説明

画像検索装置、画像読取装置、画像検索システム、データベース生成方法およびデータベース生成プログラム

【課題】 画像を検索するために送受信する画像のデータ量を削減すること。
【解決手段】 MFPと通信可能な画像検索装置は、HDDに記憶された複数の登録画像間で同一または類似する画像を含む共通領域を抽出する共通部分抽出部と、共通部分以外の非共通領域を検索領域に決定する検索領域決定部と、検索領域の画像中の位置を示す検索領域情報をMFPに送信する検索領域情報送信部(S52)と、MFPから受信される部分画像を、複数の登録画像それぞれの検索領域に該当する参照画像と比較する比較部(S54)と、比較の結果、複数の登録画像のうちに参照画像が部分画像と同一または類似する登録画像が存在しない場合(S54でNO)、原稿画像の送信を要求する送信要求部(S56)と、MFPから受信される原稿画像を登録画像としてHDDに記憶する登録部(S58)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像検索装置、画像読取装置、画像検索システム、データベース生成方法およびデータベース生成プログラムに関し、特に、画像読取装置で読み取った画像を記憶するデータベースを生成する画像検索装置および画像読取装置、それらを含む画像検索システム、その画像検索装置で実行されるデータベース生成方法およびデータベース生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、サーバの記憶容量が増大し、多くの画像を記憶することが可能となっている。多くの画像を記憶する際に、データベース化して記憶する必要があり、そのために画像を検索するための情報が必要になる。特開2007−12024号公報には、画像の特徴量を元に、類似度を判断し、画像を検索する画像検索装置が記載されている。しかしながら、画像全体を比較する場合には、比較対象の面積が大きいため検索のための処理の負荷が大きいといった問題がある。
【0003】
一方で、ネットワーク技術の進歩により、データベースを備える画像検索装置と、検索の対象となる画像が入力される画像読取装置とを、ネットワークで接続する形態が構築されることが予想される。この場合、画像読取装置に入力された画像を画像検索装置にネットワークを介して送信しなければならない。しかしながら、画像のデータ量は比較的大きいため、画像を送信する場合の通信負荷が増大するといった問題がある。
【特許文献1】特開2007−12024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の一つは、画像を検索するために送受信する画像のデータ量を削減した画像検索装置を提供することである。
【0005】
この発明の他の目的は、画像を検索するために送受信する画像のデータ量を削減した原稿読取装置を提供することである。
【0006】
この発明のさらに他の目的は、画像を検索するために送受信する画像のデータ量を削減した画像検索システムを提供することである。
【0007】
この発明のさらに他の目的は、画像を検索するために送受信する画像のデータ量を削減したデータベース生成方法およびデータベース生成プログラムを提供することである
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、画像検索装置は、画像読取装置と通信可能な画像検索装置であって、複数の登録画像を記憶可能な記憶手段と、記憶手段に記憶されている複数の登録画像を比較して、複数の登録画像間で同一または類似する画像を含む共通領域を抽出する共通領域抽出手段と、共通領域以外の非共通領域を検索領域に決定する検索領域決定手段と、検索領域の画像中の位置を示す検索領域情報を画像読取装置に送信する検索領域情報送信手段と、画像読取装置から受信される部分画像を、記憶手段に記憶されている複数の登録画像それぞれの検索領域に該当する参照画像と比較する比較手段と、比較手段による比較の結果、複数の登録画像のうちに参照画像が部分画像と同一または類似する登録画像が存在しない場合、原稿画像の送信を要求する送信要求手段と、送信要求手段による要求に応じて、画像読取装置から受信される原稿画像を登録画像として記憶手段に記憶する登録手段と、を備える。
【0009】
この局面に従えば、複数の登録画像を比較して、複数の登録画像間で同一または類似する画像を含む共通領域が抽出され、共通領域以外の検索領域の画像中の位置を示す検索領域情報が画像読取装置に送信され、画像読取装置から受信される部分画像が複数の登録画像それぞれの検索領域に該当する参照画像と比較され、複数の登録画像のうちに参照画像が部分画像と同一または類似する登録画像が存在しない場合、原稿画像の送信が要求され、画像読取装置から受信される原稿画像が登録画像として記憶される。このため、原稿画像と同一または類似する登録画像が存在するか否かを、原稿画像の検索領域に該当する部分画像と複数の登録画像それぞれの参照画像とを比較して判断するので、効率的に検索することができる。また、画像形成装置は検索のために部分画像を送信するので、原稿画像の全体を送信する必要がなく、送信するデータ量を少なくすることができる。その結果、画像を検索するために送受信する画像のデータ量を削減することが可能な画像検索装置を提供することができる。
【0010】
好ましくは、共通領域抽出手段は、複数の登録画像間で所定の特徴要素が共通する領域を共通領域として抽出する。
【0011】
この局面に従えば、所定の特徴要素で複数の画像を比較するので、共通領域を抽出する精度を向上することができる。
【0012】
好ましくは、比較手段による比較の結果、複数の登録画像のうちに部分画像が参照画像と同一または類似する登録画像が存在する場合、該登録画像を画像読取装置に送信する検索結果送信手段を、さらに備える。
【0013】
この発明の他の局面によれば、画像読取装置は、原稿を読み取った原稿画像を出力する原稿読取手段と、出力される原稿画像のうち画像検索装置から受信される検索領域情報により定まる検索領域の部分を切り取った部分画像を画像検索装置に送信する部分画像送信手段と、部分画像の送信に応じて画像検索装置から送信要求が受信される場合、原稿画像を画像検索装置に送信する原稿画像送信手段と、を備える。
【0014】
この局面に従えば、原稿画像のうち検索領域の部分を切り取った部分画像が画像検索装置に送信され、画像検索装置から送信要求が受信される場合、原稿画像が画像検索装置に送信される。このため、原稿画像から切り取られた部分画像が画像検索装置に送信されるので、画像を検索するために送受信する画像のデータ量を削減することが可能な原稿読取装置を提供することができる。
