画像記録装置
【課題】インクカートリッジの交換を確実に検知して、正確な残量検知を実行する手段を提供する。
【解決手段】制御部90は、カートリッジ装着部110に対してインクカートリッジ30が操作される前にニアエンプティが判断されており、カートリッジ装着部110に対してインクカートリッジ30が操作された後にフルが判断され、かつインクカートリッジ交換の入力を受け付けると、第1カウント数をリセットする。第1カウント数がリセットされる際に、直前の第1カウント数を一時的に保持して、その後のカウンタのカウントによってカウントアップする。そして、次のトリガ信号に基づいてニアエンプティが判断されると、カウントアップされた第2カウント数を記憶する。
【解決手段】制御部90は、カートリッジ装着部110に対してインクカートリッジ30が操作される前にニアエンプティが判断されており、カートリッジ装着部110に対してインクカートリッジ30が操作された後にフルが判断され、かつインクカートリッジ交換の入力を受け付けると、第1カウント数をリセットする。第1カウント数がリセットされる際に、直前の第1カウント数を一時的に保持して、その後のカウンタのカウントによってカウントアップする。そして、次のトリガ信号に基づいてニアエンプティが判断されると、カウントアップされた第2カウント数を記憶する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジ装着部にインクカートリッジが着脱可能に設けられており、当該インクカートリッジから供給されたインクをインク滴として吐出することにより、被記録媒体に画像記録を行う記録部を備えた画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、いわゆるチューブ供給方式の画像記録装置では、インクカートリッジが、記録ヘッドを搭載するキャリッジの外部に配置されており、このインクカートリッジと記録ヘッドとがチューブを介して接続されている。このインクカートリッジは、例えば、装置本体の正面に開口を有するカートリッジ装着部に対して、開口を介して水平方向へ装着される(特許文献1参照)。このカートリッジ装着部は、インクカートリッジを着脱可能に収容する。カートリッジ装着部にインクカートリッジが装着されると、インクカートリッジから記録ヘッドに至るインク通路が形成される。このインク通路を通じてインクカートリッジから記録ヘッドにインクが供給される。
【0003】
インクカートリッジにおいてインクの残量を検出するための残量検知部が設けられ、カートリッジ装着部には、インクカートリッジの残量検知部を検出するためのセンサが設けられることがある(特許文献2)。
【0004】
インクカートリッジの残量を管理する方法として、記録ヘッドから吐出されたインク滴をドットカウントする方法がある。ドットカウント値は、インクカートリッジが交換されるとリセットされる。インクカートリッジが交換されたか否かは、ユーザの入力に基づいて判断される。この管理方法では、ユーザが誤った入力をするおそれに鑑みて、ドットカウント値をリセットする前に一時的に退避しておき、ユーザが操作を誤ったと判断したときに、退避しているドットカウント値を再設定することができる(特許文献3)。
【0005】
画像記録装置には、インクカートリッジの交換を検出できる手段を有するものがある。しかしながら、画像記録装置の電源がオフにされている間にインクカートリッジが交換されると、当該手段ではインクカートリッジの交換が検出できないという問題がある。これに対して、電源がオフされる前のインク残量の検出結果と、電源がオンにされたときのインク残量の検出結果とを比較し、その比較結果に基づいてインクカートリッジの交換が判別する手法が知られている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−132098号公報
【特許文献2】特開2007−15393号公報
【特許文献3】特開2006−130812号公報
【特許文献4】特開2000−190517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献3に開示された手段によれば、ユーザがインクカートリッジ交換における入力の誤りに気づけばドットカウント値を再設定できるものの、ユーザが気づかなければ再設定されることがない。例えば、複数のユーザにより使用されている画像記録装置であれば、インクカートリッジを交換して入力を行ったユーザ以外の他のユーザは、入力の誤りを知り得ないので、ドットカウント値が再設定されることなく画像記録が行われ、その結果、インクがない状態で記録ヘッドが動作する所謂空吐出が生じるおそれがある。
【0008】
特許文献4に開示された手段によれば、電源がオンされた直後のインク残量の検出結果に基づいた判断をしているので、新たなインクカートリッジが装着されず、現在使用されているインクカートリッジが挿抜された場合に判断を誤るおそれがある。詳細に説明するに、インクカートリッジが挿抜等されると、インクカートリッジ内においてインクの液面が揺れ動き、残量検知部にインクが付着したり、インクの液面が泡だったりするおそれがある。残量検知部に付着したインクが流れ落ちたり、泡が消失したりする前に残量検知が行われると、付着したインクや泡によって、インク残量が少ないにも拘わらず、インク残量があると検知されるおそれがある。このような誤った残量検知結果に基づいてインクカートリッジが交換されたと判断されて画像記録が行われると、前述と同様の空吐出が生じるおそれがある。
【0009】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、インクカートリッジの交換を確実に検知して、正確な残量検知を実行する手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、カートリッジ装着部にインクカートリッジが着脱可能に設けられており、当該インクカートリッジから供給されたインクをインク滴として吐出することにより、被記録媒体に画像記録を行う記録部を備えた画像記録装置に関する。上記インクカートリッジは、インクが貯留されるインク室と、上記インク室に貯留されたインクを外部へ流出させるインク供給部と、上記インク室からインクが流入可能に設けられており、インク室に貯留されたインク量の変化に基づいて透光状態が変化する残量検知部と、を具備する。上記カートリッジ装着部は、上記インクカートリッジが装着された状態において上記インク供給部と接続されてインクを流通させる被接続部と、上記インクカートリッジが装着された状態において上記残量検知部を通過する光を検知するセンサと、を具備する。当該装置は、上記記録部が吐出したインク滴をカウントするカウンタと、上記センサの出力信号を判定するためのトリガ信号を発生するトリガ信号発生手段と、トリガ信号をトリガとして、上記センサの出力信号に基づいて上記インク室のインク残量の少なくとも2状態を判断するインク残量判断手段と、上記インク残量判断手段により判断されたインク残量の状態を記憶する第1記憶手段と、上記インク残量判断手段が、インク残量の2状態のうち残量が少ない方の第1状態であると判断した後に、上記カウンタによりカウントされたカウント数を積算して記憶する第2記憶手段と、上記カートリッジ装着部が操作されたことを検知する操作検知手段と、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知したことを条件として、インクカートリッジを交換したか否かの入力を受け付ける交換入力手段と、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知する前の第1トリガ信号に基づいて、上記残量判断手段が第1状態を判断しており、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知した後に発生された第2トリガ信号に基づいて、上記インク残量判断手段がインク残量の2状態のうち残量が多い方の第2状態であると判断し、かつ上記交換入力手段にインクカートリッジを交換したとの入力がされたことに基づいて、上記第2記憶手段が記憶する第1カウント数をリセットする第1リセット手段と、上記リセット手段がリセットする直前の第1カウント数を初期値として、第2トリガ信号の次の第3トリガ信号が発生されるまでに上記カウンタによりカウントされたカウント数を積算した第2カウント数を記憶し、当該第3トリガ信号に基づいて上記インク残量判断手段が第1状態を判断したことを条件として、当該第2カウント数を上記記憶手段に記憶させるカウント一時保持手段と、を具備する。
【0011】
カートリッジ装着部に対してインクカートリッジが操作される前に、第1トリガ信号をトリガとして第1状態が判断されており、カートリッジ装着部に対してインクカートリッジが操作された後に、第2トリガ信号をトリガとして第2状態が判断され、かつインクカートリッジが交換されたとの入力を受け付けると、第1カウント数がリセットされる。カウント数がリセットされる際に、直前の第1カウント数が一時的に保持されて、その後のカウンタのカウントによってカウントアップされる。そして、第3トリガ信号に基づいて第1状態が判断されると、カウントアップされた第2カウント数が記憶される。これにより、インクカートリッジが交換されていないにも拘わらず、ユーザが交換されたと入力し、かつインクの付着や泡などにより残量検知部が第2状態を示していても、その後に発生される第3トリガ信号までに、付着したインクが流れ落ちたり泡が消失したりすることにより、第3トリガ信号に基づいて第1状態が判断されると、交換されていないインクカートリッジのインク残量に適合した第2カウント数が記憶される。
【0012】
本発明は、カートリッジ装着部にインクカートリッジが着脱可能に設けられており、当該インクカートリッジから供給されたインクをインク滴として吐出することにより、被記録媒体に画像記録を行う記録部を備えた画像記録装置に関する。上記インクカートリッジは、インクが貯留されるインク室と、上記インク室に貯留されたインクを外部へ流出させるインク供給部と、上記インク室からインクが流入可能に設けられており、インク室に貯留されたインク量の変化に基づいて透光状態が変化する残量検知部と、を具備する。上記カートリッジ装着部は、上記インクカートリッジが装着された状態において上記インク供給部と接続されてインクを流通させる被接続部と、上記インクカートリッジが装着された状態において上記残量検知部を通過する光を検知するセンサと、を具備する。当該装置は、上記記録部が吐出したインク滴をカウントするカウンタと、上記センサの出力信号を判定するためのトリガ信号を発生するトリガ信号発生手段と、トリガ信号をトリガとして、上記センサの出力信号に基づいて上記インク室のインク残量の少なくとも2状態を判断するインク残量判断手段と、上記インク残量判断手段により判断されたインク残量の状態を記憶する第1記憶手段と、上記インク残量判断手段が、インク残量の2状態のうち残量が少ない方の第1状態であると判断した後に、上記カウンタによりカウントされた第1カウント数を積算して記憶する第2記憶手段と、上記カートリッジ装着部が操作されたことを検知する操作検知手段と、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知したことを条件として、インクカートリッジを交換したか否かの入力を受け付ける交換入力手段と、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知する前の第1トリガ信号に基づいて、上記残量判断手段が第1状態を判断しており、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知した後に上記交換入力手段にインクカートリッジを交換していないとの入力がされており、かつ上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知した後に発生された第2トリガ信号に基づいて、上記インク残量判断手段がインク残量の2状態のうち残量が多い方の第2状態であると判断たことを条件として、上記第2記憶手段が記憶する第1カウント数をリセットする第2リセット手段と、を具備する。
【0013】
カートリッジ装着部に対してインクカートリッジが操作される前に、第1トリガ信号をトリガとして第1状態が判断されており、カートリッジ装着部に対してインクカートリッジが操作された後に、インクカートリッジが交換されていないと入力されると、第1カウント数が直ちにリセットされずに継続される。そして、第2トリガ信号をトリガとして第2状態が判断されると、第1カウント数がリセットされる。これにより、ユーザがインクカートリッジを交換していないと入力し、かつインクの付着や泡などにより残量検知部が第2状態を示していても、その後に発生される第2トリガ信号まで第1カウント数がリセットされずに継続される。そして、付着したインクが流れ落ちたり泡が消失したりすることにより、第2トリガ信号に基づいて第1状態が判断されると、第1カウント数がリセットされない。
【0014】
本発明は、カートリッジ装着部にインクカートリッジが着脱可能に設けられており、当該インクカートリッジから供給されたインクをインク滴として吐出することにより、被記録媒体に画像記録を行う記録部を備えた画像記録装置に関する。上記インクカートリッジは、インクが貯留されるインク室と、上記インク室に貯留されたインクを外部へ流出させるインク供給部と、上記インク室からインクが流入可能に設けられており、インク室に貯留されたインク量の変化に基づいて透光状態が変化する残量検知部と、を具備する。上記カートリッジ装着部は、上記インクカートリッジが装着された状態において上記インク供給部と接続されてインクを流通させる被接続部と、上記インクカートリッジが装着された状態において上記残量検知部を通過する光を検知するセンサと、を具備する。当該装置は、上記記録部が吐出したインク滴をカウントするカウンタと、上記センサの出力信号を判定するためのトリガ信号を発生するトリガ信号発生手段と、トリガ信号をトリガとして、上記センサの出力信号に基づいて上記インク室のインク残量の少なくとも2状態を判断するインク残量判断手段と、上記インク残量判断手段により判断されたインク残量の状態を記憶する第1記憶手段と、上記インク残量判断手段が、インク残量の2状態のうち残量が少ない方の第1状態であると判断した後に、上記カウンタによりカウントされた第1カウント数を積算して記憶する第2記憶手段と、上記カートリッジ装着部が操作されたことを検知する操作検知手段と、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知したことを条件として、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知する前の第1トリガ信号に応じたインク残量の状態が第1状態であり、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知した後に発生された第2トリガ信号に応じたインク残量の状態が、インク残量の2状態のうち残量が多い方の第2状態であり、かつ上記第2トリガ信号の次の第3トリガ信号に基づいて上記インク残量判断手段が第2状態を判断したことを条件として、上記第2記憶手段が記憶する第1カウント数をリセットする第3リセット手段と、を具備する画像記録装置。
【0015】
カートリッジ装着部に対してインクカートリッジが操作される前に、第1トリガ信号をトリガとして第1状態が判断されており、カートリッジ装着部に対してインクカートリッジが操作された後に、第2トリガ信号をトリガとして第2状態が判断され、かつ第3トリガ信号をトリガとして第2状態が判断されると、第1カウント数がリセットされる。これにより、インクの付着や泡などにより残量検知部が第2状態を示していても、その後に発生される第3トリガ信号までに、付着したインクが流れ落ちたり泡が消失したりすることにより、第3トリガ信号に基づいて第1状態が判断されると、第1カウント数がリセットされずに交換されていないインクカートリッジのインク残量に適合したカウントアップがされる。
【0016】
本発明は、カートリッジ装着部にインクカートリッジが着脱可能に設けられており、当該インクカートリッジから供給されたインクをインク滴として吐出することにより、被記録媒体に画像記録を行う記録部を備えた画像記録装置に関する。上記インクカートリッジは、インクが貯留されるインク室と、上記インク室に貯留されたインクを外部へ流出させるインク供給部と、上記インク室からインクが流入可能に設けられており、インク室に貯留されたインク量の変化に基づいて透光状態が変化する残量検知部と、を具備する。上記カートリッジ装着部は、上記インクカートリッジが装着された状態において上記インク供給部と接続されてインクを流通させる被接続部と、上記インクカートリッジが装着された状態において上記残量検知部を通過する光を検知するセンサと、を具備する。当該装置は、上記記録部が吐出したインク滴をカウントするカウンタと、上記センサの出力信号を判定するためのトリガ信号を発生するトリガ信号発生手段と、上記トリガ信号をトリガとして、上記センサの出力信号に基づいて上記インク室のインク残量の少なくとも2状態を判断するインク残量判断手段と、上記インク残量判断手段により判断されたインク残量の状態を記憶する第1記憶手段と、上記インク残量判断手段が、インク残量の2状態のうち残量が少ない方の第1状態であると判断した後に、上記カウンタによりカウントされた第1カウント数を積算して記憶する第2記憶手段と、当該装置の電源がオフからオンにされたことを検知する電源検知手段と、上記インク残量判断手段が、上記電源検知手段が電源がオンにされたこと検知する前の第4トリガ信号に基づいて第1状態であると判断しており、かつ上記電源検知手段が電源がオンにされたと検知した後に発生された第5トリガ信号に基づいて第2状態であると判断しており、かつ当該第5トリガ信号の次の第6トリガ信号に基づいて第2状態であると判断したことを条件として、上記第2記憶手段が記憶する第1カウント数をリセットする第3リセット手段と、を具備する。
【0017】
電源がオフにされる前に、第4トリガ信号をトリガとして第1状態が判断されており、電源がオンにされた後に、第5トリガ信号をトリガとして第2状態が判断され、その後に第6トリガ信号に基づいて第2状態が判断されると、第1カウント数がリセットされる。これにより、電源がオフである間に、ユーザーがインクカートリッジを交換したときに、第5トリガ信号及び第6トリガ信号に基づいて第2状態が判断されると、第1カウント数がリセットされる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、インクカートリッジが交換されたか否かを示すユーザの入力が誤っている場合であっても、インクカートリッジの交換を確実に検知して、正確な残量検知を実行することができる。
【0019】
また、本発明によれば、カートリッジ装着部が操作された後に第2状態が判断されても直ちにカウント数がリセットされず、その後のトリガ信号をトリガとして第2状態が判断されるとカウント数がリセットされる。これにより、インクの付着や泡などにより残量検知部が第2状態を示していてもカウント数が直ちにリセットされることがなく、泡の消失などによって第1状態となれば、交換されていないインクカートリッジのインク残量に適合した正確な残量検知が実行することができる。
【0020】
また、本発明によれば、装置の電源がオフである間にインクカートリッジが交換された場合であっても、インクカートリッジの交換を確実に検知して、正確な残量検知を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る複合機10の外観構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、プリンタ部11の内部構造を模式的に示す模式断面図である。
【図3】図3は、クリーニング機構81及び廃インクトレイ82を示す模式図である。
【図4】図4は、インクカートリッジ30の外観構成を示す斜視図である。
【図5】図5は、インクカートリッジ30の内部構成を示す縦断面図である。
【図6】図6は、カートリッジ装着部110の構成を示す斜視図である。
【図7】図7は、カートリッジ装着部110の正面図である。
【図8】図8は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態を示す縦断面図である。
【図9】図9は、制御部90の構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入された直後の状態を示すカートリッジ装着部110の断面図である。
【図11】図11は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入されて第1突起45のリブ48が検知された状態を示すカートリッジ装着部110の断面図である。
【図12】図12は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入されてスライド部材135のリブ138が検知された状態を示すカートリッジ装着部110の断面図である。
【図13】図13は、インクカートリッジ交換の判定処理を示すフローチャートである。
【図14】図14は、インクカートリッジ交換の判定処理を示すフローチャートである。
【図15】図15は、インクカートリッジ交換の判定処理を示すフローチャートである。
【図16】図16は、第1変形例におけるインクカートリッジ交換の判定処理を示すフローチャートである。
【図17】図17は、第1変形例におけるインクカートリッジ交換の判定処理を示すフローチャートである。
【図18】図18は、第2変形例におけるインクカートリッジ交換の判定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明が具体化された一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0023】
[複合機10の概略構成]
図1に示されるように、複合機10は、プリンタ部11とスキャナ部12を一体的に備え、プリント機能、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能を有する。プリンタ部11が請求項にかかる画像記録装置に相当する。なお、プリンタ部11以外の機能は任意であり、例えば、スキャナ部12がなく、スキャン機能やコピー機能を有しない単機能のプリンタとして本発明にかかる画像記録装置が実施されてもよい。
【0024】
複合機10には、下側にプリンタ部11が配置され、上側にスキャナ部12が配置されている。プリンタ部11は、主にコンピュータなどの外部情報機器と接続されて、外部情報機器から送信された画像データや文書データを含む印刷データに基づいて、被記録媒体に画像や文字を記録する。スキャナ部12は、所謂フラットベッドスキャナである。
【0025】
複合機10は、幅広薄型の概ね直方体の外形である。プリンタ部11は、正面に開口13が設けられている。開口13の内部には、給紙トレイ15及び排紙トレイ16が設けられている。給紙トレイ15に収容された記録用紙が、プリンタ部11の内部へ給送されて所望の画像が記録され、画像記録後の記録用紙が排紙トレイ16へ排出される。
【0026】
複合機10の正面上部には、操作パネル14が設けられている。操作パネル14において、プリンタ部11及びスキャナ部12に所望の動作をさせるための所定の入力が行われる。操作パネル14は、入力を行うための複数のボタンや、インク残量状態やエラー表示などを行うためのディプレイを有する。なお、複合機10に外部情報機器が接続されていると、外部情報機器からプリンタドライバやスキャナドライバなどの通信ソフトを通じて送信される指示に基づいても、複合機10は動作する。操作パネル14が、請求項における交換入力手段、インク残量表示手段に相当する。
【0027】
[プリンタ部11の概要]
図2に示されるように、プリンタ部11は、インクジェット記録方式に基づいて、記録用紙に対してインク滴を選択的に吐出することにより画像を記録するものである。プリンタ部11は、インク供給装置100を備えている。インク供給装置100には、カートリッジ装着部110が設けられている。カートリッジ装着部110には、インクカートリッジ30が装着され得る。カートリッジ装着部110には、その一面が外部に開放された開口112が設けられている。インクカートリッジ30は、開口112を介してカートリッジ装着部110に挿入され、或いはカートリッジ装着部110から抜き出される。図1に示されるように開口112は、カバー113により開閉される。同図には現れていないが、カバー113の開閉はセンサ124により検知される。
【0028】
インクカートリッジ30には、プリンタ部11で使用可能なインクが貯留されている。カートリッジ装着部110に装着された状態において、インクカートリッジ30と記録ヘッド21とがインクチューブ20で接続されている。記録ヘッド21にはサブタンク28が設けられている。サブタンク28は、インクチューブ20を通じて供給されるインクを一時的に貯留する。記録ヘッド21は、インクジェット記録方式によって、サブタンク28から供給されたインクをノズル29から選択的に吐出する。
【0029】
給紙トレイ15から給紙ローラ23によって搬送路24へ送給された記録用紙は、搬送ローラ対25によってプラテン26上へ搬送される。記録ヘッド21は、プラテン26上を通過する記録用紙に対してインクを選択的に吐出する。これにより、画像が記録用紙に記録される。プラテン26を通過した記録用紙は、排出ローラ対22によって、搬送路24の最下流側に設けられた排紙トレイ16に排出される。なお、図1においては、給紙トレイ15の下方にセカンドトレイ17が設けられているが、セカンドトレイ17は任意の構成なので、ここでは詳細な説明が省略される。
【0030】
図3に示されるように、記録ヘッド21の画像記録範囲外であって走査可能範囲の両端側には、クリーニング機構81及び廃インクトレイ82がそれぞれ配設されている。クリーニング機構81は、記録ヘッド21のノズルから気泡や異物を吸引除去するためのものである。クリーニングにおいては、記録ヘッド21が走査可能範囲の右端に移動され、クリーニング機構81のキャップ83が上方へ移動して、ノズルの周囲を覆うようにして記録ヘッド21の下面に密着し、キャップ83と連結されたポンプ84が吸引動作を行うことにより、記録ヘッド21のノズルからインクが吸引される。
【0031】
廃インクトレイ82はフラッシングと呼ばれる記録ヘッド21からのインクの空吐出を受けるためのものである。フラッシングにおいては、記録ヘッド21が走査可能範囲の左端に移動され、その位置で記録ヘッド21からインク滴が廃インクトレイ82へ向かって吐出される。
【0032】
[インクカートリッジ30]
