説明

画像記録装置および方法並びに画像記録プログラム

【課題】駐車場に駐車した車両と当該車両に乗降した人物の情報を含む所望の画像を選択的に記録する画像記録装置および方法並びに画像記録プログラムを提供する。
【解決手段】車両によって遮られるマークをそれぞれ有する複数の駐車エリアを撮影する撮像装置によって得られる画像に基づいて、各駐車エリアの画像が継続的に変化している期間である動作期間を駐車エリアごとに検出する動作検出部と、動作期間の開始時および終了時のそれぞれの画像から、マークの像を駐車エリアごとに検出するマーク検出部と、開始時にマークが検出され、終了時にマークが検出されないときに、当該動作期間における当該駐車エリアへの車両の入庫を判別し、開始時にマークが検出されず、終了時にマークが検出されたときに、当該動作期間における当該駐車エリアからの車両の出庫を判別する判別部と、判別部によって入庫あるいは出庫が判別された動作期間に対応して撮像装置によって得られた画像を記録する記録部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件開示は、撮影された画像の少なくとも一部を記録する画像記録装置および方法並びに画像記録プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の駐車エリアを含む駐車場などを監視する監視システムとして、所定の時間間隔ごとに撮影した画像間に差異を検出したか否かに基づいて画像の記録を制御するシステムが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
また、各駐車エリアに設置した光学センサへの光路を車両が遮っているか否かに基づき、各駐車エリアに車両があるか否かを検出する技術も提案されている(特許文献2参照)。同様に、個々の駐車エリアにおける車両の有無を、複数の駐車エリアを撮影した画像から、駐車エリアに設置された二次元バーコードが検出できるか否かに基づいて判定する技術も提案されている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−259339号公報
【特許文献2】特開2003−187397号公報
【特許文献3】特開2010−250394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献2、3の技法によれば、個々の駐車エリアが空き状態であるか使用中であるかを示す情報を得ることができるが、駐車エリアを使用している車両を特定する情報や、個々の車両に乗り降りした人物に関する情報を得ることはできない。
【0006】
一方、特許文献1の技法のように、画像の差異を検出して録画する画像記録装置を用いると、例えば、車両に人物が乗降するシーンを含む車両の入庫および出庫過程を表す画像の他に、膨大な画像が記録されてしまう可能性がある。なぜなら、記録対象の画像の範囲を、画像の特徴のみに基づいて絞り込むことが困難だからである。例えば、車両に人物が乗降する動作が捉えられた画像と、車両の近くを通過した人物の動きを捉えた画像とを画像の特徴に基づいて峻別することは困難である。このため、車両に乗降する人物の動きを捉えた画像を録画するために、車両の近くに何らかの動きがあることを録画対象の画像の条件とすると、車両の近くを通過した人物の動きを含む非常に多くの画像も録画対象となってしまう。
【0007】
本件開示は、駐車場への車両の入庫および出庫過程を含む所望の画像を選択的に記録する画像記録装置および方法並びに画像記録プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一つの観点による画像記録装置は、車両によって遮られるマークをそれぞれ有する複数の駐車エリアを撮影する撮像装置によって得られる画像に基づいて、前記各駐車エリアの画像が継続的に変化している期間である動作期間を前記駐車エリアごとに検出する動作検出部と、前記動作期間の開始時および終了時のそれぞれの画像から、前記マークの像を前記駐車エリアごとに検出するマーク検出部と、前記開始時に前記マークが検出され、前記終了時に前記マークが検出されないときに、当該動作期間における当該駐車エリアへの車両の入庫を判別し、前記開始時に前記マークが検出されず、前記終了時に前記マークが検出されたときに、当該動作期間における当該駐車エリアからの車両の出庫を判別する判別部と、前記判別部によって入庫あるいは出庫が判別された動作期間に対応して前記撮像装置によって得られた画像を記録する記録部とを有する。
【0009】
また、別の観点による画像記録方法は、車両によって遮られるマークをそれぞれ有する複数の駐車エリアを撮影する撮像装置によって得られる画像に基づいて、前記各駐車エリアの画像が継続的に変化している期間である動作期間を前記駐車エリアごとに検出し、前記動作期間の開始時および終了時のそれぞれの画像から、前記マークの像を前記駐車エリアごとに検出し、前記開始時に前記マークが検出され、前記終了時に前記マークが検出されないときに、当該駐車エリアへの車両の入庫を判別し、前記開始時に前記マークが検出されず、前記終了時に前記マークが検出されたときに、当該駐車エリアからの車両の出庫を判別し、入庫あるいは出庫が判別された動作期間に対応して前記撮像装置によって得られた画像を記録する。
【0010】
また、別の観点による画像記録プログラムは、車両によって遮られるマークをそれぞれ有する複数の駐車エリアを撮影する撮像装置によって得られる画像に基づいて、前記各駐車エリアの画像が継続的に変化している期間である動作期間を前記駐車エリアごとに検出し、前記動作期間の開始時および終了時のそれぞれの画像から、前記マークの像を前記駐車エリアごとに検出し、前記開始時に前記マークが検出され、前記終了時に前記マークが検出されないときに、当該駐車エリアへの車両の入庫を判別し、前記開始時に前記マークが検出されず、前記終了時に前記マークが検出されたときに、当該駐車エリアからの車両の出庫を判別し、入庫あるいは出庫が判別された動作期間に対応して前記撮像装置によって得られた画像を記録する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本件開示の画像記録装置および方法並びに画像記録プログラムによれば、駐車場への車両の入庫および出庫過程を含む所望の画像を選択的に記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】画像記録装置の一実施形態を示す図である。
【図2】駐車エリアに車両が入庫する過程を説明する図である。
【図3】駐車エリアから車両が出庫する過程を説明する図である。
【図4】動作期間において車両の入庫および出庫のいずれも判別しない例を説明する図である。
【図5】各駐車エリアについて検出された動作期間の例を示す図である。
【図6】画像記録装置の別実施形態を示す図である。
【図7】動作状態データベースおよび期間データベースの一例を示す図である。
【図8】画像記録装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図9】駐車エリア定義データベースと動作状態データベースを説明する図である。
【図10】各駐車エリアの監視処理の一例のフローチャート(その1)である。
【図11】各駐車エリアの監視処理の一例のフローチャート(その2)である。
【図12】記録制御処理の一例のフローチャートである。
【図13】記録対象の映像を選択的に記録する処理の一例のフローチャートである。
【図14】記録処理を説明する図である。
【図15】各駐車エリアの監視処理の別例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0014】
図1は、画像記録装置110の一実施形態を示す図である。図1に示した符号E01〜E04は、駐車場100に含まれる各駐車エリアを示す。また、図1に示した符号Q1は、駐車中の車両を示す。また、図1に示した符号M01〜M04は、各駐車エリアE01〜E04に設置されたマークを示す。
【0015】
図1に例示したマークM01〜M04は、例えば、車両によって隠される程度の大きさの文字や記号、図形およびこれらの組み合わせでもよいし、各駐車エリアE01〜E04を識別するための情報を表す二次元バーコードやカラーバーコードでもよい。これらのマークM01〜M04は、各駐車エリアE01〜E04に駐車中の車両がある場合に、当該車両によって撮像装置101の視野から掩蔽されるように設置することが望ましい。なお、図1の例は、駐車エリアE04に駐車中の車両Q1により、これらの駐車エリアに設置されたマークM04が遮られている様子を示している。
【0016】
なお、以下の説明において、駐車エリアE01〜E04を総称する際には、単に駐車エリアと称する。同様に、これらの駐車エリアE01〜E04に対応する各マークM01〜M04を総称する際には、単にマークと称する。
【0017】
図1に例示した画像記録装置110は、複数の駐車エリアE01〜E04を含む駐車場100を撮像装置101が撮影することによって得られる映像Vの入力を受ける。映像Vは、例えば、毎秒30フレーム程度のフレームレートで撮像装置101が撮影動作を行うことによって得られる画像を含むいわゆる映像でもよいし、毎秒1フレーム程度、あるいはそれ以下のフレームレートで得られた映像でもよい。
【0018】
そして、画像記録装置110は、この映像Vに含まれる、各駐車エリアに車両が入庫する過程あるいは各駐車エリアから車両が出庫する過程に関する情報を含む画像を、後述するようにして記録する。
【0019】
図1に例示した画像記録装置110は、動作検出部111と、マーク検出部112と、判別部113と、記録部114とを含む。撮像装置101によって撮影された映像Vは、動作検出部111、マーク検出部112および記録部114に入力される。
【0020】
動作検出部111は、撮像装置101によって撮影された映像Vを駐車エリアごとに監視することにより、動作検出部111は、画像が継続的に変化している期間である動作期間を検出する。動作検出部111は、例えば、映像Vに含まれる所定の時間間隔で撮影された画像間の差分を、個別の駐車エリアに対応する画像の領域ごとに検出することにより、各駐車エリアにおける車両および人物の含む被写体の動きを検出してもよい。そして、動作検出部111は、個別の駐車エリアに対応する画像の領域において差分が検出されている期間を、当該駐車エリアにおける動作期間として検出してもよい。なお、各駐車エリアE01〜E10に対応する画像の領域は、例えば、個々の駐車エリアの範囲を指定する四角形の枠の四隅を示す画素のアドレスなどによって予め設定しておくことができる。
【0021】
