画像形成装置
【課題】無駄なインク消費量を減らしてランニングコストの削減を図り、かつ生産性を良化できる。
【解決手段】空気検知手段によってサブインクタンク内に空気が混入したことを検知した空気検知回数を計数する空気検知回数カウンタ101によって計数された空気検知回数が、装置が正常なときの空気混入の検知回数を含ませた所定の閾値に達したとき判断手段102によって装置に異常が生じたと判断し、その判断結果を判断結果出力手段103によって出力する。
【解決手段】空気検知手段によってサブインクタンク内に空気が混入したことを検知した空気検知回数を計数する空気検知回数カウンタ101によって計数された空気検知回数が、装置が正常なときの空気混入の検知回数を含ませた所定の閾値に達したとき判断手段102によって装置に異常が生じたと判断し、その判断結果を判断結果出力手段103によって出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置として用いるインクジェット記録装置では、インクを一時貯留するサブインクタンクであるヘッドタンクにメインインクタンクであるインクカートリッジからインクを供給するインク供給経路に空気が混入することがある。そして、インク供給経路に混入した空気はインクと共にインク供給経路を通ってヘッドタンクに運ばれる。その後、ヘッドタンク内の空気はヘッドタンクに連通している記録ヘッドの液室にもインクと共に侵入する。空気が記録ヘッドの液室に侵入してしまった場合、記録ヘッドの負圧が壊れ、記録ヘッドのノズルからのインクの垂れや吐出不良等の障害が発生する。インク供給経路に空気が混入する原因として、長時間の装置稼働に伴い、インクカートリッジとヘッドタンクとを連通するインク供給経路を構成するチューブのインクカートリッジやヘッドタンクとの連結部分の連結が緩み、その緩んだ連結部分から空気がチューブ内に混入する場合がある。あるいは、例えばインクカートリッジ交換後にヘッドタンクにインクを供給する場合ヘッドタンクに設けられた大気開放弁を開けたときにゴミが大気開放弁に付着し、その後大気開放弁が閉じようとしたときに付着したゴミによって大気開放弁と開口縁との間に隙間が生じその隙間から空気がヘッドタンク内に混入する場合がある。そのため、空気が記録ヘッドの液室へ侵入することを未然に防ぐことが重要となる。
【0003】
ヘッドタンク内に混入した空気を排出するために空気が混入したことを検出する方法が知られている。この空気が混入したことを検出する方法としては、ヘッドタンクに設けられている液面検出機構を利用する方法がある。この液面検知機構として特許文献1に記載のものが知られている。この特許文献1の液面検知機構ではヘッドタンク内のインク収納部を構成する上部内壁から下方に向かって2本の電極ピンが設けられている。そして、インク収納部にインクが供給されていくと2本の電極ピン間が導通となり、更にインクが供給されて液面が上昇していくと電極ピンをインクで覆われる面積が増加し電気伝導度の増加によって電極ピン間の電流値が大きくなる。逆に、インクが記録ヘッドから吐出されて減っていくと電極ピン間の電流値が小さくなっていく。電極ピン間の電流値を検出することによりインクの液面位置を検出している。所定量のインクをヘッドタンクに供給しているときにインク供給経路に空気が混入し、混入した空気がヘッドタンクのインク収納部に混入すると、ヘッドタンク内にインク液面の上方に空気が溜まりインクの液面が微少に下がる。このため、空気が混入することなく所定のインク量が消費されたときの電極ピンの電流値と、空気が混入して所定のインク量が消費されたときの電流値との間には差が生じる。この電流値の差異により、ヘッドタンクに空気が混入したことを検出している。その後、混入した空気は、ヘッドタンク内にインクを供給してヘッドタンク内の液面を上昇させてヘッドタンクの上部壁面に設けられた大気開放弁を開放してその開口から排出している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の空気検知方法では、装置が正常であって通常の動作であるインクカートリッジの交換時に発生する空気の混入も検知している。そして、混入した空気を排出する空気排出処理ではインクを若干であるが空気と共に上記開口から排出する。装置が異常でもない通常の動作であるインクカートリッジ交換による空気の混入を装置の異常による空気の混入とし上記空気排出処理を行うためインクを無駄に消費することになり、ランニングコストの高騰につながる。そして、装置の稼働を一時停止して空気排出処理を行うために装置本体を一時停止させるので生産性が悪化する。
【0005】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、記録ヘッドへの空気侵入による空気排出処理を少なくすることができると共に無駄なインク消費量を減らしてランニングコストの削減を図り、かつ生産性を良化できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、交換可能なメインインクタンクと、該メインインクタンクからのインクを一時貯留するサブインクタンクと、前記メインインクタンクから前記サブインクタンクへインクを送液するインク供給手段と、前記サブインクタンク内に空気が混入したことを検知する空気検知手段とを具備する画像形成装置において、前記空気検知手段によって前記サブインクタンク内に空気が混入したことを検知した空気検知回数を計数する空気検知回数計数手段と、該空気検知回数計数手段によって計数された前記空気検知回数と、装置の正常なときの空気混入の検知回数を含ませた所定の閾値とに基づいて装置に異常が生じたと判断する判断手段と、該判断手段の判断結果を出力する判断結果出力手段とを具備していることを特徴とするものである。
【0007】
本発明においては、装置が正常であるときに行われる、例えばインクカートリッジ交換の通常動作によっても空気がサブインクタンクに混入することがある。この通常動作による空気の混入回数を上記閾値に含ませる。そして、空気検知回数計数手段によって通常動作における空気混入と装置故障における空気混入を区別することなく空気が混入したことを検知した計数回数と上記閾値とを比較する。従来通常動作における空気混入の検知回数を含ませていない閾値では通常動作における空気混入の検知回数を含む検知回数とに基づいて誤判断していた。上記閾値は装置が正常であるときの通常動作による空気混入の検知回数を含んだ数値であるため、判断手段によって上記閾値を上回ってはじめて装置の異常を精度よく判断できる。そして、判断結果出力手段によって判断手段による判断結果が出力される。その後例えばその判断結果に基づいて空気排出を行ったり、装置の異常を修復する処理が必要に応じて行われたりする。これにより、記録ヘッドへの空気侵入による空気排出処理を少なくすることができることで無駄なインク消費量を減らしてランニングコストの削減を図ることができる。そして、上記空気排出処理の実行を最小限に抑えて、装置稼働の停止を減らすことで、生産性を良化することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、無駄なインク消費量を減らしてランニングコストの削減を図り、かつ生産性を良化できるという特有な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態のインクジェット記録装置におけるインク供給装置の一構成例を示す概略構成図である。
【図2】本インクジェット記録装置のヘッドタンクの構造を示す斜視図である。
【図3】本インクジェット記録装置におけるヘッドタンクへのインク供給の様子を説明する図である。
【図4】本インクジェット記録装置におけるヘッドタンクへのインク供給の様子を説明する図である。
【図5】本インクジェット記録装置におけるヘッドタンクへのインク供給の様子を説明する図である。
【図6】本インクジェット記録装置におけるヘッドタンクへのインク供給の様子を説明する図である。
