説明

画像形成装置

【課題】複数のジョブを関連するジョブとして容易に管理できるようにする。
【解決手段】画像形成装置1によれば、制御部110は、新規入力されるジョブとRAM122の一時保存ジョブ領域に保存されているジョブ、又は一時保存ジョブ領域に保存されているジョブ同士を個々に独立したジョブのまま互いに関連付け、ジョブの関連付けを示すリンク情報をリンク設定テーブル122aに記憶し、この記憶されたリンク情報に基づいて動作制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、封筒とは異なる一般的なシート状の用紙に印刷を行う際に使用する通常定着器と、封筒に印刷を行う際に使用する封筒定着器とが着脱可能に構成された画像形成装置が知られている。
【0003】
封筒への印刷を行う場合、封筒だけでなく、封筒に入れる中身の文書もセットで印刷することが想定される。封筒と中身をセットで印刷するためには、封筒定着器と通常定着器の交換を伴うため、必ず封筒に印刷を行う封筒ジョブと、封筒とは異なる用紙に中身の文書を印刷する中身ジョブの2つのジョブが必要であり、ユーザーはこの封筒ジョブと中身ジョブの印刷の進捗状況を個別に管理する必要がある。
【0004】
ジョブの印刷の完了をユーザーが容易に把握できるようにするための技術として、例えば、特許文献1には、ジョブが完了すると印刷画像のサムネイル画像を添付したジョブエンドシートを作成し出力することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−53784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、定着器の交換が可能な画像形成装置では、一般的に、装着されている定着器で印刷可能なジョブが全て完了してから、定着器を交換し、残りのジョブを印刷することとなる。そのため、例えば、封筒ジョブと中身ジョブのような定着器の交換を必須とする複数のジョブをセットで印刷する場合、セットに係るジョブの間に他のジョブや定着器の交換作業が実施されることとなり、特許文献1に記載の技術では、ユーザーは、セット印刷に係るジョブの印刷状況や詳細を把握しづらいという問題がある。
【0007】
また、ジョブ結合やビルドジョブのように複数のジョブを1つのジョブに結合する場合、各々のジョブの印刷条件設定も1つに統一されてしまい、各々の印刷条件設定を保持できないという問題がある。
【0008】
本発明の課題は、複数のジョブを関連するジョブとして容易に管理できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
ジョブに基づいて印刷を行う印刷手段を備える画像形成装置において、
ジョブを入力するジョブ入力手段と、
前記ジョブ入力手段により入力されたジョブを保存するジョブ保存手段と、
前記ジョブ入力手段により新規入力されるジョブと前記ジョブ保存手段に保存されているジョブ、又は前記ジョブ保存手段に保存されているジョブ同士を個々に独立したジョブのまま互いに関連付けるリンク設定手段と、
前記リンク設定手段により設定されたジョブの関連付けを示すリンク情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されたリンク情報に基づいて所定の動作制御を行う制御手段と、
を備える。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記記憶手段は、複数のリンク情報を記憶する。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記制御手段は、前記関連付けられたジョブをまとめて前記印刷手段により印刷させる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、
操作手段と、
表示手段と、を備え、
前記制御手段は、前記ジョブ保存手段に保存されたジョブの一覧を前記表示手段に表示させ、前記ジョブの一覧から前記操作手段によりジョブが選択されると、前記選択されたジョブに関連付けられたジョブを識別可能に前記表示手段に表示させる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、
前記制御手段は、前記選択されたジョブに関連付けられたジョブの印刷状況を前記表示手段に表示させる。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の発明において、
前記制御手段は、前記ジョブ保存手段に保存されたジョブの一覧を前記表示手段に表示させ、前記ジョブの一覧から前記操作手段により選択されたジョブに関連付けられたジョブを、前記操作手段からの指示に応じて前記印刷手段にまとめて印刷させる。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項4又は5に記載の発明において、
前記制御手段は、前記新規に入力されたジョブ又は前記ジョブ保存手段に保存されたジョブに基づく印刷時に、前記ジョブに関連付けられたジョブの印刷を促す表示を前記表示手段に表示させる。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載の発明において、
前記関連付けられたジョブに対し個々に独立して印刷条件を設定する設定手段を備える。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載の発明において、
前記関連付けられたジョブのうちの一のジョブに設定された印刷条件に連動して他のジョブの印刷条件を設定する手段を有する。
【0018】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9の何れか一項に記載の発明において、
前記制御手段は、前記操作手段により前記ジョブ保存手段に保存された何れかのジョブの削除が指示された場合、当該削除対象のジョブに関連付けられたジョブがある場合には、警告を出力する。
【0019】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10の何れか一項に記載の発明において、
前記画像形成装置は、システム構成の変更が可能に構成され、
前記リンク設定手段は、第1のシステム構成で印刷可能なジョブと第2のシステム構成で印刷可能なジョブとを関連付ける。
【0020】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の発明において、
前記制御手段は、前記第1のシステム構成から前記第2のシステム構成に変更されたとき、前記第2のシステム構成で印刷可能なジョブのうち、そのジョブに関連付けられている前記第1のシステム構成で印刷可能な全てのジョブの印刷が完了しているジョブの印刷を促す表示を前記表示手段に表示させる。
【0021】
請求項13に記載の発明は、請求項11又は12に記載の発明において、
前記第1のシステム構成は、封筒用定着器を装着したシステムであり、前記第2のシステム構成は、封筒とは異なる用紙用の定着器を装着したシステムである。
【0022】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の発明において、
封筒を印刷する封筒ジョブの印刷枚数と、封筒の中身を印刷する中身ジョブの部数を一致させて設定する手段を有する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、複数のジョブを関連するジョブとして容易に管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】画像形成装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】プリント部の概略構成例を示す図である。
【図3】図1の制御部により実行されるジョブ新規登録処理を示すフローチャートである。
【図4】コピー設定画面の一例を示す図である。
【図5】図1の制御部により実行されるコピー時リンク処理を示すフローチャートである。
【図6】一時保存ジョブリスト画面の一例を示す図である。
【図7】リンク設定テーブルの一例を示す図である。
【図8】図1の制御部により実行される封筒ジョブ枚数と中身ジョブ部数の連動処理を示すフローチャートである。
【図9a】図8のステップS1001で表示される一時保存ジョブリスト画面の一例を示す図である。
【図9b】図8のステップS1005において表示される警告画面の一例を示す図である。
【図10】入力された封筒ジョブに対し中身ジョブとのリンクを設定するか否かを問い合わせる問い合わせ画面の一例を示す図である。
【図11】図1の制御部により実行される予約ジョブ登録処理を示すフローチャートである。
【図12a】図1の制御部により実行される保存ジョブ操作処理を示すフローチャートである。
【図12b】図1の制御部により実行される保存ジョブ操作処理を示すフローチャートである。
【図13a】図12aのステップS21で表示される一時保存ジョブリスト画面の一例を示す図である。
【図13b】図12aのステップS27で詳細表示操作がなされた場合に、何れのジョブの詳細を表示するかをユーザーに問い合わせるためのポップアップ画面の一例を示す図である。
【図14】図1の制御部により実行される印刷処理を示すフローチャートである。
