説明

画像形成装置

【課題】画像形成装置において連続して画像形成を行う場合に、後続紙への画像形成のための調整に要する時間に応じた適切な給紙制御を行うことで、無駄な待ち時間を削減し、生産性を確保する。
【解決手段】画像形成装置100によれば、画像形成部103において連続して画像形成を行う場合に、エンジン制御部32は、先行紙への画像形成に対して予め設定されている制御値と、後続紙への画像形成に対して予め設定されている制御値との差分に基づいて、後続紙への画像形成のための調整にかかる所要時間を特定し、当該特定した所要時間に基づいて、後続紙の給紙タイミングを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置においては、プリント時間を短縮することにより生産性の向上を図るための各種技術が提案されている。例えば、特許文献1には、ポリゴンミラーの回転開始から速度が安定するまでの加速度特性に基づきポリゴンミラーの回転開始から予め定めた目標回転速度に安定するまでの時間を算出手段により算出し、算出された時間が経過した直後にレジストローラーの回転を開始することで、いままで待ち時間として消費していたポリゴンミラーの立ち上がり時間の大部分を転写材搬送等のプロセス時間にあててプリント時間の短縮を図る技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−216306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電子写真方式の画像形成装置では、用紙を片面ごとに定着部に通し、用紙上のトナー像を定着させる処理が行われる。このとき、定着時の熱により用紙に縮みが生じる。このため、両面に画像形成を行う場合は、用紙の表裏(表面と裏面)の画像位置の精度を上げるために表裏の画像サイズ(画像倍率)を微調整する必要がある。
【0005】
表裏の画像倍率を微調整する動作の一つとして、ポリゴンミラーを回転させるためのポリゴンモーターの回転速度を微調整する手法がある。このポリゴンモーターを用いた表裏の画像倍率の調整動作は予め定められた紙間(通常紙間)内で完了するように設計されている。紙間とは、先行紙への画像形成と後続紙への画像形成との間の期間、具体的には、先行紙が転写位置に給紙又は再給紙されてから後続紙が転写位置に給紙または再給紙されるまでの時間間隔のことをいう。
しかし、同一紙間でポリゴンモーターを用いた表裏の画像倍率の調整動作とプロセス条件補正用のパッチトナー像(補正パッチと呼ぶ)の中間転写体への作成動作とが重なってしまうことがある。この場合、両者を並列動作させることはできない。そこで、紙間の時間を通常紙間よりも広げて(給紙タイミング又は再給紙タイミングを遅らせて)その間で順次動作を実施することで、生産性は低下するが両動作の同一紙間での実施を実現させている。
【0006】
しかし、ポリゴンモーターを用いた表裏の画像倍率の調整動作は、表裏の画像倍率差やレジスト補正量、線速度といった給紙トレイ毎の設定値に応じて動作時間が異なるにもかかわらず、従来、最大値固定で制御している。そのため、同一紙間で表裏の画像倍率の調整動作と補正パッチの形成とが重なった場合、給紙トレイの倍率設定によっては両動作を通常の紙間で行える場合であっても紙間を広げており、不必要な生産性ダウンが生じているという問題がある。
【0007】
また、定着制御温度は紙種や斤量に適した目標温度が決められている。動作中に給紙トレイが切り替わり紙種が変わることにより定着装置の目標温度が変わった場合、従来、目標温度になるまで一度サイクルダウンして再開するといった動作をさせている。或いは、ユーザが生産性を優先させる場合には目標温度とならないまま連続して出力することを許容させるといった動作を行っている。しかし、一律でサイクルダウンさせると不必要な待ち時間が生じる場合がある。また、目標温度と実際の温度とに不一致があっても一律に出力してしまうと、ユーザにとって好ましくない状態での出力が行われることになる。
【0008】
本発明の課題は、画像形成装置において連続して画像形成を行う場合に、後続紙への画像形成のための調整に要する時間に応じた適切な給紙制御を行うことで、無駄な待ち時間を削減し、生産性を確保することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
用紙に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部において連続して画像形成を行う場合に、先行紙への画像形成と後続紙への画像形成との間の期間である紙間において、前記後続紙への画像形成に対して予め設定された制御値に基づいて前記画像形成部に前記後続紙への画像形成のための調整を行わせる制御部と、を備える画像形成装置であって、
前記制御部は、前記先行紙への画像形成に対して予め設定されている制御値と、前記後続紙への画像形成に対して予め設定されている制御値との差分に基づいて、前記後続紙への画像形成のための調整にかかる所要時間を特定し、当該特定した所要時間に基づいて、前記後続紙の給紙タイミングを制御する。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記制御値は、用紙の種類又は給紙トレイに対応付けて記憶部に記憶されている。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記調整にかかる所要時間は、前記制御値の差分に対応付けて前記記憶部に記憶されている。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、
前記給紙トレイ毎に、当該給紙トレイに装着されている用紙の表面への画像形成に対する制御値として表面の画像調整倍率を設定するとともに、裏面への画像形成に対する制御値として裏面の画像調整倍率を設定するための設定部を備え、
前記記憶部は、前記設定部により設定された給紙トレイ毎の用紙表面の画像調整倍率と裏面の画像調整倍率とを各給紙トレイに対応付けて記憶するととともに、表裏の画像調整倍率差とその画像調整倍率差の画像倍率調整に必要な所要時間とを対応付けて記憶し、
前記制御部は、前記先行紙の表面又は裏面に画像形成を行った後、前記後続紙の他方の面に対する画像形成を行う場合に、前記先行紙を装着した給紙トレイに対応付けて記憶されている前記先行紙の画像形成を行った面の画像調整倍率と、前記後続紙を装着した給紙トレイに対応付けて記憶されている前記後続紙の画像形成を行う面の画像調整倍率との差分に基づいて、前記後続紙に対する画像倍率調整にかかる所要時間を特定し、当該特定した所要時間に基づいて、前記後続紙の給紙タイミングを制御する。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、
前記画像形成部は、入力された画像に基づくレーザー光をポリゴンミラーにより走査して感光体ドラムを露光することにより前記感光体ドラムに静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーを付着させることにより現像して用紙に転写することにより用紙に画像を形成するものであり、
前記制御部は、前記ポリゴンミラーを回転させるためのポリゴンモーターの回転速度を調整することで、前記画像倍率調整を行う。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の発明において、
