説明

画像形成装置

【課題】冷却液の脈動による振動によって良好な画像形成が行なえなくなることを抑制できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像を作像する作像部100と、作像部100での作像動作により温度が上昇する作像部100内の温度上昇箇所8に接触させて配設した受熱部2、冷却液の熱を放出させる放熱手段5a、冷却液を受熱部2と放熱手段5aとの間で循環させるための流路形成部材4、及び、流路形成部材4内の冷却液を搬送するための搬送手段1、からなる液冷手段10と、を備えた画像形成装置において、放熱手段5aはラジエータ5aであり、搬送手段1よりも冷却液流れ方向下流側で受熱部2よりも冷却液流れ方向上流側にラジエータ5aを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置においては、装置内の作像部に設けられた書込ユニット、定着ユニット及び現像ユニットなどのユニットが発熱し、装置内を温度上昇させることが知られている。
【0003】
例えば、現像ユニットにおいては、現像ユニット内の現像剤を攪拌搬送する現像剤攪拌搬送部材を駆動した際に、現像剤攪拌搬送部材と現像剤との摺擦による摩擦熱や、現像剤同士の摺擦による摩擦熱により装置内を温度上昇させる。また、現像剤を現像領域に搬送する前に現像剤担持体上に担持されている現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材と現像剤との摺擦による摩擦熱や、現像剤規制部材による規制の際の現像剤同士の摺擦による摩擦熱により装置内を温度上昇させる。
【0004】
温度上昇によりトナーが溶融して現像剤規制部材や現像剤担持体、像担持体などに固着し、画像にスジ状の異常画像などが生じるおそれがある。さらに、トナーが溶融まで至らなくても、温度上昇したトナーが圧力や摩擦などのストレスを受けることで、トナー表面の外添剤が内部に埋没あるいは表面から離脱し、キャリア表面にトナー成分が固着してしまうなどの不具合が生じる。この不具合により、長期的には現像能力に安定性を欠いてしまう虞がある。特に、近年、定着エネルギーを小さくするために溶融温度の低いトナーを用いた場合は、トナーの固着による異常画像などが生じやすい。
【0005】
そのため、従来から空冷ファンで取り込んだ外気をダクトで現像ユニットの周辺に搬送し、気流を発生させ現像ユニットを空冷して、現像ユニットの温度が過度に上昇するのを抑える画像形成装置が知られている。しかし、近年、画像形成装置の小型化のため、装置内が高密度化して現像ユニットの周囲に空間的余裕がなくなってきている。このため、現像ユニット周辺に空冷ファンの気流を搬送するためのダクトを設置するスペースの確保が難しくなっており、現像ユニットを強制空冷することが困難となっている。
【0006】
特許文献1には、液体を循環させて現像ユニットを冷却する液冷方式を用いた画像形成装置が記載されている。液冷装置は、温度上昇箇所である現像ユニットの壁面に接触して冷却液が現像ユニットの熱を受ける受熱部と、冷却液の熱を放熱するための放熱手段と、冷却液が受熱部と放熱手段とを循環するように配管された管と、管内の冷却液を搬送するための搬送手段とを備えている。液冷装置は、空冷装置よりも効率良く冷却できるため、現像ユニットを効率よく冷却することができる。また、冷却液を循環させるための管は、ダクトよりも断面が小さいため、現像ユニットの周囲の空間が狭くても、現像ユニットの周囲に管を配置することができる。よって、装置内が高密度化しても現像ユニットを冷却することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、搬送手段によって管内を搬送される冷却液に脈動が生じると、その冷却液の脈動によって受熱部が振動し、その振動が現像ユニットを介して作像部に伝わって作像動作に悪影響を及ぼし良好な画像形成が行なえないといった問題が生じる。
【0008】
また、前記温度上昇箇所が作像部に設けられた書込ユニットや定着ユニットであっても上述したのと同様の問題が生じる。
【0009】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、冷却液の脈動による振動によって良好な画像形成が行なえなくなることを抑制できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、画像を作像する作像部と、前記作像部での作像動作により温度が上昇する作像部内の温度上昇箇所に接触させて配設した受熱部、冷却液の熱を放出させる放熱手段、該冷却液を該受熱部と該放熱手段との間で循環させるための流路を形成する流路形成部材、及び、該流路形成部材内の冷却液を搬送するための搬送手段、からなる液冷手段と、を備えた画像形成装置において、前記放熱手段はラジエータであり、前記搬送手段よりも冷却液流れ方向下流側で前記受熱部よりも冷却液流れ方向上流側に該ラジエータを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記液冷手段は上記冷却液を貯留する貯留タンクを有しており、上記搬送手段、上記ラジエータ及び上記貯留タンクを、内側に上記作像部が配設された画像形成装置本体の筐体の後側板よりも画像形成装置本体後方に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記液冷手段は上記冷却液を貯留する貯留タンクを有しており、上記搬送手段、上記ラジエータ及び上記タンクを、内側に上記作像部が配設された画像形成装置本体の筐体の外側に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3の画像形成装置において、弾性体を介して装置本体に上記搬送手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項2、3または4の画像形成装置において、前記受熱部からの流路形成部材と、ラジエータ、搬送手段及び貯留タンクから構成されるユニットからの流路形成部材と、の間に、連結及び連結解除が可能な連結部材を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項2、3、4または5の画像形成装置において、上記ラジエータの冷却液流れ方向上流側に設けられた第1の連結部材と、前記ラジエータよりも冷却液流れ方向上流側にある流路形成部材に設けられ前記第1の連結部材と連結または連結解除される第2の連結部材と、前記ラジエータの冷却液流れ方向下流側に設けられた第3の連結部材と前記ラジエータよりも冷却液流れ方向下流側にある流路形成部材に設けられ前記第3の連結部と連結または連結解除される第4の連結部材と、を備えることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項5または6の画像形成装置において、上記搬送手段、上記ラジエータ及び上記貯留タンクから構成されるユニットを画像形成装置本体に対して着脱可能に構成したことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7の画像形成装置において、上記ユニットの上記搬送手段、上記ラジエータ及び上記貯留タンクが設置される設置部に溝を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項8の画像形成装置において、上記溝の底に穴を開け、該穴の下方に容器を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9の画像形成装置において、上記容器に冷却液の有無を検知する検知手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項7の画像形成装置において、上記搬送手段、上記ラジエータ及び上記貯留タンクを箱型の筐体内に設けて上記ユニットとして構成したことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の画像形成装置において、上記ユニットを装置本体の下部に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項11または12の画像形成装置において、上記貯留タンク内の液量を検知する液量検知手段を該貯留タンクに設けたことを特徴とするものである。