【図15】図1の制御部により実行されるポップアップ操作処理を示すフローチャートである。
【図16】印刷完了時に表示されるポップアップ画面の一例を示す図である。
【図17】図1の制御部により実行される定着ユニット交換処理を示すフローチャートである。
【図18】定着器の交換が検知された際に表示される問い合わせ画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施形態における画像形成装置の構成及び動作について、図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明の実施の形態ではカラーの画像形成装置1を例に挙げて説明するが、本発明はこれに限らず、例えばモノクロの画像形成装置によっても本発明を実現することは可能である。
【0026】
(画像形成装置1の構成)
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
図1に、本実施の形態における画像形成装置1の概略構成図を示す。
図1に示すように、画像形成装置1は、本体部1aとプリンタコントローラー1bとから構成されている。画像形成装置1は、プリンタコントローラー1bのLANIF(Local Area Network InterFace)14を介してネットワーク3上の外部装置2と相互に情報の送受信が可能に接続されている。
【0027】
本体部1aは、画像読取部20、操作表示部30、プリント部40、画像制御基板100を備えて構成される。
【0028】
画像読取部20は、スキャナー21、画像読取制御部200等から構成される。スキャナー21は、ADF(Auto Document Feeder)、イメージセンサー等を備える。画像読取制御部200は、制御部110からの指示に基づいてスキャナー21を制御して、原稿の画像を読み取り、読み取られたアナログ画像信号を読取処理部140に出力する。ここで、画像とは、図形や写真等のイメージデータに限らず、文字や記号等のテキストデータ等も含む意である。
【0029】
操作表示部30は、表示部31、操作部32、操作表示制御部300から構成される。
操作表示制御部300は、制御部110から入力される表示信号に従って、ジョブに対する印刷条件の設定等を入力するための各種画面や各種処理結果等をLCD(Liquid Crystal Display)等から構成される表示部31に表示させる。また、操作表示制御部300は、各種スイッチやボタン、テンキー、操作キー群又はタッチパネルを備える操作部32から入力される操作信号を制御部110に出力する。
【0030】
プリント部40は、入力された画像データに基づいて、電子写真方式で印刷を行う印刷手段であり、プリンタエンジン41やプリント制御部400を備えて構成される。
プリント制御部400は、制御部110からの制御信号を受信して、プリンタエンジン41の各部の動作を制御する。
【0031】
図2に、プリンタエンジン41の要部構成を示す。図2に示すように、プリンタエンジン41は、書込処理部190により入力された画像データに基づき感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kにレーザを露光して感光体ドラム上に潜像を書き込む光学ユニット40Y、40M、40C、40Kと、Y、M、C、Kの各色のトナー像を形成する画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kと、画像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kで形成されたトナー像が一時転写される中間転写体としての中間転写ベルト56と、用紙を中間転写ベルト56に形成されたトナー像と同期をとって2次転写ローラー59に搬送するレジストローラー58と、用紙上に中間転写ベルト56上に形成されたトナー像を2次転写する2次転写ローラー59と、用紙上にトナー像を定着させる定着ユニット63と、用紙を排紙する排紙ローラー61と、を含んで構成されている。各部の符号のY、M、C、Kは、それぞれ順にイエロー色、マゼンタ色、シアン色、黒色を表すものとする。
【0032】
画像形成ユニット50Yは、感光体ドラム51Yと、現像器52Yと、帯電器53Yと、クリーナ54Yと、1次転写ローラー55Yとを備えて構成されている。画像形成ユニット50M、50C、50Kも同様である。
【0033】
ここで、プリンタエンジン41におけるプリント動作について説明する。まず、画像形成ユニット50Yにおいて、感光体ドラム51Yが回転し、その表面が帯電器53Yにより帯電され、光学ユニット40Yのレーザ光源の露光によりその帯電部分にYデータの画像の潜像が形成される。そして、現像器52Yによりその潜像部分が現像されイエローのトナー像が形成される。そのトナー像は1次転写ローラー55Yの圧接により中間転写ベルト56に一次転写される。トナー像は、出力対象の画像データに対応するイエローの像となる。一次転写されなかったトナーは、クリーナ54Yにより除去される。
【0034】
画像形成ユニット50M、50C、50Kについても同様に、マゼンダのトナー像、シアンのトナー像、黒のトナー像がそれぞれ同様に形成及び転写される。ローラー57、1次転写ローラー55Y、55M、55C、55K、2次転写ローラー59の回転により、中間転写ベルト56も回動され、YMCKのトナー像が中間転写ベルト56上に順に重ねられて転写される。また、給紙ローラー68A〜68C、69の何れかの回動により給紙トレイ66A〜66Dの何れかから用紙が1枚ずつ搬送され、レジストローラー58の回転により2次転写ローラー59へ搬送される。
【0035】
2次転写ローラー59の圧接部を用紙が通過する時に、中間転写ベルト56上のYMCKのトナー像が用紙に二次転写される。YMCKのトナー像が転写された用紙は、定着ユニット63を通過する。定着ユニット63の加圧及び加熱により、YMCKのトナー像が用紙上に定着されてカラーのトナー像が形成される。画像形成された用紙は、排紙ローラー61により排出される。
【0036】
用紙への画像形成後、ベルトクリーニング62により、中間転写ベルト56上に残留したトナーが除去される。また、2次転写ローラー59に対して、図示しない電源からプラス極性の電流及びマイナス極性の電流を交互に切り換えて所定時間流すことにより、2次転写ローラー59に残留したトナーが中間転写ベルト56に再転写され、2次転写ローラー59のクリーニングが行われる。
【0037】
ここで、定着ユニット63は、画像形成装置1に着脱可能に構成されている。定着ユニット63としては、第1の定着ユニット631と、第2の定着ユニット632の2種類があり、何れか一方が画像形成装置1に装着される。第1の定着ユニット631は、封筒以外の用紙への印刷時に使用するための定着ユニット(通常定着器)である。第2の定着ユニット632は、封筒への印刷時に使用するための専用の定着ユニット(封筒定着器)である。第2の定着ユニット632は、例えば、定着ローラーの厚みを薄くしてシワが起こりにくくする等、封筒に特化した構成となっているため、封筒以外の用紙の定着に用いるとダメージが大きく、コストも高くなる。そのため、第2の定着ユニット632は封筒用の印刷に、第1の定着ユニット631は封筒とは異なる用紙の定着に専用に用いられる。
なお、第1の定着ユニット631を装着したときの画像形成装置1のシステム構成を第1のシステム構成、第2の定着ユニット632を装着したときの画像形成装置1のシステム構成を第2のシステム構成と呼ぶ。
【0038】
プリンタエンジン41における定着ユニット63の装着部には、装着された定着ユニット63の種類を識別するユニット識別部としてのポート63aが設けられている。例えば、第1の定着ユニット631が装着されるとポート63aを介してプリント制御部400に定着ユニット識別信号としてHIGH信号が出力される。第2の定着ユニット632が装着されるとポート63aを介してプリント制御部400に定着ユニット識別信号としてLOW信号が出力される。プリント制御部400は、この定着ユニット識別信号に基づいて、画像形成装置1のシステム構成を認識することが可能となっている。
なお、特に図示はしていないが、印刷された用紙に対し部単位で後処理(例えば、ソート、ステープル、綴じ、くるみ製本等)を施す後処理装置が接続されている構成としてもよい。
【0039】
画像制御基板100は、制御部110、不揮発メモリー121、RAM(Random Access Memory)122、HDD130、読取処理部140、圧縮IC150、DRAM(Dynamic Random Access Memory)制御IC160、画像メモリー170、伸張IC180、書込処理部190等を備える。
【0040】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、不揮発メモリー121に格納されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムを読み出してRAM122に展開し、RAM122に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行し、画像形成装置1の各部を集中制御する。
【0041】
例えば、制御部110は、後述するジョブ新規登録処理、保存ジョブ操作処理、印刷処理、定着ユニット交換処理を実行することにより、ジョブ入力手段、リンク設定手段、制御手段、設定手段、としての機能を実現する。
