画像形成装置
【課題】用紙押さえ部材を用いて胴内排紙空間に排出された用紙のストック性を高めるとともに、ストックされた用紙の取り出し時における怪我や用紙押さえ部材の破損を回避可能な用紙排出装置及びそれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】用紙押さえ機構４０は、ホルダー部４１と、ホルダー部４１に揺動可能に支持される平板状の用紙押さえ部材４３とで構成されている。ホルダー部４１は胴内排紙空間２２の天面２２ｂに水平方向に回転可能に支持され、ねじりバネ５０の付勢力によって用紙押さえ部材４３が基準位置方向に付勢されている。
【解決手段】用紙押さえ機構４０は、ホルダー部４１と、ホルダー部４１に揺動可能に支持される平板状の用紙押さえ部材４３とで構成されている。ホルダー部４１は胴内排紙空間２２の天面２２ｂに水平方向に回転可能に支持され、ねじりバネ５０の付勢力によって用紙押さえ部材４３が基準位置方向に付勢されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置に関し、特に画像形成部と画像読取部との間に胴内排紙空間を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、複写機、プリンター等の画像形成装置によって画像が形成された用紙を複数枚スタックして、スタックされた用紙束をまとめてステープルで綴じる綴じ処理等を実行可能な用紙後処理装置（用紙後処理部）が知られており、比較的多量の用紙について綴じ処理等の後処理等を行う際には、上述のような用紙後処理装置が利用されている。
【０００３】
また画像形成装置には、画像形成部の上方に画像読取部、画像読取部と画像形成部との間に胴内排紙空間を備えた胴内排紙型のものがある。胴内排紙空間の底面部には用紙排出トレイが配置されており、画像形成終了後に用紙排出トレイに排出された用紙は、装置本体前面側から取り出されるようになっている。
【０００４】
このような胴内排出型の画像形成装置で画像形成された用紙を用紙後処理装置で処理するためには、画像形成部を通過した後の用紙を胴内排紙空間を介して用紙後処理装置まで搬送する必要がある。このため、従来、胴内排紙空間に、画像形成された用紙を用紙後処理装置へと搬送するための中継ユニット（中継搬送部）が設けられている。中継ユニットが設けられた胴内排出型の画像形成装置では、用紙排出口から排出された用紙は中継ユニットの上面にストックされる。
【０００５】
ここで、中継ユニットの構造上、ユニット上面はフラットな形状となっている。そのため、用紙排出口から排出される用紙の先端、或いは、用紙両面印刷時において用紙排出口からスイッチバックされる用紙の先端によって、既にストックされた用紙の上面が擦られ、ストックされた用紙が排出方向に移動することがある。そして、次に排出されてくる用紙がスイッチバック時に移動した用紙の後端を押圧して用紙のストック状態が乱れたり、用紙の下に潜り込んでストックの順序が狂ったりするという問題点があった。
【０００６】
そこで、例えば特許文献１に記載されているような揺動可能な用紙押さえ部材を、胴内排紙空間の天面から用紙排出面である中継ユニットの上面に向けて垂れ下がるように設けることが考えられる。用紙押さえ部材を用いて既にストックされた用紙の上面を押さえることで、ストックされた用紙の移動を抑制してストック状態の乱れやストック順序の狂いを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】特開２００８−１４３６１６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
特許文献１に記載のような用紙押さえ部材を、胴内排紙空間の天面から用紙排出面に接触するように設けた場合、立っているユーザーからは用紙押さえ部材が視認できない。そのため、ユーザーがストックされたハガキ等の小サイズの用紙を取り出すために胴内排紙空間の奥まで手を差し入れたとき、用紙押さえ部材に手をぶつけてしまい、手や指を怪我したり、用紙押さえ部材を破損したりするおそれがあった。なお、中継ユニットを使用しない場合であっても、胴内排紙空間の天面から用紙排出トレイに向かって垂れ下がり、先端部が用紙排出トレイに接触する用紙押さえ部材を設けた場合は同様の問題が発生する。
【０００９】
本発明は、上記問題点に鑑み、用紙押さえ部材を用いて胴内排紙空間に排出された用紙のストック性を高めるとともに、ストックされた用紙の取り出し時における怪我や用紙押さえ部材の破損を回避可能な用紙排出装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
上記目的を達成するために本発明は、画像形成部と、該画像形成部の上方に配置された画像読取部との間に配置され、前記画像形成部で画像形成されたシートを排出するシート排出部と、該シート排出部のシート排出方向下流側に設けられ、少なくとも前記装置本体の前面側に開口する胴内排出空間と、前記画像読取部の下面に設けられ、前記シート排出部から前記胴内排出空間に排出されたシートの上面を押さえるシート押さえ機構と、を備えた画像形成装置において、前記シート押さえ機構は、下端部が前記胴内排出空間のシート排出面に接触するシート押さえ部材と、該シート押さえ部材の上端部を揺動可能に支持するホルダー部とで構成され、前記ホルダー部は、前記画像読取部の下面に対し、前記シート押さえ部材が前記シート排出面に排出されるシートを押さえる基準位置と、該基準位置から水平方向に移動した退避位置との間を移動可能に設けられることを特徴としている。
【００１１】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記ホルダー部は、前記基準位置と、該基準位置から装置前面側に位置する前記シート押さえ部材の側端部がシート排出方向下流側から上流側へ向かって所定量回転した第１退避位置との間を回転可能であることを特徴としている。
【００１２】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記ホルダー部は、前記基準位置と、該基準位置からシート排出方向と直交する方向に前記胴内排出空間の奥側へ移動した第２退避位置との間を移動可能であることを特徴としている。
【００１３】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記ホルダー部は、前記基準位置と、該基準位置から装置前面側に位置する前記シート押さえ部材の側端部がシート排出方向下流側から上流側へ向かって所定量回転した第１退避位置との間を回転可能であり、且つ前記基準位置と、前記シート排出方向と直交する方向に前記胴内排出空間の奥側へ移動した第２退避位置との間を移動可能であることを特徴としている。
【００１４】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記ホルダー部は、前記画像読取部の下面の一部を構成するマウント部に前記基準位置と前記第１退避位置との間を回転可能に支持されており、前記基準位置と前記第２退避位置との間を前記マウント部と共に移動可能であることを特徴としている。
【００１５】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記ホルダー部または前記マウント部を前記基準位置方向に付勢する付勢部材を設けたことを特徴としている。
【００１６】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記胴内排出空間を挟んで前記シート排出部と反対側に配置され、前記シート排出部から排出されたシートが搬入されるシート後処理部と、前記胴内排出空間の底面部に配置され、前記シート排出部から排出されたシートを前記シート後処理部に搬送する中継搬送部と、を備え、前記シート押さえ部材の下端部は、前記シート排出面となる前記中継搬送部の上面に接触することを特徴としている。
【発明の効果】
【００１７】
本発明の第１の構成によれば、シート押さえ部材を揺動可能に支持するホルダー部を、画像読取部の下面に対しシート押さえ部材がシート排出面に排出されるシートを押さえる基準位置と、該基準位置から水平方向に移動した退避位置との間を移動可能とすることにより、シート押さえ部材に手をぶつけたときの衝撃が緩和されるため、胴内排出空間に手を差し入れたときにシート押さえ部材で手や指を怪我したり、シート押さえ機構が破損したりする不具合を回避することができる。
【００１８】
また、本発明の第２の構成によれば、上記第１の構成の画像形成装置において、ホルダー部は、基準位置と、該基準位置から装置前面側に位置するシート押さえ部材の側端部がシート排出方向下流側から上流側へ向かって所定量回転した第１退避位置との間を回転可能としたので、画像形成装置本体の正面よりもシート排出方向下流側寄りから手を差し入れてシート押さえ部材に手をぶつけたときに、装置前面側に位置するシート押さえ部材の側端部がシート排出方向下流側から上流側へ向かって回転するため、衝撃を効果的に緩和することができる。
【００１９】
また、本発明の第３の構成によれば、上記第１の構成の画像形成装置において、ホルダー部は、基準位置と、該基準位置からシート排出方向と直交する方向に胴内排出空間の奥側へ摺動した第２退避位置との間を摺動可能としたので、画像形成装置本体の正面から手を差し入れてシート押さえ部材に手をぶつけたときに、シート押さえ部材が装置前面側から装置奥側へ向かって移動するため、衝撃を効果的に緩和することができる。
【００２０】
また、本発明の第４の構成によれば、上記第１の構成の画像形成装置において、ホルダー部を、基準位置と第１退避位置との間を回転可能であり、且つ基準位置と第２退避位置との間を移動可能とすることにより、画像形成装置本体の正面よりもシート排出方向下流側寄りから手を差し入れてシート押さえ部材に手をぶつけたときの衝撃、及び画像形成装置本体の正面から手を差し入れてシート押さえ部材に手をぶつけたときの衝撃の両方を効果的に緩和することができる。
