8は、中間転写部200に含まれる。中間転写部200は、2次転写ローラ8を収容すると共に該2次転写ローラ8を回転可能に軸支するハウジング201と、ハウジング201の側面に配置される回転駆動ギア210と、2次転写ローラ8の回転軸方向であってハウジング201の側面に配置されるローラ側ギア220と、回転駆動ギア210とローラ側ギア220とに当接して配置されるアイドルギア230とを備える。中間転写部200は、不図示の転写部移動部により、不図示の回転軸を中心として2次転写ローラ8が中間転写ベルト7に当接可能な位置と、中間転写ベルト7に当接しない位置とに回動移動される。
【0036】
中間転写ベルト7を挟んで2次転写ローラ8とは反対側には、対向ローラ108が配置される。中間転写ベルト7における所定部分は、2次転写ローラ8と対向ローラ108とによって挟み込まれる。そして、用紙Tは中間転写ベルト7の外面(トナー画像が1次転写された面)に押し当てられる。中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間で2次転写ニップN2が形成される。2次転写ニップN2において、中間転写ベルト7に1次転写されたフルカラーのトナー画像が用紙Tにおける一方の面(第1面)又は一方の面と反対側の他方の面(第2面)に2次転写される。
【0037】
定着部9は、用紙Tに2次転写されたトナー画像を構成する各色のトナーを溶融及び加圧して、用紙Tに定着させる。定着部9は、ヒータにより加熱される加熱回転体9aと、加熱回転体9aに圧接される加圧回転体9bと、を備える。加熱回転体9aと加圧回転体9bとは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟み込んで加圧すると共に、搬送する。加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間に挟まれた状態で用紙Tが搬送されることによって、用紙Tに転写されたトナーは、溶融及び加圧されることで用紙Tに定着される。
【0038】
2次転写ローラ8とテンションローラ36との間には、中間転写ベルト7を清掃するためのベルトクリーニング装置40が配置される。ベルトクリーニング装置40は、中間転写ベルト7の表面に摺接されるクリーニングブラシ41と、クリーニングブラシ41と接触するように配置されたクリーニングローラ42と、先端がクリーニングローラ42の表面に接触するように配置されるブレード43と、ブレード43の下方に配置された回収スパイラル44と、を備える。
【0039】
次に、給排紙部KHについて説明する。
図1及び図2に示すように、装置本体Mにおける下方側には、用紙Tを収容する給紙カセット52が配置される。給紙カセット52は、第1給紙カセット52Aと、第2給紙カセット52Bと、第3給紙カセット52Cとを有して構成される。
第1給紙カセット52A及び第2給紙カセット52Bは、X方向に並んで配置される。具体的には、第1給紙カセット52Aは、ケース体BDのX方向における後述するスイッチバック部560側に配置される。第2給紙カセット52Bは、ケース体BDのX方向におけるスイッチバック部560とは反対側に配置される。第1給紙カセット52A及び第2給紙カセット52Bは、A4サイズの用紙Tを長さが短い辺がX方向に沿うように配置(A4横配置)可能な収納空間を有する。第1給紙カセット52A及び第2給紙カセット52Bは、収容できる用紙Tの枚数が多い大容量タイプである。
【0040】
また、第3給紙カセット52Cは、第1給紙カセット52A及び第2給紙カセット52Bの下方側に配列されて配置される。第3給紙カセット52Cは、第1給紙カセット52A及び第2給紙カセット52Bを跨るように、ケース体BDにおけるX方向に長く形成される。第3給紙カセット52Cは、A3サイズの用紙Tを長さが長い辺がX方向に沿うように配置(A3縦配置)可能な収納空間を有する。
【0041】
第1給紙カセット52A、第2給紙カセット52B及び第3給紙カセット52Cは、装置本体Mのケース体BDから水平方向に引き出し可能に配置される。第1給紙カセット52A、第2給紙カセット52B及び第3給紙カセット52Cには、用紙Tが積層された状態で収容される。第1給紙カセット52A及び第2給紙カセット52Bは、用紙Tを収容する用紙容器601A、601Bと、用紙Tが積層状態で載置される載置板60A、60Bとを備えている。第1給紙カセット52A及び第2給紙カセット52Bに配置される載置板60A、60Bそれぞれは、水平方向に平行に配置される。第3給紙カセット52Cには、用紙Tが載置される載置板60Cが配置される。
【0042】
第1給紙カセット52A及び第2給紙カセット52Bに配置される載置板60A、60Bそれぞれは、用紙容器601A、601Bそれぞれの内部に上下方向(垂直方向)に移動可能に配置される。載置板60A、60Bそれぞれは、不図示の移動用モータの駆動によっての上方向(垂直方向)へ移動される。また、載置板60A、60Bそれぞれは、用紙Tが載置板60A、60Bそれぞれに載置された場合には、載置板60A、60Bそれぞれ(及び用紙T)の自重により垂直方向下方に移動される。載置板60A、60Bそれぞれは、不図示の昇降ガイドにより垂直方向に案内されながら移動される。
【0043】
載置板60A、60B、60Cそれぞれに載置された用紙Tは、第1給紙カセット52A、第2給紙カセット52B及び第3給紙カセット52Cそれぞれの用紙Tの送り出し側端部に配置される搬出部としての第1カセット給紙部51A、搬出部としての第2カセット給紙部51B及び搬出部としての第3カセット給紙部51Cそれぞれにより搬送路54に送り出される。
【0044】
本実施形態においては、第1カセット給紙部51A、第2カセット給紙部51B及び第3カセット給紙部51Cそれぞれは、ケース体BDにおけるX方向のスイッチバック部560側の端部側に配置される。
【0045】
第1カセット給紙部51A、第2カセット給紙部51B及び第3カセット給紙部51Cそれぞれは、載置板60A、60B、60Cそれぞれの上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61A、61B、61Cそれぞれと、用紙Tを1枚ずつ搬送路54に送り出すための給紙ローラ対63A、63B、63Cそれぞれとからなる重送防止機構を備える。
【0046】
第1カセット給紙部51A、第2カセット給紙部51B及び第3カセット給紙部51Cそれぞれは、第1給紙カセット52A、第2給紙カセット52B及び第3給紙カセット52Cそれぞれに収納された用紙Tを後述する給紙搬送路521に搬出する。
【0047】
第1カセット給紙部51A、第2カセット給紙部51B及び第3カセット給紙部51Cそれぞれと排紙部50との間には、用紙Tを搬送する搬送路54が形成される。搬送路54は、給紙搬送路521と、2次転写ニップN2(画像形成部GK)から定着部9までの第7搬送路56と、定着部9から第1分岐部501までの第8搬送路509と、第1分岐部501から排紙部50までの排出搬送路510と、第1分岐部501から反転部としてのスイッチバック部560に接続される反転用搬送路(第3搬送路)520と、スイッチバック部560から2次転写ニップN2(画像形成部GK)までの第4搬送路55とを有する。
本実施形態の説明においては、用紙Tの搬送方向を「搬送方向D1」という。また、用紙Tの搬送方向に直交する方向である幅方向を「搬送幅方向D2」という。
【0048】
給紙搬送路521は、第1給紙カセット52A、第2給紙カセット52B又は第3給紙カセット52Cから搬出された用紙Tを画像形成部GKに搬送する。
給紙搬送路521は、第1給紙カセット52A、第2給紙カセット52B又は第3給紙カセット52Cと第1合流部511とをつなぐ第5搬送路522、及び、第4搬送路55における第1合流部511から2次転写ニップN2(画像形成部GK)までの部分により構成される搬送路である。給紙搬送路521は、第1給紙カセット52A又は第3給紙カセット52Cに収納された用紙Tにおける第1給紙カセット52A、第2給紙カセット52B又は第3給紙カセット52Cから2次転写ニップN2(画像形成部GK)までの搬送路として用いられる。
【0049】
第1合流部511は、給紙搬送路521における用紙Tの搬送方向D1の上流側に形成される。第1合流部511は、給紙搬送路521におけるスイッチバック部560から画像形成部GKまでの間の中間の位置よりも搬送方向D1の上流側に形成される。第1合流部511は、給紙搬送路521におけるX方向のスイッチバック部560側の端部側に形成される。第1合流部511には、後述するリサイクル搬送路523が接続される。
【0050】
第5搬送路522は、第1給紙カセット52Aから第1合流部511までの搬送路、第2給紙カセット52Bから第1合流部511までの搬送路、又は第3給紙カセット52Cから第1合流部511までの搬送路として用いられる。第5搬送路522は、第1給紙カセット52Aと第1合流部511とをつなぐ第1搬入路522Aと、第2給紙カセット52Bと第1合流部511とをつなぐ第2搬入路522Bと、第3給紙カセット52Cと第1合流部511とをつなぐ第3搬入路522Cとを有して構成される。
【0051】
給紙搬送路521における第1合流部511から2次転写ニップN2(画像形成部GK)までの部分は、水平搬送部528Aと、湾曲搬送部528Bとにより構成される。
水平搬送部528Aは、第1給紙カセット52A、第2給紙カセット52B及び第3給紙カセット52Cと画像形成部GKとの間に、ケース体BDの水平方向(X方向)における一方側から他方側にわたってケース体BDを横断するようにして形成される。
湾曲搬送部528Bは、水平搬送部528Aの搬送方向における下流側に連続して形成される。
【0052】
給紙搬送路521における第1合流部511から2次転写ニップN2(画像形成部GK)までの部分は、用紙Tを待機させる待機部528として構成される。待機部528は、第1給紙カセット52A、第2給紙カセット52B又は第3給紙カセット52Cから搬出された用紙Tを待機させる。待機部528に待機される用紙Tは、画像形成部GKに搬入される前の用紙Tである。
【0053】
待機部528は、水平搬送部528Aにより構成される平面待機部と、湾曲搬送部528Bにより構成される湾曲待機部とを有する。平面待機部(水平搬送部)528Aは、待機部528における第1合流部511側に形成される。平面待機部528Aは、給紙搬送路521における第1合流部511から2次転写ニップN2(画像形成部GK)までの部分(待機部)528において略平面に形成される搬送路である。
【0054】
具体的には、平面待機部528Aは、第1給紙カセット52A、第2給紙カセット52B及び第3給紙カセット52Cの上方側において、第1給紙カセット52A、第2給紙カセット52B及び第3給紙カセット52Cを跨いでケース体BDにおける水平方向(X方向)に長く延びる平面状に形成される。平面待機部528Aには、用紙Tを実質的に湾曲又は屈曲させることなく待機させることが可能である。
【0055】
平面待機部528Aに待機される用紙Tは、水平方向に平行な状態で待機又は搬送される。平面待機部528Aは、例えば、A4サイズの用紙Tが横方向(A4サイズの用紙Tの長さが短い辺が搬送方向D1に沿うように搬送される方向)に搬送される場合に、2枚以上のA4サイズの用紙Tが待機できるような長さを有して形成される(図2参照)。また、平面待機部528Aは、例えば、A3サイズの用紙Tが縦方向(A3サイズの用紙Tの長さが長い辺が搬送方向D1に沿うように搬送される方向)に搬送される場合に、1枚以上のA3サイズの用紙Tが待機できるような長さを有して形成される(図8参照)。
ここで、本実施形態においては、A4サイズの用紙Tが横方向(A4サイズの用紙Tの長さが短い辺が搬送方向D1に沿うように搬送される方向)に搬送される場合を「A4横の用紙T」ともいう。また、A3サイズの用紙Tが縦方向(A3サイズの用紙Tの長さが長い辺が搬送方向D1に沿うように搬送される方向)に搬送される場合を「A3縦の用紙T」ともいう。
【0056】
