説明

画像形成装置

【課題】 シート部材の波打ち現象を抑制し、転写ムラを抑制することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 感光体ドラム101と、中間転写ベルト2と、中間転写ベルト2の裏面2bに対向し、中間転写ベルト2の回転移動方向Xの上流側で中間転写ベルト2から離間する傾斜部106b、及び、中間転写ベルト2の回転移動方向Xの下流側で中間転写ベルト2に接触する平板部106aを有し、シート状で導電性を有するシート部材106と、シート部材106の傾斜部106bに接触する支持部材108と、支持部材108を中間転写ベルト2の方に向かって押圧する圧縮バネ110と、を備え、シート部材106における第1位置D及び第2位置Cの間の領域CDは、中間転写ベルト2及び支持部材108のいずれにも非接触な状態で配置される画像形成装置500を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体に担持されたトナー像を静電的に転写する1次転写装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
像担持体の表面に担持されたトナー像をベルト体に静電的に転写する1次転写装置を備える画像形成装置が知られる。そして、こうした1次転写装置には、1次転写ローラのように回転するものと異なって、固定された状態でベルト体に摺擦しながら転写電界を形成する転写部材を備えるものが知られる。こうした1次転写装置に関する発明として特許文献1に記載の発明が開示される。
【0003】
特許文献1に記載の発明は、ベルト体に接触するシート状の導電部材と、導電部材の裏面を粘着支持するPETフィルムと、PETフィルムの下端を粘着支持する支持部材と、を備える1次転写装置に関する発明である。そして、導電部材にバイアスが印加されると、感光体ドラム及び導電部材の間には、転写のための電界が形成される。こうした構成によれば、この電界によって、感光体ドラムの表面のトナー像がベルト体で搬送されるシートに転写されて画像形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−143249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、導電部材とPETフィルムの熱膨張率が異なるために、導電部材は長手方向(像担持体の軸方向と平行な方向)に波打った形状となってしまう。この現象を支持部材の熱膨張率がPETフィルムの熱膨張率よりも小さい場合について具体的に説明する。画像形成装置本体の内部の温度が上昇すると、支持部材及びPETフィルムは熱膨張する。PETフィルムが支持部材が互いに固定されていると、PETフィルムが支持部材に引張られて、PETフィルムの膨張が抑制される。PETフィルム及び支持部材が接着している領域、及び、PETフィルム及び支持部材が接着していない領域で、PETフィルムの熱膨張量が異なる。そのために、PETフィルム及び支持部材の境界で、PETフィルムは長手方向に波打つ。
【0006】
また、導電部材は、PETフィルムに接着しているために、PETフィルムと共に波打つ。このように、導電部材の波打ち現象は、導電部材、PETフィルム、支持部材の熱膨張率の差に起因する。したがって、熱膨張率の大小関係が逆の場合にも、同様な現象が発生する。そして、導電部材が波打つと、導電部材及びベルト体の接触状態に長手方向(像担持体の軸方向と平行な方向)でムラが生じる。接触状態が密の箇所に比べて接触状態が疎の箇所では、導電部材及びベルト体の間の接触抵抗が上昇する。その結果、導電部材からの電荷の供給にムラが生じ、転写ムラが生じる。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑み、導電部材からベルト体への電荷の供給を像担持体の軸方向と平行な方向で均一化し、転写ムラを抑制することができる画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体に対向する第1面を有し、回転自在なベルト体と、前記ベルト体の第2面に対向し、前記ベルト体の回転移動方向の上流側で一端部が固定端とされて前記ベルト体から離間する離間部、及び、前記ベルト体の回転移動方向の下流側で他端部が自由端とされて前記ベルト体に接触する接触部を有し、前記離間部及び前記接触部が連続して成形され、前記像担持体の軸方向と平行な方向にシート状に延び、導電性を有する導電部材と、前記導電部材の前記離間部を摺動自在に支持する支持部材と、前記支持部材を前記導電部材の方に向かって押圧する押圧手段と、を備え、前記接触部のうち前記ベルト体の回転移動方向で最も上流側の端部の位置を第1位置とし、前記離間部が前記支持部材から支持される領域のうち前記ベルト体の回転移動方向で最も下流側の端部の位置を第2位置とした場合に、前記導電部材における前記第1位置及び前記第2位置の間の領域は、前記ベルト体及び前記支持部材のいずれにも非接触な状態で配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、導電部材の固定端から自由端にかけて、導電部材の裏面が押圧される領域、並びに、導電部材の裏面がベルト体及び支持部材のいずれにも非接触な領域が作られる。したがって、押圧される領域における押圧力が非接触な領域に伝達されて非接触な領域で波打ちが抑制されると共に、非接触な領域が伸縮自在であることから波打ちが抑制される。そのために、導電部材及びベルト体における像担持体の軸方向と平行な方向の接触ムラが抑制される。その結果、導電部材からベルト体への電荷の供給が像担持体の軸方向と平行な方向で均一化され、転写ムラが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例1に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。
