説明

画像生成装置、プロジェクター、プログラムおよび画像生成方法

【課題】 手書き入力されたデータに応じてグラフ画像を生成することが可能なプロジェクター等を提供すること。
【解決手段】 プロジェクター100が、手書き入力された入力オブジェクトの内容を示す入力オブジェクトデータ122から、グラフの描画領域を示すグラフオブジェクトデータ123と、グラフを形成するデータを示すデータオブジェクトデータ124を検出する検出部130と、グラフオブジェクトデータ123と、データオブジェクトデータ124に基づき、描画領域にグラフを示す画像を生成する画像生成部160を含んで構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像生成装置、プロジェクター、プログラムおよび画像生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、教室において、ホワイトボードに画像が表示された状態で、生徒や先生が電子ペンを用いてホワイトボードに文字等を書き込むことが行われている。例えば、特開2011−2650号公報では、PC(Personal Computer)とプロジェクターを用いて、カメラで撮像された、ポインティングデバイスの先端から出射される赤外光の位置に応じた軌跡を含む合成画像を生成して投写することが記載されている。このような電子ペン等のポインティングデバイスやインクペン等を用いてホワイトボード等に手書きでグラフが描かれることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−2650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ユーザーが手書きでグラフを描くためには時間がかかる上、見た目もきれいではない。また、ユーザーが、あらかじめPC等でグラフ画像を作成し、プロジェクター等を用いてグラフ画像を表示する手法も考えられるが、事前準備に時間がかかる上、プレゼンテーションの場でグラフの修正を行うためには、ホワイトボード等の画像の表示領域から離れてPC等を操作せざるを得ず、プレゼンテーションの効果が低下してしまう。さらに、当該手法では、インクペン等を用いてホワイトボード等に手書きでグラフを描く場合は対応できず、柔軟さに欠ける。
【0005】
本発明にかかるいくつかの態様は、上記課題を解決することにより、手書き入力されたデータに応じてグラフ画像を生成することが可能な画像生成装置、プロジェクター、プログラムおよび画像生成方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様の1つであるプロジェクターは、手書き入力された入力オブジェクトの内容を示す入力オブジェクトデータから、グラフの描画領域を示すグラフオブジェクトデータと、前記グラフを形成するデータを示すデータオブジェクトデータとを検出する検出部と、前記グラフオブジェクトデータと、前記データオブジェクトデータとに基づき、前記描画領域にグラフを示す画像を生成する画像生成部と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の態様の1つであるプロジェクターは、前記画像生成装置と、前記グラフを示す画像を、前記手書き入力が行われた領域に投写する投写部と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の態様の1つであるプログラムは、コンピューターにより読み取り可能なプログラムであって、前記コンピューターに、手書き入力された入力オブジェクトの内容を示す入力オブジェクトデータから、グラフの描画領域を示すグラフオブジェクトデータと、前記グラフを形成するデータを示すデータオブジェクトデータとを検出させ、前記グラフオブジェクトデータと、前記データオブジェクトデータとに基づき、前記描画領域にグラフを示す画像を生成させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の態様の1つである画像生成方法は、画像生成装置が、手書き入力された入力オブジェクトの内容を示す入力オブジェクトデータから、グラフの描画領域を示すグラフオブジェクトデータと、前記グラフを形成するデータを示すデータオブジェクトデータとを検出し、前記グラフオブジェクトデータと、前記データオブジェクトデータとに基づき、前記描画領域にグラフを示す画像を生成することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、画像生成装置は、入力オブジェクトからグラフの描画領域とデータを検出することにより、手書き入力されたデータに応じてグラフ画像を生成することができる。
【0011】
