説明

画像形成装置

【課題】文書ボックスに記憶されているデータに対して所望の機能を動作させる際の機能設定を入力する手間を軽減する。
【解決手段】文書ボックスが受け付けられると当該文書ボックスに記憶されているボックスデータをボックスデータ選択画面に表示し、当該ボックスデータ設定画面で選択入力されたボックスデータが受け付けられると受け付けられた文書ボックスとは異なる他の文書ボックスに対応付けられたプログラム記憶部に記憶されているプログラムをプログラム設定画面に表示し、当該プログラム設定画面で選択入力されたプログラムが受け付けられた後、当該受け付けられたボックスデータを動作対象の機能に対する入力データとし、当該受け付けられたプログラムが示す機能設定で当該動作対象の機能を動作させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書ボックスを備えた画像形成装置において、文書ボックスに記憶されているデータを入力データとして、当該画像形成装置で実行可能な機能を動作させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、デジタル複合機やコピー機等の画像形成装置において、スキャナで読み取られたデータや、パーソナルコンピュータ等の外部装置からネットワークを介して入力されたデータを記憶しておき、ネットワークを介して接続された外部装置に当該記憶したデータを出力する、或いは、当該記憶したデータをプリント出力する等、当該画像形成装置で実行可能な各種機能動作を実行させるための文書ボックスが提供されている。
【0003】
また、下記特許文献1には、一連の操作によって指示されたファクシミリ送信装置等の機能を動作させるために必要な設定パラメータをプログラムとして登録しておき、当該登録されているプログラムを読み出して、当該プログラムに従った動作を繰り返し実行する技術が記載されている。
【0004】
しかし、上記の文書ボックスを備えた画像形成装置に上記特許文献1に記載の技術を適用しても、文書ボックスに記憶されているデータに対して、所望のプログラムに従って所望の機能を動作させるためには、文書ボックスを指定する操作を行った後、当該指定した文書ボックスに記憶されたデータの中から所望の入力データを指定する操作を行うことによって入力データを決定し、更に、登録されているプログラムの中から所望のプログラムを指定する操作を行うという、複数の操作を行う手間が必要であった。
【0005】
そこで、プログラムと文書ボックスとを対応付けて記憶しておき、先ず、プログラムを指定させた後、当該指定されたプログラムに対応付けられた文書ボックスに記憶されているデータを表示して、当該表示されたデータの中から入力データを指定させることによって、操作の回数を2回に軽減することが考えられた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−194482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、この場合であっても、プログラムを指定するのに先だって文書ボックスが指定されたときは、当該指定された文書ボックスに記憶されたデータの中から所望の入力データを指定させた後、更に、所望のプログラムを指定させる必要があり、指定する操作の回数を軽減することはできなかった。そして、このように指定する操作の回数を軽減することができない場合に、指定対象のプログラムが先に指定された文書ボックスに対応付けられたプログラムに制限されていると、当該文書ボックスに対応付けられたプログラムが示すものとは異なる設定パラメータに変更するためには、個別に設定パラメータを変更して設定入力する手間が必要であった。
【0008】
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、文書ボックスに記憶されているデータに対して所望の機能を動作させる場合における、当該機能の機能設定を設定入力する手間を軽減することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、当該画像形成装置で実行可能な各種機能の実行条件を設定入力するための各種設定画面が表示される表示部を備え、前記表示部に表示された前記設定画面に前記実行条件を設定入力するための操作部と、
前記機能に対する入力データをボックスデータとして記憶する文書ボックスと、
前記機能の各種設定項目と当該設定項目に対する設定値の組み合わせである機能設定を少なくとも1つ以上備えてなるプログラムを前記文書ボックスと対応付けて記憶するプログラム記憶部と、
当該画像形成装置に備えられている前記文書ボックスを選択入力するための前記設定画面である文書ボックス選択画面で選択入力された前記文書ボックスを受け付ける文書ボックス受付部と、
前記プログラム記憶部に記憶されている前記プログラムを選択入力するための前記設定画面であるプログラム設定画面で選択入力された前記プログラムを受け付けるプログラム受付部と、
前記文書ボックスに記憶されている前記ボックスデータを選択入力するための前記設定画面であるボックスデータ選択画面で選択入力された前記ボックスデータを受け付けるボックスデータ受付部と、
前記各種設定画面を表示部に表示する表示制御部と、
前記文書ボックス受付部で前記文書ボックスが受け付けられると、前記表示制御部に、当該受け付けられた前記文書ボックスに記憶されている前記ボックスデータを前記ボックスデータ選択画面に表示させ、
当該表示された前記ボックスデータ設定画面で選択入力された前記ボックスデータが前記ボックスデータ受付部で受け付けられると、前記表示制御部に、前記文書ボックス受付部で受け付けられた前記文書ボックスとは異なる他の前記文書ボックスに対応付けられた前記プログラム記憶部に記憶されている前記プログラムを前記プログラム設定画面に表示させ、
