説明

画像形成装置

【課題】 複写機能を提供する画像形成装置において、メモリフル発生時の対応策を分かりやすくユーザに伝える事ができる操作装置を提供する。
【解決手段】 画像を入力する画像入力手段(170)と、
前記画像入力手段(170)で入力した画像を処理する画像処理手段(130)と、
前記画像処理手段(130)の出力を保持する画像保存手段(140)と、
前記画像保存手段(140)の画像を繰り返し画像出力手段(190)で出力することで複数部出力が可能な画像形成装置(100)において、
画像保存手段(140)のメモリフルを検知するメモリフル検知手段(101)と、
メモリフル発生の主要因を分析する分析手段(101)と、
分析手段での分析結果を表示する表示手段(110)
を有する事を特徴とする画像形成装置(100)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置の操作部に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において複写(コピー)機能を実行した際に、メモリフルが発生し、最後まで複写処理を実行できない場合がある。その際の対策としてメモリフル時に無駄な出力物を出さない技術がある。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−311732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術はメモリフル時に無駄な出力物を出さない発明であり、メモリフル後にユーザに対してどのような対応を行えばいいのか解決策を提示できていないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、
画像を入力する画像入力手段(170)と、
前記画像入力手段(170)で入力した画像を処理する画像処理手段(130)と、
前記画像処理手段(130)の出力を保持する画像保存手段(140)と、
前記画像保存手段(140)の画像を繰り返し画像出力手段(190)で出力することで複数部出力が可能な画像形成装置(100)において、
画像保存手段(140)のメモリフルを検知するメモリフル検知手段(101)と、
メモリフル発生の主要因を分析する分析手段(101)と、
分析手段での分析結果を表示する表示手段(110)
を有する事を特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、何が問題でメモリフルが発生したのかユーザに分かりやすく伝える事が出来る。またその解決策も提示でき利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】構成を示すブロック図である。
【図2】コピー機能の画面である。
【図3】メモリフル画面である。
【図4】ポップアップ通知画面である。
【図5】コピージョブの動作モード設定画面である。
【図6】画像読み取り前に実行するフローチャートである。
【図7】メモリフル検知後に実行するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0009】
図1は本発明第1実施例の構成を示すブロック図である。各ブロックはモジュールを示しており、ブロック間の矢印はデータもしくは指示の流れを示している。
【0010】
図1において、100は複写機である。101はCPUであり、図1記載モジュールのプログラム実行を行う。110は操作部であり、ユーザへの情報通知を行ない、ユーザ指示を複写機内の各ブロックに伝える動作を行なう。170はスキャン部であり、原稿の読み込みを行ない、画像を後段モジュールに出力する。130はスキャン部170で読み取った画像データの画像処理を行う画像処理部である。140は画像保存部であり、画像処理部130で処理された画像およびその属性の蓄積を行なう。190は画像を印刷するプリント部である。本ブロック図では、スキャン部170およびプリント部190を複写機100の内部にある構成としたが、それぞれもしくは両方とも外部にある構成でもよい。
【0011】
図2は操作部110におけるコピー機能の画面である。300はコピーの基本画面で5行から構成され、最初の1行目に現在の状態を表示する。2行目は複写倍率と選択されている給紙段情報を表示する。1行目と2行目の右端に大きく数字でコピー部数を表示する。3行目から5行目はコピージョブに指定可能な動作モード項目302を表示する。表示しきれない場合は、301スクロールバーを右端に表示する。
【0012】
図3(A)はメモリフル画面200であり、複写機100がコピージョブを実行した際に、メモリフルが発生した場合に表示する。はい201を選択すると画像保存部140に保存できた画像に関してプリントする。いいえ202を選択した場合、ジョブをキャンセルする。
【0013】
図3(B)はメモリフル画面のもう一例である。メモリフルが面210は画像保存部に1ページも保存できなかった場合に表示される。閉じる211を選択する事でジョブをキャンセルする。
【0014】
図4はメモリフル発生後にユーザにアナウンスを行うポップアップ通知画面220である。閉じる221を選択する事で、ポップアップ通知画面220を閉じる。
【0015】