図4,5に示されるように、インクカートリッジ30はインクが貯留される容器である。インクカートリッジ30の内部に形成されている空間がインクを貯留するインク室36である。インク室36は、インクカートリッジ30の外観を形成している本体31により形成されてもよいし、本体31とは別の部材によって形成されてもよい。
【0033】
インクカートリッジ30は、図4,5に示された起立状態、つまり、同図の下側の面を底面とし、同図の上側の面を上面として、カートリッジ装着部110に対して矢印50で示される方向(以下「挿抜方向50」と称する。)に沿って挿抜される。インクカートリッジ30は、起立状態のままカートリッジ装着部110に挿抜される。この起立状態が、装着姿勢に相当する。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される向きが装着向き56であり、抜き出される向きが脱抜向き55である。また、起立状態における高さ方向52が、重力方向に相当する。すなわち、インクカートリッジ30は、挿抜方向50に沿ってカートリッジ装着部110に挿入され、また、挿抜方向50に沿ってカートリッジ装着部110から抜き出される。
【0034】
インクカートリッジ30は、略直方体形状の本体31を有する。本体31は、幅方向(左右方向)51に細く、高さ方向52と奥行き方向(前後方向)53が幅方向51よりも大きい扁平形状である。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ装着されるときに装着向き56前方側となる本体31の壁が前壁40であり、装着向き56後方側となる本体31の壁が後壁42である。前壁40と後壁42とは、挿抜方向50において対向している。前壁40及び後壁42は、挿抜方向50に延びる左右一対の側壁、側壁と前壁40及び後壁42とを接続し、かつ前壁40の上端から後壁42の上端に向けて延びる上壁39、及び前壁40の下端から後壁42の下端に向けて延びる下壁41、の4つの壁によりそれぞれ区画されている。なお、挿抜方向50は奥行き方向53と平行である。
【0035】
本体31の前壁40における高さ方向52の中央付近には、残量検知部33が設けられている。残量検知部33は、後述される第1突起45のリブ48の装着向き56の先端、第2突起46の装着向き56の先端、及び被検出子49より装着向き56の後ろ側に配置されている。残量検知部33は、インク室36に通ずるように、一方が開口である箱形である。また、残量検知部33は、光センサ114(図6参照)から出射された光を透過させる透光性の樹脂からなる一対の壁を有する。
【0036】
図5に示されるように、残量検知部33の左右一対の壁の間はインクを貯留可能とするために中空とされている。残量検知部33の左右一対の壁の間にはセンサーアーム60のインジケータ部62が位置している。センサーアーム60は、板状のアーム本体61の両端に、インジケータ部62及びフロート部63とがそれぞれ設けられたものである。センサアーム60は、インク室36において、幅方向51に沿って延びる支軸64により回動可能に支持されている。センサーアーム60は、インク室36に存在するインク量に対応して、インジケータ部62が残量検知部33の重力方向下側に位置する下位姿勢と、インジケータ部62が残量検知部33の重力方向上側に位置する上位姿勢に姿勢変化可能である。なお、図5では、インクが所定量以上あり、インジケータ部62が下位姿勢である状態が示されている。
【0037】
インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態において、カートリッジ装着部110に設けられた光センサ114に対して、残量検知部33は、赤外光を所定量以上透過させる状態と、残量検知部33が赤外光を所定量未満に遮光又は減衰させる状態とに変化する。インジケータ部62が上位姿勢であれば残量検知部33は赤外光を透過させ、インジケータ部62が下位姿勢であれば、残量検知部33は赤外光を遮光又は減衰させる。この残量検知部33の透光状態に応じて、インク室36内のインク残量が所定量未満になったことが判定される。
【0038】
なお、残量検知部33には、センサーアーム60がなくてもよい。後述されるように、光センサ114は、発光素子118と受光素子119とが水平方向に対向されている。そして、発光素子118から出射された光は受光素子119に受光される。そして、残量検知部33内にインクがある状態では、発光素子118から出射された赤外光が遮断又は減衰され、残量検知部33内にインクがない状態では、発光素子118から出射された赤外光が所定量以上透過されるように構成されていてもよい。さらに、残量検知部33が柔らかいフィルムで構成されていてもよい。つまり、残量検知部33内にインクがある状態ではフィルムが膨らんでおり、このフィルムに回動可能なレバーが接触することによって、レバーが赤外光を遮断する位置に保持される。一方、残量検知部33内にインクがない状態ではフィルムが萎んでおり、回動可能なレバーが下方又は上方へ回動して赤外光を遮断しない位置へ回動するように構成されていてもよい。また、残量検知部33内にインクがある状態では、発光素子118から出射された赤外光が受光素子119に到達しないように反射され、残量検知部33内にインクがない状態では、発光素子118から出射された赤外光が受光素子119に到達するように反射されるように構成されていてもよい。
【0039】
図5に示されるように、本体31の前壁40における残量検知部33の上側に前壁40を奥行き方向53へ貫通する開口34が形成されており、その開口34よりも挿抜方向50における後壁42側に、大気連通口32が設けられている。大気連通口32は、インク室36を形成している壁を奥行き方向53へ貫通する貫通孔である。大気連通口32を介してインク室36の空気層と大気とが連通され得る。
【0040】
大気連通口32は、大気連通バルブ80によって開閉可能に構成されている。大気連通口32が開かれることによって、負圧に維持された状態のインク室36の気圧が外気圧となる。この大気連通口32は、必ずしも前壁40側に設けられる必要はなく、インク室36の内部と外部とを連通させるものであれば配置は限定されない。また、インク室36内が負圧に維持された状態でインクカートリッジ30が使用される場合は、大気連通口32は必ずしも設けられなくてもよい。
【0041】
図5に示されるように、本体31の前壁40における残量検知部33の下側に、インク供給部37が設けられている。インク供給部37は、円筒形状の外形をなしており、前壁40から挿抜方向50に沿って外側へ突出している。インク供給部37の突出端にはインク供給口71が形成されている。このインク供給口71からインク供給部37の内部空間を通じて、挿抜方向50に延びてインク室36へ通ずるインク流路38が形成されている。インク供給口71は、インク供給バルブ70によって開閉可能に構成されている。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されると、カートリッジ装着部110に設けられたインクニードル122(図8参照)が、インク供給口71に挿入されてインク供給バルブ70を開く。これにより、インク流路38を通ってインク室36から、カートリッジ装着部110に設けられたインクニードル122へインクが流出される。
【0042】
なお、インク供給口71は、必ずしもインク供給バルブ70によって開閉可能な構成に限定されず、例えば、インク供給口71がフィルムなどで閉塞されており、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されると、インクニードル122がフィルムを突き破ることによりインク供給口71が開かれる構成であってもよい。
【0043】
本体31の上壁39における奥行き方向53の中央付近には、被係合部43が形成されている。被係合部43は、インクカートリッジ30の幅方向51及び高さ方向52に拡がる平面を有する突起である。被係合部43には、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態で、後述されるロックレバー145が係合する。この被係合部43は、インクカートリッジ30を脱抜向き55に押し出させる付勢力を受けるものである。
【0044】
本体31には、第1突起45及び第2突起46が設けられている。第1突起45は、本体31の前壁40の上端に、前壁40から後壁42から離れる向き(装着向き56)に沿ってインク室36から離れる向きへ延びるように設けられている。第1突起45の幅は、前壁40の幅と同じである。第1突起45は、前壁40から後壁42から離れる向き(装着向き56)へ突出されている。第1突起45の先端は、インク供給部37の先端であるインク供給口71より後壁42から離れる向き(装着向き56)の前側まで突出されている。本実施形態においては、この第1突起45は、前壁40の幅と同幅としているが、前壁40の幅より狭い幅(縦、横)の板状のものであってもよい。第1突起45における幅方向51の中央には奥行き方向53へ延びる溝47が形成されている。溝47は、第1突起45において高さ方向52の上向きに開口している。溝47の高さ方向52に沿った断面形状は凹型である。また、溝47においてインク室36から離れる向きの先端は開口している。
【0045】
溝47の内部空間において、溝47の底面の幅方向51の中央には、高さ方向52及び奥行き方向53へ延びるリブ48が設けられている。リブ48は、溝47の底面から上向きに起立されている。リブ48における幅方向51の両側面は、溝48において幅方向51に対向する一対の側面とそれぞれ対向し、かつ平行である。リブ48は、幅方向51へ進む光を遮断又は減衰させるものであり、光センサ116によって検知され得る。第1突起45のリブ48が前壁40から後壁42から離れる向き(装着向き56)へ突出される寸法は、インクカートリッジ30の種別に応じて変更される。インクカートリッジ30の種別とは、インクの色や成分の違い、インク室36に最初に貯留されるインクの量の違いなどである。
【0046】
第2突起46は、本体31の前壁40の下端に設けられている。したがって、第2突起46は、インク供給部37の下方に配置されている。第2突起46の幅は、前壁40の幅と同じである。第2突起46は、前壁40から後壁42から離れる向き(装着向き56)へ突出されている。第2突起46の先端は、後壁42から離れる向き(装着向き56)において、インク供給部37の先端であるインク供給口71の前側まで突出されている。第2突起46が前壁40から後壁42から離れる向き(装着向き56)へ突出される寸法は、インクカートリッジ30の種別に応じて変更される。インクカートリッジ30の種別とは、インクの色や成分の違い、インク室36に最初に貯留されるインクの量の違いなどである。なお、本実施形態では、カートリッジ装着部110において、第2突起46が間接的に検知されているが、前述された第1突起45のリブ48のようになリブが第2突起46に設けられて、第2突起のリブが光センサ117により直接検知されるように構成されてもよい。
【0047】
本体31の前壁40において、高さ方向52における第1突起45と第2突起46との間であって、残量検知部33の後壁42から離れる向き(装着向き56)の前側に、幅方向51に進む赤外光を減衰又は遮断する被検出子49が設けられている。被検出子49は、幅方向51において残量検知部33とほぼ同じ幅である。この幅は、光センサ114の発光素子118と受光素子119(図5参照)との間に進入可能な寸法である。なお、被検出子49は、残量検知部33の一部として光透過性樹脂により構成されていてもよい。この場合、被検出子49は、赤外光を減衰させるだけの幅方向51の厚みを有する。また、この光透過性樹脂は、赤外光を減衰又は反射する程度の厚みを有したり、着色剤を含んだりするものであってもよい。
【0048】
被検出子49と残量検知部33とは、奥行き方向53において所定の間隔が隔てられて配置されている。この間隔は、幅方向51に進む赤外光が所定量未満には減衰されることなく通過するものである。被検出子49の奥行き方向53に沿った寸法は、インクカートリッジ30の種別に応じて変更される。インクカートリッジ30の種別とは、インクの色や、顔料又は染料などの成分の違い、インク室36に最初に貯留されるインクの量の違いなどである。
【0049】
第1突起45、第2突起46及び被検出子49は、いずれもが残量検知部33よりも後壁42から離れる向き(装着向き56)へ突出されている。つまり、インクカートリッジ30において、第1突起45、第2突起46及び被検出子49は、残量検知部33よりも装着向き56の前側に配置されており、残量検知部33は、第1突起45、第2突起46及び被検出子49よりも後壁42に近づく向き(装着向き56の後ろ側)に配置されている。残量検知部33及びインク供給口71は、高さ方向52においていずれもが第1突起45と第2突起46との間に配置されている。
【0050】
図4に示されるように、本体31の上壁39には、奥行き方向53に渡って延びるガイド部35が設けられている。ガイド部35は、上壁39から上方へ突出されたリブ又は突片によって構成されている。ガイド部35において幅方向51に対向する一対の側壁の間の距離は、本体31において幅方向51に対向する一対の側壁の間の距離より短い。つまり、ガイド部35の幅方向51の寸法は、本体31の幅方向51の寸法より小さい。
【0051】
本体31の下壁41には、奥行き方向53に渡って延びるガイド部44が設けられている。ガイド部44は、下壁41から下方へ突出されたリブ又は突片によって構成されている。ガイド部44において幅方向51に対向する一対の側壁の間の距離は、本体31において幅方向51に対向する一対の側壁の間の距離より短い。つまり、ガイド部44の幅方向51の寸法は、本体31の幅方向51の寸法より小さい。ガイド部35,44は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ挿抜される際に、後述されるガイド溝109に挿入されて移動されるものである。
【0052】
[インク供給装置100]
図2に示されるように、インク供給装置100は、プリンタ部11に設けられている。インク供給装置100は、プリンタ部11が備える記録ヘッド21へインクを供給するものである。インク供給装置100は、インクカートリッジ30を装着可能なカートリッジ装着部110を備えている。なお、図2においては、カートリッジ装着部110にインクカートリッジ30が装着された状態が示されている。
【0053】
[カートリッジ装着部110]
図6,7に示されるように、カートリッジ装着部110の筐体を形成するケース101は、プリンタ部11の正面側に開口112を有する。開口112を通じてケース101へインクカートリッジ30が挿抜される。インクカートリッジ30は、ケース101の内部空間の天部を画定している天面に設けられたガイド溝109にガイド部35が挿入され、ケース101の内部空間の底部を画定している底面に設けられたガイド溝109にガイド部44が挿入されることによって挿抜方向50へ案内される。ケース101には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応する4つのインクカートリッジ30が収容可能である。
【0054】
ケース101には、内部空間を縦方向に長い4つの空間に仕切り分ける3つのプレート102が設けられている。このプレート102によって仕切り分けられた各空間それぞれにインクカートリッジ30が収容される。プレート102は、ケース101において開口112と反対側となる終面側に設けられている。
【0055】
図7に示されるように、ケース101の終面の下部に被接続部103が設けられている。被接続部103は、終面において、ケース101に装着された各インクカートリッジ30のインク供給部37に対応する位置にそれぞれ配置されている。本実施形態では、ケース101に収容可能な4つのインクカートリッジ30に対応して4つの被接続部103が設けられている。
【0056】
被接続部103は、インクニードル122と、保持部121とを有する。インクニードル122は、管状の樹脂針からなる。インクニードル122は、ケース101の終面と表裏をなす外面側でインクチューブ20に接続されている。各インクニードル122からケース101の終面と表裏をなす外面側へ引き出された各インクチューブ20は、ケース101の当該外面に沿って上方へ引き上げられたのち、プリンタ部11の記録ヘッド21へインクを流通可能に延出されている。
【0057】
保持部121は、円筒状に形成されている。保持部121の中心にインクニードル122が配置されている。図8に示されるように、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されると、インク供給部37が保持部121の円筒の内側に挿入される。このとき、インク供給部37の外周面が保持部121の円筒の内周面に密着する。これにより、インク供給部37が保持部121へ所定の間隔をもって挿入される。インク供給部37が保持部121へ挿入されると、インクニードル122がインク供給部37のインク供給口71に挿入される。これにより、インク室36に貯留されているインクが外部へ流出可能となる。インク室36から流出されたインクは、インクニードル122へ流入する。
【0058】
図7,8に示されるように、ケース101の終面において、被接続部103より重力方向の上側にセンサユニット104が設けられている。センサユニット104は、基板113と、光センサ114とを備える。基板113に光センサ114が装着されることで、センサユニット104が構成されている。センサユニット104には、4つの光センサ114が設けられている。これら4つの光センサ114は、ケース101に収容可能な4つのインクカートリッジ30に対応している。4つの光センサ114は、各プレート102の間において、ケース101の幅方向に(幅方向51と一致する)に一列に配列されている。
【0059】
各光センサ114は、LEDなどの発光素子118と、フォトトランジスタなどの受光素子119とをそれぞれ有する。発光素子118及び受光素子119は、それぞれが筐体に囲まれている。光センサ114は、この筐体により形成される外形が馬蹄形である。発光素子118は、筐体から一方向へ光を照射可能である。受光素子は、筐体に対して一方向から照射された光を受光可能である。このような発光素子118と受光素子119とが、馬蹄形の筐体において所定の間隔を空けて対向配置されている。発光素子118と受光素子119との間の空間には、インクカートリッジ30の残量検知部33及び被検出子49が進入可能とされる。光センサ114の光路に残量検知部33又は被検出子49が進入すると、光センサ114は、残量検知部33又は被検出子49による透過光量の変化を検知し得る。この光センサ114が、請求項におけるセンサに相当する。
【0060】
図8に示されるように、ケース101の天面の終面側にはセンサユニット105が設けられている。センサユニット105は、基板115と、光センサ116とを備える。基板115に光センサ116が装着されることで、センサユニット105が構成されている。センサユニット105には、4つの光センサ116が設けられている。これら4つの光センサ116は、ケース101に収容可能な4つのインクカートリッジ30に対応している。4つの光センサ116は、各プレート102の間において、ケース101の幅方向に(幅方向51と一致する)に一列に配列されている。
【0061】
ケース101にインクカートリッジ30が装着されると、光センサ116の光路に第1突起45のリブ48が進入する。このときの光センサ116の信号の変化を検知することで、インクカートリッジ30の装着状態が判定され得る。光センサ116は、光センサ114と同様に、発光素子及び受光素子を有するものなので、ここでは、光センサ116の詳細な構成の説明が省略される。
【0062】
図7に示されるように、スライド部材135は、カートリッジ装着部110の終面の下端側に形成された空間130に配置されている。本実施形態では、ケース101に収容可能な4つのインクカートリッジ30に対応して4つのスライド部材135が設けられている。空間130は、カートリッジ装着部110の内部空間と連続している。スライド部材135は、空間130において挿抜方向50に沿って延出された支持ロッド133によって挿抜方向50に沿ってスライド可能に支持されている。スライド部材135は、概ね直方体の外形をなす。スライド部材135の上端には、挿抜方向50に沿って延びるリブ136が設けられている。スライド部材135は、インクカートリッジ30の第2突起46の挿入経路に配置されており、第2突起46と当接可能である。
【0063】
空間130にはコイルバネ139が設けられている。コイルバネ139は、スライド部材135を開口112側、つまり、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から抜き出される向きへ、つまり開口112へ向かって、インクカートリッジ30を弾性付勢するものである。コイルバネ139は、空間130において挿抜方向50に沿って延出された支持ロッド133に外嵌されて、空間130の終端を画定している終壁131とスライド部材135との間に介在されている。コイルバネ139が自然長である場合、つまり、スライド部材135に外力が加えられていない状態では、スライド部材135は、開口112側の所定の第1位置(図10参照)に配置される。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入される過程で、インクカートリッジ30の第2突起46がスライド部材135に当接して、スライド部材135が空間130の終壁131側へ押圧される。これにより、コイルバネ139が収縮されるとともに、スライド部材135が終壁131側の第2位置(図8参照)へスライドされる。収縮したコイルバネ139は、スライド部材135を介してインクカートリッジ30を脱抜向き55へ付勢する。
【0064】
図8に示されるように、ケース101の終面において、被接続部103より重力方向の下側であって、スライド部材135より重力方向の上側にセンサユニット107が設けられている。センサユニット104は、基板111と、光センサ117とを備える。基板111に光センサ117が装着されることで、センサユニット107が構成されている。センサユニット107には、4つの光センサ117が設けられている。これら4つの光センサ117は、ケース101に収容可能な4つのインクカートリッジ30に対応している。換言すれば、4つの光センサ117は、4つのスライド部材135に対応している。4つの光センサ117は、空間130の上側において、ケース101の幅方向に(幅方向51と一致する)に一列に配列されている。
【0065】
ケース101にインクカートリッジ30が装着されると、スライド部材135が空間130の終壁131側へスライドされて、リブ136が光センサ117の光路(検知位置)に進入して、光センサ117に検知され得る。光センサ117は、光センサ114と同様に、発光素子及び受光素子を有するものなので、ここでは、光センサ117の詳細な構成の説明が省略される。
【0066】
カートリッジ装着部110において、光センサ114の検知位置は、光センサ116,117の各検知位置のいずれよりも、装着向き56の後ろ側に配置されている。
【0067】
ケース101には、ロックレバー145が設けられている。ロックレバー145は、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30を、コイルバネ139の付勢力に抗して、装着状態に維持するためのものである。ロックレバー145は、ケース101の開口112の上側に設けられている。本実施形態では、ケース101に装着可能な4つのインクカートリッジ30に対応して4つのロックレバー145が設けられている。
【0068】
ロックレバー145は、全体がアーム状に形成されている。ロックレバー145の中央付近に支軸147が設けられている。この支軸147がケース101に支持されている。これにより、ケース101の開口112の上側においてロックレバー145が支軸147を中心に回動可能に支持されている。ロックレバー145は、大別すると、操作部149と、係合部146とに大別される。操作部149は、ケース101の開口112から外側へ突出されている。操作部149は、ロックレバー145を回動させるための操作を受け付ける部分である。係合部146は、ケース101の内部へ進入している。係合部146は、インクカートリッジ30の被係合部43と係合可能である。係合部146が被係合部43と係合することにより、コイルバネ139に付勢されているインクカートリッジ30が、ケース101に対して装着状態に維持される。係合部146が被係合部43と係合可能な位置となるロックレバー145の回動位置(図8参照)がロック位置と称され、係合部146が被係合部43と係合しない位置(図10参照)がアンロック位置と称される。
【0069】
ロックレバー145には、コイルバネ148が取り付けられている。コイルバネ148によって、ロックレバー145は、ロック位置側へ付勢されている。ロック位置のロックレバー145に対して、操作部149が重力方向下向きへ押し下げられると、ロックレバー145がロック位置からアンロック位置へ回動される。
【0070】
[制御部90]
以下、図9が参照されつつ、制御部90の概略構成が説明される。
【0071】
制御部90は、プリンタ部11の全体動作を制御するものである。制御部90は、CPU91、ROM92、RAM93、EEPROM94、ASIC95を主とするマイクロコンピュータとして構成されている。制御部90が、請求項におけるカウンタ、インク残量判定手段、第1記憶手段、第2記録手段、第1リセット手段、第2リセット手段、第3リセット手段、カウント一時保持手段、操作検知手段、第1比較手段、電源検知手段として機能する。
【0072】
ROM92には、CPU91がプリンタ部11の各種動作を制御するためのプログラムや、後述する判定処理を実行するためのプログラムなどが格納されている。RAM93は、CPU91が上記プログラムを実行する際に用いるデータや信号等を一時的に記録する記憶領域、或いはデータ処理の作業領域として使用される。EEPROM94には、電源オフ後も保持すべき設定やフラグ等が格納される。例えば、ドットカウンタによるカウント積算値や、直前のトリガ信号に応じたインク残量状態が格納される。
【0073】
ASIC95には、光センサ114,116,117が接続されている。また、記録ヘッド21を駆動するための駆動回路96や、プリンタ部11に画像記録指示等を入力するための入力や、プリンタ部11に関する情報を表示する操作パネル114が接続されている。なお、図9には示されていないが、給紙ローラ23や搬送ローラ対25等の各ローラを駆動させる駆動回路なども接続されている。