【0015】
この発明のさらに他の局面によれば、画像検索システムは、画像検索装置と画像読取装置とを含む画像検索システムであって、画像検索装置は、複数の登録画像を記憶可能な記憶手段と、記憶手段に記憶されている複数の登録画像を比較して、複数の登録画像間で同一または類似する画像を含む共通領域を抽出する共通領域抽出手段と、共通領域以外の非共通領域を検索領域に決定する検索領域決定手段と、検索領域の画像中の位置を示す検索領域情報を画像読取装置に送信する検索領域情報送信手段と、画像読取装置から受信される部分画像を、記憶手段に記憶されている複数の登録画像それぞれの検索領域に該当する参照画像と比較する比較手段と、比較手段による比較の結果、複数の登録画像のうちに参照画像が部分画像と同一または類似する登録画像が存在しない場合、原稿画像の送信を要求する送信要求手段と、送信要求手段による要求に応じて、画像読取装置から受信される原稿画像を登録画像として記憶手段に記憶する登録手段と、を備え、画像読取装置は、原稿を読み取った原稿画像を出力する原稿読取手段と、出力される原稿画像のうち画像検索装置から受信される検索領域情報により定まる検索領域の部分を切り取った部分画像を画像検索装置に送信する部分画像送信手段と、部分画像の送信に応じて画像検索装置から送信要求が受信される場合、原稿画像を画像検索装置に送信する原稿画像送信手段と、を備える。
【0016】
この局面に従えば、画像を検索するために送受信する画像のデータ量を削減することが可能な画像検索システムを提供することができる。
【0017】
この発明のさらに他の局面によれば、データベース生成方法は、画像読取装置と通信可能な画像検索装置で実行されるデータベース生成方法であって、画像検索装置は、複数の登録画像を記憶可能な記憶手段を備えており、データベース生成方法は、記憶手段に記憶されている複数の登録画像を比較して、複数の登録画像間で同一または類似する画像を含む共通領域を抽出するステップと、共通領域以外の非共通領域を検索領域に決定するステップと、画像読取装置からの要求に応じて検索領域の画像中の位置を示す検索領域情報を、画像読取装置に送信するステップと、画像読取装置から受信される部分画像を、記憶手段に記憶されている複数の登録画像それぞれの検索領域に該当する参照画像と比較するステップと、比較するステップにおける比較の結果、複数の登録画像のうちに参照画像が部分画像と同一または類似する登録画像が存在しない場合、原稿画像の送信を画像読取装置に要求するステップと、送信要求手段による要求に応じて、画像読取装置から受信される原稿画像を登録画像として記憶手段に記憶するステップと、を含む。
【0018】
この局面に従えば、画像を検索するために送受信する画像のデータ量を削減することが可能なデータベース生成方法を提供することができる。
【0019】
この発明のさらに他の局面によれば、データベース生成プログラムは、画像読取装置と通信可能な画像検索装置を制御するコンピュータで実行されるデータベース生成プログラムであって、画像検索装置は、複数の登録画像を記憶可能な記憶手段を備えており、データベース生成プログラムは、記憶手段に記憶されている複数の登録画像を比較して、複数の登録画像間で同一または類似する画像を含む共通領域を抽出するステップと、共通領域以外の非共通領域を検索領域に決定するステップと、画像読取装置からの要求に応じて検索領域の画像中の位置を示す検索領域情報を、画像読取装置に送信するステップと、画像読取装置から受信される部分画像を、記憶手段に記憶されている複数の登録画像それぞれの検索領域に該当する参照画像と比較するステップと、比較するステップにおける比較の結果、複数の登録画像のうちに参照画像が部分画像と同一または類似する登録画像が存在しない場合、原稿画像の送信を画像読取装置に要求するステップと、送信要求手段による要求に応じて、画像読取装置から受信される原稿画像を登録画像として記憶手段に記憶するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0020】
この局面に従えば、画像を検索するために送受信する画像のデータ量を削減することが可能なデータベース生成プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態における画像検索システムの全体概要を示す図である。
【図2】MFPの外観を示す斜視図である。
【図3】MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】検索サーバのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図5】検索サーバが備えるCPUが有する機能の概要の一例を示すブロック図である。
【図6】MFPが備えるCPUが有する機能の概要の一例を示すブロック図である。
【図7】データベース生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図8】原稿画像登録処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0023】
図1は、本発明の実施の形態における画像検索システムの全体概要を示す図である。図1を参照して、画像検索システム1は、それぞれがネットワーク3に接続された複合機(Multi Function Peripheral)(以下、「MFP」という)100,100A〜100Dと、インターネット5に接続された検索サーバ200と、を含む。
【0024】
MFP100,100A〜100Dは、画像読取装置の一例であり、スキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能、ファクシミリ機能等の複数の機能を備える。
【0025】
ネットワーク3は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、有線および無線の別を問わない。MFP100,100A〜100Dそれぞれは、ネットワーク3を介して互いに通信可能であり、さらに、ネットワーク3およびインターネット5を介して検索サーバ200と通信可能である。なお、ネットワーク3は、LANに限らず、インターネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)または公衆交換電話網等であってもよい。
【0026】
検索サーバ200は、一般的なコンピュータであり、画像検索装置の一例である。本実施の形態においては、検索サーバ200は、複数の画像をデータベースとして記憶しており、MFP100,100A〜100Dから送信されてくる画像をデータベースに登録し、MFP100,100A〜100Dから送信されてくる画像に基づいてデータベースを検索する。
