説明

画像形成装置

【課題】消費電力が少ないながら定着不良を完全に防止できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】帯電手段により書き込まれた像担持体上の静電潜像をトナーによりトナー像に現像する現像手段と、現像手段の画像形成回数をカウントする現像処理回数カウント手段と、トナー像を転写材に転写する転写手段と、転写材のトナー像を熱定着する定着手段と、熱定着の温度を制御する熱定着温度調整手段と、を有する画像形成装置であって、現像処理回数カウント手段による現像処理回数が所定値を超えたときに、熱定着温度調整手段を制御して以降の熱定着の温度を高くさせる定着不良解消制御手段を有する画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリなど画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において、用紙に転写された画像データに対応したトナー像を定着させるためには、所定の定着温度が必要とされる。この温度は、用紙の厚さや用紙サイズ、印刷枚数によって適正値が異なり、これらのいずれか、もしくは組み合わせによって定着手段の設定温度を変更する等の様々な技術が提案されている。
【0003】
しかし、そのような、用紙の厚さや用紙サイズ、印刷枚数によって定着手段の設定温度を変更する画像形成装置でも定着不良は完全には解決できなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、消費電力が少ないながら定着不良を完全に防止できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ここで、本発明者等は上記定着不良の原因について、詳細に検討した結果、画像形成動作に伴うトナー劣化による適正定着温度の変動を考慮していないために、所定枚数以上、画像形成動作を行うと、定着不良が発生することが判った。
【0006】
ここで、トナー劣化とは、トナー母体から剥がれ落ちた外添材等が現像装置のトナー中に残留し、蓄積することを指す。このように現像ローラ周辺に外添材が多く存在すると、より高い温度で定着させないと定着不良を引き起こす。このような現象は特に摺擦部が多い一成分接触現像方式で顕著に見られる。
【0007】
すなわち、図6(a)及び図6(b)で、一成分接触現像方式の画像形成装置の現像ユニットの構成と、トナー劣化のプロセスについて説明する。
【0008】
この現像ユニットは、感光体111、現像ローラ112、規制ブレード113、供給ローラ114、除電シート115等を有し、画像形成時に現像ローラ112及び供給ローラ114は図6のそれぞれの中抜き矢印方向に回転する。
【0009】
供給ローラ114は現像ローラ112にトナーを供給し、規制ブレード113により現像ローラ112上に所定量のトナーを付着させる。図示しない書込装置により感光体111上に静電潜像が形成された後、現像ローラ112からトナーが供給されトナー像が形成される。感光体111上に付着せず現像ローラ112上に残ったトナーは除電シート115により除電され、供給ローラ114により掻き取られる。
【0010】
このプロセスにおいて、図6(b)の現像ローラ112部分の拡大図で太線で示した箇所は所定の圧力で押圧されながら摺擦する。この摺擦により、トナーに添加していた外添材が剥がれ落ち、現像ローラ周辺のトナーは外添材が多い状態になる。トナー母体以外の物の割合が高くなると、通常より高い温度で定着させないと定着不良が発生する。このような現象がトナー劣化である。
【0011】
そして、このようなトナー劣化の蓄積分を考慮して、当初より高めに定着設定温度を設定すると消費電力が大きくなると云う問題が生じる。
【0012】
ここで特開2006−242983号公報(特許文献1)では印刷枚数や用紙サイズなどの像形成に応じて定着性を確保しながら印刷完了までの時間を短縮する目的で、印刷枚数、用紙サイズ、用紙種類のいずれか、または、これらの組み合わせによって定着装置の設定温度を変更する温度調整手段を有する技術が提案されているが、この技術では上記のようなトナー劣化による定着不良を解消することはできなかった。
【0013】
本発明の定着装置は、このような課題を解決するために、請求項1に記載の通り、帯電手段により書き込まれた像担持体上の静電潜像をトナーによりトナー像に現像する現像手段と、前記現像手段の画像形成回数をカウントする現像処理回数カウント手段と、前記トナー像を転写材に転写する転写手段と、前記転写材のトナー像を熱定着する定着手段と、前記熱定着の温度を制御する熱定着温度調整手段と、を有する画像形成装置であって、前記現像処理回数カウント手段による現像処理回数が所定値を超えたときに、前記熱定着温度調整手段を制御して以降の前記熱定着の温度を高くさせる定着不良解消制御手段を有することを特徴とする画像形成装置である。
