説明

画像表示装置

【課題】
従来、全方位型ディスプレイ装置に画像を表示する場合、必ずしも人が見ている方向に画像が表示されていなかった。
【解決手段】
本発明では、多方向に表示面を有する表示手段と、前記表示手段の周囲の画像を撮影する撮影手段と、前記撮影手段が撮影した画像の中から予め設定された特定被写体を検出し、前記特定被写体の方向を判別する被写体方向検出手段と、前記被写体方向検出手段が検出した特定被写体の方向に基づいて、前記表示手段に表示する情報の位置を制御する表示位置制御手段とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を表示する画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子カメラで撮影した画像をディスプレイに表示して鑑賞する機会が増えている。一方で、従来の平面型のディスプレイ装置ではなく、半球状の全方位型ディスプレイ装置が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなディスプレイ装置は、全周方向から画像を見ることができるので、例えばリビングルームのテーブルの上に置いて様々な方向から写真を鑑賞するフォトフレームのような利用が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−201926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、全方位型ディスプレイ装置の一部に画像を表示する場合、必ずしも人が見ている方向に画像を表示しているとは限らず、人が移動した場合には人が居る方向に装置本体の向きを変えなければならないという問題があった。また、複数台の同様の装置を並べて使用する場合、同じ日時の画像など関連する画像を表示するには、複数台の装置に対してそれぞれ同じ日時の画像を選択して再生しなければならず、操作が面倒であった。
【0006】
本発明の目的は、鑑賞者が居る方向に適切に画像を表示でき、複数台の装置を利用する場合でも面倒な設定を行うことなく関連する画像を表示できる全周囲表示可能な画像表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像表示装置は、多方向に表示面を有する表示手段と、前記表示手段の周囲の画像を撮影する撮影手段と、前記撮影手段が撮影した画像の中から予め設定された特定被写体を検出し、前記特定被写体の方向を判別する被写体方向検出手段と、前記被写体方向検出手段が検出した特定被写体の方向に基づいて、前記表示手段に表示する情報の位置を制御する表示位置制御手段とを有することを特徴とする。
【0008】
また、装置間で情報を送受信するための通信手段を設け、前記被写体方向検出手段は、前記撮影手段で撮影した画像から自装置の周辺に配置された他装置を検出して、前記他装置の方向を判別し、自装置が画像を表示中の場合は、表示中の画像の種類と、画像の表示方向と、自装置の被写体方向検出手段が検出した他装置の方向とを前記通信手段を介して他装置に送信し、自装置が画像を表示中ではない場合は、画像再生手段は、前記通信手段を介して他装置から受信する他装置が表示中の画像の種類に関連する画像を自装置の記憶媒体に記憶された画像から選択して再生し、前記表示位置制御手段は、前記通信手段を介して他装置から受信する画像の表示方向と、前記他装置が検出した自装置の方向とに基づいて、前記画像再生手段が再生する画像を前記表示手段に表示する位置を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る画像表示装置は、鑑賞者が居る方向に適切に画像を表示でき、複数台の装置を利用する場合でも面倒な設定を行うことなく関連する画像を表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態に係る画像表示装置100の使用イメージを示す図である。
【図2】画像表示装置100の外観と内部の構造を示す図である。
【図3】画像表示装置100の構成例を示すブロック図である。
【図4】カメラ部102の撮影方向およびディスプレイ部101の表示方向を説明するための図である。
【図5】画像表示装置100の動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】鑑賞者の位置に応じて画像の表示方向を変更する例を示す図である。
【図7】第2の実施形態に係る画像表示装置100aの構成例を示すブロック図である。
【図8】画像表示装置100aの使用イメージを示す図である。
【図9】画像表示装置100a(1)と画像表示装置100a(2)を用いる場合に画像の表示方向を合わせる処理を説明するための図である。
【図10】画像表示装置100aの動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る画像表示装置の実施形態について図面を用いて詳しく説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る画像表示装置100の使用イメージを示す図である。画像表示装置100は、電子カメラで撮影された写真などをディスプレイに表示して鑑賞する電子フォトアルバムで、特に鑑賞者が装置の周りのどの位置に居ても画像を鑑賞できる全方位型のディスプレイを備えている。特に、本実施形態に係る画像表示装置100は、鑑賞者が居る方向を検出して、鑑賞者が居る方向に画像を表示することができる。
【0012】
[画像表示装置100の構成]