【0027】
MFP100,100A〜100Dは、それぞれが備える機能は同じである。したがって、ここではMFP100が有する機能を例に説明する。
【0028】
図2は、MFPの外観を示す斜視図である。図3は、MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図2および図3を参照して、MFP100は、情報処理部101と、ファクシミリ部27と、通信制御部28と、自動原稿搬送装置(ADF)21と、原稿読取部22と、画像処理部23と、画像形成部24と、給紙部25と、後処理部26とを含む。また、MFP100は、その上面にユーザインターフェースとして用いられる操作パネル11を備えている。
【0029】
情報処理部101は、中央演算装置(CPU)111と、CPU111が実行するプログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)112と、CPU111の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)113と、データを不揮発的に記憶するためのハードディスクドライブ(HDD)114と、表示部115と、操作部116と、ネットワークインターフェース(I/F)117と、外部記憶装置118とを含む。CPU111は、ROM112、RAM113、HDD114、表示部115、操作部116、ネットワークI/F117および外部記憶装置118とそれぞれ接続され、情報処理部101の全体を制御する。また、CPU111は、ファクシミリ部27、通信制御部28、ADF21、原稿読取部22、画像処理部23、画像形成部24、給紙部25および後処理部26と接続され、MFP1の全体を制御する。
【0030】
ADF21は、原稿台に搭載された複数枚の原稿をさばいて1枚ずつ順に、原稿読取部22に搬送する。ADF21は、原稿の片面を原稿読取部22に読み取らせる場合、原稿を原稿読取部22に搬送して表面を読み取らせる。さらに、ADF21は、原稿の両面を原稿読取部22に読み取らせる場合、原稿を原稿読取部22に搬送して表面を読み取らせた後、原稿を裏返して原稿読取部22に搬送して裏面を読み取らせる。原稿読取部22は、写真、文字、絵等の画像情報を原稿から光学的に読み取って画像データを取得し、画像処理部23に出力する。
【0031】
画像処理部23は、CPU111により制御され、CPU111からの指示に基づき画像データを画像処理する。画像データは、原稿読取部22が原稿を読み取って出力する画像データ、ネットワークI/F117により他のコンピュータから受信されるプリントジョブに含まれる画像データ、ネットワークI/F117により他のMFP100A〜100Dのいずれかから受信される画像データ、HDD114に記憶されている画像データを含む。画像処理は、例えば、画像を拡大する拡大処理、画像を縮小する縮小処理、複数の画像を合成して1つの画像を生成する合成処理、画像を回転させて方向を変換する回転処理等である。画像処理部23は、処理後の画像データを画像形成部24に出力する。
【0032】
給紙部25は、複数の給紙トレイを有し、指定された給紙トレイに格納した用紙を1枚ずつ画像形成部24に供給する。複数の給紙トレイそれぞれは、複数のサイズの用紙のうちから選ばれたサイズの用紙を、複数の方向のうちから選ばれた方向に収納する。ここでは、給紙部25が4つの第1〜第4給紙トレイを有し、第1の給紙トレイがA4サイズの用紙を縦方向に収納し、第2の給紙トレイがA4サイズの用紙を横方向に収納し、第3の給紙トレイがA3サイズの用紙を縦方向に収納し、第4の給紙トレイがB5サイズの用紙を横方向に収納する。また、給紙部25は、両面印刷が指定されると、用紙の両面に画像を形成するために、画像形成部24に搬送した用紙を表裏反転させて、再度画像形成部24に搬送する。
【0033】
画像形成部24は、画像処理部23から入力される画像データに基づき、給紙部25から搬送される用紙に画像を形成する。
【0034】
後処理部26は、画像が形成された用紙を排紙する。後処理部26は、複数の排紙トレイを有し、ソート部、パンチ穴加工部、ステープル加工部を備えている。ソート部は、画像が形成された複数の用紙を複数の排紙トレイにソートして出力する。パンチ穴加工部は、用紙にパンチ穴を開ける。ステープル加工部は、画像が形成された複数の用紙をまとめるためにステープル加工する。
【0035】
表示部115は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electro Luminescence Display)等の表示装置であり、ユーザに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部116は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。操作部116は、表示部115上に設けられたタッチパネルをさらに含む。表示部115と操作部116とで、操作パネル11を構成する。
【0036】
ネットワークI/F117は、TCP(Transmission Control Protocol)またはUDP(User Datagram Protocol)等の通信プロトコルで通信するためのインターフェースであり、ネットワーク3およびインターネット5を介して検索サーバ200と通信する。また、ネットワーク3に接続された他のMFP100A〜100Dと通信する。
【0037】
外部記憶装置118は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)119が装着される。CPU111は、外部記憶装置118を介してCD−ROM119にアクセス可能であり、CD−ROM119に記憶されたプログラムをRAM113にロードして実行可能である。なお、CPU111が実行するプログラムは、CD−ROM119に記憶されたプログラムに限られず、他の記憶媒体に記憶されたプログラムでもよく、HDD116に記憶されたプログラムであってもよく、さらに、ネットワークI/F117を介してネットワーク3に接続された他のコンピュータによりHDD114に書込みされたプログラムであってもよい。
【0038】
なお、プログラムを記憶する記憶媒体としては、CD−ROM119に限られず、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)などの半導体メモリでもよい。
【0039】
