説明

画像表示装置、その制御方法及びプログラム

【課題】1つの画像表示装置で複数の視聴者が3D画像を視聴する際に、3D画像の明るさを向上させることができる画像表示装置が望まれる。
【解決手段】画像表示装置は、立体画像の生成が可能な画像生成部と、視聴者の左目に対する光の透過及び遮断が可能な左目用シャッタと、視聴者の右目に対する光の透過及び遮断が可能な右目用シャッタと、を含む複数のシャッタ眼鏡と、左目用シャッタ及び右目用シャッタの開閉を制御可能なシャッタ制御部と、を備えている。画像生成部が立体画像を生成し、シャッタ制御部に出力する。シャッタ制御部では、画像生成部の生成した立体画像から、シャッタ眼鏡のうち左目又は右目のシャッタのうちいずれかのシャッタの開閉を共通して制御する。そして、共通して開閉制御を行わなかった他方のシャッタを独立して制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置、その制御方法及びプログラムに関する。特に、立体画像(3D画像)を表示する画像表示装置、その制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
3D画像は平面画像と比較すると、より高度な表現が可能であり、近年の画像表示技術の進歩に伴ってその注目度が高まっている。同時に、3Dテレビ等の普及により、視聴者に臨場感を与える3D映像に対応したメディアが増加している。
【0003】
3D画像の再生には、左目と右目の視差によって空間を3次元として認知(錯覚)することを利用する方法が多く採用されている。しかし、このような方法では、画像表示装置に対して正面に位置する視聴者は3D画像の制作者の意図した通りの画像を見ることができるが、画像表示装置に対する位置によっては正しく(制作者の意図通りの)3D画像を見ることができない場合がある。画像表示装置に対する位置によっては、視野にずれが生じるためである。特に、画像表示装置の画面を斜めの位置から視聴し、左目用と右目用の画像の形や大きさを異なって認識してしまう場合や、両目の視差が大きすぎる場合に、3D画像として認識できない可能性がある。即ち、画像表示装置を視聴する位置によって画像の見え方に差異が発生し、視野にずれが生じることで正しく3D画像に見えない場合がある。
【0004】
このように、1つの画像表示装置で複数の視聴者が3D画像を見る際の問題点を解決する技術が特許文献1に開示されている。特許文献1で開示された技術では、1つの画像表示装置で複数の視聴者が同時に3D画像を視聴する場合に、視聴者ごとに左目用の画像及び右目用の画像を再生し、各視聴者が装着するシャッタ付き眼鏡を適宜制御する。より具体的には、第1の視聴者の左目用の画像を再生しているときには、第1の視聴者の左目用のシャッタを開き、第1の視聴者の右目用のシャッタ及び他の視聴者のシャッタを全て閉じる。次に、第1の視聴者の右目用の画像を再生しているときには、第1の視聴者の右目用のシャッタに限り開く。以上のように、特許文献1で開示された技術は、複数の視聴者が3D画像を1つのモニタ上で同時かつ独立して視聴することを可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−260377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
なお、上記先行技術文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。以下の分析は、本発明の観点からなされたものである。
【0007】
上述のように、特許文献1に開示された画像表示装置は、1つの画像表示装置で複数の視聴者が3D画像を見る際の問題点を解決している。しかし、特許文献1で開示された3D画像の視聴方法では、各視聴者のシャッタが開いている時間が短く、特許文献1の画像表示装置で再生される3D画像は実際の画像よりも暗く認識されてしまう。
【0008】
図2に、特許文献1の図3を示す。図2(特許文献1の図3)では、3人の視聴者が独立して3D画像を視聴する際の各視聴者のシャッタの開閉状態を示している。図2から、3D画像を各視聴者に独立して認識させるために、各視聴者のシャッタを順次開閉していることがわかる。このような方法では、3人の視聴者に対して合計6回のシャッタの開閉が1サイクルとなり、1サイクルにおいて各視聴者のシャッタは閉じている時間の方が長いため、3D画像は実際よりも暗く認識されてしまう。
