画像表示装置及びその制御方法、画像出力装置及びその制御方法、画像表示システム
【課題】入力画像に応じて光源の光量を領域毎に調節可能な複数の異なる画像表示装置に同一の画像を入力した場合の画像表示のばらつきを抑制することができる画像表示システムを提供する。
【解決手段】第1の画像表示装置と、第2の画像表示装置と、第1の画像表示装置及び第2の画像表示装置へ画像データを出力する画像出力装置と、を有し、第1の画像表示装置は、表示パネルの表示領域におけるバックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を算出し、第2の画像表示装置は、光量情報を入力し、表示パネルを照射する光量分布が光量情報に示される光量分布に一致又は近似するように光源ブロック毎の発光を制御し、画像出力装置は、第1の画像表示装置から光量情報を取得し、画像データと光量情報とを関連付けて記憶し、第2の画像表示装置へ画像データと光量情報を出力する。
【解決手段】第1の画像表示装置と、第2の画像表示装置と、第1の画像表示装置及び第2の画像表示装置へ画像データを出力する画像出力装置と、を有し、第1の画像表示装置は、表示パネルの表示領域におけるバックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を算出し、第2の画像表示装置は、光量情報を入力し、表示パネルを照射する光量分布が光量情報に示される光量分布に一致又は近似するように光源ブロック毎の発光を制御し、画像出力装置は、第1の画像表示装置から光量情報を取得し、画像データと光量情報とを関連付けて記憶し、第2の画像表示装置へ画像データと光量情報を出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置及びその制御方法、画像出力装置及びその制御方法、画像表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶ディスプレイにおいて、表示画像のコントラストを強調するために入力画像に応じてバックライトの光量を光源ブロック毎に調節する技術が公開されている(特許文献1)。特許文献1に記載の技術は、液晶パネルと、液晶パネルに光を照射するLEDバックライトユニットを有する。LEDバックライトユニットは、複数の光源ブロックに分割されており入力画像に応じて光源ブロック毎の光量を制御する。
【0003】
また、従来、特定の画像を表示した際のディスプレイの色度点とガンマ特性を記述したプロファイルをディスプレイ毎に作成し使用する技術が提案されている(特許文献2)。特許文献2は、サーバがディスプレイに画像を送信する際に、送信先のディスプレイのプロファイルを使用して画像を補正する。ディスプレイの特性を記述したプロファイルを加味して画像を補正することにより、異なるディスプレイに同じ画像を表示した際に表示色が異なってしまうという課題を解決している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−183608号公報
【特許文献2】特開2002−135607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術における、バックライトの光源ブロックの大きさや光源ブロック毎のバックライト光量の制御(ローカルディミング制御)の方法は、異なるディスプレイの機種間で統一されているわけではない。そのため、表示する画像データが同一であっても、表示装置の機種によってローカルディミング制御が異なるために、表示装置の機種によって画像の見え方が異なってしまう場合があった。
【0006】
また、特許文献2に記載の技術では、異なるディスプレイ間でのバックライトの光源ブロックの大きさやローカルディミング制御の方法の違いは考慮されていない。そのため、表示装置の機種毎のローカルディミング制御の相違により画像の見え方がばらつくという課題を、プロファイルに基づく画像の補正によって解決することはできなかった。
【0007】
そこで、本発明は、入力画像に応じて光源の光量を光源ブロック毎に調節可能な複数の異なる画像表示装置に同一の画像を入力した場合の画像表示のばらつきを抑制することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
画像データを入力するとともに、他の画像表示装置においてその画像データが表示された時の当該他の画像表示装置の表示パネルの表示領域における当該他の画像表示装置のバックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を入力する入力手段と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布が、前記光量情報に示される光量分布に一致又は近似するように、前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する制御手段と、
を有する画像表示装置である。
【0009】
本発明は、第1の画像表示装置及び第2の画像表示装置へ画像データを出力する画像出力装置であって、
前記第1の画像表示装置は、
入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
入力する画像データに応じて前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する制御手段と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を算出する算出手段と、
を有し、
前記第2の画像表示装置は、
入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
画像データを入力するとともに、他の画像表示装置においてその画像データが表示された時の当該他の画像表示装置の表示パネルの表示領域における当該他の画像表示装置のバックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を入力する入力手段と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布が、前記光量情報に示される光量分布に一致又は近似するように、前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する制御手段と、
を有し、
前記画像出力装置は、
第1の画像表示装置へ画像データを出力した場合に、当該第1の画像表示装置が算出した光量情報を取得し、当該画像データと光量情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、
第1の画像表示装置へ出力した前記画像データを第2の画像表示装置へ出力する場合に、前記画像データとともに、前記画像データに関連付けて前記記憶手段に記憶した光量情報を出力する出力手段と、
を有する画像出力装置である。
【0010】
本発明は、入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
を有する画像表示装置の制御方法であって、
画像データを入力するとともに、他の画像表示装置においてその画像データが表示された時の当該他の画像表示装置の表示パネルの表示領域における当該他の画像表示装置のバックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を入力する工程と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布が、前記光量情報に示される光量分布に一致又は近似するように、前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する工程と、
を有する画像表示装置の制御方法である。
【0011】
本発明は、第1の画像表示装置及び第2の画像表示装置へ画像データを出力する画像出力装置の制御方法であって、
前記第1の画像表示装置は、
入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
入力する画像データに応じて前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する制
御手段と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を算出する算出手段と、
を有し、
前記第2の画像表示装置は、
入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
画像データを入力するとともに、他の画像表示装置においてその画像データが表示された時の当該他の画像表示装置の表示パネルの表示領域における当該他の画像表示装置のバックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を入力する入力手段と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布が、前記光量情報に示される光量分布に一致又は近似するように、前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する制御手段と、
を有し、
前記画像出力装置の制御方法は、
第1の画像表示装置へ画像データを出力した場合に、当該第1の画像表示装置が算出した光量情報を取得する工程と、
第1の画像表示装置へ出力した前記画像データと光量情報とを関連付けて記憶する工程と、
第1の画像表示装置へ出力した前記画像データを第2の画像表示装置へ出力する場合に、前記画像データとともに、前記画像データに関連付けて記憶した前記光量情報を出力する工程と、
を有する画像出力装置の制御方法である。
【0012】
本発明は、第1の画像表示装置と、第2の画像表示装置と、第1の画像表示装置及び第2の画像表示装置へ画像データを出力する画像出力装置と、を有する画像表示システムであって、
前記第1の画像表示装置は、
入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
入力する画像データに応じて前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する制御手段と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を算出する算出手段と、
を有し、
前記第2の画像表示装置は、
入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
画像データを入力するとともに、他の画像表示装置においてその画像データが表示された時の当該他の画像表示装置の表示パネルの表示領域における当該他の画像表示装置のバックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を入力する入力手段と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布が、前記光量情報に示される光量分布に一致又は近似するように、前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する制御手段と、
を有し、
前記画像出力装置は、
第1の画像表示装置へ画像データを出力した場合に、当該第1の画像表示装置が算出した光量情報を取得し、当該画像データと光量情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、
第1の画像表示装置へ出力した前記画像データを第2の画像表示装置へ出力する場合に、前記画像データとともに、前記画像データに関連付けて前記記憶手段に記憶した光量
情報を出力する出力手段と、
を有する画像表示システムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、入力画像に応じて光源の光量を光源ブロック毎に調節可能な複数の異なる画像表示装置に同一の画像を入力した場合の画像表示のばらつきを抑制することができる技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例の画像表示システムの構成を示すブロック図
【図2】実施例の画像表示装置の光源部と光源制御部の接続図
【図3】実施例1の第1の画像表示装置に画像データを表示する際の動作例
【図4】実施例1の画像編集装置に画像データを記憶する処理のフロー
【図5】実施例1の第2の画像表示装置に画像データを表示する処理のフロー
【図6】実施例1の第2の画像表示装置に画像データを表示する際の動作例
【図7】実施例2の第1の画像表示装置に画像データを表示する際の動作例
【図8】実施例2の第2の画像表示装置に画像データを表示する際の動作例
【図9】実施例2の第2の画像表示装置に画像データを表示する際の他の動作例
【図10】実施例3の第1の画像表示装置に画像データを表示する際の動作例
【図11】実施例3の第2の画像表示装置に画像データを表示する際の動作例
【図12】実施例4の第2の画像表示装置に画像データを表示する際の動作例
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施例1)
以下、添付図面を参照して、本発明の例示的な実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明を適用できる画像表示システムの一例を示すブロック図である。図1において、本実施形態は、画像編集装置10、通信線20、第1の画像表示装置30と第2の画像表示装置40から構成される。なお、図1の第2の画像表示装置40に付された括弧書きの符号90は、実施例4の説明で参照するための符号である。
【0016】
画像編集装置10は、例えば、パーソナルコンピュータであり、内部に画像データを記憶し、ユーザの操作に基づいて記憶した画像データを編集する。画像編集装置10は、画像記憶部11、データバス12、画像編集部13と通信部14から構成される、画像出力を行う装置である。
【0017】
画像記憶部11は、ハードディスクドライブ、記録ディスクなどの記録媒体である。画像記憶部11は、画像データ、及び、第1の画像表示装置30の光源部36が表示部34を照射する際の光の分布状態を示す光量情報を記憶する。光量情報の詳細は後述する。
【0018】
データバス12は、画像編集装置10の内部のデータの伝送を行うバスである。データバス12には、画像記憶部11に記憶された画像データや、通信部14が通信線を介して第1の画像表示装置30や第2の画像表示装置40と通信する際の通信情報などが伝送される。
【0019】
画像編集部13は、例えば、画像レタッチソフトウェアや画像ビューワを用いて画像の編集処理を行う。画像編集部13は、画像記憶部11からデータバス12を介して画像データを読み込み、ユーザの操作に基づいて画像データの明るさ、色の補正、サイズ変更やトリミング等の編集処理を行う。画像編集部13にて編集中の画像データは、通信部14を介して第1の画像表示装置30に出力される。そのため、ユーザは、第1の画像表示装置30に表示された画像データを参照しながら画像編集装置10で画像データを編集する
ことができる。画像編集部13は、編集した画像データを画像記憶部11に出力する。
【0020】
通信部14は、例えば、ネットワークインタフェースやHDMI(High Definition Multimedia Interface)トランスミッタ・レシーバなどの通信装置である。通信部14は、
通信線20を介して第1の画像表示装置30や第2の画像表示装置40へ画像データを転送する。また、画像編集装置10と第1の画像表示装置30や第2の画像表示装置40との間の制御情報を伝送する。
【0021】
通信線20は、ネットワークやHDMIなどの通信ケーブルである。通信線には、画像編集装置10、第1の画像表示装置30と第2の画像表示装置40が接続され、双方向にデータの伝送を行うことができる。
【0022】
第1の画像表示装置30は、例えば、液晶ディスプレイであり、画像編集装置10から画像データを受信し、受信した画像データに基づく画像を表示する。第1の画像表示装置30は、通信部31、データバス32、画像処理部33、表示部34、光源制御部35、及び光源部36から構成される。
【0023】
通信部31は、例えば、ネットワークインタフェースやHDMIトランスミッタ・レシーバなどの通信装置である。
データバス32は、第1の画像表示装置30の内部のデータの伝送を行うバスである。データバス32には、通信部31が画像編集装置10から通信線20を介して受信した画像データや通信情報などが伝送される。
【0024】
画像処理部33は、通信部31が画像編集装置10から受信した画像データの統計量の算出、及び、画像データの輝度の補正を行う。統計量は、例えば、画像編集装置10から受信した画像データの最大輝度値である。光源部36は、後述するように複数の光源ブロックに分割されているので、画像処理部33は、画像データを光源部36の光源ブロックと対応する領域に分割し、分割した領域毎に最大輝度値を算出する。画像処理部33は、算出した領域毎の最大輝度値を統計量として光源制御部35に出力する。また、画像処理部33は、画像データの輝度値を補正し、補正した画像データを表示部34に出力する。なお、統計量は、必ずしも最大輝度値でなくとも良い。画像データの特徴を表す量であれば良く、例えば、平均輝度値でも良い。
【0025】
表示部34は、例えば、液晶パネルであり、画像処理部33から入力する画像データに基づく画像を表示するものである。表示部34の背面には後述する光源部36が位置する。光源部36が表示部34の背面から光を照射し、表示部34の例えば液晶素子が画素毎に光源部36からの照射光の透過率を変化させることにより、表示部34に観察可能な画像が表示される。
【0026】
光源部36は、複数のLED等の発光素子から構成された面状の発光体であり、白色の光を表示部34の背面から照射する。光源部36の構成及び光源部36と光源制御部35との接続を図2に示す。図2において、光源部36は、5個の光源ブロック41〜45に分割されており、各光源ブロックは光源制御部35と接続されている。光源部36の各光源ブロックの発光量は、光源制御部35が出力するPWM(Pulse Width Modulation)信号によって互いに独立に制御可能である。光源部36の発光量は、PWM信号のHigh期間が長くなると多くなり、PWM信号のHigh期間が短くなると少なくなる。
【0027】
光源制御部35は、画像処理部33から画像データの統計量を受け取り、受け取った統計量に応じて、光源部36の光源ブロック毎の発光量を制御する。光源制御部35は、発光量の制御を、光源部36の各光源ブロックに出力するPWM信号のHigh期間を制御
することにより行う。また、光源制御部35は、光源部36が表示部34を照射する光の、表示部34の表示領域における光量分布を示す光量情報を算出する。光量情報は、例えば、表示部34に表示する画像データと同じ画素数を持つ画像データ形式で表すことができる。この場合、光量情報を表す画像データの各画素の輝度値が表示部34の各画素における照射光の光量を表すようにする。光源制御部35は、光量情報を、光源部36の各光源ブロックに出力するPWM信号と、光源部36の光の拡散量と、から算出する。
【0028】
まず、光源制御部35は、光源部36の各光源ブロックに出力するPWM信号から光源部36の各光源ブロックの光量(発光量)を計算し、計算した光量の分布を2次元の画像データの形式に変換する。光源部36と表示部34の間には距離が空いているため、光源部36の光は、拡散したのち表示部34に到達し、表示部34の各画素を照射する。そのため、PWM信号を元に算出した光源部36の発光量の分布状態を示す画像データに対して、縦横2次元のローパスフィルタを施し表示部34における照射光の光量分布を示す光量情報を算出する。光源部36から発せられた光の拡散具合は、光源部36と表示部34の間の距離などに依存するためディスプレイの機種により異なる。光源部36の発光量の分布状態を示す画像データに施すローパスフィルタの係数を拡散量として予めディスプレイ内部に固定値として保持しておいてもよい。光源制御部35は、算出した光量情報を通信部31を介して画像編集装置10に伝送する。なお、拡散の影響を考えない場合には、光源部36による発光量の分布状態を示すデータをそのまま光量情報としても良い。
【0029】
第2の画像表示装置40は、第1の画像表示装置30とは異なる液晶ディスプレイである。第2の画像表示装置40の光源は、第1の画像表示装置30の光源と同様に5個の光源ブロックに分割されている。第2の画像表示装置40の構成は、第1の画像表示装置30と同様であるため説明及び図示を省略する。第2の画像表示装置40の機能ブロックの符号として、対応する第1の画像表示装置30の機能ブロックの符号に「b」を付したものを用いる。例えば、第2の画像表示装置40の表示部の符号は34bとする。なお、図1では画像編集装置10に第1の画像表示装置30と第2の画像表示装置40の両方が接続されているが、2つの画像表示装置が同時に画像編集装置10に接続されていなくても良い。また、画像編集装置10に接続する画像表示装置の台数は2台以上であっても良い。
【0030】
(動作例の説明)
画像編集装置10で編集中の画像データ(画像データ1)を第1の画像表示装置30に表示する際の動作を説明する。
【0031】
画像編集装置10は、画像データ1を通信線20を介して第1の画像表示装置30に出力する。画像編集装置10が出力する画像データ1の例を図3(A)に示す。図3(A)に示す画像データ1は、輝度値が0〜255の8ビットで表現されている。図3(A)において、領域A1は輝度値0、領域A2は輝度値128、領域A3は輝度値255の画像であるとする。本実施例では、画像データ1の領域A1〜A3の各領域内において輝度値に分布がない(つまり、領域A1〜A3の最大輝度値はそれぞれ0、128,255)とする。
【0032】
第1の画像表示装置30は、通信線20を介して画像編集装置10から図3(A)に示す画像データ1を受信し、受信した画像データ1の統計量を取得する処理を行う。図3(B)に第1の画像表示装置30の画像処理部33が取得した統計量を示す。ここでは統計量として最大輝度値を用いる。本実施例では画像処理部33は、画像データ1を表示部34に表示した際、光源部36の各光源ブロック41〜45に対応する画像データの各領域の統計量を取得する。