湾曲待機部(湾曲搬送部)528Bは、待機部528における画像形成部GK側に形成される。湾曲待機部528Bは、平面待機部528Aに連続して形成される。湾曲待機部528Bは、給紙搬送路521における第1合流部511から2次転写ニップN2(画像形成部GK)までの部分(待機部)528において、平面待機部528Aにおけるスイッチバック部560側とは反対側の端部から2次転写ニップN2(画像形成部GK)まで形成される搬送路である。
【0057】
湾曲待機部528Bは、平面待機部528Aから上方に向かって延びるように形成されると共に、湾曲して形成される搬送路である。具体的には、湾曲待機部528Bは、ケース体BDにおけるX方向のスイッチバック部560側とは反対側の端部において、平面待機部528Aに接続される。湾曲待機部528Bは、平面待機部528Aの端部から2次転写ニップN2(画像形成部GK)まで、ケース体BDの上方に向かって延びるように形成されると共に湾曲している。
【0058】
図3に示すように、給紙搬送路521には、用紙Tを案内しながら搬送するガイド板及び複数のローラ対が配置される。給紙搬送路521には、給紙ローラ対63A、63B、63Cから画像形成部GKまでの間に、ローラ対としての複数の中間ローラ対550と、レジストローラ対80と、用紙Tを検出するための複数の第1センサSとが配置される。
【0059】
給紙ローラ対63A、63B、63Cは、前述のように、用紙Tを1枚ずつ給紙搬送路521に送り出すためのローラ対である。給紙ローラ対63A、63B、63Cは、後述する搬出制御部105により制御されて用紙Tを給紙搬送路521に送り出す。
【0060】
レジストローラ対80は、2次転写ニップN2(画像形成部GK)における用紙Tの搬送方向D1の上流側(図1における右側)に配置される。レジストローラ対80は、停止状態で給紙ローラ対63A、63B、63Cから給紙された用紙Tの先端部が一旦当接された後、回転駆動して用紙Tを搬送方向D1の下流側に送り出すローラ対である。また、レジストローラ対80は、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正や、画像形成部GKにおけるトナー画像の形成とタイミング調整を行うためのローラ対である。レジストローラ対80が停止することにより、用紙Tは湾曲待機部528Bに待機される。レジストローラ対80は、不図示のレジストローラ駆動部により回転駆動される。
【0061】
複数の中間ローラ対550は、給紙搬送路521において所定間隔だけ離間して配置される。複数の中間ローラ対550は、用紙Tを待機部528に待機させたり、用紙Tを挟持して2次転写ニップN2(画像形成部GK)に向けて搬送する。
【0062】
本実施形態においては、複数の中間ローラ対550は、例えば、平面待機部528Aにおいて、第1合流部511側から、第2ローラ対としての第2Bローラ対372、第2ローラ対としての第2Aローラ対371、第1ローラ対としての第1Bローラ対352、第1ローラ対としての第1Aローラ対351とを有して構成される。第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372それぞれは、用紙Tを挟持して搬送するために、水平搬送部(平面待機部)528Aにおいて所定間隔だけ離間して配置される。
【0063】
具体的には、本実施形態においては、第1Aローラ対351と第1Bローラ対352との間隔は、A4横サイズの用紙Tが搬送される場合に、用紙Tの搬送方向D1における上流側及び下流側の端部を第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352により挟持できる間隔である。また、第1Bローラ対352と第2Aローラ対371との間隔、及び第2Aローラ対371と第2Bローラ対372との間隔それぞれは、第1Aローラ対351と第1Bローラ対351との間隔と同様に、A4横サイズの用紙Tが搬送される場合に、用紙Tの搬送方向D1における上流側及び下流側の端部を挟持できる間隔である。これにより、A4横サイズの用紙Tは、第2Bローラ対372、第2Aローラ対371、第1Bローラ対352及び第1Aローラ対351により、安定した状態で順次画像形成部GKに向けて搬送される。
【0064】
また、第1Aローラ対351と第2Bローラ対372との間隔は、A3縦サイズの用紙Tが搬送される場合に、用紙Tの搬送方向D1における上流側及び下流側の端部を第1Aローラ対351及び第2Bローラ対372により挟持できる間隔である。A3縦サイズの用紙Tは、用紙Tの搬送方向D1における上流側及び下流側の端部が第1Aローラ対351及び第2Bローラ対372で挟持されている場合、第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372に挟持されている。これにより、A3縦サイズの用紙Tは、第2Bローラ対372、第2Aローラ対371、第1Bローラ対352及び第1Aローラ対351により、安定した状態で順次画像形成部GKに向けて搬送される。
【0065】
複数の中間ローラ対550には、複数の中間ローラ対550を回転駆動させる1又は複数の回転駆動部650が接続される。複数の中間ローラ対550は、回転駆動部650の駆動により、用紙Tを待機部528に待機させたり、用紙Tを挟持して2次転写ニップN2(画像形成部GK)へ向けて搬送する。
【0066】
複数の中間ローラ対550は、回転駆動部650の駆動により所定の移動速度で移動している。例えば、複数の中間ローラ対550は、回転駆動部650の駆動により用紙Tを600mm/Sの速度で2次転写ニップN2(画像形成部GK)へ向けて搬送することができる。そのため、例えば、中間転写ベルト7の移動速度が400mm/Sの場合には、複数の中間ローラ対550に搬送される用紙Tは、中間転写ベルト7の移動速度よりも速い速度で2次転写ニップN2(画像形成部GK)へ搬送される。これにより、給紙搬送路521を搬送される用紙Tは、搬送される際に用紙Tの滑り等により遅れが生じた場合でも、画像形成部GKにおけるトナー画像の形成のタイミングに追いつくことが可能である。
【0067】
また、図3に示すように、第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372それぞれは、互いに対向する2つのローラにより構成される。具体的には、第1Aローラ対351は、駆動ローラ351aと、従動ローラ351bとを有する。第1Bローラ対352は、駆動ローラ352aと、従動ローラ352bとを有する。第2Aローラ対371は、駆動ローラ371aと、従動ローラ371bとを有する。第2Bローラ対372は、駆動ローラ372aと、従動ローラ372bとを有する。
【0068】
駆動ローラ351a、352a、371a、372a及び従動ローラ351b、352b、371b、372bは、用紙Tにおける搬送幅方向D2に平行に延びるように形成される。駆動ローラ351a、352a、371a、372aそれぞれは、外周面が従動ローラ351b、352b、371b、372bそれぞれの外周面に当接するように従動ローラ351b、352b、371b、372bに対向して配置される。駆動ローラ351a、352a、371a、372aの回転軸には、駆動ローラ351a、352a、371a、372aを回転駆動させる電動モータ等の回転駆動部650が接続される。
【0069】
具体的には、第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372それぞれにおける駆動ローラ351a、352a、371a、372aそれぞれには、第1A回転駆動部651、第1B回転駆動部652、第2A回転駆動部671及び第2B回転駆動部672それぞれが接続される。第1A回転駆動部651、第1B回転駆動部652、第2A回転駆動部671及び第2B回転駆動部672それぞれは、第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372それぞれにおける駆動ローラ351a、352a、371a、372aそれぞれを回転駆動したり又は回転駆動を停止させる。
【0070】
第1A回転駆動部651、第1B回転駆動部652、第2A回転駆動部671及び第2B回転駆動部672それぞれは、駆動ローラ351a、352a、371a、372aそれぞれを所定速度で回転駆動することで、駆動ローラ351a、352a、371a、372aそれぞれの外周面に当接する従動ローラ351b、352b、371b、372bを従動して回転する。これにより、第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372それぞれは、駆動ローラ351a、352a、371a、372aそれぞれと従動ローラ351b、352b、371b、372bとの間で用紙Tを挟持して画像形成部GKへ向けて用紙Tを搬送する。
【0071】
第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372それぞれにおける従動ローラ351b、352b、371b、372bそれぞれは、ホルダ部材640それぞれに支持される。
ホルダ部材640については、後に詳述する。
【0072】
複数の第1センサSは、用紙Tの搬送方向D1における複数の中間ローラ対550それぞれの直前(搬送方向D1における上流側)及びレジストローラ対80の直前(搬送方向D1における上流側)に配置される。複数の中間ローラ対550それぞれは、複数の第1センサSそれぞれからの検出信号情報に基づいて、用紙Tを待機部528に待機させたり、用紙Tを画像形成部GKに向けて搬送する。また、レジストローラ対80は、センサからの検出信号情報に基づいて上述の補正やタイミング調整をして用紙Tを搬送する。
【0073】
給紙搬送路521における水平搬送部528Aには、用紙Tの搬送方向D1に直交する方向である搬送幅方向D2における位置を規制する位置決め装置610が配置される。具体的には、位置決め装置610は、水平搬送部528Aにおける搬送方向D1の下流側に配置される。詳細には、位置決め装置610は、平面待機部528Aにおける第1Aローラ対351と第1Bローラ対352との間に、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352の近傍に配置される。
【0074】
位置決め装置610は、水平搬送部528Aを搬送される用紙Tに対し、搬送方向D1に直交する搬送幅方向D2における位置を調整(位置決め)する。
位置決め装置610の構成及び動作については、後に詳述する。
【0075】
第7搬送路56は、中間転写部200によりトナー画像が転写された用紙Tを2次転写ニップN2(画像形成部GK)から定着部9に搬送する搬送路である。第7搬送路56には、用紙Tを載置した状態で搬送する搬送ベルト156が配置される。
【0076】
第8搬送路509は、定着部9によりトナー画像が定着された用紙Tを第1分岐部501へ向けて搬送する搬送路である。
【0077】
第1分岐部501は、第8搬送路509における用紙Tが搬送される搬送方向の下流側に形成される分岐部である。第1分岐部501は、第8搬送路509と、排出搬送路510と、反転用搬送路520とを接続する。
【0078】
第1分岐部501には、第1切り替え部材540が設けられている。第1切り替え部材540は、第8搬送路509から搬送された用紙Tの搬送方向D1を、排出搬送路510へ向かう方向、又は用紙Tを反転させるための反転用搬送路520へ向かう方向に選択的に切り替える。第1切り替え部材540は、不図示の駆動部により移動される。
【0079】
排出搬送路510は、第8搬送路509から第1分岐部501を介して分岐された搬送路である。排出搬送路510は、定着部9から排出された用紙Tを排紙部50を介してケース体BDの外部へ向けて搬送する搬送路である。
【0080】
反転用搬送路520は、第8搬送路509から第1分岐部501を介して分岐された排出搬送路510とは異なる搬送路である。反転用搬送路520は、第1分岐部501から後述するスイッチバック部560までの搬送路である。反転用搬送路520は、第1分岐部501からケース体BDのほぼ下向きに延びている。反転用搬送路520は、第1分岐部501からスイッチバック部560へ画像形成部GKにより第1面にトナー画像が形成された用紙Tを搬送する。
