説明

画像記録装置及び画像表示装置

【課題】 撮影時の環境条件や撮影条件に基づいて、画像に生じるブレの許容値を設定できるようにすることで、ユーザの所望する画像を記録する、又は該画像を表示する。
【解決手段】 画像中の被写体を認識する被写体認識部と、被写体認識部により認識された被写体に基づいて、少なくとも1つ以上の閾値を選択する閾値選択部と、画像に生じるブレ量と閾値選択部により選択された少なくとも1つ以上の閾値とを比較することで、画像を振り分ける振分け部と、振分け部により記録対象として振り分けられた画像が記録される記憶部と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影により取得された画像を記録する画像記録装置、及び該画像を表示する画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に提供されるデジタルカメラの中には、撮影時に被写体に生じるブレ(被写体ブレ)やカメラ本体に生じるブレ(手ブレ)などによるブレが生じた画像を補正するものがある。また、この他に、ブレ補正を施した画像に残留するブレ量(以下、残留ブレ量)を該画像と関連付けて記録し、残留ブレ量が基準値以下となる画像を記録し、基準値を超過する画像を削除する撮像装置も考案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−139839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、撮影時の環境条件や撮影条件などを考慮した場合、上述した基準値が一定であることは好ましいものではない。つまり、基準値を一定にすると、ユーザが意図する被写体の撮影であっても、撮影により得られる画像の残留ブレ量が基準値を超過してしまうときには、ユーザにとっては必要な画像であっても記録されずに削除されてしまうからである。
【0005】
本発明は、撮影時の環境条件や撮影条件に基づいて、画像に生じるブレの許容値を設定できるようにすることで、ユーザの所望する画像を記録する、又は該画像を表示することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の画像記録装置は、画像中の被写体を認識する被写体認識部と、前記被写体認識部により認識された被写体に基づいて、少なくとも1つ以上の閾値を選択するブレレベル選択部と、前記画像に生じるブレ量と前記ブレレベル選択部により選択された前記少なくとも1つ以上の閾値とを比較することで、前記画像を振り分ける振分け部と、前記振分け部により記録対象として振り分けられた画像が記録される記憶部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、前記被写体認識部により認識された被写体が登録済みの被写体であるか否かを判定する認証部を、さらに備え、前記振分け部は、前記認証部により前記被写体が前記登録済みの被写体であると判定された場合に、前記登録済みの被写体に対して設定された前記閾値を用いて、前記画像を前記記録対象とするか否かを振り分けることが好ましい。
【0008】
また、前記振分け部により記録対象外として振り分けられた画像を前記記憶部に記録するか否かを選択する画像選択部を、さらに備えていることが好ましい。
【0009】
また、本発明の画像表示装置は、前記被写体認識部により認識された被写体に基づいて、少なくとも1つ以上の閾値を選択するブレレベル選択部と、前記画像に生じるブレ量と、前記ブレレベル選択部により選択された前記少なくとも1つ以上の閾値とを比較することで、前記画像を振り分ける振分け部と、前記振分部により表示対象として振り分けられた画像を表示する表示部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、前記被写体認識部により認識された被写体が登録済みの被写体であるか否かを認証する認証部を、さらに備え、前記振分け部は、前記認証部により前記被写体が前記登録済みの被写体であると判定された場合に、前記登録済みの被写体に対して設定された前記閾値を用いて、前記画像を前記表示対象とするか否かを振り分けることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、撮影時の環境条件や撮影条件に基づいて、画像に生じるブレの閾値が用いられるので、ユーザの所望する画像を記録する、又は該画像を表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明を用いたデジタルカメラの概略を示す図である。
【図2】ブレレベル選択が「オート」となるときの被写体の種類とブレレベルの範囲とをまとめた図である。
【図3】被写体に対するブレレベルの設定画像の一例を示す図である。
【図4】画像を記録する処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】画像を表示する処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】画像を表示したときの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、デジタルカメラ10の構成の概略を示す。周知のように、デジタルカメラ10は、撮像光学系15によって取り込まれた被写体光を撮像素子16によって光電変換し、光電変換後の電気信号(画素信号)により画像データが取得される。なお、画像データは、画像の元になるデータからなる。撮像光学系15は、図示を省略した撮像レンズ、ズームレンズやフォーカスレンズなどを含むレンズ群から構成される。ズームレンズは選択された撮影倍率となるように光軸Lに沿って移動する。フォーカスレンズは焦点調節の際に光軸Lに沿って微小移動する。このレンズ群を構成するズームレンズやフォーカスレンズなどは、図示を省略したレンズ駆動機構によって駆動制御される。