前記制御部は、所定のタイミングで前記画像形成部にプロセス条件を補正するための補正用パッチトナー像を作成させる手段を有し、前記画像倍率調整と前記補正用パッチトナー像の作成のタイミングが同一紙間で重なった場合、前記画像倍率調整にかかる所要時間と前記補正用パッチトナー像の作成にかかる所要時間とに基づいて前記後続紙の給紙タイミングを制御する。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、
前記制御部は、前記画像倍率調整の所要時間と前記補正用パッチトナー像の作成の所要時間を合算した時間が予め定められた紙間を超えるか否かを判断し、超えると判断した場合に、補正用パッチトナー像の作成を行わないよう制御するか、又は、双方の処理が可能な紙間を算出し、当該算出した紙間に基づいて前記後続紙の給紙タイミングを制御する。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、
前記画像倍率調整の所要時間と前記補正用パッチトナー像作成の所要時間を合算した時間が予め定められた紙間を超えた場合に、前記補正用パッチトナー像を作成して補正を行うか否かをユーザが設定するための紙間補正実施可否設定部を備える。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、
前記各給紙トレイに設定されている表面の画像調整倍率と裏面の画像調整倍率との画像倍率調整にかかる所要時間を前記ポリゴンモーターを回転させて測定する測定部を備える。
【0018】
請求項10に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、
前記記憶部は、予め設定された給紙トレイ毎の定着目標温度を制御値として各給紙トレイに対応付けて記憶するととともに、定着目標温度差とその温度差の調整に必要な所要時間とを対応付けて記憶し、
前記制御部は、前記先行紙を装着した給紙トレイに対応付けて記憶されている定着目標温度と、前記後続紙を装着した給紙トレイに対応付けて記憶されている定着目標温度との差分に基づいて、前記後続紙に対する定着目標温度調整にかかる所要時間を特定し、当該特定した所要時間に基づいて、前記後続紙の給紙タイミングを制御する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、画像形成装置において連続して画像形成を行う場合に、後続紙への画像形成のための調整に要する時間に応じた適切な給紙制御を行うことで、無駄な待ち時間を削減し、生産性を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】画像形成装置の概略構成例を示す図である。
【図2】画像形成装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図3a】トレイ設定画面の一例を示す図である。
【図3b】個別設定画面の一例を示す図である。
【図4】ポリゴンモーター速度調整動作所要時間テーブルの一例を示す図である。
【図5】図2のエンジン制御部により実行される紙間決定処理Aを示すフローチャートである。
【図6】(a)は、通常紙間で補正パッチの作成とポリゴンモーターの回転速度調整の双方の処理が間に合うと判断された場合の図5のステップS13〜S14の動作を模式的に示す図であり、(b)は、通常紙間では補正パッチの作成とポリゴンモーターの回転速度調整の双方の処理は間に合わないと判断された場合であって、紙間を通常紙間より広げることがユーザに容認されている場合のステップS13〜S14の動作を模式的に示す図である。
【図7】図2のエンジン制御部により実行されるポリゴンモーター回転速度調整時間測定処理を示すフローチャートである。
【図8】定着目標温度調整所要時間テーブルの一例を示す図である。
【図9】第2の実施の形態において図2のエンジン制御部により実行される紙間決定処理Bを示すフローチャートである。
【図10】第2の実施の形態において紙間を通常紙間より広げることがユーザに容認されている場合の給紙タイミングを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0022】
[第1の実施の形態]
(画像形成装置100の構成)
第1の実施の形態においては、先行紙への画像形成に対して設定された制御値と後続紙への画像形成に対して設定された制御値との差分に基づいて給紙タイミングを制御する例として、後続の画像形成に使用する給紙トレイ(用紙)に設定された表面の画像調整倍率と裏面の画像調整倍率との倍率差に基づいて給紙タイミングを制御する場合について説明する。
【0023】
先ず、図1を参照して、本実施の形態の画像形成装置100の装置構成を説明する。図1に示すように、画像形成装置100は、画像形成装置本体101と、画像形成装置本体101の上部の画像読取装置102と、を備える。画像読取装置102は、自動原稿給紙装置201と、原稿画像走査露光装置202と、を備える。
【0024】
自動原稿給紙装置201の原稿台に載置された原稿dは搬送手段により搬送され、原稿画像走査露光装置202の光学系により原稿の片面又は両面の画像が走査露光され、原稿画像を反映する入射光がラインイメージセンサCCDに読み込まれる。
【0025】
上記ラインイメージセンサCCDにより光電変換されたアナログ画像信号は、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正及び画像圧縮処理等が施され、デジタルの画像データとなる。このデジタルの画像データ(デジタル画像データ)は、画像書き込みユニット3Y,3M,3C,3Kへ入力される。以下、各部の符号のY、M、C、Kは、それぞれ順に、イエロー色、マゼンタ色、シアン色、黒色を表すものとする。
【0026】
画像形成装置本体101は、複数の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kが縦列に配置されたタンデム型のカラー用の画像形成装置であり、画像形成部103、給紙搬送部104を備える。
【0027】
画像形成部103は、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kと、像担持体としての中間転写体6と、2次転写ローラー7Aと、中間転写体用クリーニング手段8Aと、トナー像を定着させるための定着装置17と、を備える。
給紙搬送部104は、給紙トレイ20A,20B,20C、給紙トレイ20A,20B,20Cにそれぞれ設けられている送り出しローラー21及び給紙ローラー22A、搬送ローラー22B,22C,22D、レジストローラー23、排紙ローラー24、分岐手段26、反転ゲート28、反転ローラー29等を備える。
【0028】
感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの各々は、それぞれ順に、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kに設けられている。
【0029】
Y色の画像を形成する画像形成ユニット10Yは、Y色のトナー像が形成される感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配置された、感光体ドラム1Y表面を帯電するY色用の帯電手段2Yと、その帯電面に画像パターンを露光して静電潜像を形成する画像書き込みユニット3Yと、その潜像面をY色のトナーで現像しトナー像を形成する現像装置4Yと、中間転写体6へのトナー像の転写後にトナーを除去する感光体ドラム用クリーニング手段8Yと、を有する。