【図2】1次転写装置の構成を示す拡大断面図である。
【図3】シート部材及び支持部材の接触位置における接触界面の様子を示す拡大断面図である。
【図4】実施例2に係る画像形成装置が備える1次転写装置の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、この発明を実施するための形態を実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置等は、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるから、特に特定的な記載が無い限りは、発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の実施例1に係る画像形成装置500の構成を示す断面図である。画像形成装置500は、電子写真画像形成プロセスを利用した画像形成装置である。図1に示されるように、画像形成装置500は画像形成装置本体(以下、単に装置本体という)500Aを有し、この装置本体500Aの内部には、画像を形成する画像形成部51が設けられる。画像形成部51は、感光体ドラム101、転写手段である1次転写装置600等を含む。少なくとも感光体ドラム101については、プロセスカートリッジ(以下、カートリッジ100という)に含まれ、カートリッジ100として装置本体500Aに組み込まれる構成となっている。
【0013】
画像形成装置500は異なる4つの画像形成ステーションを備えており、それぞれ色が異なる。各ステーションには各色の着脱可能なカートリッジ100(イエローカートリッジ100y、マゼンタカートリッジ100m、シアンカートリッジ100c、ブラックカートリッジ100k)が装着される。各色での画像形成プロセス及びカートリッジ100の内部の構成は、同一であるため、以下、これらを代表してイエローカートリッジ100yに関して説明する。
【0014】
トナー像を担持する像担持体である電子写真感光体としての感光体ドラム101は、所定の周速で矢印Jの方向に回転駆動されている。この回転過程において、まず、帯電ローラ102により感光体ドラム101の表面が一様に帯電される。次に、露光装置1により感光体ドラム101の表面に選択的に露光を施す。その結果、露光位置による静電潜像が感光体ドラム101の表面に形成される。次に現像器103の内部の帯電したトナーにより現像され、静電潜像が可視像となる。
【0015】
このようにしてできたトナー像は、1次転写装置600により中間転写ベルト2へ静電転写される。今、1次転写装置600、中間転写ベルト2、感光体ドラム101をまとめて1次転写部と呼ぶこととし、1次転写装置600の構成に関しては後に詳述する。中間転写ベルト2へトナー像が転写された後、転写されずに感光体ドラム101上に残留したトナーはクリーニング装置105により掻き取られる。その後に再び帯電ローラ102による帯電プロセスへと戻る。この一連のプロセスが各ステーションであるイエローカートリッジ100y、マゼンタカートリッジ100m、シアンカートリッジ100c、ブラックカートリッジ100kで行われ、各色のトナー像が中間転写ベルト2の表面に順次重ねられる。
【0016】
中間転写ベルト2は張架ローラ2p、2qと対向ローラ4bにより張架され、張架ローラ2p又は張架ローラ2qの回転駆動に伴って矢印Kの方向に回転する。前述のプロセスで得た中間転写ベルト2の表面の複合画像は、中間転写ベルト2の回転に伴い2次転写部4が有する2次転写ローラ4a及び対向ローラ4bの間へ運ばれる。
【0017】
また、シートP(記録材)は給送カセット3から不図示の搬送ローラにより矢印L1の方向へ1枚ずつ繰り出し搬送される。レジストローラ6によりシートPが矢印L2の方向へ搬送され、中間転写ベルト2上のトナー画像が2次転写部4へ到着すると同時にシートPも2次転写部4へ到着する。シートPは2次転写部4への到着後に2次転写ローラ4aと中間転写ベルト2の間で挟持搬送される。その際に2次転写ローラ4aへトナーと逆極性のバイアスを印加することで中間転写ベルト2上のトナー像がシートPの表面に静電転写される。その後、トナー像を担持したシートPは矢印L3の方向へ搬送され、定着器7を通過する。定着器7の内部でトナー像に加熱及び加圧を行うことで、トナー像が溶融混色してシートPに固着する。その後、矢印L4の方向へシートPが搬送され、装置本体500Aの外部へと搬出される。以上の工程を経て、シートPにはフルカラー画像が形成される。
【0018】