【0014】
撮像素子16は、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)などから構成される。撮像素子16は、撮像光学系15によって取り込まれる被写体光を受光し、受光した光量を信号電荷に変換(光電変換)して、変換した信号電荷を蓄積する。
【0015】
ドライバ17は、撮像素子16を駆動制御する。撮像素子16の駆動制御とは、撮像素子16の各画素に対する信号電荷の蓄積及び蓄積された信号電荷の出力の他に、被写体光を受光する画素と、受光しない画素とを制御する、所謂間引き制御を行うことが挙げられる。なお、間引き制御が行われることで得られる画像データは、後述するLCD35にスルー画像を表示させる際に用いられる。なお、撮像素子16から出力される信号電荷が画像信号となる。
【0016】
AFE(Analog Front End)回路21は、図示しないAGC回路やCDS回路を含んで構成される。AFE回路21は、入力された画像信号に対してゲインコントロール、雑音除去などのアナログ処理を施す。これら処理の後、AFE回路21は、画像信号に対してA/D変換処理を施す。これにより、画像信号がアナログ信号からデジタル信号に変換される。
【0017】
DFE(Digital Front End)回路22は、AFE回路21から出力された画像信号に対してノイズ補正処理や欠陥補正処理を行う。これら処理が実行された画像信号は、1コマ毎にまとめられてバッファメモリ25に書き込まれる。以下、1コマ分の画像信号を画像データと称する。なお、符号23は、タイミングジェネレータ(TG)であり、このTG23により、ドライバ17、AFE回路21及びDFE回路22の駆動タイミングが制御される。
【0018】
画像処理回路31は、バッファメモリ25に書き込まれた画像データに対して画像処理を実行する。この画像処理としては、例えば色補間処理、ホワイトバランス補正処理、輪郭補償処理、階調変換処理、色空間変換処理等の画像処理が挙げられる。なお、画像処理回路31は、画像処理済みの画像データに対して圧縮符号化処理を行う。これにより、例えばJpeg形式などの所定の圧縮形式の画像データが生成される。また、画像処理回路31は、画像処理済みの画像データに対してリサイズ処理を施した後、圧縮符号化処理を施すことで、サムネイル画像データを生成する。
【0019】
メディアスロット32は、メモリカードや光学ディスク、或いは磁気ディスクなどの記憶媒体33が着脱自在となっている。この記憶媒体33には、画像データ等が記憶される。
【0020】
LCD35は、表示装置の一形態であって、撮影待機状態時に取り込まれるスルー画像や、撮影時に得られた画像を表示する。また、この他に、LCD35は、デジタルカメラ10の設定を行う際の設定用の画像を表示する。なお、符号36は、LCD35の駆動制御を行う表示制御回路である。
【0021】
CPU41は、内蔵メモリ60に記憶された制御プログラム(図示省略)を実行することで、デジタルカメラ10の各部を統括的に制御する。このCPU41は、バス42を介して、バッファメモリ25、画像処理回路31、メディアスロット32、表示制御回路36及び内蔵メモリ60に電気的に接続される。
【0022】
このCPU41にはレリーズボタン43、設定操作部44などが接続されており、CPU41は、これら操作部材における操作要求や制御プログラムに基づいて、デジタルカメラ10の各部を制御する。設定操作部44は、デジタルカメラ10の各種設定を行う際に操作される操作部材であり、設定操作部44は、例えば複数の操作ボタンや十字キー等から構成される。
【0023】
CPU41は、上述した制御プログラムを実行することにより、制御部51、ブレ量算出部52、被写体認識部53、認証部54、判定部55及び設定部56の機能を有している。制御部51は、上述した操作信号やCPU41に入力された各種信号に基づいて、CPU41の各部を制御する。
【0024】
ブレ量算出部52は、画像に生じるブレ量を算出する。このブレ量の算出としては、撮影時に設定される露光時間(シャッタ速度)や撮影感度、或いはデジタルカメラ10に設けられたジャイロセンサによる振動検出の結果などに基づいて算出される。また、この他に、撮影を行う直前に得られたスルー画像データと撮影時に得られる画像データとを用いた相関演算により、撮像時のブレ量を算出することが挙げられる。なお、この算出されたブレ量は、取得された画像と対応付けられて、例えば内蔵メモリ60に記憶される。
【0025】
被写体認識部53は、撮影時に取得される画像データを用いて、画像に含まれる被写体を認識する。なお、この画像データとしては、圧縮符号化処理が行われる前の画像データ(リサイズ処理された画像データを含む)が挙げられる。以下、被写体の認識を、被写体認識と称する。この被写体認識としては、周知のパターンマッチングや特徴量抽出などの周知の方法の他、焦点調節時に用いられるAFエリアを利用して被写体認識を行うことも可能である。この被写体認識を行うことにより、人物の顔や動物、乗り物や建物などが被写体として認識される。なお、この被写体認識部53により画像から被写体が認識されたときには、認識された被写体の特徴量も抽出される。
【0026】
認証部54は、被写体認識部53により認識された被写体が、予め登録された被写体であるか否かを認証する。内蔵メモリ60には、認証用データ61が複数記憶されている。認証用データ61は、被写体の画像データ、該被写体の特徴量を示すデータ及び被写体の登録名を示すデータが被写体毎にまとめられたデータからなる。認証部54は、被写体認識部53により抽出された被写体の特徴量と、認証用データ61とを比較することにより、被写体認識部53により認識された被写体が、予め登録された被写体であるか否かを認証する。