【0011】
本発明においては、搬送手段からラジエータを通って受熱部に冷却液が流れるので、ラジエータ内の複雑な流路を冷却液が流れている間に搬送手段によって冷却液に生じた脈動を減衰させてから受熱部に冷却液を送り込むことができる。これにより、冷却液の脈動によって受熱部に生じる振動を低減させることができる。よって、受熱部から温度上昇箇所を介して作像部に伝わる振動も低減し、振動によって作像動作に悪影響が及ぼされ良好な画像形成が行なえなくなることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0012】
以上、本発明によれば、冷却液の脈動による振動によって良好な画像形成が行なえなくなることを抑制できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(a)画像形成装置を正面から見た模式図、(b)画像形成装置上方から画像形成ユニットや液冷装置を見た場合の模式図。
【図2】本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す構成図。
【図3】液冷方式の液冷装置の概略図。
【図4】(a)装置後方から見た、液冷装置の基本構成図、(b)装置後方から見た、液冷装置の基本構成図。
【図5】弾性体を介してポンプを板金に取り付けた場合の模式図。
【図6】装置上部から見た、液冷装置の基本構成、搭載位置及び循環経路の模式図。
【図7】(a)装置後方から見た、液冷装置の基本構成図、(b)装置後方から見た、液冷装置の基本構成図。
【図8】ポンプ、タンク及びラジエータから構成されるユニットの模式図。
【図9】板金の設置面に溝を設けた場合の模式図。
【図10】溝の最下点部に設けられた穴の下方にゴムホースを介して穴から冷却液が導かれ冷却液を貯留する容器を設けた場合の模式図。
【図11】容器内に冷却液の有無を検知するセンサを設けた場合の模式図。
【図12】箱型の板金内にポンプ、タンク及びラジエータを設けてユニットを構成した場合の模式図。
【図13】ユニットを装置本体の後側板の外面下部に配設した場合の模式図。
【図14】タンク内に液量を検知する液量検知センサを設けた場合の模式図。
【図15】(a)実施形態2に係る画像形成装置を正面から見た模式図、(b)画像形成装置上方から定着装置や液冷装置を見た場合の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[実施形態1]
以下、本発明を適用した画像形成装置の第1の実施形態について説明する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す構成図である。この画像形成装置は、画像形成装置本体であり画像を作像する作像部100と、この作像部100を載置する給紙テーブル200と、作像部100上に取り付けられたスキャナ300と、このスキャナ300上に取り付けられた原稿自動搬送装置(ADF)400とから主として構成されている。
【0015】
スキャナ300では、原稿照明用光源やミラーなどを搭載した第一走行体303と、複数の反射ミラーを搭載した第二走行体304とが往復移動するのに伴って、コンタクトガラス301上に載置された図示しない原稿の読取り走査が行われる。第二走行体304から送り出される走査光は、結像レンズ305によってその後方に設置されている読取りセンサ306の結像面に集光せしめられた後、読取りセンサ306によって画像信号として読込まれる。
【0016】
作像部100には、潜像担持体としてイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のトナーに対応した感光体ドラム40Y,40C,40M,40Bkが設けられている。各感光体ドラム40の周囲には現像装置70、帯電装置85、感光体クリーニング装置86等の電子写真プロセスを実行する各手段が配置され、これによって各画像形成ユニット38が形成されている。画像形成ユニット38は4つ並列されており、これによってタンデム型画像形成部20が形成されている。
【0017】
各画像形成ユニット38の現像装置70においては、それぞれ上記4色のトナーを含んだ現像剤が用いられる。現像装置70は、現像剤担持体である現像スリーブ71が現像剤を担持、搬送して、感光体ドラム40との対向位置において交互電界が印加されて感光体ドラム40上の潜像を現像する。交互電界を印加することで現像剤を活性化させ、トナーの帯電量分布をより狭くすることができ、現像性を向上させることができる。また、現像装置70を感光体ドラム40と共に一体に支持し、作像部100に対して着脱自在に形成してプロセスカートリッジとすることができる。これにより、作像部100に対する現像装置70や感光体ドラム40など着脱を容易に行なうことが可能となり、メンテナンス性を向上させることができる。このプロセスカートリッジは、この他に帯電装置85、感光体クリーニング装置86を含んだものとすることもできる。
【0018】
タンデム型画像形成部20の上部には、画像情報に基づいて感光体ドラム40をレーザ光又はLED光により露光して潜像を形成する露光装置31が設けられている。
【0019】
また、タンデム型画像形成部20の感光体ドラム40と対向する下方位置には、無端状のベルト部材からなる中間転写ベルト15が配置されている。中間転写ベルト15は支持ローラ34、支持ローラ35及び二次転写バックアップローラ36によって支持されている。中間転写ベルト15を介して感光体ドラム40と相対する隣接位置には、感光体ドラム40上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト15に転写する一次転写装置62が配置されている。
【0020】
中間転写ベルト15の下方には、中間転写ベルト15表面に重ね合わせて形成されたトナー像を、給紙テーブル200の給紙カセット44から搬送されてくる転写紙Pに一括転写する二次転写装置19が配置されている。二次転写装置19は、二次転写ローラ23と、この二次転写ローラ23を中間転写ベルト15に接離可能に支持する接離機構(不図示)とを備えている。二次転写装置19は中間転写ベルト15を介して二次転写バックアップローラ36に二次転写ローラ23を押し当て、中間転写ベルト15上のトナー像を転写紙Pに転写する。
【0021】
中間転写ベルト15の表面に残留するトナーを取り除くために中間転写ベルトクリーニングユニット90が設けられている。中間転写ベルトクリーニングユニット90は、例えばファーブラシやウレタンゴムで形成されたクリーニングブレードを中間転写ベルト15に当接させて、中間転写ベルト15に付着している二次転写残トナーを掻き取る。
【0022】
二次転写装置19に隣接するように定着装置60が設けられており、定着装置60は転写紙P上の画像を定着する。定着装置60は、内部に熱源としてのヒータが組み込まれた加熱ローラ66と、この加熱ローラ66に押し当てられる加圧ローラ67とから主として構成されている。
【0023】
