説明

画像表示装置

【課題】LEDをバックライトの光源とするものであって、LEDをチャンネルごとに容易に取替えることが可能となる、画像表示装置を提供する。
【解決手段】ディスプレイが設けられた本体と、前記本体に着脱自在となっており、各々にLEDが設けられた複数個のLEDモジュールが取付けられるバックライトユニットと、を備え、前記LEDが発する光をバックライトとして、前記ディスプレイに画像を表示する画像表示装置であって、前記複数個のLEDモジュールの各々は、前記LEDの発光輝度の制御単位となるチャンネルが別個に割当てられており、互いに独立して取替自在となっている画像表示装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDをバックライトの光源とした画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置のように、バックライトを用いてディスプレイに画像を表示する画像表示装置が広く利用されている。また近年では、LED[Light Emitting Diode]をバックライトの光源とした画像表示装置も開発されている。LEDを利用することにより、バックライトの長寿命化や消費電力の低減などが実現される。
【0003】
特許文献1には、バックライトの光源としてLEDを採用した液晶表示装置が開示されている。また当該液晶表示装置においては、各LEDは光源ユニットに設けられており、更にこの光源ユニットは交換可能となっている。これにより、LEDに故障や劣化等の不具合が生じても、光源ユニットを取替えて(新しいものに交換して)、当該不具合を解消させることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−009787号公報
【特許文献2】特開2007−183560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで先述した光源ユニットに複数個のLEDが配置されている場合、そのうちの一部にだけ不具合が生じることがある。この場合、LEDを光源ユニットの単位でしか取替えることが出来ない場合は、不具合のあるLEDを取替えるにあたって、正常なLEDまで無駄に取替えられることとなってしまう。
【0006】
またローカルディミングを行うモデルのように、バックライトの発光輝度がチャンネル(発光輝度の制御単位)ごとに調整される場合には、LEDの使用履歴はチャンネルによって差が生じる。このような事情から、多くの場合、LEDにおける劣化や故障などの不具合は、チャンネルごとに発生し易くなる。そのためLEDは、チャンネルごとに容易に取替え可能であることが望ましい。
【0007】
本発明は上述した問題に鑑み、LEDをバックライトの光源とするものであって、LEDをチャンネルごとに容易に取替えることが可能となる、画像表示装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像表示装置は、ディスプレイが設けられた本体と、前記本体に着脱自在となっており、各々にLEDが設けられた複数個のLEDモジュールが取付けられるバックライトユニットと、を備え、前記LEDが発する光をバックライトとして、前記ディスプレイに画像を表示する画像表示装置であって、前記複数個のLEDモジュールの各々は、前記LEDの発光輝度の制御単位となるチャンネルが別個に割当てられており、互いに独立して取替自在となっている構成とする。
【0009】
本構成によれば、LEDモジュールの取替により、LEDをチャンネルごとに取替えることが可能となる。そのため、LEDをチャンネルごとに取替えることが容易となる。なおここでのLEDは、単数のLEDに限られるものではなく、例えば、複数個のLEDが直列接続されたものをも含む概念である。
【0010】
また上記構成としてより具体的には、前記複数個のLEDモジュールは、前記バックライトユニットに取付けられたときに一体化して、バックライト回路部を形成するものであり、前記バックライト回路部は、前記LEDの各々の一端を前記本体に接続させる第1ラインと、前記LEDモジュールごとに設けられており、それぞれが、対応する該LEDモジュールに設けられたLEDの他端を前記本体に接続させる第2ラインと、を形成しており、前記本体は、前記第1ラインおよび第2ラインを用いて、前記LEDの各々に電流を流す一方、前記第2ラインごとに前記電流の大きさを制御することにより、前記LEDの発光輝度を制御する構成としてもよい。
【0011】
また上記構成としてより具体的には、前記LEDモジュールの各々を、前記ディスプレイの表示面における各エリアに対応して配置させ、前記エリアごとにバックライトの明るさが調整される、ローカルディミングが実現されるようにした構成としてもよい。
【0012】
また上記構成としてより具体的には、前記ディスプレイの後側に導光板を備え、前記バックライトユニットは、N個(2≦N)の前記LEDモジュールが、前記導光板の縁に沿って列を形成するように取付けられるものであり、前記導光板とともに、エッジライト方式のバックライトを形成する構成としてもよい。
