説明

画像投射装置、その制御方法、制御プログラム

【課題】リセット後にフォーカスレンズを精度良くリセット前の合焦状態を維持する位置に復帰させることが可能な画像投射装置を提供すること
【解決手段】プロジェクタ100は、投射レンズ111の光軸上に設定された設定位置からフォーカスレンズ111aが入力操作に基づいて移動された基準位置までの基準移動量Fと基準位置まで移動された時の基準温度Cを記憶する記憶部104と、フォーカスレンズをリセット時に退避した位置から復帰する際に、リセット時の温度と基準温度Cとの差分に対応する補正移動量Bを基準移動量に加えた移動量だけフォーカスレンズを設定位置から移動させるように駆動部101を制御する制御部105と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶プロジェクタなどの画像投射装置、その制御方法および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが投射レンズのフォーカスレンズを合焦位置に移動させた後で温度が変化した場合、フォーカスレンズを温度変化分に応じた量だけ光軸方向に移動して合焦状態を維持する温度補正機能を備えた画像投射装置は知られている。一方、再起動等のリセットの後でリセット前の合焦位置にフォーカスレンズを復帰させるリセット機能を有する画像投射装置も知られている。例えば、特許文献1は、リセット時に撮影レンズを合焦位置からメカ端まで移動して再び合焦位置まで戻す際に合焦位置からメカ端までの移動量を記憶し、メカ端に到達した後にその移動量に基づいて合焦位置に復帰させるカメラを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−261071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1は温度を考慮していないため、リセット前の温度とリセット時の温度の変化分だけ、フォーカスレンズの復帰位置が合焦位置からずれて投射像のピントがずれてしまう。
【0005】
本発明は、リセット後にフォーカスレンズを精度良くリセット前の合焦状態を維持する位置に復帰させることが可能な画像投射装置、その制御方法および制御プログラムを提供することを例示的な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像投射装置は、投射レンズを介して画像を投射する画像投射装置であって、前記投射レンズのフォーカスレンズを駆動する駆動手段と、前記駆動手段による前記フォーカスレンズの移動量を取得する移動量取得手段と、温度を検出する温度検出手段と、前記投射レンズの光軸上に設定された設定位置から前記フォーカスレンズが入力操作に基づいて移動された基準位置までの、前記移動量取得手段によって取得された移動量である基準移動量と、前記基準位置まで移動された時に前記温度検出手段によって検出された温度である基準温度を記憶する記憶手段と、前記フォーカスレンズをリセット時に退避した位置から復帰する際に、リセット時に前記温度検出手段によって検出された温度と前記記憶手段に記憶された前記基準温度との差分に対応する前記フォーカスレンズの合焦位置の変動を補正するための第1補正移動量を前記記憶手段に記憶された前記基準移動量に加えた移動量だけ前記フォーカスレンズを前記設定位置から移動させるように前記駆動手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、リセット後にフォーカスレンズを精度良くリセット前の合焦状態を維持する位置に復帰させることが可能な画像投射装置、その制御方法および制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の画像投射装置のブロック図である。(実施例1)
【図2】フォーカス駆動における図1に示す制御部の制御方法を説明するためのフローチャートである。(実施例1)
【図3】リセット駆動における図1に示す制御部の制御方法を説明するためのフローチャートである。(実施例2)
【図4】フォーカス駆動における制御部の制御方法を説明するためのフローチャートである。(実施例1)