【００２１】
また、本発明の第５の構成によれば、上記第４の構成の画像形成装置において、ホルダー部は、画像読取部の下面の一部を構成するマウント部に基準位置と第１退避位置との間を回転可能に支持されており、基準位置と第２退避位置との間をマウント部と共に移動可能とすることにより、簡単な構成でホルダー部を画像読取部の下面に対し回転及び移動可能とすることができる。
【００２２】
また、本発明の第６の構成によれば、上記第１乃至第５のいずれかの構成の画像形成装置において、シート押さえ部材に手をぶつけて回転若しくは移動したホルダー部が付勢部材の付勢力によって自動的に基準位置に戻るため、ホルダー部を基準位置に配置し忘れることがなくなる。
【００２３】
また、本発明の第７の構成によれば、上記第１乃至第６のいずれかの構成の画像形成装置において、胴内排出空間を挟んでシート排出部と反対側に配置され、シート排出部から排出されたシートが搬入されるシート後処理部と、胴内排出空間の底面部に配置され、シート排出部から排出されたシートをシート後処理部に搬送する中継搬送部と、を備え、シート押さえ部材は中継搬送部の上面に接触することにより、構造上、フラットな形状となっている中継搬送部の上面にストックされるシートのストック状態が乱れたり、シートの下に潜り込んでストックの順序が狂ったりすることを効果的に防止し、且つシート押さえ機構の破損やユーザーの怪我も防止できる画像形成装置となる。
【図面の簡単な説明】
【００２４】
【図１】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の外観斜視図
【図２】本発明の画像形成装置の内部構成を示す概略図
【図３】胴内排紙空間２２に設けられた第１実施形態に係る用紙押さえ機構４０周辺の側面図
【図４】第１実施形態の用紙押さえ機構４０の斜視図
【図５】第１実施形態の用紙押さえ機構４０の用紙押さえ部材４３を胴内排紙空間２２の天面２２ｂに沿って収納した状態を示す斜視図
【図６】第１実施形態の用紙押さえ機構４０を図５の上方から見た平面図
【図７】第１実施形態の用紙押さえ機構４０のホルダー部４１が図３の状態から水平方向に回転した状態を示す用紙押さえ機構４０周辺の側面図
【図８】本発明の第２実施形態に係る用紙押さえ機構４０を上方から見た平面図
【図９】第２実施形態の用紙押さえ機構４０のホルダー部４１が水平方向に摺動する様子を示す正面図
【図１０】本発明の第３実施形態に係る用紙押さえ機構４０を上方から見た平面図
【発明を実施するための形態】
【００２５】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図１は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の外観斜視図であり、図２は、画像形成装置の内部構成を示す概略図である。なお、本実施形態においては画像形成装置の一例として複合機を例示しているが、胴内排紙型の画像形成装置であれば、複合機以外の、例えばレーザープリンターやインクジェットプリンター、ファクシミリ等にも適用できる。
【００２６】
図１及び図２に示すように、画像形成装置１００は、いわゆる胴内排紙型のデジタル複合機であって、大きくは、本体ハウジング２０と、その上部に配設された上ハウジング２１とで構成されている。上ハウジング２１には、原稿の画像を電気信号として読み取るための後述する各種機構が設けられ、上ハウジング２１の上部には原稿搬送装置３が付設されている。他方、本体ハウジング２０には、読み取った原稿画像の電気信号に基づいて用紙に画像を転写するための後述する各種機構が設けられ、本体ハウジング２０の左側部には用紙後処理装置（シート後処理部）７０が付設されている。
【００２７】
本実施形態では、本体ハウジング２０は、下ハウジング２０ａと、その上方で右側部に沿って位置し上ハウジング２１に連結される連結ハウジング２０ｂと、より構成され、下ハウジング２０ａには、用紙Ｐの給紙部４や、用紙Ｐ上にトナー画像を形成する画像形成部６や、用紙上のトナー画像を定着するための定着装置（定着部）７等が設けられ、他方、連結ハウジング２０ｂには、定着後の用紙Ｐを搬送して本体ハウジング２０から排出するための用紙排出部（シート排出部）１９が設けられている。
【００２８】
また、上ハウジング２１の直下における連結ハウジング２０ｂの左側方には、左側面及び正面に向けて大きく開放された胴内排紙空間２２が形成されており、この胴内排紙空間２２には、連結ハウジング２０ｂの左側面から排出される用紙Ｐを受け取って積載する一方で、用紙Ｐに後処理を施す場合には用紙後処理装置７０への搬送を可能とする中継ユニット３０が設けられている。中継ユニット３０の詳細については後述する。
【００２９】
本体ハウジング２０内には、下部に配設された給紙部４と、給紙部４の側方及び上方に配設された用紙搬送部５と、給紙部４の上方に配設された画像形成部６と、画像形成部６の用紙搬送方向下流側（図２の右側）に配設された定着部７とが備えられている。
【００３０】
給紙部４には、用紙搬送方向下流側に給紙ローラー等の分離給送手段が設けられた複数の給紙カセット４ａが備えられており、この給紙カセット４ａに載置された用紙Ｐの束を、給紙ローラーの回転動作によって、最上位の用紙Ｐから１枚ずつ用紙搬送部５に給紙するものであり、用紙搬送部５は、給紙部４から給紙された用紙Ｐを、各搬送ローラー対５ａによって画像形成部６へと搬送する。
【００３１】
画像形成部６及び定着部７は、装置本体１００の内部で用紙搬送方向と直交する幅方向（前後方向、図２の紙面に直交する方向）に細長く配設され、下ハウジング２０ａ内の上部において図２における左側から画像形成部６、定着部７の順に用紙Ｐの搬送方向（左から右方向）に沿って並設されている。
【００３２】
画像形成部６は、電子写真プロセスによって、用紙Ｐ上に所定のトナー像を形成するものであり、回転可能に軸支された像担持体である感光体ドラム１０と、この感光体ドラム１０の周囲にその回転方向に沿って配設される帯電装置１１、露光装置１２、現像装置１３、転写装置１４、クリーニング装置１５及び不図示の除電装置を備えている。定着部７は、画像形成部６においてトナー像が転写された用紙Ｐを、加熱ローラーと加圧ローラーとからなる一対の定着ローラー対７ａに挟持させて加熱及び加圧して、未定着トナー像を用紙Ｐ上に定着させるものである。
【００３３】
上ハウジング２１内には、画像読取部８が設けられている。画像読取部８は、原稿の画像情報を読み取るものであり、１枚ずつの原稿を手置きで読み取らせる場合には、原稿搬送装置３を開いて上ハウジング２１の上面に設けられたコンタクトガラス８ａ上に原稿を載置し、原稿束から１枚ずつを自動的に読み取らせる場合には、原稿束を、閉じた状態の原稿搬送装置３の給紙トレイ上３ａに載置する。原稿束が給紙トレイ３ａ上に載置された場合は、当該原稿束から１枚ずつの原稿が自動的に順次コンタクトガラス８ａ上に送り込まれるようになっている。いずれの場合でもコンタクトガラス８ａ上に位置した原稿に、不図示の露光ランプから光が照射され、その反射光は画像光として不図示の反射鏡及び結像レンズ等の光学系を介して光電変換部（ＣＣＤ）へ導かれる。
【００３４】
以下、上記のように構成された画像形成装置１００の基本的な動作を説明する。先ず、図２で反時計回りに回転する感光体ドラム１０の表面が帯電装置１１によって一様に帯電され、引き続き画像読取部８で読み取られた画像情報に基づいて露光装置１２（レーザー装置等）からのレーザービームが感光体ドラム１０の周面に照射され、これによって感光体ドラム１０の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像に現像装置１３から現像剤としてのトナーが供給されることによりトナー像が形成される。
【００３５】
次いで、給紙部４からの用紙Ｐは、用紙搬送路５を通過し、レジストローラー対９によって所定のタイミングでトナー像が形成された感光体ドラム１０に向けて搬送され、ここで転写ローラー等からなる転写装置１４により感光体ドラム１０の表面のトナー像が用紙Ｐに転写される。そして、トナー像が転写された用紙Ｐは感光体ドラム１０から分離され、定着部７に向けて搬送され、定着ローラー対７ａを通過することで加熱、加圧処理されてトナー像が定着される。
【００３６】
トナー像の用紙Ｐへの転写処理が完了した感光体ドラム１０は、クリーニング装置１５で周面に残留している残留トナーが取り除かれた後、除電装置（不図示）で残留電荷を除去する除電処理が施され、その後、帯電装置１１により再び周面に帯電処理が施され、以下同様にして画像形成が行われることとなる。
【００３７】
そして、定着部７を通過した用紙Ｐは、そのまま垂直上方に向き垂直搬送路１８に沿って連結ハウジング２０ｂ内に搬送される。垂直搬送路１８の上部は連結ハウジング２０ｂ内で左方に向かって上下２つの搬送路に分岐しており、分岐部に配置された切り替え爪１７によって、用紙Ｐの搬送方向が切り替えられるようになっている。
【００３８】
この連結ハウジング２０ｂ内には、用紙排出部１９が設けられている。用紙排出部１９は、第１排出ローラー対１９ａと、第１排出ローラー対１９ａの直下に配置された第２排出ローラー対１９ｂと、を有しており、垂直搬送路１８を搬送された用紙Ｐが切り替え爪１７によって上方の搬送路若しくは下方の搬送路に案内される。
【００３９】
切り替え爪１７によって上方の搬送路に案内された用紙Ｐは、第１排出ローラー対１９ａから左方に排出され、切り替え爪１７によって下方の搬送路に案内された用紙Ｐは、第２排出ローラー対１９ｂによって左方に排出される。切り替え爪１７は、不図示の制御部によって案内方向を切り替えるようになっている。