【図7】本インクジェット記録装置における装置故障判断装置の構成例を示すブロック図である。
【図8】本インクジェット記録装置における装置故障警告発信手順の一例(以下第1例という)を示すフローチャートである。
【図9】インクカートリッジ交換時にインク供給経路やヘッドタンク内に空気が侵入する様子を説明する図である。
【図10】本インクジェット記録装置における装置故障警告手順の他の例(以下第2例という)を示すフローチャートである。
【図11】本インクジェット記録装置における装置故障警告手順の他の例(以下第3例という)を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を適用した画像形成装置の実施形態として、インクジェット記録装置の構成について説明する。
図1は本発明の実施形態のインクジェット記録装置におけるインク供給装置の一構成例を示す概略構成図である。このインク供給装置10では、メインインクタンクであるインクカートリッジ11からインク供給ユニット12を介してサブインクタンクであるヘッドタンク13にインクを供給する。そして、インク供給ユニット12はチューブポンプ12−1を備えており、ヘッドタンク13にインク供給チューブ14を介してインクを供給することもヘッドタンク13内のインクを吸引することもできる。
【0011】
図2は本実施形態のインクジェット記録装置におけるヘッドタンクの構造を示す斜視図である。このヘッドタンク13では、負圧レバー13−1がヘッドタンク内部に設けられている。そして、この負圧レバー13−1はフィルム13−2の外側面に付勢された状態で接しており軸回動するレバーである。この負圧レバー13−1は、フィルム13−2に付勢を与えるバネ(図示せず)によって負圧を生じているヘッドタンク内に収納されるインクの消費量に応じて変位するフィルム13−2の外側面の移動に追従して移動する。供給口13−3は図1のインクカートリッジ11からチューブポンプ12−1及びインク供給チューブ14を経てインクが供給される供給口である。また、大気開放ピン13−4はヘッドタンク内部を必要に応じて大気状態に開放するピンである。更に、インクの液面又は空気の混入を検知する電極ピンの検知機構13−5が設けられている。また、ヘッドタンク13の下方にはインク滴を噴射する記録ヘッド15が取り付けられている。
【0012】
図3〜図6は本インクジェット記録装置におけるヘッドタンクへのインク供給の様子を説明する概略図である。各図において、図2と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。図3のヘッドタンク13のインク収納部13−6にはインクが空になっている。このときのフィルム13−2はインク空の状態に萎んでおり、負圧レバー13−1もインク空の位置に位置している。そして、図4に示すように、ヘッドタンク13の大気開放弁13−4を開き、図示していないインクカートリッジから供給口13−3を介してインク20をインク収納部13−6に供給する。このとき、図4のフィルム13は付勢により外側に膨らみ、2つの負圧レバー13−1はそれぞれ外側に広がるように移動する。そして、インク20をインク収納部13−6に所定のインク液量の満タンまで供給した後、図5に示すように大気開放弁13−4を閉じる。このとき、弾性部材のバネ13−7によってフィルム13−2は外側に膨らもうとする。そして、図示していないチューブポンプによるインク吸引を行う。このため、図6に示すように、ヘッドタンク13のインク収納部13−6内は負圧状態となる。
【0013】
図7は本実施形態における装置故障判断装置の構成例を示すブロック図である。この装置故障判断装置100は、サブインクタンク内に空気が混入したことを検知した空気検知回数を計数する空気検知回数カウンタ101と、この空気検知回数カウンタ101によって計数された空気検知回数が装置の正常なときの空気混入の検知回数を含ませた所定の閾値に達したとき装置に異常が生じたと判断する判断手段102と、判断手段102の判断結果を出力する判断結果出力手段103とを具備している。そして、閾値は閾値メモリ104に格納されている。
【0014】
図8は本インクジェット記録装置における装置故障警告発信手順の一例(以下第1例という)を示すフローチャートである。
先ず、インクジェット記録装置が待機状態であるときに(ステップS101)、ヘッドタンク内のインク収納部への空気の混入を電極ピンによって検知すると、空気検知回数をカウントする空気検知回数カウンタのカウント値に+1を書込む(ステップS102、S103)。そして、この時の空気検知日時を空気検知日時メモリに上書きして記憶し、診断用空気検知回数をカウントする診断用空気検知回数カウンタのカウント値にも+1書込む(ステップS104、S105)。空気検知故障診断期間のタイマの計時を開始する(ステップS106)。ここで、空気検知回数カウンタ、空気検知日時メモリ、診断用空気検知回数カウンタ及びタイマは上位装置に具備されている。インクジェット記録装置を再び待機状態になった時ヘッドタンク内のインク収納部への空気の混入を電極ピンによって検知した場合(ステップS107、S108)、空気検知回数カウンタのカウント値に+1書込み(ステップS109)、この時、空気検知故障診断期間のタイマが10日間以上経過しているのか否かを判定する(ステップS110)。判定した結果診断期間10日間以上経過していたときは、診断用空気検知回数カウンタのカウント値を0にクリアし、かつ空気検知故障診断期間のタイマを0にクリアしてステップS105に戻る(ステップS110:YES、ステップS111、S112)。
【0015】
一方、判定した結果診断期間が10日間未満であれば診断用空気検知回数カウンタのカウント値を+1書込む(ステップS110:NO、ステップS113)。その診断用空気検知回数カウンタのカウント値が17回未満か否かを判定し(ステップS114)、判定結果が未だ17回未満であればステップS107に戻る(ステップS114:YES)。判定結果が17回以上であれば装置が故障していると判断してユーザに装置故障の警告を発する(ステップS114:NO、ステップS115)。第1例の動作フローでは空気検知回数カウンタ及び診断用空気検知回数カウンタの2つのカウンタを用いている。空気検知回数カウンタは延べ空気検知回数をカウントし、初期稼働からの空気検知回数カウンタであって、カウント値は装置のメンテナンス時に利用するカウント値であるので、図7の空気検知回数カウンタだけを用いて空気の混入をカウントしてもよい。インクカートリッジを交換する通常動作による空気であっても当然空気検知を行うため例えば閾値が、上述の、10日間で17回という通常動作による空気検知の頻度を加味した閾値に基づき装置故障の警告を発することにより、正常な装置でのインクカートリッジ交換などの通常動作による空気混入と、装置が故障したことによる空気混入とを区別して判断でき、装置故障検知の信頼性を高めることができる。判断の閾値は一例であり、必ずしもその閾値である必要は無い。空気混入の検知タイミングも印刷開始時又は印刷終了時などであってもよく、特に限定する必要も無い。判断基準として所定の診断期間を判断基準としているが、初期稼働からの装置稼働総時間、印刷総枚数やインク消費量を判断基準に用いてもよい。
【0016】