次に、画像表示装置100の構成について詳しく説明する。図2(a)は、図1に示した画像表示装置100の外部の構成を示す図である。図2(a)において、画像表示装置100は、全周方向に画像を表示できるディスプレイ部101と、画像表示装置100の周囲で画像を鑑賞している人を撮影するカメラ部102とを有する。そして、例えば画像表示装置100に装着されたメモリカード251に記憶された画像を読み出してディスプレイ部101に表示する。
【0013】
尚、本実施形態では、メモリカード251に記憶された画像を表示するが、無線LANにより他の装置(電子カメラ、携帯電話、パソコンなど)から受信する画像をディスプレイ部101に表示するようにしてもよいし、インターネットや携帯電話回線により遠隔地から送信される画像をディスプレイ部101に表示するようにしてもよい。また、画像表示装置100はバッテリーを内蔵し、テーブルの上などに自由に持ち運びができるようになっている。
【0014】
ディスプレイ部101は、円筒状または半球状のスクリーンを有し、内部のプロジェクターからスクリーンに画像を投影して表示する。尚、本実施形態ではプロジェクター方式を用いるが、多方向に表示面を有するように、複数の液晶モニタを画像表示装置100の周囲に配置してもよい。また、ディスプレイ部101の表面は、円筒状や球面など曲面である必要はなく、複数の画面を多角形状に組み合わせて、疑似的な円筒状や球面状にしてもよい。
【0015】
また、画像表示装置100は、図2(a)の例では、複数枚の画像(画像201a、画像201b、画像201c、画像201d)をディスプレイ部101の任意の位置に並べて表示する様子を描いてあるが、1枚の画像をパノラマ状に全周に亘って表示することもできる。また、ディスプレイ部101に表示されている画像は、静止画であってもよいし、動画であってもよい。
【0016】
カメラ部102は、PAL(Panoramic Annual Lens)を搭載し、画像表示装置100の周囲(360度の方向)の画像を撮影可能なカメラで、ディスプレイ部101の周囲に居て、ディスプレイ部101に表示された画像を鑑賞している人を撮影する。カメラ部102の頭頂部にはドーナツ状のレンズ202が配置され、画像表示装置100の周囲から入射する光はレンズ202およびミラー203を介して、カメラ部102内部の下方に配置された撮像素子151に結像される。
【0017】
図2(b)は、画像表示装置100の内部の様子を示す図である。カメラ部102において、レンズ202から入射する光は、ミラー203およびミラー204で反射され、結像光学系205を介して撮像素子151の受光面に結像される。撮像素子151は、二次元状に配列された複数の光電変換部(フォトダイオードなど)を有し、各画素において受光する光量に応じた電気信号に変換し、A/D変換後の画像データを撮影画像として出力する。
【0018】
また、図2(b)において、ディスプレイ部101は、表示部152と、投影用レンズ153と、スクリーン154とを有するプロジェクターで、表示部152に表示された画像は、投影用レンズ153を介してスクリーン154に映し出される。
【0019】
図3は、画像表示装置100の構成例を示すブロック図である。画像表示装置100は、ディスプレイ部101と、カメラ部102と、操作制御部103と、再生画像選択部104と、画像再生部105と、表示位置制御部106と、被写体方向検出部107とで構成される。尚、図2と同符号のものは同じものを示す。ここで、各ブロックと請求項に記載の各手段との対応は、ディスプレイ部101は表示手段、カメラ部102は撮影手段、被写体方向検出部107は被写体方向検出手段、再生画像選択部104と画像再生部105は画像再生手段、メモリカード251は記憶媒体、表示位置制御部106は表示位置制御手段にそれぞれ対応する。
【0020】
操作制御部103は、画像表示装置100を操作するためのマンマシンインターフェースを提供する。操作制御部103は、ディスプレイ部101の上に配置されたタッチパネル103aを有し、利用者がディスプレイ部101に指を触れることによって様々な操作を行うことができる。例えば、画像表示装置100が電源オフの状態でディスプレイ部101のタッチパネル103a上のいずれかの部分を指で触れると、操作制御部103は、電源を投入して操作メニューをディスプレイ部101に表示する。
【0021】
ここで、操作制御部103が操作メニューなどのGUIをディスプレイ部101に表示する位置は、例えば後述する被写体方向検出部107が検出する操作者の顔の方向に対応するディスプレイ部101上の位置とする。或いは、操作制御部103は、指で触れた位置をタッチパネル103aの座標から判別し、指で触れた位置に対応するディスプレイ部101上に操作メニューを表示するようにしてもよい。
【0022】
いずれの方法であっても、利用者は画像表示装置100の周囲のどの方向に居ても操作メニューを見ることができ、表示された操作メニューに従って操作を行うことができる。例えば、利用者は操作メニューに表示されている項目を指で触れて選択や設定を行うことができ、メモリカード251に記憶されている画像リストの中から再生する画像を選択したり、画像を表示する際のモード(スライドショー表示など)を設定することができる。そして、利用者がディスプレイ部101に表示されたGUIの再生ボタンを指で触れると、設定された条件に従って選択された画像の再生を開始し、ディスプレイ部101上の利用者が居る方向に再生画像を表示することができる。
【0023】
尚、画像表示装置100のハード的なメインの電源スイッチは、例えば本体の下部などに設けられているものとし、上記の例では操作制御部103はタッチパネル103aの状態を常にモニタしている待機状態にあるものとする。また、本実施形態では、タッチパネル103aを用いて画像表示装置100の操作を行うようにしたが、専用の操作パネル103bを本体に設けてもよい。この場合は、操作パネル103bに、電源ボタン、再生ボタン、メニューボタン、マルチセレクターボタンなどを設ける。例えば、利用者は、電源ボタンを押下して画像表示装置100を起動し、メニューボタンで操作メニューをディスプレイ部101に表示して、タッチパネル103aの代わりにマルチセレクターボタンで選択する。
