説明

画像形成装置

【課題】開閉カバーを開いたときに帯電ユニットを引き出すスペースがなくとも、必要最低限のマシンサイズおよびコストアップで帯電ユニットを離脱して交換等可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】開閉カバー15の閉位置から開位置への揺動開動作に連動して、帯電ユニット20を反転路19の外側にスライド移動させ、開閉カバー15が開位置を占めたとき、帯電ユニット20を装置本体から離脱可能となる離脱位置に移動させるスライダクランク機構37(スライダガイド部材21、リンク部)を有しているので、開閉カバー15を開いて帯電ユニット20を引き出すスペースがなくとも、必要最低限のマシンサイズおよびコストアップで帯電ユニット20を装置本体から離脱させて、帯電ローラ8等の交換や保守整備・クリーニングを実施できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被記録媒体(以下、「シート」という)の両面に画像形成が可能な画像形成装置に関し、さらに詳しくは、シートに画像形成を行う画像形成手段に対向して配置され、シートを搬送する搬送ベルトを備えシートの両面に画像形成が可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式などの画像形成装置において、画像形成装置の内部部品をユニット化し、その内部部品を覆っている開閉カバーを開くことによって、内部ユニットを引き出し取り出し可能にした交換方法は既に知られている。
また、開閉カバーの開動作に連動してマシンの内部ユニット(例えばプロセスカートリッジや帯電ユニットなど)が移動することも既に知られている(例えば、特許文献1および2参照)。
【0003】
特許文献1には、着脱可能なプロセスカートリッジの押し込み機能と、定着装置におけるジャム処理性を共に損なうことなく、設置スペースおよび製造コストをおさえることができる画像形成装置を提供する目的で、開閉カバーの動作に連動して、定着装置の圧接手段および圧接解除手段により定着部材を圧接解除し、プロセスカートリッジの移動を行う連動手段を設けたことにより、開閉カバーの開動作のみで、定着圧の解除ができ、カートリッジの取り外しと、機内のジャム処理が可能となる技術が開示されている。
具体的には、ユニットの移動を行う連動手段を設けることにより、開閉カバーの動作のみでユニットの取り外しが可能となる構成であり、開閉カバーを開くことによって、交換ユニット(プロセスカートリッジ)を指定の位置まで移動させるレバーを交換ユニットより離間し、本体側に固定(バネにて付勢)されているユニットを引き出す。なお、交換ユニットには取っ手がついており、開閉カバーを開けることにより手が入るスペースは十分確保できているため、取っ手がついている交換ユニットを取り出すことができている。
【0004】
特許文献2には、各使用部品の寿命に応じた部品の交換を行うために、帯電装置などをモジュール化し、独立して取り外し・交換可能とする技術が開示されている。交換方法は、カバーを開くことによる交換である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1および2等記載の技術を含め、今までの交換ユニットは、カバーを開けたときには交換に要するスペースが十分にあり、手を入れて交換ユニットを引き出し交換することができた。
しかしながら、フロントオペレーションを達成するとともにマシンサイズおよび部品点数を最小限に抑えるために本出願人が提案している、シートを略鉛直上方向に搬送しながら略水平方向にインクを吐出するインクジェット方式の画像形成装置(基本的なレイアウトは後述する実施形態にて説明する)では、交換の必要性のある交換ユニットとしての帯電ユニット(帯電ローラがユニット化されて装置本体に対して着脱自在になっている)を交換しようと開閉カバーを開いても、手を入れて帯電ユニットを引き出すほどのスペースがない、という問題点がある。帯電ユニットを交換するスペースが確保できないのは、帯電ユニットの上部には搬送ベルトを走行駆動する搬送ローラが位置しており、下部には両面印刷時の反転路(迂回路)が配置されているとともに、給紙カセットが位置しているためである。
【0006】
また、スペースを確保しようとすればマシンサイズが大きくなり、これに伴いコストアップするという問題点もある。反転路を大きくすることによって帯電ユニットの交換をし易くすることはできるが、給紙カセットの位置にも影響しマシンサイズが大きくなってしまう。これは操作性向上の点から開閉カバーの開位置状態でも給紙カセットを引き出せるようにしているためであり、開閉カバーの揺動支点が交換すべき帯電ユニットと給紙カセットとの間に位置しており、揺動支点を下げるとマシンサイズが大きくなってしまうからである。なお、上述した問題点の細部・具体例は、後述する参考例にて説明する。
【0007】
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、開閉体(例えば開閉カバー)を開いたときに交換ユニット(例えば帯電ユニット)を引き出すスペースがなくとも、必要最低限のマシンサイズおよびコストアップで交換ユニットを交換可能な画像形成装置を実現し提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するとともに上述した目的を達成するために、本発明では、以下のような特徴ある手段・発明特定事項(以下、「構成」という)を採っている。
本発明は、少なくとも2つの回転部材間に掛け回されて周回移動され、シートを搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトと対向して配置され、該搬送ベルトにより搬送されてくるシートに画像を形成する画像形成手段と、前記搬送ベルトを通過した片面画像形成済みのシートをスイッチバックさせて、再度、前記画像形成手段側へ再給送する再給送手段と、前記再給送手段により給送されてきた片面画像形成済みのシートの表裏を反転して、再度、前記画像形成手段と対向する対向側の前記搬送ベルト面へ案内する反転経路とを有する画像形成装置において、前記再給送手段は、片面画像形成済みのシートを前記画像形成手段と対向しない反対向側の前記搬送ベルト面に再給送し案内するよう構成されており、前記反転経路は、片面画像形成済みのシートが前記反対向側の前記搬送ベルト面を通過した後、前記搬送ベルトの移動方向における前記画像形成手段との対向部よりも上流側の前記回転部材に掛け回されている前記搬送ベルトの外側周囲を迂回して前記対向側の前記搬送ベルト面に案内するよう構成されており、前記反転経路の内側と前記上流側の前記回転部材との間に設けられ、前記搬送ベルトを帯電させる帯電手段と、前記反転経路の外側に設けられ、少なくとも前記帯電手段および前記反転経路を含む装置本体の内部を覆う閉位置と該内部を開放する開位置との間で揺動開閉可能な開閉体と、前記帯電手段および前記反転経路の一部を備えて一体化された帯電ユニットと、前記開閉体の前記閉位置から前記開位置への揺動開動作に連動して、前記帯電ユニットを前記反転経路の外側に移動させ、前記開閉体が前記開位置を占めたとき、前記帯電ユニットを前記装置本体から離脱可能となる離脱位置に移動させるユニット連動移動手段とを具備していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、上記課題を解決して新規な画像形成装置を実現し提供することができる。すなわち、本発明によれば、上記構成により、ユニット連動移動手段によって、開閉体(例えば開閉カバー)の閉位置から開位置への揺動開動作に連動して、帯電ユニットを反転経路の外側に移動させ、開閉体が開位置を占めたとき、帯電ユニットをして装置本体から離脱可能となる離脱位置に移動させるので、開閉体を開いて帯電ユニット(交換ユニット)を離脱するスペースがなくとも、必要最低限のマシンサイズおよびコストアップで帯電ユニットを装置本体から離脱させて、帯電手段等の交換や保守整備・クリーニングを実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明を適用するインクジェット記録装置(参考例)の全体構成を示す簡略的な一部断面正面図である。