【0033】
光源部36の光源ブロック41に対応する画像データ1の領域D1は、図3(A)の画像データ1の領域A1に含まれる。画像データ1の領域A1の最大輝度値は0であるので、画像データ1の領域D1内の最大輝度値は0である。よって、画像データ1の領域D1の統計量は0となる。また、光源部36の光源ブロック42に対応する画像データ1の領域D2も領域D1と同様に、図3(A)の画像データ1の領域A1に含まれる。よって、画像データ1の領域D2の統計量は0となる。光源部36の光源ブロック43に対応する画像データ1の領域D3は、図3(A)の画像データ1の領域A2に含まれる。画像データ1の領域A2の最大輝度値は128であるので、画像データ1の領域D3の統計量は128となる。光源部36の光源ブロック44及び45それぞれに対応する画像データ1の領域D4及びD5は共に、図3(A)の画像データ1の領域A3に含まれる。画像データ1の領域A3の最大輝度値は255であるので、画像データ1の領域D4及びD5の統計量は共に255である。
【0034】
光源制御部35は、画像処理部33が出力する光源部36の各光源ブロックに対応する画像データの統計量(図3(B))を受信する。光源制御部35は、受信した画像データの分割領域毎の統計量に応じて光源部36の各光源ブロックの発光量を算出する。図3(C)に光源制御部35が光源部36の各光源ブロックに出力するPWM信号を示す。第1の画像表示装置30における光源制御部35は、画像データの分割領域毎の統計量に応じて光源ブロック毎の発光量を調節する動作を行う。PWM信号において、パルス信号の1周期の時間に対するHigh時間の割合をデューティ比という。デューティ比が1の場合は、1周期内のHigh時間が100%(1周期の時間内でずっと点灯し続けている状態)であることを示す。PWM信号のデューティ比を制御することで、光源部36の各光源ブロックの発光量を調節できる。統計量が0の場合はPWM信号のデューティ比を0とする。このPWM信号により、光源ブロックは、1周期の時間内でHigh時間が0(発光しない)となるように制御される。統計量が255(8ビットのうちの最大値)の場合は、PWM信号のデューティ比は1とする。このPWM信号により、光源ブロックは、1周期の時間すべてがHigh時間(常に発光する)となるように制御される。統計量が1〜254の場合には、統計量に応じてPWM信号のデューティ比は0より大きく1未満の間で決定される。本実施例においては、例えば統計量が128の場合は、PWM信号のデューティ比は0.5とする。
【0035】
図3(B)において画像データ1の領域D1及び領域D2の統計量は0であるから、光源制御部35は、図3(C)に示すように、光源部36の光源ブロック41と光源ブロック42に対してデューティ比が0のPWM信号を出力する。図3(B)において画像データ1の領域D3の統計量は128であるから、光源制御部35は、図3(C)に示すように、光源部36の光源ブロック43に対してデューティ比が0.5のPWM信号を出力する。図3(B)において、光源ブロック44及び45の統計量は255であるから、光源制御部35は、図3(C)に示すように、光源部36の光源ブロック44及び45に対してデューティ比が1のPWM信号を出力する。
【0036】
光源部36の各光源ブロックは、光源制御部35が出力するPWM信号に従って発光量が調整される。
ここでは、第1の画像表示装置30は光源部36の光の拡散の影響が少ないものとする。つまり、表示部34の背面には光源部36の発光する光がそのまま照射されるものとする。図3(D)に表示部34に照射される光源部36の各光源ブロックの発光量の分布の概念図を示す。図3(D)において、光源ブロック41及び42は発光せず、光源ブロック43は中程度の発光量で発光し、光源ブロック44及び45は発光量が多い。各光源ブロックの発光量を、画像データ1と同じ8ビットで表現すると、光源ブロック41及び42は発光量0、光源ブロック43は発光量128(最大発光量の1/2)、光源ブロック44及び45は発光量255(最大発光量)となる。この場合、光源制御部35は、各光
源ブロックの発光量を光量情報として保持する。
【0037】
表示部34に表示される画像は、画像データと、光源部36の光が合成されたものである。つまり、光源部36の光が画像データの輝度値に応じた透過率で透過した結果、表示部34に表示される画像として認識される。図3(D)に示すような発光量に各光源ブロックを調節した光源部36に対して、画像データとして図3(A)に示す画像データ1をそのまま用いると、本来の画像データ1の輝度値で表示できない。具体的には、光源ブロック43の発光量を1/2に下げたため、表示部34に表示される画像データ1の領域A2の輝度値は本来より(1/2程度に)下がってしまい、本来の輝度値で表示できない。よって、図3(E)に示すように、補正画像データ1aの領域A21(図3(A)の画像データ1の領域A2に相当する部分)の輝度値を255に補正する。以上のように補正した補正画像データ1aと、図3(D)に示すような発光量に制御された光源部36とにより、図3(A)に示す本来の画像データ1を表示部34に表示することができる。
【0038】
以上のように、第1の画像表示装置30の光源制御部35は、画像データの分割領域毎の統計量に応じて光源部36の発光ブロック毎の発光量を調節する動作を行う。特に、統計量が0の領域に対応する光源部36の光源ブロックのPWM信号のデューティ比を0にするため、画像データ内に統計量が0となる黒領域がある場合には、表示した画像内の暗部と明部の輝度差が大きくなり、高コントラストの表示を実現できる。
【0039】
続いて、図4に示すフローチャートを用いて、ユーザが画像編集装置10にて編集した図3(A)に示す画像データ1を、画像記憶部11に記憶する際の動作を説明する。
図4のステップ51では、ユーザが画像編集装置10を操作し、図3(A)の画像データ1の記憶を指示する。ユーザによる画像データの記憶指示は、画像編集装置10から第1の画像表示装置30に伝送される。
【0040】
ステップ52では、第1の画像表示装置30の光源制御部35は、光源部36の光量情報を算出する。最初に、光源制御部35は、図3(C)に示す光源部36の各光源ブロックのPWM信号のデューティ比から光源部36の発光量を光源ブロック毎に算出し、算出した発光量が8ビットの輝度値で表された2次元の画像データ形式のデータ(発光量データ)に変換する。
図3(C)において、光源ブロック41と光源ブロック42のPWM信号のデューティは0のため、光源制御部35は発光量データにおける光源ブロック41及び光源ブロック42の発光量を0にする。また、図3(C)において、光源ブロック43のPWM信号のデューティ比は0.5のため、光源制御部35は発光量データにおける光源ブロック43の発光量を128にする。また、図3(C)において、光源ブロック44及び光源ブロック45のPWM信号のデューティ比は1のため、光源制御部35は発光量データにおける光源ブロック44及び光源ブロック45の発光量を255とする。
【0041】
次に、光源制御部35は、表示部34へ照射される光量を示す光量情報を算出する。ここでは、第1の画像表示装置30の光源部36の光の拡散の影響は少ないものとし、光源部36の発光量がそのまま表示部34に照射されると考える。従って、光量情報は、図3(C)のPWM信号のデューティ比より算出される光源部36の上記の発光量データ(図3(D))が反映したものとなる。また、画像処理部33は上述した補正画像データ1aの生成を行う。
【0042】
ステップ53では、第1の画像表示装置30は、光源制御部35が算出した光量情報と画像処理部33において輝度補正を行った補正画像データ1aを、通信線20を介して画像編集装置10に送信する。
【0043】
ステップ54では、画像編集装置10の通信部14は、ステップ53において第1の画像表示装置30が送信した光量情報と補正画像データ1aを受信する。
【0044】
ステップ55では、画像編集装置10は、ステップ54において第1の画像表示装置30から受信した光量情報と補正画像データ1aを画像記憶部11に記憶する。また、画像編集装置10は、画像編集部13で編集した画像データ1のヘッダ欄に画像記憶部11に記憶した光量情報と補正画像データ1aのアドレスを埋め込む。光量情報と補正画像データ1aのアドレスを埋め込んだ画像データ1は、画像記憶部11に記憶される。これにより、画像編集部13で編集した画像データ1と、画像データを第1の画像表示装置30に表示していた際の光量情報及び補正画像データ1aが関連付けられる。
【0045】
なお、画像データと光量情報を関連付ける方法はこれに限るものではない。例えば、画像編集部13で編集した画像データ1と光量情報及び補正画像データ1aをレイヤー構造にして1つの画像データとして画像記憶部11に記憶するようにしても良い。また、画像データに光量情報及び補正画像データ1aをメタデータとして付加することにより、画像データと光量情報及び補正画像データ1aとを関連付けて記憶しても良い。
【0046】
次に、図5のフローチャートを用いて、画像編集装置10の画像記憶部11に記憶した画像データ1を第1の画像表示装置30とは異なる第2の画像表示装置40に表示する際の動作を説明する。ここでは、第2の画像表示装置40の光源部36bは、第1の画像表示装置30の光源部36と同様、5個の光源ブロック41b〜45bに分割されているものとする。
【0047】
図5のステップ61では、画像編集装置10は、画像記憶部11から画像データ1を読み出し、読み出した画像データ1のヘッダ欄を参照し光量情報及び補正画像データ1aのアドレスを取得する。画像編集装置10は、取得したアドレスを用いて画像記憶部11から画像データ1と関連付けられた光量情報及び補正画像データ1aを読み出す。画像編集装置10は、読み出した画像データ1及び光量情報及び補正画像データ1aを第2の画像表示装置40に送信する。
【0048】
ステップ62では、第2の画像表示装置40が、通信線20を介してステップ61において画像編集装置10が送信した光量情報及び補正画像データ1aを受信する。第2の画像表示装置40が受信した光量情報を図6(B)に示す。図6(B)の光量情報は、図4に示すフローチャートのステップ55において画像編集装置10の画像記憶部11に記憶した光量情報(図3(D))と同一である。すなわち、この光量情報は、他の画像表示装置において画像データ1が表示された時の当該他の画像表示装置の表示パネルの表示領域における当該他の画像表示装置のバックライトによる照射光の光量分布を示す情報である。
【0049】
ステップ63では、第2の画像表示装置40の光源制御部35bは、ステップ62において受信した光量情報から光源部36bの各光源ブロックに出力するPWM信号のデューティ比を算出する。ここでは、第1の画像表示装置30と同様、光源部36bから発せられた光が表示部34bへ到達するまでの間の拡散の影響を考えないものとする。従って、図6(C)に示すように、光源部36bの光源ブロック41b〜45bの発光量を光量情報の値と等しい値にする。
図6(D)に算出したPWM信号のデューティ比を示す。図6(C)に示す光源ブロック41bと光源ブロック42bの発光量は0であるから、光源制御部35bは、光源ブロック41bと光源ブロック42bのPWM信号のデューティ比を0にする。図6(C)に示す光源部36bの発光量において光源ブロック43bの発光量は128であるから、光源制御部35bは、図6(C)に示す光源部36の光源ブロック43bのPWM信号のデ
ューティ比を0.5にする。図6(C)に示す光源ブロック44b及び光源ブロック45bの発光量は255であるから、光源制御部35bは、光源ブロック44b及び光源ブロック45bのPWM信号のデューティ比を1にする。
【0050】
光源制御部35bは算出したPWM信号を光源部36bに出力する。光源部36bは、光源制御部35bから出力されたPWM信号に基づき各光源ブロックの発光量を調整し表示部34bに光を照射する。ここでは、第2の画像表示装置40は光源部36bの光の拡散の影響が少なく、表示部34bの背面には光源部36bの発光する光がそのまま照射されるものとする。
図6(E)に表示部34bに照射される光の分布を示す。PWM信号のデューティ比が0の光源ブロック41b及び42bに対応する表示部34bの表示領域51b及び52bの照射光量は0となる。PWM信号のデューティ比が0.5の光源ブロック43bに対応する表示部34bの表示領域53bの照射光量は128となる。PWM信号のデューティ比が1の光源ブロック44b及び45bに対応する表示部34bの表示領域54b及び55bの照射光量は255となる。このように、光源制御部35bは、光量情報に基づいて、表示部34bの表示領域における光源部36bによる照射光の光量分布が光量情報に一致又は近似するように、光源部36bの各光源ブロックのPWM信号のデューティ比を算出する。
【0051】
ステップ64では、第2の画像表示装置40は、通信線20を介してステップ61において画像編集装置10が送信した画像データ1を受信する。第2の画像表示装置40が受信した画像データを図6(A)に示す。図6(A)は、図4に示すフローチャートのステップ55において画像編集装置10の画像記憶部11に記憶した画像データ1と同一である。
ここで、図6(C)に示すような発光量に光源部36bの各光源ブロックを調節し、表示部34bにおいて図6(E)に示すような照射光量分布が得られた場合に、画像データとして図6(A)に示す画像データ1をそのまま用いると、本来の輝度値で表示できない。
そこで、第1の画像表示装置30の場合と同様に、画像データの補正を行う。図6(F)に示すように、照射光量が最大光量の1/2になっている表示領域53bに対応する領域A21(図6(A)の画像データ1の領域A2に相当する部分)の輝度値を255に補正した補正画像データ1bを生成する。補正画像データ1bに基づき表示部34bの透過率を調節することにより、図6(A)の画像データ1に示す本来の輝度値の画像が観察可能に表示部34bに表示される。
【0052】
図6(G)に表示部34bの画像の表示状態を示す。図6(G)に示すように、表示部34bの画像の表示状態は、図6(F)に示す補正画像データ1bと図6(E)に示す表示部34bを照射する光が合成されたものである。つまり、図6(F)に示す補正画像データ1bに従う透過率で、図6(E)に示す表示部34bにおける照射光が透過した結果、図6(G)に示す画像表示となる。
図6(G)の領域A1は、対応する表示部34における領域が照射光量0の表示領域51b及び52bに含まれ、対応する補正画像データ1bにおける輝度値が0であるため暗く表示される。
図6(G)の領域A2は、対応する表示部34における領域が照射光量128の表示領域53bに含まれ、対応する補正画像データ1bにおける輝度値が128であるため中程度の輝度で表示される。
図6(G)の領域A3は、対応する表示部34における領域が照射光量255の表示領域54b及び55bに含まれ、対応する補正画像データ1bにおける輝度値が255であるため明るく表示される。
なお、ここでは図6(E)に示す表示部34bにおける照射光量分布に応じて図6(A
)に示す画像データ1を補正して図6(F)に示す補正画像データ1bを生成し、生成した補正画像データ1bを用いて表示部34bの透過率の調節を行う。従って、ステップ61及びステップ62における画像編集装置10と第2の画像表示装置40の間の補正画像データ1aの送受信は省略しても良い。
一方、ステップ61及びステップ62において画像編集装置10と第2の画像表示装置40の間で補正画像データ1aの送受信を行う場合は、上述した図6(F)の補正画像データ1bの生成処理を省略しても良い。その場合、第2の画像表示装置40は、画像編集装置10から受信した補正画像データ1aを用いて表示部34bの透過率の調節を行うと良い。この場合、第2の画像表示装置40における画像表示のためには光量情報と補正画像データ1aがあれば良いので、画像編集装置10から第2の画像表示装置40へ画像データ1を送信しなくても良い。
【0053】
以上の動作により、第2の画像表示装置40に画像データ1を表示した際においても、第1の画像表示装置30に画像データ1を表示した時と同様に、画像の黒領域と明るい領域との明暗の差が強調されて表示される。これは、第1の画像表示装置30の光源制御部35が行った黒領域と明るい領域との明暗の差の強調と同様の制御が第2の画像表示装置40において行われたためである。すなわち、本実施例に係るシステムよれば、入力画像に応じて光源の発光量を光源ブロック毎に調節する複数の異なるディスプレイに同一画像を入力した場合の見え方をディスプレイ間で近づけることができる。
【0054】
以上の動作により、第2の画像表示装置40の光源部36bは画像の黒領域と明るい領域の明暗の差を第1の画像表示装置30と同様に強調するように光源ブロック毎の発光量が調節される。そのため、異なるディスプレイに同一画像を表示させた場合の見え方を近づけることができる。
【0055】
また、本実施形態においては、光源制御部35は、画像データの統計量が0の分割領域に対応する光源部36の光源ブロックの発光量を下げる動作を行った。しかし、本発明はこれに限るものではなく、画像データに基づいて光源部36の光源ブロック毎に発光量を調節するものであればよい。また、第1の画像表示装置30の画像処理部33が画像データに対し輝度補正を行った場合には、画像データ及び光量情報の記憶を行うときに当該輝度補正の情報も関連付けて記憶しても良い。この場合、第2の画像表示装置40によって画像データの表示を行う際に、当該輝度補正の情報に基づいて画像データを補正した後、表示部34bに出力するようにすると良い。
【0056】
また、第1の画像表示装置30によって以前表示した画像データを再度第1の画像表示装置30によって表示する際に、上述した第2の画像表示装置40が行う処理と同等の処理を第1の画像表示装置30が実行するようにしても良い。これにより、ある画像表示装置で同じ画像データを何回か表示する場合に、前回表示したときのバックライト状態に近いバックライト状態で表示を行うことが可能になる。
【0057】
なお、図3(B)において画像データの分割領域毎の統計量に応じて光源部36の各光源ブロックの発光量を算出したが、光源部36の発光量は上記に限られない。例えば、画像データの統計量が0である場合に、対応する光源ブロックのPWM信号のデューティ比を0とし、画像データの統計量が0でない場合に、対応する光源ブロックのPWM信号のデューティ比を1としてもよい。例えば図3(C)にしめす、画像データ1の領域A2(統計量128)に対応する光源ブロック43のPWM信号のデューティ比を1(つまり光源ブロック43は発光量255)としてもよい。この場合、画像データの領域A2と領域A3はともに最大光量で照射されることになるため、図3(E)のように画像データ1の補正は必要なく、図3(A)に示す画像データ1をそのまま用いることにより、本来の画像データを表示部34に表示できる。
【0058】
(実施例2)
次に、画像編集装置にて画像データを編集した時に画像表示を行った画像表示装置と光源の光源ブロック数が異なる画像表示装置に画像データを表示する際の動作について説明する。本実施形態の構成と、図1に示す第1の実施形態の構成との主な相違点は、本実施形態では第1の画像表示装置30と第2の画像表示装置40とで光源部36の光源ブロック数が異なる点である。具体的には、第1の画像表示装置30の光源部36は3個の光源ブロック61〜63に分割され、第2の画像表示装置40の光源部36bは5個の光源ブロック41b〜45bに分割されている。
【0059】
画像編集装置10で編集中の画像データ(画像データ2)を第1の画像表示装置30に出力する。画像編集装置10が出力する画像データの輝度値の例を図7(A)に示す。図7(A)に示すように、画像データ2において、領域B1は輝度値0、領域B2は輝度値128、領域B3は輝度値255の画像であるとする。本実施例では、画像データ2の領域B1〜B3の各領域内において輝度値に分布がない(つまり、領域B1〜B3の最大輝度値はそれぞれ0,128,255)とする。
【0060】
第1の画像表示装置30は、受信した画像データ2の統計量を取得する処理を行う。図7(B)に第1の画像表示装置30の画像処理部33が取得する統計量を示す。実施例1と同様、統計量として最大輝度値を用いる。本実施例では画像処理部33は、画像データ2を表示部34に表示した際、光源部36の各光源ブロック61〜63に対応する画像データの各領域の統計量を取得する。
光源部36の光源ブロック61に対応する画像データ2の領域B1の最大輝度値は0であるので、画像データ2の領域B1の統計量は0となる。光源部36の光源ブロック62に対応する画像データ2の領域B2の最大輝度値は128であるので、画像データ2の領域B2の統計量は128となる。光源部36の光源ブロック63に対応する画像データ2の領域B3の最大輝度値は255であるので、画像データ2の領域B3の統計量は255となる。
【0061】
光源制御部35は、画像処理部33が出力する統計量(図7(B))に応じて光源部36の各光源ブロックのPWM信号を算出する。本実施例では、統計量が0の場合はPWM信号のデューティ比を0とし、統計量が0より大きい場合はPWM信号のデューティ比を1とする。
図7(B)において画像データ2の領域B1の統計量は0であるから、光源制御部35は、図7(C)に示すように、光源部36の光源ブロック61に対してデューティ比が0のPWM信号を出力する。
図7(B)において画像データ2の領域B2と領域B3は統計量はそれぞれ128,255で0より大きいから、光源制御部35は、図7(C)に示すように、光源部36の光源ブロック62と光源ブロック63に対してデューティ比が1のPWM信号を出力する。光源部36の各光源ブロックは、光源制御部35が出力するPWM信号に従って発光量が調整される。
なお、本実施例においても、実施例1と同様に、統計量に応じてPWM信号を決定するようにしても良い。その場合、例えば、統計量が128の領域B2に対応する光源ブロック62にはデューティ比が0.5のPWM信号を出力する。
図7(D)に光源部36の各光源ブロックの発光量の分布の概念図を示す。図7(D)において、光源ブロック61は発光せず、光源ブロック62及び63は最大発光量で発光する。各光源ブロックの発光量を、画像データ2と同じ8ビットで表現すると、光源ブロック61は発光量0、光源ブロック62及び63は発光量255(最大発光量)となる。