【0024】
再生画像選択部104は、操作制御部103により、利用者が選択した再生画像をメモリカード251から読み出して画像再生部105に出力する。
【0025】
画像再生部105は、再生画像選択部104がメモリカード251から読み出した画像ファイルを再生する。例えば画像ファイルがJPEG規格による圧縮ファイルである場合は、ディスプレイ部101で表示可能なRGB形式またはYCrCb形式の画像データに変換する処理を行う。或いは、MPEG規格などによる動画ファイルである場合も同様にディスプレイ部101で表示可能な画像データに変換する。
【0026】
表示位置制御部106は、画像再生部105から出力される画像をディスプレイ部101に表示する時のディスプレイ部101上の位置を制御する。尚、この位置は、画像表示装置100における画像の表示方向に対応する。例えば図4(a)は、ディスプレイ部101上の360度の表示面を位置Aから位置Hまで8つの方向に分けて描いた図である。尚、図4(a)では、位置Aから位置Hは固定された表示位置のように描いてあるが、各表示位置は表示位置制御部106によって任意の方向(角度)に制御される。例えば、紙面右部の位置Aを0°として、位置Bは45°、位置Cは90°、位置Dは135°、位置Eは180°、位置Fは225°、位置Gは270°、位置Hは315°になっているが、位置Aを5°や10°の位置に配置してもよい。そして、表示位置制御部106は、被写体方向検出部107から出力される位置情報に応じて、画像再生部105が出力する画像を表示する位置を制御する。例えば、表示位置制御部106は、画像再生部105が出力する画像を0°の位置Aに表示したり、270°の位置Gに表示することができる。
【0027】
被写体方向検出部107は、カメラ部102が撮影した画像の中から予め設定された特定被写体を検出する。特に本実施形態では、画像表示装置100の周囲に居る人の位置を判別する。例えば人の判別は、電子カメラなどで使用されている顔検出の技術を用いて、カメラ部102で撮影した画像の中から顔を検出することにより行う。そして、検出した顔が画像表示装置100のどの方向にあるかを判別する。方向の判別は、カメラ部102の撮像素子151の受光面に結像される顔の位置により行う。例えば図4(b)は、画像表示装置100を上から見た図で、カメラ部102の撮像素子151に結像される画像の様子を描いた図である。図4(b)では、被写体方向検出部107は、撮像素子151に結像される画像の0°方向に人物の顔を検出する。そして、被写体方向検出部107は、顔を検出した位置情報を表示位置制御部106に出力する。ここで、位置情報は、例えば撮像素子151の中心に対する角度で、図4(b)の例では、角度0°である。
【0028】
また、被写体方向検出部107が検出する角度は、図4(a)で説明したディスプレイ部101に画像を表示する方向を示す角度と同じ角度座標で扱われるものとする。これは、例えば被写体方向検出部107がカメラ部102の撮像素子151の0°の方向に鑑賞者の顔を検出した場合に、表示位置制御部106がディスプレイ部101の0°の方向に画像を表示することにより、鑑賞者の居る方向に画像が表示されることを意味する。
【0029】
また、操作制御部103のタッチパネル103aについても同じ角度座標で扱われ、利用者が指で触れた部分がどの位置(方向)であるかを操作制御部103は判別できる。例えば、操作制御部103の90°の方向に位置する部分に指が触れた場合に、操作制御部103はディスプレイ部101の90°の位置に操作メニューを表示する。
【0030】
尚、被写体方向検出部107は、顔であるか否かを判別する簡単な検出処理を行ってもよいし、顔の特徴量をより詳しく認識できるようにして、特定の人物の顔を検出するようにしてもよい。この場合、被写体方向検出部107は、複数の鑑賞者が画像表示装置100の周りに居る場合でも鑑賞者毎に位置の把握を行うことができる。
【0031】
次に、本実施形態に係る画像表示装置100において、ディスプレイ部101に表示される画像の位置を鑑賞者の位置に合わせて制御する表示位置の制御処理について説明する。
【0032】
[表示位置制御処理]
図5は、メモリカード251に記憶された画像を読み出して鑑賞者の位置に合わせてディスプレイ部101に表示する処理を示すフローチャートである。尚、画像表示装置100の電源は投入されているものとする。
【0033】
(ステップS101)利用者は、操作制御部103を操作してメモリカード251に記憶されている画像の中から再生したい画像を選択する。例えば、利用者が操作制御部103のタッチパネル103aに指で触れると、操作制御部103は、表示位置制御部106に指令して、指が触れた位置のディスプレイ部101上に操作メニューを表示する。そして、利用者は、一般的な電子カメラにおける画像再生と同様に、再生したい画像を選択する。再生画像の選択方法は、例えば1枚の特定の画像だけを選択してもよいし、同じ日付や同じフォルダの全画像のように複数枚の画像を選択してもよい。
【0034】
(ステップS102)再生する画像の選択を終了したら、利用者はディスプレイ部101上に表示された再生ボタンに指を触れて再生を開始させる。そして、再生画像選択部104は、メモリカード251から選択された画像を読み出して画像再生部105に出力する。画像再生部105は、メモリカード251から読み出されたJPEG規格などの画像圧縮データを伸長処理して表示用の画像データに変換し、表示位置制御部106に出力する。