【図5】リセット駆動における制御部の制御方法を説明するためのフローチャートである。(実施例2)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例を、添付図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、実施例1のプロジェクタ100(画像投射装置)のブロック図である。プロジェクタ100は、入力画像信号に応じて液晶パネル等の画像表示素子により変調された光(すなわち画像)を、投射レンズ111を介して投射像としてスクリーン等の被投射面に投射する画像投射装置である。この場合、光源115から出た光は、照明光学系114を通り、色分解合成系113で画像を形成する。
【0011】
プロジェクタ100は、駆動部101、移動量取得部102、温度センサ103、記憶部104、制御部105、投射レンズ111、レンズマウント112、色分解合成系113、光源(ランプ)115、排気口116を有する。
【0012】
駆動部(駆動手段)101は、投射レンズ111のフォーカスレンズ111aを駆動する。
【0013】
移動量取得部(移動量取得手段)102は、フォーカスレンズ111aの光軸上の移動量(相対量)を取得し、本実施例ではロータリエンコーダから構成されている。本実施例のプロジェクタ100はフォーカスレンズ111aの絶対位置を取得可能な取得手段を使用しないので安価に構成されている。本実施例のロータリエンコーダは、円周方向に形成された多数の開口を有してフォーカスレンズ111aの移動と共に回転する円盤形状のスケールと、前記開口上に光路を有する発光素子と受光素子とを有する。受光素子から出力されるHレベルとLレベルのパルス数を計数(カウント)することによってフォーカスレンズ111aの移動量を取得する。
【0014】
温度センサ103は温度を検出する温度検出手段であり、本実施例では、レンズマウント112、色分解合成系113、排気口116に配置され、レンズマウント112、色分解合成系113、排気口116の温度を検出する。
【0015】
記憶部(メモリ)104は、後述する制御方法の制御プログラム、それに使用される各種のデータ、例えば、移動量取得部102が取得したフォーカスレンズ111aの移動量や温度センサ103が検出した温度などを記憶する。
【0016】
制御部(制御手段)105は、画像投射装置の各部を制御し、本実施例ではマイクロコンピュータとして構成される。制御部105は、移動量取得部102、温度センサ103、記憶部104から情報を取得し、これらの情報に基づいて駆動部101を制御する。
【0017】
制御部105は、ユーザからフォーカスレンズ111aを基準位置に移動する入力操作がなされた場合はこれに従って駆動部101を制御する。ここで、基準位置は投射レンズ111の光軸上の任意の位置であり、例えば、フォーカスレンズ111aの合焦位置である。
【0018】
まず前提として、投射レンズ111の光軸上には任意の位置に設定位置が設定されている。設定位置はフォーカスレンズ111aの移動量の起算となるホームポジションであり、フォーカスレンズ111aが設定位置にあるときは、移動量取得部102が取得するフォーカスレンズ111aの移動量は0となる。これは、移動量取得部102が絶対位置ではなく相対量である移動量しか取得できないからである。
【0019】
そして、制御部105は記憶部104に設定位置から基準位置までの移動量である基準移動量とその時に温度センサ103によって検出されたフォーカスレンズ111aの温度である基準温度を格納する。
【0020】
また、プロジェクタ100は、温度補正機能とリセット機能を備えている。
【0021】
温度補正においては、制御部105は、フォーカスレンズ111aが基準位置に移動後で温度変化があった場合に温度変化分に対応する補正移動量Aだけフォーカスレンズ111aを基準位置から移動させるように駆動部101を制御する。
【0022】
補正移動量Aは、温度センサ103が検出した現在の温度と基準位置まで移動された時に温度センサ103が検出した温度(後述する基準温度C)との差分によってフォーカスレンズ111aの合焦位置の変動を補正するための移動量(第2補正移動量)である。現在の温度とは、フォーカスレンズ111aが現在の位置において温度センサ103が検出する温度である。フォーカスレンズ111aが現在の位置は、通常は、基準位置、基準位置から温度補正された位置、設定位置のいずれかである。
【0023】
なお、本実施例では温度センサ103は、フォーカスレンズ111aからやや離れた位置の温度を検出しており、3つの温度センサ103からフォーカスレンズ111aの温度を推定している。もちろん、フォーカスレンズ111aの近傍に温度センサを配置してもよい。