【0042】
不揮発メモリー121は、制御部110で実行可能な各種処理プログラム及び各種データを記憶する。
【0043】
RAM122は、制御部110により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係る各種データ等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
例えば、RAM122には、後述するリンク設定テーブル122aや、給紙トレイ設定情報が記憶される。給紙トレイ設定情報は、各給紙トレイに装着されている用紙種類の情報である。なお、用紙種類には、用紙のサイズを含む。
また、RAM122は、登録された予約ジョブを記憶するための予約ジョブ領域、一時保存が指示されたジョブ又はリンク設定されたジョブを保存する一時保存ジョブ領域を有する。ジョブは、画像データと、その画像データに基づき印刷を行う際の印刷条件の設定情報により構成される。ジョブに基づきプリント部40で印刷を行うことをジョブを実行する、又は、ジョブを印刷するという。
即ち、RAM122は、ジョブ保存手段、記憶手段として機能する。
【0044】
HDD(Hard Disk Drive)130は、制御部110からの制御に基づいてジョブの保存及び読み出しを行う。
【0045】
読取処理部140は、画像読取部20から入力されるアナログ画像信号に、アナログ処理、A/D変換処理、シェーディング処理等の各種処理を施した後、デジタル画像データを生成する。生成された画像データは、圧縮IC150に出力される。
【0046】
圧縮IC150は、入力されたデジタル画像データに圧縮処理を施してDRAM制御IC160に出力する。
【0047】
DRAM制御IC160は、制御部110からの指示に従って、圧縮IC150による画像データの圧縮処理及び伸張IC180による圧縮画像データの伸張処理を制御するとともに、画像メモリー170への画像データの入出力制御を行う。
【0048】
例えば、DRAM制御IC160は、画像読取部20により読み取られた画像信号の保存指示が制御部110から入力されると、読取処理部140に入力された画像データの圧縮処理を圧縮IC150により実行させて、圧縮画像データを画像メモリー170の圧縮メモリー171に格納させる。また、DRAM制御IC160は、圧縮メモリー171に格納された圧縮画像データのプリント出力指示が制御部110から入力されると、圧縮メモリー171から圧縮画像データを読み出し、伸張IC180により伸張処理を施してページメモリー172に格納させる。さらに、ページメモリー172に格納された画像データのプリント出力指示が入力されると、ページメモリー172から画像データを読み出して書込処理部190に出力する。
【0049】
画像メモリー170は、DRAM(Dynamic RAM)から構成される圧縮メモリー171とページメモリー172とを備える。圧縮メモリー171は、圧縮画像データを格納するためのメモリーであり、ページメモリー172は、プリント出力用の画像データを一時的に格納するためのメモリーである。
伸張IC180は、圧縮画像データに伸張処理を施して書込処理部190に出力する。
【0050】
書込処理部190は、伸長処理されたデジタル画像データをプリンタエンジン41に出力する。
【0051】
次に、プリンタコントローラー1bの各部について説明する。プリンタコントローラー1bは、画像形成装置1をネットワークプリンタとして使用する場合に、ネットワーク3に接続される外部装置2から画像形成装置1に入力されるデータの管理及び制御を行うものである。
【0052】
プリンタコントローラー1bは、コントローラー制御部11、DRAM制御IC12、画像メモリー13、LANIF14から構成される。
【0053】
コントローラー制御部11は、プリンタコントローラー1b各部の動作を統括的に制御し、LANIF14を介して外部装置2から入力されるプリント対象データの言語解析及びラスタライズ処理を行って、ジョブにおける画像形成条件を示すジョブデータと画像データを生成して本体部1aへ送信する。
【0054】
DRAM制御IC12は、LANIF14により受信されたデータの画像メモリー13への格納や、画像メモリー13からのデータの読み出しを制御する。また、DRAM制御IC12は、画像制御基板100のDRAM制御IC160とPCI(Peripheral Components Interconnect)バスで接続されており、コントローラー制御部11からの指示に従って、プリント対象のデータに基づいて生成されたジョブデータ及び画像データを画像メモリー13から読み出してDRAM制御IC160に出力する。
【0055】
画像メモリー13は、DRAMから構成され、入力されたデータを一時的に格納する。
【0056】
LANIF14は、NIC(Network Interface Card)やモデム等のLAN等のネットワーク3に接続するための通信インターフェイスであり、外部装置2からデータを受信する。受信されたデータは、DRAM制御IC12に出力される。
【0057】
(画像形成装置1の動作)
次に、本実施の形態の動作を説明する。
本実施の形態の画像形成装置1においては、以下に示すジョブ新規登録処理において、新規に入力されるジョブに対し、RAM122の一時保存ジョブ領域に一時保存されている他のジョブとのリンク(関連付け)を設定することが可能であり、また、保存ジョブ操作処理において、一時保存されているジョブ同士にリンクを設定することが可能である。
【0058】
〔ジョブ新規登録処理〕
図3に、画像形成装置1において実行されるジョブ新規登録処理のフローチャートを示す。ジョブ新規登録処理は、コピーモードでの動作時に、操作部32の操作に応じて制御部110と不揮発メモリー121に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0059】
まず、表示部31に、コピー設定画面311が表示される(ステップS1)。
図4に、コピー設定画面311の一例を示す。コピー設定画面311は、これから新規に入力するジョブに関する各種設定を行うための画面である。図4に示すように、コピー設定画面311には、例えば、「原稿設定」「画質調整」「倍率設定」「片面/両面」「出力設定」「カラー設定」「用紙設定」等の、ジョブの印刷条件の設定を入力するための操作ボタンが表示されている。また、コピー設定画面311は、リンクボタン311a、一時保存設定ボタン311b等が設けられている。リンクボタン311aは、これから新規に入力するジョブに対して他のジョブとのリンクの設定を指示するためのボタンである。リンクを設定するとは、ジョブ同士を個々に独立したジョブのまま互いに関連付けることをいう。一時保存設定ボタン311bは、新規に入力するジョブの一時保存を指示するためのボタンである。
【0060】
次いで、コピー設定画面311において、操作部32によりリンクボタン311aが操作されたか否かが判断される(ステップS2)。リンクボタン311aが操作されていないと判断されると(ステップS2;NO)、処理はステップS4に移行する。リンクボタン311aが操作されたと判断されると(ステップS2;YES)、コピー時リンク設定処理が実行される(ステップS3)。
【0061】
図5に、図3のステップS3において実行されるコピー時リンク設定処理の一例を示す。コピー時リンク設定処理は、制御部110と不揮発メモリー121に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0062】
まず、表示部31に一時保存ジョブリスト画面312が表示される(ステップS100)。
図6に、一時保存ジョブリスト画面312の一例を示す。図6に示すように、一時保存ジョブリスト画面312には、ジョブ一覧表示欄312a、選択ジョブ詳細表示欄312b、詳細表示ボタン312c、リンク設定ボタン312d等が設けられている。
ジョブ一覧表示欄312aには、RAM122の一時保存ジョブ領域に一時保存されているジョブの一覧が表示される領域である。選択ジョブ詳細表示欄312bには、ジョブ一覧表示欄312aから選択されたジョブの詳細情報が表示される領域である。詳細表示ボタン312cは、選択されたジョブの詳細表示を指示するためのボタンである。リンク設定ボタン312dは、リンク設定の確定を指示するためのボタンである。
【0063】
一時保存ジョブリスト画面312のジョブ一覧表示欄312aにおいて操作部32によりジョブが選択されたか否かが判断される(ステップS101)。ジョブが選択されていないと判断されると(ステップS101;NO)、処理はステップS105に移行する。
【0064】
一方、ステップS101において、ジョブが選択されたと判断されると(ステップS101;YES)、選択されたジョブの表示が選択状態(反転表示)とされ(ステップS102)、この選択されたジョブにリンクが設定されているか否かが判断される(ステップS103)。ここで、RAM122には、図7に示すリンク設定テーブル122aが記憶されている。図7に示すように、リンク設定テーブル122aは、ジョブを識別するためのジョブID(JOB ID)に、そのジョブのステータス(印刷済みであるか)、及びそのジョブとのリンクが設定されているジョブ(リンク対象ジョブ)の情報が対応付けて記憶するテーブルである。ステップS103では、このリンク設定テーブル122aを参照することにより、選択されたジョブにリンクが設定されているか否かを判断することができる。