次に、通常動作であるインクカートリッジ交換時にインク供給経路やヘッドタンク内のインク収納部に空気が混入する様子を説明する。図9の(a)に示すようにメインタンクであるインクカートリッジ11から、インク供給ユニット12によってヘッドタンク13のインク収納部13−6にインク20を供給しながら印刷が行われ、やがてインクカートリッジ11及びインク収納部13−6も空になる。そして、図9の(b)に示すように、空となったインクカートリッジ11を交換のために取り外すと、インク供給経路内の負圧が開放され、インク供給針12−2をインクカートリッジ11の供給口11−1から外すと、空気がインク供給針12−2を介してインク供給経路内に取り込まれる。その後、図9の(c)に示すように、新たなインクカートリッジ11が装填されてインク供給ユニット12のチューブポンプ12−1を駆動させて新たなインクカートリッジ11からインクがヘッドタンク13のインク収納部13−6へ供給されると、インク供給経路内に混入した空気21がインクと共にインク収納部13−6内に供給される。通常の動作であるインクカートリッジ交換であるにもかかわらず、空気の混入であるため空気混入の検知が行われ空気検知回数としてカウントされる。このため、空気検知回数のカウント値には、通常動作による空気混入の検知回数も含まれることになり、これでは装置故障を判断する自己診断の精度や装置故障検知の信頼性を低下させることなる。しかし、図8に示す本インクジェット記録装置における装置故障警告発信手順の第1例のように通常動作による空気混入を加味した上で空気の混入を検知することでの装置故障の警告を発することで、自己診断の精度や装置故障検知の信頼性を向上させることができる。
【0017】
図10は本インクジェット記録装置における装置故障警告手順の他の例(以下第2例という)を示すフローチャートである。
先ず、インクジェット記録装置が待機状態であるときに(ステップS201)、ヘッドタンク内のインク収納部への空気の混入を電極ピンによって検知すると、空気検知回数カウンタのカウント値に+1書込む(ステップS202、S203)。そして、この時の空気検知日時を空気検知日時メモリに上書きして記憶し、診断用空気検知回数カウンタのカウント値にも+1書込む(ステップS204、S205)。空気検知故障診断期間のタイマの計時を開始する(ステップS206)。インクジェット記録装置を再び待機状態にした後ヘッドタンク内のインク収納部への空気の混入を電極ピンによって検知した場合(ステップS207、S208)、空気検知回数カウンタのカウント値に+1書込み(ステップS209)、該当するインク色のインクカートリッジが交換されたか否かを判定する(ステップS210)。インクカートリッジが交換された否かの検出はインクカートリッジに搭載された電子回路チップと装置本体側との間でやりとりされる信号に基づいて検出する。そして、インクカートリッジの交換がされていたときはステップS207に戻る(ステップS210:YES)。交換されていないときは、空気検知故障診断期間が10日間以上経過したのかを判定する(ステップS210:NO、ステップS211)。判定した結果診断期間10日間以上経過していたときは、診断用空気検知回数カウンタのカウント値を0にクリアし、かつ空気検知故障診断期間のタイマを0にクリアしてステップS205に戻る(ステップS211:YES、ステップS212、S213)。
【0018】
一方、判定した結果診断期間が10日間未満であれば診断用空気検知回数カウンタのカウント値を+1書込む(ステップS211:NO、ステップS214)。その診断用空気検知回数カウンタのカウント値が17回未満か否かを判定し(ステップS215)、判定結果が未だ17回未満であればステップS207に戻る(ステップS215:YES)。判定結果が17回以上であれば装置が故障していると判断してユーザに警告を発する(ステップS215:NO、ステップS216)。第2例では通常動作による空気混入であって空気検知を行われた回数は、診断用空気検知回数カウンタのカウント値には書込まれていない。このため、インクカートリッジ交換の通常動作が加味され、その上で装置故障の警告を発するので自己診断の精度や装置故障検知の信頼性を向上させることができる。
【0019】
図11は本インクジェット記録装置における装置故障警告手順の他の例(以下第3例という)を示すフローチャートである。
先ず、インクジェット記録装置が待機状態であるときに(ステップS301)、ヘッドタンク内のインク収納部への空気の混入を電極ピンによって検知すると、空気検知回数カウンタのカウント値に+1書込む(ステップS302、S303)。そして、この時の空気検知日時を空気検知日時メモリに上書きして記憶し、診断用空気検知回数カウンタのカウント値にも+1書込む(ステップS304、S305)。空気検知故障診断期間のタイマの計時を開始する(ステップS306)。インクジェット記録装置を再び待機状態にした後ヘッドタンク内のインク収納部への空気の混入を電極ピンによって検知した場合(ステップS307、S308)、空気検知回数カウンタのカウント値に+1書込み(ステップS309)、該当するインク色のインクカートリッジが交換されたか否かを判定する(ステップS310)。インクカートリッジの交換がされていたときはステップS307に戻る(ステップS310:YES)。交換されていないときは、該当インク色のインクカートリッジ交換後のインク供給量は2cc以上か否かを判定する(ステップS311)。2cc以上でなければ、診断期間が10日間以上経過したのかを判定する(ステップS311:NO、ステップS312)。判定した結果診断期間10日間以上経過していたときは、診断用空気検知回数カウンタのカウント値を0にクリアし、かつ空気検知故障診断期間のタイマを0にクリアしてステップS305に戻る(ステップS312:YES、ステップS313、S314)。
【0020】
そして、ステップS311で該当インク色のインクカートリッジ交換後のインク供給量は2cc以上であれば、インクカートリッジ交換によって混入した空気がヘッドタンク内に達して検知可能な箇所まで移動したこととし、当該インク色のインクカートリッジ交換後の空気検知回数の計数が1回目であるのかを判断する(ステップS311:YES、ステップS315)。つまり装置設置してインクカートリッジが装填されたときの空気検知の回数は装置異常判定に用いないことから、1回目であればステップS307に戻る(ステップS315:YES)。この処理により、インクジェット記録装置の初期時稼働におけるインクカートリッジ装填における空気混入であると判断して装置故障診断の対象としないようにする。次に、ステップS315においてインクカートリッジ交換後の空気検知回数の計数が1回目でなければ、診断期間が10日間以上経過したのかを判定する(ステップS315:NO、ステップS312)。判定した結果診断期間10日間以上経過していたときは、診断用空気検知回数カウンタのカウント値を0にクリアし、かつ空気検知故障診断期間のタイマを0にクリアしてステップS305に戻る(ステップS312:YES、ステップS313、S314)。一方、判定した結果診断期間が10日間未満であれば診断用空気検知回数カウンタのカウント値を+1書込む(ステップS312:NO、ステップS316)。その診断用空気検知回数カウンタのカウント値が17回未満か否かを判定し(ステップS317)、判定結果が未だ17回未満であればステップS307に戻る(ステップS317:YES)。判定結果が17回以上であれば装置が故障していると判断してユーザに警告を発する(ステップS317:NO、ステップS318)。
【0021】
第3例では、インクカートリッジ交換時に液面検知を診断検知回数に使用しない場合でインク供給経路内の容積を仮に2ccとし、供給経路内のインク供給量が既に送られているかどうかを判定した上で診断する。正常な空気検知はカートリッジ交換時にインク供給経路に侵入したものが空気検知される箇所まで到達したものだけである。そのため、交換されたインクカートリッジからのインク供給量がインクカートリッジと空気検知される箇所までの容量より多いという関係となるまでの空気検知は診断に使用されるべきものである。このような状態の場合はしばしば2度連続的に空気検知が発生する現象が見られる。そして、17回で10日間のような頻度であれば診断結果に大きな影響は与えないが、例えば2回で1日間のようにシビアに診断しようとする場合には効果的である。また、一度供給経路分の容量を供給してしまった後は、空気が混入することは通常動作上ありえないため、その後の検知は全て診断に使用することが可能である。1回目であるか否かの判定は、カートリッジではなく本体側で判定することが好ましい。それはインクカートリッジを再利用することもあるためである。