装置本体500Aの内部には、コントローラ50が設けられている。そして、コントローラ50は、装置本体500Aの内部機器、例えば感光体ドラム101、帯電ローラ102、露光装置1、現像器103、1次転写装置600等の駆動を制御する。
【0019】
図2は、1次転写装置600の構成を示す拡大断面図である。図2に示されるように、1次転写装置600は、中間転写ベルト2を備える。ベルト体である中間転写ベルト2は、感光体ドラム101に対向する第1面である表面2a、及び、表面2aとは反対側の第2面である裏面2bを有する。また、中間転写ベルト2は、前述の張架ローラ2p、2q(図1参照)、対向ローラ4b(図1参照)に懸架されて、回転自在なベルトである。
【0020】
1次転写部の一部である1次転写装置600は、シート部材106を備える。感光体ドラム101及び中間転写ベルト2は互いに接触しながら回転移動している。感光体ドラム101の対向位置には中間転写ベルト2が配置され、中間転写ベルト2の裏面2bの対向位置にはシート部材106が静止した状態で配置されている。
【0021】
導電部材であるシート部材106は、シート状に成形され、感光体ドラム101の軸方向と平行な方向(Y方向)に延び、導電性を有する。また、シート部材106は、傾斜部106b及び平板部106aを有する。なお、以下の説明で、「上流」又は「下流」と表記する場合には、中間転写ベルト2の回転移動方向Xの上流又は下流を意味するものとして説明する。また、Y方向は、図2中の表面から裏面へと向かう方向を意味する。
【0022】
離間部である傾斜部106bは、中間転写ベルト2の裏面2bに対向し、中間転写ベルト2の回転移動方向Xの上流側で一端部(領域MA)が固定端とされて中間転写ベルト2から離間する部位である。傾斜部106bは中間転写ベルト2と傾斜角θを形成する。
【0023】
接触部である平板部106aは、中間転写ベルト2の回転移動方向Xの下流側で他端部(位置N)が自由端とされて中間転写ベルト2に接触する部位である。平板部106aは、中間転写ベルト2に接触しており、中間転写ベルト2の面に沿う方向に広がる。
【0024】
1次転写装置600は、支持部材108及びシート固定部材107が固定される固定台109を備える。固定台109は、支持部材108及びシート固定部材107を支持する。固定台109は、板金で成形されている。なお、シート固定部材107及び固定台109は、一体で構成されても良いし、別体で構成してビス等で精度良く締結されても良い。
【0025】
また、1次転写装置600は、シート部材106を固定するために前述のシート固定部材107を備える。固定部材であるシート固定部材107は、後述の支持部材108よりも中間転写ベルト2の回転移動方向Xの上流側に配置される。シート部材106の傾斜部106bにおける中間転写ベルト2の回転移動方向Xの上流側の一端部(領域MA)は固定端としてシート固定部材107に接着により固定される。シート固定部材107は、板金で成形されている。
【0026】
1次転写装置600は、シート部材106を支持する支持部材108を備える。支持部材108は、シート部材106の傾斜部106bの裏面を摺動自在に支持する部材である。シート部材106は自らの剛性で中間転写ベルト2に当接している。このシート部材106及び中間転写ベルト2の接触状態を密にするために、支持部材108はシート部材106を押圧する。支持部材108の位置に関しては後に詳述する。
【0027】
また、シート部材106は、前述のように自らの剛性で中間転写ベルト2に当接することから、中間転写ベルト2の移動に伴って摺擦されるようになっている。シート部材106は導電性を有し、図示しない電源からシート部材106にトナーと逆極性のバイアスが印加されることで、感光体ドラム101のトナーを中間転写ベルト2の表面に転写するための電界が形成される。
【0028】
1次転写装置600は、固定台109の裏面に取り付けられる圧縮バネ110を備える。押圧手段である圧縮バネ110は、固定台109を中間転写ベルト2の方へと付勢し、支持部材108及びシート固定部材107を中間転写ベルト2の方に向かって押圧するバネである。このために、支持部材108及びシート固定部材107はシート部材106を押圧する。
【0029】
次に、1次転写装置600を構成する各構成部材に関して詳述する。1次転写装置600に電流を流すため、シート部材106は導電性を有する必要がある。ここでは、体積抵抗率が50V印加で1×10〜1×10(Ω・cm)、厚さが200μm、XZ平面上の長さが10mm、奥行きが230mmのシート部材106を採用する。体積抵抗率は、三菱油化(株)製の測定器Loresta・AP MCP−T400とJIS−K6911に準拠した電極を用いた測定によって得られた値である。XZ平面上の長さとは、感光体ドラム101の軸方向と直交する方向の長さをいう(以下、同じ)。
【0030】
これに対し、中間転写ベルト2は、体積抵抗率が500V印加で1×1010(Ω・cm)、厚さは80μmのものを用いる。このようなシート部材106と中間転写ベルト2を採用することで、1次転写部への印加バイアスが300V程度に抑えることができる。
【0031】
詳細は以下の通りである。今、不図示の電源装置により、シート部材106は、図2における固定領域(領域MA)の接点に電圧供給される。そのため、シート部材106のXZ平面上の長さ10mmのうちAD間の長さが4mmであること、及び、シート部材106の厚さ、奥行き、体積抵抗率より、シート部材106のAD間の抵抗成分が約1×10〜1×10Ωとなる。
