画像形成装置
【課題】連続的に面画像を作製することに起因する外添剤の像保持体への転移現象に伴う残像画質不良を有効に解消する。
【解決手段】外添剤回収手段10として、像保持体1に対向して配置され、少なくとも像保持体1に対向する対向部は外添剤Wよりも帯電列が正側に位置する材料で構成される被帯電回収部材11と、被帯電回収部材11に接触して被帯電回収部材11が外添剤Wを静電吸着するように摩擦帯電させられる摩擦帯電部材12aを有し、像保持体1回転時に摩擦帯電部材12aとの接触に起因して被帯電回収部材11を摩擦帯電する摩擦帯電機構12と、摩擦帯電機構12により被帯電回収部材11が摩擦帯電されたときに当該摩擦帯電により生成される電荷に基づく電界Eが像保持体1上の外添剤Wを静電吸引可能な程度に作用させられる間隙部13と、を有している。
【解決手段】外添剤回収手段10として、像保持体1に対向して配置され、少なくとも像保持体1に対向する対向部は外添剤Wよりも帯電列が正側に位置する材料で構成される被帯電回収部材11と、被帯電回収部材11に接触して被帯電回収部材11が外添剤Wを静電吸着するように摩擦帯電させられる摩擦帯電部材12aを有し、像保持体1回転時に摩擦帯電部材12aとの接触に起因して被帯電回収部材11を摩擦帯電する摩擦帯電機構12と、摩擦帯電機構12により被帯電回収部材11が摩擦帯電されたときに当該摩擦帯電により生成される電荷に基づく電界Eが像保持体1上の外添剤Wを静電吸引可能な程度に作用させられる間隙部13と、を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来における画像形成装置としては例えば特許文献1,2に記載のものが既に知られている。
特許文献1には、像担持体に圧接するクリーニングブレードを備えた態様において、クリーニングブレードによるクリーニング部位の後で、一次帯電部位より前位置に、像担持体との摩擦帯電によって、トナーに外添したシリカ粒子と逆極性に帯電する吸着部材(スクレーパやブラシローラ)を配設した画像形成装置のクリーニング装置が開示されている。
特許文献2には、感光体に接触して配置された帯電ローラに、正帯電されるクリーニング部材と、負帯電されるクリーニング部材とを接触配置し、機械的な回収と共に静電的な異物回収を図るクリーニング装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−45979号公報(実施例の説明,図2)
【特許文献2】特開平6−230657号公報(実施例,図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、連続的に面画像を作製することに起因する外添剤の像保持体への転移現象に伴う残像画質不良を有効に解消することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、静電潜像が保持される回転可能な像保持体と、この像保持体に対して画像信号に基づく静電潜像を形成する潜像形成手段と、トナー及びキャリア並びにトナーと同極性の外添剤が含まれる現像剤が保持搬送される現像剤保持体を有し、この現像剤保持体に保持搬送された現像剤を前記像保持体に対し摺擦させ、前記潜像形成手段にて像保持体上に形成された静電潜像を現像する現像手段と、この現像手段にて現像された前記像保持体上のトナー像を転写媒体に転写する転写手段と、この転写手段による転写部位よりも前記像保持体の回転方向下流側に設けられ、前記像保持体に接触する清掃部材にて当該像保持体上の転写後の残留物を清掃する清掃手段と、この清掃手段による清掃部位よりも前記像保持体の回転方向下流側に設けられ、前記清掃部位を通過した像保持体上の外添剤を回収する外添剤回収手段と、を備え、前記外添剤回収手段は、前記像保持体に対向し且つ前記像保持体の回転方向と交差する方向に延びるように配置され、少なくとも像保持体に対向する対向部は前記外添剤よりも帯電列がプラス側に位置する材料で構成される被帯電回収部材と、前記被帯電回収部材に接触して当該被帯電回収部材が前記外添剤を静電吸着するように摩擦帯電させられる摩擦帯電部材を有し、前記像保持体回転時に前記摩擦帯電部材との接触に起因して前記被帯電回収部材を摩擦帯電する摩擦帯電機構と、前記被帯電回収部材の像保持体との対向部と前記像保持体との間に設けられ、前記摩擦帯電機構により被帯電回収部材が摩擦帯電されたときに当該摩擦帯電により生成される電荷に基づく電界が像保持体上の外添剤を静電吸引可能な程度に作用させられる間隙部と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る画像形成装置において、前記外添剤回収手段は、少なくとも像保持体に対向する対向部は前記像保持体よりも帯電列がプラス側に位置する材料で構成された被帯電回収部材と、前記像保持体を摩擦帯電部材として利用し、前記被帯電回収部材の一部に摩擦帯電部材である像保持体に接触する突部を形成した摩擦帯電機構と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
請求項3に係る発明は、請求項2に係る画像形成装置において、前記摩擦帯電機構は、前記被帯電回収部材には先端が曲面状に形成された突部を有することを特徴とする画像形成装置である。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれかに係る画像形成装置において、前記被帯電回収部材は、像保持体の表面形状に沿う形状の対向面を有していることを特徴とする画像形成装置である。
請求項5に係る発明は、請求項2又は3に係る画像形成装置において、前記摩擦帯電機構は、被帯電回収部材のうち像保持体の回転移動方向の下流側に突部を形成し、前記像保持体の表面のうち画像形成領域に対して前記被帯電回収部材の突部を接触させることを特徴とする画像形成装置である。
請求項6に係る発明は、請求項2又は3に係る画像形成装置において、前記摩擦帯電機構は、前記像保持体の表面のうち画像形成領域以外の非画像形成領域に対して前記被帯電回収部材の突部を接触させることを特徴とする画像形成装置である。
【0007】
請求項7に係る発明は、請求項2、3、5又は6いずれかに係る画像形成装置において、前記摩擦帯電機構は、前記像保持体の表面に対して被帯電回収部材の突部を線状箇所又は複数の点状箇所で接触させることを特徴とする画像形成装置である。
請求項8に係る発明は、請求項1に係る画像形成装置において、前記外添剤回収手段は、前記像保持体に対し前記間隙部を介して対向配置される被帯電回収部材と、前記像保持体回転時には前記被帯電回収部材に対して前記摩擦帯電部材を相対的に回転駆動させることで摺擦可能に接触させる摩擦帯電機構と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
請求項9に係る発明は、請求項8に係る画像形成装置において、前記被帯電回収部材は回転駆動可能に設けられ、前記摩擦帯電機構は、前記像保持体回転時に前記被帯電回収部材を回転駆動すると共に、当該被帯電回収部材に予め固定配置された前記摩擦帯電部材を摺擦可能に接触させるものであることを特徴とする画像形成装置である。
請求項10に係る発明は、請求項9に係る画像形成装置において、前記外添剤回収手段は、被帯電回収部材に静電吸着した外添剤が清掃される清掃部材を有することを特徴とする画像形成装置である。
請求項11に係る発明は、請求項10に係る画像形成装置において、前記外添剤回収手段は、前記摩擦帯電部材と前記清掃部材とを兼用したことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、連続的に面画像を作製することに起因する外添剤の像保持体への転移現象に伴う残像画質不良を有効に解消することができる。
請求項2に係る発明によれば、像保持体を利用して被帯電回収部材を容易に摩擦帯電することができる。
請求項3に係る発明によれば、被帯電回収部材と像保持体との摺動抵抗を抑えた状態で、像保持体を利用して被帯電回収部材を容易に摩擦帯電することができる。
請求項4に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、被帯電回収部材による外粉剤の回収性能を良好に保つことができる。
請求項5に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、被帯電回収部材に対する摩擦帯電面積を広く確保しながら、像保持体上の外添剤の回収性能を良好に保つことができる。
請求項6に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、被帯電回収部材に対する摩擦帯電性、及び、像保持体上の外添剤の回収性能を良好に保つことができる。
請求項7に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、被帯電回収部材と像保持体との間の間隙部の間隙寸法を安定させることができ、その分、被帯電回収部材と像保持体との間に作用する外添剤回収用の電界を安定的に形成することができる。
請求項8に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、像保持体に対する駆動負荷を低減しながら、像保持体上の外添剤の回収性能を良好に保つことができる。
請求項9に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、被帯電回収部材と像保持体との間隙部に外添剤回収用の電界を集中して作用させ、外添剤の回収性能をより良好に保つことができる。
請求項10に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、被帯電回収部材を常に清浄状態に保つことができ、その分、像保持体上の外添剤の回収性能を良好に保つことができる。
請求項11に係る発明によれば、専用の清掃部材を用いずに、被帯電回収部材を常に清浄状態に保つことができ、その分、像保持体上の外添剤の回収性能を良好に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(a)は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態の概要を示す説明図、(b)は(a)中の外添剤回収手段の要部を示す説明図である。
【図2】(a)は連続的に面画像を作製する初期画像の一例を示す説明図、(b)は(a)の初期画像を用いて連続的に面画像を作製した際に生じたゴースト発生画像の一例を示す説明図である。
【図3】図2(b)のゴースト発生画像が生ずる要因を模式的に示す説明図である。
【図4】図1に示す画像形成装置による作像過程を模式的に示す説明図である。
【図5】実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【図6】実施の形態1で用いられる画像形成装置の清掃装置の周辺部の構成を示す説明図である。
【図7】実施の形態1で用いられる外添剤回収装置の要部を示す説明図である。
【図8】(a)は図7の外添剤回収装置の構成例を示す説明図、(b)は図7中VIII方向から見た矢視図である。
【図9】実施の形態1で用いられる外添剤回収装置の作動原理を模式的に示す説明図である。
【図10】(a)(b)は実施の形態1で用いられる外添剤回収装置の変形形態を示す説明図である。
【図11】実施の形態2に係る画像形成装置の要部を示す説明図である。
【図12】(a)は実施の形態2で用いられる外添剤回収装置の要部を示す説明図、(b)は(a)中B方向から見た矢視図である。
【図13】実施の形態3に係る画像形成装置の要部を示す説明図である。
【図14】(a)は実施の形態3で用いられる外添剤回収装置の要部を示す説明図、(b)は(a)に示す外添剤回収装置の駆動系の一例を示す説明図である。
【図15】実施の形態3で用いられる外添剤回収装置の変形の形態3−1を示す説明図である。
【図16】実施の形態3で用いられる外添剤回収装置の変形の形態3−2を示す説明図である。
【図17】実施例1と比較例1とにおけるゴーストレベルを示す説明図である。
【図18】実施例1におけるゴーストレベルとランニングサイクル数との関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
◎実施の形態の概要
図1(a)は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態の概要を示す模式図である。
同図において、画像形成装置は、静電潜像が保持される回転可能な像保持体1と、この像保持体1に対して画像信号に基づく静電潜像を形成する潜像形成手段2と、トナー及びキャリア並びにトナーと同極性の外添剤が含まれる現像剤Gが保持搬送される現像剤保持体3bを有し、この現像剤保持体3bに保持搬送された現像剤Gを前記像保持体1に対し摺擦させ、前記潜像形成手段2にて像保持体1上に形成された静電潜像を現像する現像手段3と、この現像手段3にて現像された前記像保持体1上のトナー像を転写媒体5に転写する転写手段4と、この転写手段4による転写部位よりも前記像保持体1の回転方向下流側に設けられ、前記像保持体1に接触する清掃部材6aにて当該像保持体1上の転写後の残留物を清掃する清掃手段6と、この清掃手段6による清掃部位よりも前記像保持体1の回転方向下流側に設けられ、前記清掃部位を通過した像保持体1上の外添剤Wを回収する外添剤回収手段10と、を備えている。
そして、本実施の形態では、前記外添剤回収手段10は、図1(b)に示すように、前記像保持体1に対向し且つ前記像保持体1の回転方向と交差する方向に延びるように配置され、少なくとも像保持体1に対向する対向部は前記外添剤Wよりも帯電列がプラス側に位置する材料で構成される被帯電回収部材11と、前記被帯電回収部材11に接触して当該被帯電回収部材11が前記外添剤Wを静電吸着するように摩擦帯電させられる摩擦帯電部材12aを有し、前記像保持体1回転時に前記摩擦帯電部材12aとの接触に起因して前記被帯電回収部材11を摩擦帯電する摩擦帯電機構12と、前記被帯電回収部材11の像保持体1との対向部と前記像保持体1との間に設けられ、前記摩擦帯電機構12により被帯電回収部材11が摩擦帯電されたときに当該摩擦帯電により生成される電荷に基づく電界Eが像保持体1上の外添剤Wを静電吸引可能な程度に作用させられる間隙部13と、を有している。
【0011】
このような技術的手段において、像保持体1としては感光体、誘電体のように光やイオンによって静電潜像を形成可能な態様のほか、画素単位毎に静電潜像に対応する潜像電位を与える画像電極を備えた態様などがある。
また、潜像形成手段2としては、像保持体の種類に応じて適宜選定して差し支えない。例えば像保持体1が感光体、誘電体であれば、光やイオンによる潜像を形成するものであればよく、画素電極を用いた態様では静電潜像に対応する潜像電位を供給する信号を生成するものであればよい。ここで、前者の態様の潜像形成手段2の代表的態様としては、像保持体1を帯電する帯電手段2aと、この帯電手段2aにて帯電された像保持体1上に光やイオンにて潜像を書き込む潜像書込手段2bとを備えたものが挙げられる。
更に、現像手段3は、現像剤Gとして、トナーと同極性の外添剤(代表的にはシリカ)が添加されている二成分現像剤を用いる態様で、像保持体1に対して現像剤Gを摺擦させる現像剤保持体3bを有するものであればよい。但し、現像剤保持体3b自体は像保持体に対して接触配置されていてもよいし、非接触配置されていてもよい。
ここで、この種の現像手段3の代表的態様としては、現像剤Gが収容され且つ像保持体1に対向して開口する現像容器3aを有し、この現像容器3aの開口に面して前記現像剤保持体3bを配設すると共に、この現像容器3a内には現像剤Gが撹拌搬送可能な撹拌搬送部材3e(例えば回転可能な軸部材の周囲に螺旋状の羽根部材を設けた態様)を配設した態様が挙げられる。そして、現像剤保持体3bとしては、代表的には回転可能な中空状の現像回転体3cと、この現像回転体3c内に固定的に内包され且つ周囲に複数の磁極が配列される磁石部材3dと、を有する態様が用いられる。
更に、転写手段4としては、像保持体1上のトナー像を転写媒体5に転写するものを広く含み、転写方式としては代表的には静電転写方式であるが、他の方式でも差し支えない。ここでいう転写媒体5は最終転写媒体である記録材は勿論であるが、記録材の前に中間的にトナー像を保持する中間転写体も含むものである。
また、清掃手段6としては、像保持体1表面に接触する清掃部材6aにて当該像保持体1上の転写後の残留物を清掃するものであればよく、清掃部材6aの代表的態様としては板状部材やブラシ状部材で残留物を掻き取るものが挙げられる。
【0012】
また、外添剤回収手段10としては、図1(b)に示すように、被帯電回収部材11、摩擦帯電機構12、及び、間隙部13を構成要素としたものであればよい。
本例において、被帯電回収部材11としては、少なくとも像保持体1との対向部を外添剤Wよりも帯電列がプラス側に位置する材料で構成すればよい。このため、被帯電回収部材11全体を所望の帯電列に位置する材料で構成する態様は勿論、前記対向部に対応する表面層や被覆層にだけに所望の帯電列に位置する材料で構成する態様をも含む。
また、摩擦帯電機構12としては、被帯電回収部材11を所望の極性(外添剤が静電吸着可能な極性)に帯電する摩擦帯電部材12aを有し、これと被帯電回収部材11とを接触させることで被帯電回収部材を摩擦帯電させる機構であれば適宜選定して差し支えない。