【0014】
本発明の画像形成装置は請求項2に記載の通り、請求項1に記載の画像形成装置において、前記現像手段がユニット化されて交換可能となっており、前記現像手段が新しい現像手段に交換されたことを検出する現像ユニット交換検知手段を有し、かつ、前記現像処理回数カウント手段が、現像ユニット交換検知手段により新しい現像手段に交換されたときに、前記現像手段による前記現像処理回数を初期化することを特徴とする。
【0015】
本発明の画像形成装置は請求項3に記載の通り、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において、前記現像手段が、接触一成分現像方式の現像手段であることを特徴とする。
【0016】
本発明の画像形成装置は請求項4に記載の通り、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記画像形成装置が前記現像手段を複数有し、前記現像処理回数カウント手段が該複数の現像手段での現像処理回数をそれぞれ別途にカウントするものであり、かつ、定着不良解消制御手段が、前記複数の現像手段のうちの1つの現像手段のみを用いて画像形成を行う際に該1つの現像手段の現像処理回数が前記所定値を超えたときに前記熱定着の温度を高くさせることを特徴とする。
【0017】
本発明の画像形成装置は請求項5に記載の通り、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記画像形成装置が前記現像手段を複数有し、前記現像処理回数カウント手段が前記複数の現像手段での現像処理回数をそれぞれカウントし、かつ、前記定着不良解消制御手段が、前記複数の現像手段の現像処理回数のうち、少なくとも一つの現像手段の現像処理回数が前記所定値を超えたときに、以降の前記熱定着の温度を高くさせることを特徴とする。
【0018】
本発明の画像形成装置は請求項6に記載の通り、請求項5に記載の画像形成装置において、前記定着不良解消制御手段が、前記現像処理回数が前記所定値を超えた現像手段の数が多いほど前記熱定着の温度を高くさせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の画像形成装置では、前記現像処理回数カウント手段による現像処理回数が所定値を超えたときに、前記熱定着温度調整手段を制御して以降の前記熱定着の温度を高くさせる定着不良解消制御手段を有するために、トナー劣化による適正定着温度の変動に合致した画像定着が可能となるので、定着不良を完全に解消することができる。
【0020】
また、請求項2に係る画像形成装置によれば、前記現像手段がユニット化されて交換可能となっており、前記現像手段が新しい現像手段に交換されたことを検出する現像ユニット交換検知手段を有し、かつ、前記現像処理回数カウント手段が、現像ユニット交換検知手段により新しい現像手段に交換されたときに、前記現像手段による前記現像処理回数を初期化するために、現像手段が交換され、劣化したトナーのない状態になったときには、定着温度を本来の温度に設定することができ、このとき、エネルギーの無駄を省くことができる。
【0021】
また、請求項3に係る画像形成装置によれば、前記現像手段が、トナー劣化による定着不良を生じやすい接触一成分現像方式の現像手段であっても、効果的に定着不良を防止することができる。
【0022】
また、請求項4に係る画像形成装置によれば、前記画像形成装置が前記現像手段を複数有し、前記現像処理回数カウント手段が該複数の現像手段での現像処理回数をそれぞれ別途にカウントするものであり、かつ、定着不良解消制御手段が、前記複数の現像手段のうちの1つの現像手段のみを用いて画像形成を行う際に該1つの現像手段の現像処理回数が前記所定値を超えたときに前記熱定着の温度を高くさせることにより、複数の現像装置を有するカラー画像形成装置で、単色の画像を形成する際に、エネルギーの無駄を未然に防止することができる。
【0023】
また、請求項5に係る画像形成装置によれば、前記画像形成装置が前記現像手段を複数有し、前記現像処理回数カウント手段が前記複数の現像手段での現像処理回数をそれぞれカウントし、かつ、前記定着不良解消制御手段が、前記複数の現像手段の現像処理回数のうち、少なくとも一つの現像手段の現像処理回数が前記所定値を超えたときに、以降の前記熱定着の温度を高くさせるために、複数色のトナー、トナーに対応した複数の現像装置を用いる画像形成装置であっても、定着不良の発生が未然に防止される。