【0032】
また、中間転写ベルト2とシート部材106の接触領域(領域ND)のXZ平面上の長さが4mm、奥行きが230mm、厚さが80μmであることから、上記範囲内での中間転写ベルト2の抵抗成分は8×10Ω程度となる。両者の抵抗成分を比較すると3桁異なるため、中間転写ベルト2の抵抗成分に対してシート部材106の抵抗成分は無視できる。
【0033】
転写に必要な電流が5μA程度であることから、シート部材106と中間転写ベルト2により40Vの電圧降下が生じる。ここでは感光体ドラム101上の露光部電位は−100Vであるため、不図示の電源による印加バイアスを300Vとすれば、中間転写ベルト2と感光体ドラム101の間において360Vの電位差が形成される。この電位差は感光体ドラム101上のトナーを転写させるのに十分である。つまり、前述のシート部材106と中間転写ベルト2を用いることで、印加バイアスを300V程度に抑えることが可能となる。また、シート部材106の体積抵抗率が小さいことから、シート部材106と中間転写ベルト2の間の静電吸着力が低くなる。そのため両者の間の摩擦力が減少し、中間転写ベルト2のトルクを抑えることが可能となる。
【0034】
シート部材106には、例えば超高分子ポリエチレンが用いられる。ただし上記の条件を満たす素材であれば、ポリカーボネイト、PVDF、PET、ポリイミド、ポリエチレン、ポリアミドなどの基材自身が導電性を有するシートを用いても良いし、絶縁性のシート表面に導電性材料をコートしたものを用いても良い。
【0035】
支持部材108は絶縁性ウレタン発泡スポンジを採用する。硬度はアスカーCによると0.5Nで20°〜40°である。なお、アスカーCとはSRIS0101(日本ゴム協会標準規格)に規定されたデュロメータ(スプリング式硬度計)の一つで、硬さを測定するための測定器である。形状は直方体(幅4mm、高さ2mm、奥行き230mm)を採用する。
【0036】
第1位置Dは、平板部106aのうち中間転写ベルト2の回転移動方向Xで最も上流側の端部の位置である。従って、第1位置Dは、シート部材106及び中間転写ベルト2の接触される領域(領域ND)のうち、中間転写ベルト2の回転移動方向Xの上流側の位置に相当する。
【0037】
第2位置Cは、傾斜部106bが支持部材108から支持される領域BCのうち中間転写ベルト2の回転移動方向Xで最も下流側の端部の位置である。すなわち、第2位置Cは、シート部材106及び支持部材108の接触される領域BCのうち、中間転写ベルト2の回転移動方向Xの下流側の位置に相当する。
【0038】
第3位置Bは、傾斜部106bが支持部材108から支持される領域BCのうち中間転写ベルト2の回転移動方向Xで最も上流側の端部の位置である。すなわち、第3位置Bは、シート部材106及び支持部材108の接触される領域BCのうち、中間転写ベルト2の回転移動方向Xの上流側の位置に相当する。
【0039】
第4位置Aは、傾斜部106bがシート固定部材107で固定される領域MAのうち中間転写ベルト2の回転移動方向Xで最も下流側の端部の位置である。従って、第4位置Aは、シート部材106の固定領域である領域MA及び非固定領域である領域NAの境の位置に相当する。なお、位置Mは、傾斜部106bがシート固定部材107で固定される領域MAのうち中間転写ベルト2の回転移動方向Xで最も上流側の端部の位置である。また、位置Nは、平板部106aのうち中間転写ベルト2の回転移動方向Xで最も下流側の端部の位置である。
【0040】
そして、シート部材106における第1位置D及び第2位置Cの間の領域CDは、中間転写ベルト2及び支持部材108のいずれにも非接触な状態で配置される領域である。
【0041】
シート部材106における第2位置C及び第3位置Bの間の領域BCは、支持部材108によって押圧される領域である。圧縮バネ110が固定台109を中間転写ベルト2の方に向かって押圧すると、固定台109がシート固定部材107及び支持部材108をシート部材106の方に向かって押圧する。そのために、支持部材108がシート部材106における第2位置C及び第3位置Bの間の領域BCを押圧する。
【0042】
シート部材106における第3位置B及び第4位置Aの間の領域ABは、中間転写ベルト2、支持部材108及びシート固定部材107のいずれにも非接触な状態で配置される領域である。
【0043】
このようにして、中間転写ベルト2の回転移動方向Xにおいて、上流側から順に、第4位置A、第3位置B、第2位置C、第1位置Dが並ぶようにシート部材106、支持部材108、シート固定部材107が配置される。その結果、シート部材106には、支持部材108にも中間転写ベルト2にも接触しない非接触な領域CDが確保される。この位置関係を採用した理由を以下に詳述する。
【0044】