【0013】
また上記構成としてより具体的には、前記LEDモジュールの各々は、前記LEDの複数個が設けられており、該複数個のLEDは、該LEDモジュールの並ぶ方向と略同一方向に並べられ、互いに直列接続されている構成としてもよい。
【0014】
また、LEDと、該LEDの一端に接続された第1サブラインと、互いに独立した1番目からN番目までの第2サブラインと、を有した共通のベース部品を用いて、前記LEDモジュールの各々が形成される、上記構成の画像表示装置において、前記ベース部品は、隣り合う他のベース部品との間で、第1サブライン同士および1番目からN番目までの第2サブライン同士がそれぞれ接続するように構成されており、前記LEDの他端を前記第2サブラインのうちのK番目(1≦K≦N)のみに接続させる処理が加えられることで、前記列のK番目に配置された前記LEDモジュールを形成するものであり、前記第1ラインは、前記第1サブライン同士が連結することにより形成され、前記第2ラインは、前記第2サブライン同士が連結することにより形成される構成としてもよい。
【発明の効果】
【0015】
上述した通り、本発明に係る画像表示装置によれば、LEDモジュールの取替により、LEDをチャンネルごとに取替えることが可能となる。そのため、LEDをチャンネルごとに取替えることが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る画像表示装置の外観図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像表示装置の断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像表示装置における、主な動作に関わる体系の説明図である。
【図4】本発明の実施形態に係るバックライトユニットの外観図である。
【図5】本発明の実施形態に係るライトバーの接続形態に関する説明図である。
【図6】バックライトユニットが着脱自在である様子に関する説明図である。
【図7】本発明の実施形態に係る画像表示装置の、別の外観図である。
【図8】バックライトユニットが着脱自在である様子に関する、別の説明図である。
【図9】ライトバー4aの回路構成に関する説明図である。
【図10】ライトバー4bの回路構成に関する説明図である。
【図11】ライトバー4cの回路構成に関する説明図である。
【図12】バックライト回路の回路構成に関する説明図である。
【図13】ライトバーのベース部品に関する説明図である。
【図14】本体とバックライトユニットの接続に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態について、画像表示装置を挙げて以下に説明する。
【0018】
[画像表示装置の全体構成等について]
図1は、当該画像表示装置1を前側から見た外観図である。本図に示すように画像表示装置1は、略直方体に形成されている筐体11を有している。筐体11の前面には、前方に向けて画像を表示するように、液晶パネル12(ディスプレイ)が設けられている。
【0019】
液晶パネル12は、平面視矩形状をなしており、一対のガラス基板が所定のギャップを隔てた状態で貼り合わせられるとともに、両ガラス基板間に液晶が封入された構成とされている。液晶パネル12は、例えば筐体11に設けられたベゼルによって固定されている。
【0020】
また一方のガラス基板には、互いに直交するソース配線とゲート配線とに接続されたスイッチング素子(例えば薄膜トランジスタ)と、そのスイッチング素子に接続された画素電極、さらには配向膜等が設けられ、他方のガラス基板には、RGB(赤・緑・青)等の各着色部が所定配列で配置されたカラーフィルタや共通電極、さらには配向膜等が設けられている。また両基板の外側には、さらに偏光板が配されている。
【0021】
液晶パネル12の各画素においては、スイッチング素子の制御を通じて、バックライトの透過度合が調整されることになる。また液晶パネル12には、例えば、ハイビジョン用の1920×1080ドットのカラー画素が形成されるが、画素の数や種類などについては他の態様であっても構わない。
【0022】
また筐体11の内部には、バックライトユニットや、導光板などの光学部材が設けられている。導光板は液晶パネル12の後側に、液晶パネル12の表示面に平行となるように配置されている。
【0023】
図2は、導光板に平行な面で切断した場合の画像表示装置1の断面図である。本図に示すように当該導光板15は、液晶パネル12とほぼ同等のサイズに形成されており、筐体11に固定されている。画像の表示方向に見て、液晶パネル12の表示面と導光板15は、互いに重なり合っている。そして導光板15の上下の縁の近傍には、それぞれにライトバー4の取付けられた4個のバックライトユニット(2a〜2d、以下、「バックライトユニット2」と総称することがある)が配置されている。
