説明

画像生成装置、プロジェクター、プログラムおよび画像生成方法

【課題】 手書き入力された複数の入力オブジェクトをより見やすく表示する画像を生成することが可能なプロジェクター等を提供すること。
【解決手段】 プロジェクター100が、手書き入力された複数の入力オブジェクトの入力位置および内容を示す入力オブジェクトデータ122に基づき、各入力オブジェクトを重ねないように拡大させた状態における各入力オブジェクトの位置および大きさを決定する決定部170と、入力オブジェクトデータ122に基づき、決定部170の決定に応じて位置および大きさが調整された複数の入力オブジェクトを示す画像を生成する画像生成部160を含んで構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像生成装置、プロジェクター、プログラムおよび画像生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、教室において、ホワイトボードに画像が表示された状態で、生徒や先生が電子ペンを用いてホワイトボードに文字等を書き込むことが行われている。例えば、特開2011−2650号公報では、PC(Personal Computer)とプロジェクターを用いて、カメラで撮像された、ポインティングデバイスの先端から出射される赤外光の位置に応じた軌跡を含む合成画像を生成して投写することが記載されている。このような電子ペン等を用いてホワイトボード等に手書きで文字や図形等が描かれることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−2650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ユーザーが手書きで多くの文字や図形等のオブジェクトを描くと、オブジェクトの大きさが異なっていたり、文字列が右下がりになったりしてしまい、見づらくなってしまうことがある。また、ユーザーが、あらかじめPC等で文字や図形等を作成し、プロジェクター等を用いて当該文字等を表示する手法も考えられるが、事前準備に時間がかかる上、プレゼンテーションの場で文字等を追加するためには、ホワイトボード等の画像の表示領域から離れてPC等を操作せざるを得ず、プレゼンテーションの効果が低下してしまう。
【0005】
本発明にかかるいくつかの態様は、上記課題を解決することにより、手書き入力された複数の入力オブジェクトをより見やすく表示する画像を生成することが可能な画像生成装置、プロジェクター、プログラムおよび画像生成方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様の1つである画像生成装置は、手書き入力された複数の入力オブジェクトの入力位置および内容を示す入力オブジェクトデータに基づき、各入力オブジェクトを重ねないように拡大させた状態における各入力オブジェクトの位置および大きさを決定する決定部と、前記入力オブジェクトデータに基づき、前記決定部の決定に応じて位置および大きさが調整された前記複数の入力オブジェクトを示す画像を生成する画像生成部と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の態様の1つであるプロジェクターは、前記画像生成装置と、前記画像を投写する投写部と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の態様の1つであるプログラムは、コンピューターにより読み取り可能なプログラムであって、前記コンピューターに、手書き入力された複数の入力オブジェクトの入力位置および内容を示す入力オブジェクトデータに基づき、各入力オブジェクトを重ねないように拡大させた状態における各入力オブジェクトの位置および大きさを決定させ、前記入力オブジェクトデータに基づき、前記決定部の決定に応じて位置および大きさが調整された前記複数の入力オブジェクトを示す画像を生成させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の態様の1つである画像生成方法は、画像生成装置が、手書き入力された複数の入力オブジェクトの入力位置および内容を示す入力オブジェクトデータに基づき、各入力オブジェクトを重ねないように拡大させた状態における各入力オブジェクトの位置および大きさを決定し、前記入力オブジェクトデータに基づき、前記決定部の決定に応じて位置および大きさが調整された前記複数の入力オブジェクトを示す画像を生成することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、画像生成装置等は、各入力オブジェクトを重ねないように各入力オブジェクトを拡大した状態の画像を生成することができるため、手書き入力された複数の入力オブジェクトをより見やすく表示する画像を生成することができる。