【0065】
選択されたジョブにリンクが設定されていないと判断されると(ステップS103;NO)、処理はステップS105に移行する。選択されたジョブにリンクが設定されていると判断されると(ステップS103;YES)、ジョブ一覧表示欄312aにおいて、リンク対象ジョブが併せて選択状態とされ(ステップS104)、処理はステップS105に移行する。ステップS104により、選択されたジョブにリンク設定されているジョブをユーザーが容易に識別することが可能となる。
【0066】
ステップS105においては、操作部32により詳細表示ボタン312cが操作されたか否かが判断される(ステップS105)。操作部32により詳細表示ボタン312cが操作されていないと判断されると(ステップS105;NO)、処理はステップS107に移行する。操作部32により詳細表示ボタン312cが操作されたと判断されると(ステップS105;YES)、選択されたジョブの設定、ページ構成、印刷状況等の詳細が選択ジョブ詳細表示欄312bに表示され(ステップS106)、処理はステップS107に移行する。なお、複数のジョブが選択状態となっている場合には、選択状態のジョブのIDが表示されたポップアップ画面(図10参照)が一時保存ジョブリスト画面312上に表示され、表示されたジョブIDのうち、選択されたジョブIDのジョブの詳細情報が選択ジョブ詳細表示欄312bに表示される。
【0067】
ステップS107においては、操作部32によりリンク設定ボタン312dが操作されたか否かが判断される(ステップS107)。リンク設定ボタン312dが操作されていないと判断されると(ステップS107;NO)、処理はステップS101に戻る。リンク設定ボタン312dが操作されたと判断されると(ステップS107;YES)、選択状態のジョブが新規に入力するジョブのリンク対象ジョブとしてRAM122に一時的に記憶される(ステップS108)。なお、ステップS108においては、まだリンク設定テーブル122aへの登録は行わない。
【0068】
次いで、封筒ジョブと中身ジョブがリンク設定されたか否かが判断される(ステップS109)。例えば、新規に入力するジョブ又はリンク対象ジョブに用紙種類として封筒が設定されており(封筒が装填されているトレイが給紙トレイとして選択されており)、他方に封筒とは異なる用紙種類が設定されている(又は、封筒以外の用紙が装填されているトレイが給紙トレイとして選択されている)場合、封筒ジョブと中身ジョブがリンク設定されたと判断される。
【0069】
封筒ジョブと中身ジョブがリンク設定されていないと判断された場合(ステップS109;NO)、表示部31の表示がコピー設定画面311に戻り(ステップS111)、処理は図3のステップS4に移行する。
【0070】
封筒ジョブと中身ジョブがリンク設定されていると判断されると(ステップS109;YES)、封筒ジョブ枚数と中身ジョブ部数の連動処理が実行される(ステップS110)。
図8に、封筒ジョブ枚数と中身ジョブ部数の連動処理のフローチャートを示す。本処理は、制御部110と不揮発メモリー121に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0071】
まず、一時保存ジョブリスト画面312に封筒ジョブ枚数優先ボタンと中身ジョブ部数優先ボタンが表示される(ステップS1001)。図9aに、ステップS1001で表示される一時保存ジョブリスト画面312の一例を示す。図9aに示すように、ステップS1001においては、封筒ジョブ枚数優先ボタン312eと中身ジョブ部数優先ボタン312fが表示される。封筒ジョブ枚数優先ボタン312eは、封筒ジョブの1部分の出力枚数に中身ジョブの部数を合わせることを指示するためのボタンである。中身ジョブ部数優先ボタン312fは、中身ジョブの部数に封筒ジョブの枚数を合わせることを指示するためのボタンである。
【0072】
次いで、リンク設定された封筒ジョブの出力枚数と中身ジョブの部数に差異があるか否かが判断される(ステップS1002)。リンクされた封筒ジョブの出力枚数と中身ジョブの部数に差異がないと判断されると(ステップS1002;NO)、処理は図5のステップS111に移行する。
【0073】
リンク設定された封筒ジョブの出力枚数と中身ジョブの部数に差異があると判断されると(ステップS1002;YES)、操作部32により封筒ジョブ枚数優先ボタン312eが選択されたか否かが判断される(ステップS1003)。操作部32により封筒ジョブ枚数優先ボタン312eが選択されたと判断されると(ステップS1003;YES)、中身ジョブの部数が封筒ジョブの1部分の出力枚数に変更され(ステップS1004)、処理は図5のステップS111に移行する。
【0074】
一方、操作部32により封筒ジョブ枚数優先ボタン312eではなく、中身ジョブ枚数優先ボタン312fが選択されたと判断されると(ステップS1003;NO)、表示部31に、封筒ジョブの出力枚数が中身ジョブの部数と異なる旨を示す警告画面312gがポップアップ表示される(ステップS1005)。図9bに、ステップS1005において表示部31に表示される警告画面312gの一例を示す。封筒ジョブには宛名が存在するため、封筒の出力枚数は自動的に中身ジョブの部数に合わせることができない。そのため、中身ジョブ枚数優先ボタン312fが選択された場合には、ユーザーに設定の確認が促される。
【0075】
操作部32により「閉じる」ボタン312hが押下され、警告画面312gを閉じる指示が入力されると(ステップS1006;YES)、警告画面312gは閉じられ(ステップS1007)、処理は図5のステップS111に移行する。
この封筒ジョブと中身ジョブのリンク設定処理により、封筒ジョブの出力枚数と中身ジョブの部数とを連動させることができる。
【0076】
図5のステップS111においては、表示部31の表示がコピー設定画面に戻り、処理は図3のステップS4に移行する。
【0077】
図3のステップS4においては、操作部32によりコピー設定画面311からコピージョブに係る設定操作がなされたか否かが判断される(ステップS4)。操作部32によりコピー設定画面311からコピージョブに係る設定操作がなされていないと判断されると(ステップS4;NO)、処理はステップS12に移行する。
【0078】
操作部32によりコピー設定画面311からコピージョブに係る設定操作がなされたと判断されると(ステップS4;YES)、その操作がジョブ保存設定操作であるか否かが判断される(ステップS5)。その操作がジョブ保存設定操作である(操作部32により一時保存設定ボタン311bが押下された)と判断されると(ステップS5;YES)、今回新規に入力されるジョブに保存フラグ=1が設定され(RAM122にその旨が記憶され)(ステップS6)、処理はステップS12に移行する。
【0079】
一方、操作部32による操作がジョブ保存設定操作ではないと判断されると(ステップS5;NO)、操作に応じた設定内容が新規に入力されるジョブの印刷条件の設定情報としてRAM122に一時的に記憶される(ステップS7)。次いで、封筒ジョブが新規に設定されたか否かが判断される(ステップS8)。具体的には、給紙トレイ選択ボタン群311cから封筒が装填された給紙トレイが選択された場合、封筒ジョブが設定されたと判断される。封筒ジョブが新規に設定されていないと判断されると(ステップS8;NO)、処理はステップS12に移行する。封筒ジョブが新規に設定されたと判断されると(ステップS8;YES)、中身ジョブとのリンクを設定するか否かを問い合わせる問い合わせ画面311dが表示部31にポップアップ表示される。
図10に問い合わせ画面311dの一例を示す。図10に示すように、問い合わせ画面311dには、「紙種に封筒が設定されました。中身ジョブとのリンクを設定しますか」とのメッセージと、YESボタン311e、NOボタン311fが表示されている。
【0080】
操作部32によりYESボタン311eが操作されると(ステップS10;YES)、図5に示すコピー時リンク設定処理が実行され、操作部32の操作に応じて封筒ジョブと中身ジョブにリンクが設定され(ステップS11)、処理はステップS12に移行する。操作部32によりYESボタン311eが操作されると(ステップS10;NO)、処理はステップS12に移行する。
【0081】
ステップS12においては、操作部32のスタートボタンが操作されたか否かが判断される。操作部32のスタートボタンが操作されていないと判断されると(ステップS12;NO)、処理はステップS1に移行する。操作部32のスタートボタンが操作されたと判断されると(ステップS12;YES)、画像読取部20の原稿トレイに載置された原稿の画像が読み取られて画像データが取得される(ステップS13)。この画像データが今回新規で入力するジョブの画像データとなる。また、このとき、今回新規で入力するジョブに対してジョブIDが付与され、取得された画像データがジョブIDに対応付けてRAM122に一時的に記憶される。これにより、新規のジョブの入力が完了する。
【0082】
次いで、今回新規で入力されたジョブにリンクが設定されているか否かが判断される(ステップS14)。今回新規で入力されたジョブにリンクが設定されていないと判断されると(ステップS14;NO)、処理はステップS16に移行する。
