説明

画像表示装置

【課題】1つの画像表示装置で2台スタック投射したときと同等の解像度で表示させることのできる画像表示装置を提供する。
【解決手段】第1波長の光と第2波長の光とを射出する第1光源系と、第1光変調素子と、第1波長の光を反射させ、かつ、第2波長の光を透過させる第1波長選択素子と、第2波長の光を反射させる第1反射素子とを含み、第3波長の光および第4波長の光、第5波長の光および第6波長の光についても同様であり、色合成素子と、色合成素子により合成された光を投射する投射光学系と、を含み、第1波長選択素子と第1反射素子とは、第1波長選択素子によって反射された第1波長の光と第1反射素子によって反射された第2波長の光とで第1光変調素子の水平方向または垂直方向の画素数以上異なる位置に表示されるように配置され、第3波長の光および第4波長の光、第5波長の光および第6波長の光についても同様である、画像表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクター等の画像表示装置には、複数画面の表示化、また表示される単一画面の高解像化が期待されている。液晶ライトバルブ等の光変調素子により形成された画像を表示する場合に、スクリーン等で表示される表示画像の画素数は、光変調素子の画素数と同じになる。光変調素子の画素数で複数画面表示させる場合には、画面を表示させる分の複数の画像表示装置が必要となる。光変調素子を高解像度にすると、製造コストが著しく増加してしまう。また、画像表示装置を複数台用意すると、表示装置の個体差による色むら、輝度差等補正が必要となる。更に、画像表示装置を複数台用意するとコストが増大する。
【0003】
特許文献1のように、画像表示装置を複数台用意し、プロジェクターなどの投写光学ユニットを、水平方向または垂直方向にそれぞれ複数、または、水平方向と垂直方向にそれぞれ複数配置し、これらの複数のプロジェクターからの投写画像をスクリーンにスタック投写することにより1つの大画面画像を表示することのできるマルチプロジェクションディスプレイが知られている。なお、スタック投写とは、複数のプロジェクターの各投写領域をスクリーン上でタイル状に並べて配置して、1つの大画面画像の表示を可能とする投影方式である。
【0004】
このようなマルチプロジェクションディスプレイにおいては、隣接するプロジェクターからの投写画像をスクリーン上で一部重複させることが従来から一般的に行われている。このように、隣接するプロジェクターからの投写画像をスクリーン上で一部重複させる場合、重畳部分の輝度が他の部分に比べて高くなることから、つなぎ目が目立ってしまうという問題がある。
【0005】
上記課題を解決するために特許文献1では、プロジェクター筐体内部に遮光板を設置することによって、上述した問題点を解消し、かつ、重なり部の輝度とその他の部分の輝度との輝度変化を極力小さくすることを可能とし、高品質なスタック投写が可能となるマルチプロジェクションディスプレイおよびそのマルチプロジェクションディスプレイに用いられるプロジェクターが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−227480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の技術には、以下のような課題がある。
特許文献1に使われているプロジェクターの1台1台は、それぞれの有する光変調素子の有効画素数で投射するため、スタック投写するとき、スタック投射させる数だけのプロジェクターを用意しなければならない。
【0008】
そのため、スタック投射を目的とし、プロジェクターを複数台用意した場合にプロジェクターを用意するコスト、設置場所、使用電力等が著しく増加する。また、プロジェクターには、輝度むら、色むら等の個体差があるため、特許文献1では、用意した数のプロジェクターの組み合わせの個体調整が要求され、調整に多大な時間を要するという問題がある。
【0009】
本発明は、前記事情を鑑み成されたものであり、1つの画像表示装置で2台スタック投射したときと同等の解像度で表示させることのできる画像表示装置を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0011】
[適用例1]本適用例に係る画像表示装置は、第1波長の光と第2波長の光とを時間的に切替えて射出する第1光源系と、前記第1波長の光および前記第2波長の光を変調する第1光変調素子と、
前記第1光変調素子を通過した前記第1波長の光を反射させ、かつ、前記第1光変調素子を通過した前記第2波長の光を透過させる第1波長選択素子と、前記第1波長選択素子を透過した前記第2波長の光を反射させる第1反射素子と、
前記第1波長の光および前記第2波長の光よりも波長が短い第3波長の光と第4波長の光とを時間的に切替えて射出する第2光源系と、
前記第3波長の光および前記第4波長の光を変調する第2光変調素子と、
前記第2光変調素子を通過した前記第3波長の光を反射させ、かつ、前記第2光変調素子を通過した前記第4波長の光を透過させる第2波長選択素子と、
前記第2波長選択素子を透過した前記第4波長の光を反射させる第2反射素子と、
前記第3波長の光および前記第4波長の光よりも波長が短い第5波長の光と第6波長の光とを時間的に切替えて射出する第3光源系と、
前記第5波長の光および前記第6波長の光を変調する第3光変調素子と、