また、前記検出部は、前記グラフの種別を示す種別オブジェクトデータを前記入力オブジェクトデータから検出し、前記画像生成部は、前記グラフオブジェクトデータと、前記データオブジェクトデータと、前記種別オブジェクトデータとに基づき、前記描画領域に前記グラフの種別に応じたグラフを示す画像を生成してもよい。これによれば、画像生成装置は、入力オブジェクトからグラフの種別を検出することにより、手書き入力されたグラフの種別に応じてグラフ画像を生成することができる。
【0012】
また、前記検出部は、前記種別オブジェクトデータの更新を検出し、前記画像生成部は、前記種別オブジェクトデータが更新されると、更新後の前記種別に応じたグラフを示す画像を生成してもよい。これによれば、画像生成装置は、手書き入力によって更新されたグラフの種別に応じて、グラフの種別を更新してグラフ画像を生成することができる。
【0013】
また、前記検出部は、前記グラフオブジェクトデータの更新を検出し、前記画像生成部は、前記グラフオブジェクトデータが更新されると、更新後の前記描画領域にグラフを示す画像を生成してもよい。これによれば、画像生成装置は、手書き入力によって更新されたグラフの描画領域に応じて、グラフの描画領域を更新してグラフ画像を生成することができる。
【0014】
また、前記検出部は、前記データオブジェクトデータの更新を検出し、前記画像生成部は、前記データオブジェクトデータが更新されると、更新後のデータを反映したグラフを示す画像を生成してもよい。これによれば、画像生成装置は、手書き入力によって更新されたグラフのデータに応じて、グラフのデータを更新してグラフ画像を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施例における投写状況を示す図である。
【図2】第1の実施例における入力オブジェクトの一例を示す図である。
【図3】第1の実施例におけるグラフ画像の一例を示す図である。
【図4】第1の実施例におけるプロジェクターの機能ブロック図である。
【図5】第1の実施例におけるプロジェクターのハードウェアブロック図である。
【図6】第1の実施例におけるグラフ画像の投写手順を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施例における投写状況を示す図である。
【図8】第2の実施例における入力オブジェクトの一例を示す図である。
【図9】第2の実施例における入力オブジェクトの他の一例を示す図である。
【図10】第2の実施例におけるグラフ画像の一例を示す図である。
【図11】第2の実施例におけるプロジェクターの機能ブロック図である。
【図12】第2の実施例におけるグラフ画像の投写手順を示すフローチャートである。
【図13】その他の実施例における入力オブジェクトの一例を示す図である。
【図14】その他の実施例におけるグラフ画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明をプロジェクターに適用した実施例について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下に示す実施例は、特許請求の範囲に記載された発明の内容を何ら限定するものではない。また、以下の実施例に示す構成のすべてが、特許請求の範囲に記載された発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0017】
(第1の実施例)
図1は、第1の実施例における投写状況を示す図である。プロジェクター100は、短焦点型であり、金具30で壁に取り付けられた状態でホワイトボード10に画像20を投写する。生徒40は、顔料等が充填されたインクペン50でホワイトボード10に文字や線等を描く。
【0018】
図2は、第1の実施例における入力オブジェクト400の一例を示す図である。例えば、生徒40は、画像300が投写された状態で、入力オブジェクト400として、L字状の枠線を描き、当該枠線の下に数値を描く。プロジェクター100は、当該枠線の領域をグラフ領域410として認識し、当該数値の領域をデータ領域420として認識し、これらの領域の内容に応じてグラフ画像を生成して投写する。
【0019】
図3は、第1の実施例におけるグラフ画像500の一例を示す図である。例えば、図2に示すように、グラフの数値として「10 30 40」と描かれた場合、プロジェクター100は、図3に示すように、当該数値に応じた棒グラフを上記枠線で囲まれた領域に示すグラフ画像500を含む画像301を生成して投写する。次に、このような機能を有するプロジェクター100の機能ブロックについて説明する。
【0020】
図4は、第1の実施例におけるプロジェクター100の機能ブロック図である。プロジェクター100は、撮像部110と、画像301等を生成する画像生成装置102と、画像301等を投写する投写部190を含んで構成されている。画像生成装置102は、記憶部120と、グラフ領域410等を検出する検出部130と、記憶部120内のデータを更新する更新部140と、画像生成部160を含んで構成されている。また、記憶部120は、入力オブジェクト400を示す入力オブジェクトデータ122、グラフ領域410のデータを示すグラフオブジェクトデータ123、データ領域420のデータを示すデータオブジェクトデータ124等を記憶している。