ファクシミリ部27は、PSTN13に接続され、PSTN13にファクシミリデータを送信する、またはPSTN13からファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部27は、受信したファクシミリデータを、画像形成部24がプリント可能なプリントデータに変換して、画像形成部24に出力する。これにより、画像形成部24は、ファクシミリ部27により受信されたファクシミリデータを用紙にプリントする。また、ファクシミリ部27は、HDD114に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTN13に接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0040】
図4は、検索サーバのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図4を参照して、検索サーバ200は、検索サーバ200の全体を制御するためのCPU201と、CPU201が実行するプログラム等を記憶するためのROM202と、CPU201の作業領域として用いられるRAM203と、検索サーバ200をネットワークに接続するためのネットワークI/F204と、大容量記憶装置としてのHDD205と、表示部206と、ユーザの操作の入力を受け付ける操作部207と、CD−ROM209が装着される外部記憶装置208と、を含む。
【0041】
HDD205は、複数の画像を記憶している。CPU201は、HDD205に記憶される複数の画像を、管理するためのデータベースを形成する。本実施の形態においては、CPU201によって形成されるデータベースは、複数の画像を種類別に分類する。データベースによって分類される画像の種類は、画像の元になった原稿の種類である。原稿の種類は、例えば、雑誌であれば雑誌名、会議資料、議事録、報告書等である。
【0042】
外部記憶装置208には、CD−ROM209が装着される。CD−ROM209には、CPU201が実行可能なアプリケーション検索プログラムが記憶されており、CPU201は、外部記憶装置208を制御して、CD−ROM209からアプリケーション検索プログラムを読出し、読み出したアプリケーション検索プログラムをRAM203にロードして実行する。
【0043】
なお、アプリケーション検索プログラムを記憶する記録媒体としては、CD−ROM209に限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの半導体メモリでもよい。さらに、CPU201がインターネット5に接続された他のコンピュータからアプリケーション検索プログラムをダウンロードしてHDD205に記憶する、または、他のコンピュータがアプリケーション検索プログラムをHDD205に書込みするようにして、HDD205に記憶されたアプリケーション検索プログラムをRAM203にロードしてCPU201で実行するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU201により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0044】
本実施の形態における画像検索システム1においては、MFP100,100A〜100Dのいずれかで原稿を読み取って得られる原稿画像を、検索サーバ200に形成されたデータベースに登録する。また、MFP100,100A〜100Dのいずれかで原稿を読み取って得られる原稿画像に基づいて、検索サーバ200に形成されたデータベースを検索する。MFP100,100A〜100Dが有する機能は同じなので、ここではMFP100において原稿画像を読み取り、検索サーバ200において、原稿画像を登録する場合、または原稿画像に基づいてデータベースを検索する場合を例に説明する。また、HDD205に記憶される複数の画像を登録画像という。
【0045】
図5は、検索サーバが備えるCPUが有する機能の概要の一例を示すブロック図である。図5に示す機能は、検索サーバ200が備えるCPU201が、ROM202、HDD205またはCD−ROM209に記憶されたデータベース生成プログラムを実行することにより、CPU201に形成される。
【0046】
図5を参照して、CPU201は、複数の登録画像間で同一または類似する画像を含む共通領域を抽出する共通領域抽出部251と、検索領域を決定する検索領域決定部253と、検索領域情報を送信する検索領域情報送信部255と、MFP100から受信される部分画像を複数の画像それぞれの検索領域に該当する参照画像と比較する比較部259と、登録画像を送信する登録画像送信部261と、原稿画像の送信を要求する送信要求部263と、原稿画像を受信する原稿画像受信部265と、原稿画像をデータベースに記憶する登録部267と、を含む。
【0047】
共通領域抽出部251は、HDD205に記憶されている複数の登録画像を比較して、複数の登録画像間で同一または類似する画像を含む共通領域を抽出する。HDD205に記憶される複数の登録画像は、原稿の種別で分類されているので、共通領域抽出部251は、原稿の種別ごとに、その種別に分類された複数の登録画像を互いに比較する。共通領域抽出部251が、複数の登録画像間で画像が有する所定の特徴要素が同一または類似する領域を共通領域として抽出する。ここでは、特徴要素を、登録画像に含まれる像の輪郭としている。このため共通領域抽出部251は、複数の登録画像それぞれを、エッジ画像に変換し、複数のエッジ画像を比較することにより、複数のエッジ画像間で同一または類似する線画を含む矩形の領域を共通領域として抽出する。エッジ画像は、登録画像に含まれる複数の画素それぞれを、隣接する画素との差分に変換した微分画像である。ただし、共通領域抽出部251は、同じ種別に分類された複数の登録画像の全ての間で共通する共通領域を抽出できない場合には、同じ種別に分類された複数の登録画像のうち所定の割合の数の登録画像間で同一または類似する画像を含む領域を共通領域とすればよい。所定の割合は、予め定めておけばよい。
【0048】
共通領域抽出部251は、抽出された共通領域の登録画像中の位置を検索領域決定部253および比較部259に出力する。共通領域抽出部251は、原稿の種別ごと共通領域を抽出するので、共通領域抽出部251は、原稿の種別と共通領域との組を検索領域決定部253に出力する。
【0049】
検索領域決定部253は、共通領域抽出部251から原稿の種別と共通領域との組が入力される。検索領域決定部253は、共通領域抽出部251から入力される共通領域の登録画像中の位置に基づいて、画像中で共通領域以外の非共通領域を検索領域に決定する。検索領域決定部253は、原稿の種別と検索領域の画像中の位置を示す検索領域情報との組を検索領域情報送信部255および比較部259に出力する。