ここでは、第1の画像表示装置30における光源部36の光の拡散の影響は少ないものとする。つまり、光源部36における発光量の分布が、表示部34の背面における照射光
の光量分布にそのまま反映するものとする。
図7(E)は、図7(D)に示す発光量で光源部36が発光した場合の、表示部34における照射光量分布を示す。図7(E)に示す照射光量は、画像データの領域B1〜B3に対応する表示部34の表示領域71〜73における照射光量を、画像データ2と同じ8ビットで表現したものである。ここでは拡散の影響を考えないこととしたので、表示領域71〜73における照射光量を示す値は、図7(D)に示す光源ブロック61〜63の発光量を示す値と等しくなる。
本実施例では、各光源ブロックは発光しないか最大発光量で発光するかのいずれかであるので、実施例1のような補正画像データの生成を行う必要はない。しかし、画像データの統計量に応じてデューティ比を0〜1の間の値に設定する場合は、光源ブロックのうちに最大発光量より低い発光量で発光するものがあることになるので、実施例1と同様の補正画像データの生成を行う。本実施例では、図7(A)に示す画像データ2に基づいて表示部34の透過率を調節することにより、図7(F)に示すように、図7(A)に示す画像データ2本来の輝度値で表示部34に表示される。
【0062】
続いて、ユーザが画像編集装置10を操作して、図7(A)に示す画像データ2の記憶を指示した際の動作を説明する。
第1の画像表示装置30の光源制御部35は、表示部34における照射光量の分布を示す光量情報を算出する。最初に、光源制御部35は、図7(C)に示す光源部36の各光源ブロックのPWM信号のデューティ比から光源部36の発光量を光源ブロック毎に算出し、算出した発光量が8ビットの輝度値で表された2次元の画像データ形式のデータ(発光量データ)に変換する。
図7(C)において光源ブロック61のPWM信号のデューティ比は0のため、光源制御部35は発光量データにおける光源ブロック61の発光量を0にする。また、図7(C)において光源ブロック62及び光源ブロック63のPWM信号のデューティ比は1のため、光源制御部35は発光量データにおける光源ブロック62及び光源ブロック63の発光量を255にする。
【0063】
次に、光源制御部35は、表示部34へ照射される光量を示す光量情報を算出する。ここでは、第1の画像表示装置30の光源部36の光の拡散の影響は少ないものとしているため、表示部34の背面には光源部36の発光する光がそのまま照射されると考える。したがって、光量情報は、図7(G)に示すように、図7(C)に示すPWM信号より算出した上記の発光量データ(図7(D))が反映されたものとなる。ここでは、光源部36における発光量と表示部34における照射光量をともに画像データ2と同様8ビットで表しているため、図7(D)に示す光源部36における発光量の数値と図7(G)に示す光量情報の数値は等しくなる。
【0064】
画像編集装置10は、画像データ2と第1の画像表示装置30から受信した光量情報を関連付けて記憶する。
続いて、画像編集装置10の画像記憶部11に記憶した画像データ2を第1の画像表示装置30とは光源部36の光源ブロック数が異なる第2の画像表示装置40に表示する際の動作を説明する。
【0065】
画像編集装置10は、画像記憶部11から画像データ2と光量情報を読み出し、読み出した画像データ2(図8(A))と光量情報(図8(B))を第2の画像表示装置40に送信する。
第2の画像表示装置40は、画像編集装置10から送られた画像データ2を表示部34に表示する。また、第2の画像表示装置40は、画像編集装置10から送られた光量情報に基づいて光源部36bの発光量を光源ブロック毎に調整する。図8(B)の光量情報に基づき、第2の画像表示装置40の光源部36bの各光源ブロック41b〜45bに対応
する表示部34bの表示領域51b〜55bにおける照射光量の目標値が決定される。
【0066】
第1の画像表示装置30の光源部36の光源ブロック数(3)と第2の画像表示装置40の光源部36bの光源ブロック数(5)は異なる。そのため、第2の画像表示装置40の光源部36bが発する光による表示部34bを照射する光の分布と、第1の画像表示装置30が作成した光量情報と、を同じにはできない場合がある。その場合、第2の画像表示装置40の光源制御部35bは、第2の画像表示装置40の表示部34bを照射する光の分布が、画像編集装置10から送られた光量情報に近づくように、第2の画像表示装置40の光源部36bの発光量を制御する。
【0067】
第2の画像表示装置40の光源制御部35bによる光源部36bの発光量の制御の一例を説明する。光源制御部35bは、表示部34bにおける照射光の光量分布が図8(B)の光量情報に示される値に近くなるように、光源部36bの各光源ブロックの発光量を算出する。ここでは、実施例1と同様、光源部36bから発せられた光が表示部34bへ到達するまでの間の拡散の影響を考えないものとする。
図8(C)において、光源ブロック41bは、対応する光量情報における領域が照射光量0の表示領域71に含まれるため、発光量を0にする。
図8(C)において、光源ブロック42bは、対応する光量情報における領域の一部が照射光量0の表示領域71に含まれ、一部が照射光量255の表示領域72に含まれる。光源ブロック42bは、対応する画像データ2における領域の一部が輝度値128の領域B2に含まれるため、当該領域B2の画像が見えなくならないように、発光量を255にする。
図8(C)において、光源ブロック43b〜45bは、対応する光量情報における領域が照射光量255の表示領域72及び表示領域73に含まれるため、発光量を255にする。
つまり、図8(C)の光源ブロック41b〜45bのうち、対応する光量情報における領域が照射光量が0でない表示領域と共有部分を有する光源ブロックの発光量を255とする。また、図8(C)の光源ブロック41b〜45bのうち、対応する光量情報における領域が照射光量0の表示領域に含まれる光源ブロックの発光量を0とする。
光源制御部35bは、各光源ブロックの発光量が図8(C)に示す値となるように、光源部36bの各光源ブロックに出力するPWM信号のデューティ比を算出する。図8(D)に光源ブロック毎に算出したPWM信号のデューティ比を示す。
図8(C)に示す光源部36bの発光量において光源ブロック41bの発光量は0であるから、光源制御部35bは、光源ブロック41bのPWM信号のデューティ比を0にする。図8(C)に示す光源部36bの発光量において光源ブロック42b〜45bの発光量は255であるから、光源制御部35bは、光源ブロック42b〜45bのPWM信号のデューティ比を1にする。
【0068】
光源制御部35bは算出したPWM信号を光源部36bに出力する。光源部36bは、光源制御部35bから出力されたPWM信号に基づき各光源ブロックの発光量を調整し表示部34bに光を照射する。ここでは、第2の画像表示装置40は光源部36bから発せられた光が表示部34bへ到達するまでの拡散の影響が少なく、光源部36bにおける発光量分布がそのまま表示部34bの背面における照射光量分布になるものとする。
図8(E)に光源部36から表示部34bに照射された光の分布状態を示す。図8(E)において、PWM信号のデューティ比が0である光源ブロック41bに対応する表示領域51bは光が照射されない(照射光量0)。PWM信号のデューティ比が1である光源ブロック42b〜45bに対応する表示領域52b〜55bは照射される光量が多い(照射光量255)。
【0069】
図8(F)に表示部34bにおける画像の表示状態を示す。表示部34bに表示される
画像は、表示部34bにおける照射光が画像データの輝度値に応じた透過率で透過した結果として観察される。
図8(F)において、領域B1aは、対応する画像データ2における領域が輝度値0の領域B1に含まれ、対応する表示部34bにおける領域が照射光量0の表示領域51bに含まれるため、黒く表示される。
図8(F)において、領域B1bは、対応する画像データ2における領域が輝度値0の領域B1に含まれるが、対応する表示部34bにおける領域が照射光量255の表示領域52bに含まれるため、光漏れの影響で黒が浮いて少し明るく見える。
図8(F)において、領域B2及び領域B3は、対応する表示部34bにおける領域が照射光量255の表示領域52b〜55bに含まれるため、画像データ2の領域B2と領域B3の輝度値がそのまま表現される。
【0070】
なお、図8(B)に示す光量情報から光源部36bの各光源ブロックに出力するPWM信号を算出する方法は上記説明した方法に限らない。光源部36の各光源ブロックに出力するPWM信号の別な算出例を図9に示す。図9(A)と図9(B)はそれぞれ図8(A)の画像データ2と図8(B)の光量情報と同じである。図9(C)は、図9(B)に示す光量情報に基づき光源制御部35が算出する光源部36の各光源ブロックの発光量の別の例を示す。図9(C)において、光源ブロック41b、43b〜45bの発光量は図8(C)の光源ブロック41b,43b〜45bの発光量と同じである。
図9(C)において、光源ブロック42bは、対応する光量情報における領域の一部が照射光量0の表示領域71に含まれ、一部が照射光量255の表示領域72に含まれるが、大部分は照射光量0の表示領域71に含まれているため、発光量を0にする。
光源制御部35bは、各光源ブロックの発光量が図9(C)に示す値となるように、光源部36bの各光源ブロックに出力するPWM信号のデューティ比を算出する。図9(D)に光源ブロック毎に算出したPWM信号のデューティ比を示す。図8(D)との差異は、図9(C)において光源ブロック42bの発光量が0とされたのに応じて、光源ブロック42bのPWM信号のデューティ比が0となっている点である。
【0071】
光源制御部35bは算出したPWM信号を光源部36bに出力する。光源部36bは、光源制御部35bから出力されたPWM信号に基づき各光源ブロックの発光量を調整し表示部34bに光を照射する。図9(E)に光源部36から表示部34bに照射された光の分布状態を示す。
図9(D)の光源ブロック41b及び42bに対応する表示領域51b及び52bには光が照射されず(照射光量0)、図9(D)の光源ブロック43b〜45bに対応する表示領域53b〜55bは照射される光量が多い(照射光量255)。
【0072】
図9(F)に表示部34bの画像の表示状態を示す。表示部34bに表示される画像は、表示部34bにおける照射光が画像データの輝度値に応じた透過率で透過した結果として観察される。
図9(F)において、領域B1は、対応する画像データ2における領域が輝度値0の領域B1に含まれ、対応する表示部34bにおける領域が照射光量0の表示領域51b及び52bに含まれるため、黒く表示される。
図9(F)において、領域B2aは、対応する画像データ2における領域が輝度値128の領域B2に含まれるが、対応する表示部34bにおける領域が照射光量0の表示領域52bに含まれるため、黒く表示される。すなわち、画像データ2では、図9(F)の領域B2aに対応する部分に本来輝度値128の画像があるはずだが、この画像は観察可能に表示されないことになる。
図9(F)において、領域B2b、B2c、及びB3は、対応する表示部34bにおける領域が照射光量255の表示領域53b〜55bに含まれるため、画像データ2の領域B2と領域B3の輝度値がそのまま表現される。
【0073】
図9(F)の表示部34bの表示状態によると、本来画像データ2において黒ではない領域B2のうち領域B1側の一部の領域B2aが黒く表示されるため、領域B2aの画像データは見ることができない。これは黒ではない画像データの領域B2と共有部分を有する光源ブロック42bの発光量を0にしたことによる。
【0074】
そこで、光源部36bの光源ブロック41b〜45bのうち、対応する光量情報における領域が照射光量の異なる複数の表示領域にまたがる光源ブロックの発光量を、光量情報における各表示領域との共有部分の大きさに応じて決定しても良い。
例えば、図9(C)の光源ブロック42bは、対応する光量情報における領域が照射光量0の表示領域71と照射光量255の表示領域72にまたがる。光源ブロック42bに対応する光量情報における領域と表示領域71との共有部分の大きさと、光源ブロック42bに対応する光量情報における領域と表示領域72との共有部分の大きさと、の比が例えば7:3であったとする。この場合、光源部36の光源ブロック42bのPWM信号のデューティ比を0.3に決定する。こうすることで、光源ブロック42bは光源ブロック43b〜45bよりも発光量は少ないものの発光するので、図9(F)の領域B2aの画像を見ることができ、本来黒ではない領域B2の画像データ全てが見られるようになる。
【0075】
なお、この場合、光源ブロック42bのPWM信号のデューティ比が0.3、それに隣接する光源ブロック43bのPWM信号のデューティ比が1となるため、光源ブロック42bと光源ブロック43bとで発光量が異なる。従って、従って、表示部34bにおける光源ブロック42bに対応する表示領域52bと光源ブロック43bに対応する表示領域53bとで照射光量が異なることになる。つまり、画像データ2の領域B2のうち、図9(F)に示す領域B2aを照射する光量と領域B2bを照射する光量とが異なることになる。そこで、画像データ2の領域B2のうち、領域B2aと領域B2bの表示輝度が均一になるように、画像データ2に対し、領域B2aの輝度を増加させる輝度補正を行うと良い。或いは、画像データ2に対し、領域B2b及び領域B2cの輝度を低下させる輝度補正を行っても良い。このような補正を行った画像データを表示部34bに出力することにより、光源ブロック42bと光源ブロック43bの発光量が異なる場合でも、画像データ2の領域B2の表示輝度を均一にすることができる。
【0076】
以上の動作により、ユーザが画像データ2を編集する際に使用していた第1の画像表示装置30とは光源ブロック数が異なる第2の画像表示装置40においても、画像の黒領域と明るい領域の明暗の差が、第1の画像表示装置30と同様に強調されて表示される。これは、第1の画像表示装置30の光源制御部35が行った黒領域と明るい領域の明暗の差を強調するための光源部36の発光制御と同様の発光制御が第2の画像表示装置40の光源部36bに対しても行われたためである。すなわち、本実施例によれば、入力画像に応じて光源の発光量を光源ブロック毎に調節する複数の異なるディスプレイに同一画像を入力した場合の見え方を、各ディスプレイの光源の光源ブロック数が異なる場合でも、近づけることができる。
【0077】
また、第1の画像表示装置30と第2の画像表示装置40とで、光源部36の光源ブロック数の違いにより、第2の画像表示装置40の表示部34bを照射する光量分布が光量情報に示す光量分布と一致しない場合、画像データの補正を併用するようにしても良い。例えば、第2の画像表示装置40の光源制御部35bが光源部36bを制御し発光量を調整した後、光量情報と表示部34bに照射される光量分布との差分を算出する。照射光の光量が一致しない領域の画像データに対し、照射光の光量の差分により生じる輝度差が相殺されるように、第2の画像表示装置40の画像処理部33bは、画像データ2の輝度を補正する。第2の画像表示装置40は、補正後の画像データを表示部34bに表示する。光源部36bの制御に加えて、画像データの補正を併用することで、第2の画像表示装置
40に画像データを表示させた場合の見え方を、第1の画像表示装置30に画像データを表示した時の見え方に、より近づけることができる。
【0078】
(実施例3)
次に、光源部36と表示部34の距離が大きく、光源の光が拡散して表示部34を照射する場合の動作について説明する。本実施形態の構成と、図1に示す第1の実施形態の構成との主な相違点は、本実施形態では第1の画像表示装置30と第2の画像表示装置40とで光源部36の光源ブロック数が異なる点である。具体的には、第1の画像表示装置30の光源部36は3個の光源ブロック61〜63に分割され、第2の画像表示装置40の光源部36は5個の光源ブロック41b〜45bに分割されている。
【0079】
画像編集装置10で編集中の画像データ(画像データ3)を通信線20を介して第1の画像表示装置30に出力する。画像編集装置10が出力する画像の例を図10(A)に示す。図10(A)において、領域B1は輝度値0、領域B2は輝度値128、領域B3は輝度値255の画像であるとする。本実施例では、画像データ3の領域B1〜B3の各領域内において輝度値に分布がない(つまり、領域B1〜B3の最大輝度値はそれぞれ0,128,255)とする。
【0080】
第1の画像表示装置30は、画像編集装置10から受信した画像データ3の統計量を取得する処理を行う。図10(B)に第1の画像表示装置30の画像処理部33が取得した統計量を示す。本実施例においても、統計量として最大輝度値を用いる。本実施例では画像処理部33は、画像データ3を表示部34に表示した際、光源部36の各光源ブロック61〜63に対応する画像データの各領域の統計量を取得する。
光源部36の光源ブロック61に対応する画像データ3の領域B1の最大輝度値は0であるので、画像データ3の領域B1の統計量は0となる。また、光源部36の光源ブロック62に対応する画像データ3の領域B2の最大輝度値は128であるので、画像データ3の領域B2の統計量は128となる。また、光源部36の光源ブロック63に対応する画像データ3の領域B3の最大輝度値は255であるので、画像データ3の領域B3の統計量は255となる。
【0081】
光源制御部35は、画像処理部33が出力する統計量に応じて光源部36の各光源ブロックのPWM信号を算出する。本実施例では、統計量が0の場合はPWM信号のデューティ比を0とし、統計量が0より大きい場合はPWM信号のデューティ比を1とする。
図10(B)において領域B1の統計量は0であるから、光源制御部35は、図10(C)に示すように光源部36の光源ブロック61に対してデューティ比が0のPWM信号を出力する。
また、図10(B)の領域B2と領域B3は統計量が0より大きいから、光源制御部35は、図10(C)に示すように光源部36の光源ブロック62及び光源ブロック63に対してデューティ比が1のPWM信号を出力する。
光源部36の各光源ブロックは、光源制御部35が出力するPWM信号に従って発光量が調整される。図10(D)に光源部36の各光源ブロックの発光量の分布の概念図を示す。図10(D)において、光源ブロック61は発光せず、光源ブロック62及び63は最大発光量で発光する。各光源ブロックの発光量を、画像データ2と同じ8ビットで表現すると、光源ブロック61は発光量0、光源ブロック62及び63は発光量255(最大発光量)となる。
本実施例では、第1の画像表示装置30における光源部36の光の拡散の影響を考慮する。そのため、実施例1又は2のように、光源部36における発光量の分布が、表示部34の背面における照射光の光量分布にそのまま反映するわけではない。
図10(E)に表示部34における照射光量の分布を示す。図10(E)に示す照射光量は、表示部34における照射光量を画像データ3と同じ8ビットで表現したものである
。
発光量0の光源ブロック61に対応する表示領域71のうち、発光量255の光源ブロック62に対応する表示領域72との境界付近の一部の表示領域71bにおいては、光源ブロック62から発せられた光の拡散光の影響により、照射光量が0ではなくなる。ここでは表示領域71bの照射光量を20とする。拡散光の影響による照射光量の変化の現れ方は、表示部34と光源部36との距離や光源ブロックの構成などに依存する。
表示部34の表示領域71のうち表示領域71b以外の表示領域71aには光が照射しない(照射光量0)。光源ブロック62及び光源ブロック63の発光量は255であるため、対応する表示部34の表示領域72及び表示領域73には明るい光が照射する(照射光量255)。
【0082】
図10(F)に表示部34の画像の表示状態を示す。表示部34の表示画像は、図10(A)に示す画像データ3と図10(E)に示す表示部34を照射する光の合成である。すなわち、図10(A)に示す画像データ3に従う透過率で、図10(E)に示す表示部34における照射光が透過した結果、図10(F)に示す画像表示となる。
図10(F)において、領域B1aは、対応する画像データ3における領域が輝度値0の領域B1に含まれ、対応する表示部34における領域が照射光量0の表示領域71aに含まれるため黒く表示される。
図10(F)において、領域B1bは、対応する画像データ3における領域が輝度値0の領域B1に含まれるが、対応する表示部34における領域が拡散光の影響で照射光量が0でなくなっている表示領域71bに含まれるため、黒が浮き少し明るく表示される。
図10(F)において、領域B2及び領域B3は、対応する表示部34における領域が照射光量255の表示領域72及び73に含まれるため、画像データ3の領域B2及び領域B3の輝度値がそのまま表現される。
【0083】
続いて、ユーザが画像編集装置10を操作して、図10(A)に示す画像データ3の記憶を指示した際の動作を説明する。
ユーザによる画像データの記憶指示は、画像編集装置10から第1の画像表示装置30に伝送される。第1の画像表示装置30の光源制御部35は、光源部36の光量情報を算出する。
【0084】
最初に、光源制御部35は、図10(C)に示す光源部36の各光源ブロックのPWM信号のデューティ比から光源部36の発光量を算出する。算出した発光量が8ビットの輝度値で表された2次元の画像データ形式のデータ(発光量データ)に変換する。
図10(C)において、光源ブロック61のPWM信号のデューティ比は0のため発光量データにおける光源ブロック61の発光量を0にする。また、図10(C)において、光源ブロック62と光源ブロック63のPWM信号のデューティ比は1のため発光量データにおける光源ブロック62と光源ブロック63の発光量を255にする。
【0085】
次に、光源制御部35は、光源部36の発光量データに縦横2次元のローパスフィルタを施し、表示部34に照射する光の分布を示す光量情報を算出する。ローパスフィルタの特性は、第1の画像表示装置30の光源部36が表示部34を照射する際の光の拡散量に依存する。例えば、第1の画像表示装置30の光源部36の光の拡散量が大きい場合は、ローパスフィルタを滑らかな特性にする。一方、第1の画像表示装置30の光源部36の光の拡散量が小さい場合は、ローパスフィルタを急峻な特性にする。このようにして算出した光源部36における発光量データに基づき光の拡散の影響を加味して算出した表示部34における照射光量の分布が図10(G)に示す光量情報である。図10(G)に示す光量情報は、図10(D)に示す表示部34に照射される光の分布と近い分布を示す。この光量情報は、或る光源ブロックからの光が拡散することにより、その光源ブロックの周辺にある光源ブロックに対応する表示パネル上の領域の照射光の光量が増加する影響を加
