説明

画像表示装置、画像表示方法、コンピュータプログラム及び集積回路

【課題】人物の成長を容易に実感できる画像表示装置を提供する。
【解決手段】複数の画像に含まれる特定の被写体を、撮影された順番に画面に表示する画像表示装置は、前記複数の画像に含まれる特定の被写体の実サイズを計算し、 前記複数の画像の中で前記特定の被写体の実サイズが計算できない画像については、前記特定の被写体の成長の過程をシミュレートした曲線である成長曲線を用いて、前記画像に写っている被写体の実サイズを推定し、計算された被写体の実サイズと、推定された被写体の実サイズとを同等の倍率でスケーリングし、スケーリングされた被写体を撮影された順番に画面に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の人物が撮影された画像を表示する画像表示装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラやデジタルムービーカメラなどのデジタルコンテンツ撮影機器や、パーソナルコンピュータ、BD(Blu−ray Disc)レコーダなどのデジタルコンテンツ記録再生装置の普及が進むとともに、コンテンツ(画像データ)を記憶する容量の大容量化が進んでいる。そして、一般家庭のユーザが、大量のコンテンツを作成、管理、再生することができるようになってきている。
【0003】
また、一般的に、親は、自分の子供の身長や体重等のサイズの変化で子供の成長を実感する場合が多い。また、自分が飼っている動物や植物、建物等の成長を実感する場合でも同様である。写真表示の際にも、子供や動植物等を含む被写体の成長過程を実感させるためには、写真に写っている被写体を、その被写体の実際のサイズと対応させて時系列に表示していく必要がある。
【0004】
一方、記録された画像データに関連するメタデータに応じてグループ毎に分類し(例えば、特定の人物毎に分類)、一のグループに属する人物について、当該一のグループに属する人物の画像を特定の時間間隔(撮影日時の間隔)で時間経過順に表示する技術が開示されている(特許文献1参照)。
【0005】
また、被写体の実サイズを計算する技術が開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−146191号公報
【特許文献2】特開2010−50597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2では、被写体の実サイズ(身長)を計算して、計算した実サイズに合わせて被写体を時系列に表示していくだけである。そして、被写体の実サイズを計算するには、少なくとも、焦点距離を示す焦点距離情報と、ズーム倍率を示すズーム倍率情報と、被写体の頭頂から足先までのピクセル数を示すピクセル情報と、が必要である。上記3つの情報のいずれかが欠けている場合には、被写体の実サイズを計算することができない。したがって、被写体の実サイズを計算できない画像は非常に多い。そのため、上記特許文献1及び特許文献2では、被写体の成長を実感させるために表示する写真の枚数が少なくなってしまい、被写体が徐々に成長していく過程を表現することが難しくなる。
【0008】
そこで、本発明は、実サイズを計算できない被写体については被写体の成長の過程をシミュレートした曲線である成長曲線を用いて被写体の実サイズを推定し、推定した被写体の実サイズを、実サイズを計算することができた被写体の実サイズと同等の倍率でスケーリングして画面に表示することによって、実サイズを計算することができた被写体のみを時系列に表示していく従来技術よりも、被写体が徐々に成長していく過程を表現できる画像表示装置、画像表示方法、コンピュータプログラム及び集積回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、複数の画像に含まれる特定の被写体を、撮影された順番に画面に表示する画像表示装置であって、前記複数の画像に含まれる特定の被写体の実サイズを計算する実サイズ計算手段と、前記複数の画像の中で前記特定の被写体の実サイズが計算できない画像については、前記特定の被写体の成長の過程をシミュレートした曲線である成長曲線を用いて、前記画像に写っている被写体の実サイズを推定する実サイズ推定手段と、前記計算された被写体の実サイズと、前記推定された被写体の実サイズと、を同等の倍率でスケーリングする表示サイズ決定手段と、前記スケーリングされた被写体を、撮影された順番に画面に表示する表示処理手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上記に示す構成によると、画像表示装置は、実サイズを計算できない被写体については被写体の成長の過程をシミュレートした曲線である成長曲線を用いて被写体の実サイズを推定し、推定した被写体の実サイズを、実サイズを計算することができた被写体の実サイズと同等の倍率でスケーリングして画面に表示することによって、実サイズを計算することができた被写体のみを時系列に表示していく従来技術よりも、被写体が徐々に成長していく過程を表現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】画像表示装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】メタデータ管理テーブルT100のデータ構造の一例を示す図である。
【図3】人物情報管理テーブルT200のデータ構造の一例を示す図である。
【図4】成長曲線生成部4で生成される成長曲線G100の一例を示す図である。
【図5】画像表示装置1の動作を示す流れ図である。
【図6】画像表示装置10の構成を示すブロック図である。
【図7】成長曲線記憶部153で記憶している成長曲線200の一例を示す図である。
【図8】成長曲線生成処理の流れを示す流れ図である。
【図9】表示処理の流れを示す流れ図である。
【図10】成長曲線200について、ある区間における身長を等分する具体例を示す図である。
【図11】成長画像抽出部105で抽出される画像の一例を示す図である。
【図12】抽出された各画像を表示処理部107による表示の一例を示す図である。
【図13】表示すべき特定人物が正立状態となるよう、抽出された画像を回転して表示する際の一例を示す図である。
【図14】表示される特定人物についての年齢や年齢を識別する情報のコメントを付加して表示する際の一例を示す図である。
【図15】身長の軸に応じたスクロールバーとともに、画像を表示する際の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
1.第1の実施の形態
