説明

画像認識システム

【課題】撮像面の状態が相違する場合であっても、識別エラーの発生頻度を低く抑える。
【解決手段】カメラ15は、コンロッド41の表面に付された刻印42を撮像し、その画像データを出力する。補助照明13は、光量を変更可能な照射光によってコンロッド41の表面を照射する。画像処理判定部25は、カメラ15が出力した画像データから刻印42を検出して識別する。光量制御部27は、画像処理判定部25が画像データから刻印42を識別できないとき、補助照明13の光量を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像認識システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開昭64−36387号公報には、自動車などの各種生産工程において、車体を構成する各部品の表面に付された刻印文字をカメラによって撮像し、撮像した画像データから文字画像データを切り出し、切り出した画像データの各画素情報を2値データに変換し、この2値データから文字パターンを検出し、検出した文字パターンと予め登録した文字パターンとのマッチングによって、文字の識別を行う文字認識装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭64−36387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文字認識装置では、カメラが撮像した画像データの各画素情報を2値データに変換して文字パターンを検出するため、文字パターンの検出精度は、カメラの撮像環境の影響を受ける。特に、刻印文字が付された撮像面の状態(例えば反射率)は必ずしも一律ではないことから、撮像面の明るさ(照度)の影響を受け易い。このため、撮像面の明るさによっては文字パターンの検出精度が悪化し、複数の部品を連続して検出する際に識別エラーの発生頻度が高くなってしまう可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、撮像面の状態が相違する場合であっても、識別エラーの発生頻度を低く抑えることが可能な画像認識システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく、本発明の画像認識システムは、撮像手段と照射手段と記号識別手段と光量制御手段とを備える。
【0007】
撮像手段は、対象物体の表面に付された記号を撮像し、その画像データを出力する。照射手段は、光量を変更可能な照射光によって対象物体の表面を照射する。記号識別手段は、撮像手段が出力した画像データから記号を検出して識別する。光量制御手段は、記号識別手段が画像データから記号を識別できないとき、照射手段の光量を変更する。
【0008】
記号には、文字や数字や図形などが含まれる。対象物体の表面に記号を付する方法には、印刷や刻印の他、記号が印刷されたシールの貼付などが含まれる。また、光量制御手段は、照射手段の光量を、下限光量から徐々に増加させてもよく、上限光量から徐々に減少させてもよい。
【0009】
上記構成では、記号識別手段が画像データから記号を識別できないとき、照射手段の光量が変更されるので、連続して検出される複数の対象物体間において撮像面の反射率が相違する場合であっても、各撮像面にとって適切な光量で撮像された画像データを用いて記号の識別を行うことができ、識別エラーの発生頻度を低く抑えることができる。
【0010】
また、上記画像認識判定システムは、対象物体の表面に対する撮像手段の撮像方向を変更する撮像方向変更手段と、記号識別手段が画像データから記号を識別できないとき、撮像方向変更手段を制御して撮像手段の撮像方向を変更する撮像方向制御手段と、を備えてもよい。
【0011】
撮像方向制御手段は、光量制御手段が照射手段の光量を変更しても記号識別手段が画像データから記号を識別できないときに、撮像手段の撮像方向を変更してもよく、光量制御手段が照射手段の光量を変更する際に、撮像手段の撮像方向を変更してもよい。
【0012】
上記構成では、光量に加えて撮像方向の変更も可能であるので、識別エラーの発生頻度をさらに低く抑えることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、撮像面の状態が相違する場合であっても、識別エラーの発生頻度を低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態の画像認識システムを模式的に示す概略構成図である。
【図2】搬送箱に収容された状態のコンロッドを模式的に示す平面図である。