問題となる画像ムラはシート部材106から中間転写ベルト2への電荷供給ムラが原因となって発生する。これはシート部材106の形状の波打ちにより、シート部材106と中間転写ベルト2の接触が長手方向(感光体ドラム101の軸方向と平行な方向)で不均一になるために起きる。つまり、中間転写ベルト2への電荷供給を安定させるには、シート部材106と中間転写ベルト2の接触が接触領域全体で均一になる必要がある。今、シート部材106の波打ちはシート部材106とシート固定部材107の接触部で発生している。そのため、シート部材106と中間転写ベルト2との接触領域全体で均一にするにはシート部材106の波打ちが第1位置Dよりも中間転写ベルト2の回転移動方向Xの上流側で改善されなくてはならない。そのために、支持部材108を介して圧縮バネ110によりシート部材106のBC間の領域を押圧すると共に、それよりも中間転写ベルト2の回転移動方向Xの下流側でCD間の領域を非接触状態にする。
【0045】
図3は、シート部材106及び支持部材108の接触位置における接触界面の様子を示す拡大断面図である。図3に示されるように、シート部材106が波打っているのに対し、その波打ちに支持部材108の形状が追従している。ここで、シート部材106に対して支持部材108と接している側を裏面として逆側を表面とする。この場合に、シート部材106の裏面で突出している凸部Qが力fの作用を受けて支持部材108に押されると、力fのY方向の分力のために、凹部Rがy方向へ動こうとする。しかし、対向位置には支持部材108がいるためシート部材106はy方向へ変形できない。つまり、シート部材106の波打ちは支持部材108による押圧のみでは改善されない。
【0046】
しかし、シート部材106と支持部材108の接触領域の下流端では、より下流側にシート部材106が中間転写ベルト2にも支持部材108にも接触しない領域CD(図2参照)があるため、シート部材106がy方向へ動くことができる。その結果、シート部材106の波打ちが改善する。以上の理由から、支持部材108によりシート部材106を押圧する領域BCを作り、及びその隣りにシート部材106がどこにも接触していない領域CDを作ることが波打ち削減に有効である。
【0047】
このような構成を採用するために、シート部材106として、ヤング率が1500MPa〜2500MPa、支持部材108の硬度がアスカーCで0.5Nで20°以上のものを選択する。シート部材106のヤング率がこれより小さいと、また支持部材108の硬度がこれより小さいと、C点がD点よりも下流側にきてしまいシート部材106の波打ちが改善されない。また、シート部材106のヤング率がこれより高いと変形しづらくなるため、波打ちを消すのに必要な圧力が増加する。圧縮バネ110の圧力を増やすとシート部材106の中間転写ベルト2への圧力も増加するため、中間転写ベルト2のトルクが上昇してしまい現実的でない。
【0048】
実施例1の構成によれば、シート部材106の固定端から自由端にかけて、シート部材106の裏面が押圧される領域BC、並びに、シート部材106の裏面が中間転写ベルト2及び支持部材108のいずれにも非接触な領域CDが作られる。したがって、押圧される領域BCにおける押圧力が非接触な領域CDに伝達されて非接触な領域CDで波打ちが抑制されると共に、非接触な領域CDが伸縮自在であることから波打ちが抑制される。そのために、シート部材106及び中間転写ベルト2における感光体ドラム101の中間転写ベルト2への電荷の供給が感光体ドラム101の軸方向と平行な方向で均一化され、転写ムラが抑制される。
【0049】
特に、画像ムラの原因となるシート部材106の波打ちは、シート部材106とシート固定部材107の間の固定に起因するものである。前述した構成では、このシート固定部材107に近い側に、支持部材108がシート部材106を摺動自在に(非接着で)押圧する領域BCが設けられる。そして、これと隣接して、シート部材106がどこにも接触していない非接触状態の領域CDが設けられる。これらの領域BC及び領域CDが設けられることで、シート部材106の波打ちが改善され、その結果、転写ムラ及び画像ムラが抑制される。
【0050】
支持部材108がシート部材106における第2位置C及び第3位置Bの間の領域BCを押圧する。従って、シート部材106の第2位置C及び第3位置Bの間の領域BCには、シート部材106の波打ちを抑制する力が作用する。そして、その波打ちを抑制する力がシート部材106の第1位置D及び第2位置Cの間の領域CDに伝達される。その結果、シート部材106における第1位置D及び第2位置Cの間の領域CDの波打ちが更に抑制される。なお、シート部材106の第2位置C及び第3位置Bの間の領域BCは、熱変化に基づいて支持部材108に対して摺擦しながら伸縮する。
【0051】
シート部材106における第3位置B及び第4位置Aの間の領域ABが、中間転写ベルト2、支持部材108及びシート固定部材107のいずれにも非接触な状態で配置される。その結果、シート部材106における第3位置B及び第4位置Aの間の領域ABが拘束されないから、この部分でもシート部材106の波打ちが緩衝される。なお、領域ABは、領域CDほどには波打ちが抑制されていない。
【0052】
なお、ここでは、中間転写ベルト2を用いた画像形成装置について記述したが、この実施例の構成に限定されない。すなわち、中間転写ベルト2に替えて、シートPを搬送する搬送ベルトを用いて感光体ドラム101と搬送ベルトの間にシートPを流し、直接にシートPにトナー像を転写する画像形成装置でも適用できる。そして、実施例1の1次転写装置600を適用することで、実施例1と同様な効果を得られる。
