説明

画像表示装置およびその処理方法、プログラム、プロセッサ

【課題】視覚的に楽しい印象をユーザに与える画像表示処理を行うことができる画像表示装置およびその処理方法、プログラム、プロセッサを提供する。
【解決手段】ディスプレイ141の全体の表示領域のうちの画像の表示領域の割合を算出し、ディスプレイ141の全体の表示領域よりも小さな領域を有する複数の画像うち、未だ表示されていない画像であってその中で最も優先度の高い画像を選択する。そして、ディスプレイ141の全体の表示領域のうちの画像の表示領域の割合が、予め定められた領域割合以上でない場合には、選択された画像を表示すると決定し、選択された画像を、ディスプレイ141の規定の位置に表示する。また、表示画面に表示した何れかの対象画像の取り除き要求の入力に基づいて、当該対象画像の取り除き処理を行って、その下に重ねられていた優先度の低い他の画像の当該重ねられていた領域を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を表示する画像表示装置およびその処理方法、プログラム、プロセッサに関する。
【背景技術】
【0002】
電子書籍データや視聴用音楽データの販売などを目的として、それらデータをインターネット経由で端末に配信するサーバが存在する。当該サーバは、端末からのアクセスを受け付けた場合、電子書籍データや視聴用音楽データの購入を支援するウェブページを端末へ送信する。ここで端末においては一般的に、受信したウェブページにより、電子書籍データや視聴用音楽データを特定するアイコン画像を端末の表示画面に表示する。これらのアイコン画像は、例えば、端末の表示画面に表示されたウェブページ上において横一列に整列して並べて表示されている場合や、縦横に整列して並べて表示されている場合などがある。なお、このアイコン画像は電子書籍データに対応する書籍実物の表紙の画像であったり、視聴用音楽データのアルバムのジャケットの画像であったりする。
【0003】
また、電子書籍データや視聴用音楽データが購入され、端末にダウンロードされた後も、端末でそれらデータの閲覧や視聴をユーザに選択させる場合には、電子書籍データや視聴用音楽データを特定するアイコン画像を端末の表示画面に表示する。この場合にも、これらのアイコン画像は、例えば、端末の表示画面に表示されたウェブページ上において横一列に整列して並べて表示されている場合や、縦横に整列して並べて表示されている場合などがある。
なお、画像を表示画面に表示する際の関連する技術として、表示部と、操作部と、複数のコンテンツ及び当該複数のコンテンツが対応付けられた複数の画像を記憶する記憶部と、を備え、複数の画像のうち選択対象の画像を表示部に表示させるとともに選択対象の画像に対応付けられたコンテンツを選択可能とする状態において、操作部からの操作に応じて選択対象の画像を順次拡大又は順次縮小して表示部に表示させた後に、他の選択対象の画像を表示部に表示させるとともに他の選択対象の画像に対応付けられたコンテンツを選択可能とする技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−55270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述のようなアイコン画像等の複数の画像を表示画面に表示する技術は、プライオリティの高い画像を極端に選択されやすい位置に表示している。したがって、プライオリティの高い画像は極端に選択され、またプライオリティの低い画像は極端に選択されにくいといった弊害がある。また、視認性を確保しつつも、より視覚的に楽しい印象をユーザに与えるような技術が望まれている。
【0006】
そこでこの発明は、上述の課題を解決することのできる画像表示装置およびその処理方法、プログラム、プロセッサを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、表示画面の全体の表示領域のうちの画像の表示領域の割合を算出する表示状況判定部と、前記表示画面の全体の表示領域よりも小さな領域を有する複数の画像うち、未だ表示されていない画像であってその中で最も優先度の高い画像を選択する画像選択部と、前記表示画面の全体の表示領域のうちの画像の表示領域の割合が、予め定められた領域割合以上でない場合には、前記選択された画像を表示すると決定する画像表示決定部と、前記選択された画像を、前記表示画面の規定の位置に表示する画像表示部と、を備えることを特徴とする画像表示装置である。
【0008】
また本発明は、画像表示装置の処理方法であって、表示状況判定部が、表示画面の全体の表示領域のうちの画像の表示領域の割合を算出し、画像選択部が、前記表示画面の全体の表示領域よりも小さな領域を有する複数の画像うち、未だ表示されていない画像であってその中で最も優先度の高い画像を選択し、画像表示決定部が、前記表示画面の全体の表示領域のうちの画像の表示領域の割合が、予め定められた領域割合以上でない場合には、前記選択された画像を表示すると決定し、画像表示部が、前記選択された画像を、前記表示画面の規定の位置に表示することを特徴とする処理方法である。
【0009】
また本発明は、画像表示装置のコンピュータを、表示画面の全体の表示領域のうちの画像の表示領域の割合を算出する表示状況判定手段、前記表示画面の全体の表示領域よりも小さな領域を有する複数の画像うち、未だ表示されていない画像であってその中で最も優先度の高い画像を選択する画像選択手段、前記表示画面の全体の表示領域のうちの画像の表示領域の割合が、予め定められた領域割合以上でない場合には、前記選択された画像を表示すると決定する画像表示決定手段、前記選択された画像を、前記表示画面の規定の位置に表示する画像表示手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
【0010】
また本発明は、画像表示装置のコンピュータに備えられたプロセッサであって、表示画面の全体の表示領域のうちの画像の表示領域の割合を算出し、前記表示画面の全体の表示領域よりも小さな領域を有する複数の画像うち、未だ表示されていない画像であってその中で最も優先度の高い画像を選択し、前記表示画面の全体の表示領域のうちの画像の表示領域の割合が、予め定められた領域割合以上でない場合には、前記選択された画像を表示すると決定し、前記選択された画像を、前記表示画面の規定の位置に表示することを特徴とするプロセッサ。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画像処理装置は、ディスプレイの前面に渡って、選択される候補となる複数の画像を表示するにあたり、優先度の低い画像についても視認できるように表示している。これにより、プライオリティの低い画像についても初期の段階で選択できるような仕組みを提供することができ、したがって、プライオリティの高い画像のみが極端に選択されるような状況を排除することができる。また、視覚的に楽しい印象をユーザに与える画像表示処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態による画像表示装置の一例の外観図である。
【図2】本実施形態による画像表示装置のハードウェア構成を示す概略ブロック図である。