【0035】
(ステップS103)表示位置制御部106は、画像再生部105から出力される画像をディスプレイ部101に表示する。尚、複数枚の画像が選択されている場合は、スライドショーのように表示する。
【0036】
ここで、画像を表示するディスプレイ部101上の位置は、例えば操作メニューを表示した位置を初期位置とする。
【0037】
(ステップS104)被写体方向検出部107は、画像表示装置100の周囲に居る人物の顔検出を行う。そして、カメラ部102で撮影される画像の中に顔が検出された場合はステップS105に進み、顔が検出されなかった場合はステップS107に進む。
【0038】
(ステップS105)被写体方向検出部107は、図4(b)で説明したように、人物の顔がある方向を判別し、表示位置制御部106に位置情報を出力する。
【0039】
(ステップS106)表示位置制御部106は、図4(a)で説明したように、被写体方向検出部107が出力する位置情報が示す方向に画像再生部105が出力する画像を表示する。尚、前の処理で画像が表示されていた位置と異なる場合は表示する位置が変更される。
【0040】
(ステップS107)操作制御部103は、タッチパネル103aに指が触れられたか否かを判別(操作の有無を判別)する。操作が無かった場合はステップS104に戻ってステップS104からステップS107までの処理を繰り返し実行し、操作が有った場合はステップS101に戻って操作メニューをディスプレイ部101に表示し、新たな再生画像の選択を行う。尚、操作メニューから再生の終了を選択すると画像の表示を終了し、電源オフが選択されると画像表示装置100を待機状態にする。
【0041】
ここで、図5のフローチャートにおいて、例えば図4(c)に示すように、鑑賞者Zが位置A(0°の位置)から位置C(90°の位置)に移動した場合は、ステップS105で被写体方向検出部107は現在の鑑賞者Zの位置が90°の位置Aであることを判別し、ステップS106で表示位置制御部106は画像を表示するディスプレイ部101上の位置を位置Aから位置Cに変更する。これにより、鑑賞者が見る位置を変えても同じ画像を鑑賞することができる。
【0042】
また、先に説明したように、被写体方向検出部107が複数の人物の顔を識別できるようにして、複数の鑑賞者が画像表示装置100の周りに居る場合でも鑑賞者毎に位置の把握を行い、鑑賞者毎に異なる画像を表示することができる。例えば、図6において、位置Bに居る鑑賞者Bに画像Bを表示し、位置Dに居る鑑賞者Dに画像Dを表示している場合に、鑑賞者Bと鑑賞者Dの場所が入れ替わったとする。この場合は、被写体方向検出部107は鑑賞者Bが位置Dに移動し、鑑賞者Dが位置Bに移動したことを検出するので、表示位置制御部106は、位置Bに表示していた画像Bをディスプレイ部101上の位置Dに表示し、位置Dに表示していた画像Dをディスプレイ部101上の位置Bに表示する。これにより、各鑑賞者は常に同じ画像を鑑賞することができる。
【0043】
尚、複数の鑑賞者が利用する場合は、どの鑑賞者がどの画像を見ているかを管理する必要がある。例えば、図5のフローチャートにおいて、ステップS101からステップS103で鑑賞者が再生する画像を選択するときに画像と鑑賞者とを関連付ける。この場合、操作メニューの画面を見て操作している人物の顔を認識し、その顔の特徴量と選択した画像とを関連付けて表示位置制御部106の内部の記憶領域に保持すれば、鑑賞者毎に再生する画像を管理することができる。これにより、表示位置制御部106は、複数の鑑賞者が位置を移動しても鑑賞者が移動した位置にその鑑賞者が選択した画像を表示することができる。
【0044】
或いは、それぞれの鑑賞者が再生画像を選択する操作を操作制御部103で行わない場合、例えば美術館などに画像表示装置100を配置して、予め複数枚の画像をディスプレイ部101の周囲に表示するような場合は、タッチパネルが配置されたディスプレイ部101に予め表示されている画像のいずれかに来館者が指で触れた時に、その画像に前に居る人物をカメラ部102で撮影して顔認識を行い、その表示画像と来館者とを関連付けるようにしてもよい。尚、カメラ部102の撮影画像から予め設定された時間(3秒間など)、顔認識した人物が検出されなくなった場合は、表示位置制御部106は自動的に内部に保持している顔情報と画像の関連付けを消去するようにしてもよい。これにより、無駄な顔検出処理を行う必要がなくなり、顔と画像とを関連付けたデータを記憶する記憶領域の容量も削減できる。さらに、この場合は鑑賞者が選択した画像の表示を中止する。これにより、ディスプレイ部101に表示される画像が無限に増加するのを防ぐことができる。
【0045】
尚、上記の説明では、同じ方向に鑑賞者が1人しか居ない場合について説明したが、同じ方向(例えば全く同一の方向ではなくてもよく、15°から30°の範囲内の方向など予め設定された範囲でもよい)に複数の人物の顔を検出した場合は、2人顔情報と画像とを関連付けて管理するようにしてもよい。例えば位置Aにおいて人物Jと人物Kに画像Lを関連付けて、人物Jが位置Aから位置Cに移動し、人物Kが位置Aから位置Gに移動した場合、表示位置制御部106は、位置Cと位置Gに画像Lを表示する。
【0046】
このように、本実施形態に係る画像表示装置100は、全方位に表示可能なディスプレイ部101と、周囲の画像を撮影可能なカメラ部102とを有し、画像表示装置100の周囲に居る鑑賞者の顔を認識して、鑑賞者が移動した場合でも鑑賞者の移動に応じて表示する画像の位置も異動するので、鑑賞者は画像を鑑賞する位置に依らず同じ画像を鑑賞することができる。
