画像表示装置及び画像表示方法
【課題】自発光型の素子よりなる画素を備えた画像表示パネルでの劣化の補正を、種々のラスターサイズの画像を表示させた場合にも良好に行えるようにする。
【解決手段】画像表示領域と、その画像表示領域とは別のダミー画素領域とを有する表示パネルを使用する。表示パネルのダミー画素領域の発光輝度は、光センサで検出する。表示パネル上の画像表示領域を複数の分割領域A〜Dに分割し、各分割領域A〜D内の1つ又は複数の画素の発光状態と同じ発光状態を、ダミー画素領域内の画素d−A,d−B,d−C,d−Dで実行させる。そのように表示させた上で、光センサで検出されたダミー画素領域の発光輝度に基づいて、各分割領域内の画素の輝度又は色度の補正を行うようにした。ここで、表示パネル上の分割領域の設定を、その表示パネル上に表示させるラスターサイズに対応した設定状態として、ラスターサイズごとの表示領域内の画素の劣化が、ダミー画素の状態の検出から判るようにした。
【解決手段】画像表示領域と、その画像表示領域とは別のダミー画素領域とを有する表示パネルを使用する。表示パネルのダミー画素領域の発光輝度は、光センサで検出する。表示パネル上の画像表示領域を複数の分割領域A〜Dに分割し、各分割領域A〜D内の1つ又は複数の画素の発光状態と同じ発光状態を、ダミー画素領域内の画素d−A,d−B,d−C,d−Dで実行させる。そのように表示させた上で、光センサで検出されたダミー画素領域の発光輝度に基づいて、各分割領域内の画素の輝度又は色度の補正を行うようにした。ここで、表示パネル上の分割領域の設定を、その表示パネル上に表示させるラスターサイズに対応した設定状態として、ラスターサイズごとの表示領域内の画素の劣化が、ダミー画素の状態の検出から判るようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば有機EL(Electro-Luminescence)パネルなどの自発光型表示パネルを使った画像表示装置及び画像表示方法に関し、特に、発光輝度の劣化を補正する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
表示パネル上にマトリクス状に配置された画素が自発光することで、画像が表示される方式の表示装置が、各種開発されている。例えば、有機ELパネルを使った表示装置が実用化されている。有機ELパネルは、画素の発光輝度が高く、高輝度な画像を高精細に表示できる優れた画像表示用デバイスである。
【0003】
ところで、テレビジョン放送用画像や映画用画像などで規格化された画像信号については、画像の水平方向の長さと垂直方向の長さの比であるアスペクト比について、様々な規格が存在する。従って、画像信号とはアスペクト比が異なる表示装置で画像を表示する上では、何らかの対応が必要である。
例えば、入力した画像信号を、その画像信号の本来のアスペクト比とは異なるアスペクト比の表示装置で、画像のアスペクト比を変えずに表示させる場合には、画像の上下又は左右に、黒色、即ち無表示の領域を設けて、違いに対処させている。
【0004】
図12は、アスペクト比が異なる画像の例である。
図12(a)は、表示するラスターサイズが16:9の例であり、図12(b)は、表示するラスターサイズが4:3の例であり、図12(c)は、表示するラスターサイズがシネスコサイズ(2.35:1)の例である。
ここで、表示パネルが16:9の縦横比のサイズである場合には、図12(a)の画像はパネル全体で表示される。これに対して、図12(b)の4:3の画像の場合には、画面の左右に無表示部分が生じる。また、図12(c)のシネスコサイズの画像の場合には、画面の上下に無表示部分が生じる。
この図12に示したラスターサイズは、代表的な3つの例であり、実際には非常に多くのラスターサイズが存在する。
このように、表示される画像のラスターサイズが違うことで、画面上の無表示部分の位置が異なることになる。
【0005】
特許文献1には、表示装置が備える表示パネルの画素の発光輝度の劣化を検出して、補正する点についての記載がある。その劣化の検出処理として、ダミー画素を設けて、そのダミー画素の平均的な発光輝度を測定して行う点についての記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−240798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
有機ELパネルなどの自発光型の画素を備えた表示パネルは、画像の表示により画素を構成する発光素子が劣化するため、ある程度長期間画像を表示させると、各画素の発光輝度が低下する問題がある。各画素の発光輝度が低下する特性は各原色ごとに異なるため、輝度の低下が色度の変化にもつながる。
このため、特許文献1に記載された技術では、画面全体の発光輝度の劣化を、ダミー画素を使って検出するようにして、その検出した劣化分だけパネルの駆動信号を補正して、表示パネルに表示される画像には、劣化による輝度低下が発生しないようにしている。
【0008】
ここで、図12(b)や図12(c)に示したような、無表示部分が生じた状態での画像表示を連続して行うと、その無表示部分の表示画素については劣化が発生しないことになる。従って、画面全体で均一に補正を行うと、ラスターサイズの違いによる無表示部分については、発光輝度が強くなってしまい、1表示画面中で輝度が強い部分と弱い部分が生じてしまい、好ましくない。
ところが、実際の画像表示装置では、どのようなラスターサイズの画像をどれだけの時間表示させているかの履歴を判断することは困難であり、ラスターサイズの違いによる無表示部分を考慮した、画素の発光輝度の補正は、従来行われていなかった。
【0009】
図13(a)は、表示パネル上に、図12(a)の16:9のサイズの画像が表示される範囲Xと、図12(b)の4:3のサイズの画像が表示される範囲Yと、図12(c)のシネスコサイズのサイズの画像が表示される範囲Zを重ねて示したものである。
この図13(a)に示した画面中の領域A,B,C,Dは、それぞれの範囲ごとに表示される領域と表示されない領域を示したものである。図12の各サイズの場合には、中央の領域Bについては、どのラスターサイズでも表示されるが、その他の領域B,C,Dについては、表示サイズに応じて表示される場合と表示されない場合とがある。従って、中央の領域Aについては、画素の発光輝度の低下が一番進むことが想定されるが、他の領域については、画素の発光輝度の低下が、それ程でないこともあり得る。
【0010】
図13(a)に示した各領域での、発光輝度低下の1つの例を図13(b)に示すと、横軸が時間、縦軸が輝度であり、例えば中央の領域Aは、輝度の低下が最も早く進み、四隅の領域Dについては、最も輝度の低下が少ないことが想定される。領域B,Cについては、領域Aと領域Dの間になることが想定される。
この図13の例は、あくまでも図12に示した3つのサイズの画像を、それぞれ適当な時間表示させた場合の例であり、ラスターサイズがこれとは異なる画像を表示させた場合には、劣化の発生状態が図13の例とは異なる。
【0011】
また、有機EL型表示パネルは、パネルの温度によっても輝度や色度が変化する問題があり、その温度による補正を行う際にも、画素の劣化を考慮する必要があるが、画素の劣化状況が画素位置によって異なると、適正な補正ができない問題がある。
【0012】
なお、ここまでは有機EL型表示パネルを例にして説明したが、自発光型の素子よりなる画素を備えた画像表示パネルの場合には、いずれの方式でも同様の問題がある。
【0013】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、自発光型の素子よりなる画素を備えた画像表示パネルでの劣化の補正を、種々のスターサイズの画像を表示させた場合にも良好に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、画像表示領域と、その画像表示領域とは別のダミー画素領域とを有する表示パネルを使用する。表示パネルのダミー画素領域の発光輝度は、光センサで検出する。
そして、表示パネル上の画像表示領域を複数の分割領域に分割し、各分割領域内の1つ又は複数の画素の発光状態と同じ発光状態を、ダミー画素領域内の画素で実行させる。そのように表示させた上で、光センサで検出されたダミー画素領域の発光輝度に基づいて、各分割領域内の画素の輝度又は色度の補正を行うようにした。
【0015】
このようにしたことで、表示パネル上の分割領域の設定を、その表示パネル上に表示させるラスターサイズに対応した設定状態とすることで、ラスターサイズごとの表示領域内の画素の劣化が、ダミー画素の状態の検出から判るようになる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、ラスターサイズごとの表示領域内の画素の劣化が判るようになり、ラスターサイズを考慮した発光輝度補正を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態によるダミー画素による色温度補正の概要を示す説明図である。
【図2】ラスターサイズの違いによる無表示部分の変化例を示す説明図である。
【図3】種々のラスターサイズの表示仕様を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態による装置の全体構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施の形態による装置の色温度補正関連処理構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施の形態によるエリア区分例の詳細を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施の形態によるダミー画素のサンプリング画素位置の例を示す説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態による補正状態の例を示す説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態によるつなぎ目補正の例を示す説明図である。
【図10】本発明の一実施の形態によるつなぎ目のサンプリング信号の例を示す説明図である。
【図11】本発明の一実施の形態によるつなぎ目の座標の例を示す説明図である。
【図12】ラスターサイズの例を示す説明図である。
【図13】図12例のラスターサイズの違いによる各領域の劣化状態の相違を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態を、以下の順序で説明する。