【0081】
スイッチバック部560は、ケース体BDにおけるX方向の一方の端部近傍に配置される。スイッチバック部560は、スイッチバックローラ対561と、不図示のスイッチバック回転駆動部とを有する。
【0082】
スイッチバックローラ対561は、画像形成部GKから搬出されると共に反転用搬送路520に搬送された用紙Tの表裏を反転させる。スイッチバック回転駆動部は、用紙Tを引き込む方向又は用紙Tを引き込む方向とは反対方向にスイッチバックローラ対561を回転させる。これにより、スイッチバックローラ対561は、引き込んだ用紙Tの搬送方向を反対方向に切り替える。
【0083】
また、スイッチバック回転駆動部は、スイッチバックローラ対561の回転方向を反対方向に切り替える際に、用紙Tを引き込んだスイッチバックローラ対561の回転を一旦停止させる。これにより、スイッチバック部560は、引き込まれた用紙Tの搬送方向を反対方向に切り替えて用紙Tの表裏を反転させる。そして、スイッチバック部560は、スイッチバック部560における用紙Tを引き込んだ側と同じ側から用紙Tを第4搬送路55に送り出す。
【0084】
第4搬送路55は、リサイクル搬送路523と、給紙搬送路521における第1合流部511から画像形成部GKまでの部分と、により構成される。給紙搬送路521における第1合流部511から画像形成部GKまでの部分は、水平搬送部528A及び湾曲搬送部528Bとにより構成される。
リサイクル搬送路523は、スイッチバック部560により表裏反転された用紙Tを、給紙搬送路521における水平搬送部528Aの搬送方向D1の上流側に形成される第1合流部511に合流させる。
第4搬送路55は、リサイクル搬送路523により水平搬送部528Aの搬送方向D1における上流側に接続されると共に、給紙搬送路521における水平搬送部528A及び湾曲搬送部528Bが共通する。
第4搬送路55は、スイッチバック部560により表裏を反転された用紙Tを2次転写ニップN2(画像形成部GK)へ向けて搬送する搬送路である。第4搬送路55は、スイッチバック部560により表裏を反転された用紙Tを、リサイクル搬送路523を介して給紙搬送路521に合流させて画像形成部GKの上流側に戻すための戻し搬送路として構成される。
【0085】
本実施形態においては、第4搬送路(戻し搬送路)55は、スイッチバック部560から、第1分岐部501、第8搬送路509、定着部9の下方を通り、給紙搬送路521に合流して、第7搬送路56、2次転写ローラ8及びレジストローラ対80の下方を略水平に通り、ケース体BDにおけるX方向のスイッチバック部560側とは反対側の端部において、上方に向かうよう湾曲して形成される。第4搬送路55は、用紙Tの両面にトナー画像を印刷する、いわゆる両面印刷をする場合に用いられる搬送路である。用紙Tは、例えば、スイッチバック部560により表裏が反転された状態で、戻し搬送路(第4搬送路)55を介して画像形成部GKに戻される。
【0086】
詳細には、用紙Tの第1面にトナー画像を印刷する際には、用紙Tは、中間転写ベルト7の表面に第1面が対向するように中間転写部200(画像形成部GK)に搬送される。用紙Tの第1面に印刷された用紙Tの第2面にトナー画像を印刷する場合には、用紙Tは、スイッチバック部560により表裏が反転された状態で、戻し搬送路(第4搬送路)55を介して中間転写部200(画像形成部GK)に戻される。これにより、中間転写ベルト7の表面に第2面が対向するように中間転写部200(画像形成部GK)に搬送される。
【0087】
装置本体Mの図1における右側面であって給紙カセット52の上方には、手差し給紙部64が設けられる。手差し給紙部64は、閉状態において側壁を構成する手差しトレイ65と、給紙コロ66とを備える。手差しトレイ65は、下端が給紙搬送路521における湾曲待機部528Bの上方側の近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。手差し給紙部64は、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを給紙搬送路521の湾曲待機部528Bに給紙する。
【0088】
反転排出用搬送路530は、第4搬送路55における第1合流部511よりも搬送方向D1の上流側に形成される第2分岐部502と排紙部50とをつなぐ搬送路である。反転排出用搬送路530は、第1面及び第2面に画像が形成された用紙Tを反転させて排紙部50へ搬送する搬送路である。
【0089】
第2分岐部502は、第4搬送路55における第1合流部511よりも搬送方向D1の上流側に形成される。第2分岐部502には、第2切り替え部材541が設けられている。第2切り替え部材541は、スイッチバック部560において用紙Tの表裏が反転され搬送された用紙Tの搬送先を、反転排出用搬送路530に向かう方向又は第4搬送路(戻し搬送路)55に向かう方向に選択的に切り替える。第2切り替え部材541は、不図示の駆動部により移動される。
【0090】
反転排出用搬送路530における第2分岐部502よりも排紙部50側には、第3分岐部503が形成される。第3分岐部503には、不図示の第3切り替え部材が設けられている。第3切り替え部材は、スイッチバック部560から排出される用紙Tの反転用搬送路520側への搬送を禁止し、反転排出用搬送路530側への搬送を許可する。第3切り替え部材は、不図示の駆動部により移動される。
【0091】
次に、図3から図4Bにより、位置決め装置610について説明する。図4Aは、カラーコピー機1における位置決め装置610を示す平面図である。図4Bは、図4Aにおける位置決め装置610を示す側面図である。
図4A及び図4Bに示すように、位置決め装置610は、載置板615と、位置規制部材620と、ラック・ピニオン機構部635と、位置規制部材620を移動させる規制部材駆動部としてのガイド部材駆動部630と、検出部材としての第2センサ648と、ホルダ部材640と、第1離間駆動部642と、第2離間駆動部643とを有する。位置規制部材620は、第1ガイド部材620aと、第2ガイド部材620bとを有する。
【0092】
図4Aに示すように、載置板615は、平面状の板部材である。載置板615は、平面状の載置面615aを有する。載置面615aには、所定の搬送方向D1(矢印P方向)から搬入された用紙Tが載置される。
【0093】
第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bは、載置板615における載置面615a側に配置される。
第1ガイド部材620a、第2ガイド部材620bそれぞれは、用紙Tが載置される底面部621a、621bそれぞれと、底面部621a、621bそれぞれの搬送幅方向D2における外側の外縁から垂直方向に立ち上がるように形成され用紙Tの外縁に当接する立ち壁部622a、622bそれぞれと、を備える。
【0094】
第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bは、載置面615aと平行な方向であって互いに近づく方向に移動すると共に、載置面615aと平行な方向であって互いに遠ざかる方向に移動する。第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bは、ガイド部材駆動部630により駆動される。具体的には、第1ガイド部材620aは、第2ガイド部材620bに近づく矢印Q3方向と、第2ガイド部材620bから遠ざかる矢印Q4方向とに移動可能である。第2ガイド部材620bは、第1ガイド部材620aに近づく矢印Q1方向と、第1ガイド部材620aから遠ざかる矢印Q2方向とに移動可能である。
【0095】
第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bは、(所定の初期ポジションから)ホームポジションを基準として、待機ポジション及び位置決めポジションに移動可能である。待機ポジションに位置する第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bは、用紙Tが載置板615に載置された後、位置決めポジションに移動して用紙Tの搬送幅方向D2における位置を調整する(位置決めする)。
【0096】
第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bは、第1ガイド部材620aにおける立ち壁部622aと、第2ガイド部材620bにおける立ち壁部622bとにより、用紙Tを挟むようにして、用紙Tの搬送幅方向D2における位置を調整する。
ガイド部材駆動部630は、第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bを搬送幅方向D2に移動させると共に、用紙Tの外縁に当接させて用紙T搬送幅方向D2における位置決めをさせる。
【0097】
ラック・ピニオン機構部635は、ピニオン636と、ピニオン636に噛合うと共に互いに平行に配置されるラック637a及びラック637bを有する。
ピニオン636には、ガイド部材駆動部630が接続される。
【0098】
ラック637a及びラック637bそれぞれは、搬送幅方向D2における外側において、第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bそれぞれと連結される。
具体的には、ラック637a及びラック637bそれぞれは、不図示の皿ネジにより第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bそれぞれに連結される。
【0099】
ラック637aと皿ネジとの間には、円筒状のローラ627a、627aが回転可能に配置される。円筒状のローラ627a、627aは、載置板615に形成された溝部628aに摺接嵌合される。これにより、第1ガイド部材620aは、搬送幅方向D2(矢印Q3、Q4方向)に案内されながら移動される。
【0100】
ラック637bと皿ネジとの間には、円筒状のローラ627b、627bが回転可能に配置される。円筒状のローラ627b、627bは、載置板615に形成された溝部628bに摺接嵌合される。これにより、第2ガイド部材620bは、搬送幅方向D2(矢印Q1、Q2方向)に案内されながら移動される。
ラック・ピニオン機構部635によれば、第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bを反対方向に、互いに同じ距離だけ移動させることができる。
【0101】
上述より、ガイド部材駆動部630は、第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bを搬送幅方向D2に移動させると共に、用紙Tの外縁に当接させて用紙T搬送幅方向D2における位置決めをさせる。
【0102】
第2センサ648は、水平搬送部528Aに沿って配置される。
第2センサ648は、後述する搬入検出部112とともに、用紙Tが載置板615に載置されたことを検出する。第2センサ648は、後述する搬入検出部112とともに、用紙Tが位置決め装置610に搬入されたことを検出する。
【0103】
ホルダ部材640について説明する。ホルダ部材640それぞれの構成は、第1Aローラ対351における従動ローラ351b、第1Bローラ対352における従動ローラ352bそれぞれを支持するホルダ部材640それぞれの構成について説明し、その他のホルダ部材640に関する説明については、同様の構成であるため説明を省略する。
【0104】
図4Bに示すように、ホルダ部材640は、2枚の側壁板640a、640aそれぞれと、ベース板640bそれぞれとを有する。ベース板640bは、搬送幅方向D2に長い板状の部材により形成される。ベース板640bそれぞれは、従動ローラ351b、352bそれぞれの下方に配置される。2枚の側壁板640a、640aそれぞれは、板状の部材により形成され、従動ローラ551b、552bそれぞれの両端部近傍に配置される。2枚の側壁板640a、640aそれぞれは、ベース板640bの搬送幅方向D2における両端部において接続される。