【0027】
判定部55は、取得された画像に生じるブレ量が範囲内であるか否かを判定する。上述したように、この判定部55によるブレ量の判定の際には、ブレレベル選択のモードとして「オート」、又は「マニュアル」のいずれか一方が使用される。「オート」に対するブレレベルの範囲及び「マニュアル」に対するブレレベルの範囲は、それぞれ設定データ62として内蔵メモリ60に記憶される。判定部55は、被写体に対応付けられたブレレベルを設定データ62から読み出す。なお、ブレレベルとは、ブレ量を数値化したものである。同時に、判定部55は、判定対象となる画像のブレ量を内蔵メモリ60から読み出し、読み出したブレ量が読み出されたブレレベルに基づくブレ量の範囲内であるか否かを判定する。
【0028】
判定部55により画像に生じるブレ量がブレレベルの範囲内となる画像であると判定される場合としては、以下の2つの場合が挙げられる。1つ目は、設定データ62から1つのブレレベルが読み出された場合であり、2つ目は設定データ62から2つのブレレベルが読み出された場合である。例えば1つのブレレベルが読み出された場合には、画像に生じるブレ量が、設定データ62から読み出された1つのブレレベルに基づくブレ量と一致したときに、判定部55は、画像に生じるブレ量がブレレベルの範囲内となる画像であると判定する。また、2つのブレレベルが読み出された場合には、画像に生じるブレ量が、設定データ62から読み出された2つのブレレベルに基づくブレ量の範囲に含まれるときに、判定部55は、画像に生じるブレ量がブレレベルの範囲内となる画像であると判定する。判定部55により画像に生じるブレ量がブレレベルの範囲内となる画像であると判定されたときには、該画像は、記録対象の画像として振り分けられる。
【0029】
一方、上述した2つの状態とはならない場合には、判定部55は、画像に生じるブレ量がブレレベルの範囲外となる画像であると判定する。このような判定の場合には、画像が記録対象外の画像として振り分けられる。この場合、制御部51は、画像を記録するか否かをユーザに選択させる。つまり、制御部51は、記録対象から外れた画像を記録するかの選択画像がLCD35に表示させる。なお、LCD35に選択画像が表示された際には、ユーザの設定操作部44の選択操作が有効となる。このユーザの設定操作部44の選択操作が画像を記録する旨の操作である場合は、制御部51は、その画像が記録対象の画像として振り分けられた画像と同様に記録される。一方、ユーザの設定操作部44の選択操作が、画像を記録しない旨の操作である場合は、該画像に基づく画像データや撮影条件等が削除される。
【0030】
設定部56は、被写体の登録及びブレレベルの登録を行う。この設定部56により被写体を登録した場合には、内蔵メモリ60に記憶された認証用データ61が更新される。また、設定部56によりブレレベルを登録した場合には、内蔵メモリ60に記憶された設定データ62が更新される。
【0031】
内蔵メモリ60は、制御プログラムの他に、上述した認証用データ61や設定データ62が記憶される。上述したように、認証用データ61は、被写体の画像データ、該被写体の特徴量を示すデータ及び被写体の登録名を示すデータが被写体毎にまとめられたデータからなる。また、設定データ62は、被写体名(種類)とブレレベルとが対応付けられたデータである。この設定データ62は、予めデジタルカメラ10の内蔵メモリ60に記憶される初期データ62aと、ユーザによる設定操作部44の操作により内蔵メモリ60に記憶されるユーザデータ62bとから構成される。これら設定データ62のうち、初期データ62aは、ブレレベル選択のモードとして「オート」が選択された場合に用いられる。一方、ユーザデータ62bは、ブレレベル選択のモードとして「マニュアル」が選択された場合に用いられる。初期データ62a及びユーザデータ62bの構成は同一であることから、以下、初期データ62aについてのみ説明する。
【0032】
図2は、初期データ62aの一例を示す。例えば、初期設定としては設定「1」〜設定「4」が挙げられる。設定「1」は、画像に含まれる被写体が、予め登録された被写体に対するブレレベルの設定である。この設定「1」におけるブレレベルは、最小レベルをブレレベル「1」、最大レベルをブレレベル「10」とした設定となる。設定「2」は、画像から認識された被写体が人物である場合のブレレベルの設定である。この設定「2」におけるブレレベルは、最小レベルをブレレベル「1」とし、最大レベルをブレレベル「5」とした設定となる。設定「3」は、画像から認識された被写体が人物を除く動物である場合のブレレベルの設定である。この設定「3」におけるブレレベルは、最小レベルをブレレベル「1」とし、最大レベルをブレレベル「7」とした設定となる。設定「4」は、画像から認識された被写体が建物などの静止物である場合のブレレベルの設定である。この設定「4」におけるブレレベルは、最小レベルをブレレベル「1」とし、最大レベルをブレレベル「2」とした設定となる。
【0033】
一方、ユーザデータ62bは、ユーザによる設定操作部44の操作により、上述した被写体の種類(被写体名)とブレレベルとを登録した場合に生成されるデータである。
【0034】
図3は、ユーザデータ62bを登録する際にLCD35に表示される設定画像71の一例を示す。図3に示すように、設定画像71は、第1表示領域72、第2表示領域73及び第3表示領域74を有している。
【0035】