当該表示された前記プログラム設定画面で選択入力された前記プログラムが前記プログラム受付部で受け付けられた後、当該受け付けられた前記ボックスデータを動作対象の前記機能に対する前記入力データとし、当該受け付けられた前記プログラムが示す前記機能設定で当該動作対象の前記機能を動作させる実行制御部と、
を備える画像形成装置である。
【0010】
この発明では、プログラムに先だって文書ボックスが選択入力された場合、当該選択入力された文書ボックスとは異なる他の文書ボックスに対応付けられたプログラムがプログラム設定画面に表示される。このため、当該文書ボックス選択画面で選択入力された文書ボックスとは異なる他の文書ボックスに対応付けられたプログラムをプログラム設定画面で選択入力させることによって、当該選択入力された異なる他の文書ボックスに対応付けられたプログラムが示す機能設定が実行条件とされるため、当該選択された文書ボックスに対応付けられたプログラムで設定可能な機能設定とは異なる他の機能設定を個別に設定入力する場合に比して、機能設定を設定入力する操作の手間を軽減することができる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、前記設定画面は、当該設定画面に設定入力された前記実行条件に含まれる少なくとも1つ以上の前記機能設定を前記プログラムとして登録することを示すプログラム登録指示を前記実行条件として設定入力可能に構成され、
前記実行制御部は、前記実行条件に前記プログラム登録指示が含まれている場合に、動作対象の前記機能に対する前記入力データが前記ボックスデータであると判断したときは、更に、当該実行条件に含まれる前記機能の少なくとも1つ以上の前記機能設定を前記プログラムとして当該入力データが記憶されている前記文書ボックスと対応付けて前記プログラム記憶部に記憶する。
【0012】
この発明では、文書ボックスに記憶されているボックスデータを入力データとして機能を動作させる場合に、実行条件にプログラム登録指示を含めることによって、当該実行条件で機能を動作させると同時に、当該実行条件に含まれる少なくとも1つ以上の機能設定をプログラムとしてプログラム記憶部に文書ボックスと対応付けて容易に記憶することができる。
【0013】
このため、当該機能を動作させる機会とは別の機会に改めて当該機能を動作させるための機能設定を指定してプログラムを構成する操作を行った後、当該構成したプログラムをプログラム記憶部に文書ボックスと対応付けて記憶する場合に比して、プログラムをプログラム記憶部に文書ボックスと対応付けて記憶する際の操作の手間を軽減することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、文書ボックスに記憶されているデータに対して所望の機能を動作させる場合における、当該機能の機能設定を設定入力する手間を軽減することができる画像形成装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】複合機の構成の一例を示す側面概略図である。
【図2】操作部の一例を示す部分拡大図である。
【図3】複合機の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図4】ボックス情報記憶部の一例を示す説明図である。
【図5】プログラム記憶部の一例を示す説明図である。
【図6】文書ボックスに先だってプログラムを指定した場合に、ボックスデータを入力データとして機能を動作させる処理を示すフローチャートである。
【図7】プログラムに先だって文書ボックスを指定した場合に、ボックスデータを入力データとして機能を動作させる処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る画像形成装置の一例としての複合機について説明する。図1に示すように、複合機1は、本体部200と、本体部200の用紙搬出側、例えば左側に配設された用紙後処理部300と、操作者が種々の操作指令等を入力するための操作部400と、本体部200の上部に配設された原稿読み取り部500と、原稿読み取り部500の上部に配設された原稿給送部600と、を備えている。
【0017】
図2に示すように、操作部400は、表示部410と、操作者から操作指示が入力される操作キー部430を備えている。操作キー部430は、ヘルプキー431、スタートキー432、テンキー433、及び機能切換キー434等を備えている。
【0018】
ヘルプキー431は、操作者から、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能等に関する各操作方法を表示する操作案内画面(ヘルプ画面)を表示部410に表示させる指示を受け付けるものである。
【0019】
スタートキー432は、コピー機能やスキャン機能等の複合機1で実行可能な各種機能の動作を開始させる指示を操作者から受け付ける。
【0020】
テンキー433は、例えば、コピー機能を動作させるために必要なコピー部数等、各種機能を動作させるための各種設定項目に対する設定値を操作者から受け付けるキーである。
【0021】
機能切換キー434は、コピー機能、送信機能(スキャナ機能、ファクシミリ機能等)、文書ボックス機能、プログラム機能等を相互に切り替える機能切換指示を操作者から受け付けるキーである。
【0022】
表示部410は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなり、タッチパネルを組み合わせたタッチパネルユニット等を備えている。表示部410は、各種機能の実行条件を設定入力するための各種設定画面等、各種操作画面を表示するとともに、操作者が表示面(表示されている操作キー)をタッチすることで、機能に対する入力データや、機能を動作させるための各種設定項目等、機能を動作させる際の種々の実行条件を選択入力することが可能とされている。