図1に例示したマーク検出部112は、個別の駐車エリアについて動作検出部111で得られた動作期間の開始時の画像および終了時の画像の、当該駐車エリアに対応する領域から、当該駐車エリアに設置されたマークの像を検出する。なお、各駐車エリアに設置されているマークが二次元バーコードである場合に、マーク検出部112は、マーク検出処理に、二次元バーコードの読取技術を利用してもよい。同様に、各駐車エリアに設置されているマークがカラーバーコードである場合に、マーク検出部112は、マーク検出処理に、カラーバーコードの読取技術を利用してもよい。
【0022】
ここで、図1に例示した各駐車エリアE01〜E04にそれぞれ設置されたマークM01〜M04は、各駐車エリアE01〜E04に駐車中の車両がある場合に撮像装置101から掩蔽される。したがって、注目する駐車エリアに駐車中の車両がある状態で撮影された画像は対応するマークの像を含んでいないので、マーク検出部112は、このような画像から当該駐車エリアに対応するマークの像を検出できない。一方、注目する駐車エリアに駐車中の車両がない状態で撮影された画像は対応するマークの像を含んでいるので、マーク検出部112は、このような画像から当該駐車エリアに対応するマークの像を検出できる。
【0023】
したがって、動作期間の開始時の画像からマーク検出部112が注目する駐車エリアに対応するマークを検出できなかったことから、動作期間の開始時点において当該駐車エリアに駐車中の車両があったことが分かる。逆に、動作期間の開始時の画像からマーク検出部112が注目する駐車エリアに対応するマークを検出できたことから、動作期間の開始時点において当該駐車エリアに駐車中の車両がなかったことが分かる。同様に、動作期間の終了時の画像からマーク検出部112が注目する駐車エリアに対応するマークを検出できなかったことから、動作期間の終了時点において当該駐車エリアに駐車中の車両があったことが分かる。一方、動作期間の終了時の画像からマーク検出部112が注目する駐車エリアに対応するマークを検出できたことから、動作期間の終了時点において当該駐車エリアに駐車中の車両がなかったことが分かる。
【0024】
図1に例示した判別部113は、上述したマーク検出部112で得られた検出結果に基づいて、検出された動作期間のうち、当該駐車エリアへの入庫過程あるいは当該駐車エリアからの出庫過程が撮影された期間に対応する動作期間を判別する。
【0025】
ここで、駐車エリアに車両が出庫する過程において撮像装置101によって得られる映像Vおよび駐車エリアから車両が進入する過程において撮像装置101によって得られる映像Vに含まれる情報について説明する。
【0026】
図2は、駐車エリアに車両が入庫する過程を説明する図である。また、図3は、駐車エリアから車両が出庫する過程を説明する図である。図2、図3において、符号E01,E02はそれぞれ駐車エリアを示す。また、符号M01,M02は、駐車エリアE01,E02をそれぞれ示すマークである。また、符号Q1は車両を示し、符号P1,P2は、それぞれ人物を示す。
【0027】
図2(A)〜(F)は、駐車エリアE02に車両Q1が入庫する過程で、撮像装置101によって得られた映像Vに含まれる画像の一例である。なお、撮像装置101は、駐車エリアE01〜E04を視野に含んでいるが、図2(A)〜(F)には、撮像装置101の視野のうち、駐車エリアE01、E02に対応する部分を示した。
【0028】
図2(A)〜(C)は、駐車エリアE02に車両Q1が進入する過程に含まれるシーンを示している。また、図2(D)〜(F)は、駐車エリアE02に駐車した車両Q1から人物P1、P2が降り立つシーンおよび人物P1,P2が駐車エリアE02から立ち去る過程に含まれるシーンを示している。
【0029】
駐車エリアに車両が入庫した後、間をおかずに、当該車両の運転者や同乗者が車両から降りてくる場合が多い。例えば、車両Q1が駐車エリアE02に入庫する過程で車両の移動に伴って画像が変化している期間に連続して、人物P1,P2の動きに伴って画像が変化している期間が現れる。図1に例示した動作検出部111は、車両Q1の動きと人物P1,P2の動きを区別しないので、動作検出部111は、図2(A)〜(F)に例示した各画像が撮像装置101によって撮影されている期間を、動作期間の一つとして検出する。
【0030】
図2(A)〜(F)を駐車エリアE02に設置されたマークM02に注目して比べると、車両Q1が進入を開始したときには見えていたマークM02が、車両Q1の進入に伴って、マークM02が車両Q1によって遮られることが分かる。そして、車両Q1の駐車エリアE02への入庫が完了し、人物P1,P2が駐車エリアE02から立ち去った後も、マークM02が遮られた状態は継続する。
【0031】
したがって、動作期間の開始時の画像から注目している駐車エリアのマークが検出され、終了時の画像から当該マークが検出されなかった場合に、判別部113は、当該動作期間を、当該駐車エリアにおいて入庫過程があった動作期間として判別してもよい。
【0032】
一方、図3(A)〜(F)は、駐車エリアE01に駐車中の車両Q1に近づいた人物P1が、車両Q1に乗り込んだ後に、駐車エリアE01から出庫する過程で、撮像装置101によって得られた映像Vに含まれる画像の一例である。なお、図3(A)〜(F)に例示した画像は、撮像装置101の視野うち、駐車エリアE01、E02に対応する部分に相当する。
【0033】
図3(A)、(B)は、駐車エリアE01に駐車中の車両Q1に人物P1が近づく過程に含まれるシーンを示している。また、図3(C)〜(F)は、人物P1が乗り込んだ車両Q1が駐車エリアE01から出庫していく過程に含まれるシーンを示している。
【0034】
駐車エリアから車両が出庫する際には、これに先立って、当該車両の運転者や同乗者が当該駐車エリアに進入してくる場合が多い。例えば、人物P1が駐車エリアE01に駐車中の車両Q1に近づく動きに伴って画像が変化している期間に連続して、車両Q1の移動に伴って画像が変化している期間が現れる。図1に例示した動作検出部111は、車両Q1の動きと人物P1の動きを区別しないので、動作検出部111は、図3(A)〜(F)に例示した各画像が撮像装置101によって撮影されている期間もまた、動作期間の一つとして検出する。
【0035】
図3(A)〜(F)を駐車エリアE01に設置されたマークM01に注目して比べると、人物P1が車両Q1に近づいていくときには車両Q1によって遮られていたマークM01が、車両Q1の移動に伴って見えるようになることが分かる。そして、車両Q1の駐車エリアE01からの出庫が完了した後も、マークM01が遮られずに見える状態は継続する。
【0036】
したがって、動作期間の開始時の画像から注目している駐車エリアのマークが検出されず、終了時の画像から当該マークが検出された場合に、判別部113は、当該動作期間を、当該駐車エリアにおいて出庫過程があった動作期間として判別してもよい。
【0037】
このようにして、判別部113は、マーク検出部112によるマーク検出結果に基づいて、動作検出部111で検出された各動作期間から、車両の入庫あるいは出庫の過程があった動作期間を判別することができる。
【0038】
ここで、上述した判別部113が、注目する動作期間において車両の入庫および出庫のいずれも判別しない場合について説明する。
【0039】
図4(A),(B),(C)は、動作期間において車両の入庫および出庫のいずれも判別しない例を説明する図である。図4に示した符号E03,E04は、それぞれ駐車エリアを示す。また、図4に示した符号P1,P2およびP3は、それぞれ人物あるいは人物のグループを示す。また、図4に示した符号Q1は、駐車エリアE04に駐車中の車両を示し、符号M03は、駐車エリアE03に設置されたマークを示す。なお、図4(A)〜(C)に例示した画像は、撮像装置101の視野うち、駐車エリアE03、E04に対応する部分に相当する。
【0040】
図4(A)〜(C)に例示した各画像は、駐車エリアE04に注目した監視により、動作検出部111によって検出された動作期間に撮像装置101で得られる画像の例である。図4(A)に例示した画像は、駐車エリアE04付近に現れた人物P1の動きに対応した画像の変化が現れた時点、すなわち、上述した動作期間の開始時点における画像である。また、図4(B)に例示した画像は、人物P1および人物のグループP2が、それぞれ駐車エリアE02を通り抜ける過程で撮影された画像である。そして、図4(C)に例示した画像は、人物のグループP2が、駐車エリアE04を通り抜けたことにより、駐車エリアE04に対応する領域に画像の変化が検出されなくなる直前の時点、すなわち、上述した動作期間の終了時点における画像である。
【0041】
図4(A)に例示した画像と図4(C)に例示した画像とを比較すれば、駐車エリアE04に駐車中の車両Q1によって遮られているために、これらの画像のいずれからも、当該駐車エリアE04に設置されたマークの像が検出できないことが分かる。したがって、図1に例示したマーク検出部112は、当該動作期間の開始時の画像についてのマークの検出も、終了時の画像についてのマークの検出もいずれも失敗した旨のマーク検出結果を得る。このように、動作期間の開始時の画像からも終了時の画像からも注目している駐車エリアのマークが検出されない旨のマーク検出結果は、当該動作期間を通して、当該駐車エリアに駐車中の車両があることを示す。したがって、判別部113は、このようなマーク検出結果が得られた動作期間を、車両の入庫および出庫のいずれも判別しない動作期間であると判断してよい。
【0042】
一方、駐車エリアE03に注目して図4(A)に例示した画像と図4(C)に例示した画像とを比較すれば、これらの画像のいずれからも、当該駐車エリアE03に設置されたマークM03の像が検出できることが分かる。したがって、図1に例示したマーク検出部112は、当該動作期間の開始時の画像についてのマークの検出も、終了時の画像についてのマークの検出もいずれも成功した旨のマーク検出結果を得る。このように、動作期間の開始時の画像からも終了時の画像からも注目している駐車エリアのマークが検出されない旨のマーク検出結果は、当該動作期間を通して、当該駐車エリアに駐車中の車両がないことを示す。したがって、判別部113は、このようなマーク検出結果が得られた動作期間を、車両の入庫および出庫のいずれも判別しない動作期間であると判断してよい。
【0043】
図1に例示した記録部114は、上述したようにして判別部113によって車両の入庫あるいは出庫が判別された動作期間に対応して撮像装置101によって得られた画像を記録する。記録部114は、判別部113が出庫の過程あるいは入庫の過程と判別した動作期間に撮像装置101によって得られた画像を記録する際に、それぞれの画像データに対応する判別結果を付加してもよい。なお、記録部114は、判別部113が出庫の過程と判別された動作期間に撮像装置101によって得られた画像と、入庫の過程と判別した動作期間に撮像装置101によって得られた画像とを、区別せずに記録してもよい。以下では、記録部114が、出庫の過程と判別された動作期間に撮像装置101によって得られた画像と、入庫の過程と判別した動作期間に撮像装置101によって得られた画像とを区別せずに記録する場合について説明する。