【0024】
図2に示すように、バックライトユニット2aは導光板15の左上側に、バックライトユニット2bは導光板15の右上側に、バックライトユニット2cは導光板15の左下側に、バックライトユニット2dは導光板15の右下側に、それぞれ配置されている。
【0025】
なお各バックライトユニット2は、本体とは別にパーツ化(カートリッジ化)されており、図8に示すように、本体(筐体11や液晶パネル12等から成る、バックライトユニット2以外の部分を指す。以下同様。)に対して着脱自在となっている。
【0026】
また各バックライトユニット2には、3個のライトバー4が、導光板15の縁に沿って列を形成するように、並べられて取付けられている。更に各ライトバー4には、バックライトの光源となる複数個のLED41が、このライトバー4の並ぶ方向と同一方向に並べられ、互いに直列接続されている。これらの点については、改めてより詳細に説明する。
【0027】
またLED41は、ライトバー4ごとに発光輝度の制御が可能となっている。すなわち画像表示装置1は、LED41の発光輝度の制御をチャンネルの単位で行うことが可能であるとともに、ライトバー4の各々に当該チャンネルが別個に割当てられている。より具体的には図2に示しているように、左上側に位置するライトバー4から順に、1から12chまでの各チャンネルが割当てられている。
【0028】
上述した構成によりバックライトユニット2は、導光板15とともにエッジライト方式(導光板方式)のバックライトを形成している。すなわちLED41が発した光は、導光板15に側面(上面または下面)から入射し、表面反射を繰り返して、導光板15の表面(液晶パネル12に対向する面)から放出されることで、液晶パネル12に届けられる。
【0029】
ここで導光板15は、光が入射したときに、その光が、その入射位置に近い箇所から多く放出されるように形成されている。そのため図2に示すように、導光板15をA1からA12までの12個のエリアに分割すると、それぞれのエリアが、互いに異なる一のチャンネルに対応している。
【0030】
より具体的には、An(nは1〜12の各々とする)のエリアは、nchに対応している。そして各エリアの明るさ(放出される光の量)は、対応するチャンネルにおける制御の影響を、強く受けるようになっている。例えば、3chにおいて、発光輝度がより低くなるように制御されると、主にA3のエリアがより暗くなる。画像表示装置1は、このことを利用し、バックライトのローカルディミングを実現するようになっている。
【0031】
すなわち画像表示装置1においては、ライトバー4の各々が、液晶パネル12の表示面における各エリア(A1からA12のエリアの各々の正面部分)に対応して配置されている。そして画像表示装置1は、ライトバー4ごとにLED41の発光輝度を制御することで、液晶パネル12の表示面におけるエリアごとに、バックライトの明るさを調整するようになっている。
【0032】
図3は、画像表示装置1の主な動作に関わる体系を表している。本図に示すように画像表示装置1には、上述したものの他、画像処理回路71、液晶パネルドライバ72、およびバックライトドライバ73などが備えられている。これらは、例えば基板に搭載された状態で、筐体11の内部に備えられている。
【0033】
画像処理回路71は、所定の手段(例えば放送信号の受信)によって画像(動画または静止画)の情報を取得する。そして画像処理回路71はこの情報に基づいて、画像が適切に表示されるように、液晶パネル用信号およびバックライト用信号を生成する。なお液晶パネル用信号は、液晶パネル12の各画素に対するバックライトの透過度合を特定する情報を含み、液晶パネルドライバ72に送出される。またバックライト用信号は、各チャンネルに対する発光輝度を特定する情報を含み、バックライトドライバ73に送出される。
【0034】
ここで画像処理回路71は、バックライトについてのローカルディミングが実現されるように、これらの信号を生成する。すなわち画像処理回路71は、画像中の暗い部分に対応するチャンネルについては、バックライトの明るさ(LED41の発光輝度)が低くなるように、バックライト用信号を生成する。また画像処理回路71は、バックライトが暗くされた分の画像の明るさの変動を補正するように、液晶パネル用信号を生成する。なお、エッジライト方式のバックライトにおけるローカルディミングの手法自体については、既に知られているため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0035】
液晶パネルドライバ72は、受取った液晶パネル用信号に基づいて、液晶パネル12におけるバックライトの透過度合を画素ごとに調整する。またバックライトドライバ73は、受取ったバックライト用信号に基づいて、LED41の発光輝度をチャンネルごとに調整する。これらの動作がなされることにより、液晶パネル12の表示面に画像が表示される。
【0036】