第1表示領域72は、認識された被写体画像75が表示される領域である。例えば、ユーザデータを登録する際には、画像データに対して被写体認識が実行される。この被写体認識により、被写体の領域を示す画素のアドレスが特定される。画像処理回路31は、画像データから、被写体の領域のアドレスデータに基づいてトリミング処理することで、登録用の画像データを生成する。この登録用の画像データを被写体画像75として第1表示領域72に表示する。なお、トリミング処理することで生成される被写体画像75が第1表示領域72よりも大きい場合には、被写体画像75をリサイズ処理すればよい。
【0036】
第2表示領域73は、ブレレベルを設定する際に用いるレベルゲージ76が表示される領域である。レベルゲージ76は、横軸をブレレベルとしている。そして、レベルゲージ76の図中左端が、ブレ量が0となるブレレベル「1」となる。またレベルゲージ76の図中右端が、ブレレベルが最大となるブレレベル「10」となる。このレベルゲージ76は、隣り合うブレレベルとのブレ量の差が一定のブレ量となるように各ブレレベルが設定されている。
【0037】
このレベルゲージ76の上方及び下方には、設定されるブレレベルを示す指標77,78が設けられる。なお、本実施形態においては、ブレレベルの値は、1又は2設定することが可能である。これら指標77,78のうち、レベルゲージ76の上方に位置する指標77は設定される最小のブレレベルを示し、レベルゲージ76の下方に位置する指標78は、設定される最大のブレレベルを示している。なお、これら指標77,78は、設定操作部44を操作することで図中左方又は右方に移動する。
【0038】
また、このレベルゲージ76の上方であって、ブレレベルが「1」,「5」、「10」となる箇所には、実際のブレ量の状態を示す画像79,80,81が表示される。なお、この画像は、イメージ画像であってもよいし、第1表示領域72に表示させる被写体画像75に対してブレレベルに基づくブレ量を生じさせた画像を表示してもよい。
【0039】
第3表示領域74は、登録された被写体の登録名とブレレベルの値とが表示される領域である。被写体の登録名は、設定操作部44を操作することで入力することが可能である。なお、図3においては、被写体の登録名が「太郎」となる場合について示している。また、ブレレベルの値においては、第2表示領域73に表示される指標77,78に基づくブレレベルの値が表示される。
【0040】
このような設定画像71がLCD35に表示された場合には、まず、ユーザは設定操作部44を操作して、2つ表示される指標77,78のいずれか一方を選択した後、指標77,78を図中左方向又は図中右方向に移動させる。これにより、第3表示領域74のブレレベルの値が変更される。そして、ユーザが意図するブレレベルの値に指標77,78を合わせた後、設定操作部44による登録操作を行うと登録処理が終了する。このとき、制御部51によって被写体名とブレレベルとが対応付けられたデータが生成され、該データがユーザデータ62bに書き込まれる。これにより、ユーザデータ62bが更新される。
【0041】
次に、画像を記録するときの処理の流れについて、図4のフローチャートに基づいて説明する。なお、図4のフローチャートにおいては、撮像により取得された画像データに対して画像処理が施されたことを契機にして開始される。なお、撮像時には、CPU41によって画像に生じるブレ量が算出されており、この画像に生じるブレ量を示す情報が、画像データと対応付けられて内蔵メモリ60に記録されている。
【0042】
ステップS101は、被写体認識を行う処理である。CPU41は、画像処理済みの画像データを用いた被写体認識を行う。このステップS101の処理を実行することで、画像に含まれる被写体が認識される。この際、CPU41は、認識された被写体の領域に含まれる画素のアドレスデータと、被写体から抽出される特徴量を示すデータとを、画像データに対応付けて内蔵メモリ60に一時記憶する。
【0043】
ステップS102は、被写体認証を行う処理である。CPU41は、内蔵メモリ60に記憶された認証用データ61を参照し、ステップS101で認識された被写体が、予め登録された被写体であるか否かを判定する。
【0044】
ステップS103は、被写体登録があるか否かを判定する処理である。ステップS102の認証処理によって、ステップS101で認識された被写体の特徴量が、認証用データ61として記憶された特徴量と一致しているのであれば、ステップS101にて認識された被写体が登録された被写体となる。この場合、CPU41は、ステップS103の判定処理をYesと判定し、ステップS106に進む。
【0045】
一方、ステップS101で認識された被写体の特徴量が、認証用データ61として記憶された特徴量と一致していないのであれば、ステップS101にて認識された被写体が未登録の被写体となる。この場合、CPU41は、ステップS103の判定処理をNoと判定し、ステップS104に進む。
【0046】
上述したステップS103の判定処理でNoと判定された場合には、ステップS104に進む。
【0047】
ステップS104は、被写体登録を行うか否かを判定する処理である。このとき、設定操作部44の操作が有効となる。ユーザによる設定操作部44の操作が被写体登録を行う旨の操作であれば、CPU41は、ステップS104の判定処理をYesとし、S105に進む。一方、設定操作部44の操作が被写体登録を行わない旨の操作であれば、CPU41は、被写体登録を行わないのであれば、CPU41は、ステップS104の判定処理をNoとし、ステップS106に進む。
【0048】
ステップS105は、被写体登録を行う処理である。CPU41は、ステップS101で認識された被写体の領域を示すアドレスデータに基づいて、被写体を示す画像データを生成する。その後、CPU41は、該被写体を示す画像データと、特徴量を示すデータと、被写体名を示すデータとをまとめたデータを生成し、認証用データ61に書き込む。これにより認証用データ61が更新される。なお、被写体名は、予め設定された英数字の組み合わせから任意の組み合わせを用いても良いし、ユーザによる設定操作部44の操作により、ユーザの意図する被写体名を入力させても良い。