【0024】
一方、リセットは不図示のリセットスイッチの操作、再起動、電源投入等によってなされる。リセット操作が行われると、制御部105は、フォーカスレンズ111aは現在の位置(即ち、基準位置か温度補正された位置)から退避位置(例えば、メカ端あるいはそれ以外の位置)に退避させるように駆動部101を制御する。
【0025】
例えば、フォーカスレンズ111aが基準位置移動後に温度補正がなかった場合は、現在の位置は基準位置であるから、制御部105は、フォーカスレンズ111aを基準位置から退避位置に退避させるように駆動部101を制御する。そして、制御部105は、リセット後にリセット時に退避した位置からフォーカスレンズ111aをリセット前の位置に復帰させる。
【0026】
上述したように、リセット前の位置は、基準位置か基準位置に温度補正が施された位置であるが、これはつまりフォーカスレンズ111aの合焦位置である。そして、リセット後に復帰される位置は、リセット前の合焦状態を維持した位置である。
【0027】
即ち、リセット前後のフォーカスレンズ111aの温度が同じであればリセット後に復帰される位置はリセット前の位置と同じ位置である。しかし、リセット前後のフォーカスレンズ111aの温度が異なればリセット後に復帰される位置はリセット前の位置に温度変化分の温度補正を施した位置である。ここでの温度変化分とは、リセット時に温度センサ103が検出した温度(現在の温度)とリセット前に温度センサ103が検出した温度(基準温度)との差分である。
【0028】
リセット前に温度補正がなかった場合において、制御部105がリセットの際に行う制御について説明する。リセット前に温度補正がなかった場合にはリセット前の位置は基準位置である。この場合、制御部105は、所定の移動量だけフォーカスレンズを設定位置から移動させるように駆動部101を制御する。ここで、「所定の移動量」は、リセット時の温度(現在の温度)と基準温度との差分に対応するフォーカスレンズの合焦位置の変動を補正するための補正移動量Bを基準移動量に加えた移動量である。補正移動量Bは、リセット時の温度と基準温度との差分によってフォーカスレンズ111aの合焦位置の変動を補正するための移動量(第1補正移動量)である。この結果、フォーカスレンズ111aが復帰した位置は、リセット前の位置と同じ合焦状態を維持することができ、投射像はピント状態を維持することができる。
【0029】
一方、リセット前に温度補正があった場合にはリセット前の位置は基準位置を温度補正した位置である。設定位置から基準位置までの移動量を移動量Lとすると、この場合、制御部105は、移動量Lから補正移動量Aを引いた移動量を求め、その移動量に補正移動量Bを加えた移動量だけフォーカスレンズを設定位置から移動させるように駆動部101を制御する。この結果、フォーカスレンズ111aがリセット後に復帰した位置は、リセット前の位置と同じ合焦状態を維持することができ、投射像はピント状態を維持することができる。
【0030】
尚、移動量Lあるいは基準位置に対する補正移動量A、補正移動量Bの加減演算の組み合わせは、実施例の記載に限られない。基準位置を基準としたフォーカスレンズの移動方向を鑑みて、補正移動量を加えるか引くかを決めればよい。
【0031】
図2は、フォーカスレンズ111aを駆動してピントを合わせるためのフォーカス駆動において制御部105によって実行される制御方法を説明するためのフローチャートであり、「S」はステップの略である。図2及びそれ以下の図に示す制御方法は、その機能をコンピュータに実現させるための制御プログラムとして具現化可能である。
【0032】
まず、制御部105は、駆動部101を制御してフォーカスレンズ111aを指定量だけ移動させる(S201)。次に、制御部105は、フォーカスレンズ111aの駆動が、ユーザによって行われたものか温度補正によって行われたものかを判断する(S202)。
【0033】
ユーザの入力操作による駆動の場合、制御部105は、フォーカス駆動フラグをONにし(S203)、補正移動量Aを0として記憶部104へ保存する(S204)。また、制御部105は、このときのフォーカスレンズ111aの位置を基準位置(合焦位置)Fとして不図示の設定位置から基準位置までの移動量(基準移動量)も記憶部104に保存する。次に、制御部105は、この時の温度センサ103が検出したフォーカスレンズ111aの温度(例えば、23℃)を基準温度Cとして記憶部104へ保存する(S205)。