ここでは、本発明に係る実施の形態における画像表示装置1について説明する。
【0013】
1.1 構成
画像表示装置1は、ある特定の被写体(人物)の画像を複数記憶しており、記憶している複数の画像の含まれる特定の被写体の実身長を算出して、算出した実身長に基づく大きさで特定の被写体が含まれる各画像を表示するものである。
【0014】
画像表示装置1は、図1に示すように、人物特定部2、実サイズ計算部3、成長曲線生成部4、実サイズ推定部5、表示サイズ決定部6、表示処理部7及び記憶部100から構成されている。
【0015】
(1)記憶部8
記憶部8は、画像等を記憶するためのものであり、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)である。
【0016】
記憶部8は、図1に示すように、画像データ記憶部150、メタデータ記憶部151及び人物情報記憶部152を含んでいる。
(1−1)画像データ記憶部150
画像データ記憶部150は、デジタルカメラ等で撮影された画像を複数記憶するための領域であり、各画像について、当該画像を一意に識別するための画像IDを対応付けて記憶している。
【0017】
(1−2)メタデータ記憶部151
メタデータ記憶部151は、画像データ記憶部150で記憶されている画像それぞれについて、当該画像に付随するメタデータをメタデータ管理テーブルT100により管理している。
【0018】
メタデータ管理テーブルT100は、図2に示すように、画像ID、人物ID、撮影距離、画角、倍率、記録画素数、撮影日時及び撮影場所からなる組を複数記憶するための領域を有している。ここで、メタデータとは、画像ID、人物ID、撮影距離、画角、倍率、記録画素数、撮影日時及び撮影場所からなる組を言う。また、メタデータは、デジタルカメラによる撮影時に、当該デジタルカメラにより撮影された画像とともに生成され、当該画像と対応付けられる。
【0019】
画像IDは、画像データ記憶部150で記憶されている画像それぞれに付与されているものと同一のものであり、当該画像IDにより、画像とメタデータとが対応付けられる。
人物IDは、画像IDにより対応付けられている画像に含まれる人物について、当該人物を一意に識別するための識別子である。なお、一の画像に複数の人物が含まれている場合には、各人物に割り当てられた人物IDに対して当該一の画像に対応する画像IDに対応付けて記憶される。また、画像IDと人物IDとの対応付けは、画像の撮影時においてデジタルカメラで行われるものとする。
【0020】
撮影距離は、撮影時における被写体とレンズとの距離である。
画角は、撮影時における視野角を示すものである。
倍率は、撮影時における焦点距離と最短撮影距離で定まるものである。
【0021】
記録画素数は、画像を撮影したデジタルカメラの撮像素子の数である。
撮影日時は、画像を撮影した日時である。
撮影場所は、画像を撮影した場所を示すものである。撮影場所は、画像を撮影したデジタルカメラに備えられたGPS(Global Positioning System)機能により特定される。
【0022】
(1−3)人物情報記憶部152
人物情報記憶部152は、被写体として撮影された人物に係る情報を記憶するためのものであり、人物に係る情報は、人物情報管理テーブルT200により管理されている。
【0023】
人物情報管理テーブルT200は、図3に示すように、人物名、人物ID及び生年月日からなる組を複数記憶するための領域を有している。
人物名は、撮影された被写体の名前である。
【0024】
人物IDは、被写体に割り当てられた識別子であり、メタデータに含まれるものと同一である。当該人物IDにより、人物名とメタデータとが対応付けられる。つまりは、当該人物ID及び画像IDとにより、人物名と画像とが対応付けられる。
【0025】
生年月日は、対応する人物名で特定される人物の生年月日を示すものである。
なお、被写体の名前や生年月日は、ユーザの操作によって定められるものである。
(2)人物特定部2
人物特定部2は、特定の被写体(人物)が含まれる画像を記憶部100の画像データ記憶部150から抽出するものである。
【0026】
具体的には、ユーザから表示に係る指示及び特定人物の名前が入力されると、人物特定部2は、特定人物の名前と人物情報記憶部152の人物情報管理テーブルT200とから特定される人物IDを含むメタデータに対応する画像のうち、モデルデータとのマッチング処理を行って特定の人物が含まれる画像の一部、又は全てを画像データ記憶部150から抽出する。
【0027】
(3)実サイズ計算部3
実サイズ計算部3は、人物の全身を識別するためのモデルデータを予め記憶しており、当該モデルデータを用いて、人物特定部2で抽出された画像から特定の人物の全身が含まれる画像の一部、又は全てを取得し、取得した各画像に含まれる特定人物の実身長(実サイズ)を計算するものである。
【0028】
具体的には、実サイズ計算部3は、全身が含まれる画像を取得し、取得した各画像について、当該画像に対応するメタデータの撮影距離、画角、倍率及び記録画素数と、当該画像に含まれる特定人物の全身を囲む矩形領域の長辺(ここでは、特定人物の頭の先から足の先の距離)の画素数から実身長を算出する。
【0029】
(4)成長曲線生成部4
成長曲線生成部4は、実サイズ計算部3により計算された少なくとも2枚以上の画像に写っている特定の被写体の実サイズを用いて、被写体の成長の過程をシミュレートした曲線である成長曲線を生成する。具体的には、実サイズ計算部3で算出された各実身長と、当該実身長の算出に用いた画像に対応するメタデータに含まれる撮影日時とを対応付けて、例えば、ベジエ曲線やスプライン曲線で生成される成長曲線G100を生成する。ここで、成長曲線G100の一例を図4に示す。成長曲線G100は、横軸を時間とし、縦軸を人物の身長とした際の身長の変化を示す曲線である。
【0030】
(5)実サイズ推定部5
実サイズ推定部5は、実サイズ計算部3で被写体の実サイズが計算されなかった1つ以上の画像について、成長曲線生成部4で生成された成長曲線G100を用いて実身長(実サイズ)を推定するものである。
【0031】
具体的には、実サイズ推定部5は、実サイズ計算部3で被写体の実サイズが計算されなかった1つ以上の画像について、当該画像に対応する撮影日時をメタデータから特定し、特定した撮影日時に対応する身長を成長曲線G100から決定する。
【0032】
(6)表示サイズ決定部6
表示サイズ決定部6は、人物特定部2で抽出された特定の被写体について、実サイズ計算部3で算出された実身長、若しくは、実サイズ推定部5で推定された実身長それぞれについて、当該身長に応じた当該画像の表示サイズを決定する。
【0033】