【0049】
ステップS106は、ブレレベルの登録があるか否かを判定する処理である。ステップS102における被写体の認証処理を行うことによって、被写体が登録されているか否かが判定されている。例えば被写体が登録されている場合には、CPU41は、認証用データから被写体に対する被写体名を示すデータを読み出す。被写体名を示すデータを読み出した後、CPU41は、設定データ62を参照して、被写体名に基づくブレレベルが登録されているか否かを確認する。この処理で被写体名に基づくブレレベルが登録されている場合には、CPU41は、ステップS106の判定処理をYesとし、ステップS109に進む。一方、被写体名に基づくブレレベルが登録されていない場合には、CPU41は、ステップS106の判定処理をNoとし、ステップS107に進む。
【0050】
ステップS107は、ブレレベルの登録を行うか否かを判定する処理である。このとき、設定操作部44の操作が有効となる。ユーザによる設定操作部44の操作がブレレベル登録を行う旨の操作であれば、CPU41は、ステップS107の判定処理をYesとし、S108に進む。一方、設定操作部44の操作がブレレベルの登録を行わない旨の操作であれば、CPU41は、ステップS107の判定処理をNoとし、ステップS109に進む。
【0051】
ステップS108は、ブレレベルを登録する処理である。このステップS108が実行されると、LCD35に設定画像71が表示される(図3参照)。この際、画像処理回路31は、ステップS101において認識した被写体の領域を画像から切り取ることで、登録用の画像データを生成する。この登録用の画像データが第1表示領域72に表示される。ユーザは、設定操作部44を操作しながら、第2表示領域73に表示されたレベルゲージ76の指標77,78を移動させてブレレベルを設定するとともに、登録名を入力する。その後、ユーザによる設定操作部44の操作が登録を行う旨の操作となる場合に、CPU41は被写体名とブレレベルとを対応付けたデータを生成し、内蔵メモリ60に記憶された設定データ62のユーザデータ62bに書き込む。
【0052】
ステップS109は、ブレレベル選択のモードとして「オート」が設定されているか否かを判定する処理である。ブレレベル選択のモードとして「オート」が設定されている場合には、CPU41は、このステップS109の判定処理をYesとする。この場合、ステップ110に進む。一方、ブレレベル選択のモードとして「マニュアル」が設定されている場合には、CPU41は、このステップS109の判定処理をNoとする。この場合、ステップ111に進む。
【0053】
ステップS110は、初期データを用いてブレレベルを選択する処理である。ステップS101による被写体認識の結果、及びステップS102による被写体認証の結果に基づいて、CPU41は、認識された被写体に対応するブレレベルを初期データ62aから読み出す。例えば認識された被写体が登録被写体であれば、設定「1」が適応されるので、ブレレベルとして「1」及び「10」が読み出される(図2参照)。
【0054】
ステップS111は、ユーザデータを用いてブレレベルを選択する処理である。この場合も、ステップS101による被写体認識の結果及びステップS102による被写体認証の結果に基づいてCPU41は、認識された被写体と撮影条件とに対応するブレレベルをユーザデータ62bから読み出す。
【0055】
ステップS112は、画像に生じるブレ量がブレレベルの範囲内となる画像であるか否かを判定する処理である。ステップS110やステップS111の処理によって、1つのブレレベルが選択されている場合には、CPU41は、画像に生じるブレ量が選択されたブレレベルに基づくブレ量と一致しているか否かを判定する。画像に生じるブレ量が選択されたブレレベルに基づくブレ量と一致している場合には、判定部55は、画像に生じるブレ量がブレレベルの範囲内となる画像であると判定する。CPU41は、ステップS112の判定処理をYesとし、ステップS114に進む。つまり、この場合には、画像は記録対象の画像として振り分けられる。一方、画像に生じるブレ量が選択されたブレレベルに基づくブレ量と一致していない場合には、CPU41は、画像に生じるブレ量がブレレベルの範囲外となる画像であると判定する。CPU41は、ステップS112の判定処理をNoとし、ステップS113に進む。この場合には、画像は、記録対象から外れた画像として振り分けられる。
【0056】
また、ステップS110やステップS111の処理によって、2つのブレレベルが選択された場合には、CPU41は、画像に生じるブレ量が2つのブレレベルに基づくブレ量の範囲内となるか否かを判定する。画像に生じるブレ量が2つのブレレベルに基づくブレ量の範囲内となる場合には、CPU41は、ブレ量がブレレベルの範囲内となる画像であると判定する。CPU41は、ステップS112の判定処理をYesとし、ステップS114に進む。つまり、この場合には、画像は、記録対象の画像として振り分けられる。一方、画像に生じるブレ量に対応するブレレベルが2つのブレレベルの範囲外となる場合には、判定部55は、画像に生じるブレ量がブレレベルの範囲外の画像であると判定する。CPU41は、ステップS112の判定処理をNoとし、ステップS113に進む。この場合には、画像は、記録対象から外れた画像として振り分けられる。
【0057】
ステップS113は、画像を記録するか否かを選択する処理である。このステップS113の処理は、ステップS112の処理を実行することで、画像が記録対象から外れた画像として振り分けられた場合に実行される。ユーザは、設定操作部44を操作して、画像を記録するか否かを選択する。例えば設定操作部44の操作が画像を記録する旨の操作であれば、CPU41は、このステップS113の判定処理をYesとし、ステップS114に進む。一方、設定操作部44の操作が画像を記録しない旨の操作であれば、CPU41は、ステップS113の処理をNoとする。この場合、画像は記録されずに、削除される。
