画像符号化装置及び画像符号化方法
【課題】 RGB色空間の画像情報を動き補償を含む符号化方法によって符号化する場合に好適な動き補償のブロックを構成する。
【解決手段】 画像をR画素成分、G画素成分、B画素成分のそれぞれのコンポーネント毎に所定の画素数を有するブロックに分割して動き補償処理し、処理された画像データを周波数変換した後、エントロピー符号化して符号データを生成する画像符号化装置において、動き補償手段が、符号化対象フレームにおけるG画素成分のブロックを偶数ラインと奇数ラインとで分割して、前記偶数ラインの画素のサブブロックと前記奇数ラインの画素のサブブロックとでそれぞれ動き補償処理を行う。
【解決手段】 画像をR画素成分、G画素成分、B画素成分のそれぞれのコンポーネント毎に所定の画素数を有するブロックに分割して動き補償処理し、処理された画像データを周波数変換した後、エントロピー符号化して符号データを生成する画像符号化装置において、動き補償手段が、符号化対象フレームにおけるG画素成分のブロックを偶数ラインと奇数ラインとで分割して、前記偶数ラインの画素のサブブロックと前記奇数ラインの画素のサブブロックとでそれぞれ動き補償処理を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像符号化装置及び画像符号化方法に関し、特に、イメージセンサーで撮像されたRGB色空間の画像情報を符号化する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
動画像の符号化方式としては、MPEG−2やMPEG−4 AVC(H.264)方式が知られている。図8に従来の符号化装置の構成例を示す。
【0003】
図8の符号化装置には、符号化処理対象の画像として、YCbCr空間の画像データが入力される。801は動き検出処理部であり、フレーム間で、マクロブロックと呼ばれる画素群単位で動きベクトルを検出する。802は動き補償処理部であり、動き検出処理部801によって検出された動きベクトルの情報を用いて、マクロブロック毎にフレーム間の動き補償処理を行う。803は周波数変換処理部であり、画像データに対してDCT(離散コサイン変換)を行う。804は量子化処理部であり、DCT後の画像データの量子化処理を行う。805はエントロピー符号化部であり、量子化後の画像データの可変長符号化を行う。エントロピー符号化部805から出力されるのが符号化後の符号データである。
【0004】
このような符号化装置では、前述したようにマクロブロックという画素群を単位として動き補償を含む符号化処理が行われる。図9にマクロブロックの構成例を示す。色空間としてはYCbCrが用いられ、Cb,Crコンポーネント(色差情報)はYコンポーネント(輝度情報)に対してサブサンプリングされている。図9の例では、Cb,Cr成分は、水平/垂直方向ともに1/2に縮小されており、4:2:0と呼ばれる構造となっている。動きベクトルは、このマクロブロック単位で指定されるが、Cb,Crコンポーネントに対しては、1/2の値として使用される。
【0005】
なお、このような符号化装置は、DCT演算が有限精度で行われるため、あるいは、量子化誤差が発生するため、符号化ロスを伴う非可逆符号化となっている。
【0006】
次に、図10に、図8の符号化装置を含む撮像装置のシステムの例を示す。不図示のイメージセンサーからは、一般的にRGBの色空間の画像情報が入力されるため、これを現像処理部1001によって信号処理(現像)した後、色変換処理部1002によってRGBからYCbCrへ色空間を変換する。その後、符号化部1003(図8の符号化装置に相当)によって符号化する。このとき、色変換処理部1002による変換の際に使用される変換マトリクスの係数が有限精度であるため、色空間変換が非可逆処理となっている。
【0007】
また、RGBを含む複数の色空間に対応して適応的な符号化を行う技術が特許提案されている。特許文献1には、クロマフォーマット信号及び色空間信号に基づき、イントラ予測用のブロックサイズを適応的に変更して、色信号を画像内予測符号化する発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−104027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前述したMPEG−2やH.264などの従来の符号化装置においては、色空間としてYCbCrを用いているため、イメージセンサーから入力されるRGBの色空間の画像情報をそのまま符号化できない。したがって、RGBをYCbCrに色空間変換してから符号化することになるが、その際、前述したような非可逆処理や非可逆符号化による情報損失又は画質劣化が発生することになる。
【0010】
また、前述の特許文献1には、RGBの色空間の画像情報をイントラ予測符号化する際に可逆符号化する構成が記載されているものの、動き補償を含む符号化においてRGBの色空間の画像情報を可逆符号化するものではなかった。特に、RGBの色空間の画像情報の符号化に適した動き補償のブロック構造を提案するものではなかった。
【0011】
その他、JPEG2000のロスレスモードなど、可逆符号化の規格は世に存在するものの、それらは主に静止画用途であるため画面内符号化を行っており、動き補償を含む符号化において可逆符号化を行うものではなかった。画面内符号化が動き補償を含む符号化(画面間予測符号化)よりも符号化効率の点で劣ることは明白である。
【0012】
このような技術的背景から、イメージセンサーから入力されたRGB色空間の画像情報を、動き補償を含む符号化方法によって高能率に符号化し、なおかつ可逆またはそれに近いくらい高画質に符号化することが望まれている。
【0013】
そこで、本発明の目的は、RGB色空間の画像情報を動き補償を含む符号化方法によって符号化する場合に好適な動き補償のブロックを構成する画像符号化装置及び画像符号化方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の画像符号化装置は、入力されたRGB色空間の画像情報を符号化する画像符号化装置であって、画像をR画素成分、G画素成分、B画素成分のそれぞれのコンポーネント毎に所定の画素数を有するブロックに分割する分割手段と、符号化対象フレームとフレーム間予測で参照される参照フレームとの間で、それぞれのG画素成分のブロックについてフレーム間の動きベクトルを検出する動き検出手段と、前記動き検出手段によって検出された動きベクトルに基づいて前記符号化対象フレームにおける各ブロックの動き補償処理を行う動き補償手段と、前記動き補償手段によって処理された画像データを周波数変換した後、エントロピー符号化して符号データを生成する符号化手段とを備え、前記動き補償手段は、前記符号化対象フレームにおけるG画素成分のブロックを偶数ラインと奇数ラインとで分割して、前記偶数ラインの画素のサブブロックと前記奇数ラインの画素のサブブロックとでそれぞれ動き補償処理を行うことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の画像符号化方法は、入力されたRGB色空間の画像情報を符号化する画像符号化方法であって、画像をR画素成分、G画素成分、B画素成分のそれぞれのコンポーネント毎に所定の画素数を有するブロックに分割する分割工程と、符号化対象フレームとフレーム間予測で参照される参照フレームとの間で、それぞれのG画素成分のブロックについてフレーム間の動きベクトルを検出する動き検出工程と、前記動き検出工程で検出された動きベクトルに基づいて前記符号化対象フレームにおける各ブロックの動き補償処理を行う動き補償工程と、前記動き補償工程で処理された画像データを周波数変換した後、エントロピー符号化して符号データを生成する符号化工程とを有し、前記動き補償工程では、前記符号化対象フレームにおけるG画素成分のブロックを偶数ラインと奇数ラインとで分割して、前記偶数ラインの画素のサブブロックと前記奇数ラインの画素のサブブロックとでそれぞれ動き補償処理を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、RGB色空間の画像情報の符号化に適した動き補償のブロックを構成して符号化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る画像符号化装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の画像符号化装置で符号化されたデータを復号可能な画像復号装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】本実施形態の動き補償処理に係るフローチャートである。