前記第3光変調素子を通過した前記第6波長の光を反射させ、かつ、前記第3光変調素子を通過した前記第5波長の光を透過させる第3波長選択素子と、
前記第3波長選択素子を透過した前記第5波長の光を反射させる第3反射素子と、
前記第1波長選択素子または前記第1反射素子により反射された光と、前記第2波長選択素子または前記第2反射素子により反射された光と、前記第3波長選択素子または前記第3反射素子により反射された光と、を合成する色合成素子と、
前記色合成素子により合成された光を投射する投射光学系と、を含み、
前記第1波長選択素子と前記第1反射素子とは、前記第1波長選択素子によって反射された前記第1波長の光と前記第1反射素子によって反射された前記第2波長の光とで前記第1光変調素子の水平方向または垂直方向の画素数以上異なる位置に表示されるように配置され、
前記第2波長選択素子と前記第2反射素子とは、前記第2波長選択素子によって反射された前記第3波長の光と前記第2反射素子によって反射された前記第4波長の光とで前記第2光変調素子の水平方向または垂直方向の画素数以上異なる位置に表示されるように配置され、
前記第3波長選択素子と前記第3反射素子とは、前記第3波長選択素子によって反射された前記第6波長の光と前記第3反射素子によって反射された前記第5波長の光とで前記第3光変調素子の水平方向または垂直方向の画素数以上異なる位置に表示されるように配置されている。
【0012】
第1光源系から射出された光は、第1光変調素子により変調される。第1光変調素子により変調された第1波長の光は、第1波長選択素子によって反射され、色合成素子に入射する。色合成素子を経た第1波長の光は、投射光学系に入射し、投射光学系により投射され、表示される。また、第1光変調素子により変調された第2波長の光は、第1波長選択素子を透過し、第1反射素子によって反射され、色合成素子に入射する。色合成素子を経た第2波長の光は、投射光学系に入射し、投射光学系により投射され表示される。
同じく、第2光源系から射出された光は、第2光変調素子により変調される。第2光変調素子により変調された第3波長の光は、第2波長選択素子によって反射され、色合成素子に入射する。色合成素子を経た第3波長の光は、投射光学系に入射し、投射光学系により投射され、表示される。また、第2光変調素子により変調された第4波長の光は、第2波長選択素子を透過し、第2反射素子によって反射され、色合成素子に入射する。色合成素子を経た第4波長の光は、投射光学系に入射し、投射光学系により投射され表示される。
同じく、第3光源系から射出された光は、第3光変調素子により変調される。第3光変調素子により変調された第6波長の光は、第3波長選択素子によって反射され、色合成素子に入射する。色合成素子を経た第6波長の光は、投射光学系に入射し、投射光学系により投射され、表示される。また、第3光変調素子により変調された第5波長の光は、第3波長選択素子を透過し、第3反射素子によって反射され、色合成素子に入射する。色合成素子を経た第5波長の光は、投射光学系に入射し、投射光学系により投射され表示される。
【0013】
ここで、第1波長の光と第2波長の光とが時間的に切替わり光源系から射出されるので、これらの光は第1光変調素子に交互に入射する。したがって、第1波長の光と第2波長の光とを、第1光変調素子の画素数と同等の解像度を有する画像にそれぞれ変調することができる。第1波長選択素子と第1反射素子とは、第1波長選択素子で反射された第1波長の光と第1反射素子で反射された第2波長の光とで第1光変調素子の水平方向または垂直方向の画素数以上異なる位置に表示されるように配置されているので、第1波長の光と第2波長の光とは、第1波長選択素子または第1反射素子を経ることにより光軸が互いに第1光変調素子の水平方向または垂直方向の画素数以上ずれる。これにより、第1光変調素子によってそれぞれ変調されて形成された第1波長の光による画像と第2波長の光による画像とを、第1光変調素子が持つ解像度の距離だけ互いにずれた位置に表示できる。
同様にして、第2光変調素子によって変調された第3波長の光による画像と第4波長の光による画像とを、投射される第2光変調素子が持つ解像度の距離だけ互いにずれた位置に表示できる。
同様にして、第3光変調素子によって変調された第5波長の光による画像と第6波長の光による画像とを、投射される第3光変調素子が持つ解像度の距離だけ互いにずれた位置に表示できる。
したがって、1台の画像表示装置を用いて、解像度を低下させることなく複数の画像を並べて表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態のプロジェクターの構成を示す模式図である。
【図2】実施形態のプロジェクターを用いた画像表示方法の概念図である。
【図3】表示される画像全体の平面概念図である。
【図4】光源系、光変調素子および制御部の構成を示す模式図である。
【図5】(a)は、光源系および光変調素子の動作タイミングの一例を示すチャートである。(b)は、動作タイミングの別の一例を示すチャートである。
【図6】波長選択素子の特性と、第1〜第6波長との関係を示すグラフである。
【図7】波長選択素子と光路の関係を示す一例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。説明に用いる図面において、特徴的な部分を分かりやすく示すために、図面中の構造の寸法や縮尺を実際の構造に対して異ならせている場合がある。また、実施形態において同様の構成要素については、同じ符号を付して図示し、その詳細な説明を省略する場合がある。