【図3】本実施形態による画像表示装置の概略ブロック図である。
【図4】本実施形態による画像表示処理に利用する管理テーブルを示す図である。
【図5】本実施形態による画像表示装置の処理フローを示す図である。
【図6】本実施形態によるディスプレイへのアイコン画像の表示例を示す第1の図である。
【図7】本実施形態によるディスプレイへのアイコン画像の表示例を示す第2の図である。
【図8】本実施形態によるディスプレイへのアイコン画像の表示例を示す第3の図である。
【図9】本実施形態によるディスプレイへのアイコン画像の表示例を示す第4の図である。
【図10】本実施形態によるディスプレイへのアイコン画像の表示例を示す第5の図である。
【図11】本実施形態によるディスプレイへのアイコン画像の表示例を示す第6の図である。
【図12】本実施形態によるアイコン画像の操作例を示す図である。
【図13】本実施形態によるディスプレイへのアイコン画像の表示例を示す第7の図である。
【図14】本実施形態によるディスプレイへのアイコン画像の表示例を示す第8の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係る画像表示装置の一例の外観図である。
この図で示すように、画像表示装置1は、ユーザが携帯可能なサイズである。画像表示装置1は、図1で示すようなタブレット型端末のほか、携帯電話やスマートフォンなどの画像表示装置であってもよい。画像表示装置1のディスプレイ141は、電子書籍データや視聴用音楽データのアイコン画像や、画像表示装置1のコンピュータによって起動された各種アプリケーションの処理によって出力された画像を表示するものである。当該画像表示装置1のディスプレイ141には、タッチパネルが積層されている。画像表示装置1のタッチパネルは、ユーザが触れた位置を検出することで、ユーザから入力を受け付ける。また図1において符号102は各種操作の入力を受け付ける操作ボタンである。
【0014】
例えば、画像表示装置1は、タッチ(Touch)入力、スライド(Slide)入力、フリック(Flick)入力を受け付ける。タッチ入力とは、ユーザが、タッチパネルに指を接触させて、指を移動させずにそのまま指をタッチパネルから離す入力である。スライド入力とは、ユーザが、タッチパネルに指を接触させて、指を接触させたまま移動させる入力である。フリック入力とは、ユーザが、タッチパネルに接触させた指を素早く払うように動かす入力である。
【0015】
図2は、本実施形態に係る画像表示装置のハードウェア構成を示す概略ブロック図である。
この図において、画像表示装置1は、タッチパネル101、操作ボタン102、センサ103、カメラ111、無線通信部112、インタフェース113、外部記憶装置12、主記憶装置130、CPU(中央処理装置)13、ディスプレイ141、スピーカ142、発光部143、及び、電池144を含んで構成される。画像表示装置1の各部は、バス210等によって接続され、電気信号の入出力を行う。
【0016】
タッチパネル101は、接触した指(生体)の位置の座標を感知する透明のパネルであり、ディスプレイ141の上にかぶせられている。タッチパネル101は、ペンや指で押されることで、ユーザからの入力を受け付ける。
操作ボタン102は、押下されることにより、ユーザからの入力を受け付ける。なお、画像表示装置1は、操作ボタンの押下により、スライド入力等に相当する入力を受け付けてもよい。
センサ103は、加速度を検出する加速度センサや明るさ(例えば、照度)を検出する明るさセンサである。なお、センサ103は、人間の感覚に代わり、温度・湿度・圧力・磁気・光・ガス・超音波・電磁波などを検出するものであってもよい。
【0017】
カメラ111は、光量に応じて電気信号に変換するCCD(電荷結合素子)やCMOS(相補型金属酸化膜半導体)などの半導体センサを撮像素子として用いて、写真を撮影する光学装置である。
無線通信部112は、外部機器と無線通信を行う。
インタフェース113は、外部機器との接続インタフェースである。画像表示装置1は、インタフェース113を介して、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)と接続して有線通信を行う。また、画像表示装置1は、インタフェース113を介して、例えば、外部電源と接続して、電池144を充電する。
【0018】
外部記憶装置12は、磁気ディスク、フラッシュメモリ等の記憶装置である。外部記憶装置12は、コンピュータプログラムやデータを記憶する。
主記憶装置130は、CPU13が直接高速で情報の読み書きができる記憶装置である。処理されるデータ、直接実行させるプログラム、演算される出力情報が記憶されており、記憶素子にはIC(集積回路)やLSI(大規模集積回路)などが用いられる。
CPU13は、主記憶装置130が記憶するプログラムを実行し、データの処理を行う。
【0019】
ディスプレイ141は、表示装置であり、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等である。
スピーカ142は、電気信号を音声等の音響波に変えて出力する。
発光部143は、発光することによりユーザへ報知する。発光部143には、例えば、LED(発光ダイオード)が用いられる。
電池144は、一次電池または充電可能な二次電池であり、画像表示装置1の各部に電力を供給する。
【0020】
図3は画像表示装置の概略ブロック図である。
画像表示装置1のCPU13は、外部記憶装置12から読み込んだ、または通信ネットワークを介して接続されたサーバ等の装置より受信した画像表示プログラムを実行することにより、図3で示すような機能を保持することとなる。
つまり、図3で示すように、CPU13は、画像表示プログラムを実行することにより、画像表示制御部131、画像選択部132、表示状況判定部133、画像表示決定部134、画像表示部135の機能を奏することができる。なお、図においては画像一時記憶部139がCPU13の外部に存在する場合の例を示しているが、CPU13内のキャッシュメモリ等に画像一時記憶部139を構成するようにしてもよい。
【0021】
ここで、画像表示制御部131は、画像選択部132、表示状況判定部133、画像表示決定部134、画像表示部135の各処理部を制御する処理部である。
画像選択部132は、ディスプレイ141(表示画面)の全体の表示領域よりも小さな領域を有する複数の画像うち、未だ表示されていない画像であってその中で最も優先度の高い画像を選択する処理部である。
また表示状況判定部133は、ディスプレイ141の全体の表示領域のうちの画像の表示領域の割合を算出する処理部である。
また画像表示決定部134は、ディスプレイ141の全体の表示領域のうちの画像の表示領域の割合が、予め定められた領域割合以上でない場合には、選択された画像を表示すると決定する処理部である。
また画像表示部135は、選択された画像を、ディスプレイ141の規定の位置に表示する処理部である。
また画像一時記憶部139は画像等のデータを一時的に記憶する記憶部である。
【0022】
そして、このような機能により画像表示装置1は、視覚的に楽しい印象をユーザに与える画像表示処理を行う。