【0009】
以上のとおり、特許文献1で開示された技術には、解決すべき問題点が存在する。そこで、1つの画像表示装置で複数の視聴者が3D画像を視聴する際に、3D画像の明るさを向上させることができる画像表示装置、その制御方法及びプログラム、が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の視点によれば、立体画像の生成が可能な画像生成部と、視聴者の左目に対する光の透過及び遮断が可能な左目用シャッタと、視聴者の右目に対する光の透過及び遮断が可能な右目用シャッタと、を含む複数のシャッタ眼鏡と、前記左目用シャッタ及び前記右目用シャッタの開閉を制御可能なシャッタ制御部と、を備え前記シャッタ制御部は、前記画像生成部が生成する立体画像に基づいて、前記複数のシャッタ眼鏡の前記左目用シャッタ又は前記右目用シャッタのいずれかの開閉制御を共通して行なうと共に、前記左目用シャッタ又は右目用シャッタの開閉制御を共通して行なうシャッタとは異なる前記左目用シャッタ又は前記右目用シャッタの開閉制御を前記複数のシャッタ眼鏡ごとに独立して行なう画像表示装置が提供される。
【0011】
本発明の第2の視点によれば、立体画像の生成が可能な画像生成部と、視聴者の左目に対する光の透過及び遮断が可能な左目用シャッタと、視聴者の右目に対する光の透過及び遮断が可能な右目用シャッタと、を含む複数のシャッタ眼鏡と、を備える画像表示装置の制御方法であって、前記画像生成部が生成する立体画像に基づいて、前記複数のシャッタ眼鏡の前記左目用シャッタ又は前記右目用シャッタのいずれかの開閉制御を共通して行なう工程と、前記左目用シャッタ又は右目用シャッタの開閉制御を共通して行なうシャッタとは異なる前記左目用シャッタ又は前記右目用シャッタの開閉制御を前記複数のシャッタ眼鏡ごとに独立して行う工程と、を含む画像表示装置の制御方法が提供される。
【0012】
本発明の第3の視点によれば、立体画像の生成が可能な画像生成部と、視聴者の左目に対する光の透過及び遮断が可能な左目用シャッタと、視聴者の右目に対する光の透過及び遮断が可能な右目用シャッタと、を含む複数のシャッタ眼鏡と、を備える画像表示装置を制御するコンピュータに実行させるプログラムであって、前記画像生成部が生成する立体画像に基づいて、前記複数のシャッタ眼鏡の前記左目用シャッタ又は前記右目用シャッタのいずれかの開閉制御を共通して行なう処理と、前記左目用シャッタ又は右目用シャッタの開閉制御を共通して行なうシャッタとは異なる前記左目用シャッタ又は前記右目用シャッタの開閉制御を前記複数のシャッタ眼鏡ごとに独立して行う処理と、を実行するプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の各視点によれば、1つの画像表示装置で複数の視聴者が3D画像を視聴する際に、3D画像の明るさを向上させることができる画像表示装置、その制御方法及びプログラム、が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態の概要を説明するための図である。
【図2】従来の画像表示装置の動作を説明するための図である(特許文献1の図3)。
【図3】立体画像を視聴する視聴者の位置と立体画像の関係を説明するための図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る画像表示装置の構成の一例を示す図である。
【図5】図4に示す画像表示装置の全体の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】図4に示す共通シャッタコントローラの動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】図4に示す独立シャッタコントローラの動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】図4に示すシャッタ眼鏡の動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】3人の視聴者が装着したシャッタ眼鏡のシャッタの開閉動作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