【0016】
図1は、実施形態のプロジェクター1(画像表示装置)の構成を示す模式図である。図2は、画素ずらしによるプロジェクターの画像表示方法を示す概念図であり、図3は、画素ずらしにより表示される画像の画素を拡大して示す平面図である。
【0017】
プロジェクター1は、3つの光源系11r(第1光源系11r)、11g(第2光源系11g)、11b(第3光源系11b)、3つの光変調素子13r(第1光変調素子13r)、13g(第2光変調素子13g)、13b(第3光変調素子13b)、3つの波長選択素子141r(第1波長選択素子141r)、141g(第2波長選択素子141g)、141b(第3波長選択素子141b)、3つの反射素子142r(第1反射素子142r)、142g(第2反射素子142g)、142b(第3反射素子142b)、制御部15、色合成素子16および投射光学系17を含んでいる。ここでは、色合成素子16から射出される光の光軸に沿って、投射光学系17と反対側に光源系11g、光変調素子13g、波長選択素子141gおよび反射素子142gが配置されている。光源系11r、光変調素子13r、波長選択素子141rおよび反射素子142rと、光源系11b、光変調素子13b、波長選択素子141bおよび反射素子142bとは、色合成素子16から射出される光軸と略直交する方向において色合成素子16を挟んで互いに対向して配置されている。第1波長選択素子141rと第1反射素子142r、第2波長選択素子141gと第2反射素子142g、第3波長選択素子141bと第3反射素子142bは、それぞれ互いにかつ平行に設置され、それぞれの光変調素子13r、13g、13bの水平方向または垂直方向の画素数以上離れて表示されるような位置に配置されている。
【0018】
プロジェクターは、概略すると以下のように動作する。
光源系11rは、第1波長の光L1rと第2波長の光L2rとを時間的に切替えて射出する。光源系11gは、第3波長の光L1gと第4波長の光L2gとを時間的に切替えて射出する。光源系11bは、第5波長の光L1bと第6波長の光L2bとを時間的に切替えて射出する。
【0019】
各光源系11r、11g、11bから射出された第1波長の光L1r、第2波長の光L2rと第3波長の光L1g、第4波長の光L2gと第5波長の光L1b、第6波長の光L2bは、それぞれ光変調素子13r、13g、13bに入射して変調される。制御部15は、光源系11r、11g、11bからそれぞれの光L1rとL2r、光L1gとL2g、光L1bとL2bが射出されるタイミングを制御し、このタイミングに同期させて、光L1rの変調用の第1の変調用信号D14r、光L2rの変調用の第2の変調用信号D24rを時間的に切替えて光変調素子13rに供給し、光L1gの変調用の第1の変調用信号D14g、光L2gの変調用の第2の変調用信号D24gを時間的に切替えて光変調素子13gに供給し、また光L1bの変調用の第1の変調用信号D14b、光L2bの変調用の第2の変調用信号D24bを時間的に切替えて光変調素子13bに供給する。なお、光源系11rと光変調素子13rとの間には、光変調素子13r入射する光を平行化する照度均一化素子12rを設けてもよい。同様に、光源系11gと光変調素子13gとの間に照度均一化素子12bを、光源系11bと光変調素子13bとの間に照度均一化素子12bをそれぞれ設けてもよい。
【0020】
光変調素子13rにより変調された光L1r、L2rは、波長選択素子141rに時間順次で入射する。波長選択素子141rは、光L1rを反射させ、かつ、光L2rを透過させる特性を持つので、光L1rは反射されて色合成素子16に入射する。波長選択素子141rを透過した光L2rは、反射素子142rに入射した後反射され、色合成素子16に入射する。
同様に、光変調素子13gにより変調された光L1g、L2gは、波長選択素子141gに時間順次で入射する。波長選択素子141gは、光L1gを反射させる、かつ、光L2gを透過させる特性を持つ、波長選択素子141gを透過した光L2gは、反射素子142gに入射した後反射され、色合成素子16に入射する。
また、光変調素子13bにより変調された光L1b、L2bは、波長選択素子141bに時間順次で入射する。波長選択素子141bは、光L2bを反射させる、かつ、光L1bを透過させる特性を持つ、波長選択素子141bを透過した光L1bは、反射素子142bに入射した後反射され、色合成素子16に入射する。
【0021】
色合成素子16に入射した光L1r、L1g、L1bは、色合成素子16によって合成され光軸が揃えられて光L1となり、投射光学系17に入射され、スクリーンSに表示される。同様に、色合成素子16に入射した光L2r、L2g、L2bは、色合成素子16によって合成され光軸が揃えられて光L2となり、投射光学系17に入射され、スクリーンSに表示される。色合成素子16は、ダイクロイックプリズムにより構成されている。
【0022】
ダイクロイックプリズムは、波長選択性を有する2種類の反射膜を内包している。2種類の反射膜の一方は、光L1r、L2rを反射させ、光L1g、L2gおよび光L1b、L2bを透過させる特性を有している。2種類の反射膜の他方は、光L1b、L2bを反射させ、光L1g、L2gおよび光L1r、L2rを透過させる特性を有している。2種類の反射膜は互いに直交するように設けられている。ここでは、一方の反射膜は、色合成素子16に入射する光L1r、L2rの光軸と略45°の角度をなしている。また、他方の反射膜は、色合成素子16に入射する光L1b、L2bの光軸と略45°の角度をなしている。
