説明

画像補正装置、画像補正方法、肌診断方法およびプログラム

【課題】人物画像をより美しく見せるための画像補正の技術を提供する。
【解決手段】第1撮像条件で撮像された第1画像において予め定められた条件を満たす肌の部分領域を特定する部分領域特定部と、第1撮像条件と異なる第2撮像条件で撮像された第2画像において部分領域に対応する対応領域を特定する対応領域特定部と、第2画像の対応領域に予め定められた画像処理を施すことによって第2画像を補正する画像補正部と、を備える画像補正装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像補正装置、画像補正方法、肌診断方法およびプログラムに関する。特に、人物撮影における当該人物の肌を美しく補正することができ、肌診断に供することができる画像補正装置、画像補正方法、肌診断方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
物体の表面で直線偏光の光を反射する場合、照射光の偏光方向が維持されることが知られている。また照射光が物体の内部に侵入して反射される場合には物体内部での光の行程に応じて偏光方向が回転して、照射光の偏光方向とは相違する偏光方向の光が反射されることが知られている。この光反射の性質を人物の撮影に応用すれば、当該人物の肌の状態を強調した撮影ができるようになる。
【0003】
たとえば、特許文献1には、皮膚にS偏光とP偏光とを別個に入射させ、各入射光に対する皮膚からの反射光もS偏光成分とP偏光成分の双方を個別に受光して、皮膚表面を観察する皮膚表面観察装置が記載されている。また特許文献2には、偏光を利用して表面反射光を除外した内部反射光によるメラニン成分等の色を測定する肌色測定装置が記載されている。
【特許文献1】特開平7−323013号公報
【特許文献2】特開2002−200050号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし既存の技術においては、単に偏光等を利用して人物の肌の状態を観察するに止まる。人物画像を撮影する分野では、人物画像をより美しく見せるための画像補正の技術が要請されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態においては、第1撮像条件で撮像された第1画像において予め定められた条件を満たす肌の部分領域を特定する部分領域特定部と、第1撮像条件と異なる第2撮像条件で撮像された第2画像において部分領域に対応する対応領域を特定する対応領域特定部と、第2画像の対応領域に予め定められた画像処理を施すことによって第2画像を補正する画像補正部と、を備える画像補正装置を提供する。
【0006】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【発明の効果】
【0007】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、予め定められた条件を満たす肌の部分領域を特定して、当該部分領域に対応する対応領域に画像処理を施せる。この結果、人物画像をより美しく補正した画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0009】
図1は、本実施形態に係る撮像装置100の一例を示す。本実施形態の撮像装置100は、照射部110、撮像部120、偏光板駆動制御部130、表示部140、操作部150、画像処理部160、システム制御部170および格納部180を備える。なお、撮像装置100は、画像補正装置の一例である。請求項に記載の画像補正装置は、撮像装置100の他、パーソナルコンピュータでも良く、インターネット等の通信網に接続されたサーバであっても良い。
【0010】
照射部110は、光源112および照射光偏光板114を備える。光源112は、いわゆるフラッシュランプであってよく、被写体に照射する光を発する。光源112を発した光は任意方向の偏光成分を含み、照射光偏光板114は、特定方向の偏光だけを透過させる。照射部110から発せられる光は、照射光偏光板114を通過することにより特定方向の偏光成分だけを有する直線偏光になる。
【0011】
なお、後に説明する偏光板駆動部により、照射光偏光板114は回転されてよく、あるいは光路から取り除かれてもよい。照射光偏光板114が回転される場合、照射部110から発せられる光は、当該回転に応じて直線偏光の偏向方向が回転する。また照射光偏光板114が光路から取り除かれる場合、照射部110から発せられる光は、直線偏光でなく任意の偏光成分を含む円偏光になる。
【0012】
撮像部120は、撮像信号処理部122、受光素子124および受光偏光板126を備える。撮像信号処理部122は、受光素子124のアナログ出力をAD変換して、たとえば8ビットの輝度データに変換する。受光素子124のアナログ出力がRGB成分に色分解される場合には、前記8ビットの輝度データはRGBの成分ごとに得られる。
【0013】
また撮像信号処理部122は、RGBの各成分を調整してホワイトバランスをとることができる。撮像信号処理部122は、システム制御部170等にインターフェイスする。受光素子124は、入射光を電気信号(アナログ値)に変換する。受光素子124として代表的にはCCD(Charge−Coupled Device)が例示できる。
【0014】
受光偏光板126は、照射光偏光板114と同様に、特定方向の偏光を透過させる。被写体で反射した光のうち、受光偏光板126の偏光方向に一致した偏光成分の反射光が受光偏光板126を通過して受光素子124に達する。なお、後に説明する偏光板駆動部により、受光偏光板126は回転されてよく、あるいは光路から取り除かれてもよい。受光偏光板126が回転される場合、回転に応じて透過する光の偏光方向も回転する。また受光偏光板126が光路から取り除かれる場合、被写体を反射した光の全偏光成分が受光素子124に達する。
