説明

画像表示装置、情報処理装置及びそれらの制御方法、画像表示システム、プログラム、並びに記憶媒体

【課題】複数の装置の画像データを同時に表示することが可能な画像表示装置の画面構成が変更された場合に、表示を継続する装置と表示を停止装置の選択を適切に行う。
【解決手段】複数の装置で表示されている画像データを受信し、受信した画像データを対応する表示領域に同時に表示することが可能な画像表示装置において、前記複数の装置と通信可能に接続する通信手段と、前記通信手段を介して前記複数の装置からそれぞれ送信される画像データを受信する受信手段と、前記受信手段により受信した画像データの表示領域を設定する画面構成手段と、前記画面構成手段により設定された表示領域に対応する画像データを表示する表示制御手段と、を備え、前記画面構成手段は、前記通信手段を介して前記複数の装置のいずれかから画面構成の変更命令を受信すると、当該命令に従って画面構成を変更し、前記通信手段は、変更後の画面構成情報を接続中の全ての装置へ通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の装置の画像データを同時に表示することが可能な画像表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、プロジェクタは、VGAケーブルやDVIケーブルなどによってPCと接続され、それらのケーブルを通してデジタル・アナログの映像がPCから転送されて投影表示を行う。この場合、映像は非圧縮の映像が殆どで、また映像を表示するタイミングも重畳して転送される。一方で、LANが一般的になりネットワーク接続に対応するプロジェクタも増えつつある。こうしたLAN経由でPCとプロジェクタを接続する方式では、従来のVGAケーブルやDVIケーブルによる接続と異なり、映像データの送信元であるPCがプロジェクタと同じ場所にある必要がなく、遠隔地からプレゼンテーションを行うことも可能である。また、LAN経由で複数台のPCとプロジェクタを同時に接続し、プロジェクタ側で各PCの画面を分割して同時投影する手法も提案されている。例えば、特許文献1では、複数のPCの画面データをプロジェクタで受信し、これらを1画面の画像データに合成することにより多画面同時投影する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−054134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1では、複数台のPCとプロジェクタ間で多画面同時投影を行っている時に、PCもしくはプロジェクタから画面構成の変更を行った場合にどのPC画面の投影を継続し、どのPC画面の投影を停止させるのかを明確に定義していない。例えば、プロジェクタの投影画を4分割して、4台のPC画面を同時に投影している状態から、通常の1画面を投影するよう変更した場合、投影中の4つのPC画面の全ての表示を停止するのか、いずれか1台を継続して表示するのか明らかでない。また表示を継続する1台を選択する基準も明確ではない。
【0005】
このように、画面構成の変更が行われた際に、全ての画面投影が停止されると、PCを操作しているユーザによって再度、投影を開始させる必要がある。また投影可能なPCの数だけ投影を継続するのでは、どのPCの継続投影が優先されるか明確でない。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、複数の装置の画像データを同時に表示することが可能な画像表示装置の画面構成が変更された場合に、表示を継続する装置と表示を停止装置の選択を適切に行える技術を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数の装置で表示されている画像データを受信し、受信した画像データを対応する表示領域に同時に表示することが可能な画像表示装置において、前記複数の装置と通信可能に接続する通信手段と、前記通信手段を介して前記複数の装置からそれぞれ送信される画像データを受信する受信手段と、前記受信手段により受信した画像データの表示領域を設定する画面構成手段と、前記画面構成手段により設定された表示領域に対応する画像データを表示する表示制御手段と、を備え、前記画面構成手段は、前記通信手段を介して前記複数の装置のいずれかから画面構成の変更命令を受信すると、当該命令に従って画面構成を変更し、前記通信手段は、変更後の画面構成情報を接続中の全ての装置へ通知する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の装置の画像データを同時に表示することが可能な画像表示装置の画面構成が変更された場合に、表示を継続する装置と表示を停止装置の選択を適切に行える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態の画像表示システムのネットワーク接続図。