【0044】
図5(A),(B)は、各駐車エリアE01〜E04について検出された動作期間の例を示す図である。図5に示した符号#1〜#5で示した期間は、動作検出部111が、各駐車エリアについて検出した動作期間のそれぞれを示している。なお、図5において、各動作期間の開始時刻および終了時刻を、それぞれ符号Ts,Teと動作期間それぞれを示す番号とを組み合わせた符号で示した。
【0045】
動作検出部111は、撮像装置101の視野に含まれる複数の駐車エリアについてそれぞれ動作期間を検出するので、図5(A)に例示したように、複数の動作期間が重複して検出される時間帯がある。例えば、動作期間#1と動作期間#2とは、動作期間#2の開始時刻Ts2から動作期間の終了時刻Te1までの時間帯にわたって重複している。また、動作期間#4、#5は、それぞれの全期間にわたって動作期間#2、#3と重複している。
【0046】
判別部113が、図5(A)に例示の動作期間#1、#4につき、それぞれ駐車エリアE01,E02からの出庫を判別し、動作期間#5につき、駐車エリアE01への入庫を判別した場合に、記録部114は、次のようにしてこれらの動作期間の映像を記録する。なお、図5(A)において、判別部113が入庫あるいは出庫を判別した動作期間#1、#4、#5をそれぞれ太い実線で示した。一方、図5(A)において、判別部113が入庫も出庫も判別しなかった動作期間#2、#3をそれぞれ太い破線で示した。
【0047】
この場合に、記録部114は、例えば、動作期間#1、#4、#5において撮像装置101が撮影した映像に対応する映像データを、それぞれ記録対象の映像データとして、光ディスクなどの記録媒体に記録する。つまり、記録部114は、動作期間#1の開始時刻Ts1〜終了時刻Te1に基づいて、撮像装置101によってそれまでに撮影された映像Vに対応する映像データから記録対象の部分を抽出し、抽出した映像データを記録媒体に記録する。続いて、記録部114は、動作期間#4の開始時刻Ts4〜終了時刻Te4に基づいて、撮像装置101によってそれまでに撮影された映像Vに対応する映像データから記録対象の部分を抽出し、抽出した映像データを記録媒体に記録する。同様にして、記録部114は、動作期間#5の開始時刻Ts5〜終了時刻Te5に基づいて、撮像装置101によってそれまでに撮影された映像Vに対応する映像データから記録対象の部分を抽出し、抽出した映像データを記録媒体に記録する。
【0048】
図5(A)に例示したように、判別部113によって出庫あるいは入庫が判別された動作期間が互いに重複する時間帯をもたない場合は、記録部114は、上述したように、個々の動作期間に基づいて映像データの記録を行うことができる。そして、この場合に、記録部114は、判別部113により出庫あるいは入庫が判別されるごとに、当該動作期間に対応する映像データを記録することにより、駐車エリアへの出庫あるいは入庫過程にかかわる情報を含む映像データを記録することができる。
【0049】
一方、駐車エリアE01〜E04のいずれでも動きがなかった期間や、入庫も出庫も判別されない動作期間にのみ含まれる期間に対応する映像データは、車両の入庫に関する情報も出庫に関する情報も含んでいない。したがって、このような映像データは、記録部114による記録が不要な映像データとして、記録対象から排除してよい。したがって、例えば、図5(A)に例示した動作期間#1の終了時刻Te1から動作期間#4の開始時点Ts4までの時間帯に撮像装置101によって撮影された映像に対応する映像データが、記録部114によって記録されることはない。
【0050】
以上に説明したように、本件開示の画像記録装置110によれば、駐車エリアへの出庫あるいは入庫過程にかかわる情報を含む映像データのみを記録することができる。
【0051】
ここで、例えば、ショッピングセンターの店内入り口付近のように、人の出入りが多い領域に近接した駐車エリアなどにおいては、当該駐車エリアを通過する車両および人物の動きが頻繁に現れる可能性がある。本件開示の画像記録装置110によれば、このような車両や人物の動きに応じて検出した動作期間について、駐車エリアへの車両の入庫あるいは出庫を判別することはない。なぜなら、本件開示の画像記録装置110は、画像の変化に基づいて駐車エリアごとに検出した動作期間の開始時および終了時の画像から当該駐車エリアのマークを検出したか否かに基づき、車両の入庫あるいは出庫を高い精度で判別するからである。そして、この判別結果に基づいて、記録部114が上述した記録処理を行うことにより、駐車エリアのいずれでも動きが見られない映像データや、車両の入庫でも出庫でもない動きのみが捉えられている映像データを、記録対象から高い精度で排除することができる。したがって、駐車エリアを通過する車両および人物の動きのみを表す映像データを記録対象から排除することができるので、このような映像データの出現頻度にかかわらず、記録部114が記録する映像データが膨大な量になることはない。
【0052】
なお、本件開示の画像記録装置110は、各駐車エリアにおける動きの検出および駐車エリアに駐車中の車両の有無を判定するためのマークの検出を、複数の駐車エリアを撮影した映像Vに基づいて実行可能である。したがって、駐車エリアごとに車両の有無を検出するセンサなどを別途配置する必要が無い。このように、ハードウェア構成が簡易である点でも、本件開示の画像記録装置110は有用である。
【0053】
ところで、各駐車エリアに設置されたマークの掩蔽状態の変化のみに着目して画像の記録を開始する時点を決定することにより、車両が各駐車エリアに進入あるいは出庫する過程の一部を表す画像を選択的に記録することは可能である。
【0054】
しかしながら、例えば、駐車エリアに駐車中の車両に人物が搭乗するシーンは、当該駐車エリアに設置されたマークの掩蔽状態が変化する前の過程に含まれる。このため、マークが見えるようになったときに記録を開始する画像記録装置では、駐車エリアから出庫する車両に人物が搭乗するシーンを記録することができない。図3を用いて説明すると、マークが見えるようになったときに記録を開始する画像記録装置は、図3(D)に例示したように、車両Q1の移動によってマークM01が現れるまで画像の記録を開始しない。したがって、このような画像記録装置によっては、図3(A)〜(C)に例示したシーンに含まれる人物P1に関する情報を記録することができない。
【0055】
これに対して、本件開示の画像記録装置110は、各駐車エリアに対応する画像に変化が現れたときが動作期間の開始時点となり、また、この動作期間が車両の出庫と判別された場合の記録開始時点となる。したがって、本件開示の画像記録装置110によれば、車両の移動に先立って現れる、車両の出庫に関与した人物に関する情報を含む画像を記録することができる。同様に、本件開示の画像記録装置110は、各駐車エリアに対応する画像に変化がなくなったときが動作期間の終了時点となり、また、この動作期間が車両の入庫と判別された場合の記録終了時点となる。したがって、本件開示の画像記録装置110によれば、車両の移動完了後に現れる、車両の入庫に関与した人物に関する情報を含む画像を記録することができる。
【0056】
このように、図1に例示した画像記録装置110によって記録される映像データは、駐車場に含まれる駐車エリアのいずれかに入庫あるいは出庫した車両を特定する情報とともに、これらの車両の入庫あるいは出庫に関与した人物に関する情報を含んでいる。したがって、このような情報を記録することが可能である点で、本件開示の画像記録装置110は、特定の車両を追跡したり、当該車両の移動に関与した人物を特定したりする用途において非常に有用である。
【0057】
なお、本件開示の画像記録装置110に映像Vを入力する撮像装置101の配置は、図2に例示したような配置に限らず、例えば、更に多数の駐車エリアを視野に収めるように配置してもよい。また、多数の駐車エリアを含む駐車場に、それぞれが数台分の駐車エリアを視野に収めるように複数の撮像装置101を配置してもよい。このように、駐車場に含まれる多数の駐車エリアを複数の撮像装置101によって分担して撮影することにより、駐車場の規模にかかわらず、死角の少ない映像Vを画像記録装置110に入力することができる。また、少なくとも一つの駐車エリアを共通して視野に含むように配置された複数の撮像装置101で得られた映像Vの画像記録装置110に入力してもよい。このような映像Vの入力を受けることにより、画像記録装置110は、少なくとも一つの駐車エリアでの車両の入庫/出庫にかかわる情報を含んだ画像データを漏れなく記録することが可能である。
【0058】
ところで、上述したように、動作検出部111は、駐車エリアごとに動作期間を検出するので、図5(B)に例示したように、異なる駐車エリアへの車両の入庫あるいは出庫が判別された動作期間とが互いに重複する場合もある。図5(B)の例では、駐車エリアE01からの出庫が判別された動作期間#1の一部と駐車エリアE02への入庫が判別された動作期間#4の一部とが重複している。
【0059】
このような場合に、個々の動作期間について判別部113が入庫あるいは出庫を判別したときに、記録部114が当該動作期間に撮像装置101で撮影された映像に対応する映像データを記録していくと、重複した期間の映像データを重複して記録してしまう。
【0060】
以下に、上述したような動作期間の重複がある場合にも、映像データを重複させることなく記録可能な画像記録装置を開示する。
【0061】
図6は、画像記録装置110の別実施形態を示す図である。なお、図6に示した構成要素のうち、図1に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
【0062】
図6に例示した画像記録装置110は、図1に例示した各部に加えて、動作状態データベース115と、期間データベース116とを含む。また、図6に例示した画像記録装置110の記録部114は、暫定保持部117と結合部118と、抽出部119とを含む。
【0063】
図6に例示した動作状態データベース115は、動作検出部111により検出された動作期間において動作中を示し、動作期間以外のときに静止中を示す動作状態情報を、駐車エリアごとに保持する。
【0064】
図7(A)は、動作状態データベース115の一例である。図7(A)に例示した動作状態データベース115は、各駐車エリアE01〜E04を示す駐車エリアIDに対応して、動作状態情報を保持する。なお、図7(A)に例示した動作状態データベース115は、駐車エリアE01、E03に対応して動作状態情報「動作中」を保持し、駐車エリアE02、E04に対応して動作状態情報「静止中」を保持している。
【0065】