【００４０】
ここで、中継ユニット３０は、胴内排紙空間２２の底面２２ａに着脱可能に装着され、胴内排紙空間２２には、中継ユニット３０の装着を検知する検知センサー（不図示）が設けられている。検知センサーは、ＰＩセンサー等から構成されており、検知結果を制御部に送信する。
【００４１】
また、底面２２ａには、用紙排出方向下流側（図２の左側）に向かって上方に傾斜する傾斜面が形成されており、中継ユニット３０が胴内排紙空間２２から離脱されているとき、底面２２ａが用紙排出トレイとして用いられる。この場合、検知センサーは中継ユニット３０が装着されていないことを検知し、検知結果が制御部に送信されると、切り替え爪１７は用紙Ｐを第１排出ローラー対１９ａに案内する。そして、第１排出ローラー対１９ａから排出された用紙Ｐは底面２２ａ上に排出される。
【００４２】
一方、中継ユニット３０が胴内排紙空間２２に装着されているとき、検知センサーは中継ユニット３０が装着されていることを検知し、検知結果が制御部に送信されると、切り替え爪１７は用紙Ｐを第２排出ローラー対１９ｂに案内する。そして、第２排出ローラー対１９ｂから排出された用紙Ｐは中継ユニット３０に搬入される。中継ユニット３０内に搬入された用紙Ｐは、中継ユニット３０内を通過し、用紙後処理装置７０に搬入される。
【００４３】
なお、検知結果を操作パネル２５（図１参照）に表示し、ユーザーが操作パネル２５上で用紙Ｐの案内方向を切り替えることもできる。また、上側ガイド部３２で構成される中継ユニット３０の上面部３０ａ（図３参照）は、第１排出ローラー対１９ａから排出された用紙Ｐが載置される用紙排出トレイを構成している。
【００４４】
また、中継ユニット３０が装着されている場合であっても、薄紙の用紙Ｐを用いた場合や、ファクシミリの受信データを印字する場合には、用紙Ｐを第１排出ローラー対１９ａから中継ユニット３０の上面部３０ａに排出することもできる。胴内排紙空間２２の天面２２ｂには、上面部３０ａ上に排出される用紙Ｐの上面を押さえる用紙押さえ部材４３が吊り下げ支持されている。用紙押さえ部材４３を含む用紙押さえ機構４０（図４参照）の構成については後述する。
【００４５】
用紙後処理装置７０は、本体ハウジング２０の用紙排出方向下流側（図１及び図２の左側）に着脱可能に配置され、本体ハウジング２０で画像形成処理された用紙Ｐに対して綴じ処理や、用紙Ｐをずらして排出するシフト排出処理等の後処理を行うものである。
【００４６】
図２に示すように、用紙後処理装置７０内部には、中継ユニット３０から搬入された用紙Ｐを下流側に搬送する後処理用搬送ローラー対７１と、搬入された用紙Ｐを複数枚スタックし、スタックされた用紙束をまとめてステープルで綴じる綴じ処理装置７３と、用紙Ｐ若しくは用紙束をずらして排出するシフト排出装置７４とが設けられている。
【００４７】
画像形成処理された用紙Ｐが、中継ユニット３０を経由して用紙後処理装置７０内に搬入されると、不図示の制御部により綴じ処理が指示されている場合には、綴じ処理装置７３によって所定枚数の用紙束を整列させた後、用紙束の所定の位置に綴じ処理が行われる。一方、綴じ処理が指示されていない場合、用紙Ｐはそのまま綴じ処理装置７３を通過し、排出トレイ７５に排出される。
【００４８】
また、シフト排出処理が指示されている場合には、シフト排出装置７４によって、用紙Ｐ若しくは用紙束をずらして排出トレイ７５の所定位置にシフト排出処理が行われ、シフト排出処理が指示されていない場合はそのままシフト排出装置７４を通過し、排出トレイ７５に排出される。
【００４９】
図３は、胴内排紙空間２２に設けられた第１実施形態に係る用紙押さえ機構４０周辺の側面図であり、図４は、第１実施形態の用紙押さえ機構４０の斜視図、図５は、用紙押さえ部材４３を胴内排紙空間２２の天面２２ｂに沿って収納した状態を示す用紙押さえ機構４０の斜視図、図６は、用紙押さえ機構４０を図５の上方から見た平面図である。なお、図５は用紙押さえ機構４０を胴内排紙空間２２の奥側から見た状態を示しており、用紙排出方向は図４と逆方向（図５の左から右方向）となる。
【００５０】
用紙押さえ機構４０は、胴内排紙空間２２の天面２２ｂ（画像読取部８の下面）に一体形成されたマウント部２３（図３では不図示）に装着されるホルダー部４１と、ホルダー部４１から垂れ下がる平板状の用紙押さえ部材４３とで構成されている。用紙押さえ部材４３の下端部は中継ユニット３０の上面部３０ａに当接している。また、上面部３０ａには、用紙排出方向（図３の右から左方向）に対し用紙押さえ部材４３の上流側に突起４４が形成されている。
【００５１】
図４に示すように、用紙押さえ部材４３の上端には左右に突出する支軸４３ａが設けられており、支軸４３ａはホルダー部４１の軸受部４１ａに回転可能に係合している。これにより、用紙押さえ部材４３は、ホルダー部４１に揺動可能に支持されている。また、ホルダー部４１には用紙押さえ部材４３の突起４３ｂを係止する係止部４１ｂが設けられており、中継ユニット３０及び用紙後処理装置７０を使用しない場合は、図５に示すように突起４３ｂを係止部４１ｂに係止することで、用紙押さえ部材４３を胴内排紙空間２２の天面２２ｂに沿って収納することができる。
【００５２】
また、図６に示すように、ホルダー部４１の上面には、回転軸４５と２つの第１係合爪４７ａ、４７ｂとが形成されており、回転軸４５はマウント部２３に形成された軸受孔に回転自在に内挿されている。また、第１係合爪４７ａ、４７ｂは、それぞれマウント部２３の軸受孔を中心として円弧状に形成された第１ガイド孔４９ａ、４９ｂに係合している。第１ガイド孔４９ａ、４９ｂは、ホルダー部４１を用紙押さえ部材４３が用紙排出方向に揺動して上面部３０ａに排出される用紙を押さえる位置（以下、基準位置という）と、基準位置から水平方向に所定量回転した位置（以下、第１退避位置という）とに案内する。
【００５３】
なお、図６では上側が胴内排紙空間２２の前側を示しており、ホルダー部４１は、胴内排紙空間２２の前側（図３の紙面表側）に位置する用紙押さえ部材４３の側端部が用紙排出方向下流側から上流側（図３の左から右方向）へ向かって回転するようにマウント部２３に取り付けられる。
【００５４】
マウント部２３の裏面側には、ねじりバネ５０が装着されている。ねじりバネ５０は、ホルダー部４１の回転軸４５に外挿される巻きバネ部５０ａと、巻きバネ部５０ａから異なる方向に延びる第１アーム部５０ｂ及び第２アーム部５０ｃとで構成されている。第１アーム部５０ｂはマウント部２３の裏面に形成された係止片５１に固定されており、第２アーム部５０ｃはホルダー部４１の第１係合爪４７ａに係合している。
【００５５】
上記の構成により、ホルダー部４１はマウント部２３を介して胴内排紙空間２２の天面２２ｂに水平方向に回転可能に支持されており、ねじりバネ５０の付勢力によって回転軸４５を中心として所定の方向（図６の時計回り方向）に付勢されている。そして、自由状態ではホルダー部４１は基準位置に配置され、図３に示すように、用紙押さえ部材４３は用紙排出方向に揺動可能であり、用紙押さえ部材４３の下端部は上面部３０ａに排出された用紙を押圧可能となっている。
【００５６】
次に、用紙押さえ機構４０の動作について詳述する。第１排出ローラー対１９ａから中継ユニット３０の上面部３０ａに排出された用紙は、上面部３０ａの突起４４により先端部が斜め上向きとなり、用紙押さえ部材４３の略中央部に突き当たる。用紙は用紙押さえ部材４３を用紙排出方向下流側に押し上げながら上面部３０ａに沿って排出され、用紙押さえ部材４３の下端によって押さえられた状態で上面部３０ａの所定位置にストックされる。
【００５７】
これにより、第１排出ローラー対１９ａから順次排出されてくる用紙の先端、或いは、両面印刷時において第１排出ローラー対１９ａからスイッチバックされる用紙の先端によって既にストックされた用紙の上面が擦られても、既にストックされた用紙が排出方向に移動しにくくなる。従って、上面部３０ａにおける用紙のストック状態が乱れたり、ストック順序が狂ったりするのを防止することができる。
【００５８】
一方、上面部３０ａにストックされた用紙を取り出す場合、ユーザーは画像形成装置１００本体の前面側から胴内排紙空間２２内に手を差し入れることになるが、用紙排出方向上流側（図１の右側）には連結ハウジング２０ｂが存在するため、画像形成装置１００本体の正面よりも用紙排出方向下流側（図１の左側）寄りから手を差し入れることが多い。この場合、ユーザーが胴内排紙空間２２の奥まで手を差し入れると、用紙押さえ部材４３に手をぶつける可能性がある。
【００５９】
しかし、上述したように、本実施形態では用紙押さえ部材４３を支持するホルダー部４１が胴内排紙空間２２の天面２２ｂ（マウント部２３）に対し水平方向に回転可能となっているため、図７に示すように、衝撃によってホルダー部４１がねじりバネ５０の付勢力に抗して水平方向（第１退避位置方向、図６の反時計回り方向）に回転することにより衝撃が緩和される。従って、ユーザーの怪我や、用紙押さえ機構４０の破損を回避することができる。
【００６０】
また、第１退避位置方向に回転したホルダー部４１は、ねじりバネ５０の付勢力により反対方向（図６の時計回り方向）に回転し、自動的に基準位置に配置される。これにより、ホルダー部４１を基準位置に戻し忘れるおそれもなくなる。
【００６１】
なお、ここではホルダー部４１の略中央部に回転軸４５を設けたが、ホルダー部４１の回転軸４５を胴内排紙空間２２の奥側寄りに設けても良い。この場合、胴内排紙空間２２の前側に位置する用紙押さえ部材４３の側端部が大きく回動可能となるため、用紙押さえ部材４３に手をぶつけたときの衝撃をより効果的に緩和することができる。
【００６２】