【0011】
また、前記画像生成装置は、前記入力オブジェクトデータに基づき、各入力オブジェクトに対する文字認識処理を実行する文字認識処理部を含み、前記決定部は、前記文字認識処理部による文字認識処理が成功した入力オブジェクトに対して前記位置および大きさを決定する処理を実行してもよい。これによれば、画像生成装置等は、文字認識処理を実行することにより、入力オブジェクトを文字として処理しやすく、文字ごとに文字を拡大することができるため、手書き入力された複数の入力オブジェクトをより見やすく表示する画像を生成することができる。
【0012】
また、前記決定部は、前記入力オブジェクトデータに基づき、前記複数の入力オブジェクトのうちグループを形成しているグループ化対象オブジェクトが直線状に配置されるように前記グループにおける各グループ化対象オブジェクトの位置を決定してもよい。これによれば、画像生成装置等は、例えば、右下がりで記載された文字列を直線状に配置して表示する画像を生成することができるため、手書き入力された複数の入力オブジェクトをより見やすく表示する画像を生成することができる。
【0013】
また、前記画像生成装置は、前記グループが箇条書きにおけるグループであるかどうかを判定する判定部を含み、前記決定部は、前記グループ単位で拡大を行うとともに、前記判定部によって前記グループが箇条書きにおけるグループであると判定されると、当該グループに対し、拡大率が最小のグループの拡大率で前記グループ単位の拡大を行ってもよい。これによれば、画像生成装置等は、拡大率が最小のグループの拡大率でグループ単位の拡大を行うことにより、各グループが重ならない状態の画像を生成することができるため、手書き入力された複数の入力オブジェクトをより見やすく表示する画像を生成することができる。
【0014】
また、前記決定部は、前記箇条書きに該当する前記グループ化対象オブジェクトが直線状に配置された状態で、前記グループごとの間隔が均等になるように各グループ化対象オブジェクトの位置を決定してもよい。これによれば、画像生成装置等は、箇条書きを構成する各グループの間隔を均等に表示する画像を生成することができるため、手書き入力された複数の入力オブジェクトをより見やすく表示する画像を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施例における投写状況を示す図である。
【図2】第1の実施例における調整前の画像の一例を示す図である。
【図3】第1の実施例における調整後の画像の一例を示す図である。
【図4】第1の実施例におけるプロジェクターの機能ブロック図である。
【図5】第1の実施例におけるプロジェクターのハードウェアブロック図である。
【図6】第1の実施例における画像の投写手順を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施例における通常文字列の調整方法を示す図である。
【図8】第1の実施例における箇条書き文字列の調整方法を示す図である。
【図9】第1の実施例におけるグループに関する調整方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明をプロジェクターに適用した実施例について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下に示す実施例は、特許請求の範囲に記載された発明の内容を何ら限定するものではない。また、以下の実施例に示す構成のすべてが、特許請求の範囲に記載された発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0017】
(第1の実施例)
図1は、第1の実施例における投写状況を示す図である。プロジェクター100は、短焦点型であり、金具30で壁に取り付けられた状態でスクリーン10に画像20を投写する。生徒40は、電子ペン50を操作することにより、スクリーン10に投写された画像20に文字や線等を描く。
【0018】
図2は、第1の実施例における調整前の画像300の一例を示す図である。例えば、画像300では、生徒40が電子ペン50を操作することにより、図形、通常の文字列、箇条書きの文字列、縦書きの文字列が表示されている。図3は、第1の実施例における調整後の画像301の一例を示す図である。本実施例のプロジェクター100は、図3に示すように、手書き入力された文字列等を手書きの状態のまま整形(例えば、大きさの調整、文字列の傾きの調整等)して投写する機能を有している。次に、このような機能を有するプロジェクター100の機能ブロックについて説明する。