【0022】
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
空気検知手段によってサブインクタンク内に空気が混入したことを検知した空気検知回数を計数する空気検知回数計数手段と、該空気検知回数計数手段によって計数された空気検知回数と、装置が正常なときの空気混入の検知回数を含ませた所定の閾値とに基づいて装置に異常が生じたと判断する判断手段と、該判断手段の判断結果を出力する判断結果出力手段とを具備している。これによれば、上記実施形態について説明したように、装置が正常であるときに行われる、例えばインクカートリッジ11を交換したときも空気がヘッドタンク13に混入することがある。この通常動作による空気の混入回数を上記閾値に含ませる。そして、通常動作における空気混入と装置異常における空気混入を区別することなく空気が混入したことを検知した計数回数と上記閾値とを比較する。上記閾値は装置が正常であるときの通常動作による空気混入の検知回数を含んだ数値であるため、判断手段によって上記閾値を上回ってはじめて装置の異常を精度よく判断できる。これにより、記録ヘッドへの空気侵入による空気排出処理を少なくすることができることで無駄なインク消費量を減らしてランニングコストの削減を図ることができる。そして、上記空気排出処理の実行を最小限に抑えて、装置稼働の停止を減らすことで、生産性を良化することができる。
(態様B)
(態様A)において、所定の閾値は、所定の期間、所定の装置稼働時間、所定の出力枚数又は所定のインク消費液量に相当する回数である。これによれば、上記実施形態について説明したように、閾値が通常動作による空気の混入回数も考慮した閾値であることで、装置に異常が生じたことを精度よく判断できる。このため、装置に異常が生じた判断結果を出力することで、装置の故障検知に対する信頼性を高めることができる。
(態様C)
(態様A)又は(態様B)において、インク供給手段は所定のインク量を送液する駆動制御機構を備え、該駆動制御機構を用いて所定のインク量を送液した際にサブインクタンク内で所定のインク液面を検出できなかった場合駆動制御機構によりインクの送液を止めてメインインクタンクの交換を促す。これによれば、上記実施形態について説明したように、ヘッドタンク13のインク収納部13−2内で所定のインク液面を電極ピン13−5で検出できなかった場合チューブポンプ12−1によりインクの送液を止めてインクカートリッジ11のインクを使いきることができる。
(態様D)
(態様A)又は(態様B)において、インク供給手段は所定のインク量を送液する駆動制御機構を備え、該駆動制御機構を用いて所定のインク量を送液した際にサブインクタンク内の体積変化を検出できなかった場合駆動制御機構によりインクの送液を止めてメインインクタンクの交換を促す。これによれば、上記実施形態について説明したように、ヘッドタンク13のインク収納部13−2内の体積変化を負圧レバー13−1で検出できなかった場合チューブポンプ12−1によりインクの送液を止めてインクカートリッジ11のインクを使いきることができる。
(態様E)
(態様A)〜(態様D)のいずれかにおいて、装置の設置時メインインクタンクを装填した後の1回目の空気が混入したことの検知は装置異常判定に用いない。これによれば、上記実施形態について説明したように、インクカートリッジ11を交換したときの空気が混入したことの検知を異常判定に用いないことで判定精度を向上させることができる。
(態様F)
(態様A)〜(態様D)のいずれかにおいて、装置の設置時前記メインインクタンクを装填した後のメインインクタンクからサブインクタンクまでのインク供給経路の体積分のインクを送液した後の1回目の空気が混入したことの検知は装置異常判定に用いない。これによれば、上記実施形態について説明したように、インクカートリッジ11を交換した後に所定のインク液量をヘッドタンク13に供給したときの空気が混入したことの検知を異常判定に用いないことで判定精度を向上させることができる。
(態様G)
(態様A)〜(態様F)のいずれかにおいて、装置稼動日数を計数する稼動日数計数手段を備え、最初の空気が混入したことの検知時から稼動日数計数手段による計数を開始し、空気が混入したことの検知回数に対する稼動日数計数手段によって計数した稼動日数の比と所定値とに基づいて装置異常判定を行う。これによれば、上記実施形態について説明したように、インクジェット記録装置が稼働している延べ日数に対しての空気が混入したことの検知回数の比を所定値に比較することで判定精度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0023】
10 インクジェット記録装置
11 インクカートリッジ
12 インク供給ユニット
12−1 チューブポンプ
13 ヘッドタンク
13−1 負圧レバー
13−2 インク収納部
13−3 インク供給口
13−4 大気開放弁
13−5 電極ピン
13−6 インク収納部
13−7 バネ
14 インク供給チューブ
15 記録ヘッド
20 インク
21 空気
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】特開2010−052415号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置として用いるインクジェット記録装置では、インクを一時貯留するサブインクタンクであるヘッドタンクにメインインクタンクであるインクカートリッジからインクを供給するインク供給経路に空気が混入することがある。そして、インク供給経路に混入した空気はインクと共にインク供給経路を通ってヘッドタンクに運ばれる。その後、ヘッドタンク内の空気はヘッドタンクに連通している記録ヘッドの液室にもインクと共に侵入する。空気が記録ヘッドの液室に侵入してしまった場合、記録ヘッドの負圧が壊れ、記録ヘッドのノズルからのインクの垂れや吐出不良等の障害が発生する。インク供給経路に空気が混入する原因として、長時間の装置稼働に伴い、インクカートリッジとヘッドタンクとを連通するインク供給経路を構成するチューブのインクカートリッジやヘッドタンクとの連結部分の連結が緩み、その緩んだ連結部分から空気がチューブ内に混入する場合がある。あるいは、例えばインクカートリッジ交換後にヘッドタンクにインクを供給する場合ヘッドタンクに設けられた大気開放弁を開けたときにゴミが大気開放弁に付着し、その後大気開放弁が閉じようとしたときに付着したゴミによって大気開放弁と開口縁との間に隙間が生じその隙間から空気がヘッドタンク内に混入する場合がある。そのため、空気が記録ヘッドの液室へ侵入することを未然に防ぐことが重要となる。
【0003】
ヘッドタンク内に混入した空気を排出するために空気が混入したことを検出する方法が知られている。この空気が混入したことを検出する方法としては、ヘッドタンクに設けられている液面検出機構を利用する方法がある。この液面検知機構として特許文献1に記載のものが知られている。この特許文献1の液面検知機構ではヘッドタンク内のインク収納部を構成する上部内壁から下方に向かって2本の電極ピンが設けられている。そして、インク収納部にインクが供給されていくと2本の電極ピン間が導通となり、更にインクが供給されて液面が上昇していくと電極ピンをインクで覆われる面積が増加し電気伝導度の増加によって電極ピン間の電流値が大きくなる。逆に、インクが記録ヘッドから吐出されて減っていくと電極ピン間の電流値が小さくなっていく。電極ピン間の電流値を検出することによりインクの液面位置を検出している。所定量のインクをヘッドタンクに供給しているときにインク供給経路に空気が混入し、混入した空気がヘッドタンクのインク収納部に混入すると、ヘッドタンク内にインク液面の上方に空気が溜まりインクの液面が微少に下がる。このため、空気が混入することなく所定のインク量が消費されたときの電極ピンの電流値と、空気が混入して所定のインク量が消費されたときの電流値との間には差が生じる。この電流値の差異により、ヘッドタンクに空気が混入したことを検出している。その後、混入した空気は、ヘッドタンク内にインクを供給してヘッドタンク内の液面を上昇させてヘッドタンクの上部壁面に設けられた大気開放弁を開放してその開口から排出している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の空気検知方法では、装置が正常であって通常の動作であるインクカートリッジの交換時に発生する空気の混入も検知している。そして、混入した空気を排出する空気排出処理ではインクを若干であるが空気と共に上記開口から排出する。装置が異常でもない通常の動作であるインクカートリッジ交換による空気の混入を装置の異常による空気の混入とし上記空気排出処理を行うためインクを無駄に消費することになり、ランニングコストの高騰につながる。そして、装置の稼働を一時停止して空気排出処理を行うために装置本体を一時停止させるので生産性が悪化する。