[バックライトユニットの形態等について]
次にバックライトユニット2の形態について、より詳細に説明する。図4は、バックライトユニット2の外観図である。なお図4は、画像表示装置1の左下側に配置されるバックライトユニット2cの形状を代表的に示しており、他のバックライトユニットの形状は、その配置位置に応じて図4に示すものと対称の形状になっている。
【0037】
つまり左上側に配置されるバックライトユニット2aの形状は、バックライトユニット2cとの関係では、水平面に対称の形状となっている。またバックライトユニット2bおよびバックライトユニット2dの形状は、それぞれ、バックライトユニット2aおよびバックライトユニット2cとの関係では、垂直面に対称の形状となっている。
【0038】
図4に示すようにバックライトユニット2は、概ね直方体に形成された放熱板21を有しており、その長手方向の一端面に固定板22が、当該端面と平行になるように設けられている。固定板22には、本体へのねじ止めを可能とするための貫通穴23が設けられている。
【0039】
そして放熱板21には、3種類のライトバー4(ライトバー4a〜4cの総称)が、ねじ24を用いて取付けられている。より具体的には、ライトバー4a(1番目のライトバー)、ライトバー4b(2番目のライトバー)、およびライトバー4c(3番目のライトバー)が、固定板22の設けられていない端面側から順に、放熱板21の長手方向に並ぶように取付けられている。また各ライトバー4は、それを固定しているねじ24を緩めて、他のライトバー4とは独立して取替自在(新しいものに自在に取替えることが可能)となっている。
【0040】
各ライトバー4は、同じサイズの略直方体に形成されており、その長手方向に並ぶように4個のLED41が設けられている。なお各ライトバー4は、その長手方向が、放熱板21の長手方向に一致するように、放熱板21へ取付けられるものとなっている。これにより、ライトバー4の並ぶ方向およびLED41の並ぶ方向は、導光板15の上下の縁に沿う方向と一致する。
【0041】
また各ライトバー4には、他のライトバー4等との電気的接続に用いられるコネクタ42(コネクタ42a〜42eの総称)が、その長手方向の端面側に設けられている。より具体的には、図5に示すように、ライトバー4aの一端側にはコネクタ42aが、ライトバー4bの一端側にはコネクタ42bが、ライトバー4bの他端側にはコネクタ42cが、ライトバー4cの一端側にはコネクタ42dが、ライトバー4cの他端側にはコネクタ42eが、それぞれ設けられている。
【0042】
そして図5に示すように、ライトバー4aとライトバー4bが放熱板21へ取付けられた状態(位置決めされた状態)では、コネクタ42aがコネクタ42bへ接続されるようになっている。また同様に、ライトバー4bとライトバー4cが放熱板21へ取付けられた状態では、コネクタ42cがコネクタ42dへ接続されるようになっている。
【0043】
なお先述したバックライトドライバ73には、それぞれの(4個の)バックライトユニット2に対応して、4個のコネクタ13が備えられている。コネクタ42eは、そのバックライトユニット2に対応しているコネクタ13へ、例えば手作業によって接続可能となっている。この接続により、バックライトドライバ73は、各バックライトユニット2への電力供給が可能となる。
【0044】
図6は、各バックライトユニット2が本体に対し着脱自在である様子を表している。また図7は、バックライトユニット2が装着された状態(図の左側)および取り外された状態(図の右側)における、画像表示装置1の外観図(主に右側面を示す)を表している。これらの図に示すように、筐体11の左右側面には、各バックライトユニット2が挿入される開口部11aが設けられている。
【0045】
より具体的には、筐体11の左側面の上側および下側には、それぞれ、バックライトユニット2aおよびバックライトユニット2cが挿入される開口部11aが設けられている。また筐体11の右側面の上側および下側には、それぞれ、バックライトユニット2bおよびバックライトユニット2dが挿入される開口部11aが設けられている。
【0046】
また各開口部11aの近傍には、貫通穴23に対応する位置にねじ穴11bが設けられている。バックライトユニット2は通常、貫通穴23とねじ穴を利用して、本体へねじ止めされている。また筐体11の内部には、各開口部11aから導光板15の上下の縁に沿う方向へ伸びるように、ガイドレール11cが設けられている。各バックライトユニット2は、ガイドレール11cに沿ってスライドさせ、図6の矢印に示す向きに出し入れすることが可能となっている。また各開口部11aでは、コネクタ13を引出すことが可能となっており、手作業によってコネクタ42eをコネクタ13に接続させたり切り離したりすることが容易となっている。
【0047】