【0023】
コピーボタン451は、コピー機能の開始指示をユーザから受け付けるためのボタンである。
【0024】
送信ボタン452は、スキャナにより原稿を読み取って生成されたデータを、指定された相手先にファクシミリで送信するファクシミリ送信機能の開始指示をユーザから受け付けるためのボタンである。
【0025】
文書ボックスボタン453は、スキャナにより原稿を読み取って生成されたデータを、タッチパネルやテンキー433等を用いて入力された記憶先としての文書ボックス(複合機1のHDD74や複合機1に装着されたリムーバルディスク内に設けられたフォルダ等)に記憶する、或いは、既に指定された文書ボックスに記憶されたデータを読み出して、当該読み出したデータを入力データとしてプリント出力やファクシミリ送信等の各種機能を実行する文書ボックス機能の開始指示をユーザから受け付けるためのボタンである。
【0026】
プログラムボタン455は、タッチパネルやテンキー433等を用いて入力された、各種機能の各種設定項目と当該各設定項目に対する設定値の組み合わせである機能設定を少なくとも1つ以上備えてなるプログラムを指定する、又は登録する等の操作を行うための処理を開始させる指示の入力をユーザから受け付けるためのボタンである。
【0027】
機能切換キー434の何れかがユーザにより押下操作されると、押下されたボタンに対応する機能の初期表示画面が表示部410に表示され、各機能の処理が開始される。
【0028】
原稿給送部600は、原稿載置部601、給紙ローラ602、原稿搬送部603及び原稿排出部604を備え、原稿読み取り部500は、スキャナ501を備えている。
【0029】
給紙ローラ602は、原稿載置部601にセットされた所要枚数分の原稿を一枚ずつ繰り出し、原稿搬送部603は、繰り出される原稿を順次スキャナ501の読み取り位置に搬送する。スキャナ501は搬送される原稿の画像を順次読み取り、読み取られた原稿は原稿排出部604に排出される。
【0030】
本体部200は、複数の給紙カセット201、複数の給紙ローラ202、転写ローラ203、感光体ドラム204、露光装置206、現像装置207、定着ローラ208、排出口209、及び排出トレイ210等を備えている。
【0031】
感光体ドラム204は、矢印方向に回転しながら帯電装置(図示省略)によって一様に帯電される。露光装置206は、原稿読み取り部500において原稿が読み取られて生成された画像データに応じて変調されたレーザ光を感光体ドラム204上に走査し、ドラム表面に各色毎の静電潜像を形成する。現像装置207は、黒色の現像剤を感光体ドラム204に供給してトナー画像を形成する。
【0032】
一方、給紙ローラ202は、印刷用紙が収納された給紙カセット201から印刷用紙を引き出し、転写ローラ203まで給送する。転写ローラ203は、搬送された印刷用紙に感光体ドラム204上のトナー像を転写させ、定着ローラ208は、転写されたトナー像を加熱して印刷用紙に定着させる。その後、印刷用紙は、本体部200の排出口209から用紙後処理部300に搬入される。また、印刷用紙は、必要に応じて排出トレイ210へも排出される。
【0033】
用紙後処理部300は、搬入口301、印刷用紙搬送部302、搬出口303及びスタックトレイ304等を備える。印刷用紙搬送部302は、排出口209から搬入口301に搬入された印刷用紙を順次搬送し、最終的に搬出口303からスタックトレイ304へ印刷用紙を排出する。尚、スタックトレイ304は、搬出口303から搬出された印刷用紙の集積枚数に応じて矢印方向に上下動可能に構成されている。
【0034】
また、図3に示すように、複合機1は、制御ブロックとして、スキャナ部11、画像処理部21、プリンタ部31、操作部400、制御部51、ネットワークI/F(インターフェース)部71、HDD(ハードディスクドライブ)74、及びファクシミリ通信部75を備えている。
【0035】
スキャナ部11は、スキャナ501(図1)を構成する露光ランプ12及びCCD13を含む。スキャナ部11は、露光ランプ12により原稿を照射し、その反射光をCCD13まで集光させ、CCD13による光電変換によって受光した光量に相当する画像データを生成することによって原稿を読み取り、当該読み取って生成した画像データ(読み取ったデータ)を画像処理部21へ出力する。
【0036】
画像処理部21は、補正部22、画像加工部23及び画像メモリ24を備えている。画像処理部21は、スキャナ部11で読み取られたデータを必要に応じて補正部22及び画像加工部23により処理する。画像処理部21によって処理されたデータは、印刷用に画像メモリ24に記憶され、又はプリンタ部31に出力される。
【0037】
補正部22は、スキャナ部11で読み取られたデータに対してレベル補正、γ補正等の所定の補正処理を行う。画像加工部23は、スキャナ部11で読み取られたデータが示す画像の圧縮又は伸張処理、及び拡大又は縮小処理等の種々の加工処理を行う。
【0038】
プリンタ部31は、給紙カセット201及び給紙ローラ202等(図1)から構成される用紙搬送部32、感光体ドラム204、露光装置206及び現像装置207等(図1)から構成される画像形成部33、転写ローラ203等(図1)から構成される転写部34、及び定着ローラ208等(図1)から構成される定着部35を含む。
【0039】
プリンタ部31は、スキャナ部11により読み取られたデータを用いて画像を記録紙に印刷する。具体的には、用紙搬送部32は記録紙を画像形成部33へ搬送し、画像形成部33は上記の画像に対応するトナー像を形成し、転写部34はトナー像を記録紙に転写し、定着部35はトナー像を記録紙に定着させて画像を形成する。