【0005】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、記録ヘッドへの空気侵入による空気排出処理を少なくすることができると共に無駄なインク消費量を減らしてランニングコストの削減を図り、かつ生産性を良化できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、交換可能なメインインクタンクと、該メインインクタンクからのインクを一時貯留するサブインクタンクと、前記メインインクタンクから前記サブインクタンクへインクを送液するインク供給手段と、前記サブインクタンク内に空気が混入したことを検知する空気検知手段とを具備する画像形成装置において、前記空気検知手段によって前記サブインクタンク内に空気が混入したことを検知した空気検知回数を計数する空気検知回数計数手段と、該空気検知回数計数手段によって計数された前記空気検知回数と、装置の正常なときの空気混入の検知回数を含ませた所定の閾値とに基づいて装置に異常が生じたと判断する判断手段と、該判断手段の判断結果を出力する判断結果出力手段とを具備していることを特徴とするものである。
【0007】
本発明においては、装置が正常であるときに行われる、例えばインクカートリッジ交換の通常動作によっても空気がサブインクタンクに混入することがある。この通常動作による空気の混入回数を上記閾値に含ませる。そして、空気検知回数計数手段によって通常動作における空気混入と装置故障における空気混入を区別することなく空気が混入したことを検知した計数回数と上記閾値とを比較する。従来通常動作における空気混入の検知回数を含ませていない閾値では通常動作における空気混入の検知回数を含む検知回数とに基づいて誤判断していた。上記閾値は装置が正常であるときの通常動作による空気混入の検知回数を含んだ数値であるため、判断手段によって上記閾値を上回ってはじめて装置の異常を精度よく判断できる。そして、判断結果出力手段によって判断手段による判断結果が出力される。その後例えばその判断結果に基づいて空気排出を行ったり、装置の異常を修復する処理が必要に応じて行われたりする。これにより、記録ヘッドへの空気侵入による空気排出処理を少なくすることができることで無駄なインク消費量を減らしてランニングコストの削減を図ることができる。そして、上記空気排出処理の実行を最小限に抑えて、装置稼働の停止を減らすことで、生産性を良化することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、無駄なインク消費量を減らしてランニングコストの削減を図り、かつ生産性を良化できるという特有な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態のインクジェット記録装置におけるインク供給装置の一構成例を示す概略構成図である。
【図2】本インクジェット記録装置のヘッドタンクの構造を示す斜視図である。
【図3】本インクジェット記録装置におけるヘッドタンクへのインク供給の様子を説明する図である。
【図4】本インクジェット記録装置におけるヘッドタンクへのインク供給の様子を説明する図である。
【図5】本インクジェット記録装置におけるヘッドタンクへのインク供給の様子を説明する図である。
【図6】本インクジェット記録装置におけるヘッドタンクへのインク供給の様子を説明する図である。
【図7】本インクジェット記録装置における装置故障判断装置の構成例を示すブロック図である。
【図8】本インクジェット記録装置における装置故障警告発信手順の一例(以下第1例という)を示すフローチャートである。
【図9】インクカートリッジ交換時にインク供給経路やヘッドタンク内に空気が侵入する様子を説明する図である。
【図10】本インクジェット記録装置における装置故障警告手順の他の例(以下第2例という)を示すフローチャートである。
【図11】本インクジェット記録装置における装置故障警告手順の他の例(以下第3例という)を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を適用した画像形成装置の実施形態として、インクジェット記録装置の構成について説明する。
図1は本発明の実施形態のインクジェット記録装置におけるインク供給装置の一構成例を示す概略構成図である。このインク供給装置10では、メインインクタンクであるインクカートリッジ11からインク供給ユニット12を介してサブインクタンクであるヘッドタンク13にインクを供給する。そして、インク供給ユニット12はチューブポンプ12−1を備えており、ヘッドタンク13にインク供給チューブ14を介してインクを供給することもヘッドタンク13内のインクを吸引することもできる。
【0011】
図2は本実施形態のインクジェット記録装置におけるヘッドタンクの構造を示す斜視図である。このヘッドタンク13では、負圧レバー13−1がヘッドタンク内部に設けられている。そして、この負圧レバー13−1はフィルム13−2の外側面に付勢された状態で接しており軸回動するレバーである。この負圧レバー13−1は、フィルム13−2に付勢を与えるバネ(図示せず)によって負圧を生じているヘッドタンク内に収納されるインクの消費量に応じて変位するフィルム13−2の外側面の移動に追従して移動する。供給口13−3は図1のインクカートリッジ11からチューブポンプ12−1及びインク供給チューブ14を経てインクが供給される供給口である。また、大気開放ピン13−4はヘッドタンク内部を必要に応じて大気状態に開放するピンである。更に、インクの液面又は空気の混入を検知する電極ピンの検知機構13−5が設けられている。また、ヘッドタンク13の下方にはインク滴を噴射する記録ヘッド15が取り付けられている。
【0012】
図3〜図6は本インクジェット記録装置におけるヘッドタンクへのインク供給の様子を説明する概略図である。各図において、図2と同じ参照符号は同じ構成要素を示す。図3のヘッドタンク13のインク収納部13−6にはインクが空になっている。このときのフィルム13−2はインク空の状態に萎んでおり、負圧レバー13−1もインク空の位置に位置している。そして、図4に示すように、ヘッドタンク13の大気開放弁13−4を開き、図示していないインクカートリッジから供給口13−3を介してインク20をインク収納部13−6に供給する。このとき、図4のフィルム13は付勢により外側に膨らみ、2つの負圧レバー13−1はそれぞれ外側に広がるように移動する。そして、インク20をインク収納部13−6に所定のインク液量の満タンまで供給した後、図5に示すように大気開放弁13−4を閉じる。このとき、弾性部材のバネ13−7によってフィルム13−2は外側に膨らもうとする。そして、図示していないチューブポンプによるインク吸引を行う。このため、図6に示すように、ヘッドタンク13のインク収納部13−6内は負圧状態となる。
【0013】