【0030】
M色の画像を形成する画像形成ユニット10Mは、同様に、M色のトナー像が形成される感光体ドラム1Mと、感光体ドラム1Mの周囲に配置されたM色用の帯電手段2M、画像書き込みユニット3M、現像装置4M及び感光体ドラム用クリーニング手段8Mを有する。
【0031】
C色の画像を形成する画像形成ユニット10Cは、同様に、C色のトナー像が形成される感光体ドラム1Cと、感光体ドラム1Cの周囲に配置されたC色用の帯電手段2C、画像書き込みユニット3C、現像装置4C及び感光体ドラム用クリーニング手段8Cを有する。
【0032】
K色の画像を形成する画像形成ユニット10Kは、同様に、K色のトナー像が形成される感光体ドラム1K、感光体ドラム1Kの周囲に配置されたK色用の帯電手段2K、画像書き込みユニット3K、現像装置4K及び感光体ドラム用クリーニング手段8Kを有する。
【0033】
帯電手段2Y及び画像書き込みユニット3Yと、帯電手段2M及び画像書き込みユニット3Mと、帯電手段2C及び画像書き込みユニット3Cと、帯電手段2K及び画像書き込みユニット3Kとは、それぞれ、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに色毎の静電潜像を形成する。
【0034】
画像書き込みユニット3Y,3M,3C,3Kの各々は、デジタル画像データに基づくレーザー光を出力するレーザー出力部とレーザー光を主走査方向に走査させる走査ミラー(ポリゴンミラー)と、ポリゴンミラーを回転させるポリゴンモーターとを有する。具体的には、画像書き込みユニット3Y,3M,3C,3Kの各々は、デジタル画像データに基づくレーザー光をポリゴンミラーにより走査して、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kを露光する。これにより、感光体ドラム1Y,1M,1C,1K上に画像の潜像(静電潜像)が形成される。
【0035】
現像装置4Y,4M,4C,4Kは、静電潜像が形成された感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの表面に帯電したトナーを付着させて静電潜像を現像する。現像装置4Y,4M,4C,4Kによる現像は、使用するトナー極性と同極性(本実施の形態においては、負極性)の直流電圧に交流電圧を重畳した現像バイアスを用いた反転現像に基づくものである。
【0036】
像担持体としての中間転写体6は、環状のベルト部が回転動作可能に保持される。現像装置4Y,4M,4C,4Kにより感光体ドラム1Y,1M,1C,1K上に形成されたトナー像は、中間転写体6の表面に転写される。
【0037】
ここで、上記した画像形成装置100による画像形成プロセスの概要について述べる。画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kにより形成された各色の画像は、使用するトナーと反対極性(本実施の形態においては、正極性)の1次転写バイアスが印加される1次転写ローラー7Y,7M,7C,7Kにより、回転動作する中間転写体6のベルト表面に逐次転写されて(1次転写)、合成されたカラー画像(カラートナー像)が形成される。カラー画像は中間転写体6から転写位置で用紙Pへ転写される。
【0038】
給紙トレイ20A,20B,20C内に収容された用紙Pは、給紙トレイ20A,20B,20Cにそれぞれ設けられている送り出しローラー21及び給紙ローラー22Aにより給紙され、搬送ローラー22B,22C,22D、レジストローラー23等を経て、2次転写ローラー7Aに搬送され、用紙Pの一方の面(表面又は裏面)にカラー画像が転写される(2次転写)。
【0039】
そして、定着装置17により用紙Pが加熱されてカラー画像が用紙Pに定着される。これにより、用紙Pにカラー画像が画像形成される。そして、画像形成された用紙Pは、排紙ローラー24により挟持されて機外の排紙トレイ25に載置される。転写後の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの周面上に残る転写残トナーは、感光体ドラム用クリーニング手段8Y,8M,8C,8Kによりクリーニングされ次の画像形成サイクルに移行する。
【0040】
両面画像形成時には、一方の面(表面)に画像形成され、定着装置17から排出された用紙Pは、分岐手段26によりシート排紙路26Aから分岐され、循環通紙路27Aを経て、反転ゲート28により反転搬送路27Bに導かれる。そして用紙Pは、反転ローラー29を通過した後、反転ローラー29の逆転により逆方向に搬送される。そして、用紙Pは、反転ゲート28が再給紙搬送路27C側に切り換えられることにより再給紙搬送路27Cに搬送され、搬送ローラー22Dにおいて合流する。反転ゲート28の再給紙搬送路27C側への切り換えとともに、分岐手段26はシート排紙路26Aに切り換えられる。
本実施の形態では、片面の画像形成と共通の経路からはずれた、用紙を反転させるための経路(循環通紙路27A、反転搬送路27B及び再給紙搬送路27C)を総称して用紙反転経路という。
【0041】
反転搬送された用紙Pは、レジストローラー23を経て再度2次転写ローラー7Aの転写位置に搬送され(即ち、再給紙され)、他方の面(裏面)にカラー画像が転写される。カラー画像が転写された用紙Pは、定着装置17により定着処理され、排紙ローラー24に挟持搬送されて機外の排紙トレイ25に排出される。一方、2次転写ローラー7Aにより用紙Pにカラー画像が転写された後、用紙Pが分離された中間転写体6は、中間転写体用クリーニング手段8Aにより残留トナーが除去される。
【0042】
本実施の形態においては、用紙反転経路は複数枚の用紙を内蔵可能(保持)に構成されており、両面印刷を行う場合には、生産性を向上させるため、まず用紙反転経路に内蔵可能な枚数の表面の画像形成が繰り返され、次いで表面と、用紙反転経路を循環して戻ってきた裏面の画像形成が交互に行われる(交互搬送方式)。
【0043】
次に、図2を参照して、画像形成装置100の制御ブロック図について説明する。
図2に示すように、画像形成装置100は、制御系として、全体制御部31と、エンジン制御部32と、読取制御部33と、画像読取装置102と、画像形成部103と、給紙搬送部104と、操作表示部105と、記憶部106と、を備えている。
【0044】
全体制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。具体的には、全体制御部31は、ROMに格納されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムを読み出してRAMに展開し、RAMに展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行し、画像形成装置100の各部を集中制御する。
【0045】
例えば、全体制御部31は、操作表示部105から画像形成条件(用紙サイズ、両面/片面、縦/横、濃度等)等が入力されるとともに、画像読取装置102により原稿の画像データが入力される(ジョブ情報が入力される)と、入力されたジョブ情報に基づいてジョブを実行し、エンジン制御部32に画像形成の制御を行わせる。
