画像形成装置
【課題】像保持体に付着するトナーの外添剤に起因する像保持体上の局部的な感度低下を改善し、像保持体上の局部的な感度低下に伴う帯電特性変化に基づく画像不良を防止する。
【解決手段】トナーの外添剤付着に起因する像保持体1の一部の感度低下を回復させる感度回復装置7として、像保持体1を複数回空回転させるように駆動させる像保持体駆動装置8と、像保持体1と清掃装置5の板状清掃部材5aとの対向部位よりも像保持体1の回転方向上流側に設けられ、転写装置4の直流電圧と同極性の回復電圧による回復電界と、当該回復電圧とは逆極性の逆極性回復電圧による回復電界とが像保持体1の異なる部位にて作用する回復電界作用装置9と、像保持体1と清掃装置5の板状清掃部材5aとの対向部よりも像保持体1の回転方向下流側に設けられ、像保持体1上に作用した回復電界による帯電電位を除去する除電装置10とを有する。
【解決手段】トナーの外添剤付着に起因する像保持体1の一部の感度低下を回復させる感度回復装置7として、像保持体1を複数回空回転させるように駆動させる像保持体駆動装置8と、像保持体1と清掃装置5の板状清掃部材5aとの対向部位よりも像保持体1の回転方向上流側に設けられ、転写装置4の直流電圧と同極性の回復電圧による回復電界と、当該回復電圧とは逆極性の逆極性回復電圧による回復電界とが像保持体1の異なる部位にて作用する回復電界作用装置9と、像保持体1と清掃装置5の板状清掃部材5aとの対向部よりも像保持体1の回転方向下流側に設けられ、像保持体1上に作用した回復電界による帯電電位を除去する除電装置10とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の画像形成装置としては、例えば特許文献1〜7に記載のものが既に知られている。
特許文献1は、感光体への無駄な現像剤付着を極力抑えるために、感光体の回転開始時に、帯電装置の動作を開始させた後、帯電装置の動作を開始させた時点から現像装置の現像位置まで移動するのに要する時間が経過した後に現像装置のスリーブの回転駆動を開始するほか、感光体の回転停止時に現像位置に位置していた部分が転写位置を通過する期間に、トナーの帯電極性と同極性の電圧を転写ローラに印加する技術である。
特許文献2は、電圧制御手段により記録材料への転写開始前に少なくとも潜像担持体の1周に亘って転写電圧を印加し、記録材料への転写開始前に予め潜像担持体の帯電電位を低下させておき、記録材料への転写が開始された後に再帯電した場合でも急激に帯電電位が低下することなく、潜像担持体の周回毎の濃度ムラを抑える技術である。
特許文献3は、転写手段の付着トナーを像担持体へ移動させるように転写手段の転写電圧と逆極性のバイアス、同極性のバイアスを印加する手段を有し、この手段は、逆極性のバイアスと同極性のバイアスの一方を画像形成動作開始時に転写手段に印加し、他方を画像形成動作終了時に転写手段に印加する技術である。
特許文献4は、ハーフトーン画像の印刷において白スジを発生させることを防止するために、カラープリンタ装置内に湿度センサを配設し、装置内の湿度を測定し、湿度によって各転写部における転写電圧の印加タイミングを設定する技術である。
特許文献5は、画像形成動作の開始前に、転写高圧電源の定電流電源部から転写ローラに定電流バイアスと、負定電圧電源部から転写ローラに定電流バイアスとは逆極性の定電圧バイアスとを交互に印加して、定電流バイアスを印加しているときの発生電圧を電圧検出回路にて検出する。制御装置は、この検出結果に基づいて、画像形成時に転写高圧電源の正定電圧電源部から転写ローラに印加する電圧値を決定する技術である。
特許文献6は、転写時に電圧印加手段から接触転写部材に所望の電流を流すために、転写動作開始前において、電圧印加手段から接触転写部材に所定の電圧を印加して出力電流を制御手段で検出し、所望の出力電流になるようにさらに印加する電圧を変化させて、検出される電圧の値が所望の電圧値より大きいと判断した場合は、転写材の搬送方向先端が転写ニップ部に入って転写材の搬送方向後端から所定距離内側が転写ニップ部を通過するまでは、第1の電圧を電圧印加手段から接触転写部材に印加させ、転写材の搬送方向後端から所定距離内側が転写ニップ部を通過してから、その後端側が転写ニップ部を通過する際には、第1の電圧より大きい値の第2の電圧を電圧印加手段から接触転写部材に印加させるように電圧印加手段を制御する技術である。
特許文献7は、トナー像の転写を最適転写バイアスで行い、しかも、画像形成について生産性の低下を防止するために、多回転工程中に、トナー像を最適に転写するための転写バイアスと転写電流との関係を求めておき、画像形成工程中には、その関係を補正するようにした技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06−083176号公報(実施例,図1)
【特許文献2】特開2000−162889号公報(発明の実施の形態,図9)
【特許文献3】特開2000−250327号公報(発明の実施の形態,図1)
【特許文献4】特開2002−196596号公報(発明の実施の形態,図1)
【特許文献5】特開2002−214938号公報(発明の実施の形態,図1)
【特許文献6】特開2002−296931号公報(発明の実施の形態,図1)
【特許文献7】特開2004−252011号公報(発明の実施の形態,図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明が解決しようとする技術的課題は、像保持体に付着するトナーの外添剤に起因する像保持体上の局部的な感度低下を改善し、像保持体上の局部的な感度低下に伴う帯電特性変化に基づく画像不良を防止する画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、トナー像を保持して回転する像保持体と、この像保持体上に静電潜像を形成する潜像形成装置と、前記像保持体上に形成された静電潜像をトナーにて可視像化する現像装置と、像保持体との間に予め決められた極性の直流電圧が含まれる転写電界を作用させ、この転写電界にて像保持体上に形成されたトナー像を転写媒体に静電転写する転写装置と、像保持体に接触する板状清掃部材を有し、この板状清掃部材にて転写装置による転写後に像保持体上に残留する残留トナーを清掃する清掃装置と、像保持体が停止した後の停止時間が予め決められた時間以上経過したか否かを判別する停止時間判別装置と、この停止時間判別装置により像保持体の停止時間が予め決められた時間以上経過した条件で、画像形成過程とは別の過程として、トナーの外添剤付着に起因する像保持体の一部の感度低下を回復させる感度回復装置とを備え、前記感度回復装置は、前記像保持体を複数回空回転させるように駆動させる像保持体駆動装置と、像保持体と清掃装置の板状清掃部材との対向部位よりも像保持体の回転方向上流側に設けられ、転写装置の直流電圧と同極性の回復電圧による回復電界と、当該回復電圧とは逆極性の逆極性回復電圧による回復電界とが像保持体の異なる部位にて作用する回復電界作用装置と、前記像保持体と清掃装置の板状清掃部材との対向部よりも像保持体の回転方向下流側に設けられ、像保持体上に作用した回復電界による帯電電位を除去する除電装置とを有することを特徴とする画像形成装置である。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る画像形成装置において、像保持体のうちトナーの外添剤の付着に起因する感度が低下する部分は、像保持体の回転方向に沿って現像装置から清掃装置に至る領域で且つ転写装置による転写領域を挟む前後の領域であることを特徴とする画像形成装置である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る画像形成装置において、感度回復装置の除電装置は除電用の光が照射可能な除電光源を有するものであることを特徴とする画像形成装置である。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれかに係る画像形成装置において、前記感度回復装置の回復電界作用装置は、転写電界の直流電圧と同極性の回復電圧による回復電界を生成する第1の回復電界生成装置と、この第1の回復電界生成装置の回復電圧とは逆極性の逆極性回復電圧による回復電界を生成する第2の回復電界生成装置とを有することを特徴とする画像形成装置である。
請求項5に係る発明は、請求項4に係る画像形成装置において、像保持体の周囲のうち像保持体の回転方向に沿って転写装置から清掃装置に至るまでの間に設けられ、像保持体上に残留したトナーの極性を揃える極性調整装置を備え、前記感度回復装置の回復電界作用装置は、第1の回復電界生成装置として転写装置を用いて転写電界の直流電圧と同極性の回復電圧による回復電界を作用させると共に、前記第2の回復電界生成装置として極性調整装置を用いて前記転写装置による回復電圧とは逆極性の逆極性回復電圧による回復電界を作用させるものであることを特徴とする画像形成装置である。
【0007】
請求項6に係る発明は、請求項4に係る画像形成装置において、前記潜像形成装置は、像保持体を帯電する帯電装置と、帯電された像保持体に静電潜像を書込潜像書込装置とを有し、前記感度回復装置の回復電界作用装置は、第1の回復電界生成装置として転写装置を用いて転写電界の直流電圧と同極性の回復電圧による回復電界を作用させると共に、前記第2の回復電界生成装置として前記帯電装置を用いて前記転写装置による回復電圧とは逆極性の逆極性回復電圧による回復電界を作用させるものであることを特徴とする画像形成装置である。
請求項7に係る発明は、請求項4ないし6いずれかに係る画像形成装置において、前記転写装置は、画像形成過程で用いられる直流電圧が含まれる転写電界と、前記転写電界の直流電圧と同極性で且つ前記直流電圧よりも絶対値で大きい回復電圧が含まれる回復電界とを切り替えて作用させるものであり、前記感度回復装置の回復電界作用装置は、第1の回復電界生成装置として転写装置を用い、画像形成過程で用いられる転写電界の直流電圧と同極性で且つ当該直流電圧よりも絶対値で大きい回復電圧による回復電界を作用させるものであることを特徴とする画像形成装置である。
請求項8に係る発明は、請求項4ないし6いずれかに係る画像形成装置において、前記転写装置は、画像形成過程で用いられる直流電圧が含まれる転写電界と、前記転写電界の直流電圧と同極性で且つ前記直流電圧よりも絶対値で大きい一若しくは複数の回復電圧が含まれる回復電界とを切り替えて作用させるものであり、前記感度回復装置の回復電界作用装置は、第1の回復電界生成装置として転写装置を用い、画像形成過程で用いられる転写電界の直流電圧と同極性で且つ当該直流電圧よりも絶対値で大きい一若しくは複数の回復電圧による回復電界を作用させ、作用時間設定器にて回復電界の大きさが大きい程回復電界の作用時間を短くするように設定するものであることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、像保持体に付着するトナーの外添剤に起因する像保持体上の局部的な感度低下を改善し、像保持体上の局部的な感度低下に伴う帯電特性変化に基づく画像不良を防止することができる。
請求項2に係る発明によれば、像保持体に付着するトナーの外添剤に起因する像保持体上の転写装置による転写領域前後の局部的な感度低下を改善し、像保持体上の局部的な感度低下に伴う帯電特性変化に基づく画像不良を防止することができる。
請求項3に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べ、像保持体の劣化を少なく抑えながら、トナーの外添剤付着に起因する像保持体の一部の感度低下を防止することができる。
請求項4に係る発明によれば、感度回復装置の回復電界作用装置として、極性の異なる回復電界を確実に生成することができる。
請求項5に係る発明によれば、既存の転写装置と極性調整装置とを利用し、像保持体の感度回復に当たっての極性の異なる回復電界を簡単に生成することができる。
請求項6に係る発明によれば、既存の転写装置と帯電装置とを利用し、像保持体の感度回復に当たっての極性の異なる回復電界を簡単に生成することができる。