【図4】本実施形態の他の動き補償処理に係るフローチャートである。
【図5】ベイヤー画素配列の説明図である。
【図6】本実施形態におけるブロック構成の説明図である。
【図7】G画素成分のブロックの分割例である。
【図8】従来の符号化装置の構成例を示すブロック図である。
【図9】マクロブロックの構成例である。
【図10】従来の符号化装置を含む撮像装置のシステムの例を示すブロック図である。
【図11】G画素成分のブロックにおける画素配置と動きベクトルの関係を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る画像符号化装置の構成例を示すブロック図である。図1の画像符号化装置は、イメージセンサーから入力される画像情報(動画像)を動き補償を含む符号化方法によって圧縮符号化する。
【0020】
図1において、イメージセンサー/信号処理部100により、所定の周期で動画像を構成するフレーム毎の画像情報が入力される。イメージセンサー/信号処理部100から入力されるのは、RGB(赤・緑・青)の色空間の画像情報であり、撮像部であるイメージセンサーによって撮像された後、信号処理部によって所定の信号処理が施されている。信号処理された画像情報は、記憶部であるフレームメモリ107に一時的に記憶される。
【0021】
画像情報の各色コンポーネントの配置は、イメージセンサーの画素配置によって異なるが、例えば図5のようなベイヤー画素配列が用いられる。図5において、501はG画素、502はB画素、503はR画素を表している。図5のように、ベイヤー画素配列のイメージセンサーにおいては、G画素の総画素数は、R画素およびB画素の各画素数の2倍存在する。本実施形態では、図5のような画素配列からなるイメージセンサーによって撮像された画像情報を、R,G,Bのそれぞれのコンポーネント毎に所定のブロック単位に分割して符号化する。
【0022】
本実施形態におけるブロック構成を図6に示す。本実施形態では、画素分割処理部101が、フレームメモリ107に保持された画像情報を、図6のように、Gを16×16画素、BおよびRをそれぞれ8×8画素の画素数を有する集合体(ブロック)に分割して読み出す。このブロックを単位として、本実施形態では動き補償を含む符号化を行う。
【0023】
図1において、RGB色空間の画像情報は、画素分割処理部101によって図6の如きブロックに分割された後、動き補償処理部102及び動き検出処理部105に供給される。動き検出処理部105は、従来の方法ではY(輝度)成分での動き検出が一般的であったが、本実施形態では、図6のG(緑)画素成分での動き検出処理を行って動きベクトルを求める。
【0024】
動き検出処理部105での動き検出のアルゴリズムは、G画素成分のブロックを用いる点以外、従来と大きく変わることはなく、符号化対象フレームと、動き補償のフレーム間予測で参照されるフレーム(参照フレーム)との間で、ブロックのマッチング処理を行う。動き検出処理部105は、符号化対象フレーム中のG画素成分のブロック単位で、参照フレーム中のG画素成分のブロックとの画素差分値の絶対値総和を求め、その最小値を得る位置を動きベクトルとして検出する。
【0025】
動き補償方式切り替え部106は、偶数ライン・奇数ラインを一括で予測するか、偶数ライン・奇数ラインを分割して予測するかを、切り替えるユニットである。動き検出処理部105により検出された動きベクトルの情報と共に、動き補償方式の切替信号を動き補償処理部102に供給する。この選択の機能については、図3等を参照して後述する。
【0026】
動き補償処理部102は、図6のG(緑)画素、B(青)画素、R(赤)画素の各ブロック毎に、各ブロックに対して動き検出処理部105により検出された動きベクトルの情報、及び、前述した動き補償方式の切替信号に基づいて、動き補償処理を行う。このとき、B画素成分のブロックとR画素成分のブロックに対しては、同じ位置のG画素成分のブロックの動きベクトルを1/2にして使用する。動き補償によって得られた差分画像データは整数変換処理部103に、偶数ライン・奇数ラインに分割して予測されたブロックを特定する情報を含む各ブロックの動きベクトル情報はエントロピー符号化部104に供給される。
【0027】
整数変換処理部103は、動き補償された後の差分画像データに対して周波数変換を行う。ここでの周波数変換としては、整数変換を使用する。整数変換は、H.264の勧告においても採用されている方式である。変換式については特記しないが、従来例で示したMPEG−2で使用されているDCT(離散コサイン変換)と異なり、演算自体が整数精度で構成可能な方式であり、可逆な変換であるという特徴がある。
【0028】
エントロピー符号化部104は、整数変換処理部103により変換された画像データの可変長符号化を行う。例えば、ハフマン符号化をベースとする可変長符号化や、二値算術符号化等を行う。なお、一般的なエントロピー符号化方式は可逆符号化であるから、本実施形態におけるエントロピー符号化部104によっても可逆符号化が実現される。画像データの可変長符号化されたデータに加えて、動きベクトル情報等の付加データを符号化したデータを重畳して、最終的にエントロピー符号化部104から出力されるのが符号化後の符号データである。
【0029】
なお、本実施形態においては、可逆符号化を実現するため、従来の動き補償を用いた符号化方式で採用されているような、周波数変換された画像データの量子化処理を行わない。本実施形態は、このような構成にすることにより、動き補償を用いた符号化方式であっても可逆符号化を実現することが可能である。
【0030】
ここで、G画素成分のブロックにおける画素配置と動きベクトルの関係を示した図を図11に示す。1101は、符号化対象のブロックであり、1102及び1103は、参照フレームのブロックを表している。また、1102に対するベクトルは、縦方向の動きベクトル成分が偶数となる場合(図は縦方向に2画素ずれた例)、1103に対するベクトルは、縦方向の動きベクトル成分が奇数となる場合(図は縦方向に3画素ずれた例)を示している。図5に示したように、ベイヤー画素配置ではG画素に対して画素ラインごとに画素配置の水平位相が異なるため、縦方向の動きベクトル成分が奇数の場合は、異なった位相間での予測を行ってしまうことになる。
【0031】