【0046】
エンジン制御部32は、CPU、ROM、RAM等により構成され、CPUとROMに格納されているプログラムとの協働により各種処理を実行し、画像形成部103及び給紙搬送部104を制御する。具体的に、エンジン制御部32は、全体制御部31からの指示に基づいて後述する紙間決定処理Aを実行し、画像形成部103における紙間での表裏倍率調整及び補正パッチ作成の実施判断や、これらの実施判断結果に基づく紙間の決定を行い、画像形成部103及び給紙搬送部104を制御して、表裏画像倍率調整、補正パッチの作成、決定した紙間に応じた給紙タイミングの制御等を行う。
ここで、表裏画像倍率調整は、定着時の熱によって用紙が縮むことにより生じる表面の画像と裏面の画像の画像サイズのずれを微調整して表裏の画像サイズを合わせるものである。この表裏の画像倍率の調整は、ポリゴンミラーを回転させるためのポリゴンモーターの回転速度を微調整することにより行われる。ポリゴンモーターの回転速度が調整されると、ポリゴンミラーの回転速度が調整され、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kへの露光スピードが調整される。これにより表裏の画像倍率が調整される。
また、補正パッチは、安定した画像を得るために、画像形成部103のプロセス条件を補正するために用いられるパッチである。この補正パッチは、中間転写体6に描かれるもので、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kの表面電位を合わせる補正、濃度補正、階調補正等に用いられる。
【0047】
読取制御部33は、全体制御部31からの指示に従って画像読取装置102の動作を制御する。
【0048】
操作表示部105は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、全体制御部31から入力される表示信号の指示に従って表示画面上に各種操作ボタンや装置の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。LCDの表示画面上は、透明電極を格子状に配置して構成された感圧式(抵抗膜圧式)のタッチパネルに覆われており、手指やタッチペン等で押下された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作信号として全体制御部31に出力する。また、操作表示部105は、数字ボタン、スタートボタン等の各種操作ボタンを備え、ボタン操作による操作信号を全体制御部31に出力する。
【0049】
本実施の形態において、操作表示部105は、紙間補正実施可否設定部105a、トレイ設定部105bとして機能する。
紙間補正実施可否設定部105aは、補正パッチの作成と表裏画像倍率調整の双方を行った場合に予め定められた紙間で双方の処理が完了しない場合に、紙間を広げて補正パッチの作成を実施するか否かをユーザが設定するための紙間補正実施設定画面を表示する。
トレイ設定部105bは、各給紙トレイに関する設定情報をユーザが設定するためのトレイ設定画面150を表示する。
【0050】
図3aに、トレイ設定画面150の一例を示す。図3aに示すように、トレイ設定画面150には、各給紙トレイの識別番号(トレイ1、トレイ2・・・)のボタンが選択可能に表示されたトレイ選択欄150aと、押下されたボタンに対応するトレイについての設定情報を表示するための設定表示欄150bと、が設けられている。トレイ設定画面150(図3bの個別設定画面151を含む)から設定可能な設定項目としては、この給紙トレイに装着される用紙の種類を示す情報(用紙サイズ、用紙種類、坪量等)、この用紙に画像形成を行う際の制御値(表裏画像調整倍率、定着ローラーの目標温度等)が挙げられる。トレイ選択欄150aから設定対象のトレイのボタンが押下され、「設定変更」ボタン150cが押下されると、図3bに示す個別設定画面151が表示される。
個別設定画面151には、図3bに示すように、設定項目を選択するための設定項目選択欄151aと、選択された設定項目についての設定値を入力するための設定値入力欄151bと、が設けられている。設定値入力欄151bから設定値が入力され、OKボタン151cが押下されると、入力された設定値が設定項目に対応付けてトレイ設定情報106bとして記憶部106に記憶される。
【0051】
表裏画像倍率調整のためには、用紙の伸縮率に応じて、表面の画像調整倍率、裏面の画像調整倍率を設定しておく必要がある。これには、設定項目選択欄151aから「表裏調整」を選択し、表示された設定値入力欄151bから用紙の表裏各々のヨコ倍率の倍率値(例えば、−100〜+100step、0.01%/stepの値)を入力することで設定することができる。このように用紙表裏の画像倍率を微妙に調整できるようにすることで、プロダクトプリント分野で要求される高い画質に応えることが可能になる。
【0052】
記憶部106は、不揮発メモリーやHDD等により構成され、画像形成装置100で各種処理プログラムを実行する際に使用されるデータ、全体制御部31やエンジン制御部32によって演算処理された処理結果のデータ、保存指示された画像データ等を記憶する。
本実施の形態において、記憶部106は、紙間補正実施設定部105aから入力された設定値である紙間補正実施設定情報106aと、トレイ設定部105bから入力された各設定項目に対応する設定値であるトレイ設定情報106bと、ポリゴンモーター速度調整動作所要時間テーブル106cを記憶している。
【0053】
図4に、ポリゴンモーター速度調整動作所要時間テーブル106cの一例を示す。図4に示すように、ポリゴンモーター速度調整動作所要時間テーブル106cは、表裏の画像倍率差と、その画像倍率差の画像倍率調整に応じたポリゴンモーターの回転速度調整にかかる動作所要時間を対応付けて記憶するテーブルである。
ここで、ポリゴンモーターは、用紙表面に画像を形成する際にはトレイ設定部105bから設定された表面の画像調整倍率に応じた回転速度で駆動され、用紙裏面に画像を形成する際には用紙の裏面画像の画像調整倍率に応じた回転速度で駆動される。そのため、表面の次に裏面の画像を形成するとき、又は裏面の次に表面の画像を形成するときに、表裏面で設定されている画像調整倍率が異なる場合には、ポリゴンモーターの回転速度を紙間で次の面の画像調整倍率に応じたものに微調整する(切り換える)必要がある。この調整時間は、表裏の倍率差によって変わる。そこで、ポリゴンモーター速度調整動作所要時間テーブル106cには、表裏の倍率差毎のポリゴンモーター速度調整動作所要時間が記憶されている。
なお、図4においては、簡略化のため表面倍率→裏面倍率への調整動作所要時間と裏面倍率→表面倍率への調整動作所要時間を共通のものとして示しているが、ポリゴンモーターの特性によって表面倍率→裏面倍率への調整動作所要時間と裏面倍率→表面倍率への調整動作所要時間が異なる場合が考えられる。このような場合は、表裏の倍率差のそれぞれに対して、表面倍率→裏面倍率への調整動作所要時間と裏面倍率→表面倍率の双方を対応付けて記憶しておくことが好ましい。
【0054】
(画像形成装置100の動作)
次に、画像形成装置100の動作について説明する。
図5に、エンジン制御部32により実行される紙間決定処理Aのフローチャートを示す紙間決定処理Aは、全体制御部31からジョブ開始が通知された際に実行される。