【図3】撮像ユニットを模式的に示す斜視図である。
【図4】コントローラが実行する検査処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の画像認識システムを検査システムに適用した一実施形態について、図面を参照して説明する。この検査システムでは、自動車のエンジンに使用されるコネクティングロッド(コンロッド)41を対象物体とし、1つのエンジンに使用される複数(本実施形態では4本)のコンロッド41の組み合わせが適正(4本のコンロッド41が全て同じ規格)であるか否かを検査する。なお、対象物体はコンロッドに限定されず、本発明の画像認識システムは、様々な部品に対して適用可能である。
【0016】
図1に示すように、検査システム1は、ロボットアーム(撮像方向変更手段)2と、ロボットアーム2に固定された撮像ユニット10と、コンロッド41を搬送するコンベア40と、検査処理全体を制御するコントローラ20と、表示装置3とを備える。
【0017】
図2に示すように、コンロッド41の一端部の側面(表面)には刻印(記号)42が付され、各コンロッド41の刻印42が上方を向いて露出するように、12本(3組)のコンロッド41が1つの搬送箱43に並んで収容される。コンベア40は、所定の検査位置で順次停止するように搬送箱43を搬送する。1つの搬送箱43内には、3組(12本)のコンロッド41A,41B,41Cが搬送方向に沿って組毎に並んで配置される。1つのエンジンに使用される同一規格の4本のコンロッド41には、共通の1文字(アルファベットや数字など)が刻印42として付されており、検査システム1は、同一組内の4本のコンロッド41の全てに所望の共通の刻印42が付されているか否かを検査する。
【0018】
図1及び図3に示すように、撮像ユニット10は、ロボットアーム2の先端に固定されたベース板11と、ベース板11に固定されたカメラユニット12及び補助照明(照射手段)13とを有し、カメラユニット12は、メイン照明14とカメラ(撮像手段)15とを有する。
【0019】
ロボットアーム2は、撮像ユニット10を任意の位置および方向に移動可能な装置であり、撮像ユニット10を所定の撮像位置まで移動して停止する。撮像ユニット10の撮像位置は、検査位置で停止した搬送箱43内の12本のコンロッド41のそれぞれに対して予め設定されている。ロボットアーム2は、12本のコンロッド41にそれぞれ対応する12箇所の撮像位置のうち、搬送方向最前端のコンロッド41に対応する最前端の撮像位置に撮像ユニット10を移動して停止した後、搬送方向後方へ撮像ユニット10を移動し、搬送方向最後端のコンロッド41に対応する最後端の撮像位置に達するまで、各撮像位置で撮像ユニット10を順次停止する。各撮像位置で停止する際の撮像ユニット10(カメラ15)の姿勢(撮像面に対するカメラ15の撮像方向)は、所定の基本姿勢に設定される。また、ロボットアーム2は、所定の可動範囲内において、カメラ15の姿勢を基本姿勢から段階的に変更可能である。なお、必要な条件を満たせば、多関節ロボットやリニア駆動装置を組み合わせたロボットなど、周知のロボットアームを任意に採用可能である。
【0020】
カメラ15は、例えばCCDカメラであり、撮像ユニット10が撮像位置に停止した状態で、その撮像位置に対応するコンロッド41の一端部の表面を撮像面として刻印42を撮像し、その画像データをコントローラ20へ出力する。
【0021】
メイン照明14は、環状であり、カメラ15の周囲に覆うように配置される。メイン照明14と補助照明13とは、カメラ15の撮像方向が撮像面を向いた状態でそれぞれの照射光が撮像面を照射するように、ベース板11に対して固定される。メイン照明14は、光量が所定量に固定された照明装置であり、補助照明13は、光量が変更可能な照明装置である。補助照明13の光量を変更する方法は、特に限定されるものではないが、例えば可変定電流電源回路を内部に接続し、可変定電流電源回路の電流値を制御することによって可能である。補助照明13の光量は、初期状態ではゼロ(消灯状態)に設定され、コントローラ20からの指示に応じて段階的に徐々に増加する。
【0022】
コントローラ20は、CPU(Central Processing Unit)21と記憶部22とを有する。コントローラ20は、汎用のパーソナルコンピュータであってもよく、専用の装置であってもよい。記憶部22は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などによって構成され、CPU21が各種処理を実行するための各種プログラムや各種データが記憶されている。各種プログラムには、CPU21が検査処理を実行するための検査プログラムが含まれる。