【0015】
偏光板駆動制御部130は、照射光偏光板駆動部132および受光偏光板駆動部134を備える。照射光偏光板駆動部132は、照射光偏光板114の回転または光路からの取り除きを駆動する。受光偏光板駆動部134は、受光偏光板126の回転または光路からの取り除きを駆動する。偏光板駆動制御部130は、システム制御部170からの制御を受けて照射光偏光板駆動部132および受光偏光板駆動部134を制御する。
【0016】
表示部140は、たとえば液晶表示パネルおよびパネルドライバを備え、撮像装置100が撮像した画像を表示する。操作部150は、たとえば電源スイッチ、レリーズスイッチ、ズームボタンあるいは機能設定ボタン等を備える。特に操作部150は、当該撮像装置100で撮像が可能になる美肌モードでの撮像と通常モードでの撮像の何れのモードで撮像するかを設定するモード設定部152を備える。
【0017】
画像処理部160は、上記した各種条件で撮像した画像を単独または組み合わせて処理して、被写体が美しく見えるよう補正対象画像を補正する。画像処理部160は、部分領域特定部161、対応領域特定部162、画像補正部163、ガンマ補正部164および人物特定部165を備える。
【0018】
部分領域特定部161は、前記したしわ部分領域特定用画像からしわ部分領域を特定する。また部分領域特定部161は、前記したしみ部分領域特定用画像からしみ部分領域を特定する。しわまたはしみ部分領域の特定は、たとえば肌領域を特定して、当該肌領域のなかで輝度変化の大きい一連の画素を特定する。
【0019】
この一連の画素が閉じた領域を形成するとともに閉領域内での輝度が周りよりも低い場合には当該閉領域がしみ領域である可能性が高い。一連の画素が直線的に開いており、当該直線的な一連の画素が平行して複数存在する場合にはしわ領域である可能性が高い。以上のような推論の下、各画素の輝度データを処理すれば、しわまたはしみの部分領域を特定できる。
【0020】
対応領域特定部162は、前記した補正対象画像において、しわ部分領域に対応する領域あるいはしみ部分領域に対応する領域を特定する。しわ部分領域特定用画像またはしみ部分領域特定用画像と補正対象画像とが時間的に近接して撮像され、画像内における被写体の構図がほぼ同じ場合には、しわ部分領域またはしみ部分領域に対応する画素に相当する補正対象画像の画素を特定して対応領域を特定できる。しわ部分領域特定用画像またはしみ部分領域特定用画像の被写体構図と補正対象画像の被写体構図とが一致しない場合には、たとえば被写体構図内の人物の顔画像を解析して、目、まゆ、口元等の特徴点を抽出する。そして、しわ部分領域あるいはしみ部分領域の位置を当該特徴点からの相対距離で規格化して補正対象画像における該当位置を対応領域として特定できる。
【0021】
画像補正部163は、補正対象画像に対して、しわ部分領域あるいはしみ部分領域に対応する対応領域に画像補正を施す。画像補正により当該補正対象画像の対応領域に存在するしわあるいはしみを目立たないようにできる。しわまたはしみの補正は、たとえば対応領域の周辺画素の平均輝度で対応領域内の画素の輝度を置き換えることができる。
【0022】
より自然に補正するためには、画素ごとの輝度変化の空間周波数を抽出して、当該空間周波数の高周波域をカットすると共に低周波域について画素間の輝度を補間しても良い。空間周波数の高周波域がたとえば黒子を反映する場合には当該高周波域を保存することもできる。なお、画像補正の方法として既存の任意の画像補正方法を適用できる。
【0023】
ガンマ補正部164は、しわ部分領域特定用画像、しみ部分領域特定用画像および補正対象画像に所定のガンマカーブを適用して画素ごとの輝度データを変更する。ここでガンマ補正とは、補正前の画素ごとの輝度データを、その入力値に応じて出力値が決定されているガンマカーブに従って変換して補正後の値とする入出力変換操作をいう。入力値に応じた出力値を示す変換曲線としてガンマカーブが定義される。すなわち、ガンマ補正は、ある画素の輝度データを入力値としてガンマカーブに従い出力値を割り出す。そして当該出力値を補正後の輝度データとする操作を全画素について実施する。
【0024】
ガンマ補正により画像入出力機器の非線形な入出力特性を線形化でき、ある画像について特に強調したい輝度領域のコントラストを高めることができるようになる。なお、輝度データがRGBの各成分に分解されている場合は各RGB成分の輝度データについてガンマ補正を施すことができる。
【0025】
ガンマ補正部164で実施されるガンマ補正では、しわ部分領域特定用画像およびしみ部分領域特定用画像に適用するガンマカーブと補正対象画像とに適用するガンマカーブが相違する。そして、しわ部分領域特定用画像およびしみ部分領域特定用画像に適用するガンマカーブの肌の輝度範囲における傾きは、補正対象画像に適用するガンマカーブの肌の輝度範囲における傾きより大きい。しわ部分領域特定用画像およびしみ部分領域特定用画像に適用するガンマカーブの傾きを大きくすることにより、肌の輝度の範囲で輝度差が明瞭に現れるようになり、しわ部分領域およびしみ部分領域の特定が容易になる。
【0026】
なお、肌の輝度範囲は、予め撮影したしわまたはしみ部分領域特定用画像から肌領域を特定して、当該肌領域内の各画素の最高輝度および最低輝度を上限および下限として決定できる。そして当該肌の輝度範囲内で傾きが最大になるようガンマカーブを定義できる。また、輝度データがRGBの各成分に分解されているときには、各色成分のそれぞれについて肌の輝度範囲のガンマカーブ傾きを大きくできる。ブルー系統色に吸収帯のある可能性の高いしみの観測ではB成分輝度の変化としてしみが観測される可能性が高いから、特にB成分のガンマカーブ傾きを大きくしてガンマ補正を適用できる。
