説明

画像読み取り装置、画像形成装置、画像読み取り方法及び画像読み取りプログラム

【課題】本発明は、副走査方向に移動するキャリッジに搭載されている複数のイメージセンサアレイで読み取って繋ぎ合わせた原稿の画像の画像品質を向上させる。
【解決手段】画像読み取り装置1は、複数のCCD11a、11b、ミラー13a、13b〜15a、15b及びレンズ12a、12bからなる縮小光学手段及び光源等を搭載するキャリッジを副走査方向に移動させつつCCD11a、11bで読み取った原稿Gの画像を所定の繋ぎ位置で繋ぎ合わせて1ラインの画像とする場合に、該繋ぎ位置を示す位置検出線の形成されている位置検出パターン部材4を読み取って、該位置検出線の画像から各CCD11a、11bの読み取った原稿Gの画像の繋ぎ位置を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読み取り装置、画像形成装置、画像読み取り方法及び画像読み取りプログラムに関し、詳細には、光源等を搭載するキャリッジを移動させつつ、主走査方向に配列された複数のイメージセンサアレイを用いて静止する原稿の画像を読み取る画像読み取り装置、画像形成装置、画像読み取り方法及び画像読み取りプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
原稿の画像を読み取るスキャナ装置、複写装置、複合装置等の画像読み取り装置、特に、A0サイズ等の広幅の原稿の画像を読み取る画像読み取り装置においては、コストを下げるために、読み取り最大原稿サイズよりも小さいサイズ、例えば、A3やA4サイズ等の複数のイメージセンサアレイを、主走査方向に複数並べて配置したセンサ部によって、広幅の原稿を読み取るように構成されている。
【0003】
このような複数のイメージセンサアレイを有したセンサ部を備えた画像読み取り装置には、光源やミラー等を搭載するキャリッジを駆動させて原稿の画像を読み取るキャリッジ移動型と搬送される原稿の画像を静止する光学系で読み取る原稿搬送型があるが、複数のイメージセンサアレイを有した画像読み取り装置の場合、複数のイメージセンサアレイの読み取った画像データを、適切に繋ぎ合せて単一のイメージセンサアレイで読み取ったかのような画像データに合成する繋ぎ目補正処理(画像合成処理)を行う必要がある。そして、キャリッジ移動型の画像読み取り装置は、キャリッジの移動に伴ってキャリッジに搭載されているミラーが振動することを避けることができず、ミラーの振動によって複数のイメージセンサアレイで読み取った原稿の画像が主走査方向、特に、主走査方向端部において、移動しつつ振動するミラーで反射された光をイメージセンサアレイで光電変換して原稿の画像を読み取ることとなる。その結果、キャリッジを移動させつつ、1つのイメージセンサアレイのみで原稿の画像を読み取る場合には許容される程度の振動であっても、複数のイメージセンサアレイの読み取った画像を繋ぎ合わせる場合には、イメージセンサアレイの繋ぎ部分での画像劣化が許容限度を超える程度となることがある。
【0004】
そして、従来から、キャリッジ移動型画像読み取り装置において、シェーディング補正用読み取り部の近傍に各イメージセンサアレイの読み取り領域の繋ぎ合わせ補正用の基準パターンを設け、該イメージセンサアレイを移動させながら該基準パターンを読み取って、該基準パターンを読み取ったときの基準データに基づいて各イメージセンサの読み取り領域の繋ぎ合わせを補正する技術が提案されている。具体的には、キャリッジ移動型画像読み取り装置は、該イメージセンサアレイを含む走査光学系を搭載するキャリッジを光学系駆動手段により原稿読み取り速度よりも遅い所定の基準読み取り速度で副走査方向に移動させて該基準パターンを読み取って、前記基準データを作成している(特許文献1参照)。
【0005】
すなわち、従来技術は、原稿を読み取り前にシェーディング補正用読み取り部近傍の基準パターンを読み取った結果に基づいてイメージセンサアレイの読み取り領域の繋ぎ合わせ補正を行なっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記公報記載の従来技術にあっては、イメージセンサの繋ぎ部分の補正を原稿読み取り前に読み取った基準パラメータの読み取り結果に基づいて行っているため、キャリッジが移動しているときのミラー等の変動を考慮した構成とはなっていないため、キャリッジ移動型の場合に避けることのできないミラーの振動の影響を適切に考慮した繋ぎ目部分の補正を適切に行う上で、改良の必要があった。特に、キャリッジ移動型においては、キャリッジの移動によってミラーが振動した場合、読み取った画像が主走査方向に移動(特に、主走査方向端部で大きく移動)しながら読み取ることになり、1つのイメージセンサで読み取った場合には許容される程度の振動が複数のイメージセンサの画像を繋ぎ合わせる場合には許容されない程度となって、画像品質を向上させる上で、改良の必要があった。
【0007】
そこで、本発明は、複数のイメージセンサの繋ぎ位置部分の画像のずれをより精度良く補正することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、主走査方向に延在する複数のイメージセンサアレイを有する画像読み取り手段の各イメージセンサアレイに、光源から原稿に照射された光の反射光を縮小光学手段で縮小して導入し、各イメージセンサアレイの光電変換した画像信号を所定の繋ぎ位置で繋ぎ合わせる場合に、前記繋ぎ位置に対応する位置を示す位置検出パターンが副走査方向に直線状に形成されている位置検出部材を、原稿に光を照射する光源よりも前記画像読み取り手段側に副走査方向に延在して配設し、該位置検出部材に光を照射する繋ぎ位置検出用光源と、該繋ぎ位置検出用光源から照射した光の反射光を該位置検出部材の位置検出パターンに基づいて繋がれる2つの前記イメージセンサアレイの前記繋ぎ位置部分の画像重複領域に反射させる折り返し反射部材と、原稿に光を照射する光源と、前記縮小光学手段とを搭載する走行体を副走査方向に移動させて、光源から原稿に照射された光の反射光を該縮小光学手段で該各イメージセンサアレイに導入して該原稿の画像を読み取るとともに、該繋ぎ位置検出用光源から位置検出部材に照射して該折り返し反射部材で反射されて該縮小光学手段で該各イメージセンサアレイに導入された位置検出パターンの画像信号から該各イメージセンサアレイの画像の繋ぎ位置を補正することを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数のイメージセンサの繋ぎ位置部分の画像のずれをより精度良く補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例を適用した画像読み取り装置の要部正面概略構成図。
【図2】画像読み取り装置の要部側面概略構成図。
【図3】画像読み取り装置の要部概略斜視図。
【図4】蛍光灯光源を用いた場合の位置検出パターン部材周辺の斜視図。
【図5】位置検出パターン部材の平面図。
【図6】画像読み取り装置のブロック構成図。
【図7】初期状態測定処理を示すフローチャート。
【図8】初期設定用繋ぎ目画素測定原稿の一例を示す図。
【図9】画像補正処理を示すフローチャート。
【図10】dpi変換の説明図。
【図11】補間係数テーブルの一例を示す図。
【図12】dpi変換後の読み取り位置補正の説明図。
【図13】位置検出線が1本のみの場合の位置検出パターン部材の平面図。
【図14】1本の位置検出線のみを形成した場合の位置検出パターン部材の配置構成を示す画像読み取り装置の要部正面概略構成図。
【図15】遮光部の設けられている折り返しミラーと画像読み取り装置の要部正面概略構成図。
【図16】折り返しミラーを位置検出半部材に対して傾斜させた構成図。
【図17】副走査方向についても位置検出する位置検出パターン部材の平面図。
【図18】副走査位置検出線が副走査方向に対して45度であるときの理想の副走査位置と実際の位置ずれの一例を示す図。
【図19】一方のCCDのずれを他方のCCDに合わせる場合の補正処理の説明図。
【図20】理想の検出位置に全てのCCDのずれ量を合わせる場合の補正処理の説明図。
【図21】副走査位置ずれの補正処理の説明図。
【図22】副走査方向に所定間隔で副走査検出線が形成されている位置検出部材の平面図。
【図23】1本の主走査位置検出線と副走査方向に所定間隔で副走査検出線が形成されている位置検出パターン部材の平面図。