動作状態データベース115は、例えば、動作検出部111が動作期間を検出する処理の過程で、画像の変化を検出した旨が通知されたときに、当該画像の変化が検出された駐車エリアに対応する動作状態情報を「動作中」に設定してもよい。一方、動作検出部111から当該駐車エリアについて画像の変化が検出されなくなった旨が通知されたときに、動作状態データベース115は、当該駐車エリアの動作状態情報を「静止中」に設定してもよい。このように動作状態データベース115を更新していくことにより、動作状態データベース115に各駐車エリアに対応して保持された動作状態情報により、現時点において各駐車エリアについて画像の変化として現れるような動きがあるか否かを示すことができる。
【0066】
また、図6に例示した期間データベース116は、動作検出部111で検出された各動作期間の開始時刻および終了時刻を示す情報をそれぞれ含む期間情報と、期間情報ごとに設けられ、画像の記録が必要である旨を示す判別フラグと保持する。
【0067】
期間データベース116は、例えば、動作検出部111による動作期間の検出に応じて、当該動作期間を識別する期間番号に対応して、当該動作期間にかかわる駐車エリアを示す駐車エリアIDと当該動作期間の開始時刻および終了時刻を示す情報を保持する。そして、当該動作期間について、判別部113が、車両の入庫あるいは出庫を判別した場合に、期間データベース116は、当該動作期間が記録対象である旨を示す判別フラグ「記録」を対応する期間情報に付加する。一方、判別部113が、当該動作期間について車両の入庫および出庫のいずれも判別しなかった場合に、期間データベース116は、当該動作期間が記録対象でない旨を示す判別フラグ「記録不要」を対応する期間情報に付加する。
【0068】
図7(B)は、期間データベース116の一例である。図7(B)に例示した期間データベース116は、図5に例示した各動作期間#1〜#5に対応する期間情報と、これらの動作期間#1〜#5に対応する判別フラグとを含んでいる。
【0069】
次に、動作状態データベース115および期間データベース116に保持された情報を用いて、記録部114が、複数の駐車エリアについて検出された動作期間が重複する期間を持つ場合にも、映像データを重複させることなく記録する方法について説明する。
【0070】
例えば、図5(B)を用いて説明すると、判別部113によって入庫が判別された動作期間#1の終了時刻Te1において、既に、駐車エリアE02〜E04について検出された動作期間#2〜#4が開始している。このため、動作期間#1の終了時刻Te1以降に撮影された映像Vに対応する映像データが記録対象であるか否かは、これらの動作期間#2〜#4の終了時刻まで確定することができない。一方、動作期間#2の終了時刻Te2においては、既に、それまでに検出された全ての動作期間についての判別が完了する。したがって、この時点において上述した期間データベース116の判別フラグを参照することにより、全ての動作期間について、対応する映像データが記録対象か否かを知ることができる。なお、全ての動作期間についての判別が完了したか否かは、例えば、動作状態データベース115に含まれる駐車エリアE01〜E04に対応する動作状態情報の全てが静止中となったか否かに基づき判断できる。
【0071】
全ての動作期間について記録対象であるか否かが確定した後であれば、記録対象となる入庫あるいは出庫が判別された動作期間の中から互いに重複がある動作期間を見つけることができる。
【0072】
図6に例示した暫定保持部117と、結合部118と、抽出部119とを含む記録部114は、複数の駐車エリアについて検出された動作期間が重複する期間を持つ場合にも、映像データを重複させることなく記録する記録部114の一例である。
【0073】
図6に例示した記録部114に設けられた暫定保持部117は、撮像装置101から入力される映像Vに対応する映像データを一次的に保持する。抽出部119は、結合部118が後述するようにして結合した動作期間およびこの結合されずに残った動作期間とに対応して暫定保持部117に保持された映像データを抽出する。また、抽出部119は、暫定保持部117から抽出した映像データを順次に記録媒体120に記録する。
【0074】
暫定保持部117は、上述した動作状態データベース115を、例えば、所定の時間間隔で参照することにより、図1に例示した駐車エリアE01〜E04に対応する動作状態情報を監視する。そして、駐車エリアE01〜E04に対応して動作状態データベース115に保持された動作状態情報の少なくともひとつが「動作中」に変化したときに、暫定保持部117は、撮像装置101によって得られる映像Vに対応する映像データの保持を開始する。その後、全ての駐車エリアに対応して動作状態データベース115に保持された動作状態情報が「静止中」に変化したときに、暫定保持部117は、映像データの保持を停止する。このようにして、暫定保持部117は、撮像装置101の視野に含まれる少なくとも一つの駐車エリアにおいて何らかの動きがある期間において撮像装置101で得られた映像Vを表す映像データを、暫定的な録画データとして保持することができる。
【0075】
また、図6に例示した結合部118は、上述した動作状態データベース115を、例えば、所定の時間間隔で参照することにより、同様に、駐車エリアE01〜E04に対応する動作状態情報を監視する。そして、動作状態データベース115の少なくとも一つの動作状態情報が動作中となった後、全ての駐車エリアに対応する動作状態情報が「静止中」となったときに、結合部118は、期間データベース116を参照する。そして、期間データベース116に含まれる判別フラグが設定された期間情報に基づいて、結合部118は、これらの期間情報で示される各動作期間のうち、互いに重複する範囲を有する動作期間を結合する。
【0076】
図7(B)に例示した期間データベース116を参照すると、期間番号#1、#4、#5で示される期間情報#1、#4、#5に判別フラグが「記録」に設定されていることが分かる。図6に例示した結合部118は、例えば、これらの期間情報に含まれている開始時刻及び終了時刻を互いに比較することにより、重複する範囲を持つ動作期間を検出してもよい。
【0077】
例えば、図5(B)に示した動作期間#1に対応する期間情報#1の開始時刻Ts1及び終了時刻Te1と、動作期間#4に対応する期間情報#4の開始時刻Ts4及び終了時刻Te4とを比較すれば、2つの動作期間#1、#4の一部が重複していることが分かる。
【0078】
このようにして検出した重複する範囲を持つ動作期間について、結合部118は、例えば、これらの動作期間の両方を含む期間を求めることにより、2つの動作期間を結合してもよい。
【0079】
図5(B)を用いて説明すると、結合部118は、動作期間#1の開始時刻Ts1から動作期間#4の終了時刻Te4までの期間を、これらの動作期間#1、#4を結合した動作期間として求める。一方、図5(B)に示した動作期間#5は、動作期間#1とも動作期間#4とも重複していないので、結合部118は、この動作期間#5を結合せずにそのまま残す。
【0080】
結合部118は、上述した結合によって得られた動作期間の開始時刻及び終了時刻と、結合されずに残された動作期間の開始時刻及び終了時刻とを、抽出部119に対して、抽出対象の映像データの範囲を示す情報として渡してもよい。
【0081】
このようにして得られた抽出対象の映像データの範囲を示す情報に基づいて、抽出部119が、暫定保持部117から抽出した映像データを記録媒体に記録することにより、重複のない映像データを記録することができる。これにより、記録媒体の効率的な利用を図ることができる。
【0082】
なお、抽出部119が抽出した映像データを記録する記録媒体として、例えば、書き換えのできない記録媒体を用意することにより、記録された映像データの改竄防止を図ってもよい。
【0083】
また、図6に例示したマーク検出部112は、各動作期間の開始および終了に応じて行ったマーク検出処理の結果を、上述した期間データベース116に保持させることにより、この期間データベース116を介して判別部113に検出結果を渡してもよい。
【0084】
図7(C)は、期間データベース116の別例である。図7(C)に例示した期間データベース116に含まれる各期間情報は、図7(B)に例示した各期間情報に含まれる各項目に加えて、各期間の開始時と終了時におけるマーク検出部112による検出結果を示す情報を含んでいる。
【0085】
なお、図7(C)に例示した期間データベース116において、マーク検出結果に対応して示した符号Ssは、動作期間の開始時におけるマーク検出部112の検出結果を示す。また、符号Seは、動作期間の終了時におけるマーク検出部112の検出結果を示す。
【0086】
例えば、期間データベース116は、個別の動作期間の開始時にマーク検出部112によって得られた検出結果を、当該動作期間に対応する期間情報の検出結果Ssとして保持してもよい。同様に、期間データベース116は、個別の動作期間の終了時にマーク検出部112によって得られた検出結果を、当該動作期間に対応する期間情報の検出結果Seとして保持してもよい。
【0087】
このようにして、各動作期間に対応して開始時および終了時において得られたマーク検出結果Ss,Seを、期間データベース116に保持させることができる。
【0088】
図7(C)に例示した期間データベース116の期間番号#1の期間情報は、マーク検出結果Ss、Seとして、開始時のマーク検出が「失敗」であり、終了時のマーク検出が「成功」である旨の情報を含んでいる。また、この期間データベース116の期間番号#3、#4の期間情報は、マーク検出結果Ss、Seとして、開始時のマーク検出が「成功」であり、終了時のマーク検出が「失敗」である旨の情報を含んでいる。一方、この期間データベース116の期間番号#2の期間情報は、マーク検出結果Ss、Seとして、開始時および終了時のマーク検出がともに「失敗」である旨の情報を含んでいる。
【0089】
このような期間データベース116を用いれば、判別部113は、各動作期間の終了時に、当該動作期間に対応するマーク検出結果Ss,Seを比較することにより、当該動作期間についての判別処理を行うことができる。例えば、動作期間の開始時のマーク検出結果Ssと動作期間の開始時のマーク検出結果Seとの一方が「成功」で他方が「失敗」である場合に、判別部113は、当該動作期間について、入庫あるいは出庫のいずれかが起こったと判別してもよい。一方、動作期間の開始時のマーク検出結果Ssと動作期間の開始時のマーク検出結果Seとの両方が「成功」あるいは両方が「失敗」である場合に、判別部113は、当該動作期間について、入庫と出庫も起こらなかったと判別してもよい。
【0090】
本件開示の画像記録装置110は、例えば、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置を用いて実現することができる。
【0091】
図8は、コンピュータ装置10のハードウェア構成の一例を示している。なお、図8に示した構成要素のうち、図1に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示す。