【0019】
図4は、第1の実施例におけるプロジェクター100の機能ブロック図である。プロジェクター100は、撮像部110と、画像301等を生成する画像生成装置102と、画像301等を投写する投写部190を含んで構成されている。画像生成装置102は、記憶部120と、文字認識処理部130と、記憶部120内のデータを更新する更新部140と、判定部150と、表示状態等を決定する決定部170と、画像生成部160を含んで構成されている。また、記憶部120は、入力オブジェクトを示す入力オブジェクトデータ122、文字データ124、表示状態データ126等を記憶している。
【0020】
なお、入力オブジェクトデータ122は、例えば、手書き文字等の入力時の座標位置(例えば、液晶パネル等の表示領域における座標位置、撮像部110の結像領域における座標位置等)、入力時刻、画素値、オブジェクト(例えば、1つの文字、1つの図形等)ごとのオブジェクトID、整形済みかどうかを示す整形済みフラグ、グループ(例えば、通常文字列、箇条書き文字列等)ごとのグループID等を示すデータである。また、文字データ124は、例えば、文字認識処理部130によって認識された文字を示す文字コード、オブジェクトID、グループ属性(箇条書きグループ、通常グループ等)等を示すデータである。また、表示状態データ126は、例えば、オブジェクトごとの整形後の座標位置、オブジェクトID、グループごとの整形後の座標位置、グループID等を示すデータである。
【0021】
また、プロジェクター100は、以下のハードウェアを用いてこれらの各部として機能してもよい。図5は、第1の実施例におけるプロジェクター100のハードウェアブロック図である。例えば、撮像部110はCMOSセンサー910等、記憶部120は、RAM920、フラッシュROM922等、文字認識処理部130、更新部140、判定部150、決定部170はCPU930等、画像生成部160は画像処理回路960等、投写部190は、ランプ駆動回路990、ランプ991、照明光学系992、液晶駆動回路993、液晶ライトバルブ994、レンズ995等であってもよい。
【0022】
次に、これらの各部を用いた画像20の投写手順について説明する。図6は、第1の実施例における画像20の投写手順を示すフローチャートである。撮像部110は、一定時間ごとにスクリーン10を撮像して撮像画像を示す撮像情報を生成する(ステップS1)。更新部140は、当該撮像情報等に基づき、入力オブジェクトデータ122を更新する(ステップS2)。なお、画像生成部160は、入力オブジェクトデータ122の更新に応じて入力軌跡を示す画像を生成し、投写部190は、当該画像を投写する。これにより、生徒40が手書き入力した文字や図形等がスクリーン10に表示される。
【0023】
判定部150は、入力オブジェクトデータ122に基づき、一定時間(例えば、1分等)以上、入力オブジェクトの更新がないかどうかを判定する(ステップS3)。当該判定結果が真の場合、プロジェクター100は、以下の整形処理を実行し、当該判定結果が偽の場合、プロジェクター100は、以下の処理を実行せずにステップS1、S2の処理を続行する。
【0024】
整形処理を実行する場合、文字認識処理部130は、入力オブジェクトデータ122に基づき、整形済みフラグがfalseのオブジェクトに対して文字認識処理を実行し、更新部140は、文字認識処理部130による処理結果に応じて文字データ124を更新する(ステップS4)。なお、文字は、コンピューターによる処理が可能な文字コードで表現することが可能なものであり、記号等を含んでもよい。また、文字認識処理部130は、入力オブジェクトデータ122で示される入力時刻に応じて、一連の文字列に該当すれば、文字データ124のグループ属性を通常グループとして、更新部140に文字データ124を更新させてもよい。
【0025】
判定部150は、入力オブジェクトデータ122、文字データ124に基づき、入力オブジェクトで示されるグループ(文字列)に箇条書きグループが含まれているかどうかを判定する(ステップS5)。例えば、図2に示す画像300では、「1.あいうえお」、「2.かきくけこ」、「3.さしすせそ」が箇条書きグループに該当し、「かだい」は箇条書きグループに該当せず、通常グループに該当する。なお、判定部150は、例えば、文字データ124で示される文字コードが、「1.」や「・」等の箇条書きを示す文字の文字コードに該当するかどうかを判定することにより、箇条書きグループに該当するか判定することが可能である。
【0026】
