説明

画像表示装置、画像表示システム、画像表示方法、プログラムおよび記録媒体

【課題】過去に表示された背景画像の描画画像を再度表示することができ、また、背景画像の移動に連動して描画画像を表示することができる画像表示装置、画像表示システム、画像表示方法、プログラムおよび記録媒体を提供すること。
【解決手段】本発明の画像表示装置は、表示画面に表示すべき映像フレームと当該映像フレームに重畳して描画すべき描画画像の構成情報とが関連付けて登録されたデータベースを参照して、映像フレーム提供装置から受信した映像フレームと同一の映像フレームが存在するか否か判断し、当該映像フレームと同一であると判断した映像フレームに関連付けられた描画画像の構成情報によって構成される描画画像を表示画面に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、任意の画像を表示画面に表示させる画像表示装置に関し、より詳細には、ユーザが描画した画像を表示画面に表示させる画像表示装置、画像表示システム、画像表示方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、企業や教育機関、行政機関等における会議等において、大型ディスプレイに背景画像を表示させ、その上にユーザが文字や数字、図形等の描画画像を書き込み可能な電子黒板が利用されている。
【0003】
このような電子黒板として、現在、スマートテクノロジーズ社のSmartBoard、日立ソフトウェアエンジニアリング社のStarBoard(登録商標)およびパイオニア社のサイバーカンファレンス(登録商標)等が提供されている。また、特許文献1は、座標入力/検出装置を備えた電子黒板システムを開示する。これらの電子黒板は、黒板の役割をする画面上に背景画像を表示し、その画面上にタッチパネルを用いて描かれた描画画像を重畳して表示する機能を備えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した電子黒板は、背景画像として表示された映像フレームが変更され、再度同一の背景画像を表示する場合に、その描画画像を重畳して表示することができないという問題がある。また、背景画像を別の画像に完全に切り替えるのではなく段階的にスクロールして移動させた場合に、その描画画像を背景画像に連動させて表示することができない。
【0005】
本発明は上記の課題を解決するものであり、過去に表示された背景画像の描画画像を再度表示することができ、また、背景画像の移動に連動して描画画像を表示することができる画像表示装置、画像表示システム、画像表示方法、プログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像表示装置は、表示画面に表示すべき映像フレームと描画画像の構成情報とが関連付けて登録されるデータベースを参照して、映像フレーム提供装置から受信した映像フレームと同一の映像フレームが存在するか否か判断し、同一であると判断した映像フレームに関連付けられた描画画像の構成情報によって構成される描画画像を表示画面に表示させる。これにより、過去に画像表示装置に表示された背景画像が再び表示された場合、その背景画像に関連付けられた描画画像を再度表示することができる。
【0007】
また、本発明の画像表示装置は、映像フレーム提供装置から受信した連続する2の映像フレームの移動量を算出し、描画画像の構成情報から移動量分移動した描画画像の構成情報を生成し、その描画画像を表示させる。これにより、スクロールにより移動した背景画像に連動して描画画像を表示することができる。
【0008】
さらに、本発明の画像表示装置は、移動量分移動した描画画像の構成情報から表示画面の表示領域内に表示可能な描画画像の構成情報を抽出し、その描画画像を表示させる。これにより、スクロールにより移動した背景画像に連動して描画画像を表示する場合に、画像表示装置の表示画面領域内に表示可能な描画画像を適切に表示することができる。
【0009】
本発明によれば、過去に表示された背景画像に描画された描画画像を再度表示することができ、また、背景画像の移動に連動して描画画像を表示することができる画像表示システム、画像表示方法、プログラムおよび記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態の画像表示システムを示した図。
【図2】本実施形態の画像表示装置の機能構成を示す図。
【図3】本実施形態の画像表示装置が実行する処理を示すフローチャート。
【図4】本実施形態の画像表示装置の使用状態を示す図。
【図5】本実施形態の画像表示装置が使用するスナップショット履歴情報テーブルを示す図。
【図6】別の実施形態の画像表示装置の機能構成を示す図。
【図7】別の実施形態の画像表示装置が実行する処理を示すフローチャート。
【図8】別の実施形態の画像表示装置が実行する処理を示すフローチャート。
【図9】画像表示装置に表示される映像フレームの実施形態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について実施形態をもって説明するが、本発明は、後述する実施形態に限定されるものではない。
【0012】
図1は、本実施形態の画像表示システム100を示す。画像表示システム100は、画像表示装置110と、ユーザPC120とを含む。
【0013】
画像表示装置110は、ユーザPC120から受信した背景画像である映像フレームを表示するとともに、ユーザが描画した描画画像を表示させる装置である。画像表示装置110は、表示部112と、操作ボタン114,116と、映像フレーム入力部118とを含んで構成される。
【0014】
表示部112は、背景画像および描画画像を表示する機能手段である。また、表示部112は、その表面にタッチパネルが設置されており、タッチパネルを構成する接触位置センサによりユーザの接触位置を検出することができる。
【0015】
操作ボタン114,116は、画像表示装置110の動作モードの切り替えを指示する機能手段である。なお、画像表示装置110の動作モードの切り替えについては、より詳細に後述する。