【0105】
2枚の側壁板640a、640aそれぞれは、従動ローラ351b、352bにおける搬送幅方向D2の両端部から突出する回転軸を支持する。これにより、従動ローラ351b、352bは、ホルダ部材640それぞれに回転可能に支持される。
【0106】
ホルダ部材640それぞれにおける搬送方向D1の上流側の端部には、ホルダ部材640それぞれを駆動ローラ351a、352a側に付勢するバネ材645それぞれが固定される。これにより、ホルダ部材640それぞれに支持された従動ローラ351b、352bそれぞれは、駆動ローラ351a、352a側それぞれに付勢される。
【0107】
ホルダ部材640それぞれは、支軸部材646それぞれを介してカラーコピー機1における装置本体Mのケース体BDやその他の部材に回動可能に支持される。具体的には、支軸部材646それぞれは、ホルダ部材640それぞれにおける搬送方向D1の下流側の端部において、2枚の側壁板640a、640aそれぞれから搬送幅方向D2の外側に突出する。支軸部材646それぞれは、カラーコピー機1における装置本体Mのケース体BDやその他の部材により回動可能に支持される。
【0108】
ホルダ部材640それぞれに支持された従動ローラ351b、352bは、ホルダ部材640それぞれがバネ材645の付勢力に抗して支軸部材646を中心に駆動ローラ351a、352aから離れる方向に回動することで、駆動ローラ351a、352aから離間する方向J1に移動可能に構成される。また、ホルダ部材640それぞれに支持された従動ローラ351b、352bは、駆動ローラ351a、352aから離間した状態から、バネ材645の付勢力により、駆動ローラ351a、352aに近接する方向J2に移動可能に構成される。
また、ホルダ部材640それぞれには、ホルダ部材640を回動させて駆動ローラ351a、352a、371a、372aそれぞれから従動ローラ351b、352b、371b、372bを離間させる後述する第1離間駆動部642又は第2離間駆動部643が接続される。
【0109】
図3に示すように、第1離間駆動部642は、第1Aローラ対351、第1Bローラ対352それぞれが用紙Tを挟持している状態から、従動ローラ351b、352bそれぞれを用紙Tから離間させる。第2離間駆動部643は、第1離間駆動部642と同様に、第2Aローラ対371、第2Bローラ対372それぞれが用紙Tを挟持している状態から、従動ローラ371b、372bそれぞれを用紙Tから離間させる。
【0110】
具体的には、第1離間駆動部642及び第2離間駆動部643は、支軸部材646の軸を中心としてホルダ部材640を回動させる。これにより、ホルダ部材640に支持された従動ローラ351b、352b、371b、372bそれぞれは、駆動ローラ351a、352a、371a、372aそれぞれから離間する位置又は駆動ローラ351a、352a、371a、372aに近接する位置に移動される。第1離間駆動部642及び第2離間駆動部643は、例えば、ステッピングモータなどを動力源として、カム機構などによりホルダ部材640を下方に移動させるように構成することができる。
【0111】
詳細には、第1離間駆動部642は、第1Aローラ対351の従動ローラ351bを駆動ローラ351aから離間させたり駆動ローラ351aに近接させたりする動作と、第1Bローラ対352の従動ローラ352bを駆動ローラ352aから離間させたり駆動ローラ352aに近接させたりする動作を同時に行う。
【0112】
これにより、第1離間駆動部642は、例えば、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352に挟持される長さの用紙T(例えば、A4横サイズの用紙T)を、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対に挟持された状態から離間させたり、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352から離間した状態から当接させたりする。
【0113】
また、第2離間駆動部643は、第2Aローラ対371の従動ローラ371bを駆動ローラ372aから離間させたり駆動ローラ371aに近接させたりする動作と、第2Bローラ対372の従動ローラ372bを駆動ローラ372aから離間させたり駆動ローラ372aに近接させたりする動作とを同時に行う。
【0114】
ここで、例えば、第1離間駆動部642及び第2離間駆動部643を同時に動作させることにより、第1離間駆動部642及び第2離間駆動部643は、例えば、第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372に挟持される長さの用紙T(例えば、A3縦サイズの用紙T)を、第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372に挟持された状態から離間させたり、第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372から離間した状態から当接させたりする。
【0115】
次に、図5を参照して、本実施形態のカラーコピー機1の制御に係る機能について説明する。図5は、本発明の一実施形態のカラーコピー機1の機能を示す機能ブロック図である。
図5に示すように、カラーコピー機1は、受け付け部101と、複数の第1センサSと、第2センサ648と、制御部102と、記憶部150とを備える。受け付け部101は、画像が形成される用紙Tの枚数に関する枚数情報と、用紙Tの種類に関する種類情報と、用紙Tの片面に画像を形成するか又は用紙Tの両面に画像を形成するか否かに関する印刷面情報を含む画像形成指示情報を受け付け可能である。受け付け部101は、受け付けた画像形成指示情報を制御部102(待機状況管理部107)に出力する。
【0116】
画像形成指示情報には、カラーコピー機1の操作部(図示せず)により受け付けられた用紙Tに関する枚数情報、用紙Tに関する種類情報及び用紙Tに関する印刷面情報や、PC(パーソナルコンピュータ)等の外部機器から受け付けられた用紙Tに関する枚数情報、用紙Tに関する種類情報及び用紙Tに関する印刷面情報が含まれる。
また、画像形成指示情報における用紙Tの種類に関する種類情報には、用紙Tの種類に関するサイズの規格(縦方向の長さ及び横方向の長さ)や、用紙Tの搬送方向(縦方向又は横方向)に関する情報が含まれる。
【0117】
第1センサSは、複数のローラ対550それぞれやレジストローラ対80の直前に配置され、用紙Tが複数のローラ対550それぞれやレジストローラ対80の直前の位置を搬送された場合に、所定の信号を制御部102(用紙検出部104)に出力する。
第2センサ648は、位置決め装置610に用紙Tが搬入された場合、所定の信号を制御部102(搬入検出部112)に出力する。
【0118】
制御部102は、用紙検出部104と、搬出制御部105と、回転駆動制御部106と、待機状況管理部107と、ガイド部材駆動制御部111と、搬入検出部112と、離間制御部113とを有する。
用紙検出部104は、複数の第1センサSからの用紙Tに関する検出信号情報に基づいて、給紙搬送路521における複数の第1センサSの検出位置における用紙Tの存否を検出する。用紙検出部104は、用紙Tの存否に関する検出情報を後述する待機状況管理部107に出力する。
【0119】
回転駆動制御部106は、後述する待機状況管理部107からの情報に基づいて、待機部528に待機された用紙Tを画像形成部GKへ向けて搬送するように回転駆動部650を制御する。また、回転駆動制御部106は、後述する待機状況管理部107からの情報に基づいて、待機部528に一定枚数の用紙Tを待機させるように回転駆動部650を制御する。本実施形態においては、回転駆動部650は、2枚のA4横の用紙Tを待機部528における平面待機部528Aに待機させることができる。また、回転駆動部650は、1枚のA3縦の用紙Tを待機部528における平面待機部528Aに待機させることができる。
【0120】
回転駆動制御部106は、第1回転駆動制御部106Aと、第2回転駆動制御部106Bとを有する。
第1回転駆動制御部106Aは、後述する搬入検出部112により用紙Tが位置規制部材620と幅方向D2に並んだことが検出された場合、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352の回転を停止させるように第1A回転駆動部651及び第1B回転駆動部652を制御する。
【0121】
第1回転駆動制御部106Aは、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352の回転が停止されるように第1A回転駆動部651及び第1B回転駆動部652が制御された場合、後述する第1離間制御部113Aに所定の信号を出力する。
【0122】
また、第1回転駆動制御部106Aは、第1離間制御部113Aにより第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352における2つのローラ部材が互いに近接するよう第1離間駆動部642が制御された場合、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352を回転可能な状態にするように第1A回転駆動部651及び第1B回転駆動部652を制御する。
【0123】
第2回転駆動制御部106Bは、後述する搬入検出部112により用紙Tが位置規制部材620と幅方向D2に並んだことが検出された場合、受け付け部101により受け付けられた画像形成情報に含まれるサイズ情報に基づいて、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372の回転を停止させるように第2A回転駆動部671及び第2B回転駆動部672を制御する。
【0124】
第2回転駆動制御部106Bは、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372の回転が停止されるように第2A回転駆動部671及び第2B回転駆動部672が制御された場合、後述する第2離間制御部113Bに所定の信号を出力する。
【0125】
また、第2回転駆動制御部106Bは、第2離間制御部113Bにより第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372における2つのローラ部材が互いに近接するよう第2離間駆動部643が制御された場合、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372を回転可能な状態にするように第2A回転駆動部671及び第2B回転駆動部672を制御する。
【0126】
搬出制御部105は、後述する待機状況管理部107からの情報に基づいて、第1カセット給紙部51A、第2カセット給紙部51B及び第3カセット給紙部51Cを制御する。第1カセット給紙部51A、第2カセット給紙部51B及び第3カセット給紙部51Cは、搬出制御部105からの制御信号により、第1給紙カセット52A、第2給紙カセット52B及び第3給紙カセット52Cに収納された用紙Tを搬出する。
【0127】
待機状況管理部107は、用紙検出部104により入力された用紙Tに関する検出情報、受け付け部101により入力された用紙Tの枚数に関する枚数情報及び用紙Tに関する種類情報を含む画像形成指示情報に基づいて、待機部528における用紙Tの待機状況を管理する。待機状況管理部107は、待機状況に関する情報を搬出制御部105及び回転駆動制御部106に出力する。
【0128】
具体的には、待機状況管理部107は、用紙検出部104により入力された用紙Tに関する検出情報に基づいて、給紙搬送路521に待機される用紙Tの待機状況を認識する。
【0129】
また、待機状況管理部107は、受け付け部101により入力された用紙Tの枚数に関する枚数情報及び用紙Tに関する種類情報を含む画像形成指示情報に基づいて、給紙搬送路521を搬送される用紙Tの総枚数及び残り枚数、用紙Tのサイズ、を認識する。