更新部140は、判定部150によって箇条書きグループに該当すると判定された文字のグループ属性を箇条書きグループとして文字データ124を更新する(ステップS6)。決定部170は、入力オブジェクトデータ122、文字データ124に基づき、オブジェクトごとの位置および大きさを決定し、更新部140は、決定部170による当該決定に応じて表示状態データ126を更新する(ステップS7)。
【0027】
より具体的には、決定部170は、各入力オブジェクトを重ねないように拡大させた状態における各入力オブジェクトの位置および大きさを決定する。また、決定部170は、複数の入力オブジェクトのうちグループ(例えば、文字列等)を形成しているグループ化対象オブジェクト(例えば、文字等)を決定するとともに、当該グループにおける最小の大きさのグループ化対象オブジェクトの大きさに一致させるように当該グループにおけるグループ化対象オブジェクトの大きさを決定し、各グループ化対象オブジェクトが直線状に配置され、かつ、間隔が均等になるように各グループ化対象オブジェクトの位置を決定する。グループ化対象オブジェクトの位置決定方式には種々の方式を採用することができ、例えば、グループを形成しているグループ化対象オブジェクトの、それぞれの上端または下端、あるいは個々のグループ化対象オブジェクトの重心を、所定の一次関数によって表される直線上に配置することにより、グループ化対象オブジェクトを直線状に配置することができる。
【0028】
ここで、文字列等の表示状態の調整方法について説明する。図7は、第1の実施例における1行の文字列の調整方法を示す図である。また、図8は、第1の実施例における複数行の文字列の調整方法を示す図である。また、図9は、第1の実施例におけるグループに関する調整方法を示す図である。なお、これらの図において、○は文字を示し、斜線の矩形は図形を示し、2点鎖線はグループや図形の領域を示し、1点鎖線は境界線を示す。
【0029】
例えば、「かだい」のような1行の文字列の場合、以下の修正が行われている。例えば、最初の文字と最後の文字の位置が、所定値(例えば、文字の縦方向または横方向の長さの半分等)以上ずれている場合、文字列の傾きが一直線状になるように修正される。また、例えば、最小の文字の大きさと最大の文字の大きさが所定値(例えば、4ポイント等)以上異なっている場合、最小の文字の大きさになるように文字列を構成する各文字の大きさがアスペクト比を維持しつつ修正される。さらに、文字間隔が均等になるように文字列を構成する各文字の位置が修正される。
【0030】
また、例えば、「1.あいうえお」「2.かきくけこ」のような複数行の文字列の場合、以下の修正が行われる。複数行の文字列も通常文字列と同様に傾き、大きさおよび文字間隔の調整が行われる。さらに、複数行の文字列の場合、行間隔が均等になるように文字列を構成する各文字の位置が修正される。決定部170は、これらの修正を行い、修正結果は表示状態データ126に反映される。なお、文字間隔や行間隔についても所定値以上異なっている場合のみ修正されてもよい。
【0031】
また、これらの修正がオブジェクトに対して行われ、当該オブジェクトが表示領域400、401に配置されることになるが、決定部170は、上記修正後のオブジェクトによって形成されるグループの間隔も修正する。例えば、決定部170は、グループおよび表示領域400の辺の中間にある地点に垂直方向および水平方向の境界線を設定し、グループの領域を示す矩形のいずれか1辺が境界線のいずれかと一致するまで当該グループの領域を拡大する。決定部170は、このようなグループの領域を拡大する修正を行い、修正結果は表示状態データ126に反映される。なお、更新部140は、これらの整形処理の終了時に整形されたオブジェクトの入力オブジェクトデータ122における整形済みフラグの値をtrueに更新する。
【0032】
画像生成部160は、入力オブジェクトデータ122、表示状態データ126に基づき、画像20を生成し、投写部190は、画像20を投写する(ステップS8)。プロジェクター100は、終了指示があるかどうかを判定し(ステップS9)、終了指示がなければ、ステップS1〜S8の処理を続行する。
【0033】
以上のように、本実施例によれば、プロジェクター100は、各入力オブジェクトを重ねないように各入力オブジェクトを拡大した状態の画像を生成することができるため、手書き入力された複数の入力オブジェクトをより見やすく表示する画像を生成し、投写することができる。
【0034】