具体的には、表示サイズ決定部6は、推定された身長を一定の倍率に基づいた値へと変換(スケーリング)することで表示サイズを決定する。例えば、一定の倍率を0.2とすると、算出若しくは推定された身長が1mである場合には20cmに変換され、算出若しくは推定された身長が1.4mである場合には28cmに変換される。そして、表示サイズ決定部6は、画像に含まれる特定人物の身長が変換された長さとなるよう画像を拡大縮小することで、表示サイズを決定する。
【0034】
(8)表示処理部7
表示処理部7は、人物特定部2で抽出された各画像について、表示サイズ決定部6で決定されたサイズに基づいて、表示画面上に撮影された日時の順に、例えば、画面の左端から順に表示する。
【0035】
1.2 動作
ここでは、画像表示装置1に係る処理について、図5に示す流れ図を用いて説明する。
人物特定部2は、ユーザから表示に係る指示及び特定人物の名前が入力されると、特定人物の名前に対応する人物IDを含むメタデータに対応する画像の一部、又は全てを画像データ記憶部150から抽出する(ステップS5)。
【0036】
実サイズ計算部3は、モデルデータとのマッチング処理を行って、人物特定部2で抽出された画像から特定の人物の全身が含まれる画像の一部、又は全てを取得する(ステップS10)。
【0037】
実サイズ計算部3は、取得した各画像について、当該画像に対応するメタデータの撮影距離、画角、倍率及び記録画素数と、当該画像に含まれる特定人物の全身を囲む矩形領域の長辺(ここでは、特定人物の頭の先から足の先の距離)の画素数から実身長を算出する(ステップS15)。
【0038】
成長曲線生成部4は、実サイズ計算部3により計算された少なくとも2枚以上の画像に写っている特定の被写体の実サイズを、対応する画像のメタデータに含まれる撮影日時と対応付ける(ステップS20)。そして、成長曲線生成部4は、対応付けられた実身長と撮影日時との組から、例えば、ベジエ曲線やスプライン曲線で近似生成される成長曲線G100を生成する(ステップS25)。
【0039】
実サイズ推定部5は、実サイズ計算部3で被写体の実サイズが計算されなかった画像について、成長曲線生成部4で生成された成長曲線G100を用いて実身長(実サイズ)を推定する(ステップS30)。
【0040】
表示サイズ決定部6は、人物特定部2で抽出された特定の被写体について、実サイズ計算部3で算出された実身長、若しくは、実サイズ推定部5で推定された実身長それぞれについて、当該身長に応じた当該画像の表示サイズを決定する(ステップS35)。
【0041】
表示処理部7は、人物特定部2で抽出された各画像について、表示サイズ決定部6で決定されたサイズに基づいて、表示画面上に、撮影された日時の順に表示する(ステップS40)。
【0042】
1.3 第1の実施の形態の変形例
以上、第1の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の各実施の形態に限られない。例えば、以下のような変形例が考えられる。
【0043】
(1)上記第1の実施の形態において、表示サイズ決定部6は、これら画像全てが1画面において表示可能となるよう、抽出された画像の枚数に応じて、一定の倍率を決定し、決定した倍率で表示サイズを求めてもよい。
【0044】
または、予め表示可能な枚数を定めておき、人物特定部2が当該定められた枚数分だけ画像を抽出してもよい。
2.第2の実施の形態
ここでは、本発明に係る実施の形態における画像表示装置10について説明する。
【0045】
2.1 構成
画像表示装置10は、ある特定の被写体(人物)の画像を複数記憶しており、記憶している複数の画像のうち、相互に異なる身長の特定の被写体が含まれる画像を2枚以上表示するものである。
【0046】
画像表示装置10は、図6に示すように、記憶部100、入力部101、特定人物画像抽出部102、成長曲線生成部103、成長間隔閾値決定部104、成長画像抽出部105、実サイズ推定部106及び表示処理部107から構成されている。
【0047】
(1)記憶部100
記憶部100は、画像等を記憶するためのものであり、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)である。
【0048】
記憶部100は、図6に示すように、画像データ記憶部150、メタデータ記憶部151、人物情報記憶部152及び成長曲線記憶部153を含んでいる。
ここで、画像データ記憶部150、メタデータ記憶部151、人物情報記憶部152は、第1の実施の形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。なお、以降において必要があれば、第1の実施の形態で示すメタデータ管理テーブルT100、人物情報管理テーブルT200を用いて説明する。
【0049】
以下、成長曲線記憶部153について説明する。
成長曲線記憶部153は、人物IDが割り当てられた人物毎に、当該人物が生まれてから現在までの時間経過に応じた身長の変化を示す成長曲線200を記憶するものである。
【0050】
成長曲線200は、例えば、図7に示すように、時間軸と身長軸とからなるグラフで示されるものである。
(2)入力部101
入力部101は、ユーザからの指示を受け付けるものである。
【0051】
具体的には、ユーザが成長曲線200を生成したい場合には、ユーザは入力部101に対して、成長曲線を生成する旨の生成指示及び生成対象となる特定人物の名前を入力する。
【0052】
また、ユーザは、画像を表示したい場合には、入力部101に対して画像表示を行う旨の表示指示、表示対象となる特定人物の名前及び表示すべき画像が選択される期間を入力する。
【0053】
(3)特定人物画像抽出部102
特定人物画像抽出部102は、人物の全身を識別するためのモデルデータを予め記憶しており、当該モデルデータを用いて人物の全身が含まれる画像を記憶部100の画像データ記憶部150から抽出するものである。
【0054】
具体的には、入力部101で生成指示及び特定人物の名前が入力されると、特定人物画像抽出部102は、特定人物の名前と人物情報記憶部152の人物情報管理テーブルT200とから特定される人物IDを含むメタデータに対応する画像のうち、モデルデータとのマッチング処理を行って特定の人物の全身が含まれる画像の一部、又は全てを画像データ記憶部150から抽出する。
【0055】
(4)成長曲線生成部103
成長曲線生成部103は、特定人物画像抽出部102で抽出された各画像を用いて、特定人物について当該特定人物の身長と時(ここでは、撮影日時)との関係を表す成長曲線200を生成するものである。
【0056】