【0092】
コンピュータ装置10は、プロセッサ21と、メモリ22と、ハードディスク装置23と、表示装置24と、入力装置25と、光学ドライブ26と、ローカルエリアネットワーク(LAN: Local Area Network)インタフェース28とを含んでいる。図8に例示したプロセッサ21と、メモリ22と、ハードディスク装置23と、表示装置24と、入力装置25と、光学ドライブ26と、LANインタフェース28とは、バスを介して互いに接続されている。図8に例示した光学ドライブ26は、光学ディスクなどの記録媒体を装着可能であり、装着した記録媒体に記録された情報の読出および記録を行う。また、図8に例示した画像記録装置110は、プロセッサ21と、メモリ22と、ハードディスク装置23と、光学ドライブ26と、記録媒体120とを含んでいる。なお、図8に例示した画像記録装置110において、記録部114は、光学ドライブ26と記録媒体120とを含んでいる。
【0093】
図8に例示したコンピュータ装置10は、LANインタフェース28を介して、LAN30に接続されている。また、このLAN30には、m台の監視カメラC1〜Cmが接続されている。これらの監視カメラC1〜Cmは、撮像装置101の一例である。これらの監視カメラC1〜Cmによって撮影された映像は、LAN30、LANインタフェース28およびバスを介して画像記録装置110に渡される。
【0094】
図8に例示した入力装置25は、例えば、キーボードやマウスなどである。画像記録装置110の利用者は、入力装置25を操作することにより、画像記録装置110に対して記録部114に記録した画像データを表示装置24に表示させる旨の指示などを入力することができる。
【0095】
メモリ22は、コンピュータ装置10のオペレーティングシステムとともに、プロセッサ21が上述した画像記録処理を実行するためのアプリケーションプログラムを格納している。このアプリケーションプログラムは、本件開示の画像記録方法に含まれる、映像を駐車エリアごとに監視する処理を実行するためのプログラムを含む。なお、駐車エリアごとに監視する処理は、個々の駐車エリアについて動作期間を検出する処理と、動作期間の検出に連動して個々の駐車エリアにおけるマークを検出する処理およびこの処理によるマーク検出結果に基づく判別処理を含む。また、画像記録処理を実行するためのアプリケーションプログラムは、上述した判別結果によって特定される記録対象の映像の範囲を選択的に記録する処理を実行するためのプログラムを含む。なお、上述した画像記録処理を実行するためのアプリケーションプログラムは、例えば、記録媒体120に記録して頒布することができる。そして、この記録媒体120を光学ドライブ26に装着して読み込み処理を行うことにより、画像記録処理を実行するためのアプリケーションプログラムは、メモリ22およびハードディスク装置23に格納される。また、インターネットなどのネットワークとLANインタフェース28とを介して、画像記録処理を実行するためのアプリケーションプログラムをメモリ22およびハードディスク装置23に読み込ませることもできる。
【0096】
また、上述したアプリケーションプログラムなどとともに、ハードディスク装置23に、監視カメラC1〜Cmで取得された映像を暫定的に保持しておく領域を確保しておくことにより、暫定保持部117を実現してもよい。同様に、ハードディスク装置23の記録容量の一部を用いることにより、監視カメラC1からCmに対応して、動作状態データベース115−1〜115−mおよび期間データベース116−1〜116−mを実現してもよい。なお、図8に例示したハードディスク装置23は、更に、駐車エリア定義データベース(DB:DataBase)126を含んでいる。また、このハードディスク装置23は、更に、n個の駐車エリアそれぞれにおける動きを検出する際の比較対象となる基礎画像を格納するために、各駐車エリアに対応する基礎画像ファイル128−1〜128−nとを含んでいる。
【0097】
また、プロセッサ21は、メモリ22に格納されたアプリケーションプログラムに含まれる個々の駐車エリアについて動作期間を検出する処理のプログラムを実行することにより、図1に例示した動作検出部111の機能を果たしてもよい。プロセッサ21は、メモリ22に格納されたアプリケーションプログラムに含まれる個々の駐車エリアにおけるマークを検出する処理のプログラムを実行することにより、図1に例示したマーク検出部112の機能を果たしてもよい。また、プロセッサ21は、メモリ22に格納されたアプリケーションプログラムに含まれる、マーク検出結果に基づく判別処理のプログラムを実行することにより、図1に例示した判別部113の機能を果たしてもよい。また、プロセッサ21は、メモリ22に格納されたアプリケーションプログラムに含まれる選択的な記録処理のプログラムを実行することにより、図1に例示した記録部114の機能を果たしてもよい。このように、プロセッサ21が、メモリ22に格納されたアプリケーションプログラムを実行することにより、図1に例示した画像記録装置110に含まれる各機能を実現することができる。
【0098】
図9は、駐車エリア定義データベース126を説明する図である。
【0099】
図9に例示した駐車エリア定義データベース126は、各駐車エリアIDに対応して、当該駐車エリアを視野に含む監視カメラを示すカメラIDと、当該駐車エリアに上述したマークとして設置された二次元バーコードの読取結果を示すバーコード情報とを含む。例えば、図9に例示した駐車エリア定義データベース126によれば、駐車エリアE01〜E04が、監視カメラC1の視野に含まれていることが示されている。また、駐車エリア定義データベース126は、更に、各駐車エリアIDに対応して、当該駐車エリアを撮影している監視カメラで得られる画像において、当該駐車エリアに対応する領域を示す情報を含んでいる。更に、駐車エリア定義データベース126は、更に、各駐車エリアIDに対応して、対応する基礎画像ファイル128−1〜128−nを示す基礎画像ファイル名File−1〜File−nを含んでいる。
【0100】
各駐車エリアに対応する領域を示す情報は、例えば、撮像装置101で得られた画像において駐車エリアに対応する四角形の頂点A1〜A4の位置を示す座標で示してもよい。図2に符号A1〜A4で示した平行四辺形の頂点の座標は、それぞれの画像における駐車エリアE01に対応する領域を示す情報の一例である。なお、図9に例示した駐車エリア定義データベース126において、各頂点の座標は、座標値を示すX,Yに、対応する頂点を示す番号と駐車エリアを示す番号とを組み合わせた添え字を付して示した。
【0101】
なお、上述した駐車エリア定義データベース126に含まれる情報は、例えば、画像記録装置110の設置時などに、予め設定することができる。また、このときに、上述した基礎画像ファイル128−1〜128−nに、初期状態での基礎画像を格納しておいてもよい。例えば、全ての駐車エリアが空き状態であるときに各監視カメラC1〜Cmで得られた画像から、各駐車エリアに対応する領域の画像を切り出すことにより、初期状態での基礎画像を用意してもよい。
【0102】
以下に、映像を駐車エリアごとに監視することにより、記録対象の映像が得られた期間を判別する処理および監視処理の過程で判別された画像を記録媒体に選択的に記録する処理について説明する。
【0103】
図10、図11は、いずれも、各駐車エリアを監視する処理の一例のフローチャートの一部である。図10に例示したフローチャートに示した結合子1、2は、図11に例示したフローチャートの結合子1、2と結合されている。また、図11に示すステップのうち、図10に示すステップと同等の処理を示すものについては、同一の符号を付して示し、説明を省略する。
【0104】
プロセッサ21は、各駐車エリアについて、図10、図11に示したステップS301〜ステップS319の処理を並行して実行することにより、図1、図5に例示した動作検出部111、マーク検出部112および判別部113の機能を実現してもよい。
【0105】
以下の記載では、プロセッサ21が、駐車エリアE01に注目して図10、図11に示したフローチャートに含まれる各ステップの処理を実行する場合について説明する。なお、各駐車エリアを監視する処理を開始する際の初期状態において、図8に例示したハードディスク装置23の記憶領域の一部を用いて設けた動作状態データベース115−1〜115−mは、各駐車エリアに対応して、全て被写体の動きが検出されていない旨の動作状態情報「静止中」を保持している。一方、図8に例示したハードディスク装置23の記憶領域の一部を用いて各監視カメラC1〜Cmに対応して設けた期間データベース116−1〜116−mは、初期状態においてはクリアされている。
【0106】
プロセッサ21は、まず、LANインタフェース28を介して駐車エリアE01を視野に含む監視カメラC1で得られた映像Vの現フレームの画像に含まれる注目領域と、駐車エリアE01に対応する基礎画像128−1とを比較する(ステップS301)。プロセッサ21は、例えば、現フレームの画像から駐車エリア定義データベース126に、駐車エリアE01に対応して格納された画像の領域を示す情報に基づいて、現フレームの画像から注目領域を切り出してもよい。プロセッサ21は、このようにして切り出した注目領域の画像と、駐車エリアE01に対応して駐車エリア定義データベース126に格納された基礎画像ファイル名で示される基礎画像128−1とを比較する処理を実行する。
【0107】
ステップS301の比較処理によって、注目領域の画像と基礎画像128−1との間に差分が検出されない場合に(ステップS302の否定判定)、プロセッサ21は、ステップS303において所定時間待機した後に、ステップS301の処理に戻る。このようにして、プロセッサ21は、ステップS301の比較処理において差分が検出されるまで、新たな注目領域の画像と基礎画像128−1とを比較する処理を繰り返す。
【0108】
一方、ステップS301の比較処理によって、注目領域の画像と基礎画像128−1との間に差分が検出された場合に(ステップS302の否定判定)、プロセッサ21は、動作期間の開始を検出したと判断し、ステップS304の処理に進む。
【0109】
ステップS304において、プロセッサ21は、監視カメラC1に対応する動作状態データベース115−1の駐車エリアE01に対応する動作状態情報を、当該駐車エリアにおいて被写体の動きがある旨の「動作中」に変更する。また、併せて、プロセッサ21は、監視カメラC1に対応する期間データベース116−1に、駐車エリアE01を示す駐車エリアIDと動作期間の開始時刻とを含む新たな期間情報を登録する。このとき、プロセッサ21は、例えば、期間データベース116−1において未使用の期間番号を、登録する期間情報に与えてもよい。このように、プロセッサ21が、ステップS301〜ステップS304の処理を実行することにより、図1に例示した動作検出部111の機能の一部である動作期間の開始時を特定する機能を実現してもよい。