【実施例2】
【0053】
図4は、実施例2に係る画像形成装置が備える1次転写装置700の構成を示す断面図である。実施例2の1次転写装置700の構成のうち実施例1の1次転写装置600と同一の構成及び効果に関しては、同一の符号を用いて説明を適宜省略する。実施例2においても、実施例1と同様の画像形成装置に適用することができるため、画像形成装置の説明は省略する。実施例2の1次転写装置700が実施例1の1次転写装置600と異なる点は、以下の点である。すなわち、実施例1では、シート部材106は、押圧の領域BC及び非接触状態の領域CDを有するが、実施例2では、押圧の領域GH及び非接触状態の領域HI、並びに、押圧の領域EF及び非接触状態の領域FGを有する点で異なる。
【0054】
図4に示されるように、中間転写ベルト2は、第1面である表面2a、及び、第2面である裏面2bを有する。中間転写ベルト2の裏面2bの側には、シート部材206が配置されている。導電部材であるシート部材206は、シート状に成形され、感光体ドラム101の軸方向と平行な方向に延び、導電性を有する。シート部材206は断面視でU字状に形成される。
【0055】
シート部材206は、中間転写ベルト2の第2面である裏面2bに対向する。また、シート部材206は、中間転写ベルト2の回転移動方向Xの上流側で一端部(領域mE)が固定端とされて中間転写ベルト2から離間する離間部である湾曲部206b、第2平板部206c(摺動自在部206c1、固定端部206c2)を備える。前述の湾曲部206b及び第1平板部206aは連続して形成される。
【0056】
シート部材206は、中間転写ベルト2の回転移動方向Xの下流側で他端部(位置n)が自由端とされて中間転写ベルト2に接触する接触部である第1平板部206aを備える。このように、第1平板部206aは、シート部材206の部位のうち中間転写ベルト2に接触する部位に相当する。
【0057】
湾曲部206bは、第1平板部206aと連続して湾曲して形成される部位に相当する。摺動自在部206c1は、湾曲部206bと連続して形成されて固定台109に摺動自在(未接着状態)に接触する部位に相当する。固定端部206c2は、摺動自在部206c1と連続して形成されて固定台109に固定される部位に相当する。第1平板部206aは、感光体ドラム101に近い側に配置され、第2平板部206cは、感光体ドラム101から遠い側に配置され、ここでは、第1平板部206a及び第2平板部206cは、互いに平行に配置されている。なお、固定端部206c2は、領域mEで、支持部材208と固定台109の両方に接着によって固定されている。また、摺動自在部206c1は、領域EFで、支持部材208と固定台109の両方に対して非接着である。
【0058】
1次転写装置700は、支持部材208を備える。支持部材208は、第1平板部206a、湾曲部206b、摺動自在部206c1、及び、固定端部206c2でU字状に形成される凹部の内部に配置される。支持部材208は、シート部材206の湾曲部206bに接触する。
【0059】
1次転写装置700は、固定台109を備える。固定台109には、シート部材206の一部すなわち固定端部206c2が接着によって固定される。シート部材206の屈曲形状の内部で、第2平板部206cの内側面には、支持部材208が固定されている。
【0060】
1次転写装置700は、圧縮バネ110を備える。押圧手段である圧縮バネ110は、支持部材208を中間転写ベルト2の方に向かって押圧する。すなわち、圧縮バネ110が固定台109を中間転写ベルト2の方に向かって押圧すると、固定台109がシート部材206及び支持部材208をシート部材206の方に向かって押圧する。
【0061】
シート部材206の第2平板部206cの下流端部、及び、支持部材208の下流端面とは一致するように配置されている。支持部材208におけるXZ平面上の長さRが4mmに設定される。これに対して、第2平板部206c及び固定台109の接着領域のXZ平面上の長さR1、及び、第2平板部206c及び支持部材208の接着領域のXZ平面上の長さR1は、2mmに設定されている。また、第2平板部206c及び固定台109の非接着領域のXZ平面上の長さR2、及び、第2平板部206c及び支持部材208の非接着領域のXZ平面上の長さR2は、2mmに設定されている。
【0062】
第1位置Iは、平板部206aのうち中間転写ベルト2の回転移動方向Xで最も上流側の端部の位置である。シート部材206の第1位置Iは、中間転写ベルト2に接触している。
【0063】
第2位置Hは、湾曲部206bが支持部材208から支持される領域のうち中間転写ベルト2の回転移動方向Xで最も下流側の端部の位置である。シート部材206の第2位置Hは、支持部材208に接触する。
【0064】
第5位置Gは、湾曲部206bが支持部材208から支持される領域のうち中間転写ベルト2の回転移動方向Xで最も上流側の端部の位置で感光体ドラム101に近い方の位置である。シート部材206の第5位置Gは、支持部材208に接触する。
【0065】
第6位置Fは、湾曲部206bが支持部材208から支持される領域のうち中間転写ベルト2の回転移動方向Xで最も上流側の端部の位置で感光体ドラム101から遠い方の位置である。シート部材206の第6位置Fは、支持部材208に接触する。