【図24】主走査位置検出線に対して非対称に副走査位置検出線が形成されている位置検出パターン部材の平面図。
【図25】画像形成装置の概略正面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0012】
図1〜図25は、本発明の画像読み取り装置、画像形成装置、画像読み取り方法及び画像読み取りプログラムの一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像読み取り装置、画像形成装置、画像読み取り方法及び画像読み取りプログラムの一実施例を適用した画像読み取り装置1の要部正面概略構成図である。
【0013】
図1において、画像読み取り装置1は、原稿Gの載置されるコンタクトガラス2の下方に、2つの画像読み取りユニット(画像読み取り手段)3a、3bが主走査方向(図1の左右方向)に並んで配置されており、2つの画像読み取りユニット3a、3bの間に、位置検出パターン部材(位置検出部材)4と折り返しミラー(折り返し反射部材)5が配設されている。各画像読み取りユニット3a、3bは、図1から図3に示すように、イメージセンサアレイであるCCD(Charge Coupled Device)11a、11b及び縮小光学手段を構成するレンズ12a、12b、第1ミラー13a、13b、第2ミラー14a、14b、第3ミラー15a、15b等を備えている。画像読み取りユニット3a、3bは、図示しないが、副走査方向に所定長さにわたって移動可能なキャリッジ(走行体)に搭載されている。
【0014】
光源6は、図3に示すように、蛍光灯等の主走査方向全域に渡る1本の無指向性の光源であってもよいし、各画像読取ユニット3a、3b用に配設された原稿Gの方向に指向性を有するLED(Light Emitting Diode)を用いた光源であってもよい。
【0015】
そして、光源6が1本の無指向性の光源である場合には、例えば、蛍光灯光源の場合、一般的に図4に示すように、光源6は、ブラケット(光源方向設定手段)7に保持されおり、ブラケット7は、光源6を保持するとともに、光源6の放射光を原稿Gの方向に集光させる。ブラケット7には、光源6の光を原稿Gとは反対側に配設されている位置検出パターン部材4へ通過させて位置検出パターン部材4に光源6からの光を検出用光源光として照射させるスリット(検出光通過部)8が形成されている。スリット8は、光源6の放射光を位置検出パターン部材4にのみ照射させるように形成されており、例えば、副走査方向に所定長さを有するスリットとなっている。なお、光源6の光を位置検出パターン部材4へ照射させるための検出光通過部としては、スリット8に限るものではなく、例えば、高原6の光を位置検出パターン部材4へ透過させる細長い透明部材であってもよい。なお、光源6としては、蛍光灯等の周囲に均一に放射する無指向性の光源に限るものではなく、所定の方向性(指向性)を有するLED(Light Emitting Diode)等の光源であってもよい。このような方向性を有する光源の場合には、位置検出パターン部材4に照射する検出用光源光を出射する光源(繋ぎ位置検出用光源)、例えば、繋ぎ位置検出専用のLED等を原稿読み取り用の光源6以外に設ける必要がある。
【0016】
位置検出パターン部材4は、図5に示すように、副走査方向に延在する状態で、所定太さで、所定間隔を開けた状態で、2本の位置検出線4aが施されており、2本の位置検出線4aは、600dpi(Dots Per Inch)の解像度で読み取りを行う場合、細いワイヤ等の糸状で、平行度が、0.02mm(1/2画素)以下の精度の線である。すなわち、原稿面に画像読み取りユニット3aのCCD11aと画像読み取りユニット3bのCCD11bのピントを合わせた場合、CCD11aとCCD11bが位置検出パターン部材4の位置検出線4aの画像を光電変換した画像は、位置検出線4aの画素+αの位置の画像、すなわち、図1に示すように、少しずれた位置で位置検出パターン部材4の表面を読み取ることになる。したがって、画像読取ユニット3a、3b毎に、位置検出パターン部材4の異なる位置を読み取る必要があり、この読み取り位置に合わせた状態で、2本の位置検出線4aが位置検出パターン部材4に形成されている。
【0017】
画像読み取り装置1は、図1及び図2に示すように、光源6から原稿Gに照射された光が原稿Gで反射され、各画像読み取りユニット3a、3bの第1ミラー13a、13b、第2ミラー14a、14b、第3ミラー15a、15b及びレンズ12a、12bを通して、CCD11a、11bに集光して、CCD11a、11bが入射光を光電変換する。
【0018】
このとき、図1に示すように、画像読み取りユニット3aのCCD11aと画像読み取りユニット3bのCCD11bとは、原稿Gの主走査方向中央部において、双方で重なる画像部分(以下、単に、画像重複部分という。)を読み取ることとなるため、画像読み取り装置1は、この画像重複部分の所定の位置を繋ぎ合わせ位置として、CCD11aの読み取った画像とCCD11bの読み取った画像を繋ぎ合わせることで、あたかも1本のCCDで読み取ったかのような画像としている。
【0019】
画像読み取り装置1は、このCCD11aとCCD11bが原稿Gを読み取ったときの画像の繋ぎ合わせ位置を補正する機能を備えている。具体的には、まずCCD11aとCCD11bを搭載したキャリッジが停止している状態で、CCD11aとCCD11bが初期設定用繋ぎ目画素測定原稿Ga(図8参照)を読み取ったときの繋ぎ画素位置及び位置検出パターン部材4の位置検出線4aを読み取った初期位置検出線画素位置(初期パターン画素位置)を不揮発性メモリに記憶する。そして、画像読取装置1は、キャリッジを移動させて原稿Gの画像を読み取るときに、該原稿Gの読み取りと共に位置検出パターン部材4の位置検出線4aを読み取って、該位置検出線4aの読み取り結果と不揮発性メモリの繋ぎ画素位置及び初期位置検出線画素位置に基づいて、画像の繋ぎ合わせ位置を補正する。このような繋ぎ合わせ位置の補正を必要とする変動は、画像読み取りユニット3a、3bの副走査方向への搬送移動等を起因とし、第1ミラー13a、13b等がたわむこと等によって生じる。
【0020】
そして、画像読み取り装置1は、図6に示すように、制御部21、タイミング信号発生回路22、上記CCD11a、11b、アナログ処理・A/D変換回路23a、23b、副走査遅延回路24、主走査読み取り位置判断回路25、主走査DPI変換回路26、主走査繋ぎ回路27、画像処理回路28、キャリッジ位置センサ29、原稿サイズセンサ30、圧板開閉センサ31、操作表示部32、モータドライバ33、キャリッジ駆動モータ34及び上記光源6等を備えている。
【0021】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit )、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及び画像形成装置1の電源が切られているときにも記憶内容を保持するEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM )やハードディスク等の不揮発性メモリ等を備えており、ROM内には、画像処理装置1としての基本プログラムやCCD11aとCCD11bの読み取り画像の繋ぎ位置及び周辺画素を補正する本発明の読み取り画像補正処理プログラム及び必要なデータが予め格納されている。
【0022】
システム制御部21は、CPUがROM内のプログラムに基づいてRAMをワークメモリとして利用しつつ、画像読み取り装置1の各部の動作を制御して、画像読み取り装置1としての基本動作を実行させるとともに、CCD11aとCCD11bの読み取り画像の繋ぎ位置及び周辺画像を補正する本発明の読み取り画像補正処理を実行する。
【0023】
すなわち、画像読み取り装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Versatile Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の画像読み取り方法を実行する画像読み取りプログラムを読み込んでROMやハードディスクに導入することで、後述するキャリッジの移動に伴う繋ぎ目位置の変動及び周辺画像を補正して高品質の画像補正処理を行う画像読み取り方法を実行する画像読み取り装置として構築されている。この画像読み取りプログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