味して算出されている。
【0086】
画像編集装置10は、画像データ3と第1の画像表示装置30から受信した光量情報を関連付けて記憶する。
続いて、画像編集装置10の画像記憶部11に記憶した画像データ3を第1の画像表示装置30とは光源部の光源ブロック数が異なる第2の画像表示装置40に表示する際の動作を説明する。ここでは、第1の画像表示装置30の光源部36の光源ブロック数は3,第2の画像表示装置40の光源部36bの光源ブロック数は5とする。
【0087】
画像編集装置10は、画像記憶部11から画像データ3と光量情報を読み出し、読み出した画像データ3(図11(A))と光量情報(図11(B))を第2の画像表示装置40に送信する。
第2の画像表示装置40は、画像編集装置10から送られた画像データ3を表示部34に表示する。また、第2の画像表示装置40は、画像編集装置10から送られた光量情報に基づいて光源部36の発光量を調整する。
【0088】
第1の画像表示装置30の光源部36と第2の画像表示装置40の光源部36bの光の拡散具合は同一とは限らない。そのため、第2の画像表示装置40の光源部36bが表示部34bを照射する光の分布と、第1の画像表示装置30が作成した光量情報と、を同じにはできない場合がある。その場合、第2の画像表示装置40の光源制御部35bは、第2の画像表示装置40の表示部34bを照射する光の分布が光量情報に近づくように、光源部36の発光量を制御する。
【0089】
第2の画像表示装置40の光源制御部35bによる発光量の制御の一例を説明する。光源制御部35bは、光量情報から光源部36bの各光源ブロックに出力するPWM信号を算出する。図11(C)に各光源ブロックの発光量を示す。
図11(C)の光源ブロック41bは、対応する光量情報における領域が照射光量0の表示領域71aに含まれるため、発光量を0にする。
図11(C)の光源ブロック42bは、対応する光量情報における領域の一部が照射光量0の表示領域71aに含まれ、一部が照射光量0でない表示領域72に含まれる。ここでは、画像データ3において光源ブロック42bに対応する領域の一部が、輝度値128の領域B2に含まれるので、当該領域B2の画像が見えなくならないように、光源ブロック42bの発光量を255にする。
図11(C)の光源ブロック43b〜45bは、対応する光量情報における領域が照射光量255の表示領域72及び表示領域73に含まれるため、発光量を255にする。
光源制御部35bは、各光源ブロックの発光量が図11(C)に示す値になるように、光源部36bの各光源ブロックに出力するPWM信号のデューティ比を算出する。図11(D)に光源ブロック毎に算出したPWM信号のデューティ比を示す。
図11(C)に示す光源部36bの発光量において光源ブロック41bの発光量は0であるから、光源制御部35bは、光源ブロック41bのPWM信号のデューティ比を0にする。図11(C)に示す光源部36bの発光量において光源ブロック42b〜45bの発光量は255であるから、光源制御部35bは、光源ブロック42b〜45bのPWM信号のデューティ比を1にする。
【0090】
光源制御部35bは算出したPWM信号を光源部36bに出力する。光源部36bは、光源制御部35bから出力されたPWM信号に基づき各光源ブロックの発光量を調整し表示部34に光を照射する。ここでは、表示部34における照射光の光量分布を、第2の画像表示装置40の光源部36bから発せられた光が表示部34bへ到達するまでの拡散の影響を加味して考える。
図11(E)に表示部34bに照射された光の分布状態を示す。図11(E)に示す照
射光量は、表示部34bにおける照射光量を画像データ3と同じ8ビットで表現したものである。
図11(D)の光源ブロック41bのPWM信号のデューティ比は0であるが、隣接する光源ブロック42bのPWM信号のデューティ比が1であるため、光源ブロック42bからの拡散光の影響がある。表示部34bにおいて光源ブロック41bに対応する表示領域51bのうち、光源ブロック42bに対応する表示領域52bとの境界付近の表示領域512bは、図11(E)に示すように光が照射する。ここでは表示領域512bの照射光量を20とするが、一例であり、拡散光の影響による照射光量の変化の現れ方は、表示部34bと光源部36bとの距離や光源ブロックの構成などに依存する。表示部34の表示領域51bのうち表示領域512b以外の表示領域511bは、図11(E)に示すように光が照射しない(照射光量0)。表示部34の表示領域52b〜55bは、PWM信号のデューティ比が1である光源ブロック42b〜45bに対応する表示領域であり、明るい光が照射される(照射光量255)。
【0091】
図11(F)に表示部34bの画像の表示状態を示す。表示部34bの表示画像は、図11(A)に示す画像データ3と図11(E)に示す表示部34bにおける照射光の合成である。すなわち、図11(A)に示す画像データ3に応じた透過率で、図11(E)に示す表示部34における照射光が透過した結果、図11(F)に示す画像が観察可能に表示される。
図11(F)において、領域B1aは、対応する画像データ3における領域が輝度値0の領域B1に含まれ、対応する表示部34bにおける領域が照射光量0の表示領域511bに含まれるため、黒く表示される。
図11(F)において、領域B1bは、対応する画像データ3における領域が輝度値0の領域B1に含まれるが、対応する表示部34における領域が拡散光の影響で照射光量が0でなくなっている表示領域512bに含まれるため、黒が浮いて少し明るく見える。
図11(F)において、領域B1cは、対応する画像データ3における領域が輝度値0の領域B1に含まれるが、対応する表示部34における領域が照射光量255の表示領域52bに含まれるため、光漏れの影響で黒が浮いて少し明るく見える。
図11(F)において、領域B2と領域B3は、対応する表示部34における領域が照射光量255の表示領域52b〜55bに含まれるため、画像データ3の領域B2と領域B3の輝度値がそのまま表現される。
【0092】
以上の動作により、ユーザが画像データを編集する際に使用していた第1の画像表示装置30とは光源の光の拡散具合が異なる第2の画像表示装置40においても、画像の黒領域と明るい領域の明暗の差が、第1の画像表示装置30と同様に強調されて表示される。すなわち、本実施例によれば、入力画像に応じて光源の発光量を光源ブロック毎に調節する複数の異なるディスプレイに同一画像を入力した場合の見え方を、各ディスプレイの光源の光の拡散具合が異なる場合でも、近づけることができる。
【0093】
また、第1の画像表示装置30が光源の発光量を光源ブロック毎に調節する際に、光源の光の拡散により強調したい部分以外の画像領域に光が漏れ、画像の見え方に影響を与えてしまうことがある。この場合は、光源の光の拡散による画像の見え方への影響を相殺するように、画像データの補正を併用しても良い。例えば、第1の画像表示装置30の光源制御部35が上記と同様に画像データの統計量に基づき光源部36の発光量を調整した後、表示部34において光源の光の拡散による光漏れの影響を受ける領域及び光漏れ量(光漏れによる表示輝度の増分)を計算する。画像処理部33は、表示部34における光の漏れの影響を受ける領域に対して、光漏れによる表示輝度の増加を抑えるように画像データ3の輝度を補正し、画像データ4を生成する。表示部34は、輝度を補正した画像データ4を表示部34に表示する。
【0094】
その後、ユーザが画像データの記憶を指示した際に、第1の画像表示装置30の画像処理部33は、輝度補正した画像データ4を画像編集装置10に送信する。画像編集装置10は、輝度補正した画像データ4と、光源制御部35から受信した光量情報と、を関連付けて画像記憶部11に記憶する。
【0095】
画像データを第2の画像表示装置40に表示する際、画像編集装置10は、画像記憶部11から輝度補正した画像データ4と光量情報を読み出し第2の画像表示装置40に送信する。第2の画像表示装置40の表示部34は、輝度補正した画像データ4を表示する。また、第2の画像表示装置40の光源制御部35は、前述したように図5に示すフローチャートに従って光源部36の発光量を制御する。
【0096】
また、第1の画像表示装置30と第2の画像表示装置40の光の拡散具合の違いにより、第2の画像表示装置40の表示部34bを照射する光量分布が光量情報と一致しない場合、画像データの補正を併用するようにしても良い。例えば、第2の画像表示装置40の光源制御部35bが光源部36bを制御し発光量を調整した後、光源部36bの光の拡散を考慮し表示部34bに照射される光を算出する。算出した光の分布と光量情報との差分を算出する。算出した光量の差分を補うように画像処理部33bが画像データを補正する。第2の画像表示装置40は、補正した画像データを表示部34bに表示する。光源部36bの制御に加えて、画像データの補正を併用することで、第2の画像表示装置40に画像データを表示させた場合の見え方を、第1の画像表示装置30に画像データを表示した時の見え方に、より近づけることができる。
【0097】
(実施例4)
本実施形態では、バックライトを有する第1の画像表示装置を用いて編集した画像データを、バックライトを有しない第3の画像表示装置(プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなど)に表示する際の動作を説明する。
本実施形態に係る画像表示システムの構成と、図1に示す第1の実施形態の構成との主な相違点は、本実施形態では第1の実施形態における第2の画像表示装置40を第3の画像表示装置90に代えた点である。以下、実施形態1と異なる点を中心に説明する。
【0098】
第3の画像表示装置90は、例えば、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどバックライトを有しないディスプレイである。第3の画像表示装置90は、画像編集装置10から送られた画像データを受信し、受信した画像データに従って画像を表示する。
【0099】
続いて、画像編集装置10で編集中の画像データ5を第3の画像表示装置90に表示する際の動作を説明する。
画像編集装置10の画像編集部13は、画像記憶部11から画像データ5と光量情報を読み出す。
【0100】
読み出した画像データ5の例を図12(A)、光量情報の例を図12(B)に示す。図12(A)において、領域B1は輝度0、領域B2は輝度128、領域B3は輝度255の画像であるとする。本実施例では、画像データ5の領域B1〜B3の各領域内において輝度値に分布がない(つまり、領域B1〜B3の最大輝度値はそれぞれ0,128,255)とする。
図12(B)の光量情報において、画像データ5の領域B1に対応する領域の一部である表示領域71aは照射光量0、画像データ5の領域B1に対応する領域のその他の部分である表示領域71bは照射光量16とする。また、図12(B)の光量情報において、画像データ5の領域B2に対応する表示領域72は照射光量255、画像データ5の領域B3に対応する表示領域73は照射光量255であるとする。この光量情報における表示領域71bの照射光量が0でないのは、図12(A)の画像データ5を第1の画像表示装
置30に表示させた時の第1の画像表示装置30の光源部36の光の拡散の影響を示している。
【0101】
画像編集部13は、読み出した画像データ5と光量情報を合成することにより1つの画像データ(画像データ6)を作成する。すなわち、第1の画像表示装置30の表示部34において、図12(B)に示す光量情報のような光量分布で照射する光が、図12(A)に示す画像データ5の輝度値に応じた透過率で透過した結果としての輝度値の分布を示す画像データを作成する。画像編集部13が作成した画像データ6を図12(C)に示す。図12(C)において、領域B1aは、対応する画像データ5における領域が輝度値0の領域B1に含まれ、対応する光量情報における領域が照射光量0の表示領域71aに含まれるから、黒い画像(輝度値0)とする。
また、図12(C)において、領域B1bは、対応する画像データ5における領域が輝度値0の領域B1に含まれるが、対応する光量情報における領域が拡散光の影響で照射光量が0でない表示領域71bに含まれるから、黒ではないが暗い画像(輝度値10)とする。
また、図12(C)において、領域B2及びB3は、対応する光量情報における領域が照射光量255の表示領域72及び73に含まれるため、対応する画像データ5における領域B2及びB3と同じ画像(それぞれ輝度値128,255)とする。すなわち、光量情報に示される照射光量に応じて、画像データ5の輝度を増加させる画像処理を行う。
【0102】
画像編集装置10は、画像編集部13が作成した画像データ6を第3の画像表示装置90に出力する。第3の画像表示装置90は、画像編集装置10から送られた画像データ6を表示する。
【0103】
図12(D)に第3の画像表示装置90の画像の表示状態を示す。図12(D)の領域B1a、領域B2と領域B3は図12(A)に示す画像データ5と同様に表示される。図12(D)の領域B1bは、図12(A)に示す画像データ5では黒であるが、図12(B)の光量情報の表示領域71bの影響で黒が少し浮いたように表示される。これは、画像データ5をバックライトを有する第1の画像表示装置30で表示させた際の黒浮きを、バックライトを有しない第3の画像表示装置90においても再現していることを意味する。
【0104】
以上の動作により、光源を有しない第2の画像表示装置に画像データを表示する際、画像データを編集した際の第1の画像表示装置の光量分布を加味した表示をすることができる。すなわち、本例によれば、入力画像に応じて光源の発光量を光源ブロック毎に調節するディスプレイと、光源部を有しないディスプレイと、に同一画像を表示する際にも、両者での見え方を近づけることができる。
【符号の説明】
【0105】
10:画像編集装置、30:画像表示装置、31:通信部、34:表示部、35:光源制御部、36:光源部、40:画像表示装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置及びその制御方法、画像出力装置及びその制御方法、画像表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶ディスプレイにおいて、表示画像のコントラストを強調するために入力画像に応じてバックライトの光量を光源ブロック毎に調節する技術が公開されている(特許文献1)。特許文献1に記載の技術は、液晶パネルと、液晶パネルに光を照射するLEDバックライトユニットを有する。LEDバックライトユニットは、複数の光源ブロックに分割されており入力画像に応じて光源ブロック毎の光量を制御する。
【0003】
また、従来、特定の画像を表示した際のディスプレイの色度点とガンマ特性を記述したプロファイルをディスプレイ毎に作成し使用する技術が提案されている(特許文献2)。特許文献2は、サーバがディスプレイに画像を送信する際に、送信先のディスプレイのプロファイルを使用して画像を補正する。ディスプレイの特性を記述したプロファイルを加味して画像を補正することにより、異なるディスプレイに同じ画像を表示した際に表示色が異なってしまうという課題を解決している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−183608号公報
【特許文献2】特開2002−135607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術における、バックライトの光源ブロックの大きさや光源ブロック毎のバックライト光量の制御(ローカルディミング制御)の方法は、異なるディスプレイの機種間で統一されているわけではない。そのため、表示する画像データが同一であっても、表示装置の機種によってローカルディミング制御が異なるために、表示装置の機種によって画像の見え方が異なってしまう場合があった。
【0006】
また、特許文献2に記載の技術では、異なるディスプレイ間でのバックライトの光源ブロックの大きさやローカルディミング制御の方法の違いは考慮されていない。そのため、表示装置の機種毎のローカルディミング制御の相違により画像の見え方がばらつくという課題を、プロファイルに基づく画像の補正によって解決することはできなかった。
【0007】
そこで、本発明は、入力画像に応じて光源の光量を光源ブロック毎に調節可能な複数の異なる画像表示装置に同一の画像を入力した場合の画像表示のばらつきを抑制することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
画像データを入力するとともに、他の画像表示装置においてその画像データが表示された時の当該他の画像表示装置の表示パネルの表示領域における当該他の画像表示装置のバックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を入力する入力手段と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布が、前記光量情報に示される光量分布に一致又は近似するように、前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する制御手段と、
を有する画像表示装置である。
【0009】
本発明は、第1の画像表示装置及び第2の画像表示装置へ画像データを出力する画像出力装置であって、
前記第1の画像表示装置は、
入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
入力する画像データに応じて前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する制御手段と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を算出する算出手段と、
を有し、
前記第2の画像表示装置は、
入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
画像データを入力するとともに、他の画像表示装置においてその画像データが表示された時の当該他の画像表示装置の表示パネルの表示領域における当該他の画像表示装置のバックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を入力する入力手段と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布が、前記光量情報に示される光量分布に一致又は近似するように、前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する制御手段と、
を有し、
前記画像出力装置は、
第1の画像表示装置へ画像データを出力した場合に、当該第1の画像表示装置が算出した光量情報を取得し、当該画像データと光量情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、
第1の画像表示装置へ出力した前記画像データを第2の画像表示装置へ出力する場合に、前記画像データとともに、前記画像データに関連付けて前記記憶手段に記憶した光量情報を出力する出力手段と、
を有する画像出力装置である。
【0010】
本発明は、入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
を有する画像表示装置の制御方法であって、
画像データを入力するとともに、他の画像表示装置においてその画像データが表示された時の当該他の画像表示装置の表示パネルの表示領域における当該他の画像表示装置のバックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を入力する工程と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布が、前記光量情報に示される光量分布に一致又は近似するように、前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する工程と、
を有する画像表示装置の制御方法である。
【0011】
本発明は、第1の画像表示装置及び第2の画像表示装置へ画像データを出力する画像出力装置の制御方法であって、
前記第1の画像表示装置は、
入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
入力する画像データに応じて前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する制
御手段と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を算出する算出手段と、
を有し、
前記第2の画像表示装置は、
入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
画像データを入力するとともに、他の画像表示装置においてその画像データが表示された時の当該他の画像表示装置の表示パネルの表示領域における当該他の画像表示装置のバックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を入力する入力手段と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布が、前記光量情報に示される光量分布に一致又は近似するように、前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する制御手段と、
を有し、
前記画像出力装置の制御方法は、
第1の画像表示装置へ画像データを出力した場合に、当該第1の画像表示装置が算出した光量情報を取得する工程と、
第1の画像表示装置へ出力した前記画像データと光量情報とを関連付けて記憶する工程と、
第1の画像表示装置へ出力した前記画像データを第2の画像表示装置へ出力する場合に、前記画像データとともに、前記画像データに関連付けて記憶した前記光量情報を出力する工程と、
を有する画像出力装置の制御方法である。
【0012】
本発明は、第1の画像表示装置と、第2の画像表示装置と、第1の画像表示装置及び第2の画像表示装置へ画像データを出力する画像出力装置と、を有する画像表示システムであって、