今回新規で入力されたジョブにリンクが設定されていると判断されると(ステップS14;YES)、今回新規で入力されたジョブのジョブID及びリンク対象ジョブのジョブIDが対応付けてRAM122のリンク設定テーブル122aに記憶され(ステップS15)、処理はステップS16に移行する。
【0083】
ステップS16においては、予約ジョブ登録処理が実行される。
図11に、予約ジョブ登録処理のフローチャートを示す。本処理は、制御部110と不揮発メモリー121に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
まず、RAM122に記憶されているジョブの設定情報が参照され、予約登録するジョブが封筒ジョブであるか否かが判断される(ステップS201)。
【0084】
予約登録するジョブが封筒ジョブであると判断されると(ステップS201;YES)、現在封筒定着器である第2の定着ユニット632が装着されているか否かが判断される(ステップS202)。封筒定着器である第2の定着ユニット632が装着されていると判断されると(ステップS202;YES)、RAM122に一時記憶されている設定情報及びステップS13で取得された画像データが予約ジョブとして予約ジョブ領域に登録され(ステップS203)、本処理は終了する。現在通常定着器である第1の定着ユニット631が装着されていると判断されると(ステップS202;NO)、RAM122に一時記憶されている設定情報及びステップS13で取得された画像データが一時保存ジョブとしてRAM122の一時保存ジョブ領域に保存され(ステップS204)、本処理は終了する。即ち、今回新規に入力されたジョブが封筒ジョブであり、現在装着されている定着ユニットが通常定着器である場合は、一時保存され、別途印刷指示されなければ印刷されない。
【0085】
一方、予約登録するジョブが封筒ジョブではないと判断されると(ステップS201;NO)、現在封筒定着器である第2の定着ユニット632が装着されているか否かが判断される(ステップS205)。封筒定着器である第2の定着ユニット632が装着されていると判断されると(ステップS205;YES)、RAM122に一時記憶されている設定情報及びステップS13で取得された画像データが保存ジョブとしてRAM122の一時保存ジョブ領域に保存され(ステップS206)、本処理は終了する。現在通常定着器である第1の定着ユニット631が装着されていると判断されると(ステップS205;NO)、RAM122に一時記憶されている設定情報及びステップS13で取得された画像データが予約ジョブとして予約ジョブ領域に登録され(ステップS207)、本処理は終了する。
このように、予約ジョブ登録処理では、新規に入力されたジョブが装着されている定着ユニット63を使用して印刷可能であるか否かを確認し、印刷不可能である場合には、ジョブをすぐに実行される予約ジョブとして登録せずに、一時保存ジョブとして保存する。
【0086】
図3に戻り、予約ジョブ登録処理が終了すると、処理はステップS1に戻る。ジョブ新規登録処理は、コピーモードから他のモードへの移行が指示されるまで繰り返し実行される。
【0087】
〔保存ジョブ操作処理〕
次に、保存ジョブ操作処理について説明する。
図12a〜図12bに、保存ジョブ操作処理のフローチャートを示す。本処理は、操作部32からの一時保存ジョブリスト画面の表示指示操作に応じて制御部110と不揮発メモリー121に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0088】
まず、表示部31に一時保存ジョブリスト画面313が表示される(ステップS21)。
図13aに、一時保存ジョブリスト画面313の一例を示す。図13aに示すように、一時保存ジョブリスト画面312と同様に、一時保存ジョブリスト画面313には、ジョブ一覧表示欄313a、選択ジョブ詳細表示欄313b、詳細表示ボタン313c、リンク設定ボタン313dが設けられているほか、リンク対象選択ボタン313e、削除ボタン313f、出力ボタン313g等が設けられている。
リンク対象選択ボタン313eは、ジョブ一覧表示欄313aから選択されたジョブのリンク対象となっているジョブを選択状態にするためのボタンである。削除ボタン313fは、選択されたジョブの削除を指示するためのボタンである。出力ボタン313gは、選択されたジョブの印刷実行を指示するためのボタンである。
【0089】
次いで、ジョブ一覧表示欄312aから操作部32によりジョブが選択されたか否かが判断される(ステップS22)。ジョブが選択されていないと判断されると(ステップS22;NO)、処理はステップS24に移行する。
【0090】
一方、ステップS22において、ジョブが選択されたと判断されると(ステップS22;YES)、選択されたジョブが選択状態(反転表示)とされ(ステップS23)、処理はステップS24に移行する。なお、ステップS23においては、既に選択されているジョブが再度選択された場合は非選択状態に戻る。
【0091】
ステップS24においては、操作部32によりリンク対象選択ボタン313eが操作されたか否かが判断される。操作部32によりリンク対象選択ボタン313eが操作されたと判断されていないと判断されると(ステップS24;NO)、処理はステップS27に移行する。
【0092】
一方、ステップS24において、操作部32によりリンク対象選択ボタン313eが操作されたと判断されると(ステップS24;YES)、リンク設定テーブル122aが参照され、選択状態のジョブにリンクが設定されているか否かが判断される(ステップS25)。選択状態のジョブにリンクが設定されていないと判断されると(ステップS25;NO)、処理はステップS27に移行する。選択されているジョブにリンクが設定されていると判断されると(ステップS25;YES)、選択されているジョブのリンク対象ジョブが選択状態とされ(ステップS26)、処理はステップS27に移行する。なお、選択状態のジョブが複数存在する場合は、それぞれのジョブのリンク対象ジョブの全てが選択状態とされる。これにより、選択されたジョブに対してリンクが設定されているジョブをユーザーが容易に識別することが可能となる。
【0093】
ステップS27においては、操作部32により詳細表示ボタン313cが操作されたか否かが判断される(ステップS27)。操作部32により詳細表示ボタン313cが操作されていないと判断されると(ステップS27;NO)、処理はステップS29に移行する。操作部32により詳細表示ボタン313cが操作されたと判断されると(ステップS27;YES)、選択されたジョブの設定、ページ構成、印刷状況等の詳細が選択ジョブ詳細表示欄313bに表示され(ステップS28)、処理はステップS29に移行する。なお、複数のジョブが選択状態となっている場合には、図13bに示すように、選択状態のジョブのIDが表示されたポップアップ画面313hが一時保存ジョブリスト画面312上に表示され、表示されたジョブIDのうち、選択されたジョブIDのジョブの詳細情報が選択ジョブ詳細表示欄313bに表示される。
【0094】
ステップS29においては、操作部32によりリンク設定ボタン313dが操作されたか否かが判断される(ステップS29)。リンク設定ボタン313dが操作されていないと判断されると(ステップS29;NO)、処理はステップS31に移行する。リンク設定ボタン313dが操作されたと判断されると(ステップS29;YES)、リンク設定テーブル122aが更新され(ステップS30)、処理はステップS31に移行する。ステップS30においては、今回新規にリンクが設定されるジョブについての既存のリンクは全て解除され、新たにリンク設定が指示された内容に更新される。リンク解除する際には、印刷済みのジョブは削除してもよい。また、ステップS29がYESの場合は、封筒ジョブと中身ジョブがリンク設定されたか否かを判断し、封筒ジョブと中身ジョブがリンク設定された場合には図8の封筒ジョブ枚数と中身ジョブ部数の連動処理を実行することが好ましい。
【0095】
ステップS31においては、操作部32により削除ボタン313fが操作されたか否かが判断される(ステップS31)。操作部32により削除ボタン313fが操作されていないと判断されると(ステップS31;NO)、処理はステップS37に移行する。
【0096】
一方、ステップS31において、操作部32により削除ボタン313fが操作されたと判断されると(ステップS31;YES)、リンク設定テーブル122aが参照され、選択状態のジョブにリンクが設定されているか否かが判断される(ステップS32)。選択状態のジョブにリンクが設定されていないと判断されると(ステップS32;NO)、選択状態のジョブがRAM122の一時保存ジョブ領域から削除され(ステップS36)、処理はステップS37に移行する。選択状態のジョブにリンクが設定されていると判断されると(ステップS32;YES)、表示部31にリンクが設定されていることを示す警告画面がポップアップ表示される(ステップS33)。警告画面には、例えば、「選択されたジョブにはリンクが設定されています。削除を続行しますか」等のメッセージと、OKボタン、キャンセルボタンが表示される。操作部32により警告画面上からOKボタンが操作されると(ステップS34;OK)、リンク設定テーブル122aから選択状態のジョブのジョブIDが削除され(ステップS35)、RAM122の一時保存ジョブ領域から選択状態のジョブが削除され(ステップS36)、処理はステップS37に移行する。即ち、選択状態のジョブに対するリンク情報のレコードが削除されるとともに、他のジョブのリンク対象ジョブの欄からジョブIDが削除される。操作部32により警告画面上からキャンセルボタンが押下されたと判断されると(ステップS34;キャンセル)、処理はステップS37に移行する。