二次転写装置19及び定着装置60の下方には、転写紙Pを反転する反転装置28が配置されている。反転装置28は、転写紙Pの両面に画像を記録すべく転写紙Pを反転させる。
【0024】
なお、図2は、画像形成装置をその正面側から示すものであり、図紙面に直交する方向の奥側が画像形成装置の後側で、手前側が画像形成装置の前側である。また、図中左側が画像形成装置の左側面側で、図中右側が画像形成装置の右側面側である。画像形成装置の筐体の前部には、図示しない開閉可能な前扉が設けられている。この前扉が開放されることで、各画像形成ユニット38の前面などが外部に露出する。各画像形成ユニット38は、前面をこのように露出させた状態で、画像形成装置の後側から前側にスライド移動させることで、作像部100から引き出すことができる。画像形成装置の筐体の後部には、図示しない後側板が設けられている。
【0025】
次に、上記構成の画像形成装置の動作について説明する。
図2の原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットするか、または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス301上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。この状態で、図示省略した起動スイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス301上へと移動した後、他方コンタクトガラス301上に原稿をセットしたときは直ちにスキャナ300が駆動し、第一走行体303および第二走行体304を走行させる。そして、第一走行体303で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光を受け、これを第二走行体304に向けて反射し、第二走行体304のミラーで反射光を更に反射して結像レンズ305を通して読取りセンサ306に入射させ、読取りセンサ306で原稿内容を読取る。
【0026】
また、装置の起動スイッチを押すことによって、図示省略した駆動モータを駆動させて支持ローラ34、支持ローラ35、二次転写バックアップローラ36の1つを回転駆動し、他の2つの支持ローラを従動回転させ、これによって中間転写ベルト15を回動させる。同時に、各画像形成ユニット38において、帯電装置85によって感光体ドラム40を一様に帯電し、次いでスキャナ300の読取り内容に応じて露光装置31からレーザやLED等による書込み光を照射して帯電した各感光体ドラム40上に静電潜像を形成する。静電潜像が形成された感光体ドラム40に現像装置70からトナーを供給し、静電潜像を可視像化し、各感光体ドラム40上にそれぞれブラック(Bk)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の単色画像を形成する。単色画像を順次一次転写装置62によって中間転写ベルト15上に重なるように一次転写し、中間転写ベルト15上に合成カラー画像を形成する。画像転写後の感光体ドラム40の表面は、感光体クリーニング装置86によって残留トナーを除去し、図示省略した除電装置で除電して再度の画像形成に備える。
【0027】
起動スイッチを押すことにより、また給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つが選択されて回転し、ペーパーバンク43に多段に設けられた給紙カセット44の1つから転写紙Pを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に挿入し、搬送ローラ対47で搬送して作像部100内の給紙路48に導き、レジストローラ対49に突き当てて停止させる。次に、中間転写ベルト15上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ対49を回転し、中間転写ベルト15と二次転写装置19との間に転写紙Pを送り込み、二次転写装置19で転写して転写紙P上にカラー画像を転写する。
【0028】
二次転写ローラ23を通過した未定着トナー像を担持した転写紙Pを、定着装置60へ搬送し、定着装置60で熱と圧力とを加えて転写画像を永久画像として定着する。画像定着後の転写紙Pは、切換爪55で切り換えて排出ローラ対56によって排出し、排紙トレイ57上にスタックするか、又は切換爪55で切り換えて反転装置28に導入し、ここで転写紙Pを反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録し、その後、排出ローラ対56で排紙トレイ57上に排出する。このとき、画像転写後の中間転写ベルト15上に残留する残留トナーを中間転写ベルトクリーニングユニット90で除去し、タンデム型画像形成部20による再度の画像形成に備える。
【0029】
このような画像形成動作が長時間続くと回転体である感光体ドラム40や現像ローラ9自身の発熱、定着装置60からの熱の授受などにより画像形成ユニット38の温度が上昇してくる。その際、画像形成ユニット38の現像装置70内の温度も上昇し、現像装置70内のトナーが融解して固着し、装置が停止または破損する可能性が出てくる。
【0030】
そのため、現像装置70内の温度はトナーが融解する温度以下にする必要があり、本実施形態では、現像装置70の側面に内部を冷却液が流れる受熱部(冷却ジャケット)を接触させ現像装置70内の温度上昇を低減する液冷装置を画像形成装置に搭載している。
【0031】
図3は、液冷装置10の一例の概略図である。図3に示すように、液冷装置10は、冷却液を内包するチューブ4と、ラジエータ5a及び冷却ファン5bで構成されチューブ4内の冷却液の熱を空気中へ放出する放熱部5と、装置の温度上昇箇所8に密着させて設けられ、冷却液が温度上昇箇所8の熱を奪う受熱部2と、チューブ4内の冷却液を放熱部5と受熱部2との間で循環させるための搬送手段たるポンプ1と、チューブ4内への冷却液の注入などに用いるタンク3とを備えている。放熱部5で空気中に熱を放出され冷却されたチューブ4内の冷却液が受熱部2へ流れ、温度上昇箇所8の熱を奪って温度上昇箇所8を冷却する。受熱部2で加熱されたチューブ4内の冷却液は、ポンプ1によって放熱部5のラジエータ5aへ送り込まれ、冷却液の熱が冷却ファン5bによって空気中へ放熱されて冷却される。そして、冷却されたチューブ4内の液体は、再び受熱部2へ向けて送られる。
【0032】
ポンプ1は自給式ポンプであり、冷却液の送り出しに伴い、送り出される冷却液に間欠的な圧力の変動である脈動を生じさせる。放熱部5のラジエータ5aは、良熱伝導部材に形成された複雑な流路と、この流路と接続される良熱伝導部材によるフィンからなり、流路及びフィンを冷却ファン5bを用いて強制対流熱伝達により冷却することで流路内を流れる冷却液の温度を低下させる。冷却液を水とすると、定積熱容量が空気の3000倍以上であり、少ない流量で大きな熱量を移送できるので、強制空冷に比べ効率のよい冷却が可能である。
【0033】
[構成例1]
図1(a)は画像形成装置を正面から見た模式図であり、図1(b)は画像形成装置上方から画像形成ユニット38や液冷装置10を見た場合の模式図である。4つの現像装置70Y、70C、70M、70Bkにはそれぞれ受熱部(冷却ジャケット)2Y,2C,2M,2Bkが密着して設けられており、チューブ4により受熱部2Y,2C,2M,2Bk、タンク3、ポンプ1、ラジエータ5aが環状に連結され、冷却液は図1(b)中に示した矢印の方向に循環する。すなわち、ポンプ1を起点とすると、ポンプ1、ラジエータ5a、受熱部2、タンク3の順で冷却液が循環する。
【0034】