【0023】
図4は画像表示処理に利用する管理テーブルを示す図である。
管理テーブルは、画像表示装置1が画像表示プログラムの処理に基づいて画像を表示処理するにあたり利用するデータテーブルである。当該管理テーブルの一例としては、図4で示すように、複数のアイコン画像についてのID(識別子)、優先度、表示済み判定フラグ、アイコン画像表示傾き、位置情報などが対応付けられて記録されているものとする。位置情報等は、表示済みとなるまでは空欄であることも考えられる。
表示処理を行う画像のデータと、その管理テーブルは、共に管理されるものであり、画像表示プログラムの処理に基づいて通信ネットワークを介して入力したものであってもよいし、画像表示プログラムに管理されて共に外部記憶装置12に記録されたものであってもよい。
【0024】
図5は画像表示装置の処理フローを示す図である。
次に、本実施形態による画像表示装置1の処理フローについて順を追って説明する。
まず、画像表示装置1の画像表示制御部131は、画像表示処理の開始を検出し、ディスプレイ141に表示する画像と、その画像についての管理テーブルを外部記憶装置12から、主記憶装置130内に構成された画像一時記憶部139に取り込む(ステップS101)。なお、画像表示処理の開始の検出は、例えば予め外部記憶装置12に記録している複数の電子書籍の閲覧開始の操作の入力を受け付けた場合、電子書籍購入サーバにアクセスして、当該サーバから複数の電子書籍の画像とともに、画像表示指示コマンドの含まれた表示情報(HTMLデータ等)を受信した場合などである。当該表示処理を行う対象の画像は、例えば電子書籍データのアイコン画像や、視聴用音楽データのアイコン画像等である。以下、画像表示装置1が電子書籍のアイコン画像を表示する場合の例について説明する。
【0025】
次に、画像表示制御部131は、管理テーブルを画像一時記憶部139から読み取って、当該管理テーブルを画像選択部132へ出力すると共に、画像表示処理を行うよう指示する。すると画像選択部132は、表示済み判定フラグが「未」を示しており、かつ、最も高い優先度に対応付けられて管理テーブルに登録されているアイコン画像のIDを選択する(ステップS102)。画像選択部132は当該選択したIDを画像表示部135へ通知すると共に画像表示指示を出力する。
【0026】
すると画像表示部135は入力したIDの画像アイコンを画像表示制御部131へ要求する。画像表示制御部131は、画像表示部135からのIDの入力によって要求を受けたアイコン画像を、画像一時記憶部139から読み取ると共に、画像表示部135へ出力する。すると画像表示部135は、画像表示プログラムによって規定された位置にアイコン画像を表示する(ステップS103)。他方、画像選択部132は、選択したアイコン画像のIDを画像表示制御部132へ出力する。すると画像表示制御部131は、画像選択部132によって選択されたアイコン画像のIDに対応付けられて管理テーブルに登録されている表示済み判定フラグを「未」を示す情報から「済」を示す情報へ書き換える(ステップS104)。
【0027】
画像表示部135はアイコン画像を表示すると、表示状況判定部133に画像表示完了を通知する。すると表示状況判定部133は、ディスプレイ141の全体の表示領域のうちの画像の表示領域の割合を算出する(ステップS105)。より具体的には、表示状況判定部133は、現在表示しているアイコン画像それぞれについて、他のアイコン画像と重なっていない領域を算出する。そして、その結果を合計して、アイコン画像の表示領域を算出する。また表示状況判定部133は「アイコン画像の表示領域÷ディスプレイ141の全体の表示領域」を算出し、これにより、ディスプレイ141の全体の表示領域のうちの画像の表示領域の割合を算出する。そして、表示状況判定部133は、算出した値を、画像表示決定部134へ出力する。
【0028】
次に画像表示決定部134は、ディスプレイ141の全体の表示領域のうちのアイコン画像の表示領域の割合が、予め定められた領域割合以上であるかを判定する(ステップS106)。より具体的には画像表示決定部134は、表示状況判定部133から入力した、ディスプレイ141の全体の表示領域のうちの画像の表示領域の割合R1と、予め定められた領域割合R2とを比較して、R1≧R2であるかを判定する。なお、予め定められた面積割合は100%であってもよいし、80%であってもよい。つまり、予め定められた面積割合であればどのような値であってもよい。
【0029】
そして、画像表示決定部134は、現在のアイコン画像の表示領域の、ディスプレイ141の全体の表示領域に対する割合R1が、予め定められた領域割合R2以上である場合、つまりR1≧R2である場合には、次のアイコン画像の表示を停止すると決定する(ステップS107)。他方、画像表示決定部134は、現在のアイコン画像の表示領域のディスプレイ141の全体の表示領域に対する割合R1が、予め定められた領域割合R2未満である場合、つまりR1<R2である場合には、次のアイコン画像を表示すると決定する(ステップS108)。
【0030】
次のアイコン画像を表示すると決定した場合には、画像表示決定部134は画像選択部132へ次の画像の選択を指示する。するとステップS102に遷移し、画像選択部132は、再度、表示済み判定フラグが「未」を示しており、かつ、最も高い優先度に対応付けられて管理テーブルに登録されているアイコン画像のIDを選択し、アイコン画像の表示処理が繰り返される。
【0031】
ここで、アイコン画像はディスプレイ141の全体面積に比べて小さい。また、画像表示部135は、アイコン画像を表示するたびにディスプレイ141上の異なる位置にアイコン画像を表示するよう処理する。したがってディスプレイ141には複数のアイコン画像が表示されているものとする。このような状態において、アイコン画像が電子書籍に対する書籍実物の表紙の画像である場合には、ユーザは複数の電子書籍のアイコン画像の中から、何れかの電子書籍のアイコン画像を選択することができる。このアイコン画像の選択は、例えば、電子書籍の購入時における購入希望の電子書籍に対応するアイコン画像の選択、購入済の画像表示装置1に既に記録されている電子書籍の閲覧時における閲覧希望の電子書籍に対応するアイコン画像の選択、などのユーザ操作において行われることとなる。
【0032】
ユーザは画像表示装置1のディスプレイ141に表示されたアイコン画像において、選択したいアイコン画像が存在しない場合には、何れかのアイコン画像の取り除き要求の入力操作を行うことができる。例えば、画像表示装置1は、ディスプレイ141に表示されている複数のアイコン画像のうち、何れか1つのアイコン画像に対するダブルクリック操作やフリック操作の入力を検出することにより、当該アイコン画像を対象とする取り除き処理を行う。アイコン画像に対するフリック操作とは、フリック操作の最初の指のタッチの検出位置がアイコン画像の表示位置であることを言い、当該フリック操作の最初の指のタッチの検出位置に表示されているアイコン画像が取り除き処理の対象となる。画像表示装置1は、このような取り除き要求に基づいて、既に表示されているアイコン画像の取り除き処理を行うと共に、その下に一部が隠されて表示されているアイコン画像の隠されていた部分の表示や、次の優先度のアイコン画像の表示を行う。これにより、ユーザはディスプレイ141に既に表示されたアイコン画像を順次取り除いて、次のアイコン画像を表示させることにより、例えば、複数の電子書籍の中から1つの電子書籍を選択することとなる。