【0058】
ステップS114は、画像を記録する処理である。このステップS114の処理は、ステップS112の処理において、記録対象の画像として振り分けられた場合に実行される。CPU41は、圧縮符号化処理済みの画像データやサムネイル画像データの他に、撮影条件及びカメラの機種情報などを1つの画像ファイルとしてまとめた上で、記録媒体33に書き込む。これにより、画像を記録する際の処理が終了する。なお、この際、上述したステップS101の被写体認識における結果や、ステップS102の被写体認証における結果を示す情報が認識情報として画像ファイルにまとめられる。
【0059】
このように、画像から認識される被写体により、記録される画像に生じるブレ量を異なる値とすることが可能となるので、被写体や撮影の目的に合わせたブレ量に基づいて、対象となる画像を記録することが可能となる。例えば、建物や山などの風景を被写体とした撮影においては、撮影時に生じるブレレベルの範囲は狭く設定し、子供などの被写体に対してはブレレベルの範囲を広く設定することも可能であるので、記録する画像に生じるブレ量の設定に幅を持たせることができる。
【0060】
次に、画像表示装置としてデジタルカメラ10を用いた場合について説明する。なお、デジタルカメラの構成は同一であることから、以下、同一の機能に対しては、同一の符号を付して説明する。画像表示装置としてデジタルカメラを用いた場合には、例えば記憶媒体に記憶された画像ファイルに基づく画像を表示する場合が挙げられる。以下、画像を表示するときの処理の流れを、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。この図5のフローチャートは、記録された画像データを読み出したことを契機にして実行される。
【0061】
ステップS201は、読み出した画像データが、認識情報を有する画像データであるか否かを判定する処理である。例えば、過去に被写体認識を行っている画像であれば、読み出される画像データの元になる画像ファイルは認識情報を有している。CPU41は、画像ファイルを参照して認識情報があるか否かを判定する。例えば、認識情報を有している画像ファイルであれば、CPU41は、このステップS201の判定処理をYesとし、ステップS203に進む。一方、認識情報を有していない画像ファイルであれば、CPU41は、このステップS201の判定処理をNoとし、ステップS202に進む。
【0062】
ステップS202は、被写体認識を行う処理である。このステップS202の処理は、ステップS101と同一の処理であることから、ここでは、その詳細を省略する。
【0063】
ステップS203は、被写体認証を行う処理である。このステップS203の処理は、ステップS102と同一の処理であることから、ここでは、その詳細を省略する。
【0064】
ステップS204は、被写体の登録があるか否かを判定する処理である。このステップS204の処理もステップS103と同一であることから、その詳細を省略する。なお、被写体の特徴量が、認証用データ61として記憶された特徴量と一致しているのであれば、認識された被写体が登録された被写体となる。この場合、CPU41は、ステップS204の判定処理をYesと判定し、ステップS207に進む。
【0065】
一方、被写体の特徴量が認証用データ61として記憶された特徴量と一致していないのであれば、認識された被写体が未登録の被写体となる。この場合、CPU41は、ステップS204の判定処理をNoと判定し、ステップS205に進む。
【0066】
ステップS205は、被写体登録を行うか否かを判定する処理である。なお、このステップS205の処理は、ステップS104の処理と同一であることから、ここでは、その詳細を省略する。例えばユーザによる設定操作部44の操作が、被写体登録を行う旨の操作であれば、CPU41は、ステップS205の判定処理をYesとし、ステップS206に進む。一方、例えばユーザによる設定操作部44の操作が、被写体登録を行わない旨の操作であれば、CPU41は、ステップS205の判定処理をNoとし、ステップS207に進む。
【0067】
ステップS206は、被写体を登録する処理である。このステップS206の処理は、ステップS105と同一の処理となることから、ここでは、その詳細を省略する。
【0068】
ステップS207は、ブレレベルの登録があるか否かを判定する処理である。このステップS207の処理は、ステップS106と同一の処理であるので、詳細は省略する。なお、この処理で被写体名に基づくブレレベルが登録されている場合には、CPU41は、ステップS207の判定処理をYesとし、ステップS210に進む。一方、被写体名に基づくブレレベルが登録されていない場合には、CPU41は、ステップS207の判定処理をNoとし、ステップS208に進む。
【0069】
ステップS208は、ブレレベルの登録を行うか否かを判定する処理である。このとき、設定操作部44の操作が有効となる。ユーザによる設定操作部44の操作がブレレベルの登録を行う旨の操作であれば、CPU41は、ステップS208の判定処理をYesとし、S209に進む。一方、設定操作部44の操作がブレレベルの登録を行わない旨の操作であれば、CPU41は、ステップS208の判定処理をNoとし、ステップS210に進む。
【0070】
ステップS209は、ブレレベルの登録を行う処理である。なお、このステップS209の処理は、ステップS108と同一の処理であることから、ここでは、その詳細を省略する。
【0071】