液冷装置10の受熱部2以外の主な構成要素であるポンプ1、タンク3、放熱部5のラジエータ5aや図示を省略した冷却ファン5bなどは、図4(a)に示すように、板金7の同一平面上に固定されている。そして、板金7のポンプ1などが固定された側とは反対側の面と、作像部100の後側板80の外面とが対向するように、板金7を後側板80の外面上部に取り付けている。すなわち、液冷装置10の構成要素であるポンプ1、タンク3及びラジエータ5aなどを、画像形成装置後側の後側板80の外面上部に位置させて設けている。
【0035】
このように、ポンプ1、タンク3及びラジエータ5aなどを板金7を介して後側板80の外面に設けることで、ポンプ1、タンク3及びラジエータ5aなどの設置箇所が後側板80や板金7によって作像部100の内部と隔てられる。そのため、ポンプ1、タンク3及びラジエータ5aなどで液漏れが発生した場合でも、その漏れた冷却液が作像部100内に流れ込むのを抑制することができる。特に、最も冷却液の保有量が多いタンク3で液漏れ発生した場合でも、その漏れた冷却液が作像部100内に流れ込むのを抑制できるので効果的である。
【0036】
また、図4(b)に示すように、ポンプ1、タンク3及び放熱部5のラジエータ5aや図示を省略した冷却ファン5bなどが設けられた板金7を後側板80の外面上部の片側(左右どちらか)に取り付けて、液冷装置10の構成要素であるポンプ1、タンク3及びラジエータ5aなどを、画像形成装置後側の後側板80の外面上部の片側に位置させて設けても上述したのと同様の効果が得られる。また、図4(b)に示すようにタンク3を板金7のできるだけ下部に取り付けることで、タンク3より液漏れが発生した場合でも、タンク3が下方に位置する分、冷却液が飛び散る範囲は画像形成装置の下部だけになるので被害を少なくすることができる。
【0037】
また、冷却液を循環させるためのポンプ1が作像部100から離れていることで、作像部100内に伝わるポンプ1の駆動時の振動を低減することができ、ポンプ1の振動が作像部100に伝わって画像位置がずれるなど画像に悪影響を与えてしまうことも少なくなる。
【0038】
また、ポンプ1よりも冷却液流れ方向下流側にラジエータ5aを設け、ポンプ1からラジエータ5aを通って受熱部2に冷却液が流れるように構成することで、流路が複雑なラジエータ5aにてポンプ1の脈動を低減させてから冷却液を受熱部2に送り込むことができる。これにより、ポンプ1によって搬送される冷却液の脈動によって生じる振動がチューブ4や受熱部2を介して作像部100に伝わり画像位置がずれるなどの画像への影響を抑えることができる。
【0039】
ここで、本構成例とは異なり、ラジエータ5aがポンプ1よりも冷却液流れ方向上流側に設けられていると、ラジエータ5aによって冷却された冷却液が、ポンプ1を通過する際にポンプ1の駆動熱(ポンプ1が駆動することにより発せられる熱)によって温められてしまう。このようにポンプ1で温められた冷却液が受熱部2に送り込まれると、受熱部2による現像装置70の冷却効率が低下してしまう。これに対し、本構成例のようにラジエータ5aをポンプ1よりも冷却液流れ方向下流側に設けることで、ポンプ1の駆動熱により温められた冷却液をラジエータ5aで冷却してから受熱部2に送り込むことができ、受熱部2による現像装置70の冷却効率が低下するのを抑制することができる。
【0040】
また、図5に示すように、板金7とポンプ1との間に弾性体11(防振材等)を挟み込んだ状態で、ネジ12によって板金7にポンプ1を固定することで、板金7に伝わるポンプ1の振動が弾性体11によって弱められ、作像部100に伝わるポンプ1の振動がより低減し、ポンプ1の振動が作像部100に伝わって画像位置がずれるなど画像に悪影響を与えることをより抑えることができる。
【0041】
板金7とポンプ1との間に挟み込む弾性体11としては、ゴムやスポンジなど、ポンプ1から作像部100に伝わる振動を和らげることができる物質であれば良い。また、ポンプ1の性能によってポンプ1から発せられる振動の大きさが異なるので、ポンプ1の性能により弾性体11の大きさや厚みなどを変更して、できるだけ板金7や後側板80等に振動が伝わらないようにすることが望ましい。
【0042】
[構成例2]
図6に示すように本構成例では、作像部100に設けられた受熱部2側のチューブ4と、ポンプ1、タンク3、ラジエータ5a側のチューブ4とを、弁付きのカプラ13及びカプラ13’(例えば日東工器製カプラ)で連結及び連結解除が可能になっている。カプラ13は、プラグ13aとソケット13bとを連結したときにカプラ13の弁が開きカプラ13内の流路が開放され、プラグ13aとソケット13bとの連結を解除したときにカプラ13の弁が閉じカプラ13内の流路が閉塞されるものである。同様に、カプラ13’は、プラグ13a’とソケット13b’とを連結したときにカプラ13’の弁が開きカプラ13’内の流路が開放され、プラグ13a’とソケット13b’との連結を解除したときにカプラ13’の弁が閉じカプラ13’内の流路が閉塞されるものである。
【0043】
本構成例においては、受熱部2の冷却液流れ方向下流側のチューブ4に取り付けられたカプラ13のプラグ13aとタンク3の冷却液流れ方向上流側のチューブ4に取り付けられたカプラ13のソケット13bとが連結されている。プラグ13aとソケット13bとが連結されることでカプラ13の弁が開きカプラ13内の流路は開放され、受熱部2からタンク3に冷却液を流すことができる。また、ラジエータ5aの冷却液流れ方向下流側のチューブ4に取り付けられたカプラ13’のプラグ13a’と受熱部2の冷却液流れ方向上流側のチューブ4に取り付けられたカプラ13’のソケット13b’とが連結されている。プラグ13a’とソケット13b’とが連結されることでカプラ13’の弁が開きカプラ13’内の流路は開放され、ラジエータ5aから受熱部2に冷却液を流すことができる。
【0044】
一方、カプラ13のプラグ13aとソケット13bとの連結を解除するとともに、カプラ13’のプラグ13a’とソケット13b’との連結を解除する。これにより、カプラ13及びカプラ13’の弁が閉じ、カプラ13内の流路及びカプラ13’内の流路は閉塞され、液冷装置10における冷却液が流れる循環経路をカプラ13及びカプラ13’によって分断しても冷却液が外に漏れることはない。
【0045】
これにより、受熱部2側と、ポンプ1、タンク3、ラジエータ5a側とで冷却液を漏らさずに冷却液が流れる循環経路を分断することができる。よって、カプラ13やカプラ13’を設けて冷却液の漏れを抑えつつ前記循環経路を分断可能な構成を採用しない場合よりも、液冷装置10内で故障した箇所の部品交換やメンテナンスの作業性を向上させることができる。
【0046】
[構成例3]
図7(a)や図7(b)は、構成例2で示した構成に加えて、さらにラジエータ5aの冷却液流れ方向上流側及び下流側それぞれに、弁付きのカプラ14及びカプラ14’(例えば日東工器製カプラ)を設けた場合を示している。なお、放熱部5の冷却ファン5bはラジエータ5aを見やすくするために図示を省略している。
【0047】
ラジエータ5aを作像部100に装着した状態では、ポンプ1の冷却液流れ方向下流側のチューブ4に取り付けられたカプラ14のプラグ14aとラジエータ5aの冷却液流れ方向上流側のチューブ4に取り付けられたカプラ14のソケット14bとが連結されている。プラグ14aとソケット14bとが連結されることでカプラ14内の流路は開放され、ポンプ1からラジエータ5aに冷却液を流すことができる。また、ラジエータ5aの冷却液流れ方向下流側のチューブ4に取り付けられたカプラ14’のプラグ14a’と受熱部2の冷却液流れ方向上流側のチューブ4に取り付けられたカプラ14’のソケット14b’とが連結されている。プラグ14a’とソケット14b’とが連結されることでカプラ14’内の流路は開放され、ラジエータ5aから受熱部2に冷却液を流すことができる。
【0048】