このように、本態様では、摩擦帯電機構12が採用されることから、外添剤回収のための電界形成用のバイアスを印加する方式は含まれない。
更に、間隙部13は以下のように選定するようにすればよい。つまり、間隙部13内に生成される電界Eは、摩擦帯電される被帯電回収部材11と像保持体1との間の距離dと、摩擦帯電により被帯電回収部材11に生成される電荷とに依存することから、この電界強度として像保持体1上の外添剤Wが被帯電回収部材11側に静電吸引される程度になるように選定すればよい。
【0013】
ここで、図1(a)(b)に示す実施の形態に係る画像形成装置の作動を説明する前に、比較の形態に係る画像形成装置(外添剤回収手段10を具備しない態様)の作動について説明する。
−比較の形態に係る画像形成装置の作動の概要−
例えば比較の形態に係る画像形成装置において、例えば連続的な面画像(代表的には画像密度が100%の所謂ベタ画像が挙げられるが、これに限られるものではなく、画像密度が予め決められた高画像密度(例えば80%以上)のものを含むものとする)が像保持体1の周回毎に例えば予め決められた回数以上形成されると、その後に前記面画像が形成された領域を含む作像領域に例えばハーフトーン画像を形成した場合に、連続した面画像が残像(ゴースト)として現れる現象が比較的高い確率で起こり得る。尚、このような残像現象はハーフトーン画像で顕著に現れるが、バックグランド(非画像部)で現れることもある。
例えば図2(a)に示すように、初期画像として、連続的な面画像IM1の領域の一部が削除され、これに代えてハーフトーン画像IM2が存在する例を挙げると、連続的な面画像IM1が予め決められた回数以上繰り返された場合には、図2(b)に示すように、ハーフトーン画像IM2のうち連続的な面画像IM1と重なった領域では、元の連続的な面画像IM1の残像画像(ゴースト画像)IMgが現れる可能性が高い。
このような状況は例えば像保持体1の周長が前述した初期画像(図2(a)参照)の像保持体1の移動方向に沿う長さよりも短い場合や逆に長い場合において、像保持体1の周回単位ではなく、所定のインターイメージ領域を介して初期画像(IM1+IM2)を連続的に形成する場合には、像保持体1の1周回中で連続的な面画像IM1の作像領域がハーフトーン画像IM2の作像領域と重なり合う事態が顕著に発生する可能性がある。
【0014】
このような状況において、前述した残像現象が生ずる要因については以下のように推測される。
つまり、図3に示すように、連続的な面画像を作製するときに、仮に像保持体1上にトナーTの外添剤Wが付着してしまうと、通常像保持体1には清掃手段6が設けられていることが多い。ここで、清掃手段6の清掃部材6a(例えば板状清掃部材)はトナーTを清掃する能力には優れているが、トナーTの外添剤Wを除去する能力に優れているとは必ずしも言えない。トナーのT表面に添加する外添剤Wは粒径が小さいため、清掃部材6aの掻き取り力が低い場合には清掃部材6aをすり抜けてしまう可能性がある。
この種の外添剤Wの代表的なものとしてシリカがよく用いられており、帯電性や転写性など外添剤としての機能が優れているために現在製品に使用されているほとんどすべてのトナーTに外添されている。しかし、現像手段3の現像容器3a内で撹拌搬送部材3eにより撹拌搬送されるうちにトナーTから脱離したシリカや、元々トナーから遊離しているシリカは像保持体1表面に移行して付着し易い。
そして、像保持体1に移行した外添剤Wとしてのシリカは粒径が小さくて比較的強固に付着しているため、清掃部材6aによる掻き取り力では掻き取ることができず、清掃部材6aによる清掃領域を通過してしまうことが起こり、像保持体1の周回に伴って再び現像手段3の現像領域に到達する。
このとき、像保持体1に対しては、潜像形成手段2(本例では帯電手段2a+潜像書込手段2b)により予め決められた帯電電位Vhに帯電(図中eはマイナスの帯電電荷)した後静電潜像Zが形成されることから、清掃部材6aをすり抜けた外添剤Wとしてのシリカは潜像形成手段2の帯電手段2aを通過する際にマイナスの電荷eが付与されて現像手段3に到達するが、電荷付与により帯電したシリカは現像手段3の現像領域にて現像剤による摺擦力(スキャベンジ力)で取り除かれるため、像保持体1の表面電位が変化する現象が起こる。具体的には、シリカが掻き取られた部位に関する潜像電位Vzが周囲より更に絶対値でΔV低下した状態になり易い。
この状態において、現像手段3の現像剤保持体3bに現像電圧Vbias(|Vh|>|Vbias|>|Vz|)を印加することで現像動作が行われると、前記静電潜像Zのうちシリカが掻き取られた部分に周囲より多くのトナーTが現像され、当該部分の濃度が他の部分と異なる残像画像であるゴースト画像IMg(図2(b))になってしまう。
特に、連続的に面画像を形成する場合には、像保持体1の同じ部位に繰り返し画像が形成されることから、帯電されたシリカが蓄積してしまい、ゴースト画像IMgの発生が顕著である。
また、帯電手段2aとして、像保持体1に接触する帯電部材を使用する態様では、清掃部材6aをすり抜けたシリカは、帯電手段2aの帯電部材に付着して帯電不良の要因になり、その結果画質劣化を起し易いという懸念もある。
尚、前述した残像(ゴースト)現象は、主として高密度画像を連続的に形成した場合に現像量が多いことに伴って像保持体1に移行するシリカの量が多くなることを要因とするものと推測されるが、すり抜けたシリカの総電荷量が多い場合には高密度画像でなくても残像(ゴースト)現象が現れることがある。
【0015】
−実施の形態に係る画像形成装置の作動の概要−
これに対し、図1(a)(b)に示す実施の形態に係る画像形成装置においては、図4に示すように、像保持体1に付着した外添剤W(例えばシリカ)が清掃手段6の清掃部材6bをすり抜けたとすると、清掃部材6bをすり抜けた外添剤Wは、潜像形成手段2を通過する前に外添剤回収手段10を通過する。
このとき、外添剤回収手段10は、像保持体1に対して間隙部13を介して被帯電回収部材11を配置し、摩擦帯電機構12により被帯電回収部材11を摩擦帯電することにより当該被帯電回収部材11に予め決められた極性の電荷を生成し、生成された電荷により間隙部13には像保持体1上の外添剤Wを静電吸引可能な程度の電界Eを作用させる。
このため、像保持体1上に付着した外添剤Wは間隙部13を通過する間に電界Eの作用によって被帯電回収部材11に向かって静電吸引され、当該被帯電回収部材11に回収される。
この結果、清掃部材6aをすり抜けた外添剤Wが潜像形成手段2の帯電手段2aを通過することはほとんどなく、外添剤Wにマイナスの電荷eが付与されて現像手段3の現像領域に到達することはない。このため、電荷付与により帯電した外添剤Wが現像手段3の現像領域にて現像剤による摺擦力(スキャベンジ力)で取り除かれる現象はほとんどなく、帯電した外添剤Wの除去に伴う像保持体1の表面電位が変化する現象が生ずることはほとんどない。それゆえ、例えばハーフトーン画像に相当する静電潜像Zの潜像電位Vzが部分的に低下することもほとんど起こらず、当該静電潜像Zは略均一なハーフトーン画像として現像される。
尚、本実施の形態では、帯電手段2aとして、像保持体1に接触する帯電部材を使用する態様であっても、像保持体1に付着した外添剤Wが帯電部材に付着するという事態はほとんど生じない。
【0016】
次に、本実施の形態における代表的態様又は好ましい態様について説明する。
先ず、外添剤回収手段10の代表的態様としては、像保持体1を摩擦帯電部材12aとして利用する態様が挙げられる。具体的には、少なくとも像保持体1に対向する対向部は像保持体1よりも帯電列がプラス側に位置する材料で構成された被帯電回収部材11と、像保持体1を摩擦帯電部材12aとして利用し、被帯電回収部材11の一部に摩擦帯電部材12aである像保持体1に接触する突部(図示せず)を形成した摩擦帯電機構12と、を有する態様である。
本態様における摩擦帯電機構12としては、像保持体1との摺動抵抗を抑えるという点からすれば、被帯電回収部材11には先端が曲面状に形成された突部である態様が好ましい。
更に、被帯電回収部材11の好ましい態様としては、像保持体1の表面形状に沿う形状の対向面を有している態様が挙げられる。
本態様では、像保持体1が例えばドラム状の回転体である場合には、被帯電回収部材11は回転体の曲率に合わせた形状に沿った対向面を有していればよく、例えばベルト状の回転体で直線部に対応した部位では被帯電回収部材11は回転体の直線部に沿った直線状の対向面を有していればよい。
このような態様では、被帯電回収部材11と像保持体1との間の間隙部13が略等しい寸法dにあることから、被帯電回収部材11と像保持体1との間の電界強度が対向面全域に亘って略等しく保たれる。このため、像保持体1上の外添剤Wが被帯電回収部材11の一部に対し局部的に静電吸着されることはほとんどなく、被帯電回収部材11のうち外添剤Wが静電吸着されていない箇所に向かって回収され、外添剤Wが静電吸着された箇所は静電遮蔽効果で電界が弱まることから、外添剤Wが静電吸着されていない別の箇所に向かって広範囲に亘り回収される。
【0017】
更に、被帯電回収部材11の突部の好ましい態様としては以下の態様が挙げられる。
第1の態様としては、被帯電回収部材11のうち像保持体1の回転移動方向の下流側に突部を形成し、像保持体1の表面のうち画像形成領域に対して被帯電回収部材11の突部を接触させる態様がある。
本態様では、突部は被帯電回収部材11を摩擦帯電する機能部であり、被帯電回収部材11のうち像保持体1の回転移動方向の下流側に設けた態様では、この突部よりも像保持体1の回転移動方向の上流側に間隙部13を確保することになる。このため、像保持体1上の外添剤Wの多くは画像形成領域に残存するが、被帯電回収部材11の突部と像保持体1との接触部位を通過する前に像保持体1上の外添剤Wが間隙部13内の電界Eによって被帯電回収部材11側に回収される。
第2の態様としては、像保持体1の表面のうち画像形成領域以外の非画像形成領域に対して被帯電回収部材11の突部を接触させる態様が挙げられる。
本態様では、像保持体1の表面のうち非画像形成領域に対応した部位に被帯電回収部材11の突部を接触しているため、像保持体1の画像形成領域に残存する外添剤Wが突部と像保持体1との接触部位を過ぎることはなく、外添剤Wが前記接触部位に付着して被帯電回収部材11への摩擦帯電性能が損なわれることはない。
第3の態様としては、像保持体1の表面に対して被帯電回収部材11の突部を複数箇所で接触させる態様が挙げられる。
本態様では、突部は被帯電回収部材11を摩擦帯電させるという機能については点状の一箇所でもよいが、被帯電回収部材11と像保持体1との間隙部13の間隙寸法dを安定させるという観点からすれば、線状箇所又は複数の点状箇所設けることが好ましい。
【0018】
また、外添剤回収手段10の別の代表的態様としては、専用の摩擦帯電部材を用いて像保持体1に対して非接触な被帯電回収部材11を帯電する態様が挙げられる。具体的には、像保持体1に対し間隙部13を介して対向配置される被帯電回収部材11と、像保持体1回転時には被帯電回収部材11に対して摩擦帯電部材12aを相対的に回転駆動させることで摺擦可能に接触させる摩擦帯電機構12と、を有するものである。
本態様では、摩擦帯電部材12a又は被帯電回収部材11の少なくともいずれかが回転駆動する態様であればよい。また、被帯電回収部材11は像保持体1と非接触配置されることから、像保持体1の回転移動動作が安定するほか、摩擦帯電部材12a、被帯電回収部材11の材料選択の自由度が高い点で好ましい。
本態様の好ましい態様としては、被帯電回収部材11は回転駆動可能に設けられ、摩擦帯電機構12は、像保持体1回転時に被帯電回収部材11を回転駆動すると共に、当該被帯電回収部材11に予め固定配置された摩擦帯電部材12aを摺擦可能に接触させるものが挙げられる。
本態様において、被帯電回収部材11を回転駆動する方式としては、専用の駆動源を用いてもよいが、像保持体1の駆動伝達系を介して駆動力を伝達する方式が好ましい。また、被帯電回収部材11は固定配置された摩擦帯電部材との接触部にて摩擦帯電される。更に、回転駆動する被帯電回収部材11と像保持体1との間には最近接部位が存在し、当該最近接部位にて高強度の電界が集中して形成されることから、像保持体1上の外添剤Wは被帯電回収部材11に効率的に回収される。
また、被帯電回収部材11を回転駆動する態様にあっては、被帯電回収部材11に静電吸着した外添剤Wが清掃される清掃部材(図示せず)を有する態様が好ましい。
本態様において、部品点数を低減させるという観点からすれば、摩擦帯電部材12aと清掃部材とを兼用した態様が好ましい。
【0019】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
―画像形成装置の全体構成―
図5は本発明が適用される画像形成装置の実施の形態1の全体構成図である。
同図において、この画像形成装置20は4連タンデム方式のフルカラー画像形成装置で、複数の色成分(本例では、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))の画像が出力可能な画像形成部としての画像形成ユニット30(具体的には30Y,30M,30C,30K)を作像順に互いに所定間隔離間して並設し、各画像形成ユニット30に対向した部位には各画像形成ユニット30にて形成された画像が一時的に保持可能な中間転写体40を配設し、この中間転写体40上に保持された画像を一括転写装置50にて記録材Pに一括転写した後、定着装置60にて記録材P上に転写された画像を定着するものである。尚、符号70は一括転写部位に記録材Pを搬送する記録材搬送系である。
【0020】
<画像形成ユニット>
各画像形成ユニット30(30Y〜30K)は、表面に感光体層を有する像保持体としてのドラム状の感光体31と、この感光体31を一様に帯電する帯電装置32と、一様に帯電された感光体31に像光を照射して静電潜像を形成する露光装置33と、感光体31上に形成された静電潜像にトナーを転移させてトナー像(画像)とする現像装置34と、感光体31上のトナー像を中間転写体40に一次転写した後に感光体31上に残留したトナーを清掃する清掃装置36と、この清掃装置36よりも感光体31の回転方向下流側に設けられて清掃装置36を通過した感光体31上に残留した外添剤を回収する外添剤回収装置37と、を備えている。
本例においては、画像形成ユニット30のうち、感光体31,帯電装置32、現像装置34,清掃装置36及び外添剤回収装置37は予め一つにまとめられたプロセスカートリッジとして構成されており、このプロセスカートリッジは色成分毎に交換可能にするために画像形成装置の筐体に対して着脱可能に装着されている。
ここで、感光体31は、例えば直径が20〜100mm程度の導電性の金属製基体上に感光層を積層形成したものである。この感光層は電荷発生層と電荷輸送層とが順次積層された機能分離型で、通常は高抵抗であるが、光照射により比抵抗が変化する性質(具体的には光照射により低抵抗になって導電性に至る性質)を持っている。
帯電装置32としては、例えばスコロトロンが用いられるが、これに限られるものではなく、コロトロンを始めこれ以外の各種放電器やロール形状・ブレード形状などの接触あるいは非接触型の帯電部材を用いたものなど適宜選定して差し支えない。
露光装置33としてはレーザ走査装置やLEDアレイなどが用いられる。
現像装置34としては、感光体31に対向して開口し且つ二成分現像剤が収容される現像容器34aを有し、この現像容器34aの開口に面して現像剤が保持搬送可能な現像ロール34bを配設したものである。尚、現像容器34a内には、二成分現像剤が撹拌搬送可能な撹拌搬送部材(図示せず)や、現像ロール34bに保持される現像剤の層厚が規制される層規制部材(図示せず)など各種機能部材が組み込まれている。
本例で用いられる現像剤のトナーとしては、例えば乳化重合法により製造されたものを使用することが可能であるが、本製造法に限らず、例えば懸濁重合法、懸濁造粒法、溶解懸濁法、混練粉砕法等により製造されたものでもよい。ここで、トナーの粒径は画質に大きな影響を与え粒径が小さいほど画質は向上するが、小さくなると現像性が低下したり取扱いが難しくなったりするので、平均粒径3μm以上10μm以下のものが望ましい。また、トナーには帯電制御剤や転写助剤として平均粒径10〜150nm程度のシリカやチタニアが適量外添される。本例では特にクリーニング性や転写維持性を確保するために比較的大粒径のシリカが外添されている。具体的には個数平均粒径100〜150nm程度のシリカが外添されている。ここでいう「個数平均粒径」はJIS Z 8901に基づき顕微鏡法による円相当径(Heywood径)で求めており、顕微鏡としては走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた。
尚、清掃装置36及びその周辺構成の詳細については後述する。
【0021】
<中間転写体及びその周辺構成>
中間転写体40は、複数(本例では3つ)の張架ロール41〜43に張架されて循環回転する無端状のベルト部材からなり、例えば張架ロール41を駆動回転可能な駆動ロールとして駆動され、張架ロール42を張力調整ロールとして予め決められた張力が付与されている。
本例では、中間転写体40は、例えばポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、フッ素系樹脂などの樹脂材料に、カーボンやイオン導電物質などの導電性付与のための物質を分散させ、表面抵抗率を1010〜1012Ω/□程度(測定電圧:100V)に調整して形成されている。