1.一実施の形態の例の色温度補正の概要の説明(図1〜図3)
2.一実施の形態の例の装置構成の説明(図4,図5)
3.一実施の形態の例のエリア区分とダミー画素の設定例(図6,図7)
4.一実施の形態の例の補正処理例(図8)
5.一実施の形態の例のつなぎ目領域の処理例(図9〜図11)
6.変形例
【0019】
[1.一実施の形態の例の色温度補正の概要の説明]
まず、図1〜図3を参照して、本実施の形態の例で実行される色温度補正の概要を説明する。
本実施の形態の例においては、画像表示装置が備える画像表示パネルとして、各画素が自発光を行う素子で構成された有機ELパネルを使用する。
その画像表示パネルとしては、図1に示すように、有効画像表示領域が、垂直方向の画素数540画素、水平方向の画素数960画素のものを使用する。画素には、赤色画素と青色画素と緑色画素とが順に配置してある。そして、この有効画像表示領域に隣接した無効領域(図1では右端の領域)として、垂直方向の画素数540画素、水平方向の画素数64画素の領域を用意する。この無効領域の一部を、ダミー画素領域として使用する。無効領域は、その領域の画素の表示が装置の外側からは見えない、外部からは隠された領域である。つまり、ユーザは、有効画像表示領域の表示だけを見ることになる。
【0020】
有効画像表示領域については、図1(a)に示すように、ラスターサイズ16:9の画像を表示する縦横比の画素配列の領域としてある。
その上で、その有効画像表示領域内に、図1(a)に示すように、分割領域A,B,C,Dを設定する。
分割領域Aは、ラスターサイズ2.35:1の画像を表示させたときの領域と、ラスターサイズ4:3の画像を表示させたときの領域との全てが重なる中央のエリアである。この分割領域Aは、ほとんどのラスターサイズの画像を表示させたときに、画像表示領域内となる領域である。
分割領域Bは、中央の分割領域Aの左右の領域である。但し、中央の分割領域Aと左右の分割領域Bとの間には、これらの分割領域A,Bに含まれない領域N1,N2を設けてある。この領域N1,N2は、本実施の形態では、つなぎ目領域と称する。
【0021】
分割領域Cは、中央の分割領域Aの上下の領域である。但し、中央の分割領域Aと上下の分割領域Cとの間には、これらの分割領域A,Cに含まれない、つなぎ目領域N3,N4を設けてある。
分割領域Dは、つなぎ目領域N1,N2,N3,N4の外側の四隅の領域である。
【0022】
そして、無効領域内のダミー画素領域として、ダミー画素領域d−A,d−B,d−C,d−Dの4つの領域を設けてある。その4つのダミー画素領域d−A,d−B,d−C,d−Dは、それぞれが垂直方向10画素×水平方向10画素の100画素で構成させてある。
【0023】
ダミー画素領域d−Aは、分割領域A内から選んだ100画素について、その100画素での発光状態と同じ発光状態で、常時発光させるようにしてある。
ダミー画素領域d−B,d−C,d−Dについても、対応したそれぞれの分割領域B,C,D内から選んだ100画素について、その100画素での発光状態と同じ発光状態で、常時発光させるようにしてある。
【0024】
図1では図示しないが、4つのダミー画素領域d−A,d−B,d−C,d−Dごとに、それぞれの発光輝度を測定する光センサを、その表示パネルの上などに配置する。
そして、光センサで、各ダミー画素領域d−A,d−B,d−C,d−Dの輝度変化を検出し、ダミー画素の輝度を初期値と同じにする信号の傾き(ゲイン)及び階調(バイアス)補正値を求める。
図1(b)は、入力信号の階調(横軸)と、パネル上の画素の輝度変化(縦軸)とを示した特性図である。この図1(b)では、画像表示パネル内の画素が劣化していない状態である、劣化前特性と、ある程度表示を行って特性が劣化した画素の特性である、劣化後特性とを示す。
【0025】
例えば、領域Aに対応したダミー画素領域d−Aで検出された現在の特性が、図1(b)に示した劣化後特性であるとき、領域A内の画素を駆動する信号に対して、図1(a)に示した劣化前特性となるように、ゲイン補正及びバイアス補正を行うものである。
分割領域B,C,D内の画素を駆動する信号に対しても、それぞれダミー画素領域d−B,d−C,d−Dで検出された劣化後特性に基づいて、劣化前特性となるように、ゲイン補正及びバイアス補正を行うものである。
これらの補正を行うことで、各分割領域A,B,C,D内の画素の輝度又は色度を、初期値と同じ状態に保つようにしてある。
【0026】
そして、各つなぎ目領域N1,N2,N3,N4については、それぞれの領域内の信号積算履歴を基にした、つなぎ目補正処理を行って、各分割領域A,B,C,Dと同様のゲイン及びバイアス補正を行い、劣化前特性となるようにしてある。つなぎ目補正処理は、簡単に述べると、例えば領域Aと領域Bの間の領域N1,N2では、領域Aの補正状態と領域Bの補正状態とを考慮してつなぎ目が目立たない処理を行うものであるが、詳細処理は後述する。
【0027】
本実施の形態においては、これらの処理を行うことで、画像表示パネルの有効画像表示領域内において、各画素の発光輝度や色度の劣化がない状態として、表示画像のユニフォミティを保つようにしたものである。
【0028】
ここで、つなぎ目領域N1〜N4を設ける理由について、図2を参照して説明する。
図2(a)は、画像表示パネルに、縦長の画像を表示させた場合(つまり垂直方向の全画素を使って表示させる場合)の、左右の端の無表示領域の変化を示したものである。ラスターサイズの違いによって、図2(a)の左右の端に矢印で示すように、左右の端の無表示領域の幅が変化する。
図2(b)は、画像表示パネルに、横長の画像を表示させた場合(つまり水平方向の全画素を使って表示させる場合)の、上下の端の無表示領域の変化を示したものである。ラスターサイズの違いによって、図2(b)の上下の端に矢印で示すように、上下の端の無表示領域の幅が変化する。
【0029】
図3は、規格化されたラスターサイズの例を示したものである。図3の各例の左側は、規格化されたラスターサイズを、16:9の画面に表示させた場合の上下又は左右の無表示領域を示す。図3の各例の右側は、その左側のラスターサイズの画像を、垂直方向540画素×水平方向960画素のパネルに表示させたときの、画素数(dot)の例を示したものである。
【0030】
図3(a)は、2.40:1のラスターサイズの例を示し、画像部分は、垂直方向400画素×水平方向960画素となる。
図3(b)は、2.35:1のラスターサイズ(シネマスコープサイズ)の例を示し、画像部分は、垂直方向408画素×水平方向960画素となる。
図3(c)は、1.85:1のラスターサイズ(アメリカン・ビスタサイズ)の例を示し、画像部分は、垂直方向520画素×水平方向960画素となる。
図3(d)は、1.66:1のラスターサイズ(ヨーロピアン・ビスタサイズ)の例を示し、画像部分は、垂直方向540画素×水平方向896画素となる。
図3(e)は、15:9のラスターサイズの例を示し、画像部分は、垂直方向540画素×水平方向900画素となる。
図3(f)は、14:9のラスターサイズの例を示し、画像部分は、垂直方向540画素×水平方向840画素となる。
図3(g)は、13:9のラスターサイズの例を示し、画像部分は、垂直方向540画素×水平方向780画素となる。
図3(h)は、4:3のラスターサイズの例を示し、画像部分は、垂直方向540画素×水平方向720画素となる。
【0031】
本実施の形態においては、これらの各ラスターサイズの画像表示を行うことによって生じる画素劣化の違いを吸収するために、つなぎ目領域N1〜N4を設けたものである。即ち、図3に示したように、様々なラスターサイズが存在し、これらのラスターサイズの画像を表示パネルで適宜表示させた場合、図2に示すように無表示領域が変化し、その無表示領域が変化する範囲で、劣化状態が変化してしまう。その劣化状態の変化を、それぞれの領域内の信号積算履歴を基にして推定して、適正なつなぎ目補正処理を行うものである。
基本的に、ラスターサイズでの画像部分と無表示部分との境界は、各つなぎ目領域N1〜N4か、又は、つなぎ目領域と隣接した分割領域との境界部に位置するようにしてある。そして、各つなぎ目領域N1〜N4で、そのラスターサイズの違いに対応した補正処理を行うようにしてある。
以下、ここまで説明した原理に基づいた補正処理を行うための構成及び処理状態の詳細について説明する。
【0032】
[2.一実施の形態の例の装置構成の説明]
図4は、本実施の形態の例の画像表示装置の全体構成例を示した図である。
図4に従って説明すると、入力部である画像信号入力端子11に入力した画像信号は、同期分離部12に供給し、画像データと同期データとを分離し、画像データをセレクタ14に供給し、同期データを同期処理部25に供給する。また、内部信号生成部13で、装置内で記憶されて読出して生成された画像信号又は装置内のチューナなどで受信して生成された画像信号を、セレクタ14に供給する。セレクタ14ではいずれかの画像信号を選択する。
【0033】
選択された画像データ及び同期データを、リニアガンマ処理部15に供給し、リニアガンマ補正処理を行う。補正された画像データ及び同期データは、色度/色域変換部16に供給する。色度/色域変換部16では、画像データの色度と色域の変換処理を行う。
色度/色域変換部16で処理された画像データ及び同期データは、つなぎ目補正部17に供給し、つなぎ目補正処理を行う。つなぎ目補正処理は、図1に示した、つなぎ目領域N1〜N4で実行される輝度又は色度の補正処理であり、詳細は後述する。
【0034】
つなぎ目補正部17が出力する画像データ及び同期データは、ダミー画素表示処理部18に供給し、画像表示パネル30の無効領域内のダミー画素で表示させる信号を画像データからサンプリングして、表示させるようにする。ダミー画素で表示させる信号をサンプリングする例についは後述する。
【0035】
ダミー画素表示処理部18が出力する画像データ及び同期データは、色温度補正部19に供給する。この色温度補正部19では、ダミー画素の発光輝度の検出に基づいて、ゲイン補正による色温度補正処理が行われる。
色温度補正部19が出力する画像データ及び同期データは、パネルガンマ処理部20に供給し、画像表示パネル30の表示特性に基づいたガンマ補正処理を行う。
パネルガンマ処理部20が出力する画像データ及び同期データは、色温度補正部21に供給する。この色温度補正部21では、ダミー画素の発光輝度の検出に基づいて、バイアス補正による色温度補正処理が行われる。
【0036】
色温度補正部21で補正された画像データ及び同期データは、出力部22から画像表示パネル30に供給する。画像表示パネル30では、同期データを処理するタイミング発生部23から指示されるタイミングで、供給される画像データの同期処理が行われ、画像データによる画像が表示される。