したがって、本実施形態では、動き補償処理部102が、図7に示す如くG画素成分のブロックを分割して動き補償を行うことを可能にする。図7にG画素成分のブロックの分割例を示す。具体的な動作として、動き検出処理部105で検出された動きベクトルの縦方向の成分が奇数の値を示す場合は、動き補償方式切り替え部106が、G画素成分のブロックを偶数ラインと奇数ラインに分割するための動き補償方式の切替信号を発生する。動きベクトルの縦方向の成分が奇数の値を示す場合は、図7のように、奇数ラインをG1、偶数ラインをG2として、それぞれ別々にフレーム間予測して動き補償することで、予測効率の低下を抑制することができる。
【0032】
図3に、本実施形態の動き補償処理に係るフローチャートを示す。図3のフローチャートは、不図示のコンピュータの制御によって、動き検出処理部105、動き補償方式切り替え部106、動き補償処理部102によって実行される処理を図示したものである。
【0033】
図3において、符号化対象のG画素成分のブロックについての処理が開始されると(S301)、動き検出処理部105が、当該ブロックについて参照フレームを参照した動き検出を行い、所定の演算によって動きベクトルを求める(S302)。次に、動き補償方式切り替え部106が、ステップS302で求められた動きベクトルに関して、縦方向(垂直方向)の成分が偶数の値(0,2,4,6,・・・)になるか、奇数の値(1,3,5,7,・・・)になるか、判断する(S303)。動き補償方式切り替え部106は、動きベクトルの縦方向の成分が偶数の値になる場合(S303でYes)には、G画素成分のブロックを偶数ライン・奇数ライン一括して予測するための動き補償方式の切替信号を発生する。一方、動きベクトルの縦方向の成分が奇数の値になる場合(S303でNo)には、G画素成分のブロックを偶数ライン・奇数ラインで分割して予測するための動き補償方式の切替信号を発生する。動きベクトルの縦方向の成分が偶数の場合に、G画素成分のブロックを一括して予測するモードを選ぶのは、分割しない分動きベクトル本数が少なくてすみ、動きベクトルを符号化する効率を高められるためである。
【0034】
次に、動き補償処理部102が、ステップS302で求められた動きベクトル、及び、ステップS303で選択された動き補償方式の切り替え信号に従って、動き補償処理を行う。動きベクトルの縦方向成分が偶数の値になる場合、動き補償処理部102は、G画素成分のブロックを分割せずに、図6のブロック形状で予測画像の生成や、符号化対象ブロックと予測画像との差分を示す差分画像データの生成を含む動き補償処理を行う(S304)。一方、動きベクトルの縦方向成分が奇数の値になる場合、動き補償処理部102は、G画素成分のブロックを図7のようにG1,G2のサブブロックに分割する。そして、図7のG1及びG2のそれぞれのサブブロックについて予測画像の生成や、符号化対象ブロックと予測画像との差分を示す差分画像データの生成を含む動き補償処理を行う(S305)。以上で当該符号化対象ブロックの動き補償に係る処理が終了となり(S306)、引き続き次のブロックについて同様の処理が繰り返される。なお、B画素及びR画素については、G画素成分のブロックで求めた動きベクトルを1/2にした動きベクトルを用いて、図6に示したブロック形状で、B画素成分のブロック、R画素成分のブロックでそれぞれ動き補償処理する。
【0035】
図2は、本実施形態に係る図1の画像符号化装置で符号化された符号データを復号可能な画像復号装置の構成例を示すブロック図である。図1の画像符号化装置で符号化された符号データを不図示の記録媒体に記録した後、再生されたものを取得して復号しても良い。或いは、ネットワーク経由で通信路を介して符号データを受信して、復号しても良い。
【0036】
図2において、エントロピー復号化部201は、図1の画像符号化装置で符号化された符号データを入力して復号し、整数変換後の画像データを復元する。さらに、符号データから各ブロックの動きベクトル情報を抽出して、動き補償方式切り替え部204に供給する。この動きベクトル情報は、フレーム中に存在するG画素成分のブロックのうち、偶数ライン・奇数ラインに分割して予測されたブロックを特定する情報を含む。
【0037】
逆整数変換部202は、復元された整数変換後の画像データに対して、整数変換の逆変換処理を行って、差分画像データを復元する。動き補償方式切り替え部204は、各ブロックの動きベクトル情報を動き補償部203に与える。さらに、動き補償方式切り替え部204は、特にG画素成分のブロックについて、偶数ライン・奇数ラインを一括で予測したか、偶数ライン・奇数ラインを分割して予測したかを示す動き補償方式の切替信号を動き補償部203に供給する。
【0038】
動き補償部203は、復元された差分画像データを取得し、R,G,Bの各画素成分のブロックについて、それぞれ動きベクトル情報を用いて元のRGB色空間の画像データを復元する。特にG画素成分のブロックについては、偶数ライン・奇数ラインの一括予測か偶数ライン・奇数ラインの分割予測かを適応的に判断しながら動き補償処理を行う。
【0039】
205はフレームメモリである。動き補償部203によって復号化された画像データは、ベイヤー配列のままなので、フレームメモリ205に一時記憶し、表示する際に、現像処理部206によって現像処理が行われ、表示可能な画像データにして出力される。出力された画像データに係る画像は、不図示の表示装置によって表示される。こうして復元され表示される画像(動画像)は、可逆符号化されて復号化された画像であって、本発明の実施形態の構成によれば可逆的な画像の復元が可能となる。
【0040】
次に、本実施形態の他の動き補償処理について、図4のフローチャートを示して説明する。図4のフローチャートは、不図示のコンピュータの制御によって、動き検出処理部105、動き補償方式切り替え部106、動き補償処理部102によって実行される処理を図示したものである。
【0041】
前述した説明では、動きベクトルの縦方向の成分が偶数の値になるか、奇数の値になるかに応じて、G画素成分のブロックについて、偶数ライン・奇数ラインを一括で動き補償処理するか、偶数ライン・奇数ラインを分割して動き補償処理するかを判断していた。この変形例として、動き補償における予測を少数画素精度(半画素、1/4画素、等)で行うことに応じて、G画素成分のブロックについて、偶数ライン・奇数ラインを分割して予測することを判断してもよい。通常、動き補償の際には、整数画素精度での予測の他に、半画素精度での予測もしばしば使用されている。本実施形態のG画素成分のブロック構造であれば、このような少数画素精度での予測の場合に、偶数ライン・奇数ラインを分割して予測したほうが、予測効率が高くなることが容易に推測される。以下、少数画素精度の例として半画素精度を例に説明するが、1/4画素等のその他の少数画素精度であっても同様である。
【0042】
図4において、符号化対象のG画素成分のブロックについての処理が開始されると(S401)、動き検出処理部105が、当該ブロックについて参照フレームを参照した動き検出を行い、所定の演算によって動きベクトルを求める(S402)。次に、動き補償方式切り替え部106が、動き補償が半画素精度で行われるか、整数画素精度で行われるか、判断する(S403)。半画素精度の場合、S406へフローが遷移し(S403でYes)、半画素精度でない場合(すなわち整数画素精度の場合)、S404へフローが遷移する(S403でNo)。ステップS403で半画素精度の場合(S403でYes)には、動き補償方式切り替え部106が、G画素成分のブロックを偶数ライン・奇数ラインで分割して予測するための動き補償方式の切替信号を発生する。
【0043】