【0021】
なお、入力オブジェクトデータ122は、例えば、手書き文字等の入力時の座標位置(例えば、液晶パネル等の表示領域における座標位置、撮像部110の結像領域における座標位置等)、入力時刻、画素値等を示すデータである。また、グラフオブジェクトデータ123は、例えば、入力時の座標位置、入力時刻、グループID、生成済みフラグ等を示すデータである。また、データオブジェクトデータ124は、例えば、入力時の座標位置、入力時刻、グループID、生成済みフラグ等を示すデータであり、数値ごとのデータであってもよいし、グループごとのデータであってもよい。グループごとのデータである場合、データオブジェクトデータ124は、グループを形成する数値の個数を示すデータを含んでもよい。
【0022】
また、プロジェクター100は、以下のハードウェアを用いてこれらの各部として機能してもよい。図5は、第1の実施例におけるプロジェクター100のハードウェアブロック図である。例えば、撮像部110はCMOSセンサー910等、記憶部120は、RAM920、フラッシュROM922等、検出部130、更新部140はCPU930等、画像生成部160は画像処理回路960等、投写部190は、ランプ駆動回路990、ランプ991、照明光学系992、液晶駆動回路993、液晶ライトバルブ994、レンズ995等であってもよい。
【0023】
次に、グラフ画像500の投写手順について説明する。図6は、第1の実施例におけるグラフ画像500の投写手順を示すフローチャートである。撮像部110は、一定時間ごとにホワイトボード10を撮像して撮像画像を示す撮像情報を生成する(ステップS1)。更新部140は、当該撮像情報等に基づき、入力オブジェクトデータ122を更新する(ステップS2)。
【0024】
検出部130は、入力オブジェクトデータ122に基づき、一定時間(例えば、1分等)以上、入力オブジェクトの更新がないかどうかを判定する(ステップS3)。当該判定結果が真の場合、プロジェクター100は、以下のグラフ生成処理を実行し、当該判定結果が偽の場合、プロジェクター100は、以下のグラフ生成処理を実行せずにステップS1、S2の処理を続行する。
【0025】
当該判定結果が真の場合、検出部130は、入力オブジェクトデータ122の生成済みフラグ等に基づき、新たなグラフオブジェクトがあるかどうかを判定する(ステップS4)。新たなグラフオブジェクトがあれば、更新部140は、検出部130からの命令に応じて、グラフオブジェクトデータ123を更新する(ステップS5)。なお、検出部130は、グラフオブジェクトデータ123を更新させる際に、グラフ領域410の下方にデータ領域420が存在しているかどうかを判定し、データ領域420が存在していれば、当該データ領域420に割り当てられているグループIDと同一のIDをグラフオブジェクトデータ123のグループIDとして割り当てる。
【0026】
また、検出部130は、入力オブジェクトデータ122の生成済みフラグ等に基づき、新たなデータオブジェクトがあるかどうかを判定する(ステップS6)。新たなデータオブジェクトがあれば、更新部140は、検出部130からの命令に応じて、データオブジェクトデータ124を更新する(ステップS7)。なお、検出部130は、データオブジェクトデータ124を更新させる際に、データ領域420の上方にグラフ領域410が存在しているかどうかを判定し、グラフ領域410が存在していれば、当該グラフ領域410に割り当てられているグループIDと同一のIDをデータオブジェクトデータ124のグループIDとして割り当てる。
【0027】
さらに、検出部130は、グラフオブジェクトデータ123、データオブジェクトデータ124に基づき、グラフを生成する必要があるかどうかを判定する(ステップS8)。具体的には、例えば、検出部130は、グラフオブジェクトデータ123とデータオブジェクトデータ124において、グループIDが共通のデータがあり、当該データの生成済みフラグの値が「false」であれば、グラフを生成する必要があると判定する。
【0028】
検出部130によってグラフを生成する必要があると判定された場合、画像生成部160は、当該判定対象となったグラフオブジェクトデータ123と、データオブジェクトデータ124に基づき、グラフ画像500を含む画像301を生成し、投写部190は当該画像301を投写する(ステップS9)。
【0029】
なお、本実施例では、グラフの種別は棒グラフに固定されているものとする。また、検出部130は、更新部140に、画像生成部160によってグラフが生成されたグループに該当するグラフオブジェクトデータ123およびデータオブジェクトデータ124の生成済みフラグの値を「true」に更新させる。