【0023】
検査プログラムは、搬送制御処理を実行するための搬送制御プログラム、アーム制御処理を実行するためのアーム制御プログラム、記号識別処理を実行するための記号識別プログラム、及び組み合わせ判定処理を実行するための判定プログラムが含まれる。搬送制御処理とは、コンベア40を制御して搬送箱43を搬送する処理である。アーム制御処理とは、ロボットアーム2を制御して撮像ユニット10を移動及び停止する処理である。記号識別処理とは、カメラ15によってコンロッド41の撮像面を撮像し、その画像データに含まれる刻印42を識別する処理である。組み合わせ判定処理とは、識別した刻印42に基づいてコンロッド41の組み合わせが適正であるか否かを判定する処理である。これらのプログラムは、各種CDメディア(Compact Disc Media)などの外部の記憶媒体から読み出されて記憶部22に記憶されてもよく、インターネットなどのネットワークを介して取得されて記憶部22に記憶されてもよい。各種データには、搬送箱43の停止位置を規定するデータや、撮像ユニット10の停止位置を規定するデータなどが含まれる。
【0024】
また、記憶部22には、画像データや刻印情報などを一時的に記憶する領域が設定される。刻印情報の記憶領域は、搬送箱43毎に設定される。
【0025】
CPU21は、搬送制御処理を実行することによってコンベア制御部23として機能し、アーム制御処理を実行することによってアーム制御部(撮像方向制御手段)24として機能し、記号識別処理及び組み合わせ判定処理を実行することによって撮像制御部25、画像処理判定部(記号識別手段)26、光量制御部(光量制御手段)27及び表示制御部28として機能する。なお、例えば搬送処理やアーム制御処理を実行するシーケンサをコントローラとは別に設けるなど、CPU21の機能の一部を抽出して他の情報処理装置に設けてもよい。
【0026】
コンベア制御部23は、搬送箱43が検査位置まで移動して順次停止するように、コンベア40を制御する。
【0027】
アーム制御部24は、搬送箱43が検査位置で停止した状態で撮像ユニット10が各コンロッド41に対応する12箇所の撮像位置に順次移動して基本姿勢で停止するように、ロボットアーム2を駆動制御する。
【0028】
記号識別処理において、光量制御部27は、メイン照明14を点灯する。また、光量制御部27は、1つのコンロッド41に対する記号識別処理の開始時に、補助照明13を初期状態(消灯状態)に維持する。
【0029】
記号識別処理において、撮像制御部25は、撮像位置に撮像ユニット10が移動して停止した後、カメラ15へ撮像指示信号を出力する。撮像指示信号を受信したカメラ15は、コンロッド41の撮像面を撮像し、その画像データをコントローラ20へ出力する。
【0030】
画像データがカメラ15からコントローラ20に入力すると、画像処理判定部26は、画像処理及びパターン判定を実行する。画像処理では、カメラ15が撮像した画像データから、刻印42を含む画像データを切り出し、切り出した画像データの各画素情報を2値データに変換し、この2値データから文字パターンを検出する。パターン判定では、検出した文字パターンと予め記憶された文字パターンとのマッチングを行い、刻印42を識別(刻印42が何れの記号を表しているかを判別)し、刻印42が表す記号を刻印情報として記憶部22に順次記憶する。
【0031】
画像処理判定部26が刻印42を識別できない場合、光量制御部27は、光量が段階的に増加するように補助照明13を制御する。撮像制御部25は、補助照明13の光量が段階的に増加する毎に、カメラ15へ撮像指示信号を出力する。撮像指示信号を受信したカメラ15は、コンロッド41の撮像面を撮像し、その画像データをコントローラ20へ出力する。画像データがカメラ15からコントローラ20に入力すると、画像処理判定部26は、画像処理及びパターン判定を実行する。光量制御部27は、画像処理判定部26が刻印42を識別するか、或いは補助照明13が最大光量(上限値)に達するまで、補助照明13の光量の増加を継続する。
【0032】
補助照明13が最大光量に達しても画像処理判定部26が刻印42を識別できない場合、アーム制御部24は、カメラ15の姿勢が基本姿勢から段階的に変わるように、ロボットアーム2を駆動制御する。撮像制御部25は、カメラ15の姿勢が段階的に変更される毎に、カメラ15へ撮像指示信号を出力する。撮像指示信号を受信したカメラ15は、コンロッド41の撮像面を撮像し、その画像データをコントローラ20へ出力する。画像データがカメラ15からコントローラ20に入力すると、画像処理判定部26は、画像処理及びパターン判定を実行する。アーム制御部24は、画像処理判定部26が刻印42を識別するか、或いはカメラ15の姿勢が可動範囲の限界に達するまで、カメラ15の姿勢の変更を継続する。