また図8は、各バックライトユニット2が本体に対し着脱自在である様子を、図2と同様の断面図として表している。本図に示すように、各バックライトユニット2は、LED41が導光板15に向いた状態を保ちながら、左右方向にスライドさせることが出来る。全てのバックライトユニット2が最も奥まで挿入されて本体に装着された状態、すなわち図2に示す状態では、導光板15の上面は1〜6chのライトバー4に、導光板15の下面は7〜12chのライトバー4に、それぞれ対面することとなる。
【0048】
なお図8に示すように、導光板15の左右両端には凹状部15aが設けられており、筐体11に設けられた凸状部11dが、凹状部15aに嵌め込まれている。これにより導光板15は、筐体11にしっかりと固定されており、仮に全てのバックライトユニット2が取り外されても動かないようになっている。
【0049】
また図2および図4から明らかなように、バックライトユニット2aに取付けられたライトバー4c、4b、および4aは、それぞれ、1ch、2ch、および3chに対応している。またバックライトユニット2bに取付けられたライトバー4a、4b、および4cは、それぞれ、4ch、5ch、および6chに対応している。またバックライトユニット2cに取付けられたライトバー4c、4b、および4aは、それぞれ、7ch、8ch、および9chに対応している。またバックライトユニット2dに取付けられたライトバー4a、4b、および4cは、それぞれ、10ch、11ch、および12chに対応している。
【0050】
次に、各種のライトバー4が有する回路の構成について、図9〜図11を参照しながら以下に説明する。なお本願では説明を簡潔とするため、完成された回路の一部(閉じていない場合も含む)についても、「回路」と称する場合がある。
【0051】
図9は、ライトバー4aの回路構成を示している。ライトバー4aには、4個のLED41が直列に接続されて形成されたLED回路部48aが設けられている。そしてライトバー4aには、LED回路部48aの一端(正極側)をコネクタ42aに結びつけるライン43a、および、LED回路部48aの他端(負極側)をコネクタ42aに結びつけるライン45aが、それぞれ設けられている。
【0052】
図10は、ライトバー4bの回路構成を示している。ライトバー4bには、4個のLED41が直列に接続されて形成されたLED回路部48bが設けられている。そしてライトバー4bには、LED回路部48bの一端(正極側)をコネクタ42bとコネクタ42cに結びつけるライン43b、および、LED回路部48bの他端(負極側)をコネクタ42cに結びつけるライン46aが、それぞれ設けられている。
【0053】
またライトバー4bには、コネクタ42bをコネクタ42cに結びつけるライン45bが、設けられている。そしてコネクタ42aがコネクタ42bに接続されたとき、ライン43aはライン43bに、ライン45aはライン45bに、それぞれ接続されるようになっている。
【0054】
図11は、ライトバー4cの回路構成を示している。ライトバー4cには、4個のLED41が直列に接続されて形成されたLED回路部48cが設けられている。そしてライトバー4cには、LED回路部48cの一端(正極側)をコネクタ42dとコネクタ42eに結びつけるライン43c、および、LED回路部48cの他端(負極側)をコネクタ42eに結びつけるライン47aが、それぞれ設けられている。
【0055】
またライトバー4cには、コネクタ42dをコネクタ42eに結びつけるラインとして、ライン45cおよびライン46bが設けられている。そしてコネクタ42cがコネクタ42dに接続されたとき、ライン43bはライン43cに、ライン45bはライン45cに、ライン46aはライン46bに、それぞれ接続されるようになっている。またコネクタ42eが本体側のコネクタ13に接続されたとき、ライン43c、ライン45c、ライン46b、およびライン47aの各々は、バックライトドライバ73に接続される。
【0056】
図12は、各ライトバー4を接続させた状態(つまり図4に示すように、バックライトユニット2を完成させた状態)において形成されるバックライト回路の構成を示している。本図に示すように各ライトバー4は、バックライトユニット2に取付けられたときに一体化して、バックライト回路を形成する。バックライト回路においては、ライン43a、ライン43b、およびライン43cが一体化して、各LED回路部(48a〜48c)の正極側をバックライトドライバ73(本体側)に接続するための、電源ライン43が形成される。
【0057】
またライン45a、ライン45b、およびライン45cが一体化して、LED回路部48aの負極側をバックライトドライバ73に接続するための、フィードバックライン45が形成される。またライン46aおよびライン46bが一体化して、LED回路部48bの負極側をバックライトドライバ73に接続するための、フィードバックライン46が形成される。またライン47aは、LED回路部48cの負極側をバックライトドライバ73に接続するための、フィードバックライン47を形成する。
【0058】