請求項7に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、像保持体に対して強い回復電界を作用させることができ、その分、像保持体の感度回復処理を短時間で実施することができる。
請求項8に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、像保持体に対して強い回復電界を短時間にて作用させることができ、その分、像保持体の劣化を少なく抑え、かつ、像保持体の感度回復処理を短時間で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明が適用された画像形成装置の実施の形態の概要を示す説明図である。
【図2】(a)は図1の画像形成装置の実施の形態の代表的態様による感度回復処理例を示す説明図、(b)は図1の画像形成装置の実施の形態の別の代表的態様による感度回復処理例を示す説明図である。
【図3】実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【図4】実施の形態1で用いられる各色成分の画像形成部の構成例を示す説明図である。
【図5】実施の形態1に係る画像形成装置の制御系を模式的に示す説明図である。
【図6】実施の形態1で用いられる感光体感度回復処理を示すフローチャートである。
【図7】図6に示す「白帯回復シーケンス実施」の処理過程を示すフローチャートである。
【図8】(a)は実施の形態1で用いられる画像形成装置による感光体感度回復処理を模式的に示す説明図、(b)は感光体感度回復処理に伴う作用を示す説明図である。
【図9】実施の形態2に係る画像形成装置及びその制御系を模式的に示す説明図である。
【図10】実施の形態2で用いられる感光体感度回復処理中の「白帯回復シーケンス実施」の処理過程を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態3に係る画像形成装置による感光体感度回復処理を模式的に示す説明図である。
【図12】実施の形態3で用いられる感光体感度回復処理中の「白帯回復シーケンス実施」の処理過程を示すフローチャートである。
【図13】実施例1〜3における白帯回復シーケンス実施時間と白帯グレードとの関係を示すグラフ図である。
【図14】実施例1及び実施例4に係る画像形成装置による感光体感度回復処理の結果を示す説明図である。
【図15】(a)は実施例4に係る画像形成装置について白帯回復シーケンスを実施する条件を変化させたときの感光体の奥側に位置する表面電位変化を示す説明図、(b)は(a)と同様に実施例4に係る画像形成装置について白帯回復シーケンスを実施する条件を変化させたときの感光体の中央に位置する表面電位変化を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
◎実施の形態の概要
先ず、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態の概要を図1に基づいて説明する。
同図において、画像形成装置は、トナー像を保持して回転する像保持体1と、この像保持体1上に静電潜像を形成する潜像形成装置2と、前記像保持体1上に形成された静電潜像をトナーにて可視像化する現像装置3と、像保持体1との間に予め決められた極性の直流電圧が含まれる転写電界を作用させ、この転写電界にて像保持体1上に形成されたトナー像を転写媒体12に静電転写する転写装置4と、像保持体1に接触する板状清掃部材5aを有し、この板状清掃部材5aにて転写装置4による転写後に像保持体1上に残留する残留トナーを清掃する清掃装置5と、像保持体1が停止した後の停止時間が予め決められた時間以上経過したか否かを判別する停止時間判別装置6と、この停止時間判別装置6により像保持体1の停止時間が予め決められた時間以上経過した条件で、画像形成過程とは別の過程として、トナーの外添剤付着に起因する像保持体1の一部の感度低下を回復させる感度回復装置7とを備えている。
本実施の形態では、前記感度回復装置7は、前記像保持体1を複数回空回転させるように駆動させる像保持体駆動装置8と、像保持体1と清掃装置5の板状清掃部材5aとの対向部位よりも像保持体1の回転方向上流側に設けられ、転写装置4の直流電圧と同極性の回復電圧による回復電界と、当該回復電圧とは逆極性の逆極性回復電圧による回復電界とが像保持体1の異なる部位にて作用する回復電界作用装置9と、前記像保持体1と清掃装置5の板状清掃部材5aとの対向部よりも像保持体1の回転方向下流側に設けられ、像保持体1上に作用した回復電界による帯電電位を除去する除電装置10とを有するものである。
【0011】
このような技術的手段において、像保持体1としては、像保持体1が停止した後に停止時間が予め決められた時間を経過したときに、トナーの外添剤Tgの付着に起因して感度が低下する機能を有するものであれば、感光体、誘電体を問わない。
また、潜像形成装置2としては、像保持体1上に静電潜像を形成するものを広く含むが、代表的には像保持体1を帯電する帯電装置2aと、帯電された像保持体1に光若しくはイオンによる静電潜像を書き込む潜像書込装置2bとを有するものが挙げられる。
更に、転写装置4としては、像保持体1上のトナー像を転写媒体12に静電転写させるために、予め決められた極性の直流電圧が含まれる転写電界を作用させる転写部材(放電ワイヤ、転写ロール)を有するものであればよい。
ここで、転写媒体12とは最終記録媒体である記録材に限られず、記録材に転写する前に一時的に保持する中間転写体をも含む。
更にまた、清掃装置5としては、残留トナー掻き取り用の板状清掃部材5aを少なくとも有するものであればよく、他の清掃部材(例えばブラシやロール状の回転清掃部材5b)を含む態様でもよい。
また、停止時間判別装置6としては、像保持体1が予め決められた時間以上停止したか否かを判別するものであるが、‘予め決められた時間’としては、トナーの外添剤Tg付着に起因して停止状態の像保持体1の一部が外気の影響を受けて感度が低下する懸念がある時間を設定するようにすればよい。
また、感度回復装置7としては、像保持体駆動装置8にて像保持体1を複数回空回転させ、回復電界作用装置9にて電気的な振動を与えてトナーの外添剤Tgの付着力を弱め、板状清掃部材5aにて前記トナーの外添剤Tgを掻き取り可能とし、更に、電気的な振動による帯電電位を除去する構成要素として除電装置10を備えていればよい。
【0012】
次に、本実施の形態の代表的態様若しくは好ましい態様について説明する。
像保持体1のうち感度が低下する部分の代表的態様としては、像保持体1の回転方向に沿って現像装置3から清掃装置5に至る領域で且つ転写装置4による転写領域を挟む前後の領域が挙げられる。
例えば潜像形成装置2としての帯電装置2aの上方や現像装置3の上方には、像保持体1の周囲に像保持体1停止時にも、像保持体1の周囲に空気流が存在する空気流生成要素(例えば帯電装置2aには放電酸化物が放電ワイヤ等の放電部材に付着しないように帯電容器内に均一な空気流を流す構成が採用されることがある)を備える態様がある。このような態様では、像保持体1の周囲に空気流が存在する箇所ではあまり問題にならないが、上述したような空気流が存在しない箇所、例えば像保持体1の回転方向に沿って現像装置3から清掃装置5に至る領域で且つ転写装置4による転写領域を挟む前後の領域では、像保持体1の停止状態が比較的長く続くと、像保持体1上に残留したトナーの外添剤Tgが滞留状態の外気に晒されると、外気の湿気を吸湿して像保持体1の表面にトナーの外添剤Tgが強く付着し易いという現象が起こる。
また、感度回復装置7の除電装置10の代表的態様としては、除電用の光が照射可能な除電光源を有するものが挙げられる。除電装置10としては、交流電界を使用する態様でもよいが、像保持体1の劣化を少なく抑えるという観点からすれば、光除電方式の方が好ましい。
【0013】
また、回復電界作用装置9の代表的態様としては、転写電界の直流電圧と同極性の回復電圧による回復電界を生成する第1の回復電界生成装置と、この第1の回復電界生成装置の回復電圧とは逆極性の逆極性回復電圧による回復電界を生成する第2の回復電界生成装置とを有する態様が挙げられる。本態様は、夫々の極性の回復電界を生成するために、第1の回復電界生成装置、第2の回復電界生成装置を具備させたものである。
このような態様において、既存の装置要素を利用した代表的態様としては、図2(a)に示すように、第1の回復電界生成装置として転写装置4を用いて転写電界の直流電圧と同極性の回復電圧(本例では(+))による回復電界を作用させると共に、前記第2の回復電界生成装置として極性調整装置11を用いて前記転写装置4による回復電圧とは逆極性の逆極性回復電圧(本例では(−))による回復電界を作用させるものである。
このため、像保持体1上のトナーの外添剤Tgにはこれらの回復電界により電気的な振動が与えられるため、像保持体1上のトナーの外添剤Tgは板状清掃部材5aにて清掃され、像保持体1上の帯電電位は除電装置10にて除電される。
ここで、極性調整装置11は、像保持体1の周囲のうち像保持体1の回転方向に沿って転写装置4から清掃装置5に至るまでの間に設けられ、像保持体1上に残留したトナーの極性を揃えるものである。
例えば清掃装置5として、板状清掃部材5aや、板状清掃部材5aに加えて付加した回転清掃部材5bに予め決められた極性の清掃電圧を印加し、像保持体1上の残留トナーを静電的に回収する方式が採用されることがある。極性調整装置11は、このような静電的に回収することを可能にするために、清掃装置5に搬送される前に残留トナーの極性を揃えるようにしたものである。
特に、転写装置4と極性調整装置11とを利用した態様では、現像装置3による現像部位通過直後で転写装置4による転写部位に至るまでの間に位置する像保持体1上に付着したトナーの外添剤Tgに対し、極性の異なる回復電界を直ちに作用させることができ、その分、像保持体1の感度回復処理時間を短縮することができる点で好ましい。
【0014】
また、回復電界作用装置9として、既存の装置要素を利用した他の代表的態様としては、図2(b)に示すように、第1の回復電界生成装置として転写装置4を用いて転写電界の直流電圧と同極性の回復電圧(本例では(+))による回復電界を作用させると共に、前記第2の回復電界生成装置として前記帯電装置2aを用いて前記転写装置による回復電圧とは逆極性の逆極性回復電圧(本例では(−))による回復電界を作用させるものが挙げられる。
このため、像保持体1上のトナーの外添剤Tgにはこれらの回復電界により電気的な振動が与えられるため、像保持体1上のトナーの外添剤Tgは板状清掃部材5aにて清掃され、像保持体1上の帯電電位は除電装置10にて除電される。
【0015】
また、感度回復装置7の回復電界作用装置9の好ましい態様としては以下の態様がある。
つまり、前記転写装置4は、画像形成過程で用いられる直流電圧が含まれる転写電界と、前記転写電界の直流電圧と同極性で且つ前記直流電圧よりも絶対値で大きい回復電圧が含まれる回復電界とを切り替えて作用させるものであり、前記感度回復装置7の回復電界作用装置9は、第1の回復電界生成装置として転写装置4を用い、画像形成過程で用いられる転写電界の直流電圧と同極性で且つ当該直流電圧よりも絶対値で大きい回復電圧による回復電界を作用させるものがある。
本態様は、第1の回復電界生成装置としての転写装置4につき、転写電界の直流電圧と回復電界の回復電圧とをレベルを切り替えて使用する態様である。
更に、回復電界作用装置9のより好ましい態様としては以下の態様がある。
つまり、前記転写装置4は、画像形成過程で用いられる直流電圧が含まれる転写電界と、前記転写電界の直流電圧と同極性で且つ前記直流電圧よりも絶対値で大きい一若しくは複数の回復電圧が含まれる回復電界とを切り替えて作用させるものであり、前記感度回復装置7の回復電界作用装置9は、第1の回復電界生成装置として転写装置4を用い、画像形成過程で用いられる転写電界の直流電圧と同極性で且つ当該直流電圧よりも絶対値で大きい一若しくは複数の回復電圧による回復電界を作用させ、作用時間設定器にて回復電界の大きさが大きい程回復電界の作用時間を短くするように設定するものである。