【0033】
カメラ15の姿勢が変更可能範囲の限界に達しても画像処理判定部26が刻印42を識別できない場合、表示制御部28は、刻印42を識別不能である旨を示すエラー表示を表示装置3に表示する。
【0034】
画像処理判定部26は、1つの搬送箱43に収容された全て(12本)のコンロッド41の刻印42を識別すると、各組(4本)のコンロッド41の組み合わせが適正であるか否かを判定する組み合わせ判定処理を、識別した刻印42に基づいて実行する。具体的には、記憶部22に記憶された刻印情報を組毎に読み出し、読み出した4つの刻印情報が全て共通する所定の情報である場合に適正であると判定し、4つの刻印情報に所定の情報以外の情報が含まれている場合に不適正であると判定する。
【0035】
表示制御部28は、画像処理判定部26によるコンロッド41の組み合わせ判定の結果を、表示装置3に表示する。
【0036】
次に、コントローラ20が実行する検査処理の1サイクルについて、図4のフローチャートを参照して説明する。本処理は、コントローラ20が検査作業者から所定の開始指示を受ける(例えば、開始ボタンを押下する)ことによって開始され、光量制御部27は、補助照明13の消灯を維持したまま、メイン照明14を点灯する。1つの搬送箱43が1サイクルに対応し、1つの搬送箱43内の全てのコンロッド41の検査が終了すると、次の搬送箱43に対応する検査サイクルが連続して開始される。
【0037】
本処理が開始されると、コンベア制御部23はコンベア40を制御し、搬送箱43は検査位置まで移動して停止する(ステップS1)。
【0038】
搬送箱43が検査位置で停止すると、アーム制御部24はロボットアーム2を制御し、カメラ15は、搬送方向最前端のコンロッド41に対応する最前端の撮像位置に移動して、基本姿勢で停止する(ステップS2)。
【0039】
撮像ユニット10が撮像位置で停止すると、撮像制御部25は、カメラ15へ撮像指示信号を出力し、撮像指示信号を受信したカメラ15は、コンロッド41の撮像面を撮像し、その画像データをコントローラ20へ出力する(ステップS3)。
【0040】
画像データがカメラ15からコントローラ20に入力すると、画像処理判定部26は、画像処理及びパターン判定を実行する(ステップS4)。
【0041】
パターン判定において刻印42が識別不能であると(ステップS5:NO)、光量制御部27は、補助照明13の光量が上限値に達しているか否かを判定し(ステップS6)、補助照明13の光量が上限値に達していない場合(ステップS6:NO)、補助照明13の光量を1段階増加する(ステップS7)。
【0042】
補助照明13の光量が1段階増加すると、撮像面の撮像(ステップS3)と画像処理及びパターン判定(ステップS4)とを再度実行する。補助照明13の光量が増加しても刻印42が識別不能の場合(ステップS5:NO)、補助照明13の光量が上限値に達するまで、撮像面の撮像(ステップS3)と画像処理及びパターン判定(ステップS4)とを繰り返して実行する。
【0043】
補助照明13の光量が上限値に達すると(ステップS6:YES)、アーム制御部24は、カメラ15の姿勢を変更可能か否か(可動範囲の限界に達したか否か)を判定し(ステップS8)、変更可能な場合(ステップS8:YES)、カメラ15の姿勢を1段階変更する(ステップS9)。
【0044】
カメラ15の姿勢が1段階変更されると、撮像面の撮像(ステップS3)と画像処理及びパターン判定(ステップS4)とを再度実行する。カメラ15の姿勢が変更されても刻印42が識別不能の場合(ステップS5:NO)、カメラ15の姿勢が可動範囲の限界に達するまで、撮像面の撮像(ステップS3)と画像処理及びパターン判定(ステップS4)とを繰り返して実行する。
【0045】
カメラ15の姿勢が可動範囲の限界に達すると(ステップS8:NO)、表示制御部28は、刻印42を識別不能である旨を示すエラー表示を表示装置3に表示し(ステップS10)、本処理が終了する。
【0046】
一方、パターン判定において刻印42が識別されると(ステップS5:YES)、画像処理判定部26は、刻印42が表す記号を刻印情報として記憶部22に記憶し(ステップS11)、光量制御部27は、補助照明13を消灯して光量を最小に設定する(ステップS12)。
【0047】