【0050】
検索領域情報送信部255は、検索領域決定部253から原稿の種別と検索領域情報との組が入力され、MFP100,100A〜100Dのいずれかから、ここでは、MFP100から検索領域情報の要求を受信することに応じて、検索領域情報をネットワークI/F204を介して送信する。検索領域情報の要求は、原稿の種別を含み、検索領域情報送信部255は、検索領域情報の要求に含まれる原稿種別と組になる検索領域情報を送信する。
【0051】
ここで、MFP100について説明する。図6は、MFPが備えるCPUが有する機能の概要の一例を示すブロック図である。図6に示す機能は、MFP100が備えるCPU111が、ROM112、HDD114またはCD−ROM119に記憶された原稿画像登録プログラムを実行することにより、CPU111に形成される。原稿画像登録プログラムは、データベース生成プログラムの一部である。
【0052】
図6を参照して、CPU111は、原稿画像を受け付ける原稿画像受付部51と、検索サーバ200から検索領域情報を受信する検索領域情報受信部55と、原稿画像から部分画像を切り出す部分画像切出部53と、部分画像を検索サーバ200に送信する部分画像送信部57と、検索結果を受信する検索結果受信部59と、原稿画像を検索サーバ200に送信する原稿画像送信部61と、検索結果を表示する検索結果表示部63と、を含む。
【0053】
原稿画像受付部51は、原稿読取部22を制御し、ユーザの操作に応じて原稿読取部22に原稿を読み取らせ、原稿読取部22が原稿を読み取って出力する原稿画像を受け付ける。ユーザが、原稿、例えば、雑誌を原稿読取部22の原稿台に載置し、操作部116が備えるスタートキーを押下すれば、読取指示を受け付ける。原稿画像受付部51は、読取指示を受け付けると、原稿読取部22に原稿を読み取らせる。原稿画像受付部51は、原稿読取部22から出力され原稿画像を受け付け、受け付けられた原稿画像を部分画像切出部53および原稿画像送信部61に出力する。
【0054】
検索領域情報受信部55は、表示部115に原稿の種別を選択するための種別選択画面を表示し、ユーザが操作部116に原稿の種別を選択する操作を入力すれば、選択された原稿の種別を受け付ける。検索領域情報受信部55は、受け付けられた原稿の種別を含む検索領域情報の要求を、ネットワークI/F117を介して、検索サーバ200に送信する。検索領域情報の要求を受信する検索サーバ200においては、検索領域情報の要求に含まれる原稿の種別と組になる検索領域情報を返信するので、検索領域情報受信部55は、ネットワークI/F117を制御して、検索サーバ200から検索領域情報を受信する。検索領域情報受信部55は、受信された検索領域情報を部分画像切出部53に出力する。
【0055】
部分画像切出部53は、原稿画像受付部51から入力される原稿画像のうち、検索領域情報受信部55から入力される検索領域情報で特定される領域の部分画像を原稿画像から切り出す。部分画像切出部53は、原稿画像から切り出した部分画像を部分画像送信部57に出力する。
【0056】
部分画像送信部57は、部分画像切出部53から入力される部分画像を、ネットワークI/F117を介して、検索サーバ200に送信する。部分画像送信部57は、部分画像を検索サーバ200に送信したことを示す信号を検索結果受信部59に出力する。
【0057】
図5に戻って、CPU201が備える部分画像受信部257は、ネットワークI/F204が、MFP100から部分画像を受信すると、部分画像を取得する。部分画像受信部257は、ネットワークI/F204により受信された部分画像を、比較部259に出力する。
【0058】
比較部259は、検索領域決定部253から原稿の種別と検索領域情報との組が入力され、部分画像受信部257から部分画像が入力される。比較部259は、HDD205に記憶されている複数の登録画像のうち、検索領域決定部253から入力される原稿の種別に分類された複数の登録画像を処理対象画像に設定する。比較部259は、部分画像受信部から入力される部分画像を、複数の処理対象画像と比較する。処理対象画像の比較の対象となる部分は、処理対象画像のうちで、検索領域決定部253から入力される検索領域情報で特定される検索領域の部分である。以下、登録画像のうちで、検索領域情報で特定される検索領域に該当する部分の画像を、参照画像という。
【0059】
比較部259は、部分画像を、複数の参照画像それぞれと比較する。比較部259は、部分画像の所定の特徴要素と参照画像の所定の特徴要素とを比較する。特徴要素は、画像に含まれる像の輪郭である。このため比較部259は、部分画像と参照画像とを、それぞれエッジ画像に変換し、部分画像を変換したエッジ画像と参照画像を変換したエッジ画像とを比較する。比較部259は、部分画像を変換したエッジ画像と参照画像を変換したエッジ画像とが同一または類似するか否かを判断する。両者が完全同一であってもよいが、一部が異なっていてもよい。類似とは、同一の部分に対する異なる部分の割合が所定の値以下の場合を含み、形状が同一または類似であってサイズが異なる場合を含む。
【0060】
比較部259は、複数の登録画像のうちで、その参照画像のエッジ画像が部分画像のエッジ画像と同一または類似する登録画像が存在すれば、その登録画像を登録画像送信部261に出力し、そのような登録画像が存在しなければ送信要求指示を送信要求部263に出力する。
【0061】
登録画像送信部261は、比較部259から登録画像が入力される場合、登録画像を、部分画像を送信してきたMFP100にネットワークI/F117を介して送信する。
【0062】
送信要求部263は、比較部259から送信要求指示が入力される場合、原稿画像の送信を要求する送信要求を、部分画像を送信してきたMFP100にネットワークI/F117を介して送信する。送信要求部263は、送信要求をMFP100に送信したことを示す信号を原稿画像受信部265に出力する。
【0063】
原稿画像受信部265は、送信要求部263から送信要求をMFP100に送信したことを示す信号が入力された後、ネットワークI/F117を制御して、MFP100が送信する原稿画像を受信する。原稿画像受信部265は、受信された原稿画像を登録部267に出力する。
【0064】
登録部267は、原稿画像受信部265から入力される原稿画像を、HDD114に記憶する。この際、検索領域情報送信部255がMFP100から受信する検索領域情報の要求に含まれる原稿の種別に分類して、登録画像を記憶する。