次に、動き補償方式切り替え部106が、ステップS402で求められた動きベクトルに関して、縦方向(垂直方向)の成分が偶数の値(0,2,4,6,・・・)になるか、奇数の値(1,3,5,7,・・・)になるか、判断する(S404)。動き補償方式切り替え部106は、動きベクトルの縦方向の成分が偶数の値になる場合(S404でYes)には、G画素成分のブロックを偶数ライン・奇数ライン一括して予測するための動き補償方式の切替信号を発生する。一方、動きベクトルの縦方向の成分が奇数の値になる場合(S404でNo)には、G画素成分のブロックを偶数ライン・奇数ラインで分割して予測するための動き補償方式の切替信号を発生する。
【0044】
次に、動き補償処理部102が、ステップS402で求められた動きベクトル、及び、ステップS403又はS404で選択された動き補償方式の切り替え信号に従って、動き補償処理を行う。動き補償が整数画素精度であり、なおかつ動きベクトルの縦方向成分が偶数の値になる場合、動き補償処理部102は、G画素成分のブロックをG1,G2のサブブロックに分割しない。すなわち、図6のブロック形状で予測画像の生成や、符号化対象ブロックと予測画像との差分を示す差分画像データの生成を含む動き補償処理を行う(S405)。一方、動き補償が半画素精度であるか、又は、動き補償が整数画素精度であるが動きベクトルの縦方向成分が奇数の値になる場合、動き補償処理部102は、G画素成分のブロックを図7のようにG1,G2のサブブロックに分割する。そして、図7のG1及びG2のそれぞれのサブブロックについて予測画像の生成や、符号化対象ブロックと予測画像との差分を示す差分画像データの生成を含む動き補償処理を行う(S405)。以上で当該符号化対象ブロックの動き補償に係る処理が終了となり(S407)、引き続き次のブロックについて同様の処理が繰り返される。なお、B画素及びR画素については、G画素成分のブロックで求めた動きベクトルを1/2にした動きベクトルを用いて、図6に示したブロック形状で、B画素成分のブロック、R画素成分のブロックでそれぞれ動き補償処理する。
【0045】
また、上述した本発明の実施形態における図3、図4に示した各処理は、各処理の機能を実現する為のコンピュータプログラムを本件発明の画像符号化装置が動作するシステムのメモリから読み出してシステムのCPUが実行することによっても実現できる。この場合、メモリに記憶されたプログラムは本件発明を構成する。
【0046】
上記プログラムは、前述した機能の一部を実現する為のものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0047】
また、図3、図4に示した各処理の全部または一部の機能を専用のハードウェアにより実現してもよい。また、図3、図4に示した各処理の機能を実現する為のプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各処理を行っても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0048】
ここで、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置を含む。さらに、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0049】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0050】
また、上記のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等のプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。上記のプログラム、記録媒体、伝送媒体およびプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。
【0051】
以上、本発明を好ましい実施例により説明したが、本発明は上述した実施例に限ることなくクレームに示した範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0052】
100 イメージセンサー/信号処理部
101 画素分割処理部
102 動き補償処理部
103 整数変換処理部
104 エントロピー符号化部
105 動き検出処理部
106 動き補償方式切り替え部
107 フレームメモリ
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像符号化装置及び画像符号化方法に関し、特に、イメージセンサーで撮像されたRGB色空間の画像情報を符号化する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
動画像の符号化方式としては、MPEG−2やMPEG−4 AVC(H.264)方式が知られている。図8に従来の符号化装置の構成例を示す。
【0003】
図8の符号化装置には、符号化処理対象の画像として、YCbCr空間の画像データが入力される。801は動き検出処理部であり、フレーム間で、マクロブロックと呼ばれる画素群単位で動きベクトルを検出する。802は動き補償処理部であり、動き検出処理部801によって検出された動きベクトルの情報を用いて、マクロブロック毎にフレーム間の動き補償処理を行う。803は周波数変換処理部であり、画像データに対してDCT(離散コサイン変換)を行う。804は量子化処理部であり、DCT後の画像データの量子化処理を行う。805はエントロピー符号化部であり、量子化後の画像データの可変長符号化を行う。エントロピー符号化部805から出力されるのが符号化後の符号データである。
【0004】
このような符号化装置では、前述したようにマクロブロックという画素群を単位として動き補償を含む符号化処理が行われる。図9にマクロブロックの構成例を示す。色空間としてはYCbCrが用いられ、Cb,Crコンポーネント(色差情報)はYコンポーネント(輝度情報)に対してサブサンプリングされている。図9の例では、Cb,Cr成分は、水平/垂直方向ともに1/2に縮小されており、4:2:0と呼ばれる構造となっている。動きベクトルは、このマクロブロック単位で指定されるが、Cb,Crコンポーネントに対しては、1/2の値として使用される。
【0005】
なお、このような符号化装置は、DCT演算が有限精度で行われるため、あるいは、量子化誤差が発生するため、符号化ロスを伴う非可逆符号化となっている。
【0006】
次に、図10に、図8の符号化装置を含む撮像装置のシステムの例を示す。不図示のイメージセンサーからは、一般的にRGBの色空間の画像情報が入力されるため、これを現像処理部1001によって信号処理(現像)した後、色変換処理部1002によってRGBからYCbCrへ色空間を変換する。その後、符号化部1003(図8の符号化装置に相当)によって符号化する。このとき、色変換処理部1002による変換の際に使用される変換マトリクスの係数が有限精度であるため、色空間変換が非可逆処理となっている。
【0007】
また、RGBを含む複数の色空間に対応して適応的な符号化を行う技術が特許提案されている。特許文献1には、クロマフォーマット信号及び色空間信号に基づき、イントラ予測用のブロックサイズを適応的に変更して、色信号を画像内予測符号化する発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−104027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前述したMPEG−2やH.264などの従来の符号化装置においては、色空間としてYCbCrを用いているため、イメージセンサーから入力されるRGBの色空間の画像情報をそのまま符号化できない。したがって、RGBをYCbCrに色空間変換してから符号化することになるが、その際、前述したような非可逆処理や非可逆符号化による情報損失又は画質劣化が発生することになる。