【0074】
光センサ114,116,117は、受光素子が受光した光の強度に応じたアナログの電気信号(電圧信号又は電流信号)を出力する。制御部90は、各光センサ114,116,117が出力する電気信号を、所定のタイミングで監視して、その電気信号のレベル(電圧値又は電流値)が所定の閾値以上の場合にHIレベル信号と判定し、所定の閾値未満の場合にLOWレベル信号と判定する。なお、本実施形態では、各光センサ114,116,117の各検知位置において光が遮断又は減衰されている場合の出力信号がLOWレベル信号と判定され、遮断又は減衰されていない場合の出力信号がHIレベル信号と判定されるが、HIレベル信号又はLOWレベル信号の判定は相対的なものなので、電気信号のレベル(閾値)に対応する出力信号の種類が逆になってもよい。
【0075】
駆動回路96は、記録ヘッド21から所定のタイミングで各色インクを記録用紙に対して選択的に吐出させるものである。CPU91から出力される駆動制御手順に基づいてASIC95が出力信号を生成する。駆動回路96は、この出力信号を受けて、記録ヘッド96を駆動制御する。制御部90は、駆動回路96への出力信号により記録ヘッド21から吐出されるインク滴の数をカウントしている。つまり、制御部90がドットカウンタとして機能する。制御部90は、カウントしたインク滴の数の積算値をカウント積算値としてEEPROM94に格納する。
【0076】
[インクカートリッジ30の装着動作]
以下、図10〜12が参照されつつ、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される動作が説明される。
【0077】
図1に示されるように、カートリッジ装着部110の開口112は、プリンタ部11の筐体に設けられた開閉可能なカバー113によって閉じられている。インクカートリッジ30が装着されるときには、カバー113が開かれる。カバー113の開閉はセンサ124(図9参照)により検知される。このセンサ124の検知信号に基づいて、制御部90はカバー113が開かれたことを検知し得る。制御部90は、カバー113が開かれたことをトリガーとして、光センサ114,116,117から光が発光されるように制御を行う。
【0078】
図10に示されるように、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に対して装着向き56へ挿入されると、まず、ガイド部35の装着向き56の先端に形成された装着向き56前側へ傾斜する案内面が、ロックレバー145の係合部146に当接する。更にインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ挿入されると、ロックレバー145の係合部146がガイド部35に乗りあがる。これにより、ロックレバー145が図10における反時計回りに回動して、ロック位置からアンロック位置へ移動する。
【0079】
更にインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ挿入されると、図11に示されるように、被検出子49が光センサ114の検知位置を通過する。このとき、残量検知部33は、光センサ114の検知位置に到達していない。光センサ114が被検出子49を検出した後、残量検知部33が光センサ114の検知位置に到達する前に、光センサ114の出力信号がHIレベル信号からLOWレベル信号となり、再びHIレベル信号となる。制御部90は、光センサ114の出力信号の変化を監視しており、光センサ114の出力信号がLOWレベル信号からHIレベル信号に変化したことを条件として、被検出子49を検知したことを示すフラグを記憶する。
【0080】
また、更にインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ挿入されると、図11に示されるように、第1突起45のリブ48が、光センサ116の検知位置へ進入する。光センサ116がリブ48を検知することによって、光センサ116の出力信号がHIレベル信号からLOWレベル信号となる。制御部90は、光センサ116の出力信号の変化を監視しており、出力信号がLOW信号であることに基づいて、第1突起45のリブ48を検知する。
【0081】
制御部90は、光センサ116の出力信号がHIレベル信号からLOWレベル信号となったことを条件としてトリガー信号を発生する。このトリガー信号に基づいて、光センサ114,117の出力信号を判定する。
【0082】
インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される過程において、第2突起46はスライド部材135と当接する。インクカートリッジ30が更にカートリッジ装着部110に挿入されることにより、第1位置(図10参照)に位置されていたスライド部材は、コイルバネ139の付勢力に抗して、第2位置側へ、つまり、空間130の終壁131側へ押圧される。これにより、スライド部材135のリブ136が光センサ117の検知位置へ近づいていく。
【0083】
図11に示されるように、このインクカートリッジ30においては、光センサ116の出力信号がHIレベル信号からLOWレベル信号となったときに、つまり、トリガー信号が発生されたときに、スライド部材135のリブ136が光センサ117の検知位置に到達していない。したがって、光センサ117の出力信号はHIレベル信号である。
【0084】
制御部90は、光センサ116の出力信号がHIレベル信号からLOWレベル信号となったときの、光センサ114,117の各出力信号を記憶する。
【0085】
図12に示されるように、インクカートリッジ30が更にカートリッジ装着部110に挿入されると、スライド部材135のリブ136が光センサ117の検知位置に到達する。これにより、光センサ117の出力信号がHIレベル信号からLOWレベル信号に変化する。制御部90は、光センサ117の出力信号がLOWレベル信号であることに基づいて、スライド部材135のリブ136を検知する。
【0086】
図12に示されるように、インクカートリッジ30が更にカートリッジ装着部110に挿入されて、カートリッジ装着部110の装着位置にインクカートリッジ30が到達すると、残量検知部33が光センサ114の検知位置に到達する。また、インクニードル122がインク供給部37のインク供給口71に挿入されてインク供給口71が開かれる。この装着状態において、インク室33に貯留されたインクがインクニードル122を通じてインクチューブ20へ供給可能となる。
【0087】
インクカートリッジ30が装着位置に到達すると、被係合部43がロックレバー145の係合部146を装着向き56へ通り過ぎる。これにより、ロックレバー145の係合部146がガイド部35に支持されなくなるので、ロックレバー145が図12における時計回りへ回動し、係合部146が被係合部43と係合する。この係合部146と被係合部43との係合により、インクカートリッジ30は、スライド部材135から脱抜向き55へ受ける付勢力に抗して、装着位置に保持される。これにより、カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了する。
【0088】
また、インクカートリッジ30が装着位置に到達すると、インクカートリッジ30の第1突起45のリブ48、残量検知部33、及びスライド部材135のリブ138は、いずれも各光センサ114,116,117の検知位置へ進入する。したがって、センサーアーム60が下位姿勢であれば、各光センサ114,116,117の出力信号はいずれもLOWレベル信号となる。
【0089】
制御部90は、第1突起45のリブ48及びスライド部材135のリブ139を検知したことを条件として、つまり、光センサ116,117の出力信号が、いずれもLOW信号であることを条件として、インクカートリッジ30の種別を判定する。この種別の判定は、光センサ116の出力信号がHIレベル信号からLOWレベル信号に変化したときにおけるフラグの有無と、光センサ117の出力信号とに基づいて行われるが、ここでは、その詳細な説明は省略される。
【0090】
[インクカートリッジ30の残量判定]
以下、インクカートリッジ30の残量判定が説明される。
【0091】
図8に示されるように、カートリッジ装着部110にインクカートリッジ30が装着された状態で、光センサ114の発光素子118から光が出射されると、その光は残量検知部33に照射される。インク室36にインクが所定量以上満たされている状態では、残量検知部33に照射された光は、センサーアーム60のインジケータ部62によって遮られる。インク室36のインクが所定量未満になると、センサーアーム60が回動して、残量検知部33に照射された光が、センサーアーム60のインジケータ部62によって遮られない。つまり、インク室36が貯留するインク量によってセンサーアーム60の姿勢が変化し、センサーアーム60の姿勢変化によって残量検知部33の透光状態が変化する。受光素子119の受光量は、発光素子118から照射された光がインジケータ部62によって遮られるか否かによって異なる。この違いによって、受光素子119は、異なる電気信号を出力する。つまり、残量検知部33に照射された光がセンサーアーム60のインジケータ部62によって遮られている場合には、光センサ114はLOWレベル信号を出力し、残量検知部33に照射された光がセンサーアーム60のインジケータ部62によって遮られていない場合には、光センサ114はHIレベル信号を出力する。
【0092】
光センサ114から出力される電気信号の違いによって、インク室102内のインクが所定量未満であるか否かが制御部90により判断される。残量検知部33に照射された光がセンサーアーム60のインジケータ部62によって遮られており、その結果、光センサ114がLOWレベル信号を出力しているときには、制御部90は、インク残量をフルと判定する。フルが、請求項における第2状態に相当する。残量検知部33に照射された光がセンサーアーム60のインジケータ部62によって遮られておらず、その結果、光センサ114がHIレベル信号を出力しているときには、制御部90は、インク残量をニアエンプティと判定する。ニアエンプティが、請求項における第1状態に相当する。制御部90は、インク残量がフルからニアエンプティに変化した後のカウント積算値に基づいて、カウント積算値が所定の閾値を越えるとエンプティと判断する。エンプティが、請求項における第3状態に相当する。エンプティと判断するための閾値は、インクカートリッジ30においてセンサアーム60が回動するインク量を消費するためのインク滴の数として予め設定されている。
【0093】
制御部90は、インク残量の判定結果を操作パネル14に表示される。つまり、4個のインクカートリッジ30それぞれについて、フル、ニアエンプティ、エンプティの判定結果を表示する。この表示は、文字であっても画像であってもよい。画像は、例えば、インク量に対応した高さの棒グラフのような図形により表される。また、制御部90は、複合機10が接続されているパソコンなどの外部情報機器にインク残量の判定結果を送信し、それを受信した外部情報機器は、プリンタドライバに基づいてディスプレイなどに判定結果を表示する。
【0094】
制御部90は、前述されたインクカートリッジ30の装着過程において発生する光センサ114,116,117の出力信号以外の信号をトリガーとして、インクカートリッジ30の残量判定を行う。また、制御部90は、光センサ116,117が第1突起45のリブ48及びスライド部材135のリブ138が検知されていることを条件として残量判定を行う。光センサ116,117が第1突起45のリブ48及びスライド部材135のリブ138が検知しているか否かは、トリガーが発生した段階で判定されればよい。
【0095】
インクカートリッジ30の残量判定を行うためのトリガー信号は、例えば、センサ124の出力信号に基づいてカバー113が閉じられたとき、1頁分の画像記録を終了したとき、クリーニング機構81による記録ヘッド21のクリーニングが終了したとき、複合機10の電源がオンにされたとき、複合機10のコンセントが接続されたとき、スリープ状態にあるプリンタ部11が動作状態に復帰したときなどに発生される。このトリガー信号に基づいて判定された結果は、制御部90のEEPROM94に上書きして格納される。
【0096】
[インクカートリッジ30の交換の判定]
以下、インクカートリッジ30が交換されことの判定方法が説明される。インクカートリッジ30のインクが消費されてインク室36にインクが無くなると、インクが消費されたインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から抜き取られ、インク室36にインクが満たされた新たなインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入される。
【0097】
一般に、インクカートリッジ30の交換は、インク室36のインクが消費されて、光センサ114の出力に基づく残量判定の結果、制御部90がニアエンプティと判定し、さらに、制御部90がニアエンプティ後のカウント積算値に基づいてエンプティと判定し、その判定結果が操作パネル14等に表示されたことに基づいて行われるが、エンプティになる前のニアエンプティにおいてインクカートリッジ30が交換されることも想定される。また、インクカートリッジ30は、必ずしも交換されるとは限らず、例えば、ニアエンプティの状態でユーザがインク残量を確認するために、カートリッジ装着部110からインクカートリッジ30を抜き取り、そのインクカートリッジ30を再び装着することも想定される。
【0098】
インクカートリッジ30の交換やインクカートリッジ30の再装着において、ユーザは、カバー113を開く。カバー113の開放はセンサ124に検出される。そして、ユーザは、カーリッジ装着部110へ、新しいインクカートリッジ30を装着するか、或いは既に使用しているインクカートリッジ30を再び装着する。カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の挿抜は、前述されたように、光センサ114,116,117の検知信号により判定される。制御部90は、インクカートリッジ30が挿抜されたと判定したときは、インクカートリッジ30の挿抜を示すフラグをRAM93に格納する。そして、ユーザは、カバー113を閉じる。カバー113が閉じられたことは、センサ124により検出される。
【0099】
制御部90は、カバー113が閉じられたことを検知すると(図13:S1)、インクカートリッジ30の挿抜を示すフラグがRAM93に格納されているかを確認する(図13:S2)。インクカートリッジ30が挿抜されていないときは(図13:S2No)、インクカートリッジ交換を判定せずに終了する。インクカートリッジ30が挿抜されているときには(図13:S2Yes)、制御部90は、直前のインク残量の状態、つまり、フル、ニアエンプティ、エンプティのいずれかをRAM93に記憶させる(図13:S3)。そして、制御部90は、操作パネル14にインクカートリッジ交換を示す画面を表示させる(図13:S4)。この画面には、ユーザに対してインクカートリッジ30を交換したかを問い合わせるメッセージが表示される。ユーザは、この画面を見て、インクカートリッジ30を交換していれば「YES」を示す入力を行い、交換していなければ「NO」を示す入力を行う(図13:S5)。
【0100】
制御部90は、カバー113が閉じられたことを検知すると、インク残量を検出するためのトリガー信号を発生させる。このトリガー信号が、請求項における第2トリガー信号に相当する。これをトリガーとして、光センサ114から光がインクカートリッジ30の残量検知部33に光が照射される。前述されたように、光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていれば、インク室36に所定量以上のインクがある残量状態、つまりフルであると判定される。また、光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていなければ、インク室36に所定量以上のインクが無い残量状態、つまりニアエンプティ又はエンプティと判定される。
【0101】
制御部90は、ユーザからの「YES」の入力を受けているが(図13:S5Yes)、つまりインクカートリッジ30を交換したとの入力がされているが、インク残量がフルでなければ(図13:S6No)、インクカートリッジ30の装着が不完全であるか、新たなインクカートリッジ30が装着されていないと判定して、操作パネル14にエラー表示を行う(図13:S7)。
【0102】
制御部90は、ユーザからの「YES」の入力を受けており(図13:S5Yes)、かつインク残量がフルであれば(図13:S6Yes)、ニアエンプティ後にカウントしてEEPROM94に記憶させていたカウント積算値を一時的にEEPROM94の別領域に保存する(図13:S8)。このカウント積算値が、請求項における第1カウント値に相当する。そして、本来の記憶領域にあるカウント積算値をクリアする(図13:S9)。また、制御部90は、インクカートリッジ30が挿抜される前のインク残量状態を読み出して、フルであれば(図14:S11Yes)、インクカートリッジ交換判定を終了する。つまり、この場合は、フルの状態のインクカートリッジ30が挿抜されたに過ぎないということである。
【0103】
制御部90は、インクカートリッジ30が挿抜される前のインク残量状態を読み出して、ニアエンプティ又はエンプティであれば(図14:S11No)、インクカートリッジ交換の再判定を行う。インクカートリッジ30が挿抜される前のインク残量状態は、1頁分の印刷を行った後、クリーニング機構81によるクリーニングが終了した後、又はカバー113のが閉じられたことを検出した後などに基づいて生成されたトリガー信号をトリガーとして行われている。このトリガー信号が、請求項における第1トリガー信号に相当する。このとき、ユーザはインクカートリッジ30を交換したと入力しており、交換後の残量検知部33の検出結果もフルである。
【0104】
しかしながら、ユーザが入力を操作を誤ることが想定される。また、ニアエンプティ又はエンプティのインクカートリッジ30が再び挿入されているにも拘わらず、残量検知部33の内壁にインクが付着している状態であったり、インク室36のインクの界面に泡が発生して、センサアーム60のフロート部63が本来の界面の位置よりも押し上げられている状態であったりすることが想定される。このような状態において光センサ114によるインク残量の検出が行われると、インク室36のインク量は所定量未満であるにも拘わらず、残量検知部33において光センサ114の光が遮断されて、フルと同じ検出信号が出力されることになる。
【0105】
制御部90は、1頁分の印刷を行った後(図14:S12)、クリーニング機構81によるクリーニングが終了した後(図14:S13)、又はカバー113のが閉じられたことを検出した後(図14:S17)に、インク残量を検出するためのトリガー信号を生成する。このトリガー信号が第3トリガー信号に相当する。
【0106】
制御部90は、1頁分の印刷を行った後(図14:S12)、又はクリーニング機構81によるクリーニングが終了した後(図14:S13)に、光センサ114からインクカートリッジ30の残量検知部33へ光を照射する。光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていれば、インク室36に所定量以上のインクがある残量状態、つまりフルであると判定される(図14:S14Yes)。そして、制御部90は、インクカートリッジ交換の再判定を終了する。つまり、1頁分の印刷やクリーニングが行われる時間を経過すれば、残量検知部33の内壁に付着したインクは流れ落ち、インク室36のインクの界面に発生した泡も消失するので、その時間が経過した後にもインク残量状態がフルである検出信号が光センサ114から出力されていれば、インク室36に所定量以上のインクがあると確定される。
【0107】
一方、光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていなければ、インク室36に所定量以上のインクが無い残量状態、つまりニアエンプティ又はエンプティと判定されると(図14:S14No)、制御部90は、一時保存しているカウント積算値を読み出して、現在のカウント積算値とする(図14:S15)。そして、1頁分の印刷又はクリーニングによりカウントされたカウント値を、一時保存していたカウント積算値に加算する(図14:S16)。この加算後のカウント数が、請求項における第2カウントするに相当する。そして、制御部90は、インクカートリッジ交換の再判定を終了する。
【0108】
前述された時間を経過すると、インクカートリッジ30が交換されていないにも拘わらず、インク残量状態がニアエンプティ又はエンプティとなるということは、残量検知部33の内壁に付着したインクや、インク室36のインクの界面に発生した泡により、一時的に残量検知部33において光センサ114の光が遮断されており、インク室36には所定量以上のインクがなかったと想定される。そのときは、ユーザはインクカートリッジ30の交換を入力しているが、その入力が誤りであり、インクカートリッジ30は交換されなかったとして、インクカートリッジ30が挿抜される前のカウント積算値に基づいて、現在のカウント積算値がカウントされる。
【0109】
他方、制御部90は、カバー113が閉じられたことを検出した後(図14:S17)に、インクカートリッジ30の挿抜を示すフラグを読み出す。インクカートリッジ30が挿抜されていれば(図14:S18Yes)、カバー113が閉じられる前のインク残量状態をRAM93に格納して(図13:S3)、前述と同様に、ユーザにインクカートリッジ交換を問い合わせる画面を操作パネル14に表示させる(図13:S4)。
【0110】
インクカートリッジ30が挿抜されていなければ(図14:S18No)、光センサ114からインクカートリッジ30の残量検知部33へ光を照射する。光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていれば、インク室36に所定量以上のインクがある残量状態、つまりフルであると判定される(図14:S19Yes)。この場合、前述したように、残量検知部33の内壁に付着したインクや、インク室36のインクの界面に発生した泡の影響が想定されるので、インクカートリッジ交換の再判定が継続される。
【0111】
一方、光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていなければ、インク室36に所定量以上のインクが無い残量状態、つまりニアエンプティ又はエンプティと判定されると(図14:S19No)、制御部90は、一時保存しているカウント積算値を読み出して、現在のカウント積算値とする(図14:S20)。そして、制御部90は、インクカートリッジ交換の再判定を終了する。
【0112】
インクカートリッジ30が交換されていないにも拘わらず、インク残量状態がニアエンプティ又はエンプティとなるということは、残量検知部33の内壁に付着したインクや、インク室36のインクの界面に発生した泡により、一時的に残量検知部33において光センサ114の光が遮断されており、インク室36には所定量以上のインクがなかったと想定される。そのときは、ユーザはインクカートリッジ30の交換を入力しているが、その入力が誤りであり、インクカートリッジ30は交換されなかったとして、インクカートリッジ30が挿抜される前のカウント積算値が復帰される。
【0113】
制御部90が、操作パネル14にインクカートリッジ交換を示す画面を表示させ、ユーザが「NO」を示す入力を行うと(図13:S5No)、制御部90は、インクカートリッジ30が挿抜される前のインク残量状態を読み出して、フル又はエンプティであれば(図15:S21No)、インクカートリッジ交換の判定を終了する。インク残量状態がフル又はエンプティであれば、ニアエンプティ後のカウント積算値には影響しないからである。インクカートリッジ30が挿抜される前のインク残量状態を判断するトリガとなるトリガ信号が、請求項における第1トリガ信号に相当する。
【0114】
制御部90は、インクカートリッジ30が挿抜される前のインク残量状態を読み出して、ニアエンプティであれば(図15:S21Yes)、インクカートリッジ交換の再判定を行う。
【0115】
制御部90は、1頁分の印刷を行った後(図15:S22)、又はクリーニング機構81によるクリーニングが終了した後(図15:S23)に、光センサ114からインクカートリッジ30の残量検知部33へ光を照射する。光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていなければ(図15:S24No)、制御部90は、インクカートリッジ交換の再判定を終了する。つまり、ユーザの入力通り、インクカートリッジ交換がされなかったと確定される。1頁分の印刷を行った後(図15:S22)、又はクリーニング機構81によるクリーニングが終了した後(図15:S23)に、インク残量状態を判断するトリガとなるトリガ信号が、請求項における第2トリガ信号に相当する。
【0116】
一方、光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていれば、インク室36に所定量以上のインクがある残量状態、つまりフルと判定されると(図15:S24Yes)、制御部90は、カウント積算値をクリアする(図15:S25)。そして、制御部90は、インクカートリッジ交換の再判定を終了する。このカウント積算値が、請求項における第1カウント値に相当する。
【0117】
1頁分の印刷やクリーニングが行われる時間を経過すれば、残量検知部33の内壁に付着したインクは流れ落ち、インク室36のインクの界面に発生した泡も消失するので、その時間が経過した後にもインク残量状態がフルである検出信号が光センサ114から出力されていれば、インク室36に所定量以上のインクがあると確定される。そのときは、ユーザはインクカートリッジ30の交換を入力しているが、その入力が誤りであり、インクカートリッジ30は交換されたとして、現在のカウント積算値がクリアされる。
【0118】
他方、制御部90は、カバー113が閉じられたことを検出した後(図15:S26)に、インクカートリッジ30の挿抜を示すフラグを読み出す。インクカートリッジ30が挿抜されていれば(図15:S27Yes)、カバー113が閉じられる前のインク残量状態をRAM93に格納して(図13:S3)、前述と同様に、ユーザにインクカートリッジ交換を問い合わせる画面を操作パネル14に表示させる(図13:S4)。
【0119】
