説明

画像解像度変換装置

【課題】M×M画素の局所共分散計算対象画素群の画素数Mが奇数の場合でも局所共分散計算対象領域の偏りが殆ど無い良好な画質の拡大画像を得る。
【解決手段】5×5画素メモリ12は、重み付け平均計算対象画素群を一部に含む、M×M画素の局所共分散計算対象画素群の候補を複数設定する。相関計算部14は、局所共分散計算対象画素群の複数の候補のそれぞれについて、重み付け平均計算対象画素群の各画素との相互相関を計算し、その相関値が最大値を示す局所共分散計算対象画素群の候補を、計算する局所共分散計算対象画素群として選択する。重み付け平均計算部16は、重み付け係数αと重み付け平均計算対象画素群Wとから重み付け平均により補間値を生成し拡大画像を生成する。これにより、既存の共分散利用の拡大アルゴリズムに比べ、Mが奇数の場合でも局所共分散計算対象領域の偏りが無く良好な拡大画像を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像解像度変換装置に係り、特に入力画像をその画像よりも画素数の多い、高解像度の画像に変換する画像解像度変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自然画では近傍の画素間には強い相関性を持つことが知られている。画像を拡大する解像度変換の場合、その相関性を利用し、近傍の画素を重み付け平均処理することで拡大の補間画素を生成する。一般的なバイリニア補間の場合、補間対象画素位置に対する距離に応じた重み付けを用いる。この場合、物体のエッジが保存されず、ボケたりジャギーなどの劣化が生じる。
【0003】
これに対し、補間対象画素周辺の輝度変化パターンを推定し、推定したパターンに応じた重み付けを行うことで、物体エッジの再現性の向上させた手法が検討されている。非特許文献1に開示されている手法は、輝度変化パターンの特徴量として共分散を用いた手法である。すなわち、この非特許文献1に記載の手法は、低解像度における共分散と、高解像度における共分散は局所的には同じであるという前提に基づいて、まず低解像度における局所共分散を求め、求めた局所共分散から求めようとする高解像度画像の局所共分散を推定し、その推定局所共分散に応じた重み付け平均処理を行うことで、低解像度画像のエッジを保存した拡大画像の変換が可能となる。なお、低解像度画像の局所共分散の推定値を古典的なウィナー(Wiener)フィルタ補間を実行するのに用いることが特許文献1に開示されている。
【0004】
非特許文献1に開示されたアルゴリズムでは、図2に示すように補間対象画素Xはその周辺の4画素X0〜X3の重み付け平均として求められる。また、高さH、幅Wの大きさの低解像度画像Xi,j{0≦i<H, 0≦j<W}を、高さ2H、幅2Wの大きさの高解像度画像Ym,n{0≦m<2H, 0≦n<2W}に拡大するとき、高解像度画像において、(2i,2j)の位置にある画素Y2i,2jの値を
2i,2j=Xi,j (1)
と仮定し、画素Y2i+1,2j+1の値を補間により求めるとすれば、以下のような重み付き平均で求められる。
【0005】
【数1】

ただし、式(2)中、αは重み付け係数である。
【0006】
上記の重み付け係数αは、古典的なウィナー(Wiener)フィルタ補間の理論によれば、以下のように表わせる。
【0007】
α=R-1 ・r where R=[Rkl] ,r=[rk] (3)
ただし、式(3)中、k及びlは0以上3以下の自然数である。
【0008】
ここで、式(3)のR,rは高解像度画像における共分散であり、対応関係を図3の実線矢印で示す。このR,rに対応する低解像度画像の共分散R’,r’は位置関係の相似形を考えると、図3に破線矢印で示される。このような相似関係に関して、補間対象画素周辺を全て考慮に入れると最終的なR’,r’は次式で表わされる。
【0009】
R’=(CT・C)/M2 , r’=(CT・y)/M2 (4)
ここで、式(4)中、yは補間対象画素周辺のMxM画素(Mは2以上の自然数)からなるベクトルであり、局所共分散計算対象画素領域を示し、[y1,y2,・・・yk,・・・,yM2]Tで表わされる(Tは転置行列)。また、Cは4xM2の行列であり、その第k列はykの対角線上の最近4画素である(図4参照)。なお、図4において、M=2の場合の補間対象画素XはY2i+1,2j+1であり、また、補間周辺画素の集合yは{X59106}である。また、図4において、行列Cは次式で表わされる。