【図2】本実施形態の画像表示システムを構成するプロジェクタとPCのブロック図。
【図3】本実施形態のプロジェクタとPCの動作フローチャート。
【図4】プロジェクタ画面構成情報を例示する図。
【図5】画面構成変更後の投影画面を例示する図。
【図6】画面構成変更前後の投影画面を例示する図。
【図7】表示中のPCに関する情報を例示する図。
【図8】図3のS306における表示継続判定処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、本発明を実現するための一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。また、後述する各実施形態の一部を適宜組み合わせて構成しても良い。
【0011】
[実施形態1]本発明の画像表示システムを、情報処理装置としてのパーソナルコンピュータ(以下、PC)と、画像表示装置としてのプロジェクタとを通信可能に接続することにより実現した例について説明する。ここで、プロジェクタは複数のPCで表示されている画像データを受信し、受信した画像データを対応する表示領域に同時に表示することが可能である。また、PCは、表示部に表示中の画像データを送信し、送信先のプロジェクタにおいて表示することが可能である。
【0012】
<システムの構成>図1を参照して、本実施形態の画像表示システムの構成について説明する。
【0013】
図1において、本実施形態の画像表示システムは、プロジェクタ10と複数のPC11、12、13、14がLANなどのネットワーク15を介して通信可能に接続されている。ここで、PC11、12、13はプロジェクタ10へ画面データの送信を行っているが、PC14は接続のみの状態で画面データの送信は行っていない。プロジェクタ10の投影面20はPCごとに領域16、17、18、19に区切られており、領域16にPC11、領域17にPC12、領域18にPC13の画面データがそれぞれ表示されている。ここで領域19は表示するべき画面データがないので黒表示となっている。ここで画面データは、各PCのディスプレイに表示されている画像データである。
【0014】
なお、以下では、図1に示したシステムを前提とし、プロジェクタ10の画面構成がPC11からPC14のいずれかによって変更された場合を例として説明を行う。
【0015】
なお、以下に説明するプロジェクタ及びPCの動作フローは、プロジェクタに記憶されたファームウェアのプログラム又はPCにインストールされたアプリケーションのプログラムにより処理が実行される。
【0016】
<プロジェクタ及びPCの機能及び構成>図2を参照して、本実施形態のプロジェクタ及びPCの機能及び構成について説明する。
【0017】
まず、PCの機能及び構成について説明する。PC(11〜14)は、各PCで表示する画像データがVRAM205に記憶され、表示制御部201がVRAM205から画像データを取得し、ディスプレイ211に表示する。
【0018】
PCとプロジェクタとの接続が確立されて、PCからプロジェクタへの画面データ送信処理が開始されると、表示制御部201はVRAM205から画像データを取得し、メモリ部207に転送する。メモリ部207に転送された画像データはPC11で設定された解像度に対応したサイズを有し、未圧縮のデータである。ネットワーク経由でのデータ転送では一般的に、プロジェクタ10で表示する画像データの解像度に合わせて画像データのリサイズ処理が実行される。またJPEG圧縮処理などを施すことも多い。これはデータ転送にかかる時間を削減し、プロジェクタ10で投影表示するスループットを向上させるためである。これらの処理を実現するために、メモリ部207に記憶された画像データは画像処理部202に転送され、リサイズ、圧縮などの画像処理が施される。画像処理部202により加工された画像データはメモリ部207に記憶され、通信部204によりプロジェクタ10へ送信される。ユーザインタフェース(IF)208は、ユーザがPC11に対して画面構成を変更するなどの各種操作を受け付ける入力部である。
【0019】
PCを構成する上記各部は、制御バス209とデータバス210で接続されており、CPU203によって制御される。
【0020】
プロジェクタ10は、ネットワーク15を介して接続されたPC11〜13から送信される画像データを通信部105によって受信する。通信部105は受信した画像データをメモリ部106に転送する。メモリ部106に転送された画像データは圧縮されているので、これを映像処理部102によって複号する。この複号方法は周知であるので詳細な説明は省略する。映像処理部102によって復号された画像データはメモリ部106に記憶され、投影処理部101に転送され、液晶パネルなどの表示部107に投影される。操作部104は、ユーザがプロジェクタ10に対して画面構成を変更するなどの各種操作を受け付ける入力部である。