【0030】
プロジェクター100は、ユーザーによる終了指示があるかどうかを判定し(ステップS10)、終了指示があれば、ステップS1〜S9の処理を終了する。
【0031】
以上のように、本実施例によれば、プロジェクター100は、入力オブジェクト400からグラフの描画領域とデータを検出することにより、手書き入力されたデータに応じてグラフ画像500を生成することができる。また、本実施例によれば、プロジェクター100は、撮像部110を用いて入力オブジェクトデータ122を生成することにより、インクペン50によって描画された入力オブジェクト入力オブジェクト400に応じて、グラフ画像500を生成することができるため、ユーザーは、多彩な入力手段を用いてグラフ画像500を投写させることができる。
【0032】
(第2の実施例)
次に、ユーザーが、電子ペンを用いてグラフの種別等を描き、プロジェクターが当該種別等に応じたグラフ画像を投写する実施例について説明する。図7は、第2の実施例における投写状況を示す図である。生徒40は、電子ペン60を用いてスクリーン11に入力オブジェクトを描く。
【0033】
図8は、第2の実施例における入力オブジェクト401の一例を示す図である。入力オブジェクト401におけるグラフ領域411およびデータ領域421の内容は第1の実施例と同様であるが、種別領域430にグラフの種別が描かれる点で第1の実施例と異なっている。画像302では種別として「棒グラフ」が描かれている。この状態では、図3と同様のグラフ画像500が生成される。
【0034】
本実施例では、生徒40は、当該種別を変更することができる。図9は、第2の実施例における入力オブジェクト402の他の一例を示す図である。ここでは、画像303に示すように、生徒40が、種別領域431における「棒グラフ」の「棒」を消して「円」に変更したものとする。図10は、第2の実施例におけるグラフ画像501の一例を示す図である。図9に示す状態では、データ領域421の数値に応じた円グラフを示すグラフ画像501が生成され、グラフ画像501を含む画像304が投写される。次に、このような機能を有するプロジェクター101の機能ブロックについて説明する。
【0035】
図11は、第2の実施例におけるプロジェクター101の機能ブロック図である。プロジェクター101は、プロジェクター100と同様の構成であるが、画像生成装置103に含まれる検出部131が入力オブジェクトデータ122からグラフの種別を示す種別オブジェクトを検出し、グラフの種別を示す種別オブジェクトデータ125が記憶部121に記憶される点でプロジェクター100と異なっている。
【0036】
次に、これらの各部を用いたグラフ画像501の投写手順について説明する。図12は、第2の実施例におけるグラフ画像501の投写手順を示すフローチャートである。撮像部110は、一定時間ごとにスクリーン11を撮像して撮像画像を示す撮像情報を生成し、更新部140は、当該撮像情報に基づき、入力オブジェクトデータ122を更新する(ステップS11)。画像生成部160は、入力オブジェクトデータ122に基づき、電子ペン60による入力軌跡を示す画像を生成し、投写部190は、当該画像をスクリーン11に投写する(ステップS12)。
【0037】
検出部131は、第1の実施例と同様に、一定時間以上、入力オブジェクトの更新がないかどうかを判定する(ステップS13)。当該判定結果が真の場合、プロジェクター101は、以下のグラフ生成処理を実行し、当該判定結果が偽の場合、プロジェクター101は、以下のグラフ生成処理を実行せずにステップS11、S12の処理を続行する。
【0038】
当該判定結果が真の場合、検出部131は、入力オブジェクトデータ122に基づき、新たなグラフオブジェクトがあるかどうかを判定する(ステップS14)。新たなグラフオブジェクトがあれば、更新部140は、検出部131からの命令に応じて、グラフオブジェクトデータ123を更新する(ステップS15)。なお、検出部131は、グラフオブジェクトデータ123を更新させる際に、グラフ領域410の下方にデータ領域420または種別領域430が存在していれば、当該種別領域データ領域420または種別領域430に割り当てられているグループIDと同一のIDをグラフオブジェクトデータ123のグループIDとして割り当てる。
【0039】
また、検出部131は、入力オブジェクトデータ122に基づき、新たなデータオブジェクトがあるかどうかを判定する(ステップS16)。新たなデータオブジェクトがあれば、更新部140は、検出部131からの命令に応じて、データオブジェクトデータ124を更新する(ステップS17)。なお、検出部131は、データオブジェクトデータ124を更新させる際に、データ領域420の上方にグラフ領域410が存在していれば、当該グラフ領域410に割り当てられているグループIDと同一のIDをデータオブジェクトデータ124のグループIDとして割り当てる。また、検出部131は、データ領域420の下方に種別領域430が存在していれば、当該種別領域430に割り当てられているグループIDと同一のIDをデータオブジェクトデータ124のグループIDとして割り当てる。