【0010】
また、前述の特許文献1には、RGBの色空間の画像情報をイントラ予測符号化する際に可逆符号化する構成が記載されているものの、動き補償を含む符号化においてRGBの色空間の画像情報を可逆符号化するものではなかった。特に、RGBの色空間の画像情報の符号化に適した動き補償のブロック構造を提案するものではなかった。
【0011】
その他、JPEG2000のロスレスモードなど、可逆符号化の規格は世に存在するものの、それらは主に静止画用途であるため画面内符号化を行っており、動き補償を含む符号化において可逆符号化を行うものではなかった。画面内符号化が動き補償を含む符号化(画面間予測符号化)よりも符号化効率の点で劣ることは明白である。
【0012】
このような技術的背景から、イメージセンサーから入力されたRGB色空間の画像情報を、動き補償を含む符号化方法によって高能率に符号化し、なおかつ可逆またはそれに近いくらい高画質に符号化することが望まれている。
【0013】
そこで、本発明の目的は、RGB色空間の画像情報を動き補償を含む符号化方法によって符号化する場合に好適な動き補償のブロックを構成する画像符号化装置及び画像符号化方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の画像符号化装置は、入力されたRGB色空間の画像情報を符号化する画像符号化装置であって、画像をR画素成分、G画素成分、B画素成分のそれぞれのコンポーネント毎に所定の画素数を有するブロックに分割する分割手段と、符号化対象フレームとフレーム間予測で参照される参照フレームとの間で、それぞれのG画素成分のブロックについてフレーム間の動きベクトルを検出する動き検出手段と、前記動き検出手段によって検出された動きベクトルに基づいて前記符号化対象フレームにおける各ブロックの動き補償処理を行う動き補償手段と、前記動き補償手段によって処理された画像データを周波数変換した後、エントロピー符号化して符号データを生成する符号化手段とを備え、前記動き補償手段は、前記符号化対象フレームにおけるG画素成分のブロックを偶数ラインと奇数ラインとで分割して、前記偶数ラインの画素のサブブロックと前記奇数ラインの画素のサブブロックとでそれぞれ動き補償処理を行うことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の画像符号化方法は、入力されたRGB色空間の画像情報を符号化する画像符号化方法であって、画像をR画素成分、G画素成分、B画素成分のそれぞれのコンポーネント毎に所定の画素数を有するブロックに分割する分割工程と、符号化対象フレームとフレーム間予測で参照される参照フレームとの間で、それぞれのG画素成分のブロックについてフレーム間の動きベクトルを検出する動き検出工程と、前記動き検出工程で検出された動きベクトルに基づいて前記符号化対象フレームにおける各ブロックの動き補償処理を行う動き補償工程と、前記動き補償工程で処理された画像データを周波数変換した後、エントロピー符号化して符号データを生成する符号化工程とを有し、前記動き補償工程では、前記符号化対象フレームにおけるG画素成分のブロックを偶数ラインと奇数ラインとで分割して、前記偶数ラインの画素のサブブロックと前記奇数ラインの画素のサブブロックとでそれぞれ動き補償処理を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、RGB色空間の画像情報の符号化に適した動き補償のブロックを構成して符号化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る画像符号化装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の画像符号化装置で符号化されたデータを復号可能な画像復号装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】本実施形態の動き補償処理に係るフローチャートである。
【図4】本実施形態の他の動き補償処理に係るフローチャートである。
【図5】ベイヤー画素配列の説明図である。
【図6】本実施形態におけるブロック構成の説明図である。
【図7】G画素成分のブロックの分割例である。
【図8】従来の符号化装置の構成例を示すブロック図である。
【図9】マクロブロックの構成例である。
【図10】従来の符号化装置を含む撮像装置のシステムの例を示すブロック図である。
【図11】G画素成分のブロックにおける画素配置と動きベクトルの関係を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る画像符号化装置の構成例を示すブロック図である。図1の画像符号化装置は、イメージセンサーから入力される画像情報(動画像)を動き補償を含む符号化方法によって圧縮符号化する。
【0020】
図1において、イメージセンサー/信号処理部100により、所定の周期で動画像を構成するフレーム毎の画像情報が入力される。イメージセンサー/信号処理部100から入力されるのは、RGB(赤・緑・青)の色空間の画像情報であり、撮像部であるイメージセンサーによって撮像された後、信号処理部によって所定の信号処理が施されている。信号処理された画像情報は、記憶部であるフレームメモリ107に一時的に記憶される。
【0021】
画像情報の各色コンポーネントの配置は、イメージセンサーの画素配置によって異なるが、例えば図5のようなベイヤー画素配列が用いられる。図5において、501はG画素、502はB画素、503はR画素を表している。図5のように、ベイヤー画素配列のイメージセンサーにおいては、G画素の総画素数は、R画素およびB画素の各画素数の2倍存在する。本実施形態では、図5のような画素配列からなるイメージセンサーによって撮像された画像情報を、R,G,Bのそれぞれのコンポーネント毎に所定のブロック単位に分割して符号化する。
【0022】
本実施形態におけるブロック構成を図6に示す。本実施形態では、画素分割処理部101が、フレームメモリ107に保持された画像情報を、図6のように、Gを16×16画素、BおよびRをそれぞれ8×8画素の画素数を有する集合体(ブロック)に分割して読み出す。このブロックを単位として、本実施形態では動き補償を含む符号化を行う。
【0023】
図1において、RGB色空間の画像情報は、画素分割処理部101によって図6の如きブロックに分割された後、動き補償処理部102及び動き検出処理部105に供給される。動き検出処理部105は、従来の方法ではY(輝度)成分での動き検出が一般的であったが、本実施形態では、図6のG(緑)画素成分での動き検出処理を行って動きベクトルを求める。
【0024】
動き検出処理部105での動き検出のアルゴリズムは、G画素成分のブロックを用いる点以外、従来と大きく変わることはなく、符号化対象フレームと、動き補償のフレーム間予測で参照されるフレーム(参照フレーム)との間で、ブロックのマッチング処理を行う。動き検出処理部105は、符号化対象フレーム中のG画素成分のブロック単位で、参照フレーム中のG画素成分のブロックとの画素差分値の絶対値総和を求め、その最小値を得る位置を動きベクトルとして検出する。
【0025】