本態様は、転写装置4による回復電圧のレベルを転写電圧に比べて一若しくは複数切り替え可能とし、回復電圧の大きさに応じて回復電界の作用時間を変更設定する。これにより、像保持体1に対する帯電処理に伴う劣化を効果的に抑える点で好ましい。
【0016】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
<画像形成装置の全体構成>
図3は本発明が適用された実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
同図において、画像形成装置20は、図示外の装置筐体内に電子写真方式の作像エンジン22を搭載し、この作像エンジン22の下方には用紙供給装置23を設け、この用紙供給装置23から供給される用紙を用紙搬送路24を経て作像エンジン22に導き、作像エンジン22にて作成された画像を用紙Sに転写した後に定着装置25にて定着し、例えば装置筐体の側方に設けられた図示外の用紙排出受けに排出するようにしたものである。
また、用紙搬送路24は、用紙供給装置23から供給される用紙Sを作像エンジン22に導き、定着装置25を経て用紙排出受けに搬送するものであり、用紙搬送路24中には適宜数の搬送ロール244や搬送ベルト245等の搬送部材が設置されている。
【0017】
<作像エンジン>
また、本実施の形態において、作像エンジン22は、図3及び図4に示すように、各色成分(例えばイエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))の画像が形成可能な複数の画像形成部30(具体的には30a〜30d)を有し、この画像形成部30にて形成された粉体としてのトナーによる像をベルト状の中間転写体40を介して用紙Sに転写し、定着装置25にて用紙Sに対しトナー像を定着するものである。
本例では、各画像形成部30は、像保持体としての感光体31と、この感光体31を帯電する帯電装置32と、この帯電装置32にて帯電された感光体31に対し光にて潜像を書き込むレーザ走査装置等の露光装置33(具体的には33a〜33d)と、感光体31上に書き込まれた潜像を対応する色トナー(本例では負極性)にて現像する現像装置34と、感光体31上に残留する残留トナーを清掃する清掃装置35と、感光体31と清掃装置35との対向部よりも感光体31の回転方向上流側に設けられ且つ感光体31上の残留トナーの極性を負極性に揃える清掃前帯電装置36と、感光体31と清掃装置35との対向部よりも感光体31の回転方向上流側に設けられ且つ感光体31の帯電電位を除去する除電装置37とを備えている。
【0018】
ここで、各構成要素について補足すると、帯電装置32は感光体31に向かって開口し且つ感光体31の軸方向に沿って長尺に延びる帯電容器320を有し、この帯電容器320内に放電ワイヤ321を設けると共に、帯電容器320の感光体31側開口には感光体31の帯電電位を規制するグリッド電極322を設け、更に、前記帯電容器320の一部に空気導入口323を開設することで帯電容器320内の長手方向に沿って空気流を流し、放電ワイヤ321やグリッド電極322に放電生成物が付着することを防止する構成になっている。
また、現像装置34は、各色成分トナー及びキャリアからなる二成分現像剤が収容されて感光体31に向かって開口する現像容器340を有し、この現像容器340の開口に面した部位には現像剤を保持搬送する現像ロール341を有し、現像容器340の現像ロール341の背面側にはトナーを摩擦帯電するために現像剤を撹拌搬送する一対の撹拌搬送部材342,343を配設し、更に、現像ロール341の周囲には現像ロール341に保持される現像剤層厚を規制する層厚規制部材344を設けたものである。そして、本例で使用するトナーには帯電補助剤やその他の外添剤が添加されており、現像装置34による現像動作に当たって感光体31上にトナーから剥がれた外添剤が付着することは起こり得ることである。尚、図中符号345は感光体31上に転移したキャリアや浮遊トナーを回収する回収ロールである。
更に、清掃装置35は、感光体31に対向して開口し且つ残留トナーを回収する清掃容器350を有し、この清掃容器350の開口上縁には例えばポリウレタンゴム等の弾性材からなる清掃ブレード351を設けると共に、清掃ブレード351よりも感光体31の回転方向上流側には予め決められた清掃電圧(本例では正極性バイアス)が印加されるブラシ状又はロール状の回転清掃部材352を設け、更に、清掃容器350の開口下縁には感光体31に接触するシール部材353を設けたものである。そして、本例では、清掃容器350の回転清掃部材352の下方には感光体31の軸方向に沿って延びる搬送部材354(たとえば回転軸部材の周囲に螺旋羽根を設けた態様)を設け、前記回転清掃部材352に付着した残留トナーを掻き落とし部材としてのフリッカ355にて掻き落とし、前記搬送部材354にて清掃容器350の一端側に向けて廃棄搬送するようにしたものである。
更にまた、清掃前帯電装置36は、図4及び図5に示すように、帯電容器360内に放電ワイヤ361を設け、この放電ワイヤ361に帯電バイアス362(本例では負極性バイアス)を切り替えスイッチ363を介して印加するものである。
また、除電装置37としては、感光体31表面に光を照射することで除電する除電ランプが用いられる。
【0019】
一方、ベルト状の中間転写体40は複数の張架ロール41〜45を用いて張架され、例えば張架ロール41を駆動ロールとして循環回転するようになっている。そして、この中間転写体40は、各画像形成部30の感光体31に対向する裏面に一次転写装置51を有している。この一次転写装置51は、図5に示すように、転写部材として例えば一次転写ロール510を有しており、この一次転写ロール510には転写バイアス(本例では正極性バイアス)511がスイッチ512を介して印加されるようになっている。
また、用紙搬送路24に対応した部位には二次転写装置52を有している。この二次転写装置52は例えば中間転写体40の表面に二次転写ロール53を接触配置すると共に、この二次転写ロール53に対向する中間転写体40の裏面に位置する張架ロール44を対向ロール(バックアップロール)54とし、二次転写ロール53及び対向ロール54の一方に二次転写バイアスを印加すると共に他方を接地するようにしたものである。
更に、中間転写体40の例えば張架ロール41に対向する部位には清掃装置55が設けられている。
【0020】
<画像形成装置の制御系>
本実施の形態において、画像形成装置の制御系を図5に示す。
同図において、符号100は画像形成装置を制御する制御装置であり、この制御装置100は、感光体31の駆動モータ101、帯電装置32の放電ワイヤ321、グリッド電極322、露光装置33、現像装置34の現像ロール341等、一次転写装置51の転写ロール510、清掃前帯電装置36の放電ワイヤ361、清掃装置35の回転清掃部材352等に所定の制御信号を送出し、予め決められた作像プログラムに沿って各構成要素を制御し、各色の画像形成部30による各色トナー像に基づく画像を形成するものである。
特に、本実施の形態では、感光体31が停止し、その停止時間が比較的長いと、図4に示すように、例えば一次転写装置51の転写領域Mを挟んだ前後の領域mでは、空気流が生成されずに外気が滞留した状態で感光体31に触れているとすれば、感光体31上に付着したトナーの外添剤が外気の湿気を吸収し、感光体31上に更に強固に付着するというケースが生ずる。このような状況が発生した場合には、感光体31の感度が一次転写装置51の転写領域Mを挟んだ前後の領域mで局部的に低下することになり、このような状況のまま感光体31上に例えばハーフトーンのトナー像を形成したとすると、感度の低下した感光体31部分に対応して形成されるハーフトーンのトナー像に白帯状の画像むらが生ずる虞がある。
このため、本実施の形態では、制御装置100は、図6及び図7に示す感光体感度回復処理プログラムを実行することで、感光体31の感度低下を回復する感度回復処理を実施するようになっている。尚、本例では、感光体感度回復処理を実施する場合には、予め白帯回復シーケンスSW(スイッチ)をON設定するようになっている。
【0021】
<感光体感度回復処理>
本実施の形態における感光体感度回復処理は、図6及び図7に示すプログラムに従って実施される。
先ず、制御装置100は、白帯回復シーケンスSW(スイッチ)がON設定されているか否かをチェックし、当該スイッチがON設定されている場合には感光体31の停止時間Tsをモニタし、モニタした停止時間Tsが予め決められた閾値Tthを超えるか否かをチェックし、感光体31の停止時間Tsが閾値Tthを超えた場合には、‘白帯回復シーケンス’を実施する。一方、感光体31の停止時間Tsが閾値Tth以内であれば‘白帯回復シーケンス’を未実施にする。
次に、本例で採用される‘白帯回復シーケンス’の具体例を図7に示す。
同図において、先ず、感光体31を複数回空回転駆動させ、この空回転中に、一次転写装置51にて感光体31を正帯電(+帯電)すると共に、清掃前帯電装置36にて感光体31を負帯電(−帯電)し、清掃ブレード351による清掃、更には、除電装置37としての除電ランプによる感光体31の帯電電位を除去する。そして、白帯回復シーケンス時間を経過するまで、上述した単位サイクルを繰り返す。
尚、本例では、‘白帯回復シーケンス’のとき、清掃装置35の回転清掃部材352や搬送部材354は駆動されていない。
【0022】
この‘白帯回復シーケンス’は、図8(a)に示すように、一次転写装置51によるA(正帯電)、清掃前帯電装置36によるB(負帯電)を行うことで、感光体31のトナーの外添剤Tgには電気的な振動が付与され、これによって、感光体31上のトナーの外添剤Tgの付着力が低減する。このため、図8(a)のCで示すように、清掃装置35の清掃ブレード351によって付着力の弱まったトナーの外添剤Tgは清掃ブレード351に掻き取られ易くなる。この後、図8(a)のDで示すように、感光体31の帯電電位は除電装置37によって除去され、リフレッシュされる。
このような処理が繰り返し行われると、図8(b)に示すように、感光体31上に付着したトナーの外添剤Tgの付着力が順次弱まっていき、次第に清掃ブレード351に掻き取られていく。そして、感光体31の空回転が最終回(n回)近くに至った場合には感光体31上に付着していたトナーの外添剤Tgはほとんど清掃ブレード351によって掻き取られることになり、感光体31上の一次転写装置51の転写領域Mの前後に形成されていた感度低下部分m(図4参照)の感度ULは感度の低下していない他の部分の感度Uと略同等まで回復する。これによって、感光体31上の局部的な感度低下部分は回復することになり、この段階で作像プログラムを実行するようにすれば、仮にハーフトーンのトナー像を形成したとしても、感光体31の局部的な感度低下に伴う白帯は発生せず、ハーフトーンのトナー像としては画像不良のない良好なものとして提供される。
また、本実施の形態では、感光体31の局部的な感度低下部分は一次転写装置51の転写領域の前後に生じ易い状況であるが、本例では、一次転写装置51と清掃前帯電装置36とを利用して正負の回復電界を作用させているので、感光体31を空回転させた場合に、トナーの外添剤が付着し易い場所に対して直ちに正負の回復電界を作用させることが可能になり、その分、感光体31の感度回復処理についての処理時間は短縮される上で有効である。
【0023】
◎実施の形態2
図9は実施の形態2に係る画像形成装置の全体構成を示す。
同図において、画像形成装置の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なり、一次転写装置51の転写ロール510への転写バイアス513を変更可能にしたものであり、作像シーケンスでは予め決められた転写バイアスを印加する一方、感光体感度回復処理の‘白帯回復シーケンス’では前記作像シーケンスの転写バイアスよりもバイアスレベルが高い回復バイアスを印加するようにしたものである。
