説明

画像生成装置、キャラクタ外観変更方法、および、プログラム

【課題】キャラクタの外観を適切に変化させることのできる画像生成装置等を提供する。
【解決手段】オブジェクト記憶部220には、主人公キャラクタに標準で適用される迷彩服の迷彩パターンを示す標準テクスチャ222、差し替え可能となる迷彩パターンを示す追加テクスチャ223、及び、迷彩服の質感を決定するためのパラメータである質感パラメータ224が記憶されている。背景特定部232は、主人公キャラクタが停止すると、位置情報記憶部240に記憶される主人公キャラクタと他のオブジェクトとの位置関係に基づいて、背景となるオブジェクトを特定する。そして、服装変更部233は、特定されたオブジェクトの情報(テクスチャ等)に応じて、最適となる追加テクスチャ223と質感パラメータ224との組み合わせを適宜選択し、主人公キャラクタの迷彩服を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、服装やコスチュームといったキャラクタの外観を適切に変化させることのできる画像生成装置、キャラクタ外観変更方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、アクションゲームを行うことのできるゲーム装置(ビデオゲーム装置等)が、広く普及している。このようなアクションゲームは、一例として、銃や剣等の武器を装備した主人公キャラクタをプレイヤが操作して、仮想空間内(フィールド等)を自由に移動させ、敵キャラクタ等と戦うといったタイプのゲームである。つまり、戦いに主眼を置いたものと言える。
【0003】
最近では、このような戦いに主眼を置いたものと異なり、主人公キャラクタが敵陣に潜入し、身を隠しつつ諜報活動等を行うといった新しい発想のアクションゲームも知られている。
【0004】
なお、アクションゲームの技術の一例として、戦闘場面における背景の変更を適宜抑制して、外部記憶装置の読み取りに伴う待ち時間の発生を防止できる画像表示方法の技術も開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−308755公報 (第3−5頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したアクションゲームでは、服装やコスチュームといったキャラクタの外観をプレイヤが任意に変更できるものも知られている。例えば、上述した身を隠しつつ諜報活動等を行うタイプのアクションゲームでは、主人公キャラクタの迷彩服(戦闘服)を、プレイヤが適宜変更することができるようになっている。
【0006】
このような迷彩服(外観)の変更は、一般に、プレイヤがメニュー画面を表示させるなどして、新たな迷彩服を選択することにより行われている。具体的には、任意の迷彩服が選択されると、その迷彩服が適用された主人公キャラクタのグラフィックデータ(モデル等)が、ロードし直されていた。
つまり、複数種類の迷彩服にそれぞれ対応した異なるグラフィックデータが予め用意されており、プレイヤの任意の選択に応じて、対応するグラフィックデータが新たに読み出されていた。
【0007】
そのため、プレイヤは、迷彩服を変更しようとする度に、プレイ(主人公キャラクタの操作)を中断し、メニュー画面を表示して場面等に相応したものを選択することになる。例えば、主人公キャラクタがジャングルを移動している際には、その場に合った緑色系の迷彩服を選択し、やがて、煉瓦でできた廃墟(建物等)に出くわすと、その場に合った煉瓦色系の迷彩服を選択し直す等である。
【0008】
このような操作は、プレイヤにとって煩雑であるだけでなく、プレイが一時中断されるため、リズムが崩され、好調を維持できなくなるプレイヤも多かった。
一方、ゲームの作り手側にとっても、主人公キャラクタについて、異なる迷彩服のグラフィックデータを数多く用意しなくてはならなくなり、作成に手間がかかることになる。また、その分だけ記録容量等が消費されるため、他のグラフィックデータ等を削減する必要が生じたり、ゲームを実行するための記録媒体の枚数等を増やす必要が生じることもあった。
【0009】
そのため、プレイヤ及び作り手双方を満足させる技術の開発が求められていた。つまり、プレイヤにとっては、プレイを中断することなく、主人公キャラクタの迷彩服を適宜変更できる(変化させることができる)ことが望まれており、また、ゲームの作り手側にとっては、迷彩服に応じてグラフィックデータを複数用意しなくとも済むことが望まれていた。
【0010】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、キャラクタの外観を適切に変化させることのできる画像生成装置、キャラクタ外観変更方法、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の観点に係る画像生成装置は、オブジェクト記憶部、位置記憶部、オブジェクト特定部、外観変更部、及び、画像描画部を含んで構成される。
【0012】