一方、バックライトドライバ73には、各バックライトユニット2における電源ライン43および各フィードバックライン(45〜47)が、それぞれ接続されることになる。なお、バックライトドライバ73に接続される12本のフィードバックラインの各々は、先述した1〜12chのチャンネルに対応している。
【0059】
そこでバックライトドライバ73は、各電源ライン43に所定の電圧Vcc(例えば18〜25Vの範囲における一定電圧)を印加し、電源ライン43およびフィードバックライン(45〜47)を用いてLED41の各々に電流を流す。そしてバックライトドライバ73は、バックライト用信号に応じて、フィードバックラインごとに電流の大きさを制御する。これにより、チャンネルごとにバックライトの明るさ(LED41の発光輝度)が制御され、ローカルディミングが実現される。
【0060】
[ライトバーの取替作業について]
ところで画像表示装置1においては、例えば長期に亘る使用によって、一部または全部のLED41が劣化したり、故障したりする可能性がある。またローカルディミングが長期に亘って行われることで、異なるチャンネル同士でLED41の劣化度合に差が生じ、バックライトの明るさに差が生じる可能性もある。
【0061】
しかし画像表示装置1によれば、このような不具合が発生しても、ライトバー4の取替作業を通じて、これを修復することが可能となっている。また、画像の一部分にだけ明るさの異常がある場合、すなわち、その部分に対応したチャンネルのLED41にだけ不具合があると考えられる場合には、そのチャンネルのライトバー4のみを取替えることで、LED41の無駄な取替(正常なLEDの取替)を抑えることが可能となっている。
【0062】
ライトバーの取替作業は、例えば次のような手順で行われる。先ず、取替対象のライトバー4が取付けられているバックライトユニット2について、ねじ3が緩められ、当該バックライトユニット2が本体から引出される。なおこのとき、コネクタ42eをコネクタ13から切り離すことで、引出しをよりスムーズに行うことが可能となる。ここまでの段階で、取替対象のライトバー4が露出した状態となる。
【0063】
次に、取替対象のライトバー4について、ねじ24が緩められ、当該ライトバー4が放熱板21から取り外される。そしてこれと同じ仕様の新たなライトバー4が、ねじ24を用いてその位置に取付けられる。その後、コネクタ42eがコネクタ13に接続されるとともに、バックライトユニット2が本体に挿入され、ねじ3が締められることによって取替作業が完了する。
【0064】
[ライトバーのベース部品について]
これまでに説明した通り、同じバックライトユニット2に取付けられるライトバー4には3種類(4a〜4c)があり、図9〜図11に示したように、それぞれ回路構成が異なっている。しかしライトバー4の製造効率を考慮すれば、製造工程は出来るだけ共通化されることが望ましい。例えば、何れの種類にも共通となるベース部品(ライトバー4の未完成品)が製造されるようにし、当該ベース部品を基にして、各種のライトバー4(或いは、これらと同等の機能をもつ部品)が形成されることが望ましい。
【0065】
このようなベース部品について、製造効率を重視したものの具体例を挙げて、以下に説明する。図13は、当該ベース部品5の構成を示している。ベース部品5は、各ライトバー4と同じサイズの略直方体に形成されており、その長手方向に並ぶように4個のLED51(LED41と同じもの)が設けられている。これらのLED51は直列に接続され、LED回路部58を形成している。
【0066】
またベース部品5には、他のライトバー4等との電気的接続に用いられるコネクタ(52a、52b)が、その長手方向の端面側に設けられている。より具体的には、ベース部品5の一端側にはコネクタ52aが、ベース部品5の他端側にはコネクタ52bが、それぞれ設けられている。
【0067】
そしてベース部品5には、LED回路部58の一端(正極側)をコネクタ52aとコネクタ52bに結びつけるライン53が設けられている。またベース部品5には、コネクタ52aをコネクタ52bに結びつけるラインとして、ライン55、ライン56、およびライン57が設けられている。
【0068】
またベース部品5には、LED回路部58の他端(負極側)を各ライン(55〜57)へ接続させるジャンパー線(59a〜59c)が設けられている。なお、ジャンパー線59aはライン55への接続に、ジャンパー線59bはライン56への接続に、ジャンパー線59cはライン57への接続に、それぞれ用いられている。また各々のジャンパー線(59a〜59c)は、切断によって当該接続の解除が可能となっている。
【0069】
またコネクタ52aとコネクタ52bは、互いに対応するように形成されている。つまりベース部品5が二つある場合、一方のベース部品5のコネクタ52aと、他方のベース部品5のコネクタ52bとは、互いに接続可能である。そしてこのようにコネクタ(52a、52b)同士が接続されると、それぞれのベース部品5における4本のライン(53、55〜57)同士が、互いに接続されるようになっている。またコネクタ52aおよびコネクタ52bは、本体側のコネクタ13にも接続可能に形成されている。