【0110】
次に、プロセッサ21は、注目領域の画像から二次元バーコードを読み取る処理を行う(ステップS305)。プロセッサ21が、このステップS305の処理を実行することにより、二次元バーコードの読み取り結果をマークの検出結果として得ることができる。このように、プロセッサ21が、ステップS305の処理を実行することにより、図1および図5に例示したマーク検出部112の機能の一部である、動作期間の開始に応じてマークを検出する機能を実現してもよい。
【0111】
ステップS305の処理において、注目領域の画像からの二次元バーコードの読み取りが成功した場合に(ステップS306の肯定判定)、プロセッサ21は、動作期間の開始時には、当該駐車エリアE01に駐車中の車両はないと判断する。一方、ステップS305の処理において、注目領域の画像からの二次元バーコードの読み取りが失敗した場合に(ステップS306の否定判定)、プロセッサ21は、動作期間の開始時には、当該駐車エリアE01に駐車中の車両があると判断する。このように、プロセッサ21が、ステップS305の処理結果に基づいて、ステップS306判定処理を行うことにより、動作期間の開始時において駐車エリアに駐車中の車両の有無を特定する機能を実現することができる。なお、この機能は、図1および図5に例示した判別部113の機能の一部である。
【0112】
上述したステップS306の肯定判定の場合に、プロセッサ21は、結合子1によって結合が示された図11のステップS307の処理に進む。なお、このステップS306の肯定判定ルートにおいてプロセッサ21が実行する処理については後述する。
【0113】
一方、ステップS306の否定判定の場合に、プロセッサ21は、監視カメラC1で得られる映像Vから所定時間間隔で抽出した2フレームの画像を比較することにより、駐車エリアE01における動きを検出する処理を行う(ステップS307)。ステップS307において、プロセッサ21は、映像Vから所定時間間隔で抽出した2フレームの画像に含まれる注目領域の画像を互いに比較することにより、駐車エリアE01における被写体の動きによって現れる両者の差分を検出してもよい。
【0114】
ステップS307の処理の過程において、比較対象となった2つの注目領域の画像間に、駐車エリアE01における動きによる差分が検出された場合に(ステップS308の肯定判定)、プロセッサ21は、駐車エリアE01における動きは継続中であると判断する。この場合に、プロセッサ21は、ステップS307の処理に戻る。したがって、ステップS307の処理において、駐車エリアE01における動きによる差分が検出されている限り、プロセッサ21は、ステップS307,S308の処理を繰り返して実行する。
【0115】
その後、ステップS307の処理の過程において当該駐車エリアE01における動きが検出されなくなったときに(ステップS308の否定判定)、プロセッサ21は、当該駐車エリアE01における動きが終息したと判断する。このようにして、プロセッサ21は、駐車エリアE01において動きが継続していた動作期間の終了時点を特定することができる。つまり、プロセッサ21が、ステップS307〜ステップS308の処理を実行することにより、図1に例示した動作検出部111の機能の一部である動作期間の終了時点を特定する機能を実現してもよい。
【0116】
そして、ステップS308の否定判定の場合に、プロセッサ21は、ステップS309の処理に進む。ステップS309において、プロセッサ21は、動作状態データベース115−1に駐車エリアE01に対応して保持された動作状態情報を「静止中」に更新する処理を行う。また、プロセッサ21は、上述したステップS304で期間データベース116−1に登録した期間情報に、現在の時刻を当該動作期間の終了時刻を示す情報として付加する処理を行う。
【0117】
次いで、プロセッサ21は、上述したステップS305と同様にして、注目領域の画像から二次元バーコードを読み取る処理を行う(ステップS310)。ステップS310の処理において、注目領域の画像からの二次元バーコードの読み取りが成功した場合に(ステップS311の肯定判定)、プロセッサ21は、動作期間の終了時点において、駐車エリアE01に駐車中の車両はないと判断する。この場合に、プロセッサ21は、ステップS304で期間データベース116−1に登録した期間情報で示される動作期間に、駐車エリアE01における車両の出庫があったと判断する。そして、この判断に基づいて、プロセッサ21は、当該動作期間に対応する映像が記録対象である旨の判別フラグ「記録」を、この動作期間を示す期間情報に設定する処理を行う(ステップS312)。一方、ステップS310の処理において、注目領域の画像からの二次元バーコードの読み取りが失敗した場合に(ステップS311の否定判定)、プロセッサ21は、動作期間の終了時点において、駐車エリアE01に駐車中の車両があると判断する。この場合に、プロセッサ21は、ステップS304で期間データベース116−1に登録した期間情報で示される動作期間に、駐車エリアE01における車両の出庫はなかったと判断する。そして、この判断に基づいて、プロセッサ21は、当該動作期間に対応する映像が記録対象でない旨の判別フラグ「記録不要」を、この動作期間を示す期間情報に設定する処理を行う(ステップS314)。
【0118】
このように、プロセッサ21が、ステップS306の否定判定ルートにおいて、ステップS311の判定結果に応じてステップS312又はステップS314の処理を行うことにより、図1および図5に例示した判別部113の機能の一部を実現してもよい。なお、上述した各ステップの処理をプロセッサ21が実行することによって実現される判別部113の機能の一部とは、注目する駐車エリアに駐車していた車両が出庫した過程を含む動作期間を判別する機能である。
【0119】
上述したように、ステップS311の肯定判定の場合に、駐車エリアE01に駐車中の車両はないので、この駐車エリアE01は空き状態となっている。この場合に、プロセッサ21は、上述したステップS312の処理とともに、駐車エリアE01に対応する基礎画像128−1を、空き状態を表す画像に更新する処理を行う(ステップS313)。一方、ステップS311の否定判定ルートでは、プロセッサ21は、駐車エリアE01に対応する基礎画像128−1を、車両が駐車中の状態を表す新たな画像で更新する処理を行う(ステップS315)。プロセッサ21は、例えば、監視カメラC1で得られた映像Vの現フレームの画像から注目領域を切り出すことにより、ステップS313,S315の処理において用いる新たな基礎画像128−1を取得してもよい。
【0120】
次に、図10に示したステップS306の肯定判定ルートの処理、つまり、動作期間の開始時点において、注目する駐車エリアに駐車している車両がない場合の処理について説明する。
【0121】
図11に示したフローチャートは、図10に示したフローチャートに含まれるステップS306の否定判定ルートの処理に対応する、ステップS306の肯定判定ルートの処理のフローチャートである。そして、ステップS306の肯定判定ルートの処理と、ステップS306の否定判定ルートの処理との違いは、ステップS317からステップS319の処理にある。
【0122】
図11に示したステップS317において、プロセッサ21は、ステップS307,S308の処理によって特定された動作期間の終了時点に、ステップS310の二次元バーコード読み取り処理が成功したか否かを判定する。
【0123】
そして、ステップS310の処理で二次元バーコードの読み取りが成功した場合に(ステップS317の肯定判定)、プロセッサ21は、動作期間の終了時点において、駐車エリアE01に駐車中の車両はないと判断する。この場合に、プロセッサ21は、ステップS304で期間データベース116−1に登録した期間情報で示される動作期間に、駐車エリアE01における車両の入庫はなかったと判断する。そして、この判断に基づいて、プロセッサ21は、当該動作期間に対応する映像が記録対象でない旨の判別フラグ「記録不要」を、この動作期間を示す期間情報に設定する処理を行う(ステップS318)。一方、ステップS310の処理において、注目領域の画像からの二次元バーコードの読み取りが失敗した場合に(ステップS317の否定判定)、プロセッサ21は、動作期間の終了時点において、駐車エリアE01に駐車中の車両があると判断する。この場合に、プロセッサ21は、ステップS304で期間データベース116−1に登録した期間情報で示される動作期間に、駐車エリアE01における車両の入庫があったと判断する。そして、この判断に基づいて、プロセッサ21は、当該動作期間に対応する映像が記録対象である旨の判別フラグ「記録」を、この動作期間を示す期間情報に設定する処理を行う(ステップS319)。
【0124】
このように、プロセッサ21が、ステップS306の肯定判定ルートにおいて、ステップS317の判定結果に応じてステップS318又はステップS319の処理を行うことにより、図1および図5に例示した判別部113の機能の一部を実現してもよい。なお、上述した各ステップの処理をプロセッサ21が実行することによって実現される判別部113の機能の一部とは、注目する駐車エリアに車両が入庫した過程を含む動作期間を判別する機能である。
【0125】
次いで、プロセッサ21は、ステップS317の判定結果に応じて、駐車エリアE01に対応する基礎画像128−1を更新する処理を行う(ステップS313,S315)。その後、プロセッサ21は、結合子2で示されたルートに従って、図10に示したステップS316に進む。これにより、ステップS306の否定判定ルートと肯定判定ルートは合流する。
【0126】
図10に示したステップS316において、プロセッサ21は、駐車エリアE01の監視を継続するか否かを判定する。例えば、操作者が入力装置25を操作することによって入力した監視を停止させる旨の指示を検出しない限り、プロセッサ21は、監視を継続すると判断してもよい(ステップS316の肯定判定)。この場合に、プロセッサ21は、ステップS301の処理に戻ることにより、駐車エリアを監視する処理を継続する。一方、監視を停止させる旨の指示の検出に応じて、プロセッサ21は、ステップS316の否定判定ルートに進む。そして、この場合に、プロセッサ21は、駐車エリアを監視する処理を終了する。
【0127】
監視カメラC1で得られた映像Vが入力される過程で、プロセッサ21は、以上で説明した駐車エリアE01についての処理と並列に、駐車エリアE02〜E04について上述した処理を実行する。これにより、プロセッサ21は、これらの駐車エリアE01〜E04について検出された各動作期間についての判別結果を示す判別フラグを含む期間情報を、期間データベース116−1に集積することができる。また、プロセッサ21は、動作状態データベース115−1の各駐車エリアE01〜E04に対応する動作状態情報により、上述した処理を並列に実行する過程に含まれる各時点において何らかの動きがある駐車エリアを示す情報を得ることができる。