【0065】
再び図6を参照して、検索結果受信部59は、部分画像送信部57から部分画像を検索サーバ200に送信したことを示す信号が入力された後、ネットワークI/F117を制御して、検索サーバ200から検索結果を受信する。検索結果は、登録画像と送信要求とのいずれかである。検索結果受信部59は、検索結果として登録画像を受信する場合、登録画像を検索結果表示部63に出力し、検索結果として送信要求を受信する場合、送信要求を原稿画像送信部61および検索結果表示部63に出力する。
【0066】
検索結果表示部63は、検索結果受信部59から登録画像が入力される場合、登録画像を表示部115に表示する。これにより、ユーザがMFP100に読み取らせた原稿について、その原稿画像と同一または類似する登録画像が検索サーバ200に記憶されていることをユーザに通知することができる。このため、データベースに登録するために原稿をMFP100に読み取らせたユーザは、原稿の原稿画像を新たにデータベースに登録する必要がないことを知ることができる。その結果、同一の原稿の原稿画像が重複して登録されるのを回避するとともに、ユーザが原稿画像を登録のためにするスキャン操作が重複しないようにして、ユーザによる無駄な操作を軽減することができる。また、データベースを検索するためにMFP100に原稿を読み取らせたユーザは、検索結果を確認することができる。
【0067】
検索結果表示部63は、検索結果受信部59から送信指示が入力される場合、ユーザに読み取り操作を継続するために、メッセージを表示部115に表示する。メッセージは、例えば「原稿の次ページをスキャンしてください。」等である。例えば、原稿が複数ページで構成される場合、ユーザは、複数ページの原稿を順に原稿読取部22に読み取らせる操作を、繰り返すことができる。これにより、原稿を構成する複数ページの原稿画像が、順に原稿読取部22により読み取られ、複数の原稿画像が原稿画像受付部51により受け付けられ、原稿画像受付部51から原稿画像送信部61に複数の原稿画像が順に出力される。
【0068】
原稿画像送信部61は、検索結果受信部59から送信指示が入力されると、原稿画像受付部51から入力される原稿画像を、ネットワークI/F117を介して検索サーバ200に送信する。原稿画像送信部61は、原稿画像送信部61から順に複数の原稿画像が入力される場合、それらをまとめた1つのファイルとして検索サーバ200に送信する。なお、原稿画像送信部61から順に入力される複数の原稿画像を、入力される順に検索サーバ200に送信するようにしてもよい。
【0069】
図7は、データベース生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。データベース生成処理は、検索サーバ200が備えるCPU201が、ROM202、HDD205またはCD−ROM209に記憶されたデータベース生成プログラムを実行することにより、CPU201により実行される処理である。
【0070】
図7を参照して、CPU201は、検索領域情報の要求を受信したか否かを判断する(ステップS51)。ネットワークI/F204が、MFP100,100A〜100Dのいずれかから検索領域情報の要求を受信したならば、検索領域情報の要求を受信したと判断する。検索領域情報の要求を受信するまで待機状態となり(ステップS51でNO)、検索領域情報の要求を受信すると(ステップS51でYES)、処理をステップS52に進める。ここでは、MFP100から検索領域情報の要求を受信する場合を例に説明する。
【0071】
ステップS52においては、検索領域情報の要求を送信してきたMFP100に、検索領域情報をネットワークI/F117を介して送信する。そして、部分画像を受信したか否かを判断する(ステップS53)。ネットワークI/F204が、検索領域情報を送信したMFP100から部分画像を受信するまで待機状態となり(ステップS53でNO)、部分画像を受信すると(ステップS53でYES)、処理をステップS54に進める。
【0072】
ステップS54においては、HDD205に記憶されている登録画像のうちから、ステップS53において受信された部分画像と、検索領域に該当する部分の参照画像が同一または類似する登録画像を抽出する。参照画像が部分画像と同一または類似する登録画像が抽出されたならば処理をステップS55に進め、抽出されなければ処理をステップS56に進める。
【0073】
ステップS55においては、抽出された登録画像を、部分画像を送信してきたMFP100にネットワークI/F117を介して送信し、処理を終了する。
【0074】
一方、ステップS56においては、送信要求を、部分画像を送信してきたMFP100にネットワークI/F117を介して送信する。次のステップS57においては、ネットワークI/F117が送信要求を送信したMFP100から原稿画像を受信するまで待機状態となり(ステップS57でNO)、原稿画像を受信すると(ステップS57でYES)、処理をステップS58に進める。ステップS58においては、受信された原稿画像を、HDD116に記憶し、処理を終了する。
【0075】
図8は、原稿画像登録処理の流れの一例を示すフローチャートである。原稿画像登録処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM112、HDD114またはCD−ROM119に記憶された原稿画像登録プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。
【0076】
図8を参照して、CPU111は、登録指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS01)。ユーザが操作部116に登録指示が予め割り当てられたキーを押下すれば、登録指示を受け付ける。登録指示を受け付けるまで待機状態となり(ステップS01でNO)、登録指示を受け付けると(ステップS01でYES)、処理をステップS02に進める。
【0077】
ステップS02においては、原稿読取指示を受け付けたか否かを判断する。ユーザが操作部116のステップスタートキーを押下すれば、読取指示を受け付ける。読取指示を受け付けるまで待機状態となり(ステップS02でNO)、読取指示を受け付けると(ステップS02でYES)、処理をステップS03に進める。ステップS03においては、原稿読取部22に原稿を読み取らせ、原稿読取部22が出力する原稿画像を取得する。
【0078】