つまり、本例では、制御装置100は、実施の形態1と同様に、図6の感光体感度回復処理プログラムを実行し、図10に示すように、‘白帯回復シーケンス’として、感光体31を複数回空回転駆動させ、この空回転中に、一次転写装置51の転写電流Itよりも大きい感度回復用電流Ir(具体的には感度回復用バイアスとして転写バイアスよりも大きい値を選定)を選定し、この一次転写装置51にて感光体31を正帯電(+帯電)すると共に、感度回復用電流Irに応じて白帯回復シーケンス時間を変更設定する。具体的には、感度回復用電流Irを転写電流Itと同じに設定したときの白帯回復シーケンス時間t1に比べて、転写電流Itより大きい感度回復用電流Irを選定した場合には、前記白帯回復シーケンス時間t1よりも短い時間t2を設定するようにすればよい。仮に、感度回復用電流Irが複数レベルに選定される場合には、当該感度回復用電流Irが大きくなるに従って白帯回復シーケンス時間を短く設定すればよい。
更に、清掃前帯電装置36にて感光体31を負帯電(−帯電)し、清掃ブレード351による清掃、更には、除電装置37としての除電ランプによる感光体31の帯電電位を除去する。そして、白帯回復シーケンス時間を経過するまで、上述した単位サイクルを繰り返す。
本実施の形態では、一次転写装置51による感度回復用電流Irは実施の形態1に比べて転写電流Itよりも大きい値に選定されているが、実施の形態1に比べて、白帯回復シーケンス時間が短く設定されているため、感光体31の感度回復処理に伴う感光体31の劣化は少なく抑えられると共に、感光体31の感度回復処理に要する時間は実施の形態1の場合よりも短縮される。
【0024】
◎実施の形態3
図11は実施の形態3に係る画像形成装置を示す説明図である。
同図において、感光体31の感度回復処理は、帯電装置32、一次転写装置51、清掃ブレード351、除電装置37を利用して行われる。
具体的には、感光体31の感度回復処理の‘白帯回復シーケンス’は、図6及び図12に示すように、先ず、感光体31を複数回空回転駆動させ、この空回転中に、帯電装置32にて感光体31を負帯電(−帯電)すると共に、一次転写装置51にて感光体31を正帯電(+帯電)し、清掃ブレード351による清掃、更には、除電装置37としての除電ランプによる感光体31の帯電電位を除去する。そして、白帯回復シーケンス時間を経過するまで、上述した単位サイクルを繰り返す。
尚、本例では、‘白帯回復シーケンス’のとき、清掃装置35の回転清掃部材352や搬送部材354は駆動されていない。
このように、本例の‘白帯回復シーケンス’は、図11に示すように、帯電装置32
によるA(負帯電)、一次転写装置51によるB(正帯電)を行うことで、感光体31のトナーの外添剤Tgには電気的な振動が付与され、これによって、感光体31上のトナーの外添剤Tgの付着力が低減する。このため、図11のCで示すように、清掃装置35の清掃ブレード351によって付着力の弱まったトナーの外添剤Tgは清掃ブレード351に掻き取られ易くなる。この後、図11のDで示すように、感光体31の帯電電位は除電装置37によって除去され、リフレッシュされる。
【実施例】
【0025】
◎実施例1
実施の形態1に係る画像形成装置を用い、一次転写装置51の感度回復用電流として転写電流と同様の30μAを使用した。
◎実施例2
実施の形態2に係る画像形成装置を用い、一次転写装置51の感度回復用電流として転写電流より大きい40μAを使用した。
◎実施例3
実施の形態2に係る画像形成装置を用い、一次転写装置51の感度回復用電流として転写電流より大きい50μAを使用した。
◎実施例4
実施の形態2に係る画像形成装置を用い、一次転写装置51の感度回復用電流として転写電流より大きい55μA(又は56μA)を使用した。
【0026】
−白帯回復シーケンスによる白帯グレードの変化−
実施例1〜3について、‘白帯回復シーケンス’の実施時間に対する白帯グレードの変化を調べたところ、図13に示す結果が得られた。ここで、白帯グレードとはハーフトーンのトナー像に対し目視での白帯の有無を評価したものであり、‘3’よりも小さくなれば白帯は目視ではあまり目立たないものになる基準を選定した。
同図によれば、実施例2,3では‘白帯回復シーケンス’の開始から60秒経過した場合に、白帯グレードが0に至ったのに対し、実施例1では‘白帯回復シーケンス’の開始から150秒経過した場合に白帯グレードが0に至った。これは、一次転写装置51による感度回復用電流として大きい値を選定した場合には早期に感光体の感度が回復することが理解される。
【0027】
−感光体の感度の回復度合−
実施例1及び実施例4について、光量を固定した状態での露光後の感光体の表面電位VLの変化を調べたところ、図14に示す結果が得られた。
同図によれば、実施例1では、‘白帯回復シーケンス’を120秒行ったところ、VLは295.5Vから288.7Vまで変化し、感光体31の感度が回復していることが理解される。
これに対し、実施例4では、‘白帯回復シーケンス’を30秒、150秒行ったところ、VLは293.9Vから288.3V、更には281.5Vまで変化し、実施例1に比べて、感光体31の感度の回復度合がより良好であることが理解される。
【0028】
−用紙の使用に伴う感光体の感度変化−
今、実施例4について、最初に感光体の感度回復処理を行い、その後に、所定枚数の用紙に対して作像処理を行った場合の感光体の感度の変化を調べたところ、図15(a)(b)に示す結果が得られた。
ここで、図15(a)は光量を固定した状態での露光後の感光体の表面電位測定箇所として奥側位置を選定し、実施例4の‘白帯回復シーケンス’として、30秒一次転写装置による正帯電(1stBTR55μA)のケース(実施例4−1)と、150秒一次転写装置による正帯電(1stBTR56μA)のケース(実施例4−2)とを行い、更に、比較例として、‘白帯回復シーケンス’を実施しないケースを示す。
一方、図15(b)は光量を固定した状態での露光後の感光体の表面電位測定箇所として中央位置を選定し、実施例4の‘白帯回復シーケンス’として2つのケース(実施例4−1,4−2)及び比較例として、‘白帯回復シーケンス’を実施しないケースを示す。
これらによれば、実施例4−1の場合、当初の感光体のVLが290.6V、294.1Vであったのに対し、最初に感光体の感度回復処理を行うと、284.3V、288.4Vになり、その後、用紙に対して作像処理を行うと、VLはPV(用紙枚数:Paper Volume)が増加するにつれて徐々に変化し、PV500枚後に12時間停止すると、最初の感度まで戻る。
同様に、実施例4−2の場合、当初の感光体のVLが289.5V、294.1Vであったのに対し、最初に感光体の感度回復処理を行うと、276.9V、281.5Vになり、その後、用紙に対して作像処理を行うと、VLはPV(用紙枚数:Paper Volume)が増加するにつれて徐々に変化していき、PV500枚後に12時間停止すると、最初の感度まで戻る。
尚、比較例の場合には、当初の感光体のVLが294.6V、299Vであったとき、VLはPV(用紙枚数:Paper Volume)が増加するにつれて最初のVLところから徐々に変化していくことが理解される。
【符号の説明】
【0029】
1…像保持体,2…潜像形成装置,2a…帯電装置,2b…潜像書込装置,3…現像装置,4…転写装置,5…清掃装置,5a…板状清掃部材,5b…回転清掃部材,6…停止
時間判別装置,7…感度回復装置,8…像保持体駆動装置,9…回復電界作用装置,10…除電装置,11…極性調整装置,12…転写媒体,Tg…トナーの外添剤
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来この種の画像形成装置としては、例えば特許文献1〜7に記載のものが既に知られている。
特許文献1は、感光体への無駄な現像剤付着を極力抑えるために、感光体の回転開始時に、帯電装置の動作を開始させた後、帯電装置の動作を開始させた時点から現像装置の現像位置まで移動するのに要する時間が経過した後に現像装置のスリーブの回転駆動を開始するほか、感光体の回転停止時に現像位置に位置していた部分が転写位置を通過する期間に、トナーの帯電極性と同極性の電圧を転写ローラに印加する技術である。
特許文献2は、電圧制御手段により記録材料への転写開始前に少なくとも潜像担持体の1周に亘って転写電圧を印加し、記録材料への転写開始前に予め潜像担持体の帯電電位を低下させておき、記録材料への転写が開始された後に再帯電した場合でも急激に帯電電位が低下することなく、潜像担持体の周回毎の濃度ムラを抑える技術である。
特許文献3は、転写手段の付着トナーを像担持体へ移動させるように転写手段の転写電圧と逆極性のバイアス、同極性のバイアスを印加する手段を有し、この手段は、逆極性のバイアスと同極性のバイアスの一方を画像形成動作開始時に転写手段に印加し、他方を画像形成動作終了時に転写手段に印加する技術である。
特許文献4は、ハーフトーン画像の印刷において白スジを発生させることを防止するために、カラープリンタ装置内に湿度センサを配設し、装置内の湿度を測定し、湿度によって各転写部における転写電圧の印加タイミングを設定する技術である。
特許文献5は、画像形成動作の開始前に、転写高圧電源の定電流電源部から転写ローラに定電流バイアスと、負定電圧電源部から転写ローラに定電流バイアスとは逆極性の定電圧バイアスとを交互に印加して、定電流バイアスを印加しているときの発生電圧を電圧検出回路にて検出する。制御装置は、この検出結果に基づいて、画像形成時に転写高圧電源の正定電圧電源部から転写ローラに印加する電圧値を決定する技術である。
特許文献6は、転写時に電圧印加手段から接触転写部材に所望の電流を流すために、転写動作開始前において、電圧印加手段から接触転写部材に所定の電圧を印加して出力電流を制御手段で検出し、所望の出力電流になるようにさらに印加する電圧を変化させて、検出される電圧の値が所望の電圧値より大きいと判断した場合は、転写材の搬送方向先端が転写ニップ部に入って転写材の搬送方向後端から所定距離内側が転写ニップ部を通過するまでは、第1の電圧を電圧印加手段から接触転写部材に印加させ、転写材の搬送方向後端から所定距離内側が転写ニップ部を通過してから、その後端側が転写ニップ部を通過する際には、第1の電圧より大きい値の第2の電圧を電圧印加手段から接触転写部材に印加させるように電圧印加手段を制御する技術である。
特許文献7は、トナー像の転写を最適転写バイアスで行い、しかも、画像形成について生産性の低下を防止するために、多回転工程中に、トナー像を最適に転写するための転写バイアスと転写電流との関係を求めておき、画像形成工程中には、その関係を補正するようにした技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06−083176号公報(実施例,図1)
【特許文献2】特開2000−162889号公報(発明の実施の形態,図9)
【特許文献3】特開2000−250327号公報(発明の実施の形態,図1)
【特許文献4】特開2002−196596号公報(発明の実施の形態,図1)
【特許文献5】特開2002−214938号公報(発明の実施の形態,図1)
【特許文献6】特開2002−296931号公報(発明の実施の形態,図1)