【0010】
【数2】

低解像度画像における重み付け係数αは、式(3)に式(4)を代入することで次式により求めることができる。
【0011】
α=(CT・C)-1・(CT・y) (5)
そして、低解像度画像から高解像度画像に解像度変換する場合は、この重み付け係数αを式(2)に用いて高解像度画像の補間対象画素値Y2i+1,2j+1を求める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特許第4035474号公報
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Xin Li,and Michael T. Orchard,“New Edge-Directed Interpolation”,IEEE Transaction on Image Processing,Vol.10,No.10,October 2001
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記の解像度変換方法では、上記のMで定義される局所共分散計算対象画素領域yの大きさが問題となる。Mが大きいと局所共分散計算対象画素領域に重み付け平均計算対象画素群と相関関係の無い画素が混入する確率が大きくなり、補間誤差が増大する。一方、Mが小さいと相関関係の強い領域での計算が期待できるが、ノイズやイレギュラーな輝度変化の影響が強くなるため、滑らかな補間が難しい。従って、Mの設定は慎重に行う必要があるが、Mが奇数の場合、局所共分散計算対象画素領域yと重み付け平均計算対象画素群との対称性が保てないという問題がある。ある一つの周辺領域設定に固定してしまうと、特定の方向の影響に偏る結果となり拡大画像の劣化の要因となる。
【0015】
例えば、図5(A)に示すように、低解像度画像の補間対象画素Xを低解像度画像の周辺4画素X5、X6、X9、X10からなる重み付け平均計算対象画素群Wを用いて補間生成する場合、Mを奇数である「3」に設定すると、重み付け平均計算対象画素群Wを含む3×3画素の局所共分散計算対象画素領域yの候補が図5(B)に示すようにP0〜P3の4つ存在することとなり、これらの候補P0〜P3と重み付け平均計算対象画素群Wとの対称性が保てず、いずれか一つの候補を周辺領域設定に固定しても、特定の方向の影響に偏り、拡大画像が劣化する可能性が極めて高い。
【0016】
このため、Mは偶数から選ばざるを得ないことになり、画像によっては最良の値が選べない可能性があるという問題がある。
【0017】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、M×M画素の局所共分散計算対象画素群の画素数Mが奇数の場合でも局所共分散計算対象領域の偏りが殆ど無い良好な画質の拡大画像を得ることができる画像解像度変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するため、本発明の画像解像度変換装置は、解像度変換前の低解像度画像における2×2画素を周辺画素とし、その周辺画素の各画素値の重み付け平均値を周辺画素の中心位置の補間対象画素の画素値とするとき、その周辺画素からなる重み付け平均計算対象画素群を一部に含む、M×M画素(Mは3以上の任意の自然数)の局所共分散計算対象画素群の候補を複数設定する候補設定手段と、局所共分散計算対象画素群の複数の候補のそれぞれについて、重み付け平均計算対象画素群の各画素との相互相関を計算する相関計算手段と、局所共分散計算対象画素群の複数の候補のうち、相関計算手段により計算された相関値が最大値を示す局所共分散計算対象画素群の候補を、計算する局所共分散計算対象画素群として選択する選択手段と、選択手段により選択された計算する局所共分散対象画素群を用いて所定の演算式により重み付け係数を計算する重み付け係数計算手段と、重み付け係数計算手段により計算された重み付け係数を用いて重み付け平均対象画素群における周辺画素の各画素値の重み付け平均値を求めて周辺画素の中心位置の補間対象画素の画素値として拡大画像を生成する重み付け平均計算手段と、重み付け平均計算手段により生成された拡大画像の画素配置を45度回転し、その画素配置が45度回転された拡大画像に対し、候補設定手段、相関計算手段、選択手段、重み付け係数計算手段、及び重み付け平均計算手段による処理動作を再度行わせて重み付け平均計算手段から高解像度に解像度変換された画像を出力させる回転処理手段と、を有することを特徴とする。