前記第1の画像表示装置は、
入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
入力する画像データに応じて前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する制御手段と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を算出する算出手段と、
を有し、
前記第2の画像表示装置は、
入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
画像データを入力するとともに、他の画像表示装置においてその画像データが表示された時の当該他の画像表示装置の表示パネルの表示領域における当該他の画像表示装置のバックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を入力する入力手段と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布が、前記光量情報に示される光量分布に一致又は近似するように、前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する制御手段と、
を有し、
前記画像出力装置は、
第1の画像表示装置へ画像データを出力した場合に、当該第1の画像表示装置が算出した光量情報を取得し、当該画像データと光量情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、
第1の画像表示装置へ出力した前記画像データを第2の画像表示装置へ出力する場合に、前記画像データとともに、前記画像データに関連付けて前記記憶手段に記憶した光量
情報を出力する出力手段と、
を有する画像表示システムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、入力画像に応じて光源の光量を光源ブロック毎に調節可能な複数の異なる画像表示装置に同一の画像を入力した場合の画像表示のばらつきを抑制することができる技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例の画像表示システムの構成を示すブロック図
【図2】実施例の画像表示装置の光源部と光源制御部の接続図
【図3】実施例1の第1の画像表示装置に画像データを表示する際の動作例
【図4】実施例1の画像編集装置に画像データを記憶する処理のフロー
【図5】実施例1の第2の画像表示装置に画像データを表示する処理のフロー
【図6】実施例1の第2の画像表示装置に画像データを表示する際の動作例
【図7】実施例2の第1の画像表示装置に画像データを表示する際の動作例
【図8】実施例2の第2の画像表示装置に画像データを表示する際の動作例
【図9】実施例2の第2の画像表示装置に画像データを表示する際の他の動作例
【図10】実施例3の第1の画像表示装置に画像データを表示する際の動作例
【図11】実施例3の第2の画像表示装置に画像データを表示する際の動作例
【図12】実施例4の第2の画像表示装置に画像データを表示する際の動作例
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施例1)
以下、添付図面を参照して、本発明の例示的な実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明を適用できる画像表示システムの一例を示すブロック図である。図1において、本実施形態は、画像編集装置10、通信線20、第1の画像表示装置30と第2の画像表示装置40から構成される。なお、図1の第2の画像表示装置40に付された括弧書きの符号90は、実施例4の説明で参照するための符号である。
【0016】
画像編集装置10は、例えば、パーソナルコンピュータであり、内部に画像データを記憶し、ユーザの操作に基づいて記憶した画像データを編集する。画像編集装置10は、画像記憶部11、データバス12、画像編集部13と通信部14から構成される、画像出力を行う装置である。
【0017】
画像記憶部11は、ハードディスクドライブ、記録ディスクなどの記録媒体である。画像記憶部11は、画像データ、及び、第1の画像表示装置30の光源部36が表示部34を照射する際の光の分布状態を示す光量情報を記憶する。光量情報の詳細は後述する。
【0018】
データバス12は、画像編集装置10の内部のデータの伝送を行うバスである。データバス12には、画像記憶部11に記憶された画像データや、通信部14が通信線を介して第1の画像表示装置30や第2の画像表示装置40と通信する際の通信情報などが伝送される。
【0019】
画像編集部13は、例えば、画像レタッチソフトウェアや画像ビューワを用いて画像の編集処理を行う。画像編集部13は、画像記憶部11からデータバス12を介して画像データを読み込み、ユーザの操作に基づいて画像データの明るさ、色の補正、サイズ変更やトリミング等の編集処理を行う。画像編集部13にて編集中の画像データは、通信部14を介して第1の画像表示装置30に出力される。そのため、ユーザは、第1の画像表示装置30に表示された画像データを参照しながら画像編集装置10で画像データを編集する
ことができる。画像編集部13は、編集した画像データを画像記憶部11に出力する。
【0020】
通信部14は、例えば、ネットワークインタフェースやHDMI(High Definition Multimedia Interface)トランスミッタ・レシーバなどの通信装置である。通信部14は、
通信線20を介して第1の画像表示装置30や第2の画像表示装置40へ画像データを転送する。また、画像編集装置10と第1の画像表示装置30や第2の画像表示装置40との間の制御情報を伝送する。
【0021】
通信線20は、ネットワークやHDMIなどの通信ケーブルである。通信線には、画像編集装置10、第1の画像表示装置30と第2の画像表示装置40が接続され、双方向にデータの伝送を行うことができる。
【0022】
第1の画像表示装置30は、例えば、液晶ディスプレイであり、画像編集装置10から画像データを受信し、受信した画像データに基づく画像を表示する。第1の画像表示装置30は、通信部31、データバス32、画像処理部33、表示部34、光源制御部35、及び光源部36から構成される。
【0023】
通信部31は、例えば、ネットワークインタフェースやHDMIトランスミッタ・レシーバなどの通信装置である。
データバス32は、第1の画像表示装置30の内部のデータの伝送を行うバスである。データバス32には、通信部31が画像編集装置10から通信線20を介して受信した画像データや通信情報などが伝送される。
【0024】
画像処理部33は、通信部31が画像編集装置10から受信した画像データの統計量の算出、及び、画像データの輝度の補正を行う。統計量は、例えば、画像編集装置10から受信した画像データの最大輝度値である。光源部36は、後述するように複数の光源ブロックに分割されているので、画像処理部33は、画像データを光源部36の光源ブロックと対応する領域に分割し、分割した領域毎に最大輝度値を算出する。画像処理部33は、算出した領域毎の最大輝度値を統計量として光源制御部35に出力する。また、画像処理部33は、画像データの輝度値を補正し、補正した画像データを表示部34に出力する。なお、統計量は、必ずしも最大輝度値でなくとも良い。画像データの特徴を表す量であれば良く、例えば、平均輝度値でも良い。
【0025】
表示部34は、例えば、液晶パネルであり、画像処理部33から入力する画像データに基づく画像を表示するものである。表示部34の背面には後述する光源部36が位置する。光源部36が表示部34の背面から光を照射し、表示部34の例えば液晶素子が画素毎に光源部36からの照射光の透過率を変化させることにより、表示部34に観察可能な画像が表示される。
【0026】
光源部36は、複数のLED等の発光素子から構成された面状の発光体であり、白色の光を表示部34の背面から照射する。光源部36の構成及び光源部36と光源制御部35との接続を図2に示す。図2において、光源部36は、5個の光源ブロック41〜45に分割されており、各光源ブロックは光源制御部35と接続されている。光源部36の各光源ブロックの発光量は、光源制御部35が出力するPWM(Pulse Width Modulation)信号によって互いに独立に制御可能である。光源部36の発光量は、PWM信号のHigh期間が長くなると多くなり、PWM信号のHigh期間が短くなると少なくなる。
【0027】
光源制御部35は、画像処理部33から画像データの統計量を受け取り、受け取った統計量に応じて、光源部36の光源ブロック毎の発光量を制御する。光源制御部35は、発光量の制御を、光源部36の各光源ブロックに出力するPWM信号のHigh期間を制御
することにより行う。また、光源制御部35は、光源部36が表示部34を照射する光の、表示部34の表示領域における光量分布を示す光量情報を算出する。光量情報は、例えば、表示部34に表示する画像データと同じ画素数を持つ画像データ形式で表すことができる。この場合、光量情報を表す画像データの各画素の輝度値が表示部34の各画素における照射光の光量を表すようにする。光源制御部35は、光量情報を、光源部36の各光源ブロックに出力するPWM信号と、光源部36の光の拡散量と、から算出する。
【0028】
まず、光源制御部35は、光源部36の各光源ブロックに出力するPWM信号から光源部36の各光源ブロックの光量(発光量)を計算し、計算した光量の分布を2次元の画像データの形式に変換する。光源部36と表示部34の間には距離が空いているため、光源部36の光は、拡散したのち表示部34に到達し、表示部34の各画素を照射する。そのため、PWM信号を元に算出した光源部36の発光量の分布状態を示す画像データに対して、縦横2次元のローパスフィルタを施し表示部34における照射光の光量分布を示す光量情報を算出する。光源部36から発せられた光の拡散具合は、光源部36と表示部34の間の距離などに依存するためディスプレイの機種により異なる。光源部36の発光量の分布状態を示す画像データに施すローパスフィルタの係数を拡散量として予めディスプレイ内部に固定値として保持しておいてもよい。光源制御部35は、算出した光量情報を通信部31を介して画像編集装置10に伝送する。なお、拡散の影響を考えない場合には、光源部36による発光量の分布状態を示すデータをそのまま光量情報としても良い。
【0029】
第2の画像表示装置40は、第1の画像表示装置30とは異なる液晶ディスプレイである。第2の画像表示装置40の光源は、第1の画像表示装置30の光源と同様に5個の光源ブロックに分割されている。第2の画像表示装置40の構成は、第1の画像表示装置30と同様であるため説明及び図示を省略する。第2の画像表示装置40の機能ブロックの符号として、対応する第1の画像表示装置30の機能ブロックの符号に「b」を付したものを用いる。例えば、第2の画像表示装置40の表示部の符号は34bとする。なお、図1では画像編集装置10に第1の画像表示装置30と第2の画像表示装置40の両方が接続されているが、2つの画像表示装置が同時に画像編集装置10に接続されていなくても良い。また、画像編集装置10に接続する画像表示装置の台数は2台以上であっても良い。
【0030】
(動作例の説明)
画像編集装置10で編集中の画像データ(画像データ1)を第1の画像表示装置30に表示する際の動作を説明する。
【0031】
画像編集装置10は、画像データ1を通信線20を介して第1の画像表示装置30に出力する。画像編集装置10が出力する画像データ1の例を図3(A)に示す。図3(A)に示す画像データ1は、輝度値が0〜255の8ビットで表現されている。図3(A)において、領域A1は輝度値0、領域A2は輝度値128、領域A3は輝度値255の画像であるとする。本実施例では、画像データ1の領域A1〜A3の各領域内において輝度値に分布がない(つまり、領域A1〜A3の最大輝度値はそれぞれ0、128,255)とする。
【0032】
第1の画像表示装置30は、通信線20を介して画像編集装置10から図3(A)に示す画像データ1を受信し、受信した画像データ1の統計量を取得する処理を行う。図3(B)に第1の画像表示装置30の画像処理部33が取得した統計量を示す。ここでは統計量として最大輝度値を用いる。本実施例では画像処理部33は、画像データ1を表示部34に表示した際、光源部36の各光源ブロック41〜45に対応する画像データの各領域の統計量を取得する。
【0033】
光源部36の光源ブロック41に対応する画像データ1の領域D1は、図3(A)の画像データ1の領域A1に含まれる。画像データ1の領域A1の最大輝度値は0であるので、画像データ1の領域D1内の最大輝度値は0である。よって、画像データ1の領域D1の統計量は0となる。また、光源部36の光源ブロック42に対応する画像データ1の領域D2も領域D1と同様に、図3(A)の画像データ1の領域A1に含まれる。よって、画像データ1の領域D2の統計量は0となる。光源部36の光源ブロック43に対応する画像データ1の領域D3は、図3(A)の画像データ1の領域A2に含まれる。画像データ1の領域A2の最大輝度値は128であるので、画像データ1の領域D3の統計量は128となる。光源部36の光源ブロック44及び45それぞれに対応する画像データ1の領域D4及びD5は共に、図3(A)の画像データ1の領域A3に含まれる。画像データ1の領域A3の最大輝度値は255であるので、画像データ1の領域D4及びD5の統計量は共に255である。
【0034】
光源制御部35は、画像処理部33が出力する光源部36の各光源ブロックに対応する画像データの統計量(図3(B))を受信する。光源制御部35は、受信した画像データの分割領域毎の統計量に応じて光源部36の各光源ブロックの発光量を算出する。図3(C)に光源制御部35が光源部36の各光源ブロックに出力するPWM信号を示す。第1の画像表示装置30における光源制御部35は、画像データの分割領域毎の統計量に応じて光源ブロック毎の発光量を調節する動作を行う。PWM信号において、パルス信号の1周期の時間に対するHigh時間の割合をデューティ比という。デューティ比が1の場合は、1周期内のHigh時間が100%(1周期の時間内でずっと点灯し続けている状態)であることを示す。PWM信号のデューティ比を制御することで、光源部36の各光源ブロックの発光量を調節できる。統計量が0の場合はPWM信号のデューティ比を0とする。このPWM信号により、光源ブロックは、1周期の時間内でHigh時間が0(発光しない)となるように制御される。統計量が255(8ビットのうちの最大値)の場合は、PWM信号のデューティ比は1とする。このPWM信号により、光源ブロックは、1周期の時間すべてがHigh時間(常に発光する)となるように制御される。統計量が1〜254の場合には、統計量に応じてPWM信号のデューティ比は0より大きく1未満の間で決定される。本実施例においては、例えば統計量が128の場合は、PWM信号のデューティ比は0.5とする。
【0035】
図3(B)において画像データ1の領域D1及び領域D2の統計量は0であるから、光源制御部35は、図3(C)に示すように、光源部36の光源ブロック41と光源ブロック42に対してデューティ比が0のPWM信号を出力する。図3(B)において画像データ1の領域D3の統計量は128であるから、光源制御部35は、図3(C)に示すように、光源部36の光源ブロック43に対してデューティ比が0.5のPWM信号を出力する。図3(B)において、光源ブロック44及び45の統計量は255であるから、光源制御部35は、図3(C)に示すように、光源部36の光源ブロック44及び45に対してデューティ比が1のPWM信号を出力する。
【0036】
光源部36の各光源ブロックは、光源制御部35が出力するPWM信号に従って発光量が調整される。
ここでは、第1の画像表示装置30は光源部36の光の拡散の影響が少ないものとする。つまり、表示部34の背面には光源部36の発光する光がそのまま照射されるものとする。図3(D)に表示部34に照射される光源部36の各光源ブロックの発光量の分布の概念図を示す。図3(D)において、光源ブロック41及び42は発光せず、光源ブロック43は中程度の発光量で発光し、光源ブロック44及び45は発光量が多い。各光源ブロックの発光量を、画像データ1と同じ8ビットで表現すると、光源ブロック41及び42は発光量0、光源ブロック43は発光量128(最大発光量の1/2)、光源ブロック44及び45は発光量255(最大発光量)となる。この場合、光源制御部35は、各光
源ブロックの発光量を光量情報として保持する。
【0037】
表示部34に表示される画像は、画像データと、光源部36の光が合成されたものである。つまり、光源部36の光が画像データの輝度値に応じた透過率で透過した結果、表示部34に表示される画像として認識される。図3(D)に示すような発光量に各光源ブロックを調節した光源部36に対して、画像データとして図3(A)に示す画像データ1をそのまま用いると、本来の画像データ1の輝度値で表示できない。具体的には、光源ブロック43の発光量を1/2に下げたため、表示部34に表示される画像データ1の領域A2の輝度値は本来より(1/2程度に)下がってしまい、本来の輝度値で表示できない。よって、図3(E)に示すように、補正画像データ1aの領域A21(図3(A)の画像データ1の領域A2に相当する部分)の輝度値を255に補正する。以上のように補正した補正画像データ1aと、図3(D)に示すような発光量に制御された光源部36とにより、図3(A)に示す本来の画像データ1を表示部34に表示することができる。
【0038】
以上のように、第1の画像表示装置30の光源制御部35は、画像データの分割領域毎の統計量に応じて光源部36の発光ブロック毎の発光量を調節する動作を行う。特に、統計量が0の領域に対応する光源部36の光源ブロックのPWM信号のデューティ比を0にするため、画像データ内に統計量が0となる黒領域がある場合には、表示した画像内の暗部と明部の輝度差が大きくなり、高コントラストの表示を実現できる。
【0039】
続いて、図4に示すフローチャートを用いて、ユーザが画像編集装置10にて編集した図3(A)に示す画像データ1を、画像記憶部11に記憶する際の動作を説明する。
図4のステップ51では、ユーザが画像編集装置10を操作し、図3(A)の画像データ1の記憶を指示する。ユーザによる画像データの記憶指示は、画像編集装置10から第1の画像表示装置30に伝送される。
【0040】
ステップ52では、第1の画像表示装置30の光源制御部35は、光源部36の光量情報を算出する。最初に、光源制御部35は、図3(C)に示す光源部36の各光源ブロックのPWM信号のデューティ比から光源部36の発光量を光源ブロック毎に算出し、算出した発光量が8ビットの輝度値で表された2次元の画像データ形式のデータ(発光量データ)に変換する。
図3(C)において、光源ブロック41と光源ブロック42のPWM信号のデューティは0のため、光源制御部35は発光量データにおける光源ブロック41及び光源ブロック42の発光量を0にする。また、図3(C)において、光源ブロック43のPWM信号のデューティ比は0.5のため、光源制御部35は発光量データにおける光源ブロック43の発光量を128にする。また、図3(C)において、光源ブロック44及び光源ブロック45のPWM信号のデューティ比は1のため、光源制御部35は発光量データにおける光源ブロック44及び光源ブロック45の発光量を255とする。
【0041】
次に、光源制御部35は、表示部34へ照射される光量を示す光量情報を算出する。ここでは、第1の画像表示装置30の光源部36の光の拡散の影響は少ないものとし、光源部36の発光量がそのまま表示部34に照射されると考える。従って、光量情報は、図3(C)のPWM信号のデューティ比より算出される光源部36の上記の発光量データ(図3(D))が反映したものとなる。また、画像処理部33は上述した補正画像データ1aの生成を行う。
【0042】
ステップ53では、第1の画像表示装置30は、光源制御部35が算出した光量情報と画像処理部33において輝度補正を行った補正画像データ1aを、通信線20を介して画像編集装置10に送信する。
【0043】
ステップ54では、画像編集装置10の通信部14は、ステップ53において第1の画像表示装置30が送信した光量情報と補正画像データ1aを受信する。
【0044】
ステップ55では、画像編集装置10は、ステップ54において第1の画像表示装置30から受信した光量情報と補正画像データ1aを画像記憶部11に記憶する。また、画像編集装置10は、画像編集部13で編集した画像データ1のヘッダ欄に画像記憶部11に記憶した光量情報と補正画像データ1aのアドレスを埋め込む。光量情報と補正画像データ1aのアドレスを埋め込んだ画像データ1は、画像記憶部11に記憶される。これにより、画像編集部13で編集した画像データ1と、画像データを第1の画像表示装置30に表示していた際の光量情報及び補正画像データ1aが関連付けられる。
【0045】
なお、画像データと光量情報を関連付ける方法はこれに限るものではない。例えば、画像編集部13で編集した画像データ1と光量情報及び補正画像データ1aをレイヤー構造にして1つの画像データとして画像記憶部11に記憶するようにしても良い。また、画像データに光量情報及び補正画像データ1aをメタデータとして付加することにより、画像データと光量情報及び補正画像データ1aとを関連付けて記憶しても良い。
【0046】
次に、図5のフローチャートを用いて、画像編集装置10の画像記憶部11に記憶した画像データ1を第1の画像表示装置30とは異なる第2の画像表示装置40に表示する際の動作を説明する。ここでは、第2の画像表示装置40の光源部36bは、第1の画像表示装置30の光源部36と同様、5個の光源ブロック41b〜45bに分割されているものとする。
【0047】
図5のステップ61では、画像編集装置10は、画像記憶部11から画像データ1を読み出し、読み出した画像データ1のヘッダ欄を参照し光量情報及び補正画像データ1aのアドレスを取得する。画像編集装置10は、取得したアドレスを用いて画像記憶部11から画像データ1と関連付けられた光量情報及び補正画像データ1aを読み出す。画像編集装置10は、読み出した画像データ1及び光量情報及び補正画像データ1aを第2の画像表示装置40に送信する。
【0048】