また、中間転写体40のうち各画像形成ユニット30の感光体31に対向する裏面には一次転写装置45が配設されており、この一次転写装置45は例えば予め決められた一次転写電圧が印加される一次転写ロールからなり、中間転写体40に各感光体31上のトナー像を一次転写するものである。
更に、中間転写体40のうち張架ロール41に対向する部位には中間転写体清掃装置46が配設されており、この中間転写体清掃装置46は例えば中間転写体40表面に接触する板状の清掃ブレード46aを有し、中間転写体40上の残留トナーを清掃するものである。
【0022】
<一括転写装置>
一括転写装置50は、中間転写体40のうち張架ロール43に対向する中間転写体40表面に二次転写ロール51を有し、この二次転写ロール51に対向する張架ロール43を対向電極ロールとして兼用し、張架ロール43又は二次転写ロール51に二次転写電圧を印加することで両ロール間の転写領域に転写電界を生成し、この転写電界によって搬送されてくる記録材Pに対し中間転写体40上のトナー像を一括転写(二次転写)するものである。
<定着装置>
定着装置60としては記録材P上の未定着トナー像を転写するものであれば適宜選定して差し支えなく、例えば加熱源を含む加熱定着ロール61と、この加熱定着ロール61との間に記録材Pを挟持して搬送するように加圧配置され且つ加熱定着ロール61と共に転動する加圧定着ロール62と、を有する態様が挙げられる。
<記録材搬送系>
記録材搬送系70は、記録材Pが枚葉毎に送出可能に収容される記録材収容装置71を有し、この記録材収容装置71から送出された記録材Pを搬送経路72に沿って搬送し、この搬送経路72のうち一括転写部位の手前に一括転写部位への記録材Pの供給タイミングが位置合せされる位置合せロール73を配設すると共に、搬送経路72のうち一括転写部位よりも記録材Pの搬送方向下流側に搬送ベルト74を配設することで定着装置60に向けて一括転写後の記録材Pを搬送し、定着装置60直後には排出ロール75を配設することで図示外の記録材排出受けに向けて記録材Pを排出するようになっている。
【0023】
―画像形成装置の基本作像作動―
本実施の形態における画像形成装置の基本作像作動について説明する。
各画像形成ユニット30(30Y〜30K)では各色成分画像が感光体31上に形成される。
以下、画像形成ユニット30Yにおいてイエロ画像を形成する動作について説明する。
先ず、動作に先立って、帯電装置32によって感光体31の表面が所定の電位(例えば−600V〜−800V程度の電位)に帯電される。この後、帯電した感光体31の表面に、図示外の制御部から送られてくるイエロ用の画像データに従って、露光装置33により例えばレーザ光などの光線が出力される。この光線は、感光体31の表面の感光層に照射され、それにより、イエロ印字パターンの静電潜像が感光体31の表面に形成される。ここでいう静電潜像とは、帯電された感光体31の表面に形成される像であり、光線によって感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体31の表面の帯電した電荷が流れ、一方、光線が照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される所謂ネガ潜像である。
このようにして感光体31上に形成された静電潜像は、感光体31の回転により所定の現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体31上の静電潜像が、現像装置34によって可視像(トナー像)化される。現像装置34内には、例えば乳化重合法により製造された平均粒径が3〜8μmのイエロトナーが収容されている。イエロトナーは、現像装置34の内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体31表面の帯電荷と同極性(−)の電荷を有している。感光体31の表面が現像装置34を通過していくことにより、感光体31表面の除電された潜像部にのみイエロトナーが静電的に付着し、静電潜像がイエロトナーによって現像される。感光体31は、引き続き回転し、感光体31表面に現像されたイエロトナー像が所定の一次転写位置へ搬送される。感光体31表面のイエロトナー像が一次転写位置へ搬送されると、一次転写装置45(本例では一次転写ロール)に所定の一次転写電圧が印加され、感光体31から一次転写装置45に向う静電気力がトナー像に作用し、感光体31表面のトナー像が中間転写体40表面に転写される。
このとき、印加される一次転写電圧は、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば画像形成ユニット30Yでは制御部(図示せず)によって+20〜30μA程度に定電流制御されている。一方、感光体31表面の転写残トナーは、清掃装置36により清掃される。
【0024】
更に、第1の画像形成ユニット30Yより作像順が後の第2の画像形成ユニット30M以降の一次転写装置45に印加される一次転写電圧も前記と同様に制御されている。 こうして、第1の画像形成ユニット30Yにてイエロトナー像の転写された中間転写体40は、第2〜第4の画像形成ユニット30M、30C、30Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が同様に重ねられて多重転写される。第1〜第4の画像形成ユニット30(30Y〜30K)を通して全ての色のトナー像が多重転写された中間転写体40は、矢印方向に周回搬送され、中間転写体40内面に接する対向電極ロール(張架ロール)43と中間転写体40の像保持面側に配置される二次転写ロール51とから構成された一括転写部位へと至る。
一方、記録材Pが、記録材搬送系70を介して一括転写部位に位置合せロール73で位置合せされた後に予め決められたタイミングで供給され、所定の二次転写電圧が例えば二次転写ロール51に印加される。このとき印加される二次転写電圧は、トナーの極性(−)と逆極性(+)であり、中間転写体40から記録材Pに向う静電気力がトナー像に作用し、中間転写体40表面のトナー像が記録材P表面に転写される。尚、本例では、二次転写電圧は一括転写部位の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるもので、定電圧で制御されている。
その後、記録材Pは定着装置60と送り込まれ、トナー像が加熱・加圧され、色重ねされたトナー像が溶融されて、記録材P表面へ定着される。このようにカラー画像の定着が完了した記録材Pは図示外の記録材排出受けへ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。 尚、中間転写体40上の残留トナーは中間転写体清掃装置46にて清掃される。
【0025】
次に、清掃装置36及びその周辺構成について詳細に説明する。
―清掃装置及びその周辺構成―
図6は清掃装置36及びその周辺構成を示す説明図である。
<清掃装置>
同図において、清掃装置36は、感光体31に近接して配置され、感光体31と対向する側に開口する清掃容器81を有し、この清掃容器81の開口縁のうち感光体31の回転方向下流側に位置する部位(図6中では開口上縁)には清掃ブレード82を設けたものである。
ここで、清掃ブレード82は、弾性素材によって所定厚さの板状に形成された清掃部材であり、清掃ブレード82の材料には耐磨耗性、耐欠け性、耐クリープ性など機械的性質に優れる例えば熱硬化型ポリウレタンゴムが使用されるが、これに限られるものではなく、シリコーンゴム、フッ素ゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム等の機能性ゴム材を広く用いて差し支えない。また、清掃ブレード82の取付構造としては、清掃容器81の開口上縁に断面形状が略L字状の板金からなる支持ブラケット83をネジ等の止め具84にて固定し、支持ブラケット83の感光体31に対向する面に清掃ブレード82の基部を接着し、この清掃ブレード82の接着部位から突出した突出部を感光体31の回転方向に抗する方向に向けて延ばし、当該突出部の先端エッジ部を感光体31表面に当接させるものが挙げられる。そして、本例では、清掃ブレード82の加圧方式は構造が簡単で低コストの定変位方式(清掃ブレード82の先端エッジ部を予め決められた量だけ変位させる方式)を採用しており、清掃ブレード82の弾性係数及びその変位量に基づいて予め決められた加圧力を得るようになっている。但し、清掃ブレード82の加圧方式は定変位方式に限られるものではなく、例えば当接圧の経時変化がほとんどない定荷重方式を用いてもよいことは勿論である。
更に、清掃容器81の開口縁のうち感光体31の回転方向上流側に位置する部位(図6中では開口下縁)にはシール部材85が固定されている。このシール部材85は、可撓性を有する樹脂フィルム(例えば厚さ0.1mmの熱可塑性ポリウレタンフィルム)等で構成されており、固定部位から突出した突出部を感光体31の回転方向に沿った方向に延ばした状態で感光体31に接触させ、感光体31と清掃容器81との間の隙間をほぼ塞ぎ、清掃容器81内に収容された廃トナー等が外部へ漏れるのを防ぐものである。
更に、清掃容器81の内部には感光体31の軸方向に沿って収容された廃トナーを搬送する搬送部材86が配設されている。
【0026】
このような構成の清掃装置36では、図6に示すように、感光体31の表面に残留した転写残トナーTは、シール部材85と感光体31との接触部位をそのまま通過した後、清掃ブレード82によって掻き取られる。清掃ブレード82で掻き取られたトナーTは清掃容器81に一旦収容された後、最終的に搬送部材86によって清掃容器81の側方外部に搬送・排出される。
但し、このような清掃装置36において、清掃ブレード82の先端部が感光体31との摺擦で摩耗したり、感光体31表面の摩擦係数が高いなどの場合に、清掃ブレード82の先端部が不規則に変形したりしてトナーTの塞き止め力が低下すると、粒径の小さい外添剤Wは清掃ブレード82からすり抜け易くなる。特に、外添剤Wとして使用されているシリカは粒径が小さく、ファンデルワールス力などで感光体31表面に強固に付着しているため、清掃ブレード82による掻き取り力では完全には清掃できず、清掃ブレード82と感光体31との接触部位をすり抜け易い。
【0027】
<外添剤回収装置>
このような外添剤Wのすり抜け現象のうち、特に大粒径のシリカは、前述したように、連続プリント時にゴースト画像が発生したり、画質劣化の要因につながり易いという懸念があり、これを回避するという観点から、外添剤回収装置37が配設されている。
この外添剤回収装置37は、図7及び図8(a)(b)に示すように、感光体31の軸方向に沿って例えば断面形状が略L字状の支持基材110を配設し、この支持基材110の一方の腕部である支持部111を感光体31に対向するように配置し、支持基材110の支持部111に板状の被帯電回収部材100を接着固定したものである。
本例では、支持基材110は例えば板バネ材料にて構成され、プロセスカートリッジの筐体(図示せず)にネジなどの止め具(図示せず)を介して他方の腕部である取付部112を止着することで固定されている。尚、支持基材110としては板バネ材料に限られるものではなく、金属製、樹脂製など適宜選定して差し支えない。
また、本例において、被帯電回収部材100は、感光体31の軸方向に延びる長尺な板状部材からなり、外添剤Wとしてのシリカより帯電列がプラス側にある材料で構成され、特に、帯電列の中で、よりプラス側にある材料が好ましい。更に、本例では、被帯電回収部材100は、感光体31の表面材料よりも帯電列でプラス側にある材料で構成されていることを要する。
つまり、図9にように、外添剤Wとしてのシリカの帯電列をCw、感光体31の帯電列をCp、被帯電回収部材100の帯電列をCkとすれば、以下の関係を満たす。
+←Ck>Cw→−
+←Ck>Cp→−
例えば感光体31の表面材料がポリカーボネートである例を挙げれば、被帯電回収部材100はこれよりも帯電列がプラス側にある材料を選定すればよい。特に、帯電列の中でよりプラス側にある材料で、更に、耐摩耗性に優れ、表面の摩擦係数が小さい材料を選定するようにすれば、例えばナイロン(登録商標)が好ましい材料として選定される。尚、ポリカーボネートよりプラス側にある材料であればナイロン(登録商標)以外の材料を使用することが可能であることは勿論である。
【0028】
更に、本実施の形態では、被帯電回収部材100は、図7及び図8(a)(b)に示すように、被帯電回収板101と、この被帯電回収板101の感光体31の回転移動方向の下流側端にて感光体31側に向かって突出するように一体的に形成される突部105と、を有している。
本例において、被帯電回収板101は、感光体31の画像形成領域mが少なくとも含まれる長さ寸法に設定されており、感光体31との対向面が感光体31の曲率半径Rpに対して同心となる曲率半径Rkで湾曲する湾曲部102を有している。
また、突部105は被帯電回収板101の長さ寸法に対応して線状に延びて設けられており、本例では感光体31の画像形成領域m及びその両側に位置する非画像形成領域にも一部及んで設けられている。
特に、本例では、突部105は先端が曲面状に形成された曲面部106を有し、この曲面部106を介して感光体31の表面に接触配置されている。
更に、本実施の形態では、被帯電回収部材100は、支持基材110に支持され、突部105が感光体31の表面に接触配置されることから、被帯電回収板101と感光体31表面との間に微小な間隙部120が形成されている。
特に、本実施の形態では、被帯電回収板101の対向面が感光体31の表面形状に沿って湾曲する湾曲部102であることから、間隙部120は予め決められた略均一な間隔寸法dをもって形成される。
また、この間隙部120の間隔寸法dは、詳細は後述するが、被帯電回収部材100が感光体31によって摩擦帯電されたときに、感光体31上に残留する外添剤Wとしてのシリカを静電的に回収する上で必要な電界Eが形成されるように選定されることを要する。
従って、間隙部120の間隔寸法dは狭い方がシリカに対する静電気力をより強く作用する点で好ましい。好ましくは、上限は1mm以下、より好ましくは0.5mm以下で、下限は機械的精度を考慮して0.01mm程度になるように設定されている。
【0029】
本実施の形態に係る外添剤回収装置37は以下のような動作原理で作動する。
先ず、各画像形成ユニット30が作像動作を実施すると、図7及び図9に示すように、感光体31が予め決められたプロセス速度vpで回転する。
この状態において、被帯電回収部材100の突部105は感光体31に摺擦することにより(+)に摩擦帯電され、被帯電回収部材100全体が(+)に摩擦帯電される。この結果、摩擦帯電された被帯電回収部材100には電荷(プラス極性)が生成され、この電荷によって被帯電回収部材100の湾曲部102と感光体31との間の間隙部120には略均一な電界Eが生成される。
一方、外添剤Wとしてのシリカはマイナス極性に帯電する傾向が強く、清掃装置36の清掃ブレード82を通過した外添剤Wとしてのシリカは(−)に帯電されている。
この状態において、感光体31の回転移動に伴って感光体31上のシリカが被帯電回収部材100の間隙部120(例えば図7中A領域)に至ると、図9に示すように、感光体31上のシリカは間隙部120内の電界Eによる静電吸引力を受けて間隙部120を図9中点線で示す矢印の方向に飛翔し、被帯電回収部材100の被帯電回収板101の湾曲部102に静電吸着される。この状態において、被帯電回収部材100は外添剤Wとしてのシリカを回収する。
このとき、被帯電回収部材100の湾曲部102は感光体31と略均一な間隔寸法dの間隙部120を介して感光体31の表面と対向しているため、被帯電回収部材100の湾曲部102全域には略均一な電界強度が作用することになり、当該湾曲部102全域がシリカの回収面として機能する。このため、感光体31上の外添剤Wとしてのシリカは、被帯電回収部材100の湾曲部102のうち既にシリカが回収されている箇所以外の露出面に向かって広範囲に亘り静電吸着される。
【0030】
また、感光体31の表面に残留した転写残トナーTは感光体31の画像形成領域m内に多く存在することから、清掃装置36を通過する外添剤Wとしてのシリカも感光体31の画像形成領域m内に多く存在するが、前述したように、被帯電回収部材100の間隙部120の領域で感光体31上のシリカはほとんど全て被帯電回収部材100に回収されるため、被帯電回収部材100の突部105が感光体31の画像形成領域m内に接触配置されている態様であっても、当該突部105と感光体31との接触部位に感光体31上の外添剤Wとしてのシリカが到達することはほとんどなく、シリカが当該接触部位に滞留したり、当該接触部位を通過することはほとんどない。
このため、本実施の形態では、帯電装置32による感光体31への帯電部位に外添剤Wとしてのシリカが到達することはほとんどないため、例えば帯電装置32としてのスコロトロンの放電作用に伴って感光体31上のシリカが放電ワイヤ321やグリッド322等に付着し、帯電不良の要因になる懸念はない。尚、帯電装置32として例えば感光体31に接触する帯電ロールを使用する態様であったしても、感光体31上のシリカが帯電ロールに付着することはほとんどないので、帯電ロールにシリカが付着することに伴う帯電不良の懸念もない。
更に、被帯電回収部材100の突部105は曲面部106を介して感光体31の表面に接触配置されているので、突部105と感光体31との間の接触部位での摺動抵抗が少なく、その分、感光体31の回転動作は安定的に維持されると共に、突部105の摩耗も少なく抑えられる。
