画像表示制御装置、ゲーム装置及びプログラム
【課題】可視フィールド外に位置する特定オブジェクトを簡易な方法でユーザーが確実に視認できないようにする。
【解決手段】仮想フィールド(城内)に配置された敵モンスターM3が可視フィールド外の隣接フィールドに位置するとき、その敵モンスターの画像を透明にする画像処理を行う。これにより、仮想フィールド内の敵モンスター配置決定処理を複雑化することなく、可視フィールド外に位置する敵モンスターの画像をユーザーが確実に視認できないようにすることができる。
【解決手段】仮想フィールド(城内)に配置された敵モンスターM3が可視フィールド外の隣接フィールドに位置するとき、その敵モンスターの画像を透明にする画像処理を行う。これにより、仮想フィールド内の敵モンスター配置決定処理を複雑化することなく、可視フィールド外に位置する敵モンスターの画像をユーザーが確実に視認できないようにすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元仮想平面又は3次元仮想空間で構成される仮想フィールドの一部分である可視フィールドを所定の視点方向から見たときの、可視フィールドに配置されているオブジェクトの画像を表示手段に表示させる画像表示制御装置、ゲーム装置及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、表示手段を備えたゲーム装置等の表示装置に設けられる画像表示制御装置としては、仮想フィールドの一部分を可視フィールドとして、その可視フィールドを所定の視点方向から見たときの当該可視フィールドに配置されている各種オブジェクトの画像を表示手段に表示させるものがある。例えば、特許文献1には、プレイヤーが操作対象である主人公キャラクタS(2次元オブジェクト)を操作し、2次元仮想平面で構成されるダンジョン(仮想フィールド)内に出現する宝石を拾ってそのダンジョンから脱出することをゲーム目的とするゲームを実行するゲーム装置が開示されている。図17(a)に、そのゲーム装置のゲーム画面の一例を示す。ダンジョン内には、主人公キャラクタSのほか、ダンジョンの床や壁を構成する背景、主人公キャラクタSの行く手を阻む敵モンスターM1,M2,M3、魔法カード等のアイテムなど、種々のオブジェクトが配置されている。そして、ダンジョンの一部分(可視フィールド)を所定の視点方向から見たときの各種オブジェクトの画像が、図17(a)に示すように、ゲーム画面として表示される。なお、図17(a)における可視フィールドは、そのゲーム画面全体である。プレイヤーが主人公キャラクタSを操作することでダンジョン内を主人公キャラクタSが移動すると、その主人公キャラクタSが常に画面の中心に位置するように視点位置が移動する。よって、プレイヤーは主人公キャラクタSをダンジョン内で移動させることで、ダンジョン内の様々な箇所をゲーム画面に表示させることができる。
【0003】
上記特許文献1では詳しく説明していないが、上記ゲーム装置では、ターン制を採用している。具体的には、主人公キャラクタSが1マス移動したり、攻撃を1回したり、魔法カードを1回使用したり、主人公キャラクタSがそういった行動を1回行うと、1ターンが進む。また、敵モンスターM1,M2,M3も、1ターンについて、主人公キャラクタSと同様に1マス移動したり、攻撃を1回したりする行動を1回だけ行う。このようなターン制においては、プレイヤーは、主人公キャラクタSの周囲におけるダンジョンの通路や壁の配置、主人公キャラクタSの周囲に位置する敵モンスターM1,M2,M3の数、位置、強さなど、主人公キャラクタSの周囲の状況を総合的に考慮して、次のターンにおける主人公キャラクタSの行動を決定することになる。よって、プレイヤーがゲーム画面から一度に視認できる範囲(ダンジョン内の可視フィールド)が広いほど、より広い範囲について主人公キャラクタSの周囲の状況をプレイヤーが把握でき、ゲームを有利に進めることができる。逆に、図17(a)のゲーム画面(横9マス×縦7マス)に対し、図17(b)に示すようにマスク画像を重ねるなどして、可視フィールドを狭くすると(横5マス×縦5マス)、プレイヤーが主人公キャラクタS周囲の状況を把握できる範囲が狭まり、ゲームの難易度を上げることができる。
【0004】
【特許文献1】特開2002−119765号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、図17(b)に示すように、敵モンスターの画像の形状や大きさによっては、敵モンスターが可視フィールド外の隣接マスに位置するときに図中符号Aで囲った部分のように敵モンスターM3の一部が可視フィールド内に入り込んでプレイヤーに視認できてしまうことがある。そのため、マスク画像を重ねる等により可視フィールドを制限して、可視フィールド外の状況をプレイヤーが把握できないようにした意義が失われてしまうという問題があった。この問題は、マスク画像を重ねて可視フィールドを狭める場合に限らず、図17(c)に示すように、ゲーム画面の表示エリア全体に図17(b)の可視フィールドを表示する場合についても同様である。なお、すべての敵モンスターの画像が常に1マス内に収まるようにして、可視フィールド外の隣接マスに位置する敵モンスターの一部が可視フィールド内に入り込まないようにすることも可能ではあるが、その場合、敵モンスターの表現の自由度が低下してしまうので好ましくない。
【0006】
上述した問題は、2次元仮想平面で構成される仮想フィールドについて説明したものであるが、3次元仮想空間で構成される仮想フィールドの場合には、より深刻な問題となる。以下、図18(a)及び(b)を参照して説明する。
図18(a)及び(b)は、上述したダンジョンを3次元仮想空間とし、各オブジェクトを3次元オブジェクトとした場合のゲーム画面の一例を模式的に表した説明図である。なお、図18(a)は、視点方向がダンジョン床面法線方向に対して平行である場合のゲーム画面であり、図18(b)は、視点方向がダンジョン床面法線方向に対して傾斜している場合のゲーム画面である。
図18(a)及び(b)において、可視フィールドは、いずれも、主人公キャラクタSが位置する1マスとその周囲を取り囲む8マスの合計9マスであり、図中斜線で示した部分は可視フィールドの外側に位置するマスである。なお、図18(a)及び(b)においては、説明の都合上、可視フィールドの外側に配置された敵キャラクタの斜線部分に重なった部分を点線で描いているが、この部分はゲーム画面上には表示されない。
【0007】
図18(a)のように視点方向がダンジョン床面法線方向に対して平行である場合、すべての敵モンスターの画像が常に1マス内に収まるようにしておけば、上述したように敵モンスターの表現の自由度は低下するものの、可視フィールドの外側に位置する敵モンスターM5,M6の一部が可視フィールド内にはみ出さない。したがって、プレイヤーは、可視フィールドの外側に居る敵モンスターM5,M6を視認できず、可視フィールドを制限して可視フィールド外の状況をプレイヤーが把握できないようにした意義が失われることはない。しかし、このように全敵モンスターの画像が常に1マス内に収まるようにしても、図18(b)に示すように視点方向がダンジョン床面法線方向に対して傾斜している場合、符号Aで囲った部分のように敵モンスターM6の一部が可視フィールド内に入り込んでプレイヤーに視認できてしまうことがある。ここで、仮想フィールドを2次元平面ではなく3次元空間とすることの利点の1つは、視点方向を変えることで、可視フィールド内の各種オブジェクトを様々な方向から描写できることになる。したがって、仮想フィールドが2次元平面の場合には、全敵モンスターの画像が常に1マス内に収まるようにすれば解消し得る上記問題も、仮想フィールドが3次元空間の場合には解消できない。
【0008】
なお、上述した問題は、ゲーム装置に限らず、2次元仮想平面又は3次元仮想空間で構成される仮想フィールドの一部分である可視フィールドを所定の視点方向から見たときの、可視フィールドに配置されているオブジェクトの画像を表示手段に表示するときに、可視フィールド外に位置するときにはユーザーに視認させたくないような特定オブジェクトがある場合には、同様に生じ得る問題である。
【0009】
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、仮想フィールドに配置された各種オブジェクトのうち、可視フィールド外に位置するときにはユーザーに視認させたくない特定オブジェクトについて、簡易な方法で、可視フィールド外に位置するときにはユーザーが確実に視認できないようにすることが可能な画像表示制御装置、ゲーム装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、2次元仮想平面又は3次元仮想空間で構成される仮想フィールドに配置される各種オブジェクトの画像を表示手段に表示させるために必要な画像情報を記憶する画像情報記憶手段と、該仮想フィールド内における各種オブジェクトの配置を決定する配置決定手段と、該配置決定手段により決定されたオブジェクトの配置と該画像情報記憶手段に記憶されている画像情報とに基づいて、該仮想フィールドの一部分である可視フィールドを所定の視点方向から見たときの該可視フィールドに配置されているオブジェクトの画像を表示手段に表示させる表示制御を行う表示制御手段とを備えた画像表示制御装置において、上記表示制御手段は、上記配置決定手段により上記仮想フィールド内に配置された特定オブジェクトが上記可視フィールド外の少なくとも該可視フィールドに隣接した隣接フィールドに位置するときには該特定オブジェクトの画像を透明にする透明化処理を行い、該特定オブジェクトが該可視フィールド内に位置するときには該特定オブジェクトの画像を不透明にする不透明化処理を行うことを特徴とするものである。
この画像表示制御装置においては、仮想フィールド内に配置された特定オブジェクトが可視フィールド外の少なくとも可視フィールドに隣接した隣接フィールドに位置するとき、当該特定オブジェクトの画像は透明である。すなわち、隣接フィールドに位置する特定オブジェクトそれ自体を仮想フィールドから削除するのではなく、仮想フィールド内に配置したまま当該特定オブジェクトの画像が表示手段に表示されなくなる。したがって、仮想フィールドにおける特定オブジェクトの配置についての決定処理を複雑化することなく、可視フィールド外に位置する特定オブジェクトの画像をユーザーが確実に視認できないようにすることができる。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1の画像表示制御装置において、上記仮想フィールドは3次元仮想空間で構成されたものであり、上記各種オブジェクトのうち少なくとも上記特定オブジェクトは3次元オブジェクトであり、上記表示制御手段は、所定の視点方向変更条件に従って視点方向を変更することを特徴とするものである。
ここで、「視点方向を変更する」という意味には、1つの視点からの視点方向を変更することのほか、複数の視点のうち使用中の視点を別の視点に切り換えることも含まれる。
この画像表示制御装置においては、複数の視点方向から見たときの可視フィールドに配置された3次元オブジェクトの画像を表示手段に表示することができる。このように視点方向を変えることができる3次元仮想空間で構成された仮想フィールドにおいては、2次元仮想平面で構成された仮想フィールドの場合よりも、上述した問題の解決が難しい。すなわち、上述したように、2次元仮想平面で構成された仮想フィールドの場合には特定オブジェクトの画像の形状や大きさを工夫すれば、特定オブジェクトの表現の自由度が低下するものの、上述した問題に対処することが可能である。しかし、視点方向を変えることができる3次元仮想空間で構成された仮想フィールドの場合、このような対処では上述した問題を解決することができない。本画像表示制御装置によれば、視点方向を変えることができる3次元仮想空間で構成された仮想フィールドにおける上述した問題を、簡易な方法で解決することができる。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の画像表示制御装置において、上記表示制御手段は、上記可視フィールドに配置されるオブジェクトの画像とともに、上記隣接フィールドに配置される上記特定オブジェクトを除く他のオブジェクトの画像を、上記表示手段に表示させる表示制御を行うものであり、上記可視フィールドと上記隣接フィールドとを視覚的に識別するための画像処理を行うフィールド識別処理手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像表示制御装置において、上記フィールド識別処理手段が行う上記画像処理は、上記隣接フィールドに配置されるオブジェクトの画像の上に半透明のマスク画像を重ねた画像を生成する処理であることを特徴とするものである。
これらの画像表示制御装置においては、可視フィールドに配置されるオブジェクトの画像だけでなく、隣接フィールドに配置されるオブジェクト(特定オブジェクトを除く)の画像も表示される。よって、可視フィールド外に位置するときにはユーザーに視認させたくない特定オブジェクトについてはユーザーに視認できないようにしたまま、表示手段に表示される仮想フィールドの表示範囲を可視フィールド外にまで広げることができる。しかも、ユーザーは、表示手段に表示されている仮想フィールドの表示範囲のうち、可視フィールドの部分と隣接フィールドの部分とを区別して認識することができる。すなわち、ユーザーは、仮想フィールドの表示範囲のうち、配置されている特定オブジェクトを視認できる箇所(可視フィールド)と、配置されている特定オブジェクトが視認できない箇所(隣接フィールド)とを区別して認識できる。
なお、フィールド識別処理としては、請求項4の画像表示制御装置のようにマスク画像を重ねる画像処理のほか、例えば、可視フィールドはカラー表示とするのに対し隣接フィールドはモノクロ表示とする画像処理などが挙げられる。
【0013】
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1つに記載の画像表示制御装置において、上記配置決定手段は、所定の配置変更条件に従って上記特定オブジェクトの配置を変更するものであり、上記表示制御手段は、該配置決定手段が該特定オブジェクトの配置を上記隣接フィールドから上記可視フィールドへ変更したとき、該隣接フィールドに位置する該特定オブジェクトの画像を該可視フィールドへ移動させる表示制御を行うとともに、該特定オブジェクトの画像を透明の状態から不透明の状態へ徐々に変更するように不透明化処理を行うことを特徴とするものである。
この画像表示制御装置においては、仮想フィールド内における特定オブジェクトの配置が変更されるので、表示手段には特定オブジェクトの画像が仮想フィールド内を移動しているように表示される。ここで、特定オブジェクトの画像は、隣接フィールドに位置する場合は透明な状態であって表示されないが、可視フィールドに位置する場合には不透明な状態になって表示されることになる。このような特定オブジェクトが隣接フィールドから可視フィールドへ移動する場合に、透明な特定オブジェクトの画像が瞬時に不透明な状態になると、この特定オブジェクトはもともと仮想フィールド内に配置されているにも関わらず、仮想フィールド内に突然出現したかのような感覚をユーザーに与えることになる。これに対し、本画像表示制御装置においては、隣接フィールドに位置する透明な特定オブジェクトが可視フィールドへ移動するとき、その特定オブジェクトの画像は透明な状態から徐々に不透明な状態になる。これにより、特定オブジェクトが仮想フィールド内に突然出現したかのようにユーザーが受ける感覚を緩和することができる。
【0014】
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか1つに記載の画像表示制御装置において、上記配置決定手段は、所定の配置変更条件に従って上記特定オブジェクトの配置を変更するものであり、上記表示制御手段は、該配置決定手段が該特定オブジェクトの配置を上記可視フィールドから該可視フィールドの外へ変更したとき、該可視フィールドに位置する該特定オブジェクトの画像を該可視フィールドの外へ移動させる表示制御を行うとともに、該特定オブジェクトの画像を不透明の状態から透明の状態へ徐々に変更するように透明化処理を行うことを特徴とするものである。
この画像表示制御装置においても、仮想フィールド内における特定オブジェクトの配置が変更されるので、表示手段には特定オブジェクトの画像が仮想フィールド内を移動しているように表示される。ここで、特定オブジェクトの画像は、可視フィールドに位置する場合は不透明な状態であって表示されているが、このような特定オブジェクトが可視フィールドから可視フィールド外へ移動する場合に、不透明な特定オブジェクトの画像が瞬時に透明な状態になると、特定オブジェクトが仮想フィールド内から突然消失したかのような感覚をユーザーに与えることになる。これに対し、本画像表示制御装置においては、可視フィールド内に位置する不透明な特定オブジェクトが可視フィールド外へ移動するとき、その特定オブジェクトの画像は不透明な状態から徐々に透明な状態になる。これにより、特定オブジェクトが仮想フィールド内に突然消失したかのようにユーザーが受ける感覚を緩和することができる。
【0015】
また、請求項7の発明は、ゲーム画面を表示するゲーム画面表示手段と、プレイヤーの操作を受け付ける操作受付手段と、所定のゲーム実行プログラムをコンピュータが実行することにより、該操作受付手段が受け付けたゲーム操作の内容に応じて、ゲーム進行の制御を行うゲーム制御手段と、該ゲーム制御手段が制御するゲーム進行に応じたゲーム画面を該ゲーム画面表示手段に表示させる表示制御を行う画像表示制御手段とを備えたゲーム装置において、上記画像表示制御手段として、請求項1乃至6のいずれか1つに記載の画像表示制御装置を用い、該画像表示制御装置の配置決定手段は、上記ゲーム制御手段によるゲーム進行の制御内容に応じて、上記仮想フィールド内における各種オブジェクトの配置を決定することを特徴とするものである。
このゲーム装置においては、プレイヤー(ユーザー)のゲーム操作を操作受付手段が受け付けることでゲームが進行し、そのゲーム進行に応じてオブジェクトの仮想フィールド内における配置が決定される。このように可視フィールドに配置されているオブジェクトの画像は表示手段に表示される。そして、特定オブジェクトが可視フィールド外の少なくとも可視フィールドに隣接した隣接フィールドに位置するときには、当該特定オブジェクトの画像は透明である。よって、仮想フィールドにおける特定オブジェクトの配置についての決定処理を複雑化することなく、可視フィールド外に位置する特定オブジェクトの画像をプレイヤーが確実に視認できないようにすることができる。
【0016】