【0021】
プロジェクタ10を構成する上記各部は、制御バス108とデータバス109で接続されており、CPU103によって制御される。なお、各制御及び処理は、本実施形態のハードウェア構成には限定されない。例えば1つのハードウェアが複数の手段として機能してもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、プロジェクタ10の各手段として機能してもよい。
【0022】
<動作説明>次に、複数のPCの画面データをプロジェクタで同時に投影する場合の動作について説明する。
【0023】
プロジェクタ10の画面構成の変更は、プロジェクタ10とネットワーク15を介して通信可能に接続中の各PCから可能である。PC11上のアプリケーションにより起動されるユーザIF208をユーザが操作することにより、プロジェクタの画面構成の変更命令が通信部204を介してプロジェクタ10に送信される。これをプロジェクタ10の通信部105が受信し、この命令に従ってメモリ部106に格納されているプロジェクタ画面構成情報が書き換えられる。投影処理部101は、プロジェクタ画面構成情報を参照して画像データのレイアウトを決定し、表示部107に投影する。またプロジェクタ画面構成の変更は、ユーザがプロジェクタ10の操作部104を介して操作することも可能である。操作部104によりプロジェクタ画面構成の変更が指示された場合にも、同様にメモリ部106に格納されているプロジェクタ画面構成情報が書き換えられる。ここで、プロジェクタ10に表示していたPCの画像データのうち表示を停止するPCに対しては、通信部105を介して画面データ送信停止命令が送信され、この命令を受信したPCでは、画面データの取得処理及び送信処理が停止される。
【0024】
<動作説明>図3を参照して、本実施形態の画像表示システムを構成するプロジェクタ及びPCの各動作について説明する。
【0025】
図3(a)は、プロジェクタで複数のPCの画面データを同時に投影中において、PCからプロジェクタ画面構成の変更命令を受信した場合のプロジェクタの動作を示すフローチャートである。
【0026】
図3(a)において、プロジェクタ10で画像表示プログラムが起動されると、まず、CPU103は、接続中のPCから画面構成変更命令を受信しているか判定する(S301)。この判定処理は、通信部105がプロジェクタ10と接続が確立されているPC11〜14のいずれかから画面構成変更命令を受信したか否かを検出することで実現される。画面構成変更命令を受信したことを通信部105が検出すると、CPU103は、画面構成の変更が可能か否かを判定する(S302)。具体的には、ユーザによってプロジェクタ10の画面構成の変更を許可しない(禁止する)モードに設定されていないか、画面構成の変更が実現可能か、接続中のPCから既に画面構成を固定する命令を受信していないか判定する。ここで、画面構成の固定について補足すると、本実施形態のように画面構成が可変なシステムを用いてプレゼンテーション等を行っている際に、誤った操作によって全画面から4分割の投影表示などになってしまうなどのトラブルを防ぐための機能のことである。
【0027】
画面構成の変更が不可であれば(S302でNO)、画面構成の変更ができなかった旨を画面構成変更命令の送信元のPCに対して、通信部105を介して通知し(S306)、処理を終了する。一方、画面構成の変更が可能であれば(S302でYES)、画面構成変更処理を実施する。
【0028】
ここで画面構成変更処理について説明する。まず図4(a)は、図1に示した状況において、プロジェクタ10がメモリ部106で管理しているプロジェクタ画面構成情報を示している。プロジェクタ画面構成情報とはPCから受信した画像データをプロジェクタが投影可能な全領域の中のどの位置にどれくらいの大きさで表示するかを示すデータである。例えば、図1に示したように投影面20を4分割して画面を構成する場合、投影面全体の大きさを1600×1200pixelとすると、表示領域16〜19はこの投影面全体を4分割したものであり、図4(a)のように左上座標と右下座標が定まる。つまり表示領域16は図4(a)の23の行、表示領域17は24の行、表示領域18は25の行、表示領域19は26の行のようにそれぞれ記述されている。
【0029】