具体的には、成長曲線生成部103は、抽出された各画像について、当該画像に対応するメタデータの撮影距離、画角、倍率及び記録画素数と、当該画像に含まれる特定人物の全身を囲む矩形領域の長辺(ここでは、特定人物の頭の先から足の先の距離)の画素数から実身長を算出する。成長曲線生成部103は、算出した実身長と、当該実身長の算出に用いた画像に対応するメタデータに含まれる撮影日時とを対応付けて、例えば、ベジエ曲線やスプライン曲線で示される成長曲線200を生成する。成長曲線生成部103は、生成した成長曲線200と、生成の対象となった特定人物の人物IDとを対応付けて成長曲線記憶部153へ保存する。
【0057】
(5)成長間隔閾値決定部104
成長間隔閾値決定部104は、入力部101で表示指示、特定人物の名前及び期間が入力されると、特定人物の人物IDに対応する成長曲線200を用いて、受け付けた期間内において相互に異なる身長を、表示すべき枚数として予め定められた数分選択するものである。表示すべき枚数は、例えば、4枚である。
【0058】
具体的には、成長間隔閾値決定部104は、特定人物の成長曲線200から、受け付けられた期間の開始時及び終了時それぞれに対応する身長を特定する。成長間隔閾値決定部104は、特定した2つの身長差が等間隔になるよう、残数分(ここでは、残数2)の身長を決定する。
【0059】
(6)成長画像抽出部105
成長画像抽出部105は、成長間隔閾値決定部104で決定された各身長に基づいて、当該身長に相当する、特定人物を含む画像を画像データ記憶部150から抽出するものである。
【0060】
具体的には、成長画像抽出部105は、成長間隔閾値決定部104で決定された各身長について、当該身長と対応する時を、特定人物の成長曲線200から特定する。成長画像抽出部105は、特定した時それぞれについて当該時を含む所定期間(例えば、特定した時の前後3ヶ月)内を撮影日時とする特定人物を含む画像を、画像データ記憶部150から抽出する。
【0061】
なお、成長画像抽出部105は、所定期間内に複数の画像が存在する場合には、そのうちの1枚を抽出する。例えば、撮影日時が特定された時に最も近い画像が抽出される。また、所定期間内に画像が存在しない場合には、当該所定期間の幅を広げて(例えば、特定した時の前後4ヶ月)、画像の抽出を再度行う。なお、画像の抽出においては、特定人物の全身が写っている画像を優先的に抽出する、特定人物の笑顔が写っている画像を優先的に抽出する、などが考えられる。
【0062】
(7)実サイズ推定部106
実サイズ推定部106は、成長画像抽出部105で抽出された各画像について、対応する成長曲線200と当該画像の撮影日時とから当該画像に含まれる特定人物の実サイズ(身長)を推定する。
【0063】
具体的には、実サイズ推定部106は、抽出された画像に対応する撮影日時をメタデータから特定し、特定した撮影日時に対応する身長を成長曲線200から決定する。
(8)表示処理部107
表示処理部107は、成長画像抽出部105で抽出された各画像をディスプレイ(図示せず)に表示するものである。
【0064】
表示処理部107は、図6に示すように、表示サイズ決定部160、表示位置決定部161及び表示部を含んで構成されている。
(8−1)表示サイズ決定部160
表示サイズ決定部160は、実サイズ推定部106で推定された画像の特定人物の身長それぞれについて、当該身長に応じた当該画像の表示サイズを決定する。
【0065】
具体的には、表示サイズ決定部160は、第1の実施の形態に示す表示サイズ決定部6と同様に、推定された身長を一定の倍率に基づいた値へと変換することで表示サイズを決定する。
【0066】
(8−2)表示位置決定部161
表示位置決定部161は、成長画像抽出部105で抽出された画像を、表示サイズ決定部160で決定された表示サイズで表示する配置位置を決定するものである。
【0067】
具体的には、表示位置決定部161は、表示される画面上において向かって左から右に、そして上から下へと時系列順に並ぶように、抽出された画像それぞれの配置位置を決定する。
【0068】
(8−3)表示部162
表示部162は、成長画像抽出部105で抽出された画像それぞれについて、当該画像を、表示サイズ決定部160で決定されたサイズに基づいて表示位置決定部161で決定された位置に表示するものである。
【0069】
2.2 動作
ここでは、画像表示装置10の動作について説明する。
(1)成長曲線生成処理
ここでは、画像表示装置10が行う成長曲線の生成処理について、図8に示す流れ図を用いて説明する。
【0070】
入力部101で生成指示及び特定人物の名前が受け付けられると、特定人物画像抽出部102は、モデルデータとのマッチング処理を行って、特定人物の名前に対応する人物IDを含むメタデータに対応する画像のうち、特定の人物の全身が含まれる画像の一部、又は全てを画像データ記憶部150から抽出する(ステップS100)。
【0071】
成長曲線生成部103は、特定人物画像抽出部102で抽出された画像のうち1つの画像を選択する(ステップS105)。
成長曲線生成部103は、選択した1つの画像について、当該画像に対応するメタデータの撮影距離、画角、倍率及び記録画素数から単位画素当たりの単位距離を算出し(ステップS110)、算出した単位距離に、当該画像に含まれる特定人物の全身を囲む矩形領域の長辺の画素数を乗算することで実身長を算出する(ステップS115)。
【0072】
成長曲線生成部103は、算出した実身長と、当該実身長の算出に用いた画像に対応するメタデータに含まれる撮影日時とを対応付ける(ステップS120)。
成長曲線生成部103は、全ての画像を選択したか、つまり抽出した全ての画像について、特定人物の実身長を算出したか否かを判断する(ステップS125)。
【0073】
全ての画像を選択したと判断する場合(ステップS125における「Yes」)、成長曲線生成部103は、対応付けられた実身長と撮影日時との組全てから成長曲線200を生成する(ステップS130)。成長曲線生成部103は、生成した成長曲線200と、生成の対象となった特定人物の人物IDとを対応付けて成長曲線記憶部153へ記憶する(ステップS135)。
【0074】
全ての画像が選択されていないと判断する場合(ステップS125における「No」)、成長曲線生成部103が、選択されていない次の画像を選択する(ステップS140)。そして、処理はステップS110へと戻る。
【0075】
(2)表示処理
ここでは、画像表示装置10が行う画像の表示処理について、図9に示す流れ図を用いて説明する。
【0076】