【0031】
◎変形の形態1−1
本実施の形態では、被帯電回収部材100の突部105は線状に延びて形成されているが、これに限られるものではなく、例えば図10(a)に示すように、点状で複数箇所(例えば長手方向の両端寄りの2カ所など)に分離して形成するようにしてもよい。
◎変形の形態1−2
また、本実施の形態では、被帯電回収部材100は全体が外添剤Wとしてのシリカ及び感光体31に対して帯電列がプラス側に位置する材料で構成されているが、これに限られるものではなく、被帯電回収部材(被帯電回収板101+突部105)のうち支持基材110への接着面以外の表面に被覆層103を設け、この被覆層103の材料として外添剤Wとしてのシリカ及び感光体31に対して帯電列がプラス側に位置する材料を用いるようにしてもよい。本例では、被帯電回収部材100のうち被覆層103以外の材料を任意に選択することが可能である。
【0032】
◎実施の形態2
図11は実施の形態2に係る画像形成装置の要部を示す説明図である。
同図において、画像形成装置の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なる外添剤回収装置37を備えている。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
同図において、外添剤回収装置37は、実施の形態11と同様な支持基材110を有しているが、実施の形態1と異なる被帯電回収部材100を用いている。
本例では、被帯電回収部材100は、図11及び図12(a)(b)に示すように、少なくとも感光体31の画像形成領域m及びその両側の非画像形成領域の一部に対応した範囲に及ぶように感光体31の軸方向に延びる被帯電回収板101と、この被帯電回収板101の各隅部に対応した部位で感光体31側に向かって突出するように一体的に形成される複数(本例では4カ所)の突部130(具体的には130a〜130d)と、を有している。
ここで、被帯電回収板101は、実施の形態1と同様に、感光体31の表面との対向面が湾曲部102として構成されている。
一方、突部130(130a〜130d)は、感光体31の画像形成領域m以外の非画像形成領域に対応して感光体31の表面に接触する突起131からなり、この突起131の先端部を球面状部132としたものである。
【0033】
本実施の形態においても、被帯電回収部材100は、実施の形態1と同様に、突部130を介して感光体31によって摩擦帯電されるが、本実施の形態にあっては、突部130が感光体31の画像形成領域m以外の非画像形成領域に接触しており、また、非画像形成領域に外添剤Wとしてのシリカや転写残トナーTが存在することもほとんどないため、突部130と感光体31との接触部位に外添剤Wとしてのシリカや転写残トナーTが付着してフィルミングすることはほとんどなく、突部130による摩擦帯電が長期に亘って良好に維持され、被帯電回収部材100により安定した外添剤回収動作が行われる。
また、本例では、突部130の先端部は球面状部132として構成されていることから、突部130と感光体31との間の摺動抵抗は少なく、感光体31の回転動作は安定的に維持されると共に、突部130の摩耗も少なく抑えられる。
尚、本実施の形態では、突部130は被帯電回収板101の各隅部に対応して4カ所設けられているが、これに限定されるものではなく、例えば被帯電回収板101のうち感光体31の回転方向下流側に位置する隅部2カ所に対応して突部130を設けてもよいし、あるいは、被帯電回収板101の各隅部ではなく、感光体31の非画像形成領域に対応した両側部に対応して線状又は点状の突部130を設ける等、適宜設計変更してよいことはは勿論である。
【0034】
◎実施の形態3
図13は実施の形態3に係る画像形成装置の要部を示す説明図である。
同図において、画像形成装置の基本的構成は、実施の形態1,2と略同様であるが、実施の形態1,2と異なる外添剤回収装置37を備えている。尚、実施の形態1,2と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
同図において、外添剤回収装置37は、図13及び図14(a)(b)に示すように、感光体31に対して対向配置される被帯電回収部材140と、感光体31回転時に被帯電回収部材140を摩擦帯電させる摩擦帯電機構150と、を備えている。
本例では、被帯電回収部材140は回転可能な被帯電回収ロール141からなり、この被帯電回収ロール141は、感光体31の軸方向に沿って延び、感光体31に対して間隙部120(間隔寸法d)を介して非接触配置される。
一方、摩擦帯電機構150は、感光体31回転時に被帯電回収ロール141を回転駆動すると共に、この被帯電回収ロール141に予め固定配置された板状の摩擦帯電部材151の一側面を摺擦可能に接触させたものである。
【0035】
ここで、摩擦帯電部材151は、例えば図示外のプロセスカートリッジの筐体にネジ等の止め具(図示せず)で固定された支持基材152に例えば接着固定され、被帯電回収ロール141に接触配置されている。尚、摩擦帯電部材151と被帯電回収ロール141との接触状態を保つために、支持基材152を板バネ材で構成し、被帯電回収ロール141に対し摩擦帯電部材151を所定圧で押圧することが好ましい。
特に、本例では、被帯電回収ロール141は、実施の形態1,2と異なり、専用の摩擦帯電部材152で摩擦帯電するため、被帯電回収ロール141の材料の選択範囲が実施の形態1,2に比べて広くなる。
つまり、被帯電回収ロール141は、感光体31との帯電列を考慮する必要がなく、基本的には外添剤Wとしてのシリカより帯電列がプラス側にある材料が選択できる。具体的には、ウレタンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチレンゴム、多硫化系ゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴムなどの合成ゴム、天然ゴムなどが使用でき、比較的高硬度で摩擦係数が高くないものがよい。また、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリアセタール、ポリイミド、ポリアミドイミド、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタンなどのプラスチック材料も使用できる。さらに、ガラスはプラスの帯電性が強いため好適である。
尚、被帯電回収ロール141としては、全体を前述した材料で構成してもよいし、例えばロール本体の表面の被覆層を前述した材料で構成するようにしてもよい。
また、摩擦帯電部材151は、被帯電回収ロール141より帯電列がマイナス側にある材料から任意に選択される。
また、本例で用いられる被帯電回収ロール141の駆動系160は、図14(b)に示すように、例えば感光体31と同軸に駆動伝達ギア161を設けると共に、被帯電回収ロール141と同軸に駆動伝達ギア161と噛み合う被駆動伝達ギア162を設け、感光体31回転時に駆動伝達ギア161及び被駆動伝達ギア162を介して被帯電回収ロール141に回転駆動力を伝達するものである。尚、符号163は感光体31の駆動源としての駆動モータである。
尚、被帯電回収ロール141の駆動系としては、感光体31の駆動系を利用する態様であるが、これに限られず、専用の駆動系を用いてもよいことは勿論である。
【0036】
本実施の形態によれば、外添剤回収装置37は以下のように作動する。
先ず、感光体31が回転駆動すると、図14(b)に示すように、被帯電回収ロール141の駆動系160(駆動伝達ギア161,被駆動伝達ギア162)を介して被帯電回収ロール141が回転駆動を開始する。
この状態において、図14(a)に示すように、摩擦帯電部材151が被帯電回収ロール141との接触部位(図14(a)中S領域)で摺擦することになり、被帯電回収ロール141は摩擦帯電部材151によって(+)に帯電され、この摩擦帯電に伴う電荷が生成される。
すると、被帯電回収ロール141と感光体31の表面との間隙部120には、この電荷に基づく電界Eが集中的に生成され、感光体31上の外添剤Wとしてのシリカが被帯電回収ロール141に静電吸着されて回収される。
本例では、被帯電回収ロール141は回転駆動され、回収したシリカが被帯電回収ロール141と摩擦帯電部材151との接触部位を通過することになるが、当該シリカは被帯電回収ロール141側に静電吸着されているため、前記接触部位で不必要に滞留するという懸念はない。
尚、被帯電回収ロール141に回収した外添剤Wとしてのシリカを除去するための清掃部材を必要に応じて付加してもよいことは勿論である。
【0037】
◎変形の形態3−1
本実施の形態では、板状の摩擦帯電部材151の一側面が被帯電回収ロール141に接触しているが、これに限られるものではなく、例えば図15中S領域に示すように、板状の摩擦帯電部材151の先端エッジ部153を被帯電回収ロール141に接触配置させるようにしてもよい。
本態様では、摩擦帯電部材151と被帯電回収ロール141との摺擦力を高く設定することが可能であるため、被帯電回収ロール141に対する摩擦帯電性能を向上させることが可能であるほか、摩擦帯電部材151の先端エッジ部153が被帯電回収ロール141に回収した外添剤Wとしてのシリカを掻き取る作用も兼ねるため、当該摩擦帯電部材151は被帯電回収ロール141を清掃する清掃部材をも兼用することになり、被帯電回収ロール141を常にリフレッシュした状態に保つことが可能である。尚、本態様では、摩擦帯電部材151として、清掃部材として既に利用されている例えばウレタンゴム製のものを利用することも可能であるため、材料選択の点でより汎用性を高めることができる。
◎変形の形態3−2
また、本実施の形態では、被帯電回収部材140を回転駆動可能な被帯電回収ロール141とし、摩擦帯電部材150を固定配置した態様が採用されているが、これに限られるものではなく、例えば図16に示すように、摩擦帯電機構150の摩擦帯電部材151を回転駆動可能な摩擦帯電ロール155とし、被帯電回収部材140として感光体31に対向して非接触配置される被帯電回収板145を用い、実施の形態1と略同様な駆動系を利用することで、摩擦帯電ロール155を回転駆動することで、摩擦帯電ロール155と被帯電回収板145とを摺擦させ、被帯電回収板145を摩擦帯電させるようにしてもよい。
尚、本例においては、被帯電回収板145は感光体31に対して非接触配置されるものであるが、回転駆動する摩擦帯電ロール155との接触による振動などに伴う間隙部120の変化を抑制するという観点から、被帯電回収板145の各隅部に感光体31の表面のうち非画像形成領域に向かって突出する位置決め突部(図示せず)を設け、この位置決めル突部で被帯電回収板145を位置決めすることが好ましい。
【実施例】
【0038】
次に、実施の形態1に係る画像形成装置を実施例1として用い、外添剤回収装置37の効果を検証するための実験を行った。尚、外添剤回収装置37を具備しない態様を比較例1とする。
実験条件は以下の通りである。
検証実験には富士ゼロックス製オンデマンド印刷機DocuColor8000を使用し、清掃装置36と帯電装置32との間に外添剤回収装置37を組み込んだ。
・使用トナー:乳化重合法により製造された平均粒径5.8μmのトナー(個数平均粒径100〜150nmのシリカを外添)
・清掃ブレード:加圧力39.2N/mのウレタンゴム製ブレード
・シール部材:厚さ0.1mmの熱可塑性ポリウレタンフィルム
また、評価方法は、ゴースト評価チャート(例えば図2(a)参照)を連続50枚プリントし、50枚目のゴーストレベルをΔL*で評価した。こごていうΔL*は例えば図2(b)中のゴースト画像IMgが存在する領域とこの領域以外のハーフトーン画像IM2の領域との間の明度差を意味する。
評価結果を図17に示す。
同図によれば、ΔL*の値は小さいほどゴーストレベルが良好なことを示している。
比較例1では、ΔL*の値は2.0で連続プリントゴーストの発生が見られたのに対して、実施例1ではΔL*の値は0.1にまで低減し、連続プリントゴーストが認識されないレベルまで改善することが理解される。
また、実施例1における外添剤回収装置37の改善効果に関し、その維持性を確認するためにランニング試験を行った。
ランニングしたトータルサイクル数(感光体の回転総数)は100,000Cycleである。10,000Cycle毎に上記と同様にゴースト評価を行った結果、図18に示すようにΔL*の値は0.1〜0.2で推移し、測定バラツキを考慮すれば変化していないと判断することができ、実施例1の維持性が確認された。
【符号の説明】
【0039】
1…像保持体,2…潜像形成手段,2a…帯電手段,2b…潜像書込手段,3…現像手段,3a…現像容器,3b…現像剤保持体,3c…現像回転体,3d…磁石部材,3e…撹拌搬送部材,4…転写手段,5…転写媒体,6…清掃手段,6a…清掃部材,10…外添剤回収手段,11…被帯電回収部材,12…摩擦帯電機構,12a…摩擦帯電部材,13…間隙部,E…電界,W…外添剤,d…間隙部の間隔寸法
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来における画像形成装置としては例えば特許文献1,2に記載のものが既に知られている。
特許文献1には、像担持体に圧接するクリーニングブレードを備えた態様において、クリーニングブレードによるクリーニング部位の後で、一次帯電部位より前位置に、像担持体との摩擦帯電によって、トナーに外添したシリカ粒子と逆極性に帯電する吸着部材(スクレーパやブラシローラ)を配設した画像形成装置のクリーニング装置が開示されている。
特許文献2には、感光体に接触して配置された帯電ローラに、正帯電されるクリーニング部材と、負帯電されるクリーニング部材とを接触配置し、機械的な回収と共に静電的な異物回収を図るクリーニング装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−45979号公報(実施例の説明,図2)
【特許文献2】特開平6−230657号公報(実施例,図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、連続的に面画像を作製することに起因する外添剤の像保持体への転移現象に伴う残像画質不良を有効に解消することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、静電潜像が保持される回転可能な像保持体と、この像保持体に対して画像信号に基づく静電潜像を形成する潜像形成手段と、トナー及びキャリア並びにトナーと同極性の外添剤が含まれる現像剤が保持搬送される現像剤保持体を有し、この現像剤保持体に保持搬送された現像剤を前記像保持体に対し摺擦させ、前記潜像形成手段にて像保持体上に形成された静電潜像を現像する現像手段と、この現像手段にて現像された前記像保持体上のトナー像を転写媒体に転写する転写手段と、この転写手段による転写部位よりも前記像保持体の回転方向下流側に設けられ、前記像保持体に接触する清掃部材にて当該像保持体上の転写後の残留物を清掃する清掃手段と、この清掃手段による清掃部位よりも前記像保持体の回転方向下流側に設けられ、前記清掃部位を通過した像保持体上の外添剤を回収する外添剤回収手段と、を備え、前記外添剤回収手段は、前記像保持体に対向し且つ前記像保持体の回転方向と交差する方向に延びるように配置され、少なくとも像保持体に対向する対向部は前記外添剤よりも帯電列がプラス側に位置する材料で構成される被帯電回収部材と、前記被帯電回収部材に接触して当該被帯電回収部材が前記外添剤を静電吸着するように摩擦帯電させられる摩擦帯電部材を有し、前記像保持体回転時に前記摩擦帯電部材との接触に起因して前記被帯電回収部材を摩擦帯電する摩擦帯電機構と、前記被帯電回収部材の像保持体との対向部と前記像保持体との間に設けられ、前記摩擦帯電機構により被帯電回収部材が摩擦帯電されたときに当該摩擦帯電により生成される電荷に基づく電界が像保持体上の外添剤を静電吸引可能な程度に作用させられる間隙部と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る画像形成装置において、前記外添剤回収手段は、少なくとも像保持体に対向する対向部は前記像保持体よりも帯電列がプラス側に位置する材料で構成された被帯電回収部材と、前記像保持体を摩擦帯電部材として利用し、前記被帯電回収部材の一部に摩擦帯電部材である像保持体に接触する突部を形成した摩擦帯電機構と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
請求項3に係る発明は、請求項2に係る画像形成装置において、前記摩擦帯電機構は、前記被帯電回収部材には先端が曲面状に形成された突部を有することを特徴とする画像形成装置である。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれかに係る画像形成装置において、前記被帯電回収部材は、像保持体の表面形状に沿う形状の対向面を有していることを特徴とする画像形成装置である。
請求項5に係る発明は、請求項2又は3に係る画像形成装置において、前記摩擦帯電機構は、被帯電回収部材のうち像保持体の回転移動方向の下流側に突部を形成し、前記像保持体の表面のうち画像形成領域に対して前記被帯電回収部材の突部を接触させることを特徴とする画像形成装置である。
請求項6に係る発明は、請求項2又は3に係る画像形成装置において、前記摩擦帯電機構は、前記像保持体の表面のうち画像形成領域以外の非画像形成領域に対して前記被帯電回収部材の突部を接触させることを特徴とする画像形成装置である。