インクカートリッジ30が挿抜されていなければ(図15:S27No)、光センサ114からインクカートリッジ30の残量検知部33へ光を照射する。光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていれば、インク室36に所定量以上のインクがある残量状態、つまりフルであると判定される(図15:S28Yes)。この場合、前述したように、残量検知部33の内壁に付着したインクや、インク室36のインクの界面に発生した泡の影響が想定されるので、インクカートリッジ交換の再判定が継続される。
【0120】
一方、光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていなければ、インク室36に所定量以上のインクが無い残量状態、つまりニアエンプティ又はエンプティと判定されると(図15:S28No)、制御部90は、インクカートリッジ交換の再判定を終了する。つまり、ユーザが入力したとおり、インクカートリッジ30の交換がされなかったと確定される。
【0121】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、インクカートリッジ30が交換されたか否かを示すユーザの入力が誤っている場合であっても、インクカートリッジ30の交換を確実に検知して、正確な残量検知を実行することができる。
【0122】
また、カートリッジ装着部110へインクカートリッジ30が挿抜された後にインク残量状態がフルと判断されても直ちにカウント積算値がリセットされず、その後のトリガ信号をトリガとしてインク残量状態がフルと判断されるとカウント積算値がリセットされる。これにより、インクの付着や泡などにより残量検知部33を検出する光センサ114がフルを示す信号を出力していてもカウント積算値が直ちにリセットされることがなく、泡の消失などによってインク残量状態がニアエンプティ又はエンプティとなれば、交換されていないインクカートリッジ30のインク残量に適合した正確な残量検知が実行される。
【0123】
[第1変形例]
以下、上記実施形態の第1変形例が説明される。上記実施形態では、カートリッジ装着部110に対してインクカートリッジ30が挿抜された後に、ユーザにインクカートリッジ交換を問い合わす画面が操作パネル14に表示されることとされているが、この問い合わせなくインクカートリッジ交換が判定されてもよい。
【0124】
制御部90は、カバー113が閉じられたことを検知すると(図16:S31)、カバー113が開放される前のインク残量状態がフルであったか否かを読み出す(図16:S32)。インク残量状態がフルであれば(図16:S32Yes)、インクカートリッジ交換の判定を終了する。インク残量状態がフルであれば、ニアエンプティ後のカウント積算値には影響しないからである。このタイミングでインク残量状態を判断するトリガとなるトリガ信号が、請求項における第1トリガ信号に相当する。
【0125】
インク残量状態がフルでなければ(図16:S32No)、残量検知部90は、インクカートリッジ30の挿抜を示すフラグがRAM93に格納されているかを確認する(図16:S33)。インクカートリッジ30が挿抜されていないときは(図16:S33No)、インクカートリッジ交換を判定せずに終了する。
【0126】
インクカートリッジ30が挿抜されているときには(図16:S33Yes)、制御部90は、カバー113が閉じられたことに基づくトリガー信号により、光センサ114からインクカートリッジ30の残量検知部33へ光を照射させる。このとき、インク残量がフルでなければ(図16:S34No)、インクカートリッジ30が交換されていないと判定して終了する。このタイミングでインク残量状態を判断するトリガとなるトリガ信号が、請求項における第2トリガ信号に相当する。
【0127】
制御部90は、インク残量がフルであれば(図16:S34Yes)、インクカートリッジ交換の再判定処理を行う。なお、ここではカウント積算値はクリアされない。詳細には、制御部90は、1頁分の印刷を行った後(図17:S35)、又はクリーニング機構81によるクリーニングが終了した後(図17:S36)に、光センサ114からインクカートリッジ30の残量検知部33へ光を照射する。光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていれば、インク室36に所定量以上のインクがある残量状態、つまりフルであると判定される(図17:S37Yes)。そして、制御部90は、カウント積算値をクリアして(図17:S38)、インクカートリッジ交換の再判定を終了する。1頁分の印刷やクリーニングが行われる時間を経過すれば、残量検知部33の内壁に付着したインクは流れ落ち、インク室36のインクの界面に発生した泡も消失するので、その時間が経過した後にもインク残量状態がフルである検出信号が光センサ114から出力されていれば、インク室36に所定量以上のインクがあると確定される。このタイミングでインク残量状態を判断するトリガとなるトリガ信号が、請求項における第3トリガ信号に相当する。また、クリアされるカウント積算値が、請求項における第1カウント値に相当する。
【0128】
一方、光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていなければ、インク室36に所定量以上のインクが無い残量状態、つまりニアエンプティ又はエンプティと判定されると(図17:S37No)、制御部90は、カウント積算値をクリアせずに、インクカートリッジ交換の再判定を終了する。
【0129】
前述された時間を経過して、インクカートリッジ30が交換されていないにも拘わらず、インク残量状態がニアエンプティ又はエンプティとなるということは、残量検知部33の内壁に付着したインクや、インク室36のインクの界面に発生した泡により、一時的に残量検知部33において光センサ114の光が遮断されており、インク室36には所定量以上のインクがなかったと想定される。そのときは、インクカートリッジ30は交換されなかったと確定される。
【0130】
他方、制御部90は、カバー113が閉じられたことを検出した後(図17:S39)に、インクカートリッジ30の挿抜を示すフラグを読み出す。インクカートリッジ30が挿抜されていれば(図17:S40Yes)、前述と同様に、カバー113が閉じられたことに基づくトリガー信号により、光センサ114からインクカートリッジ30の残量検知部33へ光を照射させる(図16:S34)。
【0131】
インクカートリッジ30が挿抜されていなければ(図17:S40No)、光センサ114からインクカートリッジ30の残量検知部33へ光を照射する。光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていれば、インク室36に所定量以上のインクがある残量状態、つまりフルであると判定される(図17:S41Yes)。この場合、前述したように、残量検知部33の内壁に付着したインクや、インク室36のインクの界面に発生した泡の影響が想定されるので、インクカートリッジ交換の再判定が継続される。
【0132】
一方、光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていなければ、インク室36に所定量以上のインクが無い残量状態、つまりニアエンプティ又はエンプティと判定されると(図17:S41No)、制御部90は、カウント積算値をクリアせずに、インクカートリッジ交換の再判定を終了する。つまり、インクカートリッジ30は交換されなかったと確定される。
【0133】
[第1変形例の作用効果]
前述された第1変形例によれば、カートリッジ装着部110へインクカートリッジ30が挿抜された後にインク残量状態がフルと判断されても直ちにインクカートリッジが交換されたと判定してカウント積算値がリセットされず、その後のトリガ信号をトリガとしてインク残量状態がフルと判断されるとカウント積算値がリセットされる。これにより、インクの付着や泡などにより残量検知部33を検出する光センサ114がフルを示す信号を出力していてもカウント積算値が直ちにリセットされることがなく、泡の消失などによってインク残量状態がニアエンプティ又はエンプティとなれば、交換されていないインクカートリッジ30のインク残量に適合した正確な残量検知が実行される。
【0134】
[第2変形例]
以下、上記実施形態の第2変形例が説明される。上記実施形態では、カートリッジ装着部110に対してインクカートリッジ30が挿抜されたことを検知し得るが、ユーザが電源をオフにしている間に、カートリッジ装着部110にインクカートリッジ30が挿抜されると、制御部90がインクカートリッジ30の挿抜や、カバー113の開閉を検出子得ないことが想定される。したがって、電源がオンにされた後に、インクカートリッジ交換が判定されてもよい。
【0135】
制御部90は、電源がONになったことを検知すると(図18:S51)、電源オン前のインク残量状態がニアエンプティであったか否かを読み出す(図18:S52)。インク残量状態がニアエンプティでなければ(図18:S52No)、インクカートリッジ交換の判定を終了する。インク残量状態がニアエンプティでなければ、ニアエンプティ後のカウント積算値には影響しないからである。このタイミングでインク残量状態を判断するトリガとなるトリガ信号が、請求項における第4トリガ信号に相当する。
【0136】
インク残量状態がニアエンプティであれば(図18:S52Yes)、制御部90は、電源がオンされたことに基づくトリガー信号により、光センサ114からインクカートリッジ30の残量検知部33へ光を照射させる。このとき、インク残量がフルでなければ(図18:S53No)、インクカートリッジ30が交換されていないと判定して終了する。このタイミングでインク残量状態を判断するトリガとなるトリガ信号が、請求項における第5トリガ信号に相当する。
【0137】
制御部90は、インク残量がフルであれば(図18:S53Yes)、インクカートリッジ交換の再判定処理を行う。なお、ここではカウント積算値はクリアされない。詳細には、制御部90は、1頁分の印刷を行った後(図18:S54)、又はクリーニング機構81によるクリーニングが終了した後(図18:S55)に、光センサ114からインクカートリッジ30の残量検知部33へ光を照射する。光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていれば、インク室36に所定量以上のインクがある残量状態、つまりフルであると判定される(図18:S56Yes)。そして、制御部90は、カウント積算値をクリアして(図18:S57)、インクカートリッジ交換の再判定を終了する。1頁分の印刷やクリーニングが行われる時間を経過すれば、残量検知部33の内壁に付着したインクは流れ落ち、インク室36のインクの界面に発生した泡も消失するので、その時間が経過した後にもインク残量状態がフルである検出信号が光センサ114から出力されていれば、インク室36に所定量以上のインクがあると確定される。このタイミングでインク残量状態を判断するトリガとなるトリガ信号が、請求項における第6トリガ信号に相当する。
【0138】
一方、光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていなければ、インク室36に所定量以上のインクが無い残量状態、つまりニアエンプティ又はエンプティと判定されると(図18:S56No)、制御部90は、カウント積算値をクリアせずに、インクカートリッジ交換の再判定を終了する。
【0139】
前述された時間を経過して、インクカートリッジ30が交換されていないにも拘わらず、インク残量状態がニアエンプティ又はエンプティとなるということは、残量検知部33の内壁に付着したインクや、インク室36のインクの界面に発生した泡により、一時的に残量検知部33において光センサ114の光が遮断されており、インク室36には所定量以上のインクがなかったと想定される。そのときは、インクカートリッジ30は交換されなかったと確定される。
【0140】
他方、制御部90は、カバー113が閉じられたことを検出した後(図18:S58)に、インクカートリッジ30の挿抜を示すフラグを読み出す。インクカートリッジ30が挿抜されていれば(図18:S59Yes)、前述された実施形態又は第1変形例と同様にして、制御部90はインク交換処理の判定を行う。
【0141】
インクカートリッジ30が挿抜されていなければ(図18:S59No)、制御部90は、光センサ114からインクカートリッジ30の残量検知部33へ光を照射する。光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていれば、インク室36に所定量以上のインクがある残量状態、つまりフルであると判定される(図18:S60Yes)。この場合、前述したように、残量検知部33の内壁に付着したインクや、インク室36のインクの界面に発生した泡の影響が想定されるので、インクカートリッジ交換の再判定が継続される。
【0142】
一方、光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていなければ、インク室36に所定量以上のインクが無い残量状態、つまりニアエンプティ又はエンプティと判定されると(図18:S60No)、制御部90は、カウント積算値をクリアせずに、インクカートリッジ交換の再判定を終了する。つまり、インクカートリッジ30は交換されなかったと確定される。
【0143】
[第2変形例の作用効果]
前述された第2変形例によれば、装置の電源がオフである間にインクカートリッジ30が交換された場合であっても、インクカートリッジ30の交換を確実に検知して、正確な残量検知を実行することができる。
【符号の説明】
【0144】
11・・・プリンタ部(画像記録装置)
14・・・操作パネル(交換入力手段、インク残量表示手段)
21・・・記録ヘッド(記録部)
30・・・インクカートリッジ
33・・・残量検知部
36・・・インク室
71・・・インク供給部
81・・・クリーニング機構
90・・・制御部(カウンタ、トリガ信号発生手段、インク残量判断手段、第1記憶手段、第2記憶手段、操作検知手段、第1リセット手段、カウント一時保持手段、第2リセット手段、第3リセット手段、電源検知手段、第4リセット手段)
103・・・被接続部
110・・・カートリッジ装着部
114・・・光センサ(センサ)
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジ装着部にインクカートリッジが着脱可能に設けられており、当該インクカートリッジから供給されたインクをインク滴として吐出することにより、被記録媒体に画像記録を行う記録部を備えた画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、いわゆるチューブ供給方式の画像記録装置では、インクカートリッジが、記録ヘッドを搭載するキャリッジの外部に配置されており、このインクカートリッジと記録ヘッドとがチューブを介して接続されている。このインクカートリッジは、例えば、装置本体の正面に開口を有するカートリッジ装着部に対して、開口を介して水平方向へ装着される(特許文献1参照)。このカートリッジ装着部は、インクカートリッジを着脱可能に収容する。カートリッジ装着部にインクカートリッジが装着されると、インクカートリッジから記録ヘッドに至るインク通路が形成される。このインク通路を通じてインクカートリッジから記録ヘッドにインクが供給される。
【0003】
インクカートリッジにおいてインクの残量を検出するための残量検知部が設けられ、カートリッジ装着部には、インクカートリッジの残量検知部を検出するためのセンサが設けられることがある(特許文献2)。
【0004】
インクカートリッジの残量を管理する方法として、記録ヘッドから吐出されたインク滴をドットカウントする方法がある。ドットカウント値は、インクカートリッジが交換されるとリセットされる。インクカートリッジが交換されたか否かは、ユーザの入力に基づいて判断される。この管理方法では、ユーザが誤った入力をするおそれに鑑みて、ドットカウント値をリセットする前に一時的に退避しておき、ユーザが操作を誤ったと判断したときに、退避しているドットカウント値を再設定することができる(特許文献3)。
【0005】
画像記録装置には、インクカートリッジの交換を検出できる手段を有するものがある。しかしながら、画像記録装置の電源がオフにされている間にインクカートリッジが交換されると、当該手段ではインクカートリッジの交換が検出できないという問題がある。これに対して、電源がオフされる前のインク残量の検出結果と、電源がオンにされたときのインク残量の検出結果とを比較し、その比較結果に基づいてインクカートリッジの交換が判別する手法が知られている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−132098号公報
【特許文献2】特開2007−15393号公報
【特許文献3】特開2006−130812号公報
【特許文献4】特開2000−190517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献3に開示された手段によれば、ユーザがインクカートリッジ交換における入力の誤りに気づけばドットカウント値を再設定できるものの、ユーザが気づかなければ再設定されることがない。例えば、複数のユーザにより使用されている画像記録装置であれば、インクカートリッジを交換して入力を行ったユーザ以外の他のユーザは、入力の誤りを知り得ないので、ドットカウント値が再設定されることなく画像記録が行われ、その結果、インクがない状態で記録ヘッドが動作する所謂空吐出が生じるおそれがある。
【0008】
特許文献4に開示された手段によれば、電源がオンされた直後のインク残量の検出結果に基づいた判断をしているので、新たなインクカートリッジが装着されず、現在使用されているインクカートリッジが挿抜された場合に判断を誤るおそれがある。詳細に説明するに、インクカートリッジが挿抜等されると、インクカートリッジ内においてインクの液面が揺れ動き、残量検知部にインクが付着したり、インクの液面が泡だったりするおそれがある。残量検知部に付着したインクが流れ落ちたり、泡が消失したりする前に残量検知が行われると、付着したインクや泡によって、インク残量が少ないにも拘わらず、インク残量があると検知されるおそれがある。このような誤った残量検知結果に基づいてインクカートリッジが交換されたと判断されて画像記録が行われると、前述と同様の空吐出が生じるおそれがある。
【0009】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、インクカートリッジの交換を確実に検知して、正確な残量検知を実行する手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、カートリッジ装着部にインクカートリッジが着脱可能に設けられており、当該インクカートリッジから供給されたインクをインク滴として吐出することにより、被記録媒体に画像記録を行う記録部を備えた画像記録装置に関する。上記インクカートリッジは、インクが貯留されるインク室と、上記インク室に貯留されたインクを外部へ流出させるインク供給部と、上記インク室からインクが流入可能に設けられており、インク室に貯留されたインク量の変化に基づいて透光状態が変化する残量検知部と、を具備する。上記カートリッジ装着部は、上記インクカートリッジが装着された状態において上記インク供給部と接続されてインクを流通させる被接続部と、上記インクカートリッジが装着された状態において上記残量検知部を通過する光を検知するセンサと、を具備する。当該装置は、上記記録部が吐出したインク滴をカウントするカウンタと、上記センサの出力信号を判定するためのトリガ信号を発生するトリガ信号発生手段と、トリガ信号をトリガとして、上記センサの出力信号に基づいて上記インク室のインク残量の少なくとも2状態を判断するインク残量判断手段と、上記インク残量判断手段により判断されたインク残量の状態を記憶する第1記憶手段と、上記インク残量判断手段が、インク残量の2状態のうち残量が少ない方の第1状態であると判断した後に、上記カウンタによりカウントされたカウント数を積算して記憶する第2記憶手段と、上記カートリッジ装着部が操作されたことを検知する操作検知手段と、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知したことを条件として、インクカートリッジを交換したか否かの入力を受け付ける交換入力手段と、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知する前の第1トリガ信号に基づいて、上記残量判断手段が第1状態を判断しており、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知した後に発生された第2トリガ信号に基づいて、上記インク残量判断手段がインク残量の2状態のうち残量が多い方の第2状態であると判断し、かつ上記交換入力手段にインクカートリッジを交換したとの入力がされたことに基づいて、上記第2記憶手段が記憶する第1カウント数をリセットする第1リセット手段と、上記リセット手段がリセットする直前の第1カウント数を初期値として、第2トリガ信号の次の第3トリガ信号が発生されるまでに上記カウンタによりカウントされたカウント数を積算した第2カウント数を記憶し、当該第3トリガ信号に基づいて上記インク残量判断手段が第1状態を判断したことを条件として、当該第2カウント数を上記記憶手段に記憶させるカウント一時保持手段と、を具備する。
【0011】
カートリッジ装着部に対してインクカートリッジが操作される前に、第1トリガ信号をトリガとして第1状態が判断されており、カートリッジ装着部に対してインクカートリッジが操作された後に、第2トリガ信号をトリガとして第2状態が判断され、かつインクカートリッジが交換されたとの入力を受け付けると、第1カウント数がリセットされる。カウント数がリセットされる際に、直前の第1カウント数が一時的に保持されて、その後のカウンタのカウントによってカウントアップされる。そして、第3トリガ信号に基づいて第1状態が判断されると、カウントアップされた第2カウント数が記憶される。これにより、インクカートリッジが交換されていないにも拘わらず、ユーザが交換されたと入力し、かつインクの付着や泡などにより残量検知部が第2状態を示していても、その後に発生される第3トリガ信号までに、付着したインクが流れ落ちたり泡が消失したりすることにより、第3トリガ信号に基づいて第1状態が判断されると、交換されていないインクカートリッジのインク残量に適合した第2カウント数が記憶される。
【0012】
本発明は、カートリッジ装着部にインクカートリッジが着脱可能に設けられており、当該インクカートリッジから供給されたインクをインク滴として吐出することにより、被記録媒体に画像記録を行う記録部を備えた画像記録装置に関する。上記インクカートリッジは、インクが貯留されるインク室と、上記インク室に貯留されたインクを外部へ流出させるインク供給部と、上記インク室からインクが流入可能に設けられており、インク室に貯留されたインク量の変化に基づいて透光状態が変化する残量検知部と、を具備する。上記カートリッジ装着部は、上記インクカートリッジが装着された状態において上記インク供給部と接続されてインクを流通させる被接続部と、上記インクカートリッジが装着された状態において上記残量検知部を通過する光を検知するセンサと、を具備する。当該装置は、上記記録部が吐出したインク滴をカウントするカウンタと、上記センサの出力信号を判定するためのトリガ信号を発生するトリガ信号発生手段と、トリガ信号をトリガとして、上記センサの出力信号に基づいて上記インク室のインク残量の少なくとも2状態を判断するインク残量判断手段と、上記インク残量判断手段により判断されたインク残量の状態を記憶する第1記憶手段と、上記インク残量判断手段が、インク残量の2状態のうち残量が少ない方の第1状態であると判断した後に、上記カウンタによりカウントされた第1カウント数を積算して記憶する第2記憶手段と、上記カートリッジ装着部が操作されたことを検知する操作検知手段と、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知したことを条件として、インクカートリッジを交換したか否かの入力を受け付ける交換入力手段と、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知する前の第1トリガ信号に基づいて、上記残量判断手段が第1状態を判断しており、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知した後に上記交換入力手段にインクカートリッジを交換していないとの入力がされており、かつ上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知した後に発生された第2トリガ信号に基づいて、上記インク残量判断手段がインク残量の2状態のうち残量が多い方の第2状態であると判断たことを条件として、上記第2記憶手段が記憶する第1カウント数をリセットする第2リセット手段と、を具備する。
【0013】
カートリッジ装着部に対してインクカートリッジが操作される前に、第1トリガ信号をトリガとして第1状態が判断されており、カートリッジ装着部に対してインクカートリッジが操作された後に、インクカートリッジが交換されていないと入力されると、第1カウント数が直ちにリセットされずに継続される。そして、第2トリガ信号をトリガとして第2状態が判断されると、第1カウント数がリセットされる。これにより、ユーザがインクカートリッジを交換していないと入力し、かつインクの付着や泡などにより残量検知部が第2状態を示していても、その後に発生される第2トリガ信号まで第1カウント数がリセットされずに継続される。そして、付着したインクが流れ落ちたり泡が消失したりすることにより、第2トリガ信号に基づいて第1状態が判断されると、第1カウント数がリセットされない。
【0014】