次のステップS04においては、検索領域情報の要求を検索サーバ200に送信する。検索領域情報の要求を受信する検索サーバ200においては、検索領域情報を返信するので、次のステップS05においては検索領域情報を受信したか否かを判断する。検索領域情報を受信するまで待機状態となり(ステップS05でNO)、検索領域情報を受信すると(ステップS05でYES)、処理をステップS06に進める。
【0079】
ステップS06においては、部分画像を検索サーバ200に送信する。ステップS03において取得された原稿画像のうち、ステップS05において受信された検索領域情報で特定される検索領域を原稿画像から切り出し、切り出した部分画像を、ネットワークI/F117を介して、検索サーバ200に送信する。
【0080】
次のステップS07においては、検索サーバから検索結果を受信したか否かを判断する。検索結果を受信するまで待機状態となり(ステップS07でNO)、検索結果を受信すると(ステップS07でYES)、処理をステップS08に進める。ステップS08においては、受信された検索結果によって処理を分岐させる。検索結果として送信要求を受信するならば処理をステップS09に進め、検索結果として登録画像を受信するならば処理をステップS14に進める。
【0081】
ステップS09においては、メッセージを表示部115に表示する。メッセージは、例えば「原稿の次ページをスキャンしてください。」等である。例えば、原稿が複数ページで構成される場合、ユーザは、複数ページの原稿を順に原稿読取部22に読み取らせる操作を、繰り返すことになる。
【0082】
次のステップS10においては、原稿読取指示を受け付けたか否かを判断する。ユーザが操作部116のステップスタートキーを押下すれば、読取指示を受け付ける。読取指示を受け付けると(ステップS10でYES)、処理をステップS11に進めるが、そうでなければ処理をステップS12に進める。ステップS12においては、終了指示を受け付けたか否かを判断する。ユーザが操作部116が備えるストップキーを押下すれば、終了指示を受け付ける。終了指示を受け付けたならば(ステップS12でYES)、処理をステップS13に進めるが、そうでなければ処理をステップS10に戻す。
【0083】
ステップS11においては、原稿読取部22に原稿を読み取らせ、原稿読取部22が出力する原稿画像を取得し、処理をステップS10に戻す。ステップS11が繰り返して実行される場合、原稿を構成する複数ページの原稿画像が、順に原稿読取部22により読み取られ、複数の原稿画像が取得される。
【0084】
ステップS12において、終了指示が受け付けられると(ステップS12でYES)、ステップS13において、原稿画像を検索サーバ200にネットワークI/F117を介して送信し、処理を終了する。原稿画像は、ステップS03において取得された原稿画像を少なくとも含み、ステップS11が実行される場合には、ステップS11において取得された1以上の原稿画像を含む。
【0085】
一方、ステップS14においては、受信された登録画像を表示部115に表示し、処理を終了する。これにより、ユーザがMFP100に読み取らせた原稿について、その原稿画像と同一の登録画像が検索サーバ200に記憶されていることをユーザに通知することができる。このため、ユーザは、原稿の原稿画像を新たにデータベースに登録する必要がないことを知ることができる。その結果、同一の原稿の原稿画像が重複して登録するのを回避するとともに、ユーザが原稿画像を登録のためにするスキャン操作が重複しないようにして、ユーザによる無駄な操作を軽減することができる。
【0086】
以上説明したように、本実施の形態における画像検索システム1は、検索サーバ200において、HDD205に記憶された複数の登録画像を比較して、複数の登録画像間で同一または類似する画像を含む共通領域を抽出し、MFP100からの要求に応じて、共通領域以外の検索領域の画像中の位置を示す検索領域情報をMFP100に送信する。MFP100においては、原稿を読み取って得られる原稿画像を検索サーバ200に登録する指示を受け付けると、検索サーバ200から検索領域を取得し、原稿画像から切り取った部分画像を、検索のために検索サーバ200に送信する。検索サーバ200においては、MFP100から受信される部分画像が複数の登録画像それぞれの検索領域に該当する参照画像と比較し、複数の登録画像のうちに参照画像が部分画像と同一または類似する登録画像が存在しない場合、送信要求をMFP100に送信し、MFP100から受信される原稿画像をHDD205に記憶する。
【0087】
このため、検索サーバ200のHDD205に、MFP100により読み取られた原稿画像と同一または類似する登録画像が存在するか否かを、原稿画像の検索領域に該当する部分画像を用いて判断するので、HDD205に記憶されている複数の原稿画像を効率的に検索することができる。また、MFP100は、検索のために原稿画像の全体を送信することなく、検索領域に該当する部分画像を送信するので、送信するデータの量を減らしてネットワーク資源を有効に利用することができる。さらに、原稿画像が機密情報を有する場合には、検索のために原稿画像の全てを送信する必要がないので、機密情報を送信する回数をできるだけ減らすことができる。
【0088】
なお、上述した実施の形態においては画像検索システム1について説明したが、図7に示した処理をコンピュータに実行させるためのデータベース生成方法およびデータベース生成プログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでもない。
【0089】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0090】
1 画像検索システム、3 ネットワーク、5 インターネット、11 操作パネル、21 ADF、22 原稿読取部、23 画像処理部、24 画像形成部、25 給紙部、26 後処理部、27 ファクシミリ部、28 通信制御部、51 原稿画像受付部、53 部分画像切出部、55 検索領域情報受信部、57 部分画像送信部、59 検索結果受信部、61 原稿画像送信部、63 検索結果表示部、100,100A〜100D MFP、101 情報処理部、111 CPU、112 ROM、113 RAM、114 HDD、115 表示部、116 操作部、117 ネットワークI/F、118 外部記憶装置、119 CD−ROM、200 検索サーバ、201 CPU、202 ROM、203 RAM、204 ネットワークI/F、205 HDD、206 表示部、207 操作部、208 外部記憶装置、209 CD−ROM、251 共通領域抽出部、253 検索領域決定部、255 検索領域情報送信部、257 部分画像受信部、259 比較部、261 登録画像送信部、263 送信要求部、265 原稿画像受信部、267 登録部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像読取装置と通信可能な画像検索装置であって、