【特許文献7】特開2004−252011号公報(発明の実施の形態,図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明が解決しようとする技術的課題は、像保持体に付着するトナーの外添剤に起因する像保持体上の局部的な感度低下を改善し、像保持体上の局部的な感度低下に伴う帯電特性変化に基づく画像不良を防止する画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、トナー像を保持して回転する像保持体と、この像保持体上に静電潜像を形成する潜像形成装置と、前記像保持体上に形成された静電潜像をトナーにて可視像化する現像装置と、像保持体との間に予め決められた極性の直流電圧が含まれる転写電界を作用させ、この転写電界にて像保持体上に形成されたトナー像を転写媒体に静電転写する転写装置と、像保持体に接触する板状清掃部材を有し、この板状清掃部材にて転写装置による転写後に像保持体上に残留する残留トナーを清掃する清掃装置と、像保持体が停止した後の停止時間が予め決められた時間以上経過したか否かを判別する停止時間判別装置と、この停止時間判別装置により像保持体の停止時間が予め決められた時間以上経過した条件で、画像形成過程とは別の過程として、トナーの外添剤付着に起因する像保持体の一部の感度低下を回復させる感度回復装置とを備え、前記感度回復装置は、前記像保持体を複数回空回転させるように駆動させる像保持体駆動装置と、像保持体と清掃装置の板状清掃部材との対向部位よりも像保持体の回転方向上流側に設けられ、転写装置の直流電圧と同極性の回復電圧による回復電界と、当該回復電圧とは逆極性の逆極性回復電圧による回復電界とが像保持体の異なる部位にて作用する回復電界作用装置と、前記像保持体と清掃装置の板状清掃部材との対向部よりも像保持体の回転方向下流側に設けられ、像保持体上に作用した回復電界による帯電電位を除去する除電装置とを有することを特徴とする画像形成装置である。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る画像形成装置において、像保持体のうちトナーの外添剤の付着に起因する感度が低下する部分は、像保持体の回転方向に沿って現像装置から清掃装置に至る領域で且つ転写装置による転写領域を挟む前後の領域であることを特徴とする画像形成装置である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る画像形成装置において、感度回復装置の除電装置は除電用の光が照射可能な除電光源を有するものであることを特徴とする画像形成装置である。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれかに係る画像形成装置において、前記感度回復装置の回復電界作用装置は、転写電界の直流電圧と同極性の回復電圧による回復電界を生成する第1の回復電界生成装置と、この第1の回復電界生成装置の回復電圧とは逆極性の逆極性回復電圧による回復電界を生成する第2の回復電界生成装置とを有することを特徴とする画像形成装置である。
請求項5に係る発明は、請求項4に係る画像形成装置において、像保持体の周囲のうち像保持体の回転方向に沿って転写装置から清掃装置に至るまでの間に設けられ、像保持体上に残留したトナーの極性を揃える極性調整装置を備え、前記感度回復装置の回復電界作用装置は、第1の回復電界生成装置として転写装置を用いて転写電界の直流電圧と同極性の回復電圧による回復電界を作用させると共に、前記第2の回復電界生成装置として極性調整装置を用いて前記転写装置による回復電圧とは逆極性の逆極性回復電圧による回復電界を作用させるものであることを特徴とする画像形成装置である。
【0007】
請求項6に係る発明は、請求項4に係る画像形成装置において、前記潜像形成装置は、像保持体を帯電する帯電装置と、帯電された像保持体に静電潜像を書込潜像書込装置とを有し、前記感度回復装置の回復電界作用装置は、第1の回復電界生成装置として転写装置を用いて転写電界の直流電圧と同極性の回復電圧による回復電界を作用させると共に、前記第2の回復電界生成装置として前記帯電装置を用いて前記転写装置による回復電圧とは逆極性の逆極性回復電圧による回復電界を作用させるものであることを特徴とする画像形成装置である。
請求項7に係る発明は、請求項4ないし6いずれかに係る画像形成装置において、前記転写装置は、画像形成過程で用いられる直流電圧が含まれる転写電界と、前記転写電界の直流電圧と同極性で且つ前記直流電圧よりも絶対値で大きい回復電圧が含まれる回復電界とを切り替えて作用させるものであり、前記感度回復装置の回復電界作用装置は、第1の回復電界生成装置として転写装置を用い、画像形成過程で用いられる転写電界の直流電圧と同極性で且つ当該直流電圧よりも絶対値で大きい回復電圧による回復電界を作用させるものであることを特徴とする画像形成装置である。
請求項8に係る発明は、請求項4ないし6いずれかに係る画像形成装置において、前記転写装置は、画像形成過程で用いられる直流電圧が含まれる転写電界と、前記転写電界の直流電圧と同極性で且つ前記直流電圧よりも絶対値で大きい一若しくは複数の回復電圧が含まれる回復電界とを切り替えて作用させるものであり、前記感度回復装置の回復電界作用装置は、第1の回復電界生成装置として転写装置を用い、画像形成過程で用いられる転写電界の直流電圧と同極性で且つ当該直流電圧よりも絶対値で大きい一若しくは複数の回復電圧による回復電界を作用させ、作用時間設定器にて回復電界の大きさが大きい程回復電界の作用時間を短くするように設定するものであることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、像保持体に付着するトナーの外添剤に起因する像保持体上の局部的な感度低下を改善し、像保持体上の局部的な感度低下に伴う帯電特性変化に基づく画像不良を防止することができる。
請求項2に係る発明によれば、像保持体に付着するトナーの外添剤に起因する像保持体上の転写装置による転写領域前後の局部的な感度低下を改善し、像保持体上の局部的な感度低下に伴う帯電特性変化に基づく画像不良を防止することができる。
請求項3に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べ、像保持体の劣化を少なく抑えながら、トナーの外添剤付着に起因する像保持体の一部の感度低下を防止することができる。
請求項4に係る発明によれば、感度回復装置の回復電界作用装置として、極性の異なる回復電界を確実に生成することができる。
請求項5に係る発明によれば、既存の転写装置と極性調整装置とを利用し、像保持体の感度回復に当たっての極性の異なる回復電界を簡単に生成することができる。
請求項6に係る発明によれば、既存の転写装置と帯電装置とを利用し、像保持体の感度回復に当たっての極性の異なる回復電界を簡単に生成することができる。
請求項7に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、像保持体に対して強い回復電界を作用させることができ、その分、像保持体の感度回復処理を短時間で実施することができる。
請求項8に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、像保持体に対して強い回復電界を短時間にて作用させることができ、その分、像保持体の劣化を少なく抑え、かつ、像保持体の感度回復処理を短時間で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明が適用された画像形成装置の実施の形態の概要を示す説明図である。
【図2】(a)は図1の画像形成装置の実施の形態の代表的態様による感度回復処理例を示す説明図、(b)は図1の画像形成装置の実施の形態の別の代表的態様による感度回復処理例を示す説明図である。
【図3】実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【図4】実施の形態1で用いられる各色成分の画像形成部の構成例を示す説明図である。
【図5】実施の形態1に係る画像形成装置の制御系を模式的に示す説明図である。
【図6】実施の形態1で用いられる感光体感度回復処理を示すフローチャートである。
【図7】図6に示す「白帯回復シーケンス実施」の処理過程を示すフローチャートである。
【図8】(a)は実施の形態1で用いられる画像形成装置による感光体感度回復処理を模式的に示す説明図、(b)は感光体感度回復処理に伴う作用を示す説明図である。
【図9】実施の形態2に係る画像形成装置及びその制御系を模式的に示す説明図である。
【図10】実施の形態2で用いられる感光体感度回復処理中の「白帯回復シーケンス実施」の処理過程を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態3に係る画像形成装置による感光体感度回復処理を模式的に示す説明図である。
【図12】実施の形態3で用いられる感光体感度回復処理中の「白帯回復シーケンス実施」の処理過程を示すフローチャートである。
【図13】実施例1〜3における白帯回復シーケンス実施時間と白帯グレードとの関係を示すグラフ図である。
【図14】実施例1及び実施例4に係る画像形成装置による感光体感度回復処理の結果を示す説明図である。
【図15】(a)は実施例4に係る画像形成装置について白帯回復シーケンスを実施する条件を変化させたときの感光体の奥側に位置する表面電位変化を示す説明図、(b)は(a)と同様に実施例4に係る画像形成装置について白帯回復シーケンスを実施する条件を変化させたときの感光体の中央に位置する表面電位変化を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
◎実施の形態の概要
先ず、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態の概要を図1に基づいて説明する。
同図において、画像形成装置は、トナー像を保持して回転する像保持体1と、この像保持体1上に静電潜像を形成する潜像形成装置2と、前記像保持体1上に形成された静電潜像をトナーにて可視像化する現像装置3と、像保持体1との間に予め決められた極性の直流電圧が含まれる転写電界を作用させ、この転写電界にて像保持体1上に形成されたトナー像を転写媒体12に静電転写する転写装置4と、像保持体1に接触する板状清掃部材5aを有し、この板状清掃部材5aにて転写装置4による転写後に像保持体1上に残留する残留トナーを清掃する清掃装置5と、像保持体1が停止した後の停止時間が予め決められた時間以上経過したか否かを判別する停止時間判別装置6と、この停止時間判別装置6により像保持体1の停止時間が予め決められた時間以上経過した条件で、画像形成過程とは別の過程として、トナーの外添剤付着に起因する像保持体1の一部の感度低下を回復させる感度回復装置7とを備えている。
本実施の形態では、前記感度回復装置7は、前記像保持体1を複数回空回転させるように駆動させる像保持体駆動装置8と、像保持体1と清掃装置5の板状清掃部材5aとの対向部位よりも像保持体1の回転方向上流側に設けられ、転写装置4の直流電圧と同極性の回復電圧による回復電界と、当該回復電圧とは逆極性の逆極性回復電圧による回復電界とが像保持体1の異なる部位にて作用する回復電界作用装置9と、前記像保持体1と清掃装置5の板状清掃部材5aとの対向部よりも像保持体1の回転方向下流側に設けられ、像保持体1上に作用した回復電界による帯電電位を除去する除電装置10とを有するものである。
【0011】
このような技術的手段において、像保持体1としては、像保持体1が停止した後に停止時間が予め決められた時間を経過したときに、トナーの外添剤Tgの付着に起因して感度が低下する機能を有するものであれば、感光体、誘電体を問わない。
また、潜像形成装置2としては、像保持体1上に静電潜像を形成するものを広く含むが、代表的には像保持体1を帯電する帯電装置2aと、帯電された像保持体1に光若しくはイオンによる静電潜像を書き込む潜像書込装置2bとを有するものが挙げられる。
更に、転写装置4としては、像保持体1上のトナー像を転写媒体12に静電転写させるために、予め決められた極性の直流電圧が含まれる転写電界を作用させる転写部材(放電ワイヤ、転写ロール)を有するものであればよい。
ここで、転写媒体12とは最終記録媒体である記録材に限られず、記録材に転写する前に一時的に保持する中間転写体をも含む。
更にまた、清掃装置5としては、残留トナー掻き取り用の板状清掃部材5aを少なくとも有するものであればよく、他の清掃部材(例えばブラシやロール状の回転清掃部材5b)を含む態様でもよい。
また、停止時間判別装置6としては、像保持体1が予め決められた時間以上停止したか否かを判別するものであるが、‘予め決められた時間’としては、トナーの外添剤Tg付着に起因して停止状態の像保持体1の一部が外気の影響を受けて感度が低下する懸念がある時間を設定するようにすればよい。
また、感度回復装置7としては、像保持体駆動装置8にて像保持体1を複数回空回転させ、回復電界作用装置9にて電気的な振動を与えてトナーの外添剤Tgの付着力を弱め、板状清掃部材5aにて前記トナーの外添剤Tgを掻き取り可能とし、更に、電気的な振動による帯電電位を除去する構成要素として除電装置10を備えていればよい。