【0016】
映像フレーム入力部118は、ユーザPC120から表示部112に表示される背景画像である映像フレームを受信する機能手段である。本実施形態では、映像フレーム入力部としてVGA(Video Graphics Array)端子により構成されるVGA入力コネクタを採用することができ、ユーザPC120からVGAケーブル等のケーブル122を介してVGA信号を受信し、画像表示装置110に含まれるコントローラ(図示せず)にVGA信号を供給する。他の実施形態では、映像フレーム入力部118は、BluetoothやWiFi等の無線通信プロトコルに準拠した無線通信により、ユーザPC120から画像データを受信してもよい。
【0017】
画像表示装置110は、PENTIUM(登録商標)プロセッサまたは互換プロセッサを搭載し、WINDOWS(登録商標)シリーズ、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)、ITRON、μITRONなどのOSの管理下で、アセンブラ、C、C++、Java(登録商標)、JavaScript(登録商標)、PERL、RUBY、PYTHONなどのプログラム言語で記述された本発明のプログラムを実行する。また、画像表示装置110は、本発明のプログラムを実行するための実行空間を提供するRAM、プログラムやデータなどを持続的に保持するためのハードディスク装置(HDD)などを含んでおり、本発明のプログラムを実行することにより、本実施形態の各機能手段を画像表示装置上に実現する。
【0018】
本発明のプログラムは、HDD、CD−ROM、MO、フレキシブルディスク、EEPROM、EPROMなどの装置可読な記録媒体に格納して頒布することができ、また他装置が可能な形式でネットワークを介して伝送することができる。
【0019】
ユーザPC120は、画像表示装置110に背景画像である映像フレームを提供する映像フレーム提供装置である。図1に示す実施形態では、ユーザPCとしてノート型PCを採用するが、他の実施形態では、デスクトップ型のパーソナルコンピュータやPDA等の画像データを供給可能な情報処置装置を採用することができる。ユーザPC120は、背景画像を出力するインタフェースを備えており、その表示画面に表示されている表示画像を画像表示装置110に供給する。本実施形態では、ユーザPC120は、インタフェースとしてVGA出力コネクタを備えており、表示画像をVGA信号として画像表示装置110に供給することができる。他の実施形態では、ユーザPC120は、各種無線通信プロトコルに準拠した無線通信により、表示画像を送信してもよい。
【0020】
図2は、本実施形態の画像表示装置200の機能構成を示す図である。以下、図2を参照して、画像表示装置200の機能構成について説明する。
【0021】
画像表示装置200は、コントローラ202と、表示部250と、タッチパネル260とを含んで構成される。コントローラ202は、ユーザPC270から受信した背景画像と、タッチパネル260を介して入力された描画画像とを処理する機能手段である。コントローラ202は、映像フレーム分配部210と、表示出力制御部212と、表示制御部214とを含んで構成される。
【0022】
映像フレーム分配部210は、ユーザPC270から受信した表示部250に表示すべき映像フレームを取得し、表示出力制御部212または映像フレーム取得部216に分配する機能手段である。本実施形態では、映像フレーム分配部210は、操作ボタンにより指定可能な動作モードに応じて、VGA信号等のアナログ信号で構成された映像フレームを分配する。具体的には、画像表示装置200の動作モードが、第1の状態である映像フレーム表示モードの場合には、映像フレーム分配部210は、映像フレームを表示出力制御部212に提供する。一方、第2の状態である描画画像表示モードが指定されている場合には、映像フレーム分配部210は、映像フレームを映像フレーム取得部216に提供する。
【0023】
表示出力制御部212は、モード切替制御部238の要求に応じて、表示制御部214に対して映像フレームを選択的に出力する機能手段である。本実施形態では、表示出力制御部212は、2入力1出力のトグル動作スイッチ回路によって構成することができる。表示出力制御部212は、第1の状態である映像フレーム表示モードの場合には、映像フレーム分配部210から受信した映像フレームを表示制御部214に提供し、第2の状態である描画画像表示モードが指定されている場合には、表示画像生成部236から受信した映像フレームを表示制御部214に提供する。
【0024】
表示制御部214は、表示出力制御部212から受信した映像フレームを表示部250に表示させる機能手段である。表示制御部214は、表示出力制御部212から受信した映像フレームを構成するアナログ信号を表示部250に送付して映像フレームを表示させる。
【0025】
また、コントローラ202は、映像フレーム取得部216と、スナップショット情報格納部218と、動的表示制御部220とを含んで構成される。
【0026】
映像フレーム取得部216は、第2の状態である描画画像表示モードが指定されている場合に、映像フレーム分配部210から取得した映像フレームをスナップショット情報格納部218に順次格納する機能手段である。映像フレーム取得部216は、VGA信号等のアナログ信号で構成された映像フレームをデジタルの映像フレームにA/D変換して、スナップショット情報格納部218に格納する。また、映像フレーム取得部216は、他の機能手段の要求に応じて、スナップショット情報格納部218から映像フレームを取得して提供する。
【0027】
スナップショット情報格納部218は、映像フレームおよび描画画像のスナップショット情報である最新の映像フレームおよび最新の描画画像を構成する情報(以下、描画画像構成情報として参照する。)が格納される記憶手段である。スナップショット情報格納部218には、ユーザPC270から受信した表示部250に表示すべき最新の映像フレームが順次保存される。また、スナップショット情報格納部218には、後述する描画処理部により、タッチパネルを使用してユーザが描画した最新の描画画像構成情報が格納される。