【0040】
また、検出部131は、入力オブジェクトデータ122に基づき、新たな種別オブジェクトがあるかどうかを判定する(ステップS18)。新たな種別オブジェクトがあれば、更新部140は、検出部131からの命令に応じて、種別オブジェクトデータ125を更新する(ステップS19)。なお、検出部131は、種別オブジェクトデータ125を更新させる際に、種別領域430の上方にグラフ領域410またはデータ領域420が存在しているかどうかを判定し、グラフ領域410またはデータ領域420が存在していれば、当該グラフ領域410またはデータ領域420に割り当てられているグループIDと同一のIDを種別オブジェクトデータ125のグループIDとして割り当てる。
【0041】
さらに、検出部131は、グラフオブジェクトデータ123、データオブジェクトデータ124、種別オブジェクトデータ125に基づき、グラフを生成する必要があるかどうかを判定する(ステップS20)。具体的には、例えば、検出部130は、グラフオブジェクトデータ123、データオブジェクトデータ124、種別オブジェクトデータ125において、グループIDが共通のデータがあり、当該データの生成済みフラグが「false」であれば、グラフを生成する必要があると判定する。
【0042】
検出部131によってグラフを生成する必要があると判定された場合、画像生成部160は、当該判定対象となったグラフオブジェクトデータ123と、データオブジェクトデータ124と、種別オブジェクトデータ125に基づき、グラフ画像501を含む画像304を生成し、投写部190は当該画像304を投写する(ステップS21)。
【0043】
なお、ここでは、円グラフは数値の大きいものから順に時計回りに配置されるグラフであるものとする。また、検出部131は、更新部140に、画像生成部160によってグラフが生成されたグループに該当するグラフオブジェクトデータ123、データオブジェクトデータ124および種別オブジェクトデータ125の生成済みフラグの値を「true」に更新させる。また、グラフが生成済みの状態で「棒グラフ」の「棒」が「円」に変更されたような場合、当該「円」を示すデータが新たな入力オブジェクトとして入力オブジェクトデータ122に生成されるため、検出部131は、種別領域430において新たな入力オブジェクトがあると判定することができ、当該判定に応じて元の「グラフ」の部分も生成済みフラグを「true」から「false」に更新させることにより、種別等の変更に対応することが可能である。
【0044】
プロジェクター101は、ユーザーによる終了指示があるかどうかを判定し(ステップS22)、終了指示があれば、ステップS11〜S22の処理を終了する。
【0045】
以上のように、本実施例によれば、プロジェクター101は、第1の実施例と同様の作用効果を奏する。また、本実施例によれば、プロジェクター101は、手書き入力によって更新されたグラフの種別に応じて、グラフの種別を更新してグラフ画像501を生成することができる。
【0046】
(その他の実施例)
なお、本発明の適用は上述した実施例に限定されず、変形が可能である。例えば、上述した実施例の構成を組み合わせてもよい。また、グラフ領域410、データ領域420、種別領域430の配置は上述した実施例に限定されない。
【0047】
図13は、その他の実施例における入力オブジェクト403の一例を示す図である。画像305における入力オブジェクト403は、電子ペン60によって描画されたものであり、グラフ領域412の中に種別領域432とデータ領域422が配置されている。また、グラフ領域412の外部にはデータ領域422の数値ごとの属性(ここでは都市名)を示す属性領域440が設けられている。また、データ領域422における数値は「,」によって区切られている。
【0048】
図14は、その他の実施例におけるグラフ画像502の一例を示す図である。プロジェクター101に含まれる画像生成部160は、グラフオブジェクトデータ123、データオブジェクトデータ124、種別オブジェクトデータ125に基づき、入力オブジェクト403からデータ領域422、種別領域432、属性領域440に含まれる入力オブジェクトを消去し、文字認識を行うことにより、グラフ画像502を含む画像306を生成し、投写部190は画像306を投写する。なお、画像生成部160は、文字コードに該当する文字であれば文字認識を行うことが可能であり、該当する文字コードが存在する記号等についても文字認識を行うことが可能である。
【0049】
以上のように、プロジェクター101は、電子ペン60による手書き文字を消去し、当該文字を整形した画像306を生成することが可能である。また、プロジェクター101は、「,」のような区切り文字を認識することにより、数値やデータの区切りをより正確に把握することができる。