また、請求項8の発明は、2次元仮想平面又は3次元仮想空間で構成される仮想フィールドに配置される各種オブジェクトの画像を表示手段に表示させるために必要な画像情報を記憶する画像情報記憶手段を備えた画像表示制御装置のコンピュータを動作させるためのプログラムであって、上記仮想フィールド内における各種オブジェクトの配置を決定する配置決定手段、及び、該配置決定手段により決定されたオブジェクトの配置と上記画像情報記憶手段に記憶されている画像情報とに基づいて、該仮想フィールドの一部分である可視フィールドを所定の視点方向から見たときの該可視フィールドに配置されているオブジェクトの画像を表示手段に表示させる表示制御を行うとともに、該配置決定手段により該仮想フィールド内に配置された特定オブジェクトが該可視フィールド外の少なくとも該可視フィールドに隣接した隣接フィールドに位置するときには該特定オブジェクトの画像を透明にする透明化処理を行い、該特定オブジェクトが該可視フィールド内に位置するときには該特定オブジェクトの画像を不透明にする不透明化処理を行う表示制御手段として、上記コンピュータを機能させることを特徴とするものである。
このプログラムは、画像表示制御装置のコンピュータに実行されることで、仮想フィールド内に配置された特定オブジェクトが可視フィールド外の少なくとも可視フィールドに隣接した隣接フィールドに位置するとき、当該特定オブジェクトの画像が透明になる。よって、仮想フィールドにおける特定オブジェクトの配置についての決定処理を複雑化することなく、可視フィールド外に位置する特定オブジェクトの画像をユーザーが確実に視認できないようにすることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上、請求項1乃至8の発明によれば、仮想フィールドに配置された各種オブジェクトのうち、可視フィールド外に位置するときにはユーザーに視認させたくない特定オブジェクトについて、簡易な方法で、可視フィールド外に位置するときにはユーザーが確実に視認できないようにすることが可能となるという優れた効果が奏される。
特に、請求項2の発明によれば、2次元仮想平面で構成される仮想フィールドの場合よりも上述した問題の解決が困難となる3次元仮想空間で構成される仮想フィールドにおいて、当該問題を解決できるという優れた効果が奏される。
また、請求項3及び4の発明によれば、可視フィールド外に位置する特定オブジェクトについてはユーザーに視認できないようにしたまま、表示手段に表示される仮想フィールドの表示範囲を可視フィールド外にまで広げることができるという優れた効果が奏される。
また、請求項5及び6の発明によれば、ユーザーに与える違和感を緩和することができるという優れた効果が奏される。
また、請求項7の発明によれば、可視フィールドを制限したことにより生じるゲーム性を確保できるという優れた効果が奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を、ゲーム装置としてのアーケードゲーム機であるメダルゲーム機に適用した一実施形態について説明する。
本実施形態に係るメダルゲーム機では、プレイヤー(ユーザー)が操作対象のオブジェクトであるゲーム主人公キャラクタS(以下、「主人公キャラクタS」という。)の動作を指示するための操作を行うことで、主人公キャラクタSが仮想フィールドである城の内部を進んで城を占領することをゲーム目的とするロールプレイングゲームが展開される。その城内では、主人公キャラクタSの行く手を阻むオブジェクトである敵モンスター(特定オブジェクト)が出現するので、プレイヤーは、主人公キャラクタSが敵モンスターに倒されることなく城を進み、城占領の証となるオブジェクトである宝石(クリアの証)を取得できるように、主人公キャラクタSの動作指示のための操作を行うことになる。プレイヤーに操作される主人公キャラクタSは、敵モンスターに対抗するため、敵モンスターを攻撃したり、ゲーム状況変更要素である種々のアイテムカードや魔法カード(オブジェクト)を使用したりしながら、城内を進み、クリアの証の獲得を試みる。そして、主人公キャラクタSがクリアの証を獲得して城の占領に成功すると、そのプレイヤーは占領した城の城主となることができ、城主となったプレイヤーは、自分の城を占領するために挑戦してくる他のプレイヤーと、一種の対戦ゲームを行うことができる。
【0019】
次に、本実施形態に係るメダルゲーム機の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係るメダルゲーム機1の外観図である。
このメダルゲーム機1は、ゲームの進行に応じたゲーム画面を表示する表示手段として機能するディスプレイ2と、ゲームの進行に応じた効果音やバックミュージック等の音を流すスピーカー3と、プレイヤーがゲーム画面上に出現する主人公キャラクタSの動きを指示するための操作を含むゲーム操作を受け付ける操作受付手段を構成する操作レバー4及び3つの操作ボタン5a,5b,5cと、メダルゲーム機1とプレイヤーとの間でやりとりされるゲーム媒体であるメダル(有体物)のプレイヤーへの払い戻しを行うためのペイアウトボタン5dと、後述する磁気カードを取り出してゲームを終了するための保存終了ボタン5eとが設けられている。
【0020】
プレイヤーは、ディスプレイ2に表示されるゲーム画面を見ながら、操作レバー4及び3つの操作ボタン5a,5b,5cを操作することで、例えば、そのゲーム画面上に出現する主人公キャラクタSをいずれの方向へ移動させるかを指示したり、どのアイテムカードを使用させるかを指示したりすることができる。また、メダルゲーム機1には、プレイヤーからメダルを有体物の状態で受け取るためのメダル投入口6、プレイヤーに対してメダルを払い戻すためのメダル払い戻し口7、ゲームを終了したプレイヤーが次回のプレイ時にゲームの続きを行うために、そのプレイヤーの個人情報や終了時のゲーム状況等を記録する磁気カード9を挿入したり取り出したりするためのカード挿入取出口8なども設けられている。
【0021】
図2は、本メダルゲーム機の制御系の主要構成を示すブロック図である。
メダルゲーム機1の制御部10は、画像表示制御装置として機能するものであり、主に、制御装置11と、ROM12と、RAM13とから構成される。制御装置11は、ROM12に記憶されている各種プログラムを実行し、各種制御を行う。特に、制御装置11は、その内部のコンピュータによりROM12に記憶されているゲーム実行プログラムを実行することで、上述したロールプレイングゲームの進行に必要な各種制御を行う。ROM12は、メダルゲーム機1の制御部10で行うべき各種制御の実行プログラム等を記憶している。特に、本実施形態におけるROM12は、仮想フィールドである城やダンジョンに配置される各種オブジェクトの画像をディスプレイ2に表示させるために必要な画像情報等を記憶しており、画像情報記憶手段として機能する。RAM13は、各種データあるいは情報を一時的に記憶するものである。特に、RAM13は、後述のメダルカウンタ15がカウントしたメダル枚数を電子データに変換したゲーム媒体であるクレジットデータ(ポイントデータ)を記憶するプレイヤーポイント記憶手段としてのクレジットデータ記憶領域を有する。
【0022】
メダルゲーム機1の制御部10には、ディスプレイ2、スピーカー3、操作レバー・操作ボタン等4,5a,5b,5c,5d,5e、メダル投入口6に投入されたメダルの枚数をカウントするメダルカウンタ15、メダル払い戻しロ7からメダルを排出するメダル排出ホッパ16、カード挿入取出口8に挿入された磁気カード9に対してデータの書き込みを行うデータ書込手段としてのカードライタ17、カード挿入取出口8に挿入された磁気カード9からデータの読み出しを行うデータ読出手段としてのカードリーダ18などが接続されている。
【0023】
本メダルゲーム機1において、プレイヤーがゲームを終了する場合には、次回のゲーム再開時に、その終了時のゲーム状況を復元させるためのゲーム状況情報であるセーブデータを、カードライタ17により磁気カード9に記録する。このセーブデータには、プレイヤーネーム(主人公キャラクタSの名前)、累積プレイ時間、最終プレイ時刻、クリアしたダンジョン名、自分が城主となっている城名、主人公キャラクタSの能力(職業等)、プレイヤーが所有するゲーム状況変更要素のうちの使用可能要素であるアイテムカードの種類等のプレイヤー情報と、ゲーム終了時の主人公キャラクタSがいるダンジョン又は城の種類、そのダンジョン又は城内における主人公キャラクタS、敵モンスター又は未取得のアイテムカードの位置等のフィールドデータ等のゲーム情報とが含まれる。一方、プレイヤーが一度終了したゲームの続きを行う場合には、自分の磁気カード9をカード挿入取出口8に挿入する。これにより、カードリーダ18は、その磁気カード9に記録されたセーブデータを読み取る。このセーブデータは、RAM13に記憶され、ROM12に記憶されたゲーム実行プログラムに読み込まれる。これにより、プレイヤーは、ゲーム実行プログラムを実行するゲーム制御手段としての制御装置11により進行されるゲームにおいて、前回の続きのゲーム状況からプレイを再開することができる。
【0024】
尚、磁気カード9にすべてのセーブデータを記録する必要はなく、例えば、磁気カード9にはプレイヤー識別情報であるプレイヤーID(カードID)を記録しておき、各プレイヤーIDに対応するセーブデータの一部又は全部を、本メダルゲーム機1の記憶装置又は本メダルゲーム機1に接続された外部記憶装置に記憶しておくようにしてもよい。この場合、磁気カード9からプレイヤーIDを読み取った後、そのプレイヤーIDに対応するセーブデータを、当該記憶装置から当該メダルゲーム機1のRAM13にダウンロードすることで、上記と同様に、前回の続きのゲーム状況からプレイを再開することができる。
【0025】
次に、本メダルゲーム機1で行われるゲームの流れについて説明する。
図3は、本メダルゲーム機1のROM12に格納されているゲーム実行プログラムを実行する制御装置11によるゲーム進行制御の流れを示すフローチャートである。
プレイヤーは、ゲームプレイを開始する場合、まず、自分が持っているメダルをメダル投入口6へ投入する(S1)。これにより、投入されたメダルの枚数がメダルカウンタ15によりカウントされ、そのカウントデータが制御装置11へ送信される。制御装置11は、受信したカウントデータに基づき、投入されたメダル枚数に相当する分のクレジットデータをRAM13のクレジットデータ記憶領域へ記憶する(S2)。
【0026】
また、プレイヤーは、メダル投入に前後して、磁気カード9をカード挿入取出口8に挿入する(S3)。初めてプレイする場合には、プレイヤーは、本メダルゲーム機1が設置されているゲーム施設の店員あるいは自動販売機などから新規な磁気カード9を入手し、その磁気カード9をカード挿入取出口8に挿入する。また、前回のゲームの続きをしようとするプレイヤーは、前回終了時のセーブデータが記録された磁気カード9をカード挿入取出口8に挿入する。このようにして磁気カード9を受け取ったメダルゲーム機1は、カードリーダ18により磁気カード9に記録されたデータを読み出し、そのデータを制御装置11に送る。制御装置11は、受け取ったデータに応じて新規なプレイか否かを判断する(S4)。具体的には、磁気カード9内にプレイヤーIDが記憶されていない場合は新規なプレイであると判断し、プレイヤーIDが記憶されている場合は新規なプレイでないと判断する。
【0027】
上記S4により新規プレイでないと判断された場合、カードリーダ18により磁気カード9に記録されたセーブデータを読み出し(S5)、これをRAM13に記憶する。そして、制御装置11は、そのセーブデータに基づき、ROM12に記憶されたプログラムをロードし、セーブデータにより特定される前回の続きのゲーム状況に対応したゲーム画面をディスプレイ2に表示させ、ゲームを開始する(S7)。そして、制御装置11は、セーブデータにより特定されるゲーム状況以後のゲーム進行を制御する。
【0028】
一方、上記S4により新規プレイであると判断された場合、制御装置11は、初期情報の入力及び設定のための処理を実行する(S6)。この初期情報の入力及び設定の処理では、まず、図4(a)に示す名前入力画面をディスプレイ2に表示させる。プレイヤーは、操作レバー4及び操作ボタン5aを操作して、その名前入力画面に表示されている50音ボタンのカーソルを移動させ、主人公キャラクタSの名前を入力する。入力後、名前入力画面中の決定ボタンを選択すると、図4(b)に示す名前確認画面が表示され、その画面中のYesボタンを選択することで名前を決定する。すると、ディスプレイ2には、図4(c)に示す職業選択画面が表示される。この画面では、プレイヤーが操作する主人公キャラクタSの職業を選択する。以上のようにして入力した内容や選択した内容は、制御装置11によりプレイヤー情報としてRAM13に記憶される。
【0029】
このようにして初期情報の入力・設定の処理が終了したら、制御装置11によりゲームが開始され(S7)、制御装置11は図5に示すメインメニュー画面をディスプレイ2に表示させる。このメインメニュー画面には、ダンジョンを探検する探検ゲームボタンと、他人が所有する城に挑戦する対戦ゲームボタンと、これらゲーム中にプレイヤーが使用できるアイテムカードや魔法カードの一覧を表示させるカード一覧ボタンとが用意されている。この画面で、プレイヤーは、探検ゲームをするか、対戦ゲームをするかを選択する。
【0030】
ここで、プレイヤーが探検ゲームを選択した場合、制御装置11は、図6に示すダンジョン選択画面をディスプレイ2に表示させ、ダンジョン選択処理を実行する。このダンジョン選択画面には、各ダンジョンを選択するための画像が表示される。そして、プレイヤーは、操作レバー4でカーソルを移動させることにより、挑戦するダンジョンを選択する。各表示画像には、それぞれダンジョン名と、挑戦するのに必要なメダル枚数(挑戦費用)が表示されている。各ダンジョンでは、それぞれ、そのダンジョン名に由来するゲーム展開がなされ、互いに異なるゲームが進行される。プレイヤーが、例えば、ゆかいなダンジョンを選択した場合、図示の画面上方部分に、選択されたダンジョンが表示される。そして、プレイヤーは、この選択したダンジョンに挑戦することを決めたら、操作ボタン5aを押す。このボタン操作が制御装置11に受け付けられると、制御装置11は、RAM13に記憶されているクレジットデータを、当該挑戦費用に相当する分だけ減少させる。
【0031】
具体的に説明すると、メダルゲーム機1のROM12は、各ダンジョンでのゲーム進行に必要なゲーム情報であるダンジョンデータを記憶したダンジョン情報データベースを記憶したデータ領域を有している。このダンジョン情報データベースには、ダンジョンデータを特定するためのダンジョン名データに関連付けて、挑戦費用データがそれぞれ記憶されている。制御装置11は、図6に示したダンジョン選択画面においてダンジョンを選択したときのプレイヤーの選択操作(ダンジョン選択操作)を受け付けると、制御装置11は、ダンジョン情報データベースから当該選択操作に対応するダンジョン名データを特定し、そのダンジョン名データに対応した挑戦費用データを読み出す。そして、制御装置11は、この読み出した挑戦費用データに相当するクレジット分を、RAM13に記憶されたクレジットデータから減らす処理を行う。なお、以下、クレジットデータを増減させる処理についても、上記と同様に行われる。
【0032】
ここで、RAM13に記憶されているクレジットデータが挑戦費用データに相当するクレジット分に満たない場合、プレイヤーに対してメダルの追加投入を促す画面を表示させる。メダルが投入されたら、上述したように、投入されたメダルの枚数に相当する分のクレジットデータがRAM13のクレジットデータ記憶領域へ記憶される。なお、メダル投入を促しても、メダルが投入されない場合には、その城への挑戦を許可しない。以下、クレジットデータを減らす処理が行われるときにも、上記と同様にメダル投入を促す。
【0033】
また、制御装置11は、ダンジョン選択操作を受け付けると、上記ダンジョン情報データベースから、そのダンジョン名データに対応するダンジョンデータを読み出す。そして、そのダンジョンデータに基づいたプログラムをロードして、ディスプレイ2に、ダンジョンデータに基づくゲーム画面を表示させる。
【0034】
一方、図5に示したメインメニュー画面で、プレイヤーが対戦ゲームを選択した場合、制御装置11は、図7に示す城選択画面をディスプレイ2に表示させ、城選択処理を実行する。この城選択画面には、各城を選択するための画像が表示される。そして、プレイヤーは、操作レバー4でカーソルを移動させることにより、挑戦する城を選択する。各表示画像には、それぞれ城名と、挑戦費用が表示されている。各城では、それぞれ、互いに異なるゲームが進行される。また、各城では、それぞれ、過去に城の占領に成功したプレイヤーが城主となっており、プレイヤーは、その城主であるプレイヤーと対戦することになる。
【0035】
具体的に説明すると、本メダルゲーム機1のROM12は、各城でのゲーム進行に必要なゲーム情報である城データを記憶した城情報データベースを記憶したデータ領域を有している。この城情報データベースに記憶されている城データに含まれる城名データには、プレイヤー識別情報である城主ID(城主となっているプレイヤーのID)が関連付けされている。
メダルゲーム機1の制御装置11は、プレイヤーが図5に示したメインメニュー画面で対戦ゲームを選択したときのボタン操作を受け付けることで、メダルゲーム機1のディスプレイ2に図7に示した城選択画面を表示させるための画像データを返信する。そして、ディスプレイ2に表示された城選択画面で、プレイヤーが挑戦する城を選択する選択操作が制御装置11に受け付けられると、制御装置11は、その選択操作に係る城の城名データに対応する城データを、ROM12に記憶された城情報データベースから読み出す。そして、制御装置11は、その城データに基づくプログラムをロードし、ゲーム進行を制御する。
【0036】
また、メダルゲーム機1のROM12は、各城データを特定するための城名データに関連付けて挑戦費用データがそれぞれ記憶された城挑戦情報データベースを記憶するデータ領域を有している。制御装置11は、上述のようにして、図7に示した城選択画面で選択された城の選択操作を受け付けると、上記探検ゲームと同様に、ROM12に記憶された城挑戦情報データベースから城名データに対応した挑戦費用データを読み出し、その挑戦費用データに相当するクレジット分を、RAM13に記憶されたクレジットデータから減らす処理を行う。
【0037】
以上のようにしてゲームが開始されると、制御装置11は、表示制御手段として機能し、図8に示すようなゲーム画面をディスプレイ2に表示させる。尚、ゲーム画面は、探検ゲームも対戦ゲームもほぼ同様であり、そのゲームの進み方も同様であるので、以下、対戦ゲームを例に挙げて説明する。
【0038】
プレイヤーは、操作レバー4及び操作ボタン5a,5b,5cを操作して、主人公キャラクタSを移動させたり、敵モンスターM1,M2,M3に攻撃したり、所有するアイテムカードや魔法カードを使用したりする指示を行うことができる。本実施形態では、ターン制を採用しており、ターンごとに1つの動作を指示することができる。したがって、例えば、主人公キャラクタSを1マス移動させるのに1ターンを必要とし、また、主人公キャラクタSが敵モンスターM1,M2,M3を1回攻撃するのに1ターンを必要とし、また、主人公キャラクタSが1枚のカードを使用するのに1ターンを必要とする。なお、プレイヤーがターンを消費するゲーム操作を行わない限り、ターンは進まない。一方、ターンを進ませると、敵モンスターM1,M2,M3も主人公キャラクタSと同様に移動したり主人公キャラクタSに攻撃したりするなどして、ゲーム状況が変化する。敵モンスターM1,M2,M3から攻撃を受けると主人公キャラクタSの体力が減り、主人公キャラクタSの体力が0になるとゲームオーバーとなる。