【0037】
これらの各部での処理は、制御手段であるCPU26の制御で実行される。CPU26には、記憶部であるメモリ27が接続してあり、メモリ27に、制御に必要な各種データを記憶させてある。各画素の輝度の補正(色温度補正)に必要なデータについてもメモリ27に記憶させてある。また、表示パネルのつなぎ目領域の補正に必要な、特定の画素の発光輝度の積算値のデータについても、メモリ27に記憶させてある。
【0038】
CPU26には、温度センサ28及び光センサ29からの検出データが供給される構成としてある。温度センサ28は、画像表示パネル30のパネル温度、又はパネルの近傍の温度を検出するセンサである。
光センサ29は、画像表示パネル30のダミー画素表示領域の画素の発光輝度を検出するセンサである。光センサ29は、4つのダミー画素領域d−A,d−B,d−C,d−D(図1)に対応して、4つの検出部を備え、その4つ検出部で各ダミー画素領域d−A,d−B,d−C,d−Dの発光輝度を個別に検出する。
【0039】
図5は、本実施の形態の画像表示装置の色温度補正に関係した処理構成の詳細を示した図である。図5では、CPU26は、色温度補正に関係した制御構成だけを示してある。
CPU26は、インターフェース部267を介してメモリ27と温度センサ28と光センサ29とに接続してある。CPU26は、輝度補正シーケンス制御部261を備え、その輝度補正シーケンス制御部261の制御で、光センサ信号処理部262及び温度センサ信号処理部263で、それぞれのセンサ出力を検出処理する。それぞれで得られた検出データは、光センサ信号温度補正部264に供給して、検出した温度に基づいて光センサ信号を補正し、その補正した各ダミー領域の光センサ検出信号に基づいて、補正値を演算する。補正値演算は、エリアバイアス補正値演算部265とエリアゲイン補正値演算部266とで、各エリアのバイアス補正値とゲイン補正値として算出する。
【0040】
つなぎ目補正部17は、ライン信号サンプリング部171と、加速度演算及び履歴加算部172と、正規化計算部173とを備え、ライン信号サンプリング部171でつなぎ目の領域の信号をサンプリングする。サンプリングされた信号は、加速度演算及び履歴加算部172に供給して、メモリ27側に供給して記憶させる履歴加算値を算出する。また、正規化計算部173で正規化値を算出する。算出された正規化値は、ゲイン補正を行う色温度補正部19及びバイアス補正を行う色温度補正部21に供給する。
【0041】
ダミー画素表示処理部18は、エリア信号サンプリング部181と、ダミー表示基準信号生成部182と、ダミー信号切換え部183と、加算器184とを備える。そして、エリア信号サンプリング部181でサンプリングされた信号を表示させる場合と、ダミー表示基準信号生成部182で生成された基準信号を表示させる場合とを、ダミー信号切換え部183で切換え、加算器184で対応位置の画像信号に加える。
【0042】
色温度補正部19では、エリアゲイン補正値演算部266で算出された各領域の補正値と、正規化値とに基づいて、ゲイン補正計算部191で各分割領域の補正ゲインを計算する。そして、計算された補正ゲインを乗算器192に供給して、画像データの対応した領域の画素の駆動信号に乗算する。
色温度補正部21では、エリアバイアス補正値演算部265で算出された各領域の補正値と、正規化値とに基づいて、バイアス補正計算部211で各分割領域のバイアス補正値を計算する。そして、計算されたバイアス補正値を乗算器212に供給して、画像データの対応した領域の画素の駆動信号に乗算する。
【0043】
[3.一実施の形態の例のエリア区分とダミー画素の設定例]
次に、図6及び図7を参照して、画像表示パネルの各分割領域と、ダミー画素の設定状況の詳細について説明する。
図6は、画像表示パネルの各分割領域の詳細例を示したものである。図6に示すように、有効画像表示領域については、ラスターサイズ16:9の画像を表示する縦横比の画素配列の領域としてあり、垂直方向540画素×水平方向960画素である。
【0044】
分割領域Aは、中央の垂直方向400画素×水平方向720画素の領域である。この分割領域Aは、図3に示した大部分のラスターサイズの画像を表示させたときに、画像表示領域内となる領域である。
分割領域Bは、左端及び右端の垂直方向400画素×水平方向30画素の領域である。
分割領域Cは、上端及び下端の垂直方向10画素×水平方向720画素の領域である。
分割領域Dは、四隅の垂直方向10画素×水平方向30画素の領域である。
【0045】
つなぎ目領域N1及びN2は、垂直方向540画素×水平方向90画素の領域である。
つなぎ目領域N3及びN4は、垂直方向60画素×水平方向960画素の領域である。
【0046】
無効領域内のダミー画素領域d−A,d−B,d−C,d−Dは、それぞれが垂直方向10画素×水平方向10画素の100画素で構成させてあり、垂直方向に40画素ずつ離して配置してある。
このダミー画素に入力する信号には、通常入力する画像信号であるエージング信号と、輝度測定時に入力する基準信号との2種類がある。
【0047】
図7は、ダミー画素に表示するエージング信号の例を示した図である。ダミー画素領域d−A内の100画素の信号は、領域A内の100個の画素の信号を、ほぼ一定間隔でサンプリングしたものである。この例では、図7の領域A内に丸で囲って示した1から100までの数字の位置の信号がサンプリングされて、ダミー画素領域d−A内の100個の画素を発光させる。
【0048】
ダミー画素領域d−B内の100画素の信号は、図7に示したように、左側の領域B内の50個の画素の信号を、ほぼ一定間隔でサンプリングし、右側の領域B内の50個の画素の信号を、ほぼ一定間隔でサンプリングして、得たものである。
【0049】
ダミー画素領域d−C内の100画素の信号は、図7に示したように、上側の領域C内の50個の画素の信号を、ほぼ一定間隔でサンプリングし、下側の領域B内の50個の画素の信号を、ほぼ一定間隔でサンプリングして、得たものである。
【0050】
ダミー画素領域d−D内の100画素の信号は、図7に示したように、左上、左下、右上、右下の領域C内の25個ずつの画素の信号を、ほぼ一定間隔でサンプリングして、得たものである。
【0051】
[4.一実施の形態の例の補正処理例]
図8は、このようなダミー画素の信号を使って、色度及び輝度を補正する処理状態の例を示したものである。
本実施の形態の画像表示装置は、製造時に工場などで、予め、ダミー画素に、輝度が高い場合と低い場合の基準信号(refsig_L, refsig_H)を表示させた場合の光センサ29の出力値を基準出力値(refout_L, refout_H)として、メモリ27に記憶させておく。
【0052】
そして、画像表示装置で画像を表示させる使用時には、ダミー画素に基準信号(refsig_L, refsig_H)を入力し、その時の光センサの出力値と基準出力値とを比較する。
その比較で一定以上の違いがある場合、基準信号(refsig_L)入力時は、センサ出力値が基準出力値(refout_L)と同じか一定の比率になるように信号を加算して、補正を行う。また、基準信号(refsig_H)入力時には、センサ出力値が基準出力値(refout_H)と同じか一定の比率になるように信号のゲインを補正して、補正を行なう。これを赤色画素と青色画素と緑色画素に対して行う。
【0053】
即ち、図8(a)に示したように、補正前の2つの基準信号による劣化前特性と光センサ出力値(劣化後特性)が得られたとする。このとき、図8(b)に示したように、階調補正であるバイアス補正として、輝度の低い方の基準出力値(refout_L)が劣化前特性と同じになるようにバイアス補正を行う。また、図8(c)に示したように、傾き補正であるゲイン補正として、輝度の高い方の基準出力値(refout_H)と同じか一定の比率になるように信号のゲインを補正する。
こうして得られた各補正値を実際の有効画面の表示信号に対して適用ことで、表示画面の色度・輝度補正を行なうことが出来る。この補正値により補正する処理が、図5の構成で実行される。
【0054】
[5.一実施の形態の例のつなぎ目領域の処理例]
次に、図9〜図11を参照して、つなぎ目領域N1〜N4での色度・輝度補正について説明する。
図9は、つなぎ目領域での補正の原理を示した図である。
図6に示した、つなぎ目領域N1〜N4での画素の劣化状態は、どのサイズの画像をどれだけ表示させたかによって異なり、どの位置にどの程度の表示が行われたか知る必要がある。
その為に、つなぎ目領域N1〜N4内で、ライン状に表示信号をサンプリングして、その積算信号履歴量を、画素の発光履歴として保持する。即ち、図9(a)に示すように、分割領域Aと左側の分割領域Bとの間に、ライン状に表示される画像信号をサンプリングするサンプリングラインSSLを設定する。また、分割領域Aと右側の分割領域Bとの間に、ライン状に表示される画像信号をサンプリングするサンプリングラインSSRを設定する。また、分割領域Aと上側の分割領域Cの間に、ライン状に表示される画像信号をサンプリングするサンプリングラインSSTを設定する。また、分割領域Aと下側の分割領域Cの間に、ライン状に表示される画像信号をサンプリングするサンプリングラインSSBを設定する。
【0055】
各サンプリングラインは、例えば図9(a)に、分割領域Aと左側の分割領域Bとの間のサンプリングラインSSLの概要を示すと、位置1から位置5までの5箇所のサンプリング位置を設定する。左端のサンプリング位置1は、分割領域Bの端部であり、これを基準1とする。右端のサンプリング位置5は、分割領域Aの端部であり、これを基準2とする。
そして、位置1と位置5の間の3つのサンプリング位置2,3,4で、つなぎ目領域N1内の画素の表示信号をサンプリングする。なお、サンプリング位置を5つとしたのは説明を簡単にするためであり、実際のサンプリング数とは異なる。
【0056】
位置1から位置5までのサンプリング信号は、表示装置としての使用を開始してから、随時サンプリングを行って、その値を積算して、積算値(積算信号量)をメモリ27に記憶させておく。これにより信号のサンプリング位置とその位置における表示信号の累積値が判るようになる。図9(a)の例では、位置1,2,3,4,5のそれぞれの積算信号量として、t1,t0,t2,t4,t3であったとする。
【0057】
そして、基準となるライン状の信号サンプリングの両側エリア(エリアB及びA)の劣化度(ゲイン補正値の逆数)とそこの積算信号量より、劣化傾きを求める。図9(b)は、この劣化傾きを示した図であり、横軸が積算信号量であり、縦軸が劣化状態である。この劣化傾きは、サンプリング位置1(領域B)の基準1と、サンプリング位置5(領域A)の基準2とを結ぶことで得られる。即ち、ライン状の信号サンプリングの両側エリア(領域B,A)の劣化度(ゲイン補正値の逆数)とその積算信号量より、傾斜傾きを求める。