【0033】
ステップS107において、次のアイコン画像の表示を停止した場合には、画像表示制御部131は、アイコン画像の取り除き要求の操作入力が行われたかを判定する(ステップS109)。ユーザのアイコン画像の取り除き要求は、例えば、画像表示制御部131が、あるアイコン画像がディスプレイ141上においてタッチされたことを、タッチパネル101から入力したユーザのタッチしたディスプレイ上の位置と、各アイコン画像の表示範囲との関係から判定する。より具体的には、画像表示制御部131は、タッチパネル101から入力したユーザのタッチしたディスプレイ上の位置が、アイコン画像Aの表示範囲内にある場合には、アイコン画像の取り除き要求が入力されたと判定する。また画像表示制御部131は、当該アイコン画像Aを、取り除き要求の対象画像と判定する。
【0034】
そして、取り除き要求を入力した場合には、画像表示制御部131は、画像表示部135に対して取り除き要求の対象画像と判定したアイコン画像のIDと、取り除き要求を出力する。すると画像表示部135は、対象画像と判定されたアイコン画像の取り除き処理を行う(ステップS110)。当該画像表示部135は、アイコン画像の取り除き処理において、例えば、対象画像と判定されたアイコン画像をディスプレイ141上から取り除く処理を行う。
【0035】
ここで、取り除き要求がフリック操作により行われる場合には、画像表示制御部131は、タッチパネル101から入力したフリック操作を検出し、画像表示部135は、そのフリック操作に基づいて、対象画像と判定されたアイコン画像をディスプレイ141上から取り除く処理を行う。この場合、画像表示部135は、ユーザが入力したフリック操作に基づいて、ユーザの指等の生体の移動方向を検出し、その方向に対象画像と判定されたアイコン画像を移動させる。そして画像表示部135は、そのアイコン画像がディスプレイ141上から消えるまで、フリック操作の移動方向にアイコン画像を移動させて、最終的にディスプレイ141上から対象のアイコン画像を取り除く処理を行う。
【0036】
または取り除き要求がダブルクリック操作により行われる場合には、画像表示制御部131は、タッチパネル101から入力したダブルクリック操作を検出し、画像表示部135は、そのダブルクリック操作に基づいて、対象画像と判定されたアイコン画像をディスプレイ上から取り除く処理を行う。具体的には、画像表示部135は、ユーザが入力したダブルクリック操作に基づいて、ユーザの指等の生体のダブルクリック位置を検出し、その位置に表示されているアイコン画像をディスプレイ141上から削除する。
【0037】
画像表示部135は、取り除き要求に基づいて対象画像と判定されたアイコン画像をディスプレイ141上から取り除く処理を行うと、取り除いたアイコン画像のIDと、取り除き完了を、画像表示制御部131へ出力する。すると画像表示制御部131は、画像選択部132へ画像表示処理を行うよう指示する。すると、画像選択部132は、ステップS102と同様に、表示済み判定フラグが「未」を示しており、かつ、最も高い優先度に対応付けられて管理テーブルに登録されているアイコン画像のIDを選択する。
【0038】
そして、画像表示部135は当該IDのアイコン画像を画像表示制御部131へ要求する。画像表示制御部131は、要求を受けたアイコン画像を画像一時記憶部139から読み取ると共に、画像表示部135へ出力する。そして、ステップS103と同様に、画像表示部135は、画像表示プログラムによって規定された位置にアイコン画像を表示する。ここで、例えば、取り除き処理後の次のアイコン画像の出力は、取り除き処理を行ったアイコン画像の表示位置と同じ位置である。その後、ステップS104以降の処理が行われる。
【0039】
(画像表示の第1の実施例)
図6はディスプレイへのアイコン画像の表示例を示す第1の図である。
この図が示すように、画像表示装置1の画像表示部135は、複数のアイコン画像を縦横に整列させて表示する。図6(a)の左図においては、(1)〜(6)のアイコン画像を、その番号の順に表示した例を示している。つまり図6(a)は、(1)のアイコン画像の優先度が最も高く、次いでアイコン画像(2),(3)・・・(6)の順序で優先度が設定されている場合の例である。ここで各アイコン画像の表示領域の大きさは同一であるとする。そして1つ目のアイコン画像(1)〜6つ目のアイコン画像(6)を表示する各位置は、予め画像表示プログラムによって規定されている。
【0040】
アイコン画像(1)および(2)の表示を行う再に際には、ディスプレイ141において表示領域に未だ余裕の空き領域が存在することとなるため当該アイコン画像の全領域が表示されることとなる。しかしながら、ディスプレイ141の領域が限られることにより、アイコン画像(3)の表示領域はアイコン画像(3)の全体を表示する領域の大きさよりも狭くなる。
【0041】
つまり、このような場合、アイコン画像(3)の全体をディスプレイ141に定められた位置(左下隅)に表示しようとすると、既にディスプレイ141に表示しているアイコン画像(1)の領域と、新たにディスプレイ141に表示するアイコン画像(3)の領域とが重なってしまう。従って、画像表示部135は、優先度が高いアイコン画像(1)を優先度の低いアイコン画像(3)の上に重ねた表示処理を行う。これにより、図6(a)ではアイコン画像(3)の上部領域がアイコン画像(1)の下に隠れるように表示されることとなる。したがって、図6(a)では、アイコン画像(3)の領域がアイコン画像(1)の領域よりも狭い範囲として現れている。アイコン画像(6)についても同様に、アイコン画像(2)の下に隠れるように表示されることとなる。また同様に、アイコン画像(5)の下部領域がアイコン画像(1)の下に隠れるように表示され、また、アイコン画像(4)の下部領域がアイコン画像(2)の下に隠れるように表示される。
【0042】
このようなアイコン画像の表示が行われた後に、ユーザ操作によって、アイコン画像(1)の取り除き要求の操作入力を、画像表示制御部131が検出したとする。すると、画像表示部135は、取り除き要求に基づいて取り除き要求の対象画像と判定されたアイコン画像(1)をディスプレイ141上から取り除く処理を行う。このとき画像表示部135は、取り除き要求の対象となるアイコン画像(1)の取り除き後に、その下に重ねて隠されていた優先度の低いアイコン画像(3)の当該重ねられて隠されていた領域を表示する。
【0043】
また画像表示部135は、取り除いたアイコン画像(1)のIDと、取り除き完了を、画像表示制御部131へ出力する。すると画像表示制御部131は、画像選択部132へ画像表示処理を行うよう指示する。すると、画像選択部132は、ステップS102と同様に、表示済み判定フラグが「未」を示しており、かつ、最も高い優先度に対応付けられて管理テーブルに登録されているアイコン画像(例えばアイコン画像(7)とする)のIDを選択する。
【0044】