【0055】
ここで、交互搬送方式により連続的に両面の画像形成を行う場合、先行紙の表面(裏面)の画像形成と後続紙の裏面(表面)の画像形成との切り換え時には、表裏の画像調整倍率が同じでない限り、上述のように、紙間でポリゴンモーターの回転速度の微調整(切り換え)が必要となる。なお、表裏の画像調整倍率が同じであれば、先行紙の画像形成からポリゴンモーターの回転速度を維持しておけばよいので、紙間での調整は不要である。このポリゴンモーターの回転速度調整と補正用パッチの作成が必要なタイミングが同一紙間で重なることがある。この場合、紙間でポリゴンモーターの回転速度調整を行いながら同時に補正パッチの作成を行うと補正パッチがくずれてしまい、正確に描くことができず、補正パッチに基づくプロセス条件へのフィードバックも適正に行えなくなる。そこで、従来は、補正パッチの作成後にポリゴンモーターの回転速度調整を行うことで、双方の処理を両立させていた。このとき、ポリゴンモーターの回転速度調整時間を最大値固定で考えて補正パッチの作成時間に加算した時間まで紙間を広げることにより双方の処理を実現させていた。しかし、ポリゴンモーターの回転速度調整に必要な時間は給紙に使用されるトレイに設定されている表裏の画像調整倍率差によって異なるため、常に最大値固定で制御すると不要な待ち時間が生じ生産性がダウンしてしまう場合がある。また、生産性重視のユーザの場合、紙間を広げたくない場合もある。
そこで、画像形成装置100においては、エンジン制御部32は、ジョブにおける先行紙への画像書き込み開始時に図5に示す紙間決定処理Aを行い、その先行紙と後続紙の間の紙間における補正パッチの生成やポリゴンモーター回転速度調整の要否等に基づいて、紙間で実施する処理の決定と、それを考慮した給紙タイミングの制御を実行する。
【0056】
紙間決定処理Aにおいては、まず、後続紙との紙間で補正パッチを作成する必要があるか否かが判断される(ステップS1)。ここで、補正パッチの作成は、例えば、所定プリント枚数間隔で行われる。
【0057】
紙間で補正パッチを作成する必要がないと判断された場合(ステップS1;NO)、ポリゴンモーターの回転速度調整が必要であるか否かが判断される(ステップS2)。
ステップS2においては、まず、記憶部106に記憶されているトレイ設定情報106bから、先行紙の給紙に用いた給紙トレイに対応付けられている画像調整倍率(先行紙が表面印刷なら表面の画像調整倍率、裏面印刷なら裏面の画像調整倍率)が読み出される。次いで、記憶部106に記憶されているトレイ設定情報106bから、後続紙の給紙に用いる(後続紙が裏面印刷の場合は、給紙時に用いた)給紙トレイに対応付けられている画像調整倍率(後続紙が表面印刷なら表面の画像調整倍率、裏面印刷なら裏面の画像調整倍率)が読み出される。そして、読み出された2つの画像調整倍率の差分が算出され、その倍率差が0でない場合は、ポリゴンモーターの回転速度調整が必要であると判断される。その倍率差が0である場合は、ポリゴンモーターの回転速度調整は不要であると判断される。なお、算出された倍率差は、ステップS6で用いるため、RAMに記憶される。
【0058】
ステップS2において、ポリゴンモーターの回転速度調整が必要であると判断された場合(ステップS2;YES)、ポリゴンモーターの回転速度調整の所要時間は通常紙間以下であるため、次紙(すなわち後続紙)の給紙タイミングが通常給紙タイミングに決定される(ステップS3)。そして、紙間において、後続の用紙の画像を形成する面の画像調整倍率に基づいて、ポリゴンモーターの回転速度調整が行われ(ステップS4)、通常給紙タイミング(即ち、先行紙との間を通常紙間空けたタイミング)で給紙搬送部104により給紙(裏面の場合は再給紙)が行われる(ステップS18)。
ステップS2において、ポリゴンモーターの回転速度調整が必要ではないと判断された場合(ステップS2;NO)、紙間での補正パッチ作成及び調整に要する時間がないため、次紙給紙タイミングが通常給紙タイミングに決定される(ステップS17)。そして、通常給紙タイミングで給紙搬送部104により給紙(裏面の場合は再給紙)が行われる(ステップS18)。
【0059】
一方、ステップS1において、紙間で補正パッチを作成する必要があると判断された場合(ステップS1;YES)、ポリゴンモーターの回転速度調整が必要であるか否かが判断される(ステップS5)。ステップS5における判断手法は、ステップS2で説明したものと同様である。
ポリゴンモーターの回転速度調整が必要ではないと判断されると(ステップS5;NO)、補正パッチ作成の所要時間は通常紙間以下であるため、次紙給紙タイミングが通常給紙タイミングに決定される(ステップS6)。そして、紙間において補正パッチが作成され(ステップS7)、通常給紙タイミングで給紙搬送部104により給紙(裏面の場合は再給紙)が行われる(ステップS18)。
【0060】
一方、ステップS5において、ポリゴンモーターの回転速度調整が必要であると判断されると(ステップS5;YES)、記憶部106に記憶されているポリゴンモーター速度調整動作所要時間テーブル106cが参照され、先行紙と後続紙の画像の調整倍率差に対応するポリゴンモーター回転速度調整動作の所要時間が取得される(ステップS8)。ここで、先行紙と後続紙の画像の調整倍率差は、ステップS2の判断の過程でRAMに記憶された倍率差を用いる。
【0061】
次いで、取得されたポリゴンモーター回転速度調整動作の所要時間に基づいて、通常紙間で補正パッチの作成とポリゴンモーターの回転速度調整の双方の処理が間に合うか否かが判断される(ステップS9)。予め定められた補正パッチの作成所要時間(固定)と取得された動作所要時間の合計が通常紙間以下である場合、通常紙間で間に合うと判断される。予め定められた補正パッチの作成所要時間(固定)と取得された動作所要時間の合計が通常紙間を超えている場合、通常紙間では間に合わないと判断される。
【0062】
ステップS9において、通常紙間で補正パッチの作成とポリゴンモーターの回転速度調整の双方の処理が間に合うと判断された場合(ステップS9;YES)、次紙給紙タイミングが通常給紙タイミングに決定される(ステップS10)。そして、補正パッチの作成処理(ステップS13)、次いでポリゴンモーターの回転速度調整動作が順次行われ(ステップS14)、決定された給紙タイミングで給紙搬送部104により給紙(裏面の場合は再給紙)が行われる(ステップS18)。
【0063】
図6(a)は、通常紙間で補正パッチの作成とポリゴンモーターの回転速度調整の双方の処理が間に合うと判断された場合のステップS13〜S14の動作を模式的に示す図である。図6(a)に示すように、先行紙P1の画像形成から後続紙P2の画像形成までの通常紙間t0で、まず補正パッチの作成(所要時間t1)が行われ、次いで、ポリゴンモーターの回転速度調整(所要時間t2)が行われる。
【0064】
通常紙間では補正パッチの作成とポリゴンモーターの回転速度調整の双方の処理は間に合わないと判断された場合(ステップS9;NO)、記憶部106に記憶されている紙間補正実施可否設定情報106aに基づいて、紙間を通常紙間より広げてもよいか否かが判断される(ステップS11)。紙間を通常紙間より広げてもよいと判断されると(ステップS11;YES)、補正パッチ作成とポリゴンモーターの回転速度調整のそれぞれに必要な時間が合算されることにより必要な紙間が算出され、算出された紙間に応じて次紙給紙タイミングが決定される(ステップS12)。そして、補正パッチの作成処理(ステップS13)、次いでポリゴンモーターの回転速度調整が順次行われ(ステップS14)、決定された給紙タイミング(即ち、先行紙との転写位置への給紙間隔を補正パッチ作成とポリゴンモーターの回転速度調整のそれぞれに必要な時間を合算した時間だけ空けたタイミング)で給紙搬送部104により給紙が行われる(ステップS18)。