【0070】
上述した構成のベース部品5を用いれば、次のようにして、各種のライトバーと同等の部品を形成することが可能である。まずライトバー4a(図9を参照)と同等の部品は、ジャンパー線59a以外のジャンパー線(59b、59c)を切断することにより形成される。なおこの場合、コネクタ52bはコネクタ42aに、ライン53はライン43aに、ジャンパー線59aおよびライン55はライン45aに、LED回路部58はLED回路部48aに、それぞれ相当する。
【0071】
またライトバー4b(図10を参照)と同等の部品は、ジャンパー線59b以外のジャンパー線(59a、59c)を切断することにより形成される。なおこの場合、コネクタ52aはコネクタ42bに、コネクタ52bはコネクタ42cに、ライン53はライン43bに、ライン55はライン45bに、ジャンパー線59bおよびライン56はライン46aに、LED回路部58はLED回路部48bに、それぞれ相当する。
【0072】
またライトバー4c(図11を参照)と同等の部品は、ジャンパー線59c以外のジャンパー線(59a、59b)を切断することにより形成される。なおこの場合、コネクタ52aはコネクタ42dに、コネクタ52bはコネクタ42eに、ライン53はライン43cに、ライン55はライン45cに、ライン56はライン46bに、ジャンパー線59cおよびライン57はライン47aに、LED回路部58はLED回路部48cに、それぞれ相当する。
【0073】
なおジャンパー線(59a〜59c)の切断は、ライトバー4の製造工程(出荷前)の段階で行われるようにしても良く、画像表示装置1のユーザや作業者などによって、適宜行われるようにしても構わない。またLED回路部58を何れかのライン(55〜57)に選択的に接続させる手段としては、切断可能なジャンパー線を利用するものの他、各種の手段が採用され得る。
【0074】
上述したようにベース部品5は、LED51と、LED51の一端に接続されたライン53(第1サブライン)と、互いに独立したライン55(1番目の第2サブライン)、ライン56(2番目の第2サブライン)、およびライン57(3番目の第2サブライン)と、を有している。また更にベース部品5は、隣り合う他のベース部品5との間で、ライン53同士、ライン55同士、ライン56同士、およびライン57同士がそれぞれ接続するように構成されている。またベース部品5は、LED51の他端をライン(55〜57)のうちのK番目(1≦K≦3)のみに接続させる処理(ジャンパー線の切断処理)が加えられることで、K番目のライトバー4を形成するものとなっている。
【0075】
またベース部品5が利用される場合、電源ライン43は、ライン53同士が連結することにより形成される。またフィードバックライン45は、ライン55同士が連結することにより形成される。またフィードバックライン46は、ライン56同士が連結することにより形成される。またフィードバックライン47は、ライン57同士が連結することにより形成される。
【0076】
[その他]
以上に説明した通り、画像表示装置1は、液晶パネル12(ディスプレイ)が設けられた本体と、本体に着脱自在となっており、各々にLED41が設けられた3個のライトバー4(LEDモジュール)が取付けられるバックライトユニット2と、を備え、LED41が発する光をバックライトとして、液晶パネル12に画像を表示する。そして3個のライトバー4の各々は、LED41の発光輝度の制御単位となるチャンネルが別個に割当てられており、互いに独立して取替自在となっている。
【0077】
その結果、画像表示装置1によれば、ライトバー4の取替により、LED41をチャンネルごとに取替えることが可能となっている。そのためLED41を、チャンネルごとに取替えることが容易となっている。
【0078】
また本発明の実施形態としては、上述したものの他、本発明の主旨を逸脱しない限り、種々の改変を加えることが可能である。例えば、ライトバー4やLED41の個数などに関しては、様々な形態を採ることができる。また本体とバックライトユニット2との接続は、コネクタ13とコネクタ42eを用いる形態(図5を参照)に代えて、図14に示すように、コネクタ13´とコネクタ42e´を用いる形態とすることも可能である。
【0079】
なおコネクタ42e´は、コネクタ42eと同等の機能を有し、バックライトユニット2における固定板22が設けられていない側の端部に設置されている。またコネクタ13´は、コネクタ13と同等の機能を有し、筐体11の内部におけるコネクタ42e´に対応する位置に設置されている。本形態によれば、バックライトユニット2を本体に装着する(最も奥まで挿入する)ことにより、コネクタ13´にコネクタ42e´を接続させ、バックライトユニット2を本体に接続させることが可能である。
【0080】