【0128】
以下に、動作状態データベース115および期間データベース116に基づいて、映像Vから所望の部分を記録媒体120に選択的に記録する処理について説明する。
【0129】
図12は、記録制御処理の一例のフローチャートである。図8に示したプロセッサ21は、図12に示したフローチャートに含まれるステップS321〜ステップS330の処理を各部と協働して実行することにより、図1および図5に例示した記録部114の機能を果たす。なお、プロセッサ21は、図11に示した各ステップの処理を、監視カメラC1〜Cmでそれぞれ得られる映像Vごとに並行して実行してもよい。以下では、プロセッサ21が、監視カメラC1で得られる映像Vについて処理を行う場合を例として説明する。
【0130】
プロセッサ21は、ステップS321において、動作状態データベース115−1を参照することにより、監視カメラC1の視野に含まれる各駐車エリアE01〜E04の動作状態情報を取得する。次いで、プロセッサ21は、ステップS321で取得した動作状態情報の中に「動作中」があるか否かを判定する(ステップS322)。
【0131】
ステップS321で取得した動作状態情報が全て「静止中」である場合に(ステップS322の否定判定)、プロセッサ21は、監視カメラC1の視野内に動きはないと判断する。この場合に、プロセッサ21は、ステップS323において所定時間待機した後に、ステップS321の処理に戻る。このように、プロセッサ21は、ステップS321〜ステップS323の処理を繰り返して実行することにより、動作状態データベース115−1を監視する。
【0132】
このようにして監視処理を継続していく過程で、ステップS321で取得した動作状態情報の中の少なくとも一つが「動作中」となったときに(ステップS322の肯定判定)、プロセッサ21は、監視カメラC1の視野内に何らかの動きがあったと判断する。
【0133】
この場合に、プロセッサ21は、ステップS324に進む。そして、ステップS324において、プロセッサ21は、ハードディスク装置23に対して、監視カメラC1で得られた映像Vを暫定保持部117に保持する処理の開始を指示することにより、以降に監視カメラC1で得られる映像Vについて暫定的な録画を開始する。
【0134】
次いで、プロセッサ21は、再び、動作状態データベース115−1を参照することにより、監視カメラC1の視野に含まれる各駐車エリアE01〜E04の動作状態情報を取得する(ステップS325)。次いで、プロセッサ21は、ステップS325で取得した動作状態情報の中に「動作中」があるか否かを判定する(ステップS326)。ステップS325で取得した動作状態情報の中の少なくとも一つが「動作中」であった場合に(ステップS326の肯定判定)、プロセッサ21は、監視カメラC1の視野内の動きが継続していると判断する。この場合に、プロセッサ21は、ステップS327において所定時間待機した後に、ステップS325の処理に戻る。このように、プロセッサ21は、ステップS325〜ステップS327の処理を繰り返して実行することにより、動作状態データベース115−1を監視する。
【0135】
このようにして監視処理を継続していく過程で、ステップS325で取得した動作状態情報の全てが「静止中」となったときに(ステップS326の否定判定)、プロセッサ21は、監視カメラC1の視野内の動きが全て終息したと判断する。この場合に、プロセッサ21は、ステップS328の処理に進む。
【0136】
ステップS328において、プロセッサ21は、ハードディスク装置23に対して、監視カメラC1で得られた映像Vを暫定保持部117に保持する処理の停止を指示することにより、映像Vの暫定的な録画を停止する。
【0137】
その後、プロセッサ21は、期間データベース116−1に保持された期間情報に基づいて、暫定保持部117に保持された映像データから、記録対象の映像データを抽出する処理及び抽出した映像データを記録する処理を行う(ステップS329)。プロセッサ21は、記録対象の映像に対応する部分の映像データを、光学ドライブ26を介して記録媒体120に記録させてもよい。なお、ステップS329の処理については、後述する。
【0138】
ステップS329の処理の完了後に、プロセッサ21は、図10に示したステップ316と同様にして、監視を継続するか否かを判定する(ステップS330)。ステップS330の肯定判定の場合に、プロセッサ21は、ステップS321の処理に戻ることにより、記録制御処理を継続する。一方、監視を停止させる旨の指示の検出に応じて、プロセッサ21は、ステップS330の否定判定ルートに進む。そして、この場合に、プロセッサ21は、記録制御処理を終了する。
【0139】
次に、図12にステップS329として示した記録対象の映像を抽出し、抽出した映像を記録する処理について説明する。
【0140】
図13は、記録対象の映像を抽出・記録する処理の一例のフローチャートである。図13に示したステップS331〜ステップS335の処理は、図12に示したステップS329の処理の一例である。
【0141】
図13に例示したステップS331において、プロセッサ21は、まず、期間データベース116−1から、判別フラグ「記録」が設定された期間情報を検索する。
【0142】
次に、プロセッサ21は、ステップS331の処理で得られた期間情報の一つを、開始時刻順に対応する期間番号順に選択する(ステップS332)。そして、プロセッサ21は、選択した期間情報に含まれる開始時刻及び終了時刻に基づいて、抽出対象の期間の開始時刻を示す抽出開始時刻Ts及び抽出対象の期間の終了時刻を示す抽出終了時刻Teを設定する(ステップS333)。次いで、プロセッサ21は、ステップS331で得られた期間情報に含まれる未選択の期間情報で示される動作期間の中に、上述した抽出対象の期間とが重複する範囲を持つものがあるか否かを判定する(ステップS334)。
【0143】
例えば、ステップS332で選択した期間情報より後の期間番号を持つ期間情報に含まれる開始時刻が、抽出終了時刻Teよりも早い場合に、プロセッサ21は、重複を検出したと判断し、ステップS334の肯定判定ルートに進む。この場合に、プロセッサ21は、重複を検出した期間情報に含まれる終了時刻を用いて、抽出終了時刻Teを更新する(ステップS335)。
【0144】
例えば、図7(B)を用いて説明すると、期間データベース116−1に対してステップS331の検索処理を行うことにより、プロセッサ21は、期間番号#1、#4、#5で示される期間情報#1、#4、#5を取得する。そして、ステップS333の処理で、プロセッサ21は、期間情報#1に含まれる開始時刻Ts1及び終了時刻Te1を用いて、抽出開始時刻Ts及び抽出終了時刻Teを設定する。次いで、プロセッサ21は、ステップS334の処理で、期間番号#4を持つ期間情報#4に含まれる開始時刻Ts4と上述した抽出終了時刻Teとを比較する。
【0145】
図5(B)に示したように、抽出終了時刻Teよりも、期間情報#4に含まれる開始時刻Ts4の方が早い場合に、プロセッサ21は、期間情報#1を用いて設定された抽出対象の期間と動作期間#4とが重複すると判定する(ステップS334の肯定判定)。そして、この場合に、プロセッサ21は、ステップS335で、抽出終了時刻Teと期間情報#4の終了時刻Te4のいずれか遅い方を抽出終了時刻Teに設定する。
【0146】
このように、ステップS334の肯定判定に応じて、プロセッサ21が、上述したステップS335の処理を行うことにより、重複した範囲を持つ動作期間を結合する結合部118の機能を実現することができる。
【0147】
ステップS335の処理を行った後に、プロセッサ21は、ステップS334の処理に戻る。そして、更新された抽出対象の範囲について、更に、重複する動作期間を探索してもよい。このように、ステップS334〜ステップS335を繰り返すことにより、ステップS332で選択された期間情報に基づいて設定された抽出対象の期間と重複する範囲を持つ動作期間を順次に結合していくことができる。
【0148】
一方、抽出対象の期間に重複する範囲を持つ動作期間が検出されない場合に(ステップS334の否定判定)、プロセッサ21は、ステップS336の処理に進む。ステップS336において、プロセッサ21は、暫定保持部117内の抽出開始時刻Tsから抽出終了時刻Teまでの映像データを抽出する。プロセッサ21は、例えば、映像データに含まれる時刻情報に基づいて、暫定保持部117に保持されている映像データから抽出する映像データの範囲を決定してもよい。そして、抽出した映像データを、プロセッサ21は、光学ドライブ26に転送することにより、この映像像データを記録媒体120に記録させる。このように、ステップS336の処理をプロセッサ21が実行することにより、図6に例示した抽出部119の機能を実現することができる。
【0149】
その後、プロセッサ21は、ステップS331の検索処理で得られた期間情報の仲で未選択の期間情報があるか否かを判定する(ステップS337)。未選択の期間情報がある場合に(ステップS337の肯定判定)、プロセッサ21は、ステップS332の処理に戻ることにより、未選択の期間情報についての処理を実行する。
【0150】
このように、ステップS331〜ステップS337の処理をプロセッサ21が実行することにより、各駐車エリアについて検出された動作期間の重複にかかわらず、映像データを重複させずに記録することができる。
【0151】
図14は、記録処理を説明する図である。図14(A)は、暫定保持部117に保持される映像データの例である。また、図14(B)は、記録媒体120に記録される映像データの例である。
【0152】
図14(A)、(B)に示した符号V1〜V5は、図5(B)に例示した動作期間#1〜#5において監視カメラC1によって得られた映像を表す映像データそれぞれを示す。また、各動作期間#1〜#5の開始時刻及び終了時刻を符号Ts、Teと各動作期間の番号を組み合わせて示す。
【0153】
上述したステップS334〜ステップS335の処理により、プロセッサ21は、図14(A)に示した動作期間#1の開始時刻Ts1から動作期間#4の終了時刻Te4までの期間を、暫定保持部117から抽出する映像データの範囲として設定する。そして、暫定保持部117から抽出した、この範囲の映像データを、プロセッサ21は、光学ドライブ26を介して記録媒体に記録する。このように、駐車エリアごとに検出された動作期間#1と動作期間#4が重複する場合に、これらの動作期間を結合した期間に対応する映像データを記録することにより、記録媒体120の容量を効率的に利用することができる。なお、図14(A)において、映像データV4のうち、映像データV1に含まれない部分を、符号V4’で示した。また、図14(B)において、動作期間#1と動作期間#4とを結合した期間に対応する映像データを、符号V1+V4’で示した。