【0023】
図2に示すように、色合成素子16によって合成された光L1およびL2は、スクリーンSに投射される。スクリーンSに投射された光L1により第1の画像A1が表示され、スクリーンSに投射された光L2により第2の画像A2が表示される。投射光学系17から射出された光L1、光L2の光軸は互いにずれており、図3に示すように第1の画像A1を構成する画素P1の位置は、第2の画像A2を構成する画素P2の位置から各光変調素子13r、13g、13bの解像度の距離分だけずれている。画像A1、A2は、観察者に認識されない程度に高速で時間的に切替えられて表示される(詳細については後述する)。したがって、画像A1の画素P1と画像A2の画素P2とが互いに重ならない位置に表示され、観察者には画像A1とA2との切替えが認識されないので、観察され、実質的に1台プロジェクターで、X軸方向に2台のプロジェクターをスタック投影した画像が表示されることになる。以下、プロジェクター1の構成要素について詳しく説明する。
【0024】
図1に示す様に、上記の構成により第1の表示期間において、光L1r、L1g、L1bは、略同じ位置に表示され、第1の画像A1が表示される。第2の表示期間において、光L2r、L2g、L2bは、略同じ位置に表示され、第2の画像A2が表示される。第2の画像A2は、第1の画像A1と画素の位置がずれてスクリーンSに表示される。
【0025】
図4は、光源系11r、11g、11b、光変調素子13r、13g、13bおよび制御部15の構成を示す模式図である。図5(a)と図5(b)は、光源系11r、11g、11bの動作タイミングおよび光変調素子13r、13g、13bの動作タイミングの一例を示すタイミングチャートである。
【0026】
図4に示すように光源系11rには、第1波長の光L1rを発光する複数の固体光源111rおよび第2波長の光L2rを発光する複数の固体光源112rが2次元配列されている。2次元配列の各配列方向において、第1波長の光L1rを発光する固体光源111rと第2波長の光L2rを発光する固体光源112rは交互に配置されている。同様に光源系11gは、第3波長の光L1gを発光する複数の固体光源111gおよび第4波長の光L2gを発光する複数の固体光源112gが2次元配列され、2次元配列の各配列方向において、第3波長の光L1gを発光する固体光源111gと第4波長L2gの光を発光する固体光源112gは交互に配置されている。また同様に、光原系11bは、第5波長の光L1bを発光する複数の固体光源111bおよび第6波長の光L2bを発光する複数の固体光源112bが2次元配列され、2次元配列の各配列方向において、第5波長の光L1bを発光する固体光源111bと第6波長の光L2bを発光する固体光源112bは交互に配置されている。
【0027】
固体光源111r、111g、111bおよび112r、112g、112bは、発光ダイオード(LED)やレーザーダイオード(LD)等の固体光源により構成される。固体光源111r、111g、111bおよび112r、112g、112bをLEDにより構成すると、LDにより構成する場合と比較して緑色光を直接的に得ることが容易になる。ランプ光源を採用する場合と比較して、固体光源を持つ光源系は、低消費電力かつ長寿命にすることができる。固体光源111r、111g、111bおよび112r、112g、112bをLDにより構成すると、LDから射出される光のスペクトル幅はLED等から射出される光のスペクトル幅よりも格段に狭いので、波長選択素子にて第1波長の光を第2波長の光と高精度に分離することが容易になる。
【0028】
ここでは、第1波長と第2波長は、赤の色相に属する波長帯(例えば波長が625nm以上740nm以下にスペクトルのピークを有する光)から選択されている。第2波長は、第1波長よりも短波長であるとする。第1波長と第2波長との差は、光L1r、L2rを波長選択素子141rで分離可能な程度以上に大きく設定される。
【0029】
ここでは、第3波長と第4波長は、緑の色相に属する波長帯(例えば波長が500nm以上565nm以下にスペクトルのピークを有する光)から選択されている。第4波長は、第3波長よりも短波長であるとする。第3波長と第4波長との差は、光L1g、L2gを波長選択素子141gで分離可能な程度以上に大きく設定される。
【0030】
ここでは、第5波長と第6波長は、青の色相に属する波長帯(例えば波長が450nm以上485nm以下にスペクトルのピークを有する光)から選択されている。第5波長は、第6波長よりも短波長であるとする。第6波長と第5波長との差は、光L1b、L2bを波長選択素子141bで分離可能な程度以上に大きく設定される。
【0031】
光変調素子13rは、制御部15から供給される変調用信号D14rとD24rに基づいて入射光L1rおよびL2rを変調し、画像を形成する。光変調素子13gは、制御部15から供給される変調用信号D14gとD24gに基づいて入射光L1gおよびL2gを変調し、画像を形成する。光変調素子13bは、制御部15から供給される変調用信号D14bとD24bに基づいて入射光L1bおよびL2bを変調し、画像を形成する。光変調素子13r、13g、13bは、透過型もしくは反射型の液晶ライトバルブ、またはデジタルミラーデバイス(DMD)等の空間光変調素子により構成される。ここでのプロジェクターの各光変調素子13r、13g、13bは、透過型の液晶ライトバルブにより構成されている。