【0097】
ステップS37においては、操作部32により出力ボタン313gが操作されたか否かが判断される(ステップS37)。操作部32により出力ボタン313gが操作されていないと判断されると(ステップS37;NO)、処理はステップS43に移行する。
【0098】
一方、ステップS37において、操作部32により出力ボタン313gが操作されたと判断されると(ステップS37;YES)、選択状態のジョブがRAM122の予約ジョブ領域に登録される(ステップS38)。ステップS38においては、選択状態のジョブに対して、図11の予約ジョブ登録処理と同様の判断を行って予約することが好ましい。即ち、登録するジョブが封筒ジョブの場合、装着されている定着ユニット63が第2の定着ユニット632である場合は、RAM122の予約ジョブ領域に登録される。装着されている定着ユニット63が第1の定着ユニット631である場合は、予約登録は行われない。登録するジョブが封筒ジョブではない場合、装着されている定着ユニット63が第1の定着ユニット631である場合は、RAM122の予約ジョブ領域に登録される。装着されている定着ユニット63が第2の定着ユニット632である場合は、予約登録は行われない。予約登録が行われない場合、定着ユニットの交換を促す警告を表示部31に表示することが好ましい。なお、予約ジョブ領域に登録されたジョブは一時保存ジョブ領域からは削除される。
【0099】
次いで、リンク設定テーブル122aが参照され、未印刷のリンク対象ジョブが有るか否かが判断される(ステップS39)。未印刷のリンク対象ジョブがないと判断されると(ステップS39;NO)、処理はステップS43に移行する。未印刷のリンク対象ジョブがあると判断されると(ステップS39;YES)、表示部31に未印刷のリンク対象ジョブを印刷するか否かを問い合わせる画面がポップアップ表示される(ステップS40)。ステップS40で表示される問い合わせ画面には、例えば、「未印刷のリンク対象ジョブがあります。印刷しますか」等のメッセージと、YESボタン、NOボタンが表示される。操作部32により当該画面上からNOボタンが操作されると(ステップS41;NO)、処理はステップS43に移行する。YESボタンが操作されると(ステップS41;YES)、未印刷のリンク対象ジョブがRAM122の予約ジョブ領域に登録され(ステップS42)、処理はステップS43に移行する。なお、予約ジョブ領域に登録されたジョブは一時保存ジョブ領域からは削除される。
【0100】
ステップS43においては、操作部32により一時保存ジョブ画面133上からその他の操作が行われたか否かが判断される。その他の操作が行われていないと判断されると(ステップS43;NO)、処理はステップS22に戻る。その他の操作が行われたと判断されると(ステップS43;YES)、操作に応じた処理が実行され(ステップS44)、処理はステップS22に戻る。
この保存ジョブ操作処理は、保存ジョブリスト画面133から他の画面への移行が指示されるまで繰り返し実行される。
【0101】
〔印刷処理〕
次に、予約登録されたジョブを印刷する処理について説明する。
図14に、印刷処理のフローチャートを示す。本処理は、制御部110と不揮発メモリー121に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0102】
まず、RAM122の予約ジョブ領域が参照され、予約ジョブが存在するか否かが判断される(ステップS51)。予約ジョブが存在すると判断されると(ステップS51;YES)、プリント部40により当該ジョブに基づいて印刷が実行される(ステップS52)。
【0103】
次いで、印刷が実行されたジョブの保存フラグが1に設定されているか否かが判断される(ステップS53)。印刷が実行されたジョブの保存フラグが1に設定されていないと判断されると(ステップS53;NO)、処理はステップS55に移行する。印刷が実行されたジョブの保存フラグが1に設定されていると判断されると(ステップS53;YES)、当該ジョブがRAM122の一時保存ジョブ領域に保存され(ステップS54)、処理はステップS55に移行する。
【0104】
ステップS55においては、リンク設定テーブル122aにおける印刷されたジョブのステータスが「印刷済み」に設定される。そして、この印刷されたジョブにリンクが設定されているか否かが判断される(ステップS56)。この印刷されたジョブにリンクが設定されていないと判断されると(ステップS56;NO)、処理はステップS51に戻る。この印刷されたジョブにリンクが設定されていると判断されると(ステップS56;YES)、当該ジョブがRAM122の一時ジョブ保存領域に保存される(ステップS57)。そして、ポップアップ操作処理が実行される(ステップS58)。
【0105】
図15に、ステップS58において実行されるポップアップ操作処理のフローチャートを示す。本処理は、制御部110と不揮発メモリー121に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0106】
まず、表示部31に印刷完了を通知するポップアップ画面314がポップアップ表示される(ステップS301)。
図16に、ポップアップ画面314の一例を示す。図16に示すように、ポップアップ画面314には、「下記ジョブの印刷が完了しました。」というメッセージとともに、印刷完了ジョブ名、及び詳細ボタン314aが表示される。詳細ボタン314aは、印刷が完了したジョブの詳細情報(ジョブの印刷条件の設定、ページ構成等)の表示を指示するためのボタンである。
また、ポップアップ画面314には、「上記ジョブとリンクするジョブは以下のとおりです。」というメッセージとともに、未印刷のジョブ名の一覧と、ジョブ名の一覧から選択されたジョブの詳細情報の表示を指示するための詳細ボタン314bと、ジョブ名の一覧から選択されたジョブの印刷を指示するための印刷ボタン314cと、ジョブ名の一覧から選択されたジョブの削除を指示するための削除ボタン314dと、が表示される。また、リンク設定テーブル122aにおける印刷を完了したジョブの全てのリンク対象ジョブのステータスが印刷済みであった場合、「次の印刷に備えて未印刷にしますか」というメッセージとともに、印刷が完了したジョブのステータスを未印刷にする指示を行うための「未印刷に変更」ボタン314eが表示される。また、ポップアップ画面314を閉じる指示を行うための閉じるボタン314fが表示される。
【0107】
次いで、操作部32によりポップアップ画面314から詳細ボタン314a又は314bが操作されたか否かが判断される(ステップS302)。ポップアップ画面314から詳細ボタン314a又は314bの何れも操作されていないと判断されると(ステップS302;NO)、処理はステップS304に移行する。詳細ボタン314a又は314bが操作されたと判断されると(ステップS302;YES)、詳細ボタン314aが操作された場合には、印刷が完了したジョブの詳細情報が表示部31にポップアップ表示され、詳細ボタン314bが操作された場合には、選択されたリンク対象ジョブの詳細情報が表示部31にポップアップ表示され(ステップS303)、処理はステップS311に移行する。
【0108】
ステップS304においては、操作部32により印刷ボタン314cが操作されたか否かが判断される(ステップS304)。操作部32により印刷ボタン214cが操作されていないと判断されると(ステップS304;NO)、処理はステップS306に移行する。
操作部32により印刷ボタン214cが操作されたと判断されると(ステップS304;YES)、選択されたリンク対象ジョブがRAM122の予約ジョブ領域に登録され(ステップS305)、処理はステップS311に移行する。なお、印刷が完了したジョブのリンク対象ジョブ全てをまとめて予約ジョブ領域に登録してもよい。ステップS305においては、選択状態のジョブに対して、図11の予約登録処理と同様の判断を行って予約することが好ましい。即ち、登録するジョブが封筒ジョブの場合、装着されている定着ユニット63が第2の定着ユニット632である場合は、RAM122の予約ジョブ領域に登録される。装着されている定着ユニット63が第1の定着ユニット631である場合は、予約登録は行われない。登録するジョブが封筒ジョブではない場合、装着されている定着ユニット63が第1の定着ユニット631である場合は、RAM122の予約ジョブ領域に登録される。装着されている定着ユニット63が第2の定着ユニット632である場合は、予約登録は行われない。予約登録が行われない場合、定着ユニットの交換を促す警告を表示部31に表示することが好ましい。なお、予約ジョブ領域に登録されたジョブは一時保存ジョブ領域からは削除される。
【0109】
ステップS306においては、操作部32により削除ボタン314dが操作されたか否かが判断される(ステップS306)。削除ボタン314dが操作されていないと判断されると(ステップS306;NO)、処理はステップS309に移行する。