【0066】
第7位置Eは、摺動自在部206c1及び固定端部206c2の境目の位置である。なお、位置mは、第2平板部206cの固定端部206c2が固定台109で固定される領域のうち中間転写ベルト2の回転移動方向Xで最も下流側の端部の位置である。また、位置nは、平板部206aのうち中間転写ベルト2の回転移動方向Xで最も下流側の端部の位置である。
【0067】
そして、シート部材206における第1位置I及び第2位置Hの間の領域HIは、中間転写ベルト2及び支持部材208のいずれにも非接触な状態で配置される。
【0068】
シート部材206における第2位置H及び第5位置Gの間の領域GHは、支持部材208によって押圧される領域である。圧縮バネ110が固定台109を中間転写ベルト2の方に向かって押圧すると、固定台109が第2平板部206c及び支持部材208をシート部材206の方に向かって押圧する。そのために、シート部材206における第2位置H及び第5位置Gの間の領域GHが押圧される。
【0069】
シート部材206における第5位置G及び第6位置Fの間の領域FGは、中間転写ベルト2及び支持部材208の何れにも非接触状態で配置される。
【0070】
シート部材206における第6位置F及び前記第7位置Eの間の領域EFは、固定台109に押圧されつつ固定台109に対して摺動自在(未接着状態)である。なお、前述のとおり、第7位置E及び位置mの間の領域mEでは、シート部材206が支持部材208と固定台109の両方に接着されて固定されている。
【0071】
中間転写ベルト2が回転移動すると、シート部材206は中間転写ベルト2との静電吸着力によって中間転写ベルト2の回転移動方向Xの下流側へと引張られる。そのために、シート部材206は、支持部材208によって領域GHで加圧されると共に、固定台109によって領域EFで加圧される。
【0072】
また、固定台109は、裏面側から圧縮バネ110で中間転写ベルト2の方へと付勢されている。そして、圧縮バネ110の付勢力によって、シート部材206は、支持部材208を介して領域GH間で押圧される。そして、シート部材206には、これらの押圧の領域EF及び押圧の領域GHのすぐ後(即ち隣り)に何らの部材にも接触されない、領域FG及び領域HIが存在する。そのために、実施例1の場合と同様の理由によって、シート部材206を固定台109に接着固定する構成においても、自由領域でシート部材206の波打ちが解消される。また押圧領域(領域GH及び領域EF)とその隣りの自由領域(領域HI及び領域FG)を2箇所ずつ設けられるため、実施例1のシート部材106の場合よりも波打ちが改善される。
【0073】
また、実施例2の構成では、シート部材206の形状がU字状に成形される必要がある。そのため、シート部材206としては、ヤング率が1500MPa〜2500MPa、厚さが120μm、XZ平面上の長さが16mmの超高分子ポリエチレンのものが採用された。また、支持部材208は、XZ平面上の長さが4mm、高さが4mm、奥行きが230mmのものが採用された。実施例1に比べてシート部材206の厚さが薄く形成されることで、シート部材206の形状がU字状に形成されることが可能となる。
【0074】
実施例2の構成によれば、シート部材206の固定端から自由端にかけて、シート部材206の裏面が押圧される領域GH、シート部材206の裏面が中間転写ベルト2及び支持部材208のいずれにも非接触な領域HIが作られる。したがって、押圧される領域GHにおける押圧力が非接触な領域HIに伝達されて非接触な領域HIで波打ちが抑制されると共に、非接触な領域HIが伸縮自在であることから波打ちが抑制される。そのために、シート部材206及び中間転写ベルト2における感光体ドラム101の中間転写ベルト2への電荷の供給が感光体ドラム101の軸方向と平行な方向で均一化され、転写ムラが抑制される。
【0075】
支持部材208がシート部材206における第2位置H及び第5位置Gの間の領域GHを押圧する。従って、シート部材206の第2位置H及び第5位置Gの間の領域GHには、シート部材206の波打ちを抑制する力が作用する。そして、その波打ちを抑制する力がシート部材206の第1位置I及び第2位置Hの間の領域HIに伝達される。その結果、シート部材206における第1位置I及び第2位置Hの間の領域HIの波打ちが更に抑制される。なお、シート部材206の第2位置H及び第5位置Gの間の領域GHは、熱変化に基づいて支持部材208に対して摺擦しながら伸縮する。
【0076】
さらに、シート部材206における第5位置G及び第6位置Fの間の領域FGが、中間転写ベルト2、支持部材208及び固定台109のいずれにも非接触な状態で配置される。その結果、シート部材206における第5位置G及び第6位置Fの間の領域FGが拘束されないから、この部分でもシート部材206の波打ちが緩衝される。
【0077】
固定台109がシート部材206における第6位置F及び第7位置Eの間の領域EFを押圧する。従って、シート部材206の第6位置F及び第7位置Eの間の領域EFには、シート部材の波打ちを抑制する力が作用する。そして、波打ちを抑制する力がシート部材206の第5位置G及び第6位置Fの間の領域FGに伝達される。その結果、シート部材206における第5位置G及び第6位置Fの間の領域FGの波打ちが更に抑制される。