【0040】
ネットワークI/F部71は、ネットワークインタフェース(10/100Base−TX)等を用い、LANを介して外部装置との間での種々のデータの送受信を制御する。HDD74は、スキャナ部11によって読み取られたデータ及び当該データに設定されている出力形式等を記憶する。
【0041】
操作部400は、図1及び図2に示したように表示部410、操作キー部430を備える。表示部410は、タッチパネル機能により各種指示の入力を受け付ける複数のキーを表示制御部522による制御の下で表示する。操作キー部430には、図2に示した機能切換キー434、スタートキー432、テンキー433等が設けられている。制御部51のCPU52は、上記表示部410及び操作部400の各キーから、操作者によって入力された指示を受け付ける。
【0042】
ファクシミリ通信部75は、符号化/復号化部(図略)、変復調部(図略)及びNCU(Network Control Unit)(図略)を含む。ファクシミリ通信部75は、スキャナ部11によって読み取られたデータを、電話回線を介してファクシミリ装置等へ送信したり、ファクシミリ装置等から送信されたデータを受信したりする。符号化/復号化部は、送信するデータを圧縮・符号化し、受信したデータを伸長・復号化する。変復調部は、圧縮・符号化されたデータを音声信号に変調し、受信した信号(音声信号)をデータに復調する。NCUは、送受信先となるファクシミリ装置等との電話回線による接続を制御する。
【0043】
制御部51は、CPU52と、表示用データ記憶部53と、ボックス情報記憶部54と、プログラム記憶部55と、を備えている。
【0044】
CPU52は、複合機1の動作制御を司るものである。
【0045】
表示用データ記憶部53は、操作者に対する操作案内を表示するための各種データ(例えば、コピー動作やスキャン動作等の機能の実行条件を設定入力するための設定画面を表示部410に表示させるための表示用データ)や、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能等の各機能の動作状況等を表示するためのデータ(画像、文字、記号等の各データを含む)を記憶している。
【0046】
ボックス情報記憶部54は、例えば、複合機1のHDD74や複合機1に装着されたリムーバルディスク内に設けられたフォルダ等の、文書ボックス機能で用いられる複合機1に備えられた文書ボックスがデータを記憶している記憶領域を示す情報を当該文書ボックスの識別情報と対応付けて記憶している。
【0047】
例えば、図4に示すように、識別情報「ユーザAボックス」の文書ボックスは、複合機1のHDD74における「.¥ボックス¥ユーザA」で示される記憶領域にデータを記憶している。同様に、識別情報「ユーザBボックス」の文書ボックスは、複合機1のHDD74における「.¥ボックス¥ユーザB」で示される記憶領域にデータを記憶している。また、識別情報「ユーザCボックス」の文書ボックスは、複合機1に接続されたリムーバルディスクにおける「¥ボックス¥ユーザC」で示される記憶領域にデータを記憶している。
【0048】
プログラム記憶部55は、複合機1で実行可能な機能の各設定項目と当該各設定項目に対する設定値の組み合わせである機能設定を少なくとも1つ以上備えてなるプログラムを当該機能と対応付けて記憶している。
【0049】
例えば、図5に示すように、プログラム記憶部55は、部数、用紙サイズ、倍率、濃度、集約印刷、両面分割の6つの設定項目と当該各設定項目に対する設定値(「10部」、「A4」、「100%」、「普通」、「2in1(2頁分を1頁に集約することを示す)」、「なし」)が示す6つの機能設定を、識別情報「会議コピー」で識別されるプログラムとして、コピー機能に対応付けてプログラム記憶部55に記憶している。
【0050】
また、プログラム記憶部55は、部数、用紙サイズ、倍率、濃度、集約印刷の5つの設定項目と当該各設定項目に対する設定値(「1部」、「A4」、「100%」、「少し濃」、「なし」)が示す5つの機能設定を、識別情報「X社FAX」で識別されるプログラムとして、ファクシミリ送信機能に対応付けて記憶している。
【0051】
また、プログラム記憶部55は、部数、用紙サイズ、倍率、濃度、集約印刷、両面分割の6つの設定項目と当該各設定項目に対する設定値(「1部」、「A4」、「100%」、「普通」、「なし」、「なし」)が示す6つの機能設定を、識別情報「回覧コピー」で識別されるプログラムとして、コピー機能に対応付けてプログラム記憶部55に記憶している。
【0052】
尚、プログラム記憶部55は、文書ボックスに記憶されているデータであるボックスデータを入力データとして機能を動作させる場合に実行条件として用いられるプログラムを、当該入力データが記憶されている文書ボックスの識別情報と更に対応付けて記憶している。
【0053】
例えば、図5に示す例において、プログラム記憶部55は、識別情報「会議コピー」で識別されるプログラムを、識別情報「ユーザAボックス」の文書ボックスに記憶されているボックスデータを入力データとしてコピー機能を動作する場合における実行条件として用いるプログラムとして、当該文書ボックスの識別情報「ユーザAボックス」と対応付けて記憶している。また、プログラム記憶部55は、識別情報「回覧コピー」で識別されるプログラムを、識別情報「ユーザBボックス」の文書ボックスに記憶されているボックスデータを入力データとしてコピー機能を動作する場合における実行条件として用いるプログラムとして、当該文書ボックスの識別情報「ユーザBボックス」と対応付けて記憶している。
【0054】
一方、識別情報「X社FAX」で識別されるプログラムは、文書ボックスに記憶されているボックスデータに限らず、スキャナ部11によって読み取られたデータを入力データとして、当該プログラムによる機能設定でファクシミリ送信機能を動作させる場合があるものとして、プログラム記憶部55は、識別情報「X社FAX」で識別されるプログラムを特定の文書ボックスとは対応付けすることなく記憶している。