【0047】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る画像表示装置100aについて説明する。第1の実施形態では、画像表示装置100を1台だけで使用する例について説明したが、第2の実施形態では、画像表示装置100と同様の画像表示装置100aを2台並べて使用する場合に、互いに連携して関連する画像を同じ方向に表示することができるようになっている。
【0048】
図7は、第2の実施形態に係るが画像表示装置100aの構成例を示すブロック図である。図7において、画像表示装置100aは、ディスプレイ部101と、カメラ部102と、操作制御部103と、再生画像選択部104aと、画像再生部105と、表示位置制御部106aと、被写体方向検出部107と、通信部108とで構成される。尚、図7において、図3と同符号のものは同じブロックを示す。また、各符号にaが付加されたブロックは、図3の同符号のブロックと基本的な機能は同じであるが動作が少し異なる。ここで、各ブロックと請求項に記載の各手段との対応は、ディスプレイ部101は表示手段、カメラ部102は撮影手段、被写体方向検出部107は被写体方向検出手段、再生画像選択部104aと画像再生部105は画像再生手段、メモリカード251は記憶媒体、表示位置制御部106aは表示位置制御手段、通信部108は通信手段にそれぞれ対応する。
【0049】
画像表示装置100aは、第1の実施形態で説明した画像表示装置100と基本的には同じ構成であるが、通信部108を有する。そして、通信部108を介して同様の他の装置との間で表示中の画像の情報や表示している位置の情報などを送受信し、同様の画像を同じ方向に表示するように制御する。
【0050】
ここで、他装置が表示中の画像の表示方向と、自装置が表示する画像の方向とを合わせるために、被写体方向検出部107aは、他装置と自装置との位置関係を検出する必要がある。このために、画像表示装置100aは、他装置がどの方向に置かれているかをカメラ部102で撮影した画像から検出する。他装置の検出方法の一例として、装置形状が予め判っているので、装置形状のテンプレートを被写体方向検出部107aの内部メモリなどに保持しておき、撮影画像においてテンプレートとのパターンマッチングを行うことにより、他装置の検出が可能である。撮影画像内から他装置を検出すると、撮像素子151を基準としてどの方向に他装置があるかを検出できる。これは、図4(b)で説明したように、顔検出によって鑑賞者の方向を判別する場合と同様に、顔検出を他装置検出に置き換えることにより、撮影画像から他装置を検出して他装置が置いてある方向を判別することができる。
【0051】
図7において、通信部108は、例えば無線LANのように電波によって通信を行うための無線送受信装置で構成される。そして、通信部108が他の装置との間で送受信する画像情報は、再生画像選択部104aに入出力される。また、通信部108が他の装置との間で送受信する位置情報は、表示位置制御部106aに入出力される。
【0052】
ここで、他装置との通信リンクの確立について説明する。自装置の存在を周辺の同様の装置に知らせるために、通信部108は、予め決められた周波数のパイロット信号を定期的(例えば2秒毎など)にブロードキャスト送信する。逆に、他装置からブロードキャスト送信されたパイロット信号を受信して、周辺に配置された同様の装置を検出する。尚、パイロット信号には各装置唯一の識別番号が含まれており、パイロット信号を受信した装置は、識別番号を指定してレスポンス信号を返信し、相手の装置との通信リンクを確立する。尚、レスポンス信号にもパイロット信号を受信した側の識別番号が含まれており、装置間で確立した通信リンクを介して様々な情報を送受信する場合には必ず送信元と送信先の識別番号をそれぞれ付加する。尚、本実施形態では、2台の画像表示装置100a(第1の装置と第2の装置)の間に確立された通信リンクを介して画像情報や位置情報などを送受信する例について説明するが、複数台の画像表示装置100aが使用される場合、例えば第3の装置で通信部108で受信された場合でも、第3の装置は識別情報により自装置宛の情報ではないことがわかるので、誤って情報を利用することはない。そして、第3の装置が第1の装置または第2の装置との間で情報を送受信する場合は、先に説明したように、第3の装置と第1の装置または第2の装置との間でパイロット信号をレスポンス信号の送受信を行って、それぞれ通信リンクを確立する。
【0053】
このようにして、確立した通信リンクを介して画像情報や位置情報などを送受信し、互いに関連する画像を同じ方向に表示する制御を行うことができる。尚、先に説明したように、他装置の位置を検出するために、カメラ部102で撮影された画像から検出した他装置と通信部108が確立した通信リンクの接続先の装置との対応は、使用する装置が2台の場合は自明であるが複数台の場合は例えば次のように処理することができる。
【0054】
先ず、各画像表示装置100aのディスプレイ部101の背景色を設定しておく。そして、カメラ部102が撮影した画像から複数台の他装置を検出した場合、それぞれの装置のディスプレイ部101の背景色を検出する。そして、通信部108が複数台の他装置との間に確立した通信リンクを介して、各装置の自身のディスプレイ部101の背景色を通知するようにする。これにより、カメラ部102が撮影した画像から検出した各装置の背景色と、通信リンクで通知された各装置の背景色とが一致する装置を対応付けることで、通信リンクで送受信する情報がカメラ部102が撮影した画像から検出したどの他装置のものであるかがわかる。尚、同じ背景色の装置が複数台検出された場合は、該当する装置に背景色を変えるように指令することにより区別することができる。また、このような背景色を利用する方法に限らず、例えばカメラ部102が撮影した画像から複数台の他装置の位置関係を互いに送受信することにより、どの装置から通知される情報であるかを推定するようにしても構わない。いずれの方法であっても構わず、通信部108が受信した画像情報や位置情報がカメラ部102で撮影して被写体方向検出部107が検出したどの装置から送られた情報であるかが区別できればよい。