【0034】
一方、23℃で基準位置(合焦位置)にフォーカスレンズ111aが移動した後で温度が上昇して30℃となった場合などには温度補正によってフォーカス駆動が行われる。温度補正によってフォーカス駆動が行われた場合には、制御部105は、基準位置からのフォーカスレンズ111aの移動量を補正移動量Aとして記憶部104へ保存し(S206)、S205に移行する。
【0035】
この時の移動量は、現在の温度である30℃から基準位置にフォーカスレンズ111aが移動したときの温度である23℃の差分(温度変化分)による焦点ずれを補正するための移動量である。また、本実施例では、温度補正によるフォーカス駆動においては現在の温度(30℃)は基準温度Cとして保存していないが、この温度を保存してもよい。
【0036】
S205またはS206の後で処理を終了する。
【0037】
図3は、リセット後にフォーカスレンズ111aを退避位置から復帰させるリセット駆動において制御部105が実行する制御方法を説明するためのフローチャートであり、「S」はステップの略である。
【0038】
前提として、制御部105は、リセット前のフォーカスレンズ111aの位置から設定位置までの移動量Lを移動量取得部102を用いて計測する(S301)。次に、制御部105は、最後のフォーカス駆動がユーザによって行われたものか温度補正によって行われたものかを判断する(S302)。
【0039】
温度補正によるフォーカス駆動の場合には、制御部105は、補正移動量Aを記憶部104からロードし(S303)、補正移動量Aと移動量Lに基づいて基準移動量FをF=L−Aとして算出し(S304)、基準移動量Fを記憶部104へ保存する(S305)。上記の例では、基準移動量Fは23℃のときの基準位置(合焦位置)となる。
【0040】
一方、ユーザによるフォーカス駆動の場合には、制御部105は、基準移動量Fは前回算出したものと同じであるため、記憶部104に保存していた基準移動量Fをロードする(S306)。
【0041】
S305またはS306の後で、制御部105は記憶部104に保存した基準温度Cを読み出す(S307)。上の例では基準温度Cは23℃である。次に、制御部105は、基準温度Cとリセット時に温度センサ103が検出した現在の温度との差分に対応する補正移動量Bを算出する(S308)。S308において温度センサ103が現在の温度を検出した時にはフォーカスレンズ111aは設定位置に位置している。
【0042】
次に、制御部105は、基準移動量Fと補正移動量Bを加算して復帰移動量Pを算出し(S309)、フォーカス移動フラグをOFFにし(S310)、復帰位置Pへフォーカスレンズ111aを移動させる(S311)。
【0043】
本実施例によれば、リセット前に温度補正がかかっていてもいなくても、リセット後にフォーカスレンズを精度良くリセット前の合焦状態を維持する位置に復帰させることができる。
【0044】
また本発明のその他の効果は、液晶プロジェクタ等のAF機能を有しない画像投射装置においても、フォーカスレンズを適当な位置へ移動させることができる点にある。
【実施例2】
【0045】
実施例2の画像投射装置は図1と同様の構成を有するが、投射レンズ111が交換可能である点が実施例1と相違する。本実施例は、投射レンズ111が、温度補正モードを有するか(あるいは温度補正モードが有効か無効か)、リセット機能に対応するモードを有するか(あるいはそのモードが有効か無効か)によって制御内容を変更している。
【0046】
図4は、図2と同様のフォーカス駆動において制御部105によって実行される制御方法を説明するためのフローチャートであり、「S」はステップの略である。図4は、図2と同様であるが、S201の後にS207を行っている点で相違する。
【0047】
即ち、S201と同様に、制御部105は、駆動部101を制御してフォーカスレンズ111aを指定された量だけ移動させる(S201)。制御部105は、温度特性によるフォーカスレンズ111aの駆動である場合は、駆動量は、記憶部104に保存されているパラメータを使用して演算される。
【0048】
次に、制御部105は、記憶部104から現在装着中のフォーカスレンズ111aのフォーカス補正が有効であるか無効であるかを判断する(S207)。制御部105は、フォーカス補正が有効であればS202に移行し、無効であれば処理を終了する。