【0024】
タイミング信号発生回路22は、制御部21からの制御下で、CCD11a、11b、アナログ処理・A/D変換回路23a、23b及び副走査遅延回路24に所定のタイミング信号を出力する。
【0025】
CCD11aとCCD11bは、タイミング信号発生回路22からのタイミング信号に同期して、原稿Gからの反射光を光電変換して、アナログの画像信号をアナログ処理・A/D変換回路23a、23bに出力する。
【0026】
アナログ処理・A/D変換回路23a、23bは、タイミング信号発生回路22からのタイミング信号に基づいて、アナログの画像信号に必要な信号処理を施した後、デジタル変換して副走査遅延回路24に出力し、副走査遅延回路24は、画像読み取りユニット3a、3b毎にラインバッファを有して、制御部21からの制御下で、タイミング信号発生回路22からのタイミング信号に基づいて画像読み取りユニット3a、3b間の副走査ずれ量の制御及び主走査のdpi変換ラインを合わせる処理を行う。
【0027】
主走査読み取り位置判断回路25は、位置検出パターン部材4の位置検出線4aの読み取り画素から位置検出線4aの画素位置(位置検出線画素位置)PGの特定と、実際にCCD11aとCCD11bの出力画素の繋ぎ合わせ目の画素である繋ぎ目画素TGの位置ずれの算出を行い、主走査DPI変換回路26に位置ずれ情報を渡す。
【0028】
主走査DPI変換回路(主走査dpi変換回路)26は、画像読み取りユニット3a、3b毎にラインバッファを有し、該当ラインに対する副走査遅延回路24からの画素(画情報)と主走査読み取り位置判断回路25からの繋ぎ目画素TGの位置ずれ情報をもとに、制御部21によって制御される補正開始画素と繋ぎ目画素間でdpi変換を実施して主走査繋ぎ回路27に出力する。
【0029】
主走査繋ぎ回路(繋ぎ合わせ手段)27は、主走査DPI変換回路26からの画像データを、位置ずれ情報に基づいて1ラインデータに並べ替えを行い、画像処理回路28に画像データを渡す。
【0030】
画像処理回路28は、主走査繋ぎ回路27の繋ぎ合わせた1ライン分の画像データに対して、必要な画像処理を施して、後段の回路に出力する。
【0031】
キャリッジ位置センサ29は、反射型または透過型の光センサ等が用いられ、CCD11aとCCD11b、ミラー13a、13b〜15a、15b、レンズ12a、12b、折り返しミラー5及び光源6等を搭載するキャリッジの副走査方向の位置を検出して、検出結果を制御部21に出力する。
【0032】
原稿サイズセンサ30は、コンタクトガラス2上にセットされた原稿Gのサイズを検出し、検出結果を制御部21に出力する。
【0033】
圧板開閉センサ31は、読み取り対象の原稿Gの載置されるコンタクトガラス2の上面を開閉可能に覆う圧板(図示略)の開閉を検出し、検出結果を制御部21に出力する。
【0034】
操作表示部32は、複写装置1を操作するのに必要な各種キーを備えるとともに、ディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)やLED等のランプを備えている。操作表示部32は、操作キーから、画像読み取り装置1を利用した原稿読み取り処理等の各種処理に必要な各種操作や後述するように読み取り補正処理での各種操作が行われ、ディスプレイに、操作キーから入力された命令内容や画像読み取り装置1からオペレータに通知する各種情報を表示する。
【0035】
モータドライバ33は、キャリッジ駆動モータ34に接続され、制御部21の制御下で、キャリッジ駆動モータ34を駆動させて、画像読取ユニット3a、3b、折り返しミラー5及び光源6を搭載するキャリッジを副走査方向に所定速度で移動させる。上記モータドライバ33及びキャリッジ駆動モータ34は、全体として、走査駆動手段として機能している。
【0036】
次に、本実施例の作用について説明する。本実施例の画像読み取り装置1は、複数のイメージセンサアレイであるCCD11a、11bの繋ぎ部分の画像のずれをより精度良く補正する。
【0037】
すなわち、画像読み取り装置1は、光源6からコンタクトガラス2上にセットされた原稿Gに、副走査方向に移動されるキャリッジに搭載されている光源6から読み取り光を照射し、原稿Gで反射された読み取り光の反射光を、画像読み取りユニット3a及び画像読み取りユニット3bの第1ミラー13a、13b、第2ミラー14a、14b、第3ミラー14a、14bで順次反射して、レンズ12a、12bで、それぞれのCCD11a及びCCD11bに集光して、CCD11a、11bが光電変換したアナログの画像信号をアナログ処理・A/D変換回路23a、23bに出力する。画像読み取り装置1は、CCD11aとCCD11bの光電変換したデジタルの画像データを最終的に、主走査繋ぎ回路27で所定の繋ぎ位置で繋ぎ合わせて1つのCCDで読み取ったような画像データとする。
【0038】
ところで、画像読み取り装置1においてキャリッジが副走査方向に移動すると、このキャリッジの移動に伴って画像読み取りユニット3a及び画像読み取りユニット3bのミラー13a、13b、14a、14b、15a、15bに振動が発生する。この振動により、レンズ12a、12を通してCCD11a及びCCD11bに入射される原稿G上の画像の位置が、主走査方向に変動する。このような変動が起こるため、主走査繋ぎ回路27がCCD11aの画像データとCCD11bの画像データを、予め設定されている繋ぎ位置で繋ぎ合わせると、画像劣化が発生する。
【0039】
そこで、本実施例の画像読み取り装置1は、画像読み取りユニット3aと画像読み取りユニット3bの間に、CCD11aとCCD11bの画像の繋ぎ位置を該副走査方向に延在する2本の位置検出線4aの施されている位置検出パターン部材4を副走査方向に延在する状態で配設し、原稿Gを読み取る前のキャリッジが静止している状態でCCD11aとCCD11bによって位置検出部材4の位置検出線4aを検出するとともに、初期設定用繋ぎ目画素測定原稿Gaの繋ぎ目位置ラインLaを検出して、繋ぎ目位置ラインLaの画素位置として、制御部21の不揮発性メモリ等に記憶して、キャリッジを移動させて原稿Gの読み取る際に、リアルタイムに、位置検出部材4の位置検出線4aの検出を行なって、不揮発性メモリに記憶されている繋ぎ目位置ラインLaの画素位置との相違に基づいてCCD11aとCCD11bの読み取った画像の繋ぎ位置補正と画像補正を行う。
【0040】
そして、画像読み取り装置1は、まず、図7に示すように、原稿Gの読み取り前に繋ぎ目位置と該繋ぎ目位置を読み取ったCCD11a、11bの画素を取得して記憶する初期状態測定処理を行う。
【0041】
すなわち、画像読み取り装置1は、図7に示すように、原稿Gの読み取り前に、コンタクトガラス2上に、図8に示すような初期設定用繋ぎ目画素測定原稿Gaをセットし、制御部21が、モータドライバ33を介してキャリッジ駆動モータ34の駆動を開始させて、低速度制御状態に制御して駆動させる(ステップS101)。この初期設定用繋ぎ目画素測定原稿(基準原稿)Gaは、図8に示すように、該初期設定用繋ぎ目画素測定原稿Gaのコンタクトガラス2上への突き当て端部位置から、副走査方向には、10mm間隔に、0.5mm幅の線が引かれており、主走査方向には、突き当て端部と繋ぎ目位置ラインLaの前後が5mm間隔、その他が、10mm間隔で、0.5mm幅の線が引かれているとともに、主走査方向の端面から210mmの位置を繋ぎ目位置として、該繋ぎ目位置には、1mm幅の線が繋ぎ目位置ラインLaとして記載されている。
【0042】
制御部21は、キャリッジ位置センサ29からの信号を監視してキャリッジ位置センサ29の出力が変化、例えば、H(ハイ)状態からL(ロー)状態に変化したかチェックする(ステップS102)。
【0043】
ステップS102で、キャリッジ位置センサ29の出力が変化しないときには、制御部21は、キャリッジ駆動モータ34等のキャリッジ駆動系に異常があると判断して、キャリッジ駆動モータ34の駆動をオフ(OFF)として、操作表示部32のディスプレイに異常が発生した旨のエラー表示を行って処理を終了する(ステップS103)。
【0044】