ラジエータ5aを作像部100から取り外す際には、カプラ14のプラグ14aとソケット14bとの連結を解除するとともに、カプラ14’のプラグ14a’とソケット14b’との連結を解除する。これにより、カプラ14及びカプラ14’の流路は閉塞され、冷却液を外に漏らさずに冷却液が流れる循環経路を分断させて、内部に冷却液が充填されたままの状態でラジエータ5aを作像部100から取り外すことができる。
【0049】
ここで、ラジエータ5aに冷却液を注入する場合、ラジエータ5aによる冷却液の冷却性能を最大限に発揮させるため、ラジエータ5a内の循環経路の全てに冷却液を充填させることが望ましい。しかしながら、流路の狭いラジエータ5aに冷却液を充填させるのは非常に困難である。このラジエータ5aに液を充填させる方法としては、ラジエータ5a内の流路中の空気を一度真空抜きしてからラジエータ5a内の流路に冷却液を入れる方法がある。なお、液冷装置10内の循環経路全域で真空抜きによる冷却液の充填を行なっても良いが、タンク3やその他のデバイスが真空圧に耐えられる素材であることが必須となってしまうため、高価な液冷装置10になりコスト上昇を招いてしまう。そこで、ラジエータ5aの冷却液流れ方向上流側に設けたカプラ14と冷却液流れ方向下流側に設けたカプラ14’との弁を閉じカプラ14内の流路とカプラ14’内の流路とを閉塞することで、ラジエータ5a内の流路に対してのみ真空抜きによる冷却液の充填を行うことができる。これにより、本実施形態では、安価な樹脂製のタンク3を使用しコスト上昇を抑えつつ、ラジエータ5a内の流路に冷却液を充填させることができる。
【0050】
また、ラジエータ5a以外のその他の液冷装置10の構成要素には、例えば、プラグ14aに接続されるチューブ4は(図示しない)余剰部長さを有していて、カプラ14とカプラ14’とが同一構成のものであり、カプラ14のプラグ14aとソケット14bとの連結を解除し、カプラ14’のプラグ14a’とソケット14b’との連結を解除して、カプラ14のプラグ14aとカプラ14’のプラグ14b’とを連結しポンプ1によって冷却液を循環させることでラジエータ5a以外のその他の液冷装置10の構成要素に冷却液を充填する。そして、その後、カプラ14のプラグ14aとカプラ14’のプラグ14b’との連結を解除し、カプラ14のプラグ14aとソケット14bとを連結しカプラ14内の弁を開いて流路を開放するとともに、カプラ14’のプラグ14a’とソケット14b’とを連結しカプラ14’内の弁を開いて流路を開放することで、液冷装置10内の循環経路全域に液を充填されることができる。このように、液冷装置10内の循環経路全域に冷却液の充填がなされることで、効率の良い冷却性能を出すことができる。
【0051】
また、内部の流路中に冷却液が充填された状態のラジエータ5aを交換パーツとすることもでき、ラジエータ5aの交換を行なっても性能が安定した液冷装置10を提供できる。
【0052】
[構成例4]
図8は、ポンプ1、タンク3及びラジエータ5aをL字型の板金27の設置面上に設けユニット化したユニット75の模式図である。なお、放熱部5の冷却ファン5bは図示を省略しているが板金27に設置されている。ポンプ1、タンク3及びラジエータ5aが設けられた板金27は、作像部100の後側板80に対して着脱可能に取り付けられており、後側板80から板金27を取り外すことによりラジエータ5a、ポンプ1及びタンク3などを一度に作像部100から取り外すことができる。このように、ユニット75を後側板80から取り外すことで、ユニット75を取り外した分、画像形成装置のサイズが小さくなり画像形成装置を搬送し易くすることができる。
【0053】
ポンプ1、タンク3及びラジエータ5aをユニット化するためにこれらが取り付けられる部材としては、上述したような板金27ではなく樹脂板でも良いが、ポンプ1、タンク3及びラジエータ5aなどは重量があるため強度が不十分であると樹脂板が破損する虞があり、樹脂板の板厚を厚くするなどの強化が必要である。
【0054】
ここで、作像部100内の後側である後側板80側には、作像部100内に設けられた画像形成ユニット85など種々の部材の駆動装置や、ハーネスなどの電気部品が配設されている。そのため、例えば、図4(a)に示すような画像形成装置後側の後側板80の外面上部の位置にポンプ1、タンク3及びラジエータ5aが搭載されている場合、作像部100内の駆動装置のメンテナンスやその他ハーネスなどの電気部品関係のメンテナンスを行なう際に、ポンプ1、タンク3及びラジエータ5aをユニット75として一体で後側板80から外して行なえるため作業性が良い。なお、図4(b)に示すように、ポンプ1、タンク3及びラジエータ5aをユニット75として一体で後側板80の外面下部に着脱可能に搭載した場合には、後側板80からユニット75を外すことで、画像形成装置下部のメンテナンスを行い易くすることができる。
【0055】
図9は図8に示したL字型の板金27に設置面から窪んだ溝16を設けた場合の模式図である。
【0056】
図9に示すように、板金27にポンプ1などが設置される設置面から窪んだ溝16を設けることにより、ユニット75内でポンプ1やタンク3やラジエータ5aなどから冷却液が漏れた際、溝16の部分に冷却液を溜まらせて、冷却液がユニット75内から外に流れ出し難くすることができる。
【0057】
この溝16の容積は、ポンプ1、タンク3、ラジエータ5aに充填される冷却液の容量よりも多めにしておくのが好ましい。これにより、ポンプ1、タンク3、ラジエータ5aから多量の冷却液が漏れ出したとしても、その漏れ出した冷却液を溝16の部分に留めることが可能となり、ユニット75外に冷却液をより流れ出し難くすることができる。当然ながら溝16の容積が、ポンプ1、タンク3、ラジエータ5aに充填される冷却液の容量よりも少ない場合でも、溝16の部分に冷却液を留めることでユニット75外に冷却液を流れ出し難くすることができ、特に、経時劣化によって継ぎ目部分や亀裂などから冷却液がにじみ出るような少量の液漏れに対しては有効に機能する。
【0058】
また、ユニット75内の外から溝16に溜まった冷却液を目視などによって確認できるような確認窓などを設けることによって、ポンプ1、タンク3、ラジエータ5aに液漏れが生じていることを、ユーザーやメンテナンスを行なうサービスマンが把握することが可能となる。
【0059】
図10は図9の長尺な溝16に一端側と他端側とで高低差を設けて溝16の底面が前記一端側から前記他端側に下るような傾斜を形成し、溝16の最下点部に穴17を開け、その穴17の下方にゴムホース18を介して穴17から冷却液が導かれ冷却液を貯留する容器81を設けた場合の模式図である。
【0060】
図10に示すように容器81を設けることで、ユニット75内でポンプ1、タンク3及びラジエータ5aなどから冷却液の漏れが生じた場合に、その漏れ出した冷却液を溝16からゴムホース18を通して容器81内に集約できる。また、容器81を透明または半透明にし容器81内に集められた冷却液の嵩を目視可能にすると共に、容器81に目盛りを設けることで容器81内に集められた冷却液の量から液漏れ量を把握することができる。
【0061】
また、溝16の最下点部に設けた穴17と容器81とをゴムホース18で繋がなくても良いが、溝16の穴17と容器81とをゴムホース18で繋ぐことで、穴17から冷却液が周囲に飛び散るのを抑制することができる。
【0062】
また、図11に示すように容器81内に冷却液の有無を検知するセンサ82(例えば漏洩センサ)を設けることによって、ユニット75内でポンプ1やタンク3やラジエータ5aなどから冷却液の漏れが生じた場合に、容器81内に集められた冷却液をセンサ82によって検知することで、ユニット75内で液漏れが生じたことを検知することができる。これにより、液漏れの検知結果に基づいて液冷装置10のポンプ1による送液を停止したり画像形成装置の画像形成動作を停止したりすることで、冷却液が電気部品に流れショートし発火するような被害が起こるのを抑制することができる。