そして、画像表示部135は当該IDの画像アイコンを画像表示制御部131へ要求する。画像表示制御部131は、要求を受けたアイコン画像(7)を画像一時記憶部139から読み取ると共に、画像表示部135へ出力する。そして、ステップS103と同様に、画像表示部135は、画像表示プログラムによって規定された位置にアイコン画像(7)を表示する。ここで、取り除き処理後の次のアイコン画像(7)の出力は、取り除き処理によって取り除いたアイコン画像(1)の表示位置と同じ位置である。しかしながら、アイコン画像(7)の優先度は、アイコン画像(3)やアイコン画像(2)の優先度よりも低い。したがって、画像表示部135は、アイコン画像(7)左部領域がアイコン画像(3)の下に、またアイコン画像(7)の上部領域がアイコン画像(2)の下に隠れるように表示する処理を行う。つまりアイコン画像(7)はその中央部のみがディスプレイ141上に表示される。当該処理の結果を図6(a)の右図で示している。
【0045】
図6(b)のアイコン画像の表示例における左図は、図6(a)の左図と同様である。そして、図6(b)においては、その左図のようなアイコン画像の表示後に、アイコン画像(6)に対する取り除き要求を検出した場合の例を示している。つまり、ユーザはディスプレイ141上に表示されている何れのアイコン画像に対しても取り除き要求を行うことができる。図6(b)では、アイコン画像(6)の取り除き要求によって当該アイコン画像(6)を取り除くと、画像表示部135は、次の優先度のアイコン画像(7)をアイコン画像(6)と同一の領域に表示する。このときアイコン画像(7)の優先度はアイコン画像(2)の優先度よりも低いため、画像表示部135は、アイコン画像(7)上部領域がアイコン画像(2)の下に隠れるように表示する処理を行う。
【0046】
なお、図6(a)および図6(b)のアイコン画像の表示例は、ディスプレイ141の全体の表示領域のうちの画像の表示領域の割合が100%未満である場合に、画像選択部132の選択した画像を表示すると画像表示決定部134が決定する場合の例である。つまり、全てのディスプレイ141の全ての領域が埋まるまで、アイコン画像を表示する場合の例である。
【0047】
(画像表示の第2の実施例)
図7はディスプレイへのアイコン画像の表示例を示す第2の図である。
この図が示すようにアイコン画像は、ディスプレイ141へ表示する際に、その表示の向きを乱雑に表示するようにしてもよい。例えば、画像表示部135は、管理テーブルに記録されている各アイコン画像についての表示傾きを読み取る。当該表示傾きは回転角度を表すものであるとする。画像表示部135は、読み取った傾きが示す回転角度に基づいて、アイコン画像を回転させて、規定の位置に表示する。表示する際の処理については、アイコン画像に回転角度を設定する以外は、図6を用いて説明した処理の流れと同様である。これにより、図7(c)で示すように、アイコン画像が乱雑に表示される。なお、管理テーブルに記録されている表示傾きでなく、その表示傾きが示す回転角度をランダム算出して、アイコン画像それぞれについて異なる回転角度を用いて表示するようにしてもよい。
【0048】
また、画像表示部135は、図7(d)で示すように、図7(c)の処理と同様にアイコン画像を乱雑に表示すると共に、アイコン画像のサイズも統一して表示していない。実世界の書籍にあわせて大きさを変えることも考えられるし、優先度の低いアイコン画像についてはその大きさを小さくして表示するようにしてもよい。この場合、画像表示部135は、例えば、アイコン画像の大きさに、所定の係数と優先度とを乗じた縮小係数を算出し、当該縮小係数によってアイコン画像を縮小して表示する。
【0049】
なお、図7(c)および図7(d)のアイコン画像の表示例は、ディスプレイ141の全体の表示領域のうちの画像の表示領域の割合が、例えば80%未満である場合に、画像選択部132の選択した画像を表示すると画像表示決定部134が決定する場合の例である。つまり、全てのディスプレイ141の全ての領域が埋まらずとも、80%まで埋まれば、次のアイコン画像は表示しない場合の例である。
【0050】
図6や図7で示した優先度順によるアイコン画像の表示例においては、アイコン画像の表示位置が予め複数個所(図6や図7では6箇所〜7箇所)に定められている場合を示しているが、表示位置については、ランダムにアイコン画像が表示されていない領域に順次、表示するようにしてもよい。その場合、例えば一例としては、画像表示部135は、アイコン画像が表示されていない領域のうち最も大きい領域の重心と、アイコン画像の重心とが重なるように表示するようにしてもよい。
【0051】
(画像表示の第3の実施例)
図8はディスプレイへのアイコン画像の表示例を示す第3の図である。
画像表示部135は、優先度が高い画像を優先度の低い画像の上に重ねて表示した結果、ディスプレイ141上において、アイコン画像の全体の面積のうち表示割合が所定の割合以下である画像については画像輝度を減じて表示するようにしてもよい。
例えば図8(e)では、アイコン画像(1)の下部に位置するアイコン画像(e−1)や、アイコン画像(5)の上部に位置するアイコン画像(e−2)は、各アイコン画像の面積の所定の割合である40%以下のディスプレイ上の表示であると画像表示部135によって算出されたとする。この場合、画像表示部135は、アイコン画像(e−1)やアイコン画像(e−2)の輝度を減じて表示する。当該輝度は「0」であってもよい。
これにより、優先度が低く、一部が他のアイコン画像の後ろに隠されることによって所定の割合以上表示されないようなアイコン画像については、暗い画像となる。
【0052】
ここで図8(e)のアイコン画像の表示例の表示の後、画像表示制御部131が、アイコン画像(1)に対する取り除く要求を検出したとする。その場合には、アイコン画像(1)の取り除く処理が行われる。そして、一部が暗い画像により表示され他の部分がアイコン画像(1)の後ろに隠されていたアイコン画像(e−1)が、図8(f)で示すように表示される。なおアイコン画像(e−1)はアイコン画像(8)である。
【0053】
図9はディスプレイへのアイコン画像の表示例を示す第4の図である。
画像表示部135は、図9で示すように、優先度が高い画像を優先度の低い画像の上に重ねて表示した結果、ディスプレイ141上において、アイコン画像内の所定の主要エリアの面積のうち表示割合が所定の割合以下である画像については画像輝度を減じて表示するようにしてもよい。
【0054】
例えば図9(g)においてはアイコン画像(1)の後ろにアイコン画像(7)の一部が隠されて表示されているとする。ここでアイコン画像における電子書籍のタイトルの記述がある範囲を主要エリアとする。画像表示部135は、アイコン画像(7)をディスプレイ141に表示するにあたり、アイコン画像(7)の主要エリアの40%以上が表示されるかを判定する。この判定は、アイコン画像(7)の主要エリアの四隅の座標と、アイコン画像(1)の四隅の座標とを用いて計算すればよい。そして、画像表示部135は、アイコン画像(7)の主要エリアの40%以上が表示されないと判定した場合には、当該アイコン画像(7)の輝度を減じて表示する。