【図2】図1のインクジェット記録装置の開閉カバー開位置状態での同装置の全体構成を説明する簡略的な一部断面正面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態を示す帯電ユニットおよび反転路(迂回路)周りの要部構成を示す一部断面正面図である。
【図4】(a)は、第1の実施形態における開閉カバーの閉位置状態における帯電ユニットおよびスライダクランク機構の動作状態を示す一部断面正面図、(b)は、同開閉カバーの開位置状態における帯電ユニットおよびスライダクランク機構の動作状態を示す一部断面正面図である。
【図5】(a)は、第1の実施形態における開閉カバーの閉位置状態における帯電ユニットおよびスライダクランク機構の動作状態を示す一部断面平面図、(b)は、同開閉カバーの開位置状態における帯電ユニットおよびスライダクランク機構の動作状態を示す一部断面平面図である。
【図6】第1の実施形態における帯電ユニットおよびスライダクランク機構の要部の分解斜視図である。
【図7】(a)は、変形例1における開閉カバーの閉位置状態における帯電ユニットおよびスライダクランク機構の動作状態を説明する一部断面正面図、(b)は、同開閉カバーの第1の開位置における帯電ユニットおよびスライダクランク機構の動作状態を説明する一部断面正面図、(c)は、同開閉カバーの第2の開位置における帯電ユニットおよびスライダクランク機構の動作状態を説明する一部断面正面図である。
【図8】(a)は、同図では省略されている開閉カバーの閉位置状態における帯電ユニットおよびスライダクランク機構の動作状態を説明する一部断面平面図、(b)は、同開閉カバーの第1の開位置における帯電ユニットおよびスライダクランク機構の動作状態を説明する一部断面平面図、(c)は、同開閉カバーの第2の開位置における帯電ユニットおよびスライダクランク機構の動作状態を説明する一部断面平面図である。
【図9】変形例1における帯電ユニットおよびスライダクランク機構の要部の分解斜視図である。
【図10】変形例2における開閉カバーが第1の開位置状態に保持する際の付勢手段について説明する模式的な一部断面正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という)を詳細に説明する。各実施形態および各変形例等に亘り、同一の機能および形状等を有する構成要素(部材や構成部品等)については、混同の虞がない限り一度説明した後では同一符号を付すことによりその説明を省略する。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等の構成要素を引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、各実施形態等のそれと区別するものとする。
【0012】
まず、図1および図2を参照して、本発明を適用するインクジェット記録装置(以下、「参考例」ともいう)の全体構成および動作を説明する。図1は、本発明の参考例に係るインクジェット記録装置の全体構成を簡略的に説明する図、図2は、同参考例に係るインクジェット記録装置の開閉カバー開位置状態での同装置の全体構成を説明する簡略的な図である。
【0013】
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の一例としてのインクジェット記録装置の全体構成を説明する。同図に示すインクジェット記録装置100は、インクジェット方式で画像形成を行うシリアル型のインクジェット記録装置である。
インクジェット記録装置100は、インクジェット方式で画像形成を行う画像形成手段としての記録ヘッド7等を備えた画像形成部50と、シートの一例としての用紙Pを搬送する搬送ベルト3等を備えた搬送部51と、用紙Pを給送・給紙する給紙部52と、画像形成(以下、「印刷」ともいう)された用紙Pを排出・排紙する排紙部および片面印刷済みの用紙Pをスイッチバックし反転すべく再給送する排紙反転部53とを有する。
【0014】
用紙Pの搬送経路としては、給紙部52から給紙された用紙Pを搬送部51に搬送する経路である給紙搬送路55と、給紙搬送路55に接続・連通され、表面(第1の面)に画像形成された片面印刷済みの用紙P、および片面印刷済みの用紙Pがスイッチバック・反転されて残りの裏面(第2の面)に画像形成された両面印刷済みの用紙Pを画像形成部50の下流側に搬送する経路である共通搬送路56と、共通搬送路56に接続・連通され、再給送手段を構成する後述する2組の排紙ローラ対10,11によりスイッチバックされ再給送されてきた片面印刷済みの用紙Pを画像形成部50の記録ヘッド7と対向しない反対向側の搬送ベルト3面(以下、「反対向面3b」という)に案内・搬送する、反転経路・再給送経路を含む両面搬送経路としての両面搬送路57と、片面印刷済みの用紙Pが搬送ベルト3の反対向面3bを通過した後、搬送ベルト3の移動方向における記録ヘッド7との対向部よりも上流側の搬送ローラ1に掛け回されている搬送ベルト3の外側周囲を迂回して反転された片面印刷済みの用紙Pを、再度、記録ヘッド7と対向する対向側の搬送ベルト3の面(以下、「対向面3a」という)に案内する反転経路としての反転路19とを有する。なお、反転路19は、搬送ローラ1に掛け回されている搬送ベルト3の外側周囲を迂回して略U字形状に形成されていることにより、迂回経路ないし迂回路とも呼ばれる。
【0015】
給紙搬送路55を始めとして共通搬送路56および両面搬送路57は、特に説明する経路箇所を除き、対向する一対のガイド部材等で形成されている。記録ヘッド7と対向・対峙しない搬送ベルト3の反対向面3b側には、片面印刷済みの用紙Pをガイドするための、後述するように閉位置を占めた開閉体としての開閉カバー15に一体的に形成されたガイドリブ15bが対向するように配設されている。搬送ベルト3の反対向面3bと開閉カバー15のガイドリブ15bの面とは、両面搬送路57の延長経路を形成している。
反転路19は、内ガイド部材24、外ガイド部材25、図3に示す帯電ユニット20の一部を構成するユニット筺体26のガイド面26aおよび開閉カバー15に一体的に形成されているガイドリブ15bのガイド面15cで形成されている。
【0016】
画像形成部50は、走査・移動可能なキャリッジ6を備えている。キャリッジ6は、装置本体に横架して固設されたガイド部材である主従のガイドロッド6a,6bにより、主走査方向(図中紙面に対して直交する紙面手前側および紙面奥側の方向)に摺動自在に保持されている。キャリッジ6は、図示しないタイミングベルトを介して主走査モータ(図示せず)に連結されており、同主走査モータによって主走査方向に往復移動・走査される。
【0017】
キャリッジ6には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド7が搭載されている。記録ヘッド7は、搬送ベルト3と対向して配置され、搬送ベルト3により搬送されてくる用紙Pに画像を形成する画像形成手段ないし記録手段として機能する。記録ヘッド7は、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向Xa(シート搬送方向Xaでもある)に配列し、ノズルのインク滴吐出方向を略水平方向に向けて装着している。
記録ヘッド7は、例えば、4つのノズル列を有し、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の液滴であるインクをそれぞれ吐出する。