【0007】
請求項7に係る発明は、請求項2、3、5又は6いずれかに係る画像形成装置において、前記摩擦帯電機構は、前記像保持体の表面に対して被帯電回収部材の突部を線状箇所又は複数の点状箇所で接触させることを特徴とする画像形成装置である。
請求項8に係る発明は、請求項1に係る画像形成装置において、前記外添剤回収手段は、前記像保持体に対し前記間隙部を介して対向配置される被帯電回収部材と、前記像保持体回転時には前記被帯電回収部材に対して前記摩擦帯電部材を相対的に回転駆動させることで摺擦可能に接触させる摩擦帯電機構と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
請求項9に係る発明は、請求項8に係る画像形成装置において、前記被帯電回収部材は回転駆動可能に設けられ、前記摩擦帯電機構は、前記像保持体回転時に前記被帯電回収部材を回転駆動すると共に、当該被帯電回収部材に予め固定配置された前記摩擦帯電部材を摺擦可能に接触させるものであることを特徴とする画像形成装置である。
請求項10に係る発明は、請求項9に係る画像形成装置において、前記外添剤回収手段は、被帯電回収部材に静電吸着した外添剤が清掃される清掃部材を有することを特徴とする画像形成装置である。
請求項11に係る発明は、請求項10に係る画像形成装置において、前記外添剤回収手段は、前記摩擦帯電部材と前記清掃部材とを兼用したことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、連続的に面画像を作製することに起因する外添剤の像保持体への転移現象に伴う残像画質不良を有効に解消することができる。
請求項2に係る発明によれば、像保持体を利用して被帯電回収部材を容易に摩擦帯電することができる。
請求項3に係る発明によれば、被帯電回収部材と像保持体との摺動抵抗を抑えた状態で、像保持体を利用して被帯電回収部材を容易に摩擦帯電することができる。
請求項4に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、被帯電回収部材による外粉剤の回収性能を良好に保つことができる。
請求項5に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、被帯電回収部材に対する摩擦帯電面積を広く確保しながら、像保持体上の外添剤の回収性能を良好に保つことができる。
請求項6に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、被帯電回収部材に対する摩擦帯電性、及び、像保持体上の外添剤の回収性能を良好に保つことができる。
請求項7に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、被帯電回収部材と像保持体との間の間隙部の間隙寸法を安定させることができ、その分、被帯電回収部材と像保持体との間に作用する外添剤回収用の電界を安定的に形成することができる。
請求項8に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、像保持体に対する駆動負荷を低減しながら、像保持体上の外添剤の回収性能を良好に保つことができる。
請求項9に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、被帯電回収部材と像保持体との間隙部に外添剤回収用の電界を集中して作用させ、外添剤の回収性能をより良好に保つことができる。
請求項10に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、被帯電回収部材を常に清浄状態に保つことができ、その分、像保持体上の外添剤の回収性能を良好に保つことができる。
請求項11に係る発明によれば、専用の清掃部材を用いずに、被帯電回収部材を常に清浄状態に保つことができ、その分、像保持体上の外添剤の回収性能を良好に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(a)は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態の概要を示す説明図、(b)は(a)中の外添剤回収手段の要部を示す説明図である。
【図2】(a)は連続的に面画像を作製する初期画像の一例を示す説明図、(b)は(a)の初期画像を用いて連続的に面画像を作製した際に生じたゴースト発生画像の一例を示す説明図である。
【図3】図2(b)のゴースト発生画像が生ずる要因を模式的に示す説明図である。
【図4】図1に示す画像形成装置による作像過程を模式的に示す説明図である。
【図5】実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【図6】実施の形態1で用いられる画像形成装置の清掃装置の周辺部の構成を示す説明図である。
【図7】実施の形態1で用いられる外添剤回収装置の要部を示す説明図である。
【図8】(a)は図7の外添剤回収装置の構成例を示す説明図、(b)は図7中VIII方向から見た矢視図である。
【図9】実施の形態1で用いられる外添剤回収装置の作動原理を模式的に示す説明図である。
【図10】(a)(b)は実施の形態1で用いられる外添剤回収装置の変形形態を示す説明図である。
【図11】実施の形態2に係る画像形成装置の要部を示す説明図である。
【図12】(a)は実施の形態2で用いられる外添剤回収装置の要部を示す説明図、(b)は(a)中B方向から見た矢視図である。
【図13】実施の形態3に係る画像形成装置の要部を示す説明図である。
【図14】(a)は実施の形態3で用いられる外添剤回収装置の要部を示す説明図、(b)は(a)に示す外添剤回収装置の駆動系の一例を示す説明図である。
【図15】実施の形態3で用いられる外添剤回収装置の変形の形態3−1を示す説明図である。
【図16】実施の形態3で用いられる外添剤回収装置の変形の形態3−2を示す説明図である。
【図17】実施例1と比較例1とにおけるゴーストレベルを示す説明図である。
【図18】実施例1におけるゴーストレベルとランニングサイクル数との関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
◎実施の形態の概要
図1(a)は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態の概要を示す模式図である。
同図において、画像形成装置は、静電潜像が保持される回転可能な像保持体1と、この像保持体1に対して画像信号に基づく静電潜像を形成する潜像形成手段2と、トナー及びキャリア並びにトナーと同極性の外添剤が含まれる現像剤Gが保持搬送される現像剤保持体3bを有し、この現像剤保持体3bに保持搬送された現像剤Gを前記像保持体1に対し摺擦させ、前記潜像形成手段2にて像保持体1上に形成された静電潜像を現像する現像手段3と、この現像手段3にて現像された前記像保持体1上のトナー像を転写媒体5に転写する転写手段4と、この転写手段4による転写部位よりも前記像保持体1の回転方向下流側に設けられ、前記像保持体1に接触する清掃部材6aにて当該像保持体1上の転写後の残留物を清掃する清掃手段6と、この清掃手段6による清掃部位よりも前記像保持体1の回転方向下流側に設けられ、前記清掃部位を通過した像保持体1上の外添剤Wを回収する外添剤回収手段10と、を備えている。
そして、本実施の形態では、前記外添剤回収手段10は、図1(b)に示すように、前記像保持体1に対向し且つ前記像保持体1の回転方向と交差する方向に延びるように配置され、少なくとも像保持体1に対向する対向部は前記外添剤Wよりも帯電列がプラス側に位置する材料で構成される被帯電回収部材11と、前記被帯電回収部材11に接触して当該被帯電回収部材11が前記外添剤Wを静電吸着するように摩擦帯電させられる摩擦帯電部材12aを有し、前記像保持体1回転時に前記摩擦帯電部材12aとの接触に起因して前記被帯電回収部材11を摩擦帯電する摩擦帯電機構12と、前記被帯電回収部材11の像保持体1との対向部と前記像保持体1との間に設けられ、前記摩擦帯電機構12により被帯電回収部材11が摩擦帯電されたときに当該摩擦帯電により生成される電荷に基づく電界Eが像保持体1上の外添剤Wを静電吸引可能な程度に作用させられる間隙部13と、を有している。
【0011】
このような技術的手段において、像保持体1としては感光体、誘電体のように光やイオンによって静電潜像を形成可能な態様のほか、画素単位毎に静電潜像に対応する潜像電位を与える画像電極を備えた態様などがある。
また、潜像形成手段2としては、像保持体の種類に応じて適宜選定して差し支えない。例えば像保持体1が感光体、誘電体であれば、光やイオンによる潜像を形成するものであればよく、画素電極を用いた態様では静電潜像に対応する潜像電位を供給する信号を生成するものであればよい。ここで、前者の態様の潜像形成手段2の代表的態様としては、像保持体1を帯電する帯電手段2aと、この帯電手段2aにて帯電された像保持体1上に光やイオンにて潜像を書き込む潜像書込手段2bとを備えたものが挙げられる。
更に、現像手段3は、現像剤Gとして、トナーと同極性の外添剤(代表的にはシリカ)が添加されている二成分現像剤を用いる態様で、像保持体1に対して現像剤Gを摺擦させる現像剤保持体3bを有するものであればよい。但し、現像剤保持体3b自体は像保持体に対して接触配置されていてもよいし、非接触配置されていてもよい。
ここで、この種の現像手段3の代表的態様としては、現像剤Gが収容され且つ像保持体1に対向して開口する現像容器3aを有し、この現像容器3aの開口に面して前記現像剤保持体3bを配設すると共に、この現像容器3a内には現像剤Gが撹拌搬送可能な撹拌搬送部材3e(例えば回転可能な軸部材の周囲に螺旋状の羽根部材を設けた態様)を配設した態様が挙げられる。そして、現像剤保持体3bとしては、代表的には回転可能な中空状の現像回転体3cと、この現像回転体3c内に固定的に内包され且つ周囲に複数の磁極が配列される磁石部材3dと、を有する態様が用いられる。
更に、転写手段4としては、像保持体1上のトナー像を転写媒体5に転写するものを広く含み、転写方式としては代表的には静電転写方式であるが、他の方式でも差し支えない。ここでいう転写媒体5は最終転写媒体である記録材は勿論であるが、記録材の前に中間的にトナー像を保持する中間転写体も含むものである。
また、清掃手段6としては、像保持体1表面に接触する清掃部材6aにて当該像保持体1上の転写後の残留物を清掃するものであればよく、清掃部材6aの代表的態様としては板状部材やブラシ状部材で残留物を掻き取るものが挙げられる。
【0012】
また、外添剤回収手段10としては、図1(b)に示すように、被帯電回収部材11、摩擦帯電機構12、及び、間隙部13を構成要素としたものであればよい。
本例において、被帯電回収部材11としては、少なくとも像保持体1との対向部を外添剤Wよりも帯電列がプラス側に位置する材料で構成すればよい。このため、被帯電回収部材11全体を所望の帯電列に位置する材料で構成する態様は勿論、前記対向部に対応する表面層や被覆層にだけに所望の帯電列に位置する材料で構成する態様をも含む。
また、摩擦帯電機構12としては、被帯電回収部材11を所望の極性(外添剤が静電吸着可能な極性)に帯電する摩擦帯電部材12aを有し、これと被帯電回収部材11とを接触させることで被帯電回収部材を摩擦帯電させる機構であれば適宜選定して差し支えない。
このように、本態様では、摩擦帯電機構12が採用されることから、外添剤回収のための電界形成用のバイアスを印加する方式は含まれない。
更に、間隙部13は以下のように選定するようにすればよい。つまり、間隙部13内に生成される電界Eは、摩擦帯電される被帯電回収部材11と像保持体1との間の距離dと、摩擦帯電により被帯電回収部材11に生成される電荷とに依存することから、この電界強度として像保持体1上の外添剤Wが被帯電回収部材11側に静電吸引される程度になるように選定すればよい。
【0013】
ここで、図1(a)(b)に示す実施の形態に係る画像形成装置の作動を説明する前に、比較の形態に係る画像形成装置(外添剤回収手段10を具備しない態様)の作動について説明する。
−比較の形態に係る画像形成装置の作動の概要−
例えば比較の形態に係る画像形成装置において、例えば連続的な面画像(代表的には画像密度が100%の所謂ベタ画像が挙げられるが、これに限られるものではなく、画像密度が予め決められた高画像密度(例えば80%以上)のものを含むものとする)が像保持体1の周回毎に例えば予め決められた回数以上形成されると、その後に前記面画像が形成された領域を含む作像領域に例えばハーフトーン画像を形成した場合に、連続した面画像が残像(ゴースト)として現れる現象が比較的高い確率で起こり得る。尚、このような残像現象はハーフトーン画像で顕著に現れるが、バックグランド(非画像部)で現れることもある。
例えば図2(a)に示すように、初期画像として、連続的な面画像IM1の領域の一部が削除され、これに代えてハーフトーン画像IM2が存在する例を挙げると、連続的な面画像IM1が予め決められた回数以上繰り返された場合には、図2(b)に示すように、ハーフトーン画像IM2のうち連続的な面画像IM1と重なった領域では、元の連続的な面画像IM1の残像画像(ゴースト画像)IMgが現れる可能性が高い。
このような状況は例えば像保持体1の周長が前述した初期画像(図2(a)参照)の像保持体1の移動方向に沿う長さよりも短い場合や逆に長い場合において、像保持体1の周回単位ではなく、所定のインターイメージ領域を介して初期画像(IM1+IM2)を連続的に形成する場合には、像保持体1の1周回中で連続的な面画像IM1の作像領域がハーフトーン画像IM2の作像領域と重なり合う事態が顕著に発生する可能性がある。
【0014】
このような状況において、前述した残像現象が生ずる要因については以下のように推測される。
つまり、図3に示すように、連続的な面画像を作製するときに、仮に像保持体1上にトナーTの外添剤Wが付着してしまうと、通常像保持体1には清掃手段6が設けられていることが多い。ここで、清掃手段6の清掃部材6a(例えば板状清掃部材)はトナーTを清掃する能力には優れているが、トナーTの外添剤Wを除去する能力に優れているとは必ずしも言えない。トナーのT表面に添加する外添剤Wは粒径が小さいため、清掃部材6aの掻き取り力が低い場合には清掃部材6aをすり抜けてしまう可能性がある。
この種の外添剤Wの代表的なものとしてシリカがよく用いられており、帯電性や転写性など外添剤としての機能が優れているために現在製品に使用されているほとんどすべてのトナーTに外添されている。しかし、現像手段3の現像容器3a内で撹拌搬送部材3eにより撹拌搬送されるうちにトナーTから脱離したシリカや、元々トナーから遊離しているシリカは像保持体1表面に移行して付着し易い。
そして、像保持体1に移行した外添剤Wとしてのシリカは粒径が小さくて比較的強固に付着しているため、清掃部材6aによる掻き取り力では掻き取ることができず、清掃部材6aによる清掃領域を通過してしまうことが起こり、像保持体1の周回に伴って再び現像手段3の現像領域に到達する。
このとき、像保持体1に対しては、潜像形成手段2(本例では帯電手段2a+潜像書込手段2b)により予め決められた帯電電位Vhに帯電(図中eはマイナスの帯電電荷)した後静電潜像Zが形成されることから、清掃部材6aをすり抜けた外添剤Wとしてのシリカは潜像形成手段2の帯電手段2aを通過する際にマイナスの電荷eが付与されて現像手段3に到達するが、電荷付与により帯電したシリカは現像手段3の現像領域にて現像剤による摺擦力(スキャベンジ力)で取り除かれるため、像保持体1の表面電位が変化する現象が起こる。具体的には、シリカが掻き取られた部位に関する潜像電位Vzが周囲より更に絶対値でΔV低下した状態になり易い。
この状態において、現像手段3の現像剤保持体3bに現像電圧Vbias(|Vh|>|Vbias|>|Vz|)を印加することで現像動作が行われると、前記静電潜像Zのうちシリカが掻き取られた部分に周囲より多くのトナーTが現像され、当該部分の濃度が他の部分と異なる残像画像であるゴースト画像IMg(図2(b))になってしまう。
特に、連続的に面画像を形成する場合には、像保持体1の同じ部位に繰り返し画像が形成されることから、帯電されたシリカが蓄積してしまい、ゴースト画像IMgの発生が顕著である。
また、帯電手段2aとして、像保持体1に接触する帯電部材を使用する態様では、清掃部材6aをすり抜けたシリカは、帯電手段2aの帯電部材に付着して帯電不良の要因になり、その結果画質劣化を起し易いという懸念もある。
尚、前述した残像(ゴースト)現象は、主として高密度画像を連続的に形成した場合に現像量が多いことに伴って像保持体1に移行するシリカの量が多くなることを要因とするものと推測されるが、すり抜けたシリカの総電荷量が多い場合には高密度画像でなくても残像(ゴースト)現象が現れることがある。
【0015】
−実施の形態に係る画像形成装置の作動の概要−
これに対し、図1(a)(b)に示す実施の形態に係る画像形成装置においては、図4に示すように、像保持体1に付着した外添剤W(例えばシリカ)が清掃手段6の清掃部材6bをすり抜けたとすると、清掃部材6bをすり抜けた外添剤Wは、潜像形成手段2を通過する前に外添剤回収手段10を通過する。
このとき、外添剤回収手段10は、像保持体1に対して間隙部13を介して被帯電回収部材11を配置し、摩擦帯電機構12により被帯電回収部材11を摩擦帯電することにより当該被帯電回収部材11に予め決められた極性の電荷を生成し、生成された電荷により間隙部13には像保持体1上の外添剤Wを静電吸引可能な程度の電界Eを作用させる。