【0058】
例えば、位置3の積算信号量はt2であり、図9(b)に示すように、位置3の劣化量は、[劣化度=劣化傾き×積算信号量]となる。
劣化度の逆数がゲイン補正値になるので、これより、つなぎ目領域N1内の位置3のゲイン補正値を求めることが出来る。他のつなぎ目領域N2,N3,N4についても、同様に処理される。
【0059】
図9は、つなぎ目領域での処理の原理を示したものであり、本実施の形態においては、図10に示したサンプリングラインを設定する。
即ち、図10に示すように、分割領域Aと左側の分割領域Bとの間に、3本のサンプリングラインSL11,SL12,SL13を設定する。また、分割領域Aと右側の分割領域Bとの間に、3箇所のサンプリングラインSR11,SR12,SR13を設定する。また、分割領域Aと上側の分割領域Cの間に、3箇所のサンプリングラインST11,ST12,ST13を設定する。また、分割領域Aと下側の分割領域Cの間に、3箇所のサンプリングラインSB11,SB12,SB13を設定する。
それぞれの位置での3箇所のサンプリングラインは、図10に示したように、該当するつなぎ目領域の一方の端の近傍、ほぼ中央、他方の端の近傍に設定する。
【0060】
そして、それぞれのつなぎ目領域ごとに設定した3箇所のサンプリングラインは、サンプリングを行うごとに、いずれかのラインで行うように、サンプリング位置を変更する。
例えば、分割領域Aと左側の分割領域Bとの間のサンプリングラインSL11,SL12,SL13については、サンプリングごとに、サンプリング毎に位置をST11→ST12→ST13→ST11と変更する。同様に他の領域の信号も位置を順に変更する。
【0061】
図10に示した画素数で各領域を設定したとき、各サンプリングラインのサンプリング位置(画素のアドレス位置)は、例えば次の[数1]の条件で設定する。
【0062】
【数1】
【0063】
このようにして決まるアドレス位置にて、次の[数2]に示すように、3つの色(赤r、緑g、青b)の画素の信号のサンプリングを行う。
【0064】
【数2】
【0065】
図11は、つなぎ目のサンプリングラインの各サンプリング位置の例を示した図である。
図11の上側は、つなぎ目のサンプリングラインSL11〜Sl13の例を示し、この例では、これらのサンプリングラインは、サンプリング位置0からサンプリング位置43までの44個のサンプリング信号で構成されている。各サンプリング位置の下側に示したパネル画素座標が、図10に示した画素位置である。
サンプリング位置0からサンプリング位置9までは、領域Bの端部の画素をサンプリングしてある。サンプリング位置36からサンプリング位置43までは、領域Aの端部の画素をサンプリングしてある。
【0066】
サンプリング位置10からサンプリング位置35までは、不均一にサンプリング位置を設定してある。これは、表示される可能性のあるラスターサイズの画像領域と無表示領域との境界部が存在する可能性がある画素を重点的に選んでいるためである。
具体的には、画素位置26から画素位置35までの間で、サンプリング位置5からサンプリング位置14まで連続して設定し、そのサンプリング位置で、ラスターサイズ(15:9)及び(1.66:1)の境界部近傍での状態を検出している。
また、画素位置15から画素位置22までの間で、サンプリング位置56からサンプリング位置63まで連続して設定し、そのサンプリング位置で、ラスターサイズ(14:9)の境界部近傍での状態を検出している。
また、画素位置86から画素位置93までの間で、サンプリング位置23からサンプリング位置30まで連続して設定し、そのサンプリング位置で、ラスターサイズ(13:9)の境界部近傍での状態を検出している。
また、画素位置116から画素位置123までの間で、サンプリング位置31からサンプリング位置38まで連続して設定し、そのサンプリング位置で、ラスターサイズ(4:3)の境界部近傍での状態を検出している。
画素位置9〜13のサンプリング(サンプリング位置0〜4)は、領域Bの基準信号を得るためのサンプリングである。画素位置138〜142のサンプリング(サンプリング位置39〜43)は、領域Aの基準信号を得るためのサンプリングである。
【0067】
これらのつなぎ目サンプリング信号は、図11の下側に示したつなぎ目補正信号座標に変換される。このつなぎ目補正信号は、サンプリングされていない画素の信号についても生成させてある。
具体的には、例えば画素位置35と画素位置56ではサンプリング信号が存在するが、その間の画素位置36から画素位置55まではサンプリング信号が存在しない。ここで、画素位置36のサンプリング信号と画素位置55のサンプリング信号との平均から、このサンプリング信号が存在しない位置の補正信号(14として示す信号)を生成させる。
同様にして、つなぎ目領域N1内の全ての画素について、補正信号を生成させる。
【0068】
得られた補正信号を使って、つなぎ目領域N1内の各画素のゲイン補正処理を行う。得られた補正信号は、図11に示すようにサンプリングラインに沿って得られた信号であるが、そのサンプリングラインと直交する方向の各画素に、同じ補正を適用する。
【0069】
このように、つなぎ目領域の補正処理を行うことで、ダミー画素から直接劣化状況を検出していない領域で、メモリに記憶させた表示状態の累積値から、適正な補正が行え、どのラスターサイズの画像を表示させた場合でも適正な補正が可能になる。
本実施の形態においては、図11に示したように、サンプリングライン内のサンプリング位置を、表示される可能性が高いラスターサイズに対応した位置としてあり、比較的少ないサンプリング数のデータの累積でよく、メモリ容量を削減できる。
【0070】
[6.変形例]
各図に示した分割領域やつなぎ目領域の配置状態や、つなぎ目領域内のサンプリング位置、サンプリング数などは、好適な一例を示したものであり、本発明は、これらの例に限定されるものではない。
また、上述した実施の形態では、分割領域として、図6に示したように、領域A,B,C,Dの4つの領域を設定して、それぞれにダミー画素を設けるようにしたが、四隅の領域Dについては、ダミー画素を省略してもよい。この四隅の領域Dの画素の状態については、領域Bの状態と領域Cの状態から推定が可能であり、実際にダミー画素を使って測定しないで、補正するようにしてもよい。
【0071】
また、つなぎ目領域内のサンプリングラインについても、図10に示したように3箇所のサンプリングラインとして、その3箇所のサンプリングラインを順に変化させたが、1箇所のサンプリングラインとして処理構成を簡略化してもよい。あるいは、3箇所のサンプリングラインでのサンプリングを同時に行って、サンプリング精度を高くするようにしてもよい。
【0072】
また、画像表示パネルについては、有機ELパネルを使用した例としたが、画素の自発光により劣化が生じるパネルであれば、他の方式の画像表示パネルに適用してもよい。パネルの画素数についても、上述した実施の形態は一例であり、他の画素数のパネルに適用できることは勿論である。
【符号の説明】
【0073】
11…画像信号入力端子、12…同期分離部、13…内部信号生成部、14…セレクタ、15…リニアガンマ処理部、16…色度/色域変換部、17…つなぎ目補正部、18…ダミー画素表示処理部、19…色温度補正部、20…パネルガンマ処理部、21…色温度補正部、22…出力部、23…タイミング発生部、24…電源制御部、25…同期処理部、26…CPU、27…メモリ、28…温度センサ、29…光センサ、30…画像表示パネル、171…ライン信号サンプリング部、172…加速度演算及び履歴加算部、173…正規化計算部、181…エリア信号サンプリング部、182…ダミー表示基準信号生成部、183…ダミー信号切換え部、184…加算器、191…ゲイン補正計算部、192…乗算器、211…バイアス補正計算部、212…加算器、261…輝度補正シーケンス制御部、262…光センサ信号処理部、263…温度センサ信号処理部、264…光センサ信号温度補正部、265…エリアバイアス補正値演算部、266…エリアゲイン補正値演算部、267…インターフェース部
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば有機EL(Electro-Luminescence)パネルなどの自発光型表示パネルを使った画像表示装置及び画像表示方法に関し、特に、発光輝度の劣化を補正する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
表示パネル上にマトリクス状に配置された画素が自発光することで、画像が表示される方式の表示装置が、各種開発されている。例えば、有機ELパネルを使った表示装置が実用化されている。有機ELパネルは、画素の発光輝度が高く、高輝度な画像を高精細に表示できる優れた画像表示用デバイスである。
【0003】
ところで、テレビジョン放送用画像や映画用画像などで規格化された画像信号については、画像の水平方向の長さと垂直方向の長さの比であるアスペクト比について、様々な規格が存在する。従って、画像信号とはアスペクト比が異なる表示装置で画像を表示する上では、何らかの対応が必要である。
例えば、入力した画像信号を、その画像信号の本来のアスペクト比とは異なるアスペクト比の表示装置で、画像のアスペクト比を変えずに表示させる場合には、画像の上下又は左右に、黒色、即ち無表示の領域を設けて、違いに対処させている。
【0004】
図12は、アスペクト比が異なる画像の例である。
図12(a)は、表示するラスターサイズが16:9の例であり、図12(b)は、表示するラスターサイズが4:3の例であり、図12(c)は、表示するラスターサイズがシネスコサイズ(2.35:1)の例である。
ここで、表示パネルが16:9の縦横比のサイズである場合には、図12(a)の画像はパネル全体で表示される。これに対して、図12(b)の4:3の画像の場合には、画面の左右に無表示部分が生じる。また、図12(c)のシネスコサイズの画像の場合には、画面の上下に無表示部分が生じる。
この図12に示したラスターサイズは、代表的な3つの例であり、実際には非常に多くのラスターサイズが存在する。
このように、表示される画像のラスターサイズが違うことで、画面上の無表示部分の位置が異なることになる。
【0005】
特許文献1には、表示装置が備える表示パネルの画素の発光輝度の劣化を検出して、補正する点についての記載がある。その劣化の検出処理として、ダミー画素を設けて、そのダミー画素の平均的な発光輝度を測定して行う点についての記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−240798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