これにより、優先度が低く、主要エリアの一部が他のアイコン画像の後ろに隠されることによって、当該主要エリアについて所定の割合以上表示されないようなアイコン画像については、暗い画像となる。なお図9(i)はアイコン画像(7)の主要エリアの範囲を示すものである。
【0055】
ここで図9(g)の各アイコン画像の表示例の表示の後、画像表示制御部131が、アイコン画像(1)に対する取り除く要求を検出したとする。その場合には、アイコン画像(1)の取り除く処理が行われる。そして、アイコン画像(1)の右横において一部が暗い画像により表示され、かつ、他の部分がアイコン画像(1)の後ろに隠されていたアイコン画像(7)が、図9(h)で示すように表示される。
【0056】
(画像表示の第4の実施例)
図10はディスプレイへのアイコン画像の表示例を示す第5の図である。
画像表示部135は、取り除きリセット要求の入力に基づいて、ディスプレイ141に表示した各アイコン画像の表示を、複数入力した取り除き要求のうちの初回の取り除き要求の入力前の表示状態に戻すような処理を行うようにしてもよい。
例えば、図10(j)は初期の複数のアイコン画像の表示例を示している。当該表示例においては、アイコン画像(1)〜(7)が輝度の変更なしに表示されているものとする。このような状態でアイコン画像(1)を対象とする第一回目の取り除き要求の入力を検出したとする。すると、画像表示部135はアイコン画像(1)の取り除き処理を行う。
【0057】
この第一回目の取り除き要求の後のディスプレイ141の表示例を図10(k)に示している。当該図10(k)で示すように、第一回目の取り除き要求を検出した場合には、画像表示部135は、下部領域の輝度が減じられており、かつ上部がアイコン画像(1)の下に一部が隠されていたアイコン画像(8)の表示処理を行う。なお当該アイコン画像(8)は優先度が低いため、アイコン画像(2),(3),(6),(7)の下に一部が隠されて表示されている。
【0058】
次にアイコン画像(7)を対象とする第二回目の取り除き要求の入力を画像表示制御部131が検出したとする。すると、画像表示部135はアイコン画像(7)の取り除き要求を行う。アイコン画像(7)の取り除き処理を行うことによって、画像表示決定部134は、所定の割合以上の領域がアイコン画像で満たされていない状況を判定し次の優先度のアイコン画像(9)の表示を決定する。そして、画像表示部135は、取り除き要求の対象であったアイコン画像(7)の位置にアイコン画像(9)を表示する。このときアイコン画像(9)の優先度は、アイコン画像(3)よりも優先度が低いため、アイコン画像(3)と重なるアイコン画像(9)の領域をアイコン画像(3)の下に隠されたように表示する。実際には、アイコン画像(9)のアイコン画像(3)と重なる領域のみ表示しない処理、又は、アイコン画像(9)を表示した後にアイコン画像(3)を上書きする処理を施す。この状態が図10(l)で示すディスプレイ141におけるアイコン画像の表示例である。
【0059】
そして、この状態においてユーザが画像表示装置1に対してリセット要求を入力する。当該リセット要求は、例えば、リセット要求専用の入力部(操作ボタン102など)を画像表示装置1に設けて、当該入力部のスイッチの押下に基づいて画像表示制御部131が検出する。または、ディスプレイ141上にリセットボタンのアイコンを表示し、当該リセットボタンのアイコンに対するクリック操作やダブルクリック操作に基づいて画像表示制御部131が検出するようにしてもよい。当該リセット要求を画像表示制御部131が検出すると、画像表示部135は、第一回目の取り除き要求を検出する前の図10(j)で示す各アイコン画像の表示に切り替える。より具体的には、一例としては、図10(j)の初期のアイコン画像の表示状態(どの位置にどのアイコン画像を表示したかの情報)をメモリ等に記憶しておき、画像表示部135は、当該表示状態の情報を読み取って、表示処理を行う。メモリにアイコン画像表示状態を記憶することにより、図10(k)の状態で、たとえ他のカードを取り除いた後でも(7)のアイコンを取り除くと、図10(l)で表示されているのと同じ(9)のアイコンが表示され、より実世界に近い感覚が得られる。
これにより、リセット要求の入力により、過去の取り除き要求をリセットすることができる。
【0060】
図11はディスプレイへのアイコン画像の表示例を示す第6の図である。
画像表示部135は、取り除きリセット要求の入力に基づいて、ディスプレイ141に表示した各アイコン画像の表示を、複数入力した取り除き要求のうちの前回の取り除き要求の入力前の表示状態に戻すような処理を行うようにしてもよい。
例えば、図11(n)は初期の複数のアイコン画像の表示例を示している。当該表示例においては、アイコン画像(1)〜(7)が輝度の変更なしに表示されているものとする。このような状態でアイコン画像(1)を対象とする第一回目の取り除き要求の入力を検出したとする。すると、画像表示部135はアイコン画像(1)の取り除き処理を行う。
【0061】
この第一回目の取り除き要求の後のディスプレイ141の表示例を図11(o)に示している。当該図11(o)で示すように、第一回目の取り除き要求を検出した場合には、画像表示部135は、下部領域の輝度が減じられており、かつ上部がアイコン画像(1)の下に一部が隠されていたアイコン画像(8)の表示処理を行う。なお当該アイコン画像(8)は優先度が低いため、アイコン画像(2),(3),(6),(7)の下に一部が隠されて表示されている。
【0062】
次にアイコン画像(7)を対象とする第二回目の取り除き要求の入力を画像表示制御部131が検出したとする。すると、画像表示部135はアイコン画像(7)の取り除き要求を行う。アイコン画像(7)の取り除き処理を行うことによって、画像表示決定部134は、所定の割合以上の領域がアイコン画像で満たされていない状況を判定し次の優先度のアイコン画像(9)の表示を決定する。そして、画像表示部135は、取り除き要求の対象であったアイコン画像(7)の位置にアイコン画像(9)を表示する。このときアイコン画像(9)の優先度は、アイコン画像(3)よりも優先度が低いため、アイコン画像(3)と重なるアイコン画像(9)の領域をアイコン画像(3)の下に隠されたように表示する。実際には、アイコン画像(9)のアイコン画像(3)と重なる領域のみ表示しない処理となる。この状態が図11(p)で示すディスプレイ141におけるアイコン画像の表示例である。
【0063】
そして、この状態においてユーザが画像表示装置1に対してリセット要求を入力する。当該リセット要求を画像表示制御部131が検出すると、画像表示部135は、第二回目の取り除き要求を検出する前の図11(p)で示す各アイコン画像の表示に切り替える。より具体的には、一例としては、直前の表示状態である、図11(p)のアイコン画像の表示状態(どの位置にどのアイコン画像を表示したかの情報)をメモリ等に記憶しておき、画像表示部135は、当該表示状態の情報を読み取って、表示処理を行う。
これにより、リセット要求の入力により、1つ前に行った取り除き要求をリセットすることができる。
【0064】
図12はアイコン画像の操作例を示す図である。
図12においては、アイコン画像に対する操作例を示している。図12(r)は初期の各アイコン画像の表示例を示している。当該表示例においては、アイコン画像(1)〜(7)が輝度の変更なしに表示されているものとする。