入力部101で表示指示、特定人物の名前及び期間が受け付けられると(ステップS200)、成長間隔閾値決定部104は、特定人物の人物IDに対応する成長曲線200を用いて、受け付けられた期間内の身長が等間隔になるように、表示すべき枚数分の成長間隔閾値を決定する(ステップS205)。例えば、本実施の形態では、期間内の身長が等間隔になるよう5つの成長間隔閾値を決定する。具体的には、成長間隔閾値決定部104は、特定人物の成長曲線200から、受け付けられた期間の開始時及び終了時それぞれに対応する身長を特定する。成長間隔閾値決定部104は、特定した2つの身長差が等間隔になるよう、残数分の身長、つまり2つの成長間隔閾値を決定する。
【0077】
成長画像抽出部105は、成長間隔閾値決定部104で決定された各身長について、指定された特定人物の成長曲線200から当該身長と対応する時を特定する(ステップS210)。
【0078】
成長画像抽出部105は、特定した時それぞれについて、当該時を含む所定期間を特定し、撮影日時が特定した所定期間内である特定人物を含む画像を画像データ記憶部150から抽出する(ステップS215)。なお、成長画像抽出部105は、所定期間内に複数の画像が存在する場合には、撮影日時が特定された時に最も近い画像を抽出する。
【0079】
実サイズ推定部106は、成長画像抽出部105で抽出された各画像について、対応する成長曲線200と当該画像の撮影日時とから当該画像に含まれる特定人物の実サイズ(身長)を推定する(ステップS220)。なお、実サイズ(実身長)の算出については、図8に示すステップS110、S115と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0080】
表示サイズ決定部160は、実サイズ推定部106で推定された画像の特定人物の実サイズそれぞれについて、当該身長を一定の倍率に基づいた値へと変換することで、指定された人物(被写体)の表示サイズを決定する(ステップS225)。
【0081】
表示位置決定部161は、抽出された画像それぞれについて、当該画像に含まれる特定人物が表示サイズ決定部160で決定された表示サイズで表示する配置位置を決定する(ステップS230)。具体的には、表示位置決定部161は、表示される画面上において向かって左から右に、そして上から下へと時系列順に並ぶように、抽出された画像それぞれの配置位置を決定する。
【0082】
表示部162は、成長画像抽出部105で抽出された画像それぞれについて、当該画像を、表示サイズ決定部160で決定されたサイズに基づいて表示位置決定部161で決定された位置に表示する(ステップS235)。
【0083】
2.3 具体例
ここでは、画像表示に係る動作について、具体的な例を用いて説明する。
図10は、ある区間において身長を等分する具体例である。
【0084】
例えば、図10に示すように、被写体が0.5歳から2.8歳までの期間がユーザにより画像が選択される期間として受け付けられたものとする。
このとき、図10で示す成長曲線200によると、0.5歳に対応する身長は60cmであり、2.8歳に対応する身長は90cmである。
【0085】
まず、画像表示装置10の成長間隔閾値決定部104は、相互に異なる身長として、2つの身長、60cm及び90cmを決定する。また、ここでは、表示枚数は4枚であるので、残り2つの身長を60cmから90cmの間で等分されるよう、決定する。具体的には、60cmから90cmの差分である30cmを3等分することで、身長の差分が等間隔となるように等分される。
【0086】
一般的には、表示枚数がn枚であり、区間の開始時に対応する身長をa、終了時に対応する身長をbとすると、間隔mは、m=(b−a)/(n−1)で算出される。
成長画像抽出部105は、成長間隔閾値決定部104で決定された4つの身長(60、70、80、90)それぞれに対応する時を成長曲線200から決定する。図10では、各身長に対応する時は、0.5歳、0.8歳、1.5歳及び2.8歳となる。そして、成長画像抽出部105は、被写体の生年月日を基にこれら年齢に達する日を特定し、特定した各日において、前後3ヶ月の所定期間内に撮影された画像を抽出する。
【0087】
抽出した画像の一例を、図11に示す。図11では、0.5歳、0.8歳、1.5歳及び2.8歳それぞれ画像、つまりは被写体の身長60cm、70cm、80cm及び90cmである画像として、画像G101、G102、G103、G104が抽出されたものとする。
【0088】
実サイズ推定部106では、これら画像に含まれる被写体の実サイズ(身長)を成長曲線200とこれら画像の撮影日時とから推定する。
表示サイズ決定部160では、実サイズ推定部106で推定された各身長に対して、所定の倍率(例えば、0.2)を乗じて表示サイズを決定する。
【0089】
表示位置決定部161では、これら画像の表示位置を決定し、表示部162では、各画像について決定された表示位置に、決定された表示サイズにより当該画像表示する。表示の一例を図12に示す。
【0090】
これにより、表示される画像G101からG104から、被写体が成長している様子が容易に分かる。
3.変形例
以上、各実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の各実施の形態に限られない。例えば、以下のような変形例が考えられる。
【0091】
(1)上記第2の実施の形態において、成長曲線は、被写体毎に、記憶されている画像を基に生成されるものとしたが、これに限定されない。
人の平均的な成長曲線を予め記憶しておいてもよい。
【0092】
この場合、成長曲線の時を表す軸は、年齢を表すものとなる。
また、この場合の画像表示装置は、上記で示した特定人物画像抽出部102及び成長曲線生成部103を除く、記憶部100、入力部101、成長間隔閾値決定部104、成長画像抽出部105、実サイズ推定部106及び表示処理部107から構成され。
【0093】
また、記憶部100の成長曲線記憶部153には、1つの成長曲線(人の平均的な成長を示す)が記憶される。また、成長画像抽出部105は、被写体の生年月日を基に成長間隔閾値決定部104で決定された各年齢に達する日を特定し、特定した各日において、前後3ヶ月の所定期間内に撮影された画像を抽出する。
【0094】
(2)ここで、第2の実施の形態における成長画像抽出部105は、所定期間に含まれる特定人物の画像が複数存在する場合には、抽出の優先順位を、全身が撮影された画像、上半身が撮影された画像、笑顔の画像、顔が撮影された画像の順位としてもよい。
【0095】
このとき、画像表示装置は、全身の一部である部位について身長に応じたグラフィックを予め記憶しておき、全身以外の画像を用いる場合に、表示すべき画像に予め記憶している部位を組み合わせて表示する。画像表示装置の表示処理部は、例えば、顔が撮影された画像を表示する場合には、予め記憶している首から下の部位を、当該顔と組み合わせて表示する。