【0065】
図6(b)は、通常紙間では補正パッチの作成とポリゴンモーターの回転速度調整の双方の処理は間に合わないと判断された場合であって、紙間を通常紙間より広げることがユーザに容認されている場合のステップS13〜S14の動作を模式的に示す図である。図6(b)に示すように、まず補正パッチの作成(所要時間t1)が行われ、次いで、ポリゴンモーターの回転速度調整(所要時間t3)が行われる。t1+t3=t4は、通常紙間t0より長いので、t4に紙間が広げられている。
【0066】
ステップS11において、紙間を通常紙間より広げることが許容されていないと判断されると(ステップS11;NO)、次紙給紙タイミングが通常給紙タイミングに決定される(ステップS15)。そして、補正パッチの作成は省略されてポリゴンモーターの回転速度調整のみが実施され(ステップS16)、決定された給紙タイミングで給紙搬送部104により給紙(裏面の場合は再給紙)が行われる(ステップS18)。なお、補正パッチの作成を行わなかった場合、アイドリング時、ウォームアップ時、プリント終了時等のタイミングで補正パッチの作成を行うこととしてもよい。また、何れのタイミングで補正パッチの作成を行うかをユーザが操作表示部105から設定できるようにしてもよい。
【0067】
上記実施の形態においては、表面と裏面の画像調整倍率の差とポリゴンモーターの回転速度調整時間を予めポリゴンモーター速度調整動作所要時間テーブル106cに記憶させておくこととして説明したが、トレイ設定情報106bに設定されている表面と裏面の画像調整倍率差に応じたポリゴンモーター回転速度調整時間の測定を実施して測定結果をテーブルに記憶させることとしてもよい(図7参照)。また、プリント開始時に、使用する給紙トレイにおける表面と裏面の画像調整倍率差に応じたポリゴンモーターの回転速度調整時間の測定を実施してもよい。このように、空き時間やプリント開始時に測定を行うと、ポリゴンモーターの個体差や経時的な特性の変化についても考慮することができる。
【0068】
図7に、エンジン制御部32により実行されるポリゴンモーター回転速度調整時間測定処理のフローチャートを示す。
まず、測定対象トレイが選択され、トレイ設定情報106bから当該測定対象トレイの表面の画像調整倍率と裏面の画像調整倍率が取得される(ステップS21)。
【0069】
次いで、表面と裏面の倍率差が算出され、既に測定した倍率差であるか否かが判断される(ステップS22)。既に測定した倍率差ではないと判断されると(ステップS22;NO)、ポリゴンモーターが用紙表面の画像調整倍率に応じた回転速度で駆動され(ステップS23)、ポリゴンモーターが表面の画像調整倍率に応じた速度で安定的に動作するまで待機される(ステップS24)。ポリゴンモーターが表面の画像調整倍率に応じた回転速度で安定的に動作すると(ステップS24;YES)、現在時刻(A)がRAMに記憶される(ステップS25)。
【0070】
次いで、ポリゴンモーターの回転速度が裏面の画像調整倍率に応じた速度に切り換えられ(ステップS26)、ポリゴンモーターが裏面の画像調整倍率に応じた速度で安定的に動作するまで待機される(ステップS27)。ポリゴンモーターが裏面に応じた回転速度で安定的に動作すると(ステップS27;YES)、現在時刻(B)がRAMに記憶される(ステップS28)。
【0071】
次いで、ポリゴンモーターの回転速度調整に要する時間(ポリゴンモーター回転速度調整時間:B−A)が算出される(ステップS29)。そして、算出されたポリゴンモーター回転速度調整時間が給紙トレイ毎のデータバッファの測定対象トレイのデータバッファに記憶され(ステップS30)、処理はステップS32に移行する。
【0072】
一方、ステップS22において、既に測定した倍率差であると判断されると(ステップS22;YES)、測定済みの同じ倍率差のポリゴンモーター回転速度調整時間のデータが測定対象トレイに対応するデータバッファに記憶され(ステップS31)、処理はステップS32に移行する。
【0073】
ステップS32においては、全トレイについての測定が完了したか否かが判断される。全トレイについて測定が完了していないと判断されると(ステップS32;NO)、処理はステップS21に戻る。全トレイについての測定が完了したと判断されると(ステップS32)、ポリゴンモーター回転速度調整時間測定処理は終了する。
【0074】
ポリゴンモーター回転速度調整時間測定処理においては、測定結果をトレイ毎のデータバッファに格納することとしたが、図4に示したポリゴンモーター速度調整動作所要時間テーブル106cのように倍率差毎に記憶部106に記憶してもよい。また、トレイ設定情報106bの一部としてポリゴンモーターの回転速度調整動作所要時間を記憶しておくようにしてもよい。
また、上記ポリゴンモーター回転速度調整時間測定処理においては、表面倍率→裏面倍率への調整動作所要時間を測定する場合を例にとり説明しているが、ポリゴンモータの特性によって表面倍率→裏面倍率への調整動作所要時間と裏面倍率→表面倍率への調整動作所要時間が異なる場合が考えられるため、同様にして裏面倍率→表面倍率への調整動作所要時間を測定し、併せて記憶しておくことが好ましい。
【0075】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態においては、先行紙の画像形成に使用する制御値と後続紙の画像形成に使用する制御値の差分に基づいて給紙タイミングを制御する例として、使用する給紙トレイ(用紙)に設定された表面の画像調整倍率と裏面の画像調整倍率との倍率差に基づいて給紙タイミングを制御する場合について説明した。第2の実施の形態においては、先行紙の給紙トレイ(用紙)に設定された定着目標温度と、後続紙の給紙トレイ(用紙)に設定された定着目標温度との差に基づいて給紙タイミングを制御する場合について説明する。
【0076】
第2の実施の形態においては、操作表示部105は、定着目標温度の調整のために紙間を通常紙間よりも広げてもよいか否かをユーザが設定するための紙間延長可否設定部(図示せず)を有している。また、第2の実施の形態においては、記憶部106に、トレイ設定情報106bのほか、定着目標温度切り替え所要時間テーブル106d、紙間延長可否設定情報(図示せず)が記憶されている。
【0077】
図8に、定着目標温度調整所要時間テーブル106dの一例を示す。図8に示すように、定着目標温度調整所要時間テーブル106dは、定着目標温度差と、その定着目標温度差だけ定着目標温度を調整するのにかかる所要時間を対応付けて記憶するテーブルである。
なお、図8においては、簡略化して低温側→高温側への温度調整所要時間と高温側→低温側への温度調整所要時間を共通のものとして示しているが、低温側→高温側への温度調整所要時間と高温側→低温側への温度調整所要時間が異なる場合には、定着目標温度差のそれぞれに対して、低温側→高温側への温度調整所要時間と高温側→低温側への温度調整所要時間の双方を対応付けて記憶しておくことが好ましい。