【0055】
CPU52は、表示制御部522、指示受付部523、プログラム受付部524、ボックスデータ受付部525、及び実行制御部521を備えている。
【0056】
表示制御部522は、表示部410の表示動作を制御する。表示制御部522は、例えば、コピー動作やスキャン動作等の機能に対する入力データや機能設定等の機能の実行条件を設定入力するための各種設定画面を表示部410に表示する。
【0057】
指示受付部523は、表示制御部522による表示部410への各種設定画面の表示時に、例えば表示部410に備えられたタッチパネル機能やテンキー433等によって設定入力された、動作対象の機能に対する入力データや当該機能の少なくとも1つ以上の機能設定や、後述するように、当該少なくとも1つ以上の機能設定をプログラムとして登録する指示であるプログラム登録指示等の実行条件を受け付け、また、例えばスタートキー432の押下操作等によって、当該受け付けた実行条件で当該動作対象の機能を動作させる実行指示を受け付ける。
【0058】
プログラム受付部524は、プログラム記憶部55に記憶されているプログラムを選択入力するための設定画面であるプログラム設定画面で選択入力されたプログラムを受け付ける。
【0059】
ボックスデータ受付部525は、文書ボックスに記憶されているボックスデータを選択入力するための設定画面であるボックスデータ選択画面で選択入力されたボックスデータを受け付ける。
【0060】
文書ボックス受付部526は、複合機1に備えられている文書ボックスを選択入力するための設定画面である文書ボックス選択画面で選択入力された文書ボックスを受け付ける。
【0061】
実行制御部521は、複合機1の各部(スキャナ部11,画像処理部21、プリンタ部31等)の動作制御を司る。本実施形態では、実行制御部521は、指示受付部523、プログラム受付部524、ボックスデータ受付部525、又は文書ボックス受付部526で受け付けられた各種設定画面で設定入力された実行条件に従って機能を動作させる。
【0062】
次に、複合機1において、文書ボックスに先だってプログラムを指定した場合に、文書ボックスに記憶されているボックスデータを入力データとして、機能を動作させる処理を説明する。
【0063】
図6に示すように、例えば、複合機1の主電源がユーザによりオンとされ、プログラムボタン455(図2)が押下操作され、指示受付部523によってプログラム機能の実行指示が受け付けられると(S1)、実行制御部521は、プログラム記憶部55に記憶されている全てのプログラムを読み出して(S2)、当該読み出したプログラムが選択入力可能に表示されたプログラム設定画面を表示部410に表示する指示を表示制御部522に送出する(S3)。
【0064】
次に、表示部410に備えられるタッチパネル機能やテンキー433等のユーザによる操作によって、プログラム設定画面に表示されたプログラムが選択入力され、プログラム受付部524によって当該選択入力されたプログラムが受け付けられると(S4)、実行制御部521は、プログラム記憶部55に記憶されている当該選択入力されたプログラムに、文書ボックスが対応付けて記憶されているか否かを判断する(S5)。
【0065】
ここで、実行制御部521は、当該選択入力されたプログラムに文書ボックスが対応付けて記憶されていると判断した場合は(S5;YES)、当該プログラムに対応付けられた文書ボックスがデータを記憶する記憶領域を示す情報をボックス情報記憶部54から取得し、当該取得した情報が示す記憶領域に記憶されているボックスデータを読み出して(S6)、当該読み出したボックスデータが選択入力可能に表示されたボックスデータ設定画面を表示部410に表示する指示を表示制御部522に送出する(S7)。
【0066】
例えば、図4及び図5に示すように、ステップS4において識別情報「会議コピー」で識別されるプログラムが受け付けられると、実行制御部521は、当該受け付けられたプログラムに識別情報「ユーザAボックス」で識別される文書ボックスが対応付けて記憶されていると判断し(S5;YES)、識別情報「ユーザAボックス」で識別される文書ボックスがデータを記憶する記憶領域を示す情報「.¥ボックス¥ユーザA」をボックス情報記憶部54から取得し、当該取得した情報が示す記憶領域に記憶されているボックスデータを読み出して(S6)、当該読み出したボックスデータが選択入力可能に表示されたボックスデータ設定画面を表示部410に表示する指示を表示制御部522に送出する(S7)。
【0067】
尚、ステップS6において、複合機1にリムーバルディスクが未装着である等、ボックスデータを適切に読み出すことができなかった場合、実行制御部521は、例えば、文書ボックスがデータを記憶する記憶領域を示す情報を表示するとともに、当該表示した記憶領域からボックスデータを適切に読み出せない旨のエラーメッセージをボックスデータ設定画面内に表示する等して、表示部410に警告表示する指示を表示制御部522に送出するように構成してもよい。
【0068】
次に、表示部410に備えられるタッチパネル機能やテンキー433等のユーザによる操作によって、ボックスデータ設定画面に表示されたボックスデータが選択入力され、ボックスデータ受付部525によって当該選択入力されたボックスデータが受け付けられる(S8)。
【0069】
そして、ステップS8で受け付けられたボックスデータを入力データとし、ステップS4で受け付けられたプログラムが示す機能設定を動作対象の機能の機能設定とする実行条件の設定入力が完了し(S9;YES)、例えばスタートキー432の押下操作等によって、当該設定入力が完了した実行条件で機能を動作させる実行指示が指示受付部523で受け付けられると(S10)、実行制御部521は、当該実行指示が示す実行条件に従って機能を動作させる(S11)。