【0027】
人物特定部165は、補正対象画像に含まれる人物を特定する。人物特定部165は、たとえば当該人物の顔画像から目、まゆ、鼻、口等の特徴点を抽出して顔パターンを計算する。そして、後に説明する格納部180の顔パターン格納部にアクセスして一致する顔パターンを検索する。一致する顔パターンが検索された場合にはその人物で特定する。
【0028】
システム制御部170は、撮像装置100の全体を制御する。システム制御部170は、制御CPU172およびモード切替部174を備える。制御CPU172はシステムの制御に要請される演算を実行する。モード切替部174は、美肌撮像モードと通常撮像モードとを切り替える。美肌撮像モードにおいては前記した照射光偏光板114および受光偏光板126の駆動制御、しわ部分領域特定用画像、しみ部分領域特定用画像および補正対象画像の取得および記録、しみ部分領域およびしわ部分領域ならびに対応領域の特定、ガンマ補正ならびに画像補正等の美肌モードに特有な各種制御を実行する。
【0029】
格納部180は、撮像装置100で利用する各種データを格納する。格納部180は、部分領域位置格納部182および顔パターン格納部184を備える。部分領域位置格納部182は、名前等人物識別情報に対応付けて当該人物のしわまたはしみ部分領域の位置を格納する。顔パターン格納部184は、名前等人物識別情報に対応付けて当該人物の顔パターンを格納する。前記の通り顔パターンは人物特定に利用される。
【0030】
図2は、照射光偏光板114および受光偏光板126の回転および光路からの除外の組み合わせを示す。図2(a)は照射光偏光板114の偏光方向と同じ方向に受光偏光板126の偏光方向を設定した場合を示す。図2(b)は照射光偏光板114の偏光方向と垂直な方向に受光偏光板126の偏光方向を設定した場合を示す。図2(c)は照射光偏光板114および受光偏光板126を光路から取り除いた場合を示す。図2に示すような照射光偏光板114および受光偏光板126の回転および光路からの除外の組み合わせにより、被写体からの反射光のうち被写体表面で反射した光の成分と被写体内部に侵入して反射した光の成分とを分離できる。
【0031】
すなわち被写体表面で反射する光の偏光方向は維持される一方被写体内部に侵入した光の偏光方向は変化するという反射光の性質を利用する。つまり、照射光偏光板114の偏光方向とほぼ同じ方向に受光偏光板126の偏光方向を設定すれば(図2(a)の場合)、受光素子124に入射する光は被写体の表面で反射した光が主になる。逆に、照射光偏光板114の偏光方向とほぼ垂直な方向に受光偏光板126の偏光方向を設定すれば(図2(b)の場合)、受光素子124に入射する光は被写体の内部に侵入して反射した光が主になる。被写体表面で反射した光で撮像すれば、たとえば肌表面のしわが強調され、被写体の内部に侵入して反射した光で撮像すれば、たとえば肌内部のしみが強調される。
【0032】
上記のような、肌表面のしわまたは肌内部のしみを強調して撮像した画像は画像の補正に利用できる。すなわち照射光偏光板114と受光偏光板126との偏光方向が一致した条件での撮像画像(肌表面を強調した画像)は、しわ部分領域特定用画像として利用できる。また照射光偏光板114と受光偏光板126との偏光方向が垂直な条件での撮像画像(肌内部を強調した画像)は、しみ部分領域特定用画像として利用できる。照射光偏光板114および受光偏光板126の何れか一方または両方を光路から取り除いた場合(図2(c)の場合)には、被写体からの反射光と同じ任意の偏光方向を含んだ光が受光素子124に入射する。このような条件で撮像された画像は補正対象画像として利用できる。
【0033】
図3は本実施形態の撮像方法例の前半部分を示す。なお、本実施形態の撮像方法は、画像補正方法の一例である。まず、処理を開始すると撮像モードを選択する(S200)。美肌モードを選択した場合にはステップS210に進み、通常撮像モードが選択された場合にはステップS430に進む。通常撮像モードの場合は後に説明する。
【0034】
美肌モード(S210)では、最初に人物情報を使用するかを判断する(S220)。人物情報を使用する場合には人物情報フラグPIFlagをON(PIFlagをtrueにセット)にして(S230)、ステップS260に進む。ステップS220で人物情報を使用しないと判断した場合にはしわ部分領域特定用画像を撮像する(S240)。その後、しみ部分領域特定用画像を撮像して(S250)、ステップS260に進む。
【0035】
ステップS260では補正対象画像を撮像する(S260)。次に、撮像した、しわ部分領域特定用画像、しみ部分領域特定用画像および補正対象画像にガンマ補正を施す(S270)。なお、しわ部分領域特定用画像およびしみ部分領域特定用画像を撮像していない場合は撮像した補正対象画像にガンマ補正を施す。
【0036】
図4は、本実施形態の撮像方法例の後半部分を示す。ステップS270でガンマ補正を施した後、PIFlagがtrueにセットされているかを判断する(S280)。PIFlagがtrueにセットされている、つまり人物情報を使用する場合には、人物識別情報として名前が入力されるかを判断する(S290)。名前が入力された場合には、当該名前から人物を特定して(S300)、ステップS330に進む。
【0037】
ステップS290で名前が入力されないときには、撮像した補正対象画像を分析して顔パターンを抽出する(S310)。抽出した顔パターンで顔パターン格納部184を検索して人物を特定する(S320)。なお、顔パターンの特定に失敗した場合には、その時点で処理を終了してもよく、またはステップS240に戻って処理を再開してもよい。ステップS300またはステップS320で人物が特定されれば、当該人物に対応付けて部分領域位置格納部182に記録されているしわ部分領域位置およびしみ部分領域位置を取得する(S330)。