このため、像保持体1上に付着した外添剤Wは間隙部13を通過する間に電界Eの作用によって被帯電回収部材11に向かって静電吸引され、当該被帯電回収部材11に回収される。
この結果、清掃部材6aをすり抜けた外添剤Wが潜像形成手段2の帯電手段2aを通過することはほとんどなく、外添剤Wにマイナスの電荷eが付与されて現像手段3の現像領域に到達することはない。このため、電荷付与により帯電した外添剤Wが現像手段3の現像領域にて現像剤による摺擦力(スキャベンジ力)で取り除かれる現象はほとんどなく、帯電した外添剤Wの除去に伴う像保持体1の表面電位が変化する現象が生ずることはほとんどない。それゆえ、例えばハーフトーン画像に相当する静電潜像Zの潜像電位Vzが部分的に低下することもほとんど起こらず、当該静電潜像Zは略均一なハーフトーン画像として現像される。
尚、本実施の形態では、帯電手段2aとして、像保持体1に接触する帯電部材を使用する態様であっても、像保持体1に付着した外添剤Wが帯電部材に付着するという事態はほとんど生じない。
【0016】
次に、本実施の形態における代表的態様又は好ましい態様について説明する。
先ず、外添剤回収手段10の代表的態様としては、像保持体1を摩擦帯電部材12aとして利用する態様が挙げられる。具体的には、少なくとも像保持体1に対向する対向部は像保持体1よりも帯電列がプラス側に位置する材料で構成された被帯電回収部材11と、像保持体1を摩擦帯電部材12aとして利用し、被帯電回収部材11の一部に摩擦帯電部材12aである像保持体1に接触する突部(図示せず)を形成した摩擦帯電機構12と、を有する態様である。
本態様における摩擦帯電機構12としては、像保持体1との摺動抵抗を抑えるという点からすれば、被帯電回収部材11には先端が曲面状に形成された突部である態様が好ましい。
更に、被帯電回収部材11の好ましい態様としては、像保持体1の表面形状に沿う形状の対向面を有している態様が挙げられる。
本態様では、像保持体1が例えばドラム状の回転体である場合には、被帯電回収部材11は回転体の曲率に合わせた形状に沿った対向面を有していればよく、例えばベルト状の回転体で直線部に対応した部位では被帯電回収部材11は回転体の直線部に沿った直線状の対向面を有していればよい。
このような態様では、被帯電回収部材11と像保持体1との間の間隙部13が略等しい寸法dにあることから、被帯電回収部材11と像保持体1との間の電界強度が対向面全域に亘って略等しく保たれる。このため、像保持体1上の外添剤Wが被帯電回収部材11の一部に対し局部的に静電吸着されることはほとんどなく、被帯電回収部材11のうち外添剤Wが静電吸着されていない箇所に向かって回収され、外添剤Wが静電吸着された箇所は静電遮蔽効果で電界が弱まることから、外添剤Wが静電吸着されていない別の箇所に向かって広範囲に亘り回収される。
【0017】
更に、被帯電回収部材11の突部の好ましい態様としては以下の態様が挙げられる。
第1の態様としては、被帯電回収部材11のうち像保持体1の回転移動方向の下流側に突部を形成し、像保持体1の表面のうち画像形成領域に対して被帯電回収部材11の突部を接触させる態様がある。
本態様では、突部は被帯電回収部材11を摩擦帯電する機能部であり、被帯電回収部材11のうち像保持体1の回転移動方向の下流側に設けた態様では、この突部よりも像保持体1の回転移動方向の上流側に間隙部13を確保することになる。このため、像保持体1上の外添剤Wの多くは画像形成領域に残存するが、被帯電回収部材11の突部と像保持体1との接触部位を通過する前に像保持体1上の外添剤Wが間隙部13内の電界Eによって被帯電回収部材11側に回収される。
第2の態様としては、像保持体1の表面のうち画像形成領域以外の非画像形成領域に対して被帯電回収部材11の突部を接触させる態様が挙げられる。
本態様では、像保持体1の表面のうち非画像形成領域に対応した部位に被帯電回収部材11の突部を接触しているため、像保持体1の画像形成領域に残存する外添剤Wが突部と像保持体1との接触部位を過ぎることはなく、外添剤Wが前記接触部位に付着して被帯電回収部材11への摩擦帯電性能が損なわれることはない。
第3の態様としては、像保持体1の表面に対して被帯電回収部材11の突部を複数箇所で接触させる態様が挙げられる。
本態様では、突部は被帯電回収部材11を摩擦帯電させるという機能については点状の一箇所でもよいが、被帯電回収部材11と像保持体1との間隙部13の間隙寸法dを安定させるという観点からすれば、線状箇所又は複数の点状箇所設けることが好ましい。
【0018】
また、外添剤回収手段10の別の代表的態様としては、専用の摩擦帯電部材を用いて像保持体1に対して非接触な被帯電回収部材11を帯電する態様が挙げられる。具体的には、像保持体1に対し間隙部13を介して対向配置される被帯電回収部材11と、像保持体1回転時には被帯電回収部材11に対して摩擦帯電部材12aを相対的に回転駆動させることで摺擦可能に接触させる摩擦帯電機構12と、を有するものである。
本態様では、摩擦帯電部材12a又は被帯電回収部材11の少なくともいずれかが回転駆動する態様であればよい。また、被帯電回収部材11は像保持体1と非接触配置されることから、像保持体1の回転移動動作が安定するほか、摩擦帯電部材12a、被帯電回収部材11の材料選択の自由度が高い点で好ましい。
本態様の好ましい態様としては、被帯電回収部材11は回転駆動可能に設けられ、摩擦帯電機構12は、像保持体1回転時に被帯電回収部材11を回転駆動すると共に、当該被帯電回収部材11に予め固定配置された摩擦帯電部材12aを摺擦可能に接触させるものが挙げられる。
本態様において、被帯電回収部材11を回転駆動する方式としては、専用の駆動源を用いてもよいが、像保持体1の駆動伝達系を介して駆動力を伝達する方式が好ましい。また、被帯電回収部材11は固定配置された摩擦帯電部材との接触部にて摩擦帯電される。更に、回転駆動する被帯電回収部材11と像保持体1との間には最近接部位が存在し、当該最近接部位にて高強度の電界が集中して形成されることから、像保持体1上の外添剤Wは被帯電回収部材11に効率的に回収される。
また、被帯電回収部材11を回転駆動する態様にあっては、被帯電回収部材11に静電吸着した外添剤Wが清掃される清掃部材(図示せず)を有する態様が好ましい。
本態様において、部品点数を低減させるという観点からすれば、摩擦帯電部材12aと清掃部材とを兼用した態様が好ましい。
【0019】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
―画像形成装置の全体構成―
図5は本発明が適用される画像形成装置の実施の形態1の全体構成図である。
同図において、この画像形成装置20は4連タンデム方式のフルカラー画像形成装置で、複数の色成分(本例では、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))の画像が出力可能な画像形成部としての画像形成ユニット30(具体的には30Y,30M,30C,30K)を作像順に互いに所定間隔離間して並設し、各画像形成ユニット30に対向した部位には各画像形成ユニット30にて形成された画像が一時的に保持可能な中間転写体40を配設し、この中間転写体40上に保持された画像を一括転写装置50にて記録材Pに一括転写した後、定着装置60にて記録材P上に転写された画像を定着するものである。尚、符号70は一括転写部位に記録材Pを搬送する記録材搬送系である。
【0020】
<画像形成ユニット>
各画像形成ユニット30(30Y〜30K)は、表面に感光体層を有する像保持体としてのドラム状の感光体31と、この感光体31を一様に帯電する帯電装置32と、一様に帯電された感光体31に像光を照射して静電潜像を形成する露光装置33と、感光体31上に形成された静電潜像にトナーを転移させてトナー像(画像)とする現像装置34と、感光体31上のトナー像を中間転写体40に一次転写した後に感光体31上に残留したトナーを清掃する清掃装置36と、この清掃装置36よりも感光体31の回転方向下流側に設けられて清掃装置36を通過した感光体31上に残留した外添剤を回収する外添剤回収装置37と、を備えている。
本例においては、画像形成ユニット30のうち、感光体31,帯電装置32、現像装置34,清掃装置36及び外添剤回収装置37は予め一つにまとめられたプロセスカートリッジとして構成されており、このプロセスカートリッジは色成分毎に交換可能にするために画像形成装置の筐体に対して着脱可能に装着されている。
ここで、感光体31は、例えば直径が20〜100mm程度の導電性の金属製基体上に感光層を積層形成したものである。この感光層は電荷発生層と電荷輸送層とが順次積層された機能分離型で、通常は高抵抗であるが、光照射により比抵抗が変化する性質(具体的には光照射により低抵抗になって導電性に至る性質)を持っている。
帯電装置32としては、例えばスコロトロンが用いられるが、これに限られるものではなく、コロトロンを始めこれ以外の各種放電器やロール形状・ブレード形状などの接触あるいは非接触型の帯電部材を用いたものなど適宜選定して差し支えない。
露光装置33としてはレーザ走査装置やLEDアレイなどが用いられる。
現像装置34としては、感光体31に対向して開口し且つ二成分現像剤が収容される現像容器34aを有し、この現像容器34aの開口に面して現像剤が保持搬送可能な現像ロール34bを配設したものである。尚、現像容器34a内には、二成分現像剤が撹拌搬送可能な撹拌搬送部材(図示せず)や、現像ロール34bに保持される現像剤の層厚が規制される層規制部材(図示せず)など各種機能部材が組み込まれている。
本例で用いられる現像剤のトナーとしては、例えば乳化重合法により製造されたものを使用することが可能であるが、本製造法に限らず、例えば懸濁重合法、懸濁造粒法、溶解懸濁法、混練粉砕法等により製造されたものでもよい。ここで、トナーの粒径は画質に大きな影響を与え粒径が小さいほど画質は向上するが、小さくなると現像性が低下したり取扱いが難しくなったりするので、平均粒径3μm以上10μm以下のものが望ましい。また、トナーには帯電制御剤や転写助剤として平均粒径10〜150nm程度のシリカやチタニアが適量外添される。本例では特にクリーニング性や転写維持性を確保するために比較的大粒径のシリカが外添されている。具体的には個数平均粒径100〜150nm程度のシリカが外添されている。ここでいう「個数平均粒径」はJIS Z 8901に基づき顕微鏡法による円相当径(Heywood径)で求めており、顕微鏡としては走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた。
尚、清掃装置36及びその周辺構成の詳細については後述する。
【0021】
<中間転写体及びその周辺構成>
中間転写体40は、複数(本例では3つ)の張架ロール41〜43に張架されて循環回転する無端状のベルト部材からなり、例えば張架ロール41を駆動回転可能な駆動ロールとして駆動され、張架ロール42を張力調整ロールとして予め決められた張力が付与されている。
本例では、中間転写体40は、例えばポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、フッ素系樹脂などの樹脂材料に、カーボンやイオン導電物質などの導電性付与のための物質を分散させ、表面抵抗率を1010〜1012Ω/□程度(測定電圧:100V)に調整して形成されている。
また、中間転写体40のうち各画像形成ユニット30の感光体31に対向する裏面には一次転写装置45が配設されており、この一次転写装置45は例えば予め決められた一次転写電圧が印加される一次転写ロールからなり、中間転写体40に各感光体31上のトナー像を一次転写するものである。
更に、中間転写体40のうち張架ロール41に対向する部位には中間転写体清掃装置46が配設されており、この中間転写体清掃装置46は例えば中間転写体40表面に接触する板状の清掃ブレード46aを有し、中間転写体40上の残留トナーを清掃するものである。
【0022】
<一括転写装置>
一括転写装置50は、中間転写体40のうち張架ロール43に対向する中間転写体40表面に二次転写ロール51を有し、この二次転写ロール51に対向する張架ロール43を対向電極ロールとして兼用し、張架ロール43又は二次転写ロール51に二次転写電圧を印加することで両ロール間の転写領域に転写電界を生成し、この転写電界によって搬送されてくる記録材Pに対し中間転写体40上のトナー像を一括転写(二次転写)するものである。
<定着装置>
定着装置60としては記録材P上の未定着トナー像を転写するものであれば適宜選定して差し支えなく、例えば加熱源を含む加熱定着ロール61と、この加熱定着ロール61との間に記録材Pを挟持して搬送するように加圧配置され且つ加熱定着ロール61と共に転動する加圧定着ロール62と、を有する態様が挙げられる。
<記録材搬送系>
記録材搬送系70は、記録材Pが枚葉毎に送出可能に収容される記録材収容装置71を有し、この記録材収容装置71から送出された記録材Pを搬送経路72に沿って搬送し、この搬送経路72のうち一括転写部位の手前に一括転写部位への記録材Pの供給タイミングが位置合せされる位置合せロール73を配設すると共に、搬送経路72のうち一括転写部位よりも記録材Pの搬送方向下流側に搬送ベルト74を配設することで定着装置60に向けて一括転写後の記録材Pを搬送し、定着装置60直後には排出ロール75を配設することで図示外の記録材排出受けに向けて記録材Pを排出するようになっている。
【0023】
―画像形成装置の基本作像作動―
本実施の形態における画像形成装置の基本作像作動について説明する。
各画像形成ユニット30(30Y〜30K)では各色成分画像が感光体31上に形成される。
以下、画像形成ユニット30Yにおいてイエロ画像を形成する動作について説明する。
先ず、動作に先立って、帯電装置32によって感光体31の表面が所定の電位(例えば−600V〜−800V程度の電位)に帯電される。この後、帯電した感光体31の表面に、図示外の制御部から送られてくるイエロ用の画像データに従って、露光装置33により例えばレーザ光などの光線が出力される。この光線は、感光体31の表面の感光層に照射され、それにより、イエロ印字パターンの静電潜像が感光体31の表面に形成される。ここでいう静電潜像とは、帯電された感光体31の表面に形成される像であり、光線によって感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体31の表面の帯電した電荷が流れ、一方、光線が照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される所謂ネガ潜像である。
このようにして感光体31上に形成された静電潜像は、感光体31の回転により所定の現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体31上の静電潜像が、現像装置34によって可視像(トナー像)化される。現像装置34内には、例えば乳化重合法により製造された平均粒径が3〜8μmのイエロトナーが収容されている。イエロトナーは、現像装置34の内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体31表面の帯電荷と同極性(−)の電荷を有している。感光体31の表面が現像装置34を通過していくことにより、感光体31表面の除電された潜像部にのみイエロトナーが静電的に付着し、静電潜像がイエロトナーによって現像される。感光体31は、引き続き回転し、感光体31表面に現像されたイエロトナー像が所定の一次転写位置へ搬送される。感光体31表面のイエロトナー像が一次転写位置へ搬送されると、一次転写装置45(本例では一次転写ロール)に所定の一次転写電圧が印加され、感光体31から一次転写装置45に向う静電気力がトナー像に作用し、感光体31表面のトナー像が中間転写体40表面に転写される。
このとき、印加される一次転写電圧は、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば画像形成ユニット30Yでは制御部(図示せず)によって+20〜30μA程度に定電流制御されている。一方、感光体31表面の転写残トナーは、清掃装置36により清掃される。
【0024】
更に、第1の画像形成ユニット30Yより作像順が後の第2の画像形成ユニット30M以降の一次転写装置45に印加される一次転写電圧も前記と同様に制御されている。 こうして、第1の画像形成ユニット30Yにてイエロトナー像の転写された中間転写体40は、第2〜第4の画像形成ユニット30M、30C、30Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が同様に重ねられて多重転写される。第1〜第4の画像形成ユニット30(30Y〜30K)を通して全ての色のトナー像が多重転写された中間転写体40は、矢印方向に周回搬送され、中間転写体40内面に接する対向電極ロール(張架ロール)43と中間転写体40の像保持面側に配置される二次転写ロール51とから構成された一括転写部位へと至る。
一方、記録材Pが、記録材搬送系70を介して一括転写部位に位置合せロール73で位置合せされた後に予め決められたタイミングで供給され、所定の二次転写電圧が例えば二次転写ロール51に印加される。このとき印加される二次転写電圧は、トナーの極性(−)と逆極性(+)であり、中間転写体40から記録材Pに向う静電気力がトナー像に作用し、中間転写体40表面のトナー像が記録材P表面に転写される。尚、本例では、二次転写電圧は一括転写部位の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるもので、定電圧で制御されている。