【0130】
また、待機状況管理部107は、用紙Tの待機状況、用紙Tの総枚数及び残り枚数、用紙Tのサイズ、回転駆動部650の駆動状況、第1カセット給紙部51A、第2カセット給紙部51B及び第3カセット給紙部51Cの駆動状況、ガイド部材駆動部630の駆動状況に基づいて、待機部528における用紙Tの待機状況を予想する。例えば、待機状況管理部107は、待機部528におけるレジストローラ対80側の用紙Tが画像形成部GKに搬送された場合には、次に搬送される用紙Tを待機部528におけるレジストローラ対80側に順次つめるような待機状況を予測する。このように、待機状況管理部107は、待機部528における用紙Tの待機状況を予測して、待機状況に関する情報を搬出制御部105及び回転駆動制御部106に出力する。
【0131】
ガイド部材駆動制御部111は、第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bそれぞれを位置決めポジションに移動させるようガイド部材駆動部630を制御する。ガイド部材駆動制御部111は、受け付け部101から出力される情報に含まれる用紙Tのサイズ情報と、後述する記憶部150に記憶されるポジション情報とに基づいて、ガイド部材駆動部630を制御する。
【0132】
ここで、ガイド部材駆動制御部111は、後述する記憶部150に記憶される待機ポジションの情報に基づいて、第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bそれぞれを待機ポジションに移動させるようにガイド部材駆動部630を制御する。
【0133】
また、ガイド部材駆動制御部111は、後述する第1離間制御部113Aにより第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352における2つのローラ部材が互いに離間するよう第1離間駆動部642が制御された場合、記憶部150に記憶される位置決めポジションの情報に基づいて、所定時間後に、第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bそれぞれを待機ポジションから位置決めポジションに移動させるようガイド部材駆動部630を制御する。
【0134】
搬入検出部112は、第2センサ648から出力される検出結果に基づいて、用紙Tが位置規制部材620と幅方向D2に並んだことを検出する。搬入検出部112は、用紙Tが位置規制部材620と幅方向D2に並んだことを検出した場合、回転駆動制御部106に対して所定の信号を出力する。
【0135】
離間制御部113は、第1離間制御部113Aと、第2離間制御部113Bとを有する。
第1離間制御部113Aは、第1回転駆動制御部106Aにより第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352における回転が停止されるように第1A回転駆動部651が制御された場合、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352における2つのローラ部材が互いに離間するように第1離間駆動部642を制御する。
【0136】
また、第2離間制御部113Bは、第2回転駆動制御部106Bにより第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372における回転が停止されるように第2A回転駆動部671が制御された場合、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372における2つのローラ部材が互いに離間するように第2離間駆動部643を制御する。
【0137】
また、第1離間制御部113A又は第2離間制御部113Bは、位置決め装置610により用紙Tの搬送幅方向D2における位置決め動作が終了した後に、第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372を用紙Tに当接させるように第1離間駆動部642及び/又は第2離間駆動部643を制御する。なお、位置決め装置610における位置決め動作が終了したか否かは、第1ガイド部材620a又は第2ガイド部材620bの移動を検知する不図示のセンサにより検出して判定してもよいし、搬入検出部112により用紙Tが検出されてからの時間を計測して判定してもよい。
【0138】
離間制御部113は、第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372が用紙Tに当接されるように第1離間駆動部642及び/又は第2離間駆動部643が制御された場合、回転駆動制御部106に所定の信号を出力する。
【0139】
ここで、記憶部150には、用紙Tのサイズごとに予め設定された第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bの位置に関するポジション情報が記憶されている。ポジション情報には、待機ポジションに関する情報と、位置決めポジションに関する情報とが含まれる。待機ポジションとは、位置決め装置610に搬入される用紙Tを第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bが待機するポジションである。位置決めポジションとは、第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bが用紙Tの外縁に当接して、用紙Tの搬送幅方向D2における位置を調整できる第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bのポジションである。
【0140】
次に、本実施形態のカラーコピー機1の基本動作について簡単に説明する。
原稿送り部70から送り出された原稿は、画像読み込み部71により画像が読み込まれる。読み込まれた画像における画像情報は、装置本体Mに入力される。
【0141】
装置本体Mにおいて、入力された画像情報は、不図示の画像形成制御部に入力される。画像形成制御部は、画像情報に基づいて、画像形成部GKを構成する像担持体としての感光体ドラム2a、2b、2c、2d、帯電部10a、10b、10c、10d、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dや現像器16a、16b、16c、16d等を制御する。感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面には、画像情報に基づいて、所定のトナー画像が形成される(図1参照)。
【0142】
具体的には、画像形成部GKにおいては、感光体ドラム2の表面に対して、上流側から下流側に順に、帯電部10a、10b、10c、10dによる帯電、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dによる露光、現像器16a、16b、16c、16dによる現像が行われる。
詳細には、まず、帯電部10a、10b、10c、10dは、感光体ドラム2の表面を一様に負(マイナス極性)又は正(プラス極性)に帯電させる。
次に、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、画像読み込み部71により読み込まれた画像に関する画像情報に基づいて感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を走査露光する。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれにより走査露光されることで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面の露光された部分の電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に静電潜像が形成される。
次に、現像器16a、16b、16c、16dは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に形成された静電潜像に各色のトナーを付着させて、トナー画像を感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に形成する。
【0143】
感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成されたトナー画像は、中間転写ベルト7を介して、2次転写ニップN2において、用紙Tの第1面に2次転写される。第1面に印刷(画像が形成)された用紙Tは、排紙部50からケース体BDの外部に排出される(図1参照)。
【0144】
ここで、用紙Tが片面に印刷される場合には、第1面に画像が形成された用紙Tは、排出搬送路510を経由して直接(反転用搬送路520を経由することなく)排紙部50からケース体BDの外部に排出される。
一方、用紙Tが両面に印刷される場合には、用紙Tは、反転用搬送路520、スイッチバックローラ対561、戻し搬送路(第4搬送路)55等を経由することにより表裏が反転されて、2次転写ニップN2に再度搬送され、用紙Tの第2面への印刷(画像の形成)が行われる。また、第2面に印刷がされた用紙Tは、反転用搬送路520、スイッチバックローラ対561、反転排出用搬送路530等を経由することにより、(印刷が行われることなく)再度表裏が反転されて、排紙部50からケース体BDの外部に排出される。
【0145】
次に、本実施形態のカラーコピー機1における具体的な動作につき、図1から図7を参照しながら説明する。図6Aは、カラーコピー機1の動作を説明するフローチャートである。図6Bは、カラーコピー機1の動作を説明するフローチャートである。図7は、A4サイズの用紙Tが位置決め装置610により位置決めされて搬送される様子を説明する図である。
本実施形態のカラーコピー機1における第1実施例の具体的な動作については、A4サイズの用紙Tが横方向に搬送(A4横の用紙T)される場合について説明する。第1給紙カセット52A及び第2給紙カセット52Bそれぞれには、A4サイズの複数の用紙Tが収納されている。第1給紙カセット52A及び第2給紙カセット52Bには、A4サイズの用紙Tは、長さの短い辺がX方向に沿うように配置(A4横配置)されている。
【0146】
ステップST1において、カラーコピー機1は、搬送路54に用紙Tが存在しない初期状態にある。受け付け部101は、カラーコピー機1の初期状態において、例えばコピー機1の外部に配置されている操作部(図示せず)が操作されたことに基づいて発生する画像形成指示情報を受け付ける。
【0147】
具体的には、操作部により入力された画像形成指示情報には、画像が形成される用紙Tの枚数に関する枚数情報と、用紙Tの種類(用紙Tのサイズ)に関する種類情報と、用紙Tの片面に画像を形成するか又は用紙Tの両面に画像を形成するかに関する印刷面情報とが含まれる。受け付け部101は、受け付けた画像形成指示情報を待機状況管理部107、及び回転駆動制御部106に出力する。
【0148】
ステップST2において、ガイド部材駆動制御部111は、記憶部150に記憶される待機ポジションの情報に基づいて、第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bそれぞれを待機ポジションに移動する又は維持するようにガイド部材駆動部630を制御する。
【0149】
ステップST3において、搬出制御部105は、画像形成指示情報における用紙Tの枚数情報に基づいて、用紙Tを給紙搬送路521に搬出するように第1カセット給紙部51Aを制御する。用紙Tは、給紙搬送路521により画像形成部GKに向けて順次搬送される。
【0150】
ステップST4において、用紙Tは、給紙搬送路521における水平搬送部528Aへ向けて搬送される。
【0151】
ステップST5において、用紙検出部104は、複数の第1センサSからの用紙Tの検出信号に基づいて、給紙搬送路521における用紙Tの存否を検出する。用紙検出部104は、用紙Tの存否に関する検出情報を待機状況管理部107に出力する。
【0152】