動き補償方式切り替え部106は、偶数ライン・奇数ラインを一括で予測するか、偶数ライン・奇数ラインを分割して予測するかを、切り替えるユニットである。動き検出処理部105により検出された動きベクトルの情報と共に、動き補償方式の切替信号を動き補償処理部102に供給する。この選択の機能については、図3等を参照して後述する。
【0026】
動き補償処理部102は、図6のG(緑)画素、B(青)画素、R(赤)画素の各ブロック毎に、各ブロックに対して動き検出処理部105により検出された動きベクトルの情報、及び、前述した動き補償方式の切替信号に基づいて、動き補償処理を行う。このとき、B画素成分のブロックとR画素成分のブロックに対しては、同じ位置のG画素成分のブロックの動きベクトルを1/2にして使用する。動き補償によって得られた差分画像データは整数変換処理部103に、偶数ライン・奇数ラインに分割して予測されたブロックを特定する情報を含む各ブロックの動きベクトル情報はエントロピー符号化部104に供給される。
【0027】
整数変換処理部103は、動き補償された後の差分画像データに対して周波数変換を行う。ここでの周波数変換としては、整数変換を使用する。整数変換は、H.264の勧告においても採用されている方式である。変換式については特記しないが、従来例で示したMPEG−2で使用されているDCT(離散コサイン変換)と異なり、演算自体が整数精度で構成可能な方式であり、可逆な変換であるという特徴がある。
【0028】
エントロピー符号化部104は、整数変換処理部103により変換された画像データの可変長符号化を行う。例えば、ハフマン符号化をベースとする可変長符号化や、二値算術符号化等を行う。なお、一般的なエントロピー符号化方式は可逆符号化であるから、本実施形態におけるエントロピー符号化部104によっても可逆符号化が実現される。画像データの可変長符号化されたデータに加えて、動きベクトル情報等の付加データを符号化したデータを重畳して、最終的にエントロピー符号化部104から出力されるのが符号化後の符号データである。
【0029】
なお、本実施形態においては、可逆符号化を実現するため、従来の動き補償を用いた符号化方式で採用されているような、周波数変換された画像データの量子化処理を行わない。本実施形態は、このような構成にすることにより、動き補償を用いた符号化方式であっても可逆符号化を実現することが可能である。
【0030】
ここで、G画素成分のブロックにおける画素配置と動きベクトルの関係を示した図を図11に示す。1101は、符号化対象のブロックであり、1102及び1103は、参照フレームのブロックを表している。また、1102に対するベクトルは、縦方向の動きベクトル成分が偶数となる場合(図は縦方向に2画素ずれた例)、1103に対するベクトルは、縦方向の動きベクトル成分が奇数となる場合(図は縦方向に3画素ずれた例)を示している。図5に示したように、ベイヤー画素配置ではG画素に対して画素ラインごとに画素配置の水平位相が異なるため、縦方向の動きベクトル成分が奇数の場合は、異なった位相間での予測を行ってしまうことになる。
【0031】
したがって、本実施形態では、動き補償処理部102が、図7に示す如くG画素成分のブロックを分割して動き補償を行うことを可能にする。図7にG画素成分のブロックの分割例を示す。具体的な動作として、動き検出処理部105で検出された動きベクトルの縦方向の成分が奇数の値を示す場合は、動き補償方式切り替え部106が、G画素成分のブロックを偶数ラインと奇数ラインに分割するための動き補償方式の切替信号を発生する。動きベクトルの縦方向の成分が奇数の値を示す場合は、図7のように、奇数ラインをG1、偶数ラインをG2として、それぞれ別々にフレーム間予測して動き補償することで、予測効率の低下を抑制することができる。
【0032】
図3に、本実施形態の動き補償処理に係るフローチャートを示す。図3のフローチャートは、不図示のコンピュータの制御によって、動き検出処理部105、動き補償方式切り替え部106、動き補償処理部102によって実行される処理を図示したものである。
【0033】
図3において、符号化対象のG画素成分のブロックについての処理が開始されると(S301)、動き検出処理部105が、当該ブロックについて参照フレームを参照した動き検出を行い、所定の演算によって動きベクトルを求める(S302)。次に、動き補償方式切り替え部106が、ステップS302で求められた動きベクトルに関して、縦方向(垂直方向)の成分が偶数の値(0,2,4,6,・・・)になるか、奇数の値(1,3,5,7,・・・)になるか、判断する(S303)。動き補償方式切り替え部106は、動きベクトルの縦方向の成分が偶数の値になる場合(S303でYes)には、G画素成分のブロックを偶数ライン・奇数ライン一括して予測するための動き補償方式の切替信号を発生する。一方、動きベクトルの縦方向の成分が奇数の値になる場合(S303でNo)には、G画素成分のブロックを偶数ライン・奇数ラインで分割して予測するための動き補償方式の切替信号を発生する。動きベクトルの縦方向の成分が偶数の場合に、G画素成分のブロックを一括して予測するモードを選ぶのは、分割しない分動きベクトル本数が少なくてすみ、動きベクトルを符号化する効率を高められるためである。
【0034】
次に、動き補償処理部102が、ステップS302で求められた動きベクトル、及び、ステップS303で選択された動き補償方式の切り替え信号に従って、動き補償処理を行う。動きベクトルの縦方向成分が偶数の値になる場合、動き補償処理部102は、G画素成分のブロックを分割せずに、図6のブロック形状で予測画像の生成や、符号化対象ブロックと予測画像との差分を示す差分画像データの生成を含む動き補償処理を行う(S304)。一方、動きベクトルの縦方向成分が奇数の値になる場合、動き補償処理部102は、G画素成分のブロックを図7のようにG1,G2のサブブロックに分割する。そして、図7のG1及びG2のそれぞれのサブブロックについて予測画像の生成や、符号化対象ブロックと予測画像との差分を示す差分画像データの生成を含む動き補償処理を行う(S305)。以上で当該符号化対象ブロックの動き補償に係る処理が終了となり(S306)、引き続き次のブロックについて同様の処理が繰り返される。なお、B画素及びR画素については、G画素成分のブロックで求めた動きベクトルを1/2にした動きベクトルを用いて、図6に示したブロック形状で、B画素成分のブロック、R画素成分のブロックでそれぞれ動き補償処理する。
【0035】
図2は、本実施形態に係る図1の画像符号化装置で符号化された符号データを復号可能な画像復号装置の構成例を示すブロック図である。図1の画像符号化装置で符号化された符号データを不図示の記録媒体に記録した後、再生されたものを取得して復号しても良い。或いは、ネットワーク経由で通信路を介して符号データを受信して、復号しても良い。
【0036】
図2において、エントロピー復号化部201は、図1の画像符号化装置で符号化された符号データを入力して復号し、整数変換後の画像データを復元する。さらに、符号データから各ブロックの動きベクトル情報を抽出して、動き補償方式切り替え部204に供給する。この動きベクトル情報は、フレーム中に存在するG画素成分のブロックのうち、偶数ライン・奇数ラインに分割して予測されたブロックを特定する情報を含む。
【0037】
逆整数変換部202は、復元された整数変換後の画像データに対して、整数変換の逆変換処理を行って、差分画像データを復元する。動き補償方式切り替え部204は、各ブロックの動きベクトル情報を動き補償部203に与える。さらに、動き補償方式切り替え部204は、特にG画素成分のブロックについて、偶数ライン・奇数ラインを一括で予測したか、偶数ライン・奇数ラインを分割して予測したかを示す動き補償方式の切替信号を動き補償部203に供給する。