有機ELパネルなどの自発光型の画素を備えた表示パネルは、画像の表示により画素を構成する発光素子が劣化するため、ある程度長期間画像を表示させると、各画素の発光輝度が低下する問題がある。各画素の発光輝度が低下する特性は各原色ごとに異なるため、輝度の低下が色度の変化にもつながる。
このため、特許文献1に記載された技術では、画面全体の発光輝度の劣化を、ダミー画素を使って検出するようにして、その検出した劣化分だけパネルの駆動信号を補正して、表示パネルに表示される画像には、劣化による輝度低下が発生しないようにしている。
【0008】
ここで、図12(b)や図12(c)に示したような、無表示部分が生じた状態での画像表示を連続して行うと、その無表示部分の表示画素については劣化が発生しないことになる。従って、画面全体で均一に補正を行うと、ラスターサイズの違いによる無表示部分については、発光輝度が強くなってしまい、1表示画面中で輝度が強い部分と弱い部分が生じてしまい、好ましくない。
ところが、実際の画像表示装置では、どのようなラスターサイズの画像をどれだけの時間表示させているかの履歴を判断することは困難であり、ラスターサイズの違いによる無表示部分を考慮した、画素の発光輝度の補正は、従来行われていなかった。
【0009】
図13(a)は、表示パネル上に、図12(a)の16:9のサイズの画像が表示される範囲Xと、図12(b)の4:3のサイズの画像が表示される範囲Yと、図12(c)のシネスコサイズのサイズの画像が表示される範囲Zを重ねて示したものである。
この図13(a)に示した画面中の領域A,B,C,Dは、それぞれの範囲ごとに表示される領域と表示されない領域を示したものである。図12の各サイズの場合には、中央の領域Bについては、どのラスターサイズでも表示されるが、その他の領域B,C,Dについては、表示サイズに応じて表示される場合と表示されない場合とがある。従って、中央の領域Aについては、画素の発光輝度の低下が一番進むことが想定されるが、他の領域については、画素の発光輝度の低下が、それ程でないこともあり得る。
【0010】
図13(a)に示した各領域での、発光輝度低下の1つの例を図13(b)に示すと、横軸が時間、縦軸が輝度であり、例えば中央の領域Aは、輝度の低下が最も早く進み、四隅の領域Dについては、最も輝度の低下が少ないことが想定される。領域B,Cについては、領域Aと領域Dの間になることが想定される。
この図13の例は、あくまでも図12に示した3つのサイズの画像を、それぞれ適当な時間表示させた場合の例であり、ラスターサイズがこれとは異なる画像を表示させた場合には、劣化の発生状態が図13の例とは異なる。
【0011】
また、有機EL型表示パネルは、パネルの温度によっても輝度や色度が変化する問題があり、その温度による補正を行う際にも、画素の劣化を考慮する必要があるが、画素の劣化状況が画素位置によって異なると、適正な補正ができない問題がある。
【0012】
なお、ここまでは有機EL型表示パネルを例にして説明したが、自発光型の素子よりなる画素を備えた画像表示パネルの場合には、いずれの方式でも同様の問題がある。
【0013】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、自発光型の素子よりなる画素を備えた画像表示パネルでの劣化の補正を、種々のスターサイズの画像を表示させた場合にも良好に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、画像表示領域と、その画像表示領域とは別のダミー画素領域とを有する表示パネルを使用する。表示パネルのダミー画素領域の発光輝度は、光センサで検出する。
そして、表示パネル上の画像表示領域を複数の分割領域に分割し、各分割領域内の1つ又は複数の画素の発光状態と同じ発光状態を、ダミー画素領域内の画素で実行させる。そのように表示させた上で、光センサで検出されたダミー画素領域の発光輝度に基づいて、各分割領域内の画素の輝度又は色度の補正を行うようにした。
【0015】
このようにしたことで、表示パネル上の分割領域の設定を、その表示パネル上に表示させるラスターサイズに対応した設定状態とすることで、ラスターサイズごとの表示領域内の画素の劣化が、ダミー画素の状態の検出から判るようになる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、ラスターサイズごとの表示領域内の画素の劣化が判るようになり、ラスターサイズを考慮した発光輝度補正を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態によるダミー画素による色温度補正の概要を示す説明図である。
【図2】ラスターサイズの違いによる無表示部分の変化例を示す説明図である。
【図3】種々のラスターサイズの表示仕様を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態による装置の全体構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施の形態による装置の色温度補正関連処理構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施の形態によるエリア区分例の詳細を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施の形態によるダミー画素のサンプリング画素位置の例を示す説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態による補正状態の例を示す説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態によるつなぎ目補正の例を示す説明図である。
【図10】本発明の一実施の形態によるつなぎ目のサンプリング信号の例を示す説明図である。
【図11】本発明の一実施の形態によるつなぎ目の座標の例を示す説明図である。
【図12】ラスターサイズの例を示す説明図である。
【図13】図12例のラスターサイズの違いによる各領域の劣化状態の相違を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態を、以下の順序で説明する。
1.一実施の形態の例の色温度補正の概要の説明(図1〜図3)
2.一実施の形態の例の装置構成の説明(図4,図5)
3.一実施の形態の例のエリア区分とダミー画素の設定例(図6,図7)
4.一実施の形態の例の補正処理例(図8)
5.一実施の形態の例のつなぎ目領域の処理例(図9〜図11)
6.変形例
【0019】
[1.一実施の形態の例の色温度補正の概要の説明]
まず、図1〜図3を参照して、本実施の形態の例で実行される色温度補正の概要を説明する。
本実施の形態の例においては、画像表示装置が備える画像表示パネルとして、各画素が自発光を行う素子で構成された有機ELパネルを使用する。
その画像表示パネルとしては、図1に示すように、有効画像表示領域が、垂直方向の画素数540画素、水平方向の画素数960画素のものを使用する。画素には、赤色画素と青色画素と緑色画素とが順に配置してある。そして、この有効画像表示領域に隣接した無効領域(図1では右端の領域)として、垂直方向の画素数540画素、水平方向の画素数64画素の領域を用意する。この無効領域の一部を、ダミー画素領域として使用する。無効領域は、その領域の画素の表示が装置の外側からは見えない、外部からは隠された領域である。つまり、ユーザは、有効画像表示領域の表示だけを見ることになる。
【0020】
有効画像表示領域については、図1(a)に示すように、ラスターサイズ16:9の画像を表示する縦横比の画素配列の領域としてある。
その上で、その有効画像表示領域内に、図1(a)に示すように、分割領域A,B,C,Dを設定する。
分割領域Aは、ラスターサイズ2.35:1の画像を表示させたときの領域と、ラスターサイズ4:3の画像を表示させたときの領域との全てが重なる中央のエリアである。この分割領域Aは、ほとんどのラスターサイズの画像を表示させたときに、画像表示領域内となる領域である。
分割領域Bは、中央の分割領域Aの左右の領域である。但し、中央の分割領域Aと左右の分割領域Bとの間には、これらの分割領域A,Bに含まれない領域N1,N2を設けてある。この領域N1,N2は、本実施の形態では、つなぎ目領域と称する。
【0021】
分割領域Cは、中央の分割領域Aの上下の領域である。但し、中央の分割領域Aと上下の分割領域Cとの間には、これらの分割領域A,Cに含まれない、つなぎ目領域N3,N4を設けてある。
分割領域Dは、つなぎ目領域N1,N2,N3,N4の外側の四隅の領域である。
【0022】
そして、無効領域内のダミー画素領域として、ダミー画素領域d−A,d−B,d−C,d−Dの4つの領域を設けてある。その4つのダミー画素領域d−A,d−B,d−C,d−Dは、それぞれが垂直方向10画素×水平方向10画素の100画素で構成させてある。
【0023】
ダミー画素領域d−Aは、分割領域A内から選んだ100画素について、その100画素での発光状態と同じ発光状態で、常時発光させるようにしてある。
ダミー画素領域d−B,d−C,d−Dについても、対応したそれぞれの分割領域B,C,D内から選んだ100画素について、その100画素での発光状態と同じ発光状態で、常時発光させるようにしてある。
【0024】
図1では図示しないが、4つのダミー画素領域d−A,d−B,d−C,d−Dごとに、それぞれの発光輝度を測定する光センサを、その表示パネルの上などに配置する。
そして、光センサで、各ダミー画素領域d−A,d−B,d−C,d−Dの輝度変化を検出し、ダミー画素の輝度を初期値と同じにする信号の傾き(ゲイン)及び階調(バイアス)補正値を求める。
図1(b)は、入力信号の階調(横軸)と、パネル上の画素の輝度変化(縦軸)とを示した特性図である。この図1(b)では、画像表示パネル内の画素が劣化していない状態である、劣化前特性と、ある程度表示を行って特性が劣化した画素の特性である、劣化後特性とを示す。
【0025】
例えば、領域Aに対応したダミー画素領域d−Aで検出された現在の特性が、図1(b)に示した劣化後特性であるとき、領域A内の画素を駆動する信号に対して、図1(a)に示した劣化前特性となるように、ゲイン補正及びバイアス補正を行うものである。
分割領域B,C,D内の画素を駆動する信号に対しても、それぞれダミー画素領域d−B,d−C,d−Dで検出された劣化後特性に基づいて、劣化前特性となるように、ゲイン補正及びバイアス補正を行うものである。