【0055】
[2台の画像表示装置100aで連携する具体例]
ここで、2台の画像表示装置100aを画像表示装置100a(1)と画像表示装置100a(2)として具体的に例を挙げて説明する。図8(a)は、第1の実施形態と同様に、鑑賞者Zは1台の画像表示装置100a(1)で画像P1を鑑賞している。そして、図8(b)に示すように、電源が投入された2台目の画像表示装置100a(2)を画像表示装置100a(1)の近くに置く。画像表示装置100a(2)は、画像表示装置100a(1)との間で通信を行い、画像表示装置100a(1)で表示している画像P1に関連する画像P2を自装置のメモリカード251に記憶されている画像の中から検索して表示する。例えば、画像P1と画像P2は、同じ日に撮影された画像である。しかも、画像表示装置100a(2)は、画像表示装置100a(1)で画像P1が表示されている方向と同じ方向に画像P2を表示する。これにより、鑑賞者Zは、画像P1に関連する画像P2を鑑賞することができる。尚、3台目、4台目の画像表示装置100aが近くに置かれた場合でも同様に動作する。
【0056】
このように、本実施形態に係る画像表示装置100aは、複数台の同様の装置が互いに連携して、関連する画像を自動的に検索して同じ方向に表示することができる。
【0057】
[画像の表示方向の連携]
次に、画像表示装置100a(1)と画像表示装置100a(2)とが連携して画像を表示する方向を合わせる方法について図9を用いて説明する。ここで、2台の画像表示装置100aを区別するために、画像表示装置100a(1)および画像表示装置100a(2)と称し、画像表示装置100aのカメラ部102や撮像素子151などのブロックについても、画像表示装置100a(1)のカメラ部102(1)および撮像素子151(1)、或いは画像表示装置100a(2)のカメラ部102(2)および撮像素子151(2)のように記載する。尚、(1)または(2)を付さない場合は、両者に共通の事項であること示す。
【0058】
図9は、画像表示装置100a(1)側のカメラ部102(1)の撮像素子151(1)とその撮像素子151(1)に結像される画像例を示す図で、撮像素子151(1)の受光面には、画像表示装置100a(1)の周囲360°の画像が結像されている。同図の例では、330°の方向にもう一台の画像表示装置100a(2)の像が撮影され、240°の方向A1には鑑賞者Zの顔が撮影されている。これにより、被写体方向検出部107a(1)は、画像表示装置100a(1)の330°の方向に画像表示装置100a(2)が置かれていることと、240°の方向に鑑賞者が居ることがわかる。
【0059】
尚、ここでは説明がわかり易いように、撮像素子151の角度座標と、画像表示装置100aの角度座標とは同じであるものとする。従って、撮像素子151上の角度(撮影される画像上での角度に相当)がそのまま撮影されている物体の方向を示す角度になる。
【0060】
次に、図9における画像表示装置100a(1)と画像表示装置100a(2)とが連携して表示する画像の方向を合わせる制御について説明する。図9において、画像表示装置100a(1)が鑑賞者Zに対して何らかの画像を表示中に、画像表示装置100a(1)の近傍に画像表示装置100a(2)を置いたとする。ここで、使用者は、画像表示装置100a(1)と画像表示装置100a(2)の基準座標が一致しているか否かを考えずに、画像表示装置100a(2)を適当に置くものとする。従って、図9に示すように、画像表示装置100a(1)の基準座標(撮像素子151(1)の角度座標に相当)と、画像表示装置100a(2)の基準座標(撮像素子151(2)の角度座標に相当)は異なっており、0°の方向は一致していない。
【0061】
ここで、画像表示装置100a(1)は、240°の方向に鑑賞者Zの顔を検出して、何らかの画像を表示している状態にあるものとする。そして、画像表示装置100a(2)が図9に示す位置に置かれる。
【0062】
そして、画像表示装置100a(1)の被写体方向検出部107a(1)は、カメラ部102(1)が撮影する画像に画像表示装置100a(2)を検出すると、画像表示装置100a(2)が置かれている方向を判別する。図9の例では、先に説明したように、被写体方向検出部107a(1)は、330°の方向に画像表示装置100a(2)が置かれていることを検出する。
【0063】
一方、画像表示装置100a(1)の通信部108(1)と、画像表示装置100a(2)の通信部108(2)との間には、先に説明したように、通信リンクが確立される。
【0064】
そして、画像表示装置100a(1)は、画像表示装置100a(2)に対して表示中の画像に関する情報(撮影日など)と、その画像を表示している方向A1を示す情報(角度:240°)と、検出した画像表示装置100a(2)の方向を示す情報(角度:330°)とを通信リンクを介して画像表示装置100a(2)に送信する。
【0065】
そして、画像表示装置100a(2)は、画像表示装置100a(1)から受信する情報から画像表示装置100a(1)との基準座標のずれ(角度差)を求める。先ず、画像表示装置100a(2)の被写体方向検出部107a(2)は、カメラ部102(2)が撮影する画像上に画像表示装置100a(1)を検出し、画像表示装置100a(1)が置かれている方向を判別する。図9の例では、被写体方向検出部107a(2)は、210°の方向に画像表示装置100a(1)が置かれていることを検出する。
【0066】