まず、オブジェクト記憶部は、テクスチャ(例えば、迷彩パターンのテクスチャ)とパラメータ(例えば、質感パラメータ)との組合せにより外観(例えば、服装)が定まるキャラクタオブジェクト、及び、キャラクタオブジェクトの背景となり得る複数のオブジェクトを記憶する。また、位置記憶部は、仮想空間内におけるキャラクタオブジェクトを含む各オブジェクトのそれぞれの位置を記憶する。オブジェクト特定部は、記憶される各オブジェクト間の位置関係に基づいて、キャラクタオブジェクトの背景となるオブジェクトを特定する。外観変更部は、特定されたオブジェクトに対応して、テクスチャとパラメータとの組合せを選択し、キャラクタオブジェクトの外観を変更する。そして、画像描画部は、外観が変更されたキャラクタオブジェクトを含む画像を描画する。
このように、背景となるオブジェクトに対応して、最適となるテクスチャとパラメータとの組み合わせが特定され、これらの組合せによりキャラクタオブジェクトの外観が変更される。つまり、背景に合わせてキャラクタの外観が変化することになる。この結果、キャラクタの外観を適切に変化させることができる。
【0013】
上記の画像生成装置は、当該キャラクタオブジェクトに向けたプレイヤからの操作入力を受け付ける操作受付部と、受け付けた当該操作入力に基づいて、当該キャラクタオブジェクトの移動を制御する移動制御部と、を更に備え、
前記オブジェクト特定部は、前記移動制御部による当該キャラクタオブジェクトの移動制御が停止した際に、停止した当該キャラクタオブジェクトの背景となるオブジェクトを特定してもよい。
この場合、プレイヤに操作されるキャラクタが止まった状態で、背景に合わせてキャラクタの外観が変化することになる。このため、プレイヤは、キャラクタを停止させるだけで、キャラクタの外観を背景に溶け込ませることができる。
【0014】
前記オブジェクト記憶部は、複数の迷彩パターンのテクスチャと質感パラメータとが付加されたキャラクタオブジェクトを記憶し、前記外観変更部は、特定された当該オブジェクトのテクスチャに対応する、迷彩パターンと質感パラメータとの組合せを選択し、当該キャラクタオブジェクトの外観(例えば、迷彩服等)を変更してもよい。
この場合、背景となるオブジェクトに対してテクスチャだけでなく質感も合致した外観に変更することができる。
【0015】
本発明の第2の観点に係るキャラクタ外観変更方法は、テクスチャ(例えば、迷彩パターンのテクスチャ)とパラメータ(例えば、質感パラメータ)との組合せにより外観(例えば、服装)が定まるキャラクタオブジェクト、及び、キャラクタオブジェクトの背景となり得る複数のオブジェクトを記憶するオブジェクト記憶部、及び、仮想空間内における当該キャラクタオブジェクトを含む各オブジェクトのそれぞれの位置を記憶する位置記憶部を用いて、オブジェクト特定ステップ、外観変更ステップ、及び、画像描画ステップを含んで構成される。
【0016】
まず、オブジェクト特定ステップでは、位置記憶部に記憶される各オブジェクト間の位置関係に基づいて、キャラクタオブジェクトの背景となるオブジェクトを特定する。また、外観変更ステップでは、特定されたオブジェクトに対応して、テクスチャとパラメータとの組合せを選択し、キャラクタオブジェクトの外観を変更する。そして、画像描画ステップでは、外観が変更されたキャラクタオブジェクトを含む画像を描画する。
このように、背景となるオブジェクトに対応して、最適となるテクスチャとパラメータとの組み合わせが特定され、これらの組合せによりキャラクタオブジェクトの外観が変更される。つまり、背景に合わせてキャラクタの外観が変化することになる。この結果、キャラクタの外観を適切に変化させることができる。
【0017】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、コンピュータ(電子機器を含む。)を、上記の画像生成装置として機能させるように構成する。
【0018】
このプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記録媒体に記録することができる。
【0019】
上記プログラムは、当該プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記録媒体は、当該コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、キャラクタの外観を適切に変化させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、ゲーム装置に本発明が適用される実施形態を説明するが、各種のコンピュータ、PDA、携帯電話などの情報処理装置においても同様に本発明を適用することができる。すなわち、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素または全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0022】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施の形態に係る画像生成装置が実現される典型的なゲーム装置の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0023】