【0012】
次に、本実施の形態の代表的態様若しくは好ましい態様について説明する。
像保持体1のうち感度が低下する部分の代表的態様としては、像保持体1の回転方向に沿って現像装置3から清掃装置5に至る領域で且つ転写装置4による転写領域を挟む前後の領域が挙げられる。
例えば潜像形成装置2としての帯電装置2aの上方や現像装置3の上方には、像保持体1の周囲に像保持体1停止時にも、像保持体1の周囲に空気流が存在する空気流生成要素(例えば帯電装置2aには放電酸化物が放電ワイヤ等の放電部材に付着しないように帯電容器内に均一な空気流を流す構成が採用されることがある)を備える態様がある。このような態様では、像保持体1の周囲に空気流が存在する箇所ではあまり問題にならないが、上述したような空気流が存在しない箇所、例えば像保持体1の回転方向に沿って現像装置3から清掃装置5に至る領域で且つ転写装置4による転写領域を挟む前後の領域では、像保持体1の停止状態が比較的長く続くと、像保持体1上に残留したトナーの外添剤Tgが滞留状態の外気に晒されると、外気の湿気を吸湿して像保持体1の表面にトナーの外添剤Tgが強く付着し易いという現象が起こる。
また、感度回復装置7の除電装置10の代表的態様としては、除電用の光が照射可能な除電光源を有するものが挙げられる。除電装置10としては、交流電界を使用する態様でもよいが、像保持体1の劣化を少なく抑えるという観点からすれば、光除電方式の方が好ましい。
【0013】
また、回復電界作用装置9の代表的態様としては、転写電界の直流電圧と同極性の回復電圧による回復電界を生成する第1の回復電界生成装置と、この第1の回復電界生成装置の回復電圧とは逆極性の逆極性回復電圧による回復電界を生成する第2の回復電界生成装置とを有する態様が挙げられる。本態様は、夫々の極性の回復電界を生成するために、第1の回復電界生成装置、第2の回復電界生成装置を具備させたものである。
このような態様において、既存の装置要素を利用した代表的態様としては、図2(a)に示すように、第1の回復電界生成装置として転写装置4を用いて転写電界の直流電圧と同極性の回復電圧(本例では(+))による回復電界を作用させると共に、前記第2の回復電界生成装置として極性調整装置11を用いて前記転写装置4による回復電圧とは逆極性の逆極性回復電圧(本例では(−))による回復電界を作用させるものである。
このため、像保持体1上のトナーの外添剤Tgにはこれらの回復電界により電気的な振動が与えられるため、像保持体1上のトナーの外添剤Tgは板状清掃部材5aにて清掃され、像保持体1上の帯電電位は除電装置10にて除電される。
ここで、極性調整装置11は、像保持体1の周囲のうち像保持体1の回転方向に沿って転写装置4から清掃装置5に至るまでの間に設けられ、像保持体1上に残留したトナーの極性を揃えるものである。
例えば清掃装置5として、板状清掃部材5aや、板状清掃部材5aに加えて付加した回転清掃部材5bに予め決められた極性の清掃電圧を印加し、像保持体1上の残留トナーを静電的に回収する方式が採用されることがある。極性調整装置11は、このような静電的に回収することを可能にするために、清掃装置5に搬送される前に残留トナーの極性を揃えるようにしたものである。
特に、転写装置4と極性調整装置11とを利用した態様では、現像装置3による現像部位通過直後で転写装置4による転写部位に至るまでの間に位置する像保持体1上に付着したトナーの外添剤Tgに対し、極性の異なる回復電界を直ちに作用させることができ、その分、像保持体1の感度回復処理時間を短縮することができる点で好ましい。
【0014】
また、回復電界作用装置9として、既存の装置要素を利用した他の代表的態様としては、図2(b)に示すように、第1の回復電界生成装置として転写装置4を用いて転写電界の直流電圧と同極性の回復電圧(本例では(+))による回復電界を作用させると共に、前記第2の回復電界生成装置として前記帯電装置2aを用いて前記転写装置による回復電圧とは逆極性の逆極性回復電圧(本例では(−))による回復電界を作用させるものが挙げられる。
このため、像保持体1上のトナーの外添剤Tgにはこれらの回復電界により電気的な振動が与えられるため、像保持体1上のトナーの外添剤Tgは板状清掃部材5aにて清掃され、像保持体1上の帯電電位は除電装置10にて除電される。
【0015】
また、感度回復装置7の回復電界作用装置9の好ましい態様としては以下の態様がある。
つまり、前記転写装置4は、画像形成過程で用いられる直流電圧が含まれる転写電界と、前記転写電界の直流電圧と同極性で且つ前記直流電圧よりも絶対値で大きい回復電圧が含まれる回復電界とを切り替えて作用させるものであり、前記感度回復装置7の回復電界作用装置9は、第1の回復電界生成装置として転写装置4を用い、画像形成過程で用いられる転写電界の直流電圧と同極性で且つ当該直流電圧よりも絶対値で大きい回復電圧による回復電界を作用させるものがある。
本態様は、第1の回復電界生成装置としての転写装置4につき、転写電界の直流電圧と回復電界の回復電圧とをレベルを切り替えて使用する態様である。
更に、回復電界作用装置9のより好ましい態様としては以下の態様がある。
つまり、前記転写装置4は、画像形成過程で用いられる直流電圧が含まれる転写電界と、前記転写電界の直流電圧と同極性で且つ前記直流電圧よりも絶対値で大きい一若しくは複数の回復電圧が含まれる回復電界とを切り替えて作用させるものであり、前記感度回復装置7の回復電界作用装置9は、第1の回復電界生成装置として転写装置4を用い、画像形成過程で用いられる転写電界の直流電圧と同極性で且つ当該直流電圧よりも絶対値で大きい一若しくは複数の回復電圧による回復電界を作用させ、作用時間設定器にて回復電界の大きさが大きい程回復電界の作用時間を短くするように設定するものである。
本態様は、転写装置4による回復電圧のレベルを転写電圧に比べて一若しくは複数切り替え可能とし、回復電圧の大きさに応じて回復電界の作用時間を変更設定する。これにより、像保持体1に対する帯電処理に伴う劣化を効果的に抑える点で好ましい。
【0016】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
<画像形成装置の全体構成>
図3は本発明が適用された実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
同図において、画像形成装置20は、図示外の装置筐体内に電子写真方式の作像エンジン22を搭載し、この作像エンジン22の下方には用紙供給装置23を設け、この用紙供給装置23から供給される用紙を用紙搬送路24を経て作像エンジン22に導き、作像エンジン22にて作成された画像を用紙Sに転写した後に定着装置25にて定着し、例えば装置筐体の側方に設けられた図示外の用紙排出受けに排出するようにしたものである。
また、用紙搬送路24は、用紙供給装置23から供給される用紙Sを作像エンジン22に導き、定着装置25を経て用紙排出受けに搬送するものであり、用紙搬送路24中には適宜数の搬送ロール244や搬送ベルト245等の搬送部材が設置されている。
【0017】
<作像エンジン>
また、本実施の形態において、作像エンジン22は、図3及び図4に示すように、各色成分(例えばイエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))の画像が形成可能な複数の画像形成部30(具体的には30a〜30d)を有し、この画像形成部30にて形成された粉体としてのトナーによる像をベルト状の中間転写体40を介して用紙Sに転写し、定着装置25にて用紙Sに対しトナー像を定着するものである。
本例では、各画像形成部30は、像保持体としての感光体31と、この感光体31を帯電する帯電装置32と、この帯電装置32にて帯電された感光体31に対し光にて潜像を書き込むレーザ走査装置等の露光装置33(具体的には33a〜33d)と、感光体31上に書き込まれた潜像を対応する色トナー(本例では負極性)にて現像する現像装置34と、感光体31上に残留する残留トナーを清掃する清掃装置35と、感光体31と清掃装置35との対向部よりも感光体31の回転方向上流側に設けられ且つ感光体31上の残留トナーの極性を負極性に揃える清掃前帯電装置36と、感光体31と清掃装置35との対向部よりも感光体31の回転方向上流側に設けられ且つ感光体31の帯電電位を除去する除電装置37とを備えている。
【0018】
ここで、各構成要素について補足すると、帯電装置32は感光体31に向かって開口し且つ感光体31の軸方向に沿って長尺に延びる帯電容器320を有し、この帯電容器320内に放電ワイヤ321を設けると共に、帯電容器320の感光体31側開口には感光体31の帯電電位を規制するグリッド電極322を設け、更に、前記帯電容器320の一部に空気導入口323を開設することで帯電容器320内の長手方向に沿って空気流を流し、放電ワイヤ321やグリッド電極322に放電生成物が付着することを防止する構成になっている。
また、現像装置34は、各色成分トナー及びキャリアからなる二成分現像剤が収容されて感光体31に向かって開口する現像容器340を有し、この現像容器340の開口に面した部位には現像剤を保持搬送する現像ロール341を有し、現像容器340の現像ロール341の背面側にはトナーを摩擦帯電するために現像剤を撹拌搬送する一対の撹拌搬送部材342,343を配設し、更に、現像ロール341の周囲には現像ロール341に保持される現像剤層厚を規制する層厚規制部材344を設けたものである。そして、本例で使用するトナーには帯電補助剤やその他の外添剤が添加されており、現像装置34による現像動作に当たって感光体31上にトナーから剥がれた外添剤が付着することは起こり得ることである。尚、図中符号345は感光体31上に転移したキャリアや浮遊トナーを回収する回収ロールである。
更に、清掃装置35は、感光体31に対向して開口し且つ残留トナーを回収する清掃容器350を有し、この清掃容器350の開口上縁には例えばポリウレタンゴム等の弾性材からなる清掃ブレード351を設けると共に、清掃ブレード351よりも感光体31の回転方向上流側には予め決められた清掃電圧(本例では正極性バイアス)が印加されるブラシ状又はロール状の回転清掃部材352を設け、更に、清掃容器350の開口下縁には感光体31に接触するシール部材353を設けたものである。そして、本例では、清掃容器350の回転清掃部材352の下方には感光体31の軸方向に沿って延びる搬送部材354(たとえば回転軸部材の周囲に螺旋羽根を設けた態様)を設け、前記回転清掃部材352に付着した残留トナーを掻き落とし部材としてのフリッカ355にて掻き落とし、前記搬送部材354にて清掃容器350の一端側に向けて廃棄搬送するようにしたものである。
更にまた、清掃前帯電装置36は、図4及び図5に示すように、帯電容器360内に放電ワイヤ361を設け、この放電ワイヤ361に帯電バイアス362(本例では負極性バイアス)を切り替えスイッチ363を介して印加するものである。
また、除電装置37としては、感光体31表面に光を照射することで除電する除電ランプが用いられる。
【0019】
一方、ベルト状の中間転写体40は複数の張架ロール41〜45を用いて張架され、例えば張架ロール41を駆動ロールとして循環回転するようになっている。そして、この中間転写体40は、各画像形成部30の感光体31に対向する裏面に一次転写装置51を有している。この一次転写装置51は、図5に示すように、転写部材として例えば一次転写ロール510を有しており、この一次転写ロール510には転写バイアス(本例では正極性バイアス)511がスイッチ512を介して印加されるようになっている。
また、用紙搬送路24に対応した部位には二次転写装置52を有している。この二次転写装置52は例えば中間転写体40の表面に二次転写ロール53を接触配置すると共に、この二次転写ロール53に対向する中間転写体40の裏面に位置する張架ロール44を対向ロール(バックアップロール)54とし、二次転写ロール53及び対向ロール54の一方に二次転写バイアスを印加すると共に他方を接地するようにしたものである。