【0039】
主人公キャラクタSが所有するアイテムカードや魔法カードを使用する場合、プレイヤーは、操作ボタン5cを押す。この操作を受け付けた制御装置11は、図9に示すカード選択画面をディスプレイ2に表示させる。このカード選択画面では、画面右下にあるカード一覧にカーソルが出現する。また、このカード選択画面には、カーソルで選択されているカードの内容を示すカード内容画面が画面左側部分に表示される。このカード内容画面には、そのカードを使用したときの効果(ゲーム状況がどのように変更されるか)と、そのカードを使用するのに必要なメダル枚数(カード使用費用)が表示されている。プレイヤーは、操作レバー4でカーソルを移動させ、使用を希望するカードを選択した後、操作ボタン5aを押す。このボタン操作(特別な操作)を受け付けた制御装置11は、所定のポイント消費条件が満たされたと判断し、RAM13に記憶されているクレジットデータを、選択したカードのカード使用費用に相当する分だけ減少するように変動させるクレジット変動処理(プレイヤーポイント減算処理)を実行する(S8)。
【0040】
具体的に説明すると、メダルゲーム機1のRAM13には、各種カードデータのうち、主人公キャラクタSが使用可能な状態のカードデータを記憶する使用可能要素記憶手段としての使用可能データ領域と、主人公キャラクタSが使用不可能な状態のカードデータを記憶する使用不可能要素記憶手段としての使用不可能データ領域とを有するカードデータベースが格納されている。このカードデータベースに記憶された各カードデータは、カード名データに関連付けられた各種データを有している。主人公キャラクタSが使用可能なカードデータには、制御装置11が実行するカード使用プログラムによる読み出しを可能にする読出許可符号が付加されており、その読出許可符号が付加されたカードデータが記憶されている使用可能データ領域が使用可能要素記憶手段として機能する。一方、その読出許可符号が付加されていないカードデータが記憶されている使用不可能データ領域が使用不可能要素記憶手段として機能する。なお、図8のゲーム画面又は図9のカード選択画面に表示されているカードは、使用可能データ領域に記憶されている使用可能要素としてのカードデータに対応したものである。
【0041】
制御装置11は、図9に示したカード選択画面で、主人公キャラクタSにカードを使用することを指示するための操作を受け付けると、その指示に基づくカード名を認識する。そして、制御装置11は、RAM13に記憶されているクレジットデータがカード使用費用データ以上あるときに使用決定手段として機能し、そのカード名データに対応するカードデータの使用を決定する。その後、制御装置11は、ゲーム状況変更手段として機能し、カードデータベースから当該カード名データに対応するカード効果データを読み出して、そのカード効果データに基づいてゲーム状況を変更する。例えば、使用したカードが敵モンスターM1,M2,M3に攻撃する魔法カードである場合、制御装置11は、そのカード効果データに含まれるダメージ計算用数値を敵モンスターM1,M2,M3へのダメージ計算に使用して、その算出結果に基づいて敵モンスターM1,M2,M3の体力データを減少させる処理を行う。
また、カードデータの使用を決定した制御装置11は、上記カードデータベースからカード名データを選択し、このカード名データに対応したカード使用費用データを読み出す。そして、制御装置11は、この読み出したカード使用費用データに相当するクレジットデータを、RAM13に記憶されたクレジットデータから減じる処理を行う。
【0042】
また、城内には、主人公キャラクタSが入手可能な魔法カードやアイテムカードが配置されている。プレイヤーが主人公キャラクタSの動きを操作して主人公キャラクタSを魔法カードやアイテムカードの位置に移動させると、そのカードを入手することができる。
【0043】
また、城内には、カードを売却したり購入したりすることができる図10(a)に示すショップが用意されている。プレイヤーが主人公キャラクタSの動きを操作して主人公キャラクタSを移動させ、主人公キャラクタSをショップに入場させた場合、その主人公キャラクタSが所有するカードを売却してクレジットに変えたり、そのショップで販売されているカードをクレジットを支払って購入したりすることができる。
【0044】
上記ショップでカードを購入する場合、プレイヤーは、図10(a)に示すショップ画面において操作レバー4を操作して、カーソルを「カードを買う」ボタンに合わせ、操作ボタン5aを押す。この操作を受け付けた制御装置11は、図10(b)に示す購入カード選択画面をディスプレイ2に表示させる。この購入カード選択画面では、画面上方部分に、そのショップで売っているカードのカード一覧画面が表示され、画面左下に、カーソルで選択されているカードの内容を示すカード内容画面が表示される。カード一覧画面には、カードを購入するために必要なメダル枚数(カード購入費用)が表示されている。プレイヤーは、操作レバー4でカーソルを移動させ、購入を希望する魔法カードを選択した後、操作ボタン5aを押す。このボタン操作(特別な操作)が制御装置11で受け付けられると、制御装置11は、所定のポイント消費条件が満たされたと判断し、RAM13に記憶されているクレジットデータを、そのカードのカード購入費用に相当する分だけ減少するように変動させるクレジット変動処理(プレイヤーポイント減算処理)を実行する(S8)。
【0045】
具体的に説明すると、上記カードデータベースには、カード名データに関連付けられたカード購入費用データも記憶されている。制御装置11は、図10(b)に示した購入カード選択画面で、購入するカードを選択する操作を受け付けると、そのカードのカード名データを認識する。そして、制御装置11は、RAM13に記憶されているクレジットデータがカード購入費用データ以上であるとき、カードデータベースの使用不可能データ領域にある当該カードデータを使用可能状態にするために、当該カード名データに対応するカードデータに使用許可符号を付加する。これにより、そのカードデータは、カードデータベースの使用可能データ領域に記憶されることになり、プレイヤーによる指示操作によって主人公キャラクタSが使用可能となる。また、制御装置11により使用不可能データ領域にあるカードデータの使用が許可されることにより、制御装置11は、上記カードデータベースから当該カード名データを選択し、このカード名データに対応したカード購入費用データを読み出す。そして、制御装置11は、この読み出したカード購入費用データに相当するクレジットデータを、RAM13に記憶されたクレジットデータから減じる処理を行う。
【0046】
一方、上記ショップにおいて、主人公が所有するカードを売却する場合、プレイヤーは、図10(a)に示すショップ画面において、操作レバー4を操作し、カーソルを「カードを売る」ボタンに合わせ、操作ボタン5aを押す。この操作を受け付けた制御装置11は、図10(c)に示す売却カード選択画面をディスプレイ2に表示させる。この売却カード選択画面では、画面右下にあるカード一覧にカーソルが出現し、カーソルで選択されているカードの内容を示すカード内容画面が画面左側部分に表示される。また、この売却カード選択画面の画面上方部分には、選択されたカードと交換されるメダル枚数(カード売却収入)を表示した引取価格画面が表示される。プレイヤーは、操作レバー4でカーソルを移動させ、主人公が所持するカードの中から売却するカードを選択した後、操作ボタン5aを押す。このボタン操作を受け付けた制御装置11は、RAM13に記憶されているクレジットデータを、そのカードのカード売却収入に相当する分だけ増加するように変動させるクレジット変動処理を実行する(S8)。
【0047】
具体的に説明すると、上記カードデータベースには、カード名データに関連付けられたカード売却収入データも記憶されている。制御装置11は、図10(b)に示した売却カード選択画面で、売却するカードを選択する操作を受け付けると、そのカードのカード名データを認識する。そして、制御装置11は、そのカードがショップで売却可能なものであるとき、カードデータベースの使用可能データ領域にある当該カードデータの使用不可状態にするために、そのカード名データに対応するカードデータから使用許可符号を削除する。これにより、そのカードデータは法カードデータベースの使用不可能データ領域に記憶されることになり、プレイヤーは、そのカードデータを使用できなくなる。また、使用可能データ領域にあるカードデータが使用不可状態になると、制御装置11は、上記カードデータベースからカード名データを選択し、このカード名データに対応したカード売却収入データを読み出す。そして、制御装置11は、この読み出したカード売却収入データに相当するクレジットデータを、RAM13に記憶されたクレジットデータに足す。
【0048】
また、城内に存在する敵モンスターの中には、倒すとクレジットが増加する宝石モンスターが存在する。この宝石モンスターの動作は、ゲーム実行プログラムを実行する制御装置11により制御されている。プレイヤーの指示に従って動作する主人公キャラクタSが宝石モンスターを倒した場合、制御装置11は、RAM13に記憶されているクレジットデータを、その宝石モンスターの種類に応じたメダル枚数である宝石獲得額に相当する分だけ増加するように変動させるクレジット変動処理を実行する(S8)。
【0049】
以上のようにして、プレイヤーが主人公キャラクタSの動作を指示するなどの各種ゲーム操作を行うことにより主人公キャラクタSが城内を進んで城の占領に成功すると、所定の演出の後、ディスプレイ2には、再び図7に示した城選択画面が表示される。よって、プレイヤーは、この城選択画面において、次に挑戦する城を選択することで、同じ城又は別の城に挑戦することができる。
【0050】
プレイヤーは、ゲームプレイを終了しようとする場合には、図1に示した保存終了ボタン5eを押す。このボタン操作を受け付けた制御装置11は、ディスプレイ2に表示されている画像の上に重なるようにして、図11に示すゲーム終了選択画面を表示させる(S9)。このゲーム終了選択画面には、「ゲームを終了しますか?」というコメントの下に「はい」ボタンと「いいえ」ボタンが表示されている。プレイヤーは、ゲームを終了させない場合には、操作レバー4でカーソルを「いいえ」ボタンに合わせて、操作ボタン5aを押す。これにより、ゲーム終了選択画面が消えて、直前の画面からゲームが再開される。一方、プレイヤーは、ゲームプレイを終了する場合、操作レバー4でカーソルを「はい」ボタンに合わせて、操作ボタン5aを押す。このボタン操作を受け付けた制御装置11は、RAM13に記憶されているクレジットデータやセーブデータ及びプレイヤーIDを、カードライタ17により磁気カード9に書き込み、その磁気カード9をカード挿入取出口8から排出する(S10)。
【0051】
なお、プレイヤーは、RAM13に記憶された電子データの状態であるゲーム媒体であるクレジットデータを有体物状態のゲーム媒体であるメダルに換算してメダルの払い戻しを受けることもできる。この場合、図1に示したペイアウトボタン5dを押す。このボタン操作を受け付けた制御装置11は、メダル排出ホッパ16を制御して、RAM13に記憶されているクレジットデータに相当する枚数のメダルを、メダル払い戻しロ7から排出するクレジット払い戻し処理を行う。
【0052】
次に、本発明の特徴部分である画像表示制御の内容について説明する。
図8に示したゲーム画面には、2次元平面で構成される仮想フィールドである城の一部を示す城画面が表示されている。また、その城画面の上部には、城のフロアー数、主人公キャラクタSの体力及びプレイヤーのクレジットデータの量を示すクレジット数が表示されており、城画面中の右下部分には、主人公キャラクタSの所有するカードの一覧(プレイヤーがゲーム進行中に使用可能なカードの一覧)が表示されている。上記城画面は、城内フィールドを上方から見たものであり、その城画面中には、常に主人公キャラクタSが画面中央に表示される。
【0053】
本実施形態における城画面は、横9マス×縦7マスの表示範囲となっているが、ゲームの難易度を高めるべく、可視フィールドの範囲を横5マス×縦5マスの範囲に狭めている。すなわち、図8において、城画面中における半透明のマスク画像(図中斜線部分)を重ねた部分が可視フィールドの外に隣接する隣接フィールドを示しており、そのマスク画像が重ねられていない城画面部分は可視フィールドを示している。このように、本実施形態では、半透明のマスク画像により城画面中における可視フィールド部分と隣接フィールド部分をプレイヤーが識別可能に構成している。
【0054】
ゲーム実行プログラムを実行してゲーム進行を制御する制御装置11は、配置決定手段として機能し、城の床や壁を構成する背景オブジェクト、敵モンスターM1,M2,M3、魔法カード等のアイテムなどの各種オブジェクトの配置を決定する。また、配置決定手段として機能する制御装置11は、ゲーム実行プログラムの内容に基づく配置変更条件に従って敵モンスターM1,M2,M3の配置を順次変更する。これにより、例えば可視フィールド内において敵モンスターの配置変更があった場合、その敵モンスターの画像がその城画面上で移動するように表示制御される。
【0055】
ここで、図8に示すゲーム状況において、主人公キャラクタSの周囲には、図12に示すように、可視フィールド内に位置する2体の敵モンスターM1,M2と、隣接フィールドに位置する敵モンスターM3の3体の敵モンスターが配置されている。なお、図12は、説明のために、図8に示すゲーム状況において、制御装置11が後述する透明化処理を行っていない場合の城画面を示したものである。
本実施形態においては、プレイヤーが次のターンの行動を決定するにあたり、主人公キャラクタSの周囲の状況、特に主人公キャラクタSの周囲にどんな敵モンスターがどこに位置しているかが重要な情報となる。よって、本実施形態では、城画面にマスク画像を重ねることで可視フィールドを狭めてゲームの難易度を高めるべく、可視フィールドの外に位置している敵モンスターについてはプレイヤーが視認できないようにしている。具体的には、表示制御手段として機能する制御装置11は、このような特定オブジェクトである敵モンスターの画像について、隣接フィールドに位置するときは、敵モンスターM3のようにその画像を透明にする透明化処理を行って、プレイヤーが視認できないようにする。一方、敵モンスターM3が1マスだけ上に配置変更されて敵モンスターM3の画像が隣接フィールドから可視フィールドに移動した場合、その画像を不透明にする不透明化処理を行って、図13に示すようにプレイヤーが視認できるようにする。なお、このような透明化処理や不透明化処理の方法は、公知の方法を広く利用することができる。
【0056】
仮に、上記のような透明化処理を行わない場合、図12に示すように、可視フィールドの外である隣接フィールドに位置する敵モンスターM3の画像の一部が可視フィールドに入り込んでしまう。可視フィールドに入り込んだ部分はマスク画像が重なっていないので、プレイヤーが容易に視認できてしまう。これでは、マスク画像を重ねて可視フィールドを狭めることにより、可視フィールドの外に位置する敵モンスターの種類や位置をプレイヤーが把握できなくしてゲームの難易度を高めようとするゲーム性が損なわれてしまう。特に、本実施形態では、可視フィールドの外に位置する敵モンスターやアイテム等の特定オブジェクトではない背景オブジェクト等の画像については、プレイヤーが視認できるように、半透明のマスク画像を使用している。そのため、可視フィールドの外に位置する敵モンスターの種類や位置をプレイヤーが容易に把握できてしまう。すなわち、不透明のマスク画像を使用した場合、プレイヤーが視認可能なのは、敵モンスターの全体画像のうち可視フィールドに入り込んだ部分だけであるので、これに気が付かないプレイヤーはその敵モンスターの位置や種類を把握できないし、これに気が付いたプレイヤーでもその敵モンスターの種類を正確に把握することが難しい場合がある。これに対し、半透明のマスク画像を使用した場合、マスク画像に重なった敵モンスターの画像部分についても視認することが可能であるため、敵モンスターの画像全体をプレイヤーが視認可能である。そのため、可視フィールドの外に位置する敵モンスターの種類や位置をプレイヤーが把握することは、不透明なマスク画像を用いる場合と比べて遙かに容易となる。
しかし、上述した透明化処理を行う本実施形態によれば、隣接フィールドに位置する敵モンスターM3の画像は透明にしてプレイヤーが視認できないようにしている。よって、プレイヤーは、敵モンスターの種類や位置について、可視フィールド内に配置された敵モンスターM1,M2については把握できても、可視フィールド外に配置された敵モンスターM3については把握できなくなる。その結果、上述したように可視フィールドを狭くしてゲームの難易度を高めたことによるゲーム性を確保することができる。
【0057】
なお、本実施形態では、マスク画像として半透明のものを使用しているが、図17(b)に示したように不透明なマスク画像を使用してもよい。この場合でも、上述した透明化処理を行わない場合、敵モンスターM3の画像の可視フィールド内に入り込んだ部分についてはプレイヤーが視認できてしまい、その部分から当該敵モンスターM3の種類や位置を把握できてしまう。よって、不透明なマスク画像を使用する場合も、上述したゲーム性を確保するためには透明化処理を行うことが望まれる。
また、本実施形態ではマスク画像を使用して可視フィールドを区画しているが、マスク画像を使用せずに、図17(c)に示したように城画面の表示エリア全体を可視フィールドとしても同様である。
【0058】
〔変形例〕
次に、上記実施形態における変形例について説明する。
上記実施形態では、城が2次元仮想平面で構成され、各種オブジェクトが2次元オブジェクトであったが、本変形例では、城が3次元仮想空間で構成され、各種オブジェクトが3次元オブジェクトである場合について説明する。なお、本変形例における基本的な構成は上記実施形態と同様であるため、以下では、主として上記実施形態の構成とは異なる部分について説明する。
【0059】
図14は、本変形例における城画面の一部を拡大したときの説明図である。なお、図14において2点鎖線で囲った3つのマスは、主人公キャラクタSが位置するマスF1と、そのマスの図中上側に位置する2マスF2,F3である。
本変形例においては、ゲームの難易度を高めるべく、図中斜線部分で示す半透明のマスク画像を使用して、可視フィールドの範囲を主人公キャラクタSを中心とした横3マス×縦3マスの範囲に狭めている。したがって、図14において、城画面中における半透明のマスク画像(図中斜線部分)が重ねられた部分が可視フィールドの外に隣接する隣接フィールドを示しており、そのマスク画像が重ねられていない城画面部分は可視フィールドを示している。
【0060】