操作部32により削除ボタン314dが操作されたと判断されると(ステップS306;YES)、選択されたリンク対象ジョブがRAM122の一時保存ジョブ領域から削除される(ステップS307)。また、選択されたリンク対象ジョブ(削除対象ジョブ)に対するリンク情報のレコードが削除されるとともに、他のジョブのリンク対象ジョブの欄から削除対象ジョブのジョブIDが削除される(ステップS308)。そして、処理はステップS311に移行する。
【0110】
ステップS309においては、操作部32により「未印刷に変更」ボタン314eが操作されたか否かが判断される(ステップS309)。「未印刷に変更」ボタン314eが操作されていないと判断されると(ステップS309;NO)、処理はステップS311に移行する。操作部32により「未印刷に変更」ボタン314eが操作されたと判断されると(ステップS309;YES)、リンク設定テーブル122aにおける印刷完了ジョブ及びそのリンク対象ジョブのステータスが全て未印刷に変更され(ステップS310)、処理はステップS311に移行する。
【0111】
ステップS311においては、操作部32により閉じるボタン314fが操作されたか否かが判断される(ステップS311)。閉じるボタン314fが操作されていないと判断されると(ステップS311;NO)、処理はステップS302に戻る。閉じるボタン314fが操作されたと判断されると(ステップS311;YES)、ポップアップ画面314は閉じられ(ステップS312)、処理は図14のステップS51に戻る。
【0112】
〔定着ユニット交換時処理〕
次に、定着ユニット63の交換が検知された際に実行されるユニット交換時処理について説明する。
図17に、ユニット交換時処理のフローチャートを示す。本処理は、制御部110と不揮発メモリー121に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0113】
まず、封筒定着器である第2の定着ユニット632が装着されたか否かが判断される(ステップS61)。第2の定着ユニット632が装着されたと判断されると(ステップS61;YES)、リンク設定テーブル122a、及びRAM122の一時保存ジョブ領域に保存されているジョブの設定情報が参照され、未印刷かつリンクが設定された封筒ジョブが存在するか否かが判断される(ステップS62)。未印刷かつリンクが設定された封筒ジョブが存在しないと判断されると(ステップS62;NO)、本処理は終了する。
【0114】
未印刷かつリンクが設定された封筒ジョブが存在すると判断されると(ステップS62;YES)、その封筒ジョブにリンクされたジョブは全て印刷済みであるか否かが判断される(ステップS63)。その封筒ジョブにリンクされたジョブの全てが印刷済みではない(印刷されていないジョブがある)と判断されると(ステップS63;NO)、本処理は終了する。その封筒ジョブにリンクされたジョブは全て印刷済みであると判断されると(ステップS63;YES)、表示部31に、その封筒ジョブの印刷を行うか否かを問い合わせるための問い合わせ画面315がポップアップ表示される(ステップS64)。
【0115】
図18に、問い合わせ画面315の一例を示す。図18に示すように、問い合わせ画面315には、「封筒定着器への交換を検知しました」との封筒定着器に交換されたことをユーザーに通知するためのメッセージと、リンクされたジョブが全て印刷済みの、未印刷の封筒ジョブを実行するか否かを問い合わせるメッセージが表示される。また、該当する未印刷のジョブの詳細情報の表示を指示するための詳細ボタン315aと、印刷を実行する指示を入力するためのOKボタン315bと、印刷を実行しない指示を入力するためのキャンセルボタン315cが表示されている。操作部32により詳細ボタン315aが操作されると、未印刷の封筒ジョブであって、リンクされたジョブが全て印刷済みのジョブの詳細情報がリスト表示される。
【0116】
操作部32により問い合わせ画面315からキャンセルボタン315cが操作されると(ステップS65;キャンセル)、本処理は終了する。
操作部32により問い合わせ画面315からOKボタン315bが操作されると(ステップS65;OK)、未印刷かつ他のリンクされたジョブの全てが印刷完了している封筒ジョブの印刷が実行され(ステップS66)、本処理は終了する。
【0117】
一方、ステップS61において、第2の定着ユニット632が装着されていない(通常定着器である第1の定着ユニット631が装着された)と判断されると(ステップS61;NO)、リンク設定テーブル122a、及びRAM122の一時保存ジョブ領域に保存されているジョブの設定情報が参照され、未印刷かつリンクが設定された中身ジョブが存在するか否かが判断される(ステップS67)。未印刷かつリンクが設定された中身ジョブが存在しないと判断されると(ステップS67;NO)、本処理は終了する。
【0118】
未印刷かつリンクが設定された中身ジョブが存在すると判断されると(ステップS67;YES)、その中身ジョブにリンクされたジョブは全て印刷済みであるか否かが判断される(ステップS68)。その中身ジョブにリンクされたジョブの全てが印刷済みではない(印刷されていないジョブがある)と判断されると(ステップS68;NO)、本処理は終了する。その中身ジョブにリンクされたジョブは全て印刷済みであると判断されると(ステップS68;YES)、表示部31に、これらの中身ジョブの印刷を行うか否かを問い合わせるための問い合わせ画面がポップアップ表示される(ステップS69)。
ステップS69で表示される問い合わせ画面は、図18に示す問い合わせ画面315と表示される項目は同様である。即ち、「通常定着器への交換を検知しました」との通常定着器に交換されたことをユーザーに通知するためのメッセージと、リンクされたジョブが全て印刷済みの、未印刷の中身ジョブを実行するか否かを問い合わせるメッセージが表示される。また、該当する未印刷のジョブの詳細情報の表示を指示するための詳細ボタンと、印刷を実行する指示を入力するためのOKボタンと、印刷を実行しない指示を入力するためのキャンセルボタンが表示される。操作部32により詳細ボタンが操作されると、未印刷の中身ジョブであって、リンクされたジョブが全て印刷済みのジョブの詳細情報がリスト表示される。
【0119】
操作部32により、ステップS69において表示された問い合わせ画面のキャンセルボタンが操作されると(ステップS70;キャンセル)、本処理は終了する。
操作部32により、ステップS69において表示された問い合わせ画面のOKボタンが操作されると(ステップS70;OK)、未印刷かつ他のリンクされたジョブの全てが印刷完了している中身ジョブの印刷が実行され(ステップS71)、本処理は終了する。
【0120】
以上説明したように、画像形成装置1によれば、制御部110は、新規入力されるジョブとRAM122の一時保存ジョブ領域に保存されているジョブ、又は一時保存ジョブ領域に保存されているジョブ同士を個々に独立したジョブのまま互いに関連付け、ジョブの関連付けを示すリンク情報をリンク設定テーブル122aに記憶し、この記憶されたリンク情報に基づいて所定の動作制御を行う。
従って、複数のジョブを関連するジョブとして容易に管理することが可能となる。
【0121】
例えば、制御部110は、関連付けられたジョブをまとめてプリント部40により印刷させる。従って、ユーザーは、セット印刷に係る各ジョブについて個々にジョブの実行を指示する必要がなくなり、利便性が向上する。また、印刷漏れを防止することができる。
【0122】
また、制御部110は、RAM122の一時保存ジョブ領域に保存されたジョブの一覧である一時保存ジョブリストを表示部31に表示させ、表示された一時保存ジョブリストから操作部32によりジョブが選択されると、操作部32からの指示に応じて、選択されたジョブに関連付けられたジョブを識別可能に表示部31に表示させる。
従って、ユーザーは、一時保存ジョブリストから選択されたジョブに関連付けられたジョブを容易に認識することができる。
【0123】
また、制御部110は、一時保存ジョブリストから選択されたジョブに関連付けられたジョブの印刷状況を表示部31に表示させることができる。従って、ユーザーは、一時保存ジョブリストから選択されたジョブに関連付けられたジョブの印刷状況を容易に把握することができる。
【0124】
また、制御部110は、一時保存ジョブリストから操作部32により選択されたジョブに関連付けられたジョブを、操作部32からの指示に応じてまとめて予約登録し、プリント部40にまとめて印刷させることができる。従って、ユーザーは、セット印刷に係る各ジョブについて個々にジョブの実行を指示する必要がなくなり、利便性が向上する。また、印刷漏れを防止することができる。
【0125】
また、制御部110は、新規に入力されたジョブ又は一時保存ジョブ領域に保存されたジョブに基づく印刷時(印刷完了時)に、印刷対象のジョブに関連付けられたジョブの印刷を促す表示を表示部31に表示させる。従って、セット印刷などの場合に、印刷漏れを防止することができる。
【0126】
また、関連付けられたジョブに対し個々に独立して印刷条件を設定できるので、印刷条件が異なるジョブを関連付けることができる。
【0127】
また、例えば、封筒ジョブの印刷枚数と中身ジョブの出力部数のように、関連付けられたジョブのうちの一のジョブに設定された印刷条件に連動して他のジョブの印刷条件を設定することができるので、印刷条件を連動させるべき複数のジョブ間で印刷条件を一致させることができる。
【0128】