【0078】
その他の構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様であるので説明を援用し、第2の実施の形態の動作について説明する。
【0079】
図9に、第2の実施の形態においてエンジン制御部32により実行される紙間決定処理Bのフローチャートを示す。
まず、定着目標温度の調整動作が必要であるか否かが判断される(ステップS31)。ステップS31においては、まず、記憶部106に記憶されているトレイ設定情報106bから、先行紙の給紙に用いた給紙トレイに対応付けられている定着目標温度が読み出される。次いで、記憶部106に記憶されているトレイ設定情報106bから、後続紙の給紙に用いる(裏面の場合は、給紙時に用いた)給紙トレイに対応付けられている定着目標温度が読み出される。そして、読み出された2つの定着目標温度差が算出され、その温度差が0でない場合は、定着目標温度の調整が必要であると判断される。その倍率差が0である場合は、定着目標温度の調整動作は不要であると判断される。
ここで、図3aに示すように、トレイ設定部105bには、定着目標温度に関する複数の設定項目(定着ローラー中央温度、定着ローラー端部温度、定着下ベルト中央温度等)が設けられているが、このような場合は、各項目のそれぞれについて、先行紙と後続紙の給紙トレイに設定された定着目標温度差を求め、その最大値が給紙制御に用いる定着目標温度とされる。
なお、算出された各項目の温度差は、ステップS33で用いるため、RAMに記憶される。
【0080】
定着目標温度調整が必要であると判断された場合(ステップS31;YES)、記憶部106に記憶されている紙間延長可否設定情報に基づいて、紙間を通常紙間よりも広げてもよいか否かが判断される(ステップS32)。
【0081】
紙間を通常紙間よりも広げてもよいと判断されると(ステップS32;YES)、各項目についての定着目標温度差のうち最大の温度差と、定着目標温度調整所要時間テーブル106dとに基づいて、給紙タイミングが決定される(ステップS33)。具体的には、先行紙と後続紙の各定着目標温度差のうち最大の定着目標温度差に対応する定着目標温度調整所要時間t11が定着目標温度調整所要時間テーブル106dから取得され、図10に示すように、上記取得された所要時間t11が調整にかかる時間として特定され、先行紙の画像形成から後続紙の画像形成までの期間がt11となるタイミングが給紙タイミングとして決定される。そして、定着目標温度調整動作が行われ(ステップS34)、決定された給紙タイミング(即ち、先行紙との間を上記取得された所要時間t11だけ空けたタイミング)で給紙搬送部104により給紙(裏面の場合は再給紙)が行われる(ステップS36)。
【0082】
一方、紙間を通常紙間よりも広げることが許容されていない場合(ステップS32;NO)、次紙給紙タイミングが通常給紙タイミングに決定され(ステップS35)、決定された給紙タイミングで給紙搬送部104により給紙(裏面の場合は再給紙)が行われる(ステップS36)。
【0083】
以上説明したように、画像形成装置100によれば、画像形成部103において連続して画像形成を行う場合に、エンジン制御部32は、先行紙への画像形成に対して予め設定されている制御値と、後続紙への画像形成に対して予め設定されている制御値との差分に基づいて、後続紙への画像形成のための調整にかかる所要時間を特定し、当該特定した所要時間に基づいて、後続紙の給紙タイミングを制御する。
【0084】
従って、画像形成部103の動作を先行紙の制御値に応じた動作から後続紙の制御値に応じた動作に調整する(切り換える)のに要する時間に応じた適切な給紙タイミングで給紙を行うので、無駄な待ち時間を削減し、生産性を確保することが可能となる。
【0085】
制御値は、用紙の種類又は給紙トレイに対応付けて記憶部106に記憶される構成とすることで、後続紙となる用紙に応じた適切な給紙タイミングの制御を行うことが容易に可能となる。
【0086】
また、調整にかかる所要時間を制御値の差分に対応付けて予め記憶部106に記憶しておくようにすることで、調整に要する時間の特定が容易となる。
【0087】
また、例えば、先行紙を装着した給紙トレイに対応付けて記憶されている先行紙の画像形成を行った面の画像調整倍率と、後続紙を装着した給紙トレイに対応付けて記憶されている後続紙の画像形成を行う面の画像調整倍率との差分に基づいて、後続紙に対する画像倍率調整にかかる所要時間を特定し、当該特定した所要時間に基づいて、後続紙の給紙タイミングを制御することで、無駄な待ち時間を削減し、生産性を確保することが可能となる。
具体的に、先行紙を装着した給紙トレイに対応付けて記憶されている先行紙の画像形成を行った面の画像調整倍率と、後続紙を装着した給紙トレイに対応付けて記憶されている後続紙の画像形成を行う面の画像調整倍率との差分に基づいて、後続紙に対する画像調整倍率に応じたポリゴンモーターへの回転速度の調整にかかる所要時間を特定し、当該特定した所要時間に基づいて、後続紙の給紙タイミングを制御することで、無駄な待ち時間を削減し、生産性を確保することが可能となる。
【0088】
また、所定のタイミングで画像形成部103にプロセス条件を補正するための補正用パッチトナー像を形成させる手段を有し、画像倍率調整と補正用パッチトナー像の形成のタイミングが同一紙間で重なった場合、画像倍率調整にかかる所要時間と補正用パッチトナー像の形成にかかる所要時間とに基づいて後続紙の給紙タイミングを制御することで、いずれの処理も行われない無駄な待ち時間を削減し、生産性を確保することが可能となる。
【0089】
また、画像倍率調整の所要時間と補正用パッチトナー像作成の所要時間を合算した時間が予め定められた紙間を超えるか否かを判断し、超えると判断した場合に、補正用パッチトナー像の作成を行わないよう制御するか、又は、双方の処理が可能な紙間を算出し、当該算出した紙間に基づいて前記後続紙の給紙タイミングを制御することで、生産性を重視する給紙制御、又は、画質を重視する給紙制御を行うことが可能となる。
また、画像倍率調整の所要時間と補正用パッチトナー像作成の所要時間を合算した時間が予め定められた紙間を超えた場合に、補正用パッチトナー像を作成して補正を行うか否かをユーザが設定するための紙間補正実施可否設定部を備えるようにすることで、ユーザが生産性を重視するか画質を重視するかに応じた適切な給紙制御が可能となる。
【0090】
また、各給紙トレイに設定されている表面の画像調整倍率と裏面の画像調整倍率との画像倍率調整にかかる所要時間をポリゴンモーターを回転させて測定する測定部を備える構成とすることで、ポリゴンモーターの個体差や経時変化も考慮して画像倍率調整にかかる所要時間を特定することが可能となる。
【0091】
また、例えば、先行紙を装着した給紙トレイに対応付けて記憶されている定着目標温度と、後続紙を装着した給紙トレイに対応付けて記憶されている定着目標温度との差分に基づいて、後続紙に対する定着目標温度調整にかかる所要時間を特定し、当該特定した所要時間に基づいて、後続紙の給紙タイミングを制御することで、一律に目標温度となるまで一度サイクルダウンすることによる無駄な待ち時間を削減し、生産性を確保することが可能となる。
【0092】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る画像形成装置の好適な一例を示すものであり、これに限定されるものではない。