ステップS210は、ブレレベル選択のモードとして「オート」が設定されているか否かを判定する処理である。なお、このステップS210は、ステップS109と同一の処理となることから、ここでは、その詳細を省略する。例えばブレレベル選択のモードとして「オート」が設定されている場合には、CPU41は、このステップS210の判定処理をYesとする。この場合、ステップ211に進む。一方、ブレレベル選択のモードとして「マニュアル」が設定されている場合には、CPU41は、このステップS210の判定処理をNoとする。この場合、ステップ212に進む。
【0072】
ステップS211は、初期データを用いて閾値を選択する処理である。このステップS211の処理は、ステップS110と同一の処理となることから、ここでは、その詳細を省略する。
【0073】
ステップS212は、ユーザデータを用いてブレレベルを選択する処理である。このステップS212の処理は、ステップS111と同一の処理となることから、ここでは、その詳細を省略する。
【0074】
ステップS213は、画像に生じるブレ量がブレレベルの範囲内となる画像であるか否かを判定する処理である。CPU41は、被写体に基づくブレレベルを設定データから読み出す。CPU41により読み出されたブレレベルが1つのブレレベルとなる場合には、CPU41は、画像に生じるブレ量が選択されたブレレベルに基づくブレ量と一致しているか否かを判定する。画像に生じるブレ量が選択されたブレレベルに基づくブレ量と一致している場合には、CPU41は、ブレ量が範囲内となる画像であると判定する。CPU41は、ステップS213の判定処理をYesとし、ステップS215に進む。この場合、対象となる画像は、表示対象の画像として振り分けられる。一方、画像に生じるブレ量が選択されたブレレベルに基づくブレ量と一致していない場合には、CPU41は、ブレ量が範囲外の画像データであると判定する。CPU41は、ステップS213の判定処理をNoとし、ステップS214に進む。この場合には、対象となる画像は、表示対象から外れた画像として振り分けられる。
【0075】
また、CPU41により読み出されたブレレベルが2つのブレレベルとなる場合には、CPU41は、画像に生じるブレ量が2つのブレレベルの範囲内となるか否かを判定する。画像に生じるブレ量が2つのブレレベルに基づくブレ量の範囲内となる場合には、CPU41は、ブレ量が範囲内となる画像データであると判定する。CPU41は、ステップS213の判定処理をYesとし、ステップS215に進む。この場合、画像は、表示対象の画像として振り分けられる。一方、画像に生じるブレ量が2つのブレレベルに基づくブレ量の範囲外となる場合には、CPU41は、ブレ量が範囲外の画像データであると判定する。CPU41は、ステップS213の判定処理をNoとし、ステップS214に進む。この場合、画像は、表示対象から外れた画像として振り分けられる。
【0076】
ステップS214は、画像を表示するか否かを選択する処理である。このステップS214の処理は、ブレ量が範囲外となる画像、つまり表示対象から外れた画像であると振り分けられた場合に実行される。ユーザは、設定操作部44を操作して、画像を表示するか否かを選択する。例えば設定操作部44の操作が画像を表示する旨の操作であれば、CPU41は、このステップS214の判定処理をYesとし、ステップS215に進む。この操作により、表示対象から外れた画像が、表示対象の画像となる。一方、設定操作部44の操作が画像を表示しない旨の操作であれば、CPU41は、ステップS214の処理をNoとする。この判定を受けて、画像表示に関する一連の処理が終了する。
【0077】
ステップS215は、画像を表示する処理である。CPU41は、記憶媒体33からサムネイル画像データを読み出し、サムネイル画像データと、ブレレベル選択に用いたモードやブレレベルなどの情報とを表示制御回路36に出力する。表示制御回路36は、サムネイル画像データに基づく画像に、情報表示エリア85を重畳させて、LCD35に表示する(図6参照)。なお、情報表示エリア85に表示される情報としては、ブレレベル選択のモード(「オート」又は「マニュアル」のいずれか一方)や、ブレレベルの他に、表示される画像が全画像のうちの何番目の画像であるかを示す表示などが挙げられる。なお、ブレレベル選択のモードに拘わらず、被写体の名称を表示することも可能である。なお、この情報表示エリア85は、設定操作部44の操作によって非表示と表示との間で切り替えることが可能である。
【0078】
これによれば、撮影により取得された画像のうち、ユーザが設定した範囲のブレレベルの画像を振り分けながら表示することが可能となる。
【0079】
この場合、表示させる画像データの数は1つのデータに限定される必要はなく、記憶媒体33に記憶される画像データの全てに対してブレ量の判定を行い、ブレ量が範囲内となる画像データを一覧表示させる、又はスライド表示させてもよい。また、ブレ量の判定の際に、ブレ量が同一となる画像データをグループ化しておき、グループ化された画像データを順に表示させることも可能である。
【0080】
本実施形態では、被写体の登録処理と、被写体に対するブレレベルの登録処理とを、画像を記録する際や画像を表示する際に行っている実施形態としているが、これに限定される必要はなく、これら登録処理は、デジタルカメラが待機状態となる場合に実行することも可能である。
【0081】