本発明は、カートリッジ装着部にインクカートリッジが着脱可能に設けられており、当該インクカートリッジから供給されたインクをインク滴として吐出することにより、被記録媒体に画像記録を行う記録部を備えた画像記録装置に関する。上記インクカートリッジは、インクが貯留されるインク室と、上記インク室に貯留されたインクを外部へ流出させるインク供給部と、上記インク室からインクが流入可能に設けられており、インク室に貯留されたインク量の変化に基づいて透光状態が変化する残量検知部と、を具備する。上記カートリッジ装着部は、上記インクカートリッジが装着された状態において上記インク供給部と接続されてインクを流通させる被接続部と、上記インクカートリッジが装着された状態において上記残量検知部を通過する光を検知するセンサと、を具備する。当該装置は、上記記録部が吐出したインク滴をカウントするカウンタと、上記センサの出力信号を判定するためのトリガ信号を発生するトリガ信号発生手段と、トリガ信号をトリガとして、上記センサの出力信号に基づいて上記インク室のインク残量の少なくとも2状態を判断するインク残量判断手段と、上記インク残量判断手段により判断されたインク残量の状態を記憶する第1記憶手段と、上記インク残量判断手段が、インク残量の2状態のうち残量が少ない方の第1状態であると判断した後に、上記カウンタによりカウントされた第1カウント数を積算して記憶する第2記憶手段と、上記カートリッジ装着部が操作されたことを検知する操作検知手段と、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知したことを条件として、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知する前の第1トリガ信号に応じたインク残量の状態が第1状態であり、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知した後に発生された第2トリガ信号に応じたインク残量の状態が、インク残量の2状態のうち残量が多い方の第2状態であり、かつ上記第2トリガ信号の次の第3トリガ信号に基づいて上記インク残量判断手段が第2状態を判断したことを条件として、上記第2記憶手段が記憶する第1カウント数をリセットする第3リセット手段と、を具備する画像記録装置。
【0015】
カートリッジ装着部に対してインクカートリッジが操作される前に、第1トリガ信号をトリガとして第1状態が判断されており、カートリッジ装着部に対してインクカートリッジが操作された後に、第2トリガ信号をトリガとして第2状態が判断され、かつ第3トリガ信号をトリガとして第2状態が判断されると、第1カウント数がリセットされる。これにより、インクの付着や泡などにより残量検知部が第2状態を示していても、その後に発生される第3トリガ信号までに、付着したインクが流れ落ちたり泡が消失したりすることにより、第3トリガ信号に基づいて第1状態が判断されると、第1カウント数がリセットされずに交換されていないインクカートリッジのインク残量に適合したカウントアップがされる。
【0016】
本発明は、カートリッジ装着部にインクカートリッジが着脱可能に設けられており、当該インクカートリッジから供給されたインクをインク滴として吐出することにより、被記録媒体に画像記録を行う記録部を備えた画像記録装置に関する。上記インクカートリッジは、インクが貯留されるインク室と、上記インク室に貯留されたインクを外部へ流出させるインク供給部と、上記インク室からインクが流入可能に設けられており、インク室に貯留されたインク量の変化に基づいて透光状態が変化する残量検知部と、を具備する。上記カートリッジ装着部は、上記インクカートリッジが装着された状態において上記インク供給部と接続されてインクを流通させる被接続部と、上記インクカートリッジが装着された状態において上記残量検知部を通過する光を検知するセンサと、を具備する。当該装置は、上記記録部が吐出したインク滴をカウントするカウンタと、上記センサの出力信号を判定するためのトリガ信号を発生するトリガ信号発生手段と、上記トリガ信号をトリガとして、上記センサの出力信号に基づいて上記インク室のインク残量の少なくとも2状態を判断するインク残量判断手段と、上記インク残量判断手段により判断されたインク残量の状態を記憶する第1記憶手段と、上記インク残量判断手段が、インク残量の2状態のうち残量が少ない方の第1状態であると判断した後に、上記カウンタによりカウントされた第1カウント数を積算して記憶する第2記憶手段と、当該装置の電源がオフからオンにされたことを検知する電源検知手段と、上記インク残量判断手段が、上記電源検知手段が電源がオンにされたこと検知する前の第4トリガ信号に基づいて第1状態であると判断しており、かつ上記電源検知手段が電源がオンにされたと検知した後に発生された第5トリガ信号に基づいて第2状態であると判断しており、かつ当該第5トリガ信号の次の第6トリガ信号に基づいて第2状態であると判断したことを条件として、上記第2記憶手段が記憶する第1カウント数をリセットする第3リセット手段と、を具備する。
【0017】
電源がオフにされる前に、第4トリガ信号をトリガとして第1状態が判断されており、電源がオンにされた後に、第5トリガ信号をトリガとして第2状態が判断され、その後に第6トリガ信号に基づいて第2状態が判断されると、第1カウント数がリセットされる。これにより、電源がオフである間に、ユーザーがインクカートリッジを交換したときに、第5トリガ信号及び第6トリガ信号に基づいて第2状態が判断されると、第1カウント数がリセットされる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、インクカートリッジが交換されたか否かを示すユーザの入力が誤っている場合であっても、インクカートリッジの交換を確実に検知して、正確な残量検知を実行することができる。
【0019】
また、本発明によれば、カートリッジ装着部が操作された後に第2状態が判断されても直ちにカウント数がリセットされず、その後のトリガ信号をトリガとして第2状態が判断されるとカウント数がリセットされる。これにより、インクの付着や泡などにより残量検知部が第2状態を示していてもカウント数が直ちにリセットされることがなく、泡の消失などによって第1状態となれば、交換されていないインクカートリッジのインク残量に適合した正確な残量検知が実行することができる。
【0020】
また、本発明によれば、装置の電源がオフである間にインクカートリッジが交換された場合であっても、インクカートリッジの交換を確実に検知して、正確な残量検知を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る複合機10の外観構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、プリンタ部11の内部構造を模式的に示す模式断面図である。
【図3】図3は、クリーニング機構81及び廃インクトレイ82を示す模式図である。
【図4】図4は、インクカートリッジ30の外観構成を示す斜視図である。
【図5】図5は、インクカートリッジ30の内部構成を示す縦断面図である。
【図6】図6は、カートリッジ装着部110の構成を示す斜視図である。
【図7】図7は、カートリッジ装着部110の正面図である。
【図8】図8は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態を示す縦断面図である。
【図9】図9は、制御部90の構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入された直後の状態を示すカートリッジ装着部110の断面図である。
【図11】図11は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入されて第1突起45のリブ48が検知された状態を示すカートリッジ装着部110の断面図である。
【図12】図12は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入されてスライド部材135のリブ138が検知された状態を示すカートリッジ装着部110の断面図である。
【図13】図13は、インクカートリッジ交換の判定処理を示すフローチャートである。
【図14】図14は、インクカートリッジ交換の判定処理を示すフローチャートである。
【図15】図15は、インクカートリッジ交換の判定処理を示すフローチャートである。
【図16】図16は、第1変形例におけるインクカートリッジ交換の判定処理を示すフローチャートである。
【図17】図17は、第1変形例におけるインクカートリッジ交換の判定処理を示すフローチャートである。
【図18】図18は、第2変形例におけるインクカートリッジ交換の判定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明が具体化された一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0023】
[複合機10の概略構成]
図1に示されるように、複合機10は、プリンタ部11とスキャナ部12を一体的に備え、プリント機能、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能を有する。プリンタ部11が請求項にかかる画像記録装置に相当する。なお、プリンタ部11以外の機能は任意であり、例えば、スキャナ部12がなく、スキャン機能やコピー機能を有しない単機能のプリンタとして本発明にかかる画像記録装置が実施されてもよい。
【0024】
複合機10には、下側にプリンタ部11が配置され、上側にスキャナ部12が配置されている。プリンタ部11は、主にコンピュータなどの外部情報機器と接続されて、外部情報機器から送信された画像データや文書データを含む印刷データに基づいて、被記録媒体に画像や文字を記録する。スキャナ部12は、所謂フラットベッドスキャナである。
【0025】
複合機10は、幅広薄型の概ね直方体の外形である。プリンタ部11は、正面に開口13が設けられている。開口13の内部には、給紙トレイ15及び排紙トレイ16が設けられている。給紙トレイ15に収容された記録用紙が、プリンタ部11の内部へ給送されて所望の画像が記録され、画像記録後の記録用紙が排紙トレイ16へ排出される。
【0026】
複合機10の正面上部には、操作パネル14が設けられている。操作パネル14において、プリンタ部11及びスキャナ部12に所望の動作をさせるための所定の入力が行われる。操作パネル14は、入力を行うための複数のボタンや、インク残量状態やエラー表示などを行うためのディプレイを有する。なお、複合機10に外部情報機器が接続されていると、外部情報機器からプリンタドライバやスキャナドライバなどの通信ソフトを通じて送信される指示に基づいても、複合機10は動作する。操作パネル14が、請求項における交換入力手段、インク残量表示手段に相当する。
【0027】
[プリンタ部11の概要]
図2に示されるように、プリンタ部11は、インクジェット記録方式に基づいて、記録用紙に対してインク滴を選択的に吐出することにより画像を記録するものである。プリンタ部11は、インク供給装置100を備えている。インク供給装置100には、カートリッジ装着部110が設けられている。カートリッジ装着部110には、インクカートリッジ30が装着され得る。カートリッジ装着部110には、その一面が外部に開放された開口112が設けられている。インクカートリッジ30は、開口112を介してカートリッジ装着部110に挿入され、或いはカートリッジ装着部110から抜き出される。図1に示されるように開口112は、カバー113により開閉される。同図には現れていないが、カバー113の開閉はセンサ124により検知される。
【0028】
インクカートリッジ30には、プリンタ部11で使用可能なインクが貯留されている。カートリッジ装着部110に装着された状態において、インクカートリッジ30と記録ヘッド21とがインクチューブ20で接続されている。記録ヘッド21にはサブタンク28が設けられている。サブタンク28は、インクチューブ20を通じて供給されるインクを一時的に貯留する。記録ヘッド21は、インクジェット記録方式によって、サブタンク28から供給されたインクをノズル29から選択的に吐出する。
【0029】
給紙トレイ15から給紙ローラ23によって搬送路24へ送給された記録用紙は、搬送ローラ対25によってプラテン26上へ搬送される。記録ヘッド21は、プラテン26上を通過する記録用紙に対してインクを選択的に吐出する。これにより、画像が記録用紙に記録される。プラテン26を通過した記録用紙は、排出ローラ対22によって、搬送路24の最下流側に設けられた排紙トレイ16に排出される。なお、図1においては、給紙トレイ15の下方にセカンドトレイ17が設けられているが、セカンドトレイ17は任意の構成なので、ここでは詳細な説明が省略される。
【0030】
図3に示されるように、記録ヘッド21の画像記録範囲外であって走査可能範囲の両端側には、クリーニング機構81及び廃インクトレイ82がそれぞれ配設されている。クリーニング機構81は、記録ヘッド21のノズルから気泡や異物を吸引除去するためのものである。クリーニングにおいては、記録ヘッド21が走査可能範囲の右端に移動され、クリーニング機構81のキャップ83が上方へ移動して、ノズルの周囲を覆うようにして記録ヘッド21の下面に密着し、キャップ83と連結されたポンプ84が吸引動作を行うことにより、記録ヘッド21のノズルからインクが吸引される。
【0031】
廃インクトレイ82はフラッシングと呼ばれる記録ヘッド21からのインクの空吐出を受けるためのものである。フラッシングにおいては、記録ヘッド21が走査可能範囲の左端に移動され、その位置で記録ヘッド21からインク滴が廃インクトレイ82へ向かって吐出される。
【0032】
[インクカートリッジ30]
図4,5に示されるように、インクカートリッジ30はインクが貯留される容器である。インクカートリッジ30の内部に形成されている空間がインクを貯留するインク室36である。インク室36は、インクカートリッジ30の外観を形成している本体31により形成されてもよいし、本体31とは別の部材によって形成されてもよい。
【0033】
インクカートリッジ30は、図4,5に示された起立状態、つまり、同図の下側の面を底面とし、同図の上側の面を上面として、カートリッジ装着部110に対して矢印50で示される方向(以下「挿抜方向50」と称する。)に沿って挿抜される。インクカートリッジ30は、起立状態のままカートリッジ装着部110に挿抜される。この起立状態が、装着姿勢に相当する。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される向きが装着向き56であり、抜き出される向きが脱抜向き55である。また、起立状態における高さ方向52が、重力方向に相当する。すなわち、インクカートリッジ30は、挿抜方向50に沿ってカートリッジ装着部110に挿入され、また、挿抜方向50に沿ってカートリッジ装着部110から抜き出される。
【0034】
インクカートリッジ30は、略直方体形状の本体31を有する。本体31は、幅方向(左右方向)51に細く、高さ方向52と奥行き方向(前後方向)53が幅方向51よりも大きい扁平形状である。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ装着されるときに装着向き56前方側となる本体31の壁が前壁40であり、装着向き56後方側となる本体31の壁が後壁42である。前壁40と後壁42とは、挿抜方向50において対向している。前壁40及び後壁42は、挿抜方向50に延びる左右一対の側壁、側壁と前壁40及び後壁42とを接続し、かつ前壁40の上端から後壁42の上端に向けて延びる上壁39、及び前壁40の下端から後壁42の下端に向けて延びる下壁41、の4つの壁によりそれぞれ区画されている。なお、挿抜方向50は奥行き方向53と平行である。
【0035】
本体31の前壁40における高さ方向52の中央付近には、残量検知部33が設けられている。残量検知部33は、後述される第1突起45のリブ48の装着向き56の先端、第2突起46の装着向き56の先端、及び被検出子49より装着向き56の後ろ側に配置されている。残量検知部33は、インク室36に通ずるように、一方が開口である箱形である。また、残量検知部33は、光センサ114(図6参照)から出射された光を透過させる透光性の樹脂からなる一対の壁を有する。
【0036】
図5に示されるように、残量検知部33の左右一対の壁の間はインクを貯留可能とするために中空とされている。残量検知部33の左右一対の壁の間にはセンサーアーム60のインジケータ部62が位置している。センサーアーム60は、板状のアーム本体61の両端に、インジケータ部62及びフロート部63とがそれぞれ設けられたものである。センサアーム60は、インク室36において、幅方向51に沿って延びる支軸64により回動可能に支持されている。センサーアーム60は、インク室36に存在するインク量に対応して、インジケータ部62が残量検知部33の重力方向下側に位置する下位姿勢と、インジケータ部62が残量検知部33の重力方向上側に位置する上位姿勢に姿勢変化可能である。なお、図5では、インクが所定量以上あり、インジケータ部62が下位姿勢である状態が示されている。
【0037】
インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態において、カートリッジ装着部110に設けられた光センサ114に対して、残量検知部33は、赤外光を所定量以上透過させる状態と、残量検知部33が赤外光を所定量未満に遮光又は減衰させる状態とに変化する。インジケータ部62が上位姿勢であれば残量検知部33は赤外光を透過させ、インジケータ部62が下位姿勢であれば、残量検知部33は赤外光を遮光又は減衰させる。この残量検知部33の透光状態に応じて、インク室36内のインク残量が所定量未満になったことが判定される。
【0038】
なお、残量検知部33には、センサーアーム60がなくてもよい。後述されるように、光センサ114は、発光素子118と受光素子119とが水平方向に対向されている。そして、発光素子118から出射された光は受光素子119に受光される。そして、残量検知部33内にインクがある状態では、発光素子118から出射された赤外光が遮断又は減衰され、残量検知部33内にインクがない状態では、発光素子118から出射された赤外光が所定量以上透過されるように構成されていてもよい。さらに、残量検知部33が柔らかいフィルムで構成されていてもよい。つまり、残量検知部33内にインクがある状態ではフィルムが膨らんでおり、このフィルムに回動可能なレバーが接触することによって、レバーが赤外光を遮断する位置に保持される。一方、残量検知部33内にインクがない状態ではフィルムが萎んでおり、回動可能なレバーが下方又は上方へ回動して赤外光を遮断しない位置へ回動するように構成されていてもよい。また、残量検知部33内にインクがある状態では、発光素子118から出射された赤外光が受光素子119に到達しないように反射され、残量検知部33内にインクがない状態では、発光素子118から出射された赤外光が受光素子119に到達するように反射されるように構成されていてもよい。
【0039】
図5に示されるように、本体31の前壁40における残量検知部33の上側に前壁40を奥行き方向53へ貫通する開口34が形成されており、その開口34よりも挿抜方向50における後壁42側に、大気連通口32が設けられている。大気連通口32は、インク室36を形成している壁を奥行き方向53へ貫通する貫通孔である。大気連通口32を介してインク室36の空気層と大気とが連通され得る。
【0040】
大気連通口32は、大気連通バルブ80によって開閉可能に構成されている。大気連通口32が開かれることによって、負圧に維持された状態のインク室36の気圧が外気圧となる。この大気連通口32は、必ずしも前壁40側に設けられる必要はなく、インク室36の内部と外部とを連通させるものであれば配置は限定されない。また、インク室36内が負圧に維持された状態でインクカートリッジ30が使用される場合は、大気連通口32は必ずしも設けられなくてもよい。
【0041】
図5に示されるように、本体31の前壁40における残量検知部33の下側に、インク供給部37が設けられている。インク供給部37は、円筒形状の外形をなしており、前壁40から挿抜方向50に沿って外側へ突出している。インク供給部37の突出端にはインク供給口71が形成されている。このインク供給口71からインク供給部37の内部空間を通じて、挿抜方向50に延びてインク室36へ通ずるインク流路38が形成されている。インク供給口71は、インク供給バルブ70によって開閉可能に構成されている。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されると、カートリッジ装着部110に設けられたインクニードル122(図8参照)が、インク供給口71に挿入されてインク供給バルブ70を開く。これにより、インク流路38を通ってインク室36から、カートリッジ装着部110に設けられたインクニードル122へインクが流出される。
【0042】
なお、インク供給口71は、必ずしもインク供給バルブ70によって開閉可能な構成に限定されず、例えば、インク供給口71がフィルムなどで閉塞されており、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されると、インクニードル122がフィルムを突き破ることによりインク供給口71が開かれる構成であってもよい。
【0043】
本体31の上壁39における奥行き方向53の中央付近には、被係合部43が形成されている。被係合部43は、インクカートリッジ30の幅方向51及び高さ方向52に拡がる平面を有する突起である。被係合部43には、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態で、後述されるロックレバー145が係合する。この被係合部43は、インクカートリッジ30を脱抜向き55に押し出させる付勢力を受けるものである。
【0044】
本体31には、第1突起45及び第2突起46が設けられている。第1突起45は、本体31の前壁40の上端に、前壁40から後壁42から離れる向き(装着向き56)に沿ってインク室36から離れる向きへ延びるように設けられている。第1突起45の幅は、前壁40の幅と同じである。第1突起45は、前壁40から後壁42から離れる向き(装着向き56)へ突出されている。第1突起45の先端は、インク供給部37の先端であるインク供給口71より後壁42から離れる向き(装着向き56)の前側まで突出されている。本実施形態においては、この第1突起45は、前壁40の幅と同幅としているが、前壁40の幅より狭い幅(縦、横)の板状のものであってもよい。第1突起45における幅方向51の中央には奥行き方向53へ延びる溝47が形成されている。溝47は、第1突起45において高さ方向52の上向きに開口している。溝47の高さ方向52に沿った断面形状は凹型である。また、溝47においてインク室36から離れる向きの先端は開口している。
【0045】
溝47の内部空間において、溝47の底面の幅方向51の中央には、高さ方向52及び奥行き方向53へ延びるリブ48が設けられている。リブ48は、溝47の底面から上向きに起立されている。リブ48における幅方向51の両側面は、溝48において幅方向51に対向する一対の側面とそれぞれ対向し、かつ平行である。リブ48は、幅方向51へ進む光を遮断又は減衰させるものであり、光センサ116によって検知され得る。第1突起45のリブ48が前壁40から後壁42から離れる向き(装着向き56)へ突出される寸法は、インクカートリッジ30の種別に応じて変更される。インクカートリッジ30の種別とは、インクの色や成分の違い、インク室36に最初に貯留されるインクの量の違いなどである。
【0046】
第2突起46は、本体31の前壁40の下端に設けられている。したがって、第2突起46は、インク供給部37の下方に配置されている。第2突起46の幅は、前壁40の幅と同じである。第2突起46は、前壁40から後壁42から離れる向き(装着向き56)へ突出されている。第2突起46の先端は、後壁42から離れる向き(装着向き56)において、インク供給部37の先端であるインク供給口71の前側まで突出されている。第2突起46が前壁40から後壁42から離れる向き(装着向き56)へ突出される寸法は、インクカートリッジ30の種別に応じて変更される。インクカートリッジ30の種別とは、インクの色や成分の違い、インク室36に最初に貯留されるインクの量の違いなどである。なお、本実施形態では、カートリッジ装着部110において、第2突起46が間接的に検知されているが、前述された第1突起45のリブ48のようになリブが第2突起46に設けられて、第2突起のリブが光センサ117により直接検知されるように構成されてもよい。
【0047】
本体31の前壁40において、高さ方向52における第1突起45と第2突起46との間であって、残量検知部33の後壁42から離れる向き(装着向き56)の前側に、幅方向51に進む赤外光を減衰又は遮断する被検出子49が設けられている。被検出子49は、幅方向51において残量検知部33とほぼ同じ幅である。この幅は、光センサ114の発光素子118と受光素子119(図5参照)との間に進入可能な寸法である。なお、被検出子49は、残量検知部33の一部として光透過性樹脂により構成されていてもよい。この場合、被検出子49は、赤外光を減衰させるだけの幅方向51の厚みを有する。また、この光透過性樹脂は、赤外光を減衰又は反射する程度の厚みを有したり、着色剤を含んだりするものであってもよい。
【0048】
被検出子49と残量検知部33とは、奥行き方向53において所定の間隔が隔てられて配置されている。この間隔は、幅方向51に進む赤外光が所定量未満には減衰されることなく通過するものである。被検出子49の奥行き方向53に沿った寸法は、インクカートリッジ30の種別に応じて変更される。インクカートリッジ30の種別とは、インクの色や、顔料又は染料などの成分の違い、インク室36に最初に貯留されるインクの量の違いなどである。
【0049】
第1突起45、第2突起46及び被検出子49は、いずれもが残量検知部33よりも後壁42から離れる向き(装着向き56)へ突出されている。つまり、インクカートリッジ30において、第1突起45、第2突起46及び被検出子49は、残量検知部33よりも装着向き56の前側に配置されており、残量検知部33は、第1突起45、第2突起46及び被検出子49よりも後壁42に近づく向き(装着向き56の後ろ側)に配置されている。残量検知部33及びインク供給口71は、高さ方向52においていずれもが第1突起45と第2突起46との間に配置されている。
【0050】
図4に示されるように、本体31の上壁39には、奥行き方向53に渡って延びるガイド部35が設けられている。ガイド部35は、上壁39から上方へ突出されたリブ又は突片によって構成されている。ガイド部35において幅方向51に対向する一対の側壁の間の距離は、本体31において幅方向51に対向する一対の側壁の間の距離より短い。つまり、ガイド部35の幅方向51の寸法は、本体31の幅方向51の寸法より小さい。
【0051】
本体31の下壁41には、奥行き方向53に渡って延びるガイド部44が設けられている。ガイド部44は、下壁41から下方へ突出されたリブ又は突片によって構成されている。ガイド部44において幅方向51に対向する一対の側壁の間の距離は、本体31において幅方向51に対向する一対の側壁の間の距離より短い。つまり、ガイド部44の幅方向51の寸法は、本体31の幅方向51の寸法より小さい。ガイド部35,44は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ挿抜される際に、後述されるガイド溝109に挿入されて移動されるものである。