【0028】
動的表示制御部220は、第2の状態である描画画像表示モードが指定されている場合に、表示部250に表示されている映像フレームと、ユーザがタッチパネル260を使用して表示部250に描画した描画画像とを関連付ける機能手段である。動的表示制御部220は、映像フレーム管理部222と、映像フレーム判別部226と、映像フレームバッファメモリ224と、スナップショット履歴情報処理部228と、スナップショット履歴情報データベース230とを含んで構成される。
【0029】
映像フレーム管理部222は、ユーザPC270から受信した映像フレームを取得すると共に、動的表示制御部220に含まれる他の機能手段の要求に応じて、取得した映像フレームを提供し、または映像フレームバッファメモリ224に格納する機能手段である。映像フレーム管理部222は、定期的に映像フレーム取得部216にload要求を発行して、スナップショット情報格納部218に格納された最新の映像フレームを取得し、RAMやレジスタ等の記憶装置(図示せず)に一時的に保存する。また、映像フレーム管理部222は、スナップショット情報格納部218から取得した映像フレームを固有に識別する情報である映像フレーム識別情報を生成する。本実施形態では、1/30秒毎に映像フレームを取得するが、他の実施形態では、任意の間隔で映像フレームを取得してもよい。
【0030】
映像フレームバッファメモリ224は、映像フレーム管理部222がスナップショット情報格納部218から取得した映像フレームが格納される記憶手段である。映像フレームバッファメモリ224には、スナップショット情報格納部218から定期的に取得した映像フレームが順次格納される。
【0031】
映像フレーム判別部226は、映像フレーム取得部216から取得した連続する2の映像フレームの同一性を判断する機能手段である。すなわち、映像フレーム判別部226は、ユーザPC270から新しい映像フレームを受信したか否か判断する。
【0032】
本実施形態では、映像フレーム判別部226は、これらの映像フレームに含まれる1以上の特定の領域を参照領域とし、双方の映像フレームに含まれる参照領域を比較する。比較の結果、参照領域が同一であれば、これらの映像フレームが同一であると判断し、参照領域が相違すれば、これらの映像フレームが相違すると判断する。参照領域を比較する場合、映像フレーム判別部226は、双方の映像フレームの参照領域の画素値の合計値を算出し、対応する参照領域の画素値の合計値を比較して、参照領域が同一であるか否か判別することができる。参照領域の画素値の合計値の算出には、参照領域の積分画像を使用することができる。
【0033】
本実施形態では、下記数式1を使用して、映像フレームの同一性を判別することができる。ここで、Rkは、第1の映像フレームの参照領域kの画素値の合計値を示し、Skは、第2の映像フレームの参照領域kの画素値の合計値を示す。また、Nは参照領域の数を示す。
【0034】
【数1】

【0035】
上記数式1の条件を満たす場合には、第1の映像フレームと第2の映像フレームは同一であると判断することができる。
【0036】
また、他の実施形態では、映像フレーム判別部226は、双方の映像フレーム全体の画素値の合計値を算出して、これらの映像フレームが同一であるか否か判断することができる。
【0037】
映像フレーム判別部226は、上述した判別処理の結果、連続する2の映像フレームが相違すると判断した場合、スナップショット履歴情報処理部228に対して、ユーザPC270から新たな映像フレームを受信した旨の通知をする。
【0038】
スナップショット履歴情報処理部228は、ユーザPC270から受信した映像フレームと描画画像とを関連付けて、スナップショット履歴情報データベース230のスナップショット履歴情報テーブルに登録する機能手段である。スナップショット履歴情報処理部228は、映像フレーム判別部226がユーザPC270から新たな映像フレームを受信したと判断した場合、スナップショット情報格納部218から最新の描画画像構成情報を取得し、当該描画画像構成情報と映像フレーム管理部222が取得した映像フレームとを関連付け、スナップショット履歴情報テーブルに保存する。
【0039】
スナップショット履歴情報データベース230は、スナップショット情報の履歴情報であるスナップショット履歴情報を登録するスナップショット履歴情報テーブルが格納される記憶手段である。スナップショット履歴情報データベース230は、スナップショット履歴情報処理部228の要求に応じて、そのスナップショット履歴情報テーブルのデータ内容が変更される。なお、スナップショット履歴情報テーブルについては、図5を参照して登録される情報とともに後述する。
【0040】
さらに、コントローラ202は、タッチパネル制御部232と、描画処理部234と、表示画像生成部236と、モード切替制御部238とを含む。
【0041】
タッチパネル制御部232は、タッチパネル260を制御し、描画画像構成情報を取得する機能手段である。タッチパネル制御部232は、第2の状態である描画画像表示モードが指定されている場合に、タッチパネル260を駆動し、その接触位置座標を取得して描画処理部234に提供する。
【0042】
本実施形態では、タッチパネル制御部232として、タッチパネルを制御可能なデバイスドライバを採用することができる。タッチパネル制御部232は、描画画像を構成する線分の太さや色等の描画画像属性情報を指定可能なユーザインタフェースを表示部250に表示可能であり、これらの描画画像属性情報を描画画像構成情報として描画処理部234に提供することができる。
【0043】
描画処理部234は、第2の状態である描画画像表示モードが指定されている場合に、描画画像構成情報をスナップショット情報格納部218に保存する機能手段である。描画処理部234は、タッチパネル制御部232から描画画像構成情報を受信すると、順次、スナップショット情報格納部218に保存する。これにより、スナップショット情報格納部218には、最新の描画画像構成情報が格納される。
【0044】