【0032】
制御部15は、インターフェース151、タイミング生成回路152、画像処理回路153、および駆動部154を含んでいる。インターフェース151は、DVDプレイヤーやコンピューター等の信号源S1とS2から入力画像に対応した入力電気信号D10およびD20を受け取る。本実施形態においては、入力電気信号D10が画像A1を表し、入力電気信号D20が画像A2を表すものとする。インターフェース151は、同期信号D11、D21、と画像信号画像信号D12、D22を出力する。同期信号D11、D21には、入力画像のリフレッシュレート等の画像表示条件を示すデータが含まれており、画像信号D12、D22には、画素ごとの階調データが含まれている。同期信号D11、D21は、タイミング生成回路152に出力され、タイミング生成回路152は、同期信号D11、D21に基づいて、プロジェクター1における第1の表示期間と第2の表示期間とを示すタイミング信号D13、D23を生成し、画像処理回路153と駆動部154に出力する。
【0033】
駆動部154は、タイミング信号D13に基づいて複数の固体光源111r、111g、111bを同期させて点灯させ、あるいは消灯させる。駆動部154は、複数の固体光源112r、112g、112bについても同様に、タイミング信号D23に基づいて同期させて点灯させ、あるいは消灯させる。固体光源111r、111g、111bの点灯消灯の切替え、および固体光源112r、112g、112bの点灯消灯の切替えを電気的に瞬時に行うことが可能になっている。駆動部は、制御部15に設けられる代わりに、それぞれの光源系11r、11g、11bに設けられていてもよい。
【0034】
第1の画像A1の表示期間(第1の表示期間)と、第2の画像A2の表示期間(第2の表示期間)との比率(以下、デューティーという)は、可変値あるいは固定値として予め設定されている。デューティーは、例えば光変調素子13r、13g、13bの応答速度に応じて設定される。デューティーが1に近づくほど、光変調素子13r、13g、13bに要求される応答速度が遅くなるので、光変調素子13r、13g、13bを低コストにすることができる。
【0035】
また、デューティーは、例えば光L1、L2の視角感度(人間の錐体細胞の光吸収率)に応じて設定されてもよい。画像A1、A2が略同じ明るさに観察されるようにするには、ここでは画像A1を形成するL1r、L1g、L1bと画像A2を形成するL2r、L2g、L2bでの錐体細胞の光吸収率の違いに基づいて、第1、第2の表示期間で人間の錐体細胞に吸収される光エネルギーが均等になるように、デューティーを設定するとよい。
【0036】
タイミング生成回路152は、デューティーの設定値および入力画像のリフレッシュレートに基づいて、第1の表示期間と第2の表示期間とを示すタイミング信号D13、D23を生成する。
【0037】
図5(a)に示す例では、デューティーが1に設定されており、第1の表示期間が第2の表示期間と重ならないように設定されている。1フレームの表示期間(画像A1と画像A2とを続けて表示する期間)の長さは、同期信号D11とD21により規定される。
【0038】
例えば、リフレッシュレートが60Hzであって、1フレームに画像を表示しない期間(以下、非表示期間という)を含まない場合には、1フレームの表示期間の長さ(tN〜tN+1,N=0、1、2・・・)は1/60秒である。第1の表示期間の長さは1/120秒であり、第2の表示期間の長さは1/120秒である。
【0039】
第1の表示期間の開始時刻(例えば、図5a中のt0)は、第2の表示期間の開始時刻(例えば、図5a中のt0.5)と、1フレームの表示期間の長さの略半分(1/120秒)だけずれている。タイミング信号D13は、第1の表示期間の開始時刻を示すデータを含み、タイミング信号D23は、第2の表示期間の開示時刻を示すデータを含んでいる。
【0040】
タイミング信号D13は、第2の表示期間の開始時刻を示すデータを含み、タイミング信号D23は、第1の表示期間の開示時刻を示すデータを含んでいてもよい。
【0041】
駆動部154は、タイミング信号D13によって規定された第1の表示期間に、固体光源111r、111g、111bを点灯させるとともに固体光源112r、112g、112bを消灯させる。駆動部154は、タイミング信号D23に規定された第2の表示期間に、第1の固体光源111r、111g、111bを消灯させるとともに第2の固体光源112r、112g、112bを点灯させる。
【0042】
駆動部154は、タイミング信号D13に規定された第1の表示期間に、固体光源111r、111g、111bを消灯させるとともに固体光源112r、112g、112bを点灯させ、タイミング信号D23に規定された第2の表示期間に、第1の固体光源111r、111g、111bを点灯させるとともに第2の固体光源112r、112g、112bを消灯させてもよい。
【0043】
画像処理回路153は、画像信号D12、D22にガンマ処理等の各種画像処理を施す。画像A1を形成するL1r、L1g、L1bと画像A2を形成するL2r、L2g、L2bとで色ずれ等が無いよう生成する。すなわち、画像処理回路153は、第1、第2の表示期間の間(すなわち、画像A1と画像A2との間)で人間の錐体細胞に吸収される光エネルギーが略均一になるように、ガンマ処理等の各種画像処理をすればよい。