【0063】
なお、本実施形態においては、作像動作によって温度が上昇する温度上昇箇所である現像装置70に液冷装置10の受熱部2を接触させて現像装置70を冷却する構成を例に挙げて説明したが、前記温度上昇箇所としては現像装置70に限るものではなく、露光装置31や定着装置60であっても上述したのと同様の効果を得ることができる。
【0064】
作像部100の後側板80に対して着脱可能に取り付けられるユニット75の、ポンプ1、タンク3及びラジエータ5aが取り付けられる板金としては、図8などで示したL字型の板金27ではなく図12に示すような箱型の板金37を用いても良い。箱型の板金37内にポンプ1、タンク3及びラジエータ5aを設けることで、液漏れが発生した際にユニット75外に液が飛散することをより抑制することができる。また、図13に示すように箱型の板金37内にポンプ1、タンク3及びラジエータ5aを設けてユニット75として一体で後側板80の外面下部に配設することで、ユニット75外に液が飛散したとしても被害をより抑制することができる。
【0065】
また、図14に示すようにタンク3内の液量を検知する液量検知センサ83をタンク3に設けても良い。液量検知センサ83がタンク3に設けられていることで、液漏れの検知だけではなくシステム内の液が経時劣化で減った場合の検知手段としても利用でき、液の交換時期をユーザーなどに知らせたり、コストを抑えたりすることができる。本実施形態においては、液量検知センサ83として2極の導電部83a,83bがタンク3内の液に浸かっており、この2極の導電部83a,83bに電流を流しその際の抵抗値を見てタンク3内での減った液量を検知することができる。また、分解能を細かくすることで減った液量も間接的に見ることができる。一方、液漏れにより2極の導電部83a,83bが液に浸からないほどタンク3内の液量が減った場合には、前記抵抗値は無限大となるので液漏れのみを検知したい場合には分解能を細かくする必要もない。
【0066】
[実施形態2]
以下、本発明を適用した画像形成装置の第2の実施形態について説明する。本実施形態の画像形成装置の基本的な構成は実施形態1の画像形成装置と同様なので、その説明は省略する。
【0067】
図15(a)は画像形成装置を正面から見た模式図であり、図15(b)は画像形成装置上方から定着装置60や液冷装置10を見た場合の模式図である。本実施形態においては、作像部100内に設けられた定着装置60に受熱部(冷却ジャケット)2が密着して設けられており、チューブ4により受熱部2、タンク3、ポンプ1、ラジエータ5aが環状に連結され、ポンプ1を流れの起点とした場合、ポンプ1、ラジエータ5a、受熱部2、タンク3の順で冷却液が循環して流れる。
【0068】
このように、ポンプ1よりも冷却液流れ方向下流側で受熱部2よりも冷却液流れ方向上流側にラジエータ5aを設けることで、ポンプ1からラジエータ5aを通って受熱部2に冷却液が流れるので、ラジエータ5a内の複雑な流路を冷却液が流れている間にポンプ1によって冷却液に生じた脈動を減衰させてから受熱部2に冷却液を送り込むことができる。これにより、冷却液の脈動によって受熱部2に生じる振動を低減させることができる。よって、作像動作によって温度が上昇する温度上昇箇所である定着装置60を介して受熱部2から作像部100に伝わる振動も低減し、振動によって作像動作に悪影響が及ぼされ良好な画像形成が行なえなくなることを抑制することができる。
【0069】
本実施形態の画像形成装置においては、図15に示すように、液冷装置10のポンプ1やタンク3やラジエータ5aなどから構成されるユニット75を、作像部100の筐体の外側側方に設けている。このように、ポンプ1、タンク3及びラジエータ5aを作像部100の筐体の外側側面に設けることで、ポンプ1、タンク3及びラジエータ5aの設置箇所が筐体によって作像部100の内部と隔てられる。そのため、ポンプ1、タンク3及びラジエータ5aで液漏れが発生した場合でも、その漏れた冷却液が作像部100内に流れ込むのを抑制することができる。特に、最も冷却液の保有量が多いタンク3で液漏れ発生した場合でも、その漏れた冷却液が作像部100内に流れ込むのを抑制できるので効果的である。
【0070】
また、冷却液を循環させるためのポンプ1が作像部100から離れていることで、作像部100内に伝わるポンプ1の駆動時の振動を低減することができ、ポンプ1の振動が作像部100に伝わって画像位置がずれるなど画像に悪影響を与えてしまうことも少なくなる。
【0071】
また、弾性体を介してポンプ1をユニット75に設ける構成を採用した場合には、ユニット75の筐体に伝わるポンプ1の振動が弾性体11によって弱められ、作像部100に伝わるポンプ1の振動がより低減し、ポンプ1の振動が作像部100に伝わって画像位置がずれるなど画像に悪影響を与えることをより抑えることができる。
【0072】
本実施形態においても実施形態1と同じように、作像部100に設けられた受熱部2側のチューブ4と、ポンプ1、タンク3、ラジエータ5a側のチューブ4とを、弁付きのカプラ13及びカプラ13’(例えば日東工器製カプラ)で連結及び連結解除が可能になっている。カプラ13は、プラグ13aとソケット13bとを連結したときにカプラ13の弁が開きカプラ13内の流路が開放され、プラグ13aとソケット13bとの連結を解除したときにカプラ13の弁が閉じカプラ13内の流路が閉塞されるものである。同様に、カプラ13’は、プラグ13a’とソケット13b’とを連結したときにカプラ13’の弁が開きカプラ13’内の流路が開放され、プラグ13a’とソケット13b’との連結を解除したときにカプラ13’の弁が閉じカプラ13’内の流路が閉塞されるものである。
【0073】
本実施形態においては、受熱部2の冷却液流れ方向下流側のチューブ4に取り付けられたカプラ13のプラグ13aとタンク3の冷却液流れ方向上流側のチューブ4に取り付けられたカプラ13のソケット13bとが連結されている。プラグ13aとソケット13bとが連結されることでカプラ13の弁が開きカプラ13内の流路は開放され、受熱部2からタンク3に冷却液を流すことができる。また、ラジエータ5aの冷却液流れ方向下流側のチューブ4に取り付けられたカプラ13’のプラグ13a’と受熱部2の冷却液流れ方向上流側のチューブ4に取り付けられたカプラ13’のソケット13b’とが連結されている。プラグ13a’とソケット13b’とが連結されることでカプラ13’の弁が開きカプラ13’内の流路は開放され、ラジエータ5aから受熱部2に冷却液を流すことができる。
【0074】
一方、カプラ13のプラグ13aとソケット13bとの連結を解除するとともに、カプラ13’のプラグ13a’とソケット13b’との連結を解除することにより、カプラ13及びカプラ13’の弁が閉じ、カプラ13内の流路及びカプラ13’内の流路は閉塞され、液冷装置10における冷却液が流れる循環経路をカプラ13及びカプラ13’によって分断しても冷却液が外に漏れることはない。
【0075】
これにより、受熱部2側と、ポンプ1、タンク3、ラジエータ5a側とで冷却液を漏らさずに冷却液が流れる循環経路を分断することができる。よって、カプラ13やカプラ13’を設けて冷却液の漏れを抑えつつ前記循環経路を分断可能な構成を採用しない場合よりも、液冷装置10内で故障した箇所の部品交換やメンテナンスの作業性を向上させることができる。
【0076】