【0019】
ここで、上記の候補設定手段は、Mが奇数である局所共分散計算対象画素群の候補を複数設定するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、M×M画素の局所共分散計算対象画素群の画素数Mが奇数の場合でも局所共分散計算対象領域の偏りが殆ど無い良好な画質の拡大画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の画像解像度変換装置の一実施の形態のブロック図である。
【図2】周辺4画素の概念図である。
【図3】低解像度画像、高解像度画像それぞれにおける共分散計算の対応画素の図である。
【図4】M=2における計算対象画素を示す図である。
【図5】M=3におけるyの候補の画素の組み合わせを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、本発明になる画像解像度変換装置の一実施の形態のブロック図を示す。同図に示すように、本実施の形態の画像解像度変換装置10は、画像解像度変換前の低解像度画像である原画像Aを1フレーム分一時保存するフレームメモリ11と、フレームメモリ11に保存された1フレーム分の原画像Aを横方向5画素、縦方向5画素(すなわち、5×5画素)単位で記憶する5×5画素メモリ12と、5×5画素メモリ12の記憶画素群を所定のアドレス順序で読み出す読み出しアドレス生成部13と、5×5画素メモリ12から読み出された画素群に基づいて後述する相関計算を行い、相関が最大となる候補の番号を5×5画素メモリ12へ出力する相関計算部14と、5×5画素メモリ12から読み出された画素群に基づいて重み付け係数αを計算するα計算部15と、重み付け平均計算部16と、重み付け平均計算部16から出力される第1回目の計算結果である拡大画像Bを45度回転して、フレームメモリ11に供給する45度回転処理部17とより構成される。
【0024】
本実施の形態の画像解像度変換装置10は、補間対象画素値を周辺画素の重み付け平均により求める際に、低解像度画像におけるM×M画素の局所共分散領域の局所共分散から、求めようとする高解像度画像の局所共分散を推定し、その推定局所共分散で重み付け平均処理を行って高解像度画像(拡大画像)を得るという解像度変換アルゴリズムは従来と同じであるが、上記の画素数Mを偶数に設定する場合だけでなく、奇数を設定した場合でも高画質の拡大画像を得ることができるようにしたものである。画素数Mが偶数の場合、上記のMで定義される局所共分散計算対象画素領域(ベクトル)yは重み付け平均計算対象画素群を対称に包括する条件で一意に決まる。従って、以下では画素数Mが奇数の場合について説明するが、ここでは説明の簡略化のため一例としてM=3の場合について説明する。
【0025】
フレームメモリ11は、低解像度画像の原画像Aを1フレーム分一時保存する。ここで、ある画素を補間する場合、低解像度画像における重み付け平均計算対象画素群Wは図2及び図5(A)に示したように補間対象画素Xの周辺の2×2画素(X0,X1,X2,X3)である。また、M=3の場合、2×2画素の重み付け平均計算対象画素群Wを含む3×3画素の局所共分散計算対象画素領域yの候補は、図5(A)、(B)に示したように全部でP0〜P3の4つ存在する。これら4つの候補Pa(ただし、0≦a≦3)をすべて含む領域を確保すると、図5(A)に示したように補間対象画素Xの周辺の4×4画素必要となり、更にある候補が選択された場合、そのyに対応するC行列を生成するために更に一画素必要となるため、本実施の形態で必要になる周辺画素数は5×5画素となる。
【0026】
そこで、フレームメモリ11から補間対象画素位置を中心にした5×5画素単位で読み出され、5×5画素メモリ12に格納される。ここで、補間対象画素の画素値をY2i+1,2j+1とすると、候補Pa(ただし、0≦a≦3)は、低解像度画像Xにおける補間対象画素位置を含む以下の9画素の集合である。
【0027】
P0={Xi-1,j-1, Xi-1,j, Xi-1,j+1, Xi,j-1, Xi,j, Xi,j+1, Xi+1,j-1,
Xi+1,j, Xi+1,j+1} (6a)
P1={Xi,j-1, Xi,j, Xi,j+1, Xi+1,j-1, Xi+1,j, Xi+1,j+1, Xi+2,j-1,