【0050】
また、検出部130、131は、グラフオブジェクトデータ123の更新を検出し、画像生成部160は、グラフオブジェクトデータ123が更新されると、更新後の描画領域にグラフを示す画像を生成してもよい。具体的には、例えば、図3の画像301が投写された状態で、枠線の縦軸の上半分が消されると、画像生成部160は、グラフ画像500を縦方向に縮小したグラフ画像を生成してもよい。これによれば、プロジェクター100、101は、手書き入力によって更新されたグラフの描画領域に応じて、グラフの描画領域を更新してグラフ画像を生成することができる。
【0051】
また、検出部130、131は、データオブジェクトデータ124の更新を検出し、画像生成部160は、データオブジェクトデータ124が更新されると、更新後のデータを反映したグラフを示す画像を生成してもよい。具体的には、例えば、図3の画像301が投写された状態で、数値の「30」が消され、「50」が描かれると、画像生成部160は、「50」が描かれた上の位置に棒グラフを示すグラフ画像を生成してもよい。また、この場合、最大値が更新されることになるため、画像生成部160は、当該最大値に合わせて「10」および「40」の棒グラフの長さを調整してもよい。これによれば、プロジェクター100は、手書き入力によって更新されたグラフのデータに応じて、グラフのデータを更新してグラフ画像を生成することができる。
【0052】
また、上述した実施例では、検出部130、131は、入力座標位置に基づいて各オブジェクトを識別しているが、例えば、入力時刻に基づいて各オブジェクトを識別してもよいし、入力座標位置と入力時刻に基づいて各オブジェクトを識別してもよい。
【0053】
また、上述した実施例では、入力オブジェクトの識別にIDが使用されているが、IDに代えて記憶部120の記憶領域におけるデータのアドレスを示すポインターが使用されてもよい。この場合、例えば、グラフオブジェクトデータは、例えば、入力時の座標位置、入力時刻、グラフを描画可能か示すグループ化フラグ等を示すデータである。また、データオブジェクトデータは、例えば、入力時の座標位置、入力時刻、数値、グラフを構成するデータ数、グループ化フラグ等を示すデータである。また、種別オブジェクトデータは、例えば、入力時の座標位置、入力時刻、グラフ種別、グループ化フラグ等を示すデータである。
【0054】
また、この場合、グラフオブジェクトデータへのポインター、データオブジェクトデータへのポインター、種別オブジェクトデータへのポインター、グラフが生成済みかを示す描画フラグ等がグループ(グラフ)ごとに設けられるグループデータが記憶されてもよい。例えば、第2の実施例の場合、更新部140は、グラフオブジェクト、データオブジェクト、種別オブジェクトの3つが揃った時点で、各データのグループ化フラグをfalseからtrueに更新し、画像生成部160は、描画フラグが「false」のグループデータを参照してグラフ画像を生成し、更新部140は当該生成に応じてグラフ画像が生成されたグループの描画フラグを「false」から「true」に更新してもよい。
【0055】
また、上述した実施例では、入力オブジェクトデータは撮像部110による撮像情報に基づいて生成されているが、例えば、赤外光の受信、感圧方式、静電方式等によって入力位置を検出することによって入力オブジェクトデータが生成されてもよい。
【0056】
また、プロジェクター100、101の有するコンピューターは、情報記憶媒体に記憶されたプログラムを読み取って検出部130、131等として機能してもよい。このような情報記憶媒体としては、例えば、CD−ROM、DVD−ROM、ROM、RAM、HDD等を適用できる。
【0057】
また、画像生成装置102、103を実装可能な装置は、プロジェクター100、101に限定されず、プレゼンテーション画面で手書き入力を受け付ける機能を有する大型ディスプレイ、ホワイトボード、静電方式等によって手書き入力を受け付ける携帯情報端末やノート型PC等の表示装置、プリンター等の印刷装置等であってもよい。また、画像生成装置102、103は、生成したグラフ画像を示す画像データを、情報記憶媒体等に書き出したり、端末装置に配信したりしてもよい。
【0058】
また、上述した実施例では、金具30を介して壁に固定される単焦点型のプロジェクター100、101が使用されたが、床置きや天吊りによって使用される通常の前面投写型プロジェクターや背面投写型プロジェクターが使用されてもよい。また、床置き等で使用される場合、プロジェクターに接続されたマウス等によって文字等が描画され、当該文字等を示す入力オブジェクトが入力されてもよい。
【0059】