【0096】
(3)ここで、第1の実施の形態における表示処理部7及び第2の実施の形態における表示部162は、表示すべき被写体(特定人物)が正立状態となるよう、抽出された画像を回転して表示してもよい。この場合の表示の一例を図11に示す画像G101、G102、G103及びG104を用いて、図13に示す。以下、第2の実施の形態に基づいて説明する。
【0097】
このとき、表示位置決定部161は、身長の低い順、つまり年齢の低い順に、画面に向かって左から順に表示するように決定する。
これにより、ユーザは、特定人物の成長の変化として身長の変化を容易に知ることができる。なお、第1の実施の形態で実現する場合には、上記動作を表示処理部7が行うとすればよい。
【0098】
(3−1)また、正立状態で表示する場合、第1の実施の形態における表示処理部7及び第2の実施の形態で示す表示処理部107は、物体の認識技術を用いて、特定人物のみを各画像から切り出して表示してもよい。
【0099】
(3−2)さらには、正立状態で表示する場合、特定人物に対応する成長曲線と併せて、物体の認識技術により各画像から切り出された特定人物を表示してもよい。
また、特定人物に対応する成長曲線と併せて、物体の認識技術により各画像から切り出された特定人物を表示する際に、表示処理部7及び表示処理部107は、表示される特定人物についての年齢や年齢を識別する情報(例えば、学年等)のコメントを表示してもよい。この場合の表示の一例を図14に示す。この例では、成長曲線201と共に画像として4枚の画像、特定人物が表示されており、さらにこれら画像それぞれのコメントとして0歳時、小学1年生時、中学1年生時及び高校1年生時である旨が表示されている。なお、学年は、抽出された画像の撮影日時と、表示対象の特定人物の生年月日とから特定される。
【0100】
(3−3)また、特定人物に対応する成長曲線と併せて、物体の認識技術により各画像から切り出された特定人物の画像G111、G112、G113、G114を表示する際に、身長の軸に応じたスクロールバーを表示してもよい。
【0101】
一例を図15(a)、(b)に示す。
画像表示装置の成長画像抽出部は、図15(a)に示すように、成長曲線202について、スクロールバーB101で示される位置に対応する時を特定し、特定した時を含む前後3ヶ月の所定期間内に撮影された画像を抽出する。
【0102】
そして、表示処理部は、抽出された画像を、成長曲線202においてスクロールバーB101で示される位置に対応付けて表示する。このとき、画像表示装置は、実サイズ推定部により実サイズを推定し、表示サイズ決定部により推定した実サイズに所定の倍率(0.2)を乗算して、表示サイズを決定してもよい。または、抽出した画像について倍率を乗じることなく、抽出した画像を表示してもよい。
【0103】
そして、図15(a)に示す画像を表示後、ユーザによりスクロールバーB101の位置が変化すると、変化後の位置に応じた画像を表示する。
つまり、スクロールバーB101を用いることで、その操作による変化量に応じた身長の画像を表示することができる。また、図15(a)から(b)に遷移後、さらに、同じ変化量(s)だけ上位にスクロールバーB101を移動させた場合、図15(a)の身長を基にすると、図15(a)の身長と図15(b)の身長の差分が2倍となる変化量の身長の特定人物が表示される。言い換えると、スクロールバーB101の変化(移動量)に比例して表示すべき画像に含まれる特定人物の身長(実サイズ)の差分が変化する。
【0104】
(4)上記第2の実施の形態において、成長曲線を作成する際には特定人物の全身が撮影された画像を用いたが、これに限定されない。
顔のみが撮影された画像を用いてもよい。
【0105】
この場合、成長曲線生成部103は、顔のみが撮影された画像について、当該画像に対応するメタデータの撮影距離、画角、倍率及び記録画素数と、当該画像に含まれる特定人物の顔を囲む矩形領域の長辺(ここでは、特定人物の頭の先から顎の先の距離)の画素数から顔の長さを算出する。成長曲線生成部103は、算出した顔の長さに、顔と全身との標準比に基づく所定値(例えば、6)を乗じて、特定人物の身長を算出する。成長曲線生成部103は、算出した身長と、当該顔の長さの算出に用いた画像に対応するメタデータに含まれる撮影日時とを対応付けて、例えば、ベジエ曲線やスプライン曲線の生成方法を用いて成長曲線を生成する。成長曲線生成部103は、生成した成長曲線と、生成の対象となった特定人物の人物IDとを対応付けて成長曲線記憶部153へ保存する。
【0106】
(5)上記第1及び第2の実施の形態において、表示処理部107は、表示する枚数に応じて、画面を分割して抽出された画像を表示してもよい。このとき、表示位置決定部161は、表示サイズ決定部160による表示サイズが決定される前に、表示すべき画像の枚数分に画像を分割し、分割した領域と抽出された画像とを1対1に割り当てる。表示サイズ決定部160は、画像が割り当てられた領域において表示されるよう、その表示サイズを決定する。そして、表示部162は、表示すべき画像を、割り当てらた領域で、決定された表示サイズにより表示する。
【0107】
または、抽出された画像を、特定人物の成長過程に従ったスライドショー形式により表示してもよい。また、モーフィングなどのグラフィック処理を施して表示してもよい。
(6)上記第2の実施の形態において、表示すべき枚数は固定的なものとしたが、これに限定されない。
【0108】
入力部101において、表示すべき画像の枚数を受け付けてもよい。この場合、画像が選択される期間の代わりに表示すべき画像の枚数を受け付けてもよいし、期間とともに枚数を受け付けてもよい。
【0109】
(7)上記第2の実施の形態において、入力部101で生成指示及び特定人物の名前が受け付けられると、成長曲線生成部103は成長曲線の生成を開始したが、これに限定されない。
【0110】
成長曲線生成部103は、特定人物の画像がある程度(所定の枚数以上)蓄積された時点で、自動的に成長曲線を生成してもよい。
(9)上記の実施の形態で説明した手法の手順を記述したプログラムをメモリに記憶しておき、CPU(Central Processing Unit)などがメモリからプログラムを読み出して、読み出したプログラムを実行することによって、上記の手法が実現されるようにしてもよい。
【0111】
また、当該手法の手順を記述したプログラムを記録媒体に格納して、頒布するようにしてもよい。