これらの補正を行うことで、各分割領域A,B,C,D内の画素の輝度又は色度を、初期値と同じ状態に保つようにしてある。
【0026】
そして、各つなぎ目領域N1,N2,N3,N4については、それぞれの領域内の信号積算履歴を基にした、つなぎ目補正処理を行って、各分割領域A,B,C,Dと同様のゲイン及びバイアス補正を行い、劣化前特性となるようにしてある。つなぎ目補正処理は、簡単に述べると、例えば領域Aと領域Bの間の領域N1,N2では、領域Aの補正状態と領域Bの補正状態とを考慮してつなぎ目が目立たない処理を行うものであるが、詳細処理は後述する。
【0027】
本実施の形態においては、これらの処理を行うことで、画像表示パネルの有効画像表示領域内において、各画素の発光輝度や色度の劣化がない状態として、表示画像のユニフォミティを保つようにしたものである。
【0028】
ここで、つなぎ目領域N1〜N4を設ける理由について、図2を参照して説明する。
図2(a)は、画像表示パネルに、縦長の画像を表示させた場合(つまり垂直方向の全画素を使って表示させる場合)の、左右の端の無表示領域の変化を示したものである。ラスターサイズの違いによって、図2(a)の左右の端に矢印で示すように、左右の端の無表示領域の幅が変化する。
図2(b)は、画像表示パネルに、横長の画像を表示させた場合(つまり水平方向の全画素を使って表示させる場合)の、上下の端の無表示領域の変化を示したものである。ラスターサイズの違いによって、図2(b)の上下の端に矢印で示すように、上下の端の無表示領域の幅が変化する。
【0029】
図3は、規格化されたラスターサイズの例を示したものである。図3の各例の左側は、規格化されたラスターサイズを、16:9の画面に表示させた場合の上下又は左右の無表示領域を示す。図3の各例の右側は、その左側のラスターサイズの画像を、垂直方向540画素×水平方向960画素のパネルに表示させたときの、画素数(dot)の例を示したものである。
【0030】
図3(a)は、2.40:1のラスターサイズの例を示し、画像部分は、垂直方向400画素×水平方向960画素となる。
図3(b)は、2.35:1のラスターサイズ(シネマスコープサイズ)の例を示し、画像部分は、垂直方向408画素×水平方向960画素となる。
図3(c)は、1.85:1のラスターサイズ(アメリカン・ビスタサイズ)の例を示し、画像部分は、垂直方向520画素×水平方向960画素となる。
図3(d)は、1.66:1のラスターサイズ(ヨーロピアン・ビスタサイズ)の例を示し、画像部分は、垂直方向540画素×水平方向896画素となる。
図3(e)は、15:9のラスターサイズの例を示し、画像部分は、垂直方向540画素×水平方向900画素となる。
図3(f)は、14:9のラスターサイズの例を示し、画像部分は、垂直方向540画素×水平方向840画素となる。
図3(g)は、13:9のラスターサイズの例を示し、画像部分は、垂直方向540画素×水平方向780画素となる。
図3(h)は、4:3のラスターサイズの例を示し、画像部分は、垂直方向540画素×水平方向720画素となる。
【0031】
本実施の形態においては、これらの各ラスターサイズの画像表示を行うことによって生じる画素劣化の違いを吸収するために、つなぎ目領域N1〜N4を設けたものである。即ち、図3に示したように、様々なラスターサイズが存在し、これらのラスターサイズの画像を表示パネルで適宜表示させた場合、図2に示すように無表示領域が変化し、その無表示領域が変化する範囲で、劣化状態が変化してしまう。その劣化状態の変化を、それぞれの領域内の信号積算履歴を基にして推定して、適正なつなぎ目補正処理を行うものである。
基本的に、ラスターサイズでの画像部分と無表示部分との境界は、各つなぎ目領域N1〜N4か、又は、つなぎ目領域と隣接した分割領域との境界部に位置するようにしてある。そして、各つなぎ目領域N1〜N4で、そのラスターサイズの違いに対応した補正処理を行うようにしてある。
以下、ここまで説明した原理に基づいた補正処理を行うための構成及び処理状態の詳細について説明する。
【0032】
[2.一実施の形態の例の装置構成の説明]
図4は、本実施の形態の例の画像表示装置の全体構成例を示した図である。
図4に従って説明すると、入力部である画像信号入力端子11に入力した画像信号は、同期分離部12に供給し、画像データと同期データとを分離し、画像データをセレクタ14に供給し、同期データを同期処理部25に供給する。また、内部信号生成部13で、装置内で記憶されて読出して生成された画像信号又は装置内のチューナなどで受信して生成された画像信号を、セレクタ14に供給する。セレクタ14ではいずれかの画像信号を選択する。
【0033】
選択された画像データ及び同期データを、リニアガンマ処理部15に供給し、リニアガンマ補正処理を行う。補正された画像データ及び同期データは、色度/色域変換部16に供給する。色度/色域変換部16では、画像データの色度と色域の変換処理を行う。
色度/色域変換部16で処理された画像データ及び同期データは、つなぎ目補正部17に供給し、つなぎ目補正処理を行う。つなぎ目補正処理は、図1に示した、つなぎ目領域N1〜N4で実行される輝度又は色度の補正処理であり、詳細は後述する。
【0034】
つなぎ目補正部17が出力する画像データ及び同期データは、ダミー画素表示処理部18に供給し、画像表示パネル30の無効領域内のダミー画素で表示させる信号を画像データからサンプリングして、表示させるようにする。ダミー画素で表示させる信号をサンプリングする例についは後述する。
【0035】
ダミー画素表示処理部18が出力する画像データ及び同期データは、色温度補正部19に供給する。この色温度補正部19では、ダミー画素の発光輝度の検出に基づいて、ゲイン補正による色温度補正処理が行われる。
色温度補正部19が出力する画像データ及び同期データは、パネルガンマ処理部20に供給し、画像表示パネル30の表示特性に基づいたガンマ補正処理を行う。
パネルガンマ処理部20が出力する画像データ及び同期データは、色温度補正部21に供給する。この色温度補正部21では、ダミー画素の発光輝度の検出に基づいて、バイアス補正による色温度補正処理が行われる。
【0036】
色温度補正部21で補正された画像データ及び同期データは、出力部22から画像表示パネル30に供給する。画像表示パネル30では、同期データを処理するタイミング発生部23から指示されるタイミングで、供給される画像データの同期処理が行われ、画像データによる画像が表示される。
【0037】
これらの各部での処理は、制御手段であるCPU26の制御で実行される。CPU26には、記憶部であるメモリ27が接続してあり、メモリ27に、制御に必要な各種データを記憶させてある。各画素の輝度の補正(色温度補正)に必要なデータについてもメモリ27に記憶させてある。また、表示パネルのつなぎ目領域の補正に必要な、特定の画素の発光輝度の積算値のデータについても、メモリ27に記憶させてある。
【0038】
CPU26には、温度センサ28及び光センサ29からの検出データが供給される構成としてある。温度センサ28は、画像表示パネル30のパネル温度、又はパネルの近傍の温度を検出するセンサである。
光センサ29は、画像表示パネル30のダミー画素表示領域の画素の発光輝度を検出するセンサである。光センサ29は、4つのダミー画素領域d−A,d−B,d−C,d−D(図1)に対応して、4つの検出部を備え、その4つ検出部で各ダミー画素領域d−A,d−B,d−C,d−Dの発光輝度を個別に検出する。
【0039】
図5は、本実施の形態の画像表示装置の色温度補正に関係した処理構成の詳細を示した図である。図5では、CPU26は、色温度補正に関係した制御構成だけを示してある。
CPU26は、インターフェース部267を介してメモリ27と温度センサ28と光センサ29とに接続してある。CPU26は、輝度補正シーケンス制御部261を備え、その輝度補正シーケンス制御部261の制御で、光センサ信号処理部262及び温度センサ信号処理部263で、それぞれのセンサ出力を検出処理する。それぞれで得られた検出データは、光センサ信号温度補正部264に供給して、検出した温度に基づいて光センサ信号を補正し、その補正した各ダミー領域の光センサ検出信号に基づいて、補正値を演算する。補正値演算は、エリアバイアス補正値演算部265とエリアゲイン補正値演算部266とで、各エリアのバイアス補正値とゲイン補正値として算出する。
【0040】
つなぎ目補正部17は、ライン信号サンプリング部171と、加速度演算及び履歴加算部172と、正規化計算部173とを備え、ライン信号サンプリング部171でつなぎ目の領域の信号をサンプリングする。サンプリングされた信号は、加速度演算及び履歴加算部172に供給して、メモリ27側に供給して記憶させる履歴加算値を算出する。また、正規化計算部173で正規化値を算出する。算出された正規化値は、ゲイン補正を行う色温度補正部19及びバイアス補正を行う色温度補正部21に供給する。
【0041】
ダミー画素表示処理部18は、エリア信号サンプリング部181と、ダミー表示基準信号生成部182と、ダミー信号切換え部183と、加算器184とを備える。そして、エリア信号サンプリング部181でサンプリングされた信号を表示させる場合と、ダミー表示基準信号生成部182で生成された基準信号を表示させる場合とを、ダミー信号切換え部183で切換え、加算器184で対応位置の画像信号に加える。
【0042】
色温度補正部19では、エリアゲイン補正値演算部266で算出された各領域の補正値と、正規化値とに基づいて、ゲイン補正計算部191で各分割領域の補正ゲインを計算する。そして、計算された補正ゲインを乗算器192に供給して、画像データの対応した領域の画素の駆動信号に乗算する。
色温度補正部21では、エリアバイアス補正値演算部265で算出された各領域の補正値と、正規化値とに基づいて、バイアス補正計算部211で各分割領域のバイアス補正値を計算する。そして、計算されたバイアス補正値を乗算器212に供給して、画像データの対応した領域の画素の駆動信号に乗算する。
【0043】
[3.一実施の形態の例のエリア区分とダミー画素の設定例]
次に、図6及び図7を参照して、画像表示パネルの各分割領域と、ダミー画素の設定状況の詳細について説明する。
図6は、画像表示パネルの各分割領域の詳細例を示したものである。図6に示すように、有効画像表示領域については、ラスターサイズ16:9の画像を表示する縦横比の画素配列の領域としてあり、垂直方向540画素×水平方向960画素である。
【0044】
分割領域Aは、中央の垂直方向400画素×水平方向720画素の領域である。この分割領域Aは、図3に示した大部分のラスターサイズの画像を表示させたときに、画像表示領域内となる領域である。