図８は、本発明の第２実施形態に係る用紙押さえ機構４０を上方から見た平面図である。図８に示すように、ホルダー部４１の上面には、２つの第１係合爪４７ａ、４７ｂが形成されており、第１係合爪４７ａ、４７ｂは、それぞれマウント部２３に直線状に形成された一対の第１ガイド孔４９ａ、４９ｂに係合している。第１ガイド孔４９ａ、４９ｂは、ホルダー部４１を用紙押さえ部材４３が上面部３０ａに排出される用紙を押さえる基準位置と、基準位置から胴内排紙空間２２の奥側方向（矢印Ａ方向）に所定量摺動した位置（以下、第２退避位置という）とに案内する。
【００６３】
マウント部２３の裏面側には、２本の引っ張りバネ５３が装着されている。各引っ張りバネ５３の一端はマウント部２３の裏面に形成された係止片５１に固定されており、引っ張りバネ５３の他端はホルダー部４１の第１係合爪４７ａ、４７ｂに係合している。
【００６４】
本実施形態の構成によれば、図９に示すように、用紙押さえ部材４３を支持するホルダー部４１は、胴内排紙空間２２の天面２２ｂ（マウント部２３）に対し、用紙排出方向と直交する方向（矢印ＡＡ′方向）に摺動可能となっている。これにより、画像形成装置１００本体の正面側（図９の右側）から胴内排紙空間２２内に手を差し入れて用紙押さえ部材４３にぶつかった場合、衝撃によってホルダー部４１が引っ張りバネ５３の付勢力に抗して胴内排紙空間２２の奥側方向（第２退避位置方向、矢印Ａ方向）に移動し、衝撃が緩和される。従って、画像形成装置１００本体の正面から胴内排紙空間２２内に手を差し入れた場合のユーザーの怪我や、用紙押さえ機構４０の破損を回避することができる。
【００６５】
また、第２退避位置方向に移動したホルダー部４１は、引っ張りバネ５３の付勢力により胴内排紙空間２２の前側方向（矢印Ａ′方向）に引き戻され、自動的に基準位置に配置される。これにより、ホルダー部４１を基準位置に戻し忘れるおそれもなくなる。
【００６６】
図１０は、本発明の第３実施形態に係る用紙押さえ機構４０を上方から見た平面図である。図１０に示すように、マウント部２３は胴内排紙空間２２の天面２２ｂとは別部材で形成されており、用紙排出方向（図１０の左右方向）に対向する端縁にはフランジ部２３ａが延設されている。マウント部２３はフランジ部２３ａに突設された第２係合爪５５ａ、５５ｂによって天面２２ｂに直線状に形成された一対の第２ガイド孔５７ａ、５７ｂに係合している。第２ガイド孔５７ａ、５７ｂは、マウント部２３を用紙押さえ部材４３が上面部３０ａに排出される用紙を押さえる基準位置と、基準位置から胴内排紙空間２２の奥側（矢印Ａ方向）に所定量摺動した第２退避位置とに案内する。
【００６７】
天面２２ｂの裏面側には、２本の引っ張りバネ５３が装着されている。各引っ張りバネ５３の一端は天面２２ｂの裏面に形成された係止片５１に固定されており、引っ張りバネ５３の他端はフランジ部２３ａの第２係合爪５５ａ、５５ｂに係合している。ホルダー部４１の構成、及びマウント部２３に対するホルダー部４１の回転構造は第１実施形態と同様であるため説明を省略する。
【００６８】
本実施形態の構成によれば、用紙押さえ部材４３を支持するホルダー部４１は、マウント部２３に対し、基準位置と第１退避位置との間を回転可能に取り付けられている。また、マウント部２３は、胴内排紙空間２２の天面２２ｂに対し、基準位置と第２退避位置との間を摺動可能に取り付けられており、ホルダー部４１は、マウント部２３と共に基準位置と第２退避位置との間を摺動可能となっている。
【００６９】
従って、画像形成装置１００本体の正面よりも用紙排出方向下流側（図１の左側）寄りから手を差し入れて用紙押さえ部材４３にぶつかった場合、及び画像形成装置１００本体の正面から胴内排紙空間２２内に手を差し入れて用紙押さえ部材４３にぶつかった場合の両方の衝撃を緩和することができ、ユーザーの怪我や、用紙押さえ機構４０の破損をより効果的に回避することができる。
【００７０】
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、ねじりバネ５０或いは引っ張りバネ５３を用いてホルダー部４１を基準位置方向に付勢する構成としたが、圧縮バネ等の他のバネを用いることもできる。また、上記実施形態に示した係止部４１ｂや突起４３ｂは、本発明の必須構成要素ではなく、これらを設けない構成とすることもできる。
【００７１】
また、上記実施形態では本体ハウジング２０の左側面に用紙後処理装置７０を装着しているが、その他、本体ハウジング２０とは独立して床面に配置される大型の用紙後処理装置を用いることもできる。また、画像形成装置１００本体の左側に連結ハウジング２０ｂが存在し、胴内排紙空間２２の左から右へ用紙を排出する場合は、画像形成装置１００本体の正面よりも右側寄りから手を差し入れることになるため、第１及び第３実施形態におけるホルダー部４１の回転方向も逆方向とすれば良い。
【００７２】
さらに、中継ユニット３０及び用紙後処理装置７０を装着しない構成であっても、胴内排紙空間２２の底面２２ａを用紙排出面とし、用紙押さえ部材４３の下端部が胴内排紙空間２２の底面２２ａに接触する構成においては本発明を適用可能である。また、ここでは胴内排紙空間２２に排出されるシートの一例として用紙Ｐを例示したが、例えばＯＨＰシート等の、他のシート状の記録媒体であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【００７３】
本発明は、装置本体で画像形成された用紙を排出する胴内排紙空間を備えた画像形成装置に利用可能である。本発明の利用により、胴内排紙空間内に排出された用紙のストック性を高めるとともに、ストックされた用紙の取り出し時における怪我や用紙押さえ部材の破損を回避可能な用紙排出装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することができる。
【符号の説明】
【００７４】
４ 給紙部
６ 画像形成部
８ 画像読取部
１９ 用紙排出部（シート排出部）
１９ａ 第１排出ローラー
１９ｂ 第２排出ローラー
２０ 本体ハウジング
２０ａ 下ハウジング
２０ｂ 連結ハウジング
２１ 上ハウジング
２２ 胴内排紙空間（胴内排出空間）
２２ａ 底面
２２ｂ 天面
２３ マウント部
２５ 操作パネル
３０ 中継ユニット（中継搬送部）
３０ａ 上面部（シート排出面）
４０ 用紙押さえ機構（シート押さえ機構）
４１ ホルダー部
４３ 用紙押さえ部材（シート押さえ部材）
４４ 突起
４５ 回転軸
４７ａ、４７ｂ 第１係合爪
４９ａ、４９ｂ 第１ガイド孔
５０ ねじりバネ（付勢部材）
５３ 引っ張りバネ（付勢部材）
５５ａ、５５ｂ 第２係合爪
５７ａ、５７ｂ 第２ガイド孔
７０ 用紙後処理装置（シート後処理部）
１００ 画像形成装置
【技術分野】
【０００１】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置に関し、特に画像形成部と画像読取部との間に胴内排紙空間を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、複写機、プリンター等の画像形成装置によって画像が形成された用紙を複数枚スタックして、スタックされた用紙束をまとめてステープルで綴じる綴じ処理等を実行可能な用紙後処理装置（用紙後処理部）が知られており、比較的多量の用紙について綴じ処理等の後処理等を行う際には、上述のような用紙後処理装置が利用されている。
【０００３】
また画像形成装置には、画像形成部の上方に画像読取部、画像読取部と画像形成部との間に胴内排紙空間を備えた胴内排紙型のものがある。胴内排紙空間の底面部には用紙排出トレイが配置されており、画像形成終了後に用紙排出トレイに排出された用紙は、装置本体前面側から取り出されるようになっている。
【０００４】
このような胴内排出型の画像形成装置で画像形成された用紙を用紙後処理装置で処理するためには、画像形成部を通過した後の用紙を胴内排紙空間を介して用紙後処理装置まで搬送する必要がある。このため、従来、胴内排紙空間に、画像形成された用紙を用紙後処理装置へと搬送するための中継ユニット（中継搬送部）が設けられている。中継ユニットが設けられた胴内排出型の画像形成装置では、用紙排出口から排出された用紙は中継ユニットの上面にストックされる。
【０００５】
ここで、中継ユニットの構造上、ユニット上面はフラットな形状となっている。そのため、用紙排出口から排出される用紙の先端、或いは、用紙両面印刷時において用紙排出口からスイッチバックされる用紙の先端によって、既にストックされた用紙の上面が擦られ、ストックされた用紙が排出方向に移動することがある。そして、次に排出されてくる用紙がスイッチバック時に移動した用紙の後端を押圧して用紙のストック状態が乱れたり、用紙の下に潜り込んでストックの順序が狂ったりするという問題点があった。
【０００６】
そこで、例えば特許文献１に記載されているような揺動可能な用紙押さえ部材を、胴内排紙空間の天面から用紙排出面である中継ユニットの上面に向けて垂れ下がるように設けることが考えられる。用紙押さえ部材を用いて既にストックされた用紙の上面を押さえることで、ストックされた用紙の移動を抑制してストック状態の乱れやストック順序の狂いを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】特開２００８−１４３６１６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
特許文献１に記載のような用紙押さえ部材を、胴内排紙空間の天面から用紙排出面に接触するように設けた場合、立っているユーザーからは用紙押さえ部材が視認できない。そのため、ユーザーがストックされたハガキ等の小サイズの用紙を取り出すために胴内排紙空間の奥まで手を差し入れたとき、用紙押さえ部材に手をぶつけてしまい、手や指を怪我したり、用紙押さえ部材を破損したりするおそれがあった。なお、中継ユニットを使用しない場合であっても、胴内排紙空間の天面から用紙排出トレイに向かって垂れ下がり、先端部が用紙排出トレイに接触する用紙押さえ部材を設けた場合は同様の問題が発生する。