【0038】
動き補償部203は、復元された差分画像データを取得し、R,G,Bの各画素成分のブロックについて、それぞれ動きベクトル情報を用いて元のRGB色空間の画像データを復元する。特にG画素成分のブロックについては、偶数ライン・奇数ラインの一括予測か偶数ライン・奇数ラインの分割予測かを適応的に判断しながら動き補償処理を行う。
【0039】
205はフレームメモリである。動き補償部203によって復号化された画像データは、ベイヤー配列のままなので、フレームメモリ205に一時記憶し、表示する際に、現像処理部206によって現像処理が行われ、表示可能な画像データにして出力される。出力された画像データに係る画像は、不図示の表示装置によって表示される。こうして復元され表示される画像(動画像)は、可逆符号化されて復号化された画像であって、本発明の実施形態の構成によれば可逆的な画像の復元が可能となる。
【0040】
次に、本実施形態の他の動き補償処理について、図4のフローチャートを示して説明する。図4のフローチャートは、不図示のコンピュータの制御によって、動き検出処理部105、動き補償方式切り替え部106、動き補償処理部102によって実行される処理を図示したものである。
【0041】
前述した説明では、動きベクトルの縦方向の成分が偶数の値になるか、奇数の値になるかに応じて、G画素成分のブロックについて、偶数ライン・奇数ラインを一括で動き補償処理するか、偶数ライン・奇数ラインを分割して動き補償処理するかを判断していた。この変形例として、動き補償における予測を少数画素精度(半画素、1/4画素、等)で行うことに応じて、G画素成分のブロックについて、偶数ライン・奇数ラインを分割して予測することを判断してもよい。通常、動き補償の際には、整数画素精度での予測の他に、半画素精度での予測もしばしば使用されている。本実施形態のG画素成分のブロック構造であれば、このような少数画素精度での予測の場合に、偶数ライン・奇数ラインを分割して予測したほうが、予測効率が高くなることが容易に推測される。以下、少数画素精度の例として半画素精度を例に説明するが、1/4画素等のその他の少数画素精度であっても同様である。
【0042】
図4において、符号化対象のG画素成分のブロックについての処理が開始されると(S401)、動き検出処理部105が、当該ブロックについて参照フレームを参照した動き検出を行い、所定の演算によって動きベクトルを求める(S402)。次に、動き補償方式切り替え部106が、動き補償が半画素精度で行われるか、整数画素精度で行われるか、判断する(S403)。半画素精度の場合、S406へフローが遷移し(S403でYes)、半画素精度でない場合(すなわち整数画素精度の場合)、S404へフローが遷移する(S403でNo)。ステップS403で半画素精度の場合(S403でYes)には、動き補償方式切り替え部106が、G画素成分のブロックを偶数ライン・奇数ラインで分割して予測するための動き補償方式の切替信号を発生する。
【0043】
次に、動き補償方式切り替え部106が、ステップS402で求められた動きベクトルに関して、縦方向(垂直方向)の成分が偶数の値(0,2,4,6,・・・)になるか、奇数の値(1,3,5,7,・・・)になるか、判断する(S404)。動き補償方式切り替え部106は、動きベクトルの縦方向の成分が偶数の値になる場合(S404でYes)には、G画素成分のブロックを偶数ライン・奇数ライン一括して予測するための動き補償方式の切替信号を発生する。一方、動きベクトルの縦方向の成分が奇数の値になる場合(S404でNo)には、G画素成分のブロックを偶数ライン・奇数ラインで分割して予測するための動き補償方式の切替信号を発生する。
【0044】
次に、動き補償処理部102が、ステップS402で求められた動きベクトル、及び、ステップS403又はS404で選択された動き補償方式の切り替え信号に従って、動き補償処理を行う。動き補償が整数画素精度であり、なおかつ動きベクトルの縦方向成分が偶数の値になる場合、動き補償処理部102は、G画素成分のブロックをG1,G2のサブブロックに分割しない。すなわち、図6のブロック形状で予測画像の生成や、符号化対象ブロックと予測画像との差分を示す差分画像データの生成を含む動き補償処理を行う(S405)。一方、動き補償が半画素精度であるか、又は、動き補償が整数画素精度であるが動きベクトルの縦方向成分が奇数の値になる場合、動き補償処理部102は、G画素成分のブロックを図7のようにG1,G2のサブブロックに分割する。そして、図7のG1及びG2のそれぞれのサブブロックについて予測画像の生成や、符号化対象ブロックと予測画像との差分を示す差分画像データの生成を含む動き補償処理を行う(S405)。以上で当該符号化対象ブロックの動き補償に係る処理が終了となり(S407)、引き続き次のブロックについて同様の処理が繰り返される。なお、B画素及びR画素については、G画素成分のブロックで求めた動きベクトルを1/2にした動きベクトルを用いて、図6に示したブロック形状で、B画素成分のブロック、R画素成分のブロックでそれぞれ動き補償処理する。
【0045】
また、上述した本発明の実施形態における図3、図4に示した各処理は、各処理の機能を実現する為のコンピュータプログラムを本件発明の画像符号化装置が動作するシステムのメモリから読み出してシステムのCPUが実行することによっても実現できる。この場合、メモリに記憶されたプログラムは本件発明を構成する。
【0046】
上記プログラムは、前述した機能の一部を実現する為のものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0047】
また、図3、図4に示した各処理の全部または一部の機能を専用のハードウェアにより実現してもよい。また、図3、図4に示した各処理の機能を実現する為のプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各処理を行っても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0048】
ここで、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置を含む。さらに、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0049】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0050】
また、上記のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等のプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。上記のプログラム、記録媒体、伝送媒体およびプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。
【0051】
以上、本発明を好ましい実施例により説明したが、本発明は上述した実施例に限ることなくクレームに示した範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0052】
100 イメージセンサー/信号処理部
101 画素分割処理部
102 動き補償処理部
103 整数変換処理部
104 エントロピー符号化部
105 動き検出処理部
106 動き補償方式切り替え部
107 フレームメモリ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力されたRGB色空間の画像情報を符号化する画像符号化装置であって、