ゲーム装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、インターフェース104と、コントローラ105と、外部メモリ106と、DVD(Digital Versatile Disk)−ROMドライブ107と、画像処理部108と、音声処理部109と、NIC(Network Interface Card)110と、を備える。
【0024】
なお、ゲーム用のプログラムおよびデータを記憶したDVD−ROMをDVD−ROMドライブ107に装着して、ゲーム装置100の電源を投入することにより、当該プログラムが実行され、本実施形態の画像生成装置が実現される。
【0025】
CPU 101は、ゲーム装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。
【0026】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、これが実行されることにより、DVD−ROMに記録されたプログラムをRAM 103に読み出してCPU 101による実行が開始される。また、ROM 102には、ゲーム装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0027】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行やチャット通信に必要なデータが保持される。
【0028】
インターフェース104を介して接続されたコントローラ105は、ユーザがゲーム実行の際に行う操作入力を受け付ける。たとえば、コントローラ105には、Aボタン,Bボタン,Xボタン,Yボタンや4方向を示す各方向ボタン(方向キー)等が配置されている。そして、これらのボタンがユーザに押下されると、押下されたボタンに応じた操作入力を受け付ける。
【0029】
インターフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、ゲームの進行状態を示すデータ、チャット通信のログ(記録)のデータなどが書き換え可能に記憶される。ユーザは、コントローラ105を介して指示入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ106に記録することができる。
【0030】
DVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROMには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データが記録される。CPU 101の制御によって、DVD−ROMドライブ107は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらはRAM 103等に一時的に記憶される。
【0031】
画像処理部108は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU 101や画像処理部108が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部108が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され画像処理部108に接続されるモニタ(図示せず)へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0032】
なお、画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。
また、仮想3次元空間に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想3次元空間に配置されたポリゴンを俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。
【0033】
さらに、CPU 101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報にしたがって、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画することが可能である。フォント情報は、ROM 102に記録されているが、DVD−ROMに記録された専用のフォント情報を利用することも可能である。
【0034】
音声処理部109は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、これに接続されたスピーカ(図示せず)から出力させる。また、CPU 101の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をスピーカから出力させる。