また、待機状況管理部107は、用紙検出部104により入力された用紙Tに関する検出情報、受け付け部101により入力された用紙Tの枚数に関する枚数情報及び用紙Tに関する種類情報を含む画像形成指示情報に基づいて、待機部528における用紙Tの待機状況を管理する。待機状況管理部107は、待機状況に関する情報を搬出制御部105及び回転駆動制御部106に出力する。
【0153】
また、回転駆動制御部106は、待機状況管理部107からの情報に基づいて、回転駆動部650を制御する。搬出制御部105は、待機状況管理部107からの情報に基づいて、用紙Tを第1給紙カセット52Aから搬出するように第1カセット給紙部51Aを制御する。
【0154】
具体的には、回転駆動制御部106は、待機状況管理部107から入力された情報に基づいて、用紙Tを待機部528に待機させるか、又は、用紙Tを画像形成部GKへ向けて搬送するかにより、回転駆動部650を制御する。
また、搬出制御部105は、待機状況管理部107から入力された情報に基づいて、一定枚数の用紙Tを待機部528におけるレジストローラ対80側から順に待機させるように第1カセット給紙部51Aを制御する。
【0155】
ステップST6において、水平搬送部528Aに搬送されたA4横サイズの用紙Tは、位置決め装置610に搬入される。
【0156】
ステップST7において、用紙Tが位置決め装置610に並んだ場合(搬入検出部112により用紙Tの幅方向D2に並んだことが検出された場合)、第1回転駆動制御部106Aは、第1Aローラ対351及び第2Aローラ対352を停止させるように第1A回転駆動部651及び第1B回転駆動部652を制御する。
また、用紙Tが位置決め装置610に並んだ場合(搬入検出部112により用紙Tの幅方向D2に並んだことが検出された場合)、受け付け部101により受け付けられた画像形成情報に含まれるサイズ情報に基づいて、第2回転駆動制御部106Bは、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372を停止させるように第2A回転駆動部671及び第2B回転駆動部672を制御する。
【0157】
本第1実施例においては、水平搬送部528Aにおける位置決め装置610の下流側にA4横の用紙Tを搬送して待機させるため、第2回転駆動制御部106Bは、受け付け部101により受け付けられた画像形成情報に含まれるサイズ情報に基づいて、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372を回転可能な状態になるように第2A回転駆動部671及び第2B回転駆動部672を制御する。
【0158】
ステップST8において、第1離間制御部113Aは、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352における2つのローラ部材が互いに離間するように第1離間駆動部642を制御する。また、第2離間制御部113Bは、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372における2つのローラ部材が互いに離間しないように第1離間駆動部642を制御する。これにより、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352は、用紙Tから離間する。また、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372に挟持させて待機させている場合には、用紙Tは、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372から離間しない。従って、第1離間駆動部642及び第2離間駆動部643は、位置決めが行われる用紙Tを挟持する第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352のみを用紙Tから離間させる。
【0159】
ステップST9において、水平搬送部528Aに搬送された用紙Tの搬送幅方向D2における位置決めが行われる。具体的には、水平搬送部528Aにおける画像形成部GK側であって第1Aローラ対351と第1Bローラ対352との間には、位置決め装置610が配置されている。位置決め装置610に搬入された用紙Tは、位置決め装置610により順次用紙Tの搬送幅方向D2における位置決めがされる。
そして、ガイド部材駆動部630は、ガイド部材駆動制御部111からの指示に基づいて、第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bそれぞれを待機ポジションから位置決めポジションに移動させる。
【0160】
位置決め装置610は、このように動作することで、搬入された用紙Tの搬送幅方向D2における位置決めを行う。用紙Tの搬送幅方向D2における位置決め動作の終了後、ガイド部材駆動部630は、ガイド部材駆動制御部111からの指示に基づいて、第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bそれぞれを位置決めポジションから待機ポジションに移動させる。
この場合、位置決め装置610は、用紙Tが第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352から離間されているため、用紙Tの搬送幅方向D2における位置決めを好適に行うことができる。
【0161】
また、位置決め装置610による用紙Tの位置決め動作は、画像形成指示情報における用紙Tのサイズ情報に基づいて行われている。そのため、例えば、位置決め装置610によりA4サイズの用紙Tの搬送幅方向D2における位置決めを行う場合、位置決め装置610は、用紙Tが位置決め装置610に搬送された状態において、用紙Tを挟持する第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352のみの回転を停止すると共に、用紙Tを挟持する第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352のみを用紙Tから離間させる。
【0162】
これにより、水平搬送部528Aにおける位置決め装置610により位置決め動作が行われる用紙Tの下流側には、第1給紙カセットから搬出されるA4横の用紙Tを搬送することができる。
【0163】
ステップST10において、第1離間制御部113Aは、位置決め装置610により用紙Tの搬送幅方向D2における位置決め動作が終了した後に、第1Aローラ対351、第1Bローラ対352を用紙Tに当接させるように第1離間駆動部642制御する。例えば、第1ガイド部材520a又は第2ガイド部材520bの移動を検知する不図示のセンサにより位置決め装置610の位置決め動作終了を検出して、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352を用紙Tに当接して用紙Tを挟持するように第2離間駆動部643を制御する。
【0164】
ステップST11において、第1回転駆動制御部106Aは、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352を回転可能な状態にするように第1A回転駆動部651及び第1B回転駆動部652を制御する。
【0165】
ステップST12において、位置決め装置610により搬送幅方向D2における位置決めがされた用紙Tは、待機状況管理部107から入力された情報に基づいて、レジストローラ対80へ向けて順次搬送される。これにより、用紙Tは、搬送幅方向D2における位置決めされた後の好適な状態で、画像形成部GKへ向けて順次搬送される。
ステップST13において、画像形成部GKにより用紙Tの第1面に画像が形成される。
【0166】
図6Bに示すように、ステップST14において、制御部102は、受け付け部101から出力された情報により用紙Tの片面に画像を形成するか又は用紙Tの両面に画像を形成するかを判定する。用紙Tの両面に画像を形成する場合(YES)には、ステップST15へ進む。本実施形態においては、用紙Tの両面に画像を形成する場合には、まず、所定枚数の用紙Tの第1面のみに画像を形成した後に用紙Tを反転させて、第1面に印刷された所定枚数の用紙Tの第2面に画像を形成する。これにより、用紙Tの両面には、画像が形成される。例えば、画像形成部GKは、5枚の用紙Tの第1面のみに連続的に画像を形成した後に、第1面に画像が形成された5枚の用紙Tの第2面に連続的に画像を形成する。
用紙Tの片面に画像を形成する場合(NO)には、ステップST26へ進む。
【0167】
ステップST15において、用紙Tは、用紙Tの第2面にトナー画像を形成するために、スイッチバック部560に向けて搬送される。具体的には、定着部9から排出された第1面に画像が形成された5枚の用紙Tは、順次、第8搬送路509、第1分岐部501及び反転用搬送路520を経由して、スイッチバック部560に搬送される。用紙Tは、スイッチバック部560により表裏が反転される。
【0168】
ステップST16において、ガイド部材駆動制御部111は、第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bそれぞれを、第1ガイド部材620a及び第2ガイド部材620bそれぞれを待機ポジションに移動する又は維持するようにガイド部材駆動部630を制御する。
【0169】
ステップST17において、スイッチバック部560により反転された用紙Tは、順次、戻し搬送路(第4搬送路)55により画像形成部GKに再び搬送される。例えば、5枚のA4横の用紙Tに両面印刷を行う場合、第1面に画像が形成された5枚のA4横の用紙Tは、スイッチバック部560により反転され、戻し搬送路(第4搬送路)55を経由して画像形成部GKに順次搬送される。
【0170】
ステップST18において、用紙Tは、上述のステップST4と同様に、水平搬送部528Aに搬送される。ここで、戻し搬送路(第4搬送路)55における第1合流部511から画像形成部GKまでの部分は、給紙搬送路521と共通する搬送路である。そのため、戻し搬送路(第4搬送路)55を搬送される用紙Tを水平搬送部528Aに待機させることができる。
【0171】
ステップST19からステップST23において、位置決め装置610により用紙Tにおける搬送幅方向D2の位置決めがなされる。
ここで、スイッチバック部560により表裏が反転された用紙Tは、スイッチバック部560における反転動作により搬送幅方向D2の位置がずれる可能性がある。そのため、待機部528に配置される位置決め装置610により、スイッチバック部560における反転動作による用紙Tの搬送幅方向D2の位置のずれを抑制することができる。
【0172】
特に、位置決め装置610は、第1給紙カセット52Aから搬出された用紙T及び両面印刷時において反転された用紙Tが搬送される共通の水平搬送部528Aに配置されている。そのため、第1給紙カセット52Aから搬送される用紙T及び両面印刷時におけるスイッチバック部560から搬送される用紙Tには、共通の位置決め装置610により、用紙Tの搬送幅方向D2の位置のずれを調整する位置決め動作がなされる。
【0173】
これにより、位置決め装置610は、第1給紙カセット52Aから搬出される用紙Tにおける位置決め装置、及び、スイッチバック部560から搬出される用紙Tにおける位置決め装置となる。従って、本発明におけるカラーコピー機1は、2つの位置決め装置を備える必要がないため、装置を簡素化することができると共に、装置のコストを低減することができる。
【0174】
ステップST19からステップST23における位置決め動作は、スイッチバック部560において表裏が反転された用紙Tの搬送幅方向D2における位置決め動作である。ステップST19からステップST23における動作の説明は、ステップST6からステップST10と同様の動作であるため、ステップST6からステップST10の動作の説明を援用して説明を援用する。
【0175】