ステップS102で、キャリッジ位置センサ29の出力が変化(例えば、HからLへ変化)すると、制御部21は、キャリッジが移動していると判断して、キャリッジを予め繋ぎ目位置を検出する位置検出パターン部材4の初期状態測定位置まで移動させるために、キャリッジ位置センサ29のON/OFF変化をカウントする位置カウンタAのカウントを開始する。そして、制御部21は、位置カウンタAのカウント値が初期状態測定位置を示しているカウント数nになると、キャリッジ駆動モータ34の駆動を停止させる(ステップS104)。
【0045】
制御部21は、キャリッジの移動を停止させると、画像読み取りユニット3a及び画像読み取りユニット3bのCCD11a及びCCD11bによる初期設定用繋ぎ目画素測定原稿Gaの繋ぎ目位置ラインLa及び位置検出パターン部材4の位置検出線4aの読み取り結果から、繋ぎ目位置ラインLaを読み取ったCCD11a及びCCD11bの画素位置を繋ぎ目位置TGとして取得するとともに、位置検出線4aを検出したCCD11a及びCCD11bの画素(以下、位置測定画素という。)PG0の測定を行い(ステップS105)、初期状態での繋ぎ目位置画素TG0と位置測定画素PG0を不揮発性メモリに記憶して、初期設定状態測定処理を終了する(ステップS106)。
【0046】
次に、通常の原稿Gの読み取り時には、画像読み取り装置1は、原稿Gの画像を読み取るとともに、位置検出パターン部材4の位置検出線4aを読み取って、位置検出線4aを読み取ったときの位置測定画素PG1と不揮発性メモリに記憶した初期状態での位置測定画素PG0及び繋ぎ目位置画素TG0に基づいて、原稿Gを読み取っているときの実読み取り時の繋ぎ目位置画素TG1を、初期状態での繋ぎ目位置画素TG0からの変動量を求めて、原稿Gの読み取り画像の補正を行う。
【0047】
すなわち、画像読み取り装置1は、図9に示すように、読み取り対象の原稿Gがコンタクトガラス2上にセットされてスタートキーが操作されると、制御部21が、モータドライバ33を介してキャリッジ駆動モータ34を低速駆動制御状態で駆動させてキャリッジの副走査方向への低速移動を開始させ(ステップS201)、キャリッジ位置センサ29からの信号を監視してキャリッジ位置センサ29の出力が変化、例えば、H(ハイ)状態からL(ロー)状態に変化したかチェックする(ステップS202)。
【0048】
ステップS202で、キャリッジ位置センサ29の出力が変化しないときには、制御部21は、キャリッジ駆動モータ34等のキャリッジ駆動系に異常があると判断して、キャリッジ駆動モータ34の駆動をオフ(OFF)として、操作表示部32のディスプレイに異常が発生した旨のエラー表示を行って処理を終了する(ステップS203)。
【0049】
ステップS202で、キャリッジ位置センサ29の出力が変化(例えば、HからLへ変化)すると、制御部21は、キャリッジが移動していると判断して、各画像読み取りユニット3a、3bのCCD11a、11bによる位置検出パターン部材4の位置検出線4aを読み取った実読み取り時の位置測定画素PG1をライン毎に測定し、次式(1)を用いて実読み取り時の繋ぎ目位置画素TG1を算出する(ステップS204)。
【0050】
【数1】

【0051】
なお、式(1)において、+、−の符号は、(PG1−PG0)の符号によって決定される。
【0052】
制御部(初期設定手段)21は、実読み取り時の繋ぎ目位置画素TG1を算出すると、各画像読み取りユニット3a、3bのCCD11a及びCCD11bの読み取った原稿Gの画像の位置補正を画素毎にdpi変換することで行って、画像補正処理を終了する(ステップS205)。
【0053】
制御部21は、このdpi変換処理を主走査DPI変換回路26に行わせる。すなわち、主走査DPI変換回路26は、画像データの主走査方向に隣り合うある4画素を、図10に白丸で示すように、X(i)、X(i+1)、X(i+2)、X(i+3)としたときに、4つの参照画素から、各画素X(i)、X(i+1)、X(i+2)、X(i+3)の間に7つの補間画素を生成する。
【0054】
このとき、主走査DPI変換回路26は、補間画素の値σ(r)を、補間係数hを用いて、公知の式である次式(2)により算出する。補間係数hは、3次関数コンボリューション法により生成されている。
【0055】
σ(n)=(X(i)×h(1+r)+X(i+1)×h(r)+X(i+2)
×h(1−r)+X(i+3)×h(2−r))
/(h(1+r)+h(r)+h(1−r)+h(2−r))・・・(2)
原稿Gを読み取った基の画素とこの式(2)で生成された補間画素を含めた画像データは、基の画像データ量の8倍になる。そして、主走査DPI変換回路26は、変倍率から異なる変倍制御データを参照して、出力する画素を選択し、出力データを生成する。保管係数hは、図11に示す補間係数テーブルTb1から、パラメータn、rによって与えられる。
【0056】
画像読み取り装置1は、上記dpi変換を行うと、主走査繋ぎ回路27によるCCD11aの読み取った原稿Gの画像データとCCD11bの読み取った原稿Gの画像データとの読み取り位置補正を行なって、CCD11aの読み取った画像データとCCD11bの読み取った画像データとの繋ぎ合わせを行う。
【0057】
この場合、主走査繋ぎ回路27は、図12に示すように、補正前の主走査ずれ画素数が、光軸の中心(光源の中心画素を、0%)に対する読み取り位置に応じて変化する場合(100%の位置が繋ぎ目の画素とした場合)、補正開始位置を、30%の位置、36%の位置、45%の位置、55%の位置等と設定した場合に、補正後ずれ量が変化することから、要求される画質等を考慮して、補正開始位置を適宜設定して繋ぎ位置を補正する。
【0058】
すなわち、図12では、光軸中心に対して、繋ぎ目画素位置においてTG1にずれた分の補正を行なって、補正開始位置が、30%、36%であると、主走査ずれ画素がマイナス側にまで補正されて、最終的に、繋ぎ位置TG0の位置に補正されるが、補正開始位置が、45%、55%であると、主走査ずれ量がプラスの状態で最終的に繋ぎ位置TG0に補正されている状態が示されている。したがって、各CCD11a、11bで繋ぎ目に対して補正することにより、繋ぎ目の画素としては、原稿Gに対しては、同じ画素位置で読み取ることができる。
【0059】
画像読み取り装置1は、主走査繋ぎ回路27が繋ぎ合わせた画像データを画像処理回路28で必要な画像処理を施した後、後段の回路に出力する。
【0060】
なお、上記説明においては、位置検出パターン部材4の位置検出線4aとして、CCD11aとCCD11bのそれぞれに対応させて2本の位置検出線4aを形成している。これは位置検出パターン部材4の上面位置をCCD11a及びCCD11bのピント位置に合わせた場合に、正確に位置検出線4aを検出するためであるが、位置を検出するという観点においては、位置検出線4aは2本に限るものではなく、例えば、図13に示すように、1本の位置検出線4aを位置検出パターン部材4に形成してもよい。この場合、1本の位置検出線4aを形成した位置検出パターン部材4を、図14に示すように、CCD11a及びCCD11bのピント位置からずらして配置する。
【0061】
このようにすると、画像読み取り装置1に要求される画像精度に応じて部品精度を緩和することができ、コストを安価なものとすることができる。
【0062】
また、画像読み取り装置1は、図15に示すように、折り返しミラー(折り返し反射部材)5に、遮光部材51を取り付けた折り返しミラー部50を配設してもよい。すなわち、図15(a)に示すように、位置検出パターン部材4の位置検出線4a部分からの光以外の外部からの光(迷光)が折り返しミラー5に入射する部分の領域部分、すなわち、図15(b)に示すように、折り返しミラー5の両端部分及び中央部分に遮光部材51を配設して、迷光が入射することを防止した折り返しミラー部50としてもよい。
【0063】
このようにすると、位置検出パターン部材4の位置検出線4aからの光を画像読み取りユニット3a及び画像読み取りユニット3bへ反射する折り返しミラー部50の折り返しミラー5に迷光が入射することを防止して、位置検出線4aの検出精度を向上させることができ、繋ぎ位置の位置ずれ補正精度を向上させることができる。
【0064】
さらに、画像読み取り装置1は、図16(a)に示すように、折り返しミラー5を位置検出パターン部材4に対して所定角度傾斜させて配置してもよい。この場合、折り返しミラー5は、位置検出パターン部材4に対して、図16(b)に示すように、位置検出パターン部材4の読み取り光軸と光源6の角度を25度以上とすることが好適である。