【０００９】
本発明は、上記問題点に鑑み、用紙押さえ部材を用いて胴内排紙空間に排出された用紙のストック性を高めるとともに、ストックされた用紙の取り出し時における怪我や用紙押さえ部材の破損を回避可能な用紙排出装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
上記目的を達成するために本発明は、画像形成部と、該画像形成部の上方に配置された画像読取部との間に配置され、前記画像形成部で画像形成されたシートを排出するシート排出部と、該シート排出部のシート排出方向下流側に設けられ、少なくとも前記装置本体の前面側に開口する胴内排出空間と、前記画像読取部の下面に設けられ、前記シート排出部から前記胴内排出空間に排出されたシートの上面を押さえるシート押さえ機構と、を備えた画像形成装置において、前記シート押さえ機構は、下端部が前記胴内排出空間のシート排出面に接触するシート押さえ部材と、該シート押さえ部材の上端部を揺動可能に支持するホルダー部とで構成され、前記ホルダー部は、前記画像読取部の下面に対し、前記シート押さえ部材が前記シート排出面に排出されるシートを押さえる基準位置と、該基準位置から水平方向に移動した退避位置との間を移動可能に設けられることを特徴としている。
【００１１】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記ホルダー部は、前記基準位置と、該基準位置から装置前面側に位置する前記シート押さえ部材の側端部がシート排出方向下流側から上流側へ向かって所定量回転した第１退避位置との間を回転可能であることを特徴としている。
【００１２】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記ホルダー部は、前記基準位置と、該基準位置からシート排出方向と直交する方向に前記胴内排出空間の奥側へ移動した第２退避位置との間を移動可能であることを特徴としている。
【００１３】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記ホルダー部は、前記基準位置と、該基準位置から装置前面側に位置する前記シート押さえ部材の側端部がシート排出方向下流側から上流側へ向かって所定量回転した第１退避位置との間を回転可能であり、且つ前記基準位置と、前記シート排出方向と直交する方向に前記胴内排出空間の奥側へ移動した第２退避位置との間を移動可能であることを特徴としている。
【００１４】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記ホルダー部は、前記画像読取部の下面の一部を構成するマウント部に前記基準位置と前記第１退避位置との間を回転可能に支持されており、前記基準位置と前記第２退避位置との間を前記マウント部と共に移動可能であることを特徴としている。
【００１５】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記ホルダー部または前記マウント部を前記基準位置方向に付勢する付勢部材を設けたことを特徴としている。
【００１６】
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記胴内排出空間を挟んで前記シート排出部と反対側に配置され、前記シート排出部から排出されたシートが搬入されるシート後処理部と、前記胴内排出空間の底面部に配置され、前記シート排出部から排出されたシートを前記シート後処理部に搬送する中継搬送部と、を備え、前記シート押さえ部材の下端部は、前記シート排出面となる前記中継搬送部の上面に接触することを特徴としている。
【発明の効果】
【００１７】
本発明の第１の構成によれば、シート押さえ部材を揺動可能に支持するホルダー部を、画像読取部の下面に対しシート押さえ部材がシート排出面に排出されるシートを押さえる基準位置と、該基準位置から水平方向に移動した退避位置との間を移動可能とすることにより、シート押さえ部材に手をぶつけたときの衝撃が緩和されるため、胴内排出空間に手を差し入れたときにシート押さえ部材で手や指を怪我したり、シート押さえ機構が破損したりする不具合を回避することができる。
【００１８】
また、本発明の第２の構成によれば、上記第１の構成の画像形成装置において、ホルダー部は、基準位置と、該基準位置から装置前面側に位置するシート押さえ部材の側端部がシート排出方向下流側から上流側へ向かって所定量回転した第１退避位置との間を回転可能としたので、画像形成装置本体の正面よりもシート排出方向下流側寄りから手を差し入れてシート押さえ部材に手をぶつけたときに、装置前面側に位置するシート押さえ部材の側端部がシート排出方向下流側から上流側へ向かって回転するため、衝撃を効果的に緩和することができる。
【００１９】
また、本発明の第３の構成によれば、上記第１の構成の画像形成装置において、ホルダー部は、基準位置と、該基準位置からシート排出方向と直交する方向に胴内排出空間の奥側へ摺動した第２退避位置との間を摺動可能としたので、画像形成装置本体の正面から手を差し入れてシート押さえ部材に手をぶつけたときに、シート押さえ部材が装置前面側から装置奥側へ向かって移動するため、衝撃を効果的に緩和することができる。
【００２０】
また、本発明の第４の構成によれば、上記第１の構成の画像形成装置において、ホルダー部を、基準位置と第１退避位置との間を回転可能であり、且つ基準位置と第２退避位置との間を移動可能とすることにより、画像形成装置本体の正面よりもシート排出方向下流側寄りから手を差し入れてシート押さえ部材に手をぶつけたときの衝撃、及び画像形成装置本体の正面から手を差し入れてシート押さえ部材に手をぶつけたときの衝撃の両方を効果的に緩和することができる。
【００２１】
また、本発明の第５の構成によれば、上記第４の構成の画像形成装置において、ホルダー部は、画像読取部の下面の一部を構成するマウント部に基準位置と第１退避位置との間を回転可能に支持されており、基準位置と第２退避位置との間をマウント部と共に移動可能とすることにより、簡単な構成でホルダー部を画像読取部の下面に対し回転及び移動可能とすることができる。
【００２２】
また、本発明の第６の構成によれば、上記第１乃至第５のいずれかの構成の画像形成装置において、シート押さえ部材に手をぶつけて回転若しくは移動したホルダー部が付勢部材の付勢力によって自動的に基準位置に戻るため、ホルダー部を基準位置に配置し忘れることがなくなる。
【００２３】
また、本発明の第７の構成によれば、上記第１乃至第６のいずれかの構成の画像形成装置において、胴内排出空間を挟んでシート排出部と反対側に配置され、シート排出部から排出されたシートが搬入されるシート後処理部と、胴内排出空間の底面部に配置され、シート排出部から排出されたシートをシート後処理部に搬送する中継搬送部と、を備え、シート押さえ部材は中継搬送部の上面に接触することにより、構造上、フラットな形状となっている中継搬送部の上面にストックされるシートのストック状態が乱れたり、シートの下に潜り込んでストックの順序が狂ったりすることを効果的に防止し、且つシート押さえ機構の破損やユーザーの怪我も防止できる画像形成装置となる。
【図面の簡単な説明】
【００２４】
【図１】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の外観斜視図
【図２】本発明の画像形成装置の内部構成を示す概略図
【図３】胴内排紙空間２２に設けられた第１実施形態に係る用紙押さえ機構４０周辺の側面図
【図４】第１実施形態の用紙押さえ機構４０の斜視図
【図５】第１実施形態の用紙押さえ機構４０の用紙押さえ部材４３を胴内排紙空間２２の天面２２ｂに沿って収納した状態を示す斜視図
【図６】第１実施形態の用紙押さえ機構４０を図５の上方から見た平面図
【図７】第１実施形態の用紙押さえ機構４０のホルダー部４１が図３の状態から水平方向に回転した状態を示す用紙押さえ機構４０周辺の側面図
【図８】本発明の第２実施形態に係る用紙押さえ機構４０を上方から見た平面図
【図９】第２実施形態の用紙押さえ機構４０のホルダー部４１が水平方向に摺動する様子を示す正面図
【図１０】本発明の第３実施形態に係る用紙押さえ機構４０を上方から見た平面図
【発明を実施するための形態】
【００２５】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図１は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の外観斜視図であり、図２は、画像形成装置の内部構成を示す概略図である。なお、本実施形態においては画像形成装置の一例として複合機を例示しているが、胴内排紙型の画像形成装置であれば、複合機以外の、例えばレーザープリンターやインクジェットプリンター、ファクシミリ等にも適用できる。
【００２６】
図１及び図２に示すように、画像形成装置１００は、いわゆる胴内排紙型のデジタル複合機であって、大きくは、本体ハウジング２０と、その上部に配設された上ハウジング２１とで構成されている。上ハウジング２１には、原稿の画像を電気信号として読み取るための後述する各種機構が設けられ、上ハウジング２１の上部には原稿搬送装置３が付設されている。他方、本体ハウジング２０には、読み取った原稿画像の電気信号に基づいて用紙に画像を転写するための後述する各種機構が設けられ、本体ハウジング２０の左側部には用紙後処理装置（シート後処理部）７０が付設されている。
【００２７】