【0049】
図5は、リセット駆動において制御部105によって実行される制御方法を説明するためのフローチャートであり、「S」はステップの略である。
【0050】
まず、制御部105は、記憶部104から現在装着中のフォーカスレンズ111aのフォーカス補正が有効であるか無効であるかを判断する(S312)。制御部105はフォーカス補正が無効であれば処理を終了し、有効であればS301〜S307を行った後で記憶部104から補正移動量計算パラメータをロードし(S313)、これをS308で使用する。その後、S309〜S311が行われる。
【0051】
本実施例では、画像投射装置本体に内蔵されている記憶部を利用しているが、交換式の投射レンズ111の内部に記憶部を配置してもよい。
【0052】
本実施例においても、交換式の投射レンズをもつ画像投射装置において、リセット前に温度補正がかかっていてもいなくても、リセット後にフォーカスレンズを精度良くリセット前の合焦状態を維持する位置に復帰させることができる。
【0053】
尚、温度検出手段はフォーカスレンズそのものの温度を検知しても良いが、投射レンズのレンズマウント部や投射レンズよりも光源側にある光学系の温度を検知して、フォーカスレンズの温度を推定してもよい。この場合、温度検出手段により検出された温度と予め記憶部に記憶されたフォーカスレンズの温度を推定可能な情報を用いて、フォーカスレンズの温度を決定してもよい。
【0054】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0055】
画像投射装置はプロジェクタの用途に適用することができる。
【符号の説明】
【0056】
100 プロジェクタ(画像投射装置)
101 駆動部(駆動手段)
102 移動量取得部(移動量取得手段)
104 記憶部(記憶手段)
105 制御部(制御手段)
116 温度センサ(温度検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投射レンズを介して画像を投射する画像投射装置であって、
前記投射レンズのフォーカスレンズを駆動する駆動手段と、
前記駆動手段による前記フォーカスレンズの移動量を取得する移動量取得手段と、
温度を検出する温度検出手段と、
前記投射レンズの光軸上に設定された設定位置から前記フォーカスレンズが入力操作に基づいて移動された基準位置までの、前記移動量取得手段によって検出された移動量である基準移動量と、前記基準位置まで移動された時に前記温度検出手段によって検出された温度である基準温度を記憶する記憶手段と、
リセット後に前記フォーカスレンズをリセット時に退避した位置から復帰する際に、リセット時に前記温度検出手段によって検出された温度と前記記憶手段に記憶された前記基準温度との差分に対応する前記フォーカスレンズの合焦位置の変動を補正するための第1補正移動量を前記記憶手段に記憶された前記基準移動量に加えた移動量だけ前記フォーカスレンズを前記設定位置から移動させるように前記駆動手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像投射装置。
【請求項2】
前記投射レンズは、前記フォーカスレンズを前記リセット時に合焦位置に復帰させるモードを有し、
前記制御手段は、前記モードが有効である場合に、前記フォーカスレンズを合焦位置に復帰させるように前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像投射装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記フォーカスレンズが前記基準位置に移動された後で、前記温度検出手段が検出した温度と前記基準温度との差分に対応する前記フォーカスレンズの合焦位置の変動を補正するための第2補正移動量だけ前記フォーカスレンズを前記基準位置から移動させるように前記駆動手段を制御し、
前記記憶手段は前記第2補正移動量を更に記憶し、
前記制御手段は、リセット後に、前記第1補正移動量を前記基準移動量に加えて前記第2補正移動量を引いた移動量だけ前記フォーカスレンズを前記設定位置から移動させるように前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像投射装置。