【0065】
このようにすると、位置検出パターン部材4に対する光源6からの正反射成分の影響を防止することができ、位置検出パターン部材4上の位置検出線4aの検出精度を向上させることができる。
【0066】
また、上記説明においては、主走査方向のイメージセンサであるCCD11a、11bの繋ぎ位置部分の画像のずれを検出して補正する場合について説明したが、副走査方向についても繋ぎ位置部分の画像のずれを検出して補正するようにしてもよい。
【0067】
この場合、例えば、図17に示すような位置検出パターン部材40を用いる。位置検出パターン部材40は、図17に示すように、位置検出パターン部材4と同様の副走査方向に延在する主走査方向の画像ずれを検出するための主走査位置検出線40aと主走査位置検出線40aに対して所定角度、例えば、45度傾斜する状態であって所定太さ(例えば、主走査位置検出線40aと同じ太さ)の2本の副走査位置検出線40bが施されており、2本の副走査位置検出線40bは、2本の主走査位置検出線40aの中間が交点となる状態で施されている。
【0068】
そして、画像読み取り装置1は、主走査繋ぎ回路27が、キャリッジ駆動モータ34によってキャリッジを副走査方向に移動させて、光源6から原稿Gに照射された光の反射光を該キャリッジの搭載する縮小光学手段でCCD11a及びCCD11bに導入して該原稿Gの画像を読み取るとともに、繋ぎ位置検出用光源6から位置検出パターン部材40に照射して折り返しミラー5で反射されて縮小光学手段でCCD11a及びCCD11bに導入された主走査位置検出線40aの画像からCCD11a及びCCD11bの画像の繋ぎ位置を補正し、かつ、図17の副走査位置検出線40bの施されている副走査補正位置(図17に一点鎖線で示す位置)で、繋ぎ位置検出用光源6から位置検出パターン部材40に照射して折り返しミラー5で反射されて縮小光学手段でCCD11a及びCCD11bに導入された副走査位置検出線40bの画像からCCD11a及びCCD11bの画像の繋ぎ位置(副走査方向の繋ぎ位置)を補正する。
【0069】
この場合、主走査繋ぎ回路27は、副走査位置検出線40bが主走査位置検出線40aに対して45度の角度に施されているため、副走査位置検出線40bと主走査位置検出線40aの差を、そのまま副走査位置として使用することができる。
【0070】
すなわち、副走査位置検出線40bが、副走査方向に対して、45度の傾斜角度を有している場合、例えば、図18に示すように、理想のCCD11a、11bの位置に対して、実際に測定した位置がずれることとなり、主走査繋ぎ回路27が、この位置ずれに基づいて、CCD11a及びCCD11bの画像の繋ぎ位置(副走査方向の繋ぎ位置)を補正することができる。この場合、CCD11a、11bの移動量が主走査位置の移動量として表されるため、理想の検出位置は、移動量=観測距離となるが、実際のCCD11a、11bの移動量である観測距離と理想の検出位置との差がずれ量として表されている。
【0071】
そして、主走査繋ぎ回路27は、観測距離と理想の検出位置との差であるずれ量を、それぞれのCCD11a、11b毎に算出して、いずれかのCCD11a、11bのずれ量に合うように、例えば、図19に示すように、CCD11aのずれ量に合うようにCCD11bのずれ量を補正して、繋ぎ位置を補正する。また、主走査繋ぎ回路27は、観測距離と理想の検出位置との差であるずれ量を、それぞれのCCD11a、11b毎に算出して、それぞれのCCD11a、11bのずれ量を理想の検出位置に合うように、例えば、図20に示すように、CCD11aとCCD11bのずれ量を、理想の検出位置に合うように補正して、繋ぎ位置を補正する。
【0072】
主走査繋ぎ回路27は、具体的には、図21に示すように副走査方向に画素移動することで、ずれ量の補正を行う。例えば、主走査繋ぎ回路27は、補正に必要なラインバッファを備えており、補正するずれ量をCCD11aとCCD11bとの隣接画素の移動値とする。そして、主走査繋ぎ回路27は、図21に示すように、補正LINEを補正LINE−1と比較して、1LINE以上は移動させないという制限を設けて、移動先に補正LINE−1の処理で画素が埋め込まれていた場合、重なる画素が生じる移動先が補正LINE−1の処理と画素欠けが生じてしまうことがあるが、いずれの場合も対象補正LINEのデータを埋め込む、または、平均値を埋め込む。この場合、補正開始画素は、任意に決めることができる。
【0073】
また、位置検出パターン部材40は、図17に示したような主走査位置検出線40aに対して、対称の線が1組のみ形成されているものに限るものではなく、例えば、図22に示すように、2本の主走査位置検出線40aに対して、図17と同様の所定角度、例えば、45度傾斜した副走査位置検出線40bが、所定間隔空けて副走査方向全体にわたって形成されていてもよいし、図23に示すように、1本の主走査線位置検出線40aに対して、所定角度、例えば、45度傾斜した副走査位置検出線40bが、所定間隔空けて副走査方向全体にわたって形成されていてもよい。また、位置検出パターン部材40は、図24に示すように、所定本数(図24では、1本)の主走査位置検出線40aに対して、非対称な副走査位置検出線40bが形成されていてもよい。
【0074】
このように、本実施例の画像読み取り装置1は、主走査方向に延在する複数のCCD(イメージセンサアレイ)11a及びCCD11bを有する画像読み取りユニット(画像読み取り手段)3a及び画像読み取りユニット3bの各CCD11a及びCCD11bに、光源6から原稿Gに照射された光の反射光を第1ミラー13a、13b、第2ミラー14a、14b、第3ミラー15a、15b及びレンズ12a、12bからなる縮小光学手段で縮小して導入し、各CCD11a及びCCD11bの光電変換した画像信号を所定の繋ぎ位置で繋ぎ合わせる場合に、該繋ぎ位置に対応する位置を示す位置検出線(位置検出パターン)4aが副走査方向に直線状に形成されている位置検出パターン部材(位置検出部材)4を、原稿Gに光を照射する光源6よりも画像読み取りユニット3a及び画像読み取りユニット3b側に副走査方向に延在して配設し、該位置検出パターン部材4に光を照射する光源(繋ぎ位置検出用光源)6と、該光源6から位置検出パターン部材4に照射した光の反射光を位置検出パターン部材4の位置検出線4aに基づいて繋がれる2つのCCD11a及びCCD11bの繋ぎ位置を挟んだ所定幅の画像重複領域に反射させる折り返しミラー(折り返し反射部材)5と、原稿Gに光を照射する光源6と、縮小光学手段とを搭載するキャリッジ(走行体)をキャリッジ駆動モータ34によって副走査方向に移動させて、光源6から原稿Gに照射された光の反射光を該縮小光学手段で該各CCD11a及びCCD11bに導入して該原稿Gの画像を読み取るとともに、該繋ぎ位置検出用光源6から位置検出パターン部材4に照射して折り返しミラー5で反射されて縮小光学手段で各CCD11a及びCCD11bに導入された位置検出線4aの画像から各CCD11a及びCCD11bの画像の繋ぎ位置を主走査繋ぎ回路27で補正している。
【0075】
したがって、実際に原稿Gを読み取っているときにおいても、位置検出パターン部材4の位置検出線4aを読み取って、縮小光学手段のミラー13a、13b〜15a、15bの振動によるCCD11aとCCD11bの画像の繋ぎ位置の変動及び画像読み取り位置の変動を検出することができ、CCD11aとCCD11bの画像の繋ぎ位置及び読み取り画像を正確に補正して画像品質を向上させることができる。
【0076】