【0044】
画像処理回路153は、画像信号D12、D22に基づいて、第1の画像A1用の第1の変調用信号D14r、第2の変調用信号D14g、第3の変調用信号D14bおよび、第2の画像A2用の第2の変調用信号D24r、第2の変調用信号D24g、第3の変調用信号D24bを生成する。画像処理回路153は、タイミング信号D13により定まる第1の画像A1の表示タイミングに同期させて、第1の表示期間の変調用信号D14r、D14g、D14bをそれぞれの光変調素子13r、13g、13bに供給する。画像処理回路153は、タイミング信号D23により定まる第2の画像A2の表示タイミングに同期させて、第1の表示期間の変調用信号D24r、D24g、D24bをそれぞれの光変調素子13r、13g、13bに供給する。
【0045】
第1の表示期間に各固体光源111r、111g、111bが点灯することにより、第1の表示期間に光変調素子13rには光L1r、光変調素子13gには光L1g、光変調素子13bには光L1bがそれぞれ入射する。光変調素子13rは、第1の表示期間に変調用信号D14rが供給されることにより、光L1rを変調し、光変調素子13gは、第1の表示期間に変調用信号D14gが供給されることにより、光L1gを変調し、光変調素子13bは、第1の表示期間に変調用信号D14bが供給されることにより、光L1bを変調する。変調された光L1r、L1g、L1bは、色合成素子16に入射して合成され光軸が揃えられ、光L1となって第1の画像A1を形成する。同様に、第2の表示期間に各個体光源112r、112g、112bが点灯することにより、それぞれ第2の表示期間に光変調素子13rには光L2r、光変調素子13gには光L2g光変調素子13bには光L2bが入射する。光変調素子13rは、第1の表示期間に変調用信号D24rが供給されることにより、光L2rを変調し、光変調素子13gは、第2の表示期間に変調用信号D24gが供給されることにより、光L2gを変調し、光変調素子13bは、第1の表示期間に変調用信号D24bが供給されることにより、光L2bが変調される。L2b、L2b、L2bは、色合成素子16によって合成され光軸が揃えられ、光L2となって第2の画像A2を形成する。
【0046】
図5bは、図5aに示した例と異なる動作タイミングを示すタイミングチャートである。図5bに示す例では、1フレーム内に非表示期間が含まれている。つまり、1フレームの長さよりも、第1の表示期間と第2の表示期間との合計の時間の方が短い。このような場合にタイミング生成回路152は、非表示期間の長さを1フレームの長さから差し引いて1フレーム内の表示期間の長さを求め、1フレームの表示期間の長さとデューティーとに基づいて第1、第2の表示期間の長さを求める。タイミング生成回路152は、第1の表示期間と第2の表示期間との間が非表示期間になり、光変調素子13r、13g、13bの動作が第1の画像用変調から第2の画像用変調に切替わる時刻(例えば、t0.5)を含むように非表示期間を設定して、タイミング信号D13、D23を生成する。駆動部154は、第2の表示期間および非表示期間において第1の固体光源111r、111g、111bを消灯させ、第1の表示期間および非表示期間において第2の固体光源112r、112g、112bを消灯させる。
【0047】
ところで、それぞれの光変調素子13r、13g、13bの応答速度は、光変調素子の種類(例えば液晶ライトバルブ)によって限界がある。第1の表示期間と第2の表示期間との間を非表示期間にすれば、第1の画像用の変調から第2の画像用の変調に切替わる過渡的な期間に、固体光源111r、111g、111bおよび112r、112g、112bが消灯になる。これにより、光変調素子13r、13g、13bの応答が光L1、L2の切替わりに追従しきれないことによる画像品質の低下を回避することができる。
【0048】
以上のように、制御部15からの電気信号によって、第1光変調素子に第1波長の光が入射するタイミングと第1波長の光により表示すべき画像に応じて第1波長を変調するタイミングとを同期させ、第2光変調素子に第3波長の光が入射するタイミングと第3波長の光により表示すべき画像に応じて第3波長を変調するタイミングとを同期させ、第3光変調素子に第5波長の光が入射するタイミングと第5波長の光により表示すべき画像に応じて第5波長を変調するタイミングとを同期させることで、各波長の光を高精度に同期させることができる。また、第1光変調素子に第2波長の光が入射するタイミングと第2波長の光により表示すべき画像に応じて第2波長を変調するタイミングと、第2光変調素子に第4波長の光が入射するタイミングと第4波長の光により表示すべき画像に応じて第4波長を変調するタイミングと、第3光変調素子に第6波長の光が入射するタイミングと第6波長の光により表示すべき画像に応じて第6波長を変調するタイミングと、高精度に同期させることができる。したがって、画像A1と画像A2とを時間的に切替えて表示した場合に、高品質な画像を表示できる。
【0049】
また、第1波長と第2波長を上述のように高速に切り替えることで、第1の画像と第2の画像が重畳されたように見える。つまり、第1の画像と第2の画像同時に投射されるように見える。単純に第1の光変調素子13rが持つ2倍の有効画素数と同等の解像度で表示されるように見える。他の波長の画像についても同様であるので、1台のプロジェクター1を用いて、2台のプロジェクターでスタック投射したときと同等の解像度を得ることができる。