【0070】
一方、ステップS5において、実行制御部521は、当該選択入力されたプログラムに文書ボックスが対応付けて記憶されていないと判断した場合は(S5;NO)、当該プログラムに対応する機能を動作させる際の入力データを設定入力させるための設定画面を表示部410に表示する指示を表示制御部522に送出し(S12)、指示受付部523は、当該表示された設定画面で設定入力された入力データを実行条件として受け付ける(S13)。
【0071】
尚、ステップS8又はステップS13の終了後、ステップS10において指示受付部523で実行指示が受け付けられるまでの間は(S9;NO)、実行制御部521は、実行条件の設定入力を完了させるべく、ステップS4で受け付けられたプログラムが示す機能設定の内容を、当該機能設定を設定入力するための各設定画面に表示する指示を表示制御部522に送出して、当該表示された各設定画面を利用して当該プログラムが示す機能設定の内容を変更する設定入力をさせる、又は、その他の実行条件を設定入力するための設定画面を表示する指示を表示制御部522に送出して、当該表示された設定画面を利用して当該その他の実行条件を設定入力させる等して実行条件を編集入力させる(S14)。
【0072】
例えば、上記の例を用いて説明すると、実行制御部521は、ステップS14において、ステップS4で受け付けられた識別情報「会議コピー」(図5)で識別されるプログラムが示す、部数、用紙サイズ、倍率、濃度、集約印刷、両面分割の6つの設定項目と当該各設定項目に対する設定値(「10部」、「A4」、「100%」、「普通」、「2in1」、「なし」)が示す6つの機能設定の内容を、当該機能設定を設定入力するための各設定画面に表示する指示を表示制御部522に送出して、当該表示された各設定画面を利用して当該プログラムが示す機能設定の内容を変更する設定入力をさせる、又は、「原稿画質」や「両面分割」等のコピー機能のその他の設定項目と当該設定項目に対する設定値との組み合わせからなる機能設定を設定入力するための設定画面を表示する指示を表示制御部522に送出して、当該表示された設定画面を利用して当該機能設定を設定入力させる等して実行条件を編集入力させる。
【0073】
このように、当該処理では、プログラム設定画面で所望のプログラムを選択入力し、当該選択入力されたプログラムに対応付けられた文書ボックスに記憶されているボックスデータをボックスデータ選択画面で選択入力するという、2度の選択入力の操作によって、文書ボックスに記憶されている所望のボックスデータに対して、所望のプログラムに従って所望の機能を動作させることができる。
【0074】
つまり、文書ボックスに記憶されている所望のボックスデータに対して所望のプログラムに従って所望の機能を動作させる場合に、文書ボックスを指定する操作の後、当該文書ボックス内のデータから所望の入力データを指定する操作を行い、更に、登録済みのプログラムの中から所望のプログラムを指定するという3度の指定の操作を行う手間に比して、操作の手間が軽減されるため、文書ボックスに記憶されている所望のボックスデータに対して、所望のプログラムに従って所望の機能を動作させる際の利便性を向上することができる。
【0075】
次に、複合機1において、プログラムに先だって文書ボックスを指定した場合に、文書ボックスに記憶されているボックスデータを入力データとして、機能を動作させる処理を図7を用いて説明する。
【0076】
例えば、複合機1の主電源がユーザによりオンとされ、文書ボックスボタン453(図2)が押下操作され、指示受付部523によって文書ボックス機能の実行指示が受け付けられると(S21)、実行制御部521は、ボックス情報記憶部54に記憶されている文書ボックスの識別情報を読み出して(S22)、当該読み出した識別情報が選択入力可能に表示された文書ボックス設定画面を表示部410に表示する指示を表示制御部522に送出する(S23)。
【0077】
次に、表示部410に備えられるタッチパネル機能やテンキー433等のユーザによる操作によって、文書ボックス設定画面に表示された文書ボックスの識別情報が選択入力され、文書ボックス受付部526によって当該選択入力された識別情報が受け付けられると(S24)、実行制御部521は、当該受け付けられた識別情報に対応付けられた、当該受け付けられた識別情報で識別される文書ボックスがデータを記憶する記憶領域を示す情報をボックス情報記憶部54から取得し、当該取得した情報が示す記憶領域に記憶されているボックスデータを読み出して(S25)、当該読み出したボックスデータが選択入力可能に表示されたボックスデータ設定画面を表示部410に表示する指示を表示制御部522に送出する(S26)。
【0078】
次に、表示部410に備えられるタッチパネル機能やテンキー433等のユーザによる操作によって、ボックスデータ設定画面に表示されたボックスデータが選択入力され、ボックスデータ受付部525によって当該選択入力されたボックスデータが受け付けられると(S27)、ステップS24で受け付けられた文書ボックス及び当該受け付けられた文書ボックスとは異なる文書ボックスに対応付けられたプログラムと何れの文書ボックスにも対応付けられていないプログラムとをプログラム記憶部55から読み出して、つまり、プログラム記憶部55に記憶されている全てのプログラムを読み出して(S28)、当該読み出したプログラムが選択入力可能に表示されたプログラム設定画面を表示部410に表示する指示を表示制御部522に送出する(S29)。
【0079】