複数の登録画像を記憶可能な記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている複数の登録画像を比較して、複数の登録画像間で同一または類似する画像を含む共通領域を抽出する共通領域抽出手段と、
前記共通領域以外の非共通領域を検索領域に決定する検索領域決定手段と、
前記検索領域の画像中の位置を示す検索領域情報を前記画像読取装置に送信する検索領域情報送信手段と、
前記画像読取装置から受信される部分画像を、前記記憶手段に記憶されている複数の登録画像それぞれの前記検索領域に該当する参照画像と比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、前記複数の登録画像のうちに前記参照画像が前記部分画像と同一または類似する登録画像が存在しない場合、前記原稿画像の送信を要求する送信要求手段と、
前記送信要求手段による要求に応じて、前記画像読取装置から受信される原稿画像を登録画像として前記記憶手段に記憶する登録手段と、を備えた画像検索装置。
【請求項2】
前記共通領域抽出手段は、複数の登録画像間で所定の特徴要素が共通する領域を共通領域として抽出する、請求項1に記載の画像検索装置。
【請求項3】
前記比較手段による比較の結果、前記複数の登録画像のうちに前記部分画像が前記参照画像と同一または類似する登録画像が存在する場合、該登録画像を前記画像読取装置に送信する検索結果送信手段を、さらに備えた請求項1または2に記載の画像検索装置。
【請求項4】
原稿を読み取った原稿画像を出力する原稿読取手段と、
前記出力される原稿画像のうち画像検索装置から受信される検索領域情報により定まる検索領域の部分を切り取った部分画像を前記画像検索装置に送信する部分画像送信手段と、
前記部分画像の送信に応じて前記画像検索装置から送信要求が受信される場合、前記原稿画像を前記画像検索装置に送信する原稿画像送信手段と、を備えた画像読取装置。
【請求項5】
画像検索装置と画像読取装置とを含む画像検索システムであって、
前記画像検索装置は、
複数の登録画像を記憶可能な記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている複数の登録画像を比較して、複数の登録画像間で同一または類似する画像を含む共通領域を抽出する共通領域抽出手段と、
前記共通領域以外の非共通領域を検索領域に決定する検索領域決定手段と、
前記検索領域の画像中の位置を示す検索領域情報を前記画像読取装置に送信する検索領域情報送信手段と、
前記画像読取装置から受信される部分画像を、前記記憶手段に記憶されている複数の登録画像それぞれの前記検索領域に該当する参照画像と比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、前記複数の登録画像のうちに前記参照画像が前記部分画像と同一または類似する登録画像が存在しない場合、前記原稿画像の送信を要求する送信要求手段と、
前記送信要求手段による要求に応じて、前記画像読取装置から受信される原稿画像を登録画像として前記記憶手段に記憶する登録手段と、を備え、
前記画像読取装置は、原稿を読み取った原稿画像を出力する原稿読取手段と、
前記出力される原稿画像のうち前記画像検索装置から受信される検索領域情報により定まる検索領域の部分を切り取った部分画像を前記画像検索装置に送信する部分画像送信手段と、
前記部分画像の送信に応じて前記画像検索装置から送信要求が受信される場合、前記原稿画像を前記画像検索装置に送信する原稿画像送信手段と、を備えた画像検索システム。
【請求項6】
画像読取装置と通信可能な画像検索装置で実行されるデータベース生成方法であって、
前記画像検索装置は、複数の登録画像を記憶可能な記憶手段を備えており、
前記データベース生成方法は、
前記記憶手段に記憶されている複数の登録画像を比較して、複数の登録画像間で同一または類似する画像を含む共通領域を抽出するステップと、
前記共通領域以外の非共通領域を検索領域に決定するステップと、
前記画像読取装置からの要求に応じて前記検索領域の画像中の位置を示す検索領域情報を、前記画像読取装置に送信するステップと、
前記画像読取装置から受信される部分画像を、前記記憶手段に記憶されている複数の登録画像それぞれの前記検索領域に該当する参照画像と比較するステップと、
前記比較するステップにおける比較の結果、前記複数の登録画像のうちに前記参照画像が前記部分画像と同一または類似する登録画像が存在しない場合、前記原稿画像の送信を前記画像読取装置に要求するステップと、
前記送信要求手段による要求に応じて、前記画像読取装置から受信される原稿画像を登録画像として前記記憶手段に記憶するステップと、を含むデータベース生成方法。
【請求項7】
画像読取装置と通信可能な画像検索装置を制御するコンピュータで実行されるデータベース生成プログラムであって、
前記画像検索装置は、複数の登録画像を記憶可能な記憶手段を備えており、
前記データベース生成プログラムは、
前記記憶手段に記憶されている複数の登録画像を比較して、複数の登録画像間で同一または類似する画像を含む共通領域を抽出するステップと、
前記共通領域以外の非共通領域を検索領域に決定するステップと、
前記画像読取装置からの要求に応じて前記検索領域の画像中の位置を示す検索領域情報を、前記画像読取装置に送信するステップと、
前記画像読取装置から受信される部分画像を、前記記憶手段に記憶されている複数の登録画像それぞれの前記検索領域に該当する参照画像と比較するステップと、
前記比較するステップにおける比較の結果、前記複数の登録画像のうちに前記参照画像が前記部分画像と同一または類似する登録画像が存在しない場合、前記原稿画像の送信を前記画像読取装置に要求するステップと、
前記送信要求手段による要求に応じて、前記画像読取装置から受信される原稿画像を登録画像として前記記憶手段に記憶するステップと、を前記コンピュータに実行させるデータベース生成プログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−59200(P2012−59200A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−204433(P2010−204433)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】