画面構成変更処理では、S301で受信した画面構成変更命令に従って上述したプロジェクタ画面構成情報が書き換えられる。なお、画面構成変更命令には、変更後の画面構成における各領域の座標が記述されてもよい。また、事前にプロジェクタとPCの間で、プロジェクタで設定可能な画面構成が送受信されていれば、画面構成1、画面構成2などのように具体的な画面構成情報と対応付けられたインディックス情報が記述されていてもよい。ここで説明の便宜上、図1に示した4分割画面表示から、図5に示す2分割画面表示に画面構成が変更されたとすると、プロジェクタ画面構成情報は図4(b)のように書き換えられる。
【0030】
図3(a)に戻り、CPU103は、画面構成情報が変更されたことをプロジェクタ10と接続中の全てのPCに対して通知する(S304)。これはプロジェクタの画面構成情報に従ってPC側で行う処理を変える必要があるため、PC側に現在のプロジェクタの画面構成情報を知らせることを目的としている。なお、S304において、画面構成の変更通知の受信完了を示すメッセージをPCから受信するまで、そのPCからの画面データを受け付けないように構成してもよい。
【0031】
S305では、CPU103は、プロジェクタ画面構成変更前の状態で表示中であったPCをプロジェクタ画面構成変更後も継続して表示するかどうかを決定するために、まず表示中のPCがあるかどうかを判定する。ここで表示中のPCがなければ(S305でNO)、処理を終了し、表示中のPCがあればS306に進む(S305でYES)。
【0032】
S306では、CPU103は、プロジェクタ投影面に画像データを表示中の各PCの表示を画面構成変更後に継続するか停止するかの判定を行う。この表示継続判定処理については後述するが、表示中のPCの表示を停止する判定がなされた場合には、そのPCに対して画面データの送信停止命令を送信する。この表示継続判定処理(S306)を表示中の全てのPCについて行い(S307、S308)、全てのPCに対して行った場合には(S307でYES)、本処理を終了する。
【0033】
ここでS306での表示継続判定処理について説明する。
【0034】
表示中のPCの表示を画面構成変更後も継続するか否かを判定するためには様々な方法が考えられる。第1には、画面構成変更前に表示中の全てのPCを画面構成変更後は表示停止にする方法がある。図6を用いて具体的に説明すると、変更前の図6(a)のように4分割画面に3つの画像データが表示されていたときに、2分割画面に変更されたとすると、変更後は図6(b)に示すように2分割された領域27、28には画像データの表示が行われない。
【0035】
第2には、画面構成変更命令の送信元のPCについては表示を継続し、それ以外の表示中のPCについては表示停止にする方法がある。この場合、表示を継続するPCにおいて変更後の画面構成におけるどの領域に表示するのが適切であるか判定する必要がある。
この判定方法として、変更前の表示領域の位置と最も近い領域に表示を継続する方法、変更前の表示領域の大きさに最も近い領域に表示を継続する方法、変更後の最も大きな表示領域に表示を継続する方法などが考えられる。図6を用いて具体的に説明すると、変更前は図6(a)の4分割画面表示であったものが、表示領域16の画像データの送信元のPCからの指示によって、2分割画面表示に変更されたとする。この場合、変更後は図6(c)のように表示領域29には画面構成変更命令の送信元のPCからの画像データの表示が継続され、他の表示領域30の表示は停止され何も表示されない。
【0036】
第3には、画面構成変更後に表示可能なPCの台数までは、表示中のPCの表示を継続する方法がある。この方法では、画面構成変更前に表示可能なPCの台数より変更後に表示可能なPCの台数が多くなった場合には、表示中のPCの表示は全て継続される。反対に画面構成変更前に表示可能なPCの台数より変更後に表示可能なPCの台数が少なくなった場合には、いずれかのPCの表示を停止させる必要がある。表示を停止するPCの選択基準としては、プロジェクタとPCとの接続が確立された時刻や表示継続時間などが考えられる。また、上記選択基準に従ってPCを選択する際には、画面構成変更命令の送信元のPCを除くことも可能である。図6を用いて具体的に説明すると、変更前に図6(a)の4分割画面から2分割画面に変更されると、変更後は図6(d)に示すように2つの画像データまでが表示可能となる。このため、上記選択基準に従ってPC11〜13のうち1台のPCの表示が停止され、残り2つのPCの表示が継続される。
【0037】
上述した第1から第3の方法はプロジェクタによって一意に設定されていてもよいし、ユーザによっていずれかの方法が選択可能となっていてもよい。
【0038】
図8はS306の表示継続判定処理を示すフローチャートである。
【0039】
図8において、CPU103は、プロジェクタ10の画面構成変更時の設定が上述した第1から第3の方法のいずれであるか判定する(S501、S503、S505)。
【0040】