【0018】
また、キャリッジ6は、記録ヘッド7のノズル列に対応して各色のインクを供給するためのヘッドタンク(図示せず)を搭載している。このヘッドタンクには、図示しないカートリッジ装填部に着脱自在に装着される各色の記録液カートリッジから、供給ポンプユニット(図示せず)によって各色の供給チューブを介して、各色の記録液であるインクが補充供給されるようになっている。
【0019】
給紙部52は、複数枚の用紙Pを積載する給紙トレイ12と、給紙トレイ12上の用紙Pを給送する給紙ローラ18と、給紙ローラ18との協働作用により用紙Pを1枚ずつ分離給送する分離パッド(図示せず)と、複数枚の用紙Pを積載して昇降可能な底板13等とを備えている。
給紙トレイ12は、装置本体に対して図1中両矢印方向に挿脱自在に構成された給紙カセットとも呼ばれるものである。給紙ローラ18は、半月状のローラからなる。給紙トレイ12と、給紙ローラ18と、分離パッド(図示せず)とは、給紙ユニットを構成している。
【0020】
片面印刷時に給紙部52から給紙された用紙Pおよび両面印刷時に反転された片面印刷済みの用紙Pを画像形成部50の記録ヘッド7に対向する位置に送り込むために、搬送部51が配置されている。搬送部51は、搬送ベルト3と、搬送ローラ1と、テンションローラ2と、先端コロ4と、帯電ローラ8と、搬送ベルト3の対向面3aの裏面側に設けられた図示しない搬送ガイド板と、図示しない分離爪(図示せず)等とを備えている。
【0021】
搬送ベルト3は、給送されてきた用紙Pを静電吸着して記録ヘッド7に対向する位置に搬送するためのものであり、用紙Pをシート搬送方向Xaに間欠的に搬送する搬送手段として機能する。搬送ベルト3は、無端状ベルトであり、駆動・回転部材としての搬送ローラ1と従動・回転部材としてのテンションローラ2との間に掛け回されて、ベルト移動方向Xa(シート搬送方向Xa、副走査方向Xaでもある)に周回移動するように構成されている。
【0022】
搬送ローラ1は、駆動力伝達手段としての図示しないタイミングベルトを介して、図示しない副走査モータ等の駆動手段によって構成される駆動系によって回転駆動される。搬送ベルト3は、上記図示しない副走査モータにより搬送ローラ1が回転駆動されることによって矢印で示すベルト移動方向Xaに周回移動する。
本実施形態の搬送ベルト3は、無端ベルトであるが、成型上において無端のベルトでも、両端をつなぐことで無端状としたベルトでもよい。
【0023】
搬送ベルト3は、1層または複層構造であり、少なくとも用紙Pや帯電ローラ8と接触する側(表層)は、例えばPET、PEI、PVDF、PC、ETFE、PTFEなどの樹脂、またはエラストマーであって導電制御材を含まない材料などで形成される絶縁層を有していて、電荷を保持するようになっている。なお、2層以上の構造とする場合には帯電ローラ8と接触しない側に上記樹脂やエラストマーにカーボンを含有させた導電層を有する構成とできる。
【0024】
先端コロ4は、搬送ベルト3を表面側(搬送面側)から押圧する押圧部材として機能する。先端コロ4は、搬送ベルト3のベルト移動方向Xaにおける記録ヘッド7の上流近傍に、搬送ベルト3を介して搬送ローラ1に押圧するように配設されていて、用紙Pを搬送ベルト3に密着させる。
搬送ガイド板(図示せず)は、搬送ローラ1とテンションローラ2との間であって、搬送ベルト3の内側における記録ヘッド7に対向する位置に配設され、搬送ベルト3を内側からガイドするベルトガイド部材として機能する。分離爪(図示せず)は、ベルト移動方向Xaにおける記録ヘッド7の下流側において、搬送ベルト3を介してテンションローラ2に押圧するように配設され、搬送ベルト3から用紙Pを分離する分離部材として機能する。
【0025】
帯電ローラ8は、搬送ローラ1におけるベルト移動方向Xaの上流側に配置され、搬送ベルト3の表面を帯電させるための帯電手段として機能する。帯電ローラ8は、搬送ベルト3の表層(絶縁層)に接触し、搬送ベルト3の周回移動に従動して回転するように、バネ(圧縮バネ)27によって帯電ローラ8の軸の両端に加圧力を付与されている。帯電ローラ8は、後述する図3等に示す帯電ユニット20の一構成部品である。
【0026】
帯電ローラ8に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が図示しない電圧印加手段により印加され、搬送ベルト3が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向Xaに、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト3上に用紙Pが給送されると、用紙Pが搬送ベルト3に静電的に吸着され、搬送ベルト3の周回移動によって用紙Pが副走査方向Xaに搬送される。
【0027】
そこで、キャリッジ6を移動させながら画像信号に応じて、図示しない制御手段の制御の下に記録ヘッド7を駆動することにより、停止している用紙Pにインク滴を吐出して1行分を記録し、搬送ベルト3により用紙Pを所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号または用紙Pの後端が記録ヘッド7の記録領域を抜け出た信号を、図示しない制御手段が受けることにより、記録動作を終了する。
【0028】
搬送部51における搬送ベルト3のシート搬送方向の下流直後には、上記図示しない分離爪によって搬送ベルト3から分離された用紙Pを搬送するための、搬送ベルト3の直後で記録ヘッド7の下流側に位置するローラ対を有している。このローラ対は、断面星型の拍車ローラ17と、この拍車ローラ17に対向当接した第2搬送ローラ9とからなる。
搬送ベルト3の直後で記録ヘッド7の下流側に位置するローラ対の拍車ローラ17は、記録ヘッド7の下流側において、用紙Pの記録ヘッド7側の面に係合するものであるが、用紙Pが通常の普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ、封筒等の厚紙に記録を行う場合においては、用紙Pの送りを単に補助するものであり、拍車ローラ17と第2搬送ローラ9との間に用紙Pが噛んでいること、すなわち拍車ローラ17が用紙Pに係合していることによって用紙表面と記録ヘッド7とのギャップを定めるものではない。
【0029】
さらに、記録ヘッド7で画像形成・記録された用紙Pを排紙するための排紙部として、第2搬送ローラ9および拍車ローラ17によって搬送されてきた用紙Pを、排紙反転部53に送り込む排出手段および再給送手段の機能を持つ2組の排紙ローラ対10,11を備えている。この2組の排紙ローラ対10,11は、断面星型の拍車ローラ11と、この拍車ローラ11に対向当接した排紙ローラ10とからなる。この排紙ローラ対10,11のシート搬送方向下流には、排紙ローラ対10,11によって送られてきた用紙Pを案内する図示しない排紙ガイド部材と、排出される用紙Pを積載する排紙トレイ14とが配設されている。
【0030】
次に両面印刷に係る構成について説明する。
排紙ローラ10および拍車ローラ11は、片面印刷済みの用紙Pの先端および後端を反転させるスイッチバック動作可能に、共に時計回り、反時計回りの両方向に回転可能に図示しない駆動手段によって駆動されるように構成されている。すなわち、排紙ローラ10および拍車ローラ11は、搬送ベルト3の対向面3aを通過した片面印刷済みの用紙Pをスイッチバックさせて、再度、画像形成部50の記録ヘッド7側へ給送する再給送手段として機能する。
【0031】
排紙反転部53の共通搬送路56と両面搬送路57との分岐部には、スイッチバック用の、支軸を中心として揺動可能な分岐部材としての分岐爪(図示せず)が配設されている。上記したとおり、再給送手段は、排紙ローラ対10,11、両面搬送路57および分岐爪(図示せず)から主に構成されている。