またバックライトの形態としては、本実施形態のようなエッジライト方式に限られず、直下型方式を採用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、各種用途の画像表示装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0082】
1 画像表示装置
2、2a〜2d バックライトユニット
3 ねじ
4 ライトバー(LEDモジュール)
4a ライトバー(1番目のLEDモジュール)
4b ライトバー(2番目のLEDモジュール)
4c ライトバー(3番目のLEDモジュール)
5 ベース部品
11 筐体
11a 開口部
11b ねじ穴
11c ガイドレール
11d 凸状部
12 液晶パネル(ディスプレイ)
13 コネクタ
15 導光板
15a 凹状部
21 放熱板
22 固定板
23 貫通穴
24 ねじ
41 LED
42、42a〜42e コネクタ
43 電源ライン(第1ライン)
45〜47 フィードバックライン(第2ライン)
48 LED回路部
51 LED
52a、52b コネクタ
53 ライン(第1サブライン)
55 ライン(1番目の第2サブライン)
56 ライン(2番目の第2サブライン)
57 ライン(3番目の第2サブライン)
58 LED回路部
59a〜59c ジャンパー線
71 画像処理回路
72 液晶パネルドライバ
73 バックライトドライバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイが設けられた本体と、
前記本体に着脱自在となっており、各々にLEDが設けられた複数個のLEDモジュールが取付けられるバックライトユニットと、を備え、
前記LEDが発する光をバックライトとして、前記ディスプレイに画像を表示する画像表示装置であって、
前記複数個のLEDモジュールの各々は、
前記LEDの発光輝度の制御単位となるチャンネルが別個に割当てられており、互いに独立して取替自在となっていることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記複数個のLEDモジュールは、前記バックライトユニットに取付けられたときに一体化して、バックライト回路部を形成する請求項1に記載の画像表示装置であって、
前記バックライト回路部は、
前記LEDの各々の一端を前記本体に接続させる第1ラインと、
前記LEDモジュールごとに設けられており、それぞれが、対応する該LEDモジュールに設けられたLEDの他端を前記本体に接続させる第2ラインと、を形成しており、
前記本体は、
前記第1ラインおよび第2ラインを用いて、前記LEDの各々に電流を流す一方、
前記第2ラインごとに前記電流の大きさを制御することにより、前記LEDの発光輝度を制御することを特徴とする画像表示装置。
【請求項3】
前記LEDモジュールの各々を、前記ディスプレイの表示面における各エリアに対応して配置させ、
前記エリアごとにバックライトの明るさが調整される、ローカルディミングが実現されるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記ディスプレイの後側に導光板を備え、
前記バックライトユニットは、
N個(2≦N)の前記LEDモジュールが、前記導光板の縁に沿って列を形成するように取付けられるものであり、
前記導光板とともに、エッジライト方式のバックライトを形成することを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記LEDモジュールの各々は、
前記LEDの複数個が設けられており、
該複数個のLEDは、該LEDモジュールの並ぶ方向と略同一方向に並べられ、互いに直列接続されていることを特徴とする請求項4に記載の画像表示装置。
【請求項6】
LEDと、該LEDの一端に接続された第1サブラインと、互いに独立した1番目からN番目までの第2サブラインと、を有した共通のベース部品を用いて、前記LEDモジュールの各々が形成される請求項4または請求項5に記載の画像表示装置であって、
前記ベース部品は、
隣り合う他のベース部品との間で、第1サブライン同士および1番目からN番目までの第2サブライン同士がそれぞれ接続するように構成されており、前記LEDの他端を前記第2サブラインのうちのK番目(1≦K≦N)のみに接続させる処理が加えられることで、前記列のK番目に配置された前記LEDモジュールを形成するものであり、
前記第1ラインは、前記第1サブライン同士が連結することにより形成され、
前記第2ラインは、前記第2サブライン同士が連結することにより形成されることを特徴とする画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−113152(P2012−113152A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262618(P2010−262618)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】