また、本実施例の画像読み取り装置1は、主走査方向に延在して複数のCCD(イメージセンサアレイ)11a、11bが配設されている画像読み取りユニット(画像読み取り手段)3aの該各CCD11a、11bで、入射光を画像信号に光電変換するとともに、少なくとも主走査方向で繋ぎ位置を挟んだ所定領域を画像重複領域として原稿Gの画像を重複して読み取る画像読み取り処理ステップと、原稿Gに読み取り光を照射する光源6よりも画像読み取りユニット3a側に副走査方向に延在して配設され、前記繋ぎ位置に対応する位置を示す位置検出線(位置検出パターン)4aが副走査方向に直線状に形成されている位置検出パターン部材(位置検出部材)4に所定の光源(繋ぎ位置検出用光源)6から照射される光の反射光を、折り返しミラー(折り返し反射部材)5で、該位置検出パターン部材4の位置検出線4aに基づいて画像が繋がれる2つのCCD11a、11bの前記画像重複領域に反射させる折り返し反射処理ステップと、原稿Gに光を照射する光源6、該原稿Gでの反射光を縮小して各CCD11a、11bに導入する縮小光学手段、前記繋ぎ位置検出用光源6及び前記折り返しミラー5を搭載するキャリッジ(走行体)を副走査方向に移動させる副走査駆動処理ステップと、前記副走査駆動処理ステップでキャリッジを移動させつつ前記画像読み取り処理ステップで、画像読み取りユニット3aの各CCD11a、11bが原稿Gからの反射光及び位置検出パターン部材4の反射光を画像信号に光電変換して、該位置検出パターン部材4の画像信号に基づいて前記繋ぎ位置を補正して、補正後の該繋ぎ位置で該原稿Gの画像信号を繋ぎ合わせる繋ぎ合わせ処理ステップと、を有する画像読み取り方法を実行している。
【0077】
したがって、実際に原稿Gを読み取っているときにおいても、位置検出パターン部材4の位置検出線4aを読み取って、縮小光学手段のミラー13a、13b〜15a、15bの振動によるCCD11aとCCD11bの画像の繋ぎ位置の変動及び画像読み取り位置の変動を検出することができ、CCD11aとCCD11bの画像の繋ぎ位置及び読み取り画像を正確に補正して画像品質を向上させることができる。
【0078】
さらに、本実施例の画像読み取り装置1は、コンピュータに、主走査方向に延在して複数のCCD(イメージセンサアレイ)11a、11bが配設されている画像読み取りユニット(画像読み取り手段)3aの該各CCD11a、11bで、入射光を画像信号に光電変換するとともに、少なくとも主走査方向で繋ぎ位置を挟んだ所定領域を画像重複領域として原稿Gの画像を重複して読み取る画像読み取り処理と、原稿Gに読み取り光を照射する光源6よりも画像読み取りユニット3a側に副走査方向に延在して配設され、前記繋ぎ位置に対応する位置を示す位置検出線(位置検出パターン)4aが副走査方向に直線状に形成されている位置検出パターン部材(位置検出部材)4に所定の光源(繋ぎ位置検出用光源)6から照射される光の反射光を、折り返しミラー(折り返し反射部材)5で、該位置検出パターン部材4の位置検出線4aに基づいて画像が繋がれる2つのCCD11a、11bの前記画像重複領域に反射させる折り返し反射処理と、原稿Gに光を照射する光源6、該原稿Gでの反射光を縮小して各CCD11a、11bに導入する縮小光学手段、前記繋ぎ位置検出用光源6及び前記折り返しミラー5を搭載するキャリッジ(走行体)を副走査方向に移動させる副走査駆動処理と、前記副走査駆動処理でキャリッジを移動させつつ前記画像読み取り処理で、画像読み取りユニット3aの各CCD11a、11bが原稿Gからの反射光及び位置検出パターン部材4の反射光を画像信号に光電変換して、該位置検出パターン部材4の画像信号に基づいて前記繋ぎ位置を補正して、補正後の該繋ぎ位置で該原稿Gの画像信号を繋ぎ合わせる繋ぎ合わせ処理と、を実行させる画像読み取りプログラムを搭載している。
【0079】
したがって、実際に原稿Gを読み取っているときにおいても、位置検出パターン部材4の位置検出線4aを読み取って、縮小光学手段のミラー13a、13b〜15a、15bの振動によるCCD11aとCCD11bの画像の繋ぎ位置の変動及び画像読み取り位置の変動を検出することができ、CCD11aとCCD11bの画像の繋ぎ位置及び読み取り画像を正確に補正して画像品質を向上させることができる。
【0080】
また、本実施例の画像読み取り装置1は、画像読み取りユニット3a、3bが、少なくともCCD11a、11bの画像の繋ぎ位置を示す繋ぎ線である繋ぎ目位置ラインLaが記載されている初期設定用繋ぎ目画素測定原稿(基準原稿)Gaをキャリッジが停止している状態でCCD11a、11bが該繋ぎ目位置ラインLaを読み取った画素位置である繋ぎ目画素位置TG0と、位置検出パターン部材4の位置検出線4aを読み取った位置測定画素位置(初期パターン画素位置)PG0を、制御部(初期設定手段)21が、不揮発性メモリに記憶させ、主走査繋ぎ回路27が、原稿読み取り時に、位置検出パターン部材4の位置検出線4aを読み取ったCCD11a、11bの実読み取り時の繋ぎ目位置(原稿読み取り時パターン画素位置)TG1と不揮発性メモリのつなぎ目画素位置TG0及び位置測定画素位置(初期パターン画素位置)PG0に基づいて、繋ぎ位置を補正している。
【0081】
したがって、キャリッジが停止しているときとキャリッジが移動しているときとの繋ぎ位置の変動をより一層正確に測定することができ、CCD11aとCCD11bの画像の繋ぎ位置及び読み取り画像をより一層正確に補正して画像品質を向上させることができる。
【0082】
さらに、本実施例の画像読み取り装置1は、光源6が、主走査方向に延在して原稿Gに光を照射するライン状の無指向性の光源であって、光源6の光を原稿方向にのみ照射させるブラケット(光源方向設定手段)7を備えており、このブラケット7には、光源6からブラケット7に照射される光の一部を通過させて位置検出パターン部材4に照射させるスリット(検出光通過部)8が形成されている。
【0083】
したがって、1つの光源6を利用して、原稿Gの読み取りと位置検出線4aの検出を行うことができ、安価にCCD11aとCCD11bの画像の繋ぎ位置及び読み取り画像を正確に補正して画像品質を向上させることができる。
【0084】
また、本実施例の画像読み取り装置1は、光源6が、原稿Gの方向へ光を照射する指向性を有するLED等の光源であってもよく、この場合、繋ぎ位置検出用光源としては、位置検出パターン部材4にのみ光を照射する光源を別に設ける。
【0085】
このようにすると、画像処理装置1の小型化と消費電力の削減を行うことができるとともに、安価にCCD11aとCCD11bの画像の繋ぎ位置及び読み取り画像を正確に補正して画像品質を向上させることができる。
【0086】
さらに、本実施例の画像読み取り装置1は、位置検出パターン部材4に、各CCD11a、11bに対応する位置検出線4aがそれぞれ形成されており、折り返しミラー5が、位置検出パターン部材4の位置検出線4aと原稿Gの位置とが同じ光路長となる位置であって、該位置検出線4aの反射光を、該位置検出線4aの対応するCCD11a、11bの無効領域へピントが合った状態で入射させる位置に配置されている。
【0087】
したがって、位置検出パターン部材4の位置検出線4aをCCD11a、11bで正確に検出することができ、正確に繋ぎ位置を補正することができる。
【0088】
また、本実施例の画像読み取り装置1は、位置検出パターン部材4に、1本の位置検出線4aが形成されており、折り返しミラー5が、位置検出線4aと原稿Gの繋ぎ位置となる位置とが一致する位置に配置されている。
【0089】
したがって、画像読み取り装置1に要求される画像精度に応じて部品精度を緩和することができ、安価かつ適切に繋ぎ位置を補正することができる。
【0090】
さらに、本実施例の画像読み取り装置1は、折り返しミラー5が、位置検出パターン部材4の位置検出線4aからの反射光を反射する領域を含む所定領域以外の部分に遮光部材51が施されている。
【0091】
したがって、位置検出パターン部材4の位置検出線4aからの光を画像読み取りユニット3a及び画像読み取りユニット3bへ反射する折り返しミラー部50の折り返しミラー5に迷光が入射することを防止して、位置検出線4aの検出精度を向上させることができ、繋ぎ位置の位置ずれ補正精度を向上させることができる。
【0092】
また、本実施例の画像読み取り装置1は、折り返しミラー5が、位置検出パターン部材4の反射光の光軸に対して繋ぎ位置検出用光源である光源6の光軸が所定角度だけ角度ずれする状態で配設されている。
【0093】
したがって、位置検出パターン部材4に対する光源6からの正反射成分の影響を防止することができ、位置検出パターン部材4上の位置検出線4aの検出精度を向上させることができる。
【0094】
さらに、本実施例の画像読み取り装置1は、位置検出パターン部材40が、各CCD(イメージセンサアレイ)11a、11bの副走査位置を示す副走査位置検出線(副走査位置検出パターン)40bが形成されており、主走査繋ぎ回路(繋ぎ合わせ手段)27が、該各CCD11a、11bが原稿Gからの反射光及び該副走査位置検出線40bの反射光を画像信号に光電変換して、該副走査位置検出線40bの画像信号に基づいて前記繋ぎ位置の副走査位置を補正して、補正後の該繋ぎ位置で該原稿Gの画像信号を繋ぎ合わせている。