具体的には、図4に示すように、3つの文書ボックスの識別情報に対応付けられたボックスデータを記憶する記憶領域を示す情報がボックス情報記憶部54に記憶されている場合において、指示受付部523によって文書ボックス機能の実行指示が受け付けられると(S21)、実行制御部521は、ボックス情報記憶部54に記憶されている3つの文書ボックスの識別情報「ユーザAボックス」,「ユーザBボックス」,「ユーザCボックス」を読み出して(S22)、当該読み出した識別情報が選択入力可能に表示された文書ボックス設定画面を表示部410に表示する指示を表示制御部522に送出する(S23)。
【0080】
次に、例えば、当該文書ボックス設定画面に表示された文書ボックスの識別情報「ユーザAボックス」が選択入力され、文書ボックス受付部526によって当該識別情報「ユーザAボックス」が受け付けられると(S24)、実行制御部521は、当該受け付けられた識別情報「ユーザAボックス」に対応付けられた、当該受け付けられた識別情報「ユーザAボックス」で識別される文書ボックスがデータを記憶する記憶領域を示す情報「.¥ボックス¥ユーザA」をボックス情報記憶部54から取得し、当該取得した情報「.¥ボックス¥ユーザA」が示す記憶領域に記憶されているボックスデータを読み出して(S25)、当該読み出したボックスデータが選択入力可能に表示されたボックスデータ設定画面を表示部410に表示する指示を表示制御部522に送出する(S26)。
【0081】
次に、ボックスデータ受付部525によってボックスデータ設定画面で選択入力されたボックスデータが受け付けられると(S27)、図5に示すように、ステップS24で受け付けられた識別情報「ユーザAボックス」で識別される文書ボックスに対応付けられた識別情報「会議コピー」で識別されるプログラム及び当該受け付けられた文書ボックスとは異なる識別情報「ユーザBボックス」で識別される文書ボックスに対応付けられた識別情報「回覧コピー」で識別されるプログラムと、何れの文書ボックスにも対応付けられていない識別情報「X社FAX」で識別されるプログラムと、をプログラム記憶部55から読み出して、つまり、プログラム記憶部55に記憶されている全てのプログラムを読み出して(S28)、当該読み出したプログラムが選択入力可能に表示されたプログラム設定画面を表示部410に表示する指示を表示制御部522に送出する(S29)。
【0082】
図7に戻り、表示部410に備えられるタッチパネル機能やテンキー433等のユーザによる操作によって、プログラム設定画面に表示されたプログラムが選択入力され、プログラム受付部524によって当該選択入力された識別情報が受け付けられた場合は(S30;YES)、当該受け付けられたプログラムが示す機能設定の内容を当該機能設定を設定入力するための設定画面に表示する指示を表示制御部522に送出する(S34)。
【0083】
具体的には、上記の例を用いて説明すると、プログラム設定画面に表示された識別情報「回覧コピー」(図5)で識別されるプログラムが選択入力され、プログラム受付部524によって当該識別情報「回覧コピー」が受け付けられた場合は(S30;YES)、当該受け付けられた識別情報「回覧コピー」で識別されるプログラムが示す、部数、用紙サイズ、倍率、濃度、集約印刷、両面分割の6つの設定項目と当該各設定項目に対する設定値(「1部」、「A4」、「100%」、「普通」、「なし」、「なし」)が示す6つの機能設定の内容を、当該機能設定を設定入力するための各設定画面に表示する指示を表示制御部522に送出する(S34)。
【0084】
図7に戻り、ステップS27で受け付けられたボックスデータを入力データとし、ステップS34で受け付けられたプログラムが示す機能設定を動作対象の機能の機能設定とする実行条件の設定入力が完了し(S31;YES)、例えばスタートキー432の押下操作等によって、当該設定入力が完了した実行条件で機能を動作させる実行指示が指示受付部523で受け付けられると(S32)、実行制御部521は、当該実行指示が示す実行条件に従って機能を動作させる(S33)。
【0085】
尚、ステップS29の終了後、ステップS32において指示受付部523で実行指示が受け付けられるまでの間は(S31;NO)、実行制御部521は、実行条件の設定入力を完了させるべく、ステップS34によってステップS30で受け付けられたプログラムが示す機能設定の内容が表示された設定画面で当該プログラムが示す機能設定の内容を変更する設定入力をさせる、又は、その他の実行条件を設定入力するための設定画面を表示する指示を表示制御部522に送出して、当該表示された設定画面を利用して当該その他の実行条件を設定入力させる等して実行条件を編集入力させ(S35)、また、ステップS30を再び実行して、プログラム設定画面で選択入力するプログラムを変更できるようにする。
【0086】
このように、当該処理によれば、プログラムに先だって文書ボックスが選択入力された場合、当該選択入力された文書ボックスとは異なる他の文書ボックスに対応付けられたプログラムがプログラム設定画面に表示される。このため、当該文書ボックス選択画面で選択入力された文書ボックスとは異なる他の文書ボックスに対応付けられたプログラムをプログラム設定画面で選択入力させることによって、当該選択された文書ボックスに対応付けられたプログラムで設定可能な機能設定とは異なる他の機能設定を個別に設定入力する場合に比して、機能設定を設定入力する操作の手間を軽減することができる。
【0087】
また、上記のステップS11又はS33において、実行制御部521は、指示受付部523によって受け付けられた実行指示が示す実行条件に、当該実行条件に含まれる少なくとも1つ以上の機能設定をプログラムとして登録する指示であるプログラム登録指示が含まれている場合に、当該実行条件に含まれる動作対象の機能に対する入力データがボックスデータであると判断したときは、更に、当該実行条件に含まれる少なくとも1つ以上の機能設定をプログラムとして当該入力データが記憶されている文書ボックスの識別情報と対応付けてプログラム記憶部55に記憶するように構成してもよい。