(10)上記の各実施の形態にかかる各構成は、集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。これらの構成は、1チップ化されても良いし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIと表現したが、回路の集積度の違いによっては、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと称呼されることもある。また、集積回路化の手法は、LSIに限られるものではなく、専用回路または汎用プロセッサで集積回路化を行ってもよい。また、LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサー(ReConfigurable Processor)を用いてもよい。あるいは、これらの機能ブロックの演算は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)やCPU(Central Processing Unit)などを用いて演算することもできる。さらに、これらの処理ステップはプログラムとして記録媒体に記録して実行することで処理することもできる。
【0112】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックを集積化してもよい。バイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
【0113】
(11)上記実施の形態及び変形例を組み合わせるとしてもよい。
4.補足
(1)本発明の一実施態様である、複数の画像に含まれる特定の被写体を、撮影された順番に画面に表示する画像表示装置は、前記複数の画像に含まれる特定の被写体の実サイズを計算する実サイズ計算手段と、前記複数の画像の中で前記特定の被写体の実サイズが計算できない画像については、前記特定の被写体の成長の過程をシミュレートした曲線である成長曲線を用いて、前記画像に写っている被写体の実サイズを推定する実サイズ推定手段と、前記計算された被写体の実サイズと、前記推定された被写体の実サイズと、を同等の倍率でスケーリングする表示サイズ決定手段と、前記スケーリングされた被写体を、撮影された順番に画面に表示する表示処理手段とを備えることを特徴とする。
【0114】
この構成によると、画像表示装置は、実サイズを計算できない被写体については被写体の成長の過程をシミュレートした曲線である成長曲線を用いて被写体の実サイズを推定し、推定した被写体の実サイズを、実サイズを計算することができた被写体の実サイズと同等の倍率でスケーリングして画面に表示することによって、実サイズを計算することができた被写体のみを時系列に表示していく従来技術よりも、被写体が徐々に成長していく過程を表現できる。
【0115】
(2)ここで、前記画像表示装置は、さらに、成長曲線生成手段を備え、前記実サイズ計算手段は、前記複数の画像の中の少なくとも2枚以上で、前記特定の被写体の実サイズが計算できると判断された場合には、前記少なくとも2枚以上の画像に写っている前記特定の被写体の実サイズを計算し、前記成長曲線生成手段は、前記計算された少なくとも2枚以上の実サイズを用いて、前記被写体の成長の過程をシミュレートした曲線である成長曲線を生成するとしてもよい。
【0116】
この構成によると、画像表示装置は、特定の被写体に対する成長曲線を生成するので、当該特定の被写体の実サイズが画像のみから計算できない場合であっても、成長曲線を用いることで当該特定の被写体の成長に合わせた実サイズを推定することができる。
【0117】
(3)ここで、前記表示サイズ決定手段は、前記画面に収まるように、前記計算された被写体の実サイズと前記推定された被写体の実サイズとをスケーリングするとしてもよい。
【0118】
この構成によると、画像表示装置は、実サイズを計算した全ての被写体を画面内で表示できるので、被写体が徐々に成長していく過程を実感できる。
(4)ここで、前記表示処理手段は、表示対象の画像に含まれる前記特定の人物が正立状態でない場合には、正立状態となるよう画像を回転させて、当該画像を表示するとしてもよい。
【0119】
この構成によると、画像表示装置は、画像に含まれる特定の人物が正立状態でない場合には、正立状態となるよう画像を回転するので、表示すべき対象の各画像に含まれる特定の人物は全て正立状態で表示される。これにより、ユーザは、特定の人物の身長の変化を実感することができる。
【0120】
(5)ここで、前記表示処理手段は、表示対象の画像について前記特定の人物の全身が含まれる場合には、当該画像から前記特定の人物の全身を切り出して表示し、表示対象の画像について前記特定の人物の全身のうち一部分のみが含まれる場合には、当該画像から前記部分を切り出し、切り出した前記部分と、予め用意された不足する部位のグラフィックスとを組み合わせて前記特定の人物の全身として表示するとしてもよい。
【0121】
この構成によると、画像表示装置は、表示対象の画像に特定の人物の全身のうち一部分のみが含まれる場合には、当該一部分と、不足する部位とを組み合わせて表示するので、ユーザは常に特定の人物の全身を見ることができる。そのため、ユーザは、特定の人物の全身を見ることで、当該特定の人物の身長の変化を実感することができる。
【0122】
(6)ここで、前記表示処理手段は、表示対象の画像を、撮影時間の経過に従った順序で連続的に表示するとしてもよい。
この構成によると、画像表示装置は、スライド形式により、表示すべき画像を表示するので、ユーザは、一の画像が表示されている間は当該画像が撮影された時期を思い出しながら、そして、画像が切り替わると特定の人物の成長を実感しながら画像を見ることができる。
【0123】
(7)ここで、前記表示処理手段は、表示対象の画像を表示する際に、当該表示対象の画像に、当該表示対象の画像の撮影日時から特定される前記特定の人物の年齢、又は年齢を識別する情報を対応付けて表示するとしてもよい。
【0124】
この構成によると、画像表示装置は、表示対象の画像を表示する際に、当該画像に含まれる特定の人物の年齢、又は年齢を識別する情報を対応付けて表示するので、ユーザは、身長の変化を実感するとともに、各身長に応じた年齢をも知ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明は、例えばパーソナルコンピュータ、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)等のデジタルデータ(画像データ)を表示することのできる装置に有用である。
【符号の説明】
【0126】
1 画像表示装置
2 人物特定部
3 実サイズ計算部
4 成長曲線生成部
5 実サイズ推定部
6 表示サイズ決定部
7 表示処理部
8 記憶部
10 画像表示装置
100 記憶部
101 入力部