【0038】
ステップS280でPIFlagがtrueにセットされていない、つまり人物情報を使用しないと判断した場合には、しわ部分領域特定用画像からしわ部分領域を特定する(S340)。さらにしみ部分領域特定用画像からしみ部分領域を特定する(S350)。次に、人物情報を記録するかを判断する(S360)。人物情報を記録する場合は、補正対象画像から顔パターンを分析して(S370)、当該顔パターンに対応付ける名前を人物識別情報として登録する(S380)。なお、顔パターンの分析はしわ部分領域特定用画像またはしみ部分領域特定用画像を用いてもよい。
【0039】
次に、ステップS340およびS350で特定したしわ部分領域およびしみ部分領域の位置とステップS370で分析した顔パターンとをステップS380で登録した名前に対応付けて各々部分領域位置格納部182および顔パターン格納部184に記録する(S390)。記録したしわ部分領域およびしみ部分領域の位置ならびに顔パターンは、後に人物情報を使用する場合に利用できる。
【0040】
次に、ステップS340およびS350で特定したしわ部分領域およびしみ部分領域、もしくはステップS330で取得したしわ部分領域位置およびしみ部分領域位置から補正対象画像のしわ対応領域およびしみ対応領域を特定する(S400)。特定したしわ対応領域およびしみ対応領域に対し補正処理を施して(S410)、補正後の画像を不揮発性メモリ等に記録する(S420)。その後処理を終了する。
【0041】
ステップS200で通常撮像モードを選択した場合、ステップS430以降の通常撮像モードに移行する(S430)。通常撮像モードでは、受光偏光板126をOFFに(S440)、照射光偏光板114をOFFにする(S450)。その後撮像する(S460)。撮像した画像を不揮発性メモリ等に記録して(S470)、処理を終了する。
【0042】
図5は、しわ部分領域特定用画像の撮像の一例を示す。しわ部分領域特定用画像の撮像では、まず受光偏光板126をONにして(S241)、照射光偏光板114をONにする(S242)。ここでONとは偏光板を光路上にセットすることをいう(以下同じ)。照射光偏光板114の偏光方向は受光偏光板126の偏光方向と同じにする。その後撮像して(S243)、撮像した画像をしわ部分領域特定用画像として記録する(S244)。
【0043】
図6は、しみ部分領域特定用画像の撮像の一例を示す。しみ部分領域特定用画像の撮像では、受光偏光板126をONにして(S251)、照射光偏光板114をONにする(S252)。照射光偏光板114の偏光方向は受光偏光板126の偏光方向に対して垂直にする。その後撮像して(S253)、撮像した画像をしみ部分領域特定用画像として記録する(S254)。
【0044】
図7は、補正対象画像の撮像の一例を示す。補正対象画像の撮像では、受光偏光板126をOFFにして(S261)、照射光偏光板114をOFFにする(S262)。ここでOFFとは偏光板を光路上から除外することをいう。その後撮像して(S263)、撮像した画像を補正対象画像として記録する(S264)。
【0045】
上記した撮像装置100によれば、偏光板の組み合わせによって被写体表面を強調したしわ部分領域特定用画像、被写体内部を強調したしみ部分領域特定用画像を取得できる。しわ部分領域特定用画像およびしみ部分領域特定用画像によりしわ部分領域およびしみ部分領域を特定でき、補正対象画像の対応領域を特定してしわおよびしみを目立たないよう補正対象画像を補正できる。この結果、人物画像をより美しく見せることができる。
【0046】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0047】
たとえば、上記した実施形態では、一つの受光素子124で、しわ部分領域特定用画像、しみ部分領域特定用画像および補正対象画像を撮像する例を示した。しかし、しわ部分領域特定用画像、しみ部分領域特定用画像および補正対象画像の各々に専用の受光素子を備えるようにしてもよい。
【0048】
図8は、撮像装置100の変更例を示す。以下の説明において撮像装置100と同じ符号を付した同様の部材については説明を省略する。撮像装置800には、照射部810と撮像部820とを備える。照射部810に含まれる照射光偏光板814は光源112の光路上に配置された固定の偏光板であってよい。従って照射部810からは常に一定の偏光方向を持つ光が照射される。
【0049】
撮像部820には受光素子124a、受光素子124b、受光素子124cを備える。受光素子124aは、その光路上に受光偏光板を有さないから、受光素子124aで撮像される画像は補正対象画像になる。受光素子124bは、その光路上に照射部810の照射光偏光板814と同じ偏光方向の受光偏光板822を有するから、受光素子124bで撮像される画像はしわ部分領域特定用画像になる。受光素子124cは、その光路上に照射部810の照射光偏光板814の変更方向に垂直な偏光方向の受光偏光板824を有するから、受光素子124cで撮像される画像はしみ部分領域特定用画像になる。
【0050】
撮像装置800によれば、しわ部分領域特定用画像、しみ部分領域特定用画像および補正対象画像の各々に専用の受光素子を備えるので、偏光板を駆動しなくてもよい。その結果、撮像装置が簡略化できる。
【0051】