ステップST24において、位置決め装置610により位置決めされた用紙Tは、順次画像形成部GKへ向けて搬送される。回転駆動制御部106及び搬出制御部105は、待機状況管理部107からの情報に基づいて、受け付け部101に受け付けられた枚数情報における全ての枚数の用紙Tが画像形成部GKに搬送されるまで、用紙Tを画像形成部GKに搬送する制御を効率的に行う。そして、位置決め装置610は、水平搬送部528Aに搬送される全ての用紙Tに対して、搬送幅方向D2における位置決め動作を行う。
【0176】
ステップST25において、第1面に画像が形成された用紙Tは、画像形成部GKに順次搬送される。これにより、画像形成部GKにより用紙Tの第2面に画像が形成される。
【0177】
ステップST26において、画像形成部GKにより用紙Tに画像が形成された後には、用紙Tは、排紙部50からケース体BDの外部へ排出され、制御が終了する。
【0178】
また、ステップST27において用紙Tの片面に画像を形成する場合(NO)には、ステップST17に進み、用紙Tは、排紙部50からケース体BDの外部へ排出され、制御が終了する。
【0179】
次に、本実施形態における第2実施例について、図1から図6B、図8により説明する。図8は、A3サイズの用紙Tが位置決め装置610により位置決めされて搬送される様子を説明する図である。第2実施例は、第1実施例の変形例である。
第2実施例は、第1実施例と比して、搬送される用紙Tのサイズが大きい点、回転駆動制御部106及び離間制御部113における制御における点について主に異なる。第2実施例は、例えば、A3縦の用紙Tが搬送される場合の実施例である。
【0180】
第2実施例の制御フローについて、第1実施例におけるステップST6からステップST10における動作により説明する(図6A及び図6B参照)。第2実施例の制御フローは、その他の制御フローについては、第1実施例の制御フローと同様であるため、第1実施例の制御フローを援用して説明を省略する。
【0181】
まず、ステップST1からステップまでの動作は、第1実施例と同様な動作が行われる。
第2実施例におけるカラーコピー機1は、ステップST6において、水平搬送部528Aに搬送されたA3縦サイズの用紙Tは、位置決め装置610に搬入される。
【0182】
ステップST7において、用紙Tが位置決め装置610に並んだ場合(搬入検出部112により用紙Tの幅方向D2に並んだことが検出された場合)、第1回転駆動制御部106Aは、第1Aローラ対351及び第2Aローラ対352を停止させるように第1A回転駆動部651及び第1B回転駆動部652を制御する。
また、用紙Tが位置決め装置610に並んだ場合(搬入検出部112により用紙Tの幅方向D2に並んだことが検出された場合)、受け付け部101により受け付けられた画像形成情報に含まれるサイズ情報に基づいて、第2回転駆動制御部106Bは、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372を停止させるように第2A回転駆動部671及び第2B回転駆動部672を制御する。
【0183】
本第2実施例においては、A3縦の用紙Tが水平搬送部528Aに搬送されているため、第1回転駆動制御部106Aは、第1Aローラ対351及び第2Aローラ対352を停止させるように第1A回転駆動部651及び第1B回転駆動部652を制御する。また、第2回転駆動制御部106Bは、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372を停止させるように第2A回転駆動部671及び第2B回転駆動部672を制御する。これにより、水平搬送部528Aに搬送されるA3縦の用紙Tは、位置決め装置610に並んだ状態で停止される。
【0184】
ステップST8において、第1離間制御部113Aは、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352における2つのローラ部材が互いに離間するように第1離間駆動部642を制御する。同時に、第2離間制御部113Bは、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372における2つのローラ部材が互いに離間するように第2離間駆動部643を制御する。
これにより、第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372は、用紙Tから離間する。
【0185】
ステップST9において、水平搬送部528Aに搬送された用紙Tの搬送幅方向D2における位置決めが行われる。この場合、位置決め装置610は、用紙Tが第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372から離間されているため、用紙Tの搬送幅方向D2における位置決めを好適に行うことができる。
その後、ステップST10から制御終了までは、第1実施例と同じ動作が行われる。
【0186】
以上の構成を有する本実施形態のカラーコピー機1によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態のカラーコピー機1は、給紙カセット52から搬出された用紙Tを画像形成部GKに搬送する給紙搬送路521であって、給紙カセット52と画像形成部GKとの間にケース体BDの水平方向における一方側から他方側にわたって横断するようにして形成される水平搬送部528Aを有する給紙搬送路521と、画像形成部GKから搬出された用紙Tを表裏反転させる反転部560と、反転部560により表裏反転された用紙Tを搬送するリサイクル搬送路523であって、水平搬送部528Aの搬送方向における上流側に合流するリサイクル搬送路523と、水平搬送部528Aに配置され、用紙Tの搬送幅方向D2における位置を規制する位置規制部材620と、水平搬送部528Aにおける位置規制部材620の近傍に配置され、互いに対向する2つのローラ部材により構成される第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352と、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352それぞれにおいて、2つのローラ部材を互いに離間及び近接するよう移動させる第1離間駆動部642と、位置規制部材620を搬送幅方向D2に移動させると共に、用紙Tに当接して用紙Tの搬送幅方向D2における位置を所定位置に位置させるガイド部材駆動部630と、第1A回転駆動部651及び第1B回転駆動部652を制御する第1回転駆動制御部106Aと、第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352における2つのローラ部材が互いに離間するよう第1離間駆動部642を制御する第1離間制御部113Aと、位置規制部材620が用紙Tを搬送幅方向D2における所定位置に位置させるようガイド部材駆動部630を制御するガイド部材駆動制御部111と、を備える。
【0187】
そのため、位置規制部材620を有する位置決め装置610は、給紙カセット52から搬出される用紙Tにおける位置決め装置、及び、スイッチバック部560から搬出される用紙Tにおける位置決め装置となる。これにより、カラーコピー機1は、2つの位置決め装置を備える必要がないため、装置を簡素化することができると共に、装置のコストを低減することができる。
また、位置決め装置610は、用紙Tが第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352から離間された状態で、用紙Tにおける搬送幅方向D2の位置決めを行うことができる。これにより、位置決め装置610は、用紙Tにおける搬送幅方向D2の位置決めを好適に行うことができる。
【0188】
また、本実施形態のカラーコピー機1によれば、給紙搬送路521は、水平搬送部528Aの搬送方向D1における下流側に連続して形成される湾曲搬送部528Bを有し、水平搬送部528A及び湾曲搬送部528Bは、画像形成部に搬入される前の用紙Tを待機させる待機部として機能する。そのため、水平搬送部528Aは、用紙Tを実質的に湾曲又は屈曲させることなく搬送したり又は待機させることが可能である。これにより、水平搬送部(平面待機部)528Aに搬送される用紙Tは、安定した状態で搬送又は待機される。また、水平搬送部(平面待機部)528Aに搬送される用紙Tは、搬送路により付与される負荷が抑制された状態で搬送又は待機される。従って、平面待機部528Aに配置される位置決め装置610は、用紙Tを安定した状態、且つ、搬送路により用紙Tに付与される負荷が抑制された状態で、用紙Tにおける搬送幅方向D2の位置決めを好適に行うことができる。
【0189】
また、本実施形態のカラーコピー機1によれば、画像形成部により画像が形成される用紙Tのサイズに関するサイズ情報を含む画像形成指示情報を受け付け可能な受け付け部101と、水平搬送部528Aにおいて位置規制部材620の搬送方向D1における上流側に配置され、互いに対向する2つのローラ部材により構成される第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372と、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372それぞれにおいて、2つのローラ部材を互いに離間及び近接するよう移動させる第2離間駆動部643と、受け付け部101により受け付けられた画像形成指示情報に含まれるサイズ情報に基づいて、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372における回転を停止させるよう第2A回転駆動部671及び第2B回転駆動部672を制御する第2回転駆動制御部106Bと、第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372における2つのローラ部材が互いに離間するよう第2離間駆動部643を制御する第2離間制御部113Bと、を更に備える。
【0190】
そのため、第2離間駆動部643は、位置決め装置610による位置決めの際に、画像形成指示情報における用紙Tのサイズ情報に基づいて、用紙Tから第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372を離間させることができる。これにより、位置決め装置610により位置決めを行わず且つ水平搬送部528Aを搬送される用紙Tは、用紙Tの搬送幅方向D2における位置がずれない状態で第2Aローラ対371及び第2Bローラ対372に挟持された状態となる。その結果、サイズが異なる用紙Tを搬送する場合においても、用紙Tのサイズに応じて、用紙Tの搬送幅方向D2における位置決めを好適に行うことができる。
【0191】
例えば、A4横のサイズの用紙Tの位置決めを行う場合、位置決め装置610は、用紙Tが位置決め装置610に搬送された状態において、用紙Tを挟持する第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352のみの回転を停止すると共に、用紙Tを挟持する第1Aローラ対351及び第1Bローラ対352のみを用紙Tから離間させる。
また、A3縦のサイズの用紙Tの位置決めを行う場合、位置決め装置610は、用紙Tが位置決め装置610に搬送された状態において、用紙Tを挟持する第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371、第2Bローラ対372の回転を停止すると共に、用紙Tを挟持する第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371、第2Bローラ対372を用紙Tから離間させる。
【0192】
また、位置決め装置610により用紙Tにおける搬送幅方向D2の位置決めが行われている間に、水平搬送部(平面待機部)528Aにおける用紙Tが待機されていない部分に、待機状況管理部107からの情報に基づいて、適宜、用紙Tを搬送して待機させることができる。
【0193】