表示画像生成部236は、第2の状態である描画画像表示モードが指定されている場合に、表示部250に表示すべき映像フレームである表示画像を生成する機能手段である。表示画像生成部236は、定期的にスナップショット情報格納部218から最新の映像フレームおよび描画画像構成情報を取得し、この描画画像構成情報から描画画像を生成して映像フレームに合成し、アナログ信号に変換して表示画像を生成する。
【0045】
より詳細には、表示画像生成部236は、最新の映像フレームに対し、描画画像構成情報に含まれる各接触位置座標が示す座標位置の画素値を、描画画像属性情報が示す色に応じた画素値に変更することにより描画画像を生成することができる。また、線分の太さが指定されている場合には、接触位置座標が示す座標位置を中心とした所定の範囲を、描画画像属性情報が示す色に応じた画素値に変更して描画画像を生成することができる。当該所定の範囲は、線分の太さに応じて予め設定することができる。表示画像生成部236は、このようにして生成された表示画像を表示出力制御部212に提供し、当該表示画像が表示部250に表示される。
【0046】
本実施形態では、表示画像生成部236は、映像フレーム管理部222が映像フレームを取得する間隔と同等またはそれよりも短い間隔で表示画像を生成し、表示部250に表示させることが好適である。
【0047】
モード切替制御部238は、画像表示装置200の動作モードの切替制御を行う機能手段である。モード切替制御部238は、ユーザが押下した操作ボタンの種別に応じて、または映像フレーム判別部226の命令に応じて動作モードを切り替える。本実施形態では、操作ボタン「A」が押下された場合には、モード切替制御部238は、画像表示装置200の動作モードを第1の状態である映像フレーム表示モードに切り替え、操作ボタン「B」が押下された場合には、画像表示装置200の動作モードを第2の状態である描画画像表示モードに切り替える。
【0048】
具体的には、モード切替制御部238は、表示出力制御部212に対して、表示すべき映像フレームを受信する入力端子を切り替える旨の命令を送付して、入力端子を切り替えさせる。また、モード切替制御部238は、描画処理部234に対して、描画処理部234の動作を起動(Enable)または停止(Disable)する旨の命令を送付して、描画処理部234をEnable状態またはDisable状態にする。
【0049】
図3は、本実施形態の画像表示装置が、第2の状態である描画画像表示モードが指定されたときに実行する処理を示すフローチャートである。図3は、ステップS300で開始し、ステップS301では、映像フレーム管理部222が、ユーザPC270から映像フレームを受信したか否か判断する。本実施形態では、映像フレームの受信の有無は、映像フレーム取得部216が映像フレームを取得したときに、映像フレームの取得の有無を示す専用レジスタの値を、映像フレームを取得したことを示す値に変更し、映像フレーム取得部216が当該専用レジスタの値を参照することにより判断できる。また、映像フレーム取得部216は、一定時間映像フレームを取得しない場合には、当該専用レジスタの値を、映像フレームを取得していないことを示す値に変更する。
【0050】
ステップS301で映像フレームが入力されていないと判断した場合には(no)、ステップS301の処理を反復させる。一方、映像フレームが入力されていると判断した場合には(yes)、処理をステップS302に分岐させる。ステップS302では、スナップショット履歴情報処理部228が、スナップショット履歴情報データベース230内のスナップショット履歴情報テーブルと、映像フレームの存否を示す割り込みフラグとを初期化する。本実施形態では、割り込みフラグを、映像フレームが存在することを示す値に設定することで初期化する。本実施形態では、初期値として「true」を使用する。
【0051】
ステップS302の処理が実行されると、次いで、ステップS303の処理およびステップS317の処理が実行される。
【0052】
ステップS317では、映像フレーム管理部222が、ユーザPC270から別の映像フレームを受信したか否か判断し、別の映像フレームを受信した場合には(yes)、ステップS317の処理を反復させる。一方、別の映像フレームを受信していない場合には(no)、処理をステップS318に分岐させ、割り込みフラグを、映像フレームを受信していないことを示す値に設定し、ステップS319で処理が終了する。本実施形態では、映像フレームを受信していないことを示す値として「False」を使用する。
【0053】
ステップS303では、映像フレーム管理部222は、映像フレームバッファメモリ224と、当該映像フレームバッファメモリ224に格納される映像フレームの映像フレーム識別情報が代入される映像フレーム格納変数とを初期化する。ステップS304では、映像フレーム管理部222は、割り込みフラグが初期値「true」であるか否か、すなわち、映像フレームを受信しているか否か判断する。割り込みフラグが初期値「true」でない場合には(no)、処理をステップS308に分岐させる。ステップS308では、スナップショット履歴情報処理部228が、スナップショット履歴情報データベース230内のスナップショット履歴情報テーブルの内容を、ログやジャーナル等として不揮発性の記憶装置に保存し、ステップS319で処理が終了する。
【0054】
一方、割り込みフラグが初期値「true」である場合には(yes)、処理をステップS305に分岐させ、ステップS305では、映像フレーム管理部222は、所定時間が経過したか否か判断する。所定時間が経過していない場合には(no)、ステップS305の処理を反復させる。一方、所定時間が経過した場合には(yes)、処理をステップS306に分岐させる。
【0055】
本実施形態では、ハードウェアタイマまたはソフトウェアタイマーを用いて時間を計測することができる。例えば、ステップS304で割り込みフラグが初期値「true」であると判断したときにタイマーに時間計測を開始させ、ステップS305においてタイマーの計測時間を取得することにより、所定時間(例えば、1/30秒等)が経過したか否か判断することができる。
【0056】