画像をR画素成分、G画素成分、B画素成分のそれぞれのコンポーネント毎に所定の画素数を有するブロックに分割する分割手段と、
符号化対象フレームとフレーム間予測で参照される参照フレームとの間で、それぞれのG画素成分のブロックについてフレーム間の動きベクトルを検出する動き検出手段と、
前記動き検出手段によって検出された動きベクトルに基づいて前記符号化対象フレームにおける各ブロックの動き補償処理を行う動き補償手段と、
前記動き補償手段によって処理された画像データを周波数変換した後、エントロピー符号化して符号データを生成する符号化手段とを備え、
前記動き補償手段は、前記符号化対象フレームにおけるG画素成分のブロックを偶数ラインと奇数ラインとで分割して、前記偶数ラインの画素のサブブロックと前記奇数ラインの画素のサブブロックとでそれぞれ動き補償処理を行うことを特徴とする画像符号化装置。
【請求項2】
前記動き検出手段によって、符号化対象のG画素成分のブロックについて検出された動きベクトルの垂直方向の成分が偶数の値になるか、奇数の値になるかを判断し、前記垂直方向の成分が奇数の値になる場合には、前記符号化対象のG画素成分のブロックを偶数ラインと奇数ラインとで分割して動き補償処理し、前記垂直方向の成分が偶数の値になる場合には、前記符号化対象のG画素成分のブロックを分割せずに動き補償処理するように、前記動き補償手段の動作を切り替える切り替え手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像符号化装置。
【請求項3】
前記動き補償手段によって、符号化対象のG画素成分のブロックの動き補償処理が少数画素精度で行われる場合には、前記符号化対象のG画素成分のブロックを偶数ラインと奇数ラインとで分割して動き補償処理し、前記符号化対象のG画素成分のブロックの動き補償処理が整数画素精度で行われる場合には、前記符号化対象のG画素成分のブロックを分割せずに動き補償処理することが可能となるように、前記動き補償手段の動作を切り替える切り替え手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像符号化装置。
【請求項4】
前記符号化手段は、前記画像データを整数変換し、当該整数変換された画像データの量子化処理をすることなくエントロピー符号化することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像符号化装置。
【請求項5】
入力されたRGB色空間の画像情報を符号化する画像符号化方法であって、
画像をR画素成分、G画素成分、B画素成分のそれぞれのコンポーネント毎に所定の画素数を有するブロックに分割する分割工程と、
符号化対象フレームとフレーム間予測で参照される参照フレームとの間で、それぞれのG画素成分のブロックについてフレーム間の動きベクトルを検出する動き検出工程と、
前記動き検出工程で検出された動きベクトルに基づいて前記符号化対象フレームにおける各ブロックの動き補償処理を行う動き補償工程と、
前記動き補償工程で処理された画像データを周波数変換した後、エントロピー符号化して符号データを生成する符号化工程とを有し、
前記動き補償工程では、前記符号化対象フレームにおけるG画素成分のブロックを偶数ラインと奇数ラインとで分割して、前記偶数ラインの画素のサブブロックと前記奇数ラインの画素のサブブロックとでそれぞれ動き補償処理を行うことを特徴とする画像符号化方法。
【請求項1】
入力されたRGB色空間の画像情報を符号化する画像符号化装置であって、
画像をR画素成分、G画素成分、B画素成分のそれぞれのコンポーネント毎に所定の画素数を有するブロックに分割する分割手段と、
符号化対象フレームとフレーム間予測で参照される参照フレームとの間で、それぞれのG画素成分のブロックについてフレーム間の動きベクトルを検出する動き検出手段と、
前記動き検出手段によって検出された動きベクトルに基づいて前記符号化対象フレームにおける各ブロックの動き補償処理を行う動き補償手段と、
前記動き補償手段によって処理された画像データを周波数変換した後、エントロピー符号化して符号データを生成する符号化手段とを備え、
前記動き補償手段は、前記符号化対象フレームにおけるG画素成分のブロックを偶数ラインと奇数ラインとで分割して、前記偶数ラインの画素のサブブロックと前記奇数ラインの画素のサブブロックとでそれぞれ動き補償処理を行うことを特徴とする画像符号化装置。
【請求項2】
前記動き検出手段によって、符号化対象のG画素成分のブロックについて検出された動きベクトルの垂直方向の成分が偶数の値になるか、奇数の値になるかを判断し、前記垂直方向の成分が奇数の値になる場合には、前記符号化対象のG画素成分のブロックを偶数ラインと奇数ラインとで分割して動き補償処理し、前記垂直方向の成分が偶数の値になる場合には、前記符号化対象のG画素成分のブロックを分割せずに動き補償処理するように、前記動き補償手段の動作を切り替える切り替え手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像符号化装置。
【請求項3】
前記動き補償手段によって、符号化対象のG画素成分のブロックの動き補償処理が少数画素精度で行われる場合には、前記符号化対象のG画素成分のブロックを偶数ラインと奇数ラインとで分割して動き補償処理し、前記符号化対象のG画素成分のブロックの動き補償処理が整数画素精度で行われる場合には、前記符号化対象のG画素成分のブロックを分割せずに動き補償処理することが可能となるように、前記動き補償手段の動作を切り替える切り替え手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像符号化装置。
【請求項4】
前記符号化手段は、前記画像データを整数変換し、当該整数変換された画像データの量子化処理をすることなくエントロピー符号化することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像符号化装置。
【請求項5】
入力されたRGB色空間の画像情報を符号化する画像符号化方法であって、
画像をR画素成分、G画素成分、B画素成分のそれぞれのコンポーネント毎に所定の画素数を有するブロックに分割する分割工程と、
符号化対象フレームとフレーム間予測で参照される参照フレームとの間で、それぞれのG画素成分のブロックについてフレーム間の動きベクトルを検出する動き検出工程と、
前記動き検出工程で検出された動きベクトルに基づいて前記符号化対象フレームにおける各ブロックの動き補償処理を行う動き補償工程と、
前記動き補償工程で処理された画像データを周波数変換した後、エントロピー符号化して符号データを生成する符号化工程とを有し、
前記動き補償工程では、前記符号化対象フレームにおけるG画素成分のブロックを偶数ラインと奇数ラインとで分割して、前記偶数ラインの画素のサブブロックと前記奇数ラインの画素のサブブロックとでそれぞれ動き補償処理を行うことを特徴とする画像符号化方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−17085(P2013−17085A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149198(P2011−149198)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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