さらに、本実施形態においては、ユニット75は作像部100の筐体に対して着脱可能に設けられており、液冷装置10における冷却液が流れる循環経路をカプラ13及びカプラ13’によって分断することで、作像部100の筐体からユニット75を取り外すことができる。このように、ユニット75を後側板80から取り外すことで、ユニット75を取り外した分、画像形成装置のサイズが小さくなり画像形成装置を搬送し易くすることができる。
【0077】
また、本実施形態においては、ラジエータ5aの冷却液流れ方向上流側及び下流側それぞれに、弁付きのカプラ14及びカプラ14’(例えば日東工器製カプラ)を設けている。なお、カプラ14及びカプラ14’は、カプラ13及びカプラ13’と同一構成のものを用いている。
【0078】
ラジエータ5aを作像部100に装着した状態では、ポンプ1の冷却液流れ方向下流側のチューブ4に取り付けられたカプラ14のプラグ14aとラジエータ5aの冷却液流れ方向上流側のチューブ4に取り付けられたカプラ14のソケット14bとが連結されている。プラグ14aとソケット14bとが連結されることでカプラ14内の流路は開放され、ポンプ1からラジエータ5aに冷却液を流すことができる。また、ラジエータ5aの冷却液流れ方向下流側のチューブ4に取り付けられたカプラ14’のプラグ14a’と受熱部2の冷却液流れ方向上流側のチューブ4に取り付けられたカプラ14’のソケット14b’とが連結されている。プラグ14a’とソケット14b’とが連結されることでカプラ14’内の流路は開放され、ラジエータ5aから受熱部2に冷却液を流すことができる。
【0079】
ラジエータ5aを作像部100から取り外す際には、カプラ14のプラグ14aとソケット14bとの連結を解除するとともに、カプラ14’のプラグ14a’とソケット14b’との連結を解除する。これにより、カプラ14及びカプラ14’の流路は閉塞され、冷却液を外に漏らさずに冷却液が流れる循環経路を分断させて、内部に冷却液が充填されたままの状態でラジエータ5aを作像部100から取り外すことができる。また、内部の流路中に冷却液が充填された状態のラジエータ5aを交換パーツとすることもでき、ラジエータ5aの交換を行なっても性能が安定した液冷装置10を提供できる。
【0080】
本実施形態の画像形成装置においても、実施形態1で説明したように、ポンプ1、タンク3及びラジエータ5aをユニット75が有するL字型の板金の設置面上に配設し、その板金のポンプ1などが設置される設置面に、設置面から窪んだ溝を設ける構成を採用することで、ユニット75内でポンプ1やタンク3やラジエータ5aなどから冷却液が漏れた際、溝の部分に冷却液を溜まらせて、冷却液がユニット75内から外に流れ出し難くすることができる。
【0081】
さらに、溝の底面に穴を開け、その穴の下方にゴムホースを介して穴から導かれた冷却液を貯留する容器81を設けることで、ユニット75内でポンプ1、タンク3及びラジエータ5aなどから冷却液の漏れが生じた場合に、その漏れ出した冷却液を溝からゴムホースを通して容器内に集約できる。また、その容器を透明または半透明にし容器内に集められた冷却液の嵩を目視可能にすると共に、容器に目盛りを設けることで容器内に集められた冷却液の量から液漏れ量を把握することができる。
【0082】
なお、本実施形態においては、作像動作によって温度が上昇する温度上昇箇所である定着装置60に液冷装置10の受熱部2を接触させて定着装置10を冷却する構成を例に挙げて説明したが、前記温度上昇箇所としては定着装置60に限るものではなく、露光装置31や現像装置70であっても上述したのと同様の効果を得ることができる。
【0083】
以上、各実施形態によれば、画像を作像する作像部100と、作像部100での作像動作により温度が上昇する作像部100内の温度上昇箇所に接触させて配設した受熱部2、冷却液の熱を放出させる放熱手段であるラジエータ5a、冷却液を受熱部2とラジエータ5aとの間で循環させるための管であるチューブ4、及び、チューブ4内の冷却液を搬送するための搬送手段であるポンプ1、からなる液冷手段である液冷装置10と、を備えた画像形成装置において、ポンプ1よりも冷却液流れ方向下流側で受熱部2よりも冷却液流れ方向上流側にラジエータ5aを設けた。このように、ポンプ1よりも冷却液流れ方向下流側にラジエータ5aを設け、ポンプ1からラジエータ5aを通って受熱部2に冷却液が流れるように構成することで、流路が複雑なラジエータ5aにてポンプ1の脈動を減衰させてから冷却液を受熱部2に送り込むことができる。これにより、ポンプ1によって搬送される冷却液の脈動によって生じる振動がチューブ4や受熱部2を介して作像部100に伝わり作像動作に悪影響を及ぼし良好な画像形成が行なえなくなることを抑制することができる。さらに、ラジエータ5aをポンプ1よりも冷却液流れ方向下流側に設けることで、ポンプ1の駆動熱により温められた冷却液をラジエータ5aで冷却してから受熱部2に送り込むことができ、受熱部2による現像装置70の冷却効率が低下するのを抑制することができる。
また、実施形態1によれば、液冷装置10は冷却液を貯留する貯留タンクであるタンク3を有しており、ポンプ1、タンク3及びラジエータ5aを、作像部の筐体の後側板80よりも画像形成装置本体後方に設けたことで、ポンプ1、タンク3及びラジエータ5aなどで冷却液の漏れが発生した場合でも冷却液が作像部100に流れ込むのを抑制することができる。さらに、ポンプ1が作像部100から離れていることで、作像部100内に伝わるポンプ1の駆動時の振動を低減させることができ、ポンプ1の振動が作像部100に伝わって画像位置がずれるなど画像に悪影響を与えてしまうことを抑制することができる。
また、実施形態2によれば、液冷装置10は冷却液を貯留する貯留タンクであるタンク3を有しており、ポンプ1、タンク3及びラジエータ5aを、作像部100の筐体の外側に設けたことで、ポンプ1、タンク3及びラジエータ5aなどで冷却液の漏れが発生した場合でも冷却液が作像部100に流れ込むのを抑制することができる。さらに、ポンプ1が作像部100から離れていることで、作像部100内に伝わるポンプ1の駆動時の振動を低減させることができ、ポンプ1の振動が作像部100に伝わって画像位置がずれるなど画像に悪影響を与えてしまうことを抑制することができる。
また、各実施形態によれば、受熱部2からのチューブ4と、ラジエータ5a、ポンプ1及びタンク3から構成されるユニット75からのチューブ4と、の間に、連結及び連結解除が可能な連結部材であるカプラ13及びカプラ13’を設けたことで、受熱部2以外の液冷装置10の箇所をカプラ13及びカプラ13’で分離することができるので、作像部100や、受熱部2以外の液冷装置10の構成要素の保守・点検を容易に行なうことができる。
また、各実施形態によれば、ラジエータ5aの冷却液流れ方向上流側に設けられた第1の連結部材であるソケット14bと、ラジエータ5aよりも冷却液流れ方向上流側にあるチューブ4に設けられソケット14bと連結または連結解除される第2の連結部材であるプラグ14aと、ラジエータ5aの冷却液流れ方向下流側に設けられた第3の連結部材であるプラグ14a’とラジエータ5aよりも冷却液流れ方向下流側にあるチューブ4に設けられプラグ14a’と連結または連結解除される第4の連結部材であるソケット14b’と、を備えることで、ラジエータ5aの冷却液流れ方向上流側に設けたカプラ14と冷却液流れ方向下流側に設けたカプラ14’との弁を閉じカプラ14内の流路とカプラ14’内の流路とを閉塞することで、ラジエータ5a内の流路に対してのみ真空抜きによる冷却液の充填を行うことができる。また、冷却液をラジエータ5a内に入れたままの状態でラジエータ5aの持ち運びができるので、冷却液を入れた状態での保守単位とすることができる。