図7は本実施形態における装置故障判断装置の構成例を示すブロック図である。この装置故障判断装置100は、サブインクタンク内に空気が混入したことを検知した空気検知回数を計数する空気検知回数カウンタ101と、この空気検知回数カウンタ101によって計数された空気検知回数が装置の正常なときの空気混入の検知回数を含ませた所定の閾値に達したとき装置に異常が生じたと判断する判断手段102と、判断手段102の判断結果を出力する判断結果出力手段103とを具備している。そして、閾値は閾値メモリ104に格納されている。
【0014】
図8は本インクジェット記録装置における装置故障警告発信手順の一例(以下第1例という)を示すフローチャートである。
先ず、インクジェット記録装置が待機状態であるときに(ステップS101)、ヘッドタンク内のインク収納部への空気の混入を電極ピンによって検知すると、空気検知回数をカウントする空気検知回数カウンタのカウント値に+1を書込む(ステップS102、S103)。そして、この時の空気検知日時を空気検知日時メモリに上書きして記憶し、診断用空気検知回数をカウントする診断用空気検知回数カウンタのカウント値にも+1書込む(ステップS104、S105)。空気検知故障診断期間のタイマの計時を開始する(ステップS106)。ここで、空気検知回数カウンタ、空気検知日時メモリ、診断用空気検知回数カウンタ及びタイマは上位装置に具備されている。インクジェット記録装置を再び待機状態になった時ヘッドタンク内のインク収納部への空気の混入を電極ピンによって検知した場合(ステップS107、S108)、空気検知回数カウンタのカウント値に+1書込み(ステップS109)、この時、空気検知故障診断期間のタイマが10日間以上経過しているのか否かを判定する(ステップS110)。判定した結果診断期間10日間以上経過していたときは、診断用空気検知回数カウンタのカウント値を0にクリアし、かつ空気検知故障診断期間のタイマを0にクリアしてステップS105に戻る(ステップS110:YES、ステップS111、S112)。
【0015】
一方、判定した結果診断期間が10日間未満であれば診断用空気検知回数カウンタのカウント値を+1書込む(ステップS110:NO、ステップS113)。その診断用空気検知回数カウンタのカウント値が17回未満か否かを判定し(ステップS114)、判定結果が未だ17回未満であればステップS107に戻る(ステップS114:YES)。判定結果が17回以上であれば装置が故障していると判断してユーザに装置故障の警告を発する(ステップS114:NO、ステップS115)。第1例の動作フローでは空気検知回数カウンタ及び診断用空気検知回数カウンタの2つのカウンタを用いている。空気検知回数カウンタは延べ空気検知回数をカウントし、初期稼働からの空気検知回数カウンタであって、カウント値は装置のメンテナンス時に利用するカウント値であるので、図7の空気検知回数カウンタだけを用いて空気の混入をカウントしてもよい。インクカートリッジを交換する通常動作による空気であっても当然空気検知を行うため例えば閾値が、上述の、10日間で17回という通常動作による空気検知の頻度を加味した閾値に基づき装置故障の警告を発することにより、正常な装置でのインクカートリッジ交換などの通常動作による空気混入と、装置が故障したことによる空気混入とを区別して判断でき、装置故障検知の信頼性を高めることができる。判断の閾値は一例であり、必ずしもその閾値である必要は無い。空気混入の検知タイミングも印刷開始時又は印刷終了時などであってもよく、特に限定する必要も無い。判断基準として所定の診断期間を判断基準としているが、初期稼働からの装置稼働総時間、印刷総枚数やインク消費量を判断基準に用いてもよい。
【0016】
次に、通常動作であるインクカートリッジ交換時にインク供給経路やヘッドタンク内のインク収納部に空気が混入する様子を説明する。図9の(a)に示すようにメインタンクであるインクカートリッジ11から、インク供給ユニット12によってヘッドタンク13のインク収納部13−6にインク20を供給しながら印刷が行われ、やがてインクカートリッジ11及びインク収納部13−6も空になる。そして、図9の(b)に示すように、空となったインクカートリッジ11を交換のために取り外すと、インク供給経路内の負圧が開放され、インク供給針12−2をインクカートリッジ11の供給口11−1から外すと、空気がインク供給針12−2を介してインク供給経路内に取り込まれる。その後、図9の(c)に示すように、新たなインクカートリッジ11が装填されてインク供給ユニット12のチューブポンプ12−1を駆動させて新たなインクカートリッジ11からインクがヘッドタンク13のインク収納部13−6へ供給されると、インク供給経路内に混入した空気21がインクと共にインク収納部13−6内に供給される。通常の動作であるインクカートリッジ交換であるにもかかわらず、空気の混入であるため空気混入の検知が行われ空気検知回数としてカウントされる。このため、空気検知回数のカウント値には、通常動作による空気混入の検知回数も含まれることになり、これでは装置故障を判断する自己診断の精度や装置故障検知の信頼性を低下させることなる。しかし、図8に示す本インクジェット記録装置における装置故障警告発信手順の第1例のように通常動作による空気混入を加味した上で空気の混入を検知することでの装置故障の警告を発することで、自己診断の精度や装置故障検知の信頼性を向上させることができる。
【0017】
図10は本インクジェット記録装置における装置故障警告手順の他の例(以下第2例という)を示すフローチャートである。
先ず、インクジェット記録装置が待機状態であるときに(ステップS201)、ヘッドタンク内のインク収納部への空気の混入を電極ピンによって検知すると、空気検知回数カウンタのカウント値に+1書込む(ステップS202、S203)。そして、この時の空気検知日時を空気検知日時メモリに上書きして記憶し、診断用空気検知回数カウンタのカウント値にも+1書込む(ステップS204、S205)。空気検知故障診断期間のタイマの計時を開始する(ステップS206)。インクジェット記録装置を再び待機状態にした後ヘッドタンク内のインク収納部への空気の混入を電極ピンによって検知した場合(ステップS207、S208)、空気検知回数カウンタのカウント値に+1書込み(ステップS209)、該当するインク色のインクカートリッジが交換されたか否かを判定する(ステップS210)。インクカートリッジが交換された否かの検出はインクカートリッジに搭載された電子回路チップと装置本体側との間でやりとりされる信号に基づいて検出する。そして、インクカートリッジの交換がされていたときはステップS207に戻る(ステップS210:YES)。交換されていないときは、空気検知故障診断期間が10日間以上経過したのかを判定する(ステップS210:NO、ステップS211)。判定した結果診断期間10日間以上経過していたときは、診断用空気検知回数カウンタのカウント値を0にクリアし、かつ空気検知故障診断期間のタイマを0にクリアしてステップS205に戻る(ステップS211:YES、ステップS212、S213)。
【0018】
一方、判定した結果診断期間が10日間未満であれば診断用空気検知回数カウンタのカウント値を+1書込む(ステップS211:NO、ステップS214)。その診断用空気検知回数カウンタのカウント値が17回未満か否かを判定し(ステップS215)、判定結果が未だ17回未満であればステップS207に戻る(ステップS215:YES)。判定結果が17回以上であれば装置が故障していると判断してユーザに警告を発する(ステップS215:NO、ステップS216)。第2例では通常動作による空気混入であって空気検知を行われた回数は、診断用空気検知回数カウンタのカウント値には書込まれていない。このため、インクカートリッジ交換の通常動作が加味され、その上で装置故障の警告を発するので自己診断の精度や装置故障検知の信頼性を向上させることができる。
【0019】
図11は本インクジェット記録装置における装置故障警告手順の他の例(以下第3例という)を示すフローチャートである。