初めに、図1を用いて実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。
【0016】
上述のように、1つの画像表示装置で複数の人間が立体画像を視聴すると視聴者の位置によっては正しく3D画像を認識することができない場合がある。その際に各視聴者に対して独立した画像を認識させることで、1つの画像表示装置で複数の視聴者が正しく3D画像を認識することができるようになる。しかし、このような方法では、視聴者が使用するシャッタ眼鏡が閉じている時間が長くなり、実際の3D画像よりも暗く感じられてしまうという問題がある。そのため、1つの画像表示装置で複数の視聴者が3D画像を視聴する際に、3D画像の明るさを向上させることができる画像表示装置が望まれる。
【0017】
そこで、一例として図1に示す画像表示装置を提供する。図1に示す画像表示装置は、立体画像の生成が可能な画像生成部と、視聴者の左目に対する光の透過及び遮断が可能な左目用シャッタと、視聴者の右目に対する光の透過及び遮断が可能な右目用シャッタと、を含む複数のシャッタ眼鏡と、左目用シャッタ及び右目用シャッタの開閉を制御可能なシャッタ制御部と、を備えている。画像生成部が立体画像を生成し、シャッタ制御部に出力する。シャッタ制御部では、画像生成部の生成した立体画像から、シャッタ眼鏡のうち左目又は右目のシャッタのうちいずれかのシャッタの開閉を共通して制御する。そして、共通して開閉制御を行わなかった他方のシャッタを独立して制御する。
【0018】
例えば、複数のシャッタ眼鏡のシャッタのうち右目用のシャッタの開閉制御を共通して行ったとすると、複数のシャッタ眼鏡のうち左目用のシャッタについては独立して開閉を制御する。このように、各視聴者の左目用の立体画像又は右目用の立体画像を共有し、他方の立体画像は各視聴者に独立して認識させる。その結果、各視聴者あたりの画像表示期間が長くなり、各視聴者で認識できる立体画像の明るさを向上させることができる。
【0019】
ここで、各視聴者の片目に共通の画像を認識させ、他方の目に視聴者ごとの画像を認識させることで、正しく3D画像を視聴できることを説明する。図3は、視聴者と表示対象の関係の一例を示す図である。視聴者1は、画像表示装置に対して正面に位置しており、視聴者2は、画像表示装置に対して正面からずれて位置しているものとする。視聴者1は、画像表示装置1に表示される左目用画像と右目用画像によって正しく3D画像を認識することができる。視聴者1に対しては、左目用画像及び右目用画像共に補正する必要はない。しかし、視聴者2は、左目用画像と右目用画像を正しく3D画像として認識できない。そこで、視聴者2に対しては3D画像の補正が必要となる。その際の補正は、左目用画像又は右目用画像のいずれかに対してのみ行う。図3においては、右目用画像に対しては補正を行わず、左目用画像に対して補正を行っている。即ち、視聴者2の右目に対する画像は視聴者1の右目に対する画像と共通にしつつ、視聴者2の左目に対する画像は視聴者2の画像表示装置に対する位置に応じて補正する。その結果、視聴者2においても、両目の視差量のずれが修正され正しく3D画像を認識することができる。
【0020】
[第1の実施形態]
次に、本発明の第1の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。図4は、本実施形態に係る画像表示装置1の構成の一例を示す図である。図4に示す画像表示装置1は、画像生成部10と、モニタ20と、シャッタ制御部30と、シャッタ眼鏡41乃至43から構成されている。
【0021】
画像生成部10において、モニタ20に表示する3D画像の生成を行う。画像生成部10が生成する3D画像は、シャッタ制御部30に対しても出力される。シャッタ制御部30は、各視聴者51乃至53が装着しているシャッタ眼鏡の開閉制御を行う。さらに、シャッタ制御部30は、共通シャッタコントローラ301と、独立シャッタコントローラ302乃至304から構成されている。
【0022】