記録ヘッド7と対向・対峙しない側の搬送ベルト3の反対向面3b側には、片面印刷済みの用紙Pを反対向面3bにガイドするガイド部材の機能を果たす、開閉カバー15のガイドリブ15bが配置される。
【0032】
ガイドリブ15bの図において下端側および反転路19の入口近傍には、搬送ベルト3を介して搬送ローラ1に押圧するように配設された押圧部材としての両面加圧コロ16と、搬送ベルト3を介して搬送ローラ1に押圧するように配設された分離部材としての分離爪(図示せず)とが配置されている。両面加圧コロ16は、開閉カバー15に回転可能に支持されている。
【0033】
図1に基づいて、本実施形態のインクジェット記録装置100の動作を説明する。先ず、片面(例えば用紙Pの第1の面である用紙表面)印刷時の動作を説明する。図示しない電源スイッチがオン・投入され、使用者による操作部(図示せず)の各種キー操作(印刷枚数や拡大・縮小等のキー操作)が終了すると、インクジェット記録装置100の動作を制御する図示しない制御手段からの制御指令により、給紙部52が画像形成部50および搬送部51と同期して起動可能状態になる。すなわち、給紙ローラ18および分離パッド(図示せず)の協働作用により、底板13上の最上面の用紙Pが1枚に分離されて給送され、給紙搬送路55により案内されつつ搬送部51の先端コロ4と搬送ベルト3との間に送り込まれる。
【0034】
この時、上記図示しない副走査モータにより搬送ローラ1が回転駆動されることによって、搬送ベルト3は副走査方向(ベルト移動方向)Xaに周回移動している。この際、帯電ローラ8は、搬送ベルト3の表層に接触し、搬送ベルト3の回動に従動して回転しており、図示しない電圧印加手段による帯電ローラ8への交番する電圧印加を介して、帯電ローラ8がプラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電される。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト3上に用紙Pが給送され、用紙Pが搬送ベルト3の対向面3aに静電的に吸着され、搬送ベルト3の周回移動によって用紙Pが副走査方向Xaに搬送される。この際、用紙Pの搬送は記録ヘッド7における印字位置で一旦停止する。
【0035】
次いで、キャリッジ6が主走査方向(図1中紙面に直交する紙面手前および奥側)に移動するように駆動されるとともに、画像信号に応じて記録ヘッド7が駆動されることにより、停止している用紙Pにインク滴を吐出して1行分を印字記録し、搬送ベルト3上に保持された用紙Pの所定量搬送後、次の行の印字記録が行われる。
そして、再びの搬送ローラ1の回転駆動を介して搬送ベルト3によって用紙Pが搬送され、この際、分離爪(図示せず)を介して搬送ベルト3から分離された片面印刷済みの用紙P(以下、単に「用紙P」ともいう)は拍車ローラ17と第2搬送ローラ9とにより排紙反転部53に送り込まれ、図示しない排紙ガイド部材によって案内されつつ、さらにシート搬送方向Xaの下流側に搬送される。
【0036】
搬送される用紙Pは、排紙ローラ対10,11が例えば正転駆動されるによってシート排出方向Xbの下流側に搬送される。記録終了信号または用紙Pの後端が記録ヘッド7の記録領域を抜け出た信号を、上記図示しない制御手段が受けることにより、記録動作を終了して、用紙Pは排紙トレイ14に排紙・積載される。
【0037】
次に両面印刷時の動作について説明する。
片面印刷が上述した通りの動作で行われた後、片面印刷済みの用紙Pの先端が排紙ローラ対10,11のニップ部へ導かれて、片面印刷済みの用紙Pの後端が排紙反転部53の分岐部を通過すると、これが図示しないセンサにより検知されることで、排紙ローラ10と拍車ローラ11とが例えば逆転駆動されることによって反転開始し、片面印刷済みの用紙Pの先端と後端とが逆になるスイッチバック動作が行われる。この際、分岐部に配設されている分岐爪(図示せず)により、片面印刷済みの用紙Pの搬送経路は両面搬送路57側に切り換えられている。
次いで、スイッチバック動作を検知する図示しないセンサにより、スイッチバックされた片面印刷済みの用紙Pの先端(スイッチバック前は用紙Pの後端)が検知されると、片面印刷済みの用紙Pの先端が両面搬送路57の図において下方に搬送される。
【0038】
次いで、片面印刷済みの用紙Pは両面搬送路57を経由して、搬送ベルト3における記録ヘッド7と対向しない反対向面3bに吸着させながら搬送される。搬送ベルト3の反対向面3bに吸着されながら搬送されてきた片面印刷済みの用紙Pは、両面加圧コロ16によって搬送ベルト3を介して搬送ローラ1に押圧されつつ搬送され、分離爪(図示せず)によって搬送ベルト3から分離される。分離された片面印刷済みの用紙Pは、さらに反転路19に案内されつつ先端コロ4を通って搬送ベルト3によって記録ヘッド7との対向部に再度搬送される。この際、上述したと同様にして搬送ベルト3の対向面3aに吸着されて記録ヘッド7の印字領域に吸着搬送される。
ここで、帯電ローラ8は、反転時、反転路19の内側に設置されているため、片面印刷済みの用紙Pは常に新規に帯電された状態の搬送ベルト3上に吸着されることとなる。以降の動作は片面印刷時の動作より当業者であれば容易に理解し実施できるため、これ以上の詳細な動作説明を省略する。
【0039】
インクジェット記録装置100は、両面搬送路でもある両面搬送路57および反転路19にてジャムした用紙Pを取り除くための開閉体ないし開閉部材としての開閉カバー15を有している。開閉カバー15は、揺動支点としての支点軸15aを中心として揺動・開閉可能であり、図1に示すように装置本体に対して閉じた閉位置と、図2に示すように装置本体から開放された開位置との間で揺動開閉自在に構成されている。
開閉カバー15の一部は、後述するように反転路19の内側のガイド部材の一部機能も担っており、反転路19にてジャムした用紙Pも取り除けるようになっている。
【0040】
図1および図2の参考例によれば、両面印刷可能な画像形成装置であるインクジェット記録装置100において、片面印刷済みの用紙Pを再給送・反転する際に、記録ヘッド7と対向しない搬送ベルト3の反対向面3bに再給送し案内するように再給送手段(排紙ローラ対10,11、両面搬送路57、分岐爪(図示せず))を構成しているので、従来同タイプの画像形成装置と同様に装置の小型化を図れるとともにコストアップを抑えることができる。
【0041】
ここで、開閉カバー15を開けて帯電ローラ8の交換を行うときの問題点を補説する。図1および図2に示すインクジェット記録装置100は、図において右側が装置本体の前面(もしくは正面)であり、装置本体(もしくはマシン)サイズを最小限に抑えつつフロントオペレーション(装置本体前面からのすべてのジャム処理、メンテナンス部品交換、給紙トレイ12の挿脱・用紙補給等)を行える構成を有している。
【0042】
本参考例のインクジェット記録装置100は、フロントオペレーションを達成しつつ、マシンサイズとともに部品点数を最小限に抑えるために、両図に示したように、キャリッジ6に搭載された記録ヘッド7を主走査方向に走査しながらインクを略水平に吐出して画像を形成する搬送経路にて構成される。
このように、給紙トレイ12の前面からのアクセスと共に、用紙Pの印字面側を下向きに排紙する裏面排紙(フェイスダウン)を実現している。
【0043】
同時に、片面画像形成済みの残りの裏面に画像を形成するために表裏反転する両面搬送路(再給紙路)57についても、ジャム時の装置本体前面からの操作達成のため、マシンサイズを最小限に抑えつつさらに部品点数を最小限に抑えるために、両面搬送路57は搬送ベルト3を離れた用紙Pを一度排紙反転部53でスイッチバックさせ、キャリッジ6と対向しない反対側の搬送ベルト3の反対向面3bに再吸着させて搬送する構成としている。
【0044】