また、上記実施形態では、受光偏光板126、受光偏光板822および受光偏光板824として、所定の偏光方向の光を透過する単一の透過領域を有する偏光板を例示した。しかし、偏光板には、第1偏光方向の光を透過する第1透過領域および第1偏光方向に略垂直な第2偏光方向の光を透過する第2透過領域を有することができ、当該偏光板に対応する受光素子には、第1透過領域を透過した光を受光する第1受光領域および第2透過領域を透過した光を受光する第2受光領域を有することができる。
【0052】
図9は、撮像装置800の変更例である撮像装置900の一例を示す。以下の説明において撮像装置800と同じ符号を付した同様の部材については説明を省略する。撮像装置900の撮像部820には、受光素子924および受光偏光板926を有する。
【0053】
図10は、受光偏光板926の平面例を示す。受光偏光板926は、第1偏光方向の光を透過する第1透過領域926aおよび第1偏光方向に略垂直な第2偏光方向の光を透過する第2透過領域926bを有する。第1透過領域926aおよび第2透過領域926bは、一つの画素領域926eを形成する。画素領域926eは、二次元方向に複数個繰り返して形成され、撮像画像の一画素分に対応する。
【0054】
画素領域926eは、第1透過領域926aおよび第2透過領域926bごとに、色成分に対応した各色成分領域を含んでもよい。すなわち、第1透過領域926aは、たとえばR(赤)、G(緑)およびB(青)の色成分ごとの色成分領域を含んでよく、同様に第2透過領域926bは、たとえばR(赤)、G(緑)およびB(青)の色成分ごとの色成分領域を含んでよい。
【0055】
受光素子924は、第1透過領域926aを透過した光を受光する第1受光領域および第2透過領域926bを透過した光を受光する第2受光領域を有する。受光素子924は、たとえばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサであってよく、第1受光領域および第2受光領域は、イメージセンサに配列されているフォトダイオードであってよい。第1透過領域926aおよび第2透過領域926bに色成分領域を含む場合には、受光素子924の第1受光領域および第2受光領域も、当該色成分領域に対応する受光領域を含む。
【0056】
本実施形態の撮像装置900における受光素子924では、図3における、しわ部分領域特定用画像の撮像(ステップS240)、しみ部分領域特定用画像の撮像(ステップS250)および補正対象画像の撮像(ステップS260)が同時に為される。すなわち、受光素子924は、肌測定モードにおいて、第1透過領域926aに対応する第1受光領域で受光した被写体からの光により、第1画像であってよいしわ部分領域特定用画像を撮像する。また受光素子924は、肌測定モードにおいて、第2透過領域926bに対応する第2受光領域で受光した被写体からの光により、第1画像であってよいしみ部分領域特定用画像を撮像する。さらに受光素子924は、補正撮像モードにおいて、第1透過領域926aに対応する第1受光領域および第2透過領域926bに対応する第2受光領域で受光した被写体からの光による信号を合成して、第2画像であってよい補正対象画像を撮像する。
【0057】
撮像装置900によれば、しわ部分領域特定用画像、しみ部分領域特定用画像および補正対象画像を単一の受光偏光板926および受光素子924により、同時に撮像できるので、部品点数を削減でき、照射光偏光板814を駆動しなくてもよい。その結果、撮像装置900がさらに簡略化できる。なお、受光偏光板926は、第1偏光方向の光および第2偏光方向の光を含む光を透過する第3透過領域をさらに有する受光偏光板に代えてもよい。
【0058】
図11は、受光偏光板928の平面例を示す。受光偏光板928は、第1偏光方向の光を透過する第1透過領域928a、第1偏光方向に略垂直な第2偏光方向の光を透過する第2透過領域928bおよび第1偏光方向と第2偏光方向との両方方向の光を透過する第3透過領域928cを有する。第1透過領域928a、第2透過領域928bおよび第3透過領域928cは、一つの画素領域928eを形成する。画素領域928eは、二次元方向に複数個繰り返して形成され、撮像画像の一画素分に対応する。画素領域928eが色成分領域を含んでよいことは受光偏光板926の場合と同様であってよい。
【0059】
上記の場合受光素子924に、第3透過領域928cを透過した光を受光する第3受光領域をさらに有してよい。受光素子924は、補正撮像モードにおいて、第3透過領域928cに対応する第3受光領域で受光した光により、第2画像であってよい補正対象画像を撮像できる。
【0060】
また、上記した撮像装置は、治療対象の施術領域を含む治療前後の画像から、施術領域における治療前後の画像の輝度変化量または色度変化量を算出する変化量算出部を備えてよく、変化量算出部が算出した輝度変化量または色度変化量を、成功事例または失敗事例の指標に関連付けて格納する事例格納部を備えてよい。図9には、撮像装置900に変化量算出部990および事例格納部986を備える例を示している。
【0061】
変化量算出部990は、治療対象の施術領域を含む治療前後の画像から、施術領域における治療前後の画像の輝度変化量または色度変化量を算出する。事例格納部986は、変化量算出部990が算出した輝度変化量または色度変化量を、成功事例または失敗事例の指標に関連付けて格納する。そして、画像補正部163は、第2画像の一例である補正対象画像を成功事例の予測画像として補正する場合には、成功事例の指標に関連付けて事例格納部986に格納されている輝度変化量または色度変化量だけ対応領域の輝度または色度が変化するよう補正対象画像に画像処理を施す。画像補正部163は、補正対象画像を失敗事例の予測画像として補正する場合には、失敗事例の指標に関連付けて事例格納部986に格納されている輝度変化量または色度変化量だけ対応領域の輝度または色度が変化するよう補正対象画像に画像処理を施す。表示部140は、画像補正部163が補正した補正対象画像(第2画像)を、成功事例または失敗事例の何れかの事例の予測画像として表示する。