ステップ62では、第2の画像表示装置40が、通信線20を介してステップ61において画像編集装置10が送信した光量情報及び補正画像データ1aを受信する。第2の画像表示装置40が受信した光量情報を図6(B)に示す。図6(B)の光量情報は、図4に示すフローチャートのステップ55において画像編集装置10の画像記憶部11に記憶した光量情報(図3(D))と同一である。すなわち、この光量情報は、他の画像表示装置において画像データ1が表示された時の当該他の画像表示装置の表示パネルの表示領域における当該他の画像表示装置のバックライトによる照射光の光量分布を示す情報である。
【0049】
ステップ63では、第2の画像表示装置40の光源制御部35bは、ステップ62において受信した光量情報から光源部36bの各光源ブロックに出力するPWM信号のデューティ比を算出する。ここでは、第1の画像表示装置30と同様、光源部36bから発せられた光が表示部34bへ到達するまでの間の拡散の影響を考えないものとする。従って、図6(C)に示すように、光源部36bの光源ブロック41b〜45bの発光量を光量情報の値と等しい値にする。
図6(D)に算出したPWM信号のデューティ比を示す。図6(C)に示す光源ブロック41bと光源ブロック42bの発光量は0であるから、光源制御部35bは、光源ブロック41bと光源ブロック42bのPWM信号のデューティ比を0にする。図6(C)に示す光源部36bの発光量において光源ブロック43bの発光量は128であるから、光源制御部35bは、図6(C)に示す光源部36の光源ブロック43bのPWM信号のデ
ューティ比を0.5にする。図6(C)に示す光源ブロック44b及び光源ブロック45bの発光量は255であるから、光源制御部35bは、光源ブロック44b及び光源ブロック45bのPWM信号のデューティ比を1にする。
【0050】
光源制御部35bは算出したPWM信号を光源部36bに出力する。光源部36bは、光源制御部35bから出力されたPWM信号に基づき各光源ブロックの発光量を調整し表示部34bに光を照射する。ここでは、第2の画像表示装置40は光源部36bの光の拡散の影響が少なく、表示部34bの背面には光源部36bの発光する光がそのまま照射されるものとする。
図6(E)に表示部34bに照射される光の分布を示す。PWM信号のデューティ比が0の光源ブロック41b及び42bに対応する表示部34bの表示領域51b及び52bの照射光量は0となる。PWM信号のデューティ比が0.5の光源ブロック43bに対応する表示部34bの表示領域53bの照射光量は128となる。PWM信号のデューティ比が1の光源ブロック44b及び45bに対応する表示部34bの表示領域54b及び55bの照射光量は255となる。このように、光源制御部35bは、光量情報に基づいて、表示部34bの表示領域における光源部36bによる照射光の光量分布が光量情報に一致又は近似するように、光源部36bの各光源ブロックのPWM信号のデューティ比を算出する。
【0051】
ステップ64では、第2の画像表示装置40は、通信線20を介してステップ61において画像編集装置10が送信した画像データ1を受信する。第2の画像表示装置40が受信した画像データを図6(A)に示す。図6(A)は、図4に示すフローチャートのステップ55において画像編集装置10の画像記憶部11に記憶した画像データ1と同一である。
ここで、図6(C)に示すような発光量に光源部36bの各光源ブロックを調節し、表示部34bにおいて図6(E)に示すような照射光量分布が得られた場合に、画像データとして図6(A)に示す画像データ1をそのまま用いると、本来の輝度値で表示できない。
そこで、第1の画像表示装置30の場合と同様に、画像データの補正を行う。図6(F)に示すように、照射光量が最大光量の1/2になっている表示領域53bに対応する領域A21(図6(A)の画像データ1の領域A2に相当する部分)の輝度値を255に補正した補正画像データ1bを生成する。補正画像データ1bに基づき表示部34bの透過率を調節することにより、図6(A)の画像データ1に示す本来の輝度値の画像が観察可能に表示部34bに表示される。
【0052】
図6(G)に表示部34bの画像の表示状態を示す。図6(G)に示すように、表示部34bの画像の表示状態は、図6(F)に示す補正画像データ1bと図6(E)に示す表示部34bを照射する光が合成されたものである。つまり、図6(F)に示す補正画像データ1bに従う透過率で、図6(E)に示す表示部34bにおける照射光が透過した結果、図6(G)に示す画像表示となる。
図6(G)の領域A1は、対応する表示部34における領域が照射光量0の表示領域51b及び52bに含まれ、対応する補正画像データ1bにおける輝度値が0であるため暗く表示される。
図6(G)の領域A2は、対応する表示部34における領域が照射光量128の表示領域53bに含まれ、対応する補正画像データ1bにおける輝度値が128であるため中程度の輝度で表示される。
図6(G)の領域A3は、対応する表示部34における領域が照射光量255の表示領域54b及び55bに含まれ、対応する補正画像データ1bにおける輝度値が255であるため明るく表示される。
なお、ここでは図6(E)に示す表示部34bにおける照射光量分布に応じて図6(A
)に示す画像データ1を補正して図6(F)に示す補正画像データ1bを生成し、生成した補正画像データ1bを用いて表示部34bの透過率の調節を行う。従って、ステップ61及びステップ62における画像編集装置10と第2の画像表示装置40の間の補正画像データ1aの送受信は省略しても良い。
一方、ステップ61及びステップ62において画像編集装置10と第2の画像表示装置40の間で補正画像データ1aの送受信を行う場合は、上述した図6(F)の補正画像データ1bの生成処理を省略しても良い。その場合、第2の画像表示装置40は、画像編集装置10から受信した補正画像データ1aを用いて表示部34bの透過率の調節を行うと良い。この場合、第2の画像表示装置40における画像表示のためには光量情報と補正画像データ1aがあれば良いので、画像編集装置10から第2の画像表示装置40へ画像データ1を送信しなくても良い。
【0053】
以上の動作により、第2の画像表示装置40に画像データ1を表示した際においても、第1の画像表示装置30に画像データ1を表示した時と同様に、画像の黒領域と明るい領域との明暗の差が強調されて表示される。これは、第1の画像表示装置30の光源制御部35が行った黒領域と明るい領域との明暗の差の強調と同様の制御が第2の画像表示装置40において行われたためである。すなわち、本実施例に係るシステムよれば、入力画像に応じて光源の発光量を光源ブロック毎に調節する複数の異なるディスプレイに同一画像を入力した場合の見え方をディスプレイ間で近づけることができる。
【0054】
以上の動作により、第2の画像表示装置40の光源部36bは画像の黒領域と明るい領域の明暗の差を第1の画像表示装置30と同様に強調するように光源ブロック毎の発光量が調節される。そのため、異なるディスプレイに同一画像を表示させた場合の見え方を近づけることができる。
【0055】
また、本実施形態においては、光源制御部35は、画像データの統計量が0の分割領域に対応する光源部36の光源ブロックの発光量を下げる動作を行った。しかし、本発明はこれに限るものではなく、画像データに基づいて光源部36の光源ブロック毎に発光量を調節するものであればよい。また、第1の画像表示装置30の画像処理部33が画像データに対し輝度補正を行った場合には、画像データ及び光量情報の記憶を行うときに当該輝度補正の情報も関連付けて記憶しても良い。この場合、第2の画像表示装置40によって画像データの表示を行う際に、当該輝度補正の情報に基づいて画像データを補正した後、表示部34bに出力するようにすると良い。
【0056】
また、第1の画像表示装置30によって以前表示した画像データを再度第1の画像表示装置30によって表示する際に、上述した第2の画像表示装置40が行う処理と同等の処理を第1の画像表示装置30が実行するようにしても良い。これにより、ある画像表示装置で同じ画像データを何回か表示する場合に、前回表示したときのバックライト状態に近いバックライト状態で表示を行うことが可能になる。
【0057】
なお、図3(B)において画像データの分割領域毎の統計量に応じて光源部36の各光源ブロックの発光量を算出したが、光源部36の発光量は上記に限られない。例えば、画像データの統計量が0である場合に、対応する光源ブロックのPWM信号のデューティ比を0とし、画像データの統計量が0でない場合に、対応する光源ブロックのPWM信号のデューティ比を1としてもよい。例えば図3(C)にしめす、画像データ1の領域A2(統計量128)に対応する光源ブロック43のPWM信号のデューティ比を1(つまり光源ブロック43は発光量255)としてもよい。この場合、画像データの領域A2と領域A3はともに最大光量で照射されることになるため、図3(E)のように画像データ1の補正は必要なく、図3(A)に示す画像データ1をそのまま用いることにより、本来の画像データを表示部34に表示できる。
【0058】
(実施例2)
次に、画像編集装置にて画像データを編集した時に画像表示を行った画像表示装置と光源の光源ブロック数が異なる画像表示装置に画像データを表示する際の動作について説明する。本実施形態の構成と、図1に示す第1の実施形態の構成との主な相違点は、本実施形態では第1の画像表示装置30と第2の画像表示装置40とで光源部36の光源ブロック数が異なる点である。具体的には、第1の画像表示装置30の光源部36は3個の光源ブロック61〜63に分割され、第2の画像表示装置40の光源部36bは5個の光源ブロック41b〜45bに分割されている。
【0059】
画像編集装置10で編集中の画像データ(画像データ2)を第1の画像表示装置30に出力する。画像編集装置10が出力する画像データの輝度値の例を図7(A)に示す。図7(A)に示すように、画像データ2において、領域B1は輝度値0、領域B2は輝度値128、領域B3は輝度値255の画像であるとする。本実施例では、画像データ2の領域B1〜B3の各領域内において輝度値に分布がない(つまり、領域B1〜B3の最大輝度値はそれぞれ0,128,255)とする。
【0060】
第1の画像表示装置30は、受信した画像データ2の統計量を取得する処理を行う。図7(B)に第1の画像表示装置30の画像処理部33が取得する統計量を示す。実施例1と同様、統計量として最大輝度値を用いる。本実施例では画像処理部33は、画像データ2を表示部34に表示した際、光源部36の各光源ブロック61〜63に対応する画像データの各領域の統計量を取得する。
光源部36の光源ブロック61に対応する画像データ2の領域B1の最大輝度値は0であるので、画像データ2の領域B1の統計量は0となる。光源部36の光源ブロック62に対応する画像データ2の領域B2の最大輝度値は128であるので、画像データ2の領域B2の統計量は128となる。光源部36の光源ブロック63に対応する画像データ2の領域B3の最大輝度値は255であるので、画像データ2の領域B3の統計量は255となる。
【0061】
光源制御部35は、画像処理部33が出力する統計量(図7(B))に応じて光源部36の各光源ブロックのPWM信号を算出する。本実施例では、統計量が0の場合はPWM信号のデューティ比を0とし、統計量が0より大きい場合はPWM信号のデューティ比を1とする。
図7(B)において画像データ2の領域B1の統計量は0であるから、光源制御部35は、図7(C)に示すように、光源部36の光源ブロック61に対してデューティ比が0のPWM信号を出力する。
図7(B)において画像データ2の領域B2と領域B3は統計量はそれぞれ128,255で0より大きいから、光源制御部35は、図7(C)に示すように、光源部36の光源ブロック62と光源ブロック63に対してデューティ比が1のPWM信号を出力する。光源部36の各光源ブロックは、光源制御部35が出力するPWM信号に従って発光量が調整される。
なお、本実施例においても、実施例1と同様に、統計量に応じてPWM信号を決定するようにしても良い。その場合、例えば、統計量が128の領域B2に対応する光源ブロック62にはデューティ比が0.5のPWM信号を出力する。
図7(D)に光源部36の各光源ブロックの発光量の分布の概念図を示す。図7(D)において、光源ブロック61は発光せず、光源ブロック62及び63は最大発光量で発光する。各光源ブロックの発光量を、画像データ2と同じ8ビットで表現すると、光源ブロック61は発光量0、光源ブロック62及び63は発光量255(最大発光量)となる。
ここでは、第1の画像表示装置30における光源部36の光の拡散の影響は少ないものとする。つまり、光源部36における発光量の分布が、表示部34の背面における照射光
の光量分布にそのまま反映するものとする。
図7(E)は、図7(D)に示す発光量で光源部36が発光した場合の、表示部34における照射光量分布を示す。図7(E)に示す照射光量は、画像データの領域B1〜B3に対応する表示部34の表示領域71〜73における照射光量を、画像データ2と同じ8ビットで表現したものである。ここでは拡散の影響を考えないこととしたので、表示領域71〜73における照射光量を示す値は、図7(D)に示す光源ブロック61〜63の発光量を示す値と等しくなる。
本実施例では、各光源ブロックは発光しないか最大発光量で発光するかのいずれかであるので、実施例1のような補正画像データの生成を行う必要はない。しかし、画像データの統計量に応じてデューティ比を0〜1の間の値に設定する場合は、光源ブロックのうちに最大発光量より低い発光量で発光するものがあることになるので、実施例1と同様の補正画像データの生成を行う。本実施例では、図7(A)に示す画像データ2に基づいて表示部34の透過率を調節することにより、図7(F)に示すように、図7(A)に示す画像データ2本来の輝度値で表示部34に表示される。
【0062】
続いて、ユーザが画像編集装置10を操作して、図7(A)に示す画像データ2の記憶を指示した際の動作を説明する。
第1の画像表示装置30の光源制御部35は、表示部34における照射光量の分布を示す光量情報を算出する。最初に、光源制御部35は、図7(C)に示す光源部36の各光源ブロックのPWM信号のデューティ比から光源部36の発光量を光源ブロック毎に算出し、算出した発光量が8ビットの輝度値で表された2次元の画像データ形式のデータ(発光量データ)に変換する。
図7(C)において光源ブロック61のPWM信号のデューティ比は0のため、光源制御部35は発光量データにおける光源ブロック61の発光量を0にする。また、図7(C)において光源ブロック62及び光源ブロック63のPWM信号のデューティ比は1のため、光源制御部35は発光量データにおける光源ブロック62及び光源ブロック63の発光量を255にする。
【0063】
次に、光源制御部35は、表示部34へ照射される光量を示す光量情報を算出する。ここでは、第1の画像表示装置30の光源部36の光の拡散の影響は少ないものとしているため、表示部34の背面には光源部36の発光する光がそのまま照射されると考える。したがって、光量情報は、図7(G)に示すように、図7(C)に示すPWM信号より算出した上記の発光量データ(図7(D))が反映されたものとなる。ここでは、光源部36における発光量と表示部34における照射光量をともに画像データ2と同様8ビットで表しているため、図7(D)に示す光源部36における発光量の数値と図7(G)に示す光量情報の数値は等しくなる。
【0064】
画像編集装置10は、画像データ2と第1の画像表示装置30から受信した光量情報を関連付けて記憶する。
続いて、画像編集装置10の画像記憶部11に記憶した画像データ2を第1の画像表示装置30とは光源部36の光源ブロック数が異なる第2の画像表示装置40に表示する際の動作を説明する。
【0065】
画像編集装置10は、画像記憶部11から画像データ2と光量情報を読み出し、読み出した画像データ2(図8(A))と光量情報(図8(B))を第2の画像表示装置40に送信する。
第2の画像表示装置40は、画像編集装置10から送られた画像データ2を表示部34に表示する。また、第2の画像表示装置40は、画像編集装置10から送られた光量情報に基づいて光源部36bの発光量を光源ブロック毎に調整する。図8(B)の光量情報に基づき、第2の画像表示装置40の光源部36bの各光源ブロック41b〜45bに対応
する表示部34bの表示領域51b〜55bにおける照射光量の目標値が決定される。
【0066】
第1の画像表示装置30の光源部36の光源ブロック数(3)と第2の画像表示装置40の光源部36bの光源ブロック数(5)は異なる。そのため、第2の画像表示装置40の光源部36bが発する光による表示部34bを照射する光の分布と、第1の画像表示装置30が作成した光量情報と、を同じにはできない場合がある。その場合、第2の画像表示装置40の光源制御部35bは、第2の画像表示装置40の表示部34bを照射する光の分布が、画像編集装置10から送られた光量情報に近づくように、第2の画像表示装置40の光源部36bの発光量を制御する。
【0067】
第2の画像表示装置40の光源制御部35bによる光源部36bの発光量の制御の一例を説明する。光源制御部35bは、表示部34bにおける照射光の光量分布が図8(B)の光量情報に示される値に近くなるように、光源部36bの各光源ブロックの発光量を算出する。ここでは、実施例1と同様、光源部36bから発せられた光が表示部34bへ到達するまでの間の拡散の影響を考えないものとする。
図8(C)において、光源ブロック41bは、対応する光量情報における領域が照射光量0の表示領域71に含まれるため、発光量を0にする。
図8(C)において、光源ブロック42bは、対応する光量情報における領域の一部が照射光量0の表示領域71に含まれ、一部が照射光量255の表示領域72に含まれる。光源ブロック42bは、対応する画像データ2における領域の一部が輝度値128の領域B2に含まれるため、当該領域B2の画像が見えなくならないように、発光量を255にする。
図8(C)において、光源ブロック43b〜45bは、対応する光量情報における領域が照射光量255の表示領域72及び表示領域73に含まれるため、発光量を255にする。
つまり、図8(C)の光源ブロック41b〜45bのうち、対応する光量情報における領域が照射光量が0でない表示領域と共有部分を有する光源ブロックの発光量を255とする。また、図8(C)の光源ブロック41b〜45bのうち、対応する光量情報における領域が照射光量0の表示領域に含まれる光源ブロックの発光量を0とする。
光源制御部35bは、各光源ブロックの発光量が図8(C)に示す値となるように、光源部36bの各光源ブロックに出力するPWM信号のデューティ比を算出する。図8(D)に光源ブロック毎に算出したPWM信号のデューティ比を示す。
図8(C)に示す光源部36bの発光量において光源ブロック41bの発光量は0であるから、光源制御部35bは、光源ブロック41bのPWM信号のデューティ比を0にする。図8(C)に示す光源部36bの発光量において光源ブロック42b〜45bの発光量は255であるから、光源制御部35bは、光源ブロック42b〜45bのPWM信号のデューティ比を1にする。
【0068】
光源制御部35bは算出したPWM信号を光源部36bに出力する。光源部36bは、光源制御部35bから出力されたPWM信号に基づき各光源ブロックの発光量を調整し表示部34bに光を照射する。ここでは、第2の画像表示装置40は光源部36bから発せられた光が表示部34bへ到達するまでの拡散の影響が少なく、光源部36bにおける発光量分布がそのまま表示部34bの背面における照射光量分布になるものとする。
図8(E)に光源部36から表示部34bに照射された光の分布状態を示す。図8(E)において、PWM信号のデューティ比が0である光源ブロック41bに対応する表示領域51bは光が照射されない(照射光量0)。PWM信号のデューティ比が1である光源ブロック42b〜45bに対応する表示領域52b〜55bは照射される光量が多い(照射光量255)。
【0069】
図8(F)に表示部34bにおける画像の表示状態を示す。表示部34bに表示される
画像は、表示部34bにおける照射光が画像データの輝度値に応じた透過率で透過した結果として観察される。
図8(F)において、領域B1aは、対応する画像データ2における領域が輝度値0の領域B1に含まれ、対応する表示部34bにおける領域が照射光量0の表示領域51bに含まれるため、黒く表示される。
図8(F)において、領域B1bは、対応する画像データ2における領域が輝度値0の領域B1に含まれるが、対応する表示部34bにおける領域が照射光量255の表示領域52bに含まれるため、光漏れの影響で黒が浮いて少し明るく見える。
図8(F)において、領域B2及び領域B3は、対応する表示部34bにおける領域が照射光量255の表示領域52b〜55bに含まれるため、画像データ2の領域B2と領域B3の輝度値がそのまま表現される。
【0070】
なお、図8(B)に示す光量情報から光源部36bの各光源ブロックに出力するPWM信号を算出する方法は上記説明した方法に限らない。光源部36の各光源ブロックに出力するPWM信号の別な算出例を図9に示す。図9(A)と図9(B)はそれぞれ図8(A)の画像データ2と図8(B)の光量情報と同じである。図9(C)は、図9(B)に示す光量情報に基づき光源制御部35が算出する光源部36の各光源ブロックの発光量の別の例を示す。図9(C)において、光源ブロック41b、43b〜45bの発光量は図8(C)の光源ブロック41b,43b〜45bの発光量と同じである。
図9(C)において、光源ブロック42bは、対応する光量情報における領域の一部が照射光量0の表示領域71に含まれ、一部が照射光量255の表示領域72に含まれるが、大部分は照射光量0の表示領域71に含まれているため、発光量を0にする。
光源制御部35bは、各光源ブロックの発光量が図9(C)に示す値となるように、光源部36bの各光源ブロックに出力するPWM信号のデューティ比を算出する。図9(D)に光源ブロック毎に算出したPWM信号のデューティ比を示す。図8(D)との差異は、図9(C)において光源ブロック42bの発光量が0とされたのに応じて、光源ブロック42bのPWM信号のデューティ比が0となっている点である。
【0071】
光源制御部35bは算出したPWM信号を光源部36bに出力する。光源部36bは、光源制御部35bから出力されたPWM信号に基づき各光源ブロックの発光量を調整し表示部34bに光を照射する。図9(E)に光源部36から表示部34bに照射された光の分布状態を示す。