【0024】
また、請求項に係る画像形成装置によれば、前記定着不良解消制御手段が、前記現像処理回数が前記所定値を超えた現像手段の数が多いほど前記熱定着の温度を高くさせるので、複数の現像装置を有するカラー画像形成装置での定着不良を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る画像形成装置を示すモデル図である。
【図2】本発明の画像形成装置のブロック図である。
【図3】本発明の画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の画像形成装置においてトナーの劣化がないときの定着ローラ温度の経時変化を示すグラフである。
【図5】本発明の画像形成装置においてトナーの劣化が想定されたときの定着ローラ温度の掲示変化を示すグラフである。
【図6】一成分接触現像方式の画像形成装置を示すモデル図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
【0027】
図1は、本発明に係るプリンタ(画像形成装置)のモデル断面図である。
【0028】
帯電手段である書込み装置3により書き込まれた像担持体2a〜2d上の静電潜像をトナーによりトナー像に現像する、それぞれ異なる色のトナーが封入された4つの現像ユニット(交換可能にユニット化された現像手段)1a〜1d、トナー像を転写材に転写する転写手段である転写ユニット4、転写材を供給する給紙ユニット5、転写材のトナー像を熱定着する定着手段である定着ユニット6、表示部7など備え、一般的な電子写真作像プロセスに従ってフルカラー画像を形成する。書込装置2はカバーとともに矢印Aに示す方向に開放し、現像ユニット1a〜1dや定着ユニット5を容易に上方に取り出し、ユニットの交換やジャム処理が可能である。さらに、図示しない用紙カウンター8を転写材搬送経路中の転写ユニット4直前に有している。
【0029】
図2のブロック図に示すように、現像処理回数カウント手段10は用紙カウンター8からの用紙カウント信号により、現像ユニット1a〜1dでの画像形成回数をそれぞれカウントする。
【0030】
一方、交換可能な現像ユニット1a〜1dのいずれかが新品に交換されたとき、現像ユニット交換検知手段9が検知し、現像処理回数カウント手段10に新品交換の信号を送る。現像処理回数カウント手段10はこの信号を受けて、交換された現像ユニットの現像処理回数を初期化する。
【0031】
上記現像処理回数が所定値を超えたとき、すなわち、現像ユニット中のトナー劣化が進行したと見なされたとき、現像処理回数カウント手段10は定着不良解消制御手段11に現像処理回数が所定値を超えた旨の信号を送り、定着不良解消制御手段箱の信号を受けて、熱定着温度調整手段12を制御して以降の定着ユニット6のヒータHへの出力を高め、熱定着の温度を高くさせる。
【0032】
さらに、熱定着温度調整手段12に図示しない外気温度検知手段を接続し、外気温を検知して、外気温が低いときには熱定着温度調整手段の出力を高くし、外気温が高いときには熱定着温度調整手段の出力を低くし、定着ユニット6による定着温度が所期の温度となるように制御してもよい。
【0033】
ここで、たとえば、上記現像ユニット交換検知手段9は現像ユニットがセットされた状態でのみ現像ユニットに接するマイクロスイッチから構成、用紙カウンター8は光電スイッチから構成、現像処理カウント手段10と定着不良解消制御手段11とはCPU(中央演算回路)、ROM、RAM、入力ポート、及び、出力ポートから構成、そして、熱定着温度調整手段12はスイッチング電源から構成することがそれぞれ可能である。
【0034】
ここで、上記CPUは、画像形成装置のその他の機能、たとえば画像形成装置のコントロール機能、画像データ処理等の機能を有していてもよい。
【0035】
次に本発明に係る画像形成装置の動作について図3のフローチャートを用いて説明する(本発明に係る機能についてのみ説明し、その他の画像形成に関わる制御等については省略する)。
【0036】
図3のフローチャートは、現像処理回数カウント手段による現像処理回数が所定値を超えたときに、熱定着温度調整手段を制御して以降の前記熱定着の温度を高くさせる定着不良解消制御手段を有し、前記現像手段がユニット化されて交換可能となっており、現像手段が新しい現像手段に交換されたことを検出する現像ユニット交換検知手段を有し、かつ、前記現像処理回数カウント手段が、現像ユニット交換検知手段により新しい現像手段に交換されたときに、前記現像手段による前記現像処理回数を初期化し、画像形成装置が現像手段を複数有し、現像処理回数カウント手段が該複数の現像手段での現像処理回数をそれぞれ別途にカウントするものであり、かつ、定着不良解消制御手段が、前記複数の現像手段のうちの1つの現像手段のみを用いて画像形成を行う際に該1つの現像手段の現像処理回数が前記所定値を超えたときに熱定着の温度を高くさせる画像形成装置であって、定着不良解消制御手段が、前記現像処理回数が前記所定値を超えた現像手段の数が多いほど前記熱定着の温度を高くさせる画像形成装置である。