【0062】
変化量算出部990および事例格納部986を備える撮像装置900によれば、肌治療の前に、治療が成功した場合、あるいは治療が失敗した場合の肌の状況を予測画像で確認できる。なお、変化量算出部990および事例格納部986を備える撮像装置900は、それを肌の診断に適用すれば、肌診断方法として把握することも可能になる。肌診断方法においては、肌治療の前後における、対応領域の画像の輝度変化量または色度変化量を変化量算出部990により算出する段階と、算出した輝度変化量または色度変化量を、成功事例または失敗事例の指標に関連付けて事例格納部986に格納する段階と、をさらに備えることもできる。
【0063】
また、上記実施形態では、本願の画像補正装置の一例として撮像装置の例を説明した。しかし、本願の画像補正装置、特に撮像装置100における画像処理部160、システム制御部170および格納部180はパーソナルコンピュータまたはネットワーク接続されたサーバ等の電子情報処理装置によって構成することもできる。
【0064】
図12は、本願の画像補正装置をパーソナルコンピュータ等の電子情報処理装置1500で構成した場合のハードウェア構成の一例を示す。画像補正装置は、CPU周辺部と、入出力部と、レガシー入出力部とを備える。CPU周辺部は、ホスト・コントローラ1582により相互に接続されるCPU1505、RAM1520、グラフィック・コントローラ1575、及び表示装置1580を有する。入出力部は、入出力コントローラ1584によりホスト・コントローラ1582に接続される通信インターフェイス1530、ハードディスクドライブ1540、及びCD−ROMドライブ1560を有する。レガシー入出力部は、入出力コントローラ1584に接続されるROM1510、フレキシブルディスク・ドライブ1550、及び入出力チップ1570を有する。
【0065】
ホスト・コントローラ1582は、RAM1520と、高い転送レートでRAM1520をアクセスするCPU1505、及びグラフィック・コントローラ1575とを接続する。CPU1505は、ROM1510、及びRAM1520に格納されたプログラムに基づいて動作して、各部の制御をする。グラフィック・コントローラ1575は、CPU1505等がRAM1520内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得して、表示装置1580上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ1575は、CPU1505等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
【0066】
入出力コントローラ1584は、ホスト・コントローラ1582と、比較的高速な入出力装置であるハードディスクドライブ1540、通信インターフェイス1530、CD−ROMドライブ1560を接続する。ハードディスクドライブ1540は、CPU1505が使用するプログラム、及びデータを格納する。通信インターフェイス1530は、ネットワーク通信装置1598に接続してプログラムまたはデータを送受信する。CD−ROMドライブ1560は、CD−ROM1595からプログラムまたはデータを読み取り、RAM1520を介してハードディスクドライブ1540、及び通信インターフェイス1530に提供する。
【0067】
入出力コントローラ1584には、ROM1510と、フレキシブルディスク・ドライブ1550、及び入出力チップ1570の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM1510は、画像補正装置が起動時に実行するブート・プログラム、あるいは画像補正装置のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスク・ドライブ1550は、フレキシブルディスク1590からプログラムまたはデータを読み取り、RAM1520を介してハードディスクドライブ1540、及び通信インターフェイス1530に提供する。入出力チップ1570は、フレキシブルディスク・ドライブ1550、あるいはパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を接続する。
【0068】
CPU1505が実行するプログラムは、フレキシブルディスク1590、CD−ROM1595、またはICカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。記録媒体に格納されたプログラムは圧縮されていても非圧縮であってもよい。プログラムは、記録媒体からハードディスクドライブ1540にインストールされ、RAM1520に読み出されてCPU1505により実行される。CPU1505により実行されるプログラムは、図1から11に関連して説明した、画像処理部160、システム制御部170および格納部180として機能させる。
【0069】
以上に示したプログラムは、外部の記憶媒体に格納されてもよい。記憶媒体としては、フレキシブルディスク1590、CD−ROM1595の他に、DVDまたはPD等の光学記録媒体、MD等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワークあるいはインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスクまたはRAM等の記憶装置を記録媒体として使用して、ネットワークを介したプログラムとして画像補正装置を提供してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本願発明は、撮像装置および撮像装置で利用可能な画像補正技術に関する。よって、本願発明は、撮像装置産業および画像補正技術を利用する産業において利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本実施形態に係る撮像装置100の一例を示す。