画像生成部10から出力された3D画像は、共通シャッタコントローラ301と、独立シャッタコントローラ302乃至304に入力される。共通シャッタコントローラ301は、シャッタ眼鏡41乃至43の開閉を共通して制御する。独立シャッタコントローラ302はシャッタ眼鏡41の開閉を、独立シャッタコントローラ303はシャッタ眼鏡42の開閉を、独立シャッタコントローラ304はシャッタ眼鏡43の開閉を、それぞれ制御する。
【0023】
シャッタ眼鏡41乃至43は、それぞれ左目用シャッタ(411、421、431)と右目用シャッタ(412、422、432)を備えている。シャッタ眼鏡41乃至43には液晶シャッタを用いることとする。各シャッタ眼鏡の左目用シャッタ(411、421、431)は、対応する独立シャッタコントローラ302乃至304によってシャッタの開閉が指示される。各シャッタ眼鏡の左目用シャッタ(411、421、431)によって、視聴者51乃至53の左目にモニタ20の表示画像を認識させるか否か決定する。各シャッタ眼鏡の右目用シャッタ(412、422、432)は、共通シャッタコントローラ301によってシャッタの開閉が指示され、視聴者51乃至53の右目にモニタ20の表示画像を認識させるか否か決定する。
【0024】
また、画像生成部10及びシャッタ制御部30と、シャッタ眼鏡41乃至43は有線又は無線によって接続されており、各シャッタ眼鏡41乃至43の位置情報を取得することができる。さらに、画像生成部10では、シャッタ眼鏡41乃至43から取得した位置情報に基づいて必要な補正を行った3D画像を生成する。なお、本実施形態に係る画像表示装置1の説明においては、視聴者は3人としているが、これに限定する趣旨ではない。
【0025】
次に、画像表示装置1の動作について説明する。図5は、画像表示装置1の全体の動作の一例を示すフローチャートである。
【0026】
ステップS01において、画像生成部10から3D画像がモニタ20に入力され、モニタ20が3D画像を表示する。
【0027】
ステップS02において、画像生成部10からシャッタ制御部30(共通シャッタコントローラ301、独立シャッタコントローラ302乃至304)に3D画像が出力される。
【0028】
ステップS03において、シャッタ制御部30(共通シャッタコントローラ301、独立シャッタコントローラ302乃至304)が画像生成部10から入力された3D画像に基づいて、制御対象となるシャッタ眼鏡を判別する。本ステップの詳細については後述する。
【0029】
ステップS04において、シャッタ眼鏡41乃至43は、シャッタ制御部30(共通シャッタコントローラ301、独立シャッタコントローラ302乃至304)の指示に基づいて左右のシャッタの開閉を行う。本ステップの詳細については後述する。
【0030】
次に、シャッタ制御部30(共通シャッタコントローラ301、独立シャッタコントローラ302乃至304)の動作について説明する。
【0031】
初めに、共通シャッタコントローラ301の動作について説明する。図6は、共通シャッタコントローラ301の動作の一例を示すフローチャートである。
【0032】
ステップS11で、画像生成部10が出力する3D画像を受け付ける。
【0033】
ステップS12では、3D画像に予め付与されている情報に基づいて、受け付けた3D画像が右目用の画像か否か判断する。右目用の画像と判断すればステップS13に遷移する。右目用の画像でなければ、ステップS14に遷移する。
【0034】
ステップS13では、シャッタ眼鏡41乃至43に対して右目用シャッタ(412、422、432)を開ける指示を行う。
【0035】
ステップS14では、シャッタ眼鏡41乃至43に対して右目用シャッタ(412、422、432)を閉じる指示を行う。このような制御を行うことで、視聴者51乃至53は右目用の3D画像を共有する。
【0036】
続いて、独立シャッタコントローラ302乃至304の動作について説明する。なお、独立シャッタコントローラ302乃至304の動作は、それぞれ制御対象が異なるのみであり、動作アルゴリズムは同一であるので独立シャッタコントローラ302を例に取り、動作を説明する。図7は、独立シャッタコントローラ302の動作の一例を示すフローチャートである。
【0037】