【0050】
図6は、波長選択素子141r、141g、141bの特性と、第1〜第6波長との関係を示すグラフである。
【0051】
図6に示すように波長選択素子141r、141g、141bは、可視光領域において相対的に短波長側が透過域になっており、可視光領域において相対的に長波長側が反射域になっている。各波長選択素子141r、141g、141bの反射率は、各光源系11r、11g、11bが持つ波長域の透過域にて最小値で飽和しており、反射域にて最大値で飽和している。各光源系11r、11g、11bがもつ波長域の透過域と反射域との間の中間域において、入射光が長波長になるにつれて波長選択素子141r、141g、141bでの反射率が単調増加している。
【0052】
波長選択素子141r、141g、141bで光L1、L2を高精度に分離するには、中間域の幅を狭くすることや光L1rとL2r、光L1gとL2g、光L1bとL2bの各スペクトル幅を狭くすることが有効である。各波長選択素子141r、141g、141bをダイクロイックミラーで構成する場合に、ダイクロイックミラーに含まれる多層膜の層数を増やすほど各中間域の幅を狭くすることができる。また、各固体光源111r、111g、111b、112r、112g、112bをLDにより構成することにより、光L1rとL2r、光L1gとL2g、光L1bとL2bのスペクトル幅を狭くすることができる。
【0053】
反射素子142r、142g、142bを例えば波長選択素子141r、141g、141bと同じ波長域において、短波長側が反射域、長波長側が透過域となっているダイクロイックミラー等により構成してもよい。このようにすれば、各光L1r、L1g、L1bの一部が波長選択素子141r、141g、141bを透過して漏れ光となった場合に、漏れ光の一部が反射素子を透過する。反射素子を透過した漏れ光は、光軸調整系と投射光学系17との間の光路から除去される。したがって、漏れ光による画像が認識されにくくなり、漏れ光による画像品質の低下が回避される。
【0054】
ここでは、可視光領域での波長選択素子の反射率の最大値および最小値の平均値を中間値とし、反射率が中間値となるときの波長を閾値という。各入射光の波長が閾値よりも長波長であると波長選択素子141r、141g、141bで入射光の反射が卓越し、入射光の波長が閾値よりも短波長であると波長選択素子141r、141g、141bで入射光の透過が卓越する。
【0055】
本実施形態での波長選択素子141rは、第2波長が閾値よりも短波長に設定されており、第1波長が閾値よりも長波長に設定されている。同様に、第4波長が閾値よりも短波長に設定されており、第3波長が閾値よりも長波長に設定され、第5波長が閾値よりも短波長に設定されており、第6波長が閾値よりも長波長に設定されている。光L2の波長帯が光L1の波長帯と重ならないように設定すると、各波長選択素子141r、141g、141bでそれぞれ、光L1rとL2r、光L1gとL2g、光L1bとL2bとを高精度に分離することができるので、画像品質を向上させる上で有利である。
【0056】
図6には第1波長〜第6波長で光強度の最大値が同じとして示しているが、それぞれの第1波長〜第6波長で光強度が異なっていてもよい。例えば、第1波長と第2波長とで前記した視角感度が異なる場合に、第1、第2の表示期間で人間の錐体細胞に吸収される光エネルギーが略均一になるように固体光源111r、112rの出力を異ならせてもよい。これにより、画像A1、A2が略同じ明るさに観察され、画像A1、A2の切替わりが観察されにくくなることより画像品質を高めることができる。
【0057】
波長選択素子141r、141g、141bに入射した光L1r、光L1g、光L2bは、それぞれ波長選択素子141r、141g、141bで反射し、色合成素子16に向かって進行する。反射素子142r、142g、142bに入射した光L2r、L2g、L1bは、それぞれ波長選択素子141r、141g、141b透過して反射素子142r、142g、142bに入射し、色合成素子16に向かって進行する。図7に示すように、反射素子142rからの射出後の光L2rは、波長選択素子141rの射出後の光L1rの光軸からX方向にΔXだけ略平行にシフトしている。ΔXは、波長選択素子141rと反射素子142rとの間隔をdとすると下記の式(1)で表される。式(1)から分かるように、ずらし量であるΔXは、波長選択素子141rと反射素子142rとの間隔d、および波長選択素子141rに対する入射角θにより定まる。
ΔX=2dsinθ ・・・式(1)
したがって、ΔXが光変調素子13rの画素数以上となるように、間隔dまたは入射角rを設定すればよい。また、式(1)で導かれたΔXは、波長選択素子141g、141bと反射素子142g、142bでも同じく導くことができる。したがって、画像A1と画像A2とを1台のプロジェクター1を用いて並べて表示することができる。ここで、反射素子142rの反射面と波長選択素子141rの反射面とは、互いに平行であることが好ましい。波長選択素子141g、141bと反射素子142g、142bについても同様である。これにより、上記式(1)によって間隔dまたは入射角rを設定した場合に、適切かつ容易に画像A1と画像A2とを並べて表示することができる。
【0058】