また、プロジェクター100、101は、液晶プロジェクター(透過型、LCOS等の反射型)に限定されず、例えば、デジタルマイクロミラーデバイスを用いたプロジェクター等であってもよい。また、投写部190は、ランプの代わりに有機EL素子、シリコン発光素子、レーザーダイオード、LED等の固体光源を含む自己発光素子を採用してもよい。また、プロジェクター100、101の機能を複数の装置(例えば、PCとプロジェクター、デジタルカメラとプロジェクター等)に分散してもよい。
【符号の説明】
【0060】
10 ホワイトボード、11 スクリーン、20、300〜306 画像、30 金具、40 生徒、50 インクペン、60 電子ペン、100、101 プロジェクター、110 撮像部、120、121 記憶部、122 入力オブジェクトデータ、123 グラフオブジェクトデータ、124 データオブジェクトデータ、125 種別オブジェクトデータ、130、131 検出部、140 更新部、160 画像生成部、190 投写部、400〜403 入力オブジェクト、410〜412 グラフ領域、420〜422 データ領域、430〜432 種別領域、440 属性領域、500〜502 グラフ画像、910 CMOSセンサー、920 RAM、922 フラッシュROM、930 CPU、960 画像処理回路、990 ランプ駆動回路、991 ランプ、992 照明光学系、993 液晶駆動回路、994 液晶ライトバルブ、995 レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手書き入力された入力オブジェクトの内容を示す入力オブジェクトデータから、グラフの描画領域を示すグラフオブジェクトデータと、前記グラフを形成するデータを示すデータオブジェクトデータとを検出する検出部と、
前記グラフオブジェクトデータと、前記データオブジェクトデータとに基づき、前記描画領域にグラフを示す画像を生成する画像生成部と、
を含む画像生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像生成装置において、
前記検出部は、前記グラフの種別を示す種別オブジェクトデータを前記入力オブジェクトデータから検出し、
前記画像生成部は、前記グラフオブジェクトデータと、前記データオブジェクトデータと、前記種別オブジェクトデータとに基づき、前記描画領域に前記グラフの種別に応じたグラフを示す画像を生成する、
画像生成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像生成装置において、
前記検出部は、前記種別オブジェクトデータの更新を検出し、
前記画像生成部は、前記種別オブジェクトデータが更新されると、更新後の前記種別に応じたグラフを示す画像を生成する、
画像生成装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像生成装置において、
前記検出部は、前記グラフオブジェクトデータの更新を検出し、
前記画像生成部は、前記グラフオブジェクトデータが更新されると、更新後の前記描画領域にグラフを示す画像を生成する、
画像生成装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像生成装置において、
前記検出部は、前記データオブジェクトデータの更新を検出し、
前記画像生成部は、前記データオブジェクトデータが更新されると、更新後のデータを反映したグラフを示す画像を生成する、
画像生成装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の前記画像生成装置と、
前記グラフを示す画像を、前記手書き入力が行われた領域に投写する投写部と、
を含むプロジェクター。
【請求項7】
コンピューターにより読み取り可能なプログラムであって、
前記コンピューターに、
手書き入力された入力オブジェクトの内容を示す入力オブジェクトデータから、グラフの描画領域を示すグラフオブジェクトデータと、前記グラフを形成するデータを示すデータオブジェクトデータとを検出させ、
前記グラフオブジェクトデータと、前記データオブジェクトデータとに基づき、前記描画領域にグラフを示す画像を生成させる、
プログラム。
【請求項8】
画像生成装置が、
手書き入力された入力オブジェクトの内容を示す入力オブジェクトデータから、グラフの描画領域を示すグラフオブジェクトデータと、前記グラフを形成するデータを示すデータオブジェクトデータとを検出し、
前記グラフオブジェクトデータと、前記データオブジェクトデータとに基づき、前記描画領域にグラフを示す画像を生成する、
画像生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−190118(P2012−190118A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51334(P2011−51334)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】