ステップS306では、映像フレーム管理部222は、映像フレーム取得部216を介してスナップショット情報格納部218から最新の映像フレームを取得し、その映像フレーム識別情報を映像フレーム格納変数に代入する。ステップS307では、映像フレーム判別部226が、映像フレームバッファメモリ224に既に格納されている映像フレームのうち最後に格納された映像フレーム(以下、直前の映像フレームとして参照する。)と、ステップS306で映像フレーム格納変数に格納された映像フレーム識別情報が示す映像フレームとが同一であるか否か判断する。ステップS307の判定で映像フレームが同一であると判断した場合には(yes)、処理をステップS304に分岐させ、一方、映像フレームが相違すると判断した場合には(no)、処理をステップS309に分岐させる。
【0057】
ステップS309では、映像フレーム判別部226は、映像フレーム管理部222を介して、映像フレーム格納変数が示す映像フレーム識別情報と当該映像フレーム識別情報が示す映像フレームとを映像フレームバッファメモリ224に追加する。ステップS310では、スナップショット履歴情報処理部228が、スナップショット履歴情報データベース230内のスナップショット履歴情報テーブルを参照し、映像フレーム格納変数に代入された映像フレーム識別情報が示す最新の映像フレームと同一の映像フレームが存在するか否か判断する。
【0058】
本実施形態では、スナップショット履歴情報処理部228は、映像フレーム判別部226が実行する映像フレームの同一性の判別方法を採用することができ、スナップショット履歴情報テーブルに登録された映像フレーム識別情報が示す映像フレームを映像フレームバッファメモリ224から順次取得し、当該方法を用いて最新の映像フレームと比較をする。また、他の実施形態では、スナップショット履歴情報処理部228が、映像フレーム判別部226に対して映像フレームの同一性を判別させることもでき、映像フレーム判別部226は、スナップショット履歴情報テーブルに登録された映像フレーム識別情報が示す映像フレームを映像フレームバッファメモリ224から順次取得して、最新の映像フレームと比較をする。
【0059】
ステップS310の判定で映像フレーム格納変数が示す映像フレームと同一の映像フレームが存在しないと判断した場合には(no)、処理をステップS311に分岐させる。ステップS311では、スナップショット履歴情報処理部228は、スナップショット情報格納部218に描画画像構成情報が保存されているか否か判断する。描画画像構成情報が保存されていない場合には(no)、処理をステップS314に分岐させる。一方、描画画像構成情報が保存されている場合には(yes)、処理をステップS312に分岐させる。
【0060】
ステップS312では、スナップショット履歴情報処理部228は、スナップショット情報格納部218から最新の描画画像構成情報を取得し、映像フレーム格納変数が示す映像フレーム識別情報と関連付けてスナップショット履歴情報テーブルに登録する。ステップS313では、スナップショット履歴情報処理部228は、スナップショット情報格納部218に保存されている描画画像構成情報を削除する。
【0061】
ステップS314では、スナップショット履歴情報処理部228は、モード切替制御部238に対して画像表示装置の動作モードを第1の状態に切り替える旨の命令を送信し、モード切替制御部238が動作モードを切り替える。ステップS314の処理が終了すると、ステップS304の処理が実行される。
【0062】
一方、ステップS310の判定で映像フレーム格納変数が示す映像フレームと同一の映像フレームが存在すると判断した場合には(yes)、処理をステップS315に分岐させる。ステップS315では、スナップショット履歴情報処理部228は、スナップショット履歴情報テーブルを参照して、ステップS310で同一と判断した映像フレームに関連付けられた描画画像構成情報を取得し、スナップショット情報格納部218に保存する。これにより、過去に画像表示装置に表示された背景画像が再び表示された場合、その背景画像に関連付けられた描画画像を当該背景画像とともに再度表示することができる。
【0063】
ステップS316では、スナップショット履歴情報処理部228は、モード切替制御部238に対して画像表示装置の動作モードを第2の状態に切り替える旨の命令を送信し、モード切替制御部238が動作モードを切り替える。ステップS316の処理が終了すると、ステップS304の処理が実行される。
【0064】
図4は、本実施形態の画像表示装置の使用状態を示す図である。画像表示装置400の表示部には、PC420に表示された映像フレーム422と同一の映像フレーム410と、ユーザが描いた描画画像412とが重畳して表示されている。本実施形態では、描画画像412の接触位置座標は、画像表示装置420の表示部の左上点を原点とする座標値として与えられる。
【0065】
図5は、本実施形態の画像表示装置が使用するスナップショット履歴情報テーブル500を示す。スナップショット履歴情報テーブル500は、映像フレーム識別情報510と、描画画像構成情報520とが関連付けて登録される。
【0066】
映像フレーム識別情報510は、画像表示装置が受信した映像フレームを固有に識別可能な情報である。図5に示す実施形態では、映像フレーム識別情報として、数字列および映像フレームの保存形式を示す文字列の結合を使用しているが、他の実施形態では、他の数字列、文字列および/またはこれらの結合を使用してもよい。
【0067】
描画画像構成情報520は、ユーザがタッチパネルを使用して描いた描画画像を構成する情報である。描画画像構成情報は、ユーザがタッチパネルに接触した位置を示す情報を含んでおり、画像表示装置の表示部上の座標値を使用して表すことができる。図5に示す実施形態では、描画画像構成情報として描画画像を表示すべき座標値のみが示されているが、他の実施形態では、座標値に加えて、描画画像の表示色や線分の太さ等の描画画像の属性情報を映像フレーム識別情報と関連付けて登録してもよい。
【0068】