先ず、インクジェット記録装置が待機状態であるときに(ステップS301)、ヘッドタンク内のインク収納部への空気の混入を電極ピンによって検知すると、空気検知回数カウンタのカウント値に+1書込む(ステップS302、S303)。そして、この時の空気検知日時を空気検知日時メモリに上書きして記憶し、診断用空気検知回数カウンタのカウント値にも+1書込む(ステップS304、S305)。空気検知故障診断期間のタイマの計時を開始する(ステップS306)。インクジェット記録装置を再び待機状態にした後ヘッドタンク内のインク収納部への空気の混入を電極ピンによって検知した場合(ステップS307、S308)、空気検知回数カウンタのカウント値に+1書込み(ステップS309)、該当するインク色のインクカートリッジが交換されたか否かを判定する(ステップS310)。インクカートリッジの交換がされていたときはステップS307に戻る(ステップS310:YES)。交換されていないときは、該当インク色のインクカートリッジ交換後のインク供給量は2cc以上か否かを判定する(ステップS311)。2cc以上でなければ、診断期間が10日間以上経過したのかを判定する(ステップS311:NO、ステップS312)。判定した結果診断期間10日間以上経過していたときは、診断用空気検知回数カウンタのカウント値を0にクリアし、かつ空気検知故障診断期間のタイマを0にクリアしてステップS305に戻る(ステップS312:YES、ステップS313、S314)。
【0020】
そして、ステップS311で該当インク色のインクカートリッジ交換後のインク供給量は2cc以上であれば、インクカートリッジ交換によって混入した空気がヘッドタンク内に達して検知可能な箇所まで移動したこととし、当該インク色のインクカートリッジ交換後の空気検知回数の計数が1回目であるのかを判断する(ステップS311:YES、ステップS315)。つまり装置設置してインクカートリッジが装填されたときの空気検知の回数は装置異常判定に用いないことから、1回目であればステップS307に戻る(ステップS315:YES)。この処理により、インクジェット記録装置の初期時稼働におけるインクカートリッジ装填における空気混入であると判断して装置故障診断の対象としないようにする。次に、ステップS315においてインクカートリッジ交換後の空気検知回数の計数が1回目でなければ、診断期間が10日間以上経過したのかを判定する(ステップS315:NO、ステップS312)。判定した結果診断期間10日間以上経過していたときは、診断用空気検知回数カウンタのカウント値を0にクリアし、かつ空気検知故障診断期間のタイマを0にクリアしてステップS305に戻る(ステップS312:YES、ステップS313、S314)。一方、判定した結果診断期間が10日間未満であれば診断用空気検知回数カウンタのカウント値を+1書込む(ステップS312:NO、ステップS316)。その診断用空気検知回数カウンタのカウント値が17回未満か否かを判定し(ステップS317)、判定結果が未だ17回未満であればステップS307に戻る(ステップS317:YES)。判定結果が17回以上であれば装置が故障していると判断してユーザに警告を発する(ステップS317:NO、ステップS318)。
【0021】
第3例では、インクカートリッジ交換時に液面検知を診断検知回数に使用しない場合でインク供給経路内の容積を仮に2ccとし、供給経路内のインク供給量が既に送られているかどうかを判定した上で診断する。正常な空気検知はカートリッジ交換時にインク供給経路に侵入したものが空気検知される箇所まで到達したものだけである。そのため、交換されたインクカートリッジからのインク供給量がインクカートリッジと空気検知される箇所までの容量より多いという関係となるまでの空気検知は診断に使用されるべきものである。このような状態の場合はしばしば2度連続的に空気検知が発生する現象が見られる。そして、17回で10日間のような頻度であれば診断結果に大きな影響は与えないが、例えば2回で1日間のようにシビアに診断しようとする場合には効果的である。また、一度供給経路分の容量を供給してしまった後は、空気が混入することは通常動作上ありえないため、その後の検知は全て診断に使用することが可能である。1回目であるか否かの判定は、カートリッジではなく本体側で判定することが好ましい。それはインクカートリッジを再利用することもあるためである。
【0022】
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
空気検知手段によってサブインクタンク内に空気が混入したことを検知した空気検知回数を計数する空気検知回数計数手段と、該空気検知回数計数手段によって計数された空気検知回数と、装置が正常なときの空気混入の検知回数を含ませた所定の閾値とに基づいて装置に異常が生じたと判断する判断手段と、該判断手段の判断結果を出力する判断結果出力手段とを具備している。これによれば、上記実施形態について説明したように、装置が正常であるときに行われる、例えばインクカートリッジ11を交換したときも空気がヘッドタンク13に混入することがある。この通常動作による空気の混入回数を上記閾値に含ませる。そして、通常動作における空気混入と装置異常における空気混入を区別することなく空気が混入したことを検知した計数回数と上記閾値とを比較する。上記閾値は装置が正常であるときの通常動作による空気混入の検知回数を含んだ数値であるため、判断手段によって上記閾値を上回ってはじめて装置の異常を精度よく判断できる。これにより、記録ヘッドへの空気侵入による空気排出処理を少なくすることができることで無駄なインク消費量を減らしてランニングコストの削減を図ることができる。そして、上記空気排出処理の実行を最小限に抑えて、装置稼働の停止を減らすことで、生産性を良化することができる。
(態様B)
(態様A)において、所定の閾値は、所定の期間、所定の装置稼働時間、所定の出力枚数又は所定のインク消費液量に相当する回数である。これによれば、上記実施形態について説明したように、閾値が通常動作による空気の混入回数も考慮した閾値であることで、装置に異常が生じたことを精度よく判断できる。このため、装置に異常が生じた判断結果を出力することで、装置の故障検知に対する信頼性を高めることができる。
(態様C)
(態様A)又は(態様B)において、インク供給手段は所定のインク量を送液する駆動制御機構を備え、該駆動制御機構を用いて所定のインク量を送液した際にサブインクタンク内で所定のインク液面を検出できなかった場合駆動制御機構によりインクの送液を止めてメインインクタンクの交換を促す。これによれば、上記実施形態について説明したように、ヘッドタンク13のインク収納部13−2内で所定のインク液面を電極ピン13−5で検出できなかった場合チューブポンプ12−1によりインクの送液を止めてインクカートリッジ11のインクを使いきることができる。
(態様D)
(態様A)又は(態様B)において、インク供給手段は所定のインク量を送液する駆動制御機構を備え、該駆動制御機構を用いて所定のインク量を送液した際にサブインクタンク内の体積変化を検出できなかった場合駆動制御機構によりインクの送液を止めてメインインクタンクの交換を促す。これによれば、上記実施形態について説明したように、ヘッドタンク13のインク収納部13−2内の体積変化を負圧レバー13−1で検出できなかった場合チューブポンプ12−1によりインクの送液を止めてインクカートリッジ11のインクを使いきることができる。
(態様E)
(態様A)〜(態様D)のいずれかにおいて、装置の設置時メインインクタンクを装填した後の1回目の空気が混入したことの検知は装置異常判定に用いない。これによれば、上記実施形態について説明したように、インクカートリッジ11を交換したときの空気が混入したことの検知を異常判定に用いないことで判定精度を向上させることができる。
(態様F)
(態様A)〜(態様D)のいずれかにおいて、装置の設置時前記メインインクタンクを装填した後のメインインクタンクからサブインクタンクまでのインク供給経路の体積分のインクを送液した後の1回目の空気が混入したことの検知は装置異常判定に用いない。これによれば、上記実施形態について説明したように、インクカートリッジ11を交換した後に所定のインク液量をヘッドタンク13に供給したときの空気が混入したことの検知を異常判定に用いないことで判定精度を向上させることができる。