第1の方法ならば(S501でYES)、画面構成変更時に表示中の全てのPCの表示を停止させるので、現在表示中のPC(X)に対して画面データの送信停止命令を送信して、本処理を終了する(S502)。
【0041】
第2の方法ならば(S502でYES)、画面構成変更命令の送信元のPCが表示中の場合には、そのPCの表示のみを継続し、残りのPCの表示を停止するので、現在表示中のPC(X)が画面構成変更命令の送信元であるかを判定する(S504)。判定の結果、画面構成変更命令の送信元であれば(S504でYES)、本処理を終了し、送信元でなければ(S504でNO)、S502で画面データの送信停止命令を送信して、本処理を終了する。
【0042】
第3の方法ならば(S502でNO)、画面構成変更後に可能な限り多くのPCの表示を継続させるので、現在表示中のPC(X)の表示を停止させるか判定する(S505)。判定の結果、停止するならば(S505でYES)、S502で画面データの送信停止命令を送信し、停止させないならば(S505でNO)、本処理を終了する。S505の表示を停止するか否かの判定には図7に示すような表示中のPC情報を利用する。この表示中のPCに関する情報には、現在表示中のPCごとの、表示継続時間とプロジェクタとの接続確立時刻が含まれている。これらの情報は、システム起動時からプロジェクタ10のCPU103によって管理され、メモリ部106に保持されている。S505の判定には上記PC情報をメモリ部106から読み出して利用する。例えば、表示継続時間が最も短いPCに対して画面データ送信停止命令を送信する場合には、図7に示した表示中の3台のPCのうち、PC13に対して画面データ送信停止命令を送信する。
【0043】
図3(b)は、プロジェクタで複数のPCの画面データを同時に投影中におけるPCでの動作を示すフローチャートである。
【0044】
図3(b)において、PCでアプリケーションが起動されると、まず、CPU203は、ユーザIF208を介してPCを操作するユーザからプロジェクタの画面構成を変更する要求があるか判定する(S401)。画面構成の変更要求がある場合には(S401でYES)、CPU203は、変更後の画面構成に従って画面構成変更命令を生成し、通信部204を介して、プロジェクタ10に画面構成変更命令を送信する(S402)。
【0045】
その後、CPU203は、通信部204を介して、プロジェクタ10から画面構成変更結果を受信するまで待つ(S403)。ここで画面構成変更結果とは、図3(a)のS306又はS304においてPCに通知される、プロジェクタの画面構成の変更が行われたか否かを示す通知や画面データ送信停止命令である。
【0046】
S403で画面構成変更結果を受信した後(S403でYES)、プロジェクタ10から画面構成情報を受信した場合(S404のYES)、受信したプロジェクタの画面構成情報をメモリ部207に保持する(S405)。また、画面構成情報を受信しなかった場合(画面構成の変更が実施されなかった場合(S404でNO)、S405での処理をスキップして、S406に進む。なお、画面構成変更後のプロジェクタの画面構成情報をPC側で保持する理由は、プロジェクタで画面データを表示する領域の大きさに合わせて、PC側で取得した画像データをリサイズする際に利用するためである。
【0047】
S406では、CPU203は、通信部204を介して、プロジェクタ10から画面データ送信停止命令を受信したか判定する。画面データ送信停止命令は、前述したように図3(a)のS306にてプロジェクタ10からPCに送信される。判定の結果、画面データ送信停止命令を受信した場合(S406でYES)、CPU203は、表示制御部201、画像処理部202、通信部204により実施されていた、画像データの取得、リサイズ、圧縮、送信の全ての処理を停止する(S407)。一方、画面データ送信停止命令を受信しなかった場合(S406でNO)、画面データの送信処理を継続する。ここで、あるPCによって画面構成が変更された場合、表示を停止する別のPCでは、ユーザに「他のPCによって画面構成が変更されたので、表示(画面データ送信)を停止する」ことを示すメッセージを提示する。この場合、プロジェクタ10から表示を停止するPCにのみメッセージを送信してもよい。
【0048】
本実施形態では、画面構成変更命令をプロジェクタ10と接続中のPCから受信する方法を例に説明したが、プロジェクタ10の操作部104によって画面構成が変更される構成としてもよい。この場合は、図3(a)のS301での処理が、操作部104によって画面構成変更が設定されたか監視する処理となる。また操作部104によって画面構成が変更された場合には、プロジェクタ自身が画面構成変更命令の送信元となるので、画面構成変更命令の送信元となるPCは存在しない。そのため、上述のように、画面構成変更命令の送信元のPCを優先的に表示継続と判定する処理は必要なくなる。
【0049】