図6は、別の実施形態の画像表示装置600の機能構成を示す図である。以下、図6を参照して、画像表示装置600の機能構成について説明する。なお、図2に示す画像表示装置200の機能手段と同一の機能を有する機能手段については、説明を省略する。
【0069】
図6に示す実施形態では、動的表示制御部620は、映像フレーム管理部622と、映像フレームバッファメモリ624と、映像フレーム判別部626と、スナップショット履歴情報処理部628と、スナップショット履歴情報データベース630と、スクロール量算出部640とを含んで構成される。
【0070】
スクロール量算出部640は、ユーザPC670から受信した映像フレームがスクロールによって移動したときの移動量であるスクロール量を算出する機能手段である。スクロール量算出部640は、映像フレーム管理部622が取得した連続する2の映像フレームの水平方向または垂直方向のスクロール量を算出する。具体的には、スクロール量算出部640は、
(1)連続する2つの映像フレームに対して、各映像フレームを構成する画素の値を、単一の画素または複数の画素群毎に比較してその差分を算出し、
(2)各映像フレームから差分のない画素を除いた領域を各映像フレームのスクロール領域として特定し、
(3)各映像フレームのスクロール領域について、スクロール量の算出に使用する参照領域を特定し、
(4)各映像フレームの参照領域を比較して参照領域の同一性を判断し、同一と判断した参照領域の水平方向および/または垂直方向の移動量を映像フレームのスクロール量として算出する。
【0071】
上記(3)の処理における参照領域の特定は、映像フレームの垂直方向のスクロール量を算出する場合には、スクロール領域を垂直方向に分割して複数のサブスクロール領域にし、各サブスクロール領域に対して、その全領域が空白であるサブスクロール領域以外のサブスクロール領域を参照領域とすることにより行われる。一方、映像フレームの水平方向のスクロール量を算出する場合には、スクロール領域を水平方向に分割して複数のサブスクロール領域にし、各サブスクロール領域に対して、その全領域が空白であるサブスクロール領域以外のサブスクロール領域を参照領域とすることにより行われる。
【0072】
そして、上記(4)の処理において、テンプレートマッチング等のパターン認識方法を用いて、最新の映像フレームの1の参照領域が、直前の映像フレームの参照領域のいずれかと同一であるか否か判断する。同一の参照領域が存在する場合には、これらの参照領域の基準位置の座標値(例えば、参照領域の左上点の座標値等)を比較してスクロール量を算出する。また、最新の映像フレームの他の参照領域について、直前の映像フレームの参照領域のいずれかと同一のものが存在するか否か判断し、同一の参照領域が存在する場合には、これらの参照領域の基準位置の座標値を使用してスクロール量を算出することができる。
【0073】
本実施形態では、下記数式2を使用して、同一と判断された参照領域の移動量の平均値を、映像フレームのスクロール量として算出することができる。ここで、Rxkは、第1の映像フレームの参照領域kの左上点のxの座標値を示し、Rykは、第1の映像フレームの参照領域kの左上点のyの座標値を示す。また、Sxkは、第2の映像フレームの参照領域kの左上点のxの座標値を示し、Sykは、第2の映像フレームの参照領域kの左上点のyの座標値を示す。さらに、Nは、第1の映像フレームおよび第2の映像フレームについて同一であると判別された参照領域の数を示す。
【0074】
【数2】

【0075】
本実施形態では、上記数式2において、最新の映像フレームを第1の映像フレームとし、直前の映像フレームを第2の映像フレームとすることができる。また、他の実施形態では、直前の映像フレームを第1の映像フレームとし、最新の映像フレームを第2の映像フレームとすることができる。
【0076】
スクロール量算出部640は、スクロール量の算出が終了すると、算出したスクロール量をスナップショット履歴情報処理部628に通知する。
【0077】
スナップショット履歴情報処理部628は、スクロール量算出部640が算出したスクロール量を使用して描画画像構成情報を変更し、スナップショット情報格納部618に格納し、または、スナップショット情報格納部618に格納された描画画像構成情報を削除する。また、スナップショット履歴情報処理部628は、スクロール量に応じて変更した描画画像構成情報と、スナップショット情報格納部618に格納された映像フレームとを関連付けて、スナップショット履歴情報処理部628のスナップショット履歴情報テーブルに登録する。
【0078】
図7および図8は、図6に示す画像表示装置が実行する処理を示すフローチャートである。以下、図7および図8を参照して、当該画像表示装置が実行する処理について説明する。なお、図7に示す処理のステップS700〜S711は、図3に示す処理のステップS300〜S308、S317〜S319と同じであるため、説明を省略する。
【0079】
図8の処理は、図3に示すステップS309〜S316の処理に対応し、映像フレーム判別部626が、連続する2の映像フレームが相違すると判断した場合に実行される。ステップS801では、スナップショット履歴情報処理部628が、スナップショット履歴情報データベース630のスナップショット履歴情報テーブルを参照し、ステップS706で第1の映像フレーム格納変数に代入された映像フレーム識別情報が示す最新の映像フレームと同一の映像フレームが存在するか否か判断する。
【0080】
ステップS801の判定で第1の映像フレーム格納変数が示す映像フレームと同一の映像フレームが存在すると判断した場合には(yes)、処理をステップS817に分岐させる。ステップS817では、スナップショット履歴情報処理部628は、スナップショット履歴情報テーブルを参照し、第1の映像フレーム格納変数が示す映像フレームと同一であると判断した映像フレームの映像フレーム識別情報に関連付けられた描画画像構成情報を取得し、スナップショット情報格納部618に保存する。これにより、過去に画像表示装置に表示された背景画像が再び表示された場合、その背景画像に関連付けられた描画画像を当該背景画像とともに再度表示することができる。ステップS818では、スクロール量取得部640が、モード切替制御部638に画像表示装置600の動作モードを第2の状態に切り替えさせる。