【0052】
[インク供給装置100]
図2に示されるように、インク供給装置100は、プリンタ部11に設けられている。インク供給装置100は、プリンタ部11が備える記録ヘッド21へインクを供給するものである。インク供給装置100は、インクカートリッジ30を装着可能なカートリッジ装着部110を備えている。なお、図2においては、カートリッジ装着部110にインクカートリッジ30が装着された状態が示されている。
【0053】
[カートリッジ装着部110]
図6,7に示されるように、カートリッジ装着部110の筐体を形成するケース101は、プリンタ部11の正面側に開口112を有する。開口112を通じてケース101へインクカートリッジ30が挿抜される。インクカートリッジ30は、ケース101の内部空間の天部を画定している天面に設けられたガイド溝109にガイド部35が挿入され、ケース101の内部空間の底部を画定している底面に設けられたガイド溝109にガイド部44が挿入されることによって挿抜方向50へ案内される。ケース101には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応する4つのインクカートリッジ30が収容可能である。
【0054】
ケース101には、内部空間を縦方向に長い4つの空間に仕切り分ける3つのプレート102が設けられている。このプレート102によって仕切り分けられた各空間それぞれにインクカートリッジ30が収容される。プレート102は、ケース101において開口112と反対側となる終面側に設けられている。
【0055】
図7に示されるように、ケース101の終面の下部に被接続部103が設けられている。被接続部103は、終面において、ケース101に装着された各インクカートリッジ30のインク供給部37に対応する位置にそれぞれ配置されている。本実施形態では、ケース101に収容可能な4つのインクカートリッジ30に対応して4つの被接続部103が設けられている。
【0056】
被接続部103は、インクニードル122と、保持部121とを有する。インクニードル122は、管状の樹脂針からなる。インクニードル122は、ケース101の終面と表裏をなす外面側でインクチューブ20に接続されている。各インクニードル122からケース101の終面と表裏をなす外面側へ引き出された各インクチューブ20は、ケース101の当該外面に沿って上方へ引き上げられたのち、プリンタ部11の記録ヘッド21へインクを流通可能に延出されている。
【0057】
保持部121は、円筒状に形成されている。保持部121の中心にインクニードル122が配置されている。図8に示されるように、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されると、インク供給部37が保持部121の円筒の内側に挿入される。このとき、インク供給部37の外周面が保持部121の円筒の内周面に密着する。これにより、インク供給部37が保持部121へ所定の間隔をもって挿入される。インク供給部37が保持部121へ挿入されると、インクニードル122がインク供給部37のインク供給口71に挿入される。これにより、インク室36に貯留されているインクが外部へ流出可能となる。インク室36から流出されたインクは、インクニードル122へ流入する。
【0058】
図7,8に示されるように、ケース101の終面において、被接続部103より重力方向の上側にセンサユニット104が設けられている。センサユニット104は、基板113と、光センサ114とを備える。基板113に光センサ114が装着されることで、センサユニット104が構成されている。センサユニット104には、4つの光センサ114が設けられている。これら4つの光センサ114は、ケース101に収容可能な4つのインクカートリッジ30に対応している。4つの光センサ114は、各プレート102の間において、ケース101の幅方向に(幅方向51と一致する)に一列に配列されている。
【0059】
各光センサ114は、LEDなどの発光素子118と、フォトトランジスタなどの受光素子119とをそれぞれ有する。発光素子118及び受光素子119は、それぞれが筐体に囲まれている。光センサ114は、この筐体により形成される外形が馬蹄形である。発光素子118は、筐体から一方向へ光を照射可能である。受光素子は、筐体に対して一方向から照射された光を受光可能である。このような発光素子118と受光素子119とが、馬蹄形の筐体において所定の間隔を空けて対向配置されている。発光素子118と受光素子119との間の空間には、インクカートリッジ30の残量検知部33及び被検出子49が進入可能とされる。光センサ114の光路に残量検知部33又は被検出子49が進入すると、光センサ114は、残量検知部33又は被検出子49による透過光量の変化を検知し得る。この光センサ114が、請求項におけるセンサに相当する。
【0060】
図8に示されるように、ケース101の天面の終面側にはセンサユニット105が設けられている。センサユニット105は、基板115と、光センサ116とを備える。基板115に光センサ116が装着されることで、センサユニット105が構成されている。センサユニット105には、4つの光センサ116が設けられている。これら4つの光センサ116は、ケース101に収容可能な4つのインクカートリッジ30に対応している。4つの光センサ116は、各プレート102の間において、ケース101の幅方向に(幅方向51と一致する)に一列に配列されている。
【0061】
ケース101にインクカートリッジ30が装着されると、光センサ116の光路に第1突起45のリブ48が進入する。このときの光センサ116の信号の変化を検知することで、インクカートリッジ30の装着状態が判定され得る。光センサ116は、光センサ114と同様に、発光素子及び受光素子を有するものなので、ここでは、光センサ116の詳細な構成の説明が省略される。
【0062】
図7に示されるように、スライド部材135は、カートリッジ装着部110の終面の下端側に形成された空間130に配置されている。本実施形態では、ケース101に収容可能な4つのインクカートリッジ30に対応して4つのスライド部材135が設けられている。空間130は、カートリッジ装着部110の内部空間と連続している。スライド部材135は、空間130において挿抜方向50に沿って延出された支持ロッド133によって挿抜方向50に沿ってスライド可能に支持されている。スライド部材135は、概ね直方体の外形をなす。スライド部材135の上端には、挿抜方向50に沿って延びるリブ136が設けられている。スライド部材135は、インクカートリッジ30の第2突起46の挿入経路に配置されており、第2突起46と当接可能である。
【0063】
空間130にはコイルバネ139が設けられている。コイルバネ139は、スライド部材135を開口112側、つまり、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から抜き出される向きへ、つまり開口112へ向かって、インクカートリッジ30を弾性付勢するものである。コイルバネ139は、空間130において挿抜方向50に沿って延出された支持ロッド133に外嵌されて、空間130の終端を画定している終壁131とスライド部材135との間に介在されている。コイルバネ139が自然長である場合、つまり、スライド部材135に外力が加えられていない状態では、スライド部材135は、開口112側の所定の第1位置(図10参照)に配置される。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入される過程で、インクカートリッジ30の第2突起46がスライド部材135に当接して、スライド部材135が空間130の終壁131側へ押圧される。これにより、コイルバネ139が収縮されるとともに、スライド部材135が終壁131側の第2位置(図8参照)へスライドされる。収縮したコイルバネ139は、スライド部材135を介してインクカートリッジ30を脱抜向き55へ付勢する。
【0064】
図8に示されるように、ケース101の終面において、被接続部103より重力方向の下側であって、スライド部材135より重力方向の上側にセンサユニット107が設けられている。センサユニット104は、基板111と、光センサ117とを備える。基板111に光センサ117が装着されることで、センサユニット107が構成されている。センサユニット107には、4つの光センサ117が設けられている。これら4つの光センサ117は、ケース101に収容可能な4つのインクカートリッジ30に対応している。換言すれば、4つの光センサ117は、4つのスライド部材135に対応している。4つの光センサ117は、空間130の上側において、ケース101の幅方向に(幅方向51と一致する)に一列に配列されている。
【0065】
ケース101にインクカートリッジ30が装着されると、スライド部材135が空間130の終壁131側へスライドされて、リブ136が光センサ117の光路(検知位置)に進入して、光センサ117に検知され得る。光センサ117は、光センサ114と同様に、発光素子及び受光素子を有するものなので、ここでは、光センサ117の詳細な構成の説明が省略される。
【0066】
カートリッジ装着部110において、光センサ114の検知位置は、光センサ116,117の各検知位置のいずれよりも、装着向き56の後ろ側に配置されている。
【0067】
ケース101には、ロックレバー145が設けられている。ロックレバー145は、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30を、コイルバネ139の付勢力に抗して、装着状態に維持するためのものである。ロックレバー145は、ケース101の開口112の上側に設けられている。本実施形態では、ケース101に装着可能な4つのインクカートリッジ30に対応して4つのロックレバー145が設けられている。
【0068】
ロックレバー145は、全体がアーム状に形成されている。ロックレバー145の中央付近に支軸147が設けられている。この支軸147がケース101に支持されている。これにより、ケース101の開口112の上側においてロックレバー145が支軸147を中心に回動可能に支持されている。ロックレバー145は、大別すると、操作部149と、係合部146とに大別される。操作部149は、ケース101の開口112から外側へ突出されている。操作部149は、ロックレバー145を回動させるための操作を受け付ける部分である。係合部146は、ケース101の内部へ進入している。係合部146は、インクカートリッジ30の被係合部43と係合可能である。係合部146が被係合部43と係合することにより、コイルバネ139に付勢されているインクカートリッジ30が、ケース101に対して装着状態に維持される。係合部146が被係合部43と係合可能な位置となるロックレバー145の回動位置(図8参照)がロック位置と称され、係合部146が被係合部43と係合しない位置(図10参照)がアンロック位置と称される。
【0069】
ロックレバー145には、コイルバネ148が取り付けられている。コイルバネ148によって、ロックレバー145は、ロック位置側へ付勢されている。ロック位置のロックレバー145に対して、操作部149が重力方向下向きへ押し下げられると、ロックレバー145がロック位置からアンロック位置へ回動される。
【0070】
[制御部90]
以下、図9が参照されつつ、制御部90の概略構成が説明される。
【0071】
制御部90は、プリンタ部11の全体動作を制御するものである。制御部90は、CPU91、ROM92、RAM93、EEPROM94、ASIC95を主とするマイクロコンピュータとして構成されている。制御部90が、請求項におけるカウンタ、インク残量判定手段、第1記憶手段、第2記録手段、第1リセット手段、第2リセット手段、第3リセット手段、カウント一時保持手段、操作検知手段、第1比較手段、電源検知手段として機能する。
【0072】
ROM92には、CPU91がプリンタ部11の各種動作を制御するためのプログラムや、後述する判定処理を実行するためのプログラムなどが格納されている。RAM93は、CPU91が上記プログラムを実行する際に用いるデータや信号等を一時的に記録する記憶領域、或いはデータ処理の作業領域として使用される。EEPROM94には、電源オフ後も保持すべき設定やフラグ等が格納される。例えば、ドットカウンタによるカウント積算値や、直前のトリガ信号に応じたインク残量状態が格納される。
【0073】
ASIC95には、光センサ114,116,117が接続されている。また、記録ヘッド21を駆動するための駆動回路96や、プリンタ部11に画像記録指示等を入力するための入力や、プリンタ部11に関する情報を表示する操作パネル114が接続されている。なお、図9には示されていないが、給紙ローラ23や搬送ローラ対25等の各ローラを駆動させる駆動回路なども接続されている。
【0074】
光センサ114,116,117は、受光素子が受光した光の強度に応じたアナログの電気信号(電圧信号又は電流信号)を出力する。制御部90は、各光センサ114,116,117が出力する電気信号を、所定のタイミングで監視して、その電気信号のレベル(電圧値又は電流値)が所定の閾値以上の場合にHIレベル信号と判定し、所定の閾値未満の場合にLOWレベル信号と判定する。なお、本実施形態では、各光センサ114,116,117の各検知位置において光が遮断又は減衰されている場合の出力信号がLOWレベル信号と判定され、遮断又は減衰されていない場合の出力信号がHIレベル信号と判定されるが、HIレベル信号又はLOWレベル信号の判定は相対的なものなので、電気信号のレベル(閾値)に対応する出力信号の種類が逆になってもよい。
【0075】
駆動回路96は、記録ヘッド21から所定のタイミングで各色インクを記録用紙に対して選択的に吐出させるものである。CPU91から出力される駆動制御手順に基づいてASIC95が出力信号を生成する。駆動回路96は、この出力信号を受けて、記録ヘッド96を駆動制御する。制御部90は、駆動回路96への出力信号により記録ヘッド21から吐出されるインク滴の数をカウントしている。つまり、制御部90がドットカウンタとして機能する。制御部90は、カウントしたインク滴の数の積算値をカウント積算値としてEEPROM94に格納する。
【0076】
[インクカートリッジ30の装着動作]
以下、図10〜12が参照されつつ、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される動作が説明される。
【0077】
図1に示されるように、カートリッジ装着部110の開口112は、プリンタ部11の筐体に設けられた開閉可能なカバー113によって閉じられている。インクカートリッジ30が装着されるときには、カバー113が開かれる。カバー113の開閉はセンサ124(図9参照)により検知される。このセンサ124の検知信号に基づいて、制御部90はカバー113が開かれたことを検知し得る。制御部90は、カバー113が開かれたことをトリガーとして、光センサ114,116,117から光が発光されるように制御を行う。
【0078】
図10に示されるように、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に対して装着向き56へ挿入されると、まず、ガイド部35の装着向き56の先端に形成された装着向き56前側へ傾斜する案内面が、ロックレバー145の係合部146に当接する。更にインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ挿入されると、ロックレバー145の係合部146がガイド部35に乗りあがる。これにより、ロックレバー145が図10における反時計回りに回動して、ロック位置からアンロック位置へ移動する。
【0079】
更にインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ挿入されると、図11に示されるように、被検出子49が光センサ114の検知位置を通過する。このとき、残量検知部33は、光センサ114の検知位置に到達していない。光センサ114が被検出子49を検出した後、残量検知部33が光センサ114の検知位置に到達する前に、光センサ114の出力信号がHIレベル信号からLOWレベル信号となり、再びHIレベル信号となる。制御部90は、光センサ114の出力信号の変化を監視しており、光センサ114の出力信号がLOWレベル信号からHIレベル信号に変化したことを条件として、被検出子49を検知したことを示すフラグを記憶する。
【0080】
また、更にインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ挿入されると、図11に示されるように、第1突起45のリブ48が、光センサ116の検知位置へ進入する。光センサ116がリブ48を検知することによって、光センサ116の出力信号がHIレベル信号からLOWレベル信号となる。制御部90は、光センサ116の出力信号の変化を監視しており、出力信号がLOW信号であることに基づいて、第1突起45のリブ48を検知する。
【0081】
制御部90は、光センサ116の出力信号がHIレベル信号からLOWレベル信号となったことを条件としてトリガー信号を発生する。このトリガー信号に基づいて、光センサ114,117の出力信号を判定する。
【0082】
インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される過程において、第2突起46はスライド部材135と当接する。インクカートリッジ30が更にカートリッジ装着部110に挿入されることにより、第1位置(図10参照)に位置されていたスライド部材は、コイルバネ139の付勢力に抗して、第2位置側へ、つまり、空間130の終壁131側へ押圧される。これにより、スライド部材135のリブ136が光センサ117の検知位置へ近づいていく。
【0083】
図11に示されるように、このインクカートリッジ30においては、光センサ116の出力信号がHIレベル信号からLOWレベル信号となったときに、つまり、トリガー信号が発生されたときに、スライド部材135のリブ136が光センサ117の検知位置に到達していない。したがって、光センサ117の出力信号はHIレベル信号である。
【0084】
制御部90は、光センサ116の出力信号がHIレベル信号からLOWレベル信号となったときの、光センサ114,117の各出力信号を記憶する。
【0085】
図12に示されるように、インクカートリッジ30が更にカートリッジ装着部110に挿入されると、スライド部材135のリブ136が光センサ117の検知位置に到達する。これにより、光センサ117の出力信号がHIレベル信号からLOWレベル信号に変化する。制御部90は、光センサ117の出力信号がLOWレベル信号であることに基づいて、スライド部材135のリブ136を検知する。
【0086】
図12に示されるように、インクカートリッジ30が更にカートリッジ装着部110に挿入されて、カートリッジ装着部110の装着位置にインクカートリッジ30が到達すると、残量検知部33が光センサ114の検知位置に到達する。また、インクニードル122がインク供給部37のインク供給口71に挿入されてインク供給口71が開かれる。この装着状態において、インク室33に貯留されたインクがインクニードル122を通じてインクチューブ20へ供給可能となる。
【0087】
インクカートリッジ30が装着位置に到達すると、被係合部43がロックレバー145の係合部146を装着向き56へ通り過ぎる。これにより、ロックレバー145の係合部146がガイド部35に支持されなくなるので、ロックレバー145が図12における時計回りへ回動し、係合部146が被係合部43と係合する。この係合部146と被係合部43との係合により、インクカートリッジ30は、スライド部材135から脱抜向き55へ受ける付勢力に抗して、装着位置に保持される。これにより、カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了する。
【0088】
また、インクカートリッジ30が装着位置に到達すると、インクカートリッジ30の第1突起45のリブ48、残量検知部33、及びスライド部材135のリブ138は、いずれも各光センサ114,116,117の検知位置へ進入する。したがって、センサーアーム60が下位姿勢であれば、各光センサ114,116,117の出力信号はいずれもLOWレベル信号となる。
【0089】
制御部90は、第1突起45のリブ48及びスライド部材135のリブ139を検知したことを条件として、つまり、光センサ116,117の出力信号が、いずれもLOW信号であることを条件として、インクカートリッジ30の種別を判定する。この種別の判定は、光センサ116の出力信号がHIレベル信号からLOWレベル信号に変化したときにおけるフラグの有無と、光センサ117の出力信号とに基づいて行われるが、ここでは、その詳細な説明は省略される。
【0090】
[インクカートリッジ30の残量判定]
以下、インクカートリッジ30の残量判定が説明される。
【0091】
図8に示されるように、カートリッジ装着部110にインクカートリッジ30が装着された状態で、光センサ114の発光素子118から光が出射されると、その光は残量検知部33に照射される。インク室36にインクが所定量以上満たされている状態では、残量検知部33に照射された光は、センサーアーム60のインジケータ部62によって遮られる。インク室36のインクが所定量未満になると、センサーアーム60が回動して、残量検知部33に照射された光が、センサーアーム60のインジケータ部62によって遮られない。つまり、インク室36が貯留するインク量によってセンサーアーム60の姿勢が変化し、センサーアーム60の姿勢変化によって残量検知部33の透光状態が変化する。受光素子119の受光量は、発光素子118から照射された光がインジケータ部62によって遮られるか否かによって異なる。この違いによって、受光素子119は、異なる電気信号を出力する。つまり、残量検知部33に照射された光がセンサーアーム60のインジケータ部62によって遮られている場合には、光センサ114はLOWレベル信号を出力し、残量検知部33に照射された光がセンサーアーム60のインジケータ部62によって遮られていない場合には、光センサ114はHIレベル信号を出力する。
【0092】
光センサ114から出力される電気信号の違いによって、インク室102内のインクが所定量未満であるか否かが制御部90により判断される。残量検知部33に照射された光がセンサーアーム60のインジケータ部62によって遮られており、その結果、光センサ114がLOWレベル信号を出力しているときには、制御部90は、インク残量をフルと判定する。フルが、請求項における第2状態に相当する。残量検知部33に照射された光がセンサーアーム60のインジケータ部62によって遮られておらず、その結果、光センサ114がHIレベル信号を出力しているときには、制御部90は、インク残量をニアエンプティと判定する。ニアエンプティが、請求項における第1状態に相当する。制御部90は、インク残量がフルからニアエンプティに変化した後のカウント積算値に基づいて、カウント積算値が所定の閾値を越えるとエンプティと判断する。エンプティが、請求項における第3状態に相当する。エンプティと判断するための閾値は、インクカートリッジ30においてセンサアーム60が回動するインク量を消費するためのインク滴の数として予め設定されている。
【0093】
制御部90は、インク残量の判定結果を操作パネル14に表示される。つまり、4個のインクカートリッジ30それぞれについて、フル、ニアエンプティ、エンプティの判定結果を表示する。この表示は、文字であっても画像であってもよい。画像は、例えば、インク量に対応した高さの棒グラフのような図形により表される。また、制御部90は、複合機10が接続されているパソコンなどの外部情報機器にインク残量の判定結果を送信し、それを受信した外部情報機器は、プリンタドライバに基づいてディスプレイなどに判定結果を表示する。
【0094】
制御部90は、前述されたインクカートリッジ30の装着過程において発生する光センサ114,116,117の出力信号以外の信号をトリガーとして、インクカートリッジ30の残量判定を行う。また、制御部90は、光センサ116,117が第1突起45のリブ48及びスライド部材135のリブ138が検知されていることを条件として残量判定を行う。光センサ116,117が第1突起45のリブ48及びスライド部材135のリブ138が検知しているか否かは、トリガーが発生した段階で判定されればよい。
【0095】
インクカートリッジ30の残量判定を行うためのトリガー信号は、例えば、センサ124の出力信号に基づいてカバー113が閉じられたとき、1頁分の画像記録を終了したとき、クリーニング機構81による記録ヘッド21のクリーニングが終了したとき、複合機10の電源がオンにされたとき、複合機10のコンセントが接続されたとき、スリープ状態にあるプリンタ部11が動作状態に復帰したときなどに発生される。このトリガー信号に基づいて判定された結果は、制御部90のEEPROM94に上書きして格納される。
【0096】
[インクカートリッジ30の交換の判定]
以下、インクカートリッジ30が交換されことの判定方法が説明される。インクカートリッジ30のインクが消費されてインク室36にインクが無くなると、インクが消費されたインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から抜き取られ、インク室36にインクが満たされた新たなインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入される。
【0097】
一般に、インクカートリッジ30の交換は、インク室36のインクが消費されて、光センサ114の出力に基づく残量判定の結果、制御部90がニアエンプティと判定し、さらに、制御部90がニアエンプティ後のカウント積算値に基づいてエンプティと判定し、その判定結果が操作パネル14等に表示されたことに基づいて行われるが、エンプティになる前のニアエンプティにおいてインクカートリッジ30が交換されることも想定される。また、インクカートリッジ30は、必ずしも交換されるとは限らず、例えば、ニアエンプティの状態でユーザがインク残量を確認するために、カートリッジ装着部110からインクカートリッジ30を抜き取り、そのインクカートリッジ30を再び装着することも想定される。
【0098】