本実施形態では、設定データを、被写体名(種類)とブレレベルとを対応付けたデータとしているが、これに限定する必要はなく、撮影時の環境条件又は撮影条件のいずれかとブレレベルとを対応付けたデータ、撮影時の環境条件及び撮影条件の組み合わせ、及びブレレベルを対応付けたデータ、或いは被写体名(種類)、撮影時の環境条件及び撮影条件の組み合わせとブレレベルとを対応付けたデータとしてもよい。また、この他に、被写体名と、ブレレベルとを対応付けた設定データ、撮影時の環境条件又は撮影条件のいずれかとブレレベルとを対応付けた設定データなど、条件が異なる設定データが複数ある場合には、まず、被写体名とブレレベルとを対応付けた設定データから、画像中の被写体に基づくブレレベルを読み出し、被写体に基づくブレレベルが該設定データから読み出させない場合に、例えば撮影時の環境条件又は撮影条件のいずれかとブレレベルとを対応付けた設定データから、画像に合うブレレベルを選択するようにしても良い。
【0082】
本実施形態では、撮影中に生じるブレを補正するブレ補正機能については触れていないが、このブレ補正機能を備えていてもよいし、ブレ補正機能を有していなくとも良い。例えばブレ補正機能を有している場合には、ブレ補正を行う頻度やブレ補正を行えたか否かによって、画像を振り分けることも可能である。また、この他に、ブレ補正を行った画像に残留するブレ量(残留ブレ量)によって画像を振り分けることも可能である。
【0083】
本実施形態では、静止画像を例に取り上げているが、静止画像の他に、動画像を用いることも可能である。この場合、フレーム画像毎に求めたブレ補正の平均値や、ブレ量の差分を積算した値を閾値であるブレレベルと比較することで、動画像を振り分ければよい。例えばブレ量の差分を積算した値を閾値となるブレレベルと比較する場合には、記録するフレーム数や経過時間に基づいて閾値となるブレレベルを変化させる必要がある。
【0084】
本実施形態では、画像記録装置及び画像表示装置としてデジタルカメラについて説明しているが、これに限定される必要はなく、例えば画像記録装置又は画像表示装置のいずれか一方の機能を備えたデジタルカメラであってもよい。また、画像記録装置としてはデジタルカメラの他に、パーソナルコンピュータなどが挙げられる。また、画像表示装置としては、デジタルカメラの他に、パーソナルコンピュータ、デジタルフォトフレーム、記憶媒体を装着可能なスロットを備えたテレビジョン装置(TV)などが挙げられる。
【0085】
本実施形態では、デジタルカメラを例に取り上げているが、この他に、パーソナルコンピュータにより実行可能なプログラムであってもよい。この場合、図1のブレ量算出部52、被写体認識部53、認証部54、判定部55及び設定部56に示す機能や、図2、図3のフローチャートの機能を備えたプログラムを、メモリカード、磁気ディスク、光学ディスクなど、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶させ、これら記憶媒体をコンピュータに装着することで、上述したプログラムを実行させればよい。
【符号の説明】
【0086】
10…デジタルカメラ、33…記憶媒体、35…LCD、41…CPU、43…設定操作部、51…制御部、52…ブレ量算出部、53…被写体認識部、54…認証部、55…判定部、56…設定部、60…内蔵メモリ、61…認証用データ、62…閾値データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像中の被写体を認識する被写体認識部と、
前記被写体認識部により認識された被写体に基づいて、少なくとも1つ以上の閾値を選択する閾値選択部と、
前記画像に生じるブレ量と前記閾値選択部により選択された前記少なくとも1つ以上の閾値とを比較することで、前記画像を振り分ける振分け部と、
前記振分け部により記録対象として振り分けられた画像が記録される記憶部と、
を備えたことを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像記録装置において、
前記被写体認識部により認識された被写体が登録済みの被写体であるか否かを判定する認証部を、さらに備え、
前記振分け部は、前記認証部により前記被写体が前記登録済みの被写体であると判定された場合に、前記登録済みの被写体に対して設定された前記閾値を用いて、前記画像を前記記録対象とするか否かを振り分けることを特徴とする画像記録装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の画像記録装置において、
前記振分け部により記録対象外として振り分けられた画像を前記記憶部に記録するか否かを選択する画像選択部を、さらに備えていることを特徴とする画像記録装置。
【請求項4】
画像中の被写体を認識する被写体認識部と、
前記被写体認識部により認識された被写体に基づいて、少なくとも1つ以上の閾値を選択する閾値選択部と、
前記画像に生じるブレ量と、前記閾値選択部により選択された前記少なくとも1つ以上の閾値とを比較することで、前記画像を振り分ける振分け部と、
前記振分部により表示対象として振り分けられた画像を表示する表示部と、
を備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像表示装置において、
前記被写体認識部により認識された被写体が登録済みの被写体であるか否かを認証する認証部を、さらに備え、
前記振分け部は、前記認証部により前記被写体が前記登録済みの被写体であると判定された場合に、前記登録済みの被写体に対して設定された前記閾値を用いて、前記画像を前記表示対象とするか否かを振り分けることを特徴とする画像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−23812(P2011−23812A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−164824(P2009−164824)
【出願日】平成21年7月13日(2009.7.13)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】