【図2】照射光偏光板114および受光偏光板126の回転および光路からの除外の組み合わせを示す。
【図3】本実施形態の撮像方法の一例を示す。
【図4】本実施形態の撮像方法の一例を示す。
【図5】しわ部分領域特定用画像の撮像の一例を示す。
【図6】しみ部分領域特定用画像の撮像の一例を示す。
【図7】補正対象画像の撮像の一例を示す。
【図8】撮像装置100の変更例を示す。
【図9】撮像装置800の変更例である撮像装置900の一例を示す。
【図10】受光偏光板926の平面例を示す。
【図11】受光偏光板928の平面例を示す。
【図12】本願の画像補正装置をパーソナルコンピュータ等の電子情報処理装置で構成した場合のハードウェア構成の一例を示す。
【符号の説明】
【0072】
100 撮像装置
110 照射部
112 光源
114 照射光偏光板
120 撮像部
122 撮像信号処理部
124 受光素子
124a 受光素子
124b 受光素子
124c 受光素子
126 受光偏光板
130 偏光板駆動制御部
132 照射光偏光板駆動部
134 受光偏光板駆動部
140 表示部
150 操作部
152 モード設定部
160 画像処理部
161 部分領域特定部
162 対応領域特定部
163 画像補正部
164 ガンマ補正部
165 人物特定部
170 システム制御部
172 制御CPU
174 モード切替部
180 格納部
182 部分領域位置格納部
184 顔パターン格納部
800 撮像装置
810 照射部
814 照射光偏光板
820 撮像部
822 受光偏光板
824 受光偏光板
900 撮像装置
924 受光素子
926 受光偏光板
926a 第1透過領域
926b 第2透過領域
926e 画素領域
928 受光偏光板
928a 第1透過領域
928b 第2透過領域
928c 第3透過領域
928e 画素領域
986 事例格納部
990 変化量算出部
1500 電子情報処理装置
1505 CPU
1510 ROM
1520 RAM
1530 通信インターフェイス
1540 ハードディスクドライブ
1550 フレキシブルディスク・ドライブ
1560 CD−ROMドライブ
1570 入出力チップ
1575 グラフィック・コントローラ
1580 表示装置
1582 ホスト・コントローラ
1584 入出力コントローラ
1590 フレキシブルディスク
1595 CD−ROM
1598 ネットワーク通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1撮像条件で撮像された第1画像において、予め定められた条件を満たす肌の部分領域を特定する部分領域特定部と、
前記第1撮像条件と異なる第2撮像条件で撮像された第2画像において、前記部分領域に対応する対応領域を特定する対応領域特定部と、
前記第2画像の前記対応領域に予め定められた画像処理を施すことによって、前記第2画像を補正する画像補正部と、
を備える画像補正装置。
【請求項2】
前記第1画像および前記第2画像を撮像する撮像部と、
前記第1撮像条件で前記撮像部に前記第1画像を撮像させる肌測定モードと、前記第2撮像条件で前記撮像部に前記第2画像を撮像させる補正撮像モードとを切り換えるモード設定部と、
をさらに備える請求項1に記載の画像補正装置。
【請求項3】
前記撮像部は、
第1偏光方向の光を透過する偏光板と、
前記肌測定モードにおいて前記偏光板を介して被写体からの光を受光して前記第1画像を撮像し、前記補正撮像モードでは前記偏光板を介さずに被写体からの光を受光して前記第2画像を撮像する受光素子と、
を有する請求項2に記載の画像補正装置。
【請求項4】
前記第1偏光方向の光を被写体に照射する照射部をさらに備え、
前記部分領域特定部は、前記第1画像において、肌の表面が予め定められた条件を満たす肌の前記部分領域を特定する請求項3に記載の画像補正装置。
【請求項5】
前記受光素子は、前記偏光板を介して前記第1偏光方向に略平行な偏光を有する光を受光して前記第1画像を撮像し、
前記部分領域特定部は、前記第1画像において、しわが存在する前記部分領域を特定し、
前記画像補正部は、前記第2画像の前記対応領域に対して、しわを補正する画像処理を施す請求項4に記載の画像補正装置。
【請求項6】
前記第1偏光方向と略垂直方向の第2偏光方向の光を被写体に照射する照射部をさらに備え、
前記部分領域特定部は、前記第1画像において、肌の内部が予め定められた条件を満たす肌の部分領域を特定する請求項3に記載の画像補正装置。
【請求項7】
前記受光素子は、前記偏光板を介して前記第1偏光方向に略垂直な偏光を有する光を受光して前記第1画像を撮像し、
前記部分領域特定部は、前記第1画像において、しみが存在する前記部分領域を特定し、
前記画像補正部は、前記第2画像の前記対応領域に対して、しみを補正する画像処理を施す請求項6に記載の画像補正装置。
【請求項8】
第1ガンマカーブを用いて、前記撮像部が撮像した前記第1画像をガンマ補正し、前記第1ガンマカーブと異なる第2ガンマカーブを用いて、前記撮像部が撮像した前記第2画像をガンマ補正するガンマ補正部をさらに備え、
前記部分領域特定部は、前記第1ガンマカーブを用いてガンマ補正された前記第1画像を解析して、前記第1画像における前記部分領域を特定する請求項2に記載の画像補正装置。
【請求項9】
前記撮像部が撮像した前記第1画像における肌の輝度の範囲において、前記第1ガンマカーブの傾きは、前記第2ガンマカーブの傾きより大きい請求項8に記載の画像補正装置。