図9(D)の光源ブロック41b及び42bに対応する表示領域51b及び52bには光が照射されず(照射光量0)、図9(D)の光源ブロック43b〜45bに対応する表示領域53b〜55bは照射される光量が多い(照射光量255)。
【0072】
図9(F)に表示部34bの画像の表示状態を示す。表示部34bに表示される画像は、表示部34bにおける照射光が画像データの輝度値に応じた透過率で透過した結果として観察される。
図9(F)において、領域B1は、対応する画像データ2における領域が輝度値0の領域B1に含まれ、対応する表示部34bにおける領域が照射光量0の表示領域51b及び52bに含まれるため、黒く表示される。
図9(F)において、領域B2aは、対応する画像データ2における領域が輝度値128の領域B2に含まれるが、対応する表示部34bにおける領域が照射光量0の表示領域52bに含まれるため、黒く表示される。すなわち、画像データ2では、図9(F)の領域B2aに対応する部分に本来輝度値128の画像があるはずだが、この画像は観察可能に表示されないことになる。
図9(F)において、領域B2b、B2c、及びB3は、対応する表示部34bにおける領域が照射光量255の表示領域53b〜55bに含まれるため、画像データ2の領域B2と領域B3の輝度値がそのまま表現される。
【0073】
図9(F)の表示部34bの表示状態によると、本来画像データ2において黒ではない領域B2のうち領域B1側の一部の領域B2aが黒く表示されるため、領域B2aの画像データは見ることができない。これは黒ではない画像データの領域B2と共有部分を有する光源ブロック42bの発光量を0にしたことによる。
【0074】
そこで、光源部36bの光源ブロック41b〜45bのうち、対応する光量情報における領域が照射光量の異なる複数の表示領域にまたがる光源ブロックの発光量を、光量情報における各表示領域との共有部分の大きさに応じて決定しても良い。
例えば、図9(C)の光源ブロック42bは、対応する光量情報における領域が照射光量0の表示領域71と照射光量255の表示領域72にまたがる。光源ブロック42bに対応する光量情報における領域と表示領域71との共有部分の大きさと、光源ブロック42bに対応する光量情報における領域と表示領域72との共有部分の大きさと、の比が例えば7:3であったとする。この場合、光源部36の光源ブロック42bのPWM信号のデューティ比を0.3に決定する。こうすることで、光源ブロック42bは光源ブロック43b〜45bよりも発光量は少ないものの発光するので、図9(F)の領域B2aの画像を見ることができ、本来黒ではない領域B2の画像データ全てが見られるようになる。
【0075】
なお、この場合、光源ブロック42bのPWM信号のデューティ比が0.3、それに隣接する光源ブロック43bのPWM信号のデューティ比が1となるため、光源ブロック42bと光源ブロック43bとで発光量が異なる。従って、従って、表示部34bにおける光源ブロック42bに対応する表示領域52bと光源ブロック43bに対応する表示領域53bとで照射光量が異なることになる。つまり、画像データ2の領域B2のうち、図9(F)に示す領域B2aを照射する光量と領域B2bを照射する光量とが異なることになる。そこで、画像データ2の領域B2のうち、領域B2aと領域B2bの表示輝度が均一になるように、画像データ2に対し、領域B2aの輝度を増加させる輝度補正を行うと良い。或いは、画像データ2に対し、領域B2b及び領域B2cの輝度を低下させる輝度補正を行っても良い。このような補正を行った画像データを表示部34bに出力することにより、光源ブロック42bと光源ブロック43bの発光量が異なる場合でも、画像データ2の領域B2の表示輝度を均一にすることができる。
【0076】
以上の動作により、ユーザが画像データ2を編集する際に使用していた第1の画像表示装置30とは光源ブロック数が異なる第2の画像表示装置40においても、画像の黒領域と明るい領域の明暗の差が、第1の画像表示装置30と同様に強調されて表示される。これは、第1の画像表示装置30の光源制御部35が行った黒領域と明るい領域の明暗の差を強調するための光源部36の発光制御と同様の発光制御が第2の画像表示装置40の光源部36bに対しても行われたためである。すなわち、本実施例によれば、入力画像に応じて光源の発光量を光源ブロック毎に調節する複数の異なるディスプレイに同一画像を入力した場合の見え方を、各ディスプレイの光源の光源ブロック数が異なる場合でも、近づけることができる。
【0077】
また、第1の画像表示装置30と第2の画像表示装置40とで、光源部36の光源ブロック数の違いにより、第2の画像表示装置40の表示部34bを照射する光量分布が光量情報に示す光量分布と一致しない場合、画像データの補正を併用するようにしても良い。例えば、第2の画像表示装置40の光源制御部35bが光源部36bを制御し発光量を調整した後、光量情報と表示部34bに照射される光量分布との差分を算出する。照射光の光量が一致しない領域の画像データに対し、照射光の光量の差分により生じる輝度差が相殺されるように、第2の画像表示装置40の画像処理部33bは、画像データ2の輝度を補正する。第2の画像表示装置40は、補正後の画像データを表示部34bに表示する。光源部36bの制御に加えて、画像データの補正を併用することで、第2の画像表示装置
40に画像データを表示させた場合の見え方を、第1の画像表示装置30に画像データを表示した時の見え方に、より近づけることができる。
【0078】
(実施例3)
次に、光源部36と表示部34の距離が大きく、光源の光が拡散して表示部34を照射する場合の動作について説明する。本実施形態の構成と、図1に示す第1の実施形態の構成との主な相違点は、本実施形態では第1の画像表示装置30と第2の画像表示装置40とで光源部36の光源ブロック数が異なる点である。具体的には、第1の画像表示装置30の光源部36は3個の光源ブロック61〜63に分割され、第2の画像表示装置40の光源部36は5個の光源ブロック41b〜45bに分割されている。
【0079】
画像編集装置10で編集中の画像データ(画像データ3)を通信線20を介して第1の画像表示装置30に出力する。画像編集装置10が出力する画像の例を図10(A)に示す。図10(A)において、領域B1は輝度値0、領域B2は輝度値128、領域B3は輝度値255の画像であるとする。本実施例では、画像データ3の領域B1〜B3の各領域内において輝度値に分布がない(つまり、領域B1〜B3の最大輝度値はそれぞれ0,128,255)とする。
【0080】
第1の画像表示装置30は、画像編集装置10から受信した画像データ3の統計量を取得する処理を行う。図10(B)に第1の画像表示装置30の画像処理部33が取得した統計量を示す。本実施例においても、統計量として最大輝度値を用いる。本実施例では画像処理部33は、画像データ3を表示部34に表示した際、光源部36の各光源ブロック61〜63に対応する画像データの各領域の統計量を取得する。
光源部36の光源ブロック61に対応する画像データ3の領域B1の最大輝度値は0であるので、画像データ3の領域B1の統計量は0となる。また、光源部36の光源ブロック62に対応する画像データ3の領域B2の最大輝度値は128であるので、画像データ3の領域B2の統計量は128となる。また、光源部36の光源ブロック63に対応する画像データ3の領域B3の最大輝度値は255であるので、画像データ3の領域B3の統計量は255となる。
【0081】
光源制御部35は、画像処理部33が出力する統計量に応じて光源部36の各光源ブロックのPWM信号を算出する。本実施例では、統計量が0の場合はPWM信号のデューティ比を0とし、統計量が0より大きい場合はPWM信号のデューティ比を1とする。
図10(B)において領域B1の統計量は0であるから、光源制御部35は、図10(C)に示すように光源部36の光源ブロック61に対してデューティ比が0のPWM信号を出力する。
また、図10(B)の領域B2と領域B3は統計量が0より大きいから、光源制御部35は、図10(C)に示すように光源部36の光源ブロック62及び光源ブロック63に対してデューティ比が1のPWM信号を出力する。
光源部36の各光源ブロックは、光源制御部35が出力するPWM信号に従って発光量が調整される。図10(D)に光源部36の各光源ブロックの発光量の分布の概念図を示す。図10(D)において、光源ブロック61は発光せず、光源ブロック62及び63は最大発光量で発光する。各光源ブロックの発光量を、画像データ2と同じ8ビットで表現すると、光源ブロック61は発光量0、光源ブロック62及び63は発光量255(最大発光量)となる。
本実施例では、第1の画像表示装置30における光源部36の光の拡散の影響を考慮する。そのため、実施例1又は2のように、光源部36における発光量の分布が、表示部34の背面における照射光の光量分布にそのまま反映するわけではない。
図10(E)に表示部34における照射光量の分布を示す。図10(E)に示す照射光量は、表示部34における照射光量を画像データ3と同じ8ビットで表現したものである
。
発光量0の光源ブロック61に対応する表示領域71のうち、発光量255の光源ブロック62に対応する表示領域72との境界付近の一部の表示領域71bにおいては、光源ブロック62から発せられた光の拡散光の影響により、照射光量が0ではなくなる。ここでは表示領域71bの照射光量を20とする。拡散光の影響による照射光量の変化の現れ方は、表示部34と光源部36との距離や光源ブロックの構成などに依存する。
表示部34の表示領域71のうち表示領域71b以外の表示領域71aには光が照射しない(照射光量0)。光源ブロック62及び光源ブロック63の発光量は255であるため、対応する表示部34の表示領域72及び表示領域73には明るい光が照射する(照射光量255)。
【0082】
図10(F)に表示部34の画像の表示状態を示す。表示部34の表示画像は、図10(A)に示す画像データ3と図10(E)に示す表示部34を照射する光の合成である。すなわち、図10(A)に示す画像データ3に従う透過率で、図10(E)に示す表示部34における照射光が透過した結果、図10(F)に示す画像表示となる。
図10(F)において、領域B1aは、対応する画像データ3における領域が輝度値0の領域B1に含まれ、対応する表示部34における領域が照射光量0の表示領域71aに含まれるため黒く表示される。
図10(F)において、領域B1bは、対応する画像データ3における領域が輝度値0の領域B1に含まれるが、対応する表示部34における領域が拡散光の影響で照射光量が0でなくなっている表示領域71bに含まれるため、黒が浮き少し明るく表示される。
図10(F)において、領域B2及び領域B3は、対応する表示部34における領域が照射光量255の表示領域72及び73に含まれるため、画像データ3の領域B2及び領域B3の輝度値がそのまま表現される。
【0083】
続いて、ユーザが画像編集装置10を操作して、図10(A)に示す画像データ3の記憶を指示した際の動作を説明する。
ユーザによる画像データの記憶指示は、画像編集装置10から第1の画像表示装置30に伝送される。第1の画像表示装置30の光源制御部35は、光源部36の光量情報を算出する。
【0084】
最初に、光源制御部35は、図10(C)に示す光源部36の各光源ブロックのPWM信号のデューティ比から光源部36の発光量を算出する。算出した発光量が8ビットの輝度値で表された2次元の画像データ形式のデータ(発光量データ)に変換する。
図10(C)において、光源ブロック61のPWM信号のデューティ比は0のため発光量データにおける光源ブロック61の発光量を0にする。また、図10(C)において、光源ブロック62と光源ブロック63のPWM信号のデューティ比は1のため発光量データにおける光源ブロック62と光源ブロック63の発光量を255にする。
【0085】
次に、光源制御部35は、光源部36の発光量データに縦横2次元のローパスフィルタを施し、表示部34に照射する光の分布を示す光量情報を算出する。ローパスフィルタの特性は、第1の画像表示装置30の光源部36が表示部34を照射する際の光の拡散量に依存する。例えば、第1の画像表示装置30の光源部36の光の拡散量が大きい場合は、ローパスフィルタを滑らかな特性にする。一方、第1の画像表示装置30の光源部36の光の拡散量が小さい場合は、ローパスフィルタを急峻な特性にする。このようにして算出した光源部36における発光量データに基づき光の拡散の影響を加味して算出した表示部34における照射光量の分布が図10(G)に示す光量情報である。図10(G)に示す光量情報は、図10(D)に示す表示部34に照射される光の分布と近い分布を示す。この光量情報は、或る光源ブロックからの光が拡散することにより、その光源ブロックの周辺にある光源ブロックに対応する表示パネル上の領域の照射光の光量が増加する影響を加
味して算出されている。
【0086】
画像編集装置10は、画像データ3と第1の画像表示装置30から受信した光量情報を関連付けて記憶する。
続いて、画像編集装置10の画像記憶部11に記憶した画像データ3を第1の画像表示装置30とは光源部の光源ブロック数が異なる第2の画像表示装置40に表示する際の動作を説明する。ここでは、第1の画像表示装置30の光源部36の光源ブロック数は3,第2の画像表示装置40の光源部36bの光源ブロック数は5とする。
【0087】
画像編集装置10は、画像記憶部11から画像データ3と光量情報を読み出し、読み出した画像データ3(図11(A))と光量情報(図11(B))を第2の画像表示装置40に送信する。
第2の画像表示装置40は、画像編集装置10から送られた画像データ3を表示部34に表示する。また、第2の画像表示装置40は、画像編集装置10から送られた光量情報に基づいて光源部36の発光量を調整する。
【0088】
第1の画像表示装置30の光源部36と第2の画像表示装置40の光源部36bの光の拡散具合は同一とは限らない。そのため、第2の画像表示装置40の光源部36bが表示部34bを照射する光の分布と、第1の画像表示装置30が作成した光量情報と、を同じにはできない場合がある。その場合、第2の画像表示装置40の光源制御部35bは、第2の画像表示装置40の表示部34bを照射する光の分布が光量情報に近づくように、光源部36の発光量を制御する。
【0089】
第2の画像表示装置40の光源制御部35bによる発光量の制御の一例を説明する。光源制御部35bは、光量情報から光源部36bの各光源ブロックに出力するPWM信号を算出する。図11(C)に各光源ブロックの発光量を示す。
図11(C)の光源ブロック41bは、対応する光量情報における領域が照射光量0の表示領域71aに含まれるため、発光量を0にする。
図11(C)の光源ブロック42bは、対応する光量情報における領域の一部が照射光量0の表示領域71aに含まれ、一部が照射光量0でない表示領域72に含まれる。ここでは、画像データ3において光源ブロック42bに対応する領域の一部が、輝度値128の領域B2に含まれるので、当該領域B2の画像が見えなくならないように、光源ブロック42bの発光量を255にする。
図11(C)の光源ブロック43b〜45bは、対応する光量情報における領域が照射光量255の表示領域72及び表示領域73に含まれるため、発光量を255にする。
光源制御部35bは、各光源ブロックの発光量が図11(C)に示す値になるように、光源部36bの各光源ブロックに出力するPWM信号のデューティ比を算出する。図11(D)に光源ブロック毎に算出したPWM信号のデューティ比を示す。
図11(C)に示す光源部36bの発光量において光源ブロック41bの発光量は0であるから、光源制御部35bは、光源ブロック41bのPWM信号のデューティ比を0にする。図11(C)に示す光源部36bの発光量において光源ブロック42b〜45bの発光量は255であるから、光源制御部35bは、光源ブロック42b〜45bのPWM信号のデューティ比を1にする。
【0090】
光源制御部35bは算出したPWM信号を光源部36bに出力する。光源部36bは、光源制御部35bから出力されたPWM信号に基づき各光源ブロックの発光量を調整し表示部34に光を照射する。ここでは、表示部34における照射光の光量分布を、第2の画像表示装置40の光源部36bから発せられた光が表示部34bへ到達するまでの拡散の影響を加味して考える。
図11(E)に表示部34bに照射された光の分布状態を示す。図11(E)に示す照
射光量は、表示部34bにおける照射光量を画像データ3と同じ8ビットで表現したものである。
図11(D)の光源ブロック41bのPWM信号のデューティ比は0であるが、隣接する光源ブロック42bのPWM信号のデューティ比が1であるため、光源ブロック42bからの拡散光の影響がある。表示部34bにおいて光源ブロック41bに対応する表示領域51bのうち、光源ブロック42bに対応する表示領域52bとの境界付近の表示領域512bは、図11(E)に示すように光が照射する。ここでは表示領域512bの照射光量を20とするが、一例であり、拡散光の影響による照射光量の変化の現れ方は、表示部34bと光源部36bとの距離や光源ブロックの構成などに依存する。表示部34の表示領域51bのうち表示領域512b以外の表示領域511bは、図11(E)に示すように光が照射しない(照射光量0)。表示部34の表示領域52b〜55bは、PWM信号のデューティ比が1である光源ブロック42b〜45bに対応する表示領域であり、明るい光が照射される(照射光量255)。
【0091】
図11(F)に表示部34bの画像の表示状態を示す。表示部34bの表示画像は、図11(A)に示す画像データ3と図11(E)に示す表示部34bにおける照射光の合成である。すなわち、図11(A)に示す画像データ3に応じた透過率で、図11(E)に示す表示部34における照射光が透過した結果、図11(F)に示す画像が観察可能に表示される。
図11(F)において、領域B1aは、対応する画像データ3における領域が輝度値0の領域B1に含まれ、対応する表示部34bにおける領域が照射光量0の表示領域511bに含まれるため、黒く表示される。
図11(F)において、領域B1bは、対応する画像データ3における領域が輝度値0の領域B1に含まれるが、対応する表示部34における領域が拡散光の影響で照射光量が0でなくなっている表示領域512bに含まれるため、黒が浮いて少し明るく見える。
図11(F)において、領域B1cは、対応する画像データ3における領域が輝度値0の領域B1に含まれるが、対応する表示部34における領域が照射光量255の表示領域52bに含まれるため、光漏れの影響で黒が浮いて少し明るく見える。
図11(F)において、領域B2と領域B3は、対応する表示部34における領域が照射光量255の表示領域52b〜55bに含まれるため、画像データ3の領域B2と領域B3の輝度値がそのまま表現される。
【0092】
以上の動作により、ユーザが画像データを編集する際に使用していた第1の画像表示装置30とは光源の光の拡散具合が異なる第2の画像表示装置40においても、画像の黒領域と明るい領域の明暗の差が、第1の画像表示装置30と同様に強調されて表示される。すなわち、本実施例によれば、入力画像に応じて光源の発光量を光源ブロック毎に調節する複数の異なるディスプレイに同一画像を入力した場合の見え方を、各ディスプレイの光源の光の拡散具合が異なる場合でも、近づけることができる。
【0093】
また、第1の画像表示装置30が光源の発光量を光源ブロック毎に調節する際に、光源の光の拡散により強調したい部分以外の画像領域に光が漏れ、画像の見え方に影響を与えてしまうことがある。この場合は、光源の光の拡散による画像の見え方への影響を相殺するように、画像データの補正を併用しても良い。例えば、第1の画像表示装置30の光源制御部35が上記と同様に画像データの統計量に基づき光源部36の発光量を調整した後、表示部34において光源の光の拡散による光漏れの影響を受ける領域及び光漏れ量(光漏れによる表示輝度の増分)を計算する。画像処理部33は、表示部34における光の漏れの影響を受ける領域に対して、光漏れによる表示輝度の増加を抑えるように画像データ3の輝度を補正し、画像データ4を生成する。表示部34は、輝度を補正した画像データ4を表示部34に表示する。
【0094】
その後、ユーザが画像データの記憶を指示した際に、第1の画像表示装置30の画像処理部33は、輝度補正した画像データ4を画像編集装置10に送信する。画像編集装置10は、輝度補正した画像データ4と、光源制御部35から受信した光量情報と、を関連付けて画像記憶部11に記憶する。
【0095】
画像データを第2の画像表示装置40に表示する際、画像編集装置10は、画像記憶部11から輝度補正した画像データ4と光量情報を読み出し第2の画像表示装置40に送信する。第2の画像表示装置40の表示部34は、輝度補正した画像データ4を表示する。また、第2の画像表示装置40の光源制御部35は、前述したように図5に示すフローチャートに従って光源部36の発光量を制御する。
【0096】
また、第1の画像表示装置30と第2の画像表示装置40の光の拡散具合の違いにより、第2の画像表示装置40の表示部34bを照射する光量分布が光量情報と一致しない場合、画像データの補正を併用するようにしても良い。例えば、第2の画像表示装置40の光源制御部35bが光源部36bを制御し発光量を調整した後、光源部36bの光の拡散を考慮し表示部34bに照射される光を算出する。算出した光の分布と光量情報との差分を算出する。算出した光量の差分を補うように画像処理部33bが画像データを補正する。第2の画像表示装置40は、補正した画像データを表示部34bに表示する。光源部36bの制御に加えて、画像データの補正を併用することで、第2の画像表示装置40に画像データを表示させた場合の見え方を、第1の画像表示装置30に画像データを表示した時の見え方に、より近づけることができる。
【0097】
(実施例4)
本実施形態では、バックライトを有する第1の画像表示装置を用いて編集した画像データを、バックライトを有しない第3の画像表示装置(プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなど)に表示する際の動作を説明する。
本実施形態に係る画像表示システムの構成と、図1に示す第1の実施形態の構成との主な相違点は、本実施形態では第1の実施形態における第2の画像表示装置40を第3の画像表示装置90に代えた点である。以下、実施形態1と異なる点を中心に説明する。
【0098】