ゲーム実行プログラムを実行してゲーム進行を制御する制御装置11は、配置決定手段として機能し、上記実施形態の場合と同様に、城の床や壁を構成する背景オブジェクト、敵モンスターM1,M2,M3、魔法カード等のアイテムなどの各種オブジェクトの配置を決定する。また、配置決定手段として機能する制御装置11は、ゲーム実行プログラムの内容に基づく配置変更条件に従って敵モンスターの配置を順次変更する。これにより、例えば可視フィールド内において敵モンスターの配置変更があった場合、その敵モンスターの画像がその城画面上で移動するように表示制御される。
【0061】
ここで、本変形例においては、図14中符号F3で示すマスに敵モンスターM4が配置されている。ただし、このマスF3は、可視フィールド外の隣接フィールドであるため、そのマスF3に位置する敵モンスターM4の画像は上記実施形態と同様に透明化処理がなされている。なお、3次元オブジェクトである敵モンスターM4の画像を透明化する方法としては、敵モンスターM4を構成するメッシュの透明度を100%にする方法、敵モンスターM4を構成するテクスチャの透明度を100%にする方法、敵モンスターM4を構成するピクセルの透明度を100%にする方法などがあるが、その他の公知の方法を採用してもよい。
【0062】
次に、本変形例における城画面の描画方法について説明する。
図15は、図14に示したゲーム状況において、主人公キャラクタSを床面に平行な方向であって図14中右側から見たときの各オブジェクトの略式画像を示す説明図である。
本変形例において、城(仮想フィールド)内に配置されるオブジェクトは、床オブジェクトと、マスク用オブジェクトと、壁や明かりなどの床面上に置かれる床面上背景オブジェクトと、主人公キャラクタS、敵モンスターM4、アイテムなどのキャラクタオブジェクトとに大別できる。そして、本変形例では、このような城内を上方から見下ろすような視点方向から見たときのこれらのオブジェクトの画像をディスプレイ2に表示するので、これらのオブジェクトの画像表示の優先順位は、通常、そのオブジェクトが城内に位置する高さが高い順になる。したがって、通常の優先順位に従えば、キャラクタオブジェクト又は床面上背景オブジェクト、マスク用オブジェクト、床オブジェクトの順になる。しかし、この優先順位に従って各種オブジェクトを表示すると、可視フィールド外の隣接フィールドに位置する床面上背景オブジェクトにマスク用オブジェクトの画像(マスク画像)を重ねて表示できなくなる。よって、この場合、床面上背景オブジェクトについては、マスク画像により可視フィールドと隣接フィールドとを区別することができなくなってしまう。そこで、本変形例では、オブジェクト画像の表示優先順位を、マスク用オブジェクト、キャラクタオブジェクト又は床面上背景オブジェクト、床オブジェクトの順としている。これにより、床面上背景オブジェクトについても、マスク画像により可視フィールドと隣接フィールドとを区別することができる。
【0063】
なお、マスク用オブジェクトを他のオブジェクトよりも高い位置に配置すれば、通常の表示優先順位に従って表示しても、床面上背景オブジェクトについてマスク画像により可視フィールドと隣接フィールドとを区別することができる。しかし、本変形例のように3次元空間で構成される城(仮想フィールド)の場合、視点方向を変更することで、主人公キャラクタSの周囲の状況を様々な方向からディスプレイ2を通じてプレイヤーに伝えることができるという利点がある。ここで、本変形例では、床面を基準に可視フィールドを決定している。すなわち、床面上において、主人公キャラクタSが位置する床面部分から所定範囲内(本変形例では当該主人公キャラクタSが位置するマスを中心とした9マス分)を可視フィールドとして認識している。よって、本変形例のようにマスク用オブジェクトが床面と同じ高さにあれば、同じ可視フィールドについて視点方向を変えたときにそのマスク用オブジェクトを移動させなくても、プレイヤーに対して床面上における可視フィールドの範囲を正確に伝えることができる。これに対し、上述したようにマスク用オブジェクトを他のオブジェクトよりも高い位置(例えば城内の天井位置)に配置した場合、同じ可視フィールドについて視点方向を変えたときに、そのマスク画像が重なる床面上の部分が変わってしまうので、視点方向の変化に応じてマスク用オブジェクトを移動させないと、プレイヤーに対して床面上における可視フィールドの範囲を正確に伝えることができない。このように視点方向を変化させるたびにマスク用オブジェクトを移動させるという負荷のかかる処理を行うことは、処理速度の遅延、コストの増大を招くので好ましくない。
【0064】
また、図14に示した城画面において、主人公キャラクタSよりも2つ上のマスF3(隣接フィールド)には図15に示すように透明化処理がなされた敵モンスターM4が配置されている。この透明化処理がなされている敵モンスターM4が現在のマスF3よりも1つ下のマスすなわち主人公キャラクタSの1つ上のマスF2(可視フィールド)に配置変更されると、その敵モンスターM4の画像は不透明化処理により不透明になってディスプレイ2に表示される。このとき、マスF2への配置変更が完了したときに敵モンスターM4の画像を透明から不透明に突然変化させてもよい。しかし、この場合、いきなり当該マスF2に敵モンスターM4が出現したかのような印象をプレイヤーに与えることになり、敵モンスターM4がマスF3からマスF2へ移動したという敵モンスターM4の本来の動きとは異なる演出効果となってしまう。また、敵モンスターM4の画像を透明から不透明に突然変化させると、プレイヤーに違和感を与えてしまい、せっかく醸成されているゲームの雰囲気が壊れてしまう。
【0065】
そこで、本変形例では、敵モンスターM4が隣接フィールドであるマスF3から可視フィールドであるマスF2へ配置変更される場合、表示制御手段として機能する制御装置11は、マスF3に位置する敵モンスターM4の画像をマスF2へ移動させる表示制御を行うとともに、当該敵モンスターM4の画像を透明の状態から不透明の状態へ徐々に変更するように不透明化処理を行う。これにより、ディスプレイ2には、図16(a)から図16(c)に示すように、敵モンスターM4の画像がマスF3からマスF2へ移動してくる様子をディスプレイ2上で表現することができる。しかも、当該敵モンスターM4の画像が徐々にディスプレイ2上に現れるので、プレイヤーに与える違和感を少なくし、ゲームの雰囲気を壊すようなこともない。
【0066】
また、本変形例では、逆に敵モンスターが可視フィールドから可視フィールド外へ配置変更される場合、表示制御手段として機能する制御装置11は、可視フィールドに位置する敵モンスターの画像を可視フィールド外へ移動させる表示制御を行うとともに、当該敵モンスターの画像を不透明の状態から透明の状態へ徐々に変更するように透明化処理を行う。この場合も、敵モンスターの画像が可視フィールドから可視フィールド外へ移動する様子をディスプレイ2上で表現でき、また、プレイヤーに与える違和感を少なくしてゲームの雰囲気を壊すようなこともなくなる。
【0067】
なお、このように敵モンスターの画像を透明の状態から不透明の状態へ徐々に変更したり不透明の状態から透明の状態へ徐々に変更したりすることは、上述した実施形態のように城(仮想フィールド)が2次元仮想平面で構成される場合でも同様の効果が得られる。
【0068】
以上、本実施形態(上記変形例を含む)によれば、仮想フィールドである城内に配置された敵モンスター(特定オブジェクト)が可視フィールド外の隣接フィールドに位置するとき、当該敵モンスターM3,M4の画像は透明である。したがって、城内における敵モンスターの配置決定処理を複雑化することなく、可視フィールド外に位置する敵モンスターの画像をユーザーが確実に視認できないようにすることができる。
しかも、本実施形態(上記変形例を含む)では、可視フィールドだけでなく隣接フィールドもディスプレイ2に表示し、これらのフィールドを視覚的に識別するためのマスク画像として半透明の画像を使用することで、隣接フィールドに位置する敵モンスターやアイテム等の特定オブジェクト以外のオブジェクト(背景オブジェクト等)についてはプレイヤーが視認できるようになっている。よって、可視フィールド外に位置するときにはゲーム性を確保するため等の目的でユーザーに視認させたくない特定オブジェクト(敵モンスター等)については、ユーザーに視認できないようにしたままで、ディスプレイ2に表示される表示範囲を広げることができる。
更に、敵モンスター等の特定オブジェクトが可視フィールドと隣接フィールドを跨いで配置変更する場合に、その画像を透明の状態から不透明の状態へ徐々に変更したり不透明の状態から透明の状態へ徐々に変更したりすることで、特定オブジェクトの移動の様子をディスプレイ2上で表現でき、また、プレイヤーに与える違和感を少なくしてゲームの雰囲気を壊すようなことがなくなる。
【0069】
なお、本実施形態(上記変形例を含む)では、仮想フィールドをマス目状に区切ったマス単位で可視フィールドを区分しているため、その外形は長方形であるが、可視フィールドは、仮想フィールド内の一部である任意範囲を設定でき、その外形は正方形、円、楕円等であってもよい。なお、可視フィールドに設定する範囲は、例えば、プレイヤーが操作する主人公キャラクタ等の操作対象オブジェクトの画像を中心とする所定範囲内としてもよいし、また、操作対象オブジェクトの画像に対する所定の相対位置を中心とする所定範囲内としてもよい。
また、本実施形態(上記変形例を含む)では、本発明をゲーム施設に配置されるメダルゲーム機を例に挙げて説明したが、メダルゲーム機ではなく、硬貨を投入してプレイするビデオゲーム機等の他の業務用ゲーム装置、あるいは、家庭用ゲーム装置、インターネット等のネットワークを利用したゲーム装置など、あらゆるゲーム装置でも同様に適用できる。
また、ゲーム装置に限らず、2次元仮想平面又は3次元仮想空間で構成される仮想フィールドの一部分である可視フィールドを所定の視点方向から見たときの、可視フィールドに配置されているオブジェクトの画像を表示手段に表示するときに、可視フィールド外に位置するときにはユーザーに視認させたくないような特定オブジェクトがあるような装置についても、同様に適用できる。
また、本実施形態(上記変形例を含む)では、プレイヤーが主人公キャラクタSの動作を指示する操作を行うことでその主人公キャラクタSがダンジョンを冒険したり城の占領を目指したりするロールプレイングゲームについて説明したが、本発明は、種々のゲームに適用することができる。例えば、プレイヤーが操作対象である自己の戦闘機の動作を指示する操作を行うことで、自己の戦闘機が敵戦闘機を撃墜しながら敵の基地の占拠を目指してプレイするようなシューティングゲームなどにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施形態に係るメダルゲーム機の外観図である。
【図2】同メダルゲーム機の制御系の主要構成を示すブロック図である。
【図3】ゲーム実行プログラムを実行する制御装置11によるゲーム進行制御の流れを示すフローチャートである。
【図4】(a)は同メダルゲーム機のディスプレイに表示される名前入力画面の説明図であり、(b)は同メダルゲーム機のディスプレイに表示される名前確認画面の説明図であり、(c)は同メダルゲーム機のディスプレイに表示される職業選択画面の説明図である。
【図5】同メダルゲーム機のディスプレイに表示されるメインメニュー画面の説明図である。
【図6】同メダルゲーム機のディスプレイに表示されるダンジョン選択画面の説明図である。
【図7】同メダルゲーム機のディスプレイに表示される城選択画面の説明図である。
【図8】同メダルゲーム機のディスプレイに表示されるゲーム画面の説明図である。
【図9】同メダルゲーム機のディスプレイに表示されるカード選択画面の説明図である。
【図10】(a)は同メダルゲーム機のディスプレイに表示されるショップ画面の説明図であり、(b)は同ショップ画面で購入できるカードの一覧が表示されたカード選択画面の説明図であり、(c)は同ショップ画面で売ることができるカードの一覧が表示されたカード選択画面の説明図である。
【図11】同メダルゲーム機のディスプレイに表示されるゲーム終了選択画面の説明図である。
【図12】図8に示すゲーム画面と同じゲーム状況において透明化処理を行っていない場合のゲーム画面の説明図である。
【図13】図8に示すゲーム画面と同じゲーム状況から1ターン後のゲーム状況におけるゲーム画面の説明図である。
【図14】変形例におけるメダルゲーム機においてディスプレイに表示される城画面の一部を拡大したときの説明図である。
【図15】図14に示したゲーム画面と同じゲーム状況において、主人公キャラクタSを床面に平行な方向であって図14中右側から見たときの各オブジェクトの略式画像を示す説明図である。
【図16】(a)〜(c)は、敵モンスターがマスF3からマスF2へ配置変更するときの当該敵モンスターの画像を示す説明図である。
【図17】(a)は、従来の2次元仮想平面で構成されるダンジョンのゲーム画面の一例を示す説明図である。(b)は、(a)のゲーム画面にマスク画像を重ねたときのゲーム画面を示す説明図である。(c)は、表示エリア全体に(b)のゲーム画面中の可視フィールドを表示した場合のゲーム画面を示す説明図である。
【図18】(a)は、従来のダンジョンを3次元仮想空間とした場合に視点方向がダンジョン床面法線方向に対して平行であるときのゲーム画面の一例を模式的に表した説明図である。(b)は、視点方向がダンジョン床面法線方向に対して傾斜しているときのゲーム画面の一例を模式的に表した説明図である。
【符号の説明】
【0071】
1 メダルゲーム機
2 ディスプレイ
4,5a,5b,5c,5d,5e 操作レバー・操作ボタン等
11 制御装置
F1,F2,F3 マス
M1,M2,M3,M4 敵モンスター
S 主人公キャラクタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元仮想平面又は3次元仮想空間で構成される仮想フィールドの一部分である可視フィールドを所定の視点方向から見たときの、可視フィールドに配置されているオブジェクトの画像を表示手段に表示させる画像表示制御装置、ゲーム装置及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、表示手段を備えたゲーム装置等の表示装置に設けられる画像表示制御装置としては、仮想フィールドの一部分を可視フィールドとして、その可視フィールドを所定の視点方向から見たときの当該可視フィールドに配置されている各種オブジェクトの画像を表示手段に表示させるものがある。例えば、特許文献1には、プレイヤーが操作対象である主人公キャラクタS(2次元オブジェクト)を操作し、2次元仮想平面で構成されるダンジョン(仮想フィールド)内に出現する宝石を拾ってそのダンジョンから脱出することをゲーム目的とするゲームを実行するゲーム装置が開示されている。図17(a)に、そのゲーム装置のゲーム画面の一例を示す。ダンジョン内には、主人公キャラクタSのほか、ダンジョンの床や壁を構成する背景、主人公キャラクタSの行く手を阻む敵モンスターM1,M2,M3、魔法カード等のアイテムなど、種々のオブジェクトが配置されている。そして、ダンジョンの一部分(可視フィールド)を所定の視点方向から見たときの各種オブジェクトの画像が、図17(a)に示すように、ゲーム画面として表示される。なお、図17(a)における可視フィールドは、そのゲーム画面全体である。プレイヤーが主人公キャラクタSを操作することでダンジョン内を主人公キャラクタSが移動すると、その主人公キャラクタSが常に画面の中心に位置するように視点位置が移動する。よって、プレイヤーは主人公キャラクタSをダンジョン内で移動させることで、ダンジョン内の様々な箇所をゲーム画面に表示させることができる。
【0003】
上記特許文献1では詳しく説明していないが、上記ゲーム装置では、ターン制を採用している。具体的には、主人公キャラクタSが1マス移動したり、攻撃を1回したり、魔法カードを1回使用したり、主人公キャラクタSがそういった行動を1回行うと、1ターンが進む。また、敵モンスターM1,M2,M3も、1ターンについて、主人公キャラクタSと同様に1マス移動したり、攻撃を1回したりする行動を1回だけ行う。このようなターン制においては、プレイヤーは、主人公キャラクタSの周囲におけるダンジョンの通路や壁の配置、主人公キャラクタSの周囲に位置する敵モンスターM1,M2,M3の数、位置、強さなど、主人公キャラクタSの周囲の状況を総合的に考慮して、次のターンにおける主人公キャラクタSの行動を決定することになる。よって、プレイヤーがゲーム画面から一度に視認できる範囲(ダンジョン内の可視フィールド)が広いほど、より広い範囲について主人公キャラクタSの周囲の状況をプレイヤーが把握でき、ゲームを有利に進めることができる。逆に、図17(a)のゲーム画面(横9マス×縦7マス)に対し、図17(b)に示すようにマスク画像を重ねるなどして、可視フィールドを狭くすると(横5マス×縦5マス)、プレイヤーが主人公キャラクタS周囲の状況を把握できる範囲が狭まり、ゲームの難易度を上げることができる。
【0004】
【特許文献1】特開2002−119765号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、図17(b)に示すように、敵モンスターの画像の形状や大きさによっては、敵モンスターが可視フィールド外の隣接マスに位置するときに図中符号Aで囲った部分のように敵モンスターM3の一部が可視フィールド内に入り込んでプレイヤーに視認できてしまうことがある。そのため、マスク画像を重ねる等により可視フィールドを制限して、可視フィールド外の状況をプレイヤーが把握できないようにした意義が失われてしまうという問題があった。この問題は、マスク画像を重ねて可視フィールドを狭める場合に限らず、図17(c)に示すように、ゲーム画面の表示エリア全体に図17(b)の可視フィールドを表示する場合についても同様である。なお、すべての敵モンスターの画像が常に1マス内に収まるようにして、可視フィールド外の隣接マスに位置する敵モンスターの一部が可視フィールド内に入り込まないようにすることも可能ではあるが、その場合、敵モンスターの表現の自由度が低下してしまうので好ましくない。
【0006】
上述した問題は、2次元仮想平面で構成される仮想フィールドについて説明したものであるが、3次元仮想空間で構成される仮想フィールドの場合には、より深刻な問題となる。以下、図18(a)及び(b)を参照して説明する。
図18(a)及び(b)は、上述したダンジョンを3次元仮想空間とし、各オブジェクトを3次元オブジェクトとした場合のゲーム画面の一例を模式的に表した説明図である。なお、図18(a)は、視点方向がダンジョン床面法線方向に対して平行である場合のゲーム画面であり、図18(b)は、視点方向がダンジョン床面法線方向に対して傾斜している場合のゲーム画面である。
図18(a)及び(b)において、可視フィールドは、いずれも、主人公キャラクタSが位置する1マスとその周囲を取り囲む8マスの合計9マスであり、図中斜線で示した部分は可視フィールドの外側に位置するマスである。なお、図18(a)及び(b)においては、説明の都合上、可視フィールドの外側に配置された敵キャラクタの斜線部分に重なった部分を点線で描いているが、この部分はゲーム画面上には表示されない。
【0007】