ステップS21で、画像生成部10が出力する3D画像を受け付ける。
【0038】
ステップS22では、3D画像に予め付与されている情報に基づいて、受け付けた3D画像がシャッタ眼鏡41の左目用の画像か否か判断する。左目用の画像と判断すればステップS23に遷移する。左目用の画像でなければ、ステップS24に遷移する。
【0039】
ステップS23では、シャッタ眼鏡41に対して左目用シャッタ411を開ける指示を行う。
【0040】
ステップS24では、シャッタ眼鏡41に対して左目用シャッタ411を閉じる指示を行う。このように、視聴者51の左目に認識させる画像を制御する。
【0041】
次に、シャッタ眼鏡41乃至43の動作について説明する。なお、シャッタ眼鏡41乃至43の動作は、シャッタ眼鏡を制御するコントローラが異なるのみであり、動作アルゴリズムは同一であるのでシャッタ眼鏡41を例に取り、その動作を説明する。図8は、シャッタ眼鏡41の動作の一例を示すフローチャートである。
【0042】
ステップS31で、独立シャッタコントローラ302の指示を受け取る。
【0043】
ステップS32では、受け付けた指示がシャッタ眼鏡41の右目用シャッタ411に対するものか否かを判断する。右目用シャッタ411に対する指示と判断すればステップS33に遷移する。右目用シャッタ411に対する指示ではないと判断すればステップS34に遷移する。
【0044】
ステップS33では、受け付けた指示が右目用シャッタ411の開ける指示か否かを判断する。開ける指示と判断すればステップS35に遷移する。開ける指示ではない(閉じる指示)と判断すればステップS36に遷移する。
【0045】
ステップS34では、受け付けた指示が左目用シャッタ412の開ける指示か否かを判断する。開ける指示と判断すればステップS37に遷移する。開ける指示ではない(閉じる指示)と判断すればステップS38に遷移する。
【0046】
ステップS35では、右目用シャッタ412を開ける。
【0047】
ステップS36では、右目用シャッタ412を閉じる。
【0048】
ステップS37では、左目用シャッタ411を開ける。
【0049】
ステップS38では、左目用シャッタ411を閉じる。
【0050】
このように、視聴者51に認識させる3D画像を、シャッタ眼鏡41を適宜制御することによって決定する。
【0051】
図9は、3人の視聴者51乃至53が装着したシャッタ眼鏡41乃至43のシャッタの開閉動作の一例を示す図である。図9において四角がシャッタを表し、白四角はシャッタが開いた状態であり、黒四角はシャッタが閉じている状態を示している。図9を用いて、本実施形態に係る画像表示装置1を視聴する視聴者は、モニタ20に表示される画像が暗いとは感じない(明るく感じられる)理由について説明する。図9においては、モニタ20に3D画像を実現する画像が以下のサイクルで表示されるものとする。
【0052】
初めに、視聴者51乃至53の全員の右目に共通する画像が表示される。次に、視聴者51の左目用の画像が表示され、続いて、視聴者52の左目用の画像が表示される。最後に、視聴者53の左目用の画像が表示される。
【0053】
視聴者53の左目用の画像が表示された後は、視聴者51乃至53の全員の右目に共通する画像が再び表示される。視聴者51乃至53の全員の右目に共通する画像が表示されると、各視聴者のシャッタ眼鏡の右目用シャッタ(412、422、432)が開き、左目用シャッタ(411、421、431)が閉じる(時刻t1)。次に、視聴者51の左目用の画像が表示されると、視聴者51の左目用シャッタ411は開き、他のシャッタは閉じる(時刻t2)。以下、同様にシャッタ制御部30からの指示に基づいてシャッタの開閉が行われる。
【0054】
なお、シャッタの切り替えはモニタ20に表示される3D画像の垂直同期信号の切り替わりに同期して行われる。このように、各視聴者51乃至53の片目に共通の画像を認識させ、他方の目に画像を認識させるときは、視聴者ごとに個別の画像を認識させる。特許文献1に開示された画像表示装置では、3人の視聴者に対して6回のシャッタの開閉が1サイクルになっていたのに対し、本実施形態に係る画像表示装置1では4回のシャッタの開閉が1サイクルとなっている。そのため、視聴者51乃至53は、本実施形態に係る画像表示装置1のモニタ20に映し出される3D画像が暗いと感じることはない。特許文献1に開示された画像表示装置と比較して、画像表示装置1では各シャッタが開いている時間が長いためである。