(態様G)
(態様A)〜(態様F)のいずれかにおいて、装置稼動日数を計数する稼動日数計数手段を備え、最初の空気が混入したことの検知時から稼動日数計数手段による計数を開始し、空気が混入したことの検知回数に対する稼動日数計数手段によって計数した稼動日数の比と所定値とに基づいて装置異常判定を行う。これによれば、上記実施形態について説明したように、インクジェット記録装置が稼働している延べ日数に対しての空気が混入したことの検知回数の比を所定値に比較することで判定精度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0023】
10 インクジェット記録装置
11 インクカートリッジ
12 インク供給ユニット
12−1 チューブポンプ
13 ヘッドタンク
13−1 負圧レバー
13−2 インク収納部
13−3 インク供給口
13−4 大気開放弁
13−5 電極ピン
13−6 インク収納部
13−7 バネ
14 インク供給チューブ
15 記録ヘッド
20 インク
21 空気
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】特開2010−052415号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換可能なメインインクタンクと、該メインインクタンクからのインクを一時貯留するサブインクタンクと、前記メインインクタンクから前記サブインクタンクへインクを送液するインク供給手段と、前記サブインクタンク内に空気が混入したことを検知する空気検知手段とを具備する画像形成装置において、
前記空気検知手段によって前記サブインクタンク内に空気が混入したことを検知した空気検知回数を計数する空気検知回数計数手段と、
該空気検知回数計数手段によって計数された前記空気検知回数と、装置の正常なときの空気混入の検知回数を含ませた所定の閾値とに基づいて装置に異常が生じたと判断する判断手段と、
該判断手段の判断結果を出力する判断結果出力手段と
を具備していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記所定の閾値は、所定の期間、所定の装置稼働時間、所定の出力枚数又は所定のインク消費液量に相当する回数に基づき装置の正常なときの空気混入の検知回数を含ませた回数であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記インク供給手段は所定のインク量を送液する駆動制御機構を備え、該駆動制御機構を用いて所定のインク量を送液した際に前記サブインクタンク内で所定のインク液面を検出できなかった場合前記駆動制御機構によりインクの送液を止めて前記メインインクタンクの交換を促すことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記インク供給手段は所定のインク量を送液する駆動制御機構を備え、該駆動制御機構を用いて所定のインク量を送液した際に前記サブインクタンク内の体積変化を検出できなかった場合前記駆動制御機構によりインクの送液を止めて前記メインインクタンクの交換を促すことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置において、
装置の設置時前記メインインクタンクを装填した後の1回目の空気が混入したことの検知は装置異常判定に用いないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置において、
装置の設置時前記メインインクタンクを装填した後前記メインインクタンクから前記サブインクタンクまでのインク供給経路の体積分のインクを送液した後の1回目の空気が混入したことの検知は装置異常判定に用いないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置において、
装置稼動日数を計数する稼動日数計数手段を備え、最初の空気が混入したことの検知時から前記稼動日数計数手段による計数を開始し、空気が混入したことの検知回数に対する前記稼動日数計数手段によって計数した稼動日数の比と所定値とに基づいて装置異常判定を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
交換可能なメインインクタンクと、該メインインクタンクからのインクを一時貯留するサブインクタンクと、前記メインインクタンクから前記サブインクタンクへインクを送液するインク供給手段と、前記サブインクタンク内に空気が混入したことを検知する空気検知手段とを具備する画像形成装置において、
前記空気検知手段によって前記サブインクタンク内に空気が混入したことを検知した空気検知回数を計数する空気検知回数計数手段と、
該空気検知回数計数手段によって計数された前記空気検知回数と、装置の正常なときの空気混入の検知回数を含ませた所定の閾値とに基づいて装置に異常が生じたと判断する判断手段と、
該判断手段の判断結果を出力する判断結果出力手段と
を具備していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記所定の閾値は、所定の期間、所定の装置稼働時間、所定の出力枚数又は所定のインク消費液量に相当する回数に基づき装置の正常なときの空気混入の検知回数を含ませた回数であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記インク供給手段は所定のインク量を送液する駆動制御機構を備え、該駆動制御機構を用いて所定のインク量を送液した際に前記サブインクタンク内で所定のインク液面を検出できなかった場合前記駆動制御機構によりインクの送液を止めて前記メインインクタンクの交換を促すことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記インク供給手段は所定のインク量を送液する駆動制御機構を備え、該駆動制御機構を用いて所定のインク量を送液した際に前記サブインクタンク内の体積変化を検出できなかった場合前記駆動制御機構によりインクの送液を止めて前記メインインクタンクの交換を促すことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置において、
装置の設置時前記メインインクタンクを装填した後の1回目の空気が混入したことの検知は装置異常判定に用いないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置において、
装置の設置時前記メインインクタンクを装填した後前記メインインクタンクから前記サブインクタンクまでのインク供給経路の体積分のインクを送液した後の1回目の空気が混入したことの検知は装置異常判定に用いないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置において、
装置稼動日数を計数する稼動日数計数手段を備え、最初の空気が混入したことの検知時から前記稼動日数計数手段による計数を開始し、空気が混入したことの検知回数に対する前記稼動日数計数手段によって計数した稼動日数の比と所定値とに基づいて装置異常判定を行うことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−86320(P2013−86320A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227585(P2011−227585)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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