本実施形態によれば、複数のPCの画面データをプロジェクタの投影面に同時に表示している場合に、画面構成の変更により同時表示可能な画面データ数が変更されても、ユーザに分かりやすい表示形態になるように表示を継続するか停止するかを判定する。
【0050】
[他の実施形態]本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上記実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の装置で表示されている画像データを受信し、受信した画像データを対応する表示領域に同時に表示することが可能な画像表示装置において、
前記複数の装置と通信可能に接続する通信手段と、
前記通信手段を介して前記複数の装置からそれぞれ送信される画像データを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した画像データの表示領域を設定する画面構成手段と、
前記画面構成手段により設定された表示領域に対応する画像データを表示する表示制御手段と、を備え、
前記画面構成手段は、前記通信手段を介して前記複数の装置のいずれかから画面構成の変更命令を受信すると、当該命令に従って画面構成を変更し、前記通信手段は、変更後の画面構成情報を接続中の全ての装置へ通知することを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記通信手段を介して画面構成の変更命令を受信すると、現在表示中の画像データの送信元の装置について画像データの表示を継続するか否かを判定する判定手段を更に有し、
前記通信手段は、前記判定手段による判定の結果、表示を停止すると判定された装置に対して送信停止命令を送信することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記判定手段は、前記通信手段を介して画面構成の変更命令を受信すると、現在表示中の画像データの送信元の全ての装置について表示を停止すると判定することを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記判定手段は、前記通信手段を介して画面構成の変更命令を受信すると、当該命令の送信元を除く、現在表示中の画像データの送信元の装置について表示を停止すると判定することを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記判定手段は、前記通信手段を介して画面構成の変更命令を受信すると、変更後の画面構成により表示可能な画像データの数を超えないように、現在表示中の画像データの送信元の装置について画像データの表示を継続するか否かを判定することを特徴とすることを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記判定手段は、前記画像データの表示を停止する装置から、前記画面構成の変更命令の送信元の装置を除くことを特徴とする請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記判定手段は、前記画像表示装置との接続が確立された時刻又は表示継続時間に応じて、現在表示中の画像データの送信元の装置について画像データの表示を継続するか否かを判定することを特徴とする請求項5又は6に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記画面構成手段は、前記画面構成の変更を許可しないモードで表示中の場合には、前記通信手段を介して画面構成の変更命令を受信しても、当該命令に従う画面構成の変更は行わないことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記画面構成の変更を許可しないモードは、全ての表示領域の変更又は複数の表示領域のうち一部の変更が禁止されていることを特徴とする請求項8に記載の画像表示装置。
【請求項10】
前記画面構成手段は、前記画面構成の変更命令の送信元の装置について、変更後の画面構成において表示可能な表示領域のうち最も大きな領域を割り当てることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項11】
表示部に表示中の画像データを送信し、送信先の画像表示装置において前記表示部に表示中の画像データを表示することが可能な情報処理装置において、
前記画像表示装置と通信可能に接続する通信手段と、
前記画像表示装置へ送信するために画像データを加工する画像処理手段と、
前記通信手段を介して前記加工された画像データを前記画像表示装置へ送信する送信手段と、
前記通信手段を介して前記画像表示装置へ画面構成の変更命令を送信し、当該命令に従って画面構成が変更された場合に、当該画像表示装置から画面構成情報を受信する制御手段と、を備え、