また、制御部110は、操作部32により一時保存ジョブ領域に保存された何れかのジョブの削除が指示された場合、当該削除対象のジョブに関連付けられたジョブがある場合には、警告を出力する。従って、ユーザーは、関連付けられたジョブがある状態で削除をすべきか否かを再度確認することが可能となる。
【0129】
例えば、画像形成装置1は、システム構成の変更が可能に構成され、制御部110は、第1のシステム構成で印刷可能なジョブと第2のシステム構成で印刷可能なジョブとを関連付けることができる。第1のシステム構成と第2のシステム構成は、例えば、封筒用定着器を装着したシステムと、封筒とは異なる用紙用の定着器を装着したシステムである。
第1のシステム構成から第2のシステム構成に変更されたとき、第2のシステム構成で印刷可能なジョブのうち、そのジョブに関連付けられている第1のシステム構成で印刷可能な全てのジョブの印刷が完了しているジョブの印刷を促す表示を表示部31に表示させることで、ユーザーはそのシステム構成で印刷すれば完了するセット印刷を漏れなく実施することが可能となる。
【0130】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る画像形成装置の好適な一例を示すものであり、これに限定されるものではない。
【0131】
例えば、本発明の上記実施の形態においては、第1のシステム構成と第2のシステム構成の例として、それぞれ封筒とは異なる用紙用と封筒用の定着ユニットを装着した場合を例にとり説明したが、これに限定されない。例えば、大量に同一サイズ(例えば、A4サイズ)を印刷した後、そのサイズよりも大きいサイズ(例えば、A3サイズ)を印刷すると、前ジョブ(上記のA4サイズ)の紙エッジの跡が大きいサイズの画像上にスジのように残ってしまう定着スジといわれる現象が起こることが知られている。これに対応するため、画像形成装置1において、小さい紙サイズ用(例えば、A4サイズ)の定着ユニットと大きい紙サイズ用(例えば、A3)サイズ用を装着可能とし、小さいサイズ用の定着ユニットを装着したシステム構成と大きいサイズ用の定着ユニットを装着したシステム構成が可能である場合にも、本発明を適用可能である。
【0132】
また、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として、ROM、不揮発性メモリー、ハードディスク等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0133】
その他、画像形成装置1の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0134】
1 画像形成装置
1a 本体部
1b プリンタコントローラー
2 外部装置
3 ネットワーク
11 コントローラー制御部
12 DRAM制御IC
13 画像メモリー
14 LANIF
20 画像読取部
21 スキャナー
30 操作表示部
31 表示部
311 コピー設定画面
312 一時保存ジョブリスト画面
313 一時保存ジョブリスト画面
32 操作部
40 プリント部
41 プリンタエンジン
63 定着ユニット
631 第1の定着ユニット
632 第2の定着ユニット
63a ポート
100 画像制御基板
110 制御部
121 不揮発メモリー
122 RAM
122a リンク設定テーブル
130 HDD
140 読取処理部
150 圧縮IC
160 DRAM制御IC
170 画像メモリー
171 圧縮メモリー
172 ページメモリー
180 伸張IC
190 書込処理部
200 画像読取制御部
300 操作表示制御部
400 プリント制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョブに基づいて印刷を行う印刷手段を備える画像形成装置において、
ジョブを入力するジョブ入力手段と、
前記ジョブ入力手段により入力されたジョブを保存するジョブ保存手段と、
前記ジョブ入力手段により新規入力されるジョブと前記ジョブ保存手段に保存されているジョブ、又は前記ジョブ保存手段に保存されているジョブ同士を個々に独立したジョブのまま互いに関連付けるリンク設定手段と、
前記リンク設定手段により設定されたジョブの関連付けを示すリンク情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されたリンク情報に基づいて所定の動作制御を行う制御手段と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、複数のリンク情報を記憶する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記関連付けられたジョブをまとめて前記印刷手段により印刷させる請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
操作手段と、
表示手段と、を備え、
前記制御手段は、前記ジョブ保存手段に保存されたジョブの一覧を前記表示手段に表示させ、前記ジョブの一覧から前記操作手段によりジョブが選択されると、前記選択されたジョブに関連付けられたジョブを識別可能に前記表示手段に表示させる請求項1〜3の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記選択されたジョブに関連付けられたジョブの印刷状況を前記表示手段に表示させる請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記ジョブ保存手段に保存されたジョブの一覧を前記表示手段に表示させ、前記ジョブの一覧から前記操作手段により選択されたジョブに関連付けられたジョブを、前記操作手段からの指示に応じて前記印刷手段にまとめて印刷させる請求項4又は5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記新規に入力されたジョブ又は前記ジョブ保存手段に保存されたジョブに基づく印刷時に、前記ジョブに関連付けられたジョブの印刷を促す表示を前記表示手段に表示させる請求項4又は5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記関連付けられたジョブに対し個々に独立して印刷条件を設定する設定手段を備える請求項1〜7の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記関連付けられたジョブのうちの一のジョブに設定された印刷条件に連動して他のジョブの印刷条件を設定する手段を有する請求項1〜7の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記操作手段により前記ジョブ保存手段に保存された何れかのジョブの削除が指示された場合、当該削除対象のジョブに関連付けられたジョブがある場合には、警告を出力する請求項1〜9の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記画像形成装置は、システム構成の変更が可能に構成され、
前記リンク設定手段は、第1のシステム構成で印刷可能なジョブと第2のシステム構成で印刷可能なジョブとを関連付ける請求項1〜10の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記第1のシステム構成から前記第2のシステム構成に変更されたとき、前記第2のシステム構成で印刷可能なジョブのうち、そのジョブに関連付けられている前記第1のシステム構成で印刷可能な全てのジョブの印刷が完了しているジョブの印刷を促す表示を前記表示手段に表示させる請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記第1のシステム構成は、封筒用定着器を装着したシステムであり、前記第2のシステム構成は、封筒とは異なる用紙用の定着器を装着したシステムである請求項11又は12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
封筒を印刷する封筒ジョブの印刷枚数と、封筒の中身を印刷する中身ジョブの部数を一致させて設定する手段を有する請求項13に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10】
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【図11】
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【図12a】
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【図12b】
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【図13a】
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【図13b】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−86285(P2013−86285A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226353(P2011−226353)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】