また、本実施例によれば、プロジェクター100は、文字認識処理を実行することにより、入力オブジェクトを文字として処理しやすく、文字ごとに文字を拡大することができるため、手書き入力された複数の入力オブジェクトをより見やすく表示する画像を生成し、投写することができる。特に、本実施例によれば、プロジェクター100は、手書き文字をコンピューターによって生成される文字に変換しないで整形することにより、手書きのよさを残しつつ、手書き文字等の見やすさを向上させることができ、授業や会議等を円滑に行わせることができる。
【0035】
また、本実施例によれば、プロジェクター100は、グループにおける最小の大きさの文字に応じて当該グループを構成する文字の大きさを決定することにより、グループにおける文字の大きさのバランスをとることができるため、手書き入力された複数の入力オブジェクトをより見やすく表示する画像を生成し、投写することができる。また、本実施例によれば、プロジェクター100は、例えば、右下がりで記載された文字列を直線状に配置して表示する画像を生成することができるため、手書き入力された複数の入力オブジェクトをより見やすく表示する画像を生成し、投写することができる。さらに、本実施例によれば、プロジェクター100は、箇条書きの場合の行間隔を均等にした状態で画像を生成することができるため、手書き入力された複数の入力オブジェクトをより見やすく表示する画像を生成し、投写することができる。
【0036】
(その他の実施例)
なお、本発明の適用は上述した実施例に限定されず、変形が可能である。例えば、上述した整形処理は、ユーザーの指示があった場合等に実行されてもよい。また、上述した実施例では、グループを構成する最も小さいオブジェクトを基準に大きさが調整されたが、グループを構成する最も大きいオブジェトを基準に大きさが調整されたり、グループを構成する全オブジェクトの大きさの平均値を基準に大きさが調整されたりしてもよい。
【0037】
また、上述した実施例では、決定部170は、図形に対しても大きさの調整を行ったが、文字認識処理部130によって文字認識処理が成功した入力オブジェクトのみ上述した位置と大きさを決定する処理を実行してもよい。これによれば、プロジェクター100は、図形等の見た目は変化させないで文字をより見やすく表示することができる。
【0038】
また、上述した実施例では、決定部170は、入力オブジェクト(例えば、文字、図形等)単位で位置と大きさを決定しているが、グループ(例えば、文字列、文章における行、表における行等)単位で位置と大きさを決定してもよい。例えば、決定部170は、グループ単位で拡大を行うとともに、判定部150によってグループが箇条書きにおけるグループであると判定されると、当該グループに対し、拡大率が最小のグループの拡大率でグループ単位の拡大を行ってもよい。これによれば、プロジェクター100は、拡大率が最小のグループの拡大率でグループ単位の拡大を行うことにより、各グループが重ならない状態の画像を生成することができるため、手書き入力された複数の入力オブジェクトをより見やすく表示する画像を生成することができる。
【0039】
また、画像生成装置102を実装可能な装置は、プロジェクター100に限定されず、プレゼンテーション画面で手書き入力を受け付ける機能を有する大型ディスプレイ、ホワイトボード、静電方式等によって手書き入力を受け付ける携帯情報端末やノート型PC等の表示装置、プリンター等の印刷装置等であってもよい。また、画像生成装置102は、整形した画像を示す画像データを、情報記憶媒体等に書き出したり、端末装置に配信したりしてもよい。
【0040】
また、上述した実施例では、金具30を介して壁に固定される単焦点型のプロジェクター100が使用されたが、床置きや天吊りによって使用される通常の前面投写型プロジェクターや背面投写型プロジェクターが使用されてもよい。また、床置き等で使用される場合、プロジェクターに接続されたマウス等によって文字等が描画され、当該文字等を示す入力オブジェクトが入力されてもよい。
【0041】
また、上述した実施例では、入力オブジェクトデータは撮像部110による撮像情報に基づいて生成されているが、例えば、赤外光の受信、感圧方式、静電方式等によって入力位置を検出することによって入力オブジェクトデータが生成されてもよい。
【0042】
また、プロジェクター100の有するコンピューターは、情報記憶媒体に記憶されたプログラムを読み取って決定部170等として機能してもよい。このような情報記憶媒体としては、例えば、CD−ROM、DVD−ROM、ROM、RAM、HDD等を適用できる。
【0043】
また、プロジェクター100は、液晶プロジェクター(透過型、LCOS等の反射型)に限定されず、例えば、デジタルマイクロミラーデバイスを用いたプロジェクター等であってもよい。また、投写部190は、ランプの代わりに有機EL素子、シリコン発光素子、レーザーダイオード、LED等の固体光源を含む自己発光素子を採用してもよい。また、プロジェクター100の機能を複数の装置(例えば、PCとプロジェクター、デジタルカメラとプロジェクター等)に分散してもよい。