一方、帯電装置を構成する帯電ローラ8については、搬送ベルト3上側、さらに再給送経路中に配置する方法があるが、高電圧が掛かるため、ユーザ接触の問題や印字面の帯電効率の点から印字部(画像形成部)に近い搬送ベルト3下方に近接した配置としている。
このような帯電ローラ8の配置は次の理由から設定している。すなわち、帯電ローラ8を搬送ベルト3上側に配置すると、搬送ベルト3を開放するためユーザ接触の問題や、第2搬送ローラ9などがあり、マシンサイズに影響するためレイアウトできないからである。また、再給送経路中に配置すると、搬送ベルト3と帯電ローラ8間を用紙Pが搬送されることから、対向面3aで用紙Pの吸着力が低下することもあり、帯電効率が低下することもあるからである。
【0045】
さらに、上述したように、交換の必要性のある帯電ローラ8を交換しようと開閉カバー15を開いても、手を入れて帯電ユニット20を引き出すほどのスペースがない、という問題点がある。帯電ユニット20を交換するスペースが確保できないのは、帯電ユニット20の上部には搬送ローラ1が位置しており、下部には両面印刷時の反転路19が配置されているとともに、給紙トレイ12が位置しているためである。
【0046】
また、スペースを確保しようとすればマシンサイズ(コストアップ)が大きくなるという問題点もある。反転路19を大きくすることによって帯電ユニット20の交換をし易くすることはできるが、給紙トレイ12の位置にも影響しマシンサイズが大きくなってしまう。また、操作性向上のため、開閉カバー15の開位置状態でも給紙トレイ12を引き出せるようにしているため、開閉カバー15の支点軸15aが交換する帯電ユニット20と給紙トレイ12との間に位置しており、支点軸15aを下げるとマシンサイズが大きくなってしまうからである。なお、帯電ローラ8はインク汚れなどが発生するため、そのメンテナンス性の向上が重要視されている。
上述した諸問題を解決するために、本発明の実施形態では、以下に説明する特有の構成を採用している。
【0047】
(第1の実施形態)
図3〜図6を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。まず、図3を参照して、第1の実施形態の開閉カバーおよび帯電ユニットの構成について説明する。図3は、第1の実施形態の帯電ユニットおよび反転路周りの要部構成を説明する図である。
第1の実施形態は、図1および図2に示した参考例のインクジェット記録装置100と比較して、帯電ローラ8およびバネ27に代えて、図3に示す帯電ユニット20を備えている点、および図4、図5に示す新設されたユニット連動移動手段としてのスライダクランク機構を備えている点が主に相違する。この相違点以外の第1の実施形態のインクジェット記録装置は、図1および図2に示した参考例のインクジェット記録装置100と同様である。
【0048】
開閉カバー15は、迂回経路19および両面搬送路(再給紙路)57の外側に設けられ、支点軸15aを中心に揺動し、少なくとも帯電ローラ8、迂回経路19および両面搬送路57を含む装置本体の内部を覆う図4(a)に示す閉位置と、該内部を開放する図4(b)に示す開位置との間で揺動開閉可能に構成されている。開閉カバー15が開位置を占めたとき、開放された両面搬送路57および反転路19にてジャムした用紙Pを取り除けるようになっている。また、開閉カバー15を開いた状態において、帯電ローラ8は着脱かつ交換可能な、図3等に示す帯電ユニット20を構成しており、帯電ローラ8を交換する際には開閉カバー15の方向から帯電ローラ8を取り替え可能な構造となっている。帯電ユニット20の交換方法およびその細部構成については後述する。
また、開閉カバー15は、開閉カバー15を開いた状態でも給紙トレイ12を挿脱することができるよう、支点軸15aが給紙トレイ12の上側近傍に配置されている。支点軸15aは、装置本体に揺動可能に支持されている。
【0049】
図1〜図3を参照して、開閉カバーを開いて帯電ローラを着脱・交換するための帯電ユニットの構成および交換方法を説明する。
帯電ユニット20は、帯電ローラ8と、帯電ローラ8の後述する軸受部を支持する支持部(図示せず)等を備えたユニット筺体26と、帯電ローラ8の軸8aの両端部を回転可能に支持する各軸受(図示せず)を介して、帯電ローラ8を搬送ローラ1に圧接する向きに付勢する付勢手段としてのバネ(圧縮バネ)27とを有している。
【0050】
ユニット筺体26には、挿脱するときに用いる取っ手(図示せず)、バネ(圧縮バネ)27の一端が係止されているとともに、反転路19の内側のガイドを形成するガイド面26aを備えている。
帯電ユニット20は、装置本体に装着されている場合には図3中破線で簡略的に示す装着位置を占めており、帯電ローラ8を交換(以下、単に「交換」ともいう)する場合には帯電ユニット20ごと太矢印方向(開閉カバー15の開方向と同じ)にスライド移動して交換可能となる離脱位置を占めるようになっている。
【0051】
帯電ユニット20は、ガイド面26aを備えたユニット筺体26を有することで、反転路19の内側のガイドの一部も担っており、同じく反転路19の外側のガイドの一部を担っているガイド面15cを備えた開閉カバー15が開くことによって交換可能となる。また、帯電ユニット20は、両面搬送路57より搬送された用紙Pを帯電ローラ8に至る直前で搬送ベルト3から引き離すための、図示していない分離機構も搭載している。さらに、帯電ユニット20は、図示しない除電シートやクリーニング装置などの搭載も可能となっている。
【0052】
図4〜図6を参照して、帯電ユニットを交換するためのユニット連動移動手段としてのスライダクランク機構について説明する。図4(a)は、開閉カバーの閉位置状態における帯電ユニットおよびスライダクランク機構の状態を説明する図、図4(b)は、開閉カバーの開位置状態における帯電ユニットおよびスライダクランク機構の状態を説明する図、図5(a)は、同図では省略されている開閉カバーの閉位置状態における帯電ユニットおよびスライダクランク機構の動作状態を説明する図、図5(b)は、同開閉カバーの開位置状態における帯電ユニットおよびスライダクランク機構の動作状態を説明する図である。図6は、帯電ユニットおよびスライダクランク機構の要部の分解斜視図である。なお、図5(a)、図5(b)、図6では、図の簡明化のため搬送ベルト、帯電ローラおよび開閉カバー等は省略されている。図5(a)、図5(b)の内ガイド部材24は、図6の同部材24のS5−S5の平断面を示している。
【0053】
図4〜図6に示すように、符号37は、スライダクランク機構を示す。スライダクランク機構37は、開閉カバー15の閉位置から開位置への揺動開動作に連動して、帯電ユニット20を反転路19の外側にスライド移動させ、開閉カバー15が開位置を占めたとき、帯電ユニット20をして装置本体から離脱可能となる離脱位置に移動させるユニット連動移動手段として機能する。
スライダクランク機構37は、反転路19におけるシート幅方向Yの両端部に配設されており、スライダガイド部材21と、リンク部35とを備えている。スライダガイド部材21は、反転路19におけるシート幅方向Yの両端部近傍の装置本体側にそれぞれ固設されている。スライダガイド部材21には、リンク部35のスライダ28をスライド移動可能に係合・嵌合させるための有底長孔状の溝21aが形成されている。帯電ユニット20は、溝21aの長さ分だけ図中両矢印で示すA方向にスライド移動可能になっている。
【0054】
リンク部35は、図6に示すように、段付きピン31,32を介して、開閉カバー15におけるシート幅方向Y両端部のガイドリブ15bの各外壁面に取り付け・固定された固定リンク30と、この固定リンク30のピン31側に一端部が揺動可能に連結されたリンク29と、このリンク29の他端部に一体的に設けられた丸棒状のスライダ28とを有する。