その後、記録材Pは定着装置60と送り込まれ、トナー像が加熱・加圧され、色重ねされたトナー像が溶融されて、記録材P表面へ定着される。このようにカラー画像の定着が完了した記録材Pは図示外の記録材排出受けへ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。 尚、中間転写体40上の残留トナーは中間転写体清掃装置46にて清掃される。
【0025】
次に、清掃装置36及びその周辺構成について詳細に説明する。
―清掃装置及びその周辺構成―
図6は清掃装置36及びその周辺構成を示す説明図である。
<清掃装置>
同図において、清掃装置36は、感光体31に近接して配置され、感光体31と対向する側に開口する清掃容器81を有し、この清掃容器81の開口縁のうち感光体31の回転方向下流側に位置する部位(図6中では開口上縁)には清掃ブレード82を設けたものである。
ここで、清掃ブレード82は、弾性素材によって所定厚さの板状に形成された清掃部材であり、清掃ブレード82の材料には耐磨耗性、耐欠け性、耐クリープ性など機械的性質に優れる例えば熱硬化型ポリウレタンゴムが使用されるが、これに限られるものではなく、シリコーンゴム、フッ素ゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム等の機能性ゴム材を広く用いて差し支えない。また、清掃ブレード82の取付構造としては、清掃容器81の開口上縁に断面形状が略L字状の板金からなる支持ブラケット83をネジ等の止め具84にて固定し、支持ブラケット83の感光体31に対向する面に清掃ブレード82の基部を接着し、この清掃ブレード82の接着部位から突出した突出部を感光体31の回転方向に抗する方向に向けて延ばし、当該突出部の先端エッジ部を感光体31表面に当接させるものが挙げられる。そして、本例では、清掃ブレード82の加圧方式は構造が簡単で低コストの定変位方式(清掃ブレード82の先端エッジ部を予め決められた量だけ変位させる方式)を採用しており、清掃ブレード82の弾性係数及びその変位量に基づいて予め決められた加圧力を得るようになっている。但し、清掃ブレード82の加圧方式は定変位方式に限られるものではなく、例えば当接圧の経時変化がほとんどない定荷重方式を用いてもよいことは勿論である。
更に、清掃容器81の開口縁のうち感光体31の回転方向上流側に位置する部位(図6中では開口下縁)にはシール部材85が固定されている。このシール部材85は、可撓性を有する樹脂フィルム(例えば厚さ0.1mmの熱可塑性ポリウレタンフィルム)等で構成されており、固定部位から突出した突出部を感光体31の回転方向に沿った方向に延ばした状態で感光体31に接触させ、感光体31と清掃容器81との間の隙間をほぼ塞ぎ、清掃容器81内に収容された廃トナー等が外部へ漏れるのを防ぐものである。
更に、清掃容器81の内部には感光体31の軸方向に沿って収容された廃トナーを搬送する搬送部材86が配設されている。
【0026】
このような構成の清掃装置36では、図6に示すように、感光体31の表面に残留した転写残トナーTは、シール部材85と感光体31との接触部位をそのまま通過した後、清掃ブレード82によって掻き取られる。清掃ブレード82で掻き取られたトナーTは清掃容器81に一旦収容された後、最終的に搬送部材86によって清掃容器81の側方外部に搬送・排出される。
但し、このような清掃装置36において、清掃ブレード82の先端部が感光体31との摺擦で摩耗したり、感光体31表面の摩擦係数が高いなどの場合に、清掃ブレード82の先端部が不規則に変形したりしてトナーTの塞き止め力が低下すると、粒径の小さい外添剤Wは清掃ブレード82からすり抜け易くなる。特に、外添剤Wとして使用されているシリカは粒径が小さく、ファンデルワールス力などで感光体31表面に強固に付着しているため、清掃ブレード82による掻き取り力では完全には清掃できず、清掃ブレード82と感光体31との接触部位をすり抜け易い。
【0027】
<外添剤回収装置>
このような外添剤Wのすり抜け現象のうち、特に大粒径のシリカは、前述したように、連続プリント時にゴースト画像が発生したり、画質劣化の要因につながり易いという懸念があり、これを回避するという観点から、外添剤回収装置37が配設されている。
この外添剤回収装置37は、図7及び図8(a)(b)に示すように、感光体31の軸方向に沿って例えば断面形状が略L字状の支持基材110を配設し、この支持基材110の一方の腕部である支持部111を感光体31に対向するように配置し、支持基材110の支持部111に板状の被帯電回収部材100を接着固定したものである。
本例では、支持基材110は例えば板バネ材料にて構成され、プロセスカートリッジの筐体(図示せず)にネジなどの止め具(図示せず)を介して他方の腕部である取付部112を止着することで固定されている。尚、支持基材110としては板バネ材料に限られるものではなく、金属製、樹脂製など適宜選定して差し支えない。
また、本例において、被帯電回収部材100は、感光体31の軸方向に延びる長尺な板状部材からなり、外添剤Wとしてのシリカより帯電列がプラス側にある材料で構成され、特に、帯電列の中で、よりプラス側にある材料が好ましい。更に、本例では、被帯電回収部材100は、感光体31の表面材料よりも帯電列でプラス側にある材料で構成されていることを要する。
つまり、図9にように、外添剤Wとしてのシリカの帯電列をCw、感光体31の帯電列をCp、被帯電回収部材100の帯電列をCkとすれば、以下の関係を満たす。
+←Ck>Cw→−
+←Ck>Cp→−
例えば感光体31の表面材料がポリカーボネートである例を挙げれば、被帯電回収部材100はこれよりも帯電列がプラス側にある材料を選定すればよい。特に、帯電列の中でよりプラス側にある材料で、更に、耐摩耗性に優れ、表面の摩擦係数が小さい材料を選定するようにすれば、例えばナイロン(登録商標)が好ましい材料として選定される。尚、ポリカーボネートよりプラス側にある材料であればナイロン(登録商標)以外の材料を使用することが可能であることは勿論である。
【0028】
更に、本実施の形態では、被帯電回収部材100は、図7及び図8(a)(b)に示すように、被帯電回収板101と、この被帯電回収板101の感光体31の回転移動方向の下流側端にて感光体31側に向かって突出するように一体的に形成される突部105と、を有している。
本例において、被帯電回収板101は、感光体31の画像形成領域mが少なくとも含まれる長さ寸法に設定されており、感光体31との対向面が感光体31の曲率半径Rpに対して同心となる曲率半径Rkで湾曲する湾曲部102を有している。
また、突部105は被帯電回収板101の長さ寸法に対応して線状に延びて設けられており、本例では感光体31の画像形成領域m及びその両側に位置する非画像形成領域にも一部及んで設けられている。
特に、本例では、突部105は先端が曲面状に形成された曲面部106を有し、この曲面部106を介して感光体31の表面に接触配置されている。
更に、本実施の形態では、被帯電回収部材100は、支持基材110に支持され、突部105が感光体31の表面に接触配置されることから、被帯電回収板101と感光体31表面との間に微小な間隙部120が形成されている。
特に、本実施の形態では、被帯電回収板101の対向面が感光体31の表面形状に沿って湾曲する湾曲部102であることから、間隙部120は予め決められた略均一な間隔寸法dをもって形成される。
また、この間隙部120の間隔寸法dは、詳細は後述するが、被帯電回収部材100が感光体31によって摩擦帯電されたときに、感光体31上に残留する外添剤Wとしてのシリカを静電的に回収する上で必要な電界Eが形成されるように選定されることを要する。
従って、間隙部120の間隔寸法dは狭い方がシリカに対する静電気力をより強く作用する点で好ましい。好ましくは、上限は1mm以下、より好ましくは0.5mm以下で、下限は機械的精度を考慮して0.01mm程度になるように設定されている。
【0029】
本実施の形態に係る外添剤回収装置37は以下のような動作原理で作動する。
先ず、各画像形成ユニット30が作像動作を実施すると、図7及び図9に示すように、感光体31が予め決められたプロセス速度vpで回転する。
この状態において、被帯電回収部材100の突部105は感光体31に摺擦することにより(+)に摩擦帯電され、被帯電回収部材100全体が(+)に摩擦帯電される。この結果、摩擦帯電された被帯電回収部材100には電荷(プラス極性)が生成され、この電荷によって被帯電回収部材100の湾曲部102と感光体31との間の間隙部120には略均一な電界Eが生成される。
一方、外添剤Wとしてのシリカはマイナス極性に帯電する傾向が強く、清掃装置36の清掃ブレード82を通過した外添剤Wとしてのシリカは(−)に帯電されている。
この状態において、感光体31の回転移動に伴って感光体31上のシリカが被帯電回収部材100の間隙部120(例えば図7中A領域)に至ると、図9に示すように、感光体31上のシリカは間隙部120内の電界Eによる静電吸引力を受けて間隙部120を図9中点線で示す矢印の方向に飛翔し、被帯電回収部材100の被帯電回収板101の湾曲部102に静電吸着される。この状態において、被帯電回収部材100は外添剤Wとしてのシリカを回収する。
このとき、被帯電回収部材100の湾曲部102は感光体31と略均一な間隔寸法dの間隙部120を介して感光体31の表面と対向しているため、被帯電回収部材100の湾曲部102全域には略均一な電界強度が作用することになり、当該湾曲部102全域がシリカの回収面として機能する。このため、感光体31上の外添剤Wとしてのシリカは、被帯電回収部材100の湾曲部102のうち既にシリカが回収されている箇所以外の露出面に向かって広範囲に亘り静電吸着される。
【0030】
また、感光体31の表面に残留した転写残トナーTは感光体31の画像形成領域m内に多く存在することから、清掃装置36を通過する外添剤Wとしてのシリカも感光体31の画像形成領域m内に多く存在するが、前述したように、被帯電回収部材100の間隙部120の領域で感光体31上のシリカはほとんど全て被帯電回収部材100に回収されるため、被帯電回収部材100の突部105が感光体31の画像形成領域m内に接触配置されている態様であっても、当該突部105と感光体31との接触部位に感光体31上の外添剤Wとしてのシリカが到達することはほとんどなく、シリカが当該接触部位に滞留したり、当該接触部位を通過することはほとんどない。
このため、本実施の形態では、帯電装置32による感光体31への帯電部位に外添剤Wとしてのシリカが到達することはほとんどないため、例えば帯電装置32としてのスコロトロンの放電作用に伴って感光体31上のシリカが放電ワイヤ321やグリッド322等に付着し、帯電不良の要因になる懸念はない。尚、帯電装置32として例えば感光体31に接触する帯電ロールを使用する態様であったしても、感光体31上のシリカが帯電ロールに付着することはほとんどないので、帯電ロールにシリカが付着することに伴う帯電不良の懸念もない。
更に、被帯電回収部材100の突部105は曲面部106を介して感光体31の表面に接触配置されているので、突部105と感光体31との間の接触部位での摺動抵抗が少なく、その分、感光体31の回転動作は安定的に維持されると共に、突部105の摩耗も少なく抑えられる。
【0031】
◎変形の形態1−1
本実施の形態では、被帯電回収部材100の突部105は線状に延びて形成されているが、これに限られるものではなく、例えば図10(a)に示すように、点状で複数箇所(例えば長手方向の両端寄りの2カ所など)に分離して形成するようにしてもよい。
◎変形の形態1−2
また、本実施の形態では、被帯電回収部材100は全体が外添剤Wとしてのシリカ及び感光体31に対して帯電列がプラス側に位置する材料で構成されているが、これに限られるものではなく、被帯電回収部材(被帯電回収板101+突部105)のうち支持基材110への接着面以外の表面に被覆層103を設け、この被覆層103の材料として外添剤Wとしてのシリカ及び感光体31に対して帯電列がプラス側に位置する材料を用いるようにしてもよい。本例では、被帯電回収部材100のうち被覆層103以外の材料を任意に選択することが可能である。
【0032】
◎実施の形態2
図11は実施の形態2に係る画像形成装置の要部を示す説明図である。
同図において、画像形成装置の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なる外添剤回収装置37を備えている。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
同図において、外添剤回収装置37は、実施の形態11と同様な支持基材110を有しているが、実施の形態1と異なる被帯電回収部材100を用いている。
本例では、被帯電回収部材100は、図11及び図12(a)(b)に示すように、少なくとも感光体31の画像形成領域m及びその両側の非画像形成領域の一部に対応した範囲に及ぶように感光体31の軸方向に延びる被帯電回収板101と、この被帯電回収板101の各隅部に対応した部位で感光体31側に向かって突出するように一体的に形成される複数(本例では4カ所)の突部130(具体的には130a〜130d)と、を有している。
ここで、被帯電回収板101は、実施の形態1と同様に、感光体31の表面との対向面が湾曲部102として構成されている。
一方、突部130(130a〜130d)は、感光体31の画像形成領域m以外の非画像形成領域に対応して感光体31の表面に接触する突起131からなり、この突起131の先端部を球面状部132としたものである。
【0033】
本実施の形態においても、被帯電回収部材100は、実施の形態1と同様に、突部130を介して感光体31によって摩擦帯電されるが、本実施の形態にあっては、突部130が感光体31の画像形成領域m以外の非画像形成領域に接触しており、また、非画像形成領域に外添剤Wとしてのシリカや転写残トナーTが存在することもほとんどないため、突部130と感光体31との接触部位に外添剤Wとしてのシリカや転写残トナーTが付着してフィルミングすることはほとんどなく、突部130による摩擦帯電が長期に亘って良好に維持され、被帯電回収部材100により安定した外添剤回収動作が行われる。
また、本例では、突部130の先端部は球面状部132として構成されていることから、突部130と感光体31との間の摺動抵抗は少なく、感光体31の回転動作は安定的に維持されると共に、突部130の摩耗も少なく抑えられる。
尚、本実施の形態では、突部130は被帯電回収板101の各隅部に対応して4カ所設けられているが、これに限定されるものではなく、例えば被帯電回収板101のうち感光体31の回転方向下流側に位置する隅部2カ所に対応して突部130を設けてもよいし、あるいは、被帯電回収板101の各隅部ではなく、感光体31の非画像形成領域に対応した両側部に対応して線状又は点状の突部130を設ける等、適宜設計変更してよいことはは勿論である。
【0034】
◎実施の形態3
図13は実施の形態3に係る画像形成装置の要部を示す説明図である。
同図において、画像形成装置の基本的構成は、実施の形態1,2と略同様であるが、実施の形態1,2と異なる外添剤回収装置37を備えている。尚、実施の形態1,2と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
同図において、外添剤回収装置37は、図13及び図14(a)(b)に示すように、感光体31に対して対向配置される被帯電回収部材140と、感光体31回転時に被帯電回収部材140を摩擦帯電させる摩擦帯電機構150と、を備えている。
本例では、被帯電回収部材140は回転可能な被帯電回収ロール141からなり、この被帯電回収ロール141は、感光体31の軸方向に沿って延び、感光体31に対して間隙部120(間隔寸法d)を介して非接触配置される。
一方、摩擦帯電機構150は、感光体31回転時に被帯電回収ロール141を回転駆動すると共に、この被帯電回収ロール141に予め固定配置された板状の摩擦帯電部材151の一側面を摺擦可能に接触させたものである。
【0035】
ここで、摩擦帯電部材151は、例えば図示外のプロセスカートリッジの筐体にネジ等の止め具(図示せず)で固定された支持基材152に例えば接着固定され、被帯電回収ロール141に接触配置されている。尚、摩擦帯電部材151と被帯電回収ロール141との接触状態を保つために、支持基材152を板バネ材で構成し、被帯電回収ロール141に対し摩擦帯電部材151を所定圧で押圧することが好ましい。
特に、本例では、被帯電回収ロール141は、実施の形態1,2と異なり、専用の摩擦帯電部材152で摩擦帯電するため、被帯電回収ロール141の材料の選択範囲が実施の形態1,2に比べて広くなる。
つまり、被帯電回収ロール141は、感光体31との帯電列を考慮する必要がなく、基本的には外添剤Wとしてのシリカより帯電列がプラス側にある材料が選択できる。具体的には、ウレタンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチレンゴム、多硫化系ゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴムなどの合成ゴム、天然ゴムなどが使用でき、比較的高硬度で摩擦係数が高くないものがよい。また、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリアセタール、ポリイミド、ポリアミドイミド、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタンなどのプラスチック材料も使用できる。さらに、ガラスはプラスの帯電性が強いため好適である。