【請求項10】
人物を識別する人物識別情報に対応づけて、人物の前記部分領域の位置を格納する部分領域位置格納部と、
前記第2画像に含まれる人物を特定する人物特定部と、
をさらに備え、
前記対応領域特定部は、前記人物特定部が特定した人物を識別する人物識別情報に対応づけて前記部分領域位置格納部が格納している前記部分領域の位置に基づいて、前記第2画像において、前記部分領域に対応する前記対応領域を特定する請求項1に記載の画像補正装置。
【請求項11】
前記撮像部は、
第1偏光方向の光を透過する第1透過領域および前記第1偏光方向に略垂直な第2偏光方向の光を透過する第2透過領域を有する偏光板と、
前記第1透過領域を透過した光を受光する第1受光領域および前記第2透過領域を透過した光を受光する第2受光領域を有する受光素子と、
を有し、
前記受光素子は、前記肌測定モードにおいて、前記第1受光領域または前記第2受光領域で受光した被写体からの光により前記第1画像を撮像する、
請求項2に記載の画像補正装置。
【請求項12】
前記受光素子は、前記補正撮像モードにおいて、前記第1受光領域で受光した光による信号および前記第2受光領域で受光した光による信号を合成して前記第2画像を撮像する、
請求項11に記載の画像補正装置。
【請求項13】
前記偏光板は、前記第1偏光方向の光および前記第2偏光方向の光を含む光を透過する第3透過領域をさらに有し、
前記受光素子は、前記第3透過領域を透過した光を受光する第3受光領域をさらに有し、前記補正撮像モードにおいて、前記第3受光領域で受光した光により前記第2画像を撮像する、
請求項11に記載の画像補正装置。
【請求項14】
治療対象の施術領域を含む治療前後の画像から、前記施術領域における治療前後の前記画像の輝度変化量または色度変化量を算出する変化量算出部と、
前記変化量算出部が算出した前記輝度変化量または前記色度変化量を、成功事例または失敗事例の指標に関連付けて格納する事例格納部と、
前記画像補正部が補正した前記第2画像を、前記成功事例または前記失敗事例の何れかの事例の予測画像として表示する表示部と、
をさらに備え、
前記画像補正部は、
前記第2画像を前記成功事例の前記予測画像として補正する場合には、前記成功事例の指標に関連付けて前記事例格納部に格納されている前記輝度変化量または前記色度変化量だけ前記対応領域の輝度または色度が変化するよう前記第2画像に画像処理を施し、
前記第2画像を前記失敗事例の前記予測画像として補正する場合には、前記失敗事例の指標に関連付けて前記事例格納部に格納されている前記輝度変化量または前記色度変化量だけ前記対応領域の輝度または色度が変化するよう前記第2画像に画像処理を施す、
請求項1に記載の画像補正装置。
【請求項15】
第1撮像条件で撮像された第1画像において、予め定められた条件を満たす肌の部分領域を特定する部分領域特定段階と、
前記第1撮像条件と異なる第2撮像条件で撮像された第2画像において、前記部分領域に対応する対応領域を特定する対応領域特定段階と、
前記第2画像の前記対応領域に予め定められた画像処理を施すことによって、前記第2画像を補正する画像補正段階と、
を備える画像補正方法。
【請求項16】
第1撮像条件で第1画像を撮像する段階と、
前記第1画像において、予め定められた条件を満たす肌の部分領域を特定する部分領域特定段階と、
前記第1撮像条件と異なる第2撮像条件で第2画像を撮像する段階と、
前記第2画像において、前記部分領域に対応する対応領域を特定する対応領域特定段階と、
治療対象の施術領域を含む治療前後の画像から算出した、前記施術領域における治療前後の前記画像の輝度変化量または色度変化量を、成功事例または失敗事例の指標に関連付けて前記輝度変化量または前記色度変化量を格納した事例格納部から読み出す段階と、
前記第2画像を前記成功事例の予測画像として補正する場合には、前記成功事例の指標に関連付けて前記事例格納部に格納されている前記輝度変化量または前記色度変化量だけ前記対応領域の輝度または色度が変化するよう前記第2画像に画像処理を施し、前記第2画像を前記失敗事例の予測画像として補正する場合には、前記失敗事例の指標に関連付けて前記事例格納部に格納されている前記輝度変化量または前記色度変化量だけ前記対応領域の輝度または色度が変化するよう前記第2画像に画像処理を施す画像補正段階と、
前記画像補正段階で補正した前記第2画像を、前記成功事例または前記失敗事例の何れかの事例の予測画像として表示する表示段階と、
を備えた肌診断方法。
【請求項17】
肌治療の前後における、前記対応領域の画像の輝度変化量または色度変化量を算出する段階と、
算出した前記輝度変化量または前記色度変化量を、成功事例または失敗事例の指標に関連付けて前記事例格納部に格納する段階と、
をさらに備えた請求項16に記載の肌診断方法。
【請求項18】
画像を補正する画像補正装置用のプログラムであって、画像処理装置を、
第1撮像条件で撮像された第1画像において、予め定められた条件を満たす肌の部分領域を特定する部分領域特定部、
前記第1撮像条件と異なる第2撮像条件で撮像された第2画像において、前記部分領域に対応する対応領域を特定する対応領域特定部、および、
前記第2画像の前記対応領域に予め定められた画像処理を施すことによって、前記第2画像を補正する画像補正部、
として機能させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2008−278468(P2008−278468A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−54947(P2008−54947)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】