固定リンク30は、上記スライダクランク機構のクランクの機能を担っている。段付きピン31,32は、開閉カバー15におけるシート幅方向Y両端部のガイドリブ15bの各外壁面に取り付け・固定されている。なお、段付きピン31,32は、段付きネジでもよい。
【0055】
一方、図6に示すように、帯電ユニット20のユニット筺体26におけるシート幅方向Y両端部の図における右手前側には、リンク部35のスライダ28と選択的に係合する、直方体状に開口したスライダ係合部26bが形成され、ユニット筺体26におけるシート幅方向Y両端部の図における左奥側には、スプリング(圧縮バネ)33によって付勢されたボス22がユニット筺体26の底壁面から出没自在に設けられている。また、図5等に示すように、ユニット筺体26底壁のシート幅方向Y両端部の図における上側には、突き当て部23が突出して形成されている。
図6に示すように、内ガイド部材24におけるシート幅方向Y両端部には、ユニット筺体26に設けられたボス22と係合してユニット筺体26をスライド移動可能に案内する第1のボスガイド面24aと、第1のボスガイド面24aに平面視で傾斜して接続され第1のボスガイド面24aよりもシート幅方向Yに拡幅した第2のボスガイド面24bとがそれぞれ形成されている。
【0056】
開閉カバー15の開閉動作に伴うスライダクランク機構37の動作を説明する。
図4(a)に示すように、開閉カバー15が閉位置を占めているとき、リンク29の一端側のスライダ28はスライダガイド部材21の溝21aの左端側に位置しているとともに、対向側のスライダ28がユニット筺体26のスライダ係合部26bに係合していることにより、リンク部35によって帯電ユニット20は装着位置を占める向きに押し付けられていることとなり、帯電ユニット20は装着位置を占めている。このように、開閉カバー15が閉じた状態では帯電ユニット20はスライド移動して交換等できない構成となっている。
【0057】
また、図5(a)に示すように、同図では省略されている開閉カバー15が閉位置を占めているとき、ユニット筺体26の上端から突出した各突き当て部23が内ガイド部材24の内壁面に突き当たるとともに、ユニット筺体26内においてスプリング33によって付勢された各ボス22がガイド部材24の両側の第2のボスガイド面24bに圧接していることにより、帯電ユニット20が開閉カバー15側にスライド移動しないような補助的役割を果たしている。開閉カバー15が閉位置を占めているとき、最終的にはスライダクランク機構37が帯電ユニット20の離脱位置への移動を規制する押し付け手段として機能する。
【0058】
図4(b)に示すように、開閉カバー15が開位置を占める方向への揺動開動作に連動して、リンク29の一端側のスライダ28はスライダガイド部材21の溝21aの右端側にスライド移動して位置するとともに、対向側のスライダ28がユニット筺体26のスライダ係合部26bに係合していることにより、内ガイド部材24の底壁面上を図の右側にスライド移動することで、帯電ユニット20は図の右側にスライド移動して、図中斜めの太矢印方向に引き出し交換可能な離脱位置を占めることとなる(図3、図5(b)参照)。
【0059】
また、図5(b)に示すように、同図では省略されている開閉カバー15が開位置を占めたとき、ユニット筺体26が図の下側にスライド移動することにより、ユニット筺体26の各突き当て部23が内ガイド部材24の内壁面から離れるとともに、ユニット筺体26の各ボス22がガイド部材24の両側の第1のボスガイド面24aに圧接することとなり、また、帯電ユニット20はスライダ係合部26bを介して対向側のスライダ28上に載置された状態となるため、図4(b)に示したように図4(b)中斜めの太矢印方向に引き出すことによって交換可能となる。なお、保守整備やクリーニングを完了した帯電ユニット20あるいは新品の帯電ユニット20の装置本体への装着・セットは、上述した動作と逆の順序、すなわち図4(b)の離脱位置から図4(a)の装着位置への動作となり、当業者であれば上述した内容から容易に理解して実施できるからこれ以上の詳しい説明を省略する。
【0060】
上述したとおり、本実施形態によれば、開閉カバー15の閉位置から開位置への揺動開動作に連動して、帯電ユニット20を反転路19の外側にスライド移動させ、開閉カバー15が開位置を占めたとき、帯電ユニット20をして装置本体から離脱可能となる離脱位置に移動させるユニット連動移動手段としてのスライダクランク機構37を有しているので、開閉カバー15を開いて帯電ユニット20(交換ユニット)を引き出すスペースがなくとも、必要最低限のマシンサイズおよびコストアップで帯電ユニット20を装置本体から離脱させて、帯電ローラ8等の交換や保守整備・クリーニングを実施できる。
【0061】
(第1の実施形態の変形例1)
図7〜図9を参照して、帯電ユニットを交換するためのユニット連動移動手段としてのスライダクランク機構に関する第1の実施形態の変形例1を説明する。図7(a)は、開閉カバーの閉位置状態における帯電ユニットおよびスライダクランク機構の状態を説明する図、図7(b)は、開閉カバーの第1の開位置状態における帯電ユニットおよびスライダクランク機構の状態を説明する図、図7(c)は、開閉カバーの第2の開位置状態における帯電ユニットおよびスライダクランク機構の状態を説明する図である。図8(a)は、同図では省略されている開閉カバーの閉位置状態における帯電ユニットおよびスライダクランク機構の動作状態を説明する図、図8(b)は、同開閉カバーの第1の開位置状態における帯電ユニットおよびスライダクランク機構の動作状態を説明する図、図8(c)は、同開閉カバーの第2の開位置状態における帯電ユニットおよびスライダクランク機構の動作状態を説明する図である。図9は、変形例1における帯電ユニットおよびスライダクランク機構の要部の分解斜視図である。なお、図8(a)、図8(b)、図8(c)の内ガイド部材24は、図9の同部材24のS8−S8の平断面を示している。
【0062】
第1の実施形態の変形例1は、図3〜図6に示した第1の実施形態と比較して、第1の実施形態のユニット筺体26に代えて、図9等に示すユニット筺体26Aを用いる点、開閉カバー15が閉位置と開位置との間で揺動開閉可能な構成に代えて、図7に示すように開閉カバー15が閉位置と第1の開位置P1と第2の開位置との間で揺動開閉可能な構成である点、および第1の実施形態のスライダクランク機構37に代えて、図7〜図9に示すユニット連動移動手段としてのスライダクランク機構37Aを用いる点が主に相違する。この相違点以外の変形例1の構成は、第1の実施形態と同様である。以下、上記相違点の構成を中心に本変形例の構成について説明する。
【0063】
ユニット筺体26Aは、ユニット筺体26に形成されたスライダ係合部26bと比較して、図9に示すように、スライダ係合部26bよりもA方向に長いスライダ係合部26Abを備えている点のみ相違する。この長いスライダ係合部26Abを利用して、図7(a)に示す開閉カバー15が閉位置から図7(b)に示す第1の開位置P1に揺動開動作するときに、帯電ユニット20を反転路19の外側にスライド移動させないようにしている。
【0064】
本変形例の開閉カバー15は、反転路19および両面搬送路57を開放する第1の開位置P1と、帯電ユニット20を装置本体から離脱可能とする第2の開位置P2との間で揺動開閉可能に構成されている。なお、第2の開位置P2は、第1の実施形態の開閉カバー15の開位置と同様の開閉角度であってもよいが、より大きく開放される開閉角度であってもよい。
【0065】
スライダクランク機構37Aは、開閉カバー15の閉位置から第1の開位置P1への揺動開動作に連動して、反転路19の一部および両面搬送路57を開放し、第1の開位置P1から第2の開位置P2への揺動開動作に連動して、帯電ユニット20を反転路19の外側にスライド移動させ、開閉カバー15が第2の開位置P2を占めたとき、帯電ユニット20をして装置本体から離脱可能となる離脱位置に移動させるユニット連動移動手段として機能する。