【0154】
このようにして、選択的な記録処理が完了した後に、プロセッサ21は、監視カメラC1に対応する期間データベース116−1に含まれている全ての期間情報を削除する(ステップS338)。また、プロセッサ21は、暫定保持部117に保持されていた監視カメラC1で得られた映像Vに対応する映像データを削除する(ステップS339)。このようにして、処理済みの情報の保持に使用されていたハードディスク装置23の記憶領域を解放した後に、プロセッサ21は、記録対象の映像データを選択的に記録する処理を終了する。
【0155】
同様にして、図8に例示した監視カメラC2〜Cmの視野に含まれる駐車エリアごとに監視して得られる結果に基づいて、これらの監視カメラC2〜Cmで得られた映像Vから各駐車エリアに車両が入庫/出庫した過程の映像を選択的に記録することができる。これにより、多数の駐車エリアを含む駐車場に駐車した車両および当該車両の入庫/出庫に関与した人物を特定するために必要な情報を過不足なく記録することができる。
【0156】
また、図10、図11に例示した各駐車エリアの監視処理のフローチャートは、以下に述べるように変形することも可能である。
【0157】
図15は、各駐車エリアの監視処理の別例のフローチャートである。なお、図15に示したステップのうち、図10又は図11に示したステップと同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
【0158】
図15に例示したフローチャートによれば、ステップS305において、二次元バーコードを読み取る処理を行った後に、プロセッサ21は、ステップS306の判定処理を行う代わりに、ステップS341の処理を実行する。
【0159】
ステップS341において、プロセッサ21は、ステップS305で実行した二次元バーコードの読み取りが成功したか否かを示す情報を、動作期間の開始時点におけるマーク検出結果Ssとして期間情報に追加する。
【0160】
このように、プロセッサ21が、ステップS341の処理を行うことにより、動作期間の開始時点においてマーク検出部112によって得られた検出結果を示す情報を期間データベース116−1に保持させることができる。
【0161】
また、図15に例示したフローチャートによれば、ステップS310において、再び二次元バーコードを読み取る処理を行った後に、プロセッサ21は、ステップS311の判定処理を行う代わりに、ステップS342の処理を実行する。
【0162】
ステップS342において、プロセッサ21は、ステップS310で実行した二次元バーコードの読み取りが成功したか否かを示す情報を、動作期間の終了時点におけるマーク検出結果Seとして期間情報に追加する。
【0163】
このように、プロセッサ21が、ステップS342の処理を行うことにより、動作期間の終了時点においてマーク検出部112によって得られた検出結果を示す情報を期間データベース116−1に保持させることができる。
【0164】
上述したステップS341およびステップS342の処理をプロセッサ21が実行することにより、図6(B)に例示したマーク検出結果Ss,Seを含む期間データベース116−1を形成することができる。
【0165】
次いで、プロセッサ21は、上述したようにして期間データベース116−1に追加された開始時点でのマーク検出結果Ssと終了時点でのマーク検出結果Seとを照合する処理を行う(ステップS343)。そして、開始時点でのマーク検出結果Ssと終了時点でのマーク検出結果Seとが異なる場合に(ステップS343の否定判定)、プロセッサ21は、当該動作期間において駐車エリアE01において、車両の入庫あるいは車両の出庫があったと判断する。そして、この判断に基づいて、プロセッサ21は、当該動作期間に対応する期間情報に、記録対象である旨の判別フラグ「記録」を設定する処理を行う(ステップS312)。一方、開始時点でのマーク検出結果Ssと終了時点でのマーク検出結果Seとが一致する場合に(ステップS343の肯定判定)、プロセッサ21は、当該動作期間において駐車エリアE01において、車両の入庫も車両の出庫も無かったと判断する。そして、この判断に基づいて、プロセッサ21は、当該動作期間に対応する期間情報に、記録対象でない旨の判別フラグ「記録不要」を設定する処理を行う(ステップS314)。このように、プロセッサ21が、開始時点および終了時点でのマーク検出結果Ss、Seについての比較結果に応じて、ステップS312あるいはステップS314を実行することにより、図1に例示した判別部113の機能を実現してもよい。
【0166】
また、上述したステップS312あるいはステップS314の処理が終了した後に、プロセッサ21は、監視カメラC1で得られた映像Vから新たに切り出した注目領域の画像を用いて、基礎画像を更新する処理を行ってもよい(ステップS344)。
【0167】
以上の説明に限られず、本件開示の画像記録装置110は、例えば、カラーバーコードが設置された駐車エリアを含む駐車場を監視する監視カメラで得られる映像から、駐車エリアへの車両の入庫/出庫にかかわる画像を選択的に記録することができる。また、各駐車エリアに設置されるマークは、個々の駐車エリアを識別する情報を含まない図形などでもよい。
【符号の説明】
【0168】
100…駐車場;101…撮像装置;110…画像記録装置;111…動作検出部;112…マーク検出部;113…判別部;114…記録部;115…動作状態データベース;116…期間データベース;117…暫定保持部;118…結合部;119…抽出部;120…記録媒体;126…駐車エリア定義データベース;128−1〜128−n…基礎画像ファイル;10…コンピュータ装置;21…プロセッサ;22…メモリ;23…ハードディスク装置;24…表示装置;25…入力装置;26…光学ドライブ装置;28…ローカルエリアネットワーク(LAN)インタフェース;30…ローカルエリアネットワーク;C1〜Cm…監視カメラ;M01〜M04…マーク;Q1…車両;E01〜E04…駐車エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両によって遮られるマークをそれぞれ有する複数の駐車エリアを撮影する撮像装置によって得られる画像に基づいて、前記各駐車エリアの画像が継続的に変化している期間である動作期間を前記駐車エリアごとに検出する動作検出部と、
前記動作期間の開始時および終了時のそれぞれの画像から、前記マークの像を前記駐車エリアごとに検出するマーク検出部と、
前記開始時に前記マークが検出され、前記終了時に前記マークが検出されないときに、当該動作期間における当該駐車エリアへの車両の入庫を判別し、前記開始時に前記マークが検出されず、前記終了時に前記マークが検出されたときに、当該動作期間における当該駐車エリアからの車両の出庫を判別する判別部と、
前記判別部によって入庫あるいは出庫が判別された動作期間に対応して前記撮像装置によって得られた画像を記録する記録部と
を備えたことを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像記録装置において、
前記動作検出部により検出された前記動作期間において動作中を示し、前記動作期間以外のときに静止中を示す動作状態情報を、前記駐車エリアごとに保持する動作状態データベースと、
前記各動作期間の開始時刻および終了時刻を示す情報をそれぞれ含む期間情報と、前記期間情報ごとに設けられ、画像の記録が必要である旨を示す判別フラグと保持する期間データベースとを備え、
前記判別部は、前記各動作期間について入庫あるいは出庫を判別したときに、対応する前記判別フラグをセットし、
前記記録部は、
前記撮像装置で得られる画像を一時的に保持する前記暫定保持部と、
前記動作状態データベースの少なくとも一つの動作状態情報が動作中となった後、前記動作状態データベースの全ての動作状態情報が静止中となったときに、前記期間データベースに含まれる前記判別フラグが設定された期間情報に基づいて、これらの期間情報で示される前記各動作期間のうち、互いに重複する範囲を有する動作期間を結合する結合部と、
前記結合部によって結合された動作期間と結合されずに残った動作期間とに対応して前記暫定保持部に保持された画像を抽出し、抽出した画像を別の記録媒体に記録する抽出部とを有する
ことを特徴とする画像記録装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像記録装置において、
前記暫定保持部は、前記動作状態データベースの少なくとも一つの動作状態情報が動作中となってから前記動作状態データベースの全ての動作状態情報が静止中となるまでに前記撮像装置で得られる画像を保持する
ことを特徴とする画像記録装置。
【請求項4】
車両によって遮られるマークをそれぞれ有する複数の駐車エリアを撮影する撮像装置によって得られる画像に基づいて、前記各駐車エリアの画像が継続的に変化している期間である動作期間を前記駐車エリアごとに検出し、
前記動作期間の開始時および終了時のそれぞれの画像から、前記マークの像を前記駐車エリアごとに検出し、
前記開始時に前記マークが検出され、前記終了時に前記マークが検出されないときに、当該駐車エリアへの車両の入庫を判別し、前記開始時に前記マークが検出されず、前記終了時に前記マークが検出されたときに、当該駐車エリアからの車両の出庫を判別し、
入庫あるいは出庫が判別された動作期間に対応して前記撮像装置によって得られた画像を記録する
ことを特徴とする画像記録方法。
【請求項5】
車両によって遮られるマークをそれぞれ有する複数の駐車エリアを撮影する撮像装置によって得られる画像に基づいて、前記各駐車エリアの画像が継続的に変化している期間である動作期間を前記駐車エリアごとに検出し、
前記動作期間の開始時および終了時のそれぞれの画像から、前記マークの像を前記駐車エリアごとに検出し、
前記開始時に前記マークが検出され、前記終了時に前記マークが検出されないときに、当該駐車エリアへの車両の入庫を判別し、前記開始時に前記マークが検出されず、前記終了時に前記マークが検出されたときに、当該駐車エリアからの車両の出庫を判別し、
入庫あるいは出庫が判別された動作期間に対応して前記撮像装置によって得られた画像を記録する
処理をコンピュータに実行させる画像記録プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−81013(P2013−81013A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218962(P2011−218962)
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(000237156)株式会社富士通アドバンストエンジニアリング (100)
【Fターム(参考)】