そして、先に画像表示装置100a(1)から受信した画像表示装置100a(2)の方向を示す情報(角度:330°)が画像表示装置100a(2)の何度に相当するかを求める。この場合は、210°−180°=30°となるので、表示位置制御部106a(2)は、画像表示装置100a(1)の330°の方向が画像表示装置100a(2)の30°の方向に相当することがわかり、画像表示装置100a(2)の基準座標に対して画像表示装置100a(1)の基準座標は+60°の角度差を有することがわかる。
【0067】
そして、画像表示装置100a(2)の表示位置制御部106a(2)は、先に、画像表示装置100a(1)から受信した画像を表示している方向A1を示す情報(角度:240°)が画像表示装置100a(2)の何度に相当するかを求める。この場合は、+60°の角度差があることが判っているので、240°+60°=300°となり、表示位置制御部106a(2)は、画像表示装置100a(1)の240°の方向A1が画像表示装置100a(2)の300°の方向に相当することがわかる。つまり、画像表示装置100a(2)の300°の方向A1が鑑賞者Zが居る方向である。
【0068】
一方、画像表示装置100a(2)の再生画像選択部104(2)は、先に、画像表示装置100a(1)から表示している画像に関する情報(撮影日時など)から関連する画像をメモリカード251(2)の中から検索し、表示する画像として読み出して画像再生部105(2)に出力する。そして、画像再生部105(2)で表示用の画像データに変換され、表示位置制御部106a(2)は、先に求めた表示方向A1(角度:300°)に対応するディスプレイ部101(2)の位置に画像を表示する。
【0069】
このようにして、鑑賞者Zが居る方向に、画像表示装置100a(1)が表示中の画像に関連する画像を画像表示装置100a(2)でも自動的に表示することができる。
【0070】
次に、本実施形態に係る画像表示装置100aの連携処理について図10のフローチャートを用いて詳しく説明する。尚、図10は、図8において、画像を表示中の画像表示装置100a(1)の近くに後から置かれた画像表示装置100a(2)の処理の流れを示すフローチャートである。
【0071】
(ステップS201)画像表示装置100a(2)の被写体方向検出部107(2)は、先に説明したように、近くにある他装置をカメラ部102(2)で撮影する画像から検出する。尚、同様に、画像表示装置100a(1)の被写体方向検出部107(1)は、近くにある他装置をカメラ部102(1)で撮影する画像から検出する。
【0072】
(ステップS202)画像表示装置100a(1)と画像表示装置100a(2)との間で通信リンクを確立する。これにより、画像表示装置100a(1)と画像表示装置100a(2)との間で情報の送受信が可能になる。尚、先に説明したように、3台以上の装置がある場合は、ステップS201で検出した他装置と通信リンクとの対応付けを行う。
【0073】
(ステップS203)画像表示装置100a(1)と画像表示装置100a(2)との間で画像に関する情報(画像情報、位置情報など)を送受信する。この例では、画像表示装置100a(1)は既に画像を表示中で、画像表示装置100a(2)は後で電源を投入したので表示中の画像はないので、画像表示装置100a(2)は、画像表示装置100a(1)が表示中の画像に関する情報(画像情報、位置情報など)を取得する。尚、画像に関する情報は、先に説明した画像情報(撮影日時、ファイル名、フォルダ名など)と位置情報(ディスプレイ部101上の表示位置または表示方向など)である。また、情報の送受信は、画像情報に関しては再生画像選択部104aが通信部108を介して送受信し、位置情報に関しては表示位置制御部106aが通信部108を介して送受信する。
【0074】
(ステップS204)画像表示装置100a(2)の再生画像選択部104a(2)は、画像表示装置100a(1)の再生画像選択部104a(1)から受信した表示中の画像に関する情報に関連する画像を画像表示装置100a(2)のメモリカード251(2)から検索して再生画像として選択する。例えば画像表示装置100a(1)で表示中の画像と同じ撮影日時の画像を検索して再生画像として選択する。
【0075】
(ステップS205)画像表示装置100a(2)の再生画像選択部104a(2)が選択した画像を画像再生部105(2)に出力し、画像再生部105(2)で表示可能な画像データに変換して表示位置制御部106a(2)に出力する。表示位置制御部106a(2)は、通信部108(2)が受信した位置情報が示すディスプレイ部101(2)上の位置に画像再生部105(2)が出力する画像を表示する。これにより、画像表示装置100a(2)は、画像表示装置100a(1)が表示中の画像に関連した画像を画像表示装置100a(1)と同じ方向に表示することができる。そして、ステップS201に戻って同様の処理を繰り返し実行する。尚、ステップS201において、先に検出された装置に対してはステップS202からステップS204までの処理を行わないようにしてもよい。
【0076】
このようにして、画像表示装置100a(1)が画像を表示中に画像表示装置100a(2)を近くに置いた場合、画像表示装置100a(1)に表示中の画像に関連した画像を画像表示装置100a(2)のメモリカード251(2)から自動的に検索し、且つ検索した画像を画像表示装置100a(1)のディスプレイ部101(1)の表示方向と同じ方向に画像表示装置100a(2)のディスプレイ部101(2)に表示することができる。これにより、画像表示装置100a(1)で画像を鑑賞していた鑑賞者は、画像表示装置100a(2)のディスプレイ部101(2)に表示された画像も鑑賞することができる。
【0077】