本実施形態では、本体ハウジング２０は、下ハウジング２０ａと、その上方で右側部に沿って位置し上ハウジング２１に連結される連結ハウジング２０ｂと、より構成され、下ハウジング２０ａには、用紙Ｐの給紙部４や、用紙Ｐ上にトナー画像を形成する画像形成部６や、用紙上のトナー画像を定着するための定着装置（定着部）７等が設けられ、他方、連結ハウジング２０ｂには、定着後の用紙Ｐを搬送して本体ハウジング２０から排出するための用紙排出部（シート排出部）１９が設けられている。
【００２８】
また、上ハウジング２１の直下における連結ハウジング２０ｂの左側方には、左側面及び正面に向けて大きく開放された胴内排紙空間２２が形成されており、この胴内排紙空間２２には、連結ハウジング２０ｂの左側面から排出される用紙Ｐを受け取って積載する一方で、用紙Ｐに後処理を施す場合には用紙後処理装置７０への搬送を可能とする中継ユニット３０が設けられている。中継ユニット３０の詳細については後述する。
【００２９】
本体ハウジング２０内には、下部に配設された給紙部４と、給紙部４の側方及び上方に配設された用紙搬送部５と、給紙部４の上方に配設された画像形成部６と、画像形成部６の用紙搬送方向下流側（図２の右側）に配設された定着部７とが備えられている。
【００３０】
給紙部４には、用紙搬送方向下流側に給紙ローラー等の分離給送手段が設けられた複数の給紙カセット４ａが備えられており、この給紙カセット４ａに載置された用紙Ｐの束を、給紙ローラーの回転動作によって、最上位の用紙Ｐから１枚ずつ用紙搬送部５に給紙するものであり、用紙搬送部５は、給紙部４から給紙された用紙Ｐを、各搬送ローラー対５ａによって画像形成部６へと搬送する。
【００３１】
画像形成部６及び定着部７は、装置本体１００の内部で用紙搬送方向と直交する幅方向（前後方向、図２の紙面に直交する方向）に細長く配設され、下ハウジング２０ａ内の上部において図２における左側から画像形成部６、定着部７の順に用紙Ｐの搬送方向（左から右方向）に沿って並設されている。
【００３２】
画像形成部６は、電子写真プロセスによって、用紙Ｐ上に所定のトナー像を形成するものであり、回転可能に軸支された像担持体である感光体ドラム１０と、この感光体ドラム１０の周囲にその回転方向に沿って配設される帯電装置１１、露光装置１２、現像装置１３、転写装置１４、クリーニング装置１５及び不図示の除電装置を備えている。定着部７は、画像形成部６においてトナー像が転写された用紙Ｐを、加熱ローラーと加圧ローラーとからなる一対の定着ローラー対７ａに挟持させて加熱及び加圧して、未定着トナー像を用紙Ｐ上に定着させるものである。
【００３３】
上ハウジング２１内には、画像読取部８が設けられている。画像読取部８は、原稿の画像情報を読み取るものであり、１枚ずつの原稿を手置きで読み取らせる場合には、原稿搬送装置３を開いて上ハウジング２１の上面に設けられたコンタクトガラス８ａ上に原稿を載置し、原稿束から１枚ずつを自動的に読み取らせる場合には、原稿束を、閉じた状態の原稿搬送装置３の給紙トレイ上３ａに載置する。原稿束が給紙トレイ３ａ上に載置された場合は、当該原稿束から１枚ずつの原稿が自動的に順次コンタクトガラス８ａ上に送り込まれるようになっている。いずれの場合でもコンタクトガラス８ａ上に位置した原稿に、不図示の露光ランプから光が照射され、その反射光は画像光として不図示の反射鏡及び結像レンズ等の光学系を介して光電変換部（ＣＣＤ）へ導かれる。
【００３４】
以下、上記のように構成された画像形成装置１００の基本的な動作を説明する。先ず、図２で反時計回りに回転する感光体ドラム１０の表面が帯電装置１１によって一様に帯電され、引き続き画像読取部８で読み取られた画像情報に基づいて露光装置１２（レーザー装置等）からのレーザービームが感光体ドラム１０の周面に照射され、これによって感光体ドラム１０の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像に現像装置１３から現像剤としてのトナーが供給されることによりトナー像が形成される。
【００３５】
次いで、給紙部４からの用紙Ｐは、用紙搬送路５を通過し、レジストローラー対９によって所定のタイミングでトナー像が形成された感光体ドラム１０に向けて搬送され、ここで転写ローラー等からなる転写装置１４により感光体ドラム１０の表面のトナー像が用紙Ｐに転写される。そして、トナー像が転写された用紙Ｐは感光体ドラム１０から分離され、定着部７に向けて搬送され、定着ローラー対７ａを通過することで加熱、加圧処理されてトナー像が定着される。
【００３６】
トナー像の用紙Ｐへの転写処理が完了した感光体ドラム１０は、クリーニング装置１５で周面に残留している残留トナーが取り除かれた後、除電装置（不図示）で残留電荷を除去する除電処理が施され、その後、帯電装置１１により再び周面に帯電処理が施され、以下同様にして画像形成が行われることとなる。
【００３７】
そして、定着部７を通過した用紙Ｐは、そのまま垂直上方に向き垂直搬送路１８に沿って連結ハウジング２０ｂ内に搬送される。垂直搬送路１８の上部は連結ハウジング２０ｂ内で左方に向かって上下２つの搬送路に分岐しており、分岐部に配置された切り替え爪１７によって、用紙Ｐの搬送方向が切り替えられるようになっている。
【００３８】
この連結ハウジング２０ｂ内には、用紙排出部１９が設けられている。用紙排出部１９は、第１排出ローラー対１９ａと、第１排出ローラー対１９ａの直下に配置された第２排出ローラー対１９ｂと、を有しており、垂直搬送路１８を搬送された用紙Ｐが切り替え爪１７によって上方の搬送路若しくは下方の搬送路に案内される。
【００３９】
切り替え爪１７によって上方の搬送路に案内された用紙Ｐは、第１排出ローラー対１９ａから左方に排出され、切り替え爪１７によって下方の搬送路に案内された用紙Ｐは、第２排出ローラー対１９ｂによって左方に排出される。切り替え爪１７は、不図示の制御部によって案内方向を切り替えるようになっている。
【００４０】
ここで、中継ユニット３０は、胴内排紙空間２２の底面２２ａに着脱可能に装着され、胴内排紙空間２２には、中継ユニット３０の装着を検知する検知センサー（不図示）が設けられている。検知センサーは、ＰＩセンサー等から構成されており、検知結果を制御部に送信する。
【００４１】
また、底面２２ａには、用紙排出方向下流側（図２の左側）に向かって上方に傾斜する傾斜面が形成されており、中継ユニット３０が胴内排紙空間２２から離脱されているとき、底面２２ａが用紙排出トレイとして用いられる。この場合、検知センサーは中継ユニット３０が装着されていないことを検知し、検知結果が制御部に送信されると、切り替え爪１７は用紙Ｐを第１排出ローラー対１９ａに案内する。そして、第１排出ローラー対１９ａから排出された用紙Ｐは底面２２ａ上に排出される。
【００４２】
一方、中継ユニット３０が胴内排紙空間２２に装着されているとき、検知センサーは中継ユニット３０が装着されていることを検知し、検知結果が制御部に送信されると、切り替え爪１７は用紙Ｐを第２排出ローラー対１９ｂに案内する。そして、第２排出ローラー対１９ｂから排出された用紙Ｐは中継ユニット３０に搬入される。中継ユニット３０内に搬入された用紙Ｐは、中継ユニット３０内を通過し、用紙後処理装置７０に搬入される。
【００４３】
なお、検知結果を操作パネル２５（図１参照）に表示し、ユーザーが操作パネル２５上で用紙Ｐの案内方向を切り替えることもできる。また、上側ガイド部３２で構成される中継ユニット３０の上面部３０ａ（図３参照）は、第１排出ローラー対１９ａから排出された用紙Ｐが載置される用紙排出トレイを構成している。
【００４４】
また、中継ユニット３０が装着されている場合であっても、薄紙の用紙Ｐを用いた場合や、ファクシミリの受信データを印字する場合には、用紙Ｐを第１排出ローラー対１９ａから中継ユニット３０の上面部３０ａに排出することもできる。胴内排紙空間２２の天面２２ｂには、上面部３０ａ上に排出される用紙Ｐの上面を押さえる用紙押さえ部材４３が吊り下げ支持されている。用紙押さえ部材４３を含む用紙押さえ機構４０（図４参照）の構成については後述する。
【００４５】
用紙後処理装置７０は、本体ハウジング２０の用紙排出方向下流側（図１及び図２の左側）に着脱可能に配置され、本体ハウジング２０で画像形成処理された用紙Ｐに対して綴じ処理や、用紙Ｐをずらして排出するシフト排出処理等の後処理を行うものである。
【００４６】
図２に示すように、用紙後処理装置７０内部には、中継ユニット３０から搬入された用紙Ｐを下流側に搬送する後処理用搬送ローラー対７１と、搬入された用紙Ｐを複数枚スタックし、スタックされた用紙束をまとめてステープルで綴じる綴じ処理装置７３と、用紙Ｐ若しくは用紙束をずらして排出するシフト排出装置７４とが設けられている。
【００４７】
画像形成処理された用紙Ｐが、中継ユニット３０を経由して用紙後処理装置７０内に搬入されると、不図示の制御部により綴じ処理が指示されている場合には、綴じ処理装置７３によって所定枚数の用紙束を整列させた後、用紙束の所定の位置に綴じ処理が行われる。一方、綴じ処理が指示されていない場合、用紙Ｐはそのまま綴じ処理装置７３を通過し、排出トレイ７５に排出される。
【００４８】
また、シフト排出処理が指示されている場合には、シフト排出装置７４によって、用紙Ｐ若しくは用紙束をずらして排出トレイ７５の所定位置にシフト排出処理が行われ、シフト排出処理が指示されていない場合はそのままシフト排出装置７４を通過し、排出トレイ７５に排出される。
【００４９】
図３は、胴内排紙空間２２に設けられた第１実施形態に係る用紙押さえ機構４０周辺の側面図であり、図４は、第１実施形態の用紙押さえ機構４０の斜視図、図５は、用紙押さえ部材４３を胴内排紙空間２２の天面２２ｂに沿って収納した状態を示す用紙押さえ機構４０の斜視図、図６は、用紙押さえ機構４０を図５の上方から見た平面図である。なお、図５は用紙押さえ機構４０を胴内排紙空間２２の奥側から見た状態を示しており、用紙排出方向は図４と逆方向（図５の左から右方向）となる。
【００５０】