図12(s)は、アイコン画像(1)に対して取り除き要求を行う場合の第一の例である。上述したようにユーザは、アイコン画像をダブルクリックすることにより取り除き要求を入力することができる。
また図12(t)は、アイコン画像(1)に対して取り除き要求を行う場合の第二の例である。上述したようにユーザは、アイコン画像に対してフリック操作を行うことにより取り除き要求を入力することができる。この他、タッチした指をタッチセンサに接触させながらゆっくりとスライドさせて、対象のアイコン画像をディスプレイ141の枠外へ移動させる操作によって取り除き要求を行うようにしてもよい。
【0065】
また図12(u)は所望のアイコン画像のディスプレイ141上における表示位置をずらす場合の例を示している。この図12(u)で示すように、ユーザは、アイコン画像(1)の上に指をタッチして当該アイコン画像(1)を選択し、指をタッチパネル101から離さずに当該指をスライドさせることによって、アイコン画像(1)を移動させることができる。このとき画像表示部135は、ユーザの指がタッチされている位置を検出し続け、スライドされていることを検出した場合、その指のタッチの位置の変化に応じて同じ方向にアイコン画像(1)をスライドして表示する。そして、ユーザの指をタッチパネル101から離すことにより、タッチ未検出と判定した場合には、画像表示部135は、その位置にアイコン画像(1)を表示させる。これにより、アイコン画像(1)の後ろに隠されていた他のアイコン画像の表示領域が所定の割合以上になった場合には、輝度を元のアイコン画像の輝度に戻して表示するようにしてもよい。
【0066】
また図12(v)は、優先度の低いアイコン画像を選択して最上位に表示する場合の例を示している。
いま、図12(v)で示すように優先度の低いアイコン画像(7)の左領域の一部が、が優先度の高いアイコン画像(1)およびアイコン画像(3)と重なるため、その左領域の一部を表示していない状況となっている。このような状態において、ユーザが、図12(r)の表示の際に優先度の低いアイコン画像(7)の表示位置におけるタッチ操作を行うと、それを画像表示制御部131が検出し、画像表示部135がアイコン画像(7)の全体を表示するようにしてもよい。これによりアイコン画像(1)およびアイコン画像(3)の上位にアイコン画像(7)を表示する。
【0067】
このとき画像表示部135は、アイコン画像(1)およびアイコン画像(3)について、アイコン画像(7)と重なる領域を算出し、そのアイコン画像(1)およびアイコン画像(3)のアイコン画像(7)と重なる領域を表示しない処理を行う。なお、画像表示部135は、アイコン画像(7)の表示位置におけるタッチ操作を検出しなくなった時点で、タッチされる前の表示状態に戻す処理を行ってもよいし、引き続きアイコン画像(7)を上位に表示し続けるようにしてもよい。
【0068】
図13はディスプレイへのアイコン画像の表示例を示す第7の図である。
図13においては、アイコン画像を3D表示した場合の例を示している。このように、画像表示部135は、各アイコン画像を立体的に表示するようにしてもよい。このとき、各アイコン画像が矩形である場合には一方の辺(図においては左辺)が奥に、当該一方の辺に対向する辺(図においては右辺)が手前に立体的に表示されるような遠近画法に従った画像処理を行う。このような処理により、他のアイコン画像の下に隠れるように表示されるアイコン画像について視認しやすくなる。
【0069】
図14はディスプレイへのアイコン画像の表示例を示す第8の図である。
画像表示部135は、アイコン画像が表示されていない領域の重心と、表示すると決定したアイコン画像の所定の領域の重心とが重なるように、当該アイコン画像を表示するようにしてもよい。
図14(w)はディスプレイ141の中央に表示されていたアイコン画像の取り除き要処理を行った直後の表示例を示している。この状態において、次のアイコン画像(8)を表示するにあたり、図14(x)で示すように、画像表示部135は、アイコン画像(8)の重心と、アイコン画像が表示されていない領域の重心とが重なるようにアイコン画像(8)を表示する。
または、図14(y)で示すように、画像表示部135は、アイコン画像(8)の主要なエリアであるタイトルエリアの重心と、アイコン画像が表示されていない領域の重心とが重なるようにアイコン画像(8)を表示するようにしてもよい。
なお、画像表示部135は、アイコン画像の表示されていないエリアにおける所定の位置や、ランダムに決定した位置と、アイコン画像の所定の領域(画像全体の領域や主要エリアの領域)の重心とを重ねて表示するようにしてもよい。
【0070】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述の処理によれば、画像処理装置1は、ディスプレイの前面に渡って、選択される候補となる複数の画像を表示するにあたり、優先度の低い画像についても視認できるように表示している。これにより、プライオリティの低い画像についても初期の段階で選択できるような仕組みを提供することができ、したがって、プライオリティの高い画像のみが極端に選択されるような状況を排除することができる。
また、視覚的に楽しい印象をユーザに与える画像表示処理を行うことができる。つまり、乱雑に散らばった複数の画像の中から選択させることができるため、宝探しをするような視覚的に楽しい印象を与えることができる。
また、どの画像を取り除いても、次の優先度の画像を表示させることで、画像のプライオリティを確保しながら、乱雑に表示された複数の画像の中から選ぶ楽しさをユーザに与えることができる。
【0071】
なお、上述の画像表示装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0072】
1・・・画像表示装置
12・・・外部記憶装置
13・・・CPU
101・・・タッチパネル
102・・・操作ボタン
111・・・カメラ
112・・・無線通信部
113・・・インタフェース
130・・・主記憶装置
141・・・ディスプレイ
142・・・スピーカ
143・・・発光部
144・・・電池
131・・・画像表示制御部
132・・・画像選択部
133・・・表示状況判定部
134・・・画像表示決定部
135・・・画像表示部
139・・・画像一時記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面の全体の表示領域のうちの画像の表示領域の割合を算出する表示状況判定部と、
前記表示画面の全体の表示領域よりも小さな領域を有する複数の画像うち、未だ表示されていない画像であってその中で最も優先度の高い画像を選択する画像選択部と、
前記表示画面の全体の表示領域のうちの画像の表示領域の割合が、予め定められた領域割合以上でない場合には、前記選択された画像を表示すると決定する画像表示決定部と、
前記選択された画像を、前記表示画面の規定の位置に表示する画像表示部と、
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記画像表示部は、