スライダクランク機構37Aは、第1の実施形態のスライダクランク機構37と比較して、溝21aを備えたスライダガイド部材21に代えて、溝21aよりも図中両矢印で示すA方向に長い溝21Aaを備えたスライダガイド部材21Aである点が相違し、第1の実施形態と同様のリンク部35を備えている。スライダガイド部材21Aは、反転路19におけるシート幅方向Yの両端部近傍の装置本体側にそれぞれ固設されている。
【0066】
スライダガイド部材21Aには、リンク部35のスライダ28をスライド移動可能に係合させるための屈曲した溝21Aaと、スライダ28に所定の摩擦抵抗力を付与して開閉カバー15を一時的に保持するための窪み状の保持部21Abが形成されている。帯電ユニット20は、溝21Aaの長さ分だけA方向にスライド移動可能になっている。スライダ28が保持部21Abに一時的に保持されることにより、開閉カバー15が第1の開位置P1を一時的に占めることが可能となる。
【0067】
開閉カバー15の開閉動作に伴うスライダクランク機構37Aの動作を説明する。
図7(a)に示すように、開閉カバー15が閉位置を占めているとき、リンク29の一端側のスライダ28はスライダガイド部材21Aの溝21Aaの左端側に位置しているとともに、対向側のスライダ28がユニット筺体26のスライダ係合部26Abの左壁面に係合していることにより、リンク部35によって帯電ユニット20は装着位置を占める向きに押し付けられていることとなり、帯電ユニット20は装着位置を占めている。このように、開閉カバー15が閉じた状態では帯電ユニット20はスライド移動して交換等できない構成となっている。
【0068】
また、図8(a)に示すように、同図では省略されている開閉カバー15が閉位置を占めているとき、ユニット筺体26Aの上端から突出した各突き当て部23が内ガイド部材24の内壁面に突き当たるとともに、ユニット筺体26A内においてスプリング33によって付勢された各ボス22がガイド部材24の両側の第2のボスガイド面24bに圧接していることにより、帯電ユニット20が開閉カバー15側にスライド移動しないような補助的役割を果たしている。開閉カバー15が閉位置を占めているとき、最終的にはスライダクランク機構37Aが帯電ユニット20の離脱位置への移動を規制する押し付け手段として機能する。
【0069】
図7(b)に示すように、開閉カバー15が第1の開位置P1を占める方向への揺動開動作に連動して、リンク29の一端側のスライダ28はスライダガイド部材21Aの溝21Aaの右端側にスライド移動し、スライダ28が保持部21Abに嵌合して一時的に保持される。
この際、図8(b)に示すように、対向側のスライダ28はユニット筺体26Aの拡幅した長いスライダ係合部26bに嵌入しているだけでスライダ係合部26bの端部内壁に係合しておらず、帯電ユニット20をスライド移動させるような力の伝達は行われないため、スライダ28のみが溝21Aaおよびスライダ係合部26bの右端側にスライド移動する。それ故に、図8(b)では省略されている開閉カバー15が第1の開位置P1を占めたとき、帯電ユニット20は図8(a)と同じ位置状態にある。
【0070】
開閉カバー15が図7(b)の状態から図7(c)に示すように、開閉カバー15が第1の開位置P1から第2の開位置P2を占める方向へさらに開放されると、この揺動開動作に連動して、リンク29の一端側のスライダ28はスライダガイド部材21の溝21aの最右端側にスライド移動するとともに、対向側のスライダ28がユニット筺体26のスライダ係合部26Abの右内壁に係合することにより、内ガイド部材24の底壁面上を図の右側にスライド移動することで、帯電ユニット20は図の右側にスライド移動して、図中斜めの太矢印方向に引き出し交換可能な離脱位置を占めることとなる(図8(b)〜図8(c)参照)。
【0071】
上述したとおり、本変形例1によれば、開閉カバー15が第2の開位置P2を占めたとき、第1の実施形態と同様の上述した基本的な効果を奏することに加えて、開閉カバー15を第1の開位置P1を占めるまで開いても、高電圧を印加されている帯電ユニット20に触れることがなく、帯電ユニット20との接触が確実に防止されるので、ユーザの安全を確保することができる。
【0072】
(変形例2)
図10を参照して、図7〜図9に示した変形例1の別の変形例2を説明する。図10は、開閉カバーが第1の開位置状態に保持する際の付勢手段について説明する図である。
変形例2は、図7〜図9に示した変形例1と比較して、開閉カバー15が第1の開位置P1を占めているとき、帯電ユニット20が反転路19の外側に移動しない向きにスライダクランク機構37Aのスライダ28を付勢する付勢手段としてのねじりコイルバネ38を備えている点のみ相違する。この相違点以外の変形例2の構成は、変形例1と同様である。以下、上記相違点の構成を中心に本変形例の構成について説明する。
【0073】
ねじりコイルバネ38の一端は、スライダクランク機構37Aのスライダ28に係止され、その他端は装置本体側(図示せず)の不動部材に係止されている。
開閉カバー15が第1の開位置P1を占めている際には、スライダ28は装置本体側に固定されているスライダガイド部材21Aの溝21Aaの中央部分にある窪み状の保持部21Abに嵌合するようになっており、その保持部21Abに嵌合するスライダ28に対して、帯電ユニット20が反転路19の外側に移動しない向きに弾性的に付勢することによって、開閉カバー15およびその図示が省略されている帯電ユニットが移動しないようになる。
付勢手段としては、付勢することができれば、ねじりコイルバネ38に限らず、例えば板バネや引張バネ等あるいは適宜の弾性部材でもよい。
【0074】
上述したとおり、本変形例2によれば、上述した変形例1と同様の効果を奏することに加えて、開閉カバー15が第1の開位置P1を占めた状態で、帯電ユニット20が反転路19の外側に移動しない向きにスライダクランク機構37Aのスライダ28を付勢することにより、開閉カバー15を第1の開位置P1に一時的に確実に保持して両面搬送路57でのジャム処理性を行うことができる。従って、両面搬送路57でのジャム処理性を損なうことなく、帯電ユニット20も交換ないし保守整備・クリーニングできる。
【0075】
以上述べたとおり、本発明を特定の実施形態や変形例等について説明したが、本発明が開示する技術は、上述した実施例を含む実施形態や変形例等に例示されているものに限定されるものではなく、それらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性および用途等に応じて種々の実施形態や変形例あるいは実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
【0076】
本発明に係る画像形成装置は、上記したインクジェット方式のインクジェット記録装置100に限らず、例えば、プリンタ、プロッタ、ワープロ、ファクシミリ、複写機等またはこれら2つ以上の機能を備えた複合機等においてインクジェット記録装置を含む画像形成装置にも適用可能である。また、本発明に係る画像形成装置は、上記参考例におけるシリアル型のインクジェット記録装置100に限らず、例えばライン型のインクジェット記録装置で、シートを吸着搬送する搬送ベルトを用いる画像形成装置等にも準用可能である。
また、シートとしては、用紙Pに限らず、上記したように使用可能な薄紙から厚紙、はがき、封筒、あるいはOHPシート等まで、インクジェット方式で画像形成可能な全てのシートを含むものである。
例えば、本願発明は、上記実施形態や変形例等では本願発明の課題・目的における「交換ユニット」を「帯電ユニット」に限定して説明したが、「帯電ユニット」に代えて、交換すべき適宜の「交換ユニット」をも含む広い技術に適用ないし準用できるものである。
【0077】
上述した実施形態や変形例では、以下の技術構成を採用していた。