インクカートリッジ30の交換やインクカートリッジ30の再装着において、ユーザは、カバー113を開く。カバー113の開放はセンサ124に検出される。そして、ユーザは、カーリッジ装着部110へ、新しいインクカートリッジ30を装着するか、或いは既に使用しているインクカートリッジ30を再び装着する。カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の挿抜は、前述されたように、光センサ114,116,117の検知信号により判定される。制御部90は、インクカートリッジ30が挿抜されたと判定したときは、インクカートリッジ30の挿抜を示すフラグをRAM93に格納する。そして、ユーザは、カバー113を閉じる。カバー113が閉じられたことは、センサ124により検出される。
【0099】
制御部90は、カバー113が閉じられたことを検知すると(図13:S1)、インクカートリッジ30の挿抜を示すフラグがRAM93に格納されているかを確認する(図13:S2)。インクカートリッジ30が挿抜されていないときは(図13:S2No)、インクカートリッジ交換を判定せずに終了する。インクカートリッジ30が挿抜されているときには(図13:S2Yes)、制御部90は、直前のインク残量の状態、つまり、フル、ニアエンプティ、エンプティのいずれかをRAM93に記憶させる(図13:S3)。そして、制御部90は、操作パネル14にインクカートリッジ交換を示す画面を表示させる(図13:S4)。この画面には、ユーザに対してインクカートリッジ30を交換したかを問い合わせるメッセージが表示される。ユーザは、この画面を見て、インクカートリッジ30を交換していれば「YES」を示す入力を行い、交換していなければ「NO」を示す入力を行う(図13:S5)。
【0100】
制御部90は、カバー113が閉じられたことを検知すると、インク残量を検出するためのトリガー信号を発生させる。このトリガー信号が、請求項における第2トリガー信号に相当する。これをトリガーとして、光センサ114から光がインクカートリッジ30の残量検知部33に光が照射される。前述されたように、光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていれば、インク室36に所定量以上のインクがある残量状態、つまりフルであると判定される。また、光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていなければ、インク室36に所定量以上のインクが無い残量状態、つまりニアエンプティ又はエンプティと判定される。
【0101】
制御部90は、ユーザからの「YES」の入力を受けているが(図13:S5Yes)、つまりインクカートリッジ30を交換したとの入力がされているが、インク残量がフルでなければ(図13:S6No)、インクカートリッジ30の装着が不完全であるか、新たなインクカートリッジ30が装着されていないと判定して、操作パネル14にエラー表示を行う(図13:S7)。
【0102】
制御部90は、ユーザからの「YES」の入力を受けており(図13:S5Yes)、かつインク残量がフルであれば(図13:S6Yes)、ニアエンプティ後にカウントしてEEPROM94に記憶させていたカウント積算値を一時的にEEPROM94の別領域に保存する(図13:S8)。このカウント積算値が、請求項における第1カウント値に相当する。そして、本来の記憶領域にあるカウント積算値をクリアする(図13:S9)。また、制御部90は、インクカートリッジ30が挿抜される前のインク残量状態を読み出して、フルであれば(図14:S11Yes)、インクカートリッジ交換判定を終了する。つまり、この場合は、フルの状態のインクカートリッジ30が挿抜されたに過ぎないということである。
【0103】
制御部90は、インクカートリッジ30が挿抜される前のインク残量状態を読み出して、ニアエンプティ又はエンプティであれば(図14:S11No)、インクカートリッジ交換の再判定を行う。インクカートリッジ30が挿抜される前のインク残量状態は、1頁分の印刷を行った後、クリーニング機構81によるクリーニングが終了した後、又はカバー113のが閉じられたことを検出した後などに基づいて生成されたトリガー信号をトリガーとして行われている。このトリガー信号が、請求項における第1トリガー信号に相当する。このとき、ユーザはインクカートリッジ30を交換したと入力しており、交換後の残量検知部33の検出結果もフルである。
【0104】
しかしながら、ユーザが入力を操作を誤ることが想定される。また、ニアエンプティ又はエンプティのインクカートリッジ30が再び挿入されているにも拘わらず、残量検知部33の内壁にインクが付着している状態であったり、インク室36のインクの界面に泡が発生して、センサアーム60のフロート部63が本来の界面の位置よりも押し上げられている状態であったりすることが想定される。このような状態において光センサ114によるインク残量の検出が行われると、インク室36のインク量は所定量未満であるにも拘わらず、残量検知部33において光センサ114の光が遮断されて、フルと同じ検出信号が出力されることになる。
【0105】
制御部90は、1頁分の印刷を行った後(図14:S12)、クリーニング機構81によるクリーニングが終了した後(図14:S13)、又はカバー113のが閉じられたことを検出した後(図14:S17)に、インク残量を検出するためのトリガー信号を生成する。このトリガー信号が第3トリガー信号に相当する。
【0106】
制御部90は、1頁分の印刷を行った後(図14:S12)、又はクリーニング機構81によるクリーニングが終了した後(図14:S13)に、光センサ114からインクカートリッジ30の残量検知部33へ光を照射する。光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていれば、インク室36に所定量以上のインクがある残量状態、つまりフルであると判定される(図14:S14Yes)。そして、制御部90は、インクカートリッジ交換の再判定を終了する。つまり、1頁分の印刷やクリーニングが行われる時間を経過すれば、残量検知部33の内壁に付着したインクは流れ落ち、インク室36のインクの界面に発生した泡も消失するので、その時間が経過した後にもインク残量状態がフルである検出信号が光センサ114から出力されていれば、インク室36に所定量以上のインクがあると確定される。
【0107】
一方、光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていなければ、インク室36に所定量以上のインクが無い残量状態、つまりニアエンプティ又はエンプティと判定されると(図14:S14No)、制御部90は、一時保存しているカウント積算値を読み出して、現在のカウント積算値とする(図14:S15)。そして、1頁分の印刷又はクリーニングによりカウントされたカウント値を、一時保存していたカウント積算値に加算する(図14:S16)。この加算後のカウント数が、請求項における第2カウントするに相当する。そして、制御部90は、インクカートリッジ交換の再判定を終了する。
【0108】
前述された時間を経過すると、インクカートリッジ30が交換されていないにも拘わらず、インク残量状態がニアエンプティ又はエンプティとなるということは、残量検知部33の内壁に付着したインクや、インク室36のインクの界面に発生した泡により、一時的に残量検知部33において光センサ114の光が遮断されており、インク室36には所定量以上のインクがなかったと想定される。そのときは、ユーザはインクカートリッジ30の交換を入力しているが、その入力が誤りであり、インクカートリッジ30は交換されなかったとして、インクカートリッジ30が挿抜される前のカウント積算値に基づいて、現在のカウント積算値がカウントされる。
【0109】
他方、制御部90は、カバー113が閉じられたことを検出した後(図14:S17)に、インクカートリッジ30の挿抜を示すフラグを読み出す。インクカートリッジ30が挿抜されていれば(図14:S18Yes)、カバー113が閉じられる前のインク残量状態をRAM93に格納して(図13:S3)、前述と同様に、ユーザにインクカートリッジ交換を問い合わせる画面を操作パネル14に表示させる(図13:S4)。
【0110】
インクカートリッジ30が挿抜されていなければ(図14:S18No)、光センサ114からインクカートリッジ30の残量検知部33へ光を照射する。光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていれば、インク室36に所定量以上のインクがある残量状態、つまりフルであると判定される(図14:S19Yes)。この場合、前述したように、残量検知部33の内壁に付着したインクや、インク室36のインクの界面に発生した泡の影響が想定されるので、インクカートリッジ交換の再判定が継続される。
【0111】
一方、光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていなければ、インク室36に所定量以上のインクが無い残量状態、つまりニアエンプティ又はエンプティと判定されると(図14:S19No)、制御部90は、一時保存しているカウント積算値を読み出して、現在のカウント積算値とする(図14:S20)。そして、制御部90は、インクカートリッジ交換の再判定を終了する。
【0112】
インクカートリッジ30が交換されていないにも拘わらず、インク残量状態がニアエンプティ又はエンプティとなるということは、残量検知部33の内壁に付着したインクや、インク室36のインクの界面に発生した泡により、一時的に残量検知部33において光センサ114の光が遮断されており、インク室36には所定量以上のインクがなかったと想定される。そのときは、ユーザはインクカートリッジ30の交換を入力しているが、その入力が誤りであり、インクカートリッジ30は交換されなかったとして、インクカートリッジ30が挿抜される前のカウント積算値が復帰される。
【0113】
制御部90が、操作パネル14にインクカートリッジ交換を示す画面を表示させ、ユーザが「NO」を示す入力を行うと(図13:S5No)、制御部90は、インクカートリッジ30が挿抜される前のインク残量状態を読み出して、フル又はエンプティであれば(図15:S21No)、インクカートリッジ交換の判定を終了する。インク残量状態がフル又はエンプティであれば、ニアエンプティ後のカウント積算値には影響しないからである。インクカートリッジ30が挿抜される前のインク残量状態を判断するトリガとなるトリガ信号が、請求項における第1トリガ信号に相当する。
【0114】
制御部90は、インクカートリッジ30が挿抜される前のインク残量状態を読み出して、ニアエンプティであれば(図15:S21Yes)、インクカートリッジ交換の再判定を行う。
【0115】
制御部90は、1頁分の印刷を行った後(図15:S22)、又はクリーニング機構81によるクリーニングが終了した後(図15:S23)に、光センサ114からインクカートリッジ30の残量検知部33へ光を照射する。光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていなければ(図15:S24No)、制御部90は、インクカートリッジ交換の再判定を終了する。つまり、ユーザの入力通り、インクカートリッジ交換がされなかったと確定される。1頁分の印刷を行った後(図15:S22)、又はクリーニング機構81によるクリーニングが終了した後(図15:S23)に、インク残量状態を判断するトリガとなるトリガ信号が、請求項における第2トリガ信号に相当する。
【0116】
一方、光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていれば、インク室36に所定量以上のインクがある残量状態、つまりフルと判定されると(図15:S24Yes)、制御部90は、カウント積算値をクリアする(図15:S25)。そして、制御部90は、インクカートリッジ交換の再判定を終了する。このカウント積算値が、請求項における第1カウント値に相当する。
【0117】
1頁分の印刷やクリーニングが行われる時間を経過すれば、残量検知部33の内壁に付着したインクは流れ落ち、インク室36のインクの界面に発生した泡も消失するので、その時間が経過した後にもインク残量状態がフルである検出信号が光センサ114から出力されていれば、インク室36に所定量以上のインクがあると確定される。そのときは、ユーザはインクカートリッジ30の交換を入力しているが、その入力が誤りであり、インクカートリッジ30は交換されたとして、現在のカウント積算値がクリアされる。
【0118】
他方、制御部90は、カバー113が閉じられたことを検出した後(図15:S26)に、インクカートリッジ30の挿抜を示すフラグを読み出す。インクカートリッジ30が挿抜されていれば(図15:S27Yes)、カバー113が閉じられる前のインク残量状態をRAM93に格納して(図13:S3)、前述と同様に、ユーザにインクカートリッジ交換を問い合わせる画面を操作パネル14に表示させる(図13:S4)。
【0119】
インクカートリッジ30が挿抜されていなければ(図15:S27No)、光センサ114からインクカートリッジ30の残量検知部33へ光を照射する。光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていれば、インク室36に所定量以上のインクがある残量状態、つまりフルであると判定される(図15:S28Yes)。この場合、前述したように、残量検知部33の内壁に付着したインクや、インク室36のインクの界面に発生した泡の影響が想定されるので、インクカートリッジ交換の再判定が継続される。
【0120】
一方、光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていなければ、インク室36に所定量以上のインクが無い残量状態、つまりニアエンプティ又はエンプティと判定されると(図15:S28No)、制御部90は、インクカートリッジ交換の再判定を終了する。つまり、ユーザが入力したとおり、インクカートリッジ30の交換がされなかったと確定される。
【0121】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、インクカートリッジ30が交換されたか否かを示すユーザの入力が誤っている場合であっても、インクカートリッジ30の交換を確実に検知して、正確な残量検知を実行することができる。
【0122】
また、カートリッジ装着部110へインクカートリッジ30が挿抜された後にインク残量状態がフルと判断されても直ちにカウント積算値がリセットされず、その後のトリガ信号をトリガとしてインク残量状態がフルと判断されるとカウント積算値がリセットされる。これにより、インクの付着や泡などにより残量検知部33を検出する光センサ114がフルを示す信号を出力していてもカウント積算値が直ちにリセットされることがなく、泡の消失などによってインク残量状態がニアエンプティ又はエンプティとなれば、交換されていないインクカートリッジ30のインク残量に適合した正確な残量検知が実行される。
【0123】
[第1変形例]
以下、上記実施形態の第1変形例が説明される。上記実施形態では、カートリッジ装着部110に対してインクカートリッジ30が挿抜された後に、ユーザにインクカートリッジ交換を問い合わす画面が操作パネル14に表示されることとされているが、この問い合わせなくインクカートリッジ交換が判定されてもよい。
【0124】
制御部90は、カバー113が閉じられたことを検知すると(図16:S31)、カバー113が開放される前のインク残量状態がフルであったか否かを読み出す(図16:S32)。インク残量状態がフルであれば(図16:S32Yes)、インクカートリッジ交換の判定を終了する。インク残量状態がフルであれば、ニアエンプティ後のカウント積算値には影響しないからである。このタイミングでインク残量状態を判断するトリガとなるトリガ信号が、請求項における第1トリガ信号に相当する。
【0125】
インク残量状態がフルでなければ(図16:S32No)、残量検知部90は、インクカートリッジ30の挿抜を示すフラグがRAM93に格納されているかを確認する(図16:S33)。インクカートリッジ30が挿抜されていないときは(図16:S33No)、インクカートリッジ交換を判定せずに終了する。
【0126】
インクカートリッジ30が挿抜されているときには(図16:S33Yes)、制御部90は、カバー113が閉じられたことに基づくトリガー信号により、光センサ114からインクカートリッジ30の残量検知部33へ光を照射させる。このとき、インク残量がフルでなければ(図16:S34No)、インクカートリッジ30が交換されていないと判定して終了する。このタイミングでインク残量状態を判断するトリガとなるトリガ信号が、請求項における第2トリガ信号に相当する。
【0127】
制御部90は、インク残量がフルであれば(図16:S34Yes)、インクカートリッジ交換の再判定処理を行う。なお、ここではカウント積算値はクリアされない。詳細には、制御部90は、1頁分の印刷を行った後(図17:S35)、又はクリーニング機構81によるクリーニングが終了した後(図17:S36)に、光センサ114からインクカートリッジ30の残量検知部33へ光を照射する。光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていれば、インク室36に所定量以上のインクがある残量状態、つまりフルであると判定される(図17:S37Yes)。そして、制御部90は、カウント積算値をクリアして(図17:S38)、インクカートリッジ交換の再判定を終了する。1頁分の印刷やクリーニングが行われる時間を経過すれば、残量検知部33の内壁に付着したインクは流れ落ち、インク室36のインクの界面に発生した泡も消失するので、その時間が経過した後にもインク残量状態がフルである検出信号が光センサ114から出力されていれば、インク室36に所定量以上のインクがあると確定される。このタイミングでインク残量状態を判断するトリガとなるトリガ信号が、請求項における第3トリガ信号に相当する。また、クリアされるカウント積算値が、請求項における第1カウント値に相当する。
【0128】
一方、光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていなければ、インク室36に所定量以上のインクが無い残量状態、つまりニアエンプティ又はエンプティと判定されると(図17:S37No)、制御部90は、カウント積算値をクリアせずに、インクカートリッジ交換の再判定を終了する。
【0129】
前述された時間を経過して、インクカートリッジ30が交換されていないにも拘わらず、インク残量状態がニアエンプティ又はエンプティとなるということは、残量検知部33の内壁に付着したインクや、インク室36のインクの界面に発生した泡により、一時的に残量検知部33において光センサ114の光が遮断されており、インク室36には所定量以上のインクがなかったと想定される。そのときは、インクカートリッジ30は交換されなかったと確定される。
【0130】
他方、制御部90は、カバー113が閉じられたことを検出した後(図17:S39)に、インクカートリッジ30の挿抜を示すフラグを読み出す。インクカートリッジ30が挿抜されていれば(図17:S40Yes)、前述と同様に、カバー113が閉じられたことに基づくトリガー信号により、光センサ114からインクカートリッジ30の残量検知部33へ光を照射させる(図16:S34)。
【0131】
インクカートリッジ30が挿抜されていなければ(図17:S40No)、光センサ114からインクカートリッジ30の残量検知部33へ光を照射する。光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていれば、インク室36に所定量以上のインクがある残量状態、つまりフルであると判定される(図17:S41Yes)。この場合、前述したように、残量検知部33の内壁に付着したインクや、インク室36のインクの界面に発生した泡の影響が想定されるので、インクカートリッジ交換の再判定が継続される。
【0132】
一方、光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていなければ、インク室36に所定量以上のインクが無い残量状態、つまりニアエンプティ又はエンプティと判定されると(図17:S41No)、制御部90は、カウント積算値をクリアせずに、インクカートリッジ交換の再判定を終了する。つまり、インクカートリッジ30は交換されなかったと確定される。
【0133】
[第1変形例の作用効果]
前述された第1変形例によれば、カートリッジ装着部110へインクカートリッジ30が挿抜された後にインク残量状態がフルと判断されても直ちにインクカートリッジが交換されたと判定してカウント積算値がリセットされず、その後のトリガ信号をトリガとしてインク残量状態がフルと判断されるとカウント積算値がリセットされる。これにより、インクの付着や泡などにより残量検知部33を検出する光センサ114がフルを示す信号を出力していてもカウント積算値が直ちにリセットされることがなく、泡の消失などによってインク残量状態がニアエンプティ又はエンプティとなれば、交換されていないインクカートリッジ30のインク残量に適合した正確な残量検知が実行される。
【0134】
[第2変形例]
以下、上記実施形態の第2変形例が説明される。上記実施形態では、カートリッジ装着部110に対してインクカートリッジ30が挿抜されたことを検知し得るが、ユーザが電源をオフにしている間に、カートリッジ装着部110にインクカートリッジ30が挿抜されると、制御部90がインクカートリッジ30の挿抜や、カバー113の開閉を検出子得ないことが想定される。したがって、電源がオンにされた後に、インクカートリッジ交換が判定されてもよい。
【0135】
制御部90は、電源がONになったことを検知すると(図18:S51)、電源オン前のインク残量状態がニアエンプティであったか否かを読み出す(図18:S52)。インク残量状態がニアエンプティでなければ(図18:S52No)、インクカートリッジ交換の判定を終了する。インク残量状態がニアエンプティでなければ、ニアエンプティ後のカウント積算値には影響しないからである。このタイミングでインク残量状態を判断するトリガとなるトリガ信号が、請求項における第4トリガ信号に相当する。
【0136】
インク残量状態がニアエンプティであれば(図18:S52Yes)、制御部90は、電源がオンされたことに基づくトリガー信号により、光センサ114からインクカートリッジ30の残量検知部33へ光を照射させる。このとき、インク残量がフルでなければ(図18:S53No)、インクカートリッジ30が交換されていないと判定して終了する。このタイミングでインク残量状態を判断するトリガとなるトリガ信号が、請求項における第5トリガ信号に相当する。
【0137】
制御部90は、インク残量がフルであれば(図18:S53Yes)、インクカートリッジ交換の再判定処理を行う。なお、ここではカウント積算値はクリアされない。詳細には、制御部90は、1頁分の印刷を行った後(図18:S54)、又はクリーニング機構81によるクリーニングが終了した後(図18:S55)に、光センサ114からインクカートリッジ30の残量検知部33へ光を照射する。光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていれば、インク室36に所定量以上のインクがある残量状態、つまりフルであると判定される(図18:S56Yes)。そして、制御部90は、カウント積算値をクリアして(図18:S57)、インクカートリッジ交換の再判定を終了する。1頁分の印刷やクリーニングが行われる時間を経過すれば、残量検知部33の内壁に付着したインクは流れ落ち、インク室36のインクの界面に発生した泡も消失するので、その時間が経過した後にもインク残量状態がフルである検出信号が光センサ114から出力されていれば、インク室36に所定量以上のインクがあると確定される。このタイミングでインク残量状態を判断するトリガとなるトリガ信号が、請求項における第6トリガ信号に相当する。
【0138】
一方、光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていなければ、インク室36に所定量以上のインクが無い残量状態、つまりニアエンプティ又はエンプティと判定されると(図18:S56No)、制御部90は、カウント積算値をクリアせずに、インクカートリッジ交換の再判定を終了する。
【0139】
前述された時間を経過して、インクカートリッジ30が交換されていないにも拘わらず、インク残量状態がニアエンプティ又はエンプティとなるということは、残量検知部33の内壁に付着したインクや、インク室36のインクの界面に発生した泡により、一時的に残量検知部33において光センサ114の光が遮断されており、インク室36には所定量以上のインクがなかったと想定される。そのときは、インクカートリッジ30は交換されなかったと確定される。
【0140】
他方、制御部90は、カバー113が閉じられたことを検出した後(図18:S58)に、インクカートリッジ30の挿抜を示すフラグを読み出す。インクカートリッジ30が挿抜されていれば(図18:S59Yes)、前述された実施形態又は第1変形例と同様にして、制御部90はインク交換処理の判定を行う。
【0141】
インクカートリッジ30が挿抜されていなければ(図18:S59No)、制御部90は、光センサ114からインクカートリッジ30の残量検知部33へ光を照射する。光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていれば、インク室36に所定量以上のインクがある残量状態、つまりフルであると判定される(図18:S60Yes)。この場合、前述したように、残量検知部33の内壁に付着したインクや、インク室36のインクの界面に発生した泡の影響が想定されるので、インクカートリッジ交換の再判定が継続される。
【0142】
一方、光センサ114からの光がセンサアーム60のインジケータ部62により遮光されていなければ、インク室36に所定量以上のインクが無い残量状態、つまりニアエンプティ又はエンプティと判定されると(図18:S60No)、制御部90は、カウント積算値をクリアせずに、インクカートリッジ交換の再判定を終了する。つまり、インクカートリッジ30は交換されなかったと確定される。
【0143】
[第2変形例の作用効果]
前述された第2変形例によれば、装置の電源がオフである間にインクカートリッジ30が交換された場合であっても、インクカートリッジ30の交換を確実に検知して、正確な残量検知を実行することができる。
【符号の説明】
【0144】
11・・・プリンタ部(画像記録装置)
14・・・操作パネル(交換入力手段、インク残量表示手段)
21・・・記録ヘッド(記録部)
30・・・インクカートリッジ
33・・・残量検知部
36・・・インク室
71・・・インク供給部
81・・・クリーニング機構
90・・・制御部(カウンタ、トリガ信号発生手段、インク残量判断手段、第1記憶手段、第2記憶手段、操作検知手段、第1リセット手段、カウント一時保持手段、第2リセット手段、第3リセット手段、電源検知手段、第4リセット手段)