【0088】
尚、プログラム登録指示を実行条件に含める構成は、例えば、表示制御部522は、プログラム登録することを示す選択状態とプログラム登録しないことを示す選択状態とをタッチパネル機能等によって押下される度に切り換えるボタンを各種設定画面内に常時表示するように構成し、これに合わせて、指示受付部523は、ステップS10又はステップS32において当該ボタンがプログラム登録することを示す選択状態であるときに、プログラム登録指示を実行条件として受け付けるようにして構成することができる。ただし、当該構成に限定する趣旨ではない。
【0089】
本構成によれば、文書ボックスに記憶されているボックスデータを入力データとして機能を動作させる場合に、実行条件にプログラム登録指示を含めることによって、当該実行条件で機能を動作させると同時に、当該実行条件に含まれる少なくとも1つ以上の機能設定をプログラムとしてプログラム記憶部55に文書ボックスと対応付けて容易に記憶することができる。
【0090】
このため、当該機能を動作させる機会とは別の機会に改めて当該機能を動作させるための機能設定を指定してプログラムを構成する操作を行った後、当該構成したプログラムをプログラム記憶部55に文書ボックスと対応付けて記憶する場合に比して、プログラムをプログラム記憶部55に文書ボックスと対応付けて記憶する際の操作の手間を軽減することができる。
【0091】
尚、上記実施形態において、本発明に係る画像形成装置の一例として複合機を例に説明したが、これに限定する趣旨ではなく、本発明に係る画像形成装置は、プリンタ、コピー機、スキャナ、又はFAX等の画像形成装置であってもよい。
【0092】
また、本発明は、上記実施形態の構成に限られず種々の変形が可能である。図1乃至図7に示した構成及び処理は、本発明に係る実施形態の例示に過ぎず、本発明を上記実施形態に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0093】
1 複合機(画像形成装置)
400 操作部
410 表示部
453 文書ボックスボタン
455 プログラムボタン
521 実行制御部
522 表示制御部
523 指示受付部
524 プログラム受付部
525 ボックスデータ受付部
526 文書ボックス受付部
55 プログラム記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該画像形成装置で実行可能な各種機能の実行条件を設定入力するための各種設定画面が表示される表示部を備え、前記表示部に表示された前記設定画面に前記実行条件を設定入力するための操作部と、
前記機能に対する入力データをボックスデータとして記憶する文書ボックスと、
前記機能の各種設定項目と当該設定項目に対する設定値の組み合わせである機能設定を少なくとも1つ以上備えてなるプログラムを前記文書ボックスと対応付けて記憶するプログラム記憶部と、
当該画像形成装置に備えられている前記文書ボックスを選択入力するための前記設定画面である文書ボックス選択画面で選択入力された前記文書ボックスを受け付ける文書ボックス受付部と、
前記プログラム記憶部に記憶されている前記プログラムを選択入力するための前記設定画面であるプログラム設定画面で選択入力された前記プログラムを受け付けるプログラム受付部と、
前記文書ボックスに記憶されている前記ボックスデータを選択入力するための前記設定画面であるボックスデータ選択画面で選択入力された前記ボックスデータを受け付けるボックスデータ受付部と、
前記各種設定画面を表示部に表示する表示制御部と、
前記文書ボックス受付部で前記文書ボックスが受け付けられると、前記表示制御部に、当該受け付けられた前記文書ボックスに記憶されている前記ボックスデータを前記ボックスデータ選択画面に表示させ、
当該表示された前記ボックスデータ設定画面で選択入力された前記ボックスデータが前記ボックスデータ受付部で受け付けられると、前記表示制御部に、前記文書ボックス受付部で受け付けられた前記文書ボックスとは異なる他の前記文書ボックスに対応付けられた前記プログラム記憶部に記憶されている前記プログラムを前記プログラム設定画面に表示させ、
当該表示された前記プログラム設定画面で選択入力された前記プログラムが前記プログラム受付部で受け付けられた後、当該受け付けられた前記ボックスデータを動作対象の前記機能に対する前記入力データとし、当該受け付けられた前記プログラムが示す前記機能設定で当該動作対象の前記機能を動作させる実行制御部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記設定画面は、当該設定画面に設定入力された前記実行条件に含まれる少なくとも1つ以上の前記機能設定を前記プログラムとして登録することを示すプログラム登録指示を前記実行条件として設定入力可能に構成され、
前記実行制御部は、前記実行条件に前記プログラム登録指示が含まれている場合に、動作対象の前記機能に対する前記入力データが前記ボックスデータであると判断したときは、更に、当該実行条件に含まれる前記機能の少なくとも1つ以上の前記機能設定を前記プログラムとして当該入力データが記憶されている前記文書ボックスと対応付けて前記プログラム記憶部に記憶する請求項1に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−138801(P2012−138801A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−290391(P2010−290391)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】