図18(a)のように視点方向がダンジョン床面法線方向に対して平行である場合、すべての敵モンスターの画像が常に1マス内に収まるようにしておけば、上述したように敵モンスターの表現の自由度は低下するものの、可視フィールドの外側に位置する敵モンスターM5,M6の一部が可視フィールド内にはみ出さない。したがって、プレイヤーは、可視フィールドの外側に居る敵モンスターM5,M6を視認できず、可視フィールドを制限して可視フィールド外の状況をプレイヤーが把握できないようにした意義が失われることはない。しかし、このように全敵モンスターの画像が常に1マス内に収まるようにしても、図18(b)に示すように視点方向がダンジョン床面法線方向に対して傾斜している場合、符号Aで囲った部分のように敵モンスターM6の一部が可視フィールド内に入り込んでプレイヤーに視認できてしまうことがある。ここで、仮想フィールドを2次元平面ではなく3次元空間とすることの利点の1つは、視点方向を変えることで、可視フィールド内の各種オブジェクトを様々な方向から描写できることになる。したがって、仮想フィールドが2次元平面の場合には、全敵モンスターの画像が常に1マス内に収まるようにすれば解消し得る上記問題も、仮想フィールドが3次元空間の場合には解消できない。
【0008】
なお、上述した問題は、ゲーム装置に限らず、2次元仮想平面又は3次元仮想空間で構成される仮想フィールドの一部分である可視フィールドを所定の視点方向から見たときの、可視フィールドに配置されているオブジェクトの画像を表示手段に表示するときに、可視フィールド外に位置するときにはユーザーに視認させたくないような特定オブジェクトがある場合には、同様に生じ得る問題である。
【0009】
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、仮想フィールドに配置された各種オブジェクトのうち、可視フィールド外に位置するときにはユーザーに視認させたくない特定オブジェクトについて、簡易な方法で、可視フィールド外に位置するときにはユーザーが確実に視認できないようにすることが可能な画像表示制御装置、ゲーム装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、2次元仮想平面又は3次元仮想空間で構成される仮想フィールドに配置される各種オブジェクトの画像を表示手段に表示させるために必要な画像情報を記憶する画像情報記憶手段と、該仮想フィールド内における各種オブジェクトの配置を決定する配置決定手段と、該配置決定手段により決定されたオブジェクトの配置と該画像情報記憶手段に記憶されている画像情報とに基づいて、該仮想フィールドの一部分である可視フィールドを所定の視点方向から見たときの該可視フィールドに配置されているオブジェクトの画像を表示手段に表示させる表示制御を行う表示制御手段とを備えた画像表示制御装置において、上記表示制御手段は、上記配置決定手段により上記仮想フィールド内に配置された特定オブジェクトが上記可視フィールド外の少なくとも該可視フィールドに隣接した隣接フィールドに位置するときには該特定オブジェクトの画像を透明にする透明化処理を行い、該特定オブジェクトが該可視フィールド内に位置するときには該特定オブジェクトの画像を不透明にする不透明化処理を行うことを特徴とするものである。
この画像表示制御装置においては、仮想フィールド内に配置された特定オブジェクトが可視フィールド外の少なくとも可視フィールドに隣接した隣接フィールドに位置するとき、当該特定オブジェクトの画像は透明である。すなわち、隣接フィールドに位置する特定オブジェクトそれ自体を仮想フィールドから削除するのではなく、仮想フィールド内に配置したまま当該特定オブジェクトの画像が表示手段に表示されなくなる。したがって、仮想フィールドにおける特定オブジェクトの配置についての決定処理を複雑化することなく、可視フィールド外に位置する特定オブジェクトの画像をユーザーが確実に視認できないようにすることができる。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1の画像表示制御装置において、上記仮想フィールドは3次元仮想空間で構成されたものであり、上記各種オブジェクトのうち少なくとも上記特定オブジェクトは3次元オブジェクトであり、上記表示制御手段は、所定の視点方向変更条件に従って視点方向を変更することを特徴とするものである。
ここで、「視点方向を変更する」という意味には、1つの視点からの視点方向を変更することのほか、複数の視点のうち使用中の視点を別の視点に切り換えることも含まれる。
この画像表示制御装置においては、複数の視点方向から見たときの可視フィールドに配置された3次元オブジェクトの画像を表示手段に表示することができる。このように視点方向を変えることができる3次元仮想空間で構成された仮想フィールドにおいては、2次元仮想平面で構成された仮想フィールドの場合よりも、上述した問題の解決が難しい。すなわち、上述したように、2次元仮想平面で構成された仮想フィールドの場合には特定オブジェクトの画像の形状や大きさを工夫すれば、特定オブジェクトの表現の自由度が低下するものの、上述した問題に対処することが可能である。しかし、視点方向を変えることができる3次元仮想空間で構成された仮想フィールドの場合、このような対処では上述した問題を解決することができない。本画像表示制御装置によれば、視点方向を変えることができる3次元仮想空間で構成された仮想フィールドにおける上述した問題を、簡易な方法で解決することができる。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の画像表示制御装置において、上記表示制御手段は、上記可視フィールドに配置されるオブジェクトの画像とともに、上記隣接フィールドに配置される上記特定オブジェクトを除く他のオブジェクトの画像を、上記表示手段に表示させる表示制御を行うものであり、上記可視フィールドと上記隣接フィールドとを視覚的に識別するための画像処理を行うフィールド識別処理手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像表示制御装置において、上記フィールド識別処理手段が行う上記画像処理は、上記隣接フィールドに配置されるオブジェクトの画像の上に半透明のマスク画像を重ねた画像を生成する処理であることを特徴とするものである。
これらの画像表示制御装置においては、可視フィールドに配置されるオブジェクトの画像だけでなく、隣接フィールドに配置されるオブジェクト(特定オブジェクトを除く)の画像も表示される。よって、可視フィールド外に位置するときにはユーザーに視認させたくない特定オブジェクトについてはユーザーに視認できないようにしたまま、表示手段に表示される仮想フィールドの表示範囲を可視フィールド外にまで広げることができる。しかも、ユーザーは、表示手段に表示されている仮想フィールドの表示範囲のうち、可視フィールドの部分と隣接フィールドの部分とを区別して認識することができる。すなわち、ユーザーは、仮想フィールドの表示範囲のうち、配置されている特定オブジェクトを視認できる箇所(可視フィールド)と、配置されている特定オブジェクトが視認できない箇所(隣接フィールド)とを区別して認識できる。
なお、フィールド識別処理としては、請求項4の画像表示制御装置のようにマスク画像を重ねる画像処理のほか、例えば、可視フィールドはカラー表示とするのに対し隣接フィールドはモノクロ表示とする画像処理などが挙げられる。
【0013】
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1つに記載の画像表示制御装置において、上記配置決定手段は、所定の配置変更条件に従って上記特定オブジェクトの配置を変更するものであり、上記表示制御手段は、該配置決定手段が該特定オブジェクトの配置を上記隣接フィールドから上記可視フィールドへ変更したとき、該隣接フィールドに位置する該特定オブジェクトの画像を該可視フィールドへ移動させる表示制御を行うとともに、該特定オブジェクトの画像を透明の状態から不透明の状態へ徐々に変更するように不透明化処理を行うことを特徴とするものである。
この画像表示制御装置においては、仮想フィールド内における特定オブジェクトの配置が変更されるので、表示手段には特定オブジェクトの画像が仮想フィールド内を移動しているように表示される。ここで、特定オブジェクトの画像は、隣接フィールドに位置する場合は透明な状態であって表示されないが、可視フィールドに位置する場合には不透明な状態になって表示されることになる。このような特定オブジェクトが隣接フィールドから可視フィールドへ移動する場合に、透明な特定オブジェクトの画像が瞬時に不透明な状態になると、この特定オブジェクトはもともと仮想フィールド内に配置されているにも関わらず、仮想フィールド内に突然出現したかのような感覚をユーザーに与えることになる。これに対し、本画像表示制御装置においては、隣接フィールドに位置する透明な特定オブジェクトが可視フィールドへ移動するとき、その特定オブジェクトの画像は透明な状態から徐々に不透明な状態になる。これにより、特定オブジェクトが仮想フィールド内に突然出現したかのようにユーザーが受ける感覚を緩和することができる。
【0014】
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか1つに記載の画像表示制御装置において、上記配置決定手段は、所定の配置変更条件に従って上記特定オブジェクトの配置を変更するものであり、上記表示制御手段は、該配置決定手段が該特定オブジェクトの配置を上記可視フィールドから該可視フィールドの外へ変更したとき、該可視フィールドに位置する該特定オブジェクトの画像を該可視フィールドの外へ移動させる表示制御を行うとともに、該特定オブジェクトの画像を不透明の状態から透明の状態へ徐々に変更するように透明化処理を行うことを特徴とするものである。
この画像表示制御装置においても、仮想フィールド内における特定オブジェクトの配置が変更されるので、表示手段には特定オブジェクトの画像が仮想フィールド内を移動しているように表示される。ここで、特定オブジェクトの画像は、可視フィールドに位置する場合は不透明な状態であって表示されているが、このような特定オブジェクトが可視フィールドから可視フィールド外へ移動する場合に、不透明な特定オブジェクトの画像が瞬時に透明な状態になると、特定オブジェクトが仮想フィールド内から突然消失したかのような感覚をユーザーに与えることになる。これに対し、本画像表示制御装置においては、可視フィールド内に位置する不透明な特定オブジェクトが可視フィールド外へ移動するとき、その特定オブジェクトの画像は不透明な状態から徐々に透明な状態になる。これにより、特定オブジェクトが仮想フィールド内に突然消失したかのようにユーザーが受ける感覚を緩和することができる。
【0015】
また、請求項7の発明は、ゲーム画面を表示するゲーム画面表示手段と、プレイヤーの操作を受け付ける操作受付手段と、所定のゲーム実行プログラムをコンピュータが実行することにより、該操作受付手段が受け付けたゲーム操作の内容に応じて、ゲーム進行の制御を行うゲーム制御手段と、該ゲーム制御手段が制御するゲーム進行に応じたゲーム画面を該ゲーム画面表示手段に表示させる表示制御を行う画像表示制御手段とを備えたゲーム装置において、上記画像表示制御手段として、請求項1乃至6のいずれか1つに記載の画像表示制御装置を用い、該画像表示制御装置の配置決定手段は、上記ゲーム制御手段によるゲーム進行の制御内容に応じて、上記仮想フィールド内における各種オブジェクトの配置を決定することを特徴とするものである。
このゲーム装置においては、プレイヤー(ユーザー)のゲーム操作を操作受付手段が受け付けることでゲームが進行し、そのゲーム進行に応じてオブジェクトの仮想フィールド内における配置が決定される。このように可視フィールドに配置されているオブジェクトの画像は表示手段に表示される。そして、特定オブジェクトが可視フィールド外の少なくとも可視フィールドに隣接した隣接フィールドに位置するときには、当該特定オブジェクトの画像は透明である。よって、仮想フィールドにおける特定オブジェクトの配置についての決定処理を複雑化することなく、可視フィールド外に位置する特定オブジェクトの画像をプレイヤーが確実に視認できないようにすることができる。
【0016】
また、請求項8の発明は、2次元仮想平面又は3次元仮想空間で構成される仮想フィールドに配置される各種オブジェクトの画像を表示手段に表示させるために必要な画像情報を記憶する画像情報記憶手段を備えた画像表示制御装置のコンピュータを動作させるためのプログラムであって、上記仮想フィールド内における各種オブジェクトの配置を決定する配置決定手段、及び、該配置決定手段により決定されたオブジェクトの配置と上記画像情報記憶手段に記憶されている画像情報とに基づいて、該仮想フィールドの一部分である可視フィールドを所定の視点方向から見たときの該可視フィールドに配置されているオブジェクトの画像を表示手段に表示させる表示制御を行うとともに、該配置決定手段により該仮想フィールド内に配置された特定オブジェクトが該可視フィールド外の少なくとも該可視フィールドに隣接した隣接フィールドに位置するときには該特定オブジェクトの画像を透明にする透明化処理を行い、該特定オブジェクトが該可視フィールド内に位置するときには該特定オブジェクトの画像を不透明にする不透明化処理を行う表示制御手段として、上記コンピュータを機能させることを特徴とするものである。
このプログラムは、画像表示制御装置のコンピュータに実行されることで、仮想フィールド内に配置された特定オブジェクトが可視フィールド外の少なくとも可視フィールドに隣接した隣接フィールドに位置するとき、当該特定オブジェクトの画像が透明になる。よって、仮想フィールドにおける特定オブジェクトの配置についての決定処理を複雑化することなく、可視フィールド外に位置する特定オブジェクトの画像をユーザーが確実に視認できないようにすることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上、請求項1乃至8の発明によれば、仮想フィールドに配置された各種オブジェクトのうち、可視フィールド外に位置するときにはユーザーに視認させたくない特定オブジェクトについて、簡易な方法で、可視フィールド外に位置するときにはユーザーが確実に視認できないようにすることが可能となるという優れた効果が奏される。
特に、請求項2の発明によれば、2次元仮想平面で構成される仮想フィールドの場合よりも上述した問題の解決が困難となる3次元仮想空間で構成される仮想フィールドにおいて、当該問題を解決できるという優れた効果が奏される。
また、請求項3及び4の発明によれば、可視フィールド外に位置する特定オブジェクトについてはユーザーに視認できないようにしたまま、表示手段に表示される仮想フィールドの表示範囲を可視フィールド外にまで広げることができるという優れた効果が奏される。
また、請求項5及び6の発明によれば、ユーザーに与える違和感を緩和することができるという優れた効果が奏される。
また、請求項7の発明によれば、可視フィールドを制限したことにより生じるゲーム性を確保できるという優れた効果が奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を、ゲーム装置としてのアーケードゲーム機であるメダルゲーム機に適用した一実施形態について説明する。
本実施形態に係るメダルゲーム機では、プレイヤー(ユーザー)が操作対象のオブジェクトであるゲーム主人公キャラクタS(以下、「主人公キャラクタS」という。)の動作を指示するための操作を行うことで、主人公キャラクタSが仮想フィールドである城の内部を進んで城を占領することをゲーム目的とするロールプレイングゲームが展開される。その城内では、主人公キャラクタSの行く手を阻むオブジェクトである敵モンスター(特定オブジェクト)が出現するので、プレイヤーは、主人公キャラクタSが敵モンスターに倒されることなく城を進み、城占領の証となるオブジェクトである宝石(クリアの証)を取得できるように、主人公キャラクタSの動作指示のための操作を行うことになる。プレイヤーに操作される主人公キャラクタSは、敵モンスターに対抗するため、敵モンスターを攻撃したり、ゲーム状況変更要素である種々のアイテムカードや魔法カード(オブジェクト)を使用したりしながら、城内を進み、クリアの証の獲得を試みる。そして、主人公キャラクタSがクリアの証を獲得して城の占領に成功すると、そのプレイヤーは占領した城の城主となることができ、城主となったプレイヤーは、自分の城を占領するために挑戦してくる他のプレイヤーと、一種の対戦ゲームを行うことができる。
【0019】
次に、本実施形態に係るメダルゲーム機の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係るメダルゲーム機1の外観図である。
このメダルゲーム機1は、ゲームの進行に応じたゲーム画面を表示する表示手段として機能するディスプレイ2と、ゲームの進行に応じた効果音やバックミュージック等の音を流すスピーカー3と、プレイヤーがゲーム画面上に出現する主人公キャラクタSの動きを指示するための操作を含むゲーム操作を受け付ける操作受付手段を構成する操作レバー4及び3つの操作ボタン5a,5b,5cと、メダルゲーム機1とプレイヤーとの間でやりとりされるゲーム媒体であるメダル(有体物)のプレイヤーへの払い戻しを行うためのペイアウトボタン5dと、後述する磁気カードを取り出してゲームを終了するための保存終了ボタン5eとが設けられている。
【0020】
プレイヤーは、ディスプレイ2に表示されるゲーム画面を見ながら、操作レバー4及び3つの操作ボタン5a,5b,5cを操作することで、例えば、そのゲーム画面上に出現する主人公キャラクタSをいずれの方向へ移動させるかを指示したり、どのアイテムカードを使用させるかを指示したりすることができる。また、メダルゲーム機1には、プレイヤーからメダルを有体物の状態で受け取るためのメダル投入口6、プレイヤーに対してメダルを払い戻すためのメダル払い戻し口7、ゲームを終了したプレイヤーが次回のプレイ時にゲームの続きを行うために、そのプレイヤーの個人情報や終了時のゲーム状況等を記録する磁気カード9を挿入したり取り出したりするためのカード挿入取出口8なども設けられている。
【0021】
図2は、本メダルゲーム機の制御系の主要構成を示すブロック図である。
メダルゲーム機1の制御部10は、画像表示制御装置として機能するものであり、主に、制御装置11と、ROM12と、RAM13とから構成される。制御装置11は、ROM12に記憶されている各種プログラムを実行し、各種制御を行う。特に、制御装置11は、その内部のコンピュータによりROM12に記憶されているゲーム実行プログラムを実行することで、上述したロールプレイングゲームの進行に必要な各種制御を行う。ROM12は、メダルゲーム機1の制御部10で行うべき各種制御の実行プログラム等を記憶している。特に、本実施形態におけるROM12は、仮想フィールドである城やダンジョンに配置される各種オブジェクトの画像をディスプレイ2に表示させるために必要な画像情報等を記憶しており、画像情報記憶手段として機能する。RAM13は、各種データあるいは情報を一時的に記憶するものである。特に、RAM13は、後述のメダルカウンタ15がカウントしたメダル枚数を電子データに変換したゲーム媒体であるクレジットデータ(ポイントデータ)を記憶するプレイヤーポイント記憶手段としてのクレジットデータ記憶領域を有する。