前記画像処理手段は、前記画面構成情報に応じて、前記画像データの加工を行うことを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記通信手段を介して前記画面構成の変更命令を送信した後、画像データの送信停止命令を受信した場合、前記画像表示装置への画像データの送信を停止することを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
複数の装置と通信可能に接続する通信手段を有し、前記複数の装置で表示されている画像データを受信し、受信した画像データを対応する表示領域に同時に表示することが可能な画像表示装置の制御方法であって、
前記通信手段を介して前記複数の装置からそれぞれ送信される画像データを受信する受信工程と、
前記受信工程により受信した画像データの表示領域を設定する画面構成工程と、
前記画面構成工程により設定された表示領域に対応する画像データを表示する表示工程と、を備え、
前記画面構成工程では、前記通信手段を介して前記複数の装置のいずれかから画面構成の変更命令を受信すると、当該命令に従って画面構成を変更し、前記通信手段は、変更後の画面構成情報を接続中の全ての装置へ通知することを特徴とする制御方法。
【請求項14】
画像表示装置と通信可能に接続する通信手段を介して、表示部に表示中の画像データを送信し、送信先の画像表示装置において前記表示部に表示中の画像データを表示することが可能な情報処理装置の制御方法であって、
前記画像表示装置へ送信するために画像データを加工する画像処理工程と、
前記通信手段を介して前記加工された画像データを前記画像表示装置へ送信する送信工程と、
前記通信手段を介して前記画像表示装置へ画面構成の変更命令を送信し、当該命令に従って画面構成が変更された場合に、当該画像表示装置から画面構成情報を受信する制御工程と、を備え、
前記画像処理工程では、前記画面構成情報に応じて、前記画像データの加工を行うことを特徴とする制御方法。
【請求項15】
複数の情報処理装置が画像表示装置と通信可能に接続され、それぞれの情報処理装置で表示されている画像データを受信し、受信した画像データを前記画像表示装置の対応する表示領域に同時に表示することが可能な画像表示システムであって、
前記画像表示装置は、
前記複数の情報処理装置と通信可能に接続する通信手段と、
前記通信手段を介して前記複数の情報処理装置からそれぞれ送信される画像データを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した画像データの表示領域を設定する画面構成手段と、
前記画面構成手段により設定された表示領域に対応する画像データを表示する表示制御手段と、を備え、
前記画面構成手段は、前記通信手段を介して前記複数の情報処理装置のいずれかから画面構成の変更命令を受信すると、当該命令に従って画面構成を変更し、前記通信手段は、変更後の画面構成情報を接続中の全ての装置へ通知し、
前記情報処理装置は、
前記画像表示装置と通信可能に接続する通信手段と、
前記画像表示装置へ送信するために画像データを加工する画像処理手段と、
前記通信手段を介して前記加工された画像データを前記画像表示装置へ送信する送信手段と、
前記通信手段を介して前記画像表示装置へ画面構成の変更命令を送信し、当該命令に従って画面構成が変更された場合に、当該画像表示装置から画面構成情報を受信する制御手段と、を備え、
前記画像処理手段は、前記画面構成情報に応じて、前記画像データの加工を行うことを特徴とする画像表示システム。
【請求項16】
コンピュータを、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像表示装置又は請求項11又は12に記載の情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項17】
コンピュータを、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像表示装置又は請求項11又は12に記載の情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラムを記憶したコンピュータによる読み取りが可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−113936(P2013−113936A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258214(P2011−258214)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】