【0081】
一方、ステップS801の判定で、第1の映像フレーム格納変数が示す映像フレームと同一の映像フレームが存在しないと判断した場合には(no)、処理をステップS802に分岐させる。ステップS802では、スナップショット履歴情報処理部628が、映像フレームバッファメモリ624に最後に格納された映像フレームを示す映像フレーム識別情報を第2の映像フレーム格納変数に代入する。ステップS803では、スナップショット履歴情報処理部628は、映像フレーム管理部622を介して、第1の映像フレーム格納変数が示す映像フレーム識別情報と、当該映像フレーム識別情報が示す映像フレームとを映像フレームバッファメモリ624に追加する。
【0082】
ステップS804では、スクロール量取得部640が、第1の映像フレーム格納変数が示す映像フレームと第2の映像フレーム格納変数が示す映像フレームとを使用して、最新の映像フレームのスクロール量(Δx,Δy)を算出し、スナップショット履歴情報処理部628に通知する。ステップS805では、スナップショット履歴情報処理部628が、スナップショット情報格納部618に保持されている最新の描画画像構成情報を取得し、ステップS806で、当該描画画像構成情報の座標値をスクロール量(Δx,Δy)分加算または減算する。ステップS807では、スナップショット履歴情報処理部628は、スクロール量を加算または減算して変更された描画画像構成情報の全座標値が、画像表示装置600の表示画面領域に含まれる値であるか否か判断する。
【0083】
ステップS807の判定で、変更後の描画画像構成情報の全座標値が表示画面領域に含まれると判断した場合には(yes)、処理をステップS808に分岐させる。ステップS808では、スナップショット履歴情報処理部628は、変更後の描画画像構成情報と第1の映像フレーム格納変数が示す映像フレームの映像フレーム識別情報とを関連付けて、スナップショット履歴情報テーブルに登録する。ステップS809では、スナップショット履歴情報処理部628は、変更後の描画画像構成情報をスナップショット情報格納部618に格納する。これにより、スクロールにより移動した背景画像に連動して描画画像を表示することができる。
【0084】
ステップS810では、スナップショット履歴情報処理部628が、モード切替制御部638に画像表示装置600の動作モードを第2の状態に切り替えさせ、次いで、図7のステップS704が実行される。
【0085】
一方、ステップS807の判定で変更後の描画画像構成情報の少なくとも一部の座標値が表示画面領域に含まれないと判断した場合には(no)、処理をステップS811に分岐させる。ステップS811では、スナップショット履歴情報処理部628は、変更後の描画画像構成情報の全座標値が表示画面領域外の値であるか否か判断する。本実施形態では、描画画像を構成する1の座標点について、そのx座標およびy座標の一方が表示画面領域外の値である場合には、当該1の座標点は表示画面領域外に存在すると判断する。
【0086】
ステップS811の判定で変更後の描画画像構成情報の全座標値が表示画面領域外でない、すなわち、少なくとも一部の座標値が表示画面領域内の値であると判断した場合には(no)、処理をステップS812に分岐させる。ステップS812では、スナップショット履歴情報処理部628は、当該変更後の描画画像構成情報から表示部650の表示領域内に表示可能な描画画像構成情報を抽出し、抽出された描画画像構成情報と第1の映像フレーム格納変数が示す映像フレームの映像フレーム識別情報とを関連付けてスナップショット履歴情報テーブルに登録する。ステップS813では、スナップショット履歴情報処理部628は、ステップS812で抽出された表示部650の表示領域内に表示可能な描画画像構成情報をスナップショット情報格納部618に格納する。これにより、スクロールにより移動した背景画像に連動して描画画像を表示する場合に、画像表示装置の表示画面領域内に表示可能な描画画像を適切に表示することができる。
【0087】
ステップS814では、スナップショット履歴情報処理部628は、モード切替制御部638に画像表示装置600の動作モードを第2の状態に切り替えさせ、次いで、図7のステップS704が実行される。
【0088】
一方、ステップS811の判定で変更後の描画画像構成情報の全座標値が表示画面領域外の値であると判断した場合には(yes)、処理をステップS815に分岐させる。ステップS815では、スナップショット履歴情報処理部628は、スナップショット情報格納部618に保持された描画画像構成情報を削除する。ステップS816では、スナップショット履歴情報処理部628は、モード切替制御部638に画像表示装置600の動作モードを第1の状態に切り替えさせ、次いで、図7のステップS704が実行される。
【0089】
図9は、画像表示装置に表示される映像フレームの実施形態を示す図である。映像フレーム910は、描画画像が書き込まれる以前の映像フレームを示す。映像フレーム910は、映像フレームを提供するユーザPCに表示された映像フレームと同一である。映像フレーム920は、画像表示装置上で映像フレーム910に対して描画画像922が書き加えられた状態の映像フレームを示す。映像フレーム930は、ユーザPC上で映像フレームを上方へスクロールさせたことに伴って、表示装置上の映像フレーム920が上方へ移動した状態の映像フレームを示す。本実施形態では、図9に示すように、映像フレーム920の変化に連動して描画画像922を移動させることができる。
【0090】
これまで本実施形態につき説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0091】
100…画像表示システム、110…画像表示装置、112…表示部、114…操作ボタン、116…操作ボタン、118…映像フレーム入力部、120…ユーザPC、122…ケーブル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0092】