103・・・被接続部
110・・・カートリッジ装着部
114・・・光センサ(センサ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジ装着部にインクカートリッジが着脱可能に設けられており、当該インクカートリッジから供給されたインクをインク滴として吐出することにより、被記録媒体に画像記録を行う記録部を備えた画像記録装置であって、
上記インクカートリッジは、
インクが貯留されるインク室と、
上記インク室に貯留されたインクを外部へ流出させるインク供給部と、
上記インク室からインクが流入可能に設けられており、インク室に貯留されたインク量の変化に基づいて透光状態が変化する残量検知部と、を具備し、
上記カートリッジ装着部は、
上記インクカートリッジが装着された状態において上記インク供給部と接続されてインクを流通させる被接続部と、
上記インクカートリッジが装着された状態において上記残量検知部を通過する光を検知するセンサと、を具備し、
当該装置は、
上記記録部が吐出したインク滴をカウントするカウンタと、
上記センサの出力信号を判定するためのトリガ信号を発生するトリガ信号発生手段と、
トリガ信号をトリガとして、上記センサの出力信号に基づいて上記インク室のインク残量の少なくとも2状態を判断するインク残量判断手段と、
上記インク残量判断手段により判断されたインク残量の状態を記憶する第1記憶手段と、
上記インク残量判断手段が、インク残量の2状態のうち残量が少ない方の第1状態であると判断した後に、上記カウンタによりカウントされた第1カウント数を積算して記憶する第2記憶手段と、
上記カートリッジ装着部が操作されたことを検知する操作検知手段と、
上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知したことを条件として、インクカートリッジを交換したか否かの入力を受け付ける交換入力手段と、
上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知する前の第1トリガ信号に基づいて、上記残量判断手段が第1状態を判断しており、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知した後に発生された第2トリガ信号に基づいて、上記インク残量判断手段がインク残量の2状態のうち残量が多い方の第2状態であると判断し、かつ上記交換入力手段にインクカートリッジを交換したとの入力がされたことに基づいて、上記第2記憶手段が記憶する第1カウント数をリセットする第1リセット手段と、
上記リセット手段がリセットする直前の第1カウント数を初期値として、第2トリガ信号の次の第3トリガ信号が発生されるまでに上記カウンタによりカウントされたカウント数を積算した第2カウント数を記憶し、当該第3トリガ信号に基づいて上記インク残量判断手段が第1状態を判断したことを条件として、当該第2カウント数を上記記憶手段に記憶させるカウント一時保持手段と、を具備する画像記録装置。
【請求項2】
上記残量判断手段は、インク残量が第1状態であると判断した後に、上記記憶手段が記憶する積算値が閾値を越えたことを条件として、インク残量が無い第3状態と判断する請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
上記残量判断手段の判断結果に基づいて、少なくとも、上記インクカートリッジの上記第1状態、上記第2状態及び上記第3状態にそれぞれ対応する3種のインク残量を表示するインク残量表示手段を更に具備する請求項2に記載の画像記録装置。
【請求項4】
当該装置は、上記記録部からインクを吸引除去するクリーニング手段を更に具備しており、
上記トリガ信号発生手段は、少なくとも、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知したこと、上記記録部が画像記録を行ったこと、又は上記クリーニング手段が動作したことに基づいてトリガ信号を発生する請求項1から3のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項5】
カートリッジ装着部にインクカートリッジが着脱可能に設けられており、当該インクカートリッジから供給されたインクをインク滴として吐出することにより、被記録媒体に画像記録を行う記録部を備えた画像記録装置であって、
上記インクカートリッジは、
インクが貯留されるインク室と、
上記インク室に貯留されたインクを外部へ流出させるインク供給部と、
上記インク室からインクが流入可能に設けられており、インク室に貯留されたインク量の変化に基づいて透光状態が変化する残量検知部と、を具備し、
上記カートリッジ装着部は、
上記インクカートリッジが装着された状態において上記インク供給部と接続されてインクを流通させる被接続部と、
上記インクカートリッジが装着された状態において上記残量検知部を通過する光を検知するセンサと、を具備し、
当該装置は、
上記記録部が吐出したインク滴をカウントするカウンタと、
上記センサの出力信号を判定するためのトリガ信号を発生するトリガ信号発生手段と、
トリガ信号をトリガとして、上記センサの出力信号に基づいて上記インク室のインク残量の少なくとも2状態を判断するインク残量判断手段と、
上記インク残量判断手段により判断されたインク残量の状態を記憶する第1記憶手段と、
上記インク残量判断手段が、インク残量の2状態のうち残量が少ない方の第1状態であると判断した後に、上記カウンタによりカウントされた第1カウント数を積算して記憶する第2記憶手段と、
上記カートリッジ装着部が操作されたことを検知する操作検知手段と、
上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知したことを条件として、インクカートリッジを交換したか否かの入力を受け付ける交換入力手段と、
上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知する前の第1トリガ信号に基づいて、上記残量判断手段が第1状態を判断しており、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知した後に上記交換入力手段にインクカートリッジを交換していないとの入力がされており、かつ上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知した後に発生された第2トリガ信号に基づいて、上記インク残量判断手段がインク残量の2状態のうち残量が多い方の第2状態であると判断たことを条件として、上記第2記憶手段が記憶する第1カウント数をリセットする第2リセット手段と、を具備する画像記録装置。
【請求項6】
上記残量判断手段は、インク残量が第1状態であると判断した後に、上記記憶手段が記憶する積算値が閾値を越えたことを条件として、インク残量が無い第3状態と判断する請求項5に記載の画像記録装置。
【請求項7】
上記残量判断手段の判断結果に基づいて、少なくとも、上記インクカートリッジの上記第1状態、上記第2状態及び上記第3状態にそれぞれ対応する3種のインク残量を表示するインク残量表示手段を更に具備する請求項6に記載の画像記録装置。
【請求項8】
当該装置は、上記記録部からインクを吸引除去するクリーニング手段を更に具備しており、
上記トリガ信号発生手段は、少なくとも、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知したこと、上記記録部が画像記録を行ったこと、又は上記クリーニング手段が動作したことに基づいてトリガ信号を発生する請求項5から7のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項9】
カートリッジ装着部にインクカートリッジが着脱可能に設けられており、当該インクカートリッジから供給されたインクをインク滴として吐出することにより、被記録媒体に画像記録を行う記録部を備えた画像記録装置であって、
上記インクカートリッジは、
インクが貯留されるインク室と、
上記インク室に貯留されたインクを外部へ流出させるインク供給部と、
上記インク室からインクが流入可能に設けられており、インク室に貯留されたインク量の変化に基づいて透光状態が変化する残量検知部と、を具備し、
上記カートリッジ装着部は、
上記インクカートリッジが装着された状態において上記インク供給部と接続されてインクを流通させる被接続部と、
上記インクカートリッジが装着された状態において上記残量検知部を通過する光を検知するセンサと、を具備し、
当該装置は、
上記記録部が吐出したインク滴をカウントするカウンタと、
上記センサの出力信号を判定するためのトリガ信号を発生するトリガ信号発生手段と、
トリガ信号をトリガとして、上記センサの出力信号に基づいて上記インク室のインク残量の少なくとも2状態を判断するインク残量判断手段と、
上記インク残量判断手段により判断されたインク残量の状態を記憶する第1記憶手段と、
上記インク残量判断手段が、インク残量の2状態のうち残量が少ない方の第1状態であると判断した後に、上記カウンタによりカウントされた第1カウント数を積算して記憶する第2記憶手段と、
上記カートリッジ装着部が操作されたことを検知する操作検知手段と、
上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知したことを条件として、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知する前の第1トリガ信号に応じたインク残量の状態が第1状態であり、かつ上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知した後に発生された第2トリガ信号に応じたインク残量の状態が、インク残量の2状態のうち残量が多い方の第2状態であることを条件として、上記第2トリガ信号の次の第3トリガ信号に基づいて上記インク残量判断手段が第2状態を判断したことを条件として、上記第2記憶手段が記憶する第1カウント数をリセットする第3リセット手段と、を具備する画像記録装置。
【請求項10】
上記残量判断手段は、インク残量が第1状態であると判断した後に、上記記憶手段が記憶する積算値が閾値を越えたことを条件として、インク残量が無い第3状態と判断する請求項9に記載の画像記録装置。
【請求項11】
当該装置は、上記記録部からインクを吸引除去するクリーニング手段を更に具備しており、
上記トリガ信号発生手段は、少なくとも、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知したこと、上記記録部が画像記録を行ったこと、又は上記クリーニング手段が動作したことに基づいてトリガ信号を発生する請求項9又は10に記載の画像記録装置。
【請求項12】
カートリッジ装着部にインクカートリッジが着脱可能に設けられており、当該インクカートリッジから供給されたインクをインク滴として吐出することにより、被記録媒体に画像記録を行う記録部を備えた画像記録装置であって、
上記インクカートリッジは、
インクが貯留されるインク室と、
上記インク室に貯留されたインクを外部へ流出させるインク供給部と、
上記インク室からインクが流入可能に設けられており、インク室に貯留されたインク量の変化に基づいて透光状態が変化する残量検知部と、を具備し、
上記カートリッジ装着部は、
上記インクカートリッジが装着された状態において上記インク供給部と接続されてインクを流通させる被接続部と、
上記インクカートリッジが装着された状態において上記残量検知部を通過する光を検知するセンサと、を具備し、
当該装置は、
上記記録部が吐出したインク滴をカウントするカウンタと、
上記センサの出力信号を判定するためのトリガ信号を発生するトリガ信号発生手段と、
上記トリガ信号をトリガとして、上記センサの出力信号に基づいて上記インク室のインク残量の少なくとも2状態を判断するインク残量判断手段と、
上記インク残量判断手段により判断されたインク残量の状態を記憶する第1記憶手段と、
上記インク残量判断手段が、インク残量の2状態のうち残量が少ない方の第1状態であると判断した後に、上記カウンタによりカウントされた第1カウント数を積算して記憶する第2記憶手段と、
当該装置の電源がオフからオンにされたことを検知する電源検知手段と、
上記インク残量判断手段が、上記電源検知手段が電源がオンにされたこと検知する前の第4トリガ信号に基づいて第1状態であると判断しており、かつ上記電源検知手段が電源がオンにされたと検知した後に発生された第5トリガ信号に基づいて第2状態であると判断しており、かつ当該第5トリガ信号の次の第6トリガ信号に基づいて第2状態であると判断したことを条件として、上記第2記憶手段が記憶する第1カウント数をリセットする第4リセット手段と、を具備する画像記録装置。
【請求項13】
当該装置は、上記記録部からインクを吸引除去するクリーニング手段を更に具備しており、
上記トリガ信号発生手段は、少なくとも、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知したこと、上記記録部が画像記録を行ったこと、上記クリーニング手段が動作したこと、又は上記電源検知手段が電源がオンにされたことを検知したことに基づいてトリガ信号を発生する請求項12に記載の画像記録装置。
【請求項1】
カートリッジ装着部にインクカートリッジが着脱可能に設けられており、当該インクカートリッジから供給されたインクをインク滴として吐出することにより、被記録媒体に画像記録を行う記録部を備えた画像記録装置であって、
上記インクカートリッジは、
インクが貯留されるインク室と、
上記インク室に貯留されたインクを外部へ流出させるインク供給部と、
上記インク室からインクが流入可能に設けられており、インク室に貯留されたインク量の変化に基づいて透光状態が変化する残量検知部と、を具備し、
上記カートリッジ装着部は、
上記インクカートリッジが装着された状態において上記インク供給部と接続されてインクを流通させる被接続部と、
上記インクカートリッジが装着された状態において上記残量検知部を通過する光を検知するセンサと、を具備し、
当該装置は、
上記記録部が吐出したインク滴をカウントするカウンタと、
上記センサの出力信号を判定するためのトリガ信号を発生するトリガ信号発生手段と、
トリガ信号をトリガとして、上記センサの出力信号に基づいて上記インク室のインク残量の少なくとも2状態を判断するインク残量判断手段と、
上記インク残量判断手段により判断されたインク残量の状態を記憶する第1記憶手段と、
上記インク残量判断手段が、インク残量の2状態のうち残量が少ない方の第1状態であると判断した後に、上記カウンタによりカウントされた第1カウント数を積算して記憶する第2記憶手段と、
上記カートリッジ装着部が操作されたことを検知する操作検知手段と、
上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知したことを条件として、インクカートリッジを交換したか否かの入力を受け付ける交換入力手段と、
上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知する前の第1トリガ信号に基づいて、上記残量判断手段が第1状態を判断しており、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知した後に発生された第2トリガ信号に基づいて、上記インク残量判断手段がインク残量の2状態のうち残量が多い方の第2状態であると判断し、かつ上記交換入力手段にインクカートリッジを交換したとの入力がされたことに基づいて、上記第2記憶手段が記憶する第1カウント数をリセットする第1リセット手段と、
上記リセット手段がリセットする直前の第1カウント数を初期値として、第2トリガ信号の次の第3トリガ信号が発生されるまでに上記カウンタによりカウントされたカウント数を積算した第2カウント数を記憶し、当該第3トリガ信号に基づいて上記インク残量判断手段が第1状態を判断したことを条件として、当該第2カウント数を上記記憶手段に記憶させるカウント一時保持手段と、を具備する画像記録装置。
【請求項2】
上記残量判断手段は、インク残量が第1状態であると判断した後に、上記記憶手段が記憶する積算値が閾値を越えたことを条件として、インク残量が無い第3状態と判断する請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
上記残量判断手段の判断結果に基づいて、少なくとも、上記インクカートリッジの上記第1状態、上記第2状態及び上記第3状態にそれぞれ対応する3種のインク残量を表示するインク残量表示手段を更に具備する請求項2に記載の画像記録装置。
【請求項4】
当該装置は、上記記録部からインクを吸引除去するクリーニング手段を更に具備しており、
上記トリガ信号発生手段は、少なくとも、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知したこと、上記記録部が画像記録を行ったこと、又は上記クリーニング手段が動作したことに基づいてトリガ信号を発生する請求項1から3のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項5】
カートリッジ装着部にインクカートリッジが着脱可能に設けられており、当該インクカートリッジから供給されたインクをインク滴として吐出することにより、被記録媒体に画像記録を行う記録部を備えた画像記録装置であって、
上記インクカートリッジは、
インクが貯留されるインク室と、
上記インク室に貯留されたインクを外部へ流出させるインク供給部と、
上記インク室からインクが流入可能に設けられており、インク室に貯留されたインク量の変化に基づいて透光状態が変化する残量検知部と、を具備し、
上記カートリッジ装着部は、
上記インクカートリッジが装着された状態において上記インク供給部と接続されてインクを流通させる被接続部と、
上記インクカートリッジが装着された状態において上記残量検知部を通過する光を検知するセンサと、を具備し、
当該装置は、
上記記録部が吐出したインク滴をカウントするカウンタと、
上記センサの出力信号を判定するためのトリガ信号を発生するトリガ信号発生手段と、
トリガ信号をトリガとして、上記センサの出力信号に基づいて上記インク室のインク残量の少なくとも2状態を判断するインク残量判断手段と、
上記インク残量判断手段により判断されたインク残量の状態を記憶する第1記憶手段と、
上記インク残量判断手段が、インク残量の2状態のうち残量が少ない方の第1状態であると判断した後に、上記カウンタによりカウントされた第1カウント数を積算して記憶する第2記憶手段と、
上記カートリッジ装着部が操作されたことを検知する操作検知手段と、
上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知したことを条件として、インクカートリッジを交換したか否かの入力を受け付ける交換入力手段と、
上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知する前の第1トリガ信号に基づいて、上記残量判断手段が第1状態を判断しており、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知した後に上記交換入力手段にインクカートリッジを交換していないとの入力がされており、かつ上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知した後に発生された第2トリガ信号に基づいて、上記インク残量判断手段がインク残量の2状態のうち残量が多い方の第2状態であると判断たことを条件として、上記第2記憶手段が記憶する第1カウント数をリセットする第2リセット手段と、を具備する画像記録装置。
【請求項6】
上記残量判断手段は、インク残量が第1状態であると判断した後に、上記記憶手段が記憶する積算値が閾値を越えたことを条件として、インク残量が無い第3状態と判断する請求項5に記載の画像記録装置。
【請求項7】
上記残量判断手段の判断結果に基づいて、少なくとも、上記インクカートリッジの上記第1状態、上記第2状態及び上記第3状態にそれぞれ対応する3種のインク残量を表示するインク残量表示手段を更に具備する請求項6に記載の画像記録装置。
【請求項8】
当該装置は、上記記録部からインクを吸引除去するクリーニング手段を更に具備しており、
上記トリガ信号発生手段は、少なくとも、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知したこと、上記記録部が画像記録を行ったこと、又は上記クリーニング手段が動作したことに基づいてトリガ信号を発生する請求項5から7のいずれかに記載の画像記録装置。
【請求項9】
カートリッジ装着部にインクカートリッジが着脱可能に設けられており、当該インクカートリッジから供給されたインクをインク滴として吐出することにより、被記録媒体に画像記録を行う記録部を備えた画像記録装置であって、
上記インクカートリッジは、
インクが貯留されるインク室と、
上記インク室に貯留されたインクを外部へ流出させるインク供給部と、
上記インク室からインクが流入可能に設けられており、インク室に貯留されたインク量の変化に基づいて透光状態が変化する残量検知部と、を具備し、
上記カートリッジ装着部は、
上記インクカートリッジが装着された状態において上記インク供給部と接続されてインクを流通させる被接続部と、
上記インクカートリッジが装着された状態において上記残量検知部を通過する光を検知するセンサと、を具備し、
当該装置は、
上記記録部が吐出したインク滴をカウントするカウンタと、
上記センサの出力信号を判定するためのトリガ信号を発生するトリガ信号発生手段と、
トリガ信号をトリガとして、上記センサの出力信号に基づいて上記インク室のインク残量の少なくとも2状態を判断するインク残量判断手段と、
上記インク残量判断手段により判断されたインク残量の状態を記憶する第1記憶手段と、
上記インク残量判断手段が、インク残量の2状態のうち残量が少ない方の第1状態であると判断した後に、上記カウンタによりカウントされた第1カウント数を積算して記憶する第2記憶手段と、
上記カートリッジ装着部が操作されたことを検知する操作検知手段と、
上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知したことを条件として、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知する前の第1トリガ信号に応じたインク残量の状態が第1状態であり、かつ上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知した後に発生された第2トリガ信号に応じたインク残量の状態が、インク残量の2状態のうち残量が多い方の第2状態であることを条件として、上記第2トリガ信号の次の第3トリガ信号に基づいて上記インク残量判断手段が第2状態を判断したことを条件として、上記第2記憶手段が記憶する第1カウント数をリセットする第3リセット手段と、を具備する画像記録装置。
【請求項10】
上記残量判断手段は、インク残量が第1状態であると判断した後に、上記記憶手段が記憶する積算値が閾値を越えたことを条件として、インク残量が無い第3状態と判断する請求項9に記載の画像記録装置。
【請求項11】
当該装置は、上記記録部からインクを吸引除去するクリーニング手段を更に具備しており、
上記トリガ信号発生手段は、少なくとも、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知したこと、上記記録部が画像記録を行ったこと、又は上記クリーニング手段が動作したことに基づいてトリガ信号を発生する請求項9又は10に記載の画像記録装置。
【請求項12】
カートリッジ装着部にインクカートリッジが着脱可能に設けられており、当該インクカートリッジから供給されたインクをインク滴として吐出することにより、被記録媒体に画像記録を行う記録部を備えた画像記録装置であって、
上記インクカートリッジは、
インクが貯留されるインク室と、
上記インク室に貯留されたインクを外部へ流出させるインク供給部と、
上記インク室からインクが流入可能に設けられており、インク室に貯留されたインク量の変化に基づいて透光状態が変化する残量検知部と、を具備し、
上記カートリッジ装着部は、
上記インクカートリッジが装着された状態において上記インク供給部と接続されてインクを流通させる被接続部と、
上記インクカートリッジが装着された状態において上記残量検知部を通過する光を検知するセンサと、を具備し、
当該装置は、
上記記録部が吐出したインク滴をカウントするカウンタと、
上記センサの出力信号を判定するためのトリガ信号を発生するトリガ信号発生手段と、
上記トリガ信号をトリガとして、上記センサの出力信号に基づいて上記インク室のインク残量の少なくとも2状態を判断するインク残量判断手段と、
上記インク残量判断手段により判断されたインク残量の状態を記憶する第1記憶手段と、
上記インク残量判断手段が、インク残量の2状態のうち残量が少ない方の第1状態であると判断した後に、上記カウンタによりカウントされた第1カウント数を積算して記憶する第2記憶手段と、
当該装置の電源がオフからオンにされたことを検知する電源検知手段と、
上記インク残量判断手段が、上記電源検知手段が電源がオンにされたこと検知する前の第4トリガ信号に基づいて第1状態であると判断しており、かつ上記電源検知手段が電源がオンにされたと検知した後に発生された第5トリガ信号に基づいて第2状態であると判断しており、かつ当該第5トリガ信号の次の第6トリガ信号に基づいて第2状態であると判断したことを条件として、上記第2記憶手段が記憶する第1カウント数をリセットする第4リセット手段と、を具備する画像記録装置。
【請求項13】
当該装置は、上記記録部からインクを吸引除去するクリーニング手段を更に具備しており、
上記トリガ信号発生手段は、少なくとも、上記操作検知手段がカートリッジ装着部が操作されたと検知したこと、上記記録部が画像記録を行ったこと、上記クリーニング手段が動作したこと、又は上記電源検知手段が電源がオンにされたことを検知したことに基づいてトリガ信号を発生する請求項12に記載の画像記録装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−892(P2012−892A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−138584(P2010−138584)
【出願日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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