例えば、A4横サイズの用紙Tが水平搬送部528Aの画像形成部GK側において、位置決め装置610により位置決めされている場合、水平搬送部528Aの搬送方向D1における位置決めがされている用紙Tよりも下流側に、用紙Tを搬送することが可能である。そのため、回転駆動部650は、位置決め装置610により位置決めされている際に、待機状況管理部107からの情報に基づいて、水平搬送部528Aの搬送方向D1における位置決めがされている用紙Tよりも下流側に、用紙Tを搬送して待機させることができる。これにより、用紙Tを待機部528に待機させることができるので、用紙Tを好適に画像形成部GKに搬送することができる。
【0194】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。
例えば、前述の実施形態においては、収納部52は、第1給紙カセット52A、第2給紙カセット52B及び第3給紙カセット52Cを備える構成としているが、これに制限されない。収納部52は、給紙カセットを1つ又は2つ備える構成としてもよい。
【0195】
また、前述の実施形態においては、カラーコピー機1は、用紙Tを複数の中間ローラ対550により600mm/Sの速度で画像形成部GKへ向けて搬送し、中間転写ベルト7の移動速度を400mm/Sとしているが、これに制限されない。
【0196】
また、前述の実施形態においては、第1離間駆動部642及び第2離間駆動部643は、第1Aローラ対351、第1Bローラ対352、第2Aローラ対371、第2Bローラ対372それぞれが用紙Tを挟持している状態から、従動ローラ351b、352b、371b及び372bそれぞれを用紙Tから離間させているが、これに制限されない。例えば、第1離間駆動部642及び第2離間駆動部643は、駆動ローラ351a、352a、371a及び372aそれぞれを用紙Tから離間させてもよい。
【0197】
また、前述の実施形態においては、中間転写部200により間接的に用紙Tにトナー画像を転写させているが、これに制限されない。中間転写部200は、トナー画像を直接的に用紙Tに転写させる構成としてもよい。
【0198】
また、本発明の画像形成装置の種類は、特に限定がなく、モノクロコピー機、プリンタ、ファクシミリ、又はこれらの複合機などであってもよい。
また、中間ローラ対550及び回転駆動部650の数は、制限されない。
また、シート状の被転写材は、用紙に制限されず、例えば、フィルムシートであってもよい。
【符号の説明】
【0199】
1……カラーコピー機(画像形成装置)、2a,2b,2c,2d……感光体ドラム(像担持体)、52……給紙カセット(収納部)、106A……第1回転駆制御部、112……搬入検出部、111……ガイド部材駆動制御部(規制部材駆動制御部)、113A……第1離間制御部、351……第1Aローラ対(第1ローラ対)、352……第1Bローラ対(第1ローラ対)、521……給紙搬送路(シート搬送路)、523……リサイクル搬送路、560……スイッチバック部(反転部)、620……位置規制部材、630……ガイド部材駆動部(規制部材駆動部)、642……第1離間駆動部、648……第2センサ(検出部材)、651……第1A回転体駆動部(第1回転体駆動部)、652……第1B回転体駆動部(第1回転体駆動部)、D1……搬送方向、D2……搬送幅方向(幅方向)、BD……ケース体(筐体)、GK……画像形成部、T……用紙(被転写材)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
シート状の被転写材を収納する収納部と、
前記収納部の垂直方向上側に配置され、前記被転写材に画像を形成する画像形成部と、
前記収納部から搬出された前記被転写材を前記画像形成部に搬送するシート搬送路であって、前記収納部と前記画像形成部との間に前記筐体の水平方向における一方側から他方側にわたって横断するようにして形成される水平搬送部を有するシート搬送路と、
前記画像形成部から搬出された前記被転写材を表裏反転させる反転部と、
前記反転部により表裏反転された前記被転写材を搬送するリサイクル搬送路であって、前記水平搬送部の搬送方向における上流側に合流するリサイクル搬送路と、
前記水平搬送部に配置され、前記被転写材における前記搬送方向に直交する方向である幅方向における位置を規制する位置規制部材と、
前記水平搬送部に沿って配置される1又は複数の検出部材と、
前記1又は複数の検出部材からの検出結果に基づいて前記被転写材が前記幅方向において前記位置規制部材と並んだことを検出する搬入検出部と、
前記水平搬送部における前記位置規制部材の近傍に配置され、互いに対向する2つのローラ部材により構成される1又は複数の第1ローラ対と、
前記1又は複数の第1ローラ対を回転駆動させる1又は複数の第1回転駆動部と、
前記1又は複数の第1ローラ対それぞれにおいて、前記2つのローラ部材を互いに離間及び近接するよう移動させる1又は複数の第1離間駆動部と、
前記位置規制部材を前記幅方向に移動させると共に、前記被転写材に当接して該被転写材の前記幅方向における位置を所定位置に位置させる規制部材駆動部と、
前記搬入検出部により前記被転写材が前記幅方向において前記位置規制部材と並んだことが検出された場合、前記1又は複数の第1ローラ対における回転を停止させるよう前記第1回転駆動部を制御する第1回転駆動制御部と、
前記第1回転駆動制御部により前記1又は複数の第1ローラ対における回転が停止されるよう前記第1回転駆動部が制御された場合、前記1又は複数の第1ローラ対における前記2つのローラ部材が互いに離間するよう前記第1離間駆動部を制御する第1離間制御部と、
前記第1離間制御部により前記1又は複数の第1ローラ対における前記2つのローラ部材が互いに離間するよう前記第1離間駆動部が制御された場合、前記位置規制部材が前記被転写材を前記幅方向における所定位置に位置させるよう前記規制部材駆動部を制御する規制部材駆動制御部と、を備える
画像形成装置。
【請求項2】
前記シート搬送路は、前記水平搬送部の搬送方向における下流側に連続して形成される湾曲搬送部を有し、
前記水平搬送部及び前記湾曲搬送部は、前記画像形成部に搬入される前の前記被転写材を待機させる待機部として機能し、
前記水平搬送部は、1又は複数の前記被転写材を実質的に湾曲又は屈曲させることなく待機させることが可能である
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成部により画像が形成される前記被転写材のサイズに関するサイズ情報を含む画像形成指示情報を受け付け可能な受け付け部と、
前記水平搬送部において前記位置規制部材の前記搬送方向における上流側に配置され、互いに対向する2つのローラ部材により構成される1又は複数の第2ローラ対と、
前記1又は複数の第2ローラ対を回転駆動させる1又は複数の第2回転駆動部と、
前記1又は複数の第2ローラ対それぞれにおいて、前記2つのローラ部材を互いに離間及び近接するよう移動させる1又は複数の第2離間駆動部と、
前記搬入検出部により前記被転写材が前記幅方向において前記位置規制部材と並んだことが検出された場合、前記受け付け部により受け付けられた画像形成指示情報に含まれるサイズ情報に基づいて、前記1又は複数の第2ローラ対における回転を停止させるよう前記第2回転駆動部を制御する第2回転駆動制御部と、
前記第2回転駆動制御部により前記1又は複数の第2ローラ対における回転が停止されるよう前記第2回転駆動部が制御された場合、前記1又は複数の第2ローラ対における前記2つのローラ部材が互いに離間するよう前記第2離間駆動部を制御する第2離間制御部と、を更に備える
請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項1】
筐体と、
シート状の被転写材を収納する収納部と、
前記収納部の垂直方向上側に配置され、前記被転写材に画像を形成する画像形成部と、
前記収納部から搬出された前記被転写材を前記画像形成部に搬送するシート搬送路であって、前記収納部と前記画像形成部との間に前記筐体の水平方向における一方側から他方側にわたって横断するようにして形成される水平搬送部を有するシート搬送路と、
前記画像形成部から搬出された前記被転写材を表裏反転させる反転部と、
前記反転部により表裏反転された前記被転写材を搬送するリサイクル搬送路であって、前記水平搬送部の搬送方向における上流側に合流するリサイクル搬送路と、
前記水平搬送部に配置され、前記被転写材における前記搬送方向に直交する方向である幅方向における位置を規制する位置規制部材と、
前記水平搬送部に沿って配置される1又は複数の検出部材と、
前記1又は複数の検出部材からの検出結果に基づいて前記被転写材が前記幅方向において前記位置規制部材と並んだことを検出する搬入検出部と、
前記水平搬送部における前記位置規制部材の近傍に配置され、互いに対向する2つのローラ部材により構成される1又は複数の第1ローラ対と、
前記1又は複数の第1ローラ対を回転駆動させる1又は複数の第1回転駆動部と、
前記1又は複数の第1ローラ対それぞれにおいて、前記2つのローラ部材を互いに離間及び近接するよう移動させる1又は複数の第1離間駆動部と、
前記位置規制部材を前記幅方向に移動させると共に、前記被転写材に当接して該被転写材の前記幅方向における位置を所定位置に位置させる規制部材駆動部と、
前記搬入検出部により前記被転写材が前記幅方向において前記位置規制部材と並んだことが検出された場合、前記1又は複数の第1ローラ対における回転を停止させるよう前記第1回転駆動部を制御する第1回転駆動制御部と、
前記第1回転駆動制御部により前記1又は複数の第1ローラ対における回転が停止されるよう前記第1回転駆動部が制御された場合、前記1又は複数の第1ローラ対における前記2つのローラ部材が互いに離間するよう前記第1離間駆動部を制御する第1離間制御部と、
前記第1離間制御部により前記1又は複数の第1ローラ対における前記2つのローラ部材が互いに離間するよう前記第1離間駆動部が制御された場合、前記位置規制部材が前記被転写材を前記幅方向における所定位置に位置させるよう前記規制部材駆動部を制御する規制部材駆動制御部と、を備える
画像形成装置。
【請求項2】
前記シート搬送路は、前記水平搬送部の搬送方向における下流側に連続して形成される湾曲搬送部を有し、
前記水平搬送部及び前記湾曲搬送部は、前記画像形成部に搬入される前の前記被転写材を待機させる待機部として機能し、
前記水平搬送部は、1又は複数の前記被転写材を実質的に湾曲又は屈曲させることなく待機させることが可能である
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成部により画像が形成される前記被転写材のサイズに関するサイズ情報を含む画像形成指示情報を受け付け可能な受け付け部と、
前記水平搬送部において前記位置規制部材の前記搬送方向における上流側に配置され、互いに対向する2つのローラ部材により構成される1又は複数の第2ローラ対と、
前記1又は複数の第2ローラ対を回転駆動させる1又は複数の第2回転駆動部と、
前記1又は複数の第2ローラ対それぞれにおいて、前記2つのローラ部材を互いに離間及び近接するよう移動させる1又は複数の第2離間駆動部と、
前記搬入検出部により前記被転写材が前記幅方向において前記位置規制部材と並んだことが検出された場合、前記受け付け部により受け付けられた画像形成指示情報に含まれるサイズ情報に基づいて、前記1又は複数の第2ローラ対における回転を停止させるよう前記第2回転駆動部を制御する第2回転駆動制御部と、
前記第2回転駆動制御部により前記1又は複数の第2ローラ対における回転が停止されるよう前記第2回転駆動部が制御された場合、前記1又は複数の第2ローラ対における前記2つのローラ部材が互いに離間するよう前記第2離間駆動部を制御する第2離間制御部と、を更に備える
請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2011−113032(P2011−113032A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271674(P2009−271674)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
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