【0022】
メダルゲーム機1の制御部10には、ディスプレイ2、スピーカー3、操作レバー・操作ボタン等4,5a,5b,5c,5d,5e、メダル投入口6に投入されたメダルの枚数をカウントするメダルカウンタ15、メダル払い戻しロ7からメダルを排出するメダル排出ホッパ16、カード挿入取出口8に挿入された磁気カード9に対してデータの書き込みを行うデータ書込手段としてのカードライタ17、カード挿入取出口8に挿入された磁気カード9からデータの読み出しを行うデータ読出手段としてのカードリーダ18などが接続されている。
【0023】
本メダルゲーム機1において、プレイヤーがゲームを終了する場合には、次回のゲーム再開時に、その終了時のゲーム状況を復元させるためのゲーム状況情報であるセーブデータを、カードライタ17により磁気カード9に記録する。このセーブデータには、プレイヤーネーム(主人公キャラクタSの名前)、累積プレイ時間、最終プレイ時刻、クリアしたダンジョン名、自分が城主となっている城名、主人公キャラクタSの能力(職業等)、プレイヤーが所有するゲーム状況変更要素のうちの使用可能要素であるアイテムカードの種類等のプレイヤー情報と、ゲーム終了時の主人公キャラクタSがいるダンジョン又は城の種類、そのダンジョン又は城内における主人公キャラクタS、敵モンスター又は未取得のアイテムカードの位置等のフィールドデータ等のゲーム情報とが含まれる。一方、プレイヤーが一度終了したゲームの続きを行う場合には、自分の磁気カード9をカード挿入取出口8に挿入する。これにより、カードリーダ18は、その磁気カード9に記録されたセーブデータを読み取る。このセーブデータは、RAM13に記憶され、ROM12に記憶されたゲーム実行プログラムに読み込まれる。これにより、プレイヤーは、ゲーム実行プログラムを実行するゲーム制御手段としての制御装置11により進行されるゲームにおいて、前回の続きのゲーム状況からプレイを再開することができる。
【0024】
尚、磁気カード9にすべてのセーブデータを記録する必要はなく、例えば、磁気カード9にはプレイヤー識別情報であるプレイヤーID(カードID)を記録しておき、各プレイヤーIDに対応するセーブデータの一部又は全部を、本メダルゲーム機1の記憶装置又は本メダルゲーム機1に接続された外部記憶装置に記憶しておくようにしてもよい。この場合、磁気カード9からプレイヤーIDを読み取った後、そのプレイヤーIDに対応するセーブデータを、当該記憶装置から当該メダルゲーム機1のRAM13にダウンロードすることで、上記と同様に、前回の続きのゲーム状況からプレイを再開することができる。
【0025】
次に、本メダルゲーム機1で行われるゲームの流れについて説明する。
図3は、本メダルゲーム機1のROM12に格納されているゲーム実行プログラムを実行する制御装置11によるゲーム進行制御の流れを示すフローチャートである。
プレイヤーは、ゲームプレイを開始する場合、まず、自分が持っているメダルをメダル投入口6へ投入する(S1)。これにより、投入されたメダルの枚数がメダルカウンタ15によりカウントされ、そのカウントデータが制御装置11へ送信される。制御装置11は、受信したカウントデータに基づき、投入されたメダル枚数に相当する分のクレジットデータをRAM13のクレジットデータ記憶領域へ記憶する(S2)。
【0026】
また、プレイヤーは、メダル投入に前後して、磁気カード9をカード挿入取出口8に挿入する(S3)。初めてプレイする場合には、プレイヤーは、本メダルゲーム機1が設置されているゲーム施設の店員あるいは自動販売機などから新規な磁気カード9を入手し、その磁気カード9をカード挿入取出口8に挿入する。また、前回のゲームの続きをしようとするプレイヤーは、前回終了時のセーブデータが記録された磁気カード9をカード挿入取出口8に挿入する。このようにして磁気カード9を受け取ったメダルゲーム機1は、カードリーダ18により磁気カード9に記録されたデータを読み出し、そのデータを制御装置11に送る。制御装置11は、受け取ったデータに応じて新規なプレイか否かを判断する(S4)。具体的には、磁気カード9内にプレイヤーIDが記憶されていない場合は新規なプレイであると判断し、プレイヤーIDが記憶されている場合は新規なプレイでないと判断する。
【0027】
上記S4により新規プレイでないと判断された場合、カードリーダ18により磁気カード9に記録されたセーブデータを読み出し(S5)、これをRAM13に記憶する。そして、制御装置11は、そのセーブデータに基づき、ROM12に記憶されたプログラムをロードし、セーブデータにより特定される前回の続きのゲーム状況に対応したゲーム画面をディスプレイ2に表示させ、ゲームを開始する(S7)。そして、制御装置11は、セーブデータにより特定されるゲーム状況以後のゲーム進行を制御する。
【0028】
一方、上記S4により新規プレイであると判断された場合、制御装置11は、初期情報の入力及び設定のための処理を実行する(S6)。この初期情報の入力及び設定の処理では、まず、図4(a)に示す名前入力画面をディスプレイ2に表示させる。プレイヤーは、操作レバー4及び操作ボタン5aを操作して、その名前入力画面に表示されている50音ボタンのカーソルを移動させ、主人公キャラクタSの名前を入力する。入力後、名前入力画面中の決定ボタンを選択すると、図4(b)に示す名前確認画面が表示され、その画面中のYesボタンを選択することで名前を決定する。すると、ディスプレイ2には、図4(c)に示す職業選択画面が表示される。この画面では、プレイヤーが操作する主人公キャラクタSの職業を選択する。以上のようにして入力した内容や選択した内容は、制御装置11によりプレイヤー情報としてRAM13に記憶される。
【0029】
このようにして初期情報の入力・設定の処理が終了したら、制御装置11によりゲームが開始され(S7)、制御装置11は図5に示すメインメニュー画面をディスプレイ2に表示させる。このメインメニュー画面には、ダンジョンを探検する探検ゲームボタンと、他人が所有する城に挑戦する対戦ゲームボタンと、これらゲーム中にプレイヤーが使用できるアイテムカードや魔法カードの一覧を表示させるカード一覧ボタンとが用意されている。この画面で、プレイヤーは、探検ゲームをするか、対戦ゲームをするかを選択する。
【0030】
ここで、プレイヤーが探検ゲームを選択した場合、制御装置11は、図6に示すダンジョン選択画面をディスプレイ2に表示させ、ダンジョン選択処理を実行する。このダンジョン選択画面には、各ダンジョンを選択するための画像が表示される。そして、プレイヤーは、操作レバー4でカーソルを移動させることにより、挑戦するダンジョンを選択する。各表示画像には、それぞれダンジョン名と、挑戦するのに必要なメダル枚数(挑戦費用)が表示されている。各ダンジョンでは、それぞれ、そのダンジョン名に由来するゲーム展開がなされ、互いに異なるゲームが進行される。プレイヤーが、例えば、ゆかいなダンジョンを選択した場合、図示の画面上方部分に、選択されたダンジョンが表示される。そして、プレイヤーは、この選択したダンジョンに挑戦することを決めたら、操作ボタン5aを押す。このボタン操作が制御装置11に受け付けられると、制御装置11は、RAM13に記憶されているクレジットデータを、当該挑戦費用に相当する分だけ減少させる。
【0031】
具体的に説明すると、メダルゲーム機1のROM12は、各ダンジョンでのゲーム進行に必要なゲーム情報であるダンジョンデータを記憶したダンジョン情報データベースを記憶したデータ領域を有している。このダンジョン情報データベースには、ダンジョンデータを特定するためのダンジョン名データに関連付けて、挑戦費用データがそれぞれ記憶されている。制御装置11は、図6に示したダンジョン選択画面においてダンジョンを選択したときのプレイヤーの選択操作(ダンジョン選択操作)を受け付けると、制御装置11は、ダンジョン情報データベースから当該選択操作に対応するダンジョン名データを特定し、そのダンジョン名データに対応した挑戦費用データを読み出す。そして、制御装置11は、この読み出した挑戦費用データに相当するクレジット分を、RAM13に記憶されたクレジットデータから減らす処理を行う。なお、以下、クレジットデータを増減させる処理についても、上記と同様に行われる。
【0032】
ここで、RAM13に記憶されているクレジットデータが挑戦費用データに相当するクレジット分に満たない場合、プレイヤーに対してメダルの追加投入を促す画面を表示させる。メダルが投入されたら、上述したように、投入されたメダルの枚数に相当する分のクレジットデータがRAM13のクレジットデータ記憶領域へ記憶される。なお、メダル投入を促しても、メダルが投入されない場合には、その城への挑戦を許可しない。以下、クレジットデータを減らす処理が行われるときにも、上記と同様にメダル投入を促す。
【0033】
また、制御装置11は、ダンジョン選択操作を受け付けると、上記ダンジョン情報データベースから、そのダンジョン名データに対応するダンジョンデータを読み出す。そして、そのダンジョンデータに基づいたプログラムをロードして、ディスプレイ2に、ダンジョンデータに基づくゲーム画面を表示させる。
【0034】
一方、図5に示したメインメニュー画面で、プレイヤーが対戦ゲームを選択した場合、制御装置11は、図7に示す城選択画面をディスプレイ2に表示させ、城選択処理を実行する。この城選択画面には、各城を選択するための画像が表示される。そして、プレイヤーは、操作レバー4でカーソルを移動させることにより、挑戦する城を選択する。各表示画像には、それぞれ城名と、挑戦費用が表示されている。各城では、それぞれ、互いに異なるゲームが進行される。また、各城では、それぞれ、過去に城の占領に成功したプレイヤーが城主となっており、プレイヤーは、その城主であるプレイヤーと対戦することになる。
【0035】
具体的に説明すると、本メダルゲーム機1のROM12は、各城でのゲーム進行に必要なゲーム情報である城データを記憶した城情報データベースを記憶したデータ領域を有している。この城情報データベースに記憶されている城データに含まれる城名データには、プレイヤー識別情報である城主ID(城主となっているプレイヤーのID)が関連付けされている。
メダルゲーム機1の制御装置11は、プレイヤーが図5に示したメインメニュー画面で対戦ゲームを選択したときのボタン操作を受け付けることで、メダルゲーム機1のディスプレイ2に図7に示した城選択画面を表示させるための画像データを返信する。そして、ディスプレイ2に表示された城選択画面で、プレイヤーが挑戦する城を選択する選択操作が制御装置11に受け付けられると、制御装置11は、その選択操作に係る城の城名データに対応する城データを、ROM12に記憶された城情報データベースから読み出す。そして、制御装置11は、その城データに基づくプログラムをロードし、ゲーム進行を制御する。
【0036】
また、メダルゲーム機1のROM12は、各城データを特定するための城名データに関連付けて挑戦費用データがそれぞれ記憶された城挑戦情報データベースを記憶するデータ領域を有している。制御装置11は、上述のようにして、図7に示した城選択画面で選択された城の選択操作を受け付けると、上記探検ゲームと同様に、ROM12に記憶された城挑戦情報データベースから城名データに対応した挑戦費用データを読み出し、その挑戦費用データに相当するクレジット分を、RAM13に記憶されたクレジットデータから減らす処理を行う。
【0037】
以上のようにしてゲームが開始されると、制御装置11は、表示制御手段として機能し、図8に示すようなゲーム画面をディスプレイ2に表示させる。尚、ゲーム画面は、探検ゲームも対戦ゲームもほぼ同様であり、そのゲームの進み方も同様であるので、以下、対戦ゲームを例に挙げて説明する。
【0038】
プレイヤーは、操作レバー4及び操作ボタン5a,5b,5cを操作して、主人公キャラクタSを移動させたり、敵モンスターM1,M2,M3に攻撃したり、所有するアイテムカードや魔法カードを使用したりする指示を行うことができる。本実施形態では、ターン制を採用しており、ターンごとに1つの動作を指示することができる。したがって、例えば、主人公キャラクタSを1マス移動させるのに1ターンを必要とし、また、主人公キャラクタSが敵モンスターM1,M2,M3を1回攻撃するのに1ターンを必要とし、また、主人公キャラクタSが1枚のカードを使用するのに1ターンを必要とする。なお、プレイヤーがターンを消費するゲーム操作を行わない限り、ターンは進まない。一方、ターンを進ませると、敵モンスターM1,M2,M3も主人公キャラクタSと同様に移動したり主人公キャラクタSに攻撃したりするなどして、ゲーム状況が変化する。敵モンスターM1,M2,M3から攻撃を受けると主人公キャラクタSの体力が減り、主人公キャラクタSの体力が0になるとゲームオーバーとなる。
【0039】
主人公キャラクタSが所有するアイテムカードや魔法カードを使用する場合、プレイヤーは、操作ボタン5cを押す。この操作を受け付けた制御装置11は、図9に示すカード選択画面をディスプレイ2に表示させる。このカード選択画面では、画面右下にあるカード一覧にカーソルが出現する。また、このカード選択画面には、カーソルで選択されているカードの内容を示すカード内容画面が画面左側部分に表示される。このカード内容画面には、そのカードを使用したときの効果(ゲーム状況がどのように変更されるか)と、そのカードを使用するのに必要なメダル枚数(カード使用費用)が表示されている。プレイヤーは、操作レバー4でカーソルを移動させ、使用を希望するカードを選択した後、操作ボタン5aを押す。このボタン操作(特別な操作)を受け付けた制御装置11は、所定のポイント消費条件が満たされたと判断し、RAM13に記憶されているクレジットデータを、選択したカードのカード使用費用に相当する分だけ減少するように変動させるクレジット変動処理(プレイヤーポイント減算処理)を実行する(S8)。
【0040】
具体的に説明すると、メダルゲーム機1のRAM13には、各種カードデータのうち、主人公キャラクタSが使用可能な状態のカードデータを記憶する使用可能要素記憶手段としての使用可能データ領域と、主人公キャラクタSが使用不可能な状態のカードデータを記憶する使用不可能要素記憶手段としての使用不可能データ領域とを有するカードデータベースが格納されている。このカードデータベースに記憶された各カードデータは、カード名データに関連付けられた各種データを有している。主人公キャラクタSが使用可能なカードデータには、制御装置11が実行するカード使用プログラムによる読み出しを可能にする読出許可符号が付加されており、その読出許可符号が付加されたカードデータが記憶されている使用可能データ領域が使用可能要素記憶手段として機能する。一方、その読出許可符号が付加されていないカードデータが記憶されている使用不可能データ領域が使用不可能要素記憶手段として機能する。なお、図8のゲーム画面又は図9のカード選択画面に表示されているカードは、使用可能データ領域に記憶されている使用可能要素としてのカードデータに対応したものである。
【0041】
制御装置11は、図9に示したカード選択画面で、主人公キャラクタSにカードを使用することを指示するための操作を受け付けると、その指示に基づくカード名を認識する。そして、制御装置11は、RAM13に記憶されているクレジットデータがカード使用費用データ以上あるときに使用決定手段として機能し、そのカード名データに対応するカードデータの使用を決定する。その後、制御装置11は、ゲーム状況変更手段として機能し、カードデータベースから当該カード名データに対応するカード効果データを読み出して、そのカード効果データに基づいてゲーム状況を変更する。例えば、使用したカードが敵モンスターM1,M2,M3に攻撃する魔法カードである場合、制御装置11は、そのカード効果データに含まれるダメージ計算用数値を敵モンスターM1,M2,M3へのダメージ計算に使用して、その算出結果に基づいて敵モンスターM1,M2,M3の体力データを減少させる処理を行う。
また、カードデータの使用を決定した制御装置11は、上記カードデータベースからカード名データを選択し、このカード名データに対応したカード使用費用データを読み出す。そして、制御装置11は、この読み出したカード使用費用データに相当するクレジットデータを、RAM13に記憶されたクレジットデータから減じる処理を行う。
【0042】
また、城内には、主人公キャラクタSが入手可能な魔法カードやアイテムカードが配置されている。プレイヤーが主人公キャラクタSの動きを操作して主人公キャラクタSを魔法カードやアイテムカードの位置に移動させると、そのカードを入手することができる。
【0043】
また、城内には、カードを売却したり購入したりすることができる図10(a)に示すショップが用意されている。プレイヤーが主人公キャラクタSの動きを操作して主人公キャラクタSを移動させ、主人公キャラクタSをショップに入場させた場合、その主人公キャラクタSが所有するカードを売却してクレジットに変えたり、そのショップで販売されているカードをクレジットを支払って購入したりすることができる。
【0044】
上記ショップでカードを購入する場合、プレイヤーは、図10(a)に示すショップ画面において操作レバー4を操作して、カーソルを「カードを買う」ボタンに合わせ、操作ボタン5aを押す。この操作を受け付けた制御装置11は、図10(b)に示す購入カード選択画面をディスプレイ2に表示させる。この購入カード選択画面では、画面上方部分に、そのショップで売っているカードのカード一覧画面が表示され、画面左下に、カーソルで選択されているカードの内容を示すカード内容画面が表示される。カード一覧画面には、カードを購入するために必要なメダル枚数(カード購入費用)が表示されている。プレイヤーは、操作レバー4でカーソルを移動させ、購入を希望する魔法カードを選択した後、操作ボタン5aを押す。このボタン操作(特別な操作)が制御装置11で受け付けられると、制御装置11は、所定のポイント消費条件が満たされたと判断し、RAM13に記憶されているクレジットデータを、そのカードのカード購入費用に相当する分だけ減少するように変動させるクレジット変動処理(プレイヤーポイント減算処理)を実行する(S8)。
【0045】
具体的に説明すると、上記カードデータベースには、カード名データに関連付けられたカード購入費用データも記憶されている。制御装置11は、図10(b)に示した購入カード選択画面で、購入するカードを選択する操作を受け付けると、そのカードのカード名データを認識する。そして、制御装置11は、RAM13に記憶されているクレジットデータがカード購入費用データ以上であるとき、カードデータベースの使用不可能データ領域にある当該カードデータを使用可能状態にするために、当該カード名データに対応するカードデータに使用許可符号を付加する。これにより、そのカードデータは、カードデータベースの使用可能データ領域に記憶されることになり、プレイヤーによる指示操作によって主人公キャラクタSが使用可能となる。また、制御装置11により使用不可能データ領域にあるカードデータの使用が許可されることにより、制御装置11は、上記カードデータベースから当該カード名データを選択し、このカード名データに対応したカード購入費用データを読み出す。そして、制御装置11は、この読み出したカード購入費用データに相当するクレジットデータを、RAM13に記憶されたクレジットデータから減じる処理を行う。