分割領域Bは、左端及び右端の垂直方向400画素×水平方向30画素の領域である。
分割領域Cは、上端及び下端の垂直方向10画素×水平方向720画素の領域である。
分割領域Dは、四隅の垂直方向10画素×水平方向30画素の領域である。
【0045】
つなぎ目領域N1及びN2は、垂直方向540画素×水平方向90画素の領域である。
つなぎ目領域N3及びN4は、垂直方向60画素×水平方向960画素の領域である。
【0046】
無効領域内のダミー画素領域d−A,d−B,d−C,d−Dは、それぞれが垂直方向10画素×水平方向10画素の100画素で構成させてあり、垂直方向に40画素ずつ離して配置してある。
このダミー画素に入力する信号には、通常入力する画像信号であるエージング信号と、輝度測定時に入力する基準信号との2種類がある。
【0047】
図7は、ダミー画素に表示するエージング信号の例を示した図である。ダミー画素領域d−A内の100画素の信号は、領域A内の100個の画素の信号を、ほぼ一定間隔でサンプリングしたものである。この例では、図7の領域A内に丸で囲って示した1から100までの数字の位置の信号がサンプリングされて、ダミー画素領域d−A内の100個の画素を発光させる。
【0048】
ダミー画素領域d−B内の100画素の信号は、図7に示したように、左側の領域B内の50個の画素の信号を、ほぼ一定間隔でサンプリングし、右側の領域B内の50個の画素の信号を、ほぼ一定間隔でサンプリングして、得たものである。
【0049】
ダミー画素領域d−C内の100画素の信号は、図7に示したように、上側の領域C内の50個の画素の信号を、ほぼ一定間隔でサンプリングし、下側の領域B内の50個の画素の信号を、ほぼ一定間隔でサンプリングして、得たものである。
【0050】
ダミー画素領域d−D内の100画素の信号は、図7に示したように、左上、左下、右上、右下の領域C内の25個ずつの画素の信号を、ほぼ一定間隔でサンプリングして、得たものである。
【0051】
[4.一実施の形態の例の補正処理例]
図8は、このようなダミー画素の信号を使って、色度及び輝度を補正する処理状態の例を示したものである。
本実施の形態の画像表示装置は、製造時に工場などで、予め、ダミー画素に、輝度が高い場合と低い場合の基準信号(refsig_L, refsig_H)を表示させた場合の光センサ29の出力値を基準出力値(refout_L, refout_H)として、メモリ27に記憶させておく。
【0052】
そして、画像表示装置で画像を表示させる使用時には、ダミー画素に基準信号(refsig_L, refsig_H)を入力し、その時の光センサの出力値と基準出力値とを比較する。
その比較で一定以上の違いがある場合、基準信号(refsig_L)入力時は、センサ出力値が基準出力値(refout_L)と同じか一定の比率になるように信号を加算して、補正を行う。また、基準信号(refsig_H)入力時には、センサ出力値が基準出力値(refout_H)と同じか一定の比率になるように信号のゲインを補正して、補正を行なう。これを赤色画素と青色画素と緑色画素に対して行う。
【0053】
即ち、図8(a)に示したように、補正前の2つの基準信号による劣化前特性と光センサ出力値(劣化後特性)が得られたとする。このとき、図8(b)に示したように、階調補正であるバイアス補正として、輝度の低い方の基準出力値(refout_L)が劣化前特性と同じになるようにバイアス補正を行う。また、図8(c)に示したように、傾き補正であるゲイン補正として、輝度の高い方の基準出力値(refout_H)と同じか一定の比率になるように信号のゲインを補正する。
こうして得られた各補正値を実際の有効画面の表示信号に対して適用ことで、表示画面の色度・輝度補正を行なうことが出来る。この補正値により補正する処理が、図5の構成で実行される。
【0054】
[5.一実施の形態の例のつなぎ目領域の処理例]
次に、図9〜図11を参照して、つなぎ目領域N1〜N4での色度・輝度補正について説明する。
図9は、つなぎ目領域での補正の原理を示した図である。
図6に示した、つなぎ目領域N1〜N4での画素の劣化状態は、どのサイズの画像をどれだけ表示させたかによって異なり、どの位置にどの程度の表示が行われたか知る必要がある。
その為に、つなぎ目領域N1〜N4内で、ライン状に表示信号をサンプリングして、その積算信号履歴量を、画素の発光履歴として保持する。即ち、図9(a)に示すように、分割領域Aと左側の分割領域Bとの間に、ライン状に表示される画像信号をサンプリングするサンプリングラインSSLを設定する。また、分割領域Aと右側の分割領域Bとの間に、ライン状に表示される画像信号をサンプリングするサンプリングラインSSRを設定する。また、分割領域Aと上側の分割領域Cの間に、ライン状に表示される画像信号をサンプリングするサンプリングラインSSTを設定する。また、分割領域Aと下側の分割領域Cの間に、ライン状に表示される画像信号をサンプリングするサンプリングラインSSBを設定する。
【0055】
各サンプリングラインは、例えば図9(a)に、分割領域Aと左側の分割領域Bとの間のサンプリングラインSSLの概要を示すと、位置1から位置5までの5箇所のサンプリング位置を設定する。左端のサンプリング位置1は、分割領域Bの端部であり、これを基準1とする。右端のサンプリング位置5は、分割領域Aの端部であり、これを基準2とする。
そして、位置1と位置5の間の3つのサンプリング位置2,3,4で、つなぎ目領域N1内の画素の表示信号をサンプリングする。なお、サンプリング位置を5つとしたのは説明を簡単にするためであり、実際のサンプリング数とは異なる。
【0056】
位置1から位置5までのサンプリング信号は、表示装置としての使用を開始してから、随時サンプリングを行って、その値を積算して、積算値(積算信号量)をメモリ27に記憶させておく。これにより信号のサンプリング位置とその位置における表示信号の累積値が判るようになる。図9(a)の例では、位置1,2,3,4,5のそれぞれの積算信号量として、t1,t0,t2,t4,t3であったとする。
【0057】
そして、基準となるライン状の信号サンプリングの両側エリア(エリアB及びA)の劣化度(ゲイン補正値の逆数)とそこの積算信号量より、劣化傾きを求める。図9(b)は、この劣化傾きを示した図であり、横軸が積算信号量であり、縦軸が劣化状態である。この劣化傾きは、サンプリング位置1(領域B)の基準1と、サンプリング位置5(領域A)の基準2とを結ぶことで得られる。即ち、ライン状の信号サンプリングの両側エリア(領域B,A)の劣化度(ゲイン補正値の逆数)とその積算信号量より、傾斜傾きを求める。
【0058】
例えば、位置3の積算信号量はt2であり、図9(b)に示すように、位置3の劣化量は、[劣化度=劣化傾き×積算信号量]となる。
劣化度の逆数がゲイン補正値になるので、これより、つなぎ目領域N1内の位置3のゲイン補正値を求めることが出来る。他のつなぎ目領域N2,N3,N4についても、同様に処理される。
【0059】
図9は、つなぎ目領域での処理の原理を示したものであり、本実施の形態においては、図10に示したサンプリングラインを設定する。
即ち、図10に示すように、分割領域Aと左側の分割領域Bとの間に、3本のサンプリングラインSL11,SL12,SL13を設定する。また、分割領域Aと右側の分割領域Bとの間に、3箇所のサンプリングラインSR11,SR12,SR13を設定する。また、分割領域Aと上側の分割領域Cの間に、3箇所のサンプリングラインST11,ST12,ST13を設定する。また、分割領域Aと下側の分割領域Cの間に、3箇所のサンプリングラインSB11,SB12,SB13を設定する。
それぞれの位置での3箇所のサンプリングラインは、図10に示したように、該当するつなぎ目領域の一方の端の近傍、ほぼ中央、他方の端の近傍に設定する。
【0060】
そして、それぞれのつなぎ目領域ごとに設定した3箇所のサンプリングラインは、サンプリングを行うごとに、いずれかのラインで行うように、サンプリング位置を変更する。
例えば、分割領域Aと左側の分割領域Bとの間のサンプリングラインSL11,SL12,SL13については、サンプリングごとに、サンプリング毎に位置をST11→ST12→ST13→ST11と変更する。同様に他の領域の信号も位置を順に変更する。
【0061】
図10に示した画素数で各領域を設定したとき、各サンプリングラインのサンプリング位置(画素のアドレス位置)は、例えば次の[数1]の条件で設定する。
【0062】
【数1】
【0063】
このようにして決まるアドレス位置にて、次の[数2]に示すように、3つの色(赤r、緑g、青b)の画素の信号のサンプリングを行う。
【0064】
【数2】
【0065】
図11は、つなぎ目のサンプリングラインの各サンプリング位置の例を示した図である。
図11の上側は、つなぎ目のサンプリングラインSL11〜Sl13の例を示し、この例では、これらのサンプリングラインは、サンプリング位置0からサンプリング位置43までの44個のサンプリング信号で構成されている。各サンプリング位置の下側に示したパネル画素座標が、図10に示した画素位置である。
サンプリング位置0からサンプリング位置9までは、領域Bの端部の画素をサンプリングしてある。サンプリング位置36からサンプリング位置43までは、領域Aの端部の画素をサンプリングしてある。
【0066】
サンプリング位置10からサンプリング位置35までは、不均一にサンプリング位置を設定してある。これは、表示される可能性のあるラスターサイズの画像領域と無表示領域との境界部が存在する可能性がある画素を重点的に選んでいるためである。
具体的には、画素位置26から画素位置35までの間で、サンプリング位置5からサンプリング位置14まで連続して設定し、そのサンプリング位置で、ラスターサイズ(15:9)及び(1.66:1)の境界部近傍での状態を検出している。
また、画素位置15から画素位置22までの間で、サンプリング位置56からサンプリング位置63まで連続して設定し、そのサンプリング位置で、ラスターサイズ(14:9)の境界部近傍での状態を検出している。
また、画素位置86から画素位置93までの間で、サンプリング位置23からサンプリング位置30まで連続して設定し、そのサンプリング位置で、ラスターサイズ(13:9)の境界部近傍での状態を検出している。
また、画素位置116から画素位置123までの間で、サンプリング位置31からサンプリング位置38まで連続して設定し、そのサンプリング位置で、ラスターサイズ(4:3)の境界部近傍での状態を検出している。
画素位置9〜13のサンプリング(サンプリング位置0〜4)は、領域Bの基準信号を得るためのサンプリングである。画素位置138〜142のサンプリング(サンプリング位置39〜43)は、領域Aの基準信号を得るためのサンプリングである。