尚、被帯電回収ロール141としては、全体を前述した材料で構成してもよいし、例えばロール本体の表面の被覆層を前述した材料で構成するようにしてもよい。
また、摩擦帯電部材151は、被帯電回収ロール141より帯電列がマイナス側にある材料から任意に選択される。
また、本例で用いられる被帯電回収ロール141の駆動系160は、図14(b)に示すように、例えば感光体31と同軸に駆動伝達ギア161を設けると共に、被帯電回収ロール141と同軸に駆動伝達ギア161と噛み合う被駆動伝達ギア162を設け、感光体31回転時に駆動伝達ギア161及び被駆動伝達ギア162を介して被帯電回収ロール141に回転駆動力を伝達するものである。尚、符号163は感光体31の駆動源としての駆動モータである。
尚、被帯電回収ロール141の駆動系としては、感光体31の駆動系を利用する態様であるが、これに限られず、専用の駆動系を用いてもよいことは勿論である。
【0036】
本実施の形態によれば、外添剤回収装置37は以下のように作動する。
先ず、感光体31が回転駆動すると、図14(b)に示すように、被帯電回収ロール141の駆動系160(駆動伝達ギア161,被駆動伝達ギア162)を介して被帯電回収ロール141が回転駆動を開始する。
この状態において、図14(a)に示すように、摩擦帯電部材151が被帯電回収ロール141との接触部位(図14(a)中S領域)で摺擦することになり、被帯電回収ロール141は摩擦帯電部材151によって(+)に帯電され、この摩擦帯電に伴う電荷が生成される。
すると、被帯電回収ロール141と感光体31の表面との間隙部120には、この電荷に基づく電界Eが集中的に生成され、感光体31上の外添剤Wとしてのシリカが被帯電回収ロール141に静電吸着されて回収される。
本例では、被帯電回収ロール141は回転駆動され、回収したシリカが被帯電回収ロール141と摩擦帯電部材151との接触部位を通過することになるが、当該シリカは被帯電回収ロール141側に静電吸着されているため、前記接触部位で不必要に滞留するという懸念はない。
尚、被帯電回収ロール141に回収した外添剤Wとしてのシリカを除去するための清掃部材を必要に応じて付加してもよいことは勿論である。
【0037】
◎変形の形態3−1
本実施の形態では、板状の摩擦帯電部材151の一側面が被帯電回収ロール141に接触しているが、これに限られるものではなく、例えば図15中S領域に示すように、板状の摩擦帯電部材151の先端エッジ部153を被帯電回収ロール141に接触配置させるようにしてもよい。
本態様では、摩擦帯電部材151と被帯電回収ロール141との摺擦力を高く設定することが可能であるため、被帯電回収ロール141に対する摩擦帯電性能を向上させることが可能であるほか、摩擦帯電部材151の先端エッジ部153が被帯電回収ロール141に回収した外添剤Wとしてのシリカを掻き取る作用も兼ねるため、当該摩擦帯電部材151は被帯電回収ロール141を清掃する清掃部材をも兼用することになり、被帯電回収ロール141を常にリフレッシュした状態に保つことが可能である。尚、本態様では、摩擦帯電部材151として、清掃部材として既に利用されている例えばウレタンゴム製のものを利用することも可能であるため、材料選択の点でより汎用性を高めることができる。
◎変形の形態3−2
また、本実施の形態では、被帯電回収部材140を回転駆動可能な被帯電回収ロール141とし、摩擦帯電部材150を固定配置した態様が採用されているが、これに限られるものではなく、例えば図16に示すように、摩擦帯電機構150の摩擦帯電部材151を回転駆動可能な摩擦帯電ロール155とし、被帯電回収部材140として感光体31に対向して非接触配置される被帯電回収板145を用い、実施の形態1と略同様な駆動系を利用することで、摩擦帯電ロール155を回転駆動することで、摩擦帯電ロール155と被帯電回収板145とを摺擦させ、被帯電回収板145を摩擦帯電させるようにしてもよい。
尚、本例においては、被帯電回収板145は感光体31に対して非接触配置されるものであるが、回転駆動する摩擦帯電ロール155との接触による振動などに伴う間隙部120の変化を抑制するという観点から、被帯電回収板145の各隅部に感光体31の表面のうち非画像形成領域に向かって突出する位置決め突部(図示せず)を設け、この位置決めル突部で被帯電回収板145を位置決めすることが好ましい。
【実施例】
【0038】
次に、実施の形態1に係る画像形成装置を実施例1として用い、外添剤回収装置37の効果を検証するための実験を行った。尚、外添剤回収装置37を具備しない態様を比較例1とする。
実験条件は以下の通りである。
検証実験には富士ゼロックス製オンデマンド印刷機DocuColor8000を使用し、清掃装置36と帯電装置32との間に外添剤回収装置37を組み込んだ。
・使用トナー:乳化重合法により製造された平均粒径5.8μmのトナー(個数平均粒径100〜150nmのシリカを外添)
・清掃ブレード:加圧力39.2N/mのウレタンゴム製ブレード
・シール部材:厚さ0.1mmの熱可塑性ポリウレタンフィルム
また、評価方法は、ゴースト評価チャート(例えば図2(a)参照)を連続50枚プリントし、50枚目のゴーストレベルをΔL*で評価した。こごていうΔL*は例えば図2(b)中のゴースト画像IMgが存在する領域とこの領域以外のハーフトーン画像IM2の領域との間の明度差を意味する。
評価結果を図17に示す。
同図によれば、ΔL*の値は小さいほどゴーストレベルが良好なことを示している。
比較例1では、ΔL*の値は2.0で連続プリントゴーストの発生が見られたのに対して、実施例1ではΔL*の値は0.1にまで低減し、連続プリントゴーストが認識されないレベルまで改善することが理解される。
また、実施例1における外添剤回収装置37の改善効果に関し、その維持性を確認するためにランニング試験を行った。
ランニングしたトータルサイクル数(感光体の回転総数)は100,000Cycleである。10,000Cycle毎に上記と同様にゴースト評価を行った結果、図18に示すようにΔL*の値は0.1〜0.2で推移し、測定バラツキを考慮すれば変化していないと判断することができ、実施例1の維持性が確認された。
【符号の説明】
【0039】
1…像保持体,2…潜像形成手段,2a…帯電手段,2b…潜像書込手段,3…現像手段,3a…現像容器,3b…現像剤保持体,3c…現像回転体,3d…磁石部材,3e…撹拌搬送部材,4…転写手段,5…転写媒体,6…清掃手段,6a…清掃部材,10…外添剤回収手段,11…被帯電回収部材,12…摩擦帯電機構,12a…摩擦帯電部材,13…間隙部,E…電界,W…外添剤,d…間隙部の間隔寸法
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が保持される回転可能な像保持体と、
この像保持体に対して画像信号に基づく静電潜像を形成する潜像形成手段と、
トナー及びキャリア並びにトナーと同極性の外添剤が含まれる現像剤が保持搬送される現像剤保持体を有し、この現像剤保持体に保持搬送された現像剤を前記像保持体に対し摺擦させ、前記潜像形成手段にて像保持体上に形成された静電潜像を現像する現像手段と、
この現像手段にて現像された前記像保持体上のトナー像を転写媒体に転写する転写手段と、
この転写手段による転写部位よりも前記像保持体の回転方向下流側に設けられ、前記像保持体に接触する清掃部材にて当該像保持体上の転写後の残留物を清掃する清掃手段と、
この清掃手段による清掃部位よりも前記像保持体の回転方向下流側に設けられ、前記清掃部位を通過した像保持体上の外添剤を回収する外添剤回収手段と、を備え、
前記外添剤回収手段は、
前記像保持体に対向し且つ前記像保持体の回転方向と交差する方向に延びるように配置され、少なくとも像保持体に対向する対向部は前記外添剤よりも帯電列がプラス側に位置する材料で構成される被帯電回収部材と、
前記被帯電回収部材に接触して当該被帯電回収部材が前記外添剤を静電吸着するように摩擦帯電させられる摩擦帯電部材を有し、前記像保持体回転時に前記摩擦帯電部材との接触に起因して前記被帯電回収部材を摩擦帯電する摩擦帯電機構と、
前記被帯電回収部材の像保持体との対向部と前記像保持体との間に設けられ、前記摩擦帯電機構により被帯電回収部材が摩擦帯電されたときに当該摩擦帯電により生成される電荷に基づく電界が像保持体上の外添剤を静電吸引可能な程度に作用させられる間隙部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記外添剤回収手段は、少なくとも像保持体に対向する対向部は前記像保持体よりも帯電列がプラス側に位置する材料で構成された被帯電回収部材と、
前記像保持体を摩擦帯電部材として利用し、前記被帯電回収部材の一部に摩擦帯電部材である像保持体に接触する突部を形成した摩擦帯電機構と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2記載の画像形成装置において、
前記摩擦帯電機構は、前記被帯電回収部材には先端が曲面状に形成された突部を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれかに記載の画像形成装置において、
前記被帯電回収部材は、像保持体の表面形状に沿う形状の対向面を有していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項2又は3に記載の画像形成装置において、
前記摩擦帯電機構は、被帯電回収部材のうち像保持体の回転移動方向の下流側に突部を形成し、前記像保持体の表面のうち画像形成領域に対して前記被帯電回収部材の突部を接触させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項2又は3に記載の画像形成装置において、
前記摩擦帯電機構は、前記像保持体の表面のうち画像形成領域以外の非画像形成領域に対して前記被帯電回収部材の突部を接触させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項2、3、5又は6いずれかに記載の画像形成装置において、
前記摩擦帯電機構は、前記像保持体の表面に対して被帯電回収部材の突部を線状箇所又は複数の点状箇所で接触させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記外添剤回収手段は、
前記像保持体に対し前記間隙部を介して対向配置される被帯電回収部材と、
前記像保持体回転時には前記被帯電回収部材に対して前記摩擦帯電部材を相対的に回転駆動させることで摺擦可能に接触させる摩擦帯電機構と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項8記載の画像形成装置において、
前記被帯電回収部材は回転駆動可能に設けられ、
前記摩擦帯電機構は、前記像保持体回転時に前記被帯電回収部材を回転駆動すると共に、当該被帯電回収部材に予め固定配置された前記摩擦帯電部材を摺擦可能に接触させるものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項9記載の画像形成装置において、
前記外添剤回収手段は、被帯電回収部材に静電吸着した外添剤が清掃される清掃部材を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項10記載の画像形成装置において、
前記外添剤回収手段は、前記摩擦帯電部材と前記清掃部材とを兼用したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
静電潜像が保持される回転可能な像保持体と、
この像保持体に対して画像信号に基づく静電潜像を形成する潜像形成手段と、
トナー及びキャリア並びにトナーと同極性の外添剤が含まれる現像剤が保持搬送される現像剤保持体を有し、この現像剤保持体に保持搬送された現像剤を前記像保持体に対し摺擦させ、前記潜像形成手段にて像保持体上に形成された静電潜像を現像する現像手段と、
この現像手段にて現像された前記像保持体上のトナー像を転写媒体に転写する転写手段と、
この転写手段による転写部位よりも前記像保持体の回転方向下流側に設けられ、前記像保持体に接触する清掃部材にて当該像保持体上の転写後の残留物を清掃する清掃手段と、
この清掃手段による清掃部位よりも前記像保持体の回転方向下流側に設けられ、前記清掃部位を通過した像保持体上の外添剤を回収する外添剤回収手段と、を備え、
前記外添剤回収手段は、
前記像保持体に対向し且つ前記像保持体の回転方向と交差する方向に延びるように配置され、少なくとも像保持体に対向する対向部は前記外添剤よりも帯電列がプラス側に位置する材料で構成される被帯電回収部材と、
前記被帯電回収部材に接触して当該被帯電回収部材が前記外添剤を静電吸着するように摩擦帯電させられる摩擦帯電部材を有し、前記像保持体回転時に前記摩擦帯電部材との接触に起因して前記被帯電回収部材を摩擦帯電する摩擦帯電機構と、
前記被帯電回収部材の像保持体との対向部と前記像保持体との間に設けられ、前記摩擦帯電機構により被帯電回収部材が摩擦帯電されたときに当該摩擦帯電により生成される電荷に基づく電界が像保持体上の外添剤を静電吸引可能な程度に作用させられる間隙部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記外添剤回収手段は、少なくとも像保持体に対向する対向部は前記像保持体よりも帯電列がプラス側に位置する材料で構成された被帯電回収部材と、
前記像保持体を摩擦帯電部材として利用し、前記被帯電回収部材の一部に摩擦帯電部材である像保持体に接触する突部を形成した摩擦帯電機構と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2記載の画像形成装置において、
前記摩擦帯電機構は、前記被帯電回収部材には先端が曲面状に形成された突部を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれかに記載の画像形成装置において、
前記被帯電回収部材は、像保持体の表面形状に沿う形状の対向面を有していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項2又は3に記載の画像形成装置において、
前記摩擦帯電機構は、被帯電回収部材のうち像保持体の回転移動方向の下流側に突部を形成し、前記像保持体の表面のうち画像形成領域に対して前記被帯電回収部材の突部を接触させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項2又は3に記載の画像形成装置において、
前記摩擦帯電機構は、前記像保持体の表面のうち画像形成領域以外の非画像形成領域に対して前記被帯電回収部材の突部を接触させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項2、3、5又は6いずれかに記載の画像形成装置において、
前記摩擦帯電機構は、前記像保持体の表面に対して被帯電回収部材の突部を線状箇所又は複数の点状箇所で接触させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記外添剤回収手段は、
前記像保持体に対し前記間隙部を介して対向配置される被帯電回収部材と、
前記像保持体回転時には前記被帯電回収部材に対して前記摩擦帯電部材を相対的に回転駆動させることで摺擦可能に接触させる摩擦帯電機構と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項8記載の画像形成装置において、
前記被帯電回収部材は回転駆動可能に設けられ、
前記摩擦帯電機構は、前記像保持体回転時に前記被帯電回収部材を回転駆動すると共に、当該被帯電回収部材に予め固定配置された前記摩擦帯電部材を摺擦可能に接触させるものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項9記載の画像形成装置において、
前記外添剤回収手段は、被帯電回収部材に静電吸着した外添剤が清掃される清掃部材を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項10記載の画像形成装置において、
前記外添剤回収手段は、前記摩擦帯電部材と前記清掃部材とを兼用したことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図8】
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【図11】
【図12】
【図13】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−114089(P2013−114089A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260980(P2011−260980)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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