請求項1記載の技術構成は、少なくとも2つの回転部材間に掛け回されて周回移動され、シートを搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトと対向して配置され、該搬送ベルトにより搬送されてくるシートに画像を形成する画像形成手段と、前記搬送ベルトを通過した片面画像形成済みのシートをスイッチバックさせて、再度、前記画像形成手段側へ再給送する再給送手段と、前記再給送手段により給送されてきた片面画像形成済みのシートの表裏を反転して、再度、前記画像形成手段と対向する対向側の前記搬送ベルト面へ案内する反転経路とを有する画像形成装置において、前記再給送手段は、片面画像形成済みのシートを前記画像形成手段と対向しない反対向側の前記搬送ベルト面に再給送し案内するよう構成されており、前記反転経路は、片面画像形成済みのシートが前記反対向側の前記搬送ベルト面を通過した後、前記搬送ベルトの移動方向における前記画像形成手段との対向部よりも上流側の前記回転部材に掛け回されている前記搬送ベルトの外側周囲を迂回して前記対向側の前記搬送ベルト面に案内するよう構成されており、前記反転経路の内側と前記上流側の前記回転部材との間に設けられ、前記搬送ベルトを帯電させる帯電手段と、前記反転経路の外側に設けられ、少なくとも前記帯電手段および前記反転経路を含む装置本体の内部を覆う閉位置と該内部を開放する開位置との間で揺動開閉可能な開閉体と、前記帯電手段および前記反転経路の一部を備えて一体化された帯電ユニットと、前記開閉体の前記閉位置から前記開位置への揺動開動作に連動して、前記帯電ユニットを前記反転経路の外側に移動させ、前記開閉体が前記開位置を占めたとき、前記帯電ユニットを前記装置本体から離脱可能となる離脱位置に移動させるユニット連動移動手段とを具備していることを特徴とする。
【0078】
請求項2記載の技術構成は、請求項1記載の画像形成装置において、前記開閉体は、前記再給送手段の経路および前記反転経路を開放する第1の開位置と、前記帯電ユニットを前記装置本体から離脱可能とする第2の開位置とに揺動開閉可能であり、前記帯電ユニットは、前記ユニット連動移動手段によって、前記開閉体の第1の開位置から第2の開位置への揺動閉動作と連動して前記離脱位置に移動されることを特徴とする。
請求項3記載の技術構成は、請求項1または2記載の画像形成装置において、前記開閉体が前記閉位置または第1の開位置を占めているとき、前記帯電ユニットの前記離脱位置への移動を規制する押し付け手段も有することを特徴とする。
請求項4記載の技術構成は、請求項2記載の画像形成装置において、前記開閉体が第1の開位置を占めているとき、前記帯電ユニットが前記反転経路の外側に移動しない向きに前記ユニット連動移動手段を付勢する付勢手段を有することを特徴とする。
【符号の説明】
【0079】
1 搬送ローラ(駆動・回転部材)
2 テンションローラ(従動・回転部材)
3 搬送ベルト
4 先端コロ(搬送手段、搬送補助手段)
5 両面加圧コロ(搬送手段、搬送補助手段)
6 キャリッジ
7 記録ヘッド(画像形成手段)
8 帯電ローラ(帯電手段、帯電ユニットの構成要素)
10 搬送ローラ(再給送手段、排出手段)
11 拍車ローラ(再給送手段、排出手段)
12 給紙トレイ(シート収容手段)
15 開閉カバー(開閉体)
19 反転路(反転経路、迂回経路)
20 帯電ユニット
21,21A スライダガイド部材
21a,21Aa 溝
21Ab 保持部
22 ボス
23 突き当て部
24 内ガイド部材(迂回経路の内側のガイド部材)
25 外ガイド部材(迂回経路の外側のガイド部材)
26 ユニット筺体(帯電ユニットの構成要素)
28 スライダ(ユニット連動移動手段の構成要素)
29 リンク(ユニット連動移動手段の構成要素)
30 固定リンク・クランク
35 リンク部
37,37A スライダクランク機構(ユニット連動移動手段、押し付け手段)
38 ねじりコイルバネ(付勢手段)
50 画像形成部
51 搬送部
52 給紙部
53 排紙反転部
55 給紙搬送路
56 共通搬送路
57 再給紙路、両面搬送路(反転経路、再給送経路)
100 インクジェット記録装置(画像形成装置)
P 用紙(シート、被記録媒体)
Xa 副走査方向(シート搬送方向)
Xb シート排出方向
Y シート幅方向(直交方向)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0080】
【特許文献1】特開2005−242213号公報
【特許文献2】特開2005−195813号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの回転部材間に掛け回されて周回移動され、シートを搬送する搬送ベルトと、
前記搬送ベルトと対向して配置され、該搬送ベルトにより搬送されてくるシートに画像を形成する画像形成手段と、
前記搬送ベルトを通過した片面画像形成済みのシートをスイッチバックさせて、再度、前記画像形成手段側へ再給送する再給送手段と、
前記再給送手段により給送されてきた片面画像形成済みのシートの表裏を反転して、再度、前記画像形成手段と対向する対向側の前記搬送ベルト面へ案内する反転経路と、
を有する画像形成装置において、
前記再給送手段は、片面画像形成済みのシートを前記画像形成手段と対向しない反対向側の前記搬送ベルト面に再給送し案内するよう構成されており、
前記反転経路は、片面画像形成済みのシートが前記反対向側の前記搬送ベルト面を通過した後、前記搬送ベルトの移動方向における前記画像形成手段との対向部よりも上流側の前記回転部材に掛け回されている前記搬送ベルトの外側周囲を迂回して前記対向側の前記搬送ベルト面に案内するよう構成されており、
前記反転経路の内側と前記上流側の前記回転部材との間に設けられ、前記搬送ベルトを帯電させる帯電手段と、
前記反転経路の外側に設けられ、少なくとも前記帯電手段および前記反転経路を含む装置本体の内部を覆う閉位置と該内部を開放する開位置との間で揺動開閉可能な開閉体と、
前記帯電手段および前記反転経路の一部を備えて一体化された帯電ユニットと、
前記開閉体の前記閉位置から前記開位置への揺動開動作に連動して、前記帯電ユニットを前記反転経路の外側に移動させ、前記開閉体が前記開位置を占めたとき、前記帯電ユニットを前記装置本体から離脱可能となる離脱位置に移動させるユニット連動移動手段と、
を具備していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記開閉体は、前記再給送手段の経路および前記反転経路を開放する第1の開位置と、前記帯電ユニットを前記装置本体から離脱可能とする第2の開位置とに揺動開閉可能であり、
前記帯電ユニットは、前記ユニット連動移動手段によって、前記開閉体の第1の開位置から第2の開位置への揺動閉動作と連動して前記離脱位置に移動されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記開閉体が前記閉位置または第1の開位置を占めているとき、前記帯電ユニットの前記離脱位置への移動を規制する押し付け手段を有することを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記開閉体が第1の開位置を占めているとき、前記帯電ユニットが前記反転経路の外側に移動しない向きに前記ユニット連動移動手段を付勢する付勢手段を有することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−245648(P2012−245648A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117348(P2011−117348)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】