【0037】
電源投入後、ステップS1及びS2で現像ユニット1a〜1dのうち、新品に交換された場合には、不揮発メモリやハードディスクなどに保持され、それぞれ現像ユニット1a〜1dに対応する、現像ユニットカウンタCa〜Cdのうち、交換された現像ユニットに該当する現像ユニットカウンタを初期化する。
【0038】
その後、この画像形成装置のパネル、あるいは、この画像形成装置に接続されたコンピュータなどからの画像形成命令がこの画像形成装置に入力されるまで待機する(ステップS3)。
【0039】
この画像形成装置のパネル、あるいは、接続されたPCなどから画像形成命令が入力されると、熱定着の温度を通常より高くするか否か、そして、どのくらい高くするかについての変数であるOLD現像ユニットカウンタCが初期化され(ステップS4)、次いで、形成するのがモノクロ画像であるか、カラー画像であるかについてステップS5で判断され、カラー画像の場合にはステップS6に、モノクロ画像の場合にはステップS20にそれぞれ進む。
【0040】
ステップS6で、現像ユニット1a(黒色トナーによる現像を行う)による画像形成が所定値、この例では5000回を超えた場合には現像ユニット1aのトナーは劣化が生じているとしてOLD現像ユニットカウンタCをインクリメントし(ステップS7)、その後、5000回を超えていない場合とともにステップS8に進み、現像ユニットカウンタCaをインクリメントする。
【0041】
ステップS9〜S11では現像ユニット1b(シアン色トナーによる現像を行う)について同様に、ステップS12〜S14では現像ユニット1c(マゼンタ色トナーによる現像を行う)について同様に、さらにステップS15〜17で現像ユニット1b(イエロー色トナーによる現像を行う)について同様に、現像処理回数をチェックするとともにそれぞれの現像ユニットカウンタCb〜Cdをインクリメントする。
【0042】
そして、ステップS18で表1を用いて、後述するように目標定着温度を決定し、ステップS19でその目標定着温度を熱定着温度調整手段12に定着温度信号として送出した後、再度ステップS1に戻る。
【0043】
一方、モノクロの画像を形成する場合にはステップS5から分岐してステップS20〜S22で現像ユニット1aによる現像処理回数をチェックするとともに現像ユニットカウンタCaをインクリメントしたのち、上述のステップS18に進む。
【0044】
このような一連の動作により、ステップS18に至るまでにOLD現像ユニットカウンタCは、劣化したトナーが存在するとされる現像ユニット数である、0、1、2、3、及び、4のいずれかにセットされる。
【0045】
ステップS18ではこの例では表1の定着目標温度設定テーブルに従って定着目標温度が決定される。
【0046】
すなわち、図示しない外気温検出手段で検出された外気温と、OLD現像ユニットカウンタCとをパラメータとして表1に記載の値の温度が定着目標温度とされ、
熱定着温度調整手段12に定着温度信号として送信される。
【0047】
【表1】

【0048】
次に、外気温度23度、所定枚数印刷し、内容するトナーが劣化していると判断された現像ユニットの数が0個の場合、上記に示した方法で定着目標温度を165℃に決定したときの本実施例に従って画像形成したときの定着装置の定着ローラの温度の時間推移を示す。
【0049】
図5に示すように、熱定着温度の目標温度が165℃に設定され、時間の経過とともに温度が上昇する。
【0050】
十分に温度が上がった後に、この定着装置で通紙を開始する。通紙の温度は温度調節手段により図示したようにリップル波形を描いていく。このとき、定着ローラ温度が155℃を下回ると、熱量が足らず、定着不良が発生し、また、定着ローラ温度195℃を上回るとホットオフセットといった画像異常が発生する可能性がある。この例では消費電力を最小限に抑えるために、温度リップルを考慮しても定着不良を起す温度までマージンを持った目標温度として165℃に設定している。
【0051】
また、図5に、外気温23℃、内容するトナーが劣化していると判断された現像ユニットの数が2個の場合の定着ローラの温度推移を示す(実線)。
【0052】