【特許文献1】特開2008−176802号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像フレームを表示する画像表示装置であって、
前記画像表示装置は、
映像フレームを提供する映像フレーム提供装置から映像フレームを受信する手段と、
前記映像フレームを表示する表示手段と、
前記映像フレームに重畳して描画すべき描画画像の構成情報である前記表示手段上の接触位置を検出するタッチパネルと、
前記表示手段に表示すべき映像フレームと、前記描画画像の構成情報とが関連付けて登録されるデータベースと、
前記データベースを参照して、前記映像フレーム提供装置から受信した映像フレームと同一の映像フレームが存在するか否か判断する手段とを備え、
前記判断する手段は、前記データベースを参照して、前記受信した映像フレームと同一であると判断した映像フレームに関連付けられた描画画像の構成情報によって構成される描画画像を前記表示手段に表示させる画像表示装置。
【請求項2】
前記画像表示装置は、前記映像フレーム提供装置から受信した連続する2の映像フレームの移動量を算出する手段をさらに備え、
前記判断する手段は、前記タッチパネルが検出した描画画像の構成情報から、前記移動量分移動した描画画像の構成情報を生成し、前記移動量分移動した描画画像を前記表示手段に表示させる、請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記判断する手段は、前記移動量分移動した描画画像の構成情報から前記表示手段の表示領域内に表示可能な描画画像の構成情報を抽出し、前記抽出した描画画像の構成情報によって構成される描画画像を前記表示手段に表示させる、請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記画像表示装置は、描画画像の属性情報を取得する描画処理手段をさらに備え、
前記描画画像の構成情報には、前記描画画像の属性情報が含まれる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記描画画像の属性情報には、描画画像の表示色および線分の太さが含まれる、請求項4に記載の画像表示装置。
【請求項6】
映像フレームを表示する画像表示装置と、前記映像フレームを前記画像表示装置に提供する映像フレーム提供装置とを含む画像表示システムであって、
前記画像表示装置は、
前記映像フレーム提供装置から映像フレームを受信する手段と、
前記映像フレームを表示する表示手段と、
前記映像フレームに重畳して描画される描画画像の構成情報である前記表示手段上の接触位置を検出するタッチパネルと、
前記表示手段に表示すべき映像フレームと、前記描画画像の構成情報とが関連付けて登録されるデータベースと、
前記データベースを参照して、前記映像フレーム提供装置から受信した映像フレームと同一の映像フレームが存在するか否か判断する手段とを備え、
前記判断する手段は、前記データベースを参照して、前記受信した映像フレームと同一であると判断した映像フレームに関連付けられた描画画像の構成情報によって構成される描画画像を前記表示手段に表示させる画像表示システム。
【請求項7】
前記画像表示装置は、前記映像フレーム提供装置から受信した連続する2の映像フレームの移動量を算出する手段をさらに備え、
前記判断する手段は、前記タッチパネルが検出した描画画像の構成情報から、前記移動量分移動した描画画像の構成情報を生成し、前記移動量分移動した描画画像を前記表示手段に表示させる、請求項6に記載の画像表示システム。
【請求項8】
前記判断する手段は、前記移動量分移動した描画画像の構成情報から前記表示手段の表示領域内に表示可能な描画画像の構成情報を抽出し、前記抽出した描画画像の構成情報によって構成される描画画像を前記表示手段に表示させる、請求項7に記載の画像表示システム。
【請求項9】
映像フレームを表示する画像表示装置が実行する画像表示方法であって、前記画像表示方法は、前記画像表示装置が、
映像フレームを提供する映像フレーム提供装置から映像フレームを受信するステップと、
前記画像表示装置の表示手段に表示すべき映像フレームと、前記映像フレームに重畳して描画すべき描画画像の構成情報とが関連付けて登録されたデータベースを参照して、前記映像フレーム提供装置から受信した映像フレームと同一の映像フレームが存在するか否か判断するステップと含み、
前記判断するステップは、前記データベースを参照して、前記受信した映像フレームと同一であると判断した映像フレームに関連付けられた描画画像の構成情報によって構成される描画画像を前記表示手段に表示するステップを含む、画像表示方法。
【請求項10】
前記画像表示方法は、前記画像表示装置が、
前記映像フレーム提供装置から受信した連続する2の映像フレームの移動量を算出するステップと、
前記描画画像の構成情報である前記表示手段上の接触位置を検出するステップと、
前記検出した描画画像の構成情報から、前記移動量分移動した描画画像の構成情報を生成し、前記移動量分移動した描画画像を前記表示手段に表示するステップと
をさらに含む、請求項9に記載の画像表示方法。
【請求項11】
前記画像表示方法は、前記画像表示装置が、
前記移動量分移動した描画画像の構成情報から前記表示手段の表示領域内に表示可能な描画画像の構成情報を抽出し、前記抽出した描画画像の構成情報によって構成される描画画像を前記表示手段に表示するステップをさらに含む、請求項10に記載の画像表示方法。
【請求項12】
画像表示装置に対して、請求項9〜11のいずれか1項に記載のステップを実行させるためのコンピュータ実行可能なプログラム。
【請求項13】
請求項12に記載されたプログラムを記録したコンピュータ可読な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−37700(P2012−37700A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177166(P2010−177166)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】