Xi+2,j, Xi+2,j+1} (6b)
P2={Xi-1,j, Xi-1,j+1, Xi-1,j+2, Xi,j, Xi,j+1, Xi,j+2, Xi+1,j,
Xi+1,j+1, Xi+1,j+2} (6c)
P3={Xi,j, Xi,j+1, Xi,j+2, Xi+1,j, Xi+1,j+1, Xi+1,j+2, Xi+2,j,
Xi+2,j+1, Xi+2,j+2} (6d)
一方、重み付け平均計算対象画素群Wは低解像度画像Xにおける補間対象画素位置を中心とする以下の4画素の集合である。
【0028】
W={Xi,j, Xi,j+1, Xi+1,j, Xi+1,j-1} (7)
読み出しアドレス生成部13は、5×5画素メモリ12の読み出しアドレスを指定して、上記の式(6a)〜(6d)で表わされる候補Paの各画素及び式(7)で表わされる重み付け平均計算対象画素群Wの各画素を読み出して相関計算部14に供給する。重み付け平均計算対象画素群Wの各画素値は、同時に重み付け平均計算部16にも送られる。
【0029】
相関計算部14は、入力された候補Paと重み付け平均計算対象画素群Wとの相関を取る画素を選定する。具体的には、相関計算部14は、候補Paの各画素値と重み付け平均計算対象画素群Wの各画素値とは相似の関係にあるという仮定から、候補Paの四隅の画素を対象として選び、それぞれ次式で表わされるPwaとする。
【0030】
Pw0={Xi-1,j-1, Xi-1,j+1, Xi+1,j-1, Xi+1,j+1} (8a)
Pw1={Xi,j-1, Xi,j+1, Xi+2,j-1, Xi+2,j+1} (8b)
Pw2={Xi-1,j, Xi-1,j+2, Xi+1,j, Xi+1,j+2} (8c)
Pw3={Xi,j, Xi,j+2, Xi+2,j, Xi+2,j+2} (8d)
次に、相関計算部14は、各々4画素であるPwaとWとの相互相関を計算する。続いて、相関計算部14は、Pw0とWとの相互相関を計算して得た第1の相関結果と、Pw1とWとの相互相関を計算して得た第2の相関結果と、Pw2とWとの相互相関を計算して得た第3の相関結果と、Pw3とWとの相互相関を計算して得た第4の相関結果とをそれぞれ比較し、相関結果が最大値である候補Pwz(zは0〜3のいずれか一の値)の候補番号zを5×5画素メモリ12に通知する。
【0031】
5×5画素メモリ12は、入力された候補番号zに対応する候補Pzを選択し、これを低解像度画像における3×3画素の局所共分散領域の局所共分散yとしてα計算部15に供給すると共に、図3に示した行列Cに相当する画素群をα計算部15に供給する。α計算部15は、上記の局所共分散y及び行列Cを入力信号として受け、式(5)に基づいて、重み付け係数αを算出する。
【0032】
重み付け平均計算部16は、α計算部15により計算された重み付け係数αと、5×5画素メモリ12からの重み付け平均計算対象画素群Wの各画素値とを入力信号として受け、重み付け平均計算対象画素群Wの各画素値を重み付け係数αで重み付けして平均をとり、その平均値を補間値として出力する。これにより、重み付け平均計算部16は、図1に示すように、低解像度画像の重み付け平均計算対象画素群Wの黒丸で示す画素のうち隣接する2×2画素毎に、その2×2画素を周辺の4画素とする二重丸で示す補間値(周辺4画素の重み付け平均値)を周辺4画素の中心位置に合成した拡大画像Bを生成する。
【0033】
ただし、この拡大画像Bは、本来の拡大結果に必要な補間画素の一部しか生成されていないので、本来の拡大結果に必要な補間画素を生成するために、重み付け平均計算部16は、第1回目の重み付け平均計算により生成した拡大画像Bを一旦、45度回転処理部17に供給する。
【0034】
45度回転処理部17は、入力された拡大画像Bの画素配置を45度回転してフレームメモリ11に供給する。以降、5×5画素メモリ12と、読み出しアドレス生成部13と、相関計算部14と、α計算部15と、重み付け平均計算部16とが上記と同様の動作を行う。
【0035】