第3の画像表示装置90は、例えば、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどバックライトを有しないディスプレイである。第3の画像表示装置90は、画像編集装置10から送られた画像データを受信し、受信した画像データに従って画像を表示する。
【0099】
続いて、画像編集装置10で編集中の画像データ5を第3の画像表示装置90に表示する際の動作を説明する。
画像編集装置10の画像編集部13は、画像記憶部11から画像データ5と光量情報を読み出す。
【0100】
読み出した画像データ5の例を図12(A)、光量情報の例を図12(B)に示す。図12(A)において、領域B1は輝度0、領域B2は輝度128、領域B3は輝度255の画像であるとする。本実施例では、画像データ5の領域B1〜B3の各領域内において輝度値に分布がない(つまり、領域B1〜B3の最大輝度値はそれぞれ0,128,255)とする。
図12(B)の光量情報において、画像データ5の領域B1に対応する領域の一部である表示領域71aは照射光量0、画像データ5の領域B1に対応する領域のその他の部分である表示領域71bは照射光量16とする。また、図12(B)の光量情報において、画像データ5の領域B2に対応する表示領域72は照射光量255、画像データ5の領域B3に対応する表示領域73は照射光量255であるとする。この光量情報における表示領域71bの照射光量が0でないのは、図12(A)の画像データ5を第1の画像表示装
置30に表示させた時の第1の画像表示装置30の光源部36の光の拡散の影響を示している。
【0101】
画像編集部13は、読み出した画像データ5と光量情報を合成することにより1つの画像データ(画像データ6)を作成する。すなわち、第1の画像表示装置30の表示部34において、図12(B)に示す光量情報のような光量分布で照射する光が、図12(A)に示す画像データ5の輝度値に応じた透過率で透過した結果としての輝度値の分布を示す画像データを作成する。画像編集部13が作成した画像データ6を図12(C)に示す。図12(C)において、領域B1aは、対応する画像データ5における領域が輝度値0の領域B1に含まれ、対応する光量情報における領域が照射光量0の表示領域71aに含まれるから、黒い画像(輝度値0)とする。
また、図12(C)において、領域B1bは、対応する画像データ5における領域が輝度値0の領域B1に含まれるが、対応する光量情報における領域が拡散光の影響で照射光量が0でない表示領域71bに含まれるから、黒ではないが暗い画像(輝度値10)とする。
また、図12(C)において、領域B2及びB3は、対応する光量情報における領域が照射光量255の表示領域72及び73に含まれるため、対応する画像データ5における領域B2及びB3と同じ画像(それぞれ輝度値128,255)とする。すなわち、光量情報に示される照射光量に応じて、画像データ5の輝度を増加させる画像処理を行う。
【0102】
画像編集装置10は、画像編集部13が作成した画像データ6を第3の画像表示装置90に出力する。第3の画像表示装置90は、画像編集装置10から送られた画像データ6を表示する。
【0103】
図12(D)に第3の画像表示装置90の画像の表示状態を示す。図12(D)の領域B1a、領域B2と領域B3は図12(A)に示す画像データ5と同様に表示される。図12(D)の領域B1bは、図12(A)に示す画像データ5では黒であるが、図12(B)の光量情報の表示領域71bの影響で黒が少し浮いたように表示される。これは、画像データ5をバックライトを有する第1の画像表示装置30で表示させた際の黒浮きを、バックライトを有しない第3の画像表示装置90においても再現していることを意味する。
【0104】
以上の動作により、光源を有しない第2の画像表示装置に画像データを表示する際、画像データを編集した際の第1の画像表示装置の光量分布を加味した表示をすることができる。すなわち、本例によれば、入力画像に応じて光源の発光量を光源ブロック毎に調節するディスプレイと、光源部を有しないディスプレイと、に同一画像を表示する際にも、両者での見え方を近づけることができる。
【符号の説明】
【0105】
10:画像編集装置、30:画像表示装置、31:通信部、34:表示部、35:光源制御部、36:光源部、40:画像表示装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
画像データを入力するとともに、他の画像表示装置においてその画像データが表示された時の当該他の画像表示装置の表示パネルの表示領域における当該他の画像表示装置のバックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を入力する入力手段と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布が、前記光量情報に示される光量分布に一致又は近似するように、前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する制御手段と、
を有する画像表示装置。
【請求項2】
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布と、前記光量情報に示される光量分布と、が一致しない場合、照射光の光量が一致しない領域の画像データに対し、照射光の光量の差分により生じる輝度差が相殺されるように輝度を補正する補正手段を有し、
前記表示パネルは、前記補正手段による補正後の画像データに基づく画像を表示する請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
第1の画像表示装置及び第2の画像表示装置へ画像データを出力する画像出力装置であって、
前記第1の画像表示装置は、
入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
入力する画像データに応じて前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する制御手段と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を算出する算出手段と、
を有し、
前記第2の画像表示装置は、
入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
画像データを入力するとともに、他の画像表示装置においてその画像データが表示された時の当該他の画像表示装置の表示パネルの表示領域における当該他の画像表示装置のバックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を入力する入力手段と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布が、前記光量情報に示される光量分布に一致又は近似するように、前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する制御手段と、
を有し、
前記画像出力装置は、
第1の画像表示装置へ画像データを出力した場合に、当該第1の画像表示装置が算出した光量情報を取得し、当該画像データと光量情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、
第1の画像表示装置へ出力した前記画像データを第2の画像表示装置へ出力する場合に、前記画像データとともに、前記画像データに関連付けて前記記憶手段に記憶した光量情報を出力する出力手段と、
を有する画像出力装置。
【請求項4】
第1の画像表示装置へ出力した前記画像データを、バックライトを有しない第3の画像表示装置へ出力する場合に、前記画像データに対して、前記画像データに関連付けて前記記憶手段に記憶した光量情報に示される照射光の光量分布に応じて輝度を高くする画像処
理を行う画像処理手段を有し、
前記出力手段は、第1の画像表示装置へ出力した前記画像データを第3の画像表示装置へ出力する場合に、前記画像処理手段により前記画像処理を行った後の画像データを出力する請求項3に記載の画像出力装置。
【請求項5】
前記光量情報は、或る光源ブロックからの光が拡散することにより、その光源ブロックの周辺にある光源ブロックに対応する表示パネル上の領域の照射光の光量が増加する影響を加味して算出されることを特徴とする請求項3又は4に記載の画像出力装置。
【請求項6】
入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
を有する画像表示装置の制御方法であって、
画像データを入力するとともに、他の画像表示装置においてその画像データが表示された時の当該他の画像表示装置の表示パネルの表示領域における当該他の画像表示装置のバックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を入力する工程と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布が、前記光量情報に示される光量分布に一致又は近似するように、前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する工程と、
を有する画像表示装置の制御方法。
【請求項7】
第1の画像表示装置及び第2の画像表示装置へ画像データを出力する画像出力装置の制御方法であって、
前記第1の画像表示装置は、
入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
入力する画像データに応じて前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する制御手段と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を算出する算出手段と、
を有し、
前記第2の画像表示装置は、
入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
画像データを入力するとともに、他の画像表示装置においてその画像データが表示された時の当該他の画像表示装置の表示パネルの表示領域における当該他の画像表示装置のバックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を入力する入力手段と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布が、前記光量情報に示される光量分布に一致又は近似するように、前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する制御手段と、
を有し、
前記画像出力装置の制御方法は、
第1の画像表示装置へ画像データを出力した場合に、当該第1の画像表示装置が算出した光量情報を取得する工程と、
第1の画像表示装置へ出力した前記画像データと光量情報とを関連付けて記憶する工程と、
第1の画像表示装置へ出力した前記画像データを第2の画像表示装置へ出力する場合に、前記画像データとともに、前記画像データに関連付けて記憶した前記光量情報を出力する工程と、
を有する画像出力装置の制御方法。
【請求項8】
第1の画像表示装置と、第2の画像表示装置と、第1の画像表示装置及び第2の画像表示装置へ画像データを出力する画像出力装置と、を有する画像表示システムであって、
前記第1の画像表示装置は、
入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
入力する画像データに応じて前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する制御手段と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を算出する算出手段と、
を有し、
前記第2の画像表示装置は、
入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
画像データを入力するとともに、他の画像表示装置においてその画像データが表示された時の当該他の画像表示装置の表示パネルの表示領域における当該他の画像表示装置のバックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を入力する入力手段と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布が、前記光量情報に示される光量分布に一致又は近似するように、前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する制御手段と、
を有し、
前記画像出力装置は、
第1の画像表示装置へ画像データを出力した場合に、当該第1の画像表示装置が算出した光量情報を取得し、当該画像データと光量情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、
第1の画像表示装置へ出力した前記画像データを第2の画像表示装置へ出力する場合に、前記画像データとともに、前記画像データに関連付けて前記記憶手段に記憶した光量情報を出力する出力手段と、
を有する
画像表示システム。
【請求項1】
入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
画像データを入力するとともに、他の画像表示装置においてその画像データが表示された時の当該他の画像表示装置の表示パネルの表示領域における当該他の画像表示装置のバックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を入力する入力手段と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布が、前記光量情報に示される光量分布に一致又は近似するように、前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する制御手段と、
を有する画像表示装置。
【請求項2】
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布と、前記光量情報に示される光量分布と、が一致しない場合、照射光の光量が一致しない領域の画像データに対し、照射光の光量の差分により生じる輝度差が相殺されるように輝度を補正する補正手段を有し、
前記表示パネルは、前記補正手段による補正後の画像データに基づく画像を表示する請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
第1の画像表示装置及び第2の画像表示装置へ画像データを出力する画像出力装置であって、
前記第1の画像表示装置は、
入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
入力する画像データに応じて前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する制御手段と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を算出する算出手段と、
を有し、
前記第2の画像表示装置は、
入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
画像データを入力するとともに、他の画像表示装置においてその画像データが表示された時の当該他の画像表示装置の表示パネルの表示領域における当該他の画像表示装置のバックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を入力する入力手段と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布が、前記光量情報に示される光量分布に一致又は近似するように、前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する制御手段と、
を有し、
前記画像出力装置は、
第1の画像表示装置へ画像データを出力した場合に、当該第1の画像表示装置が算出した光量情報を取得し、当該画像データと光量情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、
第1の画像表示装置へ出力した前記画像データを第2の画像表示装置へ出力する場合に、前記画像データとともに、前記画像データに関連付けて前記記憶手段に記憶した光量情報を出力する出力手段と、
を有する画像出力装置。
【請求項4】
第1の画像表示装置へ出力した前記画像データを、バックライトを有しない第3の画像表示装置へ出力する場合に、前記画像データに対して、前記画像データに関連付けて前記記憶手段に記憶した光量情報に示される照射光の光量分布に応じて輝度を高くする画像処
理を行う画像処理手段を有し、
前記出力手段は、第1の画像表示装置へ出力した前記画像データを第3の画像表示装置へ出力する場合に、前記画像処理手段により前記画像処理を行った後の画像データを出力する請求項3に記載の画像出力装置。
【請求項5】
前記光量情報は、或る光源ブロックからの光が拡散することにより、その光源ブロックの周辺にある光源ブロックに対応する表示パネル上の領域の照射光の光量が増加する影響を加味して算出されることを特徴とする請求項3又は4に記載の画像出力装置。
【請求項6】
入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
を有する画像表示装置の制御方法であって、
画像データを入力するとともに、他の画像表示装置においてその画像データが表示された時の当該他の画像表示装置の表示パネルの表示領域における当該他の画像表示装置のバックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を入力する工程と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布が、前記光量情報に示される光量分布に一致又は近似するように、前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する工程と、
を有する画像表示装置の制御方法。
【請求項7】
第1の画像表示装置及び第2の画像表示装置へ画像データを出力する画像出力装置の制御方法であって、
前記第1の画像表示装置は、
入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
入力する画像データに応じて前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する制御手段と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を算出する算出手段と、
を有し、
前記第2の画像表示装置は、
入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
画像データを入力するとともに、他の画像表示装置においてその画像データが表示された時の当該他の画像表示装置の表示パネルの表示領域における当該他の画像表示装置のバックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を入力する入力手段と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布が、前記光量情報に示される光量分布に一致又は近似するように、前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する制御手段と、
を有し、
前記画像出力装置の制御方法は、
第1の画像表示装置へ画像データを出力した場合に、当該第1の画像表示装置が算出した光量情報を取得する工程と、
第1の画像表示装置へ出力した前記画像データと光量情報とを関連付けて記憶する工程と、
第1の画像表示装置へ出力した前記画像データを第2の画像表示装置へ出力する場合に、前記画像データとともに、前記画像データに関連付けて記憶した前記光量情報を出力する工程と、
を有する画像出力装置の制御方法。
【請求項8】
第1の画像表示装置と、第2の画像表示装置と、第1の画像表示装置及び第2の画像表示装置へ画像データを出力する画像出力装置と、を有する画像表示システムであって、
前記第1の画像表示装置は、
入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
入力する画像データに応じて前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する制御手段と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を算出する算出手段と、
を有し、
前記第2の画像表示装置は、
入力する画像データに基づく画像を表示する表示パネルと、
複数の光源ブロックを有し前記表示パネルに光を照射するバックライトと、
画像データを入力するとともに、他の画像表示装置においてその画像データが表示された時の当該他の画像表示装置の表示パネルの表示領域における当該他の画像表示装置のバックライトによる照射光の光量分布を示す光量情報を入力する入力手段と、
前記表示パネルの表示領域における前記バックライトによる照射光の光量分布が、前記光量情報に示される光量分布に一致又は近似するように、前記複数の光源ブロックのそれぞれの発光を制御する制御手段と、
を有し、
前記画像出力装置は、
第1の画像表示装置へ画像データを出力した場合に、当該第1の画像表示装置が算出した光量情報を取得し、当該画像データと光量情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、
第1の画像表示装置へ出力した前記画像データを第2の画像表示装置へ出力する場合に、前記画像データとともに、前記画像データに関連付けて前記記憶手段に記憶した光量情報を出力する出力手段と、
を有する
画像表示システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−215778(P2012−215778A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81997(P2011−81997)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]