【0035】
NIC 110は、ゲーム装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格にしたがうものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 101との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)により構成される。
【0036】
このほか、ゲーム装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、外部メモリ106、DVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
また、ユーザからの文字列の編集入力を受け付けるためのキーボードや、各種の位置の指定および選択入力を受け付けるためのマウスなどを接続する形態も採用することができる。
【0037】
また、本実施形態のゲーム装置100にかえて、一般的なコンピュータ(汎用のパーソナルコンピュータ等)を画像生成装置として利用することもできる。たとえば、一般的なコンピュータは、上記ゲーム装置100と同様に、CPU、RAM、ROM、DVD−ROMドライブ、および、NICを備え、ゲーム装置100よりも簡易な機能を備えた画像処理部を備え、外部記憶装置としてハードディスクを有する他、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、磁気テープ等が利用できるようになっている。また、コントローラではなく、キーボードやマウスなどを入力装置として利用する。そして、ゲームプログラムをインストールした後に、そのプログラムを実行させると、画像生成装置として機能する。
【0038】
(画像生成装置の概要構成)
図2は、本実施形態に係る画像生成装置の概要構成を示す模式図である。この画像生成装置は、一例として、プレイヤにより操作されるキャラクタ(主人公キャラクタ)が敵陣に潜入し、身を隠しつつ諜報活動等を行うアクションゲームにおいて、迷彩服を着用したキャラクタを含む画像を生成する装置である。以下、本図を参照して説明する。
【0039】
画像生成装置200は、操作受付部210と、オブジェクト記憶部220と、処理制御部230と、位置情報記憶部240と、画像描画部250とを備える。
【0040】
まず、操作受付部210は、プレイヤが操る主人公キャラクタに対する動作指示等の操作入力を受け付ける。例えば、操作受付部210は、所定方向に移動する、壁等に張り付く、しゃがむ、伏せる等の動作に対応した複数のボタン(一例として、コントローラ105に配置された方向キー,Aボタン,Bボタン,Xボタン,Yボタン等)の何れかがプレイヤにより押下されることによって、主人公キャラクタに向けた操作入力を受け付ける。
なお、コントローラ105がこのような操作受付部210として機能しうる。
【0041】
オブジェクト記憶部220は、仮想空間内に配置される、主人公キャラクタ、敵キャラクタ、樹木、及び、建物等のオブジェクトを記憶する。
一例として、主人公キャラクタオブジェクト221は、キャラクタ形状等を規定するポリゴン(プリミティブ)群の他に、標準テクスチャ222、追加テクスチャ223、及び、質感パラメータ224等を含んでいる。
【0042】
標準テクスチャ222は、主人公キャラクタに標準で適用される(着用させる)迷彩服(戦闘服)の迷彩パターン(彩色パターン)を示すテクスチャである。
また、追加テクスチャ223は、差し替え可能となる迷彩パターンを示すテクスチャである。つまり、主人公キャラクタの迷彩服を変更する際に使用される。なお、追加テクスチャ223には、複数の異なる迷彩パターンが含まれている。
そして、質感パラメータ224は、迷彩服の質感を決定するためのパラメータであり、凹凸、繊維らしさ、光の反射具合といった各種の可変値を変更することにより、異なる素材感に変化させることができる。
【0043】
なお、主人公キャラクタの迷彩服は、背景に溶け込めるように(カムフラージュできるように)、適宜変更することができる。具体的には、後述するように、背景となるオブジェクトが特定されると、そのオブジェクトに対応して、最適となる追加テクスチャ223と質感パラメータ224との組み合わせが適宜選択される。これにより、背景(背景となるオブジェクト)に対してテクスチャだけでなく質感も合致した迷彩服に変更することができる。
そして、RAM 103等が、このようなオブジェクト記憶部220として機能しうる。
【0044】
処理制御部230は、移動制御部231、背景特定部232、及び、服装変更部233を含んでおり、画像生成装置200全体を適宜制御する。
この移動制御部231は、操作受付部210が受け付けた移動指示等に基づいて、主人公キャラクタの位置等を変化させる。つまり、プレイヤの操作に基づいて、位置情報記憶部240における主人公キャラクタ等の位置情報を更新する。