これにより、重み付け平均計算部16は、図1に示すように、45度回転後の拡大画像Bの重み付け平均計算対象画素群Wの黒丸と二重丸とで示す画素のうち隣接する2×2画素毎に、その2×2画素を周辺の4画素とする丸で示す補間値(周辺4画素の重み付け平均値)を周辺4画素の中心位置に合成した拡大画像B’を生成する。すなわち、45度回転後の拡大画像Bの重み付け平均計算対象画素群Wの黒丸と二重丸とで示す画素のうち、隣接する2×2画素は2本の対角線のうち一方には黒丸で示す画素が並び、他方には二重丸で示す画素が並び、それら対角線の交点の中心位置に、前述した重み付け計算により丸で示す補間値(周辺4画素の重み付け平均値)が補間されることになる。
【0036】
拡大画像B’は全ての補間位置が処理された画像であるので、重み付け平均計算部16は、この第2回目の重み付け平均計算により生成した拡大画像B’を拡大結果として出力する。相関計算部14とα計算部15では共分散計算が存在するので、この計算処理を共有化することでハード規模を縮小することが可能である。
【0037】
このように、本実施の形態の画像解像度変換装置10によれば、M×M画素の局所共分散計算対象画素群のMが奇数(上記の例では「3」)の場合、対称性が偏る複数の局所共分散計算対象画素群を複数の候補Paとし、各候補Paのそれぞれについて重み付け平均計算対象画素群Wとの相互相関を求め、その相互相関値が最大値を示す候補Pzを、計算する局所共分散計算対象画素群として選択するようにしたため、既存の共分散利用の拡大アルゴリズムに比べ、Mが奇数の場合でも局所共分散計算対象領域の偏りが殆ど無い良好な画質の拡大画像を得ることができる。
【0038】
なお、本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、Mが偶数の場合にも重み付け平均計算対象画素群と対称性が偏る複数の局所共分散計算対象画素領域を候補に設定することで本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0039】
10 画像解像度変換装置
11 フレームメモリ
12 5×5画素メモリ
13 読み出しアドレス生成部
14 相関計算部
15 α計算部
16 重み付け平均計算部
17 45度回転処理部
A 原画像
B、B’ 拡大画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
解像度変換前の低解像度画像における2×2画素を周辺画素とし、その周辺画素の各画素値の重み付け平均値を前記周辺画素の中心位置の補間対象画素の画素値とするとき、その周辺画素からなる重み付け平均計算対象画素群を一部に含む、M×M画素(Mは3以上の任意の自然数)の局所共分散計算対象画素群の候補を複数設定する候補設定手段と、
前記局所共分散計算対象画素群の複数の候補のそれぞれについて、前記重み付け平均計算対象画素群の各画素との相互相関を計算する相関計算手段と、
前記局所共分散計算対象画素群の複数の候補のうち、前記相関計算手段により計算された相関値が最大値を示す局所共分散計算対象画素群の候補を、計算する局所共分散計算対象画素群として選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された計算する前記局所共分散対象画素群を用いて所定の演算式により重み付け係数を計算する重み付け係数計算手段と、
前記重み付け係数計算手段により計算された前記重み付け係数を用いて前記重み付け平均対象画素群における周辺画素の各画素値の重み付け平均値を求めて前記周辺画素の中心位置の補間対象画素の画素値として拡大画像を生成する重み付け平均計算手段と、
前記重み付け平均計算手段により生成された前記拡大画像の画素配置を45度回転し、その画素配置が45度回転された拡大画像に対し、前記候補設定手段、前記相関計算手段、前記選択手段、前記重み付け係数計算手段、及び前記重み付け平均計算手段による処理動作を再度行わせて前記重み付け平均計算手段から高解像度に解像度変換された画像を出力させる回転処理手段と、
を有することを特徴とする画像解像度変換装置。
【請求項2】
前記候補設定手段は、前記Mが奇数である局所共分散計算対象画素群の候補を複数設定することを特徴とする請求項1記載の画像解像度変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−129829(P2012−129829A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−280017(P2010−280017)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】