【0055】
なお、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0056】
1 画像表示装置
10 画像生成部
20 モニタ
30 シャッタ制御部
41〜43 シャッタ眼鏡
51〜53 視聴者
301 共通シャッタコントローラ
302〜304 独立シャッタコントローラ
411、421、431 左目用シャッタ
412、422、432 右目用シャッタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体画像の生成が可能な画像生成部と、
視聴者の左目に対する光の透過及び遮断が可能な左目用シャッタと、視聴者の右目に対する光の透過及び遮断が可能な右目用シャッタと、を含む複数のシャッタ眼鏡と、
前記左目用シャッタ及び前記右目用シャッタの開閉を制御可能なシャッタ制御部と、
を備え、
前記シャッタ制御部は、前記画像生成部が生成する立体画像に基づいて、前記複数のシャッタ眼鏡の前記左目用シャッタ又は前記右目用シャッタのいずれかの開閉制御を共通して行なうと共に、前記左目用シャッタ又は右目用シャッタの開閉制御を共通して行なうシャッタとは異なる前記左目用シャッタ又は前記右目用シャッタの開閉制御を前記複数のシャッタ眼鏡ごとに独立して行なうことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記画像生成部は、複数の視聴者の左目又は右目に共通して視聴させる画像であることを示す第1の情報、又は、複数の視聴者のうち1人の視聴者の左目又は右目に視聴させる画像であることを示す第2の情報、を含む立体画像を生成する請求項1の画像表示装置。
【請求項3】
前記シャッタ制御部は、前記第1の情報に基づいて、前記複数のシャッタ眼鏡の前記左目用シャッタ又は前記右目用シャッタの開閉制御を共通して行なう共通シャッタコントローラと、前記第2の情報に基づいて、前記複数のシャッタ眼鏡ごとに前記左目用シャッタ又は前記右目用シャッタの開閉制御を独立して行なう独立シャッタコントローラと、を含む請求項2の画像表示装置。
【請求項4】
立体画像の生成が可能な画像生成部と、
視聴者の左目に対する光の透過及び遮断が可能な左目用シャッタと、視聴者の右目に対する光の透過及び遮断が可能な右目用シャッタと、を含む複数のシャッタ眼鏡と、
を備える画像表示装置の制御方法であって、
前記画像生成部が生成する立体画像に基づいて、前記複数のシャッタ眼鏡の前記左目用シャッタ又は前記右目用シャッタのいずれかの開閉制御を共通して行なう工程と、
前記左目用シャッタ又は右目用シャッタの開閉制御を共通して行なうシャッタとは異なる前記左目用シャッタ又は前記右目用シャッタの開閉制御を前記複数のシャッタ眼鏡ごとに独立して行う工程と、
を含むことを特徴とする画像表示装置の制御方法。
【請求項5】
立体画像の生成が可能な画像生成部と、
視聴者の左目に対する光の透過及び遮断が可能な左目用シャッタと、視聴者の右目に対する光の透過及び遮断が可能な右目用シャッタと、を含む複数のシャッタ眼鏡と、
を備える画像表示装置を制御するコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記画像生成部が生成する立体画像に基づいて、前記複数のシャッタ眼鏡の前記左目用シャッタ又は前記右目用シャッタのいずれかの開閉制御を共通して行なう処理と、
前記左目用シャッタ又は右目用シャッタの開閉制御を共通して行なうシャッタとは異なる前記左目用シャッタ又は前記右目用シャッタの開閉制御を前記複数のシャッタ眼鏡ごとに独立して行う処理と、
を実行するプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−204915(P2012−204915A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−65484(P2011−65484)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】