表1に従い、熱定着の目標温度は173℃となり、図4での温度推移(一点鎖線で示す)より高い温度を推移していて(赤線)、劣化したトナーであっても十分に定着できる温度に制御される。一方、トナー劣化を考慮していない、すなわち従来技術のままである一点鎖線で示された温度推移の場合には定着不良発生温度を下回る場合があり、このとき、定着不良が発生する。
【実施例】
【0053】
ここで、実際に、図3のフローチャートに従って動作するように作製した図6にモデル的に示した一成分接触現像方式の画像形成装置A、従来式の、トナーの劣化を考慮しない以外は同一の画像形成装置B(定着ローラ温度は外気温のみによって表1におけるOLD現像ユニットカウンタCが「0」の場合の制御)、及び、画像形成装置B同様に、ただし、定着ローラ温度は外気温のみによって表1におけるOLD現像ユニットカウンタCが「4」の場合の制御を行う画像形成装置Cのそれぞれを用い、外気温10℃で、白黒画像100枚、及び、カラー画像100枚の形成をそれぞれ交互に200枚ずつ、行ったところ、本発明に係る画像形成装置A及び画像形成装置Cでは定着不良が発生しなかったが、画像形成装置Bでは定着不良が発生した。
【0054】
また、このときの定着ローラ用ヒータの総消費電力は、画像形成装置Aを100としたときに、画像形成装置Bでは97であったが、画像形成装置Cでは105であり、本発明に係る画像形成装置Aでは定着不良が生じず、かつ、消費電力の増加が最小限に押さえられていることが判る。
【符号の説明】
【0055】
1a〜1d現像ユニット
2a〜2d 像担持体
3 書込み装置
4 転写ユニット
6 定着ユニット
8 用紙カウンター
9 現像ユニット交換検知手段
10 現像処理回数カウント手段
11 定着不良解消制御手段
12 熱定着温度調整手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0056】
【特許文献1】特開2006−242983号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯電手段により書き込まれた像担持体上の静電潜像をトナーによりトナー像に現像する現像手段と、
前記現像手段の画像形成回数をカウントする現像処理回数カウント手段と、
前記トナー像を転写材に転写する転写手段と、
前記転写材のトナー像を熱定着する定着手段と、
前記熱定着の温度を制御する熱定着温度調整手段と、
を有する画像形成装置であって、
前記現像処理回数カウント手段による現像処理回数が所定値を超えたときに、前記熱定着温度調整手段を制御して以降の前記熱定着の温度を高くさせる定着不良解消制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記現像手段がユニット化されて交換可能となっており、
前記現像手段が新しい現像手段に交換されたことを検出する現像ユニット交換検知手段を有し、かつ、
前記現像処理回数カウント手段が、現像ユニット交換検知手段により新しい現像手段に交換されたときに、前記現像手段による前記現像処理回数を初期化することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記現像手段が、接触一成分現像方式の現像手段であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成装置が前記現像手段を複数有し、
前記現像処理回数カウント手段が該複数の現像手段での現像処理回数をそれぞれ別途にカウントするものであり、かつ、
定着不良解消制御手段が、前記複数の現像手段のうちの1つの現像手段のみを用いて画像形成を行う際に該1つの現像手段の現像処理回数が前記所定値を超えたときに前記熱定着の温度を高くさせることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成装置が前記現像手段を複数有し、
前記現像処理回数カウント手段が前記複数の現像手段での現像処理回数をそれぞれカウントし、かつ、
前記定着不良解消制御手段が、前記複数の現像手段の現像処理回数のうち、少なくとも一つの現像手段の現像処理回数が前記所定値を超えたときに、以降の前記熱定着の温度を高くさせることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記定着不良解消制御手段が、前記現像処理回数が前記所定値を超えた現像手段の数が多いほど前記熱定着の温度を高くさせることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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