用紙押さえ機構４０は、胴内排紙空間２２の天面２２ｂ（画像読取部８の下面）に一体形成されたマウント部２３（図３では不図示）に装着されるホルダー部４１と、ホルダー部４１から垂れ下がる平板状の用紙押さえ部材４３とで構成されている。用紙押さえ部材４３の下端部は中継ユニット３０の上面部３０ａに当接している。また、上面部３０ａには、用紙排出方向（図３の右から左方向）に対し用紙押さえ部材４３の上流側に突起４４が形成されている。
【００５１】
図４に示すように、用紙押さえ部材４３の上端には左右に突出する支軸４３ａが設けられており、支軸４３ａはホルダー部４１の軸受部４１ａに回転可能に係合している。これにより、用紙押さえ部材４３は、ホルダー部４１に揺動可能に支持されている。また、ホルダー部４１には用紙押さえ部材４３の突起４３ｂを係止する係止部４１ｂが設けられており、中継ユニット３０及び用紙後処理装置７０を使用しない場合は、図５に示すように突起４３ｂを係止部４１ｂに係止することで、用紙押さえ部材４３を胴内排紙空間２２の天面２２ｂに沿って収納することができる。
【００５２】
また、図６に示すように、ホルダー部４１の上面には、回転軸４５と２つの第１係合爪４７ａ、４７ｂとが形成されており、回転軸４５はマウント部２３に形成された軸受孔に回転自在に内挿されている。また、第１係合爪４７ａ、４７ｂは、それぞれマウント部２３の軸受孔を中心として円弧状に形成された第１ガイド孔４９ａ、４９ｂに係合している。第１ガイド孔４９ａ、４９ｂは、ホルダー部４１を用紙押さえ部材４３が用紙排出方向に揺動して上面部３０ａに排出される用紙を押さえる位置（以下、基準位置という）と、基準位置から水平方向に所定量回転した位置（以下、第１退避位置という）とに案内する。
【００５３】
なお、図６では上側が胴内排紙空間２２の前側を示しており、ホルダー部４１は、胴内排紙空間２２の前側（図３の紙面表側）に位置する用紙押さえ部材４３の側端部が用紙排出方向下流側から上流側（図３の左から右方向）へ向かって回転するようにマウント部２３に取り付けられる。
【００５４】
マウント部２３の裏面側には、ねじりバネ５０が装着されている。ねじりバネ５０は、ホルダー部４１の回転軸４５に外挿される巻きバネ部５０ａと、巻きバネ部５０ａから異なる方向に延びる第１アーム部５０ｂ及び第２アーム部５０ｃとで構成されている。第１アーム部５０ｂはマウント部２３の裏面に形成された係止片５１に固定されており、第２アーム部５０ｃはホルダー部４１の第１係合爪４７ａに係合している。
【００５５】
上記の構成により、ホルダー部４１はマウント部２３を介して胴内排紙空間２２の天面２２ｂに水平方向に回転可能に支持されており、ねじりバネ５０の付勢力によって回転軸４５を中心として所定の方向（図６の時計回り方向）に付勢されている。そして、自由状態ではホルダー部４１は基準位置に配置され、図３に示すように、用紙押さえ部材４３は用紙排出方向に揺動可能であり、用紙押さえ部材４３の下端部は上面部３０ａに排出された用紙を押圧可能となっている。
【００５６】
次に、用紙押さえ機構４０の動作について詳述する。第１排出ローラー対１９ａから中継ユニット３０の上面部３０ａに排出された用紙は、上面部３０ａの突起４４により先端部が斜め上向きとなり、用紙押さえ部材４３の略中央部に突き当たる。用紙は用紙押さえ部材４３を用紙排出方向下流側に押し上げながら上面部３０ａに沿って排出され、用紙押さえ部材４３の下端によって押さえられた状態で上面部３０ａの所定位置にストックされる。
【００５７】
これにより、第１排出ローラー対１９ａから順次排出されてくる用紙の先端、或いは、両面印刷時において第１排出ローラー対１９ａからスイッチバックされる用紙の先端によって既にストックされた用紙の上面が擦られても、既にストックされた用紙が排出方向に移動しにくくなる。従って、上面部３０ａにおける用紙のストック状態が乱れたり、ストック順序が狂ったりするのを防止することができる。
【００５８】
一方、上面部３０ａにストックされた用紙を取り出す場合、ユーザーは画像形成装置１００本体の前面側から胴内排紙空間２２内に手を差し入れることになるが、用紙排出方向上流側（図１の右側）には連結ハウジング２０ｂが存在するため、画像形成装置１００本体の正面よりも用紙排出方向下流側（図１の左側）寄りから手を差し入れることが多い。この場合、ユーザーが胴内排紙空間２２の奥まで手を差し入れると、用紙押さえ部材４３に手をぶつける可能性がある。
【００５９】
しかし、上述したように、本実施形態では用紙押さえ部材４３を支持するホルダー部４１が胴内排紙空間２２の天面２２ｂ（マウント部２３）に対し水平方向に回転可能となっているため、図７に示すように、衝撃によってホルダー部４１がねじりバネ５０の付勢力に抗して水平方向（第１退避位置方向、図６の反時計回り方向）に回転することにより衝撃が緩和される。従って、ユーザーの怪我や、用紙押さえ機構４０の破損を回避することができる。
【００６０】
また、第１退避位置方向に回転したホルダー部４１は、ねじりバネ５０の付勢力により反対方向（図６の時計回り方向）に回転し、自動的に基準位置に配置される。これにより、ホルダー部４１を基準位置に戻し忘れるおそれもなくなる。
【００６１】
なお、ここではホルダー部４１の略中央部に回転軸４５を設けたが、ホルダー部４１の回転軸４５を胴内排紙空間２２の奥側寄りに設けても良い。この場合、胴内排紙空間２２の前側に位置する用紙押さえ部材４３の側端部が大きく回動可能となるため、用紙押さえ部材４３に手をぶつけたときの衝撃をより効果的に緩和することができる。
【００６２】
図８は、本発明の第２実施形態に係る用紙押さえ機構４０を上方から見た平面図である。図８に示すように、ホルダー部４１の上面には、２つの第１係合爪４７ａ、４７ｂが形成されており、第１係合爪４７ａ、４７ｂは、それぞれマウント部２３に直線状に形成された一対の第１ガイド孔４９ａ、４９ｂに係合している。第１ガイド孔４９ａ、４９ｂは、ホルダー部４１を用紙押さえ部材４３が上面部３０ａに排出される用紙を押さえる基準位置と、基準位置から胴内排紙空間２２の奥側方向（矢印Ａ方向）に所定量摺動した位置（以下、第２退避位置という）とに案内する。
【００６３】
マウント部２３の裏面側には、２本の引っ張りバネ５３が装着されている。各引っ張りバネ５３の一端はマウント部２３の裏面に形成された係止片５１に固定されており、引っ張りバネ５３の他端はホルダー部４１の第１係合爪４７ａ、４７ｂに係合している。
【００６４】
本実施形態の構成によれば、図９に示すように、用紙押さえ部材４３を支持するホルダー部４１は、胴内排紙空間２２の天面２２ｂ（マウント部２３）に対し、用紙排出方向と直交する方向（矢印ＡＡ′方向）に摺動可能となっている。これにより、画像形成装置１００本体の正面側（図９の右側）から胴内排紙空間２２内に手を差し入れて用紙押さえ部材４３にぶつかった場合、衝撃によってホルダー部４１が引っ張りバネ５３の付勢力に抗して胴内排紙空間２２の奥側方向（第２退避位置方向、矢印Ａ方向）に移動し、衝撃が緩和される。従って、画像形成装置１００本体の正面から胴内排紙空間２２内に手を差し入れた場合のユーザーの怪我や、用紙押さえ機構４０の破損を回避することができる。
【００６５】
また、第２退避位置方向に移動したホルダー部４１は、引っ張りバネ５３の付勢力により胴内排紙空間２２の前側方向（矢印Ａ′方向）に引き戻され、自動的に基準位置に配置される。これにより、ホルダー部４１を基準位置に戻し忘れるおそれもなくなる。
【００６６】
図１０は、本発明の第３実施形態に係る用紙押さえ機構４０を上方から見た平面図である。図１０に示すように、マウント部２３は胴内排紙空間２２の天面２２ｂとは別部材で形成されており、用紙排出方向（図１０の左右方向）に対向する端縁にはフランジ部２３ａが延設されている。マウント部２３はフランジ部２３ａに突設された第２係合爪５５ａ、５５ｂによって天面２２ｂに直線状に形成された一対の第２ガイド孔５７ａ、５７ｂに係合している。第２ガイド孔５７ａ、５７ｂは、マウント部２３を用紙押さえ部材４３が上面部３０ａに排出される用紙を押さえる基準位置と、基準位置から胴内排紙空間２２の奥側（矢印Ａ方向）に所定量摺動した第２退避位置とに案内する。
【００６７】
天面２２ｂの裏面側には、２本の引っ張りバネ５３が装着されている。各引っ張りバネ５３の一端は天面２２ｂの裏面に形成された係止片５１に固定されており、引っ張りバネ５３の他端はフランジ部２３ａの第２係合爪５５ａ、５５ｂに係合している。ホルダー部４１の構成、及びマウント部２３に対するホルダー部４１の回転構造は第１実施形態と同様であるため説明を省略する。
【００６８】
本実施形態の構成によれば、用紙押さえ部材４３を支持するホルダー部４１は、マウント部２３に対し、基準位置と第１退避位置との間を回転可能に取り付けられている。また、マウント部２３は、胴内排紙空間２２の天面２２ｂに対し、基準位置と第２退避位置との間を摺動可能に取り付けられており、ホルダー部４１は、マウント部２３と共に基準位置と第２退避位置との間を摺動可能となっている。
【００６９】
従って、画像形成装置１００本体の正面よりも用紙排出方向下流側（図１の左側）寄りから手を差し入れて用紙押さえ部材４３にぶつかった場合、及び画像形成装置１００本体の正面から胴内排紙空間２２内に手を差し入れて用紙押さえ部材４３にぶつかった場合の両方の衝撃を緩和することができ、ユーザーの怪我や、用紙押さえ機構４０の破損をより効果的に回避することができる。
【００７０】
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、ねじりバネ５０或いは引っ張りバネ５３を用いてホルダー部４１を基準位置方向に付勢する構成としたが、圧縮バネ等の他のバネを用いることもできる。また、上記実施形態に示した係止部４１ｂや突起４３ｂは、本発明の必須構成要素ではなく、これらを設けない構成とすることもできる。
【００７１】