図5(A)はコピージョブの動作モードを変更する際の1例である。コピー画面310において、上下矢印キー(操作部110に図示せず)で項目を移動し、選択された項目は反転表示する。ここでは原稿の種類311が反転表示されている。項目が反転表示された状態でOKキー(操作部110に図示せず)を押下することでその項目の設定変更が可能である。また、表示領域におさまりきらない長い文字列は流れ文字表示を行うことでユーザが文字列全体の確認を可能としている。
【0016】
図5(B)は原稿の種類311を選択した際の表示例である。原稿の種類設定画面320において、現在選択されている項目が反転表示されている。ここでは文字/写真/地図(高速コピー)項目321が選択されている。
【0017】
図5(C)はメモリフル発生後にユーザに有効な設定項目を伝える有効項目通知画面330である。2行目から5行目の表示エリア331にメモリフル発生確率を下げることができる設定項目を表示する。4項目より多い場合はスクロールバー332を表示し、ユーザに他にも設定項目があることを伝える。表示項目を選択する事で次に実行するジョブの動作モードの設定変更が可能である。
【0018】
図6はスキャン部170が画像読み込みを実行する際に、実行するフローチャートである。
【0019】
まず、S1100で画像保存部140に1ページ分の空きメモリが存在しているかチェックする。1ページ分の空きがある場合はS1101へ進み、ない場合はS1102へ進む。S1101ではスキャン部170で画像読み取りを実行し、このフローチャートを抜ける。S1102ではジョブ設定がソート出力かどうかの判断を行う。ソート出力の場合はS1104へ進み、非ソート出力の場合はS1103へ進む。S1103ではプリント部190で画像保存部140に蓄積されている画像が印刷され画像保存部140上のデータ削除を待つ。データ削除により1ページ分の空きが生じるとS1101に進み、スキャン部170で画像読み取りを実行し、このフローチャートを抜ける。一方、S1104ではメモリフル検知フラグをONにセットしてこのフローチャートを抜ける。
【0020】
メモリーフラグ検知フラグがONの状態でフローチャートを抜けた場合、図3(A)もしくは図3(B)の画面を表示し、ユーザ指示を待つ。
【0021】
図7は図3のいいえ202もしくは閉じる211が押下された場合に実行されるフローチャートである。
【0022】
まず、S1000で変更推奨項目リストのクリアーを実行する。次にS1001で実行したジョブの読み取り解像度を確認する。解像度が低解像度の場合はS1003へ進み、高解像度の場合はS1002へ進む。S1002では変更推奨項目リストに速度優先の原稿種類を追加する。
【0023】
S1003では濃度設定が標準値より薄いか確認する。薄い設定の場合はS1005へ進み、そうでない場合はS1004へ進む。S1004では変更推奨項目リストに薄い濃度設定を追加する。
【0024】
S1005では両面出力設定がOFFか確認する。OFFの場合はS1007へ進み、ONの場合はS1006へ進む。S1006では変更推奨項目リストに両面設定OFFを追加する。
【0025】
S1007では枠消し設定がONか確認する。ONの場合はS1009へ進み、OFFの場合はS1008へ進む。S1008では変更推奨項目リストに枠消し設定ONを追加する。
【0026】
S1009ではこれまでに追加された変更推奨項目を図5(C)のように表示してフローチャートを抜ける。このフローチャートではメモリフル確率を減らす効果が有効な順に判断を実施したが、状況に応じてS1001、S1003、S1005、S1007の判断順番を入れ替えてもよい。
【0027】
以上説明した内容により、何が問題でメモリフルが発生したのかユーザに分かりやすく伝える事が出来る。またその解決策も提示でき利便性が向上する。
【0028】
なお、本実施例では図5(C)のように複数の設定項目を表示する場合を説明したが、複数項目を表示せず、図4のように1つの項目を表示し、閉じる221押下後に、コピー画面310で示しているように該当項目311が選択された状態に遷移してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を入力する画像入力手段(170)と、
前記画像入力手段(170)で入力した画像を処理する画像処理手段(130)と、
前記画像処理手段(130)の出力を保持する画像保存手段(140)と、
前記画像保存手段(140)の画像を繰り返し画像出力手段(190)で出力することで複数部出力が可能な画像形成装置(100)において、
画像保存手段(140)のメモリフルを検知するメモリフル検知手段(101)と、
メモリフル発生の主要因を分析する分析手段(101)と、
分析手段での分析結果を表示する表示手段(110)
を有する事を特徴とする画像形成装置(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−120081(P2011−120081A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−276642(P2009−276642)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】