尚、図10のフローチャートにおいて、画像表示装置100a(2)は、画像表示装置100a(1)が画像の再生を終了したか否かを検出する処理(ステップS206)をステップS205の次に実行するようにしてもよい。尚、この場合、画像表示装置100aは、画像再生終了時に、通信リンクを介して再生終了メッセージを送受信するものとする。そして、画像表示装置100a(1)から再生終了メッセージを受信した場合(相手の装置が画像の再生を終了した場合)は、これに同期して画像表示装置100a(2)の画像の再生も終了し、再生終了メッセージを受信していない場合(相手の装置が画像の再生を終了していない場合)は、ステップS201に戻って同様の処理を繰り返し行う。
【0078】
以上、各実施形態において説明したように、本発明に係る画像表示装置は、鑑賞者が居る方向に適切に画像を表示でき、複数台の装置を利用する場合でも面倒な設定を行うことなく関連する画像を表示することができる。
【0079】
また、本発明に係る画像表示装置について、各実施形態で例を挙げて説明してきたが、その精神またはその主要な特徴から逸脱することなく他の多様な形で実施することができる。そのため、上述した実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明は、特許請求の範囲によって示されるものであって、本発明は明細書本文にはなんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内である。
【符号の説明】
【0080】
100、100a・・・画像表示装置
101・・・ディスプレイ部
102・・・カメラ部
103・・・操作制御部
103a・・・タッチパネル
103b・・・操作パネル
104、104a・・・再生画像選択部
105・・・画像再生部
106、106a・・・表示位置制御部
107、107a・・・被写体方向検出部
108・・・通信部
151・・・撮像素子
152・・・表示部
153・・・投影用レンズ
154・・・スクリーン
202・・・レンズ
203、204・・・ミラー
205・・・結像光学系
251・・・メモリカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多方向に表示面を有する表示手段と、
前記表示手段の周囲の画像を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段が撮影した画像の中から予め設定された特定被写体を検出し、前記特定被写体の方向を判別する被写体方向検出手段と、
前記被写体方向検出手段が検出した特定被写体の方向に基づいて、前記表示手段に表示する情報の位置を制御する表示位置制御手段と
を有することを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示装置において、
記憶媒体に記憶された画像を再生する画像再生手段を更に設け、
前記表示位置制御手段は、前記画像再生手段が再生する画像を前記表示手段に表示する位置を制御する
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像表示装置において、
前記被写体方向検出手段は、前記表示手段に表示される画像を鑑賞している鑑賞者の顔検出により前記鑑賞者の方向を判別し、
前記表示位置制御手段は、常に前記鑑賞者の居る方向に前記画像再生手段が再生する画像を前記表示手段に表示する
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像表示装置において、
前記被写体方向検出手段は、前記表示手段に表示される画像を鑑賞している複数の鑑賞者の顔を検出し、前記複数の鑑賞者が居る方向を各鑑賞者毎に判別し、
前記表示位置制御手段は、前記鑑賞者の居る方向と前記画像再生手段が再生する画像とを関連付けて制御し、前記各鑑賞者が居る方向に常に同じ画像を表示する
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか一項に記載の画像表示装置を複数台使用する場合において、
装置間で情報を送受信するための通信手段を設け、
前記被写体方向検出手段は、前記撮影手段で撮影した画像から自装置の周辺に配置された他装置を検出して、前記他装置の方向を判別し、
自装置が画像を表示中の場合は、表示中の画像の種類と、画像の表示方向と、自装置の被写体方向検出手段が検出した他装置の方向とを前記通信手段を介して他装置に送信し、
自装置が画像を表示中ではない場合は、画像再生手段は、前記通信手段を介して他装置から受信する他装置が表示中の画像の種類に関連する画像を自装置の記憶媒体に記憶された画像から選択して再生し、
前記表示位置制御手段は、前記通信手段を介して他装置から受信する画像の表示方向と、前記他装置が検出した自装置の方向とに基づいて、前記画像再生手段が再生する画像を前記表示手段に表示する位置を制御する
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の画像表示装置において、
前記表示手段の画面上に配置されたタッチパネルと、
前記表示手段に操作メニューを表示する操作制御手段と
を更に設け、
前記操作制御手段は、前記タッチパネルにタッチされた位置に対応する前記表示手段の位置に操作メニューを表示する
ことを特徴とする画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−123091(P2012−123091A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−272408(P2010−272408)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】