【0095】
したがって、実際に原稿Gを読み取っているときにおいても、位置検出パターン部材40の主走査位置検出線40a及び副走査位置検出線40bを読み取って、縮小光学手段のミラー13a、13b〜15a、15bの振動によるCCD11aとCCD11bの画像の主走査方向及び副走査方向における繋ぎ位置の変動及び画像読み取り位置の変動を検出することができ、CCD11aとCCD11bの画像の主走査方向及び副走査方向における繋ぎ位置及び読み取り画像を正確に補正して画像品質をより一層向上させることができる。
【0096】
また、本実施例の画像読み取り装置1は、位置検出パターン部材40の副走査位置検出線40bが、主走査位置検出線40aに対して、所定角度傾斜したライン状のパターンに施されている。
【0097】
したがって、副走査位置検出線40bと主走査位置検出線40aの差を、そのまま副走査位置として使用することができ、処理を簡略化することができる。
【0098】
さらに、本実施例の画像読み取り装置1は、位置検出パターン部材40の副走査位置検出線40bが、該位置検出パターン部材40の副走査方向全域に亘って所定間隔を空けて形成されている。
【0099】
したがって、ライン毎等にCCD11a、11b間の副走査のずれを検出することができ、CCD11a、11b間のずれ量の差を基準とするCCD11a、11bのずれに合わせて部分的にCCD11a、11b間の副走査ずれを補正することができる。
【0100】
また、本実施例の画像読み取り装置1は、主走査位置検出線(繋ぎ合わせ手段)40aは、各CCD(イメージセンサアレイ)11a、11bにおける副走査方向の位置ずれをいずれかの該CCD11a、11bの副走査位置または予め設定されている基準副走査位置に合わせる繋ぎ位置の副走査位置補正を行なっている。
【0101】
したがって、CCD11aとCCD11bの画像の主走査方向及び副走査方向における繋ぎ位置及び読み取り画像を簡単かつ正確に補正して画像品質をより一層向上させることができる。
【0102】
また、上記実施例においては、画像読み取り装置1に適用した場合について説明したが、このような画像読み取り装置1を搭載する画像形成装置に対しても同様に適用することができる。
【0103】
すなわち、上記画像読み取り装置1は、例えば、図25に示すような画像形成装置100に搭載され、画像形成装置100は、本体筐体101内に、給紙部102、搬送部103、画像形成部104、定着部105、排紙部106及び画像読み取り部107等が収納されていて、さらに、手差しトレイ110、原稿台111、排紙トレイ112及び操作部(図示略)等が設けられている。画像形成装置100は、広幅の用紙に対応している。
【0104】
給紙部102には、複数の用紙Pがセットされ、搬送部103は、レジストローラ121等を備えて、給紙部102の適宜の用紙Pをレジストローラ121でタイミング調整した後、画像形成部104に搬送する。また、搬送部103は、手差しトレイ110上にセットされた用紙Pについても、レジストローラ121でタイミング調整した後、画像形成部104に搬送する。
【0105】
画像形成部104は、図25の反時計方向に回転駆動される感光体122を中心として、帯電部、光書き込み部、現像部、転写部、クリーニング部等を備えており、帯電部は、感光体122を一様に帯電(例えば、−1200Vに帯電)させる。画像形成部104は、帯電部により一様に帯電された感光体122に、画像読み取り部107で読み取った原稿の画像データに基づいて点灯制御される光を光書き込み部123が照射することで、光の照射された部分の感光体122の表面の電荷を消滅させて静電潜像を形成して、静電潜像の形成された感光体122に現像部がトナーを付着させてトナー画像を形成する。画像形成部104は、感光体122上に形成したトナー画像を、給紙部102から搬送されてきた用紙Pに転写部で転写し、転写の完了した用紙Pを分離チャージャにより分離して定着部105に搬送する。また、画像形成部104は、転写の完了した感光体122上の残留トナーをクリーニング部でクリーニングし、清浄にクリーニングされた感光体122を除電部で除電した後、帯電部で一様に帯電させて、再度、画像形成に供する。
【0106】
画像形成装置100は、画像形成部104で画像形成して定着部105で定着の完了した用紙Pを、排紙部106により、排紙トレイ112へ排出する。
【0107】
そして、画像形成装置100は、画像読み取り部107として、上記画像読み取り装置1が適用され、この画像読み取り部107は、原稿台111上の原稿を1枚ずつ画像読み取り部107に送って、画像読み取り部107で、静止している原稿の画像を読み取った後、排紙トレイ113上に排出する。画像読み取り部107は、この原稿の読み取り動作において、上記CCD11a、11bを用いるが、CCD11a、11bの移動に伴う画像のずれを上述のように補正する。
【0108】
したがって、画像形成装置100は、画像読み取り部107で読み取った原稿の画像を画像形成部104で画像形成する場合及びコンピュータ等に転送する場合に、読み取り画像の画像品質を向上させて、出力画像の画像品質を向上させることができる。
【0109】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0110】
1 画像読み取り装置
2 コンタクトガラス
3a、3b 画像読み取りユニット
4 位置検出パターン部材
4a 位置検出線
5 折り返しミラー
6 光源
7 ブラケット
8 スリット
11a、11b CCD
12a、12b レンズ
13a、13b 第1ミラー
14a、14b 第2ミラー
15a、15b 第3ミラー
21 制御部
22 タイミング信号発生回路
23a、23b アナログ処理・A/D変換回路
24 副走査遅延回路
25 主走査読み取り位置判断回路
26 主走査DPI変換回路
27 主走査繋ぎ回路
28 画像処理回路
29 キャリッジ位置センサ
30 原稿サイズセンサ
31 圧板開閉センサ
32 操作表示部
33 モータドライバ
34 キャリッジ駆動モータ
50 折り返しミラー部
51 遮光部材
G 原稿
Ga 初期設定用繋ぎ目画素測定原稿
La 繋ぎ目位置ライン
100 画像形成装置
101 本体筐体
102 給紙部
103 搬送部
104 画像形成部
105 定着部
106 排紙部
107 画像読み取り部
110 手差しトレイ
111 原稿台
112 排紙トレイ
113 排紙トレイ
121 レジストローラ
122 感光体
123 光書き込み部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0111】
【特許文献1】特開2005−86406号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主走査方向に延在して複数のイメージセンサアレイが配設され、各イメージセンサアレイが、入射光を画像信号に光電変換するとともに、少なくとも主走査方向で繋ぎ位置を挟んだ所定領域で原稿の画像を重複して読み取る画像重複領域を有する画像読み取り手段と、
原稿に読み取り光を照射する光源よりも前記画像読み取り手段側に副走査方向に延在して配設され、前記繋ぎ位置に対応する位置を示す位置検出パターンが副走査方向に直線状に形成されている位置検出部材と、
所定の繋ぎ位置検出用光源から前記位置検出部材に照射される光の反射光を、該位置検出部材の前記位置検出パターンに基づいて画像が繋がれる2つの前記イメージセンサアレイの前記画像重複領域に反射させる折り返し反射部材と、
原稿に光を照射する前記光源、該原稿での反射光を縮小して前記各イメージセンサアレイに導入する縮小光学手段、前記繋ぎ位置検出用光源及び前記折り返し反射部材を搭載する走行体と、
前記走行体を副走査方向に移動させる副走査駆動手段と、
前記副走査駆動手段によって前記走行体を移動させつつ前記画像読み取り手段の前記各イメージセンサアレイが前記原稿からの反射光及び前記位置検出パターンの反射光を画像信号に光電変換して、該位置検出パターンの画像信号に基づいて前記繋ぎ位置を補正して、補正後の該繋ぎ位置で該原稿の画像信号を繋ぎ合わせる繋ぎ合わせ手段と、
を備えていることを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項2】