【0045】
背景特定部232は、主人公キャラクタが停止している(若しくは、ゆっくり移動している)際に、位置情報記憶部240に記憶される主人公キャラクタと他のオブジェクトとの位置関係(例えば、仮想カメラを基準とした位置関係)に基づいて、主人公キャラクタの背後に位置する(背景となる)オブジェクトを特定する。
なお、オブジェクトの高さが、主人公キャラクタの高さ(静止している時の姿勢における主人公キャラクタの高さ)よりもある程度低い場合に、背景特定部232は、そのオブジェクトを特定しないようにしてもよい。
【0046】
服装変更部233は、背景特定部232に特定されたオブジェクトの情報(テクスチャ等)に応じて、最適となる追加テクスチャ223と質感パラメータ224との組み合わせを適宜選択し、主人公キャラクタの服装(迷彩服)を変更する。
例えば、標準テクスチャ222が草むらに溶け込める迷彩パターン(ウッドランドタイプ等)であるとすると、移動中には、図3(a)に示すような迷彩服の主人公キャラクタCHが描画されることになる。そして、キャラクタが煉瓦でできた廃墟にて停止した場合、服装変更部233は、煉瓦に溶け込める迷彩パターン(砂漠タイプ等)を追加テクスチャ223の中から選択し、また、煉瓦に質感が近くなる質感パラメータ224を選択する。そして、服装変更部233によって、図3(b)に示すように、主人公キャラクタCHの迷彩服が変更される。つまり、迷彩パターンだけでなく、質感も煉瓦に近い迷彩服に変更されることになる。
【0047】
この他に処理制御部230は、所定のロジック等に基づいて、敵キャラクタの制御等も行う。
なお、CPU 101が、このような処理制御部230として機能しうる。
【0048】
図2に戻って、位置情報記憶部240は、仮想空間内における各オブジェクトの位置情報をそれぞれ記憶する。つまり、主人公キャラクタを含む各オブジェクトの現在位置等を管理する。
なお、オブジェクトの中には、主人公キャラクタのように、プレイヤの操作に従って、移動するものや、敵キャラクタのように処理制御部230の制御等に応じて移動するものや、そして、樹木や建物といった位置が変化しないものが含まれている。また、オブジェクトの他にも、位置情報記憶部240は、仮想カメラの位置等も記憶する。
そして、RAM 103等が、このような位置情報記憶部240として機能しうる。
【0049】
画像描画部250は、オブジェクト記憶部220に記憶されるオブジェクト(描画対象となるオブジェクト)を、位置情報記憶部240に記憶される位置情報等に応じて描画する。つまり、主人公キャラクタを含む表示画像を生成する。
なお、画像描画部250は、主人公キャラクタを描画する際に、服装変更部233によって組み合わせが選択された追加テクスチャ223と質感パラメータ224とに基づいて、迷彩服を描画する。
そして、画像処理部108が、このような画像描画部250として機能しうる。
【0050】
(画像生成装置の動作の概要)
図4は、上述した構成の画像生成装置200において実行されるキャラクタ外観変更処理の流れを示すフローチャートである。以下、本図を参照して画像生成装置200の動作について説明する。このキャラクタ外観変更処理は、アクションゲームにおいて、主人公キャラクタの外観(迷彩服)を自動的に変更する処理である。
【0051】
まず、画像生成装置200は、プレイヤの操作に応じて主人公キャラクタを移動させる(ステップS301)。つまり、移動制御部231は、操作受付部210が受け付けた操作入力に基づいて、位置情報記憶部240に記憶される主人公キャラクタの位置情報を更新する。
【0052】
画像生成装置200は、主人公キャラクタを含む画像を生成する(ステップS302)。つまり、画像描画部250は、オブジェクト記憶部220に記憶されるオブジェクト(描画対象となるオブジェクト)を、位置情報記憶部240に記憶される位置情報等に応じて描画する。なおこの際、主人公キャラクタが移動中であるため、標準テクスチャ222の迷彩パターンの主人公オブジェクトが描画される。
【0053】
画像生成装置200は、主人公キャラクタの移動が停止したか否かを判別する(ステップS303)。つまり、プレイヤからの操作入力がなくなり、主人公キャラクタが停止したかどうかを判別する。
画像生成装置200は、停止していないと判別すると(ステップS303;No)、上述のステップS301に処理を戻す。
【0054】
一方、主人公キャラクタが停止したと判別した場合に(ステップS303;Yes)、画像生成装置200は、背景となるオブジェクトを特定する(ステップS304)。つまり、背景特定部232は、位置情報記憶部240に記憶される主人公キャラクタと他のオブジェクトとの間の位置関係に基づいて、主人公キャラクタの背後に位置するオブジェクトを特定する。
【0055】
画像生成装置200は、追加テクスチャ223と質感パラメータ224との組み合わせを選択する(ステップS305)。つまり、服装変更部233は、背景特定部232に特定されたオブジェクトの情報(テクスチャ等)に基づいて、最適となる追加テクスチャ223と質感パラメータ224との組み合わせを選択する。