また、各実施形態によれば、放熱部5のラジエータ5a、ポンプ1及びタンク3から構成されるユニット75を作像部100に対して着脱可能に構成したことで、作像部100の駆動装置のメンテナンスやその他ハーネスなどの電気部品関係のメンテナンスを行なう際に、ラジエータ5a、ポンプ1及びタンク3をユニット75で一度に作像部100の後側板80から外して行なえるため作業性が良い。
また、各実施形態によれば、ユニット75に設けられ放熱部5、ポンプ1及びタンク3が設置される設置部である板金27の底部に溝16を設けたことで、溝16の部分に冷却液を溜まらせて、冷却液がユニット75内から他の部分へ流れ出し難くすることができる。
また、各実施形態によれば、溝16の底に穴17を開け、穴17の下方に容器81を設けたことで、漏れ出した冷却液を容器81内に収集することができる。
また、各実施形態によれば、容器81に冷却液の有無を検知する検知手段であるセンサ82を設けたことで、受熱部2以外の液冷装置10での液漏れを検知することができる。
また、実施形態1によれば、ポンプ1、タンク3及びラジエータ5aを箱型の筐体である板金37内に設けてユニット57として構成したことで、液漏れが発生した際にユニット75外に液が飛散することをより抑制することができる。
また、実施形態1によれば、ユニット75を装置本体の下部に設けたことで、ユニット75外に液が飛散したとしても被害をより抑制することができる。
また、実施形態1によれば、タンク3内の液量を検知する液量検知手段である液量検知センサ83をタンク3に設けたことで、液漏れの検知だけではなくシステム内の液が経時劣化で減った場合の検知手段としても利用でき、液の交換時期をユーザーなどに知らせたり、コストを抑えたりすることができる。
【符号の説明】
【0084】
1 ポンプ
2 受熱部
3 タンク
4 チューブ
5 放熱部
5a ラジエータ
5b 冷却ファン
7 板金
8 温度上昇箇所
9 現像ローラ
10 液冷装置
11 弾性体
12 ネジ
13 カプラ
13a プラグ
13b ソケット
14 カプラ
14a プラグ
14b ソケット
15 中間転写ベルト
16 溝
17 穴
18 ゴムホース
19 二次転写装置
20 タンデム型画像形成部
23 二次転写ローラ
27 板金
28 反転装置
30 原稿台
31 露光装置
34 支持ローラ
36 二次転写バックアップローラ
37 板金
38 画像形成ユニット
40 感光体ドラム
42 給紙ローラ
43 ペーパーバンク
44 給紙カセット
45 分離ローラ
46 給紙路
47 搬送ローラ
48 給紙路
49 レジストローラ
55 切換爪
56 排出ローラ対
57 排紙トレイ
60 定着装置
62 一次転写装置
66 加熱ローラ
67 加圧ローラ
70 現像装置
71 現像スリーブ
75 ユニット
80 後側板
81 容器
82 センサ
85 帯電装置
86 感光体クリーニング装置
90 中間転写ベルトクリーニングユニット
100 作像部
200 給紙テーブル
300 スキャナ
301 コンタクトガラス
303 第一走行体
304 第二走行体
305 結像レンズ
306 センサ
400 原稿自動搬送装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0085】
【特許文献1】特開2006−003628号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を作像する作像部と、
前記作像部での作像動作により温度が上昇する作像部内の温度上昇箇所に接触させて配設した受熱部、冷却液の熱を放出させる放熱手段、該冷却液を該受熱部と該放熱手段との間で循環させるための流路を形成する流路形成部材、及び、該流路形成部材内の冷却液を搬送するための搬送手段、からなる液冷手段と、
を備えた画像形成装置において、
前記放熱手段はラジエータであり、前記搬送手段よりも冷却液流れ方向下流側で前記受熱部よりも冷却液流れ方向上流側に該ラジエータを設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
上記液冷手段は上記冷却液を貯留する貯留タンクを有しており、
上記搬送手段、上記ラジエータ及び上記貯留タンクを、内側に上記作像部が配設された画像形成装置本体の筐体の後側板よりも画像形成装置本体後方に設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1の画像形成装置において、
上記液冷手段は上記冷却液を貯留する貯留タンクを有しており、
上記搬送手段、上記ラジエータ及び上記タンクを、内側に上記作像部が配設された画像形成装置本体の筐体の外側に設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1、2または3の画像形成装置において、
弾性体を介して装置本体に上記搬送手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項2、3または4の画像形成装置において、
前記受熱部からの流路形成部材と、ラジエータ、搬送手段及び貯留タンクから構成されるユニットからの流路形成部材と、の間に、連結及び連結解除が可能な連結部材を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項2、3、4または5の画像形成装置において、
上記ラジエータの冷却液流れ方向上流側に設けられた第1の連結部材と、
前記ラジエータよりも冷却液流れ方向上流側にある流路形成部材に設けられ前記第1の連結部材と連結または連結解除される第2の連結部材と、
前記ラジエータの冷却液流れ方向下流側に設けられた第3の連結部材と
前記ラジエータよりも冷却液流れ方向下流側にある流路形成部材に設けられ前記第3の連結部と連結または連結解除される第4の連結部材と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項5または6の画像形成装置において、
上記搬送手段、上記ラジエータ及び上記貯留タンクから構成されるユニットを画像形成装置本体に対して着脱可能に構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項7の画像形成装置において、
上記ユニットの上記搬送手段、上記ラジエータ及び上記貯留タンクが設置される設置部に溝を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項8の画像形成装置において、
上記溝の底に穴を開け、該穴の下方に容器を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項9の画像形成装置において、
上記容器に冷却液の有無を検知する検知手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項7の画像形成装置において、
上記搬送手段、上記ラジエータ及び上記貯留タンクを箱型の筐体内に設けて上記ユニットとして構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項11の画像形成装置において、
上記ユニットを装置本体の下部に設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項11または12の画像形成装置において、
上記貯留タンク内の液量を検知する液量検知手段を該貯留タンクに設けたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2011−164573(P2011−164573A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218157(P2010−218157)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】