カメラ15が最後端の撮像位置に未到達であり、記憶部22に記憶された刻印情報が所定数(12個)に達していない場合(ステップS13:NO)、ステップS2へ移行し、カメラ15を次の撮像位置に移動して、ステップ3以降の処理を実行する。
【0048】
カメラ15が最後端の撮像位置に到達し、記憶部22に記憶された刻印情報が所定数(12個)に達していると(ステップS13:YES)、画像処理判定部26は、組み合わせ判定処理を実行する。組み合わせ判定処理では、記憶部22に記憶された刻印情報を組毎に読み出し、読み出した4つの刻印情報が全て共通する所定の情報である場合に適正であると判定し、4つの刻印情報に所定の情報以外の情報が含まれている場合に不適正であると判定する。
【0049】
組み合わせ判定処理が完了すると、表示制御部28は、画像処理判定部26によるコンロッド41の組み合わせ判定の結果を、表示装置3に表示し、本処理が終了する。
【0050】
以上説明したように、本実施形態によれば、画像処理判定部26が画像データから刻印42を識別できない場合には、補助照明13の光量が段階的に増加し、光量の増加毎に撮像面を撮像し、新たに撮像された画像データから刻印42の識別を行うので、連続して検出される複数のコンロッド41間において撮像面の反射率が相違する場合であっても、各撮像面にとって適切な光量で撮像された画像データを用いて刻印42の識別を行うことができ、識別エラーの発生頻度を低く抑えることができる。
【0051】
また、最大光量に達しても画像処理判定部26が画像データから刻印42を識別できないときには、撮像方向を段階的に変更し、撮像方向の変更毎に撮像面を撮像し、新たに撮像された画像データから刻印42の識別を行うので、識別エラーの発生頻度をさらに低く抑えることができる。
【0052】
なお、上記実施形態は本発明の一例であり、本発明を逸脱しない範囲において変更可能である。
【0053】
例えば、メイン照明14及び補助照明13に代えて、光量が変更可能な1つの照明装置を設けてもよい。補助照明13の光量を消灯状態から増加せず、所定の光量から段階的に減少してもよい。撮像方向を変更する際に、補助照明13を最大光量とせずに所定の光量に設定してもよく、補助照明13を消灯してもよい。カメラ15の撮像方向の変更を、光量の減少と同時に行ってもよく、省略してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、対象物体の表面に付された記号を識別するシステムに広く適用可能である。
【符号の説明】
【0055】
1:検査システム
2:ロボットアーム(撮像方向変更手段)
3:表示装置
10:撮像ユニット
11:ベース板
12:カメラユニット
13:補助照明(照射手段)
14:メイン照明
15:カメラ(撮像手段)
20:コントローラ
21:CPU
22:記憶部
23:コンベア制御部
24:アーム制御部(撮像方向制御手段)
25:撮像制御部
26:画像処理判定部(記号識別手段)
27:光量制御部(光量制御手段)
28:表示制御部
40:コンベア
41:コンロッド(対象物体)
42:刻印(記号)
43:搬送箱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物体の表面に付された記号を撮像し、その画像データを出力する撮像手段と、
光量を変更可能な照射光によって前記対象物体の表面を照射する照射手段と、
前記撮像手段が出力した画像データから前記記号を検出して識別する記号識別手段と、
前記記号識別手段が前記画像データから前記記号を識別できないとき、前記照射手段の光量を変更する光量制御手段と、を備えた
ことを特徴とする画像認識システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像認識判定システムであって、
前記対象物体の表面に対する前記撮像手段の撮像方向を変更する撮像方向変更手段と、
前記記号識別手段が前記画像データから前記記号を識別できないとき、前記撮像方向変更手段を制御して前記撮像手段の撮像方向を変更する撮像方向制御手段と、を備えた
ことを特徴とする画像認識システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−185728(P2012−185728A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49297(P2011−49297)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000000170)いすゞ自動車株式会社 (1,721)
【Fターム(参考)】