【0046】
一方、上記ショップにおいて、主人公が所有するカードを売却する場合、プレイヤーは、図10(a)に示すショップ画面において、操作レバー4を操作し、カーソルを「カードを売る」ボタンに合わせ、操作ボタン5aを押す。この操作を受け付けた制御装置11は、図10(c)に示す売却カード選択画面をディスプレイ2に表示させる。この売却カード選択画面では、画面右下にあるカード一覧にカーソルが出現し、カーソルで選択されているカードの内容を示すカード内容画面が画面左側部分に表示される。また、この売却カード選択画面の画面上方部分には、選択されたカードと交換されるメダル枚数(カード売却収入)を表示した引取価格画面が表示される。プレイヤーは、操作レバー4でカーソルを移動させ、主人公が所持するカードの中から売却するカードを選択した後、操作ボタン5aを押す。このボタン操作を受け付けた制御装置11は、RAM13に記憶されているクレジットデータを、そのカードのカード売却収入に相当する分だけ増加するように変動させるクレジット変動処理を実行する(S8)。
【0047】
具体的に説明すると、上記カードデータベースには、カード名データに関連付けられたカード売却収入データも記憶されている。制御装置11は、図10(b)に示した売却カード選択画面で、売却するカードを選択する操作を受け付けると、そのカードのカード名データを認識する。そして、制御装置11は、そのカードがショップで売却可能なものであるとき、カードデータベースの使用可能データ領域にある当該カードデータの使用不可状態にするために、そのカード名データに対応するカードデータから使用許可符号を削除する。これにより、そのカードデータは法カードデータベースの使用不可能データ領域に記憶されることになり、プレイヤーは、そのカードデータを使用できなくなる。また、使用可能データ領域にあるカードデータが使用不可状態になると、制御装置11は、上記カードデータベースからカード名データを選択し、このカード名データに対応したカード売却収入データを読み出す。そして、制御装置11は、この読み出したカード売却収入データに相当するクレジットデータを、RAM13に記憶されたクレジットデータに足す。
【0048】
また、城内に存在する敵モンスターの中には、倒すとクレジットが増加する宝石モンスターが存在する。この宝石モンスターの動作は、ゲーム実行プログラムを実行する制御装置11により制御されている。プレイヤーの指示に従って動作する主人公キャラクタSが宝石モンスターを倒した場合、制御装置11は、RAM13に記憶されているクレジットデータを、その宝石モンスターの種類に応じたメダル枚数である宝石獲得額に相当する分だけ増加するように変動させるクレジット変動処理を実行する(S8)。
【0049】
以上のようにして、プレイヤーが主人公キャラクタSの動作を指示するなどの各種ゲーム操作を行うことにより主人公キャラクタSが城内を進んで城の占領に成功すると、所定の演出の後、ディスプレイ2には、再び図7に示した城選択画面が表示される。よって、プレイヤーは、この城選択画面において、次に挑戦する城を選択することで、同じ城又は別の城に挑戦することができる。
【0050】
プレイヤーは、ゲームプレイを終了しようとする場合には、図1に示した保存終了ボタン5eを押す。このボタン操作を受け付けた制御装置11は、ディスプレイ2に表示されている画像の上に重なるようにして、図11に示すゲーム終了選択画面を表示させる(S9)。このゲーム終了選択画面には、「ゲームを終了しますか?」というコメントの下に「はい」ボタンと「いいえ」ボタンが表示されている。プレイヤーは、ゲームを終了させない場合には、操作レバー4でカーソルを「いいえ」ボタンに合わせて、操作ボタン5aを押す。これにより、ゲーム終了選択画面が消えて、直前の画面からゲームが再開される。一方、プレイヤーは、ゲームプレイを終了する場合、操作レバー4でカーソルを「はい」ボタンに合わせて、操作ボタン5aを押す。このボタン操作を受け付けた制御装置11は、RAM13に記憶されているクレジットデータやセーブデータ及びプレイヤーIDを、カードライタ17により磁気カード9に書き込み、その磁気カード9をカード挿入取出口8から排出する(S10)。
【0051】
なお、プレイヤーは、RAM13に記憶された電子データの状態であるゲーム媒体であるクレジットデータを有体物状態のゲーム媒体であるメダルに換算してメダルの払い戻しを受けることもできる。この場合、図1に示したペイアウトボタン5dを押す。このボタン操作を受け付けた制御装置11は、メダル排出ホッパ16を制御して、RAM13に記憶されているクレジットデータに相当する枚数のメダルを、メダル払い戻しロ7から排出するクレジット払い戻し処理を行う。
【0052】
次に、本発明の特徴部分である画像表示制御の内容について説明する。
図8に示したゲーム画面には、2次元平面で構成される仮想フィールドである城の一部を示す城画面が表示されている。また、その城画面の上部には、城のフロアー数、主人公キャラクタSの体力及びプレイヤーのクレジットデータの量を示すクレジット数が表示されており、城画面中の右下部分には、主人公キャラクタSの所有するカードの一覧(プレイヤーがゲーム進行中に使用可能なカードの一覧)が表示されている。上記城画面は、城内フィールドを上方から見たものであり、その城画面中には、常に主人公キャラクタSが画面中央に表示される。
【0053】
本実施形態における城画面は、横9マス×縦7マスの表示範囲となっているが、ゲームの難易度を高めるべく、可視フィールドの範囲を横5マス×縦5マスの範囲に狭めている。すなわち、図8において、城画面中における半透明のマスク画像(図中斜線部分)を重ねた部分が可視フィールドの外に隣接する隣接フィールドを示しており、そのマスク画像が重ねられていない城画面部分は可視フィールドを示している。このように、本実施形態では、半透明のマスク画像により城画面中における可視フィールド部分と隣接フィールド部分をプレイヤーが識別可能に構成している。
【0054】
ゲーム実行プログラムを実行してゲーム進行を制御する制御装置11は、配置決定手段として機能し、城の床や壁を構成する背景オブジェクト、敵モンスターM1,M2,M3、魔法カード等のアイテムなどの各種オブジェクトの配置を決定する。また、配置決定手段として機能する制御装置11は、ゲーム実行プログラムの内容に基づく配置変更条件に従って敵モンスターM1,M2,M3の配置を順次変更する。これにより、例えば可視フィールド内において敵モンスターの配置変更があった場合、その敵モンスターの画像がその城画面上で移動するように表示制御される。
【0055】
ここで、図8に示すゲーム状況において、主人公キャラクタSの周囲には、図12に示すように、可視フィールド内に位置する2体の敵モンスターM1,M2と、隣接フィールドに位置する敵モンスターM3の3体の敵モンスターが配置されている。なお、図12は、説明のために、図8に示すゲーム状況において、制御装置11が後述する透明化処理を行っていない場合の城画面を示したものである。
本実施形態においては、プレイヤーが次のターンの行動を決定するにあたり、主人公キャラクタSの周囲の状況、特に主人公キャラクタSの周囲にどんな敵モンスターがどこに位置しているかが重要な情報となる。よって、本実施形態では、城画面にマスク画像を重ねることで可視フィールドを狭めてゲームの難易度を高めるべく、可視フィールドの外に位置している敵モンスターについてはプレイヤーが視認できないようにしている。具体的には、表示制御手段として機能する制御装置11は、このような特定オブジェクトである敵モンスターの画像について、隣接フィールドに位置するときは、敵モンスターM3のようにその画像を透明にする透明化処理を行って、プレイヤーが視認できないようにする。一方、敵モンスターM3が1マスだけ上に配置変更されて敵モンスターM3の画像が隣接フィールドから可視フィールドに移動した場合、その画像を不透明にする不透明化処理を行って、図13に示すようにプレイヤーが視認できるようにする。なお、このような透明化処理や不透明化処理の方法は、公知の方法を広く利用することができる。
【0056】
仮に、上記のような透明化処理を行わない場合、図12に示すように、可視フィールドの外である隣接フィールドに位置する敵モンスターM3の画像の一部が可視フィールドに入り込んでしまう。可視フィールドに入り込んだ部分はマスク画像が重なっていないので、プレイヤーが容易に視認できてしまう。これでは、マスク画像を重ねて可視フィールドを狭めることにより、可視フィールドの外に位置する敵モンスターの種類や位置をプレイヤーが把握できなくしてゲームの難易度を高めようとするゲーム性が損なわれてしまう。特に、本実施形態では、可視フィールドの外に位置する敵モンスターやアイテム等の特定オブジェクトではない背景オブジェクト等の画像については、プレイヤーが視認できるように、半透明のマスク画像を使用している。そのため、可視フィールドの外に位置する敵モンスターの種類や位置をプレイヤーが容易に把握できてしまう。すなわち、不透明のマスク画像を使用した場合、プレイヤーが視認可能なのは、敵モンスターの全体画像のうち可視フィールドに入り込んだ部分だけであるので、これに気が付かないプレイヤーはその敵モンスターの位置や種類を把握できないし、これに気が付いたプレイヤーでもその敵モンスターの種類を正確に把握することが難しい場合がある。これに対し、半透明のマスク画像を使用した場合、マスク画像に重なった敵モンスターの画像部分についても視認することが可能であるため、敵モンスターの画像全体をプレイヤーが視認可能である。そのため、可視フィールドの外に位置する敵モンスターの種類や位置をプレイヤーが把握することは、不透明なマスク画像を用いる場合と比べて遙かに容易となる。
しかし、上述した透明化処理を行う本実施形態によれば、隣接フィールドに位置する敵モンスターM3の画像は透明にしてプレイヤーが視認できないようにしている。よって、プレイヤーは、敵モンスターの種類や位置について、可視フィールド内に配置された敵モンスターM1,M2については把握できても、可視フィールド外に配置された敵モンスターM3については把握できなくなる。その結果、上述したように可視フィールドを狭くしてゲームの難易度を高めたことによるゲーム性を確保することができる。
【0057】
なお、本実施形態では、マスク画像として半透明のものを使用しているが、図17(b)に示したように不透明なマスク画像を使用してもよい。この場合でも、上述した透明化処理を行わない場合、敵モンスターM3の画像の可視フィールド内に入り込んだ部分についてはプレイヤーが視認できてしまい、その部分から当該敵モンスターM3の種類や位置を把握できてしまう。よって、不透明なマスク画像を使用する場合も、上述したゲーム性を確保するためには透明化処理を行うことが望まれる。
また、本実施形態ではマスク画像を使用して可視フィールドを区画しているが、マスク画像を使用せずに、図17(c)に示したように城画面の表示エリア全体を可視フィールドとしても同様である。
【0058】
〔変形例〕
次に、上記実施形態における変形例について説明する。
上記実施形態では、城が2次元仮想平面で構成され、各種オブジェクトが2次元オブジェクトであったが、本変形例では、城が3次元仮想空間で構成され、各種オブジェクトが3次元オブジェクトである場合について説明する。なお、本変形例における基本的な構成は上記実施形態と同様であるため、以下では、主として上記実施形態の構成とは異なる部分について説明する。
【0059】
図14は、本変形例における城画面の一部を拡大したときの説明図である。なお、図14において2点鎖線で囲った3つのマスは、主人公キャラクタSが位置するマスF1と、そのマスの図中上側に位置する2マスF2,F3である。
本変形例においては、ゲームの難易度を高めるべく、図中斜線部分で示す半透明のマスク画像を使用して、可視フィールドの範囲を主人公キャラクタSを中心とした横3マス×縦3マスの範囲に狭めている。したがって、図14において、城画面中における半透明のマスク画像(図中斜線部分)が重ねられた部分が可視フィールドの外に隣接する隣接フィールドを示しており、そのマスク画像が重ねられていない城画面部分は可視フィールドを示している。
【0060】
ゲーム実行プログラムを実行してゲーム進行を制御する制御装置11は、配置決定手段として機能し、上記実施形態の場合と同様に、城の床や壁を構成する背景オブジェクト、敵モンスターM1,M2,M3、魔法カード等のアイテムなどの各種オブジェクトの配置を決定する。また、配置決定手段として機能する制御装置11は、ゲーム実行プログラムの内容に基づく配置変更条件に従って敵モンスターの配置を順次変更する。これにより、例えば可視フィールド内において敵モンスターの配置変更があった場合、その敵モンスターの画像がその城画面上で移動するように表示制御される。
【0061】
ここで、本変形例においては、図14中符号F3で示すマスに敵モンスターM4が配置されている。ただし、このマスF3は、可視フィールド外の隣接フィールドであるため、そのマスF3に位置する敵モンスターM4の画像は上記実施形態と同様に透明化処理がなされている。なお、3次元オブジェクトである敵モンスターM4の画像を透明化する方法としては、敵モンスターM4を構成するメッシュの透明度を100%にする方法、敵モンスターM4を構成するテクスチャの透明度を100%にする方法、敵モンスターM4を構成するピクセルの透明度を100%にする方法などがあるが、その他の公知の方法を採用してもよい。
【0062】
次に、本変形例における城画面の描画方法について説明する。
図15は、図14に示したゲーム状況において、主人公キャラクタSを床面に平行な方向であって図14中右側から見たときの各オブジェクトの略式画像を示す説明図である。
本変形例において、城(仮想フィールド)内に配置されるオブジェクトは、床オブジェクトと、マスク用オブジェクトと、壁や明かりなどの床面上に置かれる床面上背景オブジェクトと、主人公キャラクタS、敵モンスターM4、アイテムなどのキャラクタオブジェクトとに大別できる。そして、本変形例では、このような城内を上方から見下ろすような視点方向から見たときのこれらのオブジェクトの画像をディスプレイ2に表示するので、これらのオブジェクトの画像表示の優先順位は、通常、そのオブジェクトが城内に位置する高さが高い順になる。したがって、通常の優先順位に従えば、キャラクタオブジェクト又は床面上背景オブジェクト、マスク用オブジェクト、床オブジェクトの順になる。しかし、この優先順位に従って各種オブジェクトを表示すると、可視フィールド外の隣接フィールドに位置する床面上背景オブジェクトにマスク用オブジェクトの画像(マスク画像)を重ねて表示できなくなる。よって、この場合、床面上背景オブジェクトについては、マスク画像により可視フィールドと隣接フィールドとを区別することができなくなってしまう。そこで、本変形例では、オブジェクト画像の表示優先順位を、マスク用オブジェクト、キャラクタオブジェクト又は床面上背景オブジェクト、床オブジェクトの順としている。これにより、床面上背景オブジェクトについても、マスク画像により可視フィールドと隣接フィールドとを区別することができる。
【0063】
なお、マスク用オブジェクトを他のオブジェクトよりも高い位置に配置すれば、通常の表示優先順位に従って表示しても、床面上背景オブジェクトについてマスク画像により可視フィールドと隣接フィールドとを区別することができる。しかし、本変形例のように3次元空間で構成される城(仮想フィールド)の場合、視点方向を変更することで、主人公キャラクタSの周囲の状況を様々な方向からディスプレイ2を通じてプレイヤーに伝えることができるという利点がある。ここで、本変形例では、床面を基準に可視フィールドを決定している。すなわち、床面上において、主人公キャラクタSが位置する床面部分から所定範囲内(本変形例では当該主人公キャラクタSが位置するマスを中心とした9マス分)を可視フィールドとして認識している。よって、本変形例のようにマスク用オブジェクトが床面と同じ高さにあれば、同じ可視フィールドについて視点方向を変えたときにそのマスク用オブジェクトを移動させなくても、プレイヤーに対して床面上における可視フィールドの範囲を正確に伝えることができる。これに対し、上述したようにマスク用オブジェクトを他のオブジェクトよりも高い位置(例えば城内の天井位置)に配置した場合、同じ可視フィールドについて視点方向を変えたときに、そのマスク画像が重なる床面上の部分が変わってしまうので、視点方向の変化に応じてマスク用オブジェクトを移動させないと、プレイヤーに対して床面上における可視フィールドの範囲を正確に伝えることができない。このように視点方向を変化させるたびにマスク用オブジェクトを移動させるという負荷のかかる処理を行うことは、処理速度の遅延、コストの増大を招くので好ましくない。
【0064】
また、図14に示した城画面において、主人公キャラクタSよりも2つ上のマスF3(隣接フィールド)には図15に示すように透明化処理がなされた敵モンスターM4が配置されている。この透明化処理がなされている敵モンスターM4が現在のマスF3よりも1つ下のマスすなわち主人公キャラクタSの1つ上のマスF2(可視フィールド)に配置変更されると、その敵モンスターM4の画像は不透明化処理により不透明になってディスプレイ2に表示される。このとき、マスF2への配置変更が完了したときに敵モンスターM4の画像を透明から不透明に突然変化させてもよい。しかし、この場合、いきなり当該マスF2に敵モンスターM4が出現したかのような印象をプレイヤーに与えることになり、敵モンスターM4がマスF3からマスF2へ移動したという敵モンスターM4の本来の動きとは異なる演出効果となってしまう。また、敵モンスターM4の画像を透明から不透明に突然変化させると、プレイヤーに違和感を与えてしまい、せっかく醸成されているゲームの雰囲気が壊れてしまう。
【0065】
そこで、本変形例では、敵モンスターM4が隣接フィールドであるマスF3から可視フィールドであるマスF2へ配置変更される場合、表示制御手段として機能する制御装置11は、マスF3に位置する敵モンスターM4の画像をマスF2へ移動させる表示制御を行うとともに、当該敵モンスターM4の画像を透明の状態から不透明の状態へ徐々に変更するように不透明化処理を行う。これにより、ディスプレイ2には、図16(a)から図16(c)に示すように、敵モンスターM4の画像がマスF3からマスF2へ移動してくる様子をディスプレイ2上で表現することができる。しかも、当該敵モンスターM4の画像が徐々にディスプレイ2上に現れるので、プレイヤーに与える違和感を少なくし、ゲームの雰囲気を壊すようなこともない。
【0066】