また、上記実施形態では本体ハウジング２０の左側面に用紙後処理装置７０を装着しているが、その他、本体ハウジング２０とは独立して床面に配置される大型の用紙後処理装置を用いることもできる。また、画像形成装置１００本体の左側に連結ハウジング２０ｂが存在し、胴内排紙空間２２の左から右へ用紙を排出する場合は、画像形成装置１００本体の正面よりも右側寄りから手を差し入れることになるため、第１及び第３実施形態におけるホルダー部４１の回転方向も逆方向とすれば良い。
【００７２】
さらに、中継ユニット３０及び用紙後処理装置７０を装着しない構成であっても、胴内排紙空間２２の底面２２ａを用紙排出面とし、用紙押さえ部材４３の下端部が胴内排紙空間２２の底面２２ａに接触する構成においては本発明を適用可能である。また、ここでは胴内排紙空間２２に排出されるシートの一例として用紙Ｐを例示したが、例えばＯＨＰシート等の、他のシート状の記録媒体であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【００７３】
本発明は、装置本体で画像形成された用紙を排出する胴内排紙空間を備えた画像形成装置に利用可能である。本発明の利用により、胴内排紙空間内に排出された用紙のストック性を高めるとともに、ストックされた用紙の取り出し時における怪我や用紙押さえ部材の破損を回避可能な用紙排出装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することができる。
【符号の説明】
【００７４】
４ 給紙部
６ 画像形成部
８ 画像読取部
１９ 用紙排出部（シート排出部）
１９ａ 第１排出ローラー
１９ｂ 第２排出ローラー
２０ 本体ハウジング
２０ａ 下ハウジング
２０ｂ 連結ハウジング
２１ 上ハウジング
２２ 胴内排紙空間（胴内排出空間）
２２ａ 底面
２２ｂ 天面
２３ マウント部
２５ 操作パネル
３０ 中継ユニット（中継搬送部）
３０ａ 上面部（シート排出面）
４０ 用紙押さえ機構（シート押さえ機構）
４１ ホルダー部
４３ 用紙押さえ部材（シート押さえ部材）
４４ 突起
４５ 回転軸
４７ａ、４７ｂ 第１係合爪
４９ａ、４９ｂ 第１ガイド孔
５０ ねじりバネ（付勢部材）
５３ 引っ張りバネ（付勢部材）
５５ａ、５５ｂ 第２係合爪
５７ａ、５７ｂ 第２ガイド孔
７０ 用紙後処理装置（シート後処理部）
１００ 画像形成装置
【特許請求の範囲】
【請求項１】
画像形成部と、該画像形成部の上方に配置された画像読取部との間に配置され、前記画像形成部で画像形成されたシートを排出するシート排出部と、
該シート排出部のシート排出方向下流側に設けられ、少なくとも前記装置本体の前面側に開口する胴内排出空間と、
前記画像読取部の下面に設けられ、前記シート排出部から前記胴内排出空間に排出されたシートの上面を押さえるシート押さえ機構と、
を備えた画像形成装置において、
前記シート押さえ機構は、下端部が前記胴内排出空間のシート排出面に接触するシート押さえ部材と、該シート押さえ部材の上端部を揺動可能に支持するホルダー部とで構成され、
前記ホルダー部は、前記画像読取部の下面に対し、前記シート押さえ部材が前記シート排出面に排出されるシートを押さえる基準位置と、該基準位置から水平方向に移動した退避位置との間を移動可能に設けられることを特徴とする画像形成装置。
【請求項２】
前記ホルダー部は、前記基準位置と、該基準位置から装置前面側に位置する前記シート押さえ部材の側端部がシート排出方向下流側から上流側へ向かって所定量回転した第１退避位置との間を回転可能であることを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
【請求項３】
前記ホルダー部は、前記基準位置と、該基準位置からシート排出方向と直交する方向に前記胴内排出空間の奥側へ移動した第２退避位置との間を移動可能であることを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
【請求項４】
前記ホルダー部は、前記基準位置と、該基準位置から装置前面側に位置する前記シート押さえ部材の側端部がシート排出方向下流側から上流側へ向かって所定量回転した第１退避位置との間を回転可能であり、且つ前記基準位置と、前記シート排出方向と直交する方向に前記胴内排出空間の奥側へ移動した第２退避位置との間を移動可能であることを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
【請求項５】
前記ホルダー部は、前記画像読取部の下面の一部を構成するマウント部に前記基準位置と前記第１退避位置との間を回転可能に支持されており、前記基準位置と前記第２退避位置との間を前記マウント部と共に移動可能であることを特徴とする請求項４に記載の画像形成装置。
【請求項６】
前記ホルダー部または前記マウント部を前記基準位置方向に付勢する付勢部材を設けたことを特徴とする請求項１乃至請求項５のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項７】
前記胴内排出空間を挟んで前記シート排出部と反対側に配置され、前記シート排出部から排出されたシートが搬入されるシート後処理部と、
前記胴内排出空間の底面部に配置され、前記シート排出部から排出されたシートを前記シート後処理部に搬送する中継搬送部と、を備え、
前記シート押さえ部材の下端部は、前記シート排出面となる前記中継搬送部の上面に接触することを特徴とする請求項１乃至請求項６のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項１】
画像形成部と、該画像形成部の上方に配置された画像読取部との間に配置され、前記画像形成部で画像形成されたシートを排出するシート排出部と、
該シート排出部のシート排出方向下流側に設けられ、少なくとも前記装置本体の前面側に開口する胴内排出空間と、
前記画像読取部の下面に設けられ、前記シート排出部から前記胴内排出空間に排出されたシートの上面を押さえるシート押さえ機構と、
を備えた画像形成装置において、
前記シート押さえ機構は、下端部が前記胴内排出空間のシート排出面に接触するシート押さえ部材と、該シート押さえ部材の上端部を揺動可能に支持するホルダー部とで構成され、
前記ホルダー部は、前記画像読取部の下面に対し、前記シート押さえ部材が前記シート排出面に排出されるシートを押さえる基準位置と、該基準位置から水平方向に移動した退避位置との間を移動可能に設けられることを特徴とする画像形成装置。
【請求項２】
前記ホルダー部は、前記基準位置と、該基準位置から装置前面側に位置する前記シート押さえ部材の側端部がシート排出方向下流側から上流側へ向かって所定量回転した第１退避位置との間を回転可能であることを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
【請求項３】
前記ホルダー部は、前記基準位置と、該基準位置からシート排出方向と直交する方向に前記胴内排出空間の奥側へ移動した第２退避位置との間を移動可能であることを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
【請求項４】
前記ホルダー部は、前記基準位置と、該基準位置から装置前面側に位置する前記シート押さえ部材の側端部がシート排出方向下流側から上流側へ向かって所定量回転した第１退避位置との間を回転可能であり、且つ前記基準位置と、前記シート排出方向と直交する方向に前記胴内排出空間の奥側へ移動した第２退避位置との間を移動可能であることを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
【請求項５】
前記ホルダー部は、前記画像読取部の下面の一部を構成するマウント部に前記基準位置と前記第１退避位置との間を回転可能に支持されており、前記基準位置と前記第２退避位置との間を前記マウント部と共に移動可能であることを特徴とする請求項４に記載の画像形成装置。
【請求項６】
前記ホルダー部または前記マウント部を前記基準位置方向に付勢する付勢部材を設けたことを特徴とする請求項１乃至請求項５のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項７】
前記胴内排出空間を挟んで前記シート排出部と反対側に配置され、前記シート排出部から排出されたシートが搬入されるシート後処理部と、
前記胴内排出空間の底面部に配置され、前記シート排出部から排出されたシートを前記シート後処理部に搬送する中継搬送部と、を備え、
前記シート押さえ部材の下端部は、前記シート排出面となる前記中継搬送部の上面に接触することを特徴とする請求項１乃至請求項６のいずれかに記載の画像形成装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【公開番号】特開２０１３−１４４１７（Ｐ２０１３−１４４１７Ａ）
【公開日】平成２５年１月２４日（２０１３．１．２４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１４９２８１（Ｐ２０１１−１４９２８１）
【出願日】平成２３年７月５日（２０１１．７．５）
【出願人】（０００００６１５０）京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年１月２４日（２０１３．１．２４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年７月５日（２０１１．７．５）
【出願人】（０００００６１５０）京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Ｆターム（参考）】
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