【0056】
画像生成装置200は、迷彩服を変更した主人公キャラクタを含む画像を生成する(ステップS306)。つまり、主人公キャラクタが停止したため、画像描画部250は、その背景となるオブジェクトに応じて変更された迷彩パターンの迷彩服を着用した主人公キャラクタを描画することになる。
【0057】
このようなキャラクタ外観変更処理により、背景となるオブジェクトに対応して、最適となる追加テクスチャ223と質感パラメータ224との組み合わせが適択される。これにより、背景となるオブジェクトに対してテクスチャだけでなく質感も合致した迷彩服に変更することができる。
この結果、キャラクタの外観を適切に変化させることができる。
【0058】
また、プレイヤにとっては、プレイを中断することなく、主人公キャラクタの迷彩服を適宜変更できる。一方、ゲームの作り手側にとっては、迷彩服に応じてグラフィックデータを複数用意しなくとも済むことになる。
【0059】
(他の実施形態)
上記の実施形態では、主人公キャラクタが停止すると、直ちに(瞬時に)、背景となるオブジェクトに対応した迷彩服に変更する場合について説明した。しかしながら、所定時間の経過に伴って、徐々に、迷彩服を変更するようにしてもよい。
例えば、草むらに溶け込める迷彩服を着用した主人公キャラクタが煉瓦でできた廃墟にて停止したとしても、図5(a)に示すような迷彩パターン(草むらに溶け込める迷彩パターン)からいきなり図5(c)に示すような煉瓦に溶け込める迷彩パターンに変更するのではなく、途中に図5(b)に示すような中間の迷彩パターンを経由して、徐々に迷彩服を変更する。また、その際、質感のパラメータも煉瓦に近いものへと徐々に変更してもよい。
【0060】
すなわち、背景特定部232が主人公キャラクタの背後に位置するオブジェクトを特定すると、服装変更部233は、特定されたオブジェクトの情報(テクスチャ等)に応じて、最適となる追加テクスチャ223と質感パラメータ224との組み合わせと、その途中となる(中間等になり得る)追加テクスチャ223と質感パラメータ224との組み合わせとを適宜選択する。そして、最初に途中となる追加テクスチャ223と質感パラメータ224との組み合わせによって、途中の迷彩服を着用した主人公キャラクタが描画される。続いて、最適となる迷彩服を着用した主人公キャラクタが描画される。つまり、徐々に、迷彩服が変化していくことになる。
また、途中で変化する迷彩服(テクスチャ等)は、1つに限られず複数であってもよい。つまり、複数種類の迷彩服に変化しながら、最終的に、現在の背景に溶け込める最適となる迷彩服に変化するようにしてもよい。
【0061】
上記の実施形態では、背景となるオブジェクトを特定すると、そのオブジェクトに応じて一様に迷彩服を変更する場合について説明した。しかしながら、主人公キャラクタと、背景となるオブジェクトとの位置関係(例えば、距離)に応じて、質感パラメータ等を変化させて迷彩服を変更するようにしてもよい。
例えば、図6(a),(b)に示すように(上から見た図)、主人公キャラクタCHが同じオブジェクトHOの前で停止しても、主人公キャラクタCHとオブジェクトHOとの距離が異なる場合がある。この場合、この距離に応じて、質感パラメータを変化させる。つまり、図6(a)のように、距離L1が大きいと、質感パラメータをオブジェクトHOに余り近くない値で、図6(c)に示すような迷彩服に変更する。一方、図6(b)のように、距離L2が小さいと、質感パラメータをオブジェクトHOに近づけた値で、図6(d)に示すような迷彩服に変更する。
この場合、図6(d)のように、背景となるオブジェクトHOに近づいた方が、より、質感が近くなり、背景にとけ込めるようになる(カムフラージュがより効果的となる)。
【0062】
上記の実施形態では、主人公キャラクタの服装(迷彩服)を変更する場合について説明したが、キャラクタの外観を変更するものであれば、服装やコスチューム等に限られず任意である。例えば、動物等の模様等にも適宜適応可能である。
【0063】
以上説明したように、本発明によれば、キャラクタの外観を適切に変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施形態に係るゲーム装置の概要構成を示す模式図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像生成装置の概要構成を示す模式図である。
【図3】(a),(b)共に、迷彩服の変更の様子を説明するための模式図である。
【図4】本発明の実施形態に係るキャラクタ外観変更処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】(a)〜(c)共に、迷彩服の迷彩パターン(テクスチャ)を徐々に変更する様子を説明するための模式図である。