既に表示画面に表示している画像の領域と、新たに表示画面に表示する画像の領域とが重なる場合には、前記優先度が高い画像を前記優先度の低い画像の上に重ねた表示処理を行い、
前記表示画面に表示した何れかの対象画像の取り除き要求の入力に基づいて、当該対象画像の取り除き処理を行って、その下に重ねられていた優先度の低い他の画像の当該重ねられていた領域を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記表示状況判定部は、前記取り除き要求の入力に基づいて、前記対象画像の取り除き処理が行われた場合には、再度、前記表示画面の全体の表示領域のうちの画像の表示領域の割合を算出する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記画像表示部は、前記優先度が高い画像を前記優先度の低い画像の上に重ねて表示することにより、前記表示画面中において、画像の全体の面積のうち表示割合が所定の割合以下である画像については画像輝度を減じて表示する
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記画像表示部は、前記優先度が高い画像を前記優先度の低い画像の上に重ねて表示することにより、前記表示画面中において、画像内の所定の主要エリアの面積のうち表示割合が所定の割合以下である画像については画像輝度を減じて表示する
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記画像表示部は、取り除きリセット要求の入力に基づいて、前記表示画面の各画像の表示を、複数入力した前記取り除き要求のうちの初回の取り除き要求の入力前に戻す
ことを特徴とする請求項2から請求項4の何れか一項に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記画像表示部は、取り除きリセット要求の入力に基づいて、前記表示画面の各画像の表示を、複数入力した前記取り除き要求のうちの前回の取り除き要求の入力前に戻す
ことを特徴とする請求項2から請求項4の何れか一項に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記画像表示部は、前記アイコン画像が表示されていない領域の重心と、表示すると決定したアイコン画像の所定の領域の重心とが重なるように、当該アイコン画像を表示する
ことを特徴とする請求項1から請求項7の何れか一項に記載の画像表示装置。
【請求項9】
画像表示装置の処理方法であって、
表示状況判定部が、表示画面の全体の表示領域のうちの画像の表示領域の割合を算出し、
画像選択部が、前記表示画面の全体の表示領域よりも小さな領域を有する複数の画像うち、未だ表示されていない画像であってその中で最も優先度の高い画像を選択し、
画像表示決定部が、前記表示画面の全体の表示領域のうちの画像の表示領域の割合が、予め定められた領域割合以上でない場合には、前記選択された画像を表示すると決定し、
画像表示部が、前記選択された画像を、前記表示画面の規定の位置に表示する
ことを特徴とする処理方法。
【請求項10】
前記画像表示部は、
既に表示画面に表示している画像の領域と、新たに表示画面に表示する画像の領域とが重なる場合には、前記優先度が高い画像を前記優先度の低い画像の上に重ねた表示処理を行い、
前記表示画面に表示した何れかの対象画像の取り除き要求の入力に基づいて、当該対象画像の取り除き処理を行って、その下に重ねられていた優先度の低い他の画像の当該重ねられていた領域を表示する
ことを特徴とする請求項9に記載の処理方法。
【請求項11】
前記表示状況判定部は、前記取り除き要求の入力に基づいて、前記対象画像の取り除き処理が行われた場合には、再度、前記表示画面の全体の表示領域のうちの画像の表示領域の割合を算出する
ことを特徴とする請求項10に記載の処理方法。
【請求項12】
前記画像表示部は、前記優先度が高い画像を前記優先度の低い画像の上に重ねて表示することにより、前記表示画面中において、画像の全体の面積のうち表示割合が所定の割合以下である画像については画像輝度を減じて表示する
ことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の処理方法。
【請求項13】
前記画像表示部は、前記優先度が高い画像を前記優先度の低い画像の上に重ねて表示することにより、前記表示画面中において、画像内の所定の主要エリアの面積のうち表示割合が所定の割合以下である画像については画像輝度を減じて表示する
ことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の処理方法。
【請求項14】
前記画像表示部は、取り除きリセット要求の入力に基づいて、前記表示画面の各画像の表示を、複数入力した前記取り除き要求のうちの初回の取り除き要求の入力前に戻す
ことを特徴とする請求項10から請求項12の何れか一項に記載の処理方法。
【請求項15】
前記画像表示部は、取り除きリセット要求の入力に基づいて、前記表示画面の各画像の表示を、複数入力した前記取り除き要求のうちの前回の取り除き要求の入力前に戻す
ことを特徴とする請求項10から請求項12の何れか一項に記載の処理方法。
【請求項16】
前記画像表示部は、前記アイコン画像が表示されていない領域の重心と、表示すると決定したアイコン画像の所定の領域の重心とが重なるように、当該アイコン画像を表示する
ことを特徴とする請求項9から請求項15の何れか一項に記載の処理方法。
【請求項17】
画像表示装置のコンピュータを、
表示画面の全体の表示領域のうちの画像の表示領域の割合を算出する表示状況判定手段、
前記表示画面の全体の表示領域よりも小さな領域を有する複数の画像うち、未だ表示されていない画像であってその中で最も優先度の高い画像を選択する画像選択手段、
前記表示画面の全体の表示領域のうちの画像の表示領域の割合が、予め定められた領域割合以上でない場合には、前記選択された画像を表示すると決定する画像表示決定手段、
前記選択された画像を、前記表示画面の規定の位置に表示する画像表示手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項18】
画像表示装置のコンピュータに備えられたプロセッサであって、
表示画面の全体の表示領域のうちの画像の表示領域の割合を算出し、
前記表示画面の全体の表示領域よりも小さな領域を有する複数の画像うち、未だ表示されていない画像であってその中で最も優先度の高い画像を選択し、
前記表示画面の全体の表示領域のうちの画像の表示領域の割合が、予め定められた領域割合以上でない場合には、前記選択された画像を表示すると決定し、
前記選択された画像を、前記表示画面の規定の位置に表示する
ことを特徴とするプロセッサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−256163(P2012−256163A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128252(P2011−128252)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】