【0093】
例えば、上記実施の形態においては、本発明を画像倍率調整と定着目標温度調整を例にとり説明したが、これに限定されるものではない。
【0094】
また、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として、ROM、不揮発性メモリー、ハードディスク等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0095】
その他、画像形成装置100の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0096】
1Y,1M,1C,1K 感光体ドラム
2Y,2M,2C,2K 帯電手段
3Y,3M,3C,3K 画像書き込みユニット
4Y,4M,4C,4K 現像装置
6 中間転写体
7Y,7M,7C,7K 1次転写ローラー
8A 中間転写体用クリーニング手段
8Y,8M,8C,8K 感光体ドラム用クリーニング手段
10Y,10M,10C,10K 画像形成ユニット
17 定着装置
20A,20B,20C 給紙トレイ
21 送り出しローラー
22A 給紙ローラー
22B,22C,22D 搬送ローラー
23 レジストローラー
24 排紙ローラー
25 排紙トレイ
26 分岐手段
27A 循環通紙路
27B 反転搬送路
27C 再給紙搬送路
31 全体制御部
32 エンジン制御部
33 読取制御部
102 画像読取装置
103 画像形成部
104 給紙搬送部
105 操作表示部
105a 紙間補正実施可否設定部
105b トレイ設定部
150 トレイ設定画面
151 個別設定画面
106 記憶部
106a 紙間補正実施可否設定情報
106b トレイ設定情報
106c ポリゴンモーター速度調整動作所要時間テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部において連続して画像形成を行う場合に、先行紙への画像形成と後続紙への画像形成との間の期間である紙間において、前記後続紙への画像形成に対して予め設定された制御値に基づいて前記画像形成部に前記後続紙への画像形成のための調整を行わせる制御部と、を備える画像形成装置であって、
前記制御部は、前記先行紙への画像形成に対して予め設定されている制御値と、前記後続紙への画像形成に対して予め設定されている制御値との差分に基づいて、前記後続紙への画像形成のための調整にかかる所要時間を特定し、当該特定した所要時間に基づいて、前記後続紙の給紙タイミングを制御する画像形成装置。
【請求項2】
前記制御値は、用紙の種類又は給紙トレイに対応付けて記憶部に記憶されている請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記調整にかかる所要時間は、前記制御値の差分に対応付けて前記記憶部に記憶されている請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記給紙トレイ毎に、当該給紙トレイに装着されている用紙の表面への画像形成に対する制御値として表面の画像調整倍率を設定するとともに、裏面への画像形成に対する制御値として裏面の画像調整倍率を設定するための設定部を備え、
前記記憶部は、前記設定部により設定された給紙トレイ毎の用紙表面の画像調整倍率と裏面の画像調整倍率とを各給紙トレイに対応付けて記憶するととともに、表裏の画像調整倍率差とその画像調整倍率差の画像倍率調整に必要な所要時間とを対応付けて記憶し、
前記制御部は、前記先行紙の表面又は裏面に画像形成を行った後、前記後続紙の他方の面に対する画像形成を行う場合に、前記先行紙を装着した給紙トレイに対応付けて記憶されている前記先行紙の画像形成を行った面の画像調整倍率と、前記後続紙を装着した給紙トレイに対応付けて記憶されている前記後続紙の画像形成を行う面の画像調整倍率との差分に基づいて、前記後続紙に対する画像倍率調整にかかる所要時間を特定し、当該特定した所要時間に基づいて、前記後続紙の給紙タイミングを制御する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成部は、入力された画像に基づくレーザー光をポリゴンミラーにより走査して感光体ドラムを露光することにより前記感光体ドラムに静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーを付着させることにより現像して用紙に転写することにより用紙に画像を形成するものであり、
前記制御部は、前記ポリゴンミラーを回転させるためのポリゴンモーターの回転速度を調整することで、前記画像倍率調整を行う請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、所定のタイミングで前記画像形成部にプロセス条件を補正するための補正用パッチトナー像を作成させる手段を有し、前記画像倍率調整と前記補正用パッチトナー像の作成のタイミングが同一紙間で重なった場合、前記画像倍率調整にかかる所要時間と前記補正用パッチトナー像の作成にかかる所要時間とに基づいて前記後続紙の給紙タイミングを制御する請求項4又は5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記画像倍率調整の所要時間と前記補正用パッチトナー像の作成の所要時間を合算した時間が予め定められた紙間を超えるか否かを判断し、超えると判断した場合に、補正用パッチトナー像の作成を行わないよう制御するか、又は、双方の処理が可能な紙間を算出し、当該算出した紙間に基づいて前記後続紙の給紙タイミングを制御する請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像倍率調整の所要時間と前記補正用パッチトナー像作成の所要時間を合算した時間が予め定められた紙間を超えた場合に、前記補正用パッチトナー像を作成して補正を行うか否かをユーザが設定するための紙間補正実施可否設定部を備える請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記各給紙トレイに設定されている表面の画像調整倍率と裏面の画像調整倍率との画像倍率調整にかかる所要時間を前記ポリゴンモーターを回転させて測定する測定部を備える請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記記憶部は、予め設定された給紙トレイ毎の定着目標温度を制御値として各給紙トレイに対応付けて記憶するととともに、定着目標温度差とその温度差の調整に必要な所要時間とを対応付けて記憶し、
前記制御部は、前記先行紙を装着した給紙トレイに対応付けて記憶されている定着目標温度と、前記後続紙を装着した給紙トレイに対応付けて記憶されている定着目標温度との差分に基づいて、前記後続紙に対する定着目標温度調整にかかる所要時間を特定し、当該特定した所要時間に基づいて、前記後続紙の給紙タイミングを制御する請求項3に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−33080(P2013−33080A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168162(P2011−168162)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】