【0067】
これらのつなぎ目サンプリング信号は、図11の下側に示したつなぎ目補正信号座標に変換される。このつなぎ目補正信号は、サンプリングされていない画素の信号についても生成させてある。
具体的には、例えば画素位置35と画素位置56ではサンプリング信号が存在するが、その間の画素位置36から画素位置55まではサンプリング信号が存在しない。ここで、画素位置36のサンプリング信号と画素位置55のサンプリング信号との平均から、このサンプリング信号が存在しない位置の補正信号(14として示す信号)を生成させる。
同様にして、つなぎ目領域N1内の全ての画素について、補正信号を生成させる。
【0068】
得られた補正信号を使って、つなぎ目領域N1内の各画素のゲイン補正処理を行う。得られた補正信号は、図11に示すようにサンプリングラインに沿って得られた信号であるが、そのサンプリングラインと直交する方向の各画素に、同じ補正を適用する。
【0069】
このように、つなぎ目領域の補正処理を行うことで、ダミー画素から直接劣化状況を検出していない領域で、メモリに記憶させた表示状態の累積値から、適正な補正が行え、どのラスターサイズの画像を表示させた場合でも適正な補正が可能になる。
本実施の形態においては、図11に示したように、サンプリングライン内のサンプリング位置を、表示される可能性が高いラスターサイズに対応した位置としてあり、比較的少ないサンプリング数のデータの累積でよく、メモリ容量を削減できる。
【0070】
[6.変形例]
各図に示した分割領域やつなぎ目領域の配置状態や、つなぎ目領域内のサンプリング位置、サンプリング数などは、好適な一例を示したものであり、本発明は、これらの例に限定されるものではない。
また、上述した実施の形態では、分割領域として、図6に示したように、領域A,B,C,Dの4つの領域を設定して、それぞれにダミー画素を設けるようにしたが、四隅の領域Dについては、ダミー画素を省略してもよい。この四隅の領域Dの画素の状態については、領域Bの状態と領域Cの状態から推定が可能であり、実際にダミー画素を使って測定しないで、補正するようにしてもよい。
【0071】
また、つなぎ目領域内のサンプリングラインについても、図10に示したように3箇所のサンプリングラインとして、その3箇所のサンプリングラインを順に変化させたが、1箇所のサンプリングラインとして処理構成を簡略化してもよい。あるいは、3箇所のサンプリングラインでのサンプリングを同時に行って、サンプリング精度を高くするようにしてもよい。
【0072】
また、画像表示パネルについては、有機ELパネルを使用した例としたが、画素の自発光により劣化が生じるパネルであれば、他の方式の画像表示パネルに適用してもよい。パネルの画素数についても、上述した実施の形態は一例であり、他の画素数のパネルに適用できることは勿論である。
【符号の説明】
【0073】
11…画像信号入力端子、12…同期分離部、13…内部信号生成部、14…セレクタ、15…リニアガンマ処理部、16…色度/色域変換部、17…つなぎ目補正部、18…ダミー画素表示処理部、19…色温度補正部、20…パネルガンマ処理部、21…色温度補正部、22…出力部、23…タイミング発生部、24…電源制御部、25…同期処理部、26…CPU、27…メモリ、28…温度センサ、29…光センサ、30…画像表示パネル、171…ライン信号サンプリング部、172…加速度演算及び履歴加算部、173…正規化計算部、181…エリア信号サンプリング部、182…ダミー表示基準信号生成部、183…ダミー信号切換え部、184…加算器、191…ゲイン補正計算部、192…乗算器、211…バイアス補正計算部、212…加算器、261…輝度補正シーケンス制御部、262…光センサ信号処理部、263…温度センサ信号処理部、264…光センサ信号温度補正部、265…エリアバイアス補正値演算部、266…エリアゲイン補正値演算部、267…インターフェース部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示領域と、その画像表示領域とは別のダミー画素領域とを有する表示パネルと、
前記表示パネルのダミー画素領域の発光輝度を検出する光センサと、
前記表示パネル上の画像表示領域を複数の分割領域に分割し、各分割領域内の1つ又は複数の画素の発光状態と同じ発光状態を、前記ダミー画素領域内の画素で実行させると共に、前記光センサで検出されたダミー画素領域の発光輝度に基づいて、前記各分割領域内の画素の輝度又は色度の補正を行う制御部とを備えた
画像表示装置。
【請求項2】
前記表示パネルの分割領域の設定は、画像表示領域で表示される画像のアスペクト比が、画像表示領域のアスペクト比と違うことにより生じる、発光しない領域に対応して設定する
請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記表示パネルの分割領域として、その領域内の画素の駆動状態に対応した発光を行うダミー画素を有さない分割領域を設定し、
前記ダミー画素を有さない分割領域内の特定の画素の発光履歴を積算して記憶する記憶部を設け、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された発光履歴から、ダミー画素を有さない分割領域内の画素の発光輝度又は色度を補正する
請求項2記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記ダミー画素を有さない分割領域は、対応したダミー画素を有する複数の分割領域に挟まれる位置に設定し、
前記ダミー画素を有さない分割領域内の画素の発光輝度の補正は、隣接した分割領域のダミー画素の発光輝度と、前記記憶部に記憶された発光輝度の積算値を使って補正する
請求項3記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記発光履歴を積算して記憶する特定の画素は、前記ダミー画素を有さない分割領域内に、直線状に画素が複数並んだサンプリングラインから選んだ画素である
請求項4記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記直線状に画素が複数並んだサンプリングラインの位置を複数設定して、その複数のサンプリングラインを交互に選んでサンプリングして積算する
請求項5記載の画像表示装置。
【請求項7】
さらに温度センサを備え、前記制御部は、前記温度センサで検出した温度に基づいた画素の輝度補正を行う
請求項1から6のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項8】
画像表示領域とは別のダミー画素領域とを有する表示パネルの前記ダミー画素領域の発光輝度を検出し、
前記表示パネル上の画像表示領域を複数の分割領域に分割し、各分割領域内の1つ又は複数の画素の発光状態と同じ発光状態を、前記ダミー画素領域内の画素で実行させ、
前記光センサで検出されたダミー画素領域の発光輝度に基づいて、前記各分割領域内の画素の輝度又は色度の補正を行う
画像表示方法。
【請求項1】
画像表示領域と、その画像表示領域とは別のダミー画素領域とを有する表示パネルと、
前記表示パネルのダミー画素領域の発光輝度を検出する光センサと、
前記表示パネル上の画像表示領域を複数の分割領域に分割し、各分割領域内の1つ又は複数の画素の発光状態と同じ発光状態を、前記ダミー画素領域内の画素で実行させると共に、前記光センサで検出されたダミー画素領域の発光輝度に基づいて、前記各分割領域内の画素の輝度又は色度の補正を行う制御部とを備えた
画像表示装置。
【請求項2】
前記表示パネルの分割領域の設定は、画像表示領域で表示される画像のアスペクト比が、画像表示領域のアスペクト比と違うことにより生じる、発光しない領域に対応して設定する
請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記表示パネルの分割領域として、その領域内の画素の駆動状態に対応した発光を行うダミー画素を有さない分割領域を設定し、
前記ダミー画素を有さない分割領域内の特定の画素の発光履歴を積算して記憶する記憶部を設け、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された発光履歴から、ダミー画素を有さない分割領域内の画素の発光輝度又は色度を補正する
請求項2記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記ダミー画素を有さない分割領域は、対応したダミー画素を有する複数の分割領域に挟まれる位置に設定し、
前記ダミー画素を有さない分割領域内の画素の発光輝度の補正は、隣接した分割領域のダミー画素の発光輝度と、前記記憶部に記憶された発光輝度の積算値を使って補正する
請求項3記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記発光履歴を積算して記憶する特定の画素は、前記ダミー画素を有さない分割領域内に、直線状に画素が複数並んだサンプリングラインから選んだ画素である
請求項4記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記直線状に画素が複数並んだサンプリングラインの位置を複数設定して、その複数のサンプリングラインを交互に選んでサンプリングして積算する
請求項5記載の画像表示装置。
【請求項7】
さらに温度センサを備え、前記制御部は、前記温度センサで検出した温度に基づいた画素の輝度補正を行う
請求項1から6のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項8】
画像表示領域とは別のダミー画素領域とを有する表示パネルの前記ダミー画素領域の発光輝度を検出し、
前記表示パネル上の画像表示領域を複数の分割領域に分割し、各分割領域内の1つ又は複数の画素の発光状態と同じ発光状態を、前記ダミー画素領域内の画素で実行させ、
前記光センサで検出されたダミー画素領域の発光輝度に基づいて、前記各分割領域内の画素の輝度又は色度の補正を行う
画像表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−221305(P2011−221305A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−90815(P2010−90815)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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