また、本変形例では、逆に敵モンスターが可視フィールドから可視フィールド外へ配置変更される場合、表示制御手段として機能する制御装置11は、可視フィールドに位置する敵モンスターの画像を可視フィールド外へ移動させる表示制御を行うとともに、当該敵モンスターの画像を不透明の状態から透明の状態へ徐々に変更するように透明化処理を行う。この場合も、敵モンスターの画像が可視フィールドから可視フィールド外へ移動する様子をディスプレイ2上で表現でき、また、プレイヤーに与える違和感を少なくしてゲームの雰囲気を壊すようなこともなくなる。
【0067】
なお、このように敵モンスターの画像を透明の状態から不透明の状態へ徐々に変更したり不透明の状態から透明の状態へ徐々に変更したりすることは、上述した実施形態のように城(仮想フィールド)が2次元仮想平面で構成される場合でも同様の効果が得られる。
【0068】
以上、本実施形態(上記変形例を含む)によれば、仮想フィールドである城内に配置された敵モンスター(特定オブジェクト)が可視フィールド外の隣接フィールドに位置するとき、当該敵モンスターM3,M4の画像は透明である。したがって、城内における敵モンスターの配置決定処理を複雑化することなく、可視フィールド外に位置する敵モンスターの画像をユーザーが確実に視認できないようにすることができる。
しかも、本実施形態(上記変形例を含む)では、可視フィールドだけでなく隣接フィールドもディスプレイ2に表示し、これらのフィールドを視覚的に識別するためのマスク画像として半透明の画像を使用することで、隣接フィールドに位置する敵モンスターやアイテム等の特定オブジェクト以外のオブジェクト(背景オブジェクト等)についてはプレイヤーが視認できるようになっている。よって、可視フィールド外に位置するときにはゲーム性を確保するため等の目的でユーザーに視認させたくない特定オブジェクト(敵モンスター等)については、ユーザーに視認できないようにしたままで、ディスプレイ2に表示される表示範囲を広げることができる。
更に、敵モンスター等の特定オブジェクトが可視フィールドと隣接フィールドを跨いで配置変更する場合に、その画像を透明の状態から不透明の状態へ徐々に変更したり不透明の状態から透明の状態へ徐々に変更したりすることで、特定オブジェクトの移動の様子をディスプレイ2上で表現でき、また、プレイヤーに与える違和感を少なくしてゲームの雰囲気を壊すようなことがなくなる。
【0069】
なお、本実施形態(上記変形例を含む)では、仮想フィールドをマス目状に区切ったマス単位で可視フィールドを区分しているため、その外形は長方形であるが、可視フィールドは、仮想フィールド内の一部である任意範囲を設定でき、その外形は正方形、円、楕円等であってもよい。なお、可視フィールドに設定する範囲は、例えば、プレイヤーが操作する主人公キャラクタ等の操作対象オブジェクトの画像を中心とする所定範囲内としてもよいし、また、操作対象オブジェクトの画像に対する所定の相対位置を中心とする所定範囲内としてもよい。
また、本実施形態(上記変形例を含む)では、本発明をゲーム施設に配置されるメダルゲーム機を例に挙げて説明したが、メダルゲーム機ではなく、硬貨を投入してプレイするビデオゲーム機等の他の業務用ゲーム装置、あるいは、家庭用ゲーム装置、インターネット等のネットワークを利用したゲーム装置など、あらゆるゲーム装置でも同様に適用できる。
また、ゲーム装置に限らず、2次元仮想平面又は3次元仮想空間で構成される仮想フィールドの一部分である可視フィールドを所定の視点方向から見たときの、可視フィールドに配置されているオブジェクトの画像を表示手段に表示するときに、可視フィールド外に位置するときにはユーザーに視認させたくないような特定オブジェクトがあるような装置についても、同様に適用できる。
また、本実施形態(上記変形例を含む)では、プレイヤーが主人公キャラクタSの動作を指示する操作を行うことでその主人公キャラクタSがダンジョンを冒険したり城の占領を目指したりするロールプレイングゲームについて説明したが、本発明は、種々のゲームに適用することができる。例えば、プレイヤーが操作対象である自己の戦闘機の動作を指示する操作を行うことで、自己の戦闘機が敵戦闘機を撃墜しながら敵の基地の占拠を目指してプレイするようなシューティングゲームなどにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施形態に係るメダルゲーム機の外観図である。
【図2】同メダルゲーム機の制御系の主要構成を示すブロック図である。
【図3】ゲーム実行プログラムを実行する制御装置11によるゲーム進行制御の流れを示すフローチャートである。
【図4】(a)は同メダルゲーム機のディスプレイに表示される名前入力画面の説明図であり、(b)は同メダルゲーム機のディスプレイに表示される名前確認画面の説明図であり、(c)は同メダルゲーム機のディスプレイに表示される職業選択画面の説明図である。
【図5】同メダルゲーム機のディスプレイに表示されるメインメニュー画面の説明図である。
【図6】同メダルゲーム機のディスプレイに表示されるダンジョン選択画面の説明図である。
【図7】同メダルゲーム機のディスプレイに表示される城選択画面の説明図である。
【図8】同メダルゲーム機のディスプレイに表示されるゲーム画面の説明図である。
【図9】同メダルゲーム機のディスプレイに表示されるカード選択画面の説明図である。
【図10】(a)は同メダルゲーム機のディスプレイに表示されるショップ画面の説明図であり、(b)は同ショップ画面で購入できるカードの一覧が表示されたカード選択画面の説明図であり、(c)は同ショップ画面で売ることができるカードの一覧が表示されたカード選択画面の説明図である。
【図11】同メダルゲーム機のディスプレイに表示されるゲーム終了選択画面の説明図である。
【図12】図8に示すゲーム画面と同じゲーム状況において透明化処理を行っていない場合のゲーム画面の説明図である。
【図13】図8に示すゲーム画面と同じゲーム状況から1ターン後のゲーム状況におけるゲーム画面の説明図である。
【図14】変形例におけるメダルゲーム機においてディスプレイに表示される城画面の一部を拡大したときの説明図である。
【図15】図14に示したゲーム画面と同じゲーム状況において、主人公キャラクタSを床面に平行な方向であって図14中右側から見たときの各オブジェクトの略式画像を示す説明図である。
【図16】(a)〜(c)は、敵モンスターがマスF3からマスF2へ配置変更するときの当該敵モンスターの画像を示す説明図である。
【図17】(a)は、従来の2次元仮想平面で構成されるダンジョンのゲーム画面の一例を示す説明図である。(b)は、(a)のゲーム画面にマスク画像を重ねたときのゲーム画面を示す説明図である。(c)は、表示エリア全体に(b)のゲーム画面中の可視フィールドを表示した場合のゲーム画面を示す説明図である。
【図18】(a)は、従来のダンジョンを3次元仮想空間とした場合に視点方向がダンジョン床面法線方向に対して平行であるときのゲーム画面の一例を模式的に表した説明図である。(b)は、視点方向がダンジョン床面法線方向に対して傾斜しているときのゲーム画面の一例を模式的に表した説明図である。
【符号の説明】
【0071】
1 メダルゲーム機
2 ディスプレイ
4,5a,5b,5c,5d,5e 操作レバー・操作ボタン等
11 制御装置
F1,F2,F3 マス
M1,M2,M3,M4 敵モンスター
S 主人公キャラクタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元仮想平面又は3次元仮想空間で構成される仮想フィールドに配置される各種オブジェクトの画像を表示手段に表示させるために必要な画像情報を記憶する画像情報記憶手段と、
該仮想フィールド内における各種オブジェクトの配置を決定する配置決定手段と、
該配置決定手段により決定されたオブジェクトの配置と該画像情報記憶手段に記憶されている画像情報とに基づいて、該仮想フィールドの一部分である可視フィールドを所定の視点方向から見たときの該可視フィールドに配置されているオブジェクトの画像を表示手段に表示させる表示制御を行う表示制御手段とを備えた画像表示制御装置において、
上記表示制御手段は、上記配置決定手段により上記仮想フィールド内に配置された特定オブジェクトが上記可視フィールド外の少なくとも該可視フィールドに隣接した隣接フィールドに位置するときには該特定オブジェクトの画像を透明にする透明化処理を行い、該特定オブジェクトが該可視フィールド内に位置するときには該特定オブジェクトの画像を不透明にする不透明化処理を行うことを特徴とする画像表示制御装置。
【請求項2】
請求項1の画像表示制御装置において、
上記仮想フィールドは3次元仮想空間で構成されたものであり、
上記各種オブジェクトのうち少なくとも上記特定オブジェクトは3次元オブジェクトであり、
上記表示制御手段は、所定の視点方向変更条件に従って視点方向を変更することを特徴とする画像表示制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2の画像表示制御装置において、
上記表示制御手段は、上記可視フィールドに配置されるオブジェクトの画像とともに、上記隣接フィールドに配置される上記特定オブジェクトを除く他のオブジェクトの画像を、上記表示手段に表示させる表示制御を行うものであり、
上記可視フィールドと上記隣接フィールドとを視覚的に識別するための画像処理を行うフィールド識別処理手段を有することを特徴とする画像表示制御装置。
【請求項4】
請求項3の画像表示制御装置において、
上記フィールド識別処理手段が行う上記画像処理は、上記隣接フィールドに配置されるオブジェクトの画像に半透明のマスク画像を重ねた画像を生成する処理であることを特徴とする画像表示制御装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1つに記載の画像表示制御装置において、
上記配置決定手段は、所定の配置変更条件に従って上記特定オブジェクトの配置を変更するものであり、
上記表示制御手段は、該配置決定手段が該特定オブジェクトの配置を上記隣接フィールドから上記可視フィールドへ変更したとき、該隣接フィールドに位置する該特定オブジェクトの画像を該可視フィールドへ移動させる表示制御を行うとともに、該特定オブジェクトの画像を透明の状態から不透明の状態へ徐々に変更するように不透明化処理を行うことを特徴とする画像表示制御装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1つに記載の画像表示制御装置において、
上記配置決定手段は、所定の配置変更条件に従って上記特定オブジェクトの配置を変更するものであり、
上記表示制御手段は、該配置決定手段が該特定オブジェクトの配置を上記可視フィールドから該可視フィールドの外へ変更したとき、該可視フィールドに位置する該特定オブジェクトの画像を該可視フィールドの外へ移動させる表示制御を行うとともに、該特定オブジェクトの画像を不透明の状態から透明の状態へ徐々に変更するように透明化処理を行うことを特徴とする画像表示制御装置。
【請求項7】
ゲーム画面を表示するゲーム画面表示手段と、
プレイヤーの操作を受け付ける操作受付手段と、
所定のゲーム実行プログラムをコンピュータが実行することにより、該操作受付手段が受け付けたゲーム操作の内容に応じて、ゲーム進行の制御を行うゲーム制御手段と、
該ゲーム制御手段が制御するゲーム進行に応じたゲーム画面を該ゲーム画面表示手段に表示させる表示制御を行う画像表示制御手段とを備えたゲーム装置において、
上記画像表示制御手段として、請求項1乃至6のいずれか1つに記載の画像表示制御装置を用い、
該画像表示制御装置の配置決定手段は、上記ゲーム制御手段によるゲーム進行の制御内容に応じて、上記仮想フィールド内における各種オブジェクトの配置を決定することを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
2次元仮想平面又は3次元仮想空間で構成される仮想フィールドに配置される各種オブジェクトの画像を表示手段に表示させるために必要な画像情報を記憶する画像情報記憶手段を備えた画像表示制御装置のコンピュータを動作させるためのプログラムであって、
上記仮想フィールド内における各種オブジェクトの配置を決定する配置決定手段、及び、
該配置決定手段により決定されたオブジェクトの配置と上記画像情報記憶手段に記憶されている画像情報とに基づいて、該仮想フィールドの一部分である可視フィールドを所定の視点方向から見たときの該可視フィールドに配置されているオブジェクトの画像を表示手段に表示させる表示制御を行うとともに、該配置決定手段により該仮想フィールド内に配置された特定オブジェクトが該可視フィールド外の少なくとも該可視フィールドに隣接した隣接フィールドに位置するときには該特定オブジェクトの画像を透明にする透明化処理を行い、該特定オブジェクトが該可視フィールド内に位置するときには該特定オブジェクトの画像を不透明にする不透明化処理を行う表示制御手段として、上記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
2次元仮想平面又は3次元仮想空間で構成される仮想フィールドに配置される各種オブジェクトの画像を表示手段に表示させるために必要な画像情報を記憶する画像情報記憶手段と、
該仮想フィールド内における各種オブジェクトの配置を決定する配置決定手段と、
該配置決定手段により決定されたオブジェクトの配置と該画像情報記憶手段に記憶されている画像情報とに基づいて、該仮想フィールドの一部分である可視フィールドを所定の視点方向から見たときの該可視フィールドに配置されているオブジェクトの画像を表示手段に表示させる表示制御を行う表示制御手段とを備えた画像表示制御装置において、
上記表示制御手段は、上記配置決定手段により上記仮想フィールド内に配置された特定オブジェクトが上記可視フィールド外の少なくとも該可視フィールドに隣接した隣接フィールドに位置するときには該特定オブジェクトの画像を透明にする透明化処理を行い、該特定オブジェクトが該可視フィールド内に位置するときには該特定オブジェクトの画像を不透明にする不透明化処理を行うことを特徴とする画像表示制御装置。
【請求項2】
請求項1の画像表示制御装置において、
上記仮想フィールドは3次元仮想空間で構成されたものであり、
上記各種オブジェクトのうち少なくとも上記特定オブジェクトは3次元オブジェクトであり、
上記表示制御手段は、所定の視点方向変更条件に従って視点方向を変更することを特徴とする画像表示制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2の画像表示制御装置において、
上記表示制御手段は、上記可視フィールドに配置されるオブジェクトの画像とともに、上記隣接フィールドに配置される上記特定オブジェクトを除く他のオブジェクトの画像を、上記表示手段に表示させる表示制御を行うものであり、
上記可視フィールドと上記隣接フィールドとを視覚的に識別するための画像処理を行うフィールド識別処理手段を有することを特徴とする画像表示制御装置。
【請求項4】
請求項3の画像表示制御装置において、
上記フィールド識別処理手段が行う上記画像処理は、上記隣接フィールドに配置されるオブジェクトの画像に半透明のマスク画像を重ねた画像を生成する処理であることを特徴とする画像表示制御装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1つに記載の画像表示制御装置において、
上記配置決定手段は、所定の配置変更条件に従って上記特定オブジェクトの配置を変更するものであり、
上記表示制御手段は、該配置決定手段が該特定オブジェクトの配置を上記隣接フィールドから上記可視フィールドへ変更したとき、該隣接フィールドに位置する該特定オブジェクトの画像を該可視フィールドへ移動させる表示制御を行うとともに、該特定オブジェクトの画像を透明の状態から不透明の状態へ徐々に変更するように不透明化処理を行うことを特徴とする画像表示制御装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1つに記載の画像表示制御装置において、
上記配置決定手段は、所定の配置変更条件に従って上記特定オブジェクトの配置を変更するものであり、
上記表示制御手段は、該配置決定手段が該特定オブジェクトの配置を上記可視フィールドから該可視フィールドの外へ変更したとき、該可視フィールドに位置する該特定オブジェクトの画像を該可視フィールドの外へ移動させる表示制御を行うとともに、該特定オブジェクトの画像を不透明の状態から透明の状態へ徐々に変更するように透明化処理を行うことを特徴とする画像表示制御装置。
【請求項7】
ゲーム画面を表示するゲーム画面表示手段と、
プレイヤーの操作を受け付ける操作受付手段と、
所定のゲーム実行プログラムをコンピュータが実行することにより、該操作受付手段が受け付けたゲーム操作の内容に応じて、ゲーム進行の制御を行うゲーム制御手段と、
該ゲーム制御手段が制御するゲーム進行に応じたゲーム画面を該ゲーム画面表示手段に表示させる表示制御を行う画像表示制御手段とを備えたゲーム装置において、
上記画像表示制御手段として、請求項1乃至6のいずれか1つに記載の画像表示制御装置を用い、
該画像表示制御装置の配置決定手段は、上記ゲーム制御手段によるゲーム進行の制御内容に応じて、上記仮想フィールド内における各種オブジェクトの配置を決定することを特徴とするゲーム装置。
【請求項8】
2次元仮想平面又は3次元仮想空間で構成される仮想フィールドに配置される各種オブジェクトの画像を表示手段に表示させるために必要な画像情報を記憶する画像情報記憶手段を備えた画像表示制御装置のコンピュータを動作させるためのプログラムであって、
上記仮想フィールド内における各種オブジェクトの配置を決定する配置決定手段、及び、
該配置決定手段により決定されたオブジェクトの配置と上記画像情報記憶手段に記憶されている画像情報とに基づいて、該仮想フィールドの一部分である可視フィールドを所定の視点方向から見たときの該可視フィールドに配置されているオブジェクトの画像を表示手段に表示させる表示制御を行うとともに、該配置決定手段により該仮想フィールド内に配置された特定オブジェクトが該可視フィールド外の少なくとも該可視フィールドに隣接した隣接フィールドに位置するときには該特定オブジェクトの画像を透明にする透明化処理を行い、該特定オブジェクトが該可視フィールド内に位置するときには該特定オブジェクトの画像を不透明にする不透明化処理を行う表示制御手段として、上記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図15】
【図18】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図15】
【図18】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2008−304967(P2008−304967A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−148808(P2007−148808)
【出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】
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