【図6】(a)〜(d)共に、オブジェクトとの距離に応じて質感パラメータ等を変化させる様子を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0065】
100 ゲーム装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェース
105 コントローラ
106 外部メモリ
107 DVD−ROMドライブ
108 画像処理部
109 音声処理部
110 NIC
200 画像生成装置
210 操作受付部
220 オブジェクト記憶部
230 処処理制御部
231 移動制御部
232 背景特定部
233 服装変更部
240 位置情報記憶部
250 画像描画部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テクスチャとパラメータとの組合せにより外観が定まるキャラクタオブジェクト、及び、当該キャラクタオブジェクトの背景となり得る複数のオブジェクトを記憶するオブジェクト記憶部と、
仮想空間内における当該キャラクタオブジェクトを含む各オブジェクトのそれぞれの位置を記憶する位置記憶部と、
記憶される当該各オブジェクト間の位置関係に基づいて、当該キャラクタオブジェクトの背景となるオブジェクトを特定するオブジェクト特定部と、
特定された当該オブジェクトに対応して、テクスチャとパラメータとの組合せを選択し、当該キャラクタオブジェクトの外観を変更する外観変更部と、
外観が変更された当該キャラクタオブジェクトを含む画像を描画する画像描画部と、を備える、
ことを特徴とする画像生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像生成装置であって、
当該キャラクタオブジェクトに向けたプレイヤからの操作入力を受け付ける操作受付部と、
受け付けた当該操作入力に基づいて、当該キャラクタオブジェクトの移動を制御する移動制御部と、を更に備え、
前記オブジェクト特定部は、前記移動制御部による当該キャラクタオブジェクトの移動制御が停止した際に、停止した当該キャラクタオブジェクトの背景となるオブジェクトを特定する、
ことを特徴とするもの。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像生成装置であって、
前記オブジェクト記憶部は、複数の迷彩パターンのテクスチャと質感パラメータとが付加されたキャラクタオブジェクトを記憶し、
前記外観変更部は、特定された当該オブジェクトの画像に対応する、迷彩パターンと質感パラメータとの組合せを選択し、当該キャラクタオブジェクトの外観を変更する、
ことを特徴とするもの。
【請求項4】
オブジェクト記憶部及び位置記憶部を用いる画像生成装置におけるキャラクタ外観変更方法であって、
前記オブジェクト記憶部は、テクスチャとパラメータとの組合せにより外観が定まるキャラクタオブジェクト、及び、当該キャラクタオブジェクトの背景となり得る複数のオブジェクトを記憶し、また、前記位置記憶部は、仮想空間内における当該キャラクタオブジェクトを含む各オブジェクトのそれぞれの位置を記憶しており、
前記位置記憶部に記憶される当該各オブジェクト間の位置関係に基づいて、当該キャラクタオブジェクトの背景となるオブジェクトを特定するオブジェクト特定ステップと、
特定された当該オブジェクトに対応して、テクスチャとパラメータとの組合せを選択し、当該キャラクタオブジェクトの外観を変更する外観変更ステップと、
外観が変更された当該キャラクタオブジェクトを含む画像を描画する画像描画ステップと、を備える、
ことを特徴とするキャラクタ外観変更方法。
【請求項5】
コンピュータを、
テクスチャとパラメータとの組合せにより外観が定まるキャラクタオブジェクト、及び、当該キャラクタオブジェクトの背景となり得る複数のオブジェクトを記憶するオブジェクト記憶部、
仮想空間内における当該キャラクタオブジェクトを含む各オブジェクトのそれぞれの位置を記憶する位置記憶部、
記憶される当該各オブジェクト間の位置関係に基づいて、当該キャラクタオブジェクトの背景となるオブジェクトを特定するオブジェクト特定部、
特定された当該オブジェクトに対応して、テクスチャとパラメータとの組合せを選択し、当該キャラクタオブジェクトの外観を変更する外観変更部、
外観が変更された当該キャラクタオブジェクトを含む画像を描画する画像描画部、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−260197(P2007−260197A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−89961(P2006−89961)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【特許番号】特許第3949703号(P3949703)
【特許公報発行日】平成19年7月25日(2007.7.25)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】