【符号の説明】
【0044】
10 スクリーン、20、300、301 画像、30 金具、40 生徒、50 電子ペン、100 プロジェクター、110 撮像部、120 記憶部、122 入力オブジェクトデータ、124 文字データ、126 表示状態データ、130 文字認識処理部、140 更新部、150 判定部、160 画像生成部、170 決定部、190 投写部、400、401 表示領域、910 CMOSセンサー、920 RAM、922 フラッシュROM、930 CPU、960 画像処理回路、990 ランプ駆動回路、991 ランプ、992 照明光学系、993 液晶駆動回路、994 液晶ライトバルブ、995 レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手書き入力された複数の入力オブジェクトの入力位置および内容を示す入力オブジェクトデータに基づき、各入力オブジェクトを重ねないように拡大させた状態における各入力オブジェクトの位置および大きさを決定する決定部と、
前記入力オブジェクトデータに基づき、前記決定部の決定に応じて位置および大きさが調整された前記複数の入力オブジェクトを示す画像を生成する画像生成部と、
を含む画像生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像生成装置において、
前記入力オブジェクトデータに基づき、各入力オブジェクトに対する文字認識処理を実行する文字認識処理部を含み、
前記決定部は、前記文字認識処理部による文字認識処理が成功した入力オブジェクトに対して前記位置および大きさを決定する処理を実行する、
画像生成装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像生成装置において、
前記決定部は、前記入力オブジェクトデータに基づき、前記複数の入力オブジェクトのうちグループを形成しているグループ化対象オブジェクトが直線状に配置されるように前記グループにおける各グループ化対象オブジェクトの位置を決定する、
画像生成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像生成装置において、
前記グループが箇条書きにおけるグループであるかどうかを判定する判定部を含み、
前記決定部は、前記グループ単位で拡大を行うとともに、前記判定部によって前記グループが箇条書きにおけるグループであると判定されると、当該グループに対し、拡大率が最小のグループの拡大率で前記グループ単位の拡大を行う、
画像生成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像生成装置において、
前記決定部は、前記箇条書きに該当する前記グループ化対象オブジェクトが直線状に配置された状態で、前記グループごとの間隔が均等になるように各グループ化対象オブジェクトの位置を決定する、
画像生成装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の前記画像生成装置と、
前記画像を投写する投写部と、
を含むプロジェクター。
【請求項7】
コンピューターにより読み取り可能なプログラムであって、
前記コンピューターに、
手書き入力された複数の入力オブジェクトの入力位置および内容を示す入力オブジェクトデータに基づき、各入力オブジェクトを重ねないように拡大させた状態における各入力オブジェクトの位置および大きさを決定させ、
前記入力オブジェクトデータに基づき、前記決定部の決定に応じて位置および大きさが調整された前記複数の入力オブジェクトを示す画像を生成させる、
プログラム。
【請求項8】
画像生成装置が、
手書き入力された複数の入力オブジェクトの入力位置および内容を示す入力オブジェクトデータに基づき、各入力オブジェクトを重ねないように拡大させた状態における各入力オブジェクトの位置および大きさを決定し、
前記入力オブジェクトデータに基づき、前記決定部の決定に応じて位置および大きさが調整された前記複数の入力オブジェクトを示す画像を生成する、
画像生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−189676(P2012−189676A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51335(P2011−51335)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】