102 特定人物画像抽出部
103 成長曲線生成部
104 成長間隔閾値決定部
105 成長画像抽出部
106 実サイズ推定部
107 表示処理部
150 画像データ記憶部
151 メタデータ記憶部
152 人物情報記憶部
153 成長曲線記憶部
160 表示サイズ決定部
161 表示位置決定部
162 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像に含まれる特定の被写体を、撮影された順番に画面に表示する画像表示装置であって、
前記複数の画像に含まれる特定の被写体の実サイズを計算する実サイズ計算手段と、
前記複数の画像の中で前記特定の被写体の実サイズが計算できない画像については、前記特定の被写体の成長の過程をシミュレートした曲線である成長曲線を用いて、前記画像に写っている被写体の実サイズを推定する実サイズ推定手段と、
前記計算された被写体の実サイズと、前記推定された被写体の実サイズと、を同等の倍率でスケーリングする表示サイズ決定手段と、
前記スケーリングされた被写体を、撮影された順番に画面に表示する表示処理手段と
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記画像表示装置は、さらに、成長曲線生成手段を備え、
前記実サイズ計算手段は、前記複数の画像の中の少なくとも2枚以上で、前記特定の被写体の実サイズが計算できると判断された場合には、前記少なくとも2枚以上の画像に写っている前記特定の被写体の実サイズを計算し、
前記成長曲線生成手段は、前記計算された少なくとも2枚以上の実サイズを用いて、前記被写体の成長の過程をシミュレートした曲線である成長曲線を生成する
ことを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記表示サイズ決定手段は、前記画面に収まるように、前記計算された被写体の実サイズと前記推定された被写体の実サイズとをスケーリングする
ことを特徴とする請求項2記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記表示処理手段は、
表示対象の画像に含まれる前記特定の人物が正立状態でない場合には、正立状態となるよう画像を回転させて、当該画像を表示する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記表示処理手段は、
表示対象の画像について前記特定の人物の全身が含まれる場合には、当該画像から前記特定の人物の全身を切り出して表示し、
表示対象の画像について前記特定の人物の全身のうち一部分のみが含まれる場合には、当該画像から前記部分を切り出し、切り出した前記部分と、予め用意された不足する部位のグラフィックスとを組み合わせて前記特定の人物の全身として表示する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記表示処理手段は、
表示対象の画像を、撮影時間の経過に従った順序で連続的に表示する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記表示処理手段は、
表示対象の画像を表示する際に、当該表示対象の画像に、当該表示対象の画像の撮影日時から特定される前記特定の人物の年齢、又は年齢を識別する情報を対応付けて表示する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項8】
複数の画像に含まれる特定の被写体を、撮影された順番に画面に表示し、実サイズ計算手段と実サイズ推定手段と表示サイズ決定手段と表示処理手段とを備える画像処理装置に用いられる画像表示方法であって、
前記実サイズ計算手段が、前記複数の画像に含まれる特定の被写体の実サイズを計算する実サイズ計算ステップと、
前記実サイズ推定手段が、前記複数の画像の中で前記特定の被写体の実サイズが計算できない画像については、前記特定の被写体の成長の過程をシミュレートした曲線である成長曲線を用いて、前記画像に写っている被写体の実サイズを推定する実サイズ推定ステップと、
前記表示サイズ決定手段が、前記計算された被写体の実サイズと、前記推定された被写体の実サイズと、を同等の倍率でスケーリングする表示サイズ決定ステップと、
前記表示処理手段が、前記スケーリングされた被写体を、撮影された順番に画面に表示する表示処理ステップと
を含むことを特徴とする画像表示方法。
【請求項9】
複数の画像に含まれる特定の被写体を、撮影された順番に画面に表示し、実サイズ計算手段と実サイズ推定手段と表示サイズ決定手段と表示処理手段とを備える画像処理装置に用いられるコンピュータプログラムであって、
前記実サイズ計算手段に、前記複数の画像に含まれる特定の被写体の実サイズを計算させる実サイズ計算ステップと、
前記実サイズ推定手段に、前記複数の画像の中で前記特定の被写体の実サイズが計算できない画像については、前記特定の被写体の成長の過程をシミュレートした曲線である成長曲線を用いて、前記画像に写っている被写体の実サイズを推定させる実サイズ推定ステップと、
前記表示サイズ決定手段に、前記計算された被写体の実サイズと、前記推定された被写体の実サイズと、を同等の倍率でスケーリングさせる表示サイズ決定ステップと、
前記表示処理手段に、前記スケーリングされた被写体を、撮影された順番に画面に表示させる表示処理ステップと
を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項10】
複数の画像に含まれる特定の被写体を、撮影された順番に画面に表示する画像表示装置に用いられる集積回路であって、
前記複数の画像に含まれる特定の被写体の実サイズを計算する実サイズ計算手段と、
前記複数の画像の中で前記特定の被写体の実サイズが計算できない画像については、前記特定の被写体の成長の過程をシミュレートした曲線である成長曲線を用いて、前記画像に写っている被写体の実サイズを推定する実サイズ推定手段と、
前記計算された被写体の実サイズと、前記推定された被写体の実サイズと、を同等の倍率でスケーリングする表示サイズ決定手段と、
前記スケーリングされた被写体を、撮影された順番に画面に表示する表示処理手段と
を備えることを特徴とする集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−185707(P2012−185707A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48841(P2011−48841)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】