前記画像読み取り装置は、
前記画像読み取り手段が、少なくとも前記イメージセンサアレイの画像の繋ぎ位置を示す繋ぎ線が記載されている基準原稿を前記走行体が停止している状態で該イメージセンサアレイが該繋ぎ線を読み取った画素位置である繋ぎ画素位置と、前記位置検出部材の前記位置検出パターンを読み取った画素位置である初期パターン画素位置を不揮発性メモリに記憶させる初期設定手段を備え、
前記繋ぎ合わせ手段は、
前記原稿読み取り時に、前記位置検出パターンを読み取った前記イメージセンサアレイの原稿読み取り時パターン画素位置と前記不揮発性メモリの前記繋ぎ画素位置及び前記初期パターン画素位置に基づいて、前記繋ぎ位置を補正することを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
【請求項3】
前記画像読み取り装置は、
前記光源が、主走査方向に延在して原稿に光を照射するライン状の無指向性の光源であり、
前記光源の光を原稿方向にのみ照射させる光源方向設定手段を備えており、
前記光源方向設定手段は、
前記光源から該光源方向設定手段に照射される光の一部を、透過または通過させて前記位置検出部材に前記繋ぎ位置検出用光源として照射させる検出光通過部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
【請求項4】
前記光源は、
前記原稿方向へ光を照射する指向性を有する光源であり、
前記繋ぎ位置検出用光源は、
前記位置検出部材にのみ光を照射する光源であることを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
【請求項5】
前記位置検出部材は、
前記各イメージセンサアレイに対応する前記位置検出パターンがそれぞれ形成されており、
前記折り返し反射部材は、
前記位置検出部材の前記位置検出パターンと前記原稿の位置とが同じ光路長となる位置であって、該位置検出パターンの反射光を、該位置検出パターンの対応する前記イメージセンサアレイの前記無効領域へピントが合った状態で入射させる位置に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像読み取り装置。
【請求項6】
前記位置検出部材は、
1本の前記位置検出パターンが形成されており、
前記折り返し反射部材は、
前記位置検出パターンと原稿の前記繋ぎ位置となる位置とが前記イメージセンサアレイ上において一致する位置に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像読み取り装置。
【請求項7】
前記折り返し反射部材は、
前記位置検出パターンからの反射光を反射する領域を含む所定領域以外の部分に遮光材が施されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像読み取り装置。
【請求項8】
前記折り返し反射部材は、
前記位置検出部材の反射光の光軸に対して前記繋ぎ位置検出用光源の光軸が所定角度だけ角度ズレする状態で配設されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の画像読み取り装置。
【請求項9】
前記位置検出部材は、
前記各イメージセンサアレイの副走査位置を示す副走査位置検出パターンが形成されており、
前記繋ぎ合わせ手段は、
前記各イメージセンサアレイが前記原稿からの反射光及び前記副走査位置検出パターンの反射光を画像信号に光電変換して、該副走査位置検出パターンの画像信号に基づいて前記繋ぎ位置の副走査位置を補正して、補正後の該繋ぎ位置で該原稿の画像信号を繋ぎ合わせることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の画像読み取り装置。
【請求項10】
前記副走査位置検出パターンは、
前記位置検出パターンに対して、所定角度傾斜したライン状のパターンであることを特徴とする請求項9記載の画像読み取り装置。
【請求項11】
前記副走査位置検出パターンは、
前記位置検出部材の副走査方向全域に亘って所定間隔を空けて形成されていることを特徴とする請求項9または請求項10記載の画像読み取り装置。
【請求項12】
前記繋ぎ合わせ手段は、
前記各イメージセンサアレイにおける副走査方向の位置ずれをいずれかの該イメージセンサアレイの副走査位置または予め設定されている基準副走査位置に合わせる前記繋ぎ位置の副走査位置補正を行なうことを特徴とする請求項9から請求項11のいずれかに記載の画像読み取り装置。
【請求項13】
画像読み取り装置を備えた画像形成装置であって、
前記画像読み取り装置として、請求項1から請求項12のいずれかに記載の画像読み取り装置を搭載していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
主走査方向に延在して複数のイメージセンサアレイが配設されている画像読み取り手段の該各イメージセンサアレイで、入射光を画像信号に光電変換するとともに、少なくとも主走査方向で繋ぎ位置を挟んだ所定領域を画像重複領域として原稿の画像を重複して読み取る画像読み取り処理ステップと、
原稿に読み取り光を照射する光源よりも前記画像読み取り手段側に副走査方向に延在して配設され、前記繋ぎ位置に対応する位置を示す位置検出パターンが副走査方向に直線状に形成されている位置検出部材に所定の繋ぎ位置検出用光源から照射される光の反射光を、折り返し反射部材で、該位置検出部材の前記位置検出パターンに基づいて画像が繋がれる2つの前記イメージセンサアレイの前記画像重複領域に反射させる折り返し反射処理ステップと、
原稿に光を照射する前記光源、該原稿での反射光を縮小して前記各イメージセンサアレイに導入する縮小光学手段、前記繋ぎ位置検出用光源及び前記折り返し反射部材を搭載する走行体を副走査方向に移動させる副走査駆動処理ステップと、
前記副走査駆動処理ステップで前記走行体を移動させつつ前記画像読み取り処理ステップで、前記画像読み取り手段の前記各イメージセンサアレイが前記原稿からの反射光及び前記位置検出パターンの反射光を画像信号に光電変換して、該位置検出パターンの画像信号に基づいて前記繋ぎ位置を補正して、補正後の該繋ぎ位置で該原稿の画像信号を繋ぎ合わせる繋ぎ合わせ処理ステップと、
を有していることを特徴とする画像読み取り方法。
【請求項15】
コンピュータに、
主走査方向に延在して複数のイメージセンサアレイが配設されている画像読み取り手段の該各イメージセンサアレイで、入射光を画像信号に光電変換するとともに、少なくとも主走査方向で繋ぎ位置を挟んだ所定領域を画像重複領域として原稿の画像を重複して読み取る画像読み取り処理ステップと、
原稿に読み取り光を照射する光源よりも前記画像読み取り手段側に副走査方向に延在して配設され、前記繋ぎ位置に対応する位置を示す位置検出パターンが副走査方向に直線状に形成されている位置検出部材に所定の繋ぎ位置検出用光源から照射される光の反射光を、折り返し反射部材で、該位置検出部材の前記位置検出パターンに基づいて画像が繋がれる2つの前記イメージセンサアレイの前記画像重複領域に反射させる折り返し反射処理ステップと、
原稿に光を照射する前記光源、該原稿での反射光を縮小して前記各イメージセンサアレイに導入する縮小光学手段、前記繋ぎ位置検出用光源及び前記折り返し反射部材を搭載する走行体を副走査方向に移動させる副走査駆動処理ステップと、
前記副走査駆動処理ステップで前記走行体を移動させつつ前記画像読み取り処理ステップで、前記画像読み取り手段の前記各イメージセンサアレイが前記原稿からの反射光及び前記位置検出パターンの反射光を画像信号に光電変換して、該位置検出パターンの画像信号に基づいて前記繋ぎ位置を補正して、補正後の該繋ぎ位置で該原稿の画像信号を繋ぎ合わせる繋ぎ合わせ処理ステップと、
を実行させることを特徴とする画像読み取りプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2013−13048(P2013−13048A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−275620(P2011−275620)
【出願日】平成23年12月16日(2011.12.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】