更に、中間転写体40の例えば張架ロール41に対向する部位には清掃装置55が設けられている。
【0020】
<画像形成装置の制御系>
本実施の形態において、画像形成装置の制御系を図5に示す。
同図において、符号100は画像形成装置を制御する制御装置であり、この制御装置100は、感光体31の駆動モータ101、帯電装置32の放電ワイヤ321、グリッド電極322、露光装置33、現像装置34の現像ロール341等、一次転写装置51の転写ロール510、清掃前帯電装置36の放電ワイヤ361、清掃装置35の回転清掃部材352等に所定の制御信号を送出し、予め決められた作像プログラムに沿って各構成要素を制御し、各色の画像形成部30による各色トナー像に基づく画像を形成するものである。
特に、本実施の形態では、感光体31が停止し、その停止時間が比較的長いと、図4に示すように、例えば一次転写装置51の転写領域Mを挟んだ前後の領域mでは、空気流が生成されずに外気が滞留した状態で感光体31に触れているとすれば、感光体31上に付着したトナーの外添剤が外気の湿気を吸収し、感光体31上に更に強固に付着するというケースが生ずる。このような状況が発生した場合には、感光体31の感度が一次転写装置51の転写領域Mを挟んだ前後の領域mで局部的に低下することになり、このような状況のまま感光体31上に例えばハーフトーンのトナー像を形成したとすると、感度の低下した感光体31部分に対応して形成されるハーフトーンのトナー像に白帯状の画像むらが生ずる虞がある。
このため、本実施の形態では、制御装置100は、図6及び図7に示す感光体感度回復処理プログラムを実行することで、感光体31の感度低下を回復する感度回復処理を実施するようになっている。尚、本例では、感光体感度回復処理を実施する場合には、予め白帯回復シーケンスSW(スイッチ)をON設定するようになっている。
【0021】
<感光体感度回復処理>
本実施の形態における感光体感度回復処理は、図6及び図7に示すプログラムに従って実施される。
先ず、制御装置100は、白帯回復シーケンスSW(スイッチ)がON設定されているか否かをチェックし、当該スイッチがON設定されている場合には感光体31の停止時間Tsをモニタし、モニタした停止時間Tsが予め決められた閾値Tthを超えるか否かをチェックし、感光体31の停止時間Tsが閾値Tthを超えた場合には、‘白帯回復シーケンス’を実施する。一方、感光体31の停止時間Tsが閾値Tth以内であれば‘白帯回復シーケンス’を未実施にする。
次に、本例で採用される‘白帯回復シーケンス’の具体例を図7に示す。
同図において、先ず、感光体31を複数回空回転駆動させ、この空回転中に、一次転写装置51にて感光体31を正帯電(+帯電)すると共に、清掃前帯電装置36にて感光体31を負帯電(−帯電)し、清掃ブレード351による清掃、更には、除電装置37としての除電ランプによる感光体31の帯電電位を除去する。そして、白帯回復シーケンス時間を経過するまで、上述した単位サイクルを繰り返す。
尚、本例では、‘白帯回復シーケンス’のとき、清掃装置35の回転清掃部材352や搬送部材354は駆動されていない。
【0022】
この‘白帯回復シーケンス’は、図8(a)に示すように、一次転写装置51によるA(正帯電)、清掃前帯電装置36によるB(負帯電)を行うことで、感光体31のトナーの外添剤Tgには電気的な振動が付与され、これによって、感光体31上のトナーの外添剤Tgの付着力が低減する。このため、図8(a)のCで示すように、清掃装置35の清掃ブレード351によって付着力の弱まったトナーの外添剤Tgは清掃ブレード351に掻き取られ易くなる。この後、図8(a)のDで示すように、感光体31の帯電電位は除電装置37によって除去され、リフレッシュされる。
このような処理が繰り返し行われると、図8(b)に示すように、感光体31上に付着したトナーの外添剤Tgの付着力が順次弱まっていき、次第に清掃ブレード351に掻き取られていく。そして、感光体31の空回転が最終回(n回)近くに至った場合には感光体31上に付着していたトナーの外添剤Tgはほとんど清掃ブレード351によって掻き取られることになり、感光体31上の一次転写装置51の転写領域Mの前後に形成されていた感度低下部分m(図4参照)の感度ULは感度の低下していない他の部分の感度Uと略同等まで回復する。これによって、感光体31上の局部的な感度低下部分は回復することになり、この段階で作像プログラムを実行するようにすれば、仮にハーフトーンのトナー像を形成したとしても、感光体31の局部的な感度低下に伴う白帯は発生せず、ハーフトーンのトナー像としては画像不良のない良好なものとして提供される。
また、本実施の形態では、感光体31の局部的な感度低下部分は一次転写装置51の転写領域の前後に生じ易い状況であるが、本例では、一次転写装置51と清掃前帯電装置36とを利用して正負の回復電界を作用させているので、感光体31を空回転させた場合に、トナーの外添剤が付着し易い場所に対して直ちに正負の回復電界を作用させることが可能になり、その分、感光体31の感度回復処理についての処理時間は短縮される上で有効である。
【0023】
◎実施の形態2
図9は実施の形態2に係る画像形成装置の全体構成を示す。
同図において、画像形成装置の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なり、一次転写装置51の転写ロール510への転写バイアス513を変更可能にしたものであり、作像シーケンスでは予め決められた転写バイアスを印加する一方、感光体感度回復処理の‘白帯回復シーケンス’では前記作像シーケンスの転写バイアスよりもバイアスレベルが高い回復バイアスを印加するようにしたものである。
つまり、本例では、制御装置100は、実施の形態1と同様に、図6の感光体感度回復処理プログラムを実行し、図10に示すように、‘白帯回復シーケンス’として、感光体31を複数回空回転駆動させ、この空回転中に、一次転写装置51の転写電流Itよりも大きい感度回復用電流Ir(具体的には感度回復用バイアスとして転写バイアスよりも大きい値を選定)を選定し、この一次転写装置51にて感光体31を正帯電(+帯電)すると共に、感度回復用電流Irに応じて白帯回復シーケンス時間を変更設定する。具体的には、感度回復用電流Irを転写電流Itと同じに設定したときの白帯回復シーケンス時間t1に比べて、転写電流Itより大きい感度回復用電流Irを選定した場合には、前記白帯回復シーケンス時間t1よりも短い時間t2を設定するようにすればよい。仮に、感度回復用電流Irが複数レベルに選定される場合には、当該感度回復用電流Irが大きくなるに従って白帯回復シーケンス時間を短く設定すればよい。
更に、清掃前帯電装置36にて感光体31を負帯電(−帯電)し、清掃ブレード351による清掃、更には、除電装置37としての除電ランプによる感光体31の帯電電位を除去する。そして、白帯回復シーケンス時間を経過するまで、上述した単位サイクルを繰り返す。
本実施の形態では、一次転写装置51による感度回復用電流Irは実施の形態1に比べて転写電流Itよりも大きい値に選定されているが、実施の形態1に比べて、白帯回復シーケンス時間が短く設定されているため、感光体31の感度回復処理に伴う感光体31の劣化は少なく抑えられると共に、感光体31の感度回復処理に要する時間は実施の形態1の場合よりも短縮される。
【0024】
◎実施の形態3
図11は実施の形態3に係る画像形成装置を示す説明図である。
同図において、感光体31の感度回復処理は、帯電装置32、一次転写装置51、清掃ブレード351、除電装置37を利用して行われる。
具体的には、感光体31の感度回復処理の‘白帯回復シーケンス’は、図6及び図12に示すように、先ず、感光体31を複数回空回転駆動させ、この空回転中に、帯電装置32にて感光体31を負帯電(−帯電)すると共に、一次転写装置51にて感光体31を正帯電(+帯電)し、清掃ブレード351による清掃、更には、除電装置37としての除電ランプによる感光体31の帯電電位を除去する。そして、白帯回復シーケンス時間を経過するまで、上述した単位サイクルを繰り返す。
尚、本例では、‘白帯回復シーケンス’のとき、清掃装置35の回転清掃部材352や搬送部材354は駆動されていない。
このように、本例の‘白帯回復シーケンス’は、図11に示すように、帯電装置32
によるA(負帯電)、一次転写装置51によるB(正帯電)を行うことで、感光体31のトナーの外添剤Tgには電気的な振動が付与され、これによって、感光体31上のトナーの外添剤Tgの付着力が低減する。このため、図11のCで示すように、清掃装置35の清掃ブレード351によって付着力の弱まったトナーの外添剤Tgは清掃ブレード351に掻き取られ易くなる。この後、図11のDで示すように、感光体31の帯電電位は除電装置37によって除去され、リフレッシュされる。
【実施例】
【0025】
◎実施例1
実施の形態1に係る画像形成装置を用い、一次転写装置51の感度回復用電流として転写電流と同様の30μAを使用した。
◎実施例2
実施の形態2に係る画像形成装置を用い、一次転写装置51の感度回復用電流として転写電流より大きい40μAを使用した。
◎実施例3
実施の形態2に係る画像形成装置を用い、一次転写装置51の感度回復用電流として転写電流より大きい50μAを使用した。
◎実施例4
実施の形態2に係る画像形成装置を用い、一次転写装置51の感度回復用電流として転写電流より大きい55μA(又は56μA)を使用した。
【0026】
−白帯回復シーケンスによる白帯グレードの変化−
実施例1〜3について、‘白帯回復シーケンス’の実施時間に対する白帯グレードの変化を調べたところ、図13に示す結果が得られた。ここで、白帯グレードとはハーフトーンのトナー像に対し目視での白帯の有無を評価したものであり、‘3’よりも小さくなれば白帯は目視ではあまり目立たないものになる基準を選定した。
同図によれば、実施例2,3では‘白帯回復シーケンス’の開始から60秒経過した場合に、白帯グレードが0に至ったのに対し、実施例1では‘白帯回復シーケンス’の開始から150秒経過した場合に白帯グレードが0に至った。これは、一次転写装置51による感度回復用電流として大きい値を選定した場合には早期に感光体の感度が回復することが理解される。
【0027】
−感光体の感度の回復度合−
実施例1及び実施例4について、光量を固定した状態での露光後の感光体の表面電位VLの変化を調べたところ、図14に示す結果が得られた。
同図によれば、実施例1では、‘白帯回復シーケンス’を120秒行ったところ、VLは295.5Vから288.7Vまで変化し、感光体31の感度が回復していることが理解される。
これに対し、実施例4では、‘白帯回復シーケンス’を30秒、150秒行ったところ、VLは293.9Vから288.3V、更には281.5Vまで変化し、実施例1に比べて、感光体31の感度の回復度合がより良好であることが理解される。
【0028】
−用紙の使用に伴う感光体の感度変化−
今、実施例4について、最初に感光体の感度回復処理を行い、その後に、所定枚数の用紙に対して作像処理を行った場合の感光体の感度の変化を調べたところ、図15(a)(b)に示す結果が得られた。
ここで、図15(a)は光量を固定した状態での露光後の感光体の表面電位測定箇所として奥側位置を選定し、実施例4の‘白帯回復シーケンス’として、30秒一次転写装置による正帯電(1stBTR55μA)のケース(実施例4−1)と、150秒一次転写装置による正帯電(1stBTR56μA)のケース(実施例4−2)とを行い、更に、比較例として、‘白帯回復シーケンス’を実施しないケースを示す。
一方、図15(b)は光量を固定した状態での露光後の感光体の表面電位測定箇所として中央位置を選定し、実施例4の‘白帯回復シーケンス’として2つのケース(実施例4−1,4−2)及び比較例として、‘白帯回復シーケンス’を実施しないケースを示す。
これらによれば、実施例4−1の場合、当初の感光体のVLが290.6V、294.1Vであったのに対し、最初に感光体の感度回復処理を行うと、284.3V、288.4Vになり、その後、用紙に対して作像処理を行うと、VLはPV(用紙枚数:Paper Volume)が増加するにつれて徐々に変化し、PV500枚後に12時間停止すると、最初の感度まで戻る。