【請求項4】
前記投射レンズは、前記フォーカスレンズが前記基準位置に移動された後で温度変化による前記フォーカスレンズの合焦位置の変動を補正する温度補正モードを有し、
前記制御手段は、前記温度補正モードが有効になっている場合に、前記第2補正移動量だけ前記フォーカスレンズを前記基準位置から移動させるように前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項3に記載の画像投射装置。
【請求項5】
前記投射レンズは前記画像投射装置に交換可能に構成され、
前記記憶手段は前記投射レンズに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像投射装置。
【請求項6】
投射レンズのフォーカスレンズを駆動する駆動手段と、前記駆動手段による前記フォーカスレンズの移動量を取得する移動量取得手段と、温度を検出する温度検出手段と、を有する画像投射装置の制御方法であって、
前記投射レンズの光軸上に設定された設定位置から前記フォーカスレンズが入力操作に基づいて移動された基準位置までの移動量である基準移動量を前記移動量取得手段によって取得させるステップと、
前記基準位置まで移動された時の温度を基準温度として前記温度検出手段によって検出させるステップと、
リセット後に前記フォーカスレンズをリセット時に退避した位置から復帰する際に、リセット時に前記温度検出手段によって検出された温度と前記基準温度との差分に対応する前記フォーカスレンズの合焦位置の変動を補正するための第1補正移動量を前記基準移動量に加えた移動量だけ前記フォーカスレンズを前記設定位置から移動させるように前記駆動手段を制御するステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項7】
前記フォーカスレンズが前記基準位置に移動された後で、前記温度検出手段が検出した温度と前記基準温度との差分に対応する前記フォーカスレンズの合焦位置の変動を補正するための第2補正移動量だけ前記フォーカスレンズを前記基準位置から移動させるように前記駆動手段を制御するステップと、
前記第1補正移動量を前記基準移動量に加えて前記第2補正移動量を引いた移動量だけ前記フォーカスレンズを前記設定位置から移動させるように前記駆動手段を制御するステップと、
を更に有することを特徴とする請求項6に記載の制御方法。
【請求項8】
投射レンズのフォーカスレンズを駆動する駆動手段と、前記駆動手段による前記フォーカスレンズの移動量を取得する移動量取得手段と、温度を検出する温度検出手段と、コンピュータと、を有する画像投射装置において前記コンピュータに、
前記投射レンズの光軸上に設定された設定位置から前記フォーカスレンズが入力操作に基づいて移動された基準位置までの移動量である基準移動量を前記移動量取得手段から取得する機能と、
前記基準位置まで移動された時の温度を基準温度として前記温度検出手段から取得する機能と、
リセット後に前記フォーカスレンズをリセット時に退避した位置から復帰する際に、リセット時に前記温度検出手段によって検出された温度と前記基準温度との差分に対応する前記フォーカスレンズの合焦位置の変動を補正するための第1補正移動量を前記基準移動量に加えた移動量だけ前記フォーカスレンズを前記設定位置から移動させるように前記駆動手段を制御する機能と、
を実現させるための制御プログラム。
【請求項9】
前記フォーカスレンズが前記基準位置に移動された後で、前記温度検出手段が検出した温度と前記基準温度との差分に対応する前記フォーカスレンズの合焦位置の変動を補正するための第2補正移動量だけ前記フォーカスレンズを前記基準位置から移動させるように前記駆動手段を制御する機能と、
前記第1補正移動量を前記基準移動量に加えて前記第2補正移動量を引いた移動量だけ前記フォーカスレンズを前記設定位置から移動させるように前記駆動手段を制御する機能と、
を更に実現させるための請求項8に記載の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−181339(P2012−181339A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43967(P2011−43967)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】