以上のような構成のプロジェクター1によれば、光L1、L2の光軸を固体光源111r、111g、111bと112r、112g、112bの点灯と消灯を繰り返すのみでずらすことができ、画像A1、A2が時間的および空間的にずれて表示され、画像A1、A2を合わせて1つの投射画像としてみたときの画素数が各光変調素子13r、13g、13bの画素数よりも多くなる。したがって、光変調素子13r、13g、13bの画素数を増やさなくとも高解像度な画像を表示することができ、高品質な画像を表示可能な画像表示装置を低コストで実現することができる。また、画像A1、A2では、各同じ光変調素子13r、13g、13bを使用していることから、光変調素子の個体差等がなく、色むら等の個体差がなくなる。また、1台のプロジェクターから2つの画面が投射されることにより、プロジェクターを複数台用意してスタック投射させる際にその半数のプロジェクターで事足りる。よって装置のメンテナンス性の低下等の不都合が回避される。
【符号の説明】
【0059】
11r、11g、11b・・光源系、
111r、111g、111b、112r、112g、112b・・固体光源、
12r、12g、12b・・照度均一化素子、13r、13g、13b・・光変調素子、
141r、141g、141b・・波長選択素子、
142r、142g、142b・・反射素子、
15・・制御部、151・・インターフェース、152・・タイミング生成回路、
153・・画像処理回路、154・・駆動部、
16・・・色合成素子、17・・・投射光学系、S・・・スクリーン、
Lr1・・第1波長の光、Lg1・・第3波長の光、Lb1・・第6の波長の光、
Lr2・・第2波長の光、Lg2・・第4の波長の光、Lb2・・第5の波長の光、
L1・・Lr1、Lg1、Lb1が合成された光、
L2・・Lr2、Lg2、Lb2が合成された光、
A1・・第1の表示画像、A2・・第2の表示画像、
P1、P2・・画素位置、S1・・第1入力信号源、S2・・第2入力信号源、
10、D20・・入力電気信号、D11、D21・・同期信号、D12、D22・・画像信号、
13、D13r、D13g、D13b、D23、D23r、D23g、D23b・・タイミング信号、
14、D14r、D14g、D14b、D24、D24r、D24g、D24b、・・変調用信号、
d・・波長選択素子と反射素子の距離、Δx・・光軸のずれ量。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1波長の光と第2波長の光とを時間的に切替えて射出する第1光源系と、
前記第1波長の光および前記第2波長の光を変調する第1光変調素子と、
前記第1光変調素子を通過した前記第1波長の光を反射させ、かつ、前記第1光変調素子を通過した前記第2波長の光を透過させる第1波長選択素子と、
前記第1波長選択素子を透過した前記第2波長の光を反射させる第1反射素子と、
前記第1波長の光および前記第2波長の光よりも波長が短い第3波長の光と第4波長の光とを時間的に切替えて射出する第2光源系と、
前記第3波長の光および前記第4波長の光を変調する第2光変調素子と、
前記第2光変調素子を通過した前記第3波長の光を反射させ、かつ、前記第2光変調素子を通過した前記第4波長の光を透過させる第2波長選択素子と、
前記第2波長選択素子を透過した前記第4波長の光を反射させる第2反射素子と、
前記第3波長の光および前記第4波長の光よりも波長が短い第5波長の光と第6波長の光とを時間的に切替えて射出する第3光源系と、
前記第5波長の光および前記第6波長の光を変調する第3光変調素子と、
前記第3光変調素子を通過した前記第6波長の光を反射させ、かつ、前記第3光変調素子を通過した前記第5波長の光を透過させる第3波長選択素子と、
前記第3波長選択素子を透過した前記第5波長の光を反射させる第3反射素子と、
前記第1波長選択素子または前記第1反射素子により反射された光と、前記第2波長選択素子または前記第2反射素子により反射された光と、前記第3波長選択素子または前記第3反射素子により反射された光と、を合成する色合成素子と、
前記色合成素子により合成された光を投射する投射光学系と、を含み、
前記第1波長選択素子と前記第1反射素子とは、前記第1波長選択素子によって反射された前記第1波長の光と前記第1反射素子によって反射された前記第2波長の光とで前記第1光変調素子の水平方向または垂直方向の画素数以上異なる位置に表示されるように配置され、
前記第2波長選択素子と前記第2反射素子とは、前記第2波長選択素子によって反射された前記第3波長の光と前記第2反射素子によって反射された前記第4波長の光とで前記第2光変調素子の水平方向または垂直方向の画素数以上異なる位置に表示されるように配置され、
前記第3波長選択素子と前記第3反射素子とは、前記第3波長選択素子によって反射された前記第6波長の光と前記第3反射素子によって反射された前記第5波長の光とで前記第3光変調素子の水平方向または垂直方向の画素数以上異なる位置に表示されるように配置されている、
画像表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−225969(P2012−225969A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90745(P2011−90745)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】