【符号の説明】
【0078】
2 中間転写ベルト2(ベルト体)
101 感光体ドラム(像担持体)
106、206 シート部材(導電部材)
106a 傾斜部(離間部)
106b 平板部(接触部)
206a 第1平板部(接触部)
206b 湾曲部(離間部)
206c 第2平板部(離間部)
206c1 摺動自在部(第2平板部)(離間部)
206c2 固定端部(第2平板部)(離間部)
108、208 支持部材
110 圧縮バネ(押圧手段)
500 画像形成装置
600、700 1次転写装置
D、I 第1位置
C、G 第2位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持する像担持体と、
前記像担持体に対向する第1面を有し、回転自在なベルト体と、
前記ベルト体の第2面に対向し、前記ベルト体の回転移動方向の上流側で一端部が固定端とされて前記ベルト体から離間する離間部、及び、前記ベルト体の回転移動方向の下流側で他端部が自由端とされて前記ベルト体に接触する接触部を有し、前記離間部及び前記接触部が連続して成形され、前記像担持体の軸方向と平行な方向にシート状に延び、導電性を有する導電部材と、
前記導電部材の前記離間部を摺動自在に支持する支持部材と、
前記支持部材を前記導電部材の方に向かって押圧する押圧手段と、を備え、
前記接触部のうち前記ベルト体の回転移動方向で最も上流側の端部の位置を第1位置とし、前記離間部が前記支持部材から支持される領域のうち前記ベルト体の回転移動方向で最も下流側の端部の位置を第2位置とした場合に、前記導電部材における前記第1位置及び前記第2位置の間の領域は、前記ベルト体及び前記支持部材のいずれにも非接触な状態で配置されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記支持部材よりも前記ベルト体の回転移動方向の上流側に配置され、前記導電部材の前記離間部における前記ベルト体の回転移動方向の上流側の端部が前記固定端として固定される固定部材と、
前記支持部材及び前記固定部材が固定される固定台と、を備え、
前記離間部が前記支持部材から支持される領域のうち前記ベルト体の回転移動方向で最も上流側の端部の位置を第3位置とした場合に、前記押圧手段が前記固定台を前記ベルト体の方に向かって押圧すると、前記固定台が前記固定部材及び前記支持部材を前記導電部材の方に向かって押圧し、前記導電部材における前記第2位置及び前記第3位置の間の領域が押圧されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記離間部が前記固定部材で固定される領域のうち前記ベルト体の回転移動方向で最も下流側の端部の位置を第4位置とした場合に、前記導電部材における前記第3位置及び前記第4位置の間の領域は、前記ベルト体、前記支持部材及び前記固定部材のいずれにも非接触な状態で配置されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
導電部材の一部が固定される固定台を備え、
前記導電部材は、断面視でU字状に形成され、前記導電部材の部位のうち前記ベルト体に接触する部位に相当する前記接触部と、前記接触部と連続する前記離間部のうち湾曲して形成される部位に相当する湾曲部と、前記離間部のうち前記湾曲部と連続して形成されて前記固定台に摺動自在に接触する摺動自在部と、前記離間部のうち前記摺動自在部と連続して形成されて前記固定台に固定される固定端部と、を有し、
前記支持部材は、前記接触部、前記湾曲部、前記摺動自在部、及び、前記固定端部で形成される凹部の内部に配置され、
前記湾曲部が前記支持部材から支持される領域のうち前記ベルト体の回転移動方向で最も上流側の端部の位置で前記像担持体に近い方の位置を第5位置とした場合に、前記押圧手段が前記固定台を前記ベルト体の方に向かって押圧すると、前記固定台が前記導電部材及び前記支持部材を前記導電部材の方に向かって押圧し、前記導電部材における前記第2位置及び前記第5位置の間の領域が押圧されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記湾曲部が前記支持部材から支持される領域のうち前記ベルト体の回転移動方向で最も上流側の端部の位置で前記像担持体から遠い方の位置を第6位置とした場合に、前記導電部材における前記第5位置及び前記第6位置の間の領域は、前記ベルト体、前記支持部材及び前記固定台のいずれにも非接触状態で配置されることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記摺動自在部及び前記固定端部の境目の位置を第7位置とした場合に、前記導電部材における前記第6位置及び前記第7位置の間の領域は、前記固定台に押圧されつつ前記固定台に対して摺動自在であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−13883(P2012−13883A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−149377(P2010−149377)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】