同様に、実施例4−2の場合、当初の感光体のVLが289.5V、294.1Vであったのに対し、最初に感光体の感度回復処理を行うと、276.9V、281.5Vになり、その後、用紙に対して作像処理を行うと、VLはPV(用紙枚数:Paper Volume)が増加するにつれて徐々に変化していき、PV500枚後に12時間停止すると、最初の感度まで戻る。
尚、比較例の場合には、当初の感光体のVLが294.6V、299Vであったとき、VLはPV(用紙枚数:Paper Volume)が増加するにつれて最初のVLところから徐々に変化していくことが理解される。
【符号の説明】
【0029】
1…像保持体,2…潜像形成装置,2a…帯電装置,2b…潜像書込装置,3…現像装置,4…転写装置,5…清掃装置,5a…板状清掃部材,5b…回転清掃部材,6…停止
時間判別装置,7…感度回復装置,8…像保持体駆動装置,9…回復電界作用装置,10…除電装置,11…極性調整装置,12…転写媒体,Tg…トナーの外添剤
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を保持して回転する像保持体と、
この像保持体上に静電潜像を形成する潜像形成装置と、
前記像保持体上に形成された静電潜像をトナーにて可視像化する現像装置と、
像保持体との間に予め決められた極性の直流電圧が含まれる転写電界を作用させ、この転写電界にて像保持体上に形成されたトナー像を転写媒体に静電転写する転写装置と、
像保持体に接触する板状清掃部材を有し、この板状清掃部材にて転写装置による転写後に像保持体上に残留する残留トナーを清掃する清掃装置と、
像保持体が停止した後の停止時間が予め決められた時間以上経過したか否かを判別する停止時間判別装置と、
この停止時間判別装置により像保持体の停止時間が予め決められた時間以上経過した条件で、画像形成過程とは別の過程として、トナーの外添剤付着に起因する像保持体の一部の感度低下を回復させる感度回復装置とを備え、
前記感度回復装置は、前記像保持体を複数回空回転させるように駆動させる像保持体駆動装置と、
像保持体と清掃装置の板状清掃部材との対向部位よりも像保持体の回転方向上流側に設けられ、転写装置の直流電圧と同極性の回復電圧による回復電界と、当該回復電圧とは逆極性の逆極性回復電圧による回復電界とが像保持体の異なる部位にて作用する回復電界作用装置と、
前記像保持体と清掃装置の板状清掃部材との対向部よりも像保持体の回転方向下流側に設けられ、像保持体上に作用した回復電界による帯電電位を除去する除電装置とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
像保持体のうちトナーの外添剤の付着に起因する感度が低下する部分は、像保持体の回転方向に沿って現像装置から清掃装置に至る領域で且つ転写装置による転写領域を挟む前後の領域であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の画像形成装置において、
感度回復装置の除電装置は除電用の光が照射可能な除電光源を有するものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれかに記載の画像形成装置において、
前記感度回復装置の回復電界作用装置は、転写電界の直流電圧と同極性の回復電圧による回復電界を生成する第1の回復電界生成装置と、
この第1の回復電界生成装置の回復電圧とは逆極性の逆極性回復電圧による回復電界を生成する第2の回復電界生成装置とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置において、
像保持体の周囲のうち像保持体の回転方向に沿って転写装置から清掃装置に至るまでの間に設けられ、像保持体上に残留したトナーの極性を揃える極性調整装置を備え、
前記感度回復装置の回復電界作用装置は、第1の回復電界生成装置として転写装置を用いて転写電界の直流電圧と同極性の回復電圧による回復電界を作用させると共に、前記第2の回復電界生成装置として極性調整装置を用いて前記転写装置による回復電圧とは逆極性の逆極性回復電圧による回復電界を作用させるものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項4に記載の画像形成装置において、
前記潜像形成装置は、像保持体を帯電する帯電装置と、帯電された像保持体に静電潜像を書込潜像書込装置とを有し、
前記感度回復装置の回復電界作用装置は、第1の回復電界生成装置として転写装置を用いて転写電界の直流電圧と同極性の回復電圧による回復電界を作用させると共に、前記第2の回復電界生成装置として前記帯電装置を用いて前記転写装置による回復電圧とは逆極性の逆極性回復電圧による回復電界を作用させるものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項4ないし6いずれかに記載の画像形成装置において、
前記転写装置は、画像形成過程で用いられる直流電圧が含まれる転写電界と、
前記転写電界の直流電圧と同極性で且つ前記直流電圧よりも絶対値で大きい回復電圧が含まれる回復電界とを切り替えて作用させるものであり、
前記感度回復装置の回復電界作用装置は、第1の回復電界生成装置として転写装置を用い、画像形成過程で用いられる転写電界の直流電圧と同極性で且つ当該直流電圧よりも絶対値で大きい回復電圧による回復電界を作用させるものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項4ないし6いずれかに記載の画像形成装置において、
前記転写装置は、画像形成過程で用いられる直流電圧が含まれる転写電界と、
前記転写電界の直流電圧と同極性で且つ前記直流電圧よりも絶対値で大きい一若しくは複数の回復電圧が含まれる回復電界とを切り替えて作用させるものであり、
前記感度回復装置の回復電界作用装置は、第1の回復電界生成装置として転写装置を用い、画像形成過程で用いられる転写電界の直流電圧と同極性で且つ当該直流電圧よりも絶対値で大きい一若しくは複数の回復電圧による回復電界を作用させ、作用時間設定器にて回復電界の大きさが大きい程回復電界の作用時間を短くするように設定するものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
トナー像を保持して回転する像保持体と、
この像保持体上に静電潜像を形成する潜像形成装置と、
前記像保持体上に形成された静電潜像をトナーにて可視像化する現像装置と、
像保持体との間に予め決められた極性の直流電圧が含まれる転写電界を作用させ、この転写電界にて像保持体上に形成されたトナー像を転写媒体に静電転写する転写装置と、
像保持体に接触する板状清掃部材を有し、この板状清掃部材にて転写装置による転写後に像保持体上に残留する残留トナーを清掃する清掃装置と、
像保持体が停止した後の停止時間が予め決められた時間以上経過したか否かを判別する停止時間判別装置と、
この停止時間判別装置により像保持体の停止時間が予め決められた時間以上経過した条件で、画像形成過程とは別の過程として、トナーの外添剤付着に起因する像保持体の一部の感度低下を回復させる感度回復装置とを備え、
前記感度回復装置は、前記像保持体を複数回空回転させるように駆動させる像保持体駆動装置と、
像保持体と清掃装置の板状清掃部材との対向部位よりも像保持体の回転方向上流側に設けられ、転写装置の直流電圧と同極性の回復電圧による回復電界と、当該回復電圧とは逆極性の逆極性回復電圧による回復電界とが像保持体の異なる部位にて作用する回復電界作用装置と、
前記像保持体と清掃装置の板状清掃部材との対向部よりも像保持体の回転方向下流側に設けられ、像保持体上に作用した回復電界による帯電電位を除去する除電装置とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
像保持体のうちトナーの外添剤の付着に起因する感度が低下する部分は、像保持体の回転方向に沿って現像装置から清掃装置に至る領域で且つ転写装置による転写領域を挟む前後の領域であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の画像形成装置において、
感度回復装置の除電装置は除電用の光が照射可能な除電光源を有するものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれかに記載の画像形成装置において、
前記感度回復装置の回復電界作用装置は、転写電界の直流電圧と同極性の回復電圧による回復電界を生成する第1の回復電界生成装置と、
この第1の回復電界生成装置の回復電圧とは逆極性の逆極性回復電圧による回復電界を生成する第2の回復電界生成装置とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置において、
像保持体の周囲のうち像保持体の回転方向に沿って転写装置から清掃装置に至るまでの間に設けられ、像保持体上に残留したトナーの極性を揃える極性調整装置を備え、
前記感度回復装置の回復電界作用装置は、第1の回復電界生成装置として転写装置を用いて転写電界の直流電圧と同極性の回復電圧による回復電界を作用させると共に、前記第2の回復電界生成装置として極性調整装置を用いて前記転写装置による回復電圧とは逆極性の逆極性回復電圧による回復電界を作用させるものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項4に記載の画像形成装置において、
前記潜像形成装置は、像保持体を帯電する帯電装置と、帯電された像保持体に静電潜像を書込潜像書込装置とを有し、
前記感度回復装置の回復電界作用装置は、第1の回復電界生成装置として転写装置を用いて転写電界の直流電圧と同極性の回復電圧による回復電界を作用させると共に、前記第2の回復電界生成装置として前記帯電装置を用いて前記転写装置による回復電圧とは逆極性の逆極性回復電圧による回復電界を作用させるものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項4ないし6いずれかに記載の画像形成装置において、
前記転写装置は、画像形成過程で用いられる直流電圧が含まれる転写電界と、
前記転写電界の直流電圧と同極性で且つ前記直流電圧よりも絶対値で大きい回復電圧が含まれる回復電界とを切り替えて作用させるものであり、
前記感度回復装置の回復電界作用装置は、第1の回復電界生成装置として転写装置を用い、画像形成過程で用いられる転写電界の直流電圧と同極性で且つ当該直流電圧よりも絶対値で大きい回復電圧による回復電界を作用させるものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項4ないし6いずれかに記載の画像形成装置において、
前記転写装置は、画像形成過程で用いられる直流電圧が含まれる転写電界と、
前記転写電界の直流電圧と同極性で且つ前記直流電圧よりも絶対値で大きい一若しくは複数の回復電圧が含まれる回復電界とを切り替えて作用させるものであり、
前記感度回復装置の回復電界作用装置は、第1の回復電界生成装置として転写装置を用い、画像形成過程で用いられる転写電界の直流電圧と同極性で且つ当該直流電圧よりも絶対値で大きい一若しくは複数の回復電圧による回復電界を作用させ、作用時間設定器にて回復電界の大きさが大きい程回復電界の作用時間